JP5709711B2 - フィルタリアクトルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば交流電源に接続され任意の交流電圧を出力する電力変換装置等で発生する高周波電流を低減するフィルタリアクトルおよびフィルタリアクトルの製造方法に関するものである。
従来の雑音防止フィルタとして、複数個のコイルを共通磁心に各々独立させて巻装し、かつ各コイルに漏洩磁路を設け、多相電流に対しては漏洩インダクタンスが、零相電流に対しては各コイルの自己インダクタンスが有効に作用するようにしてなる多相用チョークコイルが用いられている。共通磁心は環状磁心であり、漏洩磁路は環状磁心のほぼ120°位置から突出して先端で互いに突き合わせられる磁心である。そして、漏洩磁路の磁気抵抗を調整する場合、磁心の突き合わせ部に空隙を設ける(例えば、特許文献1参照)。
特開昭53−073352号公報
上記従来の多相用チョークコイルは、漏洩磁路の磁気抵抗を調整するには漏洩磁路の突き合わせ部に空隙を設けるため、磁心の形状が複雑となり突き合わせ部の各空隙の幅を均一とすることが難しいという問題があった。従って、各相漏洩磁路の磁気抵抗を均等に調整することが難しいという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な鉄心形状でありながら漏洩磁路の磁気抵抗を容易かつ均等に調整することができるフィルタリアクトルを得ることを目的とする。
この発明に係るフィルタリアクトルは、複数の巻線がそれぞれ独立して巻回される環状の共通鉄心と、上記共通鉄心の内側に配置される漏れ磁束用鉄心とを備え、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより上記各巻線間が仕切られている。上記漏れ磁束用鉄心には上記各巻線を流れるノーマルモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記ノーマルモード電流に対するインダクタンスとして作用し、上記共通鉄心には上記ノーマルモード電流と上記各巻線を流れるコモンモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記コモンモード電流に対するインダクタンスとして作用する。そして、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間に隙間を設け、上記隙間の幅を均一に保持して支持する支持部材を上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心に向かって差し込んで配置させる。
この発明に係るフィルタリアクトルの製造方法は、複数個の巻線がそれぞれ独立して巻回される環状の共通鉄心と、上記共通鉄心の内側に配置される漏れ磁束用鉄心とを備え、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより上記各巻線間が仕切られ、上記漏れ磁束用鉄心には上記各巻線を流れるノーマルモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記ノーマルモード電流に対するインダクタンスとして作用し、上記共通鉄心には上記ノーマルモード電流と上記各巻線を流れるコモンモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記コモンモード電流に対するインダクタンスとして作用し、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間に隙間を設けたフィルタリアクトルの製造方法である。そして、上記漏れ磁束用鉄心を上記環状の共通鉄心内に挿入して上記共通鉄心と隙間を介して配置する工程と、上記隙間の幅を均一に保持して支持する支持部材を上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心に向かって差し込んで配置させる工程と、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより仕切られた空間に上記各巻線をそれぞれ巻回する工程とを備える。
この発明に係るフィルタリアクトルは、複数の巻線がそれぞれ独立して巻回される環状の共通鉄心と、上記共通鉄心の内側に配置される漏れ磁束用鉄心とを備え、上記漏れ磁束用鉄心には上記各巻線を流れるノーマルモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記ノーマルモード電流に対するインダクタンスとして作用し、上記共通鉄心には上記ノーマルモード電流と上記各巻線を流れるコモンモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記コモンモード電流に対するインダクタンスとして作用し、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間に隙間を設け、上記隙間の幅を均一に保持して支持する支持部材を上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心に向かって差し込んで配置させている。このため、漏れ磁束用鉄心を経由する漏洩磁路の磁気抵抗として作用する隙間を簡単な鉄心形状で設けることができ、漏洩磁路の磁気抵抗を容易かつ均等に調整することができる。さらに、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間の隙間を支持棒のような簡単な構成で保持することができ、製造が容易である。
また、この発明に係るフィルタリアクトルの製造方法は、複数個の巻線がそれぞれ独立して巻回される環状の共通鉄心と、上記共通鉄心の内側に配置される漏れ磁束用鉄心とを備え、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより上記各巻線間が仕切られ、上記漏れ磁束用鉄心には上記各巻線を流れるノーマルモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記ノーマルモード電流に対するインダクタンスとして作用し、上記共通鉄心には上記ノーマルモード電流と上記各巻線を流れるコモンモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記コモンモード電流に対するインダクタンスとして作用し、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間に隙間を設けたフィルタリアクトルの製造方法であって、上記漏れ磁束用鉄心を上記環状の共通鉄心内に挿入して上記共通鉄心と隙間を介して配置する工程と、上記隙間の幅を均一に保持して支持する支持部材を上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心に向かって差し込んで配置させる工程と、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより仕切られた空間に上記各巻線をそれぞれ巻回する工程とを備えたため、漏れ磁束用鉄心を経由する漏洩磁路の磁気抵抗として作用する隙間を簡単な鉄心形状で設けることができ、漏洩磁路の磁気抵抗を容易かつ均等に調整することができる。さらに、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間の隙間を支持棒のような簡単な構成で保持することができ、製造が容易である。
この発明の実施の形態1におけるチョークコイルの接続例を示す接続図である。 この発明の実施の形態1におけるチョークコイルの構成を模式的に示す平面図である。 この発明の実施の形態2におけるチョークコイルの構成を模式的に示す平面図である。 この発明の実施の形態3におけるチョークコイルの構成を模式的に示す平面図である。 この発明の実施の形態4におけるチョークコイルの構成を模式的に示す平面図である。 この発明の実施の形態5におけるチョークコイルの構成を模式的に示す平面図および斜視図である。 この発明の実施の形態6におけるチョークコイルの構成を模式的に示す斜視図である。 この発明の実施の形態6の別例のチョークコイルの構成を模式的に示す斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるフィルタリアクトルとしてのチョークコイル1の接続例を示す接続図、図2はチョークコイル1の構成を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、フィルタリアクトルとしてのチョークコイル1は、例えば三相の交流電源2と負荷3との間に、交流電源2と負荷3とを接続する三相の電源線4R、4S、4Tを介して挿入され、交流電源2から電源線4R、4S、4Tを流れる電流の高周波成分を低減する。
図2に示すように、チョークコイル1の鉄心は、環状の共通鉄心としての略円筒状の共通鉄心11と、共通鉄心11とは別に形成され共通鉄心11の内側に配置される漏れ磁束用鉄心12とにより構成されている。共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12の中心軸方向の長さはほぼ同じであり、共通鉄心11の内部に漏れ磁束用鉄心12が収まるように配置されている。なお、中心軸方向とは、筒状の共通鉄心11の中心軸の伸びる方向であり、以下軸方向とする。
共通鉄心11は、例えばNi−Zn系フェライトにより形成されている。共通鉄心11には3個の巻線13R、13S、13Tがそれぞれ独立して巻回され、3個の巻線13R、13S、13Tは、三相の電源線4R、4S、4Tにそれぞれ直列に接続されている。それぞれの巻線13R、13S、13Tの巻き方向は同一で、各巻線13R、13S、13Tを流れるコモンモード電流による磁束が打ち消し合わない方向に生じるように共通鉄心11に巻かれている。本実施の形態1では各巻線13R、13S、13Tはそれぞれ4ターンずつ共通鉄心11に巻回されており、各巻線13R、13S、13Tの断面を図中●印で示している。
漏れ磁束用鉄心12は、3本の脚部120、121、122から形成された断面略Y字形状の鉄心であり、各脚部120、121、122により共通鉄心11内側の各巻線13R、13S、13T間を仕切っている。漏れ磁束用鉄心12の材質は、共通鉄心11の材質より磁束飽和密度の高い材質、例えばMn−Zn系フェライトにより形成されている。
なお、本実施の形態1では環状の共通鉄心として略円筒状の共通鉄心11を用いているが、共通鉄心の形状は略円筒状に限られるものではない。例えば三角形や、六角形など多角形の筒状であってもよく、内側に各巻線13R、13S、13Tを巻回するための各スペースを設けることができればよい。
共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間には、一枚のシート状の非磁性体を円筒状にして形成された支持部材5が配置されている。この支持部材5を配置することにより、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12の各脚部120、121、122との間に均一な幅の隙間が保持された状態で、共通鉄心11に漏れ磁束用鉄心12が支持される。支持部材5の厚みはチョークコイル1全体の大きさや必要な隙間の幅に応じて適宜決定すればよい。なお、本実施の形態1では、円筒状の支持部材5を用いたが、支持部材5の形状はこれに限られるものではない。例えば共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12の各脚部120、121、122との近接する部分にのみシート状の支持部材5を配置する構成としてもよい。
このようなチョークコイル1の製造は、例えば以下のように行う。
まず、共通鉄心11の内側の面に沿うように円筒状の支持部材5を配置する。次に、共通鉄心11内に漏れ磁束用鉄心12を挿入する。最後に、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12とにより仕切られた各スペースに各巻線13R、13S、13Tをそれぞれ巻回する。
次に、このような構成のチョークコイル1の作用効果について説明する。
三相の交流電源2から電源線4R、4S、4Tを介して各巻線13R、13S、13Tにノーマルモード電流、コモンモード電流が流れるとする。ここで、ノーマルモード電流は、電源電流などの低周波成分とノーマルモードのノイズ電流である高周波成分との両方を含む電流であり、コモンモード電流は、ノイズ電流である高周波成分の電流のみである。
コモンモード電流について検討する。上述の通り、各巻線13R、13S、13Tは全て同じ方向に巻回されている。このため、コモンモード電流による磁束Φ1は、共通鉄心11による閉磁路に発生し、各巻線13R、13S、13Tがコモンモード電流に対するインダクタンスとして作用する。よって、高周波成分の電流であるコモンモード電流を低減することができる。
ノーマルモード電流について検討する。各巻線13R、13S、13Tは全て同じ方向に巻回され、各相のノーマルモード電流は位相がずれているため、共通鉄心11による閉磁路では、ノーマルモード電流による磁束の大部分が互いに打ち消される。しかし、漏れ磁束用鉄心12により各巻線13R、13S、13Tの漏洩磁路が設けられているため、ノーマルモード電流による各相毎の磁束Φ2〜Φ4は、共通鉄心11から漏れ磁束用鉄心12を経由する漏洩磁路にそれぞれ発生し、各巻線13R、13S、13Tがノーマルモード電流に対するインダクタンスとして作用する。このため、ノーマルモード電流のうち高周波成分であるノーマルモードのノイズ電流を低減することができる。なお、図2中磁束Φ2〜Φ4の矢印は、ある時点における磁束の流れる向きを示すものであり、交流電源2から流れる各相の電流の状態に応じて磁束の流れる向きは順次変化する。
次に、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に隙間を設けたことについての作用効果について説明する。
まず、漏れ磁束用鉄心12は構造上磁束飽和が生じやすいが、この理由について説明する。
第1に、漏れ磁束用鉄心12は共通鉄心11の内側に配置されるため、漏れ磁束用鉄心12の断面積は、共通鉄心11の内径および使用する巻線の線径によって大きく制限されてしまう。例えば直径5mmの各巻線13R、13S、13Tと、内径30mmの共通鉄心11の場合、漏れ磁束用鉄心12の各脚部120、121、122の幅は7mm程度に制限されてしまう。漏れ磁束用鉄心12の断面積が制限されると、ノーマルモード電流による磁束Φ2〜Φ4により磁束飽和が生じやすい。なお、共通鉄心11に発生する磁束量はコモンモード電流による磁束Φ1の分だけ漏れ磁束用鉄心12に発生する磁束量よりも多い。しかし、コモンモード電流は高周波成分の小さい電流であるため起磁力が小さいこと、また共通鉄心11の断面積は共通鉄心11の外径を大きくすることにより調整できることから、共通鉄心11では磁束飽和は生じにくい。
第2に、漏れ磁束用鉄心12の各脚部120、121、122を流れるノーマルモード電流による磁束Φ2〜Φ4は、弱め合う方向だけでなく強め合う方向にも生じる。例えば図2の例では漏れ磁束用鉄心12の脚部121と脚部122において磁束が強めあう方向に生じている。強め合う方向に磁束が生じると当然磁束量は多くなるため、漏れ磁束用鉄心12の各脚部120、121、122は磁束飽和が生じやすい。
共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に隙間を設ける、すなわち、漏れ磁束用鉄心12を経由する漏洩磁路内に隙間を設けると、この隙間が漏洩磁路の磁気抵抗として作用する。隙間の幅を変えることで漏洩磁路を流れる磁束Φ2〜Φ4の磁束量を調整することができる。仮に漏れ磁束用鉄心12が磁束飽和してしまうと、ノーマルモード電流に対するインダクタンス値が低下してしまうが、本実施の形態1のように隙間により磁束Φ2〜Φ4の磁束量を調整することで、漏れ磁束用鉄心12の磁束飽和を防止することができる。また、隙間を設けることにより磁束Φ2〜Φ4の磁束量を調整できるため、ノーマルモード電流に対するインダクタンス値を調整できる。なお、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間の幅は、ノーマルモード電流に対する所望のインダクタンス値に基づき決定されている。
次に、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12とを異なる材質、本実施の形態では共通鉄心11をNi−Zn系フェライト、漏れ磁束用鉄心12をMn−Zn系フェライトにより形成したことによる効果について説明する。一般に、Mn−Zn系フェライトは、Ni−Zn系フェライトよりも磁束飽和密度が高い材質である。
上述の通り、漏れ磁束用鉄心12は構造上磁束飽和が生じやすいが、漏れ磁束用鉄心12の材質を磁束飽和密度が高い材質にすることにより、漏れ磁束用鉄心12の磁束飽和を防止することができる。
また、上述の通り、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に隙間を設けることで、漏洩磁路を流れる磁束Φ2〜Φ4の磁束量が大きくなりすぎることを防止できる。しかし、隙間の幅を大きくしすぎると、磁束量が減るためノーマルモード電流に対するインダクタンス値が低下する。インダクタンス値が低下すると、ノーマルモード電流の高周波成分を効果的に低減することができなくなる。そこで、本実施の形態1のように漏れ磁束用鉄心12の材質を磁束飽和密度が高い材質で形成すると、漏れ磁束用鉄心12の磁束飽和に達するまでの磁束量が増えるため、隙間の幅を小さく抑えてインダクタンス値の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態1では共通鉄心11の材質をNi−Zn系フェライト、漏れ磁束用鉄心12の材質をMn−Zn系フェライトとしたが、鉄心の材質はこれらに限られるものではなく、例えば鉄系の材質を用いることもできる。
以上のように、本実施の形態1では、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に隙間を設けたので、上記隙間が漏れ磁束用鉄心12を経由する漏洩磁路の磁気抵抗として作用し、漏れ磁束用鉄心12の各脚部120、121、122に発生する磁束Φ2〜Φ4の磁束量を調整することができる。このため、漏れ磁束用鉄心12の磁束飽和によるインダクタンスの低下を防止し、ノーマルモード電流の高周波成分の低減を確実に行うことができる。
また、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12とが別々に形成され、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に環状の支持部材5を配置することにより、均一な幅の隙間が保持された状態で共通鉄心11に漏れ磁束用鉄心12が支持される。このため、簡単な形状の共通鉄心11や漏れ磁束用鉄心12により、各漏洩磁路に均等な隙間を容易に設けることができる。従って、各巻線13R、13S、13Tの漏洩磁路の磁気抵抗が全て均一に保たれ、三相の不平衡なくフィルタリアクトルとしてのチョークコイル1が形成される。
また、漏れ磁束用鉄心12の材質を磁束飽和密度が高い材質にすることにより、漏れ磁束用鉄心12の磁束飽和を抑制することができる。そして、漏れ磁束用鉄心12の断面積が小さくても、磁束飽和に達するまでの磁束量を大きくすることができるため、隙間の幅を小さく抑えてインダクタンス値の低下を防止することができる。従って、ノーマルモード電流の高周波成分を効果的に低減することができる。
また、漏れ磁束用鉄心12の断面積を小さくできるため、チョークコイル1全体の小型化を図ることができる。
また、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12とが別々に形成される別部材であるため、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12の材質を異なるものとすることが容易にでき、共通鉄心11、漏れ磁束用鉄心12の材質を自由に設定することができる。
本実施の形態1では、漏れ磁束用鉄心12の磁束飽和を防止するため、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に隙間を設け、さらに共通鉄心11より漏れ磁束用鉄心12の材質を磁束飽和密度の高い材質としているが、必ずしも両方の構成を備えなくてもよい。共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12の材質を同じ材質とし、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に隙間を設ける構成のみにより磁束飽和を抑制してもよい。
なお、隙間を設けた構成でなくても、漏れ磁束用鉄心12の材質を磁束飽和密度の高い材質にすることで、漏れ磁束用鉄心12の磁束飽和を抑制する効果は得られる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2におけるチョークコイル1Aの構成を模式的に示す平面図である。実施の形態2は支持部材の構成が実施の形態1とは異なっている。それ以外の構成については上記実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、本実施の形態2では共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間に支持部材としてピンのような棒状の支持棒5Aが配置されている。支持棒5Aは磁性体で形成されており、一端が共通鉄心11に、他端が漏れ磁束用鉄心12に固定されることにより、共通鉄心11に漏れ磁束用鉄心12を均一な幅の隙間を保持して支持している。このようなチョークコイル1Aの製造方法は、円筒状の共通鉄心11内に漏れ磁束用鉄心12を挿入した後、例えば、共通鉄心11の外周側から漏れ磁束用鉄心12の各脚部120、121、122に向かって、軸方向の上方側に3箇所、下方側に3箇所、支持棒5Aを差し込んで共通鉄心11に漏れ磁束用鉄心12を隙間を介して支持する。最後に、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12とにより仕切られた各スペースに各巻線13R、13S、13Tをそれぞれ巻回する。
次に、支持部材として支持棒5Aを用いることによる作用効果について説明する。
各巻線13R、13S、13Tにノーマルモード電流が流れると上記実施の形態1と同様漏れ磁束用鉄心12を経由する漏洩磁路には磁束Φ2〜Φ4が発生する。流れるノーマルモード電流が小さい場合には、発生する磁束量が小さく、磁束Φ2〜Φ4は磁性体である支持棒5A内を通過するように流れる。従って、漏洩磁路の磁気抵抗は小さい。流れるノーマルモード電流が大きくなると、発生する磁束量が大きくなるため、断面積の小さい支持棒5Aの磁束飽和が起こる。そして支持棒5Aの磁束飽和後は、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間を磁束Φ2〜Φ4が通ることとなり、隙間により漏洩磁路の磁気抵抗が大きくなる。
つまり、支持部材として支持棒5Aを用いると、流れるノーマルモード電流が大きく支持棒5Aの磁束飽和が生じた場合に、隙間が漏れ磁束用鉄心12を経由する漏洩磁路の磁気抵抗として作用し、上記実施の形態1と同様の効果を有する。さらに、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間を支持棒5Aのような簡単な構成で保持することができ、製造が容易である。
磁性体の支持棒5Aを用いた本実施の形態2のチョークコイル1Aは、各巻線13R、13S、13Tに流れるノーマルモード電流が支持棒5Aの磁束飽和が生じる程度に大きい場合に効果的に用いることができ、ノーマルモード電流の高周波成分を低減することができる。
なお、本実施の形態2では支持棒としてピンのような棒状の支持棒5Aを用いたが、支持棒の形状はこれに限られるものではない。支持棒は、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との隙間の幅を均一に保持することができる形状であればよく、磁性体である支持棒は、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間の効果を発揮するために、断面が細長い断面線状であればよい。これにより各巻線13R、13S、13Tを流れるノーマルモード電流が大きくなった場合、支持棒部分が磁束飽和を起こし、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間の効果を得ることができる。このような支持棒の軸方向長さは、共通鉄心11や漏れ磁束用鉄心12の軸方向長さと同じであってもよいし、軸方向に短いものであってもよい。例えば、断面線状で、軸方向長さが共通鉄心11と同じ長さの薄板状の磁性体を支持棒として用い、円筒状の共通鉄心11内に漏れ磁束用鉄心12を挿入した後、薄板状の支持棒を軸方向一方側から差し込んで、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間を保持することとしてもよい。また、断面線状で軸方向に短いくさび形の磁性体を支持棒として用い、円筒状の共通鉄心11内に漏れ磁束用鉄心12を挿入した後、軸方向両端側からくさび形の支持棒を打ち込み、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間を保持してもよい。くさび形の支持棒を隙間に対して直交する方向に配置して打ち込むことで隙間を保持してもよく、隙間に挟まれるように周方向に配置して打ち込むことで隙間を保持してもよい。上記例に限らず、共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12とへの支持棒の配置の方法、差し込みの方向等は、支持棒の形状に応じて適宜決定すればよい。
また、支持棒5Aを共通鉄心11又は漏れ磁束用鉄心12の一部として形成してもよい。例えば共通鉄心11又は漏れ磁束用鉄心12に凸部を設け、この凸部を支持棒として共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間を保持することができる。
また、上記磁性体の支持棒5Aの代わりに、同様の形状の非磁性体の支持棒を用いてもよい。その場合、支持棒内に磁束は流れないため、各巻線13R、13S、13Tに流れるノーマルモード電流の大きさにかかわらず共通鉄心11と漏れ磁束用鉄心12との間の隙間を磁束が通ることとなり、上記実施の形態1と同様の効果を有する。
実施の形態3.
本実施の形態3では、共通鉄心と漏れ磁束用鉄心の形状の変形例について説明する。図4はこの発明の実施の形態3におけるチョークコイル1B〜1Hの構成を模式的に示す平面図であり、各チョークコイル1B〜1Hの共通鉄心をそれぞれ共通鉄心11B〜11H、漏れ磁束用鉄心をそれぞれ漏れ磁束用鉄心12B〜12Hとする。上記実施の形態1と同様、各巻線13R、13S、13Tは共通鉄心11B〜11Hに巻回されているが、共通鉄心11B〜11Hの外側の各巻線13R、13S、13Tの配置に関しては図示を省略している。また、共通鉄心11B〜11Hと漏れ磁束用鉄心12B〜12Hとの間には、上記実施の形態1、2に記載の支持部材5や、支持部材としての支持棒5Aが配置されるが、図示を省略している。
例えばチョークコイル1Bでは共通鉄心11Bの形状は上記実施の形態1の共通鉄心1と同様であるが、漏れ磁束用鉄心12Bの形状が実施の形態1の漏れ磁束用鉄心12と異なっている。漏れ磁束用鉄心12Bの形状は断面略三角形の各頂点部分が面取りされたような形状であり、共通鉄心11Bと漏れ磁束用鉄心12Bとにより共通鉄心11Bの内側の各巻線13R、13S、13T間が仕切られている。共通鉄心11Bと漏れ磁束用鉄心12Bの各面取り部120B、121B、122Bとの間に均一な幅の隙間が設けられ、ノーマルモード電流により発生する各磁束Φ2〜Φ4が流れる漏洩磁路の磁気抵抗が全て均等になるよう調整されている。この隙間が、漏れ磁束用鉄心12Bを経由する漏洩磁路の磁気抵抗として作用し、ノーマルモード電流により発生する磁束量を調整することができる。
チョークコイル1C〜1Gも、チョークコイル1Bの場合と同様であり、共通鉄心11C〜11Gの形状が上記実施の形態1の共通鉄心11と同じ、漏れ磁束用鉄心12C〜12Gの形状が実施の形態1の漏れ磁束用鉄心12と異なっている。漏れ磁束用鉄心12C〜12Gのいずれの形状についても、共通鉄心11C〜11Gの内側に漏れ磁束用鉄心12C〜12Gが配置されることで各巻線13R、13S、13T間が仕切られるような形状である。そして、共通鉄心11C〜11Gと漏れ磁束用鉄心12C〜12Gとの間に均一な幅の隙間が設けられ、ノーマルモード電流により発生する各磁束Φ2〜Φ4が流れる漏洩磁路の磁気抵抗が全て均等になるよう調整されている。なお、チョークコイル1C〜1Gについては磁束Φ2〜Φ4の図示を省略している。
チョークコイル1Hは、共通鉄心11H、漏れ磁束用鉄心12Hともに、上記実施の形態1の共通鉄心11、漏れ磁束用鉄心12の形状と異なっている。
チョークコイル1Hでは、漏れ磁束用鉄心12Hの断面は円形であり、共通鉄心11Hは円筒状の鉄心の内側から漏れ磁束用鉄心12Hに向かって突出する脚部110H、111H、112Hが設けられた略円筒形状である。共通鉄心11Hの各脚部110H、111H、112Hと漏れ磁束用鉄心12Hとにより各巻線13R、13S、13T間が仕切られている。そして、共通鉄心11Hの各脚部110H、111H、112Hと漏れ磁束用鉄心12Hとの間に均一な幅の隙間が設けられ、ノーマルモード電流により発生する各磁束Φ2〜Φ4の流れる漏洩磁路の磁気抵抗が全て均等になるよう調整されている。
以上のように、チョークコイル1B〜1Hは、それぞれ形状が異なっているが、共通鉄心11B〜11Hと漏れ磁束用鉄心12B〜12Hとにより各巻線13R、13S、13T間が仕切られ、共通鉄心11B〜11Hと漏れ磁束用鉄心12B〜12Hとの間に均一な幅の隙間が設けられている。このため、この隙間が、漏れ磁束用鉄心12B〜12Hを経由する漏洩磁路の磁気抵抗として作用し、上記実施の形態1と同様の効果を有する。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3で示すような構成のチョークコイルにおいて、共通鉄心および漏れ磁束用鉄心は、鉄損や各巻線の銅損により温度が上昇する。特に漏れ磁束用鉄心は、共通鉄心、巻線、支持部材に取り囲まれているため、外気に接する面積が小さく温度が上昇しやすい。温度が上昇すると漏れ磁束用鉄心の磁性が失われてしまい、ノーマルモード電流の高周波成分の低減が効果的に行われない場合がある。
本実施の形態4では、共通鉄心の内側に配置される漏れ磁束用鉄心の温度上昇の低減を図るために、漏れ磁束用鉄心に放熱用の冷却孔を設けたチョークコイルについて説明する。
図5は、この発明の実施の形態4におけるチョークコイルの構成を模式的に示す平面図であり、上記実施の形態3で説明したチョークコイル1B〜1D、1G、1Hの各漏れ磁束用鉄心12B〜12D、12G、12Hに、軸方向に伸びる冷却孔6を設けたものを示している。冷却孔6の個数は漏れ磁束用鉄心12B〜12D、12G、12Hの形状や断面積に応じて適宜設けることができる。
なお、図4において、共通鉄心11B〜11D、11G、11Hの外側の各巻線13R、13S、13Tの配置に関しては図示を省略している。また、共通鉄心11B、11Cと、漏れ磁束用鉄心12B、12Cとの間には、例として上記実施の形態2に記載の支持棒5Aを設けている。また、共通鉄心11Gと漏れ磁束用鉄心12Gとの間には、例として上記実施の形態1に記載のシート状で円筒状の支持部材5を設けている。また、共通鉄心11D、11Hと漏れ磁束用鉄心12D、12Hとの間には、例として上記実施の形態1に記載の共通鉄心と漏れ磁束用鉄心との近接する部分にのみに配置されるシート状の支持部材5を設けている。
以上のように、本実施の形態4では、漏れ磁束用鉄心12B〜12D、12G、12Hに冷却孔6が設けられているため、漏れ磁束用鉄心12B〜12D、12G、12Hが外気と接する面積が大きくなる。従って、漏れ磁束用鉄心12B〜12D、12G、12Hの温度上昇を低減し、漏れ磁束用鉄心12B〜12D、12G、12Hの磁性の劣化を抑制する。
なお、本実施の形態4では例としてチョークコイル1B〜1D、1G、1Hについて冷却孔6を設ける構成としたが、チョークコイルの形状はこれに限られるものではなく、例えば上記実施の形態1、3に記載のチョークコイル1、1E、1Fに冷却孔6を設けても同様の効果が得られる。
実施の形態5.
上記実施の形態4では、漏れ磁束用鉄心の温度上昇を低減するために漏れ磁束用鉄心に冷却孔を設ける構成としたが、本実施の形態5ではこれと異なる構成により漏れ磁束用鉄心の温度上昇の低減を図る。
図6は、この発明の実施の形態5におけるチョークコイル1Jの構成を模式的に示す平面図および斜視図である。
図に示すように、本実施の形態5のチョークコイル1Jは、漏れ磁束用鉄心12Jの軸方向の長さが共通鉄心11Jよりも長く形成されている。共通鉄心11Jの軸方向両端から漏れ磁束用鉄心12Jの両端部がはみ出るように配置されている。その他の構成は、上記実施の形態1のチョークコイル1と同様である。
漏れ磁束用鉄心12Jの共通鉄心11Jからはみ出た部分は外気と接するため、漏れ磁束用鉄心12Jが外気と接する面積が大きくなり、漏れ磁束用鉄心12Jの温度上昇を低減することができる。
ここで、漏れ磁束用鉄心12Jの形状はチョークコイル1B〜1Hの漏れ磁束用鉄心12B〜12Hに比べて断面積を大きくとれない。このように断面積の狭い漏れ磁束用鉄心12Jは、上記実施の形態4のように冷却孔6を設けると、断面積が小さくなりすぎてしまう場合がある。本実施の形態5の構成は、漏れ磁束用鉄心の断面積が小さく冷却孔を設けることができないような場合に、特に有効である。
なお、本実施の形態5では、漏れ磁束用鉄心12Jの形状が断面略Y字形状のチョークコイル1Jについて説明したが、チョークコイルの形状はこれに限られるものではない。例えば上記実施の形態3で説明したチョークコイル1B〜1Hについて、漏れ磁束用鉄心12B〜12Hを共通鉄心11B〜12Hより軸方向に長くする構成としてもよく、同様の効果が得られる。また、本実施の形態5の構成に加え、さらに上記実施の形態4に記載の冷却孔6を漏れ磁束用鉄心に設ける構成としてもよく、漏れ磁束用鉄心の温度上昇をより低減することができる。
上記実施の形態4、5では、漏れ磁束用鉄心の温度上昇を低減することにより、漏れ磁束用鉄心の磁性の劣化を抑制するものである。漏れ磁束用鉄心の磁性の劣化を抑制するために、上記実施の形態1〜5に記載した共通鉄心および漏れ磁束用鉄心の形状において、漏れ磁束用鉄心の材質を共通鉄心の材質よりも高温下で磁気特性の高い材質とする構成としてもよい。これにより、漏れ磁束用鉄心の温度が上昇しても磁性が失われることがなく、ノーマルモード電流の高周波成分の低減を確実に行うことができる。
実施の形態6.
図7は、この発明の実施の形態6におけるチョークコイル1Kを模式的に示す斜視図であり、図中巻線は省略している。チョークコイル1Kの鉄心は、上記実施の形態1とほぼ同形状であり、略円筒状の共通鉄心11Kおよび断面略Y字形状の漏れ磁束用鉄心12Kとにより構成されている。共通鉄心11Kは軸方向に3分割された共通鉄心片11Lを積層することにより形成されており、この点が上記実施の形態1と異なっている。
共通鉄心11Kと漏れ磁束用鉄心12Kとの間には均一な幅の隙間が設けられ、この隙間が漏れ磁束用鉄心12Kを経由する漏洩磁路の磁気抵抗として作用し、ノーマルモード電流により発生する磁束量を調整する。均一な幅の隙間を設けるために、共通鉄心11Kと漏れ磁束用鉄心12Kの各表面は精度よく加工されることが求められる。しかし、特に、共通鉄心11Kの内側表面の加工は軸方向の長さが長くなるほど難しくなる。本実施の形態6では、軸方向長さの短い共通鉄心片11Lを積層することにより共通鉄心11Kを形成しているため、共通鉄心11Kの内側表面の加工精度を向上させることができる。
積層された共通鉄心11Kが同じ中心軸上に共通鉄心片11Lが複数積層される形状にすることにより、すべての積層部分において共通鉄心11Kと漏れ磁束用鉄心12Kとの隙間の幅が均一になるように積層される。
図8は、この発明の実施の形態6の別例のチョークコイル1Mの構成を模式的に示す斜視図である。この別例では、共通鉄心11Mおよび漏れ磁束用鉄心12Mともに、軸方向長さの短い共通鉄心片11N、漏れ磁束用鉄心片12Nを一セットとしたものを、軸方向に積層して形成されている。
図に示すように、一の共通鉄心片11Nの内側に一の漏れ磁束用鉄心片12Nを配置して一セットとし、これを複数セット(本実施の形態6の別例では2セット)積層してから全セット一緒に巻線13R、13S、13Tが巻回されている。
この場合、セットとなる各々の共通鉄心片11Nと漏れ磁束用鉄心片12Nにおいて、共通鉄心片11Nと漏れ磁束用鉄心片12Nとの隙間が支持棒等の支持部材で維持されていればよく、各セットの中心を必ずしも同軸上に並べる必要はない。なお、漏れ磁束用鉄心12Mは、Y字形状にねじれなく積層されることにより、各巻線13R、13S、13Tのインピーダンスが均等となり望ましいが、ノーマルモード電流における磁路の磁気抵抗は、共通鉄心片11Nと漏れ磁束用鉄心12Nとの間の隙間が支配的となるため、これに制約されることはない。
このような構成により、共通鉄心11Mだけでなく漏れ磁束用鉄心12Mの加工精度を向上させることができ、より高精度なチョークコイル1Mを得ることができる。
なお、本実施の形態6および実施の形態6の別例では、上記実施の形態1と同様の鉄心形状のチョークコイル1K、1Mについて説明したが、当然ながら他の実施の形態で示したチョークコイルの形状にも適用することができる。
また、本実施の形態6および実施の形態6の別例では、共通鉄心のみ、または共通鉄心と漏れ磁束用鉄心両方を積層構造とするものについて説明したが、必要に応じて、漏れ磁束用鉄心のみを積層構造としてもよい。
特に大きなリアクタンス値を必要とするチョークコイルを形成する場合は、チョークコイルの軸方向長さを長くする必要があるため、本実施の形態6のような構成が有効となる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1,1A〜1H,1J,1K,1M フィルタリアクトルとしてのチョークコイル、
5 支持部材、5A 支持部材としての支持棒、6 冷却孔、
11,11B〜11H,11J,11K,11M 共通鉄心、
11L,11N 共通鉄心片、
12,12B〜12H,12J,12K,12M 漏れ磁束用鉄心、
12L,12N 漏れ磁束用鉄心片、13R,13S,13T 巻線、
Φ1〜Φ4 磁束。

Claims (13)

  1. 複数個の巻線がそれぞれ独立して巻回される環状の共通鉄心と、上記共通鉄心の内側に配置される漏れ磁束用鉄心とを備え、
    上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより上記各巻線間が仕切られ、
    上記漏れ磁束用鉄心には上記各巻線を流れるノーマルモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記ノーマルモード電流に対するインダクタンスとして作用し、
    上記共通鉄心には上記ノーマルモード電流と上記各巻線を流れるコモンモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記コモンモード電流に対するインダクタンスとして作用し、
    上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間に隙間を設け、上記隙間の幅を均一に保持して支持する支持部材を上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心に向かって差し込んで配置させたことを特徴とするフィルタリアクトル。
  2. 上記支持部材は、磁性体により形成される棒状あるいは断面線状の支持部材であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタリアクトル。
  3. 上記支持部材は、磁性体により形成されるくさび形の支持部材であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタリアクトル。
  4. 上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とは異なる材質により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフィルタリアクトル。
  5. 上記支持部材は、非磁性体により形成されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタリアクトル。
  6. 上記漏れ磁束用鉄心の材質は上記共通鉄心より磁束飽和密度が高い材質で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のフィルタリアクトル。
  7. 上記漏れ磁束用鉄心の材質は上記共通鉄心より高温下での磁気特性が高い材質で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のフィルタリアクトル。
  8. 上記漏れ磁束用鉄心は冷却孔を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のフィルタリアクトル。
  9. 上記共通鉄心は筒状であり、上記共通鉄心の中心軸方向長さより上記漏れ磁束用鉄心の中心軸方向の長さが長いことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のフィルタリアクトル。
  10. 上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間の上記隙間の幅は、上記ノーマルモード電流に対する所望のインダクタンス値に基づいて決定されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のフィルタリアクトル。
  11. 上記共通鉄心は筒状であり、複数の共通鉄心片を中心軸方向に積層して形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のフィルタリアクトル。
  12. 上記共通鉄心は筒状であり、上記漏れ磁束用鉄心は、複数の漏れ磁束用鉄心片を上記共通鉄心の中心軸方向に積層して形成されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のフィルタリアクトル。
  13. 複数個の巻線がそれぞれ独立して巻回される環状の共通鉄心と、上記共通鉄心の内側に配置される漏れ磁束用鉄心とを備え、
    上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより上記各巻線間が仕切られ、
    上記漏れ磁束用鉄心には上記各巻線を流れるノーマルモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記ノーマルモード電流に対するインダクタンスとして作用し、
    上記共通鉄心には上記ノーマルモード電流と上記各巻線を流れるコモンモード電流により磁束が生じ、上記巻線が上記コモンモード電流に対するインダクタンスとして作用し、
    上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心との間に隙間を設けたフィルタリアクトルの製造方法であって、
    上記漏れ磁束用鉄心を上記環状の共通鉄心内に挿入して上記共通鉄心と隙間を介して配置する工程と、上記隙間の幅を均一に保持して支持する支持部材を上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心に向かって差し込んで配置させる工程と、上記共通鉄心と上記漏れ磁束用鉄心とにより仕切られた空間に上記各巻線をそれぞれ巻回する工程とを備えることを特徴とするフィルタリアクトルの製造方法。
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