JP5704440B2 - 車両用インタークーラの冷却装置 - Google Patents

車両用インタークーラの冷却装置 Download PDF

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Description

この発明は車両用インタークーラの冷却装置に係り、特にインタークーラの冷却性能の向上を図るとともに、インタークーラの剛性の向上をも図る車両用インタークーラの冷却装置に関するものである。
車両用インタークーラは、走行風を通過させることで吸気を冷却し、エンジンへの充填効率を高める役割を果たす部品である。
そのため、前記インタークーラは、走行風が通過し易い設計とすることが重要である。
特開平6−191293号公報
ところで、従来の車両用インタークーラの冷却装置において、ラジエータファンを通過する風(「ラジエータファン風」ともいう。)は、前記インタークーラを通過する冷却風と比較して風速が早く、その影響によってインタークーラ背面へと巻き込まれる流れとなっている。
この流れは、インタークーラを通過する冷却風の妨げとなっており、冷却効率を低下させる原因となっているという不都合がある。
また、一般的に、ラジエータを通過してラジエータファンの回転で車両後方に流れ込んだ走行風は、ラジエータファンの径方向に徐々に広がるように車両後方に流れる。
そこで、上記の特許文献1に記載されるように、ラジエータの車両後方で、かつ、変速機の上方にインタークーラにラジエータを通過した走行風が流れないようにするために、ラジエータとインタークーラとの間に配管を配設したものがあった。
しかし、この特許文献1に開示される構造では、ラジエータを通過した走行風が配管の外周を沿ってすり抜けてインタークーラのコア部の後面に流れ込んで、ラジエータを通過した走行風とインタークーラを通過した風とがインタークーラの後面近傍で合流してしまう。その結果、インタークーラの後面で走行風の流れが乱れて、インタークーラの通風性を低下させる虞がある。
この発明は、車両用インタークーラの冷却装置において、インタークーラの冷却性能を向上させるとともに、インタークーラの剛性を高めることを目的とする。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、エンジンルームに過給機を備えるエンジンと変速機とを車両幅方向に並べて配置し、前記変速機の前方にラジエータファンを取り付けたラジエータを配置し、吸気を冷却するコア部の上側および下側に夫々タンク部を備えるインタークーラを、このインタークーラの車両前後方向の後端部が前端部より鉛直方向で高くなるように傾斜させて、前記変速機の上方に配置し、前記インタークーラの上面側に冷却風を導入する導風ダクトを取り付けた車両用インタークーラの冷却装置において、前記コア部の下側に配置される下側タンク部に、この後面から車両後方に向けて水平方向もしくは水平方向よりも斜め下方に突出する整流板を取り付け、前記ラジエータの後側に前記ラジエータファンの外周を囲む円筒状の円筒部を備えたファンシュラウドを取り付け、鉛直方向にて前記整流板の下端を前記円筒部の上端部の高さ位置まで延ばしたことを特徴とする。
この発明によれば、前記整流板によってインタークーラの下側に形成される空間とインタークーラのコア部の後面近傍の空間とを鉛直方向で仕切ることができる。
そして、前記整流板によって、車両前方から導入されてラジエータファンによって車両後方に向けて流れる冷却風がインタークーラのコア部の後面側に回り込まないように防止できる。
これにより、前記ラジエータを通過してラジエータファンによって車両後方に流れる冷却風と導風ダクトに導入されてインタークーラのコア部を通過した冷却風とが前記整流板でコア部の後面近傍で合流するのを防止でき、導風ダクトに導入されコア部を通過した冷却風を車両後方へとスムーズに流すことができる。
すなわち、前記整流板でコア部の後面近傍にインタークーラの下側からラジエータファンによって車両後方に流れる冷却風が流れ込むのを抑制できるため、コア部を通過する冷却風の通風性を高めて、インタークーラの冷却性を向上できる。
また、前記タンク部に前記整流板を取り付けたことで、整流板がタンク部の面剛性を向上させる補強リブの役割を果たし、タンク部の外周面の振動や変形を抑制でき、インタークーラの剛性を向上させることができる。
図1はこの発明の第1実施例を示すインタークーラを車両斜め下方から視た状態の斜視図である。(実施例1) 図2はインタークーラを車両後方から見た状態の背面図である。(実施例1) 図3は車両前部の概略平面図である。(実施例1) 図4は車両前部の概略正面図である。(実施例1) 図5は車両前部の側面図である。(実施例1) 図6はエンジンを斜め後方から見た状態の斜視図である。(実施例1) 図7は図6のインタークーラ近傍の拡大斜視図である。(実施例1) 図8は図3のA−Aによるインタークーラ近傍の拡大断面図である。(実施例1) 図9は図1はこの発明の第1実施例を示すインタークーラ近傍の拡大図である。(実施例2)
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図8はこの発明の第1実施例を示すものである。
図3〜図5において、1は車両、2は車両前部に形成されるエンジンルーム、3L、3Rは車両1の前輪である。
前記車両1は、車両後方に位置するダッシュパネル4と上方に位置するエンジンフード5とによって車両前部に前記エンジンルーム2を区画形成している。
そして、このエンジンルーム2には、図3〜図5に示す如く、過給機6を備えるエンジン7と変速機8とを車両幅方向に並べて配置している。
このとき、前記エンジン7の前方右下側部位に前記過給機6を配置し、エンジン7の上部にエアクリーナ9を配設するとともに、エンジン7の車両後方部位に吸気マニホルド10を配設している。
また、前記変速機8の前方にラジエータファン11を取り付けたラジエータ12を配置し、吸気を冷却するコア部13の上側および下側のタンク部、つまり、上側タンク部14と下側タンク部15とを夫々備えるインタークーラ16を、このインタークーラ16の車両前後方向の後端部が前端部より鉛直方向で高くなるように傾斜させて、前記変速機8の上方に配置し、前記インタークーラ16の上面側に冷却風を導入する導風ダクト17を取り付ける。
つまり、前記変速機8の前方、かつ、前記車両1の前部に位置するフロントバンパ18下方にラジエータ12を配置した際に、図3〜図5に示す如く、このラジエータ12よりも車両後方側、かつ、前記変速機8の上方に前記インタークーラ16を配置する。
なお、このインタークーラ16と前記ラジエータ12との間にはラジエータ12のリザーバタンク19を配置する。
このとき、このインタークーラ16は、図1及び図2、図5、図8に夫々示す如く、前記コア部13と、このコア部13との上側に配置される上側タンク部14と、コア部13の下側に配置される下側タンク部15とからなる。
このため、前記インタークーラ16には、前記エンジン7の前方右下側部位に配置される前記過給機6と、前記エンジン7上部のエアクリーナ9よりも車両前側を通過してエアクリーナ9の左側に位置する前記インタークーラ16の入口側となる前記下側タンク部15とを接続するインタークーラインレットホース20を設ける。
また、前記インタークーラ16の出口側となる前記上側タンク部14には、前記エンジン7に連絡するインタークーラアウトレットホース21を設ける。
そして、前記インタークーラ16を、図5〜図8に示す如く、このインタークーラ16の車両前後方向の後端部が前端部より鉛直方向で高くなるように傾斜させて配置する。
このとき、前記インタークーラ16には、図5及び図8に示す如く、このインタークーラ16の上面側、つまり、前記コア部13に連絡する前記コア部13の上面部位に前記導風ダクト17の出口側を取り付ける一方、この導風ダクト17の入口側を前記ラジエータ12の上部に取り付ける。
更に、前記インタークーラ16のコア部13の下側に配置される前記下側タンク部15に、この後面から車両後方に向けて水平方向もしくは水平方向よりも斜め下方に突出する整流板22を取り付ける構成とする。
詳述すれば、前記インタークーラ16の下側タンク部15には、図1及び図2、図5〜図8に夫々示す如く、下側タンク部15の後面から車両後方に向けて水平方向もしくは水平方向よりも斜め下方、この実施例においては、水平方向よりも斜め下方に突出するように前記整流板22を取り付けるものである。
従って、上述した構造では、前記整流板22によって前記インタークーラ16の下側に形成される空間とインタークーラ16のコア部13の後面近傍の空間とを鉛直方向で仕切ることができる。
そして、前記整流板22によって、車両前方から導入されて前記ラジエータファン11によって車両後方に向けて流れる冷却風が、図5及び図7、図8に太い斜線付矢印で示す如く、前記インタークーラ16のコア部13の後面側に回り込まないように防止できる。
これによって、図5及び図7、図8に太い斜線付矢印で示す如く、前記ラジエータ12を通過してラジエータファン11によって車両後方に流れる冷却風と、図5及び図7、図8に太い白抜き矢印で示す如く、前記導風ダクト17に導入されてインタークーラ16のコア部13を通過した冷却風とが、前記整流板22でコア部13の後面近傍で合流するのを防止でき、導風ダクト17に導入されコア部13を通過した冷却風を車両後方へとスムーズに流すことができる。
よって、前記整流板22でコア部13の後面近傍に前記インタークーラ16の下側からラジエータファン11によって車両後方に流れる冷却風が流れ込むのを抑制できるため、コア部13を通過する冷却風の通風性を高め、インタークーラ16の冷却性能を向上させることができる。
また、前記下側タンク部15に前記整流板22を取り付けたことで、整流板22が下側タンク部15の面剛性を向上させる補強リブの役割を果たし、下側タンク部15の外周面の振動や変形を抑制でき、インタークーラ16の剛性を向上させることができる。
前記整流板22は、前記下側タンク部15の車両上下方向中央部に配置するとともに、その車両幅方向両端部を前記下側タンク部15の車両幅方向両端部まで延ばした構成とする。
つまり、前記下側タンク部15において、図1及び図2に示す如く、この下側タンク部15の車両上下方向中央部に前記整流板22を配置する。
このとき、前記整流板22の車両幅方向両端部を前記下側タンク部15の車両幅方向両端部まで延ばしている。
従って、上述した構造によって、前記整流板22の車両幅方向両端部を前記下側タンク部15のうち比較的剛性の高い車両幅方向の両端部近傍まで延ばし、下側タンク部15のうち面剛性が最も低い中央部を車両幅方向に横断させることで、前記整流板22が補強リブの役割を果たして下側タンク部15の中央部の面剛性を高めることができる。
これによって、下側タンク部15の振動や変形を抑制でき、インタークーラ16の剛性を向上させることができる。
また、前記下側タンク部15は、その底部に車両下方に突出するとともに前記エンジン7に取り付けられる取付部(以下「下側取付部」という。)23を有する構成とする。
つまり、前記上側タンク部14は、図1及び図2、図6、図7に示す如く、前記エンジン7に取り付けられる上側取付部24を有する一方、前記下側タンク部15は、図1及び図2、図6〜図8に示す如く、その底部に車両下方に突出するとともに弾性部材25を介して前記エンジン7に取り付けられる前記下側取付部23を有している。
このとき、この下側取付部23には、図1及び図2に示す如く、前記整流板22の端部を車両下方に延長させて補強リブとして機能する補強用延長部26を連結している。
一般的に、重量物であるインタークーラ16が振動することで、前記エンジン7に連絡する上側取付部24や下側取付部23にインタークーラ16の振動が伝達されて、取付部、特に下側に位置する下側取付部23に局所的な応力が集中する。
そこで、本発明の上述した構造によって、前記下側取付部23の上端部に整流板22を連結することで、整流板22が補強部材の役割を果たして、下側取付部23に局所的に集中する応力を緩和させることができる。
これによって、インタークーラ16の下側取付部23の剛性を高めることができ、インタークーラ16を安定してエンジン7に取り付けることができる。
更に、前記下側タンク部15を、上述したように前記過給機6から圧送される吸気を導入する入口側のタンク部としている。
一般的に、前記過給機6から吸気がインタークーラ16に導入される入口側のタンク部は、吸気が排出される出口側のタンク部に比べて、過給機6の圧送による吸気の導入によってタンク部が振動し易くなる。
そこで、本発明の上述した構造によって、前記下側タンク部15を入口側のタンク部としたことで、振動あるいは変形し易い側のタンク部に前記整流板22を取り付けることができ、下側タンク部15の振動や変形を抑制できる。
前記ラジエータ12の後側に前記ラジエータファン11の外周を囲む円筒状の円筒部27を備えたファンシュラウド28を取り付ける構成とする。
つまり、前記ラジエータ12の後側に、図3〜図8に示す如く、ファンシュラウド28を取り付け、このファンシュラウド28の円筒部27によって前記ラジエータファン11の外周を囲んでいる。
これにより、本発明の上述した構造によって、前記ラジエータ12を通過して前記ラジエータファン11によって円筒部27で車両後方に案内される冷却風がコア部13の後面に流れ込まないよう確実に防止できる。
図9はこの発明の第2実施例を示すものである。
この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
この第2実施例の特徴とするところは、前記整流板31の下端31aを前記円筒部27の上端部27tの高さ位置まで延ばした構成とした点にある。
すなわち、前記ラジエータ12の後側に前記ラジエータファンの外周を囲む円筒状の円筒部27を備えたファンシュラウド28を取り付けた際に、鉛直方向において前記整流板31の下端31aを、図9に示す如く、前記円筒部27の上端部27tの高さ位置まで延ばし、ほぼ同等の高さ位置とするものである。
さすれば、本発明の上述した構造によって、前記ラジエータ12を通過して前記ラジエータファンによって円筒部27で車両後方に案内される冷却風がコア部13の後面に確実に流れ込まないように防止できる。また、前記整流板31は、前記ラジエータファンによって車両後方に送り出される冷却風の流れを阻害することがない。このため、前記ラジエータ12を通過した冷却風の通風性を良好にできる。
1 車両
2 エンジンルーム
4 ダッシュパネル
5 エンジンフード
6 過給機
7 エンジン
8 変速機
9 エアクリーナ
10 吸気マニホルド
11 ラジエータファン
12 ラジエータ
13 コア部
14 上側タンク部
15 下側タンク部
16 インタークーラ
17 導風ダクト
20 インタークーラインレットホース
21 インタークーラアウトレットホース
22 整流板
23 下側取付部
24 上側取付部
25 弾性部材
26 補強用延長部
27 円筒部
28 ファンシュラウド

Claims (1)

  1. エンジンルームに過給機を備えるエンジンと変速機とを車両幅方向に並べて配置し、前記変速機の前方にラジエータファンを取り付けたラジエータを配置し、吸気を冷却するコア部の上側および下側に夫々タンク部を備えるインタークーラを、このインタークーラの車両前後方向の後端部が前端部より鉛直方向で高くなるように傾斜させて、前記変速機の上方に配置し、前記インタークーラの上面側に冷却風を導入する導風ダクトを取り付けた車両用インタークーラの冷却装置において、前記コア部の下側に配置される下側タンク部に、この後面から車両後方に向けて水平方向もしくは水平方向よりも斜め下方に突出する整流板を取り付け、前記ラジエータの後側に前記ラジエータファンの外周を囲む円筒状の円筒部を備えたファンシュラウドを取り付け、鉛直方向にて前記整流板の下端を前記円筒部の上端部の高さ位置まで延ばしたことを特徴とする車両用インタークーラの冷却装置。
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