JP2020061972A - チョコレート様食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リファイニング又はコンチング後の製造装置の洗浄性が良好で、かつ、短時間でコンチングを実施できるにも関わらず、工業的に利用可能な加工性(例えばコーティング性)を有し、風味及び食感の良好なチョコレート様食品を製造できる、チョコレート様食品の製造方法を提供すること。【解決手段】チョコレート様食品全体中、油脂を27〜50重量%と、非油溶性固形分49.5〜72.5重量%とを含み、油脂と非油溶性固形分とを合計で90重量%以上含むチョコレート様食品の製造方法であって、油脂を溶融させて溶融物とし、前記油脂の溶融物と前記非油溶性固形分を、40〜80℃の温度下、500〜30000rpmの回転数で攪拌混合しながら、水分量が2重量%以下になるまで減圧処理する工程を含み、チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径が5〜40μmである。【選択図】なし

Description

本発明は、チョコレート様食品の製造方法に関する。
油脂中に非油溶性固形分であるココアパウダー、砂糖、粉乳類等を分散させたチョコレート様食品は、非油溶性固形分が油脂中に溶解せずに分散しているために素材の風味を感じやすく、また、油脂特有の口溶け感を得ることもでき、菓子の中でも代表的なものとして親しまれている。
当該チョコレート様食品を製造するにあたっては、従来、全ての原材料、又は、コンチングの際に事後添加する一部の油脂以外の全ての原材料を配合した後、(1)ロールミルを用いた湿式粉砕によるリファイニング工程、(2)コンチングと言われる混練工程、(3)テンパリングと言われる調温工程、及び(4)成型冷却固化工程、が実施されている。
このようなチョコレート様食品の一般的な製造方法では、リファイニングやコンチング時に使用する製造装置は洗浄性が悪く、チョコレート様食品の品種を切り換える際に必要な、製造装置の洗浄に時間がかかるため、色調や風味の異なる様々な品種を同じ製造装置で順次製造していくことが難しい。また、従来の混練工程では、チョコレート様食品の水分量を1%以下に低減し、工業的に利用可能な加工性(例えばコーティング性)や、良好な風味及び食感を製品に付与するには、半日から1日以上という長い時間をかけてコンチングを行う必要があり、生産性が低い。
特許文献1では、チョコレートの製造における歩留りを良くするために、(A工程)コンチング装置で原料組成物Aをコンチングすることにより中間生産物を得て、該中間生産物をコンチング装置から取り出す、(B工程)A工程後のコンチング装置に残留した中間生産物を、取置き油脂で洗浄することで洗浄物Aを得る、(C工程)中間生産物と洗浄物Aを混合することでチョコレートを得る製造方法が開示されている。この方法によると、製造時の歩留りは向上するものの、煩雑な洗浄作業が必要であり、また、依然として長時間のコンチングが必要であった。
特開2016−2014号公報
本発明の目的は、リファイニング又はコンチング後の製造装置の洗浄性が良好で、かつ、短時間でコンチングを実施できるにも関わらず、工業的に利用可能な加工性(例えばコーティング性)を有し、風味及び食感の良好なチョコレート様食品を製造できる、チョコレート様食品の製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油脂と非油溶性固形分を含むチョコレート様食品を製造するにあたって、油脂と非油溶性固形分の含有量をそれぞれ特定範囲に設定し、かつ両成分の合計含有量も特定量以上とすることに加えて、チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径を特定範囲とし、油脂の溶融物と非油溶性固形分とを、特定の温度下で、特定の回転数で攪拌混合しながら、水分量が特定量以下になるまで減圧処理することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、チョコレート様食品全体中、油脂を27〜50重量%と、非油溶性固形分49.5〜72.5重量%とを含み、油脂と非油溶性固形分とを合計で90重量%以上含むチョコレート様食品の製造方法であって、油脂を溶融させて溶融物とし、前記油脂の溶融物と前記非油溶性固形分を、40〜80℃の温度下、500〜30000rpmの回転数で攪拌混合しながら、水分量が2重量%以下になるまで減圧処理する工程を含み、チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径が5〜40μmであることを特徴とする、チョコレート様食品の製造方法に関する。前記油脂の溶融物と前記非油溶性固形分を混合し、40〜80℃の温度下、500〜30000rpmの回転数で攪拌混合して、撹拌混合物の粘度が10Pa・s以下になってから、前記減圧処理を開始することが好ましい。
本発明に従えば、リファイニング又はコンチング後の製造装置の洗浄性が良好で、かつ、短時間でコンチングを実施できるにも関わらず、工業的に利用可能な加工性(例えばコーティング性)を有し、風味及び食感の良好なチョコレート様食品を製造できる、チョコレート様食品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明におけるチョコレート様食品とは、油脂と非油溶性固形分を主に含み、前記油脂中に前記非油溶性固形分が溶解せずに分散している食品をいう。ただし、チョコレート様食品とは、チョコレートと同様の物理的形態を有する食品を意味し、カカオ風味を有する食品に限定するものではなく、カカオ風味以外の風味を有する食品も含まれる。
チョコレート様食品を製造するために配合する油脂成分としては、食用の油脂であれば特に限定されず、例えば、パーム系油脂、シア脂、サル脂、カカオバター、パーム核油、やし油、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油等の植物油、牛脂、豚脂等の動物脂、魚油、乳脂肪等や、それらの分別油、エステル交換油、極度硬化油等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種以上を配合することが望ましい。本発明では、当該油脂成分として、ラウリン系の代用脂(例えば、パーム核油、ヤシ油や、それらの分別油、エステル交換油、極度硬化油等)を好適に用いることができる。
チョコレート様食品に含まれる油脂が示す上昇融点は10〜45℃が好ましく、12〜42℃がより好ましい。上昇融点が10℃未満ではチョコレート様食品の耐熱保形性が劣って、多くの用途で利用が困難になる場合がある。上昇融点が45℃を超えると、配合した風味素材由来の風味を感じにくくなったり、口溶けが悪化したりする場合がある。ここで、油脂の上昇融点は、基準油脂分析試験法に従って測定することができる。なお、ここでいう油脂の上昇融点とは、配合した油脂成分と、非油溶性固形分に本来含まれている油脂分を合わせて、チョコレート様食品に含まれる油脂全体が示す上昇融点である。
チョコレート様食品に含まれる油脂の含有量は、チョコレート様食品中27〜50重量%が好ましく、30〜45重量%がより好ましく、30〜40重量%が更に好ましい。含有量が27重量%未満では、チョコレート様食品を製造する過程で粘度が高くなりすぎてチョコレート様食品を製造できなかったり、相対的に非油溶性固形分が多くなりすぎ、食した時にざらつきが感じられたり、口溶け感が悪化する場合がある。含有量が50重量%を超えると、チョコレート様食品を溶解させた時の粘度が低くなりすぎ、チョコレート様食品をコーティングする際に厚みが無くなったり、チョコレート様食品の耐熱保形性が低下する場合がある。なお、ここでいう油脂の含有量は、配合した油脂成分と、非油溶性固形分に本来含まれている油脂分を合わせて、チョコレート様食品に含まれる油脂全体が、チョコレート様食品中で占める含有量である。
チョコレート様食品を製造するために配合する非油溶性固形分は、食用として用いられる常温で固形状または粉末状の物質のことであって、実質的に油脂に溶解しない配合物のことを指し、食品、食品添加物を問わない。その種類は特に限定されないが、例えば、カカオマス、ココアパウダーなどのカカオ由来成分、大豆粉、小麦粉、米粉などの穀粉類、ショ糖、果糖、麦芽糖、ブドウ糖、乳糖、トレハロースなどの単糖類や二糖類、デキストリン、各種スターチ、セルロース、増粘多糖類、食物繊維などの多糖類、全粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエーパウダー、ホエー蛋白濃縮物(WPC)、乳蛋白濃縮物(MPC)、乳清ミネラルなどの粉乳類、酵母エキス、昆布エキス、魚醤エキスなどの風味エキス類、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸などの有機酸類、食塩、塩化カリウムなどの塩類、乳酸菌粉末などの乾燥菌類、アミノ酸類、ペプチド類、タンパク質、核酸などの調味素材、抹茶粉末、フルーツパウダー、コーヒーなどの風味素材などが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を配合することが望ましい。
チョコレート様食品にチョコレート風味を付与するには、非油溶性固形分としてカカオマス、ココアパウダーなどのカカオ由来成分を配合することが好ましい。その場合、カカオ由来成分の含有量は、チョコレート様食品全体中3〜70重量%であることが好ましい。
チョコレート様食品に含まれる非油溶性固形分の含有量は、チョコレート様食品全体中49.5〜72.5重量%が好ましく、55〜70重量%がより好ましく、60〜70重量%が更に好ましい。含有量が49.5重量%未満では相対的に油脂量が多くなり、チョコレート様食品を溶解させた時の粘度が低くなりすぎ、チョコレート様食品をコーティングする際に厚みが無くなったり、チョコレート様食品の耐熱保形性が低下したりする場合がある。含有量が72.5重量%を超えると、チョコレート様食品を製造する過程で粘度が高くなりすぎてチョコレート様食品を製造できなかったり、食した時に非油溶性固形分のざらつきが感じられたり、口溶けが悪化する場合がある。なお、ここでいう非油溶性固形分の含有量は、配合した非油溶性固形分がそれ本来の油脂分を含んでいる場合には、当該油脂分の重量を除外して算出した、油脂分以外の非油溶性固形分がチョコレート様食品中で占める含有量である。除外した油脂分の重量は、前述したように油脂の含有量に含める。
前記油脂と前記非油溶性固形分の合計含有量は、チョコレート様食品全体中90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましく、98重量%以上がさらに好ましい。合計含有量が90重量%より少ないと、チョコレート様食品の物性や風味の面で問題が起きる場合がある。
チョコレート様食品には、前記油脂と前記非油溶性固形分以外の成分を配合してもよい。そのような成分としては特に限定されないが、例えば、グリセリン、液糖などの水溶性液体や乳化剤、香料成分等が挙げられる。
チョコレート様食品中で測定される前記非油溶性固形分の平均粒径は、5〜40μmが好ましく、8〜35μmがより好ましく、8〜30μmが更に好ましく、8〜20μmが特に好ましい。特に、チョコレート様食品をコーティング用途で使用する場合の平均粒径は、8〜35μmが好ましい。平均粒径が5μm未満では、非油溶性固形分の粉砕工程に過剰なエネルギーが必要となったり、チョコレート様食品を製造する過程で粘度が高くなり過ぎて取り扱いにくくなる場合がある。平均粒径が40μmを超えると、食した時に非油溶性固形分のざらつきが感じられて食感が悪化したり、チョコレート様食品を溶解させた時の粘度が低くなりすぎ、チョコレート様食品のコーティング性が劣る場合がある。ここで、チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子分布測定装置を用いて測定することができる。
本発明のチョコレート様食品を製造するにあたって、非油溶性固形分は、市販されているものを入手してそのまま配合してもよいし、大粒径の非油溶性固形分を粉砕して平均粒径を調整してから配合してもよい。また、2種類以上の非油溶性固形分を配合する場合には、2種類以上の非油溶性固形分を混合してから粉砕してもよいし、それぞれを個別に粉砕してから配合してもよい。また、粉砕した非油溶性固形分と、粉砕していない非油溶性固形分を併用してもよい。いずれの方法を採るにしても、非油溶性固形分全体としての平均粒径が上記範囲内にあればよい。
配合前に非油溶性固形分を粉砕する場合、その粉砕方法としては、扱いやすさや洗浄性の観点から、乾式粉砕が好ましい。使用可能な粉砕装置としても特に限定されず、例えば、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミルなどの一般的な粉砕装置を用いることができる。発熱の少なさや扱いやすさ、洗浄性などの観点から、ハンマーミル、ピンミルなどの衝撃型の乾式粉砕装置が好ましい。また、より品質を安定化させるために、粉砕装置に分級装置を付加させてもよい。
非油溶性固形分を粉砕するにあたって、粉砕に供する非油溶性固形分は、その油脂分含有量が27重量%以下であることが好ましく、20重量%以下がより好ましく、10重量%以下が更に好ましい。非油溶性固形分の油脂分含有量が27重量%を超えると、粉砕が困難になる場合がある。
次に、本発明のチョコレート様食品の製造方法の手順を具体的に説明する。まず、配合する油脂を溶融させて溶融物とする。これにより油脂中での非油溶性固形分の分散性が向上し、次の撹拌混合工程を短時間で実施することが可能になる。油脂を溶融させる際の温度は、配合する油脂の融点を考慮して適宜決定すればよいが、作業時間を短縮する観点から、40〜80℃が好ましい。
次いで、油脂の溶融物と、非油溶性固形分とを、特定条件下で撹拌混合する。該撹拌混合は、40〜80℃の温度下で行なうことが好ましく、40〜70℃がより好ましい。撹拌混合時の温度が40℃よりも低いと、チョコレート様食品を製造する過程で粘度が高くなりすぎてチョコレート様食品を製造できなかったり、撹拌混合物中の水分量が十分に減少せず、前記油脂としてラウリン系の代用脂を配合した場合には経時的に油脂が加水分解してラウリン酸が遊離し、結果、チョコレート様食品の風味が悪化する場合がある。撹拌混合時の温度が80℃よりも高くなると、後述する減圧処理時に低沸点の香気成分が飛散しやすくなりチョコレート様食品の風味が低下する場合がある。
前記油脂の溶融物と前記非油溶性固形分を撹拌混合する際には、一般的な高速撹拌装置を使用することができ、特に限定されないが、例えば、ホモミキサーやそれに類する装置を使用することができる。撹拌混合にあたっては、使用する攪拌装置の回転数を、500〜30000rpmに設定することが好ましく、1500〜20000rpmがより好ましく、2000〜10000rpmが更に好ましい。回転数が500rpm未満では、非油溶性固形分と油脂の馴致が十分でなく、食した時にざらつきが感じられて食感が悪化する場合がある。30000rpmを超えると、撹拌時の発熱が著しくなり、チョコレート様食品の風味が変化したり、非油溶性固形分が変質する場合がある。
前述したように油脂と非油溶性固形分は40〜80℃の温度下で撹拌混合するが、製造されるチョコレート様食品の風味を増強させる観点から、40〜80℃の温度で撹拌する前の事前処理として、チョコレート様食品中にカカオマス及び/又はココアパウダーを含む場合は、該成分を油脂と共に、90〜150℃の温度で撹拌しながら加熱処理することが好ましい。このような高温での事前処理を行なうことで、メイラード反応を進行させて、チョコレート様食品の風味を増強させることができる。該加熱温度は95〜120℃がより好ましい。当該事前処理の加熱温度が90℃未満では、メイラード反応が十分に進まず、風味の増強が不十分な場合があり、150℃を超えると風味が悪化する場合がある。また、当該事前処理の加熱処理の時間は、1〜60分間が好ましく、1〜30分間がより好ましく、4〜15分間が更に好ましい。1分間より短いとメイラード反応が十分に進まず、風味の増強が不十分な場合があり、60分間を超えると風味が悪化する場合がある。当該事前処理時の撹拌に関しても一般的な撹拌装置を使用することができ、その回転数は特に限定されない。
前記事前処理は、非油溶性固形分の一種である風味成分としてカカオマス及び/又はココアパウダーを使用する態様において特に有用である。このような高温での事前処理を行なうことで、メイラード反応を進行させて、チョコレート様食品が呈するチョコレート風味を増強させることができる。この際、カカオマス及び/又はココアパウダーに含まれる無脂カカオ分100重量部に対するカカオマス及び又はココアパウダーに含まれる油脂分及びそれらに加えて事前加熱処理時に別途追加する油脂分の合計含有量が50〜400重量部であることが好ましい。当該油脂分の合計含有量が50重量部未満になると、混合物の粘度が上がり、混合物の取扱いが難しくなったり、加熱の際に攪拌効率が悪くなって局所的に高温になり、風味が悪化する場合がある。400重量部を超えると、無脂カカオ分の比率に対して油脂の比率が多くなりすぎて、加熱により劣化する油脂の比率が高くなり効率が悪くなる場合がある。なおここで、無脂カカオ分の含有量は、チョコレート様食品全体中3〜35重量%が好ましい。但し、前記事前加熱処理時に別途追加する油脂分および加熱処理後に別途追加する油脂分は、チョコレート様食品に含まれる油脂の含有量がチョコレート様食品中27〜50重量%になるよう、調整することが好ましい。
本発明によると、前記油脂の溶融物と前記非油溶性固形分を40〜80℃の温度下で500〜30000rpmの回転数で攪拌混合しながら、前記油脂と前記非油溶性固形分との撹拌混合物中の水分量が2重量%以下になるまで減圧処理することが好ましい。より好ましい水分量は1.5重量%以下であり、さらに好ましくは1%重量以下である。減圧処理を行なうことで、撹拌混合物中の水分量を低減することができ、これにより、チョコレート様食品の融解時の粘度が低下するため、チョコレート様食品に、工業的に利用可能な加工性(例えばコーティング性)を付与することができる。減圧処理後の水分量が2重量%を超えると、チョコレート様食品を製造する過程で粘度が高くなりすぎてチョコレート様食品を製造できなかったり、製造されたチョコレート様食品の加工性が十分でなかったり、また、前記油脂としてラウリン系の代用脂を配合した場合には経時的に油脂が加水分解してラウリン酸が遊離し、結果、チョコレート様食品の風味が悪化する場合がある。
当該減圧処理は、撹拌混合物中の水分量が特定量以下になるまで実施すればよく、その際の減圧度や時間は特に限定されないが、一例として、50〜2000Paの圧力で20〜120分間減圧処理を行えばよい。
前記減圧処理は、40〜80℃の温度下、500〜30000rpmの回転数で攪拌混合を始めると同時に、又はその直後に開始してもよいが、前記減圧処理による脱水効率、及び減圧処理時の発泡抑制の観点から、常圧で前記撹拌混合を開始した後、油脂と非油溶性固形分との撹拌混合物の粘度が10Pa・s以下になってから前記減圧処理を開始することが好ましい。
前記減圧処理によって油脂と非油溶性固形分との撹拌混合物を得た後、該撹拌混合物に対し、定法に従って成型及び冷却固化工程を行なうことで、チョコレート様食品を得ることができる。
本発明により得られたチョコレート様食品は、そのまま食用として用いることもできるし、コーティング用途、サンド用途、フィリング用途、混ぜ込み用途などにおいて、パンや菓子など様々な食品に対し用いることができる。本発明により得られたチョコレート様食品は、コーティング性が良好であるため、コーティング用途において特に好適に用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<粘度の測定>
粘度は、サンプルを45℃に温調してBM型粘度計(東機産業株式会社製)を使用して測定した。
<水分量の測定方法>
水分量は、カールフィッシャー水分計(メトローム社製「860KF Thermoprep」、「801 Stirrer」、又は「900Touch Control」)を用いて気化法により測定した。
<油脂の上昇融点の測定方法>
油脂の上昇融点は、チョコレート様食品から定法により油脂を抽出し、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.2.4.2(1996)1996年版」に準拠して測定した。
<平均粒径の測定方法>
チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径は、チョコレート様食品をサンプルとして、レーザー回折/散乱式粒子分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を用い、アイソパーHを分散媒として測定し、算術平均径として得られた値を平均粒径とした。
<リファイニング(粉砕)後の洗浄性>
乾式粉砕の場合は、市販のブラシ付き掃除機を使用し、粉体の付着が目立たなくなるまで洗浄を行った。湿式粉砕の場合は、40℃に保温した菜種油をキムタオルにしみこませながら拭いて、粉体の付着が目立たなくなるまで洗浄を行った。これらの洗浄に要した時間に基づいて下記評価基準に基づいて洗浄性を評価した。
◎:洗浄時間が、比較例1に比べて70%以上短縮する
○:洗浄時間が、比較例1に比べて40%以上、70%未満短縮する
△:洗浄時間が、比較例1に比べて10%以上、40%未満短縮する
×:洗浄時間が、比較例1に比べて10%未満短縮、もしくは同等以上かかる
<コンチング(撹拌混和)後の洗浄性>
撹拌操作にAGI HOMO MIXERを使用した場合は、80℃の温水に中性洗剤を少量加えた温水を用いて、2回10000rpmで付着がなくなるまでホモミキサーで攪拌して洗浄した後、80℃の温水を用いて2回同様に洗浄して洗剤を洗い落とした。AGI HOMO MIXERを使用しない場合(比較例1)は、60℃に加熱した菜種油をコンチング用のミキサーに加え、付着が落ちるまで菜種油を交換しながら洗浄した。これらの洗浄に要した時間に基づいて下記評価基準に基づいて洗浄性を評価した。
◎:洗浄時間が、比較例1に比べて70%以上短縮する
○:洗浄時間が、比較例1に比べて40%以上、70%未満短縮する
△:洗浄時間が、比較例1に比べて10%以上、40%未満短縮する
×:洗浄時間が、比較例1に比べて10%未満短縮、もしくは同等以上かかる
<チョコレート様食品の官能評価>
実施例及び比較例のチョコレート様食品を、熟練した10名のパネラーにそのまま食べてもらい、風味と食感に関して以下の基準により官能評価を実施し、各人の評価値の平均点を各表に記載した。なお、風味に関しては実施例1〜7及び比較例1〜6のみ以下の基準で評価した。
(風味)
5点:比較例1のチョコレート様食品よりも、風味素材の風味が強く感じられて大変良い
4点:比較例1のチョコレート様食品と同等で、風味素材の風味が感じられて良い
3点:比較例1のチョコレート様食品よりも、風味素材の風味が弱く感じられるが品質的に問題ない
2点:比較例1のチョコレート様食品よりも、風味素材の風味が明らかに弱く感じられて悪い
1点:比較例1のチョコレート様食品よりも、風味素材の風味が全く感じられず大変悪い
(食感)
5点:比較例1のチョコレート様食品と同等で、滑らかな口当たりで、ザラツキを全く感じず大変良い
4点:比較例1のチョコレート様食品よりも、滑らかな口当たりが若干劣るが、ザラツキは感じず良い
3点:比較例1のチョコレート様食品よりも、滑らかな口当たりが劣るが問題ない
2点:比較例1のチョコレート様食品よりも、口当たりが劣り、ザラツキが少し感じられて悪い
1点:比較例1のチョコレート様食品よりも、口当たりが明らかに劣り、ザラツキが感じられて大変悪い
<コーティング性の評価>
実施例及び比較例のチョコレート様食品をクッキーにコーティングし、コーティング性を評価した。該コーティングは次のようにして行った。チョコレート様食品を45℃に加熱融解して200mlのステンレスビーカーに150g充填し、クッキーを2秒間浸して持ち上げ、チョコレート様食品がしたたり落ちなくなるまで保持し、その後室温で冷却して固化させた。
◎:比較例1のチョコレート様食品よりも、コーティングの厚みが非常に適切で、チョコレート様食品とクッキーの風味、食感のバランスが大変良い
〇:比較例1のチョコレート様食品と同等で、コーティングの厚みが適切で、チョコレート様食品とクッキーの風味、食感のバランスが良い
△:比較例1のチョコレート様食品よりも、コーティングが厚い、もしくは薄く、チョコレート様食品とクッキーの風味、食感のバランスがやや崩れていて悪い
×:比較例1のチョコレート様食品よりも、コーティングが厚すぎる、もしくは薄すぎるため、チョコレート様食品とクッキーの風味、食感のバランスが崩れていて大変悪い
<実施例及び比較例で使用した原料>
1)Olam社製「デザーンココアパウダー」(油脂分:11重量%、無脂カカオ分85重量%)
2)三井製糖(株)製「スプーン印グラニュ糖」
3)松谷化学工業(株)製「タピオカスターチ」
4)(株)カネカ製「パーム核分別硬質部極度硬化油」(上昇融点35.9℃)
5)ADM社製「Yelkin TS」
6)塩野香料(株)製「バニリン」
7)愛国産業(株)製「全糖粉糖」
8)HILMAR CHEESE(株)製「ラクトース HILMAR FINE GRAIND」
9)松谷化学工業(株)製「パインデックス#1」
10)富田製薬(株)製「トミタソルト」
11)扶桑化学工業(株)製「酒石酸」
12)ジボダンジャパン(株)製「RF−C−DM」
13)日研フード(株)製「昆布エキスパウダーCN」
14)ライオンケミカル(株)製「ハイアルファSF」
(実施例1) チョコレート様食品の作製
表1の配合に従いチョコレート様食品を作製した。即ち、まず、ココアパウダー、グラニュー糖、及びタピオカスターチを混合(コアパウダー、グラニュー糖、及びタピオカスターチの混合物100重量部に含まれる油脂含量:2.6重量%)し、ピンミル(ホソカワミクロン株式会社製「UPZ160」)を用いて18000rpmで粉砕して非油溶性固形分の粉砕物を調製した。
得られた粉砕物に、60℃で溶融したパーム核分別硬質部の極度硬化油と、レシチン、及びバニリンを混合した。得られた混合物を、60℃の温度下で、コンビミクス(プライミクス株式会社製「AGI HOMO MIXER 2M−1」)を使用し、パドルの回転数は30rpm、ホモミキサーの回転数は6000rpmとして撹拌しながら、混合物の粘度が7.8Pa・sになった時点で、減圧を開始した。同じ条件で撹拌しながら、0.5kPaの圧力で60分間減圧処理を行った。減圧処理後の混合物を35℃に冷却した後、容器に充填し冷却固化して、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表1に示した。
Figure 2020061972
(実施例2) チョコレート様食品の作製
表1の配合に従って、実施例1において、ココアパウダー、グラニュー糖、及びタピオカスターチの混合比率は同じで、これらの合計配合量を67.7重量部から55.0重量部に変更し、油脂の配合量を32.24重量部から44.98重量部に変更し、レシチンの配合量を0.05重量部から0.01重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表1に示した。
(比較例1) チョコレート様食品の作製
表1の配合に従って、実施例1において、レシチンの配合量を0.05重量部から0.3重量部に変更し、この増加分を油脂の配合量で調整した。まず、ココアパウダー、グラニュー糖、及びタピオカスターチと油脂21.0重量部を混合し、ロールミルを二回通して粉砕を行った。粉砕した混合物を55℃で4時間攪拌してコンチングを行った後、レシチン、及び残りの油脂10.99重量部を添加してチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表1に示した。
(比較例2) チョコレート様食品の作製
表1の配合に従って、実施例1において、ココアパウダー、グラニュー糖、及びタピオカスターチの混合比率は同じで、これらの合計配合量を67.7重量部から45.0重量部に変更し、油脂の配合量を32.24重量部から54.98重量部に変更し、レシチンの配合量を0.05重量部から0.01重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表1に示した。
(比較例3) チョコレート様食品の作製
表1の配合に従って、実施例1において、ココアパウダー、グラニュー糖、及びタピオカスターチの混合比率は同じで、これらの合計配合量を67.7重量部から75.7重量部に変更し、油脂の配合量を32.24重量部から24.24重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、チョコレート様食品を得ようと試みたが、撹拌混合物の粘度が高くなりすぎて製造できなかった。
表1から明らかなように、チョコレート様食品中の油脂の含有量が27〜50重量%の範囲にあるチョコレート様食品(実施例1及び2)は、リファイニング後及びコンチング後の洗浄性、風味、食感、コーティング性の何れも良好であった。一方、チョコレート様食品中の油脂の含有量が56.2重量部のチョコレート様食品(比較例2)は、コーティング性が悪かった。また、チョコレート様食品中の油脂の含有量が26.3重量部で、非油溶性固形分の含有量が73.8重量部のチョコレート様食品(比較例3)は、撹拌混合物の粘度が高くなりすぎて製造できなかった。また、従来の製造方法で作製したチョコレート様食品(比較例1)は、風味、食感及びコーティング性は良好であったが、コンチングに時間がかかり、また、リファイニング後及びコンチング後の洗浄性が悪く、非常に時間がかかった。
(実施例3) チョコレート様食品の作製
表2の配合に従い、実施例1において、ココアパウダー、グラニュー糖、及びタピオカスターチの混合物の粉砕方法を、ピンミルからボールミル(入江商会株式会社製「卓上型ボールミル回転架台V−2」、外寸法200×200mmのポットを使用)に変更した以外は、実施例1と同様にして、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表2に示した。
Figure 2020061972
(実施例4) チョコレート様食品の作製
表2の配合に従い、実施例1において、グラニュー糖を粉糖に変更し、ピンミルによる粉砕を行わずにそのまま他の成分と混合した以外は、実施例1と同様にして、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表2に示した。
(比較例4) チョコレート様食品の作製
表2の配合に従い、実施例3において、グラニュー糖を粉糖と乳糖に変更し、ピンミルによる粉砕を行わずにそのまま他の成分と混合した以外は、実施例3と同様にして、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径が5〜40μmの範囲にあるチョコレート様食品(実施例1、3及び4)は、リファイニング後及びコンチング後の洗浄性、風味、食感、及びコーティング性の何れも良好であった。一方、チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径が43.8μmのチョコレート様食品(比較例3)は、食感にザラツキが感じられた。
(実施例5) チョコレート様食品の作製
表3の配合に従い、実施例1において、減圧処理を開始する時の混合物の粘度を7.8Pa・sから15.0Pa・sに変更した以外は、実施例1と同様にして、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表3に示した。
Figure 2020061972
表3から明らかなように、減圧処理を開始する時の混合物の粘度が7.8Pa・s(実施例1)又は15.0Pa・s(実施例5)であったチョコレート様食品はいずれも、リファイニング後及びコンチング後の洗浄性、風味、食感、コーティング性の何れも良好であった。但し、減圧処理を開始する時の混合物の粘度が15.0Pa・sのチョコレート様食品(実施例5)は、減圧処理時に発泡が見られ、最終製品の水分量も1.0重量%と若干多くなった。
(実施例6) チョコレート様食品の作製
表3の配合に従い、実施例1において、まずグラニュー糖だけをピンミルで粉砕した。別途、油脂とココアパウダーを混合したものを、あらかじめ120℃で4分の加熱処理を行った。加熱処理した油脂とココアパウダーの混合物と、粉砕したグラニュー糖、レシチン、タピオカスターチ及びバニリンを混合し、実施例1と同様に、60℃の温度下で、コンビミクス(プライミクス株式会社製「AGI HOMO MIXER 2M−1」)を使用し、パドルの回転数は30rpm、ホモミキサーの回転数は6000rpmとして撹拌しながら、混合物の粘度が8.0Pa・sになった時点で、減圧を開始した。同じ条件で撹拌しながら、60分間減圧処理を行った。減圧処理後の混合物を35℃に冷却した後、容器に充填し冷却固化して、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表3に示した。
(実施例7) チョコレート様食品の作製
表3の配合に従い、実施例6において、あらかじめ加熱処理する温度を120℃から95℃に、時間を4分間から15分間に変更した以外は、実施例6と同様にして、チョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、油脂とココアパウダーの混合物を90〜150℃の温度下で1〜60分間加熱処理して得た原料を使用し作製したチョコレート様食品(実施例6及び7)はいずれも、リファイニング後及びコンチング後の洗浄性、風味、食感、及びコーティング性が良好であった。特に、前記加熱処理をしていないチョコレート様食品(実施例1)に比べて、カカオ感が強く感じられて風味がより良好であった。
(実施例8)チョコレート様食品の作製
表3の配合に従い、実施例1において、減圧処理中の攪拌時間を60分から15分に変更した以外は実施例1と同様にしてチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、攪拌時間を60分から15分にして作製したチョコレート様食品は、リファイニング後及びコンチング後の洗浄性、風味、食感、及びコーティング性が良好であった。しかし、コンチング時間が短いため、実施例1で作製したチョコレート様食品と比べると、カカオの雑味が残って風味がやや低く、また食感にもややざらつきが残ったが、問題のないレベルであった。
(比較例5) チョコレート様食品の作製
表3の配合に従い、実施例1において、攪拌時の温度を60℃から30℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、チョコレート様食品を得ようと試みたが、撹拌混合物の粘度が高くなりすぎて製造できなかった。
(比較例6) チョコレート様食品の作製
表3の配合に従い、実施例1において、攪拌時にホモミキサーを使用せず、パドルのみを回転数150rpmで作動させて攪拌した以外は実施例1と同様にしてチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、撹拌混合時の回転数が150rpmと小さかった比較例6で得られたチョコレート様食品は、食感にザラツキが感じられた。
(比較例7) チョコレート様食品の作製
表3の配合に従い、実施例1において、攪拌時に減圧を行わずに常圧で行った以外は実施例1と同様にしてチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、減圧を行わずにチョコレート様食品を作製したため、水分が残存してチョコレート様食品の融解時の粘度が上がることからコーティング性が悪化した。また、カカオ成分の雑味が残るため風味もやや低くなった。
(実施例9) チョコレート様食品の作製(バター風味)
表4の配合に従い、チョコレート様食品を作製した。即ち、まず、乳糖及び塩をボールミルで粉砕して非油溶性固形分の粉砕物を調製した後、該粉砕物に、60℃で溶融したパーム核分別硬質部の極度硬化油と、レシチン、着色料、及びバターフレーバーを混合した以外は、実施例1と同様にしてバター風味のチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表4に示した。
Figure 2020061972
(実施例10) チョコレート様食品の作製(レモン風味)
表4の配合に従い、チョコレート様食品を作製した。即ち、まず、乳糖、デキストリン、及び酒石酸をボールミルで粉砕して非油溶性固形分の粉砕物を調製した後、60℃で溶融したパーム核分別硬質部の極度硬化油と、レシチン、着色料、及びレモンフレーバーを混合した以外は、実施例1と同様にしてレモン風味のチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表4に示した。
(実施例11) チョコレート様食品の作製(チーズ風味)
表4の配合に従い、チョコレート様食品を作製した。即ち、まず、乳糖、デキストリン、塩、酵母エキス、及び昆布エキスをボールミルで粉砕して非油溶性固形分の粉砕物を調製した後、60℃で溶融したパーム核分別硬質部の極度硬化油と、レシチン、着色料、及びチーズフレーバーを混合した以外は、実施例1と同様にしてチーズ風味のチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品の評価結果を表4に示した。
表4から明らかなように、実施例9〜11のチョコレート様食品はいずれも、リファイニング後及びコンチング後の洗浄性、食感、及びコーティング性が良好であった。また、いずれのチョコレート様食品も、配合した風味素材由来の風味が十分に感じられて良好であった。

Claims (2)

  1. チョコレート様食品全体中、油脂を27〜50重量%と、非油溶性固形分49.5〜72.5重量%とを含み、油脂と非油溶性固形分とを合計で90重量%以上含むチョコレート様食品の製造方法であって、
    油脂を溶融させて溶融物とし、
    前記油脂の溶融物と前記非油溶性固形分を、40〜80℃の温度下、500〜30000rpmの回転数で攪拌混合しながら、水分量が2重量%以下になるまで減圧処理する工程を含み、
    チョコレート様食品中の非油溶性固形分の平均粒径が5〜40μmであることを特徴とする、チョコレート様食品の製造方法。
  2. 前記油脂の溶融物と前記非油溶性固形分を混合し、40〜80℃の温度下、500〜30000rpmの回転数で攪拌混合して、撹拌混合物の粘度が10Pa・s以下になってから、前記減圧処理を開始する、請求項1に記載のチョコレート様食品の製造方法。
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