JP5736877B2 - 湯切り蓋材 - Google Patents

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本発明は、水または湯を注いで調理する即席ラーメンや即席焼きそば、またはゼリーやところてん等のように、飲食の際に排水または排湯が必要な食品を収納する容器の蓋材に関するものである。
水または湯を注いで調理する即席ラーメンや即席焼きそばは、飲食の際に排水または排湯が必要であるため、蓋の一部分を剥離して排水用の排水孔または排湯用の湯切り孔(以下単に湯切り孔と総称する)を露出させる機構を持った容器が用いられている。
湯切り孔を露出させる機構としては、孔形状に沿って剥離ニスを部分的に塗り分ける方法が知られているが、湯切り孔を形成する為にシーラント側から施すハーフカットの見当合わせが難しいという製造上の問題が解決されていない。(例えば、特許文献1参照)
それに対し、本発明同様、プラスチックフィルムおよび樹脂間での界面剥離機構を用いて湯切り孔を露出させる方法に関し、湯切り孔の幅方向に表面材を剥離することによって湯切り孔形成用ハーフカットの内側部分が大きく撓むことなく基材側から分離できるとの内容が報告されているが、実際には剥離強度のばらつきにより孔の脱落が発生することが多かった。(例えば、特許文献2参照)
また、ハーフカットの形状をU字型にすることによって孔脱落を防ぐことができるとの内容が報告されているが、湯切りの際内容物が詰まりやすいなどの不具合が発生することが多かった。(例えば、特許文献3参照)
特開2008-290725号公報 特許第4369713号公報 特許第4231311号公報
本発明は、水または湯を注いで調理する即席ラーメンや即席焼きそば、またはゼリーやところてん等のように、飲食の際に排水または排湯が必要な食品を収納する容器の蓋材に関するものであり、湯切り孔を露出させる際の剥離強度が低く、また製造時にハーフカット孔の見当合わせの必要がなく、さらに剥離時の孔脱落が発生しない、剥離機構の優れた湯切り蓋材を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、紙基材、プラスチックフィルム、イージーピール層が外側からこの順序で積層されており、かつ紙基材とプラスチックフィルムとがエクストルージョンラミネート法によりポリオレフィン系プラスチック樹脂を押出す方法でラミネートすることにより得られる蓋材において、
プラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂との間で界面剥離が可能であり、
前記紙基材とポリオレフィン系プラスチック樹脂からなる上材の剥離後の腰強度が3.0N/15mm以上20N/15mm以下であり、かつ前記プラスチックフィルムとイージーピール層からなる下材の腰強度が0.30N/15mm以上3.0N/15mm以下であり、
イージーピール層表面から紙基材に到達するハーフカット加工によって形成され、上材を下材から剥離することによって、複数の湯切り孔を露出形成する、湯切り孔ハーフカットを有し、該湯切り孔は、長辺が上材の剥離方向に対して直角方向であり、短辺が上材の剥離方向に対して平行である角丸長方形の、湯切り用タブ側の長辺が円弧状に剥離方向と反対の方向に張り出した形状を有する単位からなり、長辺方向の長さをA、短辺方向の長さをBとした場合、2mm≦B≦A≦10mmであり、さらに湯切り用タブ側の長辺に形成された前記円弧の半径をRとした場合、A/2≦R≦8mmであることを特徴とする湯切り蓋材である。
また、請求項2に記載の発明は、前記プラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂の間にアンカーコート層を設けず、さらにプラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂間のラミネート強度が0.10N/15mm以上1.0N/15mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の湯切り蓋材である。
また、請求項3に記載の発明は、前記プラスチックフィルムとイージーピール層の間にアルミニウム箔が積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の湯切り蓋材である。
本発明に係る湯切り蓋材は、上材と下材をプラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂との間で界面剥離が可能となるように配置し、上材の腰強度を3.0N/15mm以上20N/15mm以下とし、かつ下材の腰強度を0.30N/15mm以上3.0N/15mm以下としたことにより、下材から上材を剥離する際に、湯切り孔ハーフカットによって囲まれた湯切り孔部分の下材が、上材に付着した状態で除去され易くなり、上材から剥離して脱落することがなくなった。
また湯切り孔ハーフカットの単位形状を長辺が上材の剥離方向に対して直角方向であり、短辺が上材の剥離方向に対して平行である角丸長方形の、湯切り用タブ側の長辺が円弧状に剥離方向と反対の方向に張り出した形状としたことに加え、さらに長辺方向の長さをA、短辺方向の長さをBとした場合、2mm≦B≦A≦10mmであり、さらに湯切り用タブ側の長辺に形成された円弧の半径をRとした場合、A/2≦R≦8mmであるようにしたことにより、上材剥離時における下材片の脱落を防止する安定性がさらに向上した。
プラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂の間にアンカーコート層を設けず、さらにプラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂間のラミネート強度が0.10N/15mm以上1.0N/15mm以下となるようにした場合には、上材の剥離安定性と、下材片の脱落防止効果は、さらに安定し、良好となる。
プラスチックフィルムとイージーピール層の間にアルミニウム箔を積層した場合においては、注湯時に注湯開口用タブを持って開封した時、および注湯後に再封止した時の蓋材のデッドホールド性が向上すると共に、蓋材のガスバリア性、遮光性が向上する。
図1は、本発明に係る湯切り蓋材の一実施態様を示した平面模式図である。 図2は、本発明に係る湯切り蓋材における湯切り孔の形状に関する平面説明図である。 図3は、本発明に係る湯切り蓋材の一実施態様における断面模式図である。 図4は、本発明に係る湯切り蓋材の他の実施態様における断面模式図である。
以下図面を参照しながら、本発明に係る湯切り蓋材について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る湯切り蓋材の一実施態様を示した平面模式図である。また図2は、本発明に係る湯切り蓋材における湯切り孔の形状に関する平面説明図である。また図3は、本発明に係る湯切り蓋材の一実施態様における断面模式図である。
本発明に係る湯切り蓋材(1)は、紙基材(11)、プラスチックフィルム(14)、イージーピール層(16)が外側からこの順序で積層されており、かつ紙基材(11)とプラスチックフィルム(14)とがエクストルージョンラミネート法によりポリオレフィン系プラスチック樹脂(12)を押出す方法でラミネートすることにより得られる。
プラスチックフィルム(14)とポリオレフィン系プラスチック樹脂(12)との間は、剥離界面(13)を形成しており、この間で界面剥離が可能である。
水または湯を注いで調理する即席ラーメンや即席焼きそばは、飲食の際排湯が必要であり、蓋の一部分を剥離して湯切り孔を露出させる機構となっている。
中でも、プラスチックフィルムおよびプラスチック樹脂間での界面剥離機構を用いて湯切り孔を露出させる方法は、プラスチックフィルムおよびプラスチック樹脂間の接着強度が弱く、剥離時に孔が脱落するという現象が見られていた。
これに関し、湯切り孔の幅方向に表面材を剥離することによって湯切り孔形成用ハーフカットの内側部分が大きく撓むことなく基材側から分離できるとの内容が報告されているが、実際には剥離強度のばらつきにより孔の脱落が発生することが多かった。
本発明においては、剥離後の上材(17)(紙基材とポリオレフィン系プラスチック樹脂)の腰強度を3.0N/15mm以上20N/15mm以下とし、かつ下材(18)(プラスチックフィルムとイージーピール層)の腰強度を0.30N/15mm以上3.0N/15mm以下とすることにより、剥離時に上材(17)の剥離角度が大きくなり、湯切り孔ハーフカット(8)にて形成した湯切り孔(7)の部分の下材(18)が上材(17)に追随し易くなることにより、この問題を改善することができることを見出したものである。
ここで腰強度とは、プラスチックフィルムの腰の強さを示す指標であり、幅15mm、長さ120mmの短冊状のサンプルを丸めてループを作り、ループスティフネステスター(東洋精機製作所製)を用いて、押しつぶし距離20mm、圧縮速度3.5mm/秒にて測定した値である。
本発明に係る湯切り蓋材(1)においては、さらにイージーピール層(16)表面から紙基材(11)に到達するハーフカット加工によって形成され、上材(17)を下材(18)から剥離することによって、複数の湯切り孔(7)を露出形成する、湯切り孔ハーフカット(8)を設けた。湯切り孔(7)は、長辺が上材(17)の剥離方向(9)に対して直角方向であり、短辺が上材(17)の剥離方向(9)に対して平行である角丸長方形の、湯切り用タブ(2)側の長辺が円弧状に剥離方向(9)と反対の方向に張り出した形状を有する単位からなり、長辺方向の長さをA、短辺方向の長さをBとした場合、2mm≦B≦A≦10mmであり、さらに湯切り用タブ(2)側の長辺に形成された前記円弧の半径をRとした場合、A/2≦R≦8mmとした。このことにより、剥離きっかけ部分の長さがより小さく局所的になり、剥離開始に要する力が少なくてすむため、剥離時の孔脱落が発生しにくくなる。
紙基材(11)としては、アート紙、コート紙、上質紙、晒クラフト紙、などが主に挙げられるが、特に限定されるものではない。紙の坪量について特に規定はないが、50〜250g/mのものが好ましく、80〜150g/mがより望ましい。また、紙基材(11)の表面や裏面に、絵柄や遮光性を付与する印刷を施してもよい。
プラスチックフィルム(14)としては、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド樹脂(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂など、あるいはこれらの高分子の共重合体など、耐熱性を有するプラスチックフィルムが使用できる。
プラスチックフィルム(14)の厚さについて特に限定はないが、9〜100μmのものが好ましく、9〜25μmがより望ましい。また、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。なお、これらのプラスチックフィルムの内面に遮光性を付与する印刷、若しくは遮光性材質のフィルムをラミネートしたものを用いても良いし、バリア性を有するものでも良い。
イージーピール層(16)としては、低温シール性に優れたものが望ましく、シール温度の変化によらず、シール強度に変化のないものが望ましい。イージーピール層(16)は、内容物充填後、容器本体フランジ部(5)とシールされる。
湯切り蓋材(1)への抜き加工は、充填時、充填後のいずれでもよく、限定されない。剥離特性については特に限定されず、凝集剥離タイプ、層間剥離タイプ、界面剥離タイプのいずれのタイプを用いてもよい。
プラスチックフィルム(14)とイージーピール層(16)の厚さについては、上材(17)の剥離後に下材(18)となる部分である為、プラスチックフィルム(14)とイージーピール層(16)の積層部分の腰強度が0.30N/15mm以上3.0N/15mm以下となるように設計する必要がある。
ポリオレフィン系プラスチック樹脂(12)としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられるが、取り扱いの面から低密度ポリエチレン樹脂の使用がより好ましい。
また、紙基材(11)とプラスチックフィルム(14)をエクストルージョンラミネート法によりラミネートする時のポリオレフィン系プラスチック樹脂(12)の押出し温度としては280℃〜340℃が適している。280℃より低い場合は成膜性が劣るだけでなく、ポリエチレン樹脂自身の表面酸化が不足し、紙基材(11)とプラスチックフィルム(14)のラミネート強度の低下を引き起こしてしまう。また、340℃よりも高い温度では樹脂の分解が進んでしまうため、均一な加工ができないだけでなく、ラミネート強度の低下を引き起こしてしまう。
プラスチックフィルム(14)とオレフィン系プラスチック樹脂(12)のラミネート強度については、0.1N/15mm以上3.0N/15mm以下とするのが、好ましく、さらに好ましくは、0.10N/15mm以上1.0N/15mm以下である。
プラスチックフィルム(14)とオレフィン系プラスチック樹脂(12)の界面にはアンカーコートを塗布しないことが望ましい。アンカーコートを塗布しないことによりプラスチックフィルム(14)とオレフィン系プラスチック樹脂(12)間のラミネート強度を0.10N/15mm以上1.0N/15mm以下とすることが容易に可能となる。
また、紙基材(11)とポリオレフィン系プラスチック樹脂(12)間のラミネート強度を安定させる為、紙基材(11)にコロナ処理、オゾン処理などを施しても良い。ポリオレフィン系プラスチック樹脂(12)の厚さとしては、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより望ましい。このとき、蓋材の剥離時に上材(17)となる紙とポリオレフィン系プラスチック樹脂(12)の積層部分の腰強度が3.0N/15mm以上20N/15mm以下となるように設計する必要がある。
プラスチックフィルム(14)とイージーピール層(16)の接着方法としては、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、ノンソルベントドライラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネーション法、及びエクストルージョンラミネーション法を利用したサンドイッチラミネーション法などの公知の方法を使用することができる。
次にイージーピール層(16)の材質について説明する。イージーピール層(16)としては、公知のイージーピールシーラントを用いることができる。容器本体フランジ部(5)のシールする端面である被着体がポリエチレン樹脂(PE)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)の組合せが好ましい。
また、容器の該被着体がポリスチレン樹脂(PS)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/ポリブテン樹脂(PB)、ポリエチレン樹脂(PE)+エラストマー+石油樹脂/ポリブテン樹脂(PB)の組合せが好ましい。
また、容器の該被着体がポリプロピレン樹脂(PP)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリエチレン樹脂(PE)の組合せが好ましい。
また、イージーピール層(16)の厚さについては、シール強度、加工性を考慮すると、15〜100μmの範囲内であることが好ましく、30〜70μmの範囲内がより好ましい。
図4は、本発明に係る湯切り蓋材の他の実施態様における断面模式図である。
この実施態様においては、プラスチックフィルム(14)とイージーピール層(16)の間にアルミニウム箔(15)が積層されている。アルミニウム箔(15)を積層することにより、注湯時に注湯開口用タブ(3)を持って開封した時、および注湯後に再封止した時の蓋材のデッドホールド性が向上すると共に、蓋材のガスバリア性、遮光性が向上する。アルミニウム箔(15)の厚さとしては、6μm〜20μm程度が適当である。
湯切り孔(7)を露出させる為の湯切り孔ハーフカット(8)はイージーピール層(16)面から入れて、紙基材(11)の層間で止まるように設ける。ハーフカット加工は、刃物による方法とレーザーによる方法がある。生産性やコストを考慮すると本発明においては刃物による方法が適している。
蓋材の形状として、図1に示したように、注湯部を開口する為の注湯開口用タブ(3)以外に、蓋材の剥離を目的とした全開封用タブ(4)を少なくとも1つ以上設けても良い。また、注湯部の対角線上に貫通スリットを付与したタブを設けても良い。そこに注湯部の開口タブを差し込むことにより、開口部を更に安定して保持させることができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
坪量が105g/mの紙基材(グラビアアート紙)と、プラスチックフィルムとして厚み12μmのポリエステルフィルム(PET)(フタムラ化学製 FE2001)を、エクストルージョンラミネート法により、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を320℃で、厚さ20μmとなるように押出して貼り合わせた。さらにPET面にポリスチレン系樹脂を含むイージーピール層を同様にエクストルージョンラミネート法により280℃で、厚さ20μmとなるように押出して積層品を得た。続いて、この巻取り状の積層品に対して、イージーピール層側からA=10mm、B=7mm、R=7mmとなるような湯切り孔をハーフカットにて設け、蓋材形状に抜き加工を実施し、蓋材を得た。なおPETフィルムとLDPEの間には、アンカーコートを設けなかった。
その後、発泡ポリスチレン容器に、135℃、19.6N、0.5秒間の条件にてシールし、評価用サンプルを得た。
紙坪量を85g/mとし、プラスチックフィルムとシーラント層の間に厚さ12μmのアルミニウム箔を積層した以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
紙坪量を80g/mとし、プラスチックフィルムとシーラント層の間に厚さ9μmのアルミニウム箔を積層し、A=7mm、B=5mm、R=5mmとした以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
紙坪量を80g/mとし、プラスチックフィルムとシーラント層の間に厚さ9μmのアルミニウム箔を積層し、A=6mm、B=4mm、R=3mmとした以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
<比較例1>
プラスチックフィルムとシーラント層の間に厚さ15μmのアルミニウム箔を積層した以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
<比較例2>
紙坪量を80g/mとし、プラスチックフィルムとシーラント層の間に厚さ9μmのアルミニウム箔を積層し、A=7mm、B=10mm、R=5mmとした以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
<比較例3>
A=6mm、B=6mmとし、Rを設けなかった以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
上記のサンプルについて、性能を評価した。以下に主な性能評価方法を説明する。
(a)剥離強度・・・サンプルを15mm幅にカットし、テンシロン(エー・アンドディー製:RTF-1250)にて、JIS−Z1707に従って測定した。
尚、この構成におけるPET/LDPEの剥離強度はすべて0.35N/15mmであった。
(b)腰強度・・・サンプルを15mm幅にカットし、剥離後の上材、下材の腰強度を幅
15mm、長さ12cmの短冊状のサンプルでループを作り、押しつぶし距離20mm、圧縮速度3.5mm/secにてループスティフネステスター(東洋精機製作所製)にて測定した。
(c)孔脱落有無・・・ハーフカット部分を開封した際の孔脱落有無をそれぞれ注湯前、注湯後にて評価した。
評価試験結果を表1に示す。
Figure 0005736877
このように、本発明に係る湯切り蓋材は、湯切り孔開封時にも、注湯後にも、湯切り孔部分の下材の脱落が発生しないことが分る。
1・・・湯切り蓋材
2・・・湯切り用タブ
3・・・注湯開口用タブ
4・・・全開封用タブ
5・・・容器本体フランジ部
6・・・注湯開口用ハーフカット
7・・・湯切り孔
8・・・湯切り孔ハーフカット
9・・・剥離方向
11・・・紙基材
12・・・ポリオレフィン系プラスチック樹脂
13・・・剥離界面
14・・・プラスチックフィルム
15・・・アルミニウム箔
16・・・イージーピール層
17・・・上材
18・・・下材
A・・・湯切り孔の長辺方向の長さ
B・・・湯切り孔の短辺方向の長さ
R・・・湯切り孔の円弧の半径

Claims (3)

  1. 紙基材、プラスチックフィルム、イージーピール層が外側からこの順序で積層されており、かつ紙基材とプラスチックフィルムとがエクストルージョンラミネート法によりポリオレフィン系プラスチック樹脂を押出す方法でラミネートすることにより得られる蓋材において、
    プラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂との間で界面剥離が可能であり、
    前記紙基材とポリオレフィン系プラスチック樹脂からなる上材の剥離後の腰強度が3.0N/15mm以上20N/15mm以下であり、かつ前記プラスチックフィルムとイージーピール層からなる下材の腰強度が0.30N/15mm以上3.0N/15mm以下であり、
    イージーピール層表面から紙基材に到達するハーフカット加工によって形成され、上材を下材から剥離することによって、複数の湯切り孔を露出形成する、湯切り孔ハーフカットを有し、該湯切り孔は、長辺が上材の剥離方向に対して直角方向であり、短辺が上材の剥離方向に対して平行である角丸長方形の、湯切り用タブ側の長辺が円弧状に剥離方向と反対の方向に張り出した形状を有する単位からなり、長辺方向の長さをA、短辺方向の長さをBとした場合、2mm≦B≦A≦10mmであり、さらに湯切り用タブ側の長辺に形成された前記円弧の半径をRとした場合、A/2≦R≦8mmであることを特徴とする湯切り蓋材。
  2. 前記プラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂の間にアンカーコート層を設けず、さらにプラスチックフィルムとポリオレフィン系プラスチック樹脂間のラミネート強度が0.10N/15mm以上1.0N/15mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の湯切り蓋材。
  3. 前記プラスチックフィルムとイージーピール層の間にアルミニウム箔が積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の湯切り蓋材。
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