JP5715180B2 - 自動車の吸気ダクト構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の吸気ダクト構造に係り、エンジンフードを支持する支持ロッドと吸気ダクトとの配置自由度を高める技術に関する。
自動車のエンジンルームには、エンジンのほか、ラジエータ、吸気装置、排気装置などのさまざまな機器が設置される。セダンやワゴン、ミニバンに代表されるような、乗員搭乗スペースの前方にエンジンルームが設けられる自動車では、エンジンルームの上部がエンジンカバー(ボンネット)によって覆われており、エンジンカバーが車体にヒンジ結合されることによって開閉自在とされる。一方、エンジンカバーを閉じた状態でも外気がエンジンルーム内に流入し得るように、車体の前部にはフロントグリルが設けられる。そしてフロントグリルの後方には一般的に、ラジエータや空調コンデンサなどの放熱装置が配置される。
吸気装置の構成としては、空調コンデンサに比べて高温になるラジエータからの排風をエンジンが吸い込まないように、吸気口がラジエータよりも前方に配置することが望ましい。このような構成として、吸気ダクトの導入口をラジエータよりも前方に配置し、かつ導入口の周縁に外向きフランジを張り出すように設けたことにより、ラジエータからの排風が吸気ダクト内に流入することを抑制した自動車の吸気導入構造が公知である(特許文献1参照)。
特許第4712096号公報
しかしながら、吸気ダクトを避けるようにエンジンフード用の支持ロッドを設置する必要があるため、特許文献1の吸気導入構造では、支持ロッドの設置場所が制限されることなってレイアウトの自由度が小さい。また、吸気ダクトと支持ロッドとを干渉させず且つ近接させるようにレイアウトすると、ラジエータの前方に吸気ダクトの導入口を配置しにくくなり、熱膨張したラジエータからの排風が吸気ダクトに吸入されることによってエンジン性能が低下してしまう。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、導入口がラジエータよりも前方に位置するように吸気ダクトを構成したとしても、エンジンフード用の支持ロッドを所望の位置に設置できる自動車の吸気ダクト構造を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、車体(3)と当該車体(3)に開閉自在に設けられたエンジンフード(4)とによって画成されるエンジンルーム(2)に配置され、前記エンジンルーム(2)の前部から取り入れた空気を内燃機関(9)に搬送する吸気ダクト(11)と、前記車体(3)の前部に回動自在に設けられ、開状態の前記エンジンフード(4)を支持する支持ロッド(5)とを有する自動車(1)の吸気ダクト構造であって、前記吸気ダクト(11)は、前記車体(3)側に取り付けられたダクト下部(30)と、前記エンジンフード(4)に取り付けられ、前記ダクト下部(30)と協働して吸気通路を形成するダクト上部(31)とを有し、前記エンジンフード(4)が閉じた状態において、前記支持ロッド(5)が前記ダクト下部(30)と前記ダクト上部(31)との間に位置する構成とする。
この構成によれば、吸気の導入口がラジエータよりも前方に位置するように吸気ダクトを構成したとしても、支持ロッドを所望の位置に設置できる。
また、本発明の一側面によれば、前記ダクト下部(30)に設けられ、前記支持ロッド(5)を保持する保持手段(保持部60)を更に有する構成とすることができる。
この構成によれば、支持ロッドが保持手段により保持されるため、支持ロッドの振動(がたつき)によって吸気ダクトに対する打音が発生することを防止できる。また、吸気ダクトが支持ロッドの先端側に設けられている場合には、通常は車体に設けられる支持ロッドの保持手段を省略することもできる。
また、本発明の一側面によれば、前記保持手段(60)は、前記ダクト下部(30)における前記支持ロッドが通過する位置(側壁36)に設けられ、前記支持ロッド(5)の断面形状に適合する形状を呈する(保持溝61を有する)一対の弾性体である構成とすることができる。
この構成によれば、支持ロッドの振動によって吸気ダクトに対する打音が発生することを確実に防止できる。
また、本発明の一側面によれば、前記ダクト上部(31)は、弾性を有する素材から形成され、かつ前記エンジンフード(4)が閉じた状態において、前記ダクト下部(30)に弾性接触する構成とすることができる。
この構成によれば、ダクト上部とダクト下部との間に隙間が生じることを防止できる。そのため、吸気ダクトによる隙間からの空気の吸入を防止できる。
また、本発明の一側面によれば、前記吸気ダクト(11)の前記導入口(24)は前方に向けて開口しており、前記エンジンフード(4)の下面に取り付けられ、当該エンジンフード(4)が閉じた状態で前記導入口(24)の前方において左右方向に延在しかつ前記車体(3)に弾性接触するシール部材(63)を更に有する構成とすることができる。
この構成によれば、車体とエンジンフードとの隙間がシール部材によって閉塞されるため、走行中に自動車が水溜まりに進入して撥ねた水などがこの隙間からエンジンルーム内に浸入することを防止できる。
また、本発明の一側面によれば、前記ダクト下部(30)は前記導入口(24)よりも前方へ延出する下壁(38)を有し、前記導入口(24)および前記シール部材(63)は前後方向に所定の間隔をあけて配置され、前記エンジンフード(4)が閉じた状態では、前記エンジンフード(4)が前記下壁(38)と対向して前記吸気通路を構成し、かつ前記導入口(24)と前記シール部材(63)との間の部分が側方に開放された構成とすることができる。
導入口の前方にシール部材を設けると、前方からの水の浸入を防止できる一方で前方から吸気通路への外気の進入も遮断されるが、この構成によれば、導入口とシール部材との間の部分で側方から吸気通路へ外気を進入させることができる。また、エンジンフード自体が吸気通路を構成するので、部品点数の削減あるいは部品の小型化が可能である。
また、本発明の一側面によれば、前記下壁(38)は、前方から後方に向けて隆起する隆起部(44)と、前記隆起部(44)の頂部(44a)よりも前側に形成された水抜き孔(44b)とを有する構成とすることができる。
この構成によれば、フロントグリルなどからエンジンルーム内に進入した水や異物が飛散して導入口から吸気ダクト内に進入したとしても、隆起部の頂部よりも手前に設けられた水抜き孔からこの水や異物を排出することができる。
このように本発明によれば、吸気の導入口がラジエータよりも前方に位置するように吸気ダクトを構成したとしても、支持ロッドを所望の位置に設置できる自動車の吸気ダクト構造を提供することができる。
本発明に係る自動車の前部を示す斜視図 図1に示すエンジンルームの前部を示す平面図 車体を透視して示すエンジンルーム内機器の配置を示す正面図 図2の要部拡大図 図4中のV−V断面図 エンジンフードが閉じた状態の自動車の要部をエンジンフードを透視して示す斜視図 エンジンフードが開いた状態の自動車の要部を示す斜視図 開いたエンジンフードを下方から見た斜視図
以下、図面を参照して、本発明に係る自動車1の吸気ダクト構造の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、自動車1の進行方向を基準にして前後左右を定めるものとする。
図1に示すように、自動車1の前部にはエンジンルーム2が設けられている。エンジンルーム2は、上面が開放された車体3と、エンジンルーム2の開口2aを開閉自在に設けられたエンジンフード4とによって画成される。エンジンフード4は、左右の後端部を車体3におけるエンジンルーム2の開口2aの後方にヒンジ結合されており、図示しないロック機構を解除して前端を持ち上げることで、ヒンジ結合部を中心にして回動可能とされている。なお、エンジンフード4は、閉じた状態において前方に向けて下方へ傾斜する(図5参照)。
図2に併せて示すように、エンジンルーム2の前部には、エンジンフード4を支持するための支持ロッド5が左右方向に延在するように配置されている。支持ロッド5は、右端を車体3に回動可能に係合させており、左右方向に延在する収納状態から左端が持ち上げられるように回動することで、図1に想像線で示すように起立し、先端の係合部をエンジンフード4に形成された被係合部に係合させてエンジンフード4を所定角度の開状態に保持する。なお、図1には、開方向の限界角度まで回動させたエンジンフード4を想像線で示し、支持ロッド5によって支持された開状態のエンジンフード4を実線で示している。
車体3の前面には、フロントバンパ6が下部に設けられ、フロントバンパ6の上方であって車幅方向中央にフロントグリル7が設けられている。フロントグリル7の左右両側にはヘッドライト8が設けられている。エンジンルーム2内には、エンジン本体9の他、トランスミッション10や、吸気ダクト11、エアクリーナ12、バッテリ13、ECU14(Electronic Control Unit)、放熱装置15(図2)などが配置されている。
図2に示すように、エンジンルーム2の前上部におけるフロントグリル7の後方には、左右方向に延在するバルクヘッドアッパ16(フレーム)が配置されている。放熱装置15は、バルクヘッドアッパ16の下方から後方にかけて配置され、放熱装置15の後方のやや右寄りにはエンジン本体9が横置きに配置されている。エンジン本体9の左面にはトランスミッション10が一体に取り付けられている。トランスミッション10の前方には、吸気ダクト11の上流部23が鉛直方向に延在するように配置され、吸気ダクト11の上流部23の左方やや後方の吸気ダクト11に隣接した位置にはバッテリ13が、そのさらに後方にはエアクリーナ12がそれぞれ配置されている。また、吸気ダクト11の上流部23およびバッテリ13の後方には、ECU14が配置され、放熱装置15とフロントグリル7との間には、一対のホーン17(クラクション)が配置されている。
バッテリ13は、概ね直方体形状を呈しており、エンジンルーム2の上部に配置されている。一方、バッテリ13は、最も面積が大きい面が前後方向に向くように横置きに配置され、車体3に設けられた図示しないブラケットにより支持されている。
放熱装置15は、エアコンディショナのコンデンサ18(図5参照)と、コンデンサ18の後方に配置されたラジエータ19(図5参照)と、ラジエータ19の後方の配置され、ラジエータ19に付設された左右一対の冷却用ファン20(図5参照)とを主要素として備えている。
図3に示すように、各冷却用ファン20は、円形の開口21aが形成された枠体21を有しており、ファン駆動用の電動モータ22が開口21aの中央に枠体21によって支持されている。なお図3には、回転ファンを省略して冷却用ファン20を示している。冷却用ファン20は、冷却水の水温が高くなると、電動モータ22を駆動して回転ファンを回転させ、ラジエータ19を通過するようにラジエータ19の前方から空気を吸引し、ラジエータ19で熱交換された排風を後方へ送風する。このように本実施形態ではラジエータ19の後方に冷却用ファン20が配置されているため、冷却用ファン20の後面が、より詳細には冷却用ファン20の後面に形成された開口21aが放熱装置15の排風面(冷却用ファン20によるラジエータ19からの排風面)となっている。
前述した吸気ダクト11の上流部23は、前方に開口する吸気の導入口24を上端に形成している。吸気ダクト11は、導入口24から後方へ延びた後、湾曲して左側の電動モータ22の後方を通過して下方へ延び、さらに湾曲して左方へ水平に延びた後、湾曲して上方斜め後方へ延び、エアクリーナ12を経由した後に右方へ延びている。なお、吸気ダクト11は、導入口24から取り入れた空気を後方からエンジン本体9に供給する。吸気ダクト11の左下部分には、共鳴現象を利用して吸気音を低減させるためのレゾネータ25が接続されている。レゾネータ25はバッテリ13の左下方に配置されている。
このような配置により、ECU14はラジエータ19に対して冷却用ファン20側、すなわちラジエータ19からの排風が排出される排風側に配置されている。一方、吸気ダクト11の上流部23は、冷却用ファン20によるラジエータ19からの排風面(本実施形態では、冷却用ファン20の後面)に前側が対向し、後側すなわちラジエータ19からの排風面と対向する前側と相反する側でECU14に対向するように、ラジエータ19とECU14との間に配置されている。これにより、ラジエータ19からの排風が吸気ダクト11により遮蔽され、ECU14に直接排風が当たらなくなるため、ECU14の熱害が防止される。
また、吸気ダクト11は、正面視において電動モータ22と重なる位置で冷却用ファン20の後方に配置されている。これは、冷却用ファン20が電動モータ22により駆動されるモータ駆動とされたことによって可能になったものであり、これにより、吸気ダクト11の冷却用ファン20の中心付近への設置が可能となり、レイアウトの自由度が向上している。そして、電動モータ22は台風の目のような役割を果たし、電動モータ22の後方にはラジエータ19からの排風が流れにくいため、吸気ダクト11が正面視において電動モータ22と重なる位置で冷却用ファン20の後方に配置されたことにより、吸気ダクト11の熱害を最小限にしつつ、吸気ダクト11の後方のECU14の熱害防止が図られる。
加えて、ECU14は、正面視において吸気ダクト11の中心に対して左方寄りの位置に配置され、前述したように吸気ダクト11の左方にはバッテリ13が隣接配置されている。このように吸気ダクト11の中心に対してバッテリ13寄りの位置にECU14が配置されることにより、ラジエータ19からの排風が吸気ダクト11を迂回してECU14に当たることも抑制される。
図4および図5に示すように、吸気ダクト11の上流部23は、上下方向に延在する管状部26と、管状部26の上端を受容するとともに導入口24を形成する箱状部27とによって構成されている。さらに管状部26は、概ね一定断面の管部28と、管部28の先端に取り付けられ且つ箱状部27に保持される広がり管29とによって構成されている。一方、箱状部27は、その下部を構成するダクト下部30と、その上部を構成するダクト上部31とによって構成されており、ダクト下部30とダクト上部31とが協働して吸気通路および導入口24を形成している。なお、管部28、広がり管29およびダクト下部30は比較的剛性の高い樹脂から形成され、ダクト上部31は、ダクト下部30に比べて高い弾性を有する弾性素材から形成されている。管部28は、前述したようにラジエータ19からの排風面に対向しているが、熱伝導率が比較的低い樹脂を素材としているため、内部を流通する吸気への加熱は抑制される。
管状部26の上端は前方に若干湾曲している。広がり管29は上端に向けてなだらかに拡径しており、箱状部27を流通する空気を管部28に吸入しやすくする。広がり管29は基端側を箱状部27によって保持されており、これにより、管状部26は上方斜め前方に向く開口26aを箱状部27の内部、すなわち箱状部27の底壁33から上方斜め前方に離間した位置に形成している。
箱状部27の下部を構成するダクト下部30は、後方斜め上方に延在して広がり管29を保持する底壁33と、底壁33の前縁および後縁からそれぞれ上方斜め前方に延出する前壁34および後壁35と、底壁33の左右の側縁からそれぞれ上方に延出して前壁34と後壁35とを連結する左右の側壁36と、左右の側壁36および後壁35に接続する上壁37と、前壁34の上縁から前方に延出する壁(以下、下壁38と称する。)とを有している。なお、ダクト下部30は、底壁33側の部材と上壁37側の部材とを組み合わせることで箱状となっている。
上壁37は、左右方向および前後方向に延在する縦壁39によって複数の開口40(本実施形態ではスリット)を形成するメッシュ部分41と、メッシュ部分41の前方以外の3方を取り囲むように平面視で前方に開くコ字状に形成され、上向き平面42aを有する枠状部分42とから構成されている。また、メッシュ部分41の前縁と前壁34の上縁とは互いに離間しており、それらの間には各スリット(開口40)よりも大きな開口43が形成されている。枠状部分42は、前壁34の上縁からさらに前方に下壁38の左右の側縁に沿って延出しており、下壁38の左右の側縁に上向き平面42aを形成している。
下壁38は、前壁34の上縁から前方斜め上方に延在した後、屈曲して前方斜め下方に延在し、さらに屈曲して前方に水平に延在してバルクヘッドアッパ16の上方を通過した後に前方斜め下方へ延びてフロントグリル7の上壁の下方に差し込まれている。つまり、前方から後方を見たときに(吸気流れに沿って吸気下流側を見たときに)、バルクヘッドアッパ16の上方を水平に延在する部分の後方に連続する部分が、後方に向けて隆起する(上方へ傾斜する)隆起部44を構成している。なお、下壁38は2つのクリップ45によってバルクヘッドアッパ16に固定されている。
下壁38における隆起部44およびその後方部分は、図5の断面では上に凸の三角形を呈している。そして、隆起部44の頂部44aの下方にラジエータ19が配置されている。また隆起部44は、図4に示すように、上壁37の枠状部分42の間に形成されており、前方に向けて開く台形状を呈している。隆起部44には、水抜き孔として機能する複数の貫通孔44bが形成されている。これらの貫通孔44bは、ここでは隆起部44の面積の大部分を占める大きさとされている。他の実施形態では、貫通孔44bを隆起部44の下部のみに形成してもよく、隆起部44の前方に連なる水平部分の後端に形成してもよい。このように隆起部44の頂部44aよりも手前(前方)に水抜き孔が設けられているため、水や異物が進入してもこの貫通孔44bから排出できるようになっている。
上壁37の枠状部分42におけるコ字状の開放端部分は、隆起部44の形状に沿って前方に向けて開くハ字状となっている。隆起部44の前方に位置するバルクヘッドアッパ16の上方で水平に延在する部分には、クリップ45用の挿通孔が形成されるほかに、エンジンフード4の閉塞時の衝撃を吸収するゴム製の衝撃吸収材46をバルクヘッドアッパ16の上面に取り付けるための取付孔が形成されている。下壁38におけるフロントグリル7の後縁から若干後方の位置には、上方に突出し左右方向に延在する遮断壁47が一体形成されている。
図5および図6に示すように、箱状部27の上部を構成するダクト上部31は、コ字状の枠状部分42に沿って立設された後壁51と、左右の側壁52と、後壁51および左右の側壁52の上端に形成された天壁53とを有している。天壁53の前縁は、左右方向に延在しており、隆起部44の頂部44aの上方に位置している。左右の側壁52は、枠状部分42に沿って天壁53の前縁よりもさらに前方へ延出し、バルクヘッドアッパ16の後部に至っている。すなわち、左右の側壁52も、枠状部分42の前部と同様に、隆起部44の頂部44aから前方に向けて開く平面視ハ字状に形成されている。
また、左右の側壁52における天壁53の前縁よりもさらに前方へ延出する部分は、上縁がエンジンフード4の下面に沿って前下がりに傾斜してバルクヘッドアッパ16の後部まで延び、前端縁が鉛直に形成されている。つまり、天壁53がない部分では、下壁38、左右の側壁52およびエンジンフード4によって囲まれる部分が吸気通路となっており、左右の側壁52の前方では、吸気通路が左方および右方に開放されている。これにより、側壁52の前縁に形成される導入口24がラジエータ19よりも前方に配置され、左右の側壁52がない、導入口24よりも前方の部分では、導入口24へ側方から空気が流入するようになっている。このように導入口24がラジエータ19よりも前方に位置することで、フロントグリル7からエンジンルーム2内に進入した車外の新気が導入口24から吸気ダクト11に取り入れられる。また、エンジンフード4自体が吸気通路を構成するので、部品点数の削減あるいは部品の小型化が可能である。
ダクト上部31は、天壁53の前部および左右の側壁52の先端(ハ字状に突出する部分の先端)の3箇所が図示しないクリップによってエンジンフード4の下面に固定されることで、図8に示すようにエンジンフード4に取り付けられる。なお、天壁53の前部に取り付けられるクリップは、エンジンフード4の下面に取り付けられるインシュレータ55をダクト上部31とエンジンフード4との間に挟むように取り付けられ、ダクト上部31およびインシュレータ55を共にエンジンフード4に固定している。
前述したようにダクト上部31は弾性素材から形成されており、エンジンフード4が閉じた状態でダクト下部30に弾性接触している。また、ダクト上部31の下端すなわち左右の側壁52および後壁51の下端には、下方へ向けて外方へ湾曲する平面視コ字状のリップシール56(図5)が一体形成されている。これにより、エンジンフード4が閉じた状態でダクト上部31がダクト下部30に密着し、導入口24以外から空気を吸入しないようになっている。
図4に示すように、ダクト下部30の左方には、ラジエータ19の上部を支持するステー57がバルクヘッドアッパ16からさらに後方へ延出するようにバルクヘッドアッパ16に取り付けられている。ステー57の上面には一対の鋼製の挟持片からなるクリップ58が設けられており、このクリップ58により支持ロッド5の先端側部分が保持される。なお、支持ロッド5は後述するように保持部60によっても保持されるため、このクリップ58は省略することも可能である。
図4および図5に示すように、ダクト下部30の左右の側壁36には、それぞれ支持ロッド5を保持する保持部60が設けられている。各保持部60は、ゴムやエラストマなどの高分子材料からなる弾性体であり、枠状部分42および側壁36に形成された切欠に嵌め込まれている。各保持部60は、上面に開口して左右方向に延在する保持溝61を有している。
保持溝61は、支持ロッド5の断面形状に適合した形状、すなわち支持ロッド5の断面形状よりも若干小さな溝下部と、溝下部から上方に向けて拡幅し、その上端で支持ロッド5の直径よりも若干大きくなるように形成された溝上部とを有する形状とされている。したがって、エンジンフード4が閉じられる際には、図4および図7に示すように、支持ロッド5が溝上部から容易に保持溝61内に挿入され、溝下部において保持溝61内の支持ロッド5が保持部60により保持される。
また、図7および図1に示したエンジンフード4が開いた状態では、ダクト上部31がエンジンフード4とともに上方へ移動する。エンジンフード4が閉じたエンジンルーム2内では、箱状部27が形成され、その上部(ダクト上部31)がエンジンフード4に接する位置まで上方へ突出しているが、エンジンフード4が開くと、ダクト上部31がエンジンフード4とともに上方へ移動する。
ところで、メンテナンスなどのためにダクト下部30の上方を経由して他の機器にアクセスする際に工具などを落とすと、ダクト上部31がないことから工具が吸気ダクト11内に落下する虞がある。これに対して本実施形態では、ダクト下部30がメッシュ部分41を有する上壁37を備えて構成としているため、大きな工具が吸気ダクト11内に落下することはない。なお、図5を参照して前述したように、メッシュ部分41の前方(前壁34との間)には比較的大きな開口43が形成されているが、管状部26の広がり管29が箱状部27の底壁33よりも上方へ突出しているため、工具などが開口43から箱状部27内に落下したとしても、箱状部27の底壁33上に留まり、管状部26内にまで落下することはない。
さて、支持ロッド5を保持部60に保持させた状態でエンジンフード4を閉じると、図5および図6に示すように、支持ロッド5が吸気ダクト11の箱状部27を貫通する状態でダクト上部31がダクト下部30と協働して吸気通路を画成する。このように、支持ロッド5が吸気ダクト11の箱状部27を貫通する構成となっているため、吸気ダクト11の導入口24をラジエータ19よりも前方に配置する構成としたうえで、支持ロッド5を所望の位置、すなわち吸気ダクト11を通過する位置に配置することが可能となっている。また、吸気ダクト11を貫通する部分で、弾性体からなる保持部60によって支持ロッド5が保持されるため、エンジン振動や自動車1の走行振動が発生しても、支持ロッド5ががたつくことがなく、吸気ダクト11の箱状部27に対する打音が発生することもない。
図5および図8に示すように、エンジンフード4の前部下面には、エンジンフード4を閉じた状態で遮断壁47の前方、すなわち導入口24に対して前方に所定の間隔をあけた位置においてフロントグリル7に弾性接触するシール部材63が、概ね左右方向に延在するように取り付けられている。シール部材63は、ダクト上部31の前方を覆うように、ダクト上部31やダクト下部30の幅よりもやや大きな長さとされている。これにより、車体3とエンジンフード4との隙間がシール部材63によって閉塞されるため、走行中に自動車1が水溜まりに進入して撥ねた水などがこの隙間からエンジンルーム2内に浸入せず、吸気ダクト11が水を吸入することはない。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態に示した吸気ダクト構造の各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した吸気ダクト構造の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 自動車
2 エンジンルーム
3 車体
4 エンジンフード
5 支持ロッド
9 エンジン本体
11 吸気ダクト
19 ラジエータ
24 導入口
27 箱状部(上流端部)
30 ダクト下部
31 ダクト上部
36 側壁
38 下壁
44 隆起部
44a 頂部
44b 貫通孔(水抜き孔)
60 保持部
61 保持溝
63 シール部材

Claims (7)

  1. 車体と当該車体に開閉自在に設けられたエンジンフードとによって画成されるエンジンルームに配置され、前記エンジンルームの前部から取り入れた空気を内燃機関に搬送する吸気ダクトと、
    前記車体の前部に回動自在に設けられ、開状態の前記エンジンフードを支持する支持ロッドと
    を有する自動車の吸気ダクト構造であって、
    前記吸気ダクトは、前記車体側に取り付けられたダクト下部と、前記エンジンフードに取り付けられた、前記ダクト下部と協働して吸気通路を形成するダクト上部とを有し、
    前記エンジンフードが閉じた状態において、前記支持ロッドが前記ダクト下部と前記ダクト上部との間に位置することを特徴とする自動車の吸気ダクト構造。
  2. 前記ダクト下部に設けられ、前記支持ロッドを保持する保持手段を更に有することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の吸気ダクト構造。
  3. 前記保持手段は、前記ダクト下部における前記支持ロッドが通過する位置に設けられ、前記支持ロッドの断面形状に適合する形状を呈する一対の弾性体であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の吸気ダクト構造。
  4. 前記ダクト上部は、弾性を有する素材から形成され、かつ前記エンジンフードが閉じた状態において、前記ダクト下部に弾性接触することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の自動車の吸気ダクト構造。
  5. 前記吸気ダクトの前記導入口は前方に向けて開口しており、
    前記エンジンフードの下面に取り付けられ、当該エンジンフードが閉じた状態で前記導入口の前方において左右方向に延在しかつ前記車体に弾性接触するシール部材を更に有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の自動車の吸気ダクト構造。
  6. 前記ダクト下部は前記導入口よりも前方へ延出する下壁を有し、
    前記導入口および前記シール部材は前後方向に所定の間隔をあけて配置され、
    前記エンジンフードが閉じた状態では、前記エンジンフードが前記下壁と対向して前記吸気通路を構成し、かつ前記導入口と前記シール部材との間の部分が側方に開放されていることを特徴とする、請求項5に記載の自動車の吸気ダクト構造。
  7. 前記下壁は、前方から後方に向けて隆起する隆起部と、前記隆起部の頂部よりも前側に形成された水抜き孔とを有することを特徴とする、請求項6に記載の自動車の吸気ダクト構造。
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