JP5805023B2 - 作業車 - Google Patents

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本発明は、運転席の後方にエンジンやエンジン補機を配置した作業車に関する。
前輪と後輪とによって対地支持される機体フレームの中央部に運転席を配置し、その運転席の後方にエンジンやエンジン補機を配置した、作業車としてのミッドマウントモーアが特許文献1から知られている。このミッドマウントモーアでは、運転席の後方空間に、ボンネットによって覆われる、エンジンやエンジン補機が配置されている。ボンネットは上下方向(地上高さ方向)で二分割された分割構造体であり、機体フレームに連結された後部カバーと当該後部カバーの後端上部に枢支された上部カバーとからなるボンネットによって覆われている。ボンネットによって覆われる後方空間は、エンジンの前面に沿って延びている前壁と底面に沿って延びている底壁からなる隔壁によって2つの空間に分けられている。上部カバーは、その閉鎖姿勢において後部カバーの上方を完全に覆うとともに、機体後方に大きく飛び出すように揺動したその開放姿勢において、上部カバー内の空間を完全に開放する。このボンネット構造では、一方では、上部カバーを開放姿勢にするためには機体後方に大きなスペースが要求される。
運転席後方にエンジンとエンジン補機を配置した作業車としてのフロントマウントモーアが特許文献2と特許文献3から知られている。このフロントマウントモーアでは、ボンネットによって覆われるエンジンルームには、左右一対のメインフレームの後部に搭載した前記エンジンと、このエンジンの車体前方側に設けたエンジン冷却用のラジエータなどのエンジン補機が配置されている。このボンネットの前端及び前方両側面に防塵網を付設して設けたエンジン冷却用吸気口を備えている。エンジン冷却用吸気口は、車体の両横外側及び上方側に向かって開口している。エンジンによって駆動される回転冷却ファンの送風作用により、ボンネット外の空気をエンジン冷却用吸気口からボンネット内のラジエータの付近に吸引し、エンジン冷却風を発生させてラジエータに供給する。その際、両側面のエンジン冷却用吸気口から流入する冷却風量を大きくするためその機体前後方向の長さが大きくなり、その結果ラジエータ両側方に大きな空間が生じていた。特許文献3におけるボンネットでは、冷却ファンとラジエータを覆う部分がパンチングメタルを用いた除塵網として形成されえている。特許文献2におけるエンジンルームでは、エンジン領域とラジエータ領域とを区画するシュラウドの左右両端領域がエンジン側に突き出しており、ボンネットの側面に設けられた吸気口を通じてラジエータ領域に流れ込む空気の流入面積を大きくしている。
厳しい排ガス規制を満足するため、エンジン補機としてDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)が搭載された作業車としてのフロントマウントモーアが特許文献4から知られている。DPFは、エンジン補機としては大型であり、動作中は高温となるため、DPFのために十分なスペースと冷却環境を確保する必要がある。その結果、大きくなったエンジンルームを覆う、機体後端の枢支点周りで揺動するボンネットも大きく重くなり、ボンネットの開放揺動に大きな力が要求される。
特開2009−240214号公報(段落番号〔0020−0036〕、図1、図2:対応外国出願US2009/0241498A1) 特開2008−074293号公報(段落番号〔0012−0015〕、図1、図3:対応外国出願US7527298B1) 特開2006−341743号公報(段落番号〔0018−0026〕、図1、図4) 特開2012−26326号公報(段落番号〔0012−0018〕、図1、図2)
上記実情に鑑み、外部から運転席の後方に配置されたエンジンルームに流れ込む空気流を有効に利用する作業車が要望されている。
運転席の後方にエンジンやエンジン補機を収納するエンジンルームを有する、本発明による作業車は、前記エンジンルームを機体前後方向に関して前方側の第1領域と後方側の第2領域に区分けるシュラウドと、前記第1領域に機体横断方向に沿って配置されたラジエータと、前記第2領域に配置されたエンジンと、前記シュラウドに設けられた開口部に配置されるとともに前記第1領域から前記第2領域への空気流を作り出す冷却ファンと、前記エンジンルームを覆うボンネットとが備えられている。さらに、前記シュラウドが、前記ラジエータの後面に沿って延びる中央部と、前記中央部の側端とつながる左右の側部とからなり、前記側部の少なくとも一方が前記中央部の側端から後方かつ外側に延びる張り出し部を有しており、前記張り出し部によって拡張された前記第1領域の外側領域の一方に電子制御ユニットが配置されている。
なお、この明細書において、特別に定義されていない限り、位置関係を示す語句、「前」は、機体走行方向で前進側を表し、「後」は後進側を表す。従って、機体前後方向は機体長手方向を表し、機体横断方向は、機体の幅方向を表す。
この構成では、シュラウドの張り出し部によって作り出される第1領域の外側領域は、実質的にラジエータに流れ込む前の空気、つまり新鮮空気で満たされており、この空間に配置される電子制御ユニットは効果的に冷却される。さらには、第1領域の外側領域、つまりボンネットの側面によって1つの面が境界付けられた空間に電子制御ユニットが配置されているので、ボンネットを開放した際の、電子制御ユニットに対するアクセス性(保守点検のための操作性)が優れている。また、第1領域の外側領域は、ボンネットの側面と天井面とシュラウドの張り出し部によって境界付けられた空間であるので、その内部に埃や雨が直接入り込む可能性が少ない。
なお、左右の側部の両方が張り出し部として形成されてもよい。その際、左右の張り出し部の形状を異ならせても良い。張り出し部の形状としては、例えば、これによって作り出される第1領域の外側領域が、それぞれ四角形断面や三角形断面や部分的湾曲断面などとなるような種々のものが本発明に含まれる。
上述したように、シュラウドの張り出し部によって作り出される第1領域の外側領域は、そこに内在する空気が新鮮であるという特徴があるので、この領域にエアクリーナの吸気口を配置すると好都合である。その際、エアクリーナはエンジンに近い方が好ましいので、エンジンとともに第2領域に配置されることが好適である。従って、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記第2領域にエアクリーナが配置され、前記エアクリーナの吸気ダクトが前記張り出し部を貫通して前記第1領域まで延びて開口している。
そのような第1領域の外側領域、特に電子制御ユニットが配置されている部位にはできるだけ新鮮な空気が流通することが好ましい。従って、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記ボンネットの前記電子制御ユニットに対向する領域に外気取り込み口が形成されている。その際、外気取り込み口を通じて外部から直接雨水や洗車液が電子制御ユニットにかかるのを避けるため、前記電子制御ユニットの前記外気取り込み口に対向する面に保護板が設けられることが好ましい。さらに、高熱を発する電子部品が集積された電子制御ユニットを効果的に冷却するためには、前記保護板が放熱板として形成されていると、好都合である。
エンジン補機として高熱源となるDPFを搭載する必要がある場合、DPFを前記第2領域に配置し、第1領域の外側領域に配置される電子制御ユニット内に、このDPFの制御機器を組み込むと好都合である。
DPFといったような排ガス規制を達成するために必要なエンジン補機のエンジンルームへの新たな導入などによりエンジンルームが大きくなった場合、そのエンジンルームを覆うボンネットも大型化し、その結果、重くなり、開閉操作が負担となる。この問題を解消するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記ボンネットが、前記第2領域の後方領域を覆う固定ボンネットと、閉鎖姿勢で前記後方領域を除く第2領域と前記第1領域とを覆う揺動ボンネットとからなる。 、各ボンネットは本来のボンネットよりは軽量となる。特に揺動ボンネットの軽量化は、揺動ボンネット揺動操作を簡単にする。また、固定ボンネットと揺動ボンネットとを別々に組み付けることができるので、ボンネット組み立て時の、各ボンネットの搬送だけでなく組み付け作業自体も容易となる。
その際、前記揺動ボンネットは、開放姿勢において前記固定ボンネットを入れ子式に覆う構成を採用すると好都合である。そのような揺動式の入れ子構造では、前記揺動ボンネットは、開放位置において前記揺動ボンネットの内方に前記固定ボンネットを入れ込んで前記固定ボンネットを覆い、前記閉鎖位置において前記固定ボンネットの前端部分と重なり合う。つまり、揺動ボンネットを後方揺動軸周りに後方に開放する際に、固定ボンネットを入れ子式に覆うような開放姿勢となることから、開放位置での揺動ボンネットが作業車の後端から飛び出す量を小さくすることができる。
本発明の実施形態の一例であるフロントマウントモーアの斜視図である。 エンジンルームに配置されたエンジンとエンジン補機の側面図である。 エンジンルームの後方領域に配置されたDPSと、固定ボンネットと、揺動ボンネットの側面図である。 エンジンルームに配置されたエンジンとエンジン補機の側面図である。 エンジンルームに配置されたエンジンとエンジン補機の平面図である。 固定ボンネットと揺動ボンネットの後面図である。 ラジエータ前面からみたエンジンルームの正面図である 揺動ボンネットと機体フレームとの接当構造を示す模式図である。 別実施形態における分割構造の揺動ボンネットを示す模式図である。 図9による分割構造の揺動ボンネットの分割結合構造を示す断面図である。
以下、本発明による作業車の一例としてフロントマウントモーアを取り上げ、本発明の実施の形態の1つを説明する。
図1に示すように、フロントマウントモーアは、フロントフレーム10aとリアフレーム10bとからなる機体フレーム10、機体フレーム10に支持された左右一対の前輪11及び左右一対の後輪12を備えている。前輪11の前方でブレードタイプのモーアユニット2が昇降機構20を介して昇降自在に機体フレーム10に吊り下げられている。
機体フレーム10の前部には、ステアリングホイール17を支持するハンドルポスト16が立設され、そのハンドルポスト16の後方で前輪11のやや後方に運転席13が設けられている。さらに運転席13のすぐ後にロプス14が立設されている。図2から図7で示されているように、ロプス14の後方、つまり機体フレーム10の後半分に、エンジン6やエンジン補機などが配置されるエンジンルーム4が形成されている。ここでは、エンジン6は水冷式ディーゼルエンジンであり、エンジン補機として、ラジエータ60、冷却ファン62、エアクリーナ63、DPF66などが含まれている。
図5から最もよく理解できるように、エンジンルーム4は、機体前後方向で前から、前方領域41と中間領域42と後方(後端)領域43とに区分することができる。前方領域41と中間領域42とは、機体横断方向の隔壁として機能するシュラウド5で境界付けられている。ラジエータ60と冷却ファン62とはファンシュラウド62aを介して連結され、1つのユニットを構成しており、シュラウド5の下辺に設けられた開口部53を通り抜けている。ラジエータ60は前方領域41に位置しており、冷却ファン62は中間領域42に位置している。
中間領域42には、さらにエンジン6が配置され、このエンジン6の上方に円筒状のエアクリーナ63が配置されている。エアクリーナ63は、エンジン6の上側に、機体横断方向における中央部よりも側方側に寄せて配備されている。機体後端の後方領域43には、排気管65に介装されたDPF66が水平横置きに配置されている。DPF66から出た排気を放出する排気口67aを形成している円筒状の排気終端部67も後方領域43でDPF66の下方に配置されている。
リアフレーム10bの上方にエンジンルーム4を上方から覆うボンネット8が配置されている。ボンネット8は、機体前後方向で二分割されており、後方領域を覆う固定ボンネット8Aと、揺動ボンネット8Bとからなる。固定ボンネット8Aは、図2と図5と図6との組み合わせから理解できるように、左右一対の側板部86と、前後方向で傾斜しながら下方に延びる傾斜面とそこから垂直に延びた垂直面とを有する背板部87とからなる、前と底が開口した箱体である。固定ボンネット8Aは、エンジンルーム4の後方領域、詳しくは後方領域43の上半分の上面と左右側面と後面を覆うように、リアフレーム10bに立設された支持台18に固定されている。固定ボンネット8Aは、高温となるDPF66のケースでもあるので、背板部87の大部分は網プレートとして形成されている。
図3に示されているように、支持台18の中間領域42に近い位置に、枢支ブラケット80が設けられている。この枢支ブラケット80はDPF66とほぼ同じ位置で機体横断方向に延びた揺動軸80aを有する。図2と図5との組み合わせから理解できるように、揺動ボンネット8Bは、天板部83と左右一対の側板部84とを有し、アーチ状の断面を有する。図3に示すように、揺動ボンネット8Bは、揺動軸80a周りで、閉鎖位置と開放位置との間、90°から120°、ここでは105°の角度範囲で揺動可能である。固定ボンネット8Aと揺動ボンネット8Bとは、揺動式の入れ子構造となっており、その開放位置での揺動ボンネット8Bは、揺動ボンネット8Bの内方に固定ボンネット8Aを入れ込んで、外から実質的に固定ボンネット8Aを覆っている。その閉鎖位置での揺動ボンネット8Bは、エンジンルーム4の前方領域41と中間領域42を覆うとともに、固定ボンネット8Aの前端部分と重なり合うことで、実質的にエンジンルーム4全体を覆う。つまり横伏姿勢となる閉鎖位置での揺動ボンネット8Bは、エンジンルーム4の前方領域41と中間領域42を覆い、ほぼ直立姿勢となる開放位置における揺動ボンネット8Bは、固定ボンネット8Aを入れ子式に覆う。
上記閉鎖位置での揺動ボンネット8Bは、固定ボンネット8Aの側板部86と背板部87とを隙間をあけて外囲している。その際、図6から明らかなように、閉鎖位置での揺動ボンネット8Bにおいて、揺動ボンネット8Bの天板部83と固定ボンネット8Aの背板部87との間に第1隙間S1が形成され、揺動ボンネット8Bの側板部84と固定ボンネット8Aの側板部86との間に第2隙間S2が形成される。図4からよく理解できるが、固定ボンネット8Aの背板部87の縁部は、上向きに屈曲して突き出した上向き突起87aによって作り出されている。これにより、第1隙間S1はかなり狭く形成されている。逆に第2隙間S2は、第1隙間S1よりかなり広く形成されている。従って、エンジンルーム4を流れてきた空気流は、第1隙間S1からは流出しにくく、第2隙間S2からスムーズに流出する。この構成から、ラジエータ60を通り抜けエンジンルーム4を流れてきた空気流は、第1隙間S1からあまり流出せずに、DPF66の周囲に流れ込む。但し、新鮮空気の絶え間ない流入のためには、エンジンルーム4を流れてきた空気流はスムーズに外部に流出させる必要があるので、第2隙間S2が比較的広く形成されている。これにより、DPF66は効果的に冷却される。
図3と図5から理解できるように、横伏姿勢から90度を越える揺動によってもたらされる開放位置で揺動ボンネット8Bを保持するため、この実施形態ではストッパー機構が設けられている。ストッパー機構は、揺動ボンネット8Bの側板部84の内面に水平に延設されたストッパーピン84aと、枢支ブラケット80の上端部に形成されたストッパー受け80bとからなる。ストッパー受け80bは、揺動ボンネット8Bの揺動に伴うストッパーピン84aの揺動軌跡に沿った面を有するガイド面と、このガイド面から立ち上がったストッパー受け面を有する。ストッパーピン84aがストッパー受け面に接当することで、揺動ボンネット8Bは開放位置で保持される。ストッパー受け80bは、固定台として機能する限り、枢支ブラケット80以外の場所、例えば、固定ボンネット8Aや機体フレーム10などに取り付けることができる。
図3で示すように、揺動ボンネット8Bのその閉鎖位置において、その下端縁やリブがリアフレーム10bまたはリアフレーム10bに支持された床プレート15に接当することで支持される。このため、接当時の衝撃を和らげるため下端縁には、トリムと呼ばれる衝撃吸収用の差込弾性体、例えば差込ゴム部材88が取り付けられている。
揺動ボンネット8Bの先端側で床プレート15によって接当支持される領域には、図8に示されるような衝撃吸収ユニット89が設けられている。図8の(a)で示された衝撃吸収ユニット89は、揺動ボンネット8Bの側板部84の下端縁に直接差し込まれた差込弾性体、例えば差込ゴム部材89aと、側板部84の内面から突き出すように設けられたブラケット89bに取り付けられたクッション体89cからなる。クッション体89cは差込ゴム部材89aより弾性強度が大きく、揺動ボンネット8Bの閉鎖位置での変形が少なく、揺動ボンネット8Bの閉鎖姿勢を正確に維持することができる。差込ゴム部材89aは接当時の変形が大きいが、その変形により、揺動ボンネット8Bと床プレート15との間の確実な密封を保証する。
図8の(a)で示された衝撃吸収ユニット89は、図8の(a)の変形例で、差込ゴム部材89aが側板部84の内面から突き出すように設けられた補助プレート89dに差し込まれる構成となっている。
エンジン6の出力軸と連結している冷却ファン62は、回転駆動されることによって、エンジンルーム4の前方領域41に取り込み、さらにラジエータ60を通過させた外気を揺動ボンネット8Bで覆われた中間領域42および固定ボンネット8Aで覆われた後方領域43に送り込む。
図5に示すように、シュラウド5は、エンジンルーム4を、前方領域41である第1領域と、中間領域42と後方領域43からなる第2領域とに区分けする。シュラウド5は、その冷却面(前面)を機体横断方向に沿うように配置されたラジエータ60の後面に沿って延びる中央部50と、この中央部50の側端とつながる左右の側部51、52とを有する。この実施形態では、左右の側部51、52の両方が、この中央部50の両側から後方かつ外側に延びる張り出し部として形成されているが、どちらか一方だけが張り出し部として形成し、他方は中央部50からそのまま機体横断方向に延びる形状として形成してもよい。側部51、52、つまり張り出し部51、52は、前後方向に延びる縦板部51a、52aと横断方向に延びる横板部51bと52bを有する90°に屈曲したアングル形状体であり、これにより、前方領域41の機体横断方向の両端には中間領域42の方に突き出した拡張領域41a、41bが作り出されている。
この実施形態ではシュラウド5の両側に形成された張り出し部52の一方(右側)によって作り出された拡張領域41bに、電子制御ユニット(以下ECUと略称する)90が配置されている。具体的には、張り出し部52の縦板部52aに、ブラケット58が固定されており、このブラケット58の中央に直方体形状のECU90が固定されている。図7に示すように、さらにブラケット58の上部にはヒューズボックス91が、ブラケット58の下部にはECU90によって制御される制御機器とECU90及び電源とを接続するための電装品カプラ92が取り付けられている。
また、張り出し部52の横板部52bの中央には上下方向に長い貫通孔52cが設けられており、この貫通孔52cを通じてエアクリーナ63から延びた吸気ダクト64がエンジンルーム4の中間領域42から前方領域内に延びている。つまり、吸気ダクト64の先端部に形成されている吸気口64aが拡張領域41b、つまりエンジンルーム4の前方領域41に位置している。これにより、エアクリーナ63は、前方領域41から新鮮空気を吸い込むことになる。また、両側の拡張領域41bに、ECU90や電装品カプラ92や吸気ダクト64の吸気口64aを分けて配置してもよい。なお、張り出し部52がシュラウド5の片側だけに形成されている場合には、その拡張領域41bにそれらが配置されることになる。
図7から理解できるように、閉鎖姿勢の揺動ボンネット8Bにおいて、揺動ボンネット8Bの側板部84に形成されている外気取り込み口85の一部がECU90に向き合うように配置されている。この実施形態では、外気取り込み口85はネット構造で形成されたボンネット部分の多孔部として形成されている。外気取り込み口85の一部がECU90に向き合っていることから、この外気取り込み口85から拡張領域41bに入り込んでラジエータ60に回り込んでいく冷却空気がECU90を通り過ぎていくため、効果的にECU90に冷却空気が供給される。また、この拡張領域41bには、エアクリーナ63の吸気口64aが存在しているので、強い空気流が生じており、ECU90の冷却にとって好都合である。
この実施形態では、ECU90の外気取り込み口85と向き合う面を完全にカバーするように保護板59が設けられている。この保護板59は、外気取り込み口85から入り込んでくる雨水や洗車液がECU90にかかることを防ぐ。また、この保護板59をECU90のハウジングに熱伝達可能に接触させるとともに、好ましくはその外面にフィンを形成することで、この保護板59は放熱板として機能させることも可能である。
図5に示すように、エンジン6の排気が流れる排気管65は、上流排気管65aと下流排気管65bとからなり、この上流排気管65aと下流排気管65bとの間にDPF66介装されている。上流排気管65aの一端はエンジン6の排気マニホールド6aに接続している排気集合管6bと接続しており、他端はDPF66と接続している。下流排気管65bの一端はDPF66と接続しており、その他端は排気終端部67と接続している。DPF66は、円柱状であり、支持台18に固定されたDPF用支持部材66aに、その長手方向を機体横断方向に沿わせた横置きの状態で固定され、その際、DPF66の上方、左右側方、及び、後方が、実質的に固定ボンネット8Aによって覆われている。
DPF66を介して浄化された後の排気ガスは、DPF66から延出されている下流排気管65bを通過して排気終端部67の排気口67aから機体後方に排出される。下流排気管65bの始端部分に流入した直後の排気ガスは、約600℃程度という非常に高い温度を有している。排気口67aから排気された状態の排気ガスの温度を約270℃程度まで低減するため、下流排気管65bは以下のように冷却区間を十分に確保するための構造的特徴を有する。
下流排気管65bの始端区間は、DPF66の側端領域から前方上向きに延出されている。始端部分に続く下流排気管65bの第1中間区間は、DPF66の前側でこのDPF66の長手方向に沿うように延びている。この第1中間区間はエンジン6よりも上方に位置しているので、エンジンルーム4の中間領域42を流れる冷却風を効果的に受けることができる。第1中間区間に続く下流排気管65bの第2中間区間は、図2から理解できるように、前方下方に向きを変えてエンジン6の側方を斜めに延び、さらに再び後方に向きを変え、リアフレーム10bのすぐ上を機体前後方向に沿って延び、排気終端部67に接続している。第2中間区間は、図2から理解できるように、エンジン6の側方に位置しているので、エンジンルーム4の中間領域42を流れる冷却風を効果的に受けることができる。下流排気管65bは複雑な湾曲形状を有するので、下流排気管65bは複数の管材で製作することが好ましい。この実施形態では、下流側の管材ほど、管径を大きくし、さらに、その接続領域では径方向の隙間を確保することで、エジェクタ作用により周囲からの空気を取り込むような接続形態と採用している。また、下流排気管65bと排気終端部67との接続形態も、同様に、排気終端部67の管径を下流排気管65bより大きくし、径方向の隙間を確保している。
図1から理解できるように、固定ボンネット8Aのすぐ下方には鋳物であるウエイト19が装備されており、ウエイト19の上面に形成された車体前後方向に延びた凹湾曲面に排気終端部67が配置されている。ウエイト19が排気終端部67の後端より後方に延びていることで、後進時に排気終端部67が障害物と直接衝突することを防いでいる。
揺動ボンネット8Bは、溶接や板金によって一体成形してもよいが、重量が大きくなるので、組み立てや保守点検における取り扱いに難がある。このため、図9に示すような分割構造を採用するとよい。ここでは、二分割構造となっており、後方側の第1サブボンネット81と前方側の第2サブボンネット82から構成されている。第1サブボンネット81は、揺動ボンネット8bのエンジンルーム4の中間領域42及び前方領域41の下側領域を覆う役割を有し、第2サブボンネット82は、それ以外、つまり前方領域41の上側領域を覆う役割を有する。図10で模式的に示されているように、第2サブボンネット82は網部を枠部で外囲した樹脂製品であり、その形状は門型であり、その下端領域には水平溝レール82aが設けられている。この水平溝レール82aをそのたわみを利用して第1サブボンネット81に形成された水平突起レール81aにはめ込むことで、第2サブボンネット82は第1サブボンネット81に連結される。この第2サブボンネット82と第1サブボンネット81の連結を確実にするため、ロック機構を設けてもよい。第2サブボンネット82の網部が外気取り込み口85として機能する。
図7には、ラジエータ60の下端に設けられたドレインプラグ61が示されている。ラジエータ60は、リアフレーム10bに固定されたラジエータ取付台60Aに取り付けられている。ラジエータ取付台60Aにはドレインプラグ61に対応する箇所に開口60aが設けられており、この開口60aに外部からドレインプラグ61に達する筒体61Aが差し込まれている。筒体61Aの先端は、ドレインプラグ61を外囲している。筒体61Aの後端は、他の機器やホースなの備品に邪魔されたい位置まで延びている。これにより、筒体61Aはドレインプラグ61の開閉のための工具を、ドレインプラグ61まで導くためのガイドとして機能する。さらに、筒体61Aはドレインプラグ61から排出された液体を導く管路としても機能する。
〔その他の実施形態〕
(1)本発明で限定されている、固定ボンネット8Aと揺動ボンネット8Bと運転席13の配置は、車体前後方向に関して、運転席13と固定ボンネット8Aとの間に揺動ボンネット8Bが位置することである。従って、固定ボンネット8aが前進方向に関して機体フレーム10の前端に位置するような作業車も、本発明に含まれる。
(2)上述した実施の形態では、本発明がフロントマウントモーアに適用されていたが、ミッドマウントモーアなど他の形式のモーアに適用してもよい。もちろん、本発明は、モーア以外の、機体後方にエンジンルーム4を備えた作業車に適用することも可能である。
(3)ボンネット8は、樹脂製品または鋼製品あるいは樹脂や鋼を組み合わせたハイブリッド製品であってもよい。
(4)上述した実施の形態では、揺動ボンネット8Bはリアフレーム10bに支持された枢支ブラケット80によって枢支されていたが、固定ボンネット8Aの強度が十分であれば、固定ボンネット8Aに揺動ボンネット8Bが枢支される構成を採用してもよい。
(5)上述した実施形態では、揺動ボンネット8Bは水平横伏せ姿勢から90°を越える揺動範囲を有しており、その揺動終端の開放位置において、自重とストッパー機構を利用して、揺動ボンネット8Bが保持されている。この構成に代えて、ダンパーによって揺動ボンネット8Bを開放位置に保持する構成を採用してもよい。その場合、自重を利用しないので、揺動ボンネット8Bの揺動範囲は90°以下となる。もちろん、上述した実施形態において、ダンパーを揺動アシストとして利用してもよい。
(6)張り出し部51、52によって拡張されたエンジンルーム4の前方領域41の右の外側領域に電子制御ユニット90が設けられていたが、もちろん左の外側領域に設けてもよいし、電子制御ユニット90が複数ある場合には、両方の領域に分けて配置してもよい。また、電子制御ユニット90以外の冷却が要求される機器をこれらの領域に配置してもよい。
1:機体
10:機体フレーム
10a:フロントフレーム
10b:リアフレーム
11:前輪
12:後輪
13:運転席
14:ロプス
15:床プレート
18:支持台
21:モーアデッキ
22:動力伝動機構
23:ブレード
4:エンジンルーム
41:前方領域(第1領域)
42:中間領域(第2領域)
43:後方領域(第2領域)
5:シュラウド
50:中央部
51:張り出し部(側部)
52:張り出し部(側部)
53:開口部
54:封止部材
58:ブラケット
59:保護板(放熱板)
6:エンジン
6a:排気マニホールド
6b:排気集合管
60:ラジエータ
61:ラジエータドレインプラグ
60A:ラジエータ取付台
61A:筒体
62:冷却ファン
63:エアクリーナ
64:吸気ダクト
64a:吸気口
65:排気管
65a:上流排気管
65b:下流排気管
66:DPF
67:排気終端部
67a:排気口
70:トランスミッション
70A:無段変速装置(HST)
70B:ギヤ伝動装置
8:ボンネット
8A:固定ボンネット
8B:揺動ボンネット
80:枢支ブラケット
80a:揺動軸
80b:ストッパー受け
81:第1サブボンネット
82:第2サブボンネット(ネットボックス)
83:天板部
84:側板部
84a:ストッパーピン
85:外気取り込み口
86:側板
87:背板
87a:上向き突起
88:差込ゴム部材
89:衝撃吸収ユニット
90:電子制御ユニット(エンジンECU)

Claims (8)

  1. 運転席の後方にエンジンやエンジン補機を収納するエンジンルームを有する作業車であって、
    前記エンジンルームを機体前後方向に関して前方側の第1領域と後方側の第2領域に区分けるシュラウドと、前記第1領域に機体横断方向に沿って配置されたラジエータと、前記第2領域に配置されたエンジンと、前記シュラウドに設けられた開口部に配置されるとともに前記第1領域から前記第2領域への空気流を作り出す冷却ファンと、前記エンジンルームを覆うボンネットとが備えられ、
    前記シュラウドが、前記ラジエータの後面に沿って延びる中央部と、前記中央部の側端とつながる左右の側部とからなり、前記側部の少なくとも一方が前記中央部の側端から後方かつ外側に延びる張り出し部を有し、
    前記張り出し部によって拡張された前記第1領域の外側領域の一方に電子制御ユニットが配置されている作業車。
  2. 前記第2領域にエアクリーナが配置され、前記エアクリーナの吸気ダクトが前記張り出し部を貫通して前記第1領域まで延びて開口している請求項1に記載の作業車。
  3. 前記ボンネットの前記電子制御ユニットに対向する領域に外気取り込み口が形成されている請求項1または2に記載の作業車。
  4. 前記電子制御ユニットの前記外気取り込み口に対向する面に保護板が設けられている請求項3に記載の作業車。
  5. 前記保護板が放熱板として形成されている請求項4に記載の作業車。
  6. 前記電子制御ユニットによって制御されるDPFが前記第2領域に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
  7. 前記ボンネットが、前記第2領域の後方領域を覆う固定ボンネットと、
    閉鎖姿勢で前記第1領域と前記後方領域を除く第2領域とを覆う揺動ボンネットとからなる請求項1から6のいずれか一項に記載の作業車。
  8. 前記揺動ボンネットは、開放位置において前記揺動ボンネットの内方に前記固定ボンネットを入れ込んで前記固定ボンネットを覆い、前記閉鎖位置において前記固定ボンネットの前端部分と重なり合っている請求項7に記載の作業車。
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