JP5730703B2 - スイッチ状態判別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチ状態判別装置に係り、特に、車両のイグニッションスイッチがオン位置にあるかオフ位置にあるかを判別するスイッチ状態判別装置に関する。
従来から、車両の電源をオンオフするために操作するイグニッションスイッチが、オン状態またはオフ状態にあることを判別するスイッチ状態判別装置が知られている。
特許文献1には、エンジンに直結された発電機の電機子巻線に生じる誘起電圧を検知することでエンジンが始動したか否かを検知し、これにより、イグニッションスイッチがオン状態にあることを検知するようにしたスイッチ状態判別装置が開示されている。このスイッチ状態判別装置によれば、イグニッションスイッチのオンオフ状態を判別するためにイグニッションスイッチに専用の信号線を接続する必要がなくなり、装置の簡略化が可能となる。
特開2003−18896号公報
ところで、近年、車両の制御ユニットに用いられるCPUは、イグニッションスイッチのオンオフに伴う電源電圧の変化に基づいて、イグニッションスイッチの状態を判別することが可能である。しかしながら、この電源電圧は、車載バッテリから供給される電圧となるため、車載バッテリの残容量が少なく2輪車やATVの車両のようにキックスタータやリコイルスタータでエンジンが始動できる車両においては、発電機の交流の出力電圧が電源となるため、安定した電源電圧が得られないことによりイグニッションスイッチのオンオフ状態が判別しにくくなる可能性があった。特許文献1に記載された技術では、車載バッテリの残容量が変化した際のイグニッションスイッチのオンオフ状態の判別方法に関しては、何らの開示も示唆もされていなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、車載バッテリの残容量にかかわらず、イグニッションスイッチのオンオフ状態を判別できるスイッチ状態判別装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、エンジンと同期回転する発電機(1)と、該発電機(1)と並列に接続される車載バッテリ(3)と、該車載バッテリ(3)の電圧を車両の電源に用いるためにオンオフ操作されるイグニッションスイッチ(5)とを有する車両に設けられ、前記イグニッションスイッチ(5)のオン操作に伴って制御ユニット(30)に入力される前記電源の電圧に基づいて前記イグニッションスイッチ(5)のオンオフ状態を判別するスイッチ状態判別装置において、所定のタイミングまたはCPUの外部割り込み動作にて前記電源の電圧を検知する電源電圧検知手段(35)と、前記電源の電圧とオン判別閾値(V1)とを比較する電源電圧比較手段(36)と、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが検知されてから所定期間が経過するまでの間に、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが所定期間または所定回数検知されると、前記イグニッションスイッチ(5)がオン状態にあると判別するスイッチ状態判別手段(39)とを具備し、前記スイッチ状態判別手段(39)は、少なくとも第1判別モード(37a)を用いて前記イグニッションスイッチ(5)のオンオフ状態を判別するように設定されており、前記第1判別モード(37a)は、規定サンプリング時間(T)ごとに前記電源電圧検出手段(36)で検知される電圧を読み込み、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが検知されてから所定期間(T1)が経過するまでの間に、前記電圧がオン判別閾値(V1)を超える状態が連続して所定回数(n1)検知されると前記イグニッションスイッチ(5)がオン状態にあると判別し、一方、前記電圧が前記オン判別閾値(V1)より小さいオフ判別閾値(V2)以下の状態が連続して所定回数(n2)検知されると前記イグニッションスイッチ(5)がオフ状態にあると判別するように設定されており、前記スイッチ状態判別手段(39)は、前記第1判別モード(37a)で前記イグニッションスイッチ(5)のオンオフ状態がオン状態にもオフ状態にも判別されなかった場合に、前記第1判別モード(37a)から第2判別モード(37b)に切り替えてスイッチ状態の判別処理を実行し、前記第2判別モード(37b)は、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが検知されてから所定期間(TA)が経過するまでの間に、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが所定回数(N)検知されると、前記イグニッションスイッチ(5)がオン状態にあると判別するように設定されている点に特徴がある。
第1の特徴によれば、所定のタイミングまたはCPUの外部割り込み動作にて電源の電圧を検知する電源電圧検知手段と、電源の電圧とオン判別閾値とを比較する電源電圧比較手段と、電源の電圧がオン判別閾値を超えたことが検知されてから所定期間が経過するまでの間に、電源の電圧がオン判別閾値を超えたことが所定期間または所定回数検知されると、イグニッションスイッチがオン状態にあると判別するスイッチ状態判別手段とを具備するので、車載バッテリがバッテリ上がりを起こしている時にキックスタータやリコイルスタータでエンジンを始動され、これにより、車載バッテリと並列接続されている発電機による交流電圧波形が制御ユニットに入力される場合でも、イグニッションスイッチのオン状態を正確に判別することが可能となる。
第2の特徴によれば、スイッチ状態判別手段は、少なくとも第1判別モードを用いてイグニッションスイッチのオンオフ状態を判別するように設定されており、第1判別モードは、規定サンプリング時間ごとに電源電圧検出手段で検知される電圧を読み込み、前記電源の電圧がオン判別閾値を超えたことが検知されてから所定期間が経過するまでの間に、前記電圧がオン判別閾値を超える状態が連続して所定回数検知されるとイグニッションスイッチがオン状態にあると判別し、一方、電圧が前記オン判別閾値より小さいオフ判別閾値以下の状態が連続して所定回数検知されるとイグニッションスイッチがオフ状態にあると判別するように設定されているので、第1判別モードを用いることで、車載バッテリの容量が十分にある場合には、比較的短い時間でイグニッションスイッチのオンオフ状態を判別することが可能となる。
第3の特徴によれば、スイッチ状態判別手段は、第1判別モードでイグニッションスイッチのオンオフ状態がオン状態にもオフ状態にも判別されなかった場合に、第1判別モードから第2判別モードに切り替えてスイッチ状態の判別処理を実行し、第2判別モードは、電源の電圧がオン判別閾値を超えたことが検知されてから所定期間が経過するまでの間に、電源の電圧がオン判別閾値を超えたことが所定回数検知されると、イグニッションスイッチがオン状態にあると判別するように設定されているので、車載バッテリがバッテリ上がりを起こしているために第1判別モードでイグニッションスイッチのオンオフ状態が判別できない場合には、交流電圧波形に基づいてスイッチ状態を判別できる第2判別モードに切り替えて、スイッチ状態の判別処理を完了することが可能となる。
スイッチ状態判別装置を適用した車両の電源回路の構成を示すブロック図である。 制御ユニットの構成を示すブロック図である。 第1判別モードによるスイッチ状態判別処理の流れを示すタイムチャートである(バッテリ正常時)。 第1判別モードによるスイッチ状態判別処理の流れを示すタイムチャートである(バッテリ上がり時)。 第2判別モードによるスイッチ状態判別処理の流れを示すタイムチャートである。 スイッチ状態判別処理の手順を示すフローチャートである。 制御ユニットの内部に設けられる過電圧保護回路の構成を示すブロック図である。 過電圧保護回路の内部に設けられる時定数回路の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係るスイッチ状態判別装置が適用された車両の電源回路の構成を示すブロック図である。この電源回路は、エンジン(不図示)を動力源とする自動二輪車に適用され、イグニッションスイッチ5をオンにすると、車載バッテリ3の電力が、ストップランプ11やウインカバルブ19L,19Rのほか、不図示のセルモータや燃料噴射装置に供給可能となるように構成されている。電源回路には、このほか、車両の走行に必要な前照灯やメータ装置等の電気機器を接続することができる。イグニッションスイッチ5は、例えば、不図示の携帯キーを差し込んで回動させるキーシリンダで構成することができる。
車載バッテリ3には、エンジンと同期回転する発電機(ACG)1が並列接続されており、エンジンの運転中は、発電機1から供給される電力によって車載バッテリ3の充電が行われる。発電機1と車載バッテリ3との間には、発電機1の交流電力を整流された直流電力に変換するレギュレートレクチファイヤ2が設けられている。
イグニッションスイッチ5をオンにすると、車載バッテリ3の電圧が、メインヒューズ4およびヒューズ7を有するライン22を介して、制御ユニット30の電源ポート32に入力される。制御ユニット30は、ライン22から供給される電圧の大きさを検知可能に構成されている。
一方、イグニッションスイッチ5をオンにすることにより、ヒューズ8が設けられたライン23を介して、エンジンの点火装置や燃料噴射装置(不図示)に電力が供給される。これに伴って、前側ブレーキスイッチ9または後側ブレーキスイッチ10をオンにすることでブレーキランプ11が点灯するほか、ホーンスイッチ14をオンにすることでホーンリレー15が作動してホーン13が吹鳴し、ウインカスイッチ18をオンにすることでウインカリレー17が作動してウインカバルブ19L,19Rが点滅可能な状態となる。車両のメータ装置に設けられる作動灯20は、ウインカバルブ19L,19Rに連動して点滅する。
制御ユニット30には、常時電源接続ポート31、ブレーキスイッチポート33、ホーンリレーポート34およびハザードランプポート24が設けられている。さらに、制御ユニット30には、アースポート25、加速度センサ12を接続するセンサポート26が設けられている。制御ユニット30は、各ポートへの入力信号に基づいて各電気機器の作動状態を検知することができる。イグニッションスイッチ5の上流側には、ヒューズ6を有する常時電源ライン21が接続されている。この常時電源ラインは、イグニッションスイッチ5がオフの状態でも、制御ユニット30、ホーンリレー15およびハザードランプリレー16に電力を常時供給するためのものである。
ここで、制御ユニット30には、イグニッションスイッチ5のオンオフ状態に応じて異なる制御を実行するために、オンオフ状態を正確に検知したいという要望がある。このオンオフ状態に関しては、ライン22から電源ポート32に入力される信号に基づいて検知可能であるが、この方式では、車載バッテリ3がバッテリ上がりを起こした状態でエンジンが始動された場合に、オンオフ状態を正確に判別しにくくなる可能性がある。
具体的には、一般的に自動二輪車は、バッテリ上がりを起こしてセルモータが回らない状態でも、キックスタータやリコイルスタータ、または押しがけによって、エンジンを始動することができる。このとき、エンジンは始動するものの、車載バッテリ3の残容量がごく少ない状態であると、発電機1による交流発電電圧が半波整流波形等の脈流波形として制御ユニット30の電源ポート32に入力されることとなる。これにより、イグニッションスイッチ5をオンにすると常に電源ポート32に平滑な電圧波形が入力されることを前提とした従来のスイッチ状態検知手法では、半波整流波形に対する適切な処理ができず、イグニッションスイッチ5のオンオフ状態を正確に判別しにくくなる。そこで、本発明に係るスイッチ状態判別装置では、バッテリ上がり時にエンジンを始動して半波整流波形の電圧が入力される場合でも、イグニッションスイッチ5の状態が判別可能となるように判別方法に工夫が施されている。以下、図3ないし5を用いて、具体的な判別手順を説明する。
図2は、スイッチ状態判別装置を構成する制御ユニット30の構成を示すブロック図である。制御ユニット30には、電源電圧検知手段35と、電源電圧比較手段36と、スイッチ状態判別モード切替手段37と、スイッチ状態判別手段39とが含まれる。スイッチ状態判別モード切替手段37は、第1判別モード37aおよび第2判別モード37bを、互いに切り替える機能を有する。この両モードは、電源電圧比較手段36による比較結果をどのように用いて判別処理を行うかを規定するものであり、第2判別モード37bには、判別用タイマ38が接続される。
電源電圧検知手段35は、イグニッションスイッチ5の下流側に接続された電源ポート32に入力される電源電圧を、所定のタイミングまたはCPUの外部割り込み動作にて検知する。電源電圧比較手段36は、電源電圧検知手段35によって検知された電圧値を、予め設定された閾値と比較する。この予め設定された閾値は、オン判別閾値V1と、該オン判定閾値V1より小さいオフ判別閾値V2とからなる。スイッチ状態判別手段39は、第1判別モード37aまたは第2判別モード37bによる判別結果に応じて、イグニッションスイッチ5のオンオフ状態を判別する。
図3,4は、第1判別モード37aによるスイッチ状態判別処理の流れを示すタイムチャートである。図3は、車載バッテリ3の残容量が十分にある場合(バッテリ正常時)の判別結果を示し、図4は、車載バッテリ3の残容量が少ない場合(バッテリ上がり時)の判別結果を示したものである。スイッチ状態判別手段39は、2つの判別モードのうち、まず、第1判別モード37aによって判別処理を開始し、その後、所定条件が満たされると、第2判別モード37bに切り替えて判別処理を完了するように構成されている。
第1判別モード37aは、車載バッテリ3に十分な残容量があることを前提とするモードであり、規定サンプリング期間T(例えば、0.1ms)ごとに、電源電圧の検知が実行される。この電圧を検知する毎に、オン判別閾値V1を超える電圧であるか否か、オフ判定閾値V2以下の電圧であるか否かの比較が実行される。そして、最初にオン判別閾値V1を超えた時点から所定期間T1が経過するまでの間に、オン判別閾値V1を超える電圧が、1回目の検知を含んで6回連続で検知されると、イグニッションスイッチ5がオン状態にあると判定し、一方、オフ判定閾値V2以下の電圧が6回連続で検知されると、オフ状態にあると判別する。所定期間T1は、オン判定またはオフ判定に必要な期間(本実施形態では、規定サンプリング期間T×6の期間)より長い任意の期間に設定できる。
このグラフの例では、オン判別閾値V1を超える電圧が、時刻t1,t2,t3,t4,t5,t6と6回連続で検知されることにより、時刻t6でイグニッションスイッチ5がオン状態にあると判別される。そして、時刻t7で乗員がイグニッションスイッチ5をオフに切り替えた後、オフ判別閾値V2以下の電圧が、時刻t8,t9,t10,t11,t12,t13と6回連続で検知されることにより、時刻t13でイグニッションスイッチ5がオフ状態にあると判別される。
この方法によれば、オンまたはオフの判別が複数回連続して検知されない限りスイッチ状態の判別結果を変更しないので、例えば、時刻t14で短時間のノイズが検知された場合でも、スイッチ状態の判別結果に影響を与えることがない。
しかしながら、バッテリ上がりを起こしつつエンジンが運転中の状態で、この第1判別モード37aによるスイッチ状態の判別を実行すると、図4に示すように、実際にはイグニッションスイッチ5がずっとオン状態にあるにもかかわらず、スイッチ状態の正確な判別結果が得られないという問題が生じる可能性がある。
これは、バッテリ上がりを起こした状態では、発電機1の発電電圧が半波整流波形等の脈流波形として入力されることが原因で発生する。図4に示す例では、オン判別閾値V1を超える電圧が時刻t10,t11,t12と3回連続で検知されるものの、次のタイミングではオン判別閾値V1を下回るため、6回には足りずオン判別されない。その後、オフ判別閾値V2以下の電圧が時刻t13,t14,t15,t16と4回連続で検知されるものの、次のタイミングでオフ判別閾値V2を上回るため、結果としてオフ判別されない。その後も同様に、オンやオフの判別がされることがなく、実際のイグニッションスイッチ5はオン状態のままであるにもかかわらず、オンオフ状態は初期値を維持するのみとなる。
そこで、本発明では、第1判別モード37aを維持したままでは、図4に示すようにオンやオフの判別がされなかった場合に、後述する第2判別モード37bに切り替えることにより、車載バッテリ3が上がった状態でもスイッチ状態を正確に判別できるように構成されている。
図5は、第2判別モード37bによるスイッチ状態判別処理の流れを示すタイムチャートである。第2判別モード37bは、第1判別モード37aによる判別処理中に所定条件が満たされることで、第1判別モード37aに替えて適用されるものである。このグラフは、第1判別モード37aではスイッチ状態が判別できなかったために、第1判別モード37aから第2判別モード37bに切り替えられた後の状態を示している。
第2判別モード37bは、電圧値が、オン判別閾値V1以下の状態から、オン判別閾値V1を超える状態に切り替わる、すなわち、オン判別閾値V1を跨いで電圧が上昇したか否かを検知し、これをオンオフ状態の判別に用いるものである。
このグラフの例では、時刻t20で最初にオン判別閾値V1を跨いだことが検知されると、判別用タイマ38を作動させて所定時間TA(例えば、8ms)の計測を開始する。そして、所定時間TAが経過する時刻t30に至る前に、オン判別閾値V1を跨いだことが2回検知される、換言すれば、時刻t21,t22においてオン判別閾値V1を跨いだことが検知されると、時刻t22においてイグニッションスイッチ5がオン状態にあると判別する。なお、第2判別モード37bでは、第1判別モードにおける規定サンプリング期間Tより長い間隔で電圧検知を実行して、この電圧検知タイミングが時刻t20,t21,t22と合致するように設定してもよい。
この第2判別モード37bによれば、第1判別モード37aに比して判別時間がやや長くなるものの、バッテリ上がりによって半波整流波形電圧が検知される場合でも、イグニッションスイッチ5がオン状態にあることを正しく判別することが可能となる。以下、図6のフローチャートを参照して、本発明に係るスイッチ状態判別処理の全体の流れを再度確認する。
図6は、スイッチ状態判別処理の手順を示すフローチャートである。ステップS1では、第1判別モード37aが選択されて、スイッチ状態の判別処理が開始される。ステップS2では、オン判別閾値V1を超える電圧を最初の検知からn1回(例えば、6回)連続で検知したか否かが判定される。ステップS2で肯定判定されると、ステップS7に進んで、イグニッションスイッチ5がオン状態にあると判別されて、一連の制御を終了する。一方、ステップS2で否定判定されると、ステップS3に進む。
ステップS3では、オフ判別閾値V2以下の電圧を最初の検知からn2回(例えば、6回)連続で検知したか否かが判定される。そして、ステップS3で否定判定される、すなわち、第1判別モード37aでスイッチ状態のオンオフを判別できなかったと判定されると、第2判別モード37bへの切り替えを行うためにステップS4に進む。一方、ステップS3で肯定判定されると、ステップS10に進んで、イグニッションスイッチ5がオフ状態にあると判別されて、一連の制御を終了する。
ステップS4では、検知電圧がオン判別閾値V1を超えたか(オン判別閾値V1を跨いで電圧が上昇したか)否かが判別される。ステップS4で肯定判定されると、ステップS5に進み、第1判別モード37aから第2判別モード37bへの切り替えが実行されると共に、判別用タイマ38による所定時間TAの計測が開始される。一方、ステップS4で否定判定されると、ステップS4の判定に戻る。
続くステップS6では、第2判別モード37bにより、検知電圧がオン判別閾値V1を超えた回数がN回(例えば、3回)に到達したか否かが判定される。ステップS6で肯定判定されると、ステップS7に進んでスイッチ状態がオン状態と判別され、一連の制御を終了する。
一方、ステップS6で否定判定されると、ステップS8に進んで、判別用タイマ38が終了したか(所定時間TAが経過したか)否かが検知される。ステップS8で否定判定されると、ステップS9では判別用タイマ38がインクリメントされ、ステップS6の判定に戻る。一方、ステップS8で肯定判定される、すなわち、オン判別閾値V1を跨ぐ電圧上昇が所定回数検知されることなく所定時間TAが経過したと判定されると、ステップS10でイグニッションスイッチ5がオフ状態にあると判定され、一連の制御を終了する。
上記したように、本発明に係るスイッチ状態検知装置によれば、スイッチ状態を検知するためのモードに、第1判別モードおよび第2判別モードを設けたので、車載バッテリの容量が十分にある場合には、比較的短い時間でイグニッションスイッチがオン状態にあることを判別可能とする一方、車載バッテリがバッテリ上がりを起こしている時にキックスタータやリコイルスタータでエンジンが始動されることにより、車載バッテリと並列接続されている発電機による交流電圧波形が制御ユニットに入力される場合でも、イグニッションスイッチのオン状態を正確に判別することが可能となる。
図7は、制御ユニット30の内部に設けられる過電圧保護回路40の構成を示すブロック図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。バッテリが上がった状態でエンジンを始動した際に制御ユニット30に入力される半波整流波形の波高値は、最大で100Vにも達する可能性がある。このため、過大な電圧が印加された際にCPU等の内部回路を保護するための過電圧保護回路40を設けることが有効となる。
制御ユニット30に入力される電圧は、ダイオード33を介して、過電圧保護回路40に入力される。過電圧保護回路40の下流側には、電圧調整部50およびCPU60が接続されている。電圧調整部50は、レギュレータ51と、上流側コンデンサ52および下流側コンデンサ53からなる周知の電気回路である。
過電圧保護回路40は、トランジスタ41、ツェナーダイオード42、抵抗43およびMOSFET44によって構成されており、通常通電時は、MOSFET44がオン状態となり、その下流側に電流を流している。これに対し、所定値を超える大きな電圧が入力された場合には、ツェナーダイオード42が降伏することでMOSFET44がオフ状態となり、これにより、MOSFET44より下流側の回路を保護することができる。
図8は、過電圧保護回路40の内部に設けられる時定数回路の構成を示すブロック図である。過電圧保護回路40には、さらに、時定数回路70を加えることができる。時定数回路70は、MOSFET44と抵抗43との間に設けられ、抵抗71とコンデンサ72とからなる周知の回路である。この時定数回路70によれば、大きな電圧が印加されて過電圧保護回路40が作動し、下流への電流供給が切り離された時に発生するスパイク状のサージ電圧を低減することができる。この発電機1のリアクタンスの影響で発生する大きなサージ電圧が低減されることにより、MOSFET44のゲートに高電圧が生じることを防いで、MOSFET44を保護することが可能となる。
なお、電源回路の構成、電源回路に用いられる電気素子の配置や種類、第1判別モードおよび第2判別モードにおけるスイッチ状態の判別条件、オン判別閾値およびオフ判別閾値の設定値等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。本発明に係るスイッチ状態判別装置は、自動二輪車のほか、鞍乗型の三/四輪車等の各種車両や汎用エンジン等に適用することが可能である。
1…発電機(ACG)、2…レギュレータレクチファイヤ、3…車載バッテリ、5…イグニッションスイッチ、9,10…ブレーキスイッチ、11…ブレーキランプ、13…ホーン、30…制御ユニット、32…電源ポート、35…電源電圧検知回路、36…電源電圧比較手段、37…スイッチ状態判別手段、37a…第1判別モード、37b…第2判別モード、38…スイッチ状態判別モード切替手段、40…過電圧保護回路、50…電圧調整部、60…CPU

Claims (1)

  1. エンジンと同期回転する発電機(1)と、該発電機(1)と並列に接続される車載バッテリ(3)と、該車載バッテリ(3)の電圧を車両の電源に用いるためにオンオフ操作されるイグニッションスイッチ(5)とを有する車両に設けられ、前記イグニッションスイッチ(5)のオン操作に伴って制御ユニット(30)に入力される前記電源の電圧に基づいて前記イグニッションスイッチ(5)のオンオフ状態を判別するスイッチ状態判別装置において、
    所定のタイミングまたはCPUの外部割り込み動作にて前記電源の電圧を検知する電源電圧検知手段(35)と、
    前記電源の電圧とオン判別閾値(V1)とを比較する電源電圧比較手段(36)と、
    前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが検知されてから所定期間が経過するまでの間に、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが所定期間または所定回数検知されると、前記イグニッションスイッチ(5)がオン状態にあると判別するスイッチ状態判別手段(39)とを具備し、
    前記スイッチ状態判別手段(39)は、少なくとも第1判別モード(37a)を用いて前記イグニッションスイッチ(5)のオンオフ状態を判別するように設定されており、
    前記第1判別モード(37a)は、規定サンプリング時間(T)ごとに前記電源電圧検出手段(36)で検知される電圧を読み込み、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが検知されてから所定期間(T1)が経過するまでの間に、前記電圧がオン判別閾値(V1)を超える状態が連続して所定回数(n1)検知されると前記イグニッションスイッチ(5)がオン状態にあると判別し、一方、前記電圧が前記オン判別閾値(V1)より小さいオフ判別閾値(V2)以下の状態が連続して所定回数(n2)検知されると前記イグニッションスイッチ(5)がオフ状態にあると判別するように設定されており、
    前記スイッチ状態判別手段(39)は、前記第1判別モード(37a)で前記イグニッションスイッチ(5)のオンオフ状態がオン状態にもオフ状態にも判別されなかった場合に、前記第1判別モード(37a)から第2判別モード(37b)に切り替えてスイッチ状態の判別処理を実行し、
    前記第2判別モード(37b)は、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが検知されてから所定期間(TA)が経過するまでの間に、前記電源の電圧がオン判別閾値(V1)を超えたことが所定回数(N)検知されると、前記イグニッションスイッチ(5)がオン状態にあると判別するように設定されていることを特徴とするスイッチ状態判別装置。
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