JP6303554B2 - 車両用エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Description
この技術によれば、吸入口が車両前方からの冷風を取り入れられる場所に設けられているため、低温で密度の高い吸気をエンジンに供給することができ、エンジン出力及び燃費を向上させることができるとされている。
(4)前記車体部材は、前記フードと隙間を介して車両後方且つ上方に向かって延設された庇部を備え、前記庇部の後端部は、前記吸入口よりも上方に配置されていることが好ましい。
[1−1.全体構成]
まず、本実施形態に係る車両用エンジンの吸気装置が備えられた車両の前部構成について説明する。図2は、車両前部に形成されたエンジンルーム1の平面図であり、ここではエンジンルーム1の上部を覆うフード4(図1及び図5参照)を省略して、エンジンルーム1の上部空間が開放された状態を示す。
ヘッドランプサポート50は、各ヘッドランプ40の内側端部の後方で上下方向に延設される。ヘッドランプサポート50,50の下端部は、サイドメンバ及びクロスメンバに接続されて支持される。ヘッドランプサポート50,50の上端部は、バンパ30の後方に設けられるアッパバー20に接合される。
エアクリーナ5は、エレメントと呼ばれるフィルター(図示略)を内部に備え、エンジン6に供給される前の吸気中に含まれる粉塵を除去するためのものである。エアクリーナ5には、車両前方から取り入れられた空気をエンジン6に供給するためのダクト10が接続されている。
ダクト10の吸入口12aと車両外部との間には、バンパ30が配置される。バンパ30は、車両前方に向かって開口した外気取入口32を有する。すなわち、車両前方の空気は、外気取入口32を通じてバンパ30の背面側に取り入れられると、ダクト10に向かって流れて吸入口12aからダクト10の内部に導入される。そして、ダクト10を通過しエアクリーナ5まで達すると、エアクリーナ5の内部を流れる過程で粉塵が取り除かれ、エンジン6に供給される。
図2に示すように、ダクト10は、吸入口12aとエアクリーナ5に接続される端部19bとの間を貫通して第一吸気通路100を形成する空洞を有している。ダクト10は、第一吸気通路100の上流側部分を形成するダクト上流部11と、ダクト上流部11よりも第一吸気通路100の下流側部分を形成するダクト下流部19とを備えている。
ダクト下流部19は、上流側の端部である一端部19a及び下流側の端部である他端部19bと、これらの間の中間部19cとを備え、横断面(吸気の流れ方向に対して垂直な断面)が長円形の閉断面を有するように形成されている。
ダクト下流部19の他端部19bは、エンジン6側(第一吸気通路100を流れる空気の流通方向を基準として、エンジン6に向かう側)に設けられるエアクリーナ5に対して、車幅方向外方(ここでは右方)から接続されている。また、ダクト下流部19の一端部19aには、ダクト上流部11が前方から接続されている。
次に、ダクト上流部11について説明する。
接続部15は、長円形の閉断面を有する筒状に形成され、ダクト下流部19の一端部19aに対して部分的に入れ込まれた状態で、ダクト下流部19の一端部19aと固定部品93で連結されている。
図4に示すように、アッパバー20は、ハット型断面形状を有し、左右両端部がヘッドランプサポート50に接合されている。アッパバー20は、ダクト上流部11が固定される上面部21と、上面部21の前端縁から下方に向かって延設された前面部22と、上面部21の後端縁から下方に向かって延設された後面部23とを有する。前面部22には、前方に向かって延設されたフランジ部22a(図6参照)が形成されている。同様に、後面部23には、後方に向かって延設されたフランジ部23aが形成されている。
図6に示すように、ダンパゴム60は、アッパバー20の前面部22にブラケット91を介して固設されている。ダンパゴム60は、例えば硬質ゴムで形成され、主としてフード4がエンジンルーム1の上部を覆うように閉じられたときに、車体部材に付与される衝撃を緩和するためのものである。
ブラケット91は、ダンパゴム60が嵌め込まれる孔部(図示略)を備えた板状の嵌合部91aと、嵌合部91aから延設されアッパバー20の上面部21及び前面部22に溶接される角柱状の脚部91bとを有する。嵌合部91aはその上表面が車両前方斜め上を向くように配置され、脚部91bは嵌合部91aの外縁から嵌合部91aの表面に対して略垂直となるように、下方へ向かって延設されている。ブラケット91の後端部は、ダクト上流部11の上切欠部13及び下切欠部16に入り込むように、吸入口12aよりも後方に配置される。なお、ブラケット91とダクト上流部11との間には、両者の干渉を防ぐために微小の隙間が確保される。
図1は、図6のA−A矢視断面図である。図1に示すように、ダンパゴム60は、有底円筒状に形成された本体部61と、本体部61に圧入された略円柱状の芯部62とを備え、少なくとも軸心O方向に弾性変形可能に構成されている。本体部61の上面部61bは、ダクト上流部11の上切欠部13よりも上方に配置される。また、ここではダンパゴム60の軸心Oは、フード4が閉じられたときに本体部61の上面部61bがフードインナ4aに正対するように、鉛直方向に対して前方にやや傾けられて配置される。
図2に示すように、バンパ30は、外気取入口32を有するグリル31と、グリル31の下方に配置されたバンパカバー36とを備えている。
バンパカバー36は、車体最前面の下部を形成し、両端部がフェンダパネル2まで延設されている。
グリル31は、一対のヘッドランプ40,40の間に配置され、車両前方からエンジン6に供給する空気を取り入れる外気取入口32と、車両後方に向かって延設された庇部33とを備えている。
外気取入口32は、吸入口12aよりも車幅方向内方(ここでは左方)で上下に並んで配置される。外気取入口32,32は、外気取入口32,32と吸入口12aとの間で車幅方向に延びる第二吸気通路200の上流側の端部を形成する。
図6に示すように、遮風板70は、吸入口12aの車幅方向外方に設けられるパッド部材71と、パッド部材71を車幅方向外方から支持する板状の支持部材72とを備えている。
パッド部材71は、例えば発泡材で直方体形状に形成され、支持部材72によって車幅方向外方からヘッドランプサポート50に対して押圧された状態で固定される。パッド部材71は、支持部材72から加えられる押圧力によってヘッドランプサポート50,ダクト上流部11などの形状に応じて変形し、これらに密着する。
遮風板70は、ボルト95が支持部材72及びパッド部材71の各固定孔72a及びヘッドランプサポート50のボルト孔50aに対して車幅方向外方から挿通され、ナット96と締結されることによってヘッドランプサポート50に取り付けられる。図3に示すように、遮風板70が取り付けられた状態では、パッド部材71がダクト10の外側面部12eとヘッドランプ40の延設部41とに隙間なく当接し、第二吸気通路200の下流端壁部を形成する。
次に、本実施形態に係る車両用エンジンの吸気装置の作用について説明する。
まず、エンジン6の吸気作用について説明する。
図2に示すように、例えば車両の走行時、車両前方の外気は車両後方に向かって流れ、外気取入口32を通じて第二吸気通路200内に取り入れられる。第二吸気通路200では、バンパ30のグリル31及びバンパビーム35に沿って、外気取入口32から吸入口12aに向かって車幅方向に空気が流れる。すなわち、外気取入口32に流れ込んだ車両後方に向かう空気は、第二吸気通路200でその流れ方向が車幅方向に変更される。ここでは、外気取入口32よりも車幅方向外方に配置された吸入口12aに向かって空気の流れ方向が略直角に曲げられ、第二吸気通路200内を車幅方向外方に向かって空気が流れる。
吸入口12aまで流れた空気は、吸入口12aを通じてダクト10の内部に導入される。そして、第一吸気通路100内を流れた後、エアクリーナ5を通過してエンジン6に供給される。
次に、本実施形態に係るダンパゴム60の作用について説明する。
図1に太矢印で示すように、例えば車両の走行時、車両前方の外気は車両後方に向かって流れ、フード4とバンパ30との間に形成された隙間Sに進入することがある。このとき、外気と共に水や雪が隙間Sに進入することがある。
このように、隙間Sに水や雪が進入したとしても、ダンパゴム60及び庇部33によって、水や雪が吸入口12aに進入することが抑制される。
(1)上記の車両用エンジンの吸気装置では、ダクト10が車両前方に向かって開口した吸入口12aを有しているため、比較的低温な車両前方の空気を吸入口12aから吸入してエンジン6に供給することができる。これにより、エンジン6の吸気温度を低減させることができるため、エンジン出力の向上を図ることができる。
また、吸入部12の前端部には、ダクト上流部11をアッパバー20に固定するための上切欠部13及び下切欠部16が設けられる。これらの上切欠部13及び下切欠部16によって形成される空間を利用して、その内部にダンパゴム60が配置されるため、既存のダンパゴム60のレイアウトを変更することなく、省スペースで吸入口12aをできるだけ前方に配置しつつ、水や雪の進入を抑制することができる。このような点でも、製造コストを削減しつつ被水防止性能を向上させることができる。
さらに、図2に白抜き矢印で示すように、エンジンルーム1内の熱気が吸入口12aに車幅方向外方から近づく場合、上記の遮風板70が設けられていることによって、吸入口12aよりも車幅方向外方で熱気を塞き止めることができる。つまり、遮風板70によって、エンジンルーム1内の熱気が吸入口12aに車幅方向外方から進入することを抑制することができるため、吸気温度を確実に低減させることができる。
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
また、上記に示した外気取入口32の個数は一例であり、変更可能である。例えば、外気取入口32は左右に一つずつ設けられてもよいし、左右片方や車幅方向中央のみに設けられてもよい。
上記に示した上切欠部13や下切欠部16の形状は一例である。例えば、上切欠部13は上面視形状が円形に形成されてもよい。ただし、上記の上切欠部13と下切欠部16とを備える場合、これらによって形成される空間にブラケット91を部分的に入りこませることでダンパゴム60を上切欠部13により近接させて配置することができる。このため、上記の上切欠部13と下切欠部16を有する場合、上切欠部13から水や雪が第一吸気通路100に進入することをダンパゴム60によって効果的に抑制することができる。
また、遮風板70は、密着する部材に合わせた形状としてもよい。例えば、ダクト10の外側面部12eの形状やヘッドランプ40の延設部41の形状に合わせて遮風板70を形成すれば、これらの部材との間に形成されうる隙間をより小さくすることができる。この場合、吸入口12aに熱気が進入することをより効果的に抑制することができる。
4 フード
6 エンジン
10 ダクト
11 ダクト上流部
12a 吸入口
13 上切欠部(切欠部)
19 ダクト下流部
19a 上流端部(一端部)
19b 下流端部(他端部)
20 アッパバー(車体部材)
30 バンパ(車体部材)
31 グリル
32 外気取入口
33 庇部
33a 庇部の後端部
60 ダンパゴム(弾性部材)
70 遮風板
94 ナット(固定部材)
100 第一吸気通路
200 第二吸気通路
A1 接続部の閉断面の面積
A2 吸入口の開口面積
C1 接続部の閉断面の中心
C2 吸入口の中心
S 隙間
Claims (5)
- 車両前部のエンジンルーム内に設けられ、車両前方から取り入れられた空気を前記エンジンルーム内に搭載されたエンジンに供給するための第一吸気通路を形成するダクトと、
前記エンジンルームの前部に配置された車体部材に固設され、前記エンジンルームの上部を覆うフードに対して前記車体部材よりも上方で当接して前記フードを弾性的に支持する弾性部材とを備え、
前記ダクトは、車両前方に向かって開口し前記第一吸気通路に空気を導入する吸入口と、前記ダクトを固定するための固定部材を取り付けるために切り欠かれた切欠部とを有し、
前記吸入口は、前記弾性部材の後方に配置され、
前記切欠部は、前記弾性部材と車両前後方向に重なる位置に形成されている
ことを特徴とする、車両用エンジンの吸気装置。 - 前記車体部材は、前記吸入口に対して車幅方向にずれた位置で車両前方に向かって開口した外気取入口を備え、
前記外気取入口と前記吸入口との間には、車幅方向に延びる第二吸気通路が形成されている
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用エンジンの吸気装置。 - 前記吸入口は、前記外気取入口よりも車幅方向外方に配置され、
前記吸入口の車幅方向外方には、前記第二吸気通路の下流端壁部を形成する遮風板が設けられている
ことを特徴とする、請求項2記載の車両用エンジンの吸気装置。 - 前記車体部材は、前記フードと隙間を介して車両後方且つ上方に向かって延設された庇部を備え、
前記庇部の後端部は、前記吸入口よりも上方に配置されている
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用エンジンの吸気装置。 - 前記ダクトは、前記吸入口を有するダクト上流部と、前記ダクト上流部に接続される一端部と前記エンジン側に接続される他端部とが相対移動可能なダクト下流部とを備え、
前記ダクト上流部は、前記ダクト下流部の一端部に接続され前記吸入口の開口面積よりも小さい面積の閉断面を有する接続部を備え、
前記接続部の閉断面の中心は、前記吸入口の中心よりも前記ダクト下流部の他端部から車幅方向に離隔した位置に設けられている
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用エンジンの吸気装置。
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