JP2811540B2 - ガスバリヤー性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリヤー性フィルム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリヤー性フィル
ムに関し、さらに詳しくは、ポリ(メタ)アクリル酸及
び/またはその部分中和物と、澱粉類などの糖類とを含
む混合物から形成されたフィルムであって、耐水性、酸
素等のガスバリヤー性に優れたフィルム及びその製造方
法に関する。本発明のフィルムは、耐水性(水や沸騰水
に不溶性)及び酸素ガスバリヤー性に優れているため、
酸化等の酸素による品質の劣化を受け易い、水分や油分
を多量に含んだ食品等の包装材料の用途に好適である。
【0002】
【従来の技術】ポリ(メタ)アクリル酸またはその部分
中和物は、水溶性の高分子であり、その親水性を活かし
て、吸水材料、増粘剤、凝集剤、分散剤、紙や繊維の処
理剤等として広く利用されている。また、ポリ(メタ)
アクリル酸またはその部分中和物は、その溶液からキャ
スト法により製膜が可能であり、得られたフィルムは、
乾燥条件下での酸素ガスバリヤー性に優れている。しか
しながら、このフィルムは、親水性が強いため、高湿度
条件下では、酸素ガスバリヤー性が著しく損なわれ、し
かも、水に容易に溶解してしまう。そのため、このフィ
ルムは、多量の水分を含有する食品の包装には適さな
い。米国特許第2,169,250号には、ポリビニル
アルコール(PVA)水溶液中でメタクリル酸モノマー
を重合させ、得られた混合物を支持体上に流延し、水を
蒸発させた後、140℃で5分間加熱してPVAとポリ
メタクリル酸とを反応させて水不溶化フィルムを得たこ
とが記載されている(実施例1)。しかし、本発明者ら
の検討結果によれば、このような熱処理条件では、高湿
度条件下での酸素ガスバリヤー性に優れたフィルムを得
ることはできない。
【0003】一方、澱粉類のフィルムは、耐油性や酸素
ガスバリヤー性に優れているが、機械的強度や耐水性に
劣るという欠点を有している。澱粉は、植物から得られ
る天然多糖類であり、その構成物質は、グルコースがα
(1−4)結合で連なった直鎖状のアミロースと、短い
アミロースがα(1−6)結合を介して多数枝状に結合
した高分子量のアミロペクチンからなっている。澱粉類
には、生澱粉のほか、分離精製アミロースなどの物理的
変性澱粉、酸、加熱、酵素等によって加水分解して冷水
溶解性を高めた変性澱粉、アクリルアミド、アクリル
酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のモノマーをグラ
フト重合して得られるグラフト変性澱粉など様々な加工
澱粉がある。これらの澱粉類は、ポリ(メタ)アクリル
酸と同様に親水性の高分子であり、食品工業分野だけで
はなく、その親水性を活かして、吸水材料、増粘剤、凝
集剤、分散剤、紙や繊維の処理剤等として広範な分野で
使用されている。これらの澱粉類の中でも、水溶解性に
優れたものは、それらの水溶液からキャスト法により容
易にフィルムを製膜することができる。しかし、澱粉類
のフィルムは、親水性が強いため、高湿度条件下では、
その酸素ガスバリヤー性が著しく損なわれ、したがっ
て、多量の水分を含有する食品の包装には適さない。
【0004】最近、澱粉類と各種熱可塑性樹脂との混合
物からフィルムやシートを製造する方法に関し、幾つか
の提案がなされている。例えば、ポリエチレン等の熱可
塑性樹脂と澱粉系高分子との混合物よりなるフィルムな
どの成形物の少なくとも片面に、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物の薄層を設けた生分解性積層成形物
(特開平4−90339号)、PVA系重合体と澱粉類
との混合物からなる生分解性フィルム(特開平4−10
0913号、特開平4−114044号)、PVA系樹
脂と多糖類とからなる耐水性組成物と該組成物からのフ
ィルム(特開平4−114043号)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物と澱粉類との組成物からなるシ
ートやフィルム、積層物など(特開平4−132748
号、特開平5−93092号、特開平5−92507
号)が提案されている。しかし、これらのフィルムやシ
ートは、耐水性または高湿度条件下での酸素ガスバリヤ
ー性が不十分なものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐水
性で、かつ、高湿度条件下での酸素ガスバリヤー性に優
れたフィルムを提供することにある。本発明者らは、前
記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結
果、ポリ(メタ)アクリル酸及び/またはその部分中和
物と、糖類(単糖類、オリゴ糖類、多糖類など)との混
合物からフィルムを形成し、これを特定の条件下で熱処
理することにより、それぞれの単体フィルムの場合と比
較して、乾燥条件下ではもとより、高湿度条件下でも顕
著に改善された酸素ガスバリヤー性(酸素ガス透過係
数)を有するフィルムが得られることを見出した。この
熱処理フィルムは、水や沸騰水に不溶性となり耐水性に
も優れており、水分や油分を多量に含む食品の包装材料
として十分使用できるものである。本発明は、これらの
知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、(A)ポリ(メタ)アクリル酸及びポリ(メタ)ア
クリル酸の部分中和物からなる群より選ばれる少なくと
も一種のポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと(B)糖
類を重量比95:5〜20:80の範囲内で含有する混
合物から形成されたフィルムであって、温度30℃、相
対湿度80%の条件下で測定した酸素ガス透過係数が
5.00×10-3ml(STP)・cm/m2・h・a
tm{Pa}以下で、沸騰水に不溶性であることを特徴
とするガスバリヤー性フィルムが提供される。
【0007】また、本発明によれば、(A)ポリ(メ
タ)アクリル酸及びポリ(メタ)アクリル酸の部分中和
物からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリ(メ
タ)アクリル酸系ポリマーと(B)糖類を重量比95:
5〜20:80の範囲内で含有する混合物からフィルム
を形成し、次いで、該フィルムを、下記関係式(a)及
び(b)で規定する熱処理温度と熱処理時間の関係を満
足する条件下で、熱処理することを特徴とするガスバリ
ヤー性フィルムの製造方法が提供される。 (a)logt≧−0.0622×T+28.48 (b)373≦T≦573 〔式中、tは、熱処理時間(分)で、Tは、熱処理温度
(K)である。〕なお、{Pa}は、従来単位の[ml
(STP)・cm/m 2 ・h・atm]または[ml
(STP)/m 2 ・h・atm]を、[mol・m/m 2
・s・Pa]または[mol/m 2 ・s・Pa]に換算
可能なことを示す符号であり、JIS−Z1707にそ
の標記例がある。
【0008】以下、本発明について詳述する。 <ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー>本発明で使用す
るポリ(メタ)アクリル酸は、カルボキシル基を2個以
上含有する化合物であって、具体的には、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との
共重合体、あるいはこれらの2種以上の混合物である。
アクリル酸またはメタクリル酸のホモポリマーや両者の
コポリマーが好ましく、これらの中では、アクリル酸の
ホモポリマーやアクリル酸が優位量となるメタクリル酸
とのコポリマーが、酸素ガスバリヤー性の点で、特に、
好適なものである。ポリ(メタ)アクリル酸の数平均分
子量は、特に限定されないが、2,000〜250,0
00の範囲が好ましい。
【0009】ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物は、
ポリ(メタ)アクリル酸のカルボキシル基をアルカリで
部分的に中和する(即ち、カルボン酸塩とする)ことに
より得ることができる。アルカリとしては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウムなどが挙げ
られる。部分中和物は、通常、ポリ(メタ)アクリル酸
の水溶液にアルカリを添加し、反応させることにより得
ることができる。この部分中和物は、アルカリ金属塩ま
たはアンモニウム塩などである。ポリ(メタ)アクリル
酸とアルカリの量比を調節することにより、所望の中和
度とすることができる。ポリ(メタ)アクリル酸の部分
中和物の中和度は、得られるフィルムの酸素ガスバリヤ
ー性の程度を基準として、選択することが好ましい。こ
の中和度がある程度以上高くなると、酸素ガスバリヤー
性が低下する傾向を示す。
【0010】本発明のフィルムの酸素ガスバリヤー性
は、熱処理条件や両成分の混合割合によって影響を受け
るが、ポリ(メタ)アクリル酸の中和度によっても影響
を受ける。具体的には、中和度が0%を越え20%以下
の範囲の場合には、熱処理条件及び両成分の混合割合を
選択することにより、フィルム厚3μm、温度30℃、
相対湿度(RH)80%の条件下で、400ml(ST
P)/m2・day・atm{Pa}以下の酸素透過度
という酸素ガスバリヤー性に優れたフィルムを得ること
ができる。しかし、中和度が20%を越える場合には、
酸素ガスバリヤー性が低下する傾向を示す。特に、ポリ
(メタ)アクリル酸の部分中和物の中和度が15%以下
の場合には、両成分の混合割合の広い範囲内で、未中和
物を用いた場合と比較して、酸素ガスバリヤー性が顕著
に優れたフィルムを得ることができる。したがって、酸
素ガスバリヤー性の観点からは、ポリ(メタ)アクリル
酸の部分中和物の中和度は、通常、0%を越え20%以
下の範囲、好ましくは、0%を越え18%以下の範囲、
より好ましくは5〜15%の範囲とすることが望まし
い。
【0011】なお、中和度は、下記の式により求めるこ
とができる。 中和度=(X/Y)×100 X:部分中和されたポリ(メタ)アクリル酸1g中の中
和されたカルボキシル基のモル数 Y:部分中和する前のポリ(メタ)アクリル酸1g中の
カルボキシル基のモル数
【0012】<糖 類>本発明では、糖類(糖質類とも
いう)として、単糖類、オリゴ糖類、及び多糖類を使用
する。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体・
誘導体なども包含される。これらの糖類は、水に溶解性
のものが好ましい。
【0013】単糖類 単糖類とは、糖類のうちで加水分解によってそれ以上簡
単な分子にならない基本物質で、オリゴ糖類や多糖類の
構成単位となるものである。単糖類は、通常、一般式C
n2nnで表されるが、そのうち、炭素数(n)が2、
3、4、5、6、7、8、9及び10であるものを、そ
れぞれジオース、トリオース、テトロース、ペントー
ス、ヘキソース、ヘプトース、オクトース、ノノース、
及びデコースと呼ぶ。
【0014】単糖類は、アルデヒド基を持つものをアル
ドース、ケトン基を持つものをケトースと分類する。n
=3以上のものは、不斉炭素原子を持ち、不斉炭素の数
に応じて立体異性体が多数あり得るが、天然に知られて
いるものはその一部である。天然に存在するものは、ペ
ントースとヘキソースが多い。本発明で使用する単糖類
としては、n=5以上の鎖式多価アルコールのアルデヒ
ドであるアルドースが、天然に多量に存在するために好
ましい。このような単糖類としては、例えば、グルコー
ス、マンノース、ガラクトース、キシロースなどが挙げ
られるが、その中でも、グルコースとガラクトースがよ
り好ましい。単糖類は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】糖アルコール 糖アルコールとは、アルドースまたはケトースを還元し
て得られるポリヒドロキシアルカンである。本発明で使
用する糖アルコールとしては、鎖式多価アルコールが好
ましい。このような糖アルコールは、一般式Cn2n+1
nで表すことができる。nが3、4、5、6、7、
8、9及び10の場合、それぞれトリトール、テトリト
ール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オ
クチトール、ノニトール、及びデシトールと呼ぶ。それ
ぞれの糖アルコールには、不斉炭素原子の数に応じて立
体異性体が多数存在する。本発明では、n=3〜6の糖
アルコールを用いることが好ましい。糖アルコールの具
体例としては、ソルビトール、マンニトール、ズルシト
ール、キシリトール、エリトリトール、グリセリンなど
を挙げることができる。糖アルコールは、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0016】オリゴ糖類 2個以上10個ぐらいまでの単糖がグリコシド結合によ
って結ばれた構造をもつものをオリゴ糖(少糖)とい
う。単糖の数によって、二糖、三糖、四糖、五糖などに
分類される。具体例としては、スクロース、ラクトー
ス、トレハロース、セロビオース、マルトース、ラフィ
ノース、スタキオースなどが挙げられる。また、これら
のオリゴ糖の末端をアルコール化したもの(末端アルコ
ール化オリゴ糖)も使用できる。
【0017】多糖類 多糖類とは、単糖類がポリグリコシル化した高分子化合
物(重合度10以上)の総称であり、構成糖の種類が1
種の場合をホモ多糖(ホモグリカン)、2種以上のもの
をヘテロ多糖(ヘテログリカン)という。多糖類は、動
物・植物・微生物界に、貯蔵多糖(澱粉類など)、構造
多糖(セルロースなど)、機能多糖(ヘパリンなど)と
して広く存在する。天然多糖類は、主にアルドヘキソー
ス及びアルドペントースを構成単位とし、それらが、グ
リコシド結合で直鎖状、分岐状または環状に繋がった高
分子化合物である。アルドペントース及びアルドヘキソ
ースは、C1位のアルデヒドとC5位のアルコールとの間
で、分子内ヘミアセタール結合によりピラノース環と呼
ばれる6員環構造を形成する。天然多糖類分子中のアル
ドヘキソース及びアルドペントースは、主にこのピラノ
ース環構造をとっている。
【0018】天然多糖類の構成単位であるアルドヘキソ
ース及びアルドペントースには、中性単糖の他、中性単
糖の硫酸エステル、りん酸エステル、その他有機酸エス
テルやメチルエーテル、第一アルコール基だけをカルボ
キシル基に酸化したウロン酸、アルドヘキソースのC2
位の水酸基がアミノ基に置換されたヘキソサミンやその
誘導体としてN−アセチルヘキソサミン、C3位とC6
の水酸基間でエーテルを形成した3,6無水化アルドヘ
キソース等が含まれる。天然多糖類は、動植物界に広く
分布し、植物中には、高等植物や海藻類の細胞壁構成成
分及び細胞壁構成に関与しないもの、微生物類の細胞構
成成分として存在する。高等植物や海藻類の細胞壁構成
に関与しないものとしては、細胞液に含まれる粘質物や
澱粉等の貯蔵物質がある。動物中では、グリコーゲン等
の貯蔵物質やヘパリンやコンドロイチン硫酸等の粘液の
構成成分として存在する。
【0019】天然多糖類をその構成成分によって分類す
ると、中性多糖、酸性多糖、塩基性多糖に分類される。
中性多糖には、ホモ多糖として、マンナンやグルカンが
ある。またヘテロ多糖としては、ヘキソースのみからな
るものがコンニャクやグァラン等に含まれており、ペン
トースのみからなるものが、キシランやアラボキシラン
等に含まれている。一方、ヘキソースとペントースを含
むものとしては、タマリンドやナシカズラ等が知られて
いる。酸性多糖としては、ウロン酸のみを含むもの、ガ
ラツロン酸と中性糖を含むものとしてトロロアオイやペ
クチン等が、グルクロン酸と中性糖を含むものとしてカ
ミツレ、クサスギカズラ等があり、その他に中性糖の硫
酸エステル、りん酸エステル、有機酸エステル、メチル
エーテルや3,6無水物を含む酸性多糖がある。塩基性
多糖としては、グルコサミンやガラクトサミンを構成単
糖として含むものがある。本発明で使用する多糖類に
は、これら天然多糖類の他に、これらの多糖類を有機酸
や無機酸、さらにはそれらの多糖類の加水分解酵素を触
媒として、固相、液相または固液混合相にて、必要に応
じて熱を加えることにより、加水分解して得られたも
の、天然多糖類及びそれらに前述の加水分解処理をほど
こしたものに、さらに加工処理を加えたものも含まれ
る。
【0020】天然多糖類やそれらの加水分解物に対する
加工処理としては、以下のようなものが例示される。 無機酸や有機酸によるエステル化処理やアリルエーテ
ル化、メチルエーテル化、カルボキシメチルエーテル化
等のエーテル化処理。 カチオン化処理:例えば、天然多糖類やそれらの加水
分解物と、2−ジエチルアミノエチルクロライドや2,
3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ドとを反応させる方法が挙げられる。 架橋処理:例えば、ホルムアルデヒド、エピクロルヒ
ドリン、りん酸、アクロレイン等を用いて架橋する方法
が挙げられる。 グラフト化処理:例えば、天然多糖類やそれらの加水
分解物に、各種モノマーをグラフト重合させる方法が挙
げられる。モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、t−ブチルビニルエーテル、(メ
タ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシア
ルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチ
レングリコールエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシ−3−クロロプロピルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸グリ
シジルエステル、アクリロニトリル、スチレン、無水マ
レイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0021】これら天然多糖類及びその加水分解生成物
ならびにそれらの加工処理生成物の中でも、水に可溶な
ものが好ましい。また、水に可溶な天然多糖類及びその
加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の中で
も、その構成単糖がグルコースであるホモ多糖類がより
好ましい。グルコースのホモ多糖類としては、例えば澱
粉類、セルロース類、デキストラン、プルラン、水溶性
のキチン類、キトサン類等がある。
【0022】本発明では、前記天然多糖類及びその加水
分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の代わり
に、それらの糖アルコールを用いることができる。ここ
でいう天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれ
らの加工処理生成物の糖アルコールとは、それらの還元
性末端のC1位のカルボニル基を還元してアルコールに
したものをいう。それ以外にも、本発明では、糖の分子
鎖が環状につながったシクロデキストリン等の糖類も用
いることができる。本発明で使用する多糖類は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0023】澱粉類 澱粉類は、前記多糖類に包含されるが、本発明で使用さ
れる澱粉類について、以下により詳細に説明する。本発
明で使用する澱粉類としては、小麦澱粉、トウモロコシ
澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱
粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性
澱粉)のほか、各種の加工澱粉がある。加工澱粉として
は、例えば、アルファー化澱粉、分離精製アミロー
ス、分離精製アミロペクチン、湿熱処理澱粉などの物理
的変性澱粉、加水分解デキストリン、酵素分解デキス
トリン、アミロースなどの酵素変性澱粉、酸処理澱
粉、次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉などの化学
分解変性澱粉、エステル化澱粉(酢酸エステル化澱
粉、こはく酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、り
ん酸エステル化澱粉、尿素りん酸エステル化澱粉、キサ
ントゲン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉
等)、エーテル化澱粉(アリルエーテル化澱粉、メチル
エーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒ
ドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピルエ
ーテル化澱粉等)、カチオン化澱粉(澱粉と2−ジエチ
ルアミノエチルクロライドとの反応物、澱粉と2,3−
エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドと
の反応物等)、架橋澱粉(ホルムアルデヒド架橋澱粉、
エピクロルヒドリン架橋澱粉、りん酸架橋澱粉、アクロ
レイン架橋澱粉等)などの化学変性澱粉、各種澱粉類
にモノマーをグラフト重合したグラフト化澱粉〔モノマ
ーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、t−ブチルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル、(メタ)アクリル酸エトキシアルキルエステル、
(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエ
ステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロ
ロプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミ
ノエチルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、
アクリロニトリル、スチレン、無水マレイン酸、イタコ
ン酸等がある。〕などが挙げられる。これらの澱粉類の
中でも、水に可溶性の加工澱粉が好ましい。澱粉類は、
含水物であってもよい。また、これらの澱粉類は、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0024】混合物の調製と製膜法 ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物を
得るには、各成分を水に溶解させる方法、各成分の水溶
液を混合する方法、糖類水溶液中で(メタ)アクリル酸
モノマーを重合させた後、所望によりアルカリで中和す
る方法、などが採用される。ポリ(メタ)アクリル酸系
ポリマーと糖類とは、水溶液にした場合、均一な混合溶
液が得られる。水以外に、アルコールなどの溶剤、ある
いは水とアルコールなどとの混合溶剤を用いてもよい。
【0025】これらの混合物からフィルムを形成する方
法は、特に限定されないが、例えば、混合物の水溶液を
ガラス板やプラスチックフィルム等の支持体上に流延
し、乾燥して皮膜を形成させる方法(溶液流延法)、あ
るいは混合物の高濃度の水溶解液をエキストルーダーに
より吐出圧力をかけながら細隙から膜状に流延し、含水
フィルムを回転ドラムまたはベルト上で乾燥する方法
(押出法)などがある。これらの製膜法の中でも、特
に、溶液流延法(キャスト法)は、透明性に優れた乾燥
皮膜を容易に得ることができるため好ましい。
【0026】溶液流延法を採用する場合には、固形分濃
度は、通常、1〜30重量%程度とする。水溶液または
水溶解液を作成する場合、所望によりアルコールなど水
以外の溶剤や柔軟剤等を適宜添加してもよい。また、予
め、可塑剤や熱安定剤等を少なくとも一方の成分に配合
しておくこともできる。フィルムの厚みは、使用目的に
応じて適宜定めることができ、特に限定されないが、通
常、0.1〜500μm、好ましくは0.5〜100μ
m程度である。
【0027】ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類
との混合比(重量比)は、酸素ガスバリヤー性の観点か
ら、95:5〜20:80であり、好ましくは90:1
0〜40:60、より好ましくは85:15〜50:5
0である。後掲の表1に、ポリアクリル酸(PAA)の
部分中和物(PAANa:中和度10%)と可溶性澱粉
との混合比を変化させて、溶液流延法により各種組成の
乾燥皮膜を得、それらを200℃で15分間熱処理した
フィルム(厚み3μm)について、酸素透過度(30
℃、80%RH)を測定したデータを示し、そのデータ
をグラフ化して図1に示した。表1及び図1から明らか
なように、PAANaの混合比が20〜95重量%、好
ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜85
重量%の範囲内において、高湿度条件下でも優れた酸素
ガスバリヤー性を有するフィルムの得られることが分か
る。
【0028】熱処理 ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物か
ら耐水性及び酸素ガスバリヤー性に優れたフィルムを得
るには、製膜後、特定の条件で熱処理することが必要で
ある。後掲の表2に、ポリアクリル酸の部分中和物(P
AANa:中和度10%)と可溶性澱粉との重量比7
0:30の混合物水溶液から溶液流延法により作成した
乾燥皮膜(厚み3μm)について、熱処理温度及び熱処
理時間を変化させて各熱処理フィルムを作成し、酸素透
過度(30℃、80%RH)を測定したデータを示し、
そのデータをグラフ化して図2に示した。
【0029】表2及び図2から明らかなように、酸素透
過度が小さなフィルムを作成するには、熱処理温度が高
い場合には、比較的短時間でよいが、熱処理温度が低く
なるほど長時間を必要とする。高湿度条件下でも実用性
のあるフィルムとしては、フィルム厚3μm、30℃、
80%RHでの酸素透過度が400ml(STP)/m
2・day・atm{Pa}以下であることが望まし
い。この酸素透過度は、酸素ガス透過係数5.00×1
-3ml(STP)・cm/m2・h・atm{Pa}
以下に対応する。熱処理温度、熱処理時間及び酸素透過
度に関する実験データを整理すると、この酸素ガス透過
係数をポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと澱粉類との
混合物フィルムにより達成するには、熱処理温度と熱処
理時間が下記の関係式(a)及び(b)を満足する条件
で熱処理することが必要であることが判明した。
【0030】 (a)logt≧−0.0622×T+28.48 (b)373≦T≦573 〔式中、tは、熱処理時間(分)で、Tは、熱処理温度
(K)である。〕 この熱処理条件を採用することにより、ポリ(メタ)ア
クリル酸系ポリマーと糖類との混合物から形成されたフ
ィルムであって、30℃、80%RHの条件下で測定し
た酸素ガス透過係数が5.00×10-3ml(STP)
・cm/m2・h・atm{Pa}以下の優れた酸素ガ
スバリヤー性を有するフィルムを得ることができる。
【0031】本発明において、30℃、80%RHの条
件下(フィルム厚み3μm)で測定した酸素透過度が1
00ml(STP)/m2・day・atm{Pa}以
下となる好ましい酸素ガスバリヤー性を達成するために
は、上記関係式(a)にかえて下記の関係式(c)を満
足させる熱処理条件を採用すればよい。ただし、Tは、
上記関係式(b)を満足するものとする。 (c)logt≧−0.0631×T+29.32 この熱処理条件(c)によって、酸素ガス透過係数(3
0℃、80%RH)が1.25×10-3ml(STP)
・cm/m2・h・atm{Pa}以下のフィルムを得
ることができる。
【0032】同様に、30℃、80%RHの条件下(フ
ィルム厚み3μm)で測定した酸素透過度が10ml
(STP)/m2・day・atm{Pa}以下となる
より好ましい酸素ガスバリヤー性を達成するためには、
前記関係式(a)にかえて下記の関係式(d)を満足さ
せる熱処理条件を採用すればよい。ただし、Tは、上記
関係式(b)を満足するものとする。 (d)logt≧−0.0645×T+30.71 この熱処理条件(d)によって、酸素ガス透過係数(3
0℃、80%RH)が1.25×10-4ml(STP)
・cm/m2・h・atm{Pa}以下のフィルムを得
ることができる。なお、酸素ガス透過係数〔ml(ST
P)・cm/m2・h・atm{Pa}〕は、フィルム
厚さ3μmでの酸素透過度〔ml(STP)/m2・d
ay・atm{Pa}〕に、1.25×10-5・cmを
乗ずることにより求めることができる。
【0033】熱処理温度(T)は、100℃(373
K)〜300℃(573K)の範囲から選択される。し
かしながら、この熱処理温度が低い範囲では、高度のガ
スバリヤー性フィルムを得るには、非常に長時間の熱処
理時間を必要とし、生産性が低下する。熱処理温度が高
くなるほど、短い熱処理時間で高度のガスバリヤー性を
得ることができるが、高過ぎると変色や分解のおそれが
ある。そこで、熱処理温度(T)は、好ましくは120
℃(393K)〜280℃(553K)、より好ましく
は160℃(433K)〜250℃(523K)であ
る。熱処理時間の上限は、所定の熱処理温度において、
フィルムが分解したり溶融したりしない範囲内とする。
【0034】この熱処理は、例えば、フィルムまたは支
持体とフィルムの積層物を所定温度に保持したオーブン
中に所定時間入れることにより行うことができる。ま
た、所定温度に保持したオーブン中を所定時間内で通過
させることにより、連続的にフィルムの熱処理を行って
もよい。本発明の熱処理条件を採用すれば、ポリ(メ
タ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物から、高湿
度条件下でも高度の酸素ガスバリヤー性を有するフィル
ムを得ることができ、しかも、このフィルムは、水や沸
騰水に対して不溶性となり耐水性を有している。本発明
のガスバリヤー性フィルムは、単独または他のフィルム
とのラミネートフィルムとして、特に食品包装材料の分
野に好適である。
【0035】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。
【0036】[実施例1及び比較例1〜4]ポリアクリ
ル酸(PAA)として和光純薬工業(株)製のポリアク
リル酸(30℃で8,000〜12,000センチポイ
ズ、数平均分子量150,000)の25重量%水溶液
を用い、水で希釈して10重量%水溶液を調製した。こ
の10重量%PAA水溶液に、PAAのカルボキシル基
のモル数に対して、計算量の水酸化ナトリウムを添加
し、溶解せしめることによって、中和度(DN)が10
%の部分中和物(PAANa)水溶液を調製した。一
方、澱粉類として、和光純薬工業(株)製の可溶性澱粉
(馬鈴薯澱粉を酸により加水分解処理し、水溶性にした
もの)を用い、この10重量%水溶液を調製した。
【0037】上記のPAANa水溶液と可溶性澱粉水溶
液を、表1に示すような種々の重量比(固形分比)にな
るように混合し、混合物の水溶液(濃度10重量%)を
調製した。これらの水溶液を、それぞれ延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(厚み16μmの延伸PET
フィルム)上に、卓上コーター(RK Print−C
oat Instruments社製K303PROO
FER)を用い、メイヤーバーでコーティングを行っ
た。次いで、ドライヤーを用いて水を蒸発させ、厚み3
μmの乾燥皮膜を得た。この乾燥皮膜が形成された延伸
PETフィルムを厚紙にビニルテープで固定し、オーブ
ン中で200℃で15分間熱処理した。各熱処理フィル
ム(厚み3μm)について、30℃、80%RHの条件
下で測定した酸素透過度を表1に示す。
【0038】また、比較例として、PAA単独を用いて
同様に処理して得られた熱処理フィルム(比較例1)、
PAANa単独を用いて同様に処理して得られた熱処理
フィルム(比較例2)、可溶性澱粉単独を用いて同様に
処理して得られた熱処理フィルム(比較例3)、及びP
AANaと可溶性澱粉との混合物フィルムであって、熱
処理を行わなかったフィルム(比較例4)の酸素透過度
についても、併せて表1に示す。また、表1の実施例の
結果を図1にグラフ化して示す。
【0039】<酸素透過度の測定>コーティングフィル
ムの酸素透過度の測定は、Modern Contro
l社製の酸素透過試験器OX−TRAN 2/20を用
いて、延伸PETフィルム及びフィルムが形成された延
伸PETフィルム(積層物)の酸素透過度を測定し、以
下の計算式によりコート層(フィルム)の酸素透過度P
filmを算出した。 1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPETtotal:フィルムが積層された延伸PETフィルムの
酸素透過度 Pfilm:フィルムの酸素透過度 PPET:延伸PETフィルムの酸素透過度
【0040】
【表1】
【0041】表1から、PAANa:澱粉=95:5〜
20:80、好ましくは90:10〜40:60、より
好ましくは85:15〜50:50の重量比の範囲内に
おいて、高湿度条件下でも優れたガスバリヤー性を有す
るフィルムが得られる。これに対して、PAA単独、P
AANa単独、及び可溶性澱粉単独の各熱処理フィルム
(比較例1〜3)は、酸素透過度が非常に高い。また、
PAANaと可溶性澱粉との混合物フィルムであっても
熱処理を行っていないもの(比較例4)は、非常に高い
酸素透過度を示している。また、実施例1の各熱処理フ
ィルムは、いずれも沸騰水に対して不溶であるのに対
し、比較例1〜4のフィルムは、いずれも沸騰水に溶解
した。
【0042】[実施例2及び比較例5]ポリアクリル酸
の部分中和物(PAANa,DN=10%)と可溶性澱
粉とを重量比70:30で含有する水溶液(濃度10重
量%)を用い、実施例1と同様にして、延伸PETフィ
ルム上にコーティングフィルムを形成し、表2に示す熱
処理時間と熱処理温度で熱処理した後、フィルム厚3μ
m、30℃、80%RHでの酸素透過度を測定した。結
果を表2に示す。また、表2のデータをグラフ化して図
2に示す。なお、表2の中の熱処理条件の中で、140
℃で16時間、140℃で32時間、160℃、180
℃、200℃の条件により得られたフィルムはいずれも
沸騰水に不溶であった。一方、140℃で4時間、14
0℃で8時間の条件により得られたフィルムは沸騰水に
溶解した。
【0043】
【表2】
【0044】表2のデータから、常法により、酸素透過
度(P)と熱処理時間(t,分)との関係について、各
熱処理温度毎にlogPとlogtとの一次回帰直線を
作成し、その結果を図2に示した。次に、各熱処理温度
において、酸素透過度(30℃、80%RH)が10、
100、及び400ml(STP)/m2・day・a
tm{Pa}になる熱処理時間logtを計算し、さら
に、この計算結果に基づいて、熱処理温度(T)とlo
gtとの関係について、一次回帰直線を作成した。
【0045】このようにして得られた回帰分析の結果か
ら、酸素透過度(30℃、80%RH)が400ml
(STP)/m2・day・atm{Pa}以下となる
熱処理条件を求めたところ、次式が得られた。 (a)logt≧−0.0622×T+28.48 〔式中、tは、熱処理時間(分)で、Tは、熱処理温度
(K)である。〕 熱処理温度(T)の範囲は、フィルムの着色やポリマー
成分の分解・溶融などを考慮すると、373≦T≦57
3となる。この熱処理条件を採用すると、本発明のフィ
ルムの30℃、80%RHの条件下で測定した酸素ガス
透過係数が5.00×10-3ml(STP)・cm/m
2・h・atm{Pa}以下のガスバリヤー性が改善さ
れたフィルムとなる。
【0046】同様に、フィルム厚3μm、30℃、80
%RHの条件下で測定した酸素透過度が100ml(S
TP)/m2・day・atm{Pa}以下となる好ま
しい酸素ガスバリヤー性を達成するためには、下記の関
係式(c)を満足させる熱処理条件を採用すればよい。
この熱処理条件(c)により、酸素ガス透過係数(30
℃、80%RH)が1.25×10-3ml(STP)・
cm/m2・h・atm{Pa}以下のフィルムを得る
ことができる。 (c)logt≧−0.0631×T+29.32
【0047】同様に、フィルム厚3μm、30℃、80
%RHの条件下で測定した酸素透過度が10ml(ST
P)/m2・day・atm{Pa}以下の酸素ガスバ
リヤー性を達成するためには、下記の関係式(d)を満
足させる熱処理条件を採用すればよい。この熱処理条件
(d)により、酸素ガス透過係数(30℃、80%R
H)が1.25×10-4ml(STP)・cm/m2
h・atm{Pa}以下のフィルムを得ることができ
る。 (d)logt≧−0.0645×T+30.71
【0048】[実施例3及び比較例6]中和度の異なる
ポリアクリル酸の部分中和物(PAANa,DN=0〜
50%)と可溶性澱粉とを重量比70:30で含有する
水溶液(濃度10重量%)を用い、実施例1と同様にし
て、延伸PETフィルム上にコーティングフィルムを形
成し、200℃で15分間の熱処理を行った後、フィル
ム厚3μm、30℃、80%RHでの酸素透過度を測定
した。結果を表3に示す。また、表3のデータをグラフ
化して図3に示す。なお、中和度(DN)が0%、10
%、20%のポリアクリル酸部分中和物を用いて得られ
たフィルムはいずれも沸騰水に対して不溶であり、一
方、中和度(DN)が50%のポリアクリル酸部分中和
物を用いて得られたフィルムは沸騰水に溶解した。
【0049】
【表3】
【0050】表3及び図3に示す結果から、中和度が2
0%以下のポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを使用す
ることが、酸素ガスバリヤー性に優れたフィルムを得る
上で好ましいことが分かる。
【0051】[実施例4]表4に示す中和剤(アルカ
リ)を用いてPAAを5%、10%及び20%に部分中
和した。PAAまたはPAAの部分中和物と可溶性澱粉
とを70:30の重量比で含有する水溶液(濃度10重
量%)を用い、実施例1と同様にして、延伸PETフィ
ルム上にコーティングフィルムを作成した後、200℃
で15分間熱処理してフィルムを作成した。得られた各
熱処理フィルムについて、酸素透過度(30℃、80%
RH)を測定した。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】表4の結果から、未中和物はもとより、各
種アルカリ金属水酸化物または水酸化アンモニウムを用
いて部分中和したポリ(メタ)アクリル酸を用いて、澱
粉類との混合物フィルムを作成し、熱処理することによ
って、酸素ガスバリヤー性に優れたフィルムの得られる
ことが分かる。特に、中和度が20%以下、より好まし
くは15%以下の部分中和物を用いると、酸素ガスバリ
ヤー性に優れたフィルムの得られることが分かる。ま
た、得られたフィルムは、いずれも沸騰水に対して不溶
であった。
【0054】[実施例5]可溶性澱粉として実施例1で
使用したのと同じものを用い、また、ポリメタクリル酸
(PMAA)として日本純薬工業(株)製のポリメタク
リル酸(AC−30H,数平均分子量50,000)2
0重量%水溶液を用いた。PMAA水溶液に水酸化ナト
リウムを計算量添加することによって、中和度が10%
のPMAA部分中和物(PMAANa)を調製した。次
いで、、PMAA:可溶性澱粉=70:30の重量割合
となる混合物の水溶液(濃度10重量%)、及びPMA
ANa:可溶性澱粉=70:30の重量割合となる混合
物の水溶液(濃度10重量%)を調製し、これらの混合
水溶液を用いて実施例1と同様にして厚み3μmの乾燥
皮膜を作成し、200℃で15分間熱処理を行い、フィ
ルムを得た。フィルムの酸素透過度(フィルム厚3μ
m、30℃、80%RH)は、PMAAと可溶性澱粉か
ら成るものが80ml(STP)/m2・day・at
m{Pa}、PMAANaと可溶性澱粉から成るものが
70ml(STP)/m2・day・atm{Pa}で
あった。そして、いずれのフィルムも沸騰水に不溶であ
った。
【0055】[実施例6]PAAとして和光純薬工業
(株)製のポリアクリル酸(30℃で8,000〜1
2,000センチポイズ、数平均分子量150,00
0)の25重量%水溶液を用い、水で希釈して2及び1
0重量%水溶液を調製した。この2及び10重量%PA
A水溶液に、PAAのカルボキシル基のモル数に対し
て、計算量の水酸化ナトリウムを添加し、溶解せしめる
ことによって、中和度(DN)が10%の部分中和物
(PAANa)水溶液を調製した。
【0056】一方、糖類として、下記のとおり各種単糖
類、糖アルコール、及び多糖類を用い、このうちのアル
ギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム塩、アガロース(電気泳動用)およびペクチン(り
んご製)についてはそれぞれ2重量%水溶液を調整し、
また、これら以外のものについてはそれぞれ10重量%
水溶液を調整した。 単糖類:グルコース、マンノース、ガラクトース〔和
光純薬工業(株)製〕 単糖類の糖アルコール:ソルビトール、マンニトー
ル、ズルシトール、キシリトール、エリトリトール、グ
リセリン〔和光純薬工業(株)製〕 多糖類:プルラン、キトサン(水溶性)、アルギン酸
ナトリウム(100〜150センチポイズ)、デキスト
ラン(数平均分子量(Mw)=32,000〜40,0
00)、デキストラン(Mw=60,000〜90,0
00)、デキストラン(Mw=100,000〜20
0,000)、デキストラン(Mw=200,000〜
300,000)、アガロース(電気泳動用)、ペクチ
ン(りんご製)、ポリ−β−シクロデキストリン、マル
トース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マル
トヘプタオース、マルチトール、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム塩〔以上和光純薬工業(株)製〕 ガラクタン(Aldrich Chemical Co
mpany Inc.製) アミロペクチン(Fluka Chmie AG製)
【0057】その後、上記のPAANa水溶液と各糖類
の水溶液を重量比(それぞれの固形分比)で70:30
(PAANaが70)になるように混合し、混合物の水
溶液を調整した。なお、この時の混合は、前述したPA
Aの2重量%水溶液から作成したPAANa水溶液と糖
類の2重量%水溶液を用いて濃度2重量%水溶液に調整
すること、およびPAAの10重量%水溶液から作成し
たPAANa水溶液と糖類の10重量%水溶液を用いて
濃度10重量%水溶液に調整することにより行った。こ
れらの水溶液を、それぞれ延伸PETフィルム(厚み1
6μm)上に、卓上コーター(RK Print−Co
at Instruments社製K303PROOF
ER)を用い、メイヤーバーでコーティングを行った。
次いで、ドライヤーを用いて水を蒸発させ、厚み3μm
の乾燥皮膜を得た。この乾燥皮膜が形成された延伸PE
Tフィルムを厚紙にビニルテープで固定し、オーブン中
で200℃で15分間熱処理した。各熱処理フィルム
(厚み3μm)について、30℃、80%RHの条件下
で測定した酸素透過度を測定した。結果を表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】表5の結果から、PAANaと各種糖類と
の混合物フィルムを熱処理することにより、酸素ガスバ
リヤー性に優れたフィルムの得られることが分かる。熱
処理条件としては、前記した澱粉類における熱処理条件
を適用することができる。これらのフィルムは、いずれ
も沸騰水に不溶性であった。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、ポリ(メタ)アクリル
酸及び/またはその部分中和物と糖類との混合物から形
成されたフィルムであって、特定の熱処理条件で熱処理
することにより、耐水性(水や沸騰水に不溶性)で、か
つ、高湿度条件下でのガスバリヤー性が顕著に優れたフ
ィルムが提供される。本発明のフィルムは、特に、食品
包装材料として、畜肉、ハム、ソーセージ等の畜肉加工
品やジュース、サイダー等、酸素によって変質し易い食
品、飲料等の包装に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、PAA部分中和物と可溶性澱粉との混
合割合を変化させて得られた熱処理フィルムについて、
PAA部分中和物と可溶性澱粉との重量比と酸素透過度
との関係を示すグラフである。
【図2】図2は、熱処理温度を変化させて得たPAA部
分中和物と可溶性澱粉との混合物からなる熱処理フィル
ムについて、熱処理温度、熱処理時間及び酸素透過度の
関係を示すグラフである。
【図3】図3は、PAA部分中和物と可溶性澱粉との混
合物からなる熱処理フィルムについて、PAAの中和度
と酸素透過度との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリ(メタ)アクリル酸及びポリ
    (メタ)アクリル酸の部分中和物からなる群より選ばれ
    る少なくとも一種のポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー
    と(B)糖類を重量比95:5〜20:80の範囲内で
    含有する混合物から形成されたフィルムであって、温度
    30℃、相対湿度80%の条件下で測定した酸素ガス透
    過係数が5.00×10-3ml(STP)・cm/m2
    ・h・atm{Pa}以下で、沸騰水に不溶性であるこ
    とを特徴とするガスバリヤー性フィルム。
  2. 【請求項2】 (A)ポリ(メタ)アクリル酸及びポリ
    (メタ)アクリル酸の部分中和物からなる群より選ばれ
    る少なくとも一種のポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー
    と(B)糖類を重量比95:5〜20:80の範囲内で
    含有する混合物からフィルムを形成し、次いで、該フィ
    ルムを、下記関係式(a)及び(b)で規定する熱処理
    温度と熱処理時間の関係を満足する条件下で、熱処理す
    ることを特徴とするガスバリヤー性フィルムの製造方
    法。 (a)logt≧−0.0622×T+28.48 (b)373≦T≦573 〔式中、tは、熱処理時間(分)で、Tは、熱処理温度
    (K)である。〕
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