JP5729242B2 - 制御装置及びボイラシステム - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御する制御装置であって、前記ボイラのいずれかが蒸発量の増加を指示されることによりバックアップが必要とされ、バックアップに適用可能な燃焼位置が複数ある場合に、前記バックアップに適用可能な燃焼位置のなかから、バックアップに適用する燃焼位置を組合せたバックアップ蒸発量と、前記蒸発量の増加を指示されたボイラにより必要とされるバックアップ必要蒸発量との差が最小となるように、前記バックアップに適用する燃焼位置を組合せるように構成されていることを特徴とする。
また、バックアップに適用可能な燃焼位置とは、いずれかのボイラにおいて蒸発量の増加が指示された場合に、指示された燃焼位置が給蒸するよりも短時間で給蒸可能な燃焼位置を対象とすることができ、この対象とされた燃焼位置のなかから所定の条件(例えば、給蒸するまでの時間)等に基づき任意に選択してもよい。
また、バックアップに適用可能な複数の燃焼位置には、ひとつのボイラに順次移行することが可能な複数の燃焼位置が存在する場合も含まれる。
この明細書において、バックアップ必要蒸発量又はバックアップ蒸発量が変化するとは、バックアップが必要とされる燃焼位置に移行することによるバックアップ必要蒸発量の増加、バックアップ必要燃焼位置の燃焼指示解除又は該燃焼位置の給蒸によるバックアップ必要蒸発量の減少、バックアップに適用した燃焼位置が上位の燃焼位置に移行することによりバックアップ蒸発量が減少する場合が含まれる。なお、バックアップ必要蒸発量の増減分は、(増減後のバックアップ必要蒸発量−増減前のバックアップ必要蒸発量)により、バックアップ蒸発量の増減分は、(増減後のバックアップ蒸発量−増減前のバックアップ蒸発量)により算出される。
図1は、本発明に係る制御器の一実施形態を示す図であり、符号1はボイラシステムを示している。
ボイラシステム1は、複数のボイラから構成されるボイラ群2と、制御部(制御装置)4と、スチームヘッダ6と、スチームヘッダ6に設けられた圧力センサ7とを備えている。
この実施形態において、ボイラ群2は5台の蒸気ボイラ、例えば、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23、第4ボイラ24、第5ボイラ25を備えている。
第2ボイラ22は、第1差分蒸発量が500(kg/h)、第2差分蒸発量が600(kg/h)、定格蒸発量が1100(kg/h)とされている。
第3ボイラ23は、第1差分蒸発量が850(kg/h)、第2差分蒸発量が1050(kg/h)、定格蒸発量が1900(kg/h)とされている。
第4ボイラ24は、第1差分蒸発量が700(kg/h)、第2差分蒸発量が1200(kg/h)、定格蒸発量が1900(kg/h)とされている。
第5ボイラ25は、第1差分蒸発量が1000(kg/h)、第2差分蒸発量が1200(kg/h)、定格蒸発量が2200(kg/h)とされている。
また、第2ボイラ22、・・・、第5ボイラ25は、上記のように三位置制御ボイラとされ、燃焼停止状態、低燃焼状態(第1燃焼位置)、高燃焼状態(第2燃焼位置)での運転が可能とされている。
(1)必要蒸発量の変動に基づいて、例えば、必要蒸発量が設定値を超えて変動した場合等に、対象となる各ボイラに蒸発量増減信号を出力する(S1)。
(2)移行した燃焼位置の特性等に基づき、バックアップ必要蒸発量を算出する。(S2)。
(3)ボイラ群において、バックアップに適用することができるバックアップ可能燃焼位置を抽出する(S3)。
(4)バックアップ可能燃焼位置、及び移行可能な燃焼位置又は燃焼停止位置の順序に基づいて、バックアップ組合せテーブルを作成する(S4)。
(5)バックアップ組合せテーブルのなかから、バックアップ蒸発量とバックアップ必要蒸発量との差が最小となる組合せを選択する(S5)。
(6)バックアップ燃焼位置組合せの対象燃焼位置に、バックアップ信号を出力して上位の燃焼位置に移行する(S6)。
図4(A)、図5(A)に示した枠及び付した数字は、図2と同様であり、ハッチングは燃焼中である燃焼位置を、網かけはバックアップ適用可能燃焼位置を、斜線が直交するチェックはバックアップ燃焼中の燃焼位置を、水平な線と垂直な線が直交する格子はバックアップが必要な燃焼位置を示している。
なお、便宜のため、ボイラ群2は、図4に示すように、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23がそれぞれ第1燃焼位置にあり、第4ボイラ24、第5ボイラ25が燃焼停止位置にあるものとする。ここで、ボイラ群2は必要蒸発量1550(kg/h)、総蒸発量1550(kg/h)であるものとする。
この状態で、必要蒸発量が550(kg/h)増加して、燃焼位置を移行する信号が出力されるものとする。
第1の実施形態に係るボイラ群2によれば、定格蒸発量が異なるボイラ、及び差分蒸発量の異なる燃焼位置を有するボイラを備えている場合でも、ボイラ群2における過剰な給蒸やハンチングの発生を抑制して、安定したバックアップをすることができる。
また、例えば、各ボイラ21、・・・、25の第1燃焼位置が高効率燃焼位置である場合に、ボイラ群2の燃焼効率を向上することができる。
第2の実施形態に係るボイラ群2は、必要蒸発量が増加した場合に、ボイラ群の必要蒸発量≦総蒸発量を満足する範囲で、いずれかのボイラを上位の燃焼位置に移行して総蒸発量が最小となるように燃焼位置を選択するように構成されている。その他は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、第2の実施形態は、低燃焼位置から高燃焼位置への移行が指示されても、高燃焼位置と対応する蒸発量がすぐに給蒸できないボイラに対して有利である。
第2の実施形態に係るボイラ群2によれば、いずれかのボイラを上位の燃焼位置に移行してボイラ群2の総蒸発量を増加するので、ボイラ群2における発停を少なくしてボイラ群2の燃焼を安定させることができる。
第4の実施形態に係るボイラ群2は、必要蒸発量の増加に対応して総蒸発量を増加して、すでにバックアップされている場合に、バックアップ蒸発量と、バックアップ必要蒸発量との差が最小となるように構成されている。その他は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、第3実施形態は、上記第1〜第3の実施形態に適用することができる。
第3の実施形態に係るボイラ群2によれば、ボイラ群2のバックアップ必要蒸発量とボイラ群2のバックアップ蒸発量との差を最小とすることにより、省エネを実現しつつ効率的にバックアップすることができる。
第4の実施形態に係るボイラ群2は、必要蒸発量が減少した場合のバックアップ蒸発量を減少させる場合の例を示すものであり、第1の実施形態とは、図3のブロック図において、バックアップ必要蒸発量、バックアップ可能燃焼位置、バックアップ組合せテーブル、バックアップ蒸発量に代えて、減少するバックアップ必要蒸発量、バックアップ燃焼位置、解除対象燃焼位置の組合せテーブル、解除により減少するバックアップ蒸発量が適用される点である。その他は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。ここでは、第4ボイラ24が給蒸することにより必要蒸発量が700(kg/h)減少するものとする。なお、図8は、必要蒸発量が減少する前の初期状態を示す図である。
第4の実施形態に係るボイラ群2によれば、減少するバックアップ必要蒸発量と解除することにより減少するバックアップ蒸発量との差を最小に制御することができる。
その結果、ボイラ群2における過剰な給蒸やハンチングの発生を抑制することができる。
例えば、上記実施の形態においては、ボイラ群2が5台のボイラから構成される場合について説明したが、ボイラ群2を形成するボイラの構成、及びボイラの台数、燃料の種類等は任意に設定することができる。
また、バックアップ蒸発量を減少させる場合に、解除により減少するバックアップ蒸発量とバックアップ必要蒸発量の減少分との差を最小とするか、解除した後のバックアップ蒸発量と必要蒸発量との差を最小とするかは任意に設定することができる。
第1状態:低燃焼を解除後、パージ又はパイロット燃焼状態となり、給蒸していないが圧力を保持している状態
第2状態:低燃焼を解除して待機状態となり、給蒸していないが圧力を保持している状態
第3状態:燃焼停止位置から低燃焼位置に移行して水を加熱しているが圧力を保持していない状態(無圧状態)
第4状態:パージ又はパイロット燃焼状態であるが圧力を保持していない状態(無圧状態)
なお、第4状態には、第1状態から圧力低下した場合と、燃焼停止位置においてパージ又はパイロット燃焼状態となった場合を含む。
また、上記圧力保持状態(第1、第2状態)によるバックアップは、短時間で給蒸するうえで好適であり、第1〜第4状態のいずれを対象とするかは任意に設定可能である。
また、必要蒸発量を確保するのに代えて、必要蒸発量に対して所定の範囲の蒸発量を確保するよう構成してもよい。
2 ボイラ群
4 制御部(制御装置)
21、22、23、24、25 ボイラ
Claims (5)
- 複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御する制御装置であって、
前記ボイラのいずれかが蒸発量の増加を指示されることによりバックアップが必要とされ、バックアップに適用可能な燃焼位置が複数ある場合に、
前記バックアップに適用可能な燃焼位置のなかから、バックアップに適用する燃焼位置を組合せたバックアップ蒸発量と、前記蒸発量の増加を指示されたボイラにより必要とされるバックアップ必要蒸発量との差が最小となるように、前記バックアップに適用する燃焼位置を組合せるように構成されていることを特徴とする制御装置。 - 請求項1に記載の制御装置であって、
前記ボイラ群のバックアップ必要蒸発量又はバックアップ蒸発量が変化して前記バックアップ蒸発量を増減する必要が生じた際に、バックアップに適用可能又はバックアップを解除可能な燃焼位置が複数ある場合は、
前記バックアップに適用可能又は解除可能な燃焼位置のなかから、バックアップに適用し又は解除する燃焼位置の組合せを変更することによるバックアップ蒸発量の増減分と、前記バックアップ必要蒸発量の増減分との差が最小となるように、前記バックアップに適用し又は解除する燃焼位置を組合せるように構成されていることを特徴とする制御装置。 - 請求項1に記載の制御装置であって、
前記ボイラ群のバックアップ必要蒸発量又はバックアップ蒸発量が変化して前記バックアップ蒸発量を増減する必要が生じた際に、バックアップに適用可能又はバックアップを解除可能な燃焼位置が複数ある場合は、
前記バックアップに適用可能又は解除可能な燃焼位置のなかから、新たな組合せによるバックアップ蒸発量と、前記増減した後のバックアップ必要蒸発量との差が最小となるように、前記バックアップに適用し又は解除する燃焼位置を組合せるように構成されていることを特徴とする制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御装置であって、前記蒸発量の増加を指示されて給蒸していない燃焼位置及びバックアップ可能な燃焼位置に対応して設定されたバックアップ組合せテーブルを備え、前記バックアップ組合せテーブルに基づいて前記バックアップに適用し又は解除する燃焼位置を組合せるように構成されていることを特徴とする制御装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の制御装置を備えることを特徴とするボイラシステム。
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