JP6506462B2 - 各相で一定のインダクタンスが得られる多相リアクトル - Google Patents

各相で一定のインダクタンスが得られる多相リアクトル Download PDF

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Description

本発明は、各相で一定のインダクタンスが得られる多相リアクトルに関する。
従来、例えば、三相リアクトルは、産業用ロボットや工作機械をはじめとして、電源側(一次側)とインバータの間、或いは、モータ等の負荷側(二次側)とインバータの間に設け、インバータ故障の低減や力率の改善を行うために使用されている。
具体的に、三相リアクトルをインバータの一次側に設け、力率改善(高調波対策)や電源からのサージを低減し、或いは、三相リアクトルをインバータの二次側に設け、インバータ運転時のモータ騒音の軽減やサージ対策を行っている。なお、本明細書では、主として三相リアクトルを例として説明するが、本発明の適用は、三相リアクトルに限定されず、三相以外の多相リアクトルであってもよい。
ところで、従来、多相リアクトルとしては、様々な提案がなされている。例えば、三相リアクトルは、一般的に、3つのコア(鉄心)およびこれらのコアに巻回された3つの巻線(コイル)を有している。例えば、特許文献1には、並置された3つの巻線を含む三相リアクトルが開示されている。
また、特許文献2には、複数の巻線のそれぞれ中心軸線が三相リアクトルの中心軸線の周りに配置されたものが開示されている。これは、特許文献1の3つの巻線部を横に並べずに、正三角形の頂点の位置に配置したものと考えられる。
さらに、特許文献3には、半径方向に配置された6つ直線磁心、これらの直線磁心を連結する連結磁心、並びに、直線磁心および連結磁心に巻回された巻線を含むリアクトルを可変にする可変リアクトルが開示されている。また、リアクタンスを可変にするために、空隙部は、設けられていない。
特開平2−203507号公報 国際公開第2014/033830号 特開2008−177500号公報
従来、例えば、三相リアクトルとしては、上部コアと下部コアの間に、巻線がそれぞれ巻回された3つのコア(巻線コア)を、下部コアに対して所定の空隙を設け、横方向に並べて配置するものが一般的である。このような三相リアクトルは、例えば、中央の巻線コアの中心線に対して線対称となっている。
しかしながら、線対称の3つの巻線コアで形成された三相リアクトルは、中央の巻線コア(巻線)と、両端の巻線コアがアンバランスなものとなるため、R相,S相およびT相の三相のインダクタンスを一定の値に揃えるのが難しいといった課題がある。
本発明の目的は、上述した従来技術の課題に鑑み、各相のインダクタンスを一定の値に揃えることができる多相リアクトルの提供にある。
本発明に係る一実施形態によれば、中心部に配置された第1コアと、前記第1コアの外側に設けられ、前記第1コアに対する磁路がループ状となるように配置された複数の第2コアと、前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線と、を備え、前記第2コアは、前記第1コアの外側に面する2つの端部を有し、前記2つの端部は、相互に繋がれることなく前記第1コアの外側の異なる位置に配置され、前記第1コアと複数の前記第2コアは同じ平面上に配置される多相リアクトルが提供される。さらに、本発明に係る一実施形態によれば、中心部に配置された第1コアと、前記第1コアの外側に設けられ、前記第1コアに対する磁路がループ状となるように配置された複数の第2コアと、前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線と、を備え、前記第2コアは、前記第1コアの外側に面する2つの端部を有し、前記2つの端部は、相互に繋がれることなく前記第1コアの外側の異なる位置に配置され、前記第1コアと、前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線を備えた前記第2コアからなる複数のループ状の磁路により一つの相をなし、前記第1コアと、前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線を備えた、複数の前記第2コアからなる、複数のループ状の磁路より多相をなし、前記第1コアは、複数の相のループ状の磁路となる多相リアクトルも提供される。
前記第2コアは、同一形状とされ、また、前記第2コアは、前記第1コアの周りに、該第1コアの中心に対して回転対称に配置されるのが好ましい。ここで、前記第1コアの外側と、前記第2コアの間には、所定の空隙が設けられるのが好ましい。また、前記多相リアクトルは、さらに、前記第1コアの外側と、前記第2コアの間に設けられ、所定の厚みを有する空隙部材を備えてもよい。
前記第2コアは、一端が前記第1コアの外側に面して放射状に延びる2つの放射状脚部と、2つの前記放射状脚部の他端を繋ぐ外周部と、を含んで一体的に形成され、それぞれの前記巻線は、対応する前記放射状脚部に巻回されてもよい。前記第1コアの外側形状は、複数の前記第2コアの前記放射状脚部の一端の形状に対応する円形形状、或いは、複数の前記第2コアの前記放射状脚部の一端の形状に対応する多角形形状とすることができる。
前記多相リアクトルは、さらに、隣接する2つの前記第2コアの外周部の間に設けられたコア固定部材を備えるのが好ましい。また、前記コア固定部材は、複数の前記第2コアとは異なる材質で形成され、或いは、複数の前記第2コアと同じ材質で一体的に形成されてもよい。さらに、前記コア固定部材と前記第2コアの外周部は、円形形状として形成されてもよい。
前記コア固定部材は、前記多相リアクトルを組み立て、或いは、固定するために使用されてもよい。また、前記コア固定部材は、それぞれ所定の孔を有するのが好ましい。前記多相リアクトルは、三相交流が適用される三相リアクトルであってもよい。ここで、複数の前記第2コアは、3の整数倍設けられ、3の整数倍の前記第2コアに巻回された巻線は、3つにまとめることができる。
本発明に係る多相リアクトルによれば、各相のインダクタンスを一定の値に揃えることができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る多相リアクトルの第1実施例を説明するための図である。 図2は、図1に示す第1実施例の多相リアクトルを模式的に示す斜視図である。 図3は、本発明に係る多相リアクトルの第2実施例を説明するための図である。 図4は、本発明に係る多相リアクトルの第3実施例を説明するための図である。 図5は、本発明に係る多相リアクトルの第4実施例を説明するための図である。 図6は、本発明に係る多相リアクトルの第5実施例を説明するための図である。 図7は、本発明に係る多相リアクトルの第6実施例を説明するための図である。 図8は、図7に示す多相リアクトルに与える三相交流の一例を示す波形図である。 図9は、図7に示す多相リアクトルの動作を説明するための図(その1)である。 図10は、図7に示す多相リアクトルの動作を説明するための図(その2)である。 図11は、図7に示す多相リアクトルの動作を説明するための図(その3)である。 図12は、従来の多相リアクトルの一例を説明するための図である。
まず、本発明に係る多相リアクトルの実施例を詳述する前に、図12を参照して、従来の多相リアクトルの一例、並びに、その問題点を説明する。図12は、従来の多相リアクトルの一例を説明するための図であり、三相リアクトルの一例を説明するためのものである。
図12に示されるように、三相リアクトルは、上部コア104、下部コア105、並びに、R相,S相およびT相用の巻線110〜130がそれぞれ巻回された3つの巻線コア101〜103を含む。
巻線コア101〜103は、上部コア104と下部コア105の間に、それぞれ空隙d10を介して配置され、例えば、R相用の巻線コア101には巻線110が巻回され、S相用の巻線コア102には巻線120が巻回され、そして、T相用の巻線コア103には巻線130が巻回されている。
ここで、R相,S相およびT相のそれぞれにおけるインダクタンスを一定にするために、例えば、巻線コア101〜103は、それぞれの材質,形状および太さが同一とされ、また、巻線コア101〜103の配置は、等間隔とされている。さらに、巻線110〜130は、それぞれの巻き数、並びに、線材の材質および太さ等が同一とされている。
すなわち、図12に示されるような側面図において、巻線110〜130が巻回された巻線コア101〜103は、中央の巻線コア102の中心を上下方向に結ぶ直線L1−L1に対して線対称となっている。
しかしながら、図12に示すような直線L1−L1に線対称の三相リアクトルでは、中央の巻線コア102(巻線120)と、両端の巻線コア101,103(巻線110,130)は、どうしてもアンバランスなものとなり、R相,S相およびT相のインダクタンスを一定の値にするのが難しいといった問題がある。
以下、本発明に係る多相リアクトルの実施例を、添付図面を参照して詳述する。なお、以下の記載では、三相リアクトルを例として説明するが、本発明の適用は、三相リアクトルに限定されず、各相で一定のインダクタンスが求められる多相リアクトルに対して幅広く適用可能である。また、本発明に係る多相リアクトルは、産業用ロボットや工作機械におけるインバータの一次側および二次側に設けるものに限定されず、様々な機器に対して適用することができる。
図1は、本発明に係る多相リアクトルの第1実施例を説明するための図であり、三相交流が適用される三相リアクトルの例を模式的に示すものである。図1において、参照符号1は、三相交流(R相,S相およびT相)におけるR相用のコア(巻線コア:第2コア)、2は、S相用の巻線コア(第2コア)、3は、T相用の巻線コア(第2コア)、そして、4は、中心部コア(第1コア)を示す。
また、参照符号10は、R相用のコア1に巻回される巻線、20は、S相用のコア2に巻回される巻線、30は、T相用のコア3に巻回される巻線を示す。すなわち、第1実施例の三相(多相)リアクトルは、中心部に配置された中心部コア4と、中心部コア4の外側に設けられた3つの巻線コア1,2,3と、これら3つの巻線コア1,2,3に対してそれぞれ巻回された3つの巻線10,20,30を含む。
ここで、3つの巻線コア1,2,3は、中心部コア4に対して、それぞれの磁路MP1,MP2,MP3がループ状となるように配置されている。また、中心部コア4の外側と、それぞれの巻線コア1,2,3の両端の間には、空隙dが設けられている。ここで、磁気回路として考えると、空隙部dを設けた場合、通常、リアクトルのインダクタンスは空隙部dの磁気抵抗が支配的要素となり、空隙部dによってインダクタンス値が決まる。一般的に、大電流まで、インダクタンス値が一定になる。一方、空隙部dを小さく、または、零にすると、インダクタンスは、鉄心を構成する鉄や電磁鋼板の磁気抵抗が支配的要素となり、一般に、低電流時が主な対象となる。また、寸法も大きく異なってくる。
また、巻線コア1,2,3の形状は同一とされ、また、隣接する2つの巻線コア(1と2,2と3,3と1)の間の距離は等しくされている。すなわち、3つの巻線コア1,2,3は、中心部コア4の周りに、その中心部コア4の中心に対して回転対称に配置されている。なお、リアクトルとして、インダクタンスを設ける観点から、巻線コア1,2,3の形状は同一形状ではなくてもよく、回転対称に配置されていなくても、物理的に問題ない。さらに、空隙部dの大きさも、巻線コア1,2,3で同じでなくても物理的に問題ないのはもちろんである。
さらに、3つの巻線コア1,2,3は、同じ材料で形成(例えば、珪素鋼鈑等の電磁鋼鈑を積層して形成)することができ、また、3つの巻線10,20,30は、それぞれの線材の材質および太さ、並びに、巻き数および巻線間隔等が同一とされている。なお、巻線コア1,2,3および中心部コア4は、知られている様々なコア材料およびコア形状を適用して形成することができる。これにより、3つの巻線コア1,2,3(3つの巻線10,20,30)は、同等のものとして形成され、同じインダクタンス値を持つことになる。また、3つの巻線コア1,2,3中に空隙が設けられている場合も、同様に同じインダクタンス値を持つことになる。ここで、空隙は、中心部コア4の磁路中にあればよく、また、空隙を設けない場合もあることは、上述した通りである。なお、巻線コア1,2,3と同様に、3つの巻線10,20,30の巻き数等は、同一でなくても物理的に問題ない。
図2は、図1に示す第1実施例の多相リアクトルを模式的に示す斜視図であり、図1に示す三相リアクトルを模式的に示すものである。図2に示されるように、中心部コア4および3つの巻線10,20,30(3つの巻線コア1,2,3)を有する三相リアクトルは、例えば、上板51,下板52およびケース53により保持される。ここで、上板51,下板52およびケース53には、例えば、空隙dを保ちつつ、中心部コア4と3つの巻線コア1,2,3の位置関係を保持して固定する部材(図示しない)が設けられ、或いは、使用時の三相リアクトルからの熱を放出するための放熱用スリット(図示しない)等が形成されてもよいのはもちろんである。
図3は、本発明に係る多相リアクトルの第2実施例を説明するための図であり、中心部コア4の周りに周囲に回転対称となるように配置された6つの巻線コア1a,2a,3a,1b,2b,3b(6つの巻線10a,20a,30a,10b,20b,30b)により形成した三相リアクトルの例を示すものである。
すなわち、図3に示されるように、第2実施例の多相リアクトルは、例えば、中心部コア4の反対側に位置する2つの巻線コア1aおよび1b,2aおよび2b,3aおよび3bに巻回された巻線10aおよび10b,20aおよび20b,30aおよび30bを、それぞれR相,S相,T相に対応させて3つの組とし、三相リアクトルを形成したものである。ここで、各組の2つの巻線10aおよび10b,20aおよび20b,30aおよび30bにおいて、各巻線の巻回方向および接続等は、すべて同等とされているのはいうまでもない。
このように、例えば、三相リアクトルは、巻線コアを3の整数倍(図3では、2倍)設け、その3の整数倍の巻線コア1a,2a,3a,1b,2b,3bに巻回された巻線10a,20a,30a,10b,20b,30bを、R相,S相およびT相の3つにまとめるようになっている。ここで、図3に示す多相リアクトルは、2つの巻線を1組とせずに、そのまま6つの巻線10a,20a,30a,10b,20b,30bを独立させることにより六相リアクトルとして使用することも可能である。
図4は、本発明に係る多相リアクトルの第3実施例を説明するための図であり、三相リアクトルの例を模式的に示すものである。図4と、前述した図1の比較から明らかなように、第3実施例の三相リアクトルにおいて、各巻線コア(第2コア)1、2および3は、それぞれ、一端が円形形状の中心部コア(第1コア)41の外側に面して放射状に延びる2つの放射状脚部11,13、21,23および31,33、並びに、これら2つの放射状脚部の他端を繋ぐ外周部12、22および32を含む。
各放射状脚部11,13、21,23および31,33の一端の端面形状は、円形形状の中心部コア42の外周に対応して円弧状になっている。また、各放射状脚部の一端と、中心部コア41の外周の間には、一定の空隙dが設けられている。
隣接する2つの巻線コア1,2,3の外周部12,22,32の間には、それぞれコア固定部材61,62,63が設けられている。すなわち、巻線コア1の外周部12と巻線コア2の外周部22の間には、コア固定部材61が設けられ、巻線コア2の外周部22と巻線コア3の外周部32の間には、コア固定部材62が設けられ、そして、巻線コア3の外周部32と巻線コア1の外周部12の間には、コア固定部材63が設けられている。
巻線コア1(2、3)の2つの放射状脚部11,13(21,23、31,33)には、それぞれ巻線11c,13c(21c,23c、31c,33c)が巻回されている。なお、それぞれの巻線コア1、2、3における巻線11c,13c、21c,23c、31c,33cの巻回方向および接続等は、すべて同等とされている。
ここで、コア固定部材61,62,63は、後に、図8〜図11を参照して詳述するように、巻線が巻回された巻線コア1,2,3の磁束とは、実質的に、切り離されることになるため、巻線コアと同じ材質(例えば、電磁鋼板)である必要はなく、プラスチック等の材質とすることも可能である。さらに、これらのコア固定部材61,62,63は、例えば、所定の孔(610,620,630)を形成して、三相リアクトルを固定するために利用することができる。また、コア固定部材61,62,63を利用して、三相リアクトルを組み立てることも可能である。
図5は、本発明に係る多相リアクトルの第4実施例を説明するための図であり、上述した第3実施例とは、中心部コアの形状が異なっている。すなわち、図5に示されるように、第4実施例の三相リアクトルにおいて、中心部コア42の外側形状は、3つの巻線コア1,2,3の放射状脚部11,13,21,23,31,33の一端の形状に対応して正六角形(六角形)形状となっている。なお、各放射状脚部の一端の端面形状は、正六角形形状の中心部コア42の各辺に対応して直線状になっている。また、各放射状脚部の一端と、中心部コア42の各辺の間には、一定の空隙dが設けられている。
このように、中心部コアは、巻線コアの数,並びに,巻線コアの形状等に基づいて、円形形状や多角形形状といった様々な形状にすることができる。なお、中心部コアを珪素鋼板等の電磁鋼板で形成する場合、例えば、同じ形状の電磁鋼板を厚み(例えば、図2における高さ方向)に積層して形成してもよいが、それぞれの巻線コアに対して同じ条件を与える(対称性を崩さない)のであれば、カットコア等により形成することも可能である。
図6は、本発明に係る多相リアクトルの第5実施例を説明するための図であり、図4を参照して説明した第3実施例に対して、厚みがdの空隙部材7を設けたものである。すなわち、空隙部材7は、例えば、円柱形状の中心部コア41の外側を包み込むような厚みがdの円筒形状とされ、その空隙部材7の外側に巻線コア1,2,3の放射状脚部11,13,21,23,31,33のそれぞれの一端を密着させてもよい。
ここで、例えば、円形の電磁鋼板を積層して中心部コア41を形成する場合、空隙部材7により積層された複数の円形の電磁鋼板が保持されることになり、また、中心部コア41とそれぞれの巻線コア1,2,3の間の空隙dは、空隙部材7の厚みにより規定することができるため、リアクトルの組み立て作業の負担を軽減すると共に、リアクトルの特性を安定させることが可能となる。また、空隙部材7としては、プラスチックを始めとして様々な材料を適用することができる。
なお、図4〜図6に示す第3〜第5実施例において、コア固定部材61,62,63を、例えば、プラスチック等の巻線コア1,2,3とは異なる材料で形成した場合、コア固定部材61,62,63に孔を形成し、その孔を利用して三相リアクトルを組み立て、或いは、固定するために利用することができる。
図7は、本発明に係る多相リアクトルの第6実施例を説明するための図であり、図4を参照して説明した第3実施例において、コア固定部材61,62,63を、巻線コア1,2,3と一体的に形成したものである。図8は、図7に示す多相リアクトルに与える三相交流の一例を示す波形図である。ここで、図7に示す多相リアクトルにおいて、外周部12,22,32とコア固定部材61,62,63は、同じ円形形状となっている。
図4を参照して説明したように、各巻線コア1(2,3)の2つの放射状脚部11,13(21,23、31,33)には、それぞれ巻線11c,13c(21c,23c、31c,33c)が巻回されて、それらの巻線11c,13c、21c,23c、31c,33cの巻回方向および接続等は、すべて同等とされている。
ここで、各巻線コア1、2および3の巻線11c,13c、21c,23cおよび31c,33cには、図8に示されるような、位相(電気角)が120°異なるR相,S相およびT相用の三相交流電流が流される。これにより、図9〜図11を参照して説明するような磁界が発生する。図9〜図11は、図7に示す多相リアクトルの動作を説明するための図であり、図7に示す第6実施例の三相リアクトルに対して、図8に示す三相交流を与えたときの様子を示すものである。
図9(a)および図9(b)は、図8に示す三相交流(電圧,電流)の波形図における電気角が0°の場合を示し、図10(a)および図10(b)は、電気角が60°の場合を示し、そして、図11(a)および図11(b)は、電気角が250°の場合を示す。また、図9(a),図10(a)および図11(a)は、それぞれの電気角における磁束線図を示し、図9(b),図10(b)および図11(b)は、それぞれの電気角における磁束密度図を示す。なお、磁束線図は、磁束の流れを示し、磁束線図の線の間隔が磁束の強さを示す。また、図9(a).図9(b)〜図11(a).図11(b)において、それぞれの三相リアクトルは、図7に示す三相リアクトルを時計回りに30°回転させたものに対応する。
まず、図8に示す三相交流において、電気角が0°の場合、磁束線図および磁束密度図は、図9(a)および図9(b)のようになる。すなわち、巻線コア1の巻線11cおよび13cにより放射状脚部11および13の磁束密度が大きくなり、巻線コア1には大きな磁束が流れているのが分かる。また、巻線コア2,3にも、巻線コア1に流れる磁束よりは小さいものの、所定の磁束が流れているのが分かる。
これに対して、隣接する2つの巻線コアの外周部12と22、22と32、32と12の間、すなわち、巻線コア1,2,3の間に位置するコア固定部材61,62,63に対応する個所には、磁束が流れていないのが分かる。
次に、図8に示す三相交流において、電気角が60°の場合、磁束線図および磁束密度図は、図10(a)および図10(b)のようになる。すなわち、巻線コア3の巻線31cおよび33cにより放射状脚部31および33の磁束密度が大きくなり、巻線コア3には大きな磁束が流れているのが分かる。また、巻線コア1,2にも、巻線コア3に流れる磁束よりは小さいものの、所定の磁束が流れているのが分かる。
これに対して、隣接する2つの巻線コアの外周部12と22、22と32、32と12の間、すなわち、巻線コア1,2,3の間に位置するコア固定部材61,62,63に対応する個所には、磁束が流れていないのが分かる。
また、図8に示す三相交流において、電気角が250°の場合、磁束線図および磁束密度図は、図11(a)および図11(b)のようになる。すなわち、巻線コア2の巻線31cおよび33cにより放射状脚部31および33の磁束密度が大きくなり、巻線コア3には大きな磁束が流れているのが分かる。また、巻線コア2には、巻線コア3に流れる磁束よりは小さいが所定の磁束が流れ、さらに、巻線コア1にも、巻線コア2および3に流れる磁束よりは小さいが、やはりある程度の磁束が流れているのが分かる。
これに対して、隣接する2つの巻線コアの外周部12と22、22と32、32と12の間、すなわち、巻線コア1,2,3の間に位置するコア固定部材61,62,63に対応する個所には、磁束が流れていないのが分かる。
図9,図10および図11は、電気角が0°,60°および250°の場合を示すが、電気角が他の場合も同様であり、隣接する巻線コア1,2,3の間に位置するコア固定部材61,62,63に対応する個所には、常に、磁束は流れない。なお、図9(a),図10(a)および図11(a)では、コア固定部材61,62,63に対応する個所には1本の磁束線が含まれているが、この1本線が入っていても、磁束が流れていないのは、図9(b),図10(b)および図11(b)からも明らかである。
これらの1つ目の根拠としては、リアクトル全体として、磁束がなす磁気エネルギーが最小になる経路を磁束が通る(例えば、巻線コア1,2,3)、すなわち、磁束は、同じコア上なら、最短になる経路を通るという物理法則に基づくものである。また、2つ目の根拠としては、例えば、三相交流のような場合、中心部コア4で考えればわかるように、巻線コア1,2,3からの合計の磁束の和は常に零であるという、三相交流の物理的特徴を利用することに基づくものである。
このように、図7に示す第6実施例は、例えば、コア固定部材61,62,63を巻線コア1,2,3と一体的に(同じ材料で)形成した場合でも、コア固定部材61,62,63には、常に、磁束が流れない。そのため、例えば、コア固定部材61,62,63に孔610,620,630を形成し、その孔を利用して三相リアクトルを組み立て、或いは、固定するために利用することも可能である。
さらに、上記実施例は、適宜組み合わせることが可能である。例えば、図6に示す第5実施例を、図7に示す第6実施例に対して適用し、円形形状の中心部コア41の外側に厚みがdの空隙部材7を設け、或いは、図6に示す第5実施例を、図5に示す第4実施例に対して適用し、六角形形状の中心部コア42の外側に厚みがdの空隙部材7を設けることもできるのはいうまでもない。以上、詳述したように、本発明にかかる各実施例の多層リアクトルによれば、各相で一定のインダクタンスを得ることが可能になる。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではない。また、明細書のそのような記載は、発明の利点および欠点を示すものでもない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
1,2,3,1a,2a,3a,1b,2b,3b,101,102,103 巻線コア(第2コア)
4,41,42 中心部コア(第1コア)
7 空隙部材
10,20,30,10a,20a,30a,10a,20a,30a,11c,13c,21c,23c,31c,33c,110,120,130 巻線
11,13,21,23,31,33 放射状脚部(巻線コアの放射状脚部)
12,22,32 外周部(巻線コアの外周部)
51 上板
52 下板
53 ケース
61,62,63 コア固定部材(コア固定部材の対応個所)
104 上部コア
105 下部コア
610,620,630 孔

Claims (6)

  1. 中心部に配置された第1コアと、
    前記第1コアの外側に設けられ、前記第1コアに対する磁路がループ状となるように配置された複数の第2コアと、
    前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線と、を備え、
    前記第2コアは、前記第1コアの外側に面する2つの端部を有し、前記2つの端部は、相互に繋がれることなく前記第1コアの外側の異なる位置に配置され、
    前記第1コアと複数の前記第2コアは同じ平面上に配置される、
    ことを特徴とする多相リアクトル。
  2. 中心部に配置された第1コアと、
    前記第1コアの外側に設けられ、前記第1コアに対する磁路がループ状となるように配置された複数の第2コアと、
    前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線と、を備え、
    前記第2コアは、前記第1コアの外側に面する2つの端部を有し、前記2つの端部は、相互に繋がれることなく前記第1コアの外側の異なる位置に配置され、
    前記第1コアと、前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線を備えた前記第2コアからなる複数のループ状の磁路により一つの相をなし、
    前記第1コアと、前記第2コアに巻回された1つまたは複数の巻線を備えた、複数の前記第2コアからなる、複数のループ状の磁路より多相をなし、
    前記第1コアは、複数の相のループ状の磁路となる、
    ことを特徴とする多相リアクトル。
  3. 前記第2コアは、同一形状とされている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多相リアクトル。
  4. 前記第2コアは、前記第1コアの周りに、該第1コアの中心に対して回転対称に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多相リアクトル。
  5. 前記第1コアの外側と、前記第2コアの間には、所定の空隙が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の多相リアクトル。
  6. さらに、
    前記第1コアの外側と、前記第2コアの間に設けられ、所定の厚みを有する空隙部材を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の多相リアクトル。
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