JP5704751B2

JP5704751B2 - バインダー

Info

Publication number: JP5704751B2
Application number: JP2010518696A
Authority: JP
Inventors: カールハンプソン，; ゲルトミューラー，; チャールズアプリー，
Original assignee: ナフインサレーションエセペーアールエル
Priority date: 2007-08-03
Filing date: 2008-08-01
Publication date: 2015-04-22
Anticipated expiration: 2028-08-01
Also published as: TW200914560A; GB2496951A8; LT2176184T; EA201000279A1; US20230383893A1; GB2496951B; TWI431084B; HRP20220393T3; PT2176184T; JP2017125198A; JP2010535864A; AU2008285696A1; BRPI0815075B1; US20230109800A1; WO2009019235A1; GB0810297D0; CL2008002297A1; GB201219243D0; BRPI0815075A2; JP6338611B2

Description

本発明は、たとえばガラスウールまたはストーンウール絶縁材などのためのバインダーに関する。

特許文献１（本明細書に引用により援用する）は、メイラード反応物を含むバインダーを含むバインダーに関する。開示される特定的なバインダーの１つは、ブドウ糖一水和物、無水クエン酸、水およびアンモニア水を混合することによって誘導されるクエン酸三アンモニウム−ブドウ糖系に基づく。このバインダー系の多くの利点のうちの１つは、このバインダー系がホルムアルデヒドフリーであることである。

国際公開第２００７／０１４２３６号パンフレット

本発明の１つの局面は、請求項１に記載のバインダー溶液を提供する；従属請求項は、代替的および／または好ましい実施形態を定めるものである。

別の局面において、本発明は、
−炭水化物と、
−無機塩から誘導され得る酸前駆体と、
−窒素の供給源と、
−任意には有機酸またはその前駆体と、
−任意にはアンモニアと
を溶解することによって得られ得る溶液を含むバインダー溶液を提供する。

ミネラル繊維テストサンプルの平面図である。

本発明に従って用いられるバインダー溶液は「実質的にホルムアルデヒドフリー」であってもよく、すなわちこれらのバインダー溶液は、乾燥および／もしくは硬化（または乾燥および／もしくは硬化をシミュレーションする適切なテスト）の結果として５ｐｐｍ未満のホルムアルデヒドを遊離してもよい。こうしたバインダー溶液は、好ましくは「ホルムアルデヒドフリー」であり、すなわちこうした条件で１ｐｐｍ未満のホルムアルデヒドを遊離する。

バインダーを取入れた本発明に従う製品（たとえば絶縁材料または木材ボードなど）は「実質的にホルムアルデヒドフリー」であってもよく、すなわちこれらの製品は、５ｐｐｍ未満もしくは検出限界未満の遊離ホルムアルデヒドを含むか、および／または全体でこれらの量未満の遊離ホルムアルデヒドを含む材料からなるか、および／またはその通常の使用をシミュレーションするために適合された標準化されたテストにおいて、ホルムアルデヒドの放出がないかもしくは検出不可能なレベルであると分類できる程度のレベルのホルムアルデヒドを放出してもよい。好ましくはこうした製品は、ＩＳＯ１６０００に従ったテストの開始から２４〜４８時間の期間に１０μｇ／ｍ^３未満、より好ましくは５μｇ／ｍ^３未満のホルムアルデヒドを放出する。

本発明に従うバインダーは、たとえば国際公開第２００７／０１４２３６号のクエン酸三アンモニウム−ブドウ糖系などに比べて、少なくとも同等であり実際には改善された特性を有し得ることが見出されている。国際公開第２００７／０１４２３６号は、とりわけ炭水化物（たとえば還元糖など）、アンモニアおよびカルボン酸の組合せに基づくバインダー系を教示しており、メイラード型反応がその硬化化学作用の基礎を形成しているかもしれないと示唆している。特に酸前駆体および／またはその誘導体が硬化バインダーの構造に組み込まれているときには、使用される酸の性質が硬化バインダーの特性に大きな影響を及ぼすと考えられてきた。したがって、別様には明らかに類似のバインダー系において、無機塩から誘導され得る酸前駆体が好適な酸前駆体を提供することは、驚くべきことである。

無機塩から誘導され得る酸前駆体の使用は、コスト、利用可能性および取扱いの容易さの点においてかなりの利点を有し得る。バインダー溶液の無機塩から誘導され得る酸前駆体は、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩および炭酸塩からなる群より選択される種を含んでもよい。１つまたはそれ以上の無機アンモニウム塩、たとえば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムまたは炭酸アンモニウムなどの使用によって、特定の利点を得ることができる。アンモニウム塩は、酸前駆体もしくはその部分、および／または窒素の供給源もしくはその部分、および／またはｐＨ調節系もしくはその部分を提供してもよい。硝酸アンモニウムもこの働きをしてもよい；しかし、硝酸アンモニウムは炭水化物（たとえばブドウ糖の場合など）のアルデヒド基を酸化するおそれがあり、および／または爆発を避けるための予防措置を必要とし得る。

硫酸アンモニウムは特に有利であるが、それに加えて、または代替的にリン酸アンモニウムが用いられてもよい。リン酸アンモニウムは、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウムまたはリン酸三アンモニウムであってもよい；リン酸アンモニウムはリン酸水素アンモニウムであってもよい。炭酸アンモニウムも、単独で、または本明細書に開示される他の材料と組合せて、良好な結果を提供し得る。炭酸アンモニウムは重炭酸アンモニウムであってもよい。

酸前駆体は、特に無機アンモニウム塩（単数または複数）から本質的になっているときには、
・未硬化バインダー溶液の、乾燥重量で少なくとも５％、好ましくは少なくとも７％、より好ましくは少なくとも９％；および／または
・未硬化バインダー溶液の、乾燥重量で２５％もしくは２０％未満、好ましくは１８％未満、より好ましくは１６％未満を構成していてもよい。

「からなるか、または本質的になる」という用語は、請求項の範囲を、請求される発明の基本的かつ新規の特徴（単数または複数）に物質的に影響しない特定の材料またはステップに限定することを意図するものである。

酸は、硫酸、リン酸、硝酸または弱酸を含んでもよい。

バインダーは、炭水化物（特に糖の場合）に対して、乾燥重量で５％から２５％、好ましくは１０％から２０％、より好ましくは１５％から２０％の酸前駆体（特に無機アンモニウム塩の場合）を含んでもよい。

バインダーが無機塩から誘導され得る酸前駆体および有機酸の両方を含むとき、これらは炭水化物（特に糖の場合）に対して、乾燥重量で以下の量だけ存在してもよい：

有機酸が用いられるとき、それはアンモニウム塩から誘導されたものであることが好ましい。たとえば、クエン酸アンモニウム、特にクエン酸三アンモニウムがクエン酸の供給源として用いられてもよい。

ミネラルウール絶縁材のための先行技術のフェノールホルムアルデヒドバインダー系は、硬化剤として約２重量％の硫酸アンモニウムを加えて用いられていた。しかし、こうしたフェノールホルムアルデヒドバインダー系の化学作用は、フェノールおよび／またはホルムアルデヒドおよび／またはその他のフェノール類に基づかない本発明のバインダー系に匹敵するものではない。

特に還元糖ではなく炭水化物がバインダー溶液に用いられてもよく、それはたとえばアルドースまたはケトースの形態の単糖を含んでいてもよい。好ましくは、炭水化物は糖を含み、より好ましくは還元糖または熱硬化条件下でインサイチュで還元糖をもたらす反応物を含む；炭水化物はグルコース（すなわちブドウ糖）を含んでもよい。炭水化物は還元アルデヒドを有する炭水化物を含んでもよい。特にミネラルウール絶縁製品の製造に対しては、還元糖、特にブドウ糖の使用によって良好なバインダー強度が与えられると考えられている。ブドウ糖は１００％純粋である必要はないが、ブドウ糖等価値（ｄｅｘｔｒｏｓｅｅｑｕｉｖａｌｅｎｔｖａｌｕｅ）が少なくとも０．８５、好ましくは少なくとも０．９、より好ましくは少なくとも０．９５である材料を使用することが有利であると考えられる。ブドウ糖等価値ＤＥは次のように考えることができる：ｉ）解重合の尺度として、およそＤＥ＝１００／ｄｐ、ここでｄｐは重合の程度を示す；またはｉｉ）乾燥時のＤ−グルコース（ブドウ糖）として算出される還元糖の総量として。

好ましくは、バインダー溶液および／またはバインダーは、デンプンを含まないかまたは実質的に含まない；実質的な量のデンプンが存在すると、硬化時間が増加するか、および／または硬化バインダーの強度が低下すると考えられる。バインダー溶液および／またはバインダーは、タンパク質を含まないかまたは実質的に含まなくてもよい。

工業用の、非食品等級のブドウ糖が還元糖として用いられてもよい；９４．５のＤＥ値を有する、ＴａｔｅａｎｄＬｙｌｅより得られ得る７５％固形糖溶液であるＳｉｒｏｄｅｘ３３１などの製品が用いられてもよい。

還元糖はブドウ糖から本質的になっていてもよい。特にこの場合、加えてより特定的には酸前駆体がアンモニウム塩、たとえば硫酸アンモニウムなどから本質的になる場合には、還元糖の量／酸前駆体の量の乾燥重量比は２．５以上であるか、および／または１３以下であってもよい。

窒素の供給源は、アミンまたはアミン反応物であってもよい；それは、たとえば無機アンモニウム塩など、酸前駆体と同じ供給源から誘導され得るものであってもよい。窒素の供給源は好ましくは溶液のアンモニアである。

言及される材料を与える前駆体および／または反応物が用いられてもよい。

実施形態の１つにおいて、バインダーは、還元糖および水溶液中の無機アンモニウム塩から本質的に誘導される。

別の実施形態において、バインダーは有機酸、特にカルボン酸も含んでいてもよい；それはポリカルボン酸、特に二カルボン酸（ｂｉ−ｃａｒｂｏｘｙｌｉｃａｃｉｄ）またはトリカルボン酸、望ましくはクエン酸であってもよい；それは好ましくは単量体である。有機酸（またはその前駆体、塩もしくは無水物）と、無機塩から誘導され得る酸前駆体との組合せによって、さまざまな利点が与えられ得る。第１に、こうした組合せによって、（有機酸のみに基づくこうしたバインダーにおいて観察される）パンキング（ｐｕｎｋｉｎｇ）の危険性を減らしながら許容できる強度を与えてもよい。パンキングとはミネラル繊維絶縁材領域の技術分野の用語であって、一般的には、完成し一般的には包装された絶縁製品における熱の同時発生によってバインダーが比較的急速に酸化することを示す。パンキングによって、一般的に煙霧の発生および絶縁材料の退色がもたらされる。それは、絶縁材料の厚みを通じて温度を上昇させる発熱反応を伴い得る；これによって絶縁製品の完全性が破壊され、および／または発火の危険がもたらされるおそれがある。

代替的または付加的に、有機酸（またはその前駆体、塩もしくは無水物）と無機塩から誘導され得る酸前駆体との組合せによって、硬化の際に起こる酸性状態を緩和して、こうした状態が結合される材料に相当な損傷をもたらす危険性または傾向を低減させてもよい。こうした組合せは、たとえばガラスウール絶縁材などよりも酸による損傷を受けやすい可能性のある繊維を有するストーンウール絶縁材に対するバインダーとして、特に有利であり得る。

さらなる実施形態において、バインダーは本質的に以下のものに由来する：炭水化物；無機アンモニウム塩；ならびに有機酸および／または有機酸前駆体；水溶液中。

本明細書に記載される構成要素を含むか、またはそれらから本質的になるバインダーは、たとえば以下から選択される添加剤などの添加剤を含んでもよい：シラン、ミネラルオイル、カップリング剤、シリコーンまたはシロキサン（特に撥水性のためのもの）、シリコン含有化合物、界面活性剤、親水性添加剤、疎水性添加剤、ワックス、ｐＨを調節するために有用な物質（例、水酸化アンモニウム）、およびアンモニア。使用されるときの水酸化アンモニウムおよびその他の添加剤が、窒素の付加的な供給源を提供してもよい。

好ましくは、添加剤（アンモニアを除く）の総量は５重量％未満（存在する水の重量を除く）、より好ましくは３重量％未満または２重量％未満である。

特にミネラル繊維製品に対しては、添加剤としてシランを含むことが好ましい。バインダーおよび／またはバインダー溶液は、乾燥重量で少なくとも０．１％および／または１％未満のシランを含んでもよい。シランはアミノ置換されていてもよい；それはシリルエーテルであってもよく、シリルエーテルが存在すると、特に風化後のバインダーの長期強度をかなり改善し得ると考えられている。

バインダーのｐＨに対する選択は以下のとおりである：

これは少なくとも、バインダーが結合すべき材料に適用される状態、および／または廃水回復系において回収される状態におけるものである。バインダーがこうした中性またはアルカリ性のｐＨを有することで、いくつかの本質的に酸性の先行技術バインダー系で起こっていたような製造機器の腐食の問題が軽減され得る。こうした先行技術バインダーは、ポリアクリル酸またはポリマーポリカルボン酸から本質的になるバインダーを含む。よって本発明の特定的な利点の１つは、こうした中性またはアルカリ性の条件で動作できるバインダー系の使用である。硬化されるとき、バインダーは硬化プロセスの間に酸性になるかもしれない。しかし、この状態にあるときの製造機器とバインダーとの接触は最小限であるため、この場合の機器腐食の問題はあまり重要ではない。バインダーのｐＨは１３以下、好ましくは１２、１１または１０以下であってもよい。好ましいｐＨは、７．５から９．５、特に８から９の範囲内であってもよい。結合すべき材料に適用され、その後水に溶解されるバインダーは、６より大きいｐＨを有してもよい。

バインダー溶液のｐＨを適切なレベルに調整することによって、バインダー溶液の構成要素の析出を防ぎ、特に無機塩から誘導され得る酸前駆体が溶液中に残ることを確実にすることが好ましい。これは特に、リン酸アンモニウムが酸前駆体を与える場合のことである。特にリン酸アンモニウムが用いられてバインダー溶液がリン酸塩析出物を含まないとき、析出物を含まないアンモニウム塩の酸前駆体を含む均一なバインダー溶液を用いることによって、より良好な乾燥および／もしくは風化強度ならびに／またはより均一な製品が得られてもよい。

バインダー組成物は水溶液の形態で与えられてもよい；バインダー組成物は遊離アンモニアまたは過剰なアンモニアを溶液中に含有してもよい。たとえば、溶液中にアンモニアが存在することに部分的または実質的に起因して、バインダー溶液中に存在する酸基に比べてアルカリ性基が過剰であることによって、バインダーの中性またはアルカリ性のｐＨが生成されてもよい。付加的なアンモニアがバインダー溶液にたとえば０．２重量％〜１重量％、またはそれ以上加えられてもよい；このことが、特にミネラルウール絶縁材の製造に対して、洗浄水系を長期にわたってアルカリ性に保つことを助けてもよい。

特に断熱製品のためのミネラルウール繊維の場合、形成された直後の熱いミネラルウール繊維にバインダー溶液を噴霧すると、ミネラルウール繊維の残留熱によって、バインダー溶液中のあらゆる水のかなりの部分が蒸発する可能性がある。その結果、次いで芯（ｂａｔｔ）を形成するために集められるミネラルウール繊維の上に存在するバインダーは、粘着性、粘稠またはべたつく液体の形態であり得る。これによって、バインダーを介した個々の繊維間の結合が促進されてもよい。

このバインダー系の多くの利点の１つは、このバインダー系が実質的に未反応の状態で適用され、たとえばミネラルウール繊維に噴霧されることである。バインダー溶液を実質的に未反応の状態で適用できることによって、構成要素を予め反応させるいくつかの先行技術バインダー系に起こったような、溶液中のバインダー構成要素を予め反応することに関する問題が軽減されてもよい。こうした先行技術バインダーは、結合すべき材料に適用される予め反応させたポリマーまたは樹脂から本質的になるバインダーを含む。結合すべき材料の上に、粘着性、粘稠またはべたつく液体の形態で実質的に未反応のバインダーが存在することにより、バインダー構成要素間の反応は実質的に乾燥状態で起こってもよい。この反応は溶媒の利益を受けずに起こるため、バルク重合と言われることもある。よって本発明の特定的な利点は、実質的に乾燥状態で、またはバルク重合によって重合できるバインダー系の使用である。

本発明の状況において用いられるミネラル繊維は、内部または外部スピニングによって形成されてもよい。バインダー溶液が噴霧されるとき、ミネラル繊維は２０℃から２００℃、一般的には３０℃から１００℃または１５０℃の範囲の温度であってもよい。噴霧されるバインダー溶液の量は、ミネラル繊維の形成から芯を形成するための回収までの間にミネラル繊維を所望の温度に冷却することを助けるための付加的な水スプレーとともに、またはこうした水スプレーなしで使用されてもよい。

ミネラル繊維に適用されるバインダー溶液のｐＨを調節するために溶液中にアンモニアを使用することの特定的な利点は、繊維に貼り付くバインダー溶液のアンモニアの少なくとも一部が、ミネラルウール繊維の残留熱によって蒸発し得ることである。その結果、繊維を被覆するバインダー溶液のｐＨは、噴霧されるバインダー溶液よりも低くなってもよい。

本発明は、以下の逐次的ステップを含む、ミネラル繊維断熱製品を製造する方法に及ぶ：
・溶融したミネラル混合物からミネラル繊維を形成するステップ；
・ミネラル繊維に実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液を噴霧するステップ、バインダー溶液は以下を含む：炭水化物（特に還元糖）、無機塩から誘導され得る酸前駆体、および窒素の供給源；
・バインダー溶液が適用されたミネラル繊維を集めてミネラル繊維の芯を形成するステップ；および
・芯を硬化オーブンに通すことによって、ミネラル繊維とバインダーとを含む芯を硬化して、実質的に水不溶性の硬化バインダーによってともに保持されたミネラル繊維の芯を提供するステップ。

ミネラル繊維を形成するステップと、集めて芯を形成するステップとの間に、ミネラル繊維に洗浄水を噴霧してもよく、洗浄水の少なくとも一部はミネラル繊維に噴霧された後に洗浄水系に戻されて、洗浄水として再使用される。バインダー溶液が洗浄水を含んでいてもよい。

バインダーは硬化可能であってもよい；バインダーは、たとえば硬化オーブンなどにおいて硬化されてもよい；バインダーは熱硬化性バインダーを形成してもよい。硬化された形態のバインダーは：メラノイジンを含んでもよく；および／または熱硬化性であってもよく；および／または水不溶性もしくは実質的に水不溶性であってもよい。バインダー溶液は実質的に無色または白色からオフホワイトであってもよい；硬化の際にバインダーは暗色、特に暗褐色を帯びてもよい。硬化された製品は暗い色、特に暗褐色であってもよい。バインダーはタンパク質を含まなくてもよい；バインダーはセルロース原料を含まなくてもよい。このバインダー系の多くの利点のうちの１つは、硬化の程度を色で判断できることである。実質的に脱水したバインダーは白色またはオフホワイトを示す。次第に硬化の程度が大きくなると、バインダーの色は次第に暗くなる（茶色の色合いが暗くなる）。ミネラル繊維に適用されるとき、ミネラルウール絶縁材の硬化の程度をその色によって判断できる。

結合すべき材料に適用されるとき、および／または硬化の前には、バインダーはメラノイジンおよび／または硬化に由来するその他の反応生成物を含まないか、実質的に含まなくてもよい。バインダーの硬化によって、特に中間生成物としてグルコシルアミンが生じ得る。その結果、硬化した製品または特に部分的に硬化した製品は、グルコシルアミンを含んでもよい。

硬化の際のバインダーの反応は、たとえば米国特許出願公開第２００７００２７２８３号または国際公開第２００７／１４２３６号などに記載されるとおり、本質的にメイラード型反応であってもよい。バインダーは、還元糖と、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウムからなる群より選択される材料とを含む混合物の重合生成物を含んでもよい。

バインダー溶液は、以下のものを組合せることによって調合されてもよい：
・炭水化物、好ましくは還元糖；
・無機塩から誘導され得る酸前駆体、好ましくは硫酸アンモニウムまたはリン酸アンモニウム；
・窒素の供給源；および
・水。
この調合物は、アンモニア水溶液の形態で提供される任意または付加的なアンモニアを含んでもよい。水は洗浄水または再利用されたプロセス水を含んでもよい。

炭水化物と、無機アンモニウム塩を含む酸前駆体とからバインダー溶液を形成することによって、１つの特に有利な調製方法が提供される。この方法は、オープンおよび／または大気圧であってもよい簡単な混合チャンバ中で達成されてもよい。炭水化物および／または酸前駆体は、粉末または液体の形態で加えられてもよい。調製は好ましくは室温で行なわれる。好ましくは、バインダー溶液を調製するために必ずしも熱を与える必要はない；しかし、特にバインダー溶液の成分の溶解および／または混合が加熱によって促進されるときには、バインダー溶液を調製する際にバインダー溶液をたとえば２０℃から８０℃の範囲の温度に加熱してもよい。

特に、結合すべき材料に適用された状態のバインダー溶液は、以下を含んでもよい：
・少なくとも５％、１０％、１５％もしくは１８％の固体、および／または
・７０％もしくは６０％未満（特に木材ボード適用の場合）、または５０％、４０％もしくは２０％未満の固体（特にミネラル繊維絶縁材適用の場合）
これは特に、１４０℃にて２時間乾燥した後のベークアウト固体の重量として決定されるものである。

バインダー溶液によってともに結合される疎性物質の集合は、以下から選択される材料を含んでもよい：繊維、繊維状の材料、ミネラル繊維、ガラス繊維、ストーンウール繊維、セルロース繊維（木部繊維、木の削りくず、木の粒子およびおがくずを含む）、木のベニヤ板、表面材、木部表面材、粒子、織物または不織材料、緩く組立てられた材料、織物または不織材料。

バインダー溶液および／またはバインダーは、好ましくは有機的である。

疎性物質は、バインダーの助けによって成形および／または寸法決めおよび／または鋳造されてもよい。生成される材料は、以下から選択されてもよい：断熱材料、ミネラル繊維製品、木材ボード製品（チップボード、配向性ストランドボード、パーティクルボード、中密度繊維ボード、木部表面材製品を含む）、鋳物砂。

バインダーが適用されるとき、結合されるべき物質は２０℃から１００℃の範囲の温度であってもよい。特に木材ボード製品の場合には、バインダーと疎性物質とがたとえばタンブリングなどによって機械的に混合されてもよい。

特に疎性物質に適用されるときのバインダー溶液は、噴霧または鋳込みによる適用のために適切な粘度を有してもよい。２０℃におけるバインダー溶液の粘度は次のとおりであってもよい：
・約１．５Ｐａ．ｓ未満、好ましくは約１×１０^−２Ｐａ．ｓ未満；および／または
・約２×１０^−４Ｐａ．ｓより大きい、好ましくは約５×１０^−４Ｐａ．ｓより大きい。

バインダーの硬化は硬化オーブン内で、たとえば強制熱風循環などを用いて行なわれてもよい；硬化は圧搾機内で起こってもよい。硬化はバインダーの脱水を含んでもよい；硬化は重合を含んでもよい；硬化はバルク重合反応を含んでもよい。硬化は２０分以下、好ましくは１０分以下の持続時間で行なわれてもよい；硬化は、２３０℃〜３００℃の範囲内の温度の硬化オーブンの少なくとも１つのゾーンに、３０秒から２０分の範囲のオーブン滞在時間で、製品（たとえばミネラル繊維芯）を通すことによって行なわれてもよい。バインダー溶液（水はすでに蒸発されていてもよい）が疎性物質と接触しているときにバインダーの硬化が起こることが好ましい；硬化は実質的に大気圧で起こってもよい。硬化は実質的に乾燥硬化であってもよく、すなわち蒸気または加熱水蒸気を用いるのではなく、乾燥した熱および／または実質的に乾燥もしくは加熱された大気を適用することによる硬化であってもよい。

特にミネラル繊維絶縁製品の場合には、硬化温度および時間は、製品の密度および／または厚さの関数として選択されてもよい。こうした場合の硬化オーブンは、２００℃から３５０℃（典型的には２３０℃から３００℃）の範囲内の温度を有する複数の加熱ゾーンを有してもよい。薄い低密度の製品（１２ｋｇ／ｍ^３またはそれ以下）は、硬化オーブンをわずか２０秒間通過することによって硬化されてもよい；厚い高密度の製品（８０ｋｇ／ｍ^３またはそれ以上）は、硬化オーブンを１５分間またはそれ以上通過することを必要としてもよい。製品は硬化プロセスの際に１８０℃〜２２０℃の範囲の温度に達してもよい。

硬化したバインダーは、元素分析によって決定される質量で２％より多く、および／または８％未満の窒素を含んでもよい。

未硬化状態のバインダーは、乾燥重量で以下のレベルの硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩および／または硝酸塩を含んでもよい：
・２．５％、３％もしくは５％より多く；および／または
・２５％、２２％もしくは２０％未満。

本発明に従ったバインダー系を用いて製造された完成材料は、特に酸前駆体としての働きをする無機塩に由来する硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩および／または硝酸塩の残留レベルを有してもよい。こうした種は以下の量で存在してもよい：
・５００ｍｇ／ｋｇ、７５０ｍｇ／ｋｇ、１０００ｍｇ／ｋｇもしくは１５００ｍｇ／ｋｇより多く；および／または
・５０００ｍｇ／ｋｇ、４０００ｍｇ／ｋｇまたは３０００ｍｇ／ｋｇ未満。

こうした種の存在は浸出テストで評価されて、用いられたバインダー系の最終生成物に表示されてもよい。

特にミネラルウール絶縁材の場合の、完成製品におけるバインダーの量は次のとおりであってもよい：
・１％、２％、２．５％、３％、３．５％もしくは４％より多く；および／または
・２０％、１５％、１０％もしくは８％未満
これは完成製品の乾燥重量で測定されたものである。

特にミネラル繊維絶縁材の場合、製品は以下の分離強度（ｐａｒｔｉｎｇｓｔｒｅｎｇｔｈｓ）の１つまたはそれ以上を有してもよい：
通常の分離強度が
・少なくとも１２０ｇ／ｇ、好ましくは少なくとも１５０ｇ／ｇ；および／または
・４００ｇ／ｇ未満
風化分離強度が
・少なくとも１２０ｇ／ｇ、好ましくは少なくとも１５０ｇ／ｇ；および／または
・４００ｇ／ｇ未満
通常の分離強度と風化分離強度との間の損失％が
・１０％未満、好ましくは５％未満。

製品がミネラルウール絶縁材であるとき、この製品は以下の特徴の１つまたはそれ以上を有してもよい：
・密度が５ｋｇ／ｍ^３、８ｋｇ／ｍ^３または１０ｋｇ／ｍ^３より大きい；
・密度が２００ｋｇ／ｍ^３、１８０ｋｇ／ｍ^３または１５０ｋｇ／ｍ^３未満である；
・ガラスウール繊維を含み、密度が５ｋｇ／ｍ^３、８ｋｇ／ｍ^３もしくは１０ｋｇ／ｍ^３より大きく、および／または８０ｋｇ／ｍ^３、６０ｋｇ／ｍ^３もしくは５０ｋｇ／ｍ^３未満である；
・ストーンウール繊維を含み、密度が１５ｋｇ／ｍ^３、２０ｋｇ／ｍ^３もしくは２５ｋｇ／ｍ^３より大きく、および／または２２０ｋｇ／ｍ^３、２００ｋｇ／ｍ^３もしくは１８０ｋｇ／ｍ^３未満である；
・熱伝導率λが０．０５Ｗ／ｍＫ未満、および／または０．０２Ｗ／ｍＫより大きい；
・９９重量％未満および／または８０重量％より大きいミネラル繊維を含む；
・厚さが１０ｍｍ、１５ｍｍもしくは２０ｍｍより大きく、および／または４００ｍｍ、３５０ｍｍもしくは３００ｍｍ未満である。

製品が木材ボード製品であるとき、この製品は以下の特徴の１つまたはそれ以上を有してもよい：
・寸法が少なくとも５０ｃｍ×８０ｃｍ、好ましくは少なくとも１ｍ×２ｍ
・厚さが少なくとも１１ｍｍ、１２ｍｍまたは１５ｍｍ
・硬化時間が２５分、１５分、１２分または１０分未満
・ＥＮ３１９に従って測定された内部結合強度が少なくとも０．４Ｎ／ｍｍ^２もしくは０．４５Ｎ／ｍｍ^２（特にパーティクルボードまたは繊維ボードに対して）、またはＥＮ３００に従って測定されたものが少なくとも０．２８Ｎ／ｍｍ^２（特に配向性ストランドボード対して）
・ＥＮ３１７に従った２０℃における水中での２４時間後の厚さ膨張が１２％未満、好ましくは１０％未満
・２０℃における水中での２４時間後の水吸収が４０％未満、好ましくは３０％未満
・ＥＮ３１０に従った弾性係数が少なくとも１８００Ｎ／ｍｍ^２（特にパーティクルボードまたは繊維ボードに対して）、または２５００Ｎ／ｍｍ^２（特に配向性ストランドボード対して）、または３５００Ｎ／ｍｍ^２もしくは４８００Ｎ／ｍｍ^２
・曲げ強度（ＭＯＲ）が少なくとも１４Ｎ／ｍ^２（特にパーティクルボードまたは繊維ボードに対して）、または１８Ｎ／ｍｍ^２（特に配向性ストランドボード対して）、または２０Ｎ／ｍｍ^２または２８Ｎ／ｍｍ^２
・添加剤としてのワックス、たとえば０．１重量％から２重量％、好ましくは０．５重量％から１重量％の範囲で
・樹脂含有量（乾燥木材粒子の重量に対する乾燥樹脂の重量）が８重量％から１８重量％、好ましくは１０重量％から１６重量％、より好ましくは１２重量％から１４重量％の範囲
・圧搾機中で、特に１８０℃もしくは２００℃より高いか、および／または２８０℃もしくは２６０℃未満の温度のプラテンの間で硬化される。

ミネラル繊維テストサンプルの平面図である図１を参照しながら、本発明の実施形態を例として説明する。

シェルボーン（Ｓｈｅｌｌｂｏｎｅ）テスト
次のステップによって、バインダーを水溶液として調製した：
・オープンな非加熱反応容器中で所望のバインダー調合物の成分を組合せるステップ
・蒸留水を加えるステップ
・その後にシラン溶液を加えるステップ
・液体を加える間およびその後の数分間撹拌して、固体を完全に溶解させるステップ。バインダー溶液は、溶液の総重量のパーセンテージとして約４５％の溶解した固体を含有するようにした。この溶液の２ｇサンプルは、約２００℃から２１０℃における８分間の熱硬化の際に３０％の固体をもたらした（重量損失は、熱硬化性バインダー形成の際の脱水に起因する）。

ガラスビーズを含有するシェルボーンの乾燥および「風化」引張り強度の評価によって、繊維ガラス絶縁材またはその特定のバインダーによって調製された他の材料の予想される引張り強度および予想される耐久性の指標が与えられた。予想される耐久性は、シェルボーンの風化引張り強度の乾燥引張り強度に対する比率に基づく。

シェルボーンを調製するために、電気ミキサーを約２分間用いて約７５ｇのバインダーを７２７．５ｇのガラスビーズ（ＱｕａｌｉｔｙＢａｌｌｏｔｉｎｉＩｍｐａｃｔＢｅａｄｓ，Ｓｐｅｃ．ＡＤ，ＵＳＳｉｅｖｅ７０−１４０，１０６−２１２ｍｉｃｒｏｎ−＃７，ＰｏｔｔｅｒｓＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓ，Ｉｎｃ．よりのものに相当）と混合した。混合のほぼ中間点および混合の終わりにも、ミキサーのウィスクの側部ならびに混合ボウルの側部および底部から得られたあらゆる凝集塊を、スパチュラを用いて手動で混ぜ合せた。

調製されたガラスビーズ／バインダー混合物を、約２１８℃（４２５°Ｆ）に予熱されたシェルボーン鋳型（ＤｉｅｔｅｒｔＦｏｕｎｄｒｙＴｅｓｔｉｎｇＥｑｕｉｐｍｅｎｔ；ＨｅａｔｅｄＳｈｅｌｌＣｕｒｉｎｇＡｃｃｅｓｓｏｒｙ，Ｍｏｄｅｌ３６６）の鋳型空洞に加えた。各空洞中の混合物の表面を平らにし、過剰な混合物をかき落としてシェルボーンに均一な表面積を与えた。いずれかの空洞に存在するあらゆる不整合または隙間には、付加的なガラスビーズ／バインダー混合物を充填してから平らにした。頂部プラテンを底部プラテンの上に素早く置いた（２つの異なる態様で硬化した層を有するシェルボーンを生成することを避けるため）。硬化シェルボーンを７分後に取出し、ワイヤラック上で室温に冷却し、ラベルを付けて個別にプラスチック貯蔵袋に入れた。シェルボーンを調製した日にテストできなかったときは、シェルボーンを含有するプラスチック袋をデシケータ装置に入れた。硬化の際の底部プラテンの温度は約２０４℃から約２２１℃（約４００°Ｆから約４３０°Ｆ）の範囲であり、頂部プラテンの温度は約２２７℃から約２４３℃（約４４０°Ｆから約４７０°Ｆ）の範囲であった。

破壊強度をテストするための手順：
・機器：５５００ＲＩｎｓｔｒｏｎ機
・テストの直前に各シェルボーンをプラスチック袋から取出し、その重量および厚さを記録した。

シェルボーンに対する風化手順：
・予熱した湿度チャンバ（６５℃、９５％相対湿度）中での１６時間の風化
・取出されたシェルボーンを個別のプラスチック貯蔵袋に密閉して、直ちにテストに用いた。

ゲル時間を測定するための手順：
１５０℃に設定したホットプレートの中央に少量のバインダー（２．０ｍｌ）を加えて、ストップウォッチを始動させる。サンプルを引張って長いひも状にすることが可能になるまで、バインダーをスパチュラで動かす。バインダーを加えてからひも形成までにかかった時間がゲル時間である。

テストしたバインダー調合物−無機酸前駆体をクエン酸と比較：

テストしたバインダー調合物−無機酸前駆体とクエン酸との組合せをクエン酸単独および無機酸前駆体単独と比較：

キー：
ＤＭＨ＝ブドウ糖一水和物
ＣＡ＝クエン酸
ＮＨ４ＯＨ＝水酸化アンモニウム
ＩＳＩＯ２００＝シラン
ＡｍＳＯ４＝硫酸アンモニウム
ＡｍＰＯ４＝リン酸アンモニウム
テスト結果−無機酸前駆体をクエン酸と比較：

テスト結果−無機酸前駆体とクエン酸との組合せをクエン酸単独および無機酸前駆体単独と比較：

ともに行なわれたテストの結果（テストＡからＧは１つのセッションで行なわれ、テストＨからＫは別のセッションの間に行なわれた）から、同じテストセッションにおいて得られた他の結果と比較した有用な結果の指標が与えられる。異なるテストセッションのテスト結果を比較することは信頼性が低いかもしれない。

絶縁製品に対する第１の比較テスト
ミネラル繊維絶縁製品におけるバインダー系の比較テストから以下の結果が得られた：

テスト製品のバインダー含有量ＬＯＩ（Ｌｏｓｓｏｎｉｇｎｉｔｉｏｎ：強熱減量）、％重量：

ドレープテスト（特定された期間の後に測定した平均値をｍｍで表わす）：

厚さ（ＢｒｉｔｉｓｈＳｔａｎｄａｒｄＢＳＥＮ８２３：１９９５に従って特定された期間の後に測定した平均値をｍｍで表わす）：

密度（特定された期間の後に測定した平均値をｋｇ／ｍ^３で表わす）：

存在する硫酸塩の量、ｍｇ／ｋｇ

分離強度（ｇ／ｇ）

テスト手順：
バインダー含有量ＬＯＩ（強熱減量）
ウールとバインダーとの計量されたサンプルを、５５０℃に設定したマッフル炉に入れる。設定時間の後にウールを炉から取出し、デシケータに入れて冷却し、再計量する。重量の損失が元のサンプル重量のパーセンテージとして表わされ、これはバインダー含有量または強熱減量（ＬＯＩ）として公知である。

ドレープテスト
単一の芯（またはスラブ）を、１メートル離して壁に配置された２本のポール（各々長さ５００ｍｍ、直径２０ｍｍ）に渡して置く。芯の中央のたるみの程度を記録する。これをパック中のすべての芯およびいくつかのパックに対して繰り返す。一定の期間にわたる設定点でパックを測定することによって、芯に対する圧縮の長期の影響を定める。

密度：ドレープテストを受けたサンプルに対して測定する。

存在する硫酸塩の量：ＢｒｉｔｉｓｈＳｔａｎｄａｒｄＢＳＥＮ１２４５７−２のＬ／Ｓ１０に従った溶出液分析による、水中の顆粒廃棄物に対する浸出テスト。

分離強度
分離強度は、６つのテスト試料の合計破壊荷重をそれらの総重量で割ったグラム／グラムで表わされる。

テストは、ミネラル繊維マットに対して、テストのために受取ったとき（通常の分離強度）、および以下に説明する加速風化テストの後（風化分離強度）に行なわれる。

図１に示される形および寸法の第１組の６つのサンプルが、テストされるミネラル繊維マットから切出される。寸法は次のとおりである：
ｒ：半径１２．７ｍｍ；
ＤＣ：中心間の距離４４．５ｍｍ；
ａ：２５．４ｍｍ；
ｂ：１２１ｍｍ。

サンプルの長軸はコンベヤの方向と平行である必要があり、サンプルはミネラルマットの全幅にわたって取られる必要がある。次いで、同じ態様で第２組の６つのサンプルが取られる。

第１グループの６サンプルの総重量Ｗ１をグラムで記録する。

第２グループの６サンプルの総重量Ｗ２をグラムで記録する；次いでこれらのサンプルを予熱したオートクレーブに入れて、チャンバの底から離したワイヤメッシュ棚の上で、３５ｋＮ／ｍ^２における湿り蒸気の下で１時間条件付けする。次いでこれらを取出し、オーブン中で１００℃にて５分間乾燥し、直ちに分離強度をテストする。

分離強度をテストするために、各サンプルを順に５５００Ｉｎｓｔｒｏｎ引張り強度機の顎部に載せて、最大破壊荷重をグラムまたはニュートンで記録する。破壊荷重をニュートンで測定するときは、その値に１０１．９を掛けることによってグラムに変換する。各組のサンプルからグラムによる６つの結果が得られる：第１組のサンプルに対するＧ１、Ｇ２、Ｇ３、Ｇ４、Ｇ５およびＧ６、ならびに第２組のサンプルに対するＧ７、Ｇ８、Ｇ９、Ｇ１０、Ｇ１１およびＧ１２である。

通常分離強度は、次の式を用いて第１組のサンプルから算出される：通常分離強度＝（Ｇ１＋Ｇ２＋Ｇ３＋Ｇ４＋Ｇ５＋Ｇ６）／Ｗ１。

風化分離強度は、次の式を用いて第２組のサンプルから算出される：風化分離強度＝（Ｇ７＋Ｇ８＋Ｇ９＋Ｇ１０＋Ｇ１１＋Ｇ１２）／Ｗ２。

絶縁製品の第２の比較テスト：

サンプル：繊維ガラス芯の以下のサンプルをテストした：

結果

本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
（項１）
水に
−還元糖と、
−硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩および炭酸アンモニウム塩からなるリストより選択される材料と、
−任意にはカルボン酸またはその前駆体と、
−任意にはアンモニアと
を溶解することによって得られ得る溶液から本質的になる、実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項２）
水に
−還元糖と、
−硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩および炭酸アンモニウム塩からなるリストより選択される材料と、
−任意にはカルボン酸またはその前駆体と、
−任意にはアンモニアと
を溶解することによって得られる溶液から本質的になる、上記項１に記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項３）
前記還元糖はブドウ糖から本質的になる、上記項１または２に記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項４）
前記カルボン酸はアンモニウム塩の形態で与えられる、先行する上記項のいずれかに記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項５）
前記溶液のｐＨは７より大きい、先行する上記項のいずれかに記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項６）
前記バインダー溶液のｐＨは、使用条件において硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩または炭酸塩の析出を防ぐものである、先行する上記項のいずれかに記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項７）
硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩および炭酸アンモニウム塩からなるリストより選択される材料は、前記バインダー溶液の乾燥重量の５％と２５％の間を構成する、先行する上記項のいずれかに記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項８）
前記バインダー溶液は少なくとも５％の固体および５０％未満の固体を含む、先行する上記項のいずれかに記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項９）
硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩および炭酸アンモニウム塩からなるリストより選択される材料に対する還元糖の乾燥重量での比率は、（還元糖の乾燥重量／アンモニウム塩の乾燥重量）で表わされるときに２．５から１３の範囲内である、先行する上記項のいずれかに記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項１０）
前記バインダー溶液は、溶解されたバインダー固体として算出されるときに０．１％と１％の間のシランまたはシリコン含有カップリング剤を含む、先行する上記項のいずれかに記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
（項１１）
製品を製造する方法であって、
・疎性物質の集合を与えるステップと；
・上記項１から１０のいずれか１項に記載の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液で疎性物質の前記集合を処理するステップと；
・前記バインダー溶液で処理された疎性物質の前記集合を基体の形態に配置するステップと；
・エネルギーの供給源を適用することによって前記バインダーを硬化するステップと
を含む、方法。
（項１２）
前記バインダーを前記硬化するステップは、前記基体を、２３０℃〜３００℃の範囲内の温度の硬化オーブンの少なくとも１つのゾーンに、３０秒から２０分の範囲内のオーブン滞在時間で通すことによって行なわれる、上記項１１に記載の方法。
（項１３）
前記バインダーを前記硬化するステップは、圧搾機のプラテンの間で行なわれる、上記項１１に記載の方法。
（項１４）
実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーによってともに維持される疎性物質の集合を含む材料であって、前記材料は、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩および炭酸塩からなる群より選択される種を５００ｍｇ／ｋｇより多く含むことを特徴とする、材料。
（項１５）
硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩および炭酸塩からなる群より選択される前記種は、バインダー前駆体から本質的に誘導される、上記項１４に記載の材料。
（項１６）
前記バインダーは硬化され、メラノイジンを含む、上記項１４から１５のいずれか１項に記載の材料。
（項１７）
疎性物質の集合と、未硬化であるかまたは部分的に硬化された実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーとを含む材料であって、前記バインダーは水に溶解されるときに６より大きいｐＨを有し、かつ
−還元糖と、
−硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩および炭酸アンモニウム塩からなるリストより選択される材料と、
−任意にはカルボン酸またはその前駆体と、
−任意にはアンモニアと
を含むことを特徴とする、材料。
（項１８）
前記疎性物質はミネラル繊維を含む、上記項１４から１７のいずれか１項に記載の材料。
（項１９）
前記材料はミネラル繊維断熱材料である、上記項１８に記載の材料。
（項２０）
前記材料は木材ボードである、上記項１４から１７のいずれか１項に記載の材料。

Claims

−還元糖と、
−硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩および炭酸アンモニウム塩からなる群より選択される酸前駆体と、
−窒素の供給源と、
−水と
を含む、実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液であって、
そして、ここで、該バインダー溶液は：
−該未硬化のバインダー溶液に対して少なくとも５乾燥重量％の該酸前駆体を含み、そして
−ここで、該還元糖の量／該酸前駆体の量の乾燥重量比は２．５以上であり、かつ１３以下であり、
該バインダー溶液は、乾燥および／もしくは硬化の結果として５ｐｐｍ未満のホルムアルデヒドを遊離する、
実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液。
請求項１に記載のバインダー溶液であって、ここで、該バインダー溶液がさらに、有機酸またはその前駆体、塩もしくは無水物を含む、バインダー溶液。
前記有機酸がアンモニウム塩の形態で提供される、請求項２に記載のバインダー溶液。
前記有機酸が、カルボン酸である、請求項２または請求項３に記載のバインダー溶液。
前記バインダー溶液が、アンモニアを含む、請求項１〜４のいずれかに記載のバインダー溶液。
前記バインダー溶液が、前記未硬化バインダー溶液に対して乾燥重量で少なくとも７％の酸前駆体を含む、請求項１〜５のいずれかに記載のバインダー溶液。
前記還元糖が、ブドウ糖を含む、請求項１〜６のいずれかに記載のバインダー溶液。
前記溶液のｐＨは７より大きい、請求項１〜７のいずれかに記載のバインダー溶液。
前記バインダー溶液のｐＨは、使用条件において硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩または炭酸塩の析出を防ぐものである、請求項１〜８のいずれかに記載のバインダー溶液。
前記バインダー溶液は少なくとも５％の固体および５０％未満の固体を含む、請求項１〜９のいずれかに記載のバインダー溶液。
前記バインダー溶液が、シラン、ミネラルオイル、カップリング剤、シリコーンまたはシロキサン、シリコン含有化合物、界面活性剤、親水性添加剤、疎水性添加剤、ワックス、およびｐＨを調節するために有用な物質から選択される１種以上の添加剤を含み、
そしてここで、該添加剤の総量は５乾燥重量％未満である、
請求項１〜１０のいずれかに記載のバインダー溶液。
請求項１〜１１のいずれかに記載のバインダーによってともに維持される疎性物質の集合を含む材料であって、該材料は、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩および炭酸塩からなる群より選択される種を５００ｍｇ／ｋｇより多く含むことを特徴とする、材料。
硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩および炭酸塩からなる群より選択される前記種は、バインダー前駆体から誘導される、請求項１２に記載の材料。
前記バインダーは硬化され、メラノイジンを含む、請求項１２または１３に記載の材料。
断熱材料；ミネラル繊維製品；木材ボード製品（チップボード、配向性ストランドボード、パーティクルボード、中密度繊維ボード、木部表面材製品を含む）；および鋳物砂から選択される製品を製造する方法であって、
・不織疎性物質の集合を提供するステップと；
・実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー溶液を該疎性物質の集合に適用するステップと；
・該疎性物質と接触する該バインダーを硬化するステップと
を含み、
該バインダー溶液は、
−還元糖；
−少なくとも５乾燥重量％の、硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩および炭酸アンモニウム塩からなる群より選択される酸前駆体；
−窒素の供給源；ならびに
−水
を含むバインダー溶液であり、
該製品は、５ｐｐｍ未満の遊離ホルムアルデヒドを含む、
方法。
前記製品がミネラル繊維絶縁製品である、請求項１５に記載の方法。
前記バインダーの硬化が、硬化オーブン内で、強制熱風循環を用いて行なわれる、請求項１５〜１６のいずれかに記載の方法。
前記疎性物質の集合が、以下から選択される材料を含む、請求項１５〜１７のいずれかに記載の方法：
繊維、繊維状の材料、ミネラル繊維、ガラス繊維、ストーンウール繊維、セルロース繊維、木部繊維、木の削りくず、木の粒子、おがくずおよび粒子。
硬化の際の前記バインダーの反応が、メイラード型反応である、請求項１５〜１８のいずれかに記載の方法。
前記バインダー溶液が、噴霧により適用される、請求項１５〜１９のいずれかに記載の方法。
前記疎性物質に適用されるバインダー溶液が、２０℃において、１．５Ｐａ．ｓ未満、かつ２×１０^−４Ｐａ．ｓより大きい粘度を有する、請求項１５〜２０のいずれかに記載の方法。
前記バインダー溶液が、１４０℃にて２時間乾燥した後のベークアウト固体の重量として決定される、少なくとも１０％の固体および７０％未満の固体を含む、請求項１５〜２１のいずれかに記載の方法。
前記バインダー溶液の前記還元糖の乾燥重量／前記酸前駆体の乾燥重量の比が２．５以上であり、かつ１３以下である、請求項１５〜２２のいずれかに記載の方法。
前記バインダー溶液が、請求項１〜１１のいずれかに記載のバインダー溶液である、請求項１５〜２３のいずれかに記載の方法。
前記製品が、５００ｍｇ／ｋｇより多くの、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩および炭酸塩からなる群から選択される種を含む、請求項１５〜２３のいずれかに記載の方法。