JP3577135B2 - 多層チューブ容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内容物保存性と保香性に優れた多層チューブ容器に関し、さらに詳しくは、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類とを含む混合物から形成された耐水性(水や沸騰水に不溶性)のガスバリヤー性フィルムを中間層として含有する可撓性の多層チューブ容器に関する。本発明の多層チューブ容器は、高度の内容物保存性や保香性が要求される高粘度物資、例えば、練り歯磨き、化粧品、香辛料、ペースト状食品等を収容する絞り出し容器として好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、練り歯磨き、化粧品、香辛料、ペースト状食品などの高粘度物資を収容する容器として、可撓性のある絞り出し容器が使用されている。このような絞り出し容器としては、一般に、アルミニウム箔、あるいはエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの酸素ガスバリヤー性樹脂層を中間層とし、その両側に、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂層を積層した構造の多層チューブ容器が使用されている。中間層の酸素ガスバリヤー性を有する層は、内容物の変質や散逸を防ぎ、多層チューブ容器に内容物保存性と保香性を付与する役割を有している。
【0003】
すなわち、練り歯磨きなどの高粘度物資の包装材料には、外部酸素の侵入による酸化変質や細菌の繁殖を防いだり、水蒸気透過による水分率変化や腐敗促進を避けることにより、品質を維持する性能(内容物保存性)が求められている。また、これらの高粘度物資には、一般に、多種類の香気成分が配合されている。香気成分の減少は、これらの高粘度物資の風味や使用感を損なう。したがって、高粘度物資の包装材料には、香気成分の包装材料への吸着、包装材料を透過しての散逸、外部からの異臭成分の吸着などを防止する性能(保香性)が求められている。さらに、これらの高粘度物資の包装材料には、使用時に内容物を容易に分取できるようにするために、可撓性があって、必要量をその都度絞り出せる容器を形成し得ることが求められている。
【0004】
金属缶やガラス瓶は、ほぼ完璧なガスバリヤー性を有しているが、可撓性がない。そこで、練り歯磨きなどの高粘度物資の包装には、酸素ガスバリヤー性を有するプラスチックフィルムや金属箔、無機材料蒸着膜などを複合化した可撓性のある多層チューブ容器が使用されている。これらの中で、金属箔や無機材料蒸着膜は、もろいため、これらを複合化した多層チューブ容器は、容器作成時や使用時における屈曲などの機械的操作による欠陥の発生で、酸素ガスバリヤー性や保香性が低下しやすい。しかも、金属箔は、不燃性のため、金属箔を複合化した多層チューブ容器を使用後に焼却することが困難である。
【0005】
これに対して、EVOH、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などのフィルムや、PVDCをコートしたPVAフィルムなどは、酸素ガスバリヤー性に優れ、保香性も良好であるため、これらの酸素ガスバリヤー性フィルムを複合化した多層チューブ容器は、練り歯磨きなどの高粘度物資の包装容器としても適していると考えられ、実際にも使用されている例がある。しかしながら、EVOHフィルムやPVAフィルムは、酸素ガスバリヤー性に湿度依存性がある。すなわち、絶乾あるいは低湿度条件下では、酸素ガスバリヤー性が良好であるが、高湿度条件下で吸湿して酸素ガスバリヤー性が著しく低下してしまう。その上、PVAフィルムは、沸騰水に溶解する。また、PVDCは、焼却時に塩素ガスを発生するため、環境汚染の問題がある。
【0006】
近年、練り歯磨きなどの高粘度物資を収容する多層チューブ容器に対しても、高度の内容物保存性や保香性が要求されるようになっている。しかし、従来の酸素ガスバリヤー性フィルムは、前記のような問題点があることに加えて、必ずしも保香性が高度に優れているとはいえない。保香性が良いとされているEVOHやPVAなどの酸素ガスバリヤー性フィルムでも、比較的短期間で多くの種類の香気成分が透過してしまう。また、これらの酸素ガスバリヤー性フィルムと積層して用いられるポリオレフィン系樹脂フィルム、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなども、短期間で香気成分が散逸してしまう。したがって、内容物保存性及び保香性に優れ、可撓性のある多層チューブ容器を形成することができ、しかも環境問題発生のおそれの少ない酸素ガス及び香気成分に対するバリヤー材料が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、練り歯磨き、化粧品、香辛料、ペースト状食品などの高粘度物資を収容する容器であって、高度の内容物保存性と保香性を有し、環境汚染のおそれが少なく、可撓性のある多層チューブ容器を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物を含有する溶液を耐熱性樹脂層の上に塗工し、乾燥して皮膜を形成した後、該皮膜を100℃以上の温度で熱処理して得られたフィルムが耐水性及び酸素ガスバリヤー性に優れると共に、高度の香気成分バリヤー性を有することを見いだした。そして、このバリヤー性フィルム層/耐熱性樹脂層からなる積層フィルムをポリオレフィン系樹脂フィルムと複合化して多層チューブ容器を作成したところ、内容物保存性と保香性が高度に優れ、可撓性のある絞り出し容器が得られることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、耐熱性樹脂層(A)、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類とを重量比95:5〜20:80の範囲内で含有する混合物から形成され、沸騰水に不溶性であって、かつ、30℃、相対湿度80%で測定した酸素透過係数が5.00×10 -3 ml(STP)・cm/m 2 ・h・atm{pa}以下の耐水性のガスバリヤー性フィルム層(B)、及びポリオレフィン系樹脂層(C)がこの順で積層された少なくとも3層の積層構造を有する多層フィルムから形成された多層チューブ容器が提供される。
以下、本発明について詳述する。
【0009】
ガスバリヤー性フィルム
本発明では、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類とを重量比95:5〜20:80の範囲内で含有する混合物から形成された耐水性の酸素ガスバリヤー性フィルムを用いる。このフィルムは、温度30℃、相対湿度80%(80%RH)の条件下で測定した酸素(酸素ガス)透過係数が5.00×10−3ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下であることが好ましい。また、このフィルムは、水及び沸騰水に対して不溶性を示す耐水性を有するものである。このようなガスバリヤー性フィルムは、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物を含有する溶液(例、水溶液)を用いて製膜化し、100℃以上の温度で熱処理することにより得ることができる。
【0010】
ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸、及びその部分中和物を挙げることができる。本発明で使用するポリ(メタ)アクリル酸は、カルボキシル基を2個以上含有する化合物であって、具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、あるいはこれらの2種以上の混合物などである。ポリ(メタ)アクリル酸の数平均分子量は、特に限定されないが、2,000〜250,000の範囲が好ましい。
【0011】
ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物は、ポリ(メタ)アクリル酸のカルボキシル基をアルカリで部分的に中和する(即ち、カルボン酸塩とする)ことにより得ることができる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。部分中和物は、通常、ポリ(メタ)アクリル酸の水溶液にアルカリを添加することにより得ることができる。この部分中和物は、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩などである。
【0012】
ポリ(メタ)アクリル酸とアルカリの量比を調節することにより、所望の中和度とすることができる。ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物の中和度は、得られるフィルムの酸素ガスバリヤー性の程度を基準として、選択することが好ましい。この中和度が0〜20%の場合には、熱処理条件及び両成分の混合割合を選択することにより、ガスバリヤー性に優れたフィルムを得ることができる。しかし、中和度が20%を越える場合には、ガスバリヤー性が低下する傾向を示す。したがって、ガスバリヤー性の観点からは、ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物の中和度は、通常、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは5〜15%とすることが望ましい。なお、中和度は、下記の式により求めることができる。
中和度=(X/Y)×100
X:部分中和されたポリ(メタ)アクリル酸1g中の中和されたカルボキシル基のモル数である。
Y:部分中和する前のポリ(メタ)アクリル酸1g中のカルボキシル基のモル数である。
【0013】
糖 類
本発明では、糖類(糖質類ともいう)として、単糖類、オリゴ糖類、及び多糖類を使用する。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体・誘導体なども包含される。これらの糖類は、水に溶解性のものが好ましい。
【0014】
<単糖類>
単糖類とは、糖類のうちで加水分解によってそれ以上簡単な分子にならない基本物質で、オリゴ糖類や多糖類の構成単位となるものである。単糖類は、通常、一般式C2nで表されるが、そのうち、炭素数(n)が2、3、4、5、6、7、8、9及び10であるものを、それぞれジオース、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース、ノノース、及びデコースと呼ぶ。
単糖類は、アルデヒド基を持つものをアルドース、ケトン基を持つものをケトースと分類する。n=3以上のものは、不斉炭素原子を持ち、不斉炭素の数に応じて立体異性体が多数あり得るが、天然に知られているものはその一部である。天然に存在するものは、ペントースとヘキソースが多い。
本発明で使用する単糖類としては、n=5以上の鎖式多価アルコールのアルデヒドであるアルドースが、天然に多量に存在するために好ましい。このような単糖類としては、例えば、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロースなどが挙げられるが、その中でも、グルコースとガラクトースがより好ましい。単糖類は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
<糖アルコール>
糖アルコールとは、アルドースまたはケトースを還元して得られるポリヒドロキシアルカンである。
本発明で使用する糖アルコールとしては、鎖式多価アルコールが好ましい。このような糖アルコールは、一般式C2n+1で表すことができる。nが3、4、5、6、7、8、9及び10の場合、それぞれトリトール、テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトール、ノニトール、及びデシトールと呼ぶ。それぞれの糖アルコールには、不斉炭素原子の数に応じて立体異性体が多数存在する。
本発明では、n=3〜6の糖アルコールを用いることが好ましい。糖アルコールの具体例としては、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、キシリトール、エリトリトール、グリセリンなどを挙げることができる。糖アルコールは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
<オリゴ糖類>
2個以上10個ぐらいまでの単糖がグリコシド結合によって結ばれた構造をもつものをオリゴ糖(少糖)という。単糖の数によって、二糖、三糖、四糖、五糖などに分類される。具体例としては、スクロース、ラクトース、トレハロース、セロビオース、マルトース、ラフィノース、スタキオースなどが挙げられる。また、これらのオリゴ糖の末端をアルコール化したもの(末端アルコール化オリゴ糖、例えば、マルチトールなど)も使用できる。
【0017】
<多糖類>
多糖類とは、単糖類がポリグリコシル化した高分子化合物(重合度10以上)の総称であり、構成糖の種類が1種の場合をホモ多糖(ホモグリカン)、2種以上のものをヘテロ多糖(ヘテログリカン)という。多糖類は、動物・植物・微生物界に、貯蔵多糖(澱粉類など)、構造多糖(セルロースなど)、機能多糖(ヘパリンなど)として広く存在する。
天然多糖類は、主にアルドヘキソース及びアルドペントースを構成単位とし、それらが、グリコシド結合で直鎖状、分岐状または環状に繋がった高分子化合物である。アルドペントース及びアルドヘキソースは、C1位のアルデヒドとC5位のアルコールとの間で、分子内ヘミアセタール結合によりピラノース環と呼ばれる6員環構造を形成する。天然多糖類分子中のアルドヘキソース及びアルドペントースは、主にこのピラノース環構造をとっている。
【0018】
天然多糖類の構成単位であるアルドヘキソース及びアルドペントースには、中性単糖の他、中性単糖の硫酸エステル、りん酸エステル、その他有機酸エステルやメチルエーテル、第一アルコール基だけをカルボキシル基に酸化したウロン酸、アルドヘキソースのC2位の水酸基がアミノ基に置換されたヘキソサミンやその誘導体としてN−アセチルヘキソサミン、C3位とC6位の水酸基間でエーテルを形成した3,6無水化アルドヘキソース等が含まれる。
天然多糖類は、動植物界に広く分布し、植物中には、高等植物や海藻類の細胞壁構成成分及び細胞壁構成に関与しないもの、微生物類の細胞構成成分として存在する。高等植物や海藻類の細胞壁構成に関与しないものとしては、細胞液に含まれる粘質物や澱粉等の貯蔵物質がある。動物中では、グリコーゲン等の貯蔵物質やヘパリンやコンドロイチン硫酸等の粘液の構成成分として存在する。
【0019】
天然多糖類をその構成成分によって分類すると、中性多糖、酸性多糖、塩基性多糖に分類される。中性多糖には、ホモ多糖として、マンナンやグルカンがある。また、ヘテロ多糖としては、ヘキソースのみからなるものがコンニャクやグァラン等に含まれており、ペントースのみからなるものがキシランやアラボキシラン等に含まれている。一方、ヘキソースとペントースを含むものとしてはタマリンドやナシカズラ等が知られている。酸性多糖としては、ウロン酸のみを含むもの、ガラツロン酸と中性糖を含むものとしてトロロアオイやペクチン等が、グルクロン酸と中性糖を含むものとしてカミツレ、クサスギカズラ等があり、その他に中性糖の硫酸エステル、りん酸エステル、有機酸エステル、メチルエーテルや3,6無水物を含む酸性多糖がある。塩基性多糖としては、グルコサミンやガラクトサミンを構成単糖として含むものがある。
本発明で使用する多糖類には、これら天然多糖類の他に、これらの多糖類を有機酸や無機酸、さらにはそれらの多糖類の加水分解酵素を触媒として、固相、液相または固液混合相にて、必要に応じて熱を加えることにより、加水分解して得られたもの、天然多糖類及びそれらに前述の加水分解処理をほどこしたものに、さらに加工処理を加えたものも含まれる。
【0020】
天然多糖類やそれらの加水分解物に対する加工処理としては、以下のようなものが例示される。
▲1▼無機酸や有機酸によるエステル化処理やアリルエーテル化、メチルエーテル化、カルボキシメチルエーテル化等のエーテル化処理。
▲2▼カチオン化処理:例えば、天然多糖類やそれらの加水分解物と、2−ジエチルアミノエチルクロライドや2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドとを反応させる方法が挙げられる。
▲3▼架橋処理:例えば、ホルムアルデヒド、エピクロルヒドリン、りん酸、アクロレイン等を用いて架橋する方法が挙げられる。
▲4▼グラフト化処理:例えば、天然多糖類やそれらの加水分解物に、各種モノマーをグラフト重合させる方法が挙げられる。モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、t−ブチルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、アクリロニトリル、スチレン、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0021】
これら天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の中でも、水に可溶なものが好ましい。また、水に可溶な天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の中でも、その構成単糖がグルコースであるホモ多糖類がより好ましい。グルコースのホモ多糖類としては、例えば澱粉類、セルロース類、デキストラン、プルラン、水溶性のキチン類、キトサン類等がある。
本発明では、前記天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の代わりに、それらの糖アルコールを用いることができる。ここでいう天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の糖アルコールとは、それらの還元性末端のC1位のカルボニル基を還元してアルコールにしたものをいう。それ以外にも、本発明では、糖の分子鎖が環状につながったシクロデキストリン等の糖類も用いることができる。本発明で使用する多糖類は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
<澱粉類>
澱粉類は、前記多糖類に包含されるが、本発明で使用される澱粉類について、以下により詳細に説明する。
本発明で使用する澱粉類としては、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性澱粉)のほか、各種の加工澱粉がある。
加工澱粉としては、例えば、▲1▼アルファー化澱粉、分離精製アミロース、分離精製アミロペクチン、湿熱処理澱粉などの物理的変性澱粉、▲2▼加水分解デキストリン、酵素分解デキストリン、アミロースなどの酵素変性澱粉、▲3▼酸処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉などの化学分解変性澱粉、▲4▼エステル化澱粉(酢酸エステル化澱粉、こはく酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、りん酸エステル化澱粉、尿素りん酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉等)、エーテル化澱粉(アリルエーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉等)、カチオン化澱粉(澱粉と2−ジエチルアミノエチルクロライドとの反応物、澱粉と2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドとの反応物等)、架橋澱粉(ホルムアルデヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉、りん酸架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉等)などの化学変性澱粉、▲5▼各種澱粉類にモノマーをグラフト重合したグラフト化澱粉〔モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、t−ブチルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、アクリロニトリル、スチレン、無水マレイン酸、イタコン酸等がある。〕などが挙げられる。
これらの澱粉類の中でも、水に可溶性の加工澱粉が好ましい。澱粉類は、含水物であってもよい。また、これらの澱粉類は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】
ガスバリヤー性フィルムの製造法
ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物を得るには、各成分を水に溶解させる方法、各成分の水溶液を混合する方法、糖類水溶液中で(メタ)アクリル酸モノマーを重合させた後、所望によりアルカリで中和する方法、などが採用される。ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類とは、水溶液にした場合、均一な混合溶液が得られる。水以外に、アルコールなどの溶剤、あるいは水とアルコールなどとの混合溶剤を用いてもよい。
これらの混合物からフィルムを形成する方法は、特に限定されないが、例えば、混合物の水溶液をガラス板やプラスチックフィルム等の支持体上に流延法などにより塗工し、乾燥して皮膜を形成させる方法(溶液流延法)、あるいは混合物の高濃度の水溶解液をエキストルーダーにより吐出圧力をかけながら細隙から膜状に流延する方法などにより塗工し、含水フィルムを回転ドラムまたはベルト上で乾燥する方法(押出法)などがある。これらの製膜法の中でも、特に、溶液流延法は、透明性に優れた乾燥皮膜を容易に得ることができるため好ましい。
【0024】
溶液流延法を採用する場合には、固形分濃度は、通常、1〜30重量%、好ましくは5〜30重量%程度とする。水溶液または水溶解液を作成する場合、所望によりアルコールなど水以外の溶剤や柔軟剤等を適宜添加してもよい。また、予め、可塑剤や熱安定剤等を少なくとも一方の成分に配合しておくこともできる。フィルムの厚みは、使用目的に応じて適宜定めることができ、特に限定されないが、通常、0.1〜500μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm程度である。
ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合比(重量比)は、酸素ガスバリヤー性の観点から、95:5〜20:80であり、好ましくは90:10〜40:60、より好ましくは85:15〜50:50である。この範囲内において、高湿度条件下でも優れた酸素ガスバリヤー性及び香気成分バリヤー性を有するフィルムが得られる。
【0025】
糖類の割合が80重量%超過の場合には、得られる熱処理フィルムの高湿度条件下での酸素ガスバリヤー性及び香気成分バリヤー性が低下するおそれがある。糖類の割合が5重量%未満であると、熱処理フィルムが着色したり、加工性や透明性が損なわれるおそれがあり、酸素ガスバリヤー性及び香気成分バリヤー性も改善されない。
ガスバリヤー性フィルムには、各種添加剤を含有させることができるが、その中でも特に、着色防止や酸素ガスバリヤー性向上のために、次亜りん酸塩を含有させることが好ましい。次亜りん酸塩としては、次亜りん酸のナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩、次亜りん酸のカルシウムなどのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。次亜りん酸塩は、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物1g当たり、通常、1×10−5〜3×10−3モル、好ましくは1×10−5〜2×10−3モル、より好ましくは5×10−4〜1.4×10−3モルの範囲である。
【0026】
ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物から耐水性及び酸素ガスバリヤー性に優れたフィルムを得るには、混合物の溶液を用いて製膜した後、乾燥皮膜を特定の条件で熱処理することが必要である。酸素透過度が小さなフィルムを作成するには、熱処理温度が高い場合には、比較的短時間でよいが、熱処理温度が低くなるほど長時間を必要とする。高湿度条件下でも実用性のあるガスバリヤー性フィルムとしては、フィルム厚3μm、30℃、80%RHでの酸素透過度が400ml(STP)/m・day・atm{Pa}以下であることが望ましい。この酸素透過度は、酸素透過係数5.00×10−3ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下に対応する。
【0027】
熱処理温度、熱処理時間、及び酸素透過度に関する実験データを整理すると、前記以下の酸素透過係数をポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物フィルムにより達成するには、乾熱雰囲気中、熱処理温度と熱処理時間が下記の関係式(1)及び(2)を満足する条件で乾燥皮膜を熱処理することが必要であることが判明した。このような熱処理により、乾燥皮膜は、水及び沸騰水に対して不溶性となり、耐水性が付与される。
(1)logt≧−0.0622×T+28.48
(2)373≦T≦623
〔式中、tは、熱処理時間(分)で、Tは、熱処理温度(K)である。〕
この熱処理は、例えば、フィルムまたは支持体とフィルムの積層物を所定温度に保持したオーブン中に所定時間入れることにより行うことができる。また、所定温度に保持したオーブン中を所定時間内で通過させることにより、連続的にフィルムの熱処理を行ってもよい。
【0028】
本発明において、30℃、80%RHの条件下(フィルム厚み3μm)で測定した酸素透過度が100ml(STP)/m・day・atm{Pa}以下となる好ましい酸素ガスバリヤー性を達成するためには、上記関係式(1)にかえて下記の関係式(3)を満足させる熱処理条件を採用すればよい。Tは、上記関係式(2)を満足するものとする。
(3)logt≧−0.0631×T+29.32
熱処理条件(3)によって、酸素透過係数(30℃、80%RH)が1.25×10−3ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下の耐水性ガスバリヤー性フィルムを得ることができる。
【0029】
30℃、80%RHの条件下(フィルム厚み3μm)で測定した酸素透過度が10ml(STP)/m・day・atm{Pa}以下となる酸素ガスバリヤー性を達成するためには、前記関係式(1)にかえて下記の関係式(4)を満足させる熱処理条件を採用すればよい。Tは、上記関係式(2)を満足するものとする。
(4)logt≧−0.0645×T+30.71
熱処理条件(4)によって、酸素透過係数(30℃、80%RH)が1.25×10−4ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下の耐水性ガスバリヤー性フィルムを得ることができる。
【0030】
30℃、80%RHの条件下(フィルム厚み3μm)で測定した酸素透過度が1ml(STP)/m・day・atm{Pa}以下となる酸素ガスバリヤー性を達成するためには、前記関係式(1)にかえて下記の関係式(5)を満足させる熱処理条件を採用すればよい。Tは、上記関係式(2)を満足するものとする。
(5)logt≧−0.0659×T+32.11
熱処理条件(5)によって、酸素透過係数(30℃、80%RH)が1.25×10−5ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下の耐水性ガスバリヤー性フィルムを得ることができる。
【0031】
熱処理手段としては、オーブンなどの乾熱雰囲気だけではなく、例えば、熱ロールまたは熱ロール群と接触させる方法なども採用できる。
乾燥皮膜を熱ロールと接触させる場合、乾熱雰囲気下におけるのと比較して、より短時間で効率よく熱処理を行うことができる。熱ロールを使用して熱処理を行う場合、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物から形成した乾燥皮膜を、下記の関係式(a)及び(b)を満足する条件で熱処理することにより、酸素透過係数(30℃、80%RH)が1.25×10−3ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下の耐水性ガスバリヤー性フィルムを得ることができる。
(a)logt≧−0.0041×T+0.20
(b)373≦T≦623
〔式中、tは、熱処理時間(分)で、Tは、熱処理温度(K)である。〕
【0032】
酸素透過係数(30℃、80%RH)が1.25×10−4ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下の耐水性ガスバリヤー性フィルムを得るためには、上記関係式(a)にかえて、下記の関係式(c)を満足させる条件で熱処理すればよい。Tは、上記関係式(b)を満足するものとする。
(c)logt≧−0.0344×T+15.9
酸素透過係数(30℃、80%RH)が1.25×10−5ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下の耐水性ガスバリヤー性フィルムを得るためには、上記関係式(a)にかえて、下記の関係式(d)を満足させる条件で熱処理すればよい。Tは、上記関係式(b)を満足するものとする。
(d)logt≧−0.0648×T+31.6
酸素透過係数〔ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}〕は、フィルム厚さ3μmでの酸素透過度〔ml(STP)/m・day・atm{Pa}〕に、1.25×10−5・cmを乗ずることにより求めることができる。
【0033】
いずれの熱処理法においても、熱処理温度(T)は、373〜623K(100〜350℃)の範囲から選択される。この熱処理温度が低い範囲では、高度のガスバリヤー性フィルムを得るには、非常に長時間の熱処理時間を必要とし、生産性が低下する。熱処理温度が高くなるほど、短い熱処理時間で高度のガスバリヤー性を得ることができるが、高過ぎると変色や分解のおそれがある。そこで、熱処理温度(T)の上限は、好ましくは573K(300℃)である。また、熱処理温度(T)の下限は、好ましくは433K(160℃)である。
熱処理時間の下限は、所定の熱処理温度において、好ましくは酸素透過係数(30℃、80%RH)が5.00×10−3ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下の耐水性ガスバリヤー性フィルムが得られる時間とするが、熱処理時間の上限は、フィルムの変色や分解が生じない範囲内とする。
【0034】
乾熱雰囲気下における熱処理条件は、好ましくは433〜523K(160〜250℃)で4時間〜1分間、より好ましくは453〜523K(180〜250℃)で2時間〜1分間、最も好ましくは473〜523K(200〜250℃)で30〜1分間である。
熱ロールなどの加熱体との接触下における熱処理条件は、好ましくは433〜523K(160〜250℃)で180〜3秒間、より好ましくは453〜523K(180〜250℃)で120〜3秒間、最も好ましくは473〜523K(200〜250℃)で60〜3秒間である。
【0035】
いずれの熱処理条件においても、熱処理温度が低い場合には、長い熱処理時間で熱処理を行い、熱処理温度を高くするにしたがって熱処理時間を短縮する。そして、所望の酸素ガスバリヤー性と耐水性が達成され、一方では、所定の熱処理温度でフィルムの変色や分解を生じない処理時間を採用する。生産性の観点からは、前記の熱処理条件の範囲内において、比較的高温の熱処理温度で、短時間の熱処理時間を採用することが望ましい。
本発明の熱処理条件を採用すれば、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物から、高湿度条件下でも高度の酸素ガスバリヤー性及び香気成分バリヤー性を有するフィルムを得ることができ、しかも、このフィルムは、熱処理によって耐水性が付与されており、水及び沸騰水に対して不溶性となる。ここで、沸騰水に不溶性であるとは、ガスバリヤー性フィルムを95℃の沸騰水に10分間浸漬させても不溶性であることを意味する。
【0036】
耐熱性樹脂層
本発明で使用する多層の包装材料は、前記ガスバリヤー性フィルムが耐熱性樹脂層に隣接して積層された積層構造を含有するものである。
耐熱性樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6・66共重合体、ナイロン6・12共重合体などのナイロン(ポリアミド)フィルム、延伸ポリプロピレンフィルムなどを挙げることができる。これらの中でも、特に、PETやナイロン6などの融点またはビカット軟化点が180℃以上の熱可塑性樹脂から形成された耐熱性フィルムは、高温での寸法安定性が良好であるため、その上にポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物の溶液を塗工し、熱処理してガスバリヤー性フィルムを形成することができ、しかもガスバリヤー性フィルムとの密着性に優れているなどの点から、特に好ましい。融点は、JIS K7121により、ビカット軟化点は、JIS K7206により、それそれ測定することができる。
【0037】
耐熱性樹脂層(A)とガスバリヤー性フィルム層(B)とを積層するには、接着剤層を介しまたは介することなく、コーティング法、ドライラミネート法、押出コーティング法など公知の積層法を採用することができるが、これらの積層法の中でも、コーティング法が好ましい。その理由は、ガスバリヤー性フィルムは、通常、溶液流延法によって、混合物溶液を支持体上に流延し、乾燥させて皮膜を形成させた後、高温で熱処理する方法により形成されること、また、該ガスバリヤー性フィルム単体では、強靭性が不十分であることなどを勘案すると、延伸PETフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムなどの耐熱性フィルムを支持体として使用し、その上に、溶液流延法及びその後の熱処理によって、ガスバリヤー性フィルムを形成することが好ましいからである。
【0038】
コーティング法(流延法を含む)では、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類の混合物溶液を、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイコーターなどの装置、あるいは、それらを組み合わせた装置を用いて、耐熱性樹脂層の上に、所望の厚さにコーティング(塗工)し、次いで、アーチドライヤー、ストレートバスドライヤー、タワードライヤー、ドラムドライヤーなどの装置、あるいは、それらを組み合わせた装置を用いて、熱風の吹付けや赤外線照射などにより水分を蒸発させて乾燥させ、皮膜を形成させた後、熱処理する。
【0039】
ポリオレフィン系樹脂層
本発明では、耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)の積層フィルムの少なくとも片面に、ポリオレフィン系樹脂層を積層した多層フィルムを使用する。片面に積層する場合には、ガスバリヤー性フィルム層(B)の側にポリオレフィン系樹脂層(C)を積層する。この場合、耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(C)からなる多層フィルムが得られる。ポリオレフィン系樹脂層(C)は、通常、シール性層として使用されるが、ガスバリヤー性フィルム層(B)を保護する役割も担っている。ポリオレフィン系樹脂は、前記積層フィルムの両面に積層してもよい。この場合、ポリオレフィン系樹脂層(D)/耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(C)からなる多層フィルムが得られる。
なお、ポリオレフィン系樹脂層(C)は、上記役割を担うことができる他の熱可塑性樹脂で替えることも可能であるが、ポリオレフィン系樹脂が最も好ましいものである。
【0040】
ポリオレフィン系樹脂層は、接着剤層を介しまたは介することなく、ガスバリヤー性フィルム層(B)または耐熱性樹脂層(A)に積層するが、接着剤層を介して積層することが好ましい。接着剤としては、一般に各種ドライラミネート等に使用されているウレタン系、アクリル系、ポリエステル系などの接着剤を挙げることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、これらの2種以上のブレンド物等が挙げられる。その他、メタロセン触媒の存在下に重合して得られるポリエチレン、ポリプロピレンなども使用することができる。
【0041】
ポリオレフィン系樹脂層は、ASTM D638で測定した弾性率が、通常、700〜9000kg/cm、好ましくは700〜4000kg/cmであることが好ましい。また、絞り出し特性を改善するために、ポリオレフィン系樹脂に、少量の熱可塑性エラストマー(TPE)を添加することができる。最内層には、多層チューブ容器の底部でのヒートシール性やインパルスシール性などが良好なものが望ましいが、これを損なわない限り、内容物(高粘度物資)との親和性、濡れ性の改善のため、ポリオレフィン系樹脂にEVOHなどの親水性樹脂、酸化ワックスなどをブレンドすることもできる。
最外層に配置するポリオレフィン系樹脂層には、着色剤を配合することができる。着色剤としては、例えば、チタンホワイト、硫化亜鉛、バイオレットオレンジ、酸化鉄、コバルトブルー、群青、アゾ系染料、カーボンブラック、ベンジンイエロー、フタロシニアブルー、アンチモン白、コバルトブルーなどが挙げられる。
【0042】
多層チューブ容器
本発明の多層チューブ容器を形成するための多層フィルムの積層構成は、例えば、以下のものが挙げられる。ただし、接着剤層の記載は省略する。
1.耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(C)
2.ポリオレフィン系樹脂層(D)/耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(C)
3.ポリオレフィン系樹脂層(C)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(C)
4.他の樹脂層/耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(C)
5.他の樹脂層/ポリオレフィン系樹脂層(D)/耐熱性樹脂層(A)/ガスバリヤー性フィルム層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(C)
ガスバリヤー性フィルム層(B)は、前記したとおり、耐熱性樹脂層(A)の上に塗工して形成する方法が好ましい。ポリオレフィン系樹脂層やその他の付加的な樹脂層は、押出コート法、ラミネート法、コーティング等の積層法により積層することができる。
【0043】
本発明の各層には、所望により、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、顔料、充填剤、帯電防止剤などの各種添加剤を添加することができる。
本発明の積層体において、ガスバリヤー性フィルム層(B)の厚みは、前記したとおりである。耐熱性樹脂層(A)の厚みは、特に限定されないが、機械的強度、柔軟性、経済性などの観点から、通常、5〜1000μm、好ましくは10〜500μmである。シール層となるポリオレフィン系樹脂層(C)の厚みは、特に限定されないが、シール強度、柔軟性、経済性などの観点から、通常、5〜1000μm、好ましくは10〜500μmである。
【0044】
本発明の積層体の製造方法は、既に述べたとおりであるが、特に好ましい態様としては、耐熱性樹脂層(A)の上に、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類とを重量比95:5〜20:80の範囲内で含有する溶液を塗工し、乾燥して皮膜を形成させた後、乾燥皮膜を100℃(373K)以上の温度で熱処理することにより、耐水性であって、温度30℃、80%RHの条件下で測定した酸素透過係数が5.00×10−3ml(STP)・cm/m・h・atm{Pa}以下のガスバリヤー性フィルム層(B)を形成させる工程を含む少なくとも隣接した(A)及び(B)の2層の積層構造を有する積層フィルムを作成し、次いで、ポリオレフィン系樹脂層を接着剤を介して、少なくとも片面に積層する方法を挙げることができる。
【0045】
本発明の多層チューブ容器は、特定の多層フィルムを使用すること以外は、公知の構造のもので、公知の製造方法が適用可能である。多層チューブ容器は、例えば、図1に示すように、多層フィルムを筒状にして、重ね合わせ部をシールすると共に、筒状体1の一方の端部には、射出成形により作られたネジ部付きプラスチック製口部2を接合し、他端3をシールして閉じることにより作成することができる。口部2には、蓋(ヒンジキャップなど)4をかぶせる。
本発明の多層チューブ容器の最外層には、通常、文字、図形、模様等の印刷を施す。印刷の脱着を防止するために、アクリル系、エポキシ系、エポキシ−ビニル系などのトップコートを施すことができる。中身の減り具合を知ることが可能なように、縦方向に、一部をスリット状に印刷を抜くこともできる。
本発明の多層チューブ容器の肉厚は、特に限定するものではないが、一般に、0.15〜1.0mm、好ましくは、0.2〜0.7mmの範囲である。肉厚が1.0mmを越えると可撓性が欠けるおそれがあり、一方、肉厚が0.15mm未満では、強靭性が十分ではない。
【0046】
【実施例】
以下、参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。
【0047】
[参考例1〜7]
(A)耐熱性樹脂層/ガスバリヤー性フィルム層の積層構成を持ったフィルムの作成
ポリアクリル酸(PAA)として、和光純薬工業(株)製ポリアクリル酸(30℃での粘度8,000〜12,000センチポイズ、数平均分子量150,000)の25重量%水溶液を用い、水で希釈して10重量%水溶液を調整した。この10重量%PAA水溶液に、PAAのカルボキシル基のモル数に対して、計算量の水酸化ナトリウムを添加し、溶解せしめることによって、中和度が10%の部分中和物(PAANaと略記)水溶液を調製した。一方、糖類として、和光純薬工業(株)製の可溶性澱粉(馬鈴薯澱粉を酸により加水分解処理し、水溶性にしたもの)を用い、この10重量%水溶液を調整した。
PAANaと可溶性澱粉が重量比で80:20(参考例1)、70:30(参考例2)、及び50:50(参考例3)となるように上記水溶液を混合し、各10重量%水溶液を調製した。得られた各水溶液を、3本リバースロールコーターを用いて、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム:厚み12μm、結晶融点264℃)上に、乾燥厚みが3μmになるように塗工し、乾燥して、皮膜を形成させた。次いで、230℃に加熱したロールで皮膜を40秒間熱処理し、PETフィルム/ガスバリヤー性フィルムの積層構成を持ったフィルム(ロール原反)を得た。
【0048】
また、参考例4として、前記PAA水溶液(10重量%)と可溶性澱粉水溶液を、PAAと可溶性澱粉が重量比で70:30となるように混合し、混合物1g当り1.31×10−3モルの次亜りん酸ナトリウムを添加し、参考例1〜3と同様な方法でPETフィルム/ガスバリヤー性フィルムの積層構成を持ったフィルム(ロール原反)を作成した。
このようにして得られた各フィルム(ロール原反)について、ガスバリヤー性フィルムの酸素透過度を以下の方法により測定した。結果を表1に示す。なお、ガスバリヤー性フィルムは、いずれも沸騰水(95℃)に不溶であった。
【0049】
<酸素透過度の測定>
ASTM D3985に従い、Modern Control社製の酸素透過試験器OX−TRAN 2/20型を用い、30℃、80%RHの条件下でPETフィルム及びPETフィルム/ガスバリヤー性フィルムの積層構成を持ったフィルムの酸素透過度を測定し、以下の計算式により、ガスバリヤー性フィルムの酸素透過度Pfilmを算出した。
1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPET
total:PETフィルム/ガスバリヤー性フィルムの積層構成を持ったフィルムの酸素透過度
film:ガスバリヤー性フィルムの酸素透過度
PET:PETフィルムの酸素透過度
【0050】
一方、比較のために、EVOHフィルム(エチレン含有率32モル%、厚み15μm)、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム:厚み50μm、結晶融点160℃)、及び延伸PETフィルムの酸素透過度を測定した。結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0003577135
は(*1)次亜りん酸ナトリウムを添加
(*2)厚み15μmでの酸素透過度
(*3)厚み50μmでの酸素透過度
(*4)厚み12μmでの酸素透過度
【0052】
[実施例1〜5、比較例1〜3]
(B)多層チューブ容器の作成
上記参考例1〜4のフィルム(ロール原反)及び参考例5〜7のフィルムを使用し、その両面にポリエチレンフィルム(PEフィルム:厚み150μm、弾性率2000kg/cm)を接着剤(東洋モートン社製、主剤:アドコート335A、硬化剤:CAT10)を介してドライラミネートし、多層フィルムを得た。接着剤の厚みは3μmであった。なお、実施例3では、参考例2のフィルム(ロール原反)の片面(ガスバリヤー性フィルム側)にPEフィルムを接着剤を介してドライラミネートしたものを作成した。
得られた多層フィルムを筒状にシールし、一方の端をシールし、残りの端に、口部を取り付け、表面積が200cmの多層チューブ容器を作成した。このようにして得られた多層チューブ容器に“ねりはみがき(花王(株)製クリアクリン)”あるいは“おろしにんにく”を5g入れ、口部をシールした後、多層チューブ容器を内容積600cmの集気びんに入れ、ガラス栓で密封し、40℃で24時間保存した。その後、新コスモス電機(株)製ポータブルニオイセンサーXP−329型を用い、臭気びん中のにおいを測定した。その結果を表2に示した。数字が大きい程、多層チューブ容器から透過するにおい成分が多いことを示している。
また、得られた多層チューブ容器にd−リネモンを1g入れ、口部をシールし、23℃、60%RHの条件下で10日間保存した後、d−リモネンの残存重量を測定し、d−リモネン保存率を測定した。結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
Figure 0003577135
(*1)次亜りん酸ナトリウムを添加
表2から、実施例1〜5は、比較例1〜3よりも、保香性や保存性が優れていることがわかる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、練り歯磨き、化粧品、香辛料、ペースト状食品などの高粘度物資を収容する容器であって、高度の内容物保存性と保香性を有し、環境汚染のおそれが少なく、可撓性で内容物の絞り出し可能な多層チューブ容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層チューブ容器の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:多層チューブ容器
2:口部
3:末端シール部
4:蓋

Claims (5)

  1. 耐熱性樹脂層(A)、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類とを重量比95:5〜20:80の範囲内で含有する混合物から形成され、沸騰水に不溶性であって、かつ、30℃、相対湿度80%で測定した酸素透過係数が5.00×10 -3 ml(STP)・cm/m 2 ・h・atm{pa}以下の耐水性のガスバリヤー性フィルム層(B)、及びポリオレフィン系樹脂層(C)がこの順で積層された少なくとも3層の積層構造を有する多層フィルムから形成された多層チューブ容器。
  2. 耐熱性樹脂層(A)上に、ポリオレフィン系樹脂層(D)が更に積層された多層フィルムからなる請求項1記載の多層チューブ容器。
  3. 耐熱性樹脂層(A)が、融点またはビカット軟化点が180℃以上の熱可塑性樹脂から形成された耐熱性フィルムである請求項1または2記載の多層チューブ容器。
  4. ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸またはその部分中和物である請求項1ないしのいずれか1項に記載の多層チューブ容器。
  5. 耐水性のガスバリヤー性フィルム層(B)が、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類との混合物を含有する溶液を耐熱性樹脂層(A)上に塗工し、乾燥して皮膜を形成した後、該皮膜を100℃以上の温度で熱処理して得られたフィルムである請求項1ないしのいずれか1項に記載の多層チューブ容器。
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