JP5709576B2 - 研削装置 - Google Patents

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本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を所望の厚さに研削する研削装置に関する。
IC、LSI等の数多くのデバイスが表面に形成され、且つ個々のデバイスが分割予定ライン(ストリート)によって区画された半導体ウエーハは、研削装置によって裏面が研削されて所定の厚みに加工された後、切削装置(ダイシング装置)によって分割予定ラインを切削して個々のデバイスに分割され、分割されたデバイスは携帯電話、パソコン等の電気機器に広く利用されている。
研削装置は、ウエーハ等の被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルの保持面に対面して研削砥石が環状に配設された研削ホイールを回転可能に支持する研削手段と、該チャックテーブルに対して該研削手段を相対的に研削送りする研削送り手段と、各手段を制御する制御手段とを少なくとも備えていて、ウエーハを所望の厚みに加工することができる。
研削手段を構成するスピンドルユニットは、研削ホイールを着脱可能に支持するホイールマウントに連結されたスピンドルがエアベアリングで支持された構造となっており、従来はホトセンサによってスピンドルの回転数をカウントして、所望の回転数の下で高精度な研削を可能にしている(例えば、特開2007−223014号公報参照)。
特開2007−223014号公報
しかし、研削装置のスピンドルはハウジングにエアベアリングを介して支持されているため、ウエーハの研削が終了してスピンドルを回転駆動するサーボモータの電源をOFF(オフ)すると、エアベアリングの抵抗が小さいためスピンドルが惰性により数十分間回り続ける。
スピンドルの回転速度は徐々に低速になり、ホトセンサからの出力の間隔が長くなって単位時間内にホトセンサからの出力が途絶え、スピンドルが完全に停止していないにも係わらず表示手段上に回転速度0が表示されて、オペレータが研削ホイールを交換する等の作業に取り掛かり怪我をするという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スピンドルの回転が完全に停止したことを検出してこれを表示可能な研削装置を提供することである。
本発明によると、被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルの保持面に対面して研削砥石が環状に配設された研削ホイールを回転可能に支持する研削手段と、該チャックテーブルに対して該研削手段を相対的に研削送りする研削送り手段と、前記各手段を制御する制御手段とを備えた研削装置であって、該研削手段は、スピンドルと、該スピンドルのラジアル方向をエアで支持するラジアルエアベアリングと、該スピンドルのスラスト方向をエアで支持するスラストエアベアリングと、該スピンドルを回転可能に収容し該スピンドルとの間に該ラジアルエアベアリングと該スラストエアベアリングを画成するハウジングと、該スピンドルの一端に連結されたホイールマウントと、該ホイールマウントに着脱可能に装着された研削ホイールと、該スピンドルの他端に連結されて該スピンドルを回転するモータと、該ホイールマウント又は該スピンドルの何れかに配設された加速度センサとを含み、該制御手段は、該加速度センサから出力される加速度値を受信する受信部と、該受信部で受信した加速度値を回転速度に変換する変換部とを含んでおり、該変換部は、スピンドルの軸心から加速度センサが配設された半径をr(m)とし、角速度をω(rad/秒)とし、該加速度センサから出力される加速度値をH(m/秒 )としたとき、H=rω から角速度ωを求め、(ω/2π)×60から回転速度rpmを算出し、該変換部で変換された回転速度を表示手段上に表示することを特徴とする研削装置が提供される。
好ましくは、研削手段は、加速度センサが配設された点対象の位置に加速度センサと同じ重さのカウンタバランスを備えている。
本発明によると、スピンドル又はスピンドルに連結されたホイールマウントに加速度センサを配設したので、スピンドルが完全に停止するまで正確な回転速度が表示手段上に表示され、スピンドルが完全に停止した後オペレータは研削ホイールを交換する等の作業に取り掛かることができ、オペレータが怪我をするという問題を回避することができる。
また、常時スピンドルの正確な回転速度を確認できるので回転速度のむらを検出してスピンドルユニットの不具合を事前に発見できるメリットがある。
本発明実施形態に係る研削装置の外観斜視図である。 研削ユニットの縦断面図である。 ホイールマウントに取り付けられた圧力センサのホイールマウントの中心からの距離を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係る研削装置2の外観斜視図が示されている。4は研削装置2のベース(ハウジング)であり、ベース4の後方には二つのコラム6a,6bが垂直に立設されている。
コラム6aには、上下方向に伸びる一対のガイドレール(一本のみ図示)8が固定されている。この一対のガイドレール8に沿って粗研削ユニット10が上下方向に移動可能に装着されている。粗研削ユニット10は、そのハウジング20が一対のガイドレール8に沿って上下方向に移動する移動基台12に取り付けられている。
粗研削ユニット10は、ハウジング20と、ハウジング20中に回転可能に収容されたスピンドル22と、スピンドル22を回転駆動するサーボモータ23と、スピンドル22の先端に固定されたホイールマウント24と、ホイールマウント24に着脱可能に装着された複数の粗研削用の研削砥石26を有する研削ホイール25を含んでいる。
粗研削ユニット10は、粗研削ユニット10を一対の案内レール8に沿って上下方向に移動するボールねじ14とパルスモータ16とから構成される粗研削ユニット送り機構18を備えている。パルスモータ16をパルス駆動すると、ボールねじ14が回転し、移動基台12が上下方向に移動される。
他方のコラム6bにも、上下方向に伸びる一対のガイドレール(一本のみ図示)19が固定されている。この一対のガイドレール19に沿って仕上げ研削ユニット28が上下方向に移動可能に装着されている。
仕上げ研削ユニット28は、そのハウジング36が一対のガイドレール19に沿って上下方向に移動する図示しない移動基台に取り付けられている。仕上げ研削ユニット28は、ハウジング36と、ハウジング36中に回転可能に収容された図示しないスピンドルと、スピンドルを回転駆動するサーボモータ38と、スピンドルの先端に固定されたホイールマウント39と、ホイールマウント39に着脱可能に装着された仕上げ研削用の研削砥石42を有する研削ホイール40を含んでいる。
仕上げ研削ユニット28は、仕上げ研削ユニット28を一対の案内レール19に沿って上下方向に移動するボールねじ30とパルスモータ32とから構成される仕上げ研削ユニット送り機構34を備えている。パルスモータ32を駆動すると、ボールねじ30が回転し、仕上げ研削ユニット28が上下方向に移動される。
研削装置2は、コラム6a,6bの前側においてハウジング4の上面と略面一となるように配設されたターンテーブル44を具備している。ターンテーブル44は比較的大径の円盤状に形成されており、図示しない回転駆動機構によって矢印45で示す方向に回転される。
ターンテーブル44には、互いに円周方向に120°離間して3個のチャックテーブル46が水平面内で回転可能に配置されている。チャックテーブル46は、ポーラスセラミック材によって円盤状に形成された吸着チャックを有しており、吸着チャックの保持面上に載置されたウエーハを真空吸引手段を作動することにより吸引保持する。
ターンテーブル44に配設された3個のチャックテーブル46は、ターンテーブル44が適宜回転することにより、ウエーハ搬入・搬出領域A、粗研削加工領域B、仕上げ研削加工領域C、及びウエーハ搬入・搬出領域Aに順次移動される。
ベース4の前側部分には、ウエーハカセット50と、リンク51及びハンド52を有するウエーハ搬送ロボット54と、複数の位置決めピン58を有する位置決めテーブル56と、ウエーハ搬入機構(ローディングアーム)60と、ウエーハ搬出機構(アンローディングアーム)62と、研削されたウエーハを洗浄及びスピン乾燥するスピンナ洗浄装置64と、スピンナ洗浄装置64で洗浄及びスピン乾燥された研削後のウエーハを収容する収容カセット66と、表示モニタ(表示手段)76が配設されている。
スピンナ洗浄装置64は、研削された半導体ウエーハを吸引保持して回転するスピンナテーブル68と、スピンナテーブル68をカバーするカバー74とを有している。
図2を参照すると、粗研削ユニット10の縦断面図が示されている。粗研削ユニット10のスピンドル22は、スピンドル22と一体的に形成されたスラストプレート22aを有している。粗研削ユニット10は、スピンドル22のラジアル方向をエアで支持するラジアルエアベアリング80と、スピンドル22のスラスト方向をエアで支持するスラストプレート22aの両側に形成されたスラストエアベアリング82を含んでいる。
ハウジング20に形成されたエア供給路84は第1分岐エア供給路84aに分岐され、更にエア噴出口84bを介してラジアルエアベアリング80に連通されている。また、エア供給路84は第2分岐エア供給路84cに分岐され、更にエア噴出口84dを介してスラストエアベアリング82に連通している。
ハウジング20にはエア供給路84に接続されたエア供給口86が配設されており、エア供給源88から供給される高圧のエア、例えば0.6MPaのエアはエア供給口86を介してエア供給路84に供給される。
スピンドル22の上端部には、スピンドル22に連結されてスピンドル22を回転するステータ25とロータ27とから構成されるサーボモータ23が配設されている。スピンドル22の下端部に固定されたホイールマウント24に加速度センサ90が装着されている。
加速度センサ90としては、日立金属株式会社が提供する「小型無線加速度センサWAA−006」を採用することができ、加速度センサ90の配線が不要となり、粗研削ユニット10の構成を簡単にすることができる。図3に模式的に示すように、加速度センサ90はホイールマウント24の中心から距離r(m)の位置に装着される。
研削装置2は各機構部を制御する制御手段92を備えており、制御手段92は無線加速度センサ90から出力される加速度値を受信する受信部94と、受信部94で受信した加速度値を回転速度に変換する変換部96とを有している。好ましくは、ホイールマウント24には、軸心C1に対して加速度センサ90と点対称の位置に加速度センサ90と同じ重さのカウンタバランス91が配設されている。
以下、このように構成された粗研削ユニット10の作用について説明する。エア供給源88から供給された高圧のエアは、エア供給口86を介してエア供給路84に供給され、更に第1分岐エア供給路84a及びエア噴出口84bを介してラジアルエアベアリング80に供給され、スピンドル22を回転可能に支持する。
一方、エア供給路84から第2分岐エア供給路84cに供給されたエアは、エア噴出口84dを介してスラストエアベアリング82に供給され、スピンドル22のスラスト方向をエアで支持する。
このようにスピンドル22をラジアルエアベアリング80及びスラストエアベアリング82で支持した状態で、サーボモータ23を作動する。サーボモータ23によりスピンドル22を例えば6000pmで回転させながら、チャックテーブル46に保持されたウエーハ等の被加工物の研削を実施する。
本実施形態の粗研削ユニット10では、スピンドル22の回転速度は加速度センサ90が検出した加速度値に基づいて算出される。即ち、スピンドル22が回転中にはホイールマウント24に装着された加速度センサ90には遠心力が発生し、この遠心力が加速度センサ90により加速度値として検出される。
加速度センサ90で検出した加速度値は制御手段92の受信部94で受信され、変換部96で加速度値をスピンドル22の回転速度rpmに変換する。即ち、図3に示すように、スピンドル22の軸心から加速度センサ90までの半径をr(m)とし、角速度をω(rad/秒)とし、加速度センサ90から出力される加速度値をH(m/秒)としたとき、制御手段92の変換部96ではH=rωからω=(H/r)1/2が得られる。更に、一分間当たりの回転数rpm=ω・1/2π・60=(H/r)1/2・1/2π・60から一分間当たりの回転数rpmを算出することができる。
制御手段92の変換部96で算出されたスピンドル22の回転数は、表示手段76上に表示され、研削装置2のオペレータは粗研削ユニット10のスピンドル22が回転しているか否かを確認することができる。
特に図示していないが、粗研削ユニット10のスピンドル22はカバーで覆われているため、外部から目視によりスピンドル22が回転しているか否かを確認することができない。
しかし、本実施形態では、ホイールマウント24に装着した加速度センサ90により回転しているスピンドル22の加速度値を検出し、この加速度値から制御手段92の変換部96で一分間当たりの回転数rpmを算出し、この回転数を表示手段76上に表示するため、研削装置2のオペレータはスピンドル22の回転数を常に把握することができ、スピンドル22が回転を停止したか否かを容易に確認することができる。
よって、スピンドル22が完全に停止した後にオペレータは研削ホイール25を交換する等の作業に容易に取り掛かることができるので、オペレータが怪我をするという問題を解消できる。
上述した実施形態では、加速度センサ90をホイールマウント24に装着した例について説明したが、加速度センサ90をスピンドル22に取り付けるようにしてもよい。また、仕上げ研削ユニット28についても、粗研削ユニット10と同様に加速度センサ90をホイールマウント又はスピンドルに装着して回転中の加速度を検出し、この加速度値から制御手段92の変換部96により一分間当たりの回転数を算出し、この回転数を表示手段76上に表示する。
よって、研削装置2のオペレータは仕上げ研削ユニット28のスピンドルが完全に停止したか否かを表示手段76により確認することができ、仕上げ研削ユニット28のスピンドルが完全に停止した後、オペレータは研削ホイール40を交換する等の作業に取り掛かることができるので、怪我をするという問題を解消できる。
2 研削装置
10 粗研削ユニット
22 スピンドル
24 ホイールマウント
25 研削ホイール
28 仕上げ研削ユニット
40 研削ホイール
44 ターンテーブル
46 チャックテーブル
76 表示手段
80 ラジアルエアベアリング
82 スラストエアベアリング
90 加速度センサ
92 制御手段
96 変換部

Claims (2)

  1. 被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルの保持面に対面して研削砥石が環状に配設された研削ホイールを回転可能に支持する研削手段と、該チャックテーブルに対して該研削手段を相対的に研削送りする研削送り手段と、前記各手段を制御する制御手段とを備えた研削装置であって、
    該研削手段は、スピンドルと、該スピンドルのラジアル方向をエアで支持するラジアルエアベアリングと、該スピンドルのスラスト方向をエアで支持するスラストエアベアリングと、該スピンドルを回転可能に収容し該スピンドルとの間に該ラジアルエアベアリングと該スラストエアベアリングを画成するハウジングと、該スピンドルの一端に連結されたホイールマウントと、該ホイールマウントに着脱可能に装着された研削ホイールと、該スピンドルの他端に連結されて該スピンドルを回転するモータと、該ホイールマウント又は該スピンドルの何れかに配設された加速度センサとを含み、
    該制御手段は、該加速度センサから出力される加速度値を受信する受信部と、該受信部で受信した加速度値を回転速度に変換する変換部とを含んでおり、
    該変換部は、スピンドルの軸心から加速度センサが配設された半径をr(m)とし、角速度をω(rad/秒)とし、該加速度センサから出力される加速度値をH(m/秒 )としたとき、H=rω から角速度ωを求め、(ω/2π)×60から回転速度rpmを算出し、
    該変換部で変換された回転速度を表示手段上に表示することを特徴とする研削装置。
  2. 該研削手段は、該加速度センサが配設された点対称の位置に該加速度センサと同じ重さのカウンタバランスを備えている請求項1記載の研削装置。
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