JP5593895B2 - プログラム、制御器及びボイラシステム - Google Patents

プログラム、制御器及びボイラシステム Download PDF

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Description

この発明は、複数のボイラからなるボイラ群を制御するためのプログラム、制御器及びボイラシステムに関する。
周知のように、燃焼量が同一(低燃焼の燃焼量:高燃焼の燃焼量が1:2)の段階的な燃焼位置を有するボイラを有するボイラ群の制御に関して、燃焼させるボイラを増やしつつ各ボイラの燃焼位置を順次上位に移行して蒸発量を制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ボイラ群の負荷追従性を向上する場合に、ボイラ群のなかで負荷追従性が高いボイラを優先的に燃焼制御する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−227402号公報 特開2005−55014号公報
しかしながら、ボイラ群の要求負荷は、例えば、日々要因、時間要因、操業要因をはじめとする種々の要因により変動が発生する場合があり、ボイラ群に対する要求負荷が小さくても要求負荷の変動(増加)幅が大きい場合があり、しかも大きな変動が急激に発生する場合がある。
このような急激で大きな要求負荷の増加が生じると、ボイラ群が供給する蒸気が不足して要求負荷に対するタイムラグやボイラ群を構成するボイラの発停に起因するチャタリングが発生し易くなる。
また、ボイラ群がターンダウン比(最大燃焼量/最小燃焼量)が大きいボイラ(例えば、低燃焼位置:中燃焼位置:高燃焼位置=1:2:5)を備えている場合に、差分蒸発量が大きい燃焼位置をON−OFF(仮想ボイラを発停)すると、タイムラグやチャタリングが顕著となるため、要求負荷の増加幅が大きくても負荷追従性を容易に確保可能な技術への強い技術的要請がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群における、要求負荷の急激な増加に対する負荷追従性を容易かつ効率的に確保し、ひいては急激な負荷変動が生じてもチャタリング等が発生するのを抑制可能なプログラム、制御器及びボイラシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御するプログラムであって、前記ボイラ群において要求負荷の最大蒸発量よりも小さい第1蒸発量と、前記第1蒸発量に対して前記ボイラ群における蒸発量の増加幅と対応する第2蒸発量とを設定し、前記ボイラ群を構成するボイラについて、燃焼中のボイラにあっては燃焼中の燃焼位置から予め設定した上位の燃焼位置に移行して増加する蒸発量からなる負荷追従蒸発量を、給蒸移行過程にあるボイラにあっては燃焼停止位置から予め設定した上位の燃焼位置に移行して増加する蒸発量からなる負荷追従蒸発量を、合計することにより得られる総負荷追従蒸発量を算出し、前記第1蒸発量と、前記第2蒸発量と、前記総負荷追従蒸発量とに基づいて、各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、制御器であって、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプログラムを備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、ボイラシステムであって、請求項11に記載の制御器を備えることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、要求負荷の最大蒸発量と、第1蒸発量と、第2蒸発量とに基づいて各ボイラ及び燃焼位置を制御するので、要求負荷の最大蒸発量、第1蒸発量、第2蒸発量に対応した総蒸発量(各ボイラの蒸発量を合計)、及び総負荷追従蒸発量(各ボイラの負荷追従蒸発量の合計)を確保して、要求負荷の増加に容易かつ効率的に対応することができる。
この明細書において、
1)蒸発量とは、単位時間当たりに発生する蒸気量であり、例えば、(kg/h)により表すことができる。
2)ボイラの蒸発量とは、燃焼中のボイラがその燃焼位置で燃焼することで出力する蒸発量である。
3)ボイラ群の総蒸発量とは、ボイラ群において燃焼しているボイラのその燃焼位置において出力する蒸発量の合計である。
4)要求負荷の最大蒸発量とは、要求負荷(例えば、蒸気使用設備等)において消費される蒸気の最大使用量である。
5)ボイラの最大蒸発量とは、対象となるボイラが出力可能な蒸発量であり、定格蒸発量である。
6)第1蒸発量とは、要求負荷の消費蒸気量との関係において、ボイラ群が蒸発量の急激な変動を生じにくく、蒸気の供給を安定かつ容易に行なうことが可能と認められる、ボイラ群の基礎的な蒸発量をいう。
なお、第1蒸発量は、要求負荷との相対的関係に基づき任意に設定可能であり、例えば、総蒸発量の平均値、要求負荷に対する定常蒸発量、要求負荷が運転中の最低蒸発量、ボイラ群が最も長時間供給する蒸発量と対応する蒸発量、等、又は、これらのいずれかに対してオフセットをし、若しくはこれらのいずれかに対する所定範囲内に設定することができる。
7)第2蒸発量とは、要求負荷の消費蒸気量との関係において、ボイラ群が蒸発量の変動を生じやすく、蒸発量を急激に増加することが必要と認められる、ボイラ群における蒸気供給量の変動と対応する変動蒸発量である。
なお、第2蒸発量は、要求負荷との相対的関係に基づく蒸発量の変動と対応して任意に設定可能であり、例えば、要求負荷の蒸発量の変動幅の最大値、変動幅の平均値、変動幅の最小値、変動幅の定常値、等、又は、これらのいずれかに対してオフセットをし、若しくはこれらのいずれかに対する所定範囲内に設定することができる。
8)第1蒸発量、第2蒸発量、要求負荷の最大蒸発量の相対的関係は、例えば、
要求負荷の最大蒸発量 = 第1蒸発量 + 第2蒸発量
としてもよいし、
例えば、ボイラ群の運転上の技術的理由等により、図13に示すように、要求負荷の最大蒸発量 = 第1蒸発量 + 第2蒸発量 が成立しなくても、要求負荷の最大蒸発量が一義的に定まる場合には、第1蒸発量については総蒸発量の平均値を、第2蒸発量については蒸発量の最大変動幅を用いて、例えば、
要求負荷の最大蒸発量 < 第1蒸発量 + 第2蒸発量
としてもよく、第1蒸発量と第2蒸発量との相対的関係については、適切性を考慮して任意に設定することができる。
9)ボイラ群の最大蒸発量とは、ボイラ群として出力可能な蒸発量であり、ボイラ群を構成するボイラ(予備缶を除く)の最大蒸発量の合計であり、また、ボイラ群としての定格蒸発量である。
10)負荷追従蒸発量とは、いずれかのボイラが要求負荷の増減に応じてタイムラグを生じることなく短時間で増加することができる蒸発量である。
11)総負荷追従蒸発量とは、ボイラ群が要求負荷の増減に応じてタイムラグを生じることなく短時間で増加することができる蒸発量であり、ボイラ群を構成するボイラ(予備缶を除く)の負荷追従蒸発量の合計である。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のプログラムであって、各ボイラの蒸発量を合計した総蒸発量が前記第1蒸発量を超えるまで、前記各ボイラの負荷追従蒸発量を合計した総負荷追従蒸発量が、前記第2蒸発量を確保するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、総負荷追従蒸発量が第2蒸発量に相当する総負荷追従蒸発量を確保するので、要求負荷に第2蒸発量に相当する蒸発量の増加が生じても、容易かつ効率的に要求負荷の増加に対応することができる。
その結果、要求負荷に対するタイムラグの発生や、ボイラ群におけるチャタリングの発生を抑制することができる。
この明細書において、「総負荷追従蒸発量が第2蒸発量を確保する」とは、総負荷追従蒸発量が第2蒸発量に相当する蒸発量を確保して、第2蒸発量と同等の蒸発量を短時間で増加できることを意味する。
また、蒸発量を確保するための手段としては、総負荷追従蒸発量を第2蒸発量に相当する蒸発量に対して所定範囲内とすることが挙げられ、所定範囲の概念には、例えば、
1)第2蒸発量に相当する蒸発量以上であること
2)第2蒸発量に相当する蒸発量に対して下限及び上限を有する範囲であること
3)第2蒸発量に対して所定の差を以って設定した設定蒸発量に対して、上記1)又は2)の関係を有すること
等が含まれる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプログラムであって、前記総負荷追従蒸発量を、前記第2蒸発量に対して所定範囲内とすることにより、前記第2蒸発量を確保するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、ボイラ群の総負荷追従蒸発量を、第2蒸発量に対して所定範囲内とするように各ボイラ及び燃焼位置を制御するので、ボイラ群の負荷追従性を効率的に確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記総負荷追従蒸発量を、前記第2蒸発量以上とすることにより、前記第2蒸発量を確保するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、ボイラ群の総負荷追従蒸発量を、第2蒸発量以上とするように各ボイラ及び燃焼位置を制御するので、ボイラ群の負荷追従性を容易かつ効率的に確保することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記総負荷追従蒸発量を合計する場合に、燃焼中の前記ボイラが燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象として算出するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、最上位燃焼位置よりも下位の燃焼位置にて給蒸している各ボイラを、燃焼中の燃焼位置から(運転対象の)最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象として総負荷追従蒸発量を算出して、第2蒸発量に相当する負荷追従蒸発量を確保するので、蒸発量を短時間で増加することが可能とされ、負荷追従性を容易かつ確実に向上することができる。
この明細書において、「最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量」を算出する場合の最上位燃焼位置とは、負荷追従蒸発量算出に際して、各ボイラの運転対象とされている最上位燃焼位置をいう。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記総負荷追従蒸発量を合計する場合に、燃焼中の前記ボイラが燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量及び給蒸移行過程にあるボイラが最下位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象として算出するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、第2蒸発量に相当する総負荷追従蒸発量を確保する場合に、最上位燃焼位置よりも下位の燃焼位置にて給蒸している各ボイラを燃焼中の燃焼位置から(運転対象の)最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、給蒸移行過程にあるボイラを給蒸移行過程から最下位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量(第1差分蒸発量に相当)とを合計して算出する。
その結果、燃焼停止位置にあるいずれかのボイラを給蒸移行過程に移行することにより、該ボイラを給蒸移行過程から最下位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量(該ボイラの第1差分蒸発量相当分)を合計対象として総負荷追従蒸発量を算出するので、給蒸中のボイラの上位の燃焼位置への移行による負荷追従蒸発量の減少の解消が容易になり、ボイラ群の負荷追従性を容易かつ効率的に向上することができる。
この明細書において、給蒸移行過程とは、燃焼停止位置において、例えば、パージ(微風パージを含む)、パイロット燃焼(連続パイロット燃焼を含む)状態にあるボイラが燃焼開始してから第1燃焼位置における給蒸するまでの過程、低燃焼に対応するバーナが燃焼開始してから第1燃焼位置における給蒸するまでの過程、燃焼を解除されたボイラが燃焼停止位置となり水温が常温に低下するまでの過程を指しており、以下の第1状態から第5状態に分類され、第1状態から第5状態の順に短時間で給蒸可能とされている。
第1状態:低燃焼位置にあり、給蒸していないが圧力を保持している状態
第2状態:低燃焼を解除後、パージ又はパイロット燃焼状態となり、給蒸していないが圧力を保持している状態
第3状態:低燃焼を解除して待機状態となり、給蒸していないが圧力を保持している状態
第4状態:燃焼停止位置から低燃焼位置に移行して水を加熱しているが圧力を保持していない状態(無圧状態)
第5状態:パージ又はパイロット燃焼状態であるが圧力を保持していない状態(無圧状態)
なお、第5状態には、第2状態から圧力低下して無圧状態となった場合と、燃焼停止位置においてパージ又はパイロット燃焼状態となり、無圧状態である場合を含む。
給蒸移行過程のうち、圧力保持状態にある第1状態、第2状態、第3状態から第1燃焼位置への移行は、移行時間を短くするうえで好適である。
なお、連続パイロット燃焼状態とは、ガス焚きボイラにおいて、燃焼信号が出力されるとすぐに着火することができるように、未燃ガスが缶内に滞留させないために行なうパイロットバーナの連続燃焼状態をいう。
なお、微風パージとは、油焚きボイラにおいて、燃焼信号が出力されるとすぐに着火することができるように、未燃ガスが缶内に滞留させないために送風機回転数を減少させて微風量で送風状態を維持することをいう。
また、この明細書において、ボイラを一段階上位の燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量、すなわち、移行した後の燃焼位置の蒸発量と移行前の燃焼停止位置(又は燃焼位置)の蒸発量との差を、差分蒸発量という。
また、一段階上位に移行して第N燃焼位置(Nは、1以上の整数)となることで増加する蒸発量を、「第N燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第N差分蒸発量」といい、例えば、燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を「第1燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第1差分蒸発量」と、第1燃焼位置から第2燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を「第2燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第2差分蒸発量」という。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記総負荷追従蒸発量を合計する場合に、燃焼中の前記ボイラが燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量及び給蒸移行過程にあるボイラが最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象として算出するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、第2蒸発量に相当する総負荷追従蒸発量を確保する場合に、最上位燃焼位置よりも下位の燃焼位置にて給蒸している各ボイラを燃焼中の燃焼位置から(運転対象の)最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、給蒸移行過程にあるボイラを給蒸移行過程から(運転対象の)最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量とを合計して算出する。
その結果、燃焼停止位置にあるいずれかのボイラを給蒸移行過程に移行することにより、該ボイラを給蒸移行過程から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を合計対象として総負荷追従蒸発量を算出するので、給蒸中のボイラの上位の燃焼位置への移行による負荷追従蒸発量の減少の解消が容易になり、ボイラ群の負荷追従性を容易かつ効率的に向上することができる。
また、給蒸移行過程にあるボイラが最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を総負荷追従蒸発量の合計対象とすることにより、給蒸移行過程に移行するボイラの台数を削減し、余分なエネルギー消費を抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記ボイラ群の蒸発量を増加する場合に、燃焼中の燃焼位置と、前記燃焼中の燃焼位置から順次移行可能とされる燃焼位置のなかから選択した燃焼位置との組合せによる総蒸発量が最小となるように、各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、ボイラ群の総負荷追従蒸発量を確保する際に、現在燃焼している燃焼位置の組合せから順次移行することにより構成可能な燃焼位置の組合せ(選択されたボイラ及び燃焼位置)を抽出し、そのなかから総蒸発量が最小となる燃焼位置の組合せを選択するので、ボイラ群の負荷追従性を確保しつつ余分なエネルギー消費を抑制することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のプログラムであって、前記総蒸発量が最小となる組合せを設定する場合に、前記燃焼中の燃焼位置と、前記燃焼中の燃焼位置から順次移行可能とされる燃焼位置のなかから選択した燃焼位置との組合せを、前記総負荷追従蒸発量が前記第2蒸発量を確保可能なものとして抽出した燃焼位置の組合せのなかから選択して、各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、総負荷追従蒸発量が現在燃焼している燃焼位置の組合せから順次燃焼位置を移行して構成可能なもののなかから第2蒸発量に相当する設定負荷追従蒸発量を確保するように対象とする燃焼位置の組合せを抽出し、抽出された燃焼位置の組合せのなかから総蒸発量が最小となる燃焼位置の組合せを選択する。その結果、総負荷追従蒸発量を確保しつつ総蒸発量が最小となる燃焼位置の組合せを容易かつ効率的に選択することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記蒸発量の増加にともなう移行先の燃焼位置が前記第1蒸発量に対応する燃焼位置であるボイラを、前記移行先の燃焼位置が前記第2蒸発量に対応する燃焼位置であるボイラよりも優先して各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、蒸発量の増加にともなう移行先の燃焼位置が第1蒸発量に対応する燃焼位置であるボイラを、移行先の燃焼位置が第2蒸発量に対応する燃焼位置であるボイラよりも優先して各ボイラ及び燃焼位置を制御する。その結果、第1蒸発量と対応する燃焼位置のうち、最上位燃焼位置の燃焼が長時間行われる。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記第1蒸発量を、前記ボイラ群を運転する際に最も長時間燃焼するボイラ及び燃焼位置の組合せと対応して設定するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、第1蒸発量を最も長時間燃焼するボイラ及び燃焼位置の組合せと対応して設定するので、第1蒸発量と対応する燃焼位置のうち最上位燃焼位置に、高効率燃焼、短時間移行等の有利な属性を設定することにより、ボイラ群の燃焼効率や負荷追従性を効率的に向上することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のボイラシステムであって、各ボイラの前記第1蒸発量と対応する燃焼位置のうち最上位の燃焼位置が高効率燃焼位置とされていることを特徴とする。
この発明に係るボイラシステムによれば、第1蒸発量と対応する燃焼位置のうち最上位の燃焼位置が高効率燃焼位置とされているので、ボイラ群の燃焼効率を効率的に向上することができる。
この発明に係るプログラム、制御器及びボイラシステムによれば、複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群において、要求負荷の増加により必要蒸発量が急激に増加しても、負荷追従性を効率的に確保することができる。
また、ボイラ群の負荷追従性を確保しつつ高効率燃焼を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るボイラシステムの概略を示す図である。 第1の実施形態に係るボイラ群の概略構成及び作用を説明する図である。 第1の実施形態に係るデータベースの一例を示す図である。 第1の実施形態に係るプログラムの一例を説明するフロー図である。 第1の実施形態に係るボイラ群の作用を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係るボイラシステムの概略を示す図である。 第2の実施形態に係るボイラ群の概略構成を説明する図である。 第2の実施形態に係るデータベースの一例を示す図である。 第2の実施形態に係るプログラムの一例を説明するブロック図である。 第2の実施形態に係るプログラムの一例を説明するフロー図である。 第2の実施形態に係るプログラムによる燃焼位置の組合せの一例を説明する図である。 第2の実施形態に係るボイラシステムの動作の一例を説明する概略図である。 この発明に係る要求負荷の最大蒸発量、第1蒸発量、第2蒸発量の概略を説明する図である。
以下、図1から図5を参照し、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るボイラシステムを示す図であり、符号1はボイラシステムを示している。
ボイラシステム1は、図1に示すように、例えば、4台のボイラから構成されるボイラ群2と、制御部(制御器)4と、スチームヘッダ6と、スチームヘッダ6内の蒸気の圧力(蒸発量と対応する物理量)を検出する圧力センサ7とを備え、蒸気使用設備18の要求負荷に応じて、ボイラ群2で発生させた蒸気を供給するようになっている。
この実施形態における要求負荷は、圧力センサ7が検出するスチームヘッダ6内の蒸気の圧力(物理量)により代用されており、この圧力に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量と対応する必要蒸発量が算出されるようになっている。
図2は、ボイラ群2を構成する各ボイラ21、・・・、24を概念的に示す図であり、ボイラ群2は、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23、第4ボイラ24とを備えている。
また、各ボイラ21、・・・、24は、それぞれ燃焼停止状態(燃焼停止位置)、低燃焼状態(第1燃焼位置)、中燃焼状態(第2燃焼位置)、高燃焼状態(第3燃焼位置)の4つの段階的な燃焼状態に制御可能な四位置ボイラとされ、それぞれ第1差分蒸発量が1000(kg/h)、第2差分蒸発量が1000(kg/h)、第3差分蒸発量が1000(kg/h)、定格蒸発量が3000(kg/h)とされている。
また、各ボイラ21、・・・、24は、第2燃焼位置が高効率燃焼位置とされている。
なお、図2に示す各枠は各ボイラ21、・・・、24を表し、各ボイラ21、・・・、24を示す枠を仕切った区分は燃焼位置を表している。
また、各ボイラの燃焼位置は、下から第1〜3燃焼位置であり、各燃焼位置に記した数字(1000)は各燃焼位置の差分蒸発量△JR(kg/h)であり、差分蒸発量△JR(kg/h)の横に( )で示した数字は、図4のフロー図を実行した場合に制御部4が選択する燃焼位置の燃焼順序(動作順序)である。
また、各枠の上方に( )で示した数字は蒸発量増加における優先順位を、(予備)の記載は、その燃焼位置が予備缶(運転対象外燃焼位置)であることを示している。
また、この実施形態において、各ボイラ21、・・・、24の優先順位及び予備缶は自動で設定され、各ボイラ21、・・・、24は優先順位にしたがって高効率燃焼位置である第2燃焼位置(中燃焼状態)となり、運転対象とされたすべてのボイラが第2燃焼位置(高効率燃焼位置が予備缶とされたボイラがある場合、該ボイラについては最上位燃焼位置)に到達した後に、高効率燃焼位置よりも上位の高燃焼状態に優先順位に従って順次移行するようになっている。
なお、優先順位、予備缶の設定を、自動、手動のいずれで行なうかは任意に設定することができる。
制御部4は、入力された第1蒸発量JS1及び第2蒸発量JS2に基づいて、要求負荷の最大蒸発量JMを算出し、最大蒸発量JMに基づいてボイラ群2における運転対象の燃焼位置を設定するようになっている。
この実施形態において、第1蒸発量JS1はボイラ群2における定常蒸発量(例えば、ボイラ群2が給蒸する蒸発量の平均値)、第2蒸発量JS2は第1蒸発量JS1を超えた蒸発量の変動幅とされ、要求負荷の最大蒸発量JM=第1蒸発量JS1+第2蒸発量JS2とされている。
第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2と対応する燃焼位置は、例えば、メモリ42に格納されるようになっている。
また、制御部4は、運転対象とされた燃焼位置を、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2のいずれかに対応するようになっており、このとき、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置のうち最上位の燃焼位置を、可能な範囲で高効率燃焼位置とするようになっている。
なお、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置のうち、すべての最上位燃焼位置が高効率燃焼位置とならない場合、例えば、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置のすべてが給蒸した場合にボイラ群2の燃焼効率が最高となる燃焼位置組合せを設定するようになっている。
また、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置のうち、すべての最上位燃焼位置が高効率燃焼位置とならない場合に、ボイラ群2の燃焼効率を最高効率とするのに代えて、例えば、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置のうち、できるだけ多くの最上位燃焼位置を高効率燃焼位置と一致させるように構成してもよい。
また、第1の実施形態において、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2と対応する燃焼位置の設定は、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2と対応する燃焼位置のそれぞれの組合せの出力(燃焼位置組合せの差分蒸発量の合計)が、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2以上となるように構成されている。
その結果、ボイラ群の最大蒸発量は、要求負荷の最大蒸発量JMを満足するように設定され、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2と対応する燃焼位置(運転対象燃焼位置)を設定することにより、運転対象外燃焼位置(予備缶)が設定される。
また、各燃焼位置を運転対象とするか運転対象外とするかは、各ボイラ21、・・・、24の優先順位に基づいて設定されるようになっている。
また、第2蒸発量JS2に相当する蒸発量を、設定負荷追従蒸発量JTとして設定する。
また、制御部4は、ボイラ群2が、総蒸発量JRが必要蒸発量JNを満足し、総負荷追従蒸発量JGが設定負荷追従蒸発量JTを確保するように、優先順位にしたがってボイラ及び燃焼位置(燃焼停止位置を含む)を選択する。
また、ボイラ及び燃焼位置(燃焼停止位置を含む)を選択する際に、運転対象とされたボイラがすべて第2燃焼位置(高効率燃焼位置)に到達した後に、高効率燃焼位置よりも上位の第3燃焼位置に移行するようになっている。
なお、必要蒸発量JNを満足する総蒸発量JR、及び設定負荷追従蒸発量JTを満足する総負荷追従蒸発量JGのいずれかが確保できない場合には、総蒸発量JRを優先するようになっている。
制御部4は、入力部41と、メモリ42と、演算部43と、ハードディスク44と、出力部46と、通信線47とを備え、入力部41、メモリ42、演算部43、ハードディスク44、出力部46は通信線47によって相互にデータ等を通信可能に接続され、ハードディスク44にはデータベース45が格納されている。
入力部41は、例えば、図示しないキーボード等のデータ入力機器を有していて設定等を演算部43に出力可能とされるとともに、圧力センサ7、各ボイラ21、・・・、24と信号線13、信号線16により接続され、圧力センサ7から入力された圧力信号及び各ボイラ21、・・・、24から入力された信号(例えば、燃焼位置等の情報)を演算部43に出力するようになっている。
出力部46は、各ボイラ21、・・・、24と信号線14により接続され、演算部43から出力された制御信号を各ボイラ21、・・・、24に出力するようになっている。
演算部43は、メモリ42の記憶媒体(例えば、ROM)に格納されたプログラムを読み込んで実行し、要求負荷に対応する蒸発量の算出、ボイラ群2において燃焼させるボイラ及びその燃焼位置の組み合わせの選択を行い、その結果に基づき出力部46を介して各ボイラ21、・・・、24に制御信号を出力するようになっている。
データベース45は、第1のデータベース45Aと、第2のデータベース45Bと、第3のデータベース45Cとを備えている。
第1のデータベース45Aは、圧力信号(mV)と圧力P(t)(Pa)との関係を示す数値データがデータテーブル(図示せず)の形式で格納されており、演算部43が圧力センサ7からの圧力信号(mV)と対照することによりスチームヘッダ6内の圧力P(t)が算出されるようになっている。
第2のデータベース45Bは、ボイラ群2におけるスチームヘッダ6の目標圧力PTと、この目標圧力PTを形成するための蒸発量との関係を示す数値データがデータテーブルとして格納されており、演算部43が入力部41から入力されたスチームヘッダ6内の圧力P(t)に基づいてデータテーブルを参照して、必要蒸発量JNを取得するようになっている。
また、第3のデータベース45Cは、例えば、図3に示すように、各ボイラ21、・・・、24の各燃焼位置の差分蒸発量Ji(j)、及び各ボイラ21、・・・、24が給蒸移行過程及び各燃焼位置にある場合の総負荷追従蒸発量GiA(j)、GiB(j)、GiC(j)を示す数値データがデータテーブルの形式で格納されている。
ここで、図3におけるi(=21、22、23、24)はボイラを特定する符号を、j「=0、1、2)は燃焼位置を特定する符号を示している。また、j=0は、給蒸移行過程において保圧状態(第1状態から第3状態のいずれかを設定)であることを示しており、Gi(0)は、給蒸移行過程において保圧状態である場合の総負荷追従蒸発量を意味する。
また、図3に記載した総負荷追従蒸発量GiA(j)、総負荷追従蒸発量GiB(j)、総負荷追従蒸発量GiC(j)は、以下のように算出されるようになっている。
総負荷追従蒸発量GiA(j); 燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象
総負荷追従蒸発量GiB(j); 燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、給蒸移行過程にあるボイラが最下位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象
総負荷追従蒸発量GiC(j); 燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、給蒸移行過程にあるボイラが最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象
この実施形態において、総負荷追従蒸発量JGは、各ボイラ21、・・・、24の燃焼位置又は給蒸移行過程に対応する総負荷追従蒸発量GiC(j)を合算して算出するようになっている。
演算部43は、第3データベース45Cと参照して、必要蒸発量JN、設定負荷追従蒸発量JTを満足する総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGを確保するように、ボイラ及び燃焼位置(燃焼停止位置を含む)を選択(算出)するようになっている。
また、演算部43は、優先順位の変更、予備缶の設定変更をする際に、ボイラ群2の出力可能な蒸発量(定格蒸発量)が、要求負荷の最大蒸発量JM以上となるように、ボイラ群2における予備缶を設定するようになっている。
スチームヘッダ6は、第1ボイラ21、・・・、第4ボイラ24と蒸気管11により接続されるとともに、蒸気使用設備18と蒸気管12により接続されており、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合し、各ボイラ相互間の圧力差及び圧力変動を調整して蒸気使用設備18に蒸気を供給するようになっている。
以下、図4を参照して、第1の実施形態に係るプログラムのフローの一例について説明する。なお、図4は、総蒸発量JRを増加する場合の例を示しており、総蒸発量JR及び総負荷追従蒸発量JGの過不足に関わらず、一度にひとつの燃焼位置のみを燃焼状態に移行(すなわち、差分蒸発量の増加は1000(kg/h))するようになっている。
(1)まず、ボイラ群2の要求負荷と対応する必要蒸発量JN、各ボイラ21、・・・、24の蒸発量を合計した総蒸発量JR、各ボイラ21、・・・、24の負荷追従蒸発量を合計した総負荷追従蒸発量JGにそれぞれ初期値(=0)を設定するとともに、第1蒸発量(例えば、ボイラ群2の平均的な出力)JS1、第1蒸発量に対してボイラ群における蒸発量の増加幅と対応する第2蒸発量JS2、設定負荷追従蒸発量JT(=JS2)を設定する(S1)。
(2)次に、第1蒸発量JS1と第2蒸発量JS2を合計して、要求負荷の最大蒸発量JMを算出する。算出した要求負荷の最大蒸発量JMは、メモリ42に格納する(S2)。
(3)次いで、要求負荷の最大蒸発量JMに基づいて、運転対象とするボイラ及び燃焼位置を設定する(S3)。運転対象とする燃焼位置は、メモリ42に格納する。
このとき、ボイラ群2の定格出力 ≧ 要求負荷の最大蒸発量JM を満足するように、運転対象とするボイラ及び燃焼位置を設定する。
(4)演算部43は、ボイラ群2において運転対象とされた各燃焼位置を、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2のいずれかに割り当てる(S4)。
(5)ボイラ群2が運転中かどうかを判断する(S5)。
ボイラ群2が運転中の場合にはS6に移行し、運転中でない場合にはプログラムを終了する。
(6)演算部43は、必要蒸発量JNを算出する(S6)。算出した必要蒸発量JNをメモリ42に格納する。
(7)演算部43は、S6において算出した必要蒸発量JNと、メモリ42に格納された総蒸発量JRとを比較して、総蒸発量JR < 必要蒸発量JN であるかどうかを判断する(S7)。
総蒸発量JR < 必要蒸発量JN が成立する場合にはS8に移行し、総蒸発量JR < 必要蒸発量JN が成立しない場合はS5に移行する。
(8)演算部43は、高効率燃焼位置(第2燃焼位置)未満の燃焼位置又は燃焼停止位置にあり、高効率燃焼位置以下の運転対象とされた上位の燃焼位置に移行可能なボイラが存在するかどうか判断する(S8)。
第1蒸発量に割り当てられ高効率燃焼位置(第2燃焼位置)未満の燃焼位置、又は燃焼停止位置にあり、運転対象とされた上位の燃焼位置に移行可能なボイラが存在する場合はS9に移行し、存在しない場合はS15に移行する。
(9)演算部43は、総負荷追従蒸発量JGと、第3データベース45Cから取得した高効率燃焼位置未満で燃焼中の優先順位が最優先のボイラを一段上位の燃焼位置に移行する場合の差分蒸発量△JRと、メモリ42に格納された設定負荷追従蒸発量JTに基づいて、(総負荷追従蒸発量JG −差分蒸発量△JR ≧ 設定負荷追従蒸発量JT )であるかどうかを判断する(S9)。
(総負荷追従蒸発量JG −差分蒸発量△JR ≧ 設定負荷追従蒸発量JT) である場合には、燃焼中の優先順位が最優先のボイラを一段上位の燃焼位置に移行しても、総負荷追従蒸発量JGが設定負荷追従蒸発量JT を満足するので、高効率燃焼位置未満で燃焼中のボイラを上位の燃焼位置に移行するためS10に移行し、総負荷追従蒸発量JG −差分蒸発量△JR ≧ 設定負荷追従蒸発量JT でない場合には負荷追従蒸発量JGの減少を抑制するためにS13に移行する。なお、高効率燃焼位置未満で燃焼中のボイラが存在しない場合もS13に移行する。
(10)演算部43は、高効率燃焼位置未満で燃焼している優先順序が最優先のボイラを一段上位の燃焼位置に移行する信号を出力する(S10)。信号を出力したらS11に移行する。
(11)演算部43は、第3のデータベース45Cを参照して、移行後の総蒸発量JRを算出する(S11)。算出した総蒸発量JRをメモリ42に格納する。S11を実行したら、S12に移行する。
(12)演算部43は、第3のデータベース45Cを参照して、総負荷追従蒸発量JGを算出する(S12)。算出した総負荷追従蒸発量JGをメモリ42に格納する。S12を実行したらS5に移行する。
(13)演算部43は、燃焼停止位置にあるボイラが存在するかどうか判断する(S13)。
燃焼停止位置にあるボイラが存在する場合はS14に移行し、燃焼停止位置にあるボイラが存在しない場合はS10に移行する。
(14)演算部43は、燃焼停止位置にあるボイラのなかで優先順位が最優先のボイラを一段上位の燃焼位置に移行する信号を出力する(S14)。信号を出力したらS11に移行する。
(15)演算部43は、高効率燃焼位置以上で燃焼していて上位の燃焼位置に移行可能なボイラが存在するかどうか判断する(S15)。
高効率燃焼位置以上で燃焼していて上位の燃焼位置に移行可能なボイラが存在する場合はS16に移行し、高効率燃焼位置未満で燃焼しているボイラが存在しない場合はS5に移行する。
(16)演算部43は、高効率燃焼位置以上で燃焼している優先順序が最優先のボイラを一段上位の燃焼位置に移行する信号を出力する(S16)。信号を出力したらS11に移行する。
上記(5)から(16)を繰り返して実行する。
次に、図5を参照して、ボイラシステム1の動作について説明する。
図5は、ボイラシステム1が、図2に示した動作順序で総蒸発量JRを増加してゆく際に、必要蒸発量JNの増加に対応するための、必要蒸発量JN、総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGを示した表である。かかる動作におけるボイラ群2の燃焼位置の移行は、概ね以下のとおりである。なお、ボイラシステム1の、第1蒸発量JS1は7800(kg/h)、第2蒸発量JS2、すなわち設定負荷追従蒸発量JTは3100(kg/h)とする。
まず、運転が開始されると、演算部43は、S1、S2を実行して、要求負荷の最大蒸発量JMを算出する。
次に、S3を実行して、ボイラ群2における運転対象ボイラを設定する。これにより、予備缶が設定される(S3)。
次いで、S4を実行し、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2と対応する燃焼位置を割り当てる。この燃焼位置の割り当ては、第1蒸発量と対応する燃焼位置のうち最上位燃焼位置が高効率燃焼位置(この実施形態では第2燃焼位置)となるように、優先順位にしたがって各ボイラ21、・・・、24に割り当てる。
次に、S5、S6の順に移行する。
S6で算出した必要蒸発量JNはゼロの場合は、S7において、総蒸発量JR < 必要蒸発量JN(ゼロ)が成立しないのでS5に移行する。
必要蒸発量JN > 0(kg/h)となるまでは、S5、S6、S7を繰り返す。
(1)次に、必要蒸発量JNがゼロを超えると、演算部43は、S5、S6、S7、S8の順に移行し、S8において、燃焼停止位置(第2燃焼位置未満)の第1ボイラ21が存在しているのでS9に移行する。
次に、S9における(総負荷追従蒸発量JG(=ゼロ(kg/h))− 第1ボイラ21を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR(=1000(kg/h)))はマイナス1000(kg/h)であり、(総負荷追従蒸発量JG−第1ボイラ21を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR)≧ 設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足しないのでS13に移行する。
次いで、S13における判断は、燃焼停止位置にあるボイラが存在するのでS14に移行し、S14を実行することにより第1ボイラ21の第1燃焼位置が燃焼状態(動作順序1)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序1が実行された状態で、総蒸発量JRは1000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは2000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足していない。
この実施形態において、いずれかのボイラが上位の燃焼位置に移行して動作順序N(この実施形態では、N=1、2、・・・11の整数)と対応する燃焼状態に変化したら、次の動作順序(N+1)と対応する必要蒸発量JNに増加してS7における 総蒸発量JR<必要蒸発量JNが「YES」となるまで、S5、S6、S7を繰り返すこととなる。
(2)次に、例えば、必要蒸発量JNが1000(kg/h)を超えると、S5、S6、S7、S8、S9、S13、S14を実行して、第2ボイラ22の第1燃焼位置が燃焼状態(動作順序2)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序2が実行された状態で、総蒸発量JRは2000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは4000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足する。
(3)次に、必要蒸発量JNが2000(kg/h)を超えると、S5、S6、S7、S8の順に移行し、S8において、高効率燃焼位置(第2燃焼位置)未満で燃焼しているボイラが存在していると判断してS9に移行し、次いで、S9における(総負荷追従蒸発量JG(=4000(kg/h))− 第1ボイラ21を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR(=1000(kg/h)))は3000(kg/h)であり、(総負荷追従蒸発量JG−第1ボイラ21を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR)≧設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))は成立しないのでS13に移行する。
次に、S13における判断は、燃焼停止位置にあるボイラが存在するのでS14に移行し、S14を実行することにより第3ボイラ23の第1燃焼位置が燃焼状態(動作順序3)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序3が実行された状態で、総蒸発量JRは3000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは6000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足する。
(4)次に、必要蒸発量JNが3000(kg/h)を超えると、S5、S6、S7、S8、S9の順に移行する。
S9において算出した優先順位が最優先である第1ボイラ21を上位の燃焼位置に移行した場合の(総負荷追従蒸発量JG(=6000(kg/h))− 第1ボイラ21を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR(=1000(kg/h)))は、5000(kg/h)(≧ 設定負荷追従蒸発量JT3100(kg/h))であるのでS10に移行する。
S10を実行すると、第1ボイラ21の第2燃焼位置が燃焼状態(動作順序4)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序4が実行された状態で、総蒸発量JRは4000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは5000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足する。
(5)次に、必要蒸発量JNが4000(kg/h)を超えた場合の動作順序5は、動作順序4と同様の流れで実行されることにより第2ボイラ22が第2燃焼位置に移行され、動作順序5が実行された状態で、総蒸発量JRは5000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは4000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足する。
(6)次に、必要蒸発量JNが5000(kg/h)を超えると、S5、S6、S7、S8の順に移行し、S8において、高効率燃焼位置未満で燃焼しているボイラが存在していると判断してS9に移行する。
S9において算出した(総負荷追従蒸発量JG(=4000(kg/h))− 第4ボイラ24を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR(=1000(kg/h)))は、3000(kg/h)(<設定負荷追従蒸発量JT3100(kg/h))であるのでS13に移行する。
次に、S13における判断は、燃焼停止位置にあるボイラが存在するのでS14に移行し、S14を実行することにより第4ボイラ24の第1燃焼位置が燃焼状態(動作順序6)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序6が実行された状態で、総蒸発量JRは6000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは5000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足する。
(7)次に、必要蒸発量JNが6000(kg/h)を超えると、S5、S6、S7、S8の順に移行し、S8において、高効率燃焼位置未満で燃焼しているボイラが存在していると判断してS9に移行する。
S9において算出した(総負荷追従蒸発量JG(=4000(kg/h))− 第3ボイラ23を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR(=1000(kg/h)))は、4000(kg/h)(≧設定負荷追従蒸発量JT3100(kg/h))であるのでS10に移行する。
S10を実行することにより第3ボイラ23の第2燃焼位置が燃焼状態(動作順序7)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序7が実行された状態で、総蒸発量JRは7000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは4000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足する。
(8)次に、必要蒸発量JNが7000(kg/h)を超えると、S5、S6、S7、S8、S9の順に移行し、S9における(総負荷追従蒸発量JG(=4000(kg/h))− 第3ボイラ23を第2燃焼位置に移行した場合の差分蒸発量△JR(=1000(kg/h)))は、3000(kg/h)(<設定負荷追従蒸発量JT3100(kg/h))であるのでS13に移行する。
次に、S13における判断は、燃焼停止位置にあるボイラが存在しないのでS10に移行する。S10を実行することにより第4ボイラ24の第2燃焼位置が燃焼状態(動作順序8)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序8が実行された状態で、総蒸発量JRは8000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは3000(kg/h)となり、第1蒸発量JS1に対応するすべての燃焼位置が燃焼状態となり第1蒸発量JS1(=7800(kg/h)を満足するとともに、すべてのボイラ21、・・・、24が高効率燃焼位置に位置する。
このとき、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足しない。
(9)次に、必要蒸発量JNが8000(kg/h)を超えると、S5、S6、S7、S8の順に移行し、S8における判断は、高効率燃焼位置未満で燃焼しているボイラが存在しないのでS15に移行する。
次に、S15における判断は、上位の燃焼位置に移行可能なボイラが存在するためS16に移行する。
S16を実行することにより、第1ボイラ21の第3燃焼位置が燃焼状態(動作順序9)となり、その後S11、S12が実行される。
動作順序9が実行された状態で、総蒸発量JRは9000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは2000(kg/h)であり、総負荷追従蒸発量JGは設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足しない。
10)次に、必要蒸発量JNが9000(kg/h)、10000(kg/h)を超えた場合の動作順序10、11は、動作順序9と同様の流れで実行され、第2ボイラ22、第3ボイラ23が順次第3燃焼位置に移行され、動作順序10、11がそれぞれ実行された状態で、総蒸発量JRは10000(kg/h)、11000(kg/h)、総負荷追従蒸発量JGは1000(kg/h)、ゼロ(kg/h)となる。
以上のように、図2に記載された動作順序で総蒸発量JRが増加してゆく。
また、それぞれの動作順序(1〜11)が実行された状態での、総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGは、上述のように図5に示すとおりである。
なお、動作順序8が実施された後は、高効率燃焼位置から上位の燃焼位置に移行するので、総負荷追従蒸発量JGは減少するのみとなり、動作順序8を実行することにより、総負荷追従蒸発量JGが設定負荷追従蒸発量JT(=3100(kg/h))を満足しなくなるが、この実施形態においては、総蒸発量JR≧必要蒸発量JNが、総負荷追従蒸発量JG≧設定負荷追従蒸発量JTに優先するため、引き続き動作順序9〜11が実施される。
ボイラシステム1によれば、要求負荷の変動幅に相当する第2蒸発量JS2(設定負荷追従蒸発量JT)以上の負荷追従蒸発量JGを容易かつ効率的に確保することができる。その結果、通常発生する要求負荷の変動に対する負荷追従性を向上し、要求負荷に対するタイムラグの発生やボイラ群2におけるチャタリングの発生を抑制することができる。
また、ボイラシステム1によれば、上位に移行可能な燃焼位置を最上位燃焼位置である第3燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、各ボイラ21、・・・、24のうち給蒸移行過程にあるボイラを第3燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量とを合計して総負荷追従蒸発量JGを算出するので、給蒸させるボイラ及び給蒸移行過程に移行するボイラの台数を減少させて、余分なエネルギー消費を抑制することができる。
次に、図6から図12を参照して、この発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係るボイラシステム1Aを示す図であり、第2の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、ボイラシステム1Aが、第1ボイラ21、・・・、第4ボイラ24の4台からなるボイラ群2に代えて、3台のボイラからなるボイラ群3を備えている点である。
また、ボイラ群2が予め設定された優先順位にしたがって制御されるのに対して、ボイラ群3では、総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGに対応してボイラ及び燃焼位置(燃焼停止位置、給蒸移行過程)を選択するようになっている。その他は、第1の実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
ボイラシステム1Aは、図6に示すように、例えば、第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33とを備えており、この実施形態において、第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33は、それぞれの燃焼位置、差分蒸発量は異なった構成とされている。
図7は、ボイラ群3を構成する第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33を概念的に示す図であり、各枠は第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33を、第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33を仕切って表した枠は、それぞれの燃焼位置を示している。
また、燃焼位置を示す各枠内の数字は各燃焼位置の差分蒸発量を、< >で示した数字は定格蒸発量を、(予備)の記載は、その燃焼位置が予備缶(運転対象外の燃焼位置)であることを示している。
第1ボイラ31は、第1差分蒸発量が500(kg/h)、第2差分蒸発量が1000(kg/h)、第3差分蒸発量が2000(kg/h)の四位置ボイラとされ、定格蒸発量が3000(kg/h)とされている。
第2ボイラ32は、第1差分蒸発量が1000(kg/h)、第2差分蒸発量が1500(kg/h)、第3差分蒸発量が1500(kg/h)の四位置ボイラとされ、定格蒸発量が4000(kg/h)とされている。
第3ボイラ33は、第1差分蒸発量が500(kg/h)、第2差分蒸発量が1500(kg/h)、定格蒸発量が2000(kg/h)とされている。
また、第2の実施形態において、ボイラ群3は、運転開始時に、第2ボイラ32の第2燃焼位置、第3ボイラ33の第2燃焼位置が、予備缶に設定されているものとする。
また、第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33は、給蒸移行過程にある場合、短時間で第1燃焼位置に移行して総負荷追従蒸発量を確保することにより、負荷追従性を向上することができるようになっている。
この実施形態において給蒸移行過程とは、第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33における燃焼停止位置から第1燃焼位置に到達して給蒸するまでの間をいい、給蒸移行過程については、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態においては、例えば、ボイラ群3において最も長時間給蒸する蒸発量を第1蒸発量JS1とし、第1ボイラ31の第1燃焼位置、第2ボイラ32の第1燃焼位置、第3ボイラ33の第1燃焼位置が、第1蒸発量JS1に割り当てられている。
また、第1蒸発量JS1を超えて変動する蒸発量の変動幅を第2蒸発量JS2として、第1ボイラ31の第2燃焼位置、の第3燃焼位置が割り当てられている。
また、第2蒸発量JS2を設定負荷追従蒸発量JTとして設定する点は、第1の実施形態と同様である。
また、データベース45は、第1のデータベース45Aと、第2のデータベース45Bと、第3のデータベース45Cとを備えており、第1のデータベース45A、第2のデータベース45Bは、第1の実施形態と同様とされている。
第3のデータベース45Cは、例えば、図8に示すように、第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33の各燃焼位置の差分蒸発量Ji(j)、及び第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33が給蒸移行過程及び各燃焼位置にある場合の総負荷追従蒸発量GiA(j)、GiB(j)、GiC(j)を示す数値データがデータテーブルの形式で格納されている。
ここで、図8におけるi(=31、32、33)はボイラを特定する符号を、j(=0、1、2、3)は燃焼位置を特定する符号を示している。また、j=0は、給蒸移行過程において保圧状態(第1状態から第3状態のいずれかを設定)であることを示しており、Gi(0)は、給蒸移行過程において保圧状態である場合の総負荷追従蒸発量を意味する。
また、総負荷追従蒸発量GiA(j)、総負荷追従蒸発量GiB(j)、総負荷追従蒸発量GiC(j)は、第1の実施形態と同様であり、第2の実施形態において、総負荷追従蒸発量JGは、例えば、総負荷追従蒸発量GiC(j)を合算して算出するようになっている。
演算部43は、第3データベース45Cを参照して、必要蒸発量JN、設定負荷追従蒸発量JTを満足する総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGを確保するとともに、過剰な総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGが発生するのを抑制するために、総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGを小さくするようにボイラ及び燃焼位置を選択(算出)するように構成されている。
また、演算部43は、予備缶の設定変更をする際には、ボイラ群3の最大蒸発量が、要求負荷の最大蒸発量JM以上となるように、予備缶とするボイラ及び燃焼位置を選択するようになっている。
以下、図9、図10を参照して、第2の実施形態に係るプログラムの概略を説明する。なお、図9、図10においては、総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JG、第2蒸発量JS2に相当する設定負荷追従蒸発量JTとを対象に説明する。
第2の実施形態に係るプログラムは、図9に示すブロック図のように、以下の4つの機能を備えている。
(1)まず、現在燃焼中の燃焼位置から順次移行することが可能な燃焼位置の組合せを生成する(S101)。
(2)次に、総負荷追従蒸発量JGが、設定負荷追従蒸発量JTに対して所定の関係を有する燃焼位置の組合せを抽出する(S102)。
総負荷追従蒸発量JGが、設定負荷追従蒸発量JTに対して所定の関係を有するとは、例えば、総負荷追従蒸発量JGが設定負荷追従蒸発量JT以上、所定の設定範囲内であること等が挙げられ、第2の実施形態においては、総負荷追従蒸発量JGが設定負荷追従蒸発量JT以上であることを意味する。
(3)総蒸発量JR≧必要蒸発量JNを満足し、総蒸発量JRが最小となる燃焼位置の組合せを選択する(S103)。
(4)選択した燃焼位置の組合せのうち、現在燃焼していない燃焼位置に順次燃焼開始信号を出力する(S104)。
図10は、第2の実施形態に係るプログラムのフローの一例について説明する。図10は、図9のブロック図に係るフロー図の概略を示す図である。
(1)まず、ボイラ群3の現在の燃焼位置から順次移行して組合せ可能な燃焼位置の組合せ群を生成する(S201)。
(2)検証対象の燃焼位置の組合せ群があるかどうかを判断する(S202)。
検証対象の燃焼位置の組合せ群がある場合にはS203に移行し、検証対象の燃焼位置の組合せ群がない場合にはプログラムを終了する。
(3)演算部43は、検証対象である燃焼位置の組合せ群のなかから、燃焼位置の組合せを適宜選択する(S203)。
(4)演算部43は、S203において選択した燃焼位置の組合せによる総負荷追従蒸発量JGと、設定負荷追従蒸発量JTとを比較して、総負荷追従蒸発量JG≧設定負荷追従蒸発量JT であるかどうかを判断する(S204)。総負荷追従蒸発量JG≧設定負荷追従蒸発量JT である場合はS205に移行し、総負荷追従蒸発量JG≧設定負荷追従蒸発量JT でない場合は、S202に移行するとともに、検証した燃焼位置の組合せを破棄する。
(5)演算部43は、S204において検証した燃焼位置の組合せによる総蒸発量JRと、必要蒸発量JNとを比較して、総蒸発量JR≧必要蒸発量JN であるかどうかを判断する(S205)。総蒸発量JR≧必要蒸発量JN である場合は、この燃焼位置の組合せをメモリ42に格納するとともにS206に移行し、総負荷追従蒸発量JG≧設定負荷追従蒸発量JT でない場合は、S202に移行するとともに、検証した燃焼位置の組合せを破棄する。
(6)演算部43は、S205において、総蒸発量JR≧必要蒸発量JN を満足した燃焼位置の組合せと、既にメモリ42に格納された燃焼位置の組合せの総蒸発量JRを比較し、今回の燃焼位置の組合せの総蒸発量JR <格納された燃焼位置の組合せの総蒸発量JR であるかどうか判断する(S206)。
今回の燃焼位置の組合せの総蒸発量JR < 格納された燃焼位置の組合せの総蒸発量JR である場合には、S207に移行し、今回の燃焼位置の組合せの総蒸発量JR < 格納された燃焼位置の組合せの総蒸発量JR でない場合には、S202に移行して、今回の燃焼位置の組合せを破棄する。
(7)演算部43は、今回の燃焼位置の組合せをメモリ42に格納して、既に格納された燃焼位置の組合せと置き換える(S207)。
上記(2)から(7)を繰り返して実行する。
次に、図11、図12を参照して、ボイラシステム1Aの動作について説明する。
図11は、図12(A)におけるボイラの燃焼状態から順次移行して構成可能な燃焼位置の組合せの種類(No.)を示す表であり、燃焼位置の組合せにおける第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33の各燃焼位置の状態を示している。
燃焼中と記載した燃焼位置は、図12(A)において既に燃焼している燃焼位置を、「予備缶」と表示したのは運転対象外であることを、○を表示したのは、総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGを確保するために新たに燃焼させることを示している。
また、図12において、第1ボイラ31、第2ボイラ32、第3ボイラ33を表す枠内の枠は燃焼位置を、燃焼位置を表す枠内に記載した(予備)は、運転対象外である予備缶(燃焼位置)を示している。
また、ハッチングを施した燃焼位置は総蒸発量JRの算出対象である給蒸中の燃焼位置を、網かけのみを施した燃焼位置は総負荷追従蒸発量JGの算出対象である燃焼位置を示している。
なお、図12において、給蒸移行過程について記載していないが、総負荷追従蒸発量を増加させる際に、いずれかのボイラを給蒸移行過程に移行可能としてもよいことはいうまでもない。
また、ボイラシステム1Aは、蒸発量増加に際して、必要蒸発量JN、設定負荷追従蒸発量JTを満足する総蒸発量JR、総負荷追従蒸発量JGを確保するとともに、蒸発量減少に際しても、同様の判断をして、解除するべき燃焼中の燃焼位置を選択するようになっている。
また、ボイラ群3は、図12(A)に示すように、すでに、第1ボイラ31の第1燃焼位置、第3ボイラ33の第1燃焼位置が燃焼状態にあるものとする。
また、図12(A)において、ボイラ群3の必要蒸発量JNは1000(kg/h)、図12(B)において、ボイラ群3の必要蒸発量JNは2000(kg/h)に増加したものとし、設定負荷追従蒸発量JTは3000(kg/h)とする。
なお、第1蒸発量JS1、要求負荷の最大蒸発量JMについては、簡便のため省略するものとする。
(1)まず、現在燃焼中の燃焼位置から順次移行することが可能な燃焼位置の組合せを生成する(S101)。
S101を実行することにより、
1)燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+31(2)
この燃焼位置の組合せでは、新たに31(2)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=2000(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG=2000(kg/h)
である。同様に、
2)燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+32(1)
この燃焼位置の組合せでは、新たに32(1)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=2000(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG=4500(kg/h)
3)燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+31(2)+32(1)
この燃焼位置の組合せでは、新たに31(2)+32(1)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=3000(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG=3500(kg/h)
4)燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+31(2)+31(3)
この燃焼位置の組合せでは、新たに31(2)+31(3)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=4000(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG= ゼロ (kg/h)
5)燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+32(1)+32(2)
この燃焼位置の組合せでは、新たに32(1)+32(2)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=3500(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG=3000(kg/h)
6) 燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+31(2)+31(3)+32(1)
この燃焼位置の組合せでは、新たに31(2)+31(3)+32(1)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=5000(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG=1500(kg/h)
7)燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+31(2)+32(1)+32(2)
この燃焼位置の組合せでは、新たに31(2)+32(1)+32(2)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=4500(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG=2000(kg/h)
8)燃焼位置の組合せ;31(1)+33(1)+31(2)+31(3)+32(1)+31(2)
この燃焼位置の組合せでは、新たに31(2)+31(3)+32(1)+31(2)の燃焼を開始することとなり、
総 蒸 発 量 JR=6500(kg/h)
総負荷追従蒸発量JG= ゼロ (kg/h)
上記1)から8)の燃焼位置の組合せが生成される。
(2)次に、S102を実行して、 総負荷追従蒸発量JG ≧設定負荷追従蒸発量JT(=3000(kg/h))を満足する燃焼位置の組み合わせを抽出すると、設定負荷追従蒸発量JT=3000(kg/h)であるから、上記2)、3)、5)の3通りが抽出される。
(3)次いで、S103を実行して、総蒸発量JR≧必要蒸発量JNを満足し、総蒸発量JRが最小となる燃焼位置の組合せを選択すると、必要蒸発量JN=1800(kg/h)であるから、総蒸発量JRが1800(kg/h)以上で最小である2)が選択される。
(4)S104を実行して、燃焼位置32(1)に燃焼を開始する信号を出力する。
その結果、31(1)+32(1)+33(1)からなる燃焼位置の組合せが燃焼する。
ボイラシステム1Aによれば、現在燃焼している燃焼位置の組合せから順次移行することにより、総負荷追従蒸発量JGが設定負荷追従蒸発量JTを確保する燃焼位置の組合せ(選択されたボイラ及び燃焼位置)を抽出し、そのなかから総蒸発量JRが最小となる燃焼位置の組合せを選択するので、総負荷追従蒸発量JGを確保しつつ総蒸発量JRが最小となるボイラ及び燃焼位置を容易かつ効率的に選択できる。
その結果、ボイラ群3の負荷追従性を確保しつつ余分なエネルギー消費を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、ボイラシステム1を構成するボイラ群2が4台の三位置ボイラから構成され、ボイラシステム1Aを構成するボイラ群3が3台の異種ボイラから構成される場合について説明したが、ボイラ群2、3を形成するボイラの台数、各ボイラの構成(例えば、燃焼位置数、各燃焼位置の差分蒸発量等)は任意に設定することができる。
また、上記実施の形態においては、ボイラ群2において、第1蒸発量JS1と対応する各ボイラ21、22、23、24の第2燃焼位置が高効率燃焼位置である場合について説明したが、いずれの燃焼位置を高効率燃焼位置とするかは任意に設定可能である。
例えば、第1燃焼位置、第3燃焼位置のいずれかを高効率燃焼位置としてもよいし、例えば、五位置以上のボイラにおいて、第4燃焼位置以上の燃焼位置を高効率燃焼位置としてもよい。
また、それぞれのボイラにおける異なる段位の燃焼位置を、高効率燃焼位置として設定してもよい。
また、長時間燃焼する燃焼位置の組合せと対応する燃焼位置による総蒸発量JRに代えて、例えば、蒸気使用量を圧力等から算出し又は蒸気使用量を蒸気流量計等により測定して取得した所定時間における総蒸発量JRの平均値等を求めて、ボイラシステム1、1Aにおける第1蒸発量JS1としてもよい。
また、上記実施の形態においては、各ボイラにおける第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置のうち最上位の燃焼位置が高効率燃焼位置である場合について説明したが、例えば、高効率燃焼位置に代えて、負荷追従性が最もよい燃焼位置を、各ボイラの第1蒸発量JS1と対応させて、ボイラ群の負荷追従性を向上する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、総負荷追従蒸発量JGを算出する場合に、燃焼中のボイラが最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、給蒸移行過程にあるボイラが最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象とする場合について説明したが、
また、上記実施の形態においては、総負荷追従蒸発量JGの算出にあたって、
1)燃焼中のボイラを該ボイラの運転対象とされている最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、給蒸移行過程にあるボイラを該ボイラの運転対象とされている最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量の合計
2)燃焼中のボイラを該ボイラの最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量
3)燃焼中のボイラを該ボイラの最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量と、給蒸移行過程にあるボイラを該ボイラの最下位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量の合計
のいずれかを対象として算出するかは、任意に設定することができる。
また、総負荷追従蒸発量JGの算出に際して、
燃焼中のボイラ、給蒸移行過程にあるボイラを該ボイラの運転対象とされている最上位燃焼位置まで移行した場合に増加する蒸発量に代えて、例えば、
1)燃焼中の燃焼位置を運転対象とされている一段階上位の燃焼位置に移行
2)予め設定した複数段階上位の運転対象とされている燃焼位置に移行
3)高効率燃焼位置に移行
のいずれかを実行したと仮定した場合に増加する蒸発量を対象に算出する構成としてもよい。
また、上記運転対象とされている燃焼位置のみを算出対象とするのではなく、運転対象外の燃焼位置も含めて算出対象としてもよい。
また、上記実施の形態においては、ボイラ群2、3を構成するボイラ(燃焼位置)の一部が、故障、修理、計画停止等による予備缶とされている場合について説明したが、予備缶を有さない構成としてもよいし、予備缶を設定変更する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、いずれかのボイラを上位の燃焼位置に移行して設定負荷追従蒸発量JTを確保できない場合に、優先順位が最優先のボイラを第1燃焼位置に移行して必要蒸発量JN及び設定負荷追従蒸発量JTを確保する場合について説明したが、例えば、いずれかのボイラを上位の燃焼位置への移行に加えて、他のボイラを給蒸移行過程に移行して負荷追従蒸発量の減少分を補充する構成としてもよい。
また、第1の実施形態においては、要求負荷の最大蒸発量JM= 第1蒸発量JS1 +第2蒸発量JS2 (S2)である場合について説明したが、例えば、第1蒸発量JS1について総蒸発量JRの平均値を、第2蒸発量JS2について総蒸発量JRの最大変動幅を用いることが適切な場合に、例えば、要求負荷の最大蒸発量JM < 第1蒸発量JS1 + 第2蒸発量JS2 のように設定してもよく、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2、要求負荷の最大蒸発量JM、の相対的関係を任意に設定することができる。
また、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2、要求負荷の最大蒸発量JMのいずれを設定値とし、いずれかを算出により設定するかは、任意に定めることができる。
また、上記実施の形態においては、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2を手動で設定する場合について説明したが、これらの設定を自動、手動で行なうかは任意である。
第1蒸発量JS1と第2蒸発量JS2とを合計して、要求負荷の最大蒸発量JMを算出する場合について説明したが、要求負荷の最大蒸発量JMを、手動で設定してもよく、又データベース等を参照して取得してもよい。
第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2、要求負荷の最大蒸発量JMのすべてを手動で設定する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、ボイラ群2、3において、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置、第2蒸発量JS2と対応する燃焼位置のいずれもが、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2(=設定負荷追従蒸発量JT)以上となるように燃焼位置を割り当てる場合について説明したが、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2の双方又はいずれかについて、例えば、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2に上限値、下限値を設定した範囲内とし、又は第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2に対してオフセットした設定値以上とし、又はこのオフセットした設定値に対する下限値及び上限値を設けて、燃焼位置の割当を行なってもよい。
上記実施の形態においては、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2を入力して設定する場合について説明したが、例えば、要求負荷の最大蒸発量JMが既知である場合に、要求負荷の最大蒸発量JM−第1蒸発量JS1=第2蒸発量(未知数)、又は要求負荷の最大蒸発量JM−第2蒸発量JS2=第1蒸発量(未知数)して算出する構成としてもよい。
また、第1蒸発量JS1、第2蒸発量JS2、最大蒸発量JMのいずれか又はこれらを特定可能な数値を特定し、例えば、工場等の操業要因、季節要因等で、第1蒸発量JS1が大幅に変動した場合に、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置を設定変更するようにしてもよい。
また、第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置が高効率燃焼位置と一致しなくなった場合に、人手によりバーナ特性等を変更して、高効率燃焼位置と第1蒸発量JS1と対応する燃焼位置と一致させて、エネルギー削減をしてもよい。
また、上記のような場合に、高効率燃焼位置を自動で切り替えるように構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、蒸気量と対応する物理量としてスチームヘッダ6内の蒸気の圧力P(t)及び目標圧力PTを用いて蒸発量を制御する場合について説明したが、圧力に代えて蒸気使用設備18における蒸気の使用量等、蒸発量又は蒸発量と対応する他の物理量を用いて蒸発量を制御してもよい。
また、この発明に係るプログラムの概略構成の一例をフロー図、ブロック図として示したが、上記フロー図又はブロック図以外の方法(アルゴリズム)を用いてプログラムを構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、プログラムを格納するための記憶媒体がROMである場合について説明したが、ROM以外にも、例えば、EP−ROM、 ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカードなどを用いてもよい。また、演算部が読出したプログラムを実行することにより上記実施形態の作用が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、演算部で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施形態の作用が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、演算部に挿入された機能拡張ボードや演算部に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の作用が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
ボイラ群における容易かつ効率的にボイラ群の負荷追従性を確保できるので、産業上利用可能である。
1、1A ボイラシステム
2、3 ボイラ群
4 制御部(制御器)
21、22、23、24 ボイラ
31、32、33、34 ボイラ

Claims (14)

  1. 複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御するプログラムであって、
    前記ボイラ群において要求負荷の最大蒸発量よりも小さい第1蒸発量と、
    前記第1蒸発量に対して前記ボイラ群における蒸発量の増加幅と対応する第2蒸発量と、を設定し、
    前記ボイラ群を構成するボイラについて、燃焼中のボイラにあっては燃焼中の燃焼位置から予め設定した上位の燃焼位置に移行して増加する蒸発量からなる負荷追従蒸発量を、給蒸移行過程にあるボイラにあっては燃焼停止位置から予め設定した上位の燃焼位置に移行して増加する蒸発量からなる負荷追従蒸発量を、合計することにより得られる総負荷追従蒸発量を算出し、
    前記第1蒸発量と、前記第2蒸発量と、前記総負荷追従蒸発量と、に基づいて、
    各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  2. 請求項1記載のプログラムであって、
    各ボイラの蒸発量を合計した総蒸発量が前記第1蒸発量を超えるまで、
    前記各ボイラの負荷追従蒸発量を合計した総負荷追従蒸発量が、前記第2蒸発量を確保するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  3. 請求項1又は2に記載のプログラムであって、
    前記総負荷追従蒸発量を、前記第2蒸発量に対して所定範囲内とすることにより、前記第2蒸発量を確保するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    前記総負荷追従蒸発量を、前記第2蒸発量以上とすることにより、前記第2蒸発量を確保するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    前記総負荷追従蒸発量を合計する場合に、
    燃焼中の前記ボイラが燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象として算出するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    前記総負荷追従蒸発量を合計する場合に、
    燃焼中の前記ボイラが燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量及び給蒸移行過程にあるボイラが最下位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象として算出するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    前記総負荷追従蒸発量を合計する場合に、
    燃焼中の前記ボイラが燃焼中の燃焼位置から最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量及び給蒸移行過程にあるボイラが最上位燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を対象として算出するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    前記ボイラ群の蒸発量を増加する場合に、
    燃焼中の燃焼位置と、前記燃焼中の燃焼位置から順次移行可能とされる燃焼位置のなかから選択した燃焼位置との組合せによる総蒸発量が最小となるように、各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムであって、
    前記総蒸発量が最小となる組合せを設定する場合に、
    前記燃焼中の燃焼位置と、前記燃焼中の燃焼位置から順次移行可能とされる燃焼位置のなかから選択した燃焼位置との組合せを、前記総負荷追従蒸発量が前記第2蒸発量を確保可能なものとして抽出した燃焼位置の組合せのなかから選択して、各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    前記蒸発量の増加にともなう移行先の燃焼位置が前記第1蒸発量に対応する燃焼位置であるボイラを、前記移行先の燃焼位置が前記第2蒸発量に対応する燃焼位置であるボイラよりも優先して各ボイラ及び燃焼位置を制御するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    前記第1蒸発量を、前記ボイラ群を運転する際に最も長時間燃焼するボイラ及び燃焼位置の組合せと対応して設定するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のプログラムを備えることを特徴とする制御器。
  13. 請求項12に記載の制御器を備えることを特徴とするボイラシステム。
  14. 請求項13に記載のボイラシステムであって、各ボイラの前記第1蒸発量と対応する燃焼位置のうち最上位の燃焼位置が高効率燃焼位置とされていることを特徴とするボイラシステム。
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