JP5702901B2 - リチウム二次電池及びリチウム二次電池用の非水電解質 - Google Patents

リチウム二次電池及びリチウム二次電池用の非水電解質 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池及びリチウム二次電池用の非水電解質に関するものである。
従来のリチウム二次電池においては、非水電解液の耐酸化性等の観点から、充電終止電圧をリチウムに対して4.2V程度に設定するのが一般的である。これは、リチウムに対して4.2V以上に充電すると、正極の電位が上昇して非水電解液を分解してしまい、サイクル特性の低下や、高温での電池特性劣化の問題が生じるためである。しかし、充電電圧を4.2V以上とし、更に平均作動電圧を高めることが可能になれば、エネルギー密度の更なる向上を望むことができる。
また、PCや携帯機器等のモバイル機器の高度化、多様化に伴い、機器の使用環境(温度領域)が拡大している。これに伴い高容量、高電圧電池開発への要求仕様に対して高温下での適用要望も強まってきた。
充電電圧を高めるためには、耐酸化性に優れた電解液を採用するか、あるいは、負極活物質の表面に不動態被膜を形成して電解液の分解を抑制する、といった手段が検討されている。
電極表面に不動態被膜を形成させるために電解液に添加物を添加する技術はこれまでも広く検討されている。例えば下記特許文献1〜3には、電解液の酸化防止の目的とは異なるが、電極表面への不動態被膜の形成に関する内容が開示されている。すなわち、特許文献1には、電解液にフッ素原子置換芳香族化合物やスルホニル基を有する化合物を添加して、過充電防止機能と高温の保存安定性とを向上させたリチウム二次電池が開示されている。また、下記特許文献2には、炭素材料の剥離を防止するために、ビニレンカーボネートを電解液に添加したリチウム二次電池が開示されている。更に、特許文献3には、電解液の分解を抑制する不動態被膜形成用の添加物の分解を防止するために、別の添加剤を添加したリチウム二次電池が開示されている。
しかし、これらはいずれも、充電電圧の上限が4.2Vの従来の電池に適用された電解液の添加剤であり、充電電圧が4.2Vを超える電池に適応する電解液添加剤ではない。
充電電圧が4.2Vを超える電池に対し、従来の添加剤から形成される不動態被膜では充電放電時に分解するため、安定性に課題を残している。また、高温下ではその不動態被膜の分解が一層進行するために、電極上の不動態被膜の消失に伴って電解液自体の分解量が増大し、高温での電池特性や安全性が損なわれるおそれがある。
不動態被膜の安定性を高めれば、充放電時の分解による安全性の低下や、高温下での不動態被膜の消失による電解液の分解を抑制することが可能になるが、不動態被膜の安定化に伴って、不動態被膜におけるリチウムイオンのイオン伝導性が低下する場合があり、却って充放電反応を阻害するおそれがある。
そこで最近では、電極表面での重合、堆積、吸着等の被膜形成能をもつ添加剤と、リチウムイオンのイオン伝導性を付与する添加剤を各々添加する技術が提案されている。
しかし、機能の異なる添加剤を各々添加した場合には、強固で柔軟な結合からなる不動態被膜が形成されにくいという問題がある。
特開2003−203673号公報 特許第3573521号公報 特開2001−57214号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、4.2V超の充電電圧における電解液の分解を抑制し、熱安定性に優れ、更にリチウムイオンのイオン伝導性にも優れた不動態被膜を形成することが可能なリチウム二次電池用の非水電解質およびこのような不動態被膜を有するリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質を含む正極と、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを具備してなり、前記正極または前記非水電解質に、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ13族、14族または15族の元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合を有する被膜形成化合物が添加されていることを特徴とする。
また、本発明のリチウム二次電池は、リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質を含む正極と、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを具備してなり、前記正極または前記負極のうちのいずれか一方または両方に、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ13族、14族または15族の元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合を有する被膜形成化合物からなる被膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のリチウム二次電池においては、前記被膜形成化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005702901
上記一般式(1)において、Mは13族、14族または15族の元素であり、Aは炭素−炭素不飽和結合基を備えた置換基であり、Rは−(CH−、−(CHO)−またはフェニル基(−C−)のうちのいずれかであり(但し、aは0〜3の整数)、R〜Rはそれぞれ独立して、=O、−OX(XはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、中心元素がN、Pのオニウム塩のいずれか)、−OY=CH(YはHまたはC2b−1(bは1〜3の整数))、C5−d(dは1〜5の整数、ZはH、CHまたはハロゲン元素のいずれか)、−O(C2c+1)(cは1〜4の整数)、−(OCHCHH(dは=1〜3の整数)のいずれかであり、Rが=Oの場合にR及びRは=O以外であり、RとRが=Oの場合にはRは=O以外であり、R、R、Rがいずれも=O以外の場合は、R、R、Rは同じでも異なっていてもよく、R、R、Rのうちの2つ以上が相互に結合して環状になっていてもよく、Mが13族の場合はRが省略される。
また、本発明のリチウム二次電池においては、前記Aが、ビニル基、エチニル基、エチニレン基、ビニレン基、ビニリデン基のうちの何れかであることが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池においては、前記Mが、B、P、Sのうちの何れかであることが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池においては、前記被膜形成化合物が、下記式(2)〜(7)の式で表される何れかの化合物またはこれらの塩であることが好ましく、特にリチウム塩がよい。
Figure 0005702901
また、本発明のリチウム二次電池においては、前記非水電解質に対する前記被膜形成化合物の添加率が、0.001質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましい。
次に、本発明のリチウム二次電池用の非水電解質は、リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質を含む正極と、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えたリチウム二次電池用の非水電解質であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ13族、14族または15族の元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合を有する被膜形成化合物が添加されていることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池用の非水電解質においては、前記被膜形成化合物が、下記の一般式(8)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005702901
上記一般式(8)において、Mは13族、14族または15族の元素であり、Aは炭素−炭素不飽和結合基を備えた置換基であり、Rは−(CH−、−(CHO)−またはフェニル基(−C−)のうちのいずれかであり(但し、aは0〜3の整数)、R〜Rはそれぞれ独立して、=O、−OX(XはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、中心元素がN、Pのオニウム塩のいずれか)、−OY=CH(YはHまたはC2b−1(bは1〜3の整数))、C5−d(dは1〜5の整数、ZはH、CHまたはハロゲン元素のいずれか)、−O(C2c+1)(cは1〜4の整数)、−(OCHCHH(dは=1〜3の整数)のいずれかであり、Rが=Oの場合にR及びRは=O以外であり、RとRが=Oの場合にはRは=O以外であり、R、R、Rがいずれも=O以外の場合は、R、R、Rは同じでも異なっていてもよく、R、R、Rのうちの2つ以上が相互に結合して環状になっていてもよく、Mが13族の場合はRが省略される。
また、本発明のリチウム二次電池用の非水電解質においては、前記Aが、ビニル基、エチニル基、エチニレン基、ビニレン基、ビニリデン基のうちの何れかであることが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池用の非水電解質においては、前記Mが、B、P、Sのうちの何れかであることが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池用の非水電解質においては、前記被膜形成化合物が、下記式(9)〜(14)の式で表される何れかの化合物またはこれらの塩であることが好ましく、特にリチウム塩がよい。
Figure 0005702901
また、本発明のリチウム二次電池用の非水電解質においては、前記被膜形成化合物の添加率が、0.001質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましい。
上記のリチウム二次電池によれば、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ13族、14族または15族の元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合を有する被膜形成化合物が添加されており、この被膜形成化合物によって正極または負極に被膜が形成されるので、4.2Vを超える充電電圧下でも非水電解質が分解されるおそれがない。
この被膜形成化合物の分子中には、炭素−炭素不飽和結合があり、この炭素−炭素不飽和結合が開裂することによって被膜が形成されるので、被膜の熱安定性が高められる。
また、被膜形成化合物の分子中には、元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合があり、この元素Mを中心とする部分がリチウムイオンの伝導性を有するので、被膜のリチウムイオン伝導性が高められる。
従って、本発明のリチウム二次電池によれば、4.2V超の充電電圧における電解液の分解を抑制し、熱安定性に優れ、更にリチウムイオンのイオン伝導性にも優れた不動態被膜を有するリチウム二次電池を提供できる。
また、上記のリチウム二次電池用の非水電解質によれば、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ13族、14族または15族の元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合を有する被膜形成化合物が添加されており、この被膜形成化合物がリチウム二次電池の正極または負極において被膜を形成させるので、4.2Vを超える充電電圧下でも非水電解質が分解されるおそれがない。
この被膜形成化合物の分子中には、炭素−炭素不飽和結合があり、この炭素−炭素不飽和結合が開裂することによって被膜が形成されるので、被膜の熱安定性が高められる。
また、被膜形成化合物の分子中には、元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合があり、この元素Mを中心とする部分がリチウムイオンの伝導性を有するので、被膜のリチウムイオン伝導性が高められる。
従って、本発明の非水電解質によれば、4.2V超の充電電圧における電解液の分解を抑制し、熱安定性に優れ、更にリチウムイオンのイオン伝導性にも優れた不動態被膜を形成可能なリチウム二次電池用の非水電解質を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、正極と負極と非水電解質とを具備して構成されている。
本発明のリチウム二次電池においては、正極または非水電解質中に、被膜形成化合物が添加されている。被膜形成化合物が非水電解質に添加された場合には、初充電時に、正極中の正極活物質及び負極中の負極活物質の両方に被膜が形成される。また、被膜形成化合物が正極に添加された場合には、正極の形成時または初充電時に、主に正極中の正極活物質に被膜が形成される。形成された被膜は、正極活物質または負極活物質の表面における非水電解質の分解を抑制するので、4.2V超の充電電圧下でも非水電解質の分解を防止することが可能になる。
以下、本発明のリチウム二次電池を構成する正極、負極及び非水電解質について順次説明する。
(正極)
本発明のリチウム二次電池では、正極として、リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質と導電助材と結着剤とが含有されてなる正極合材と、正極合材に接合される正極集電体とからなるシート状の電極を用いることができる。また、正極として、上記の正極合材を円板状に成形させてなるペレット型若しくはシート状の正極も用いることができる。
また、上記の正極合材には、後述する被膜形成化合物が含有されていてもよい。
正極活物質としては、Liを含んだ化合物、酸化物、硫化物を挙げることができ、含まれる金属としては、例えば、Mn、Co、Ni、Fe、Al等、少なくとも一種類以上含む物質を例示できる。更に具体的にはLiMn、LiCoO、LiNiO、LiFeO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.8Co0.2等を例示できる。
また結着剤としてはポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等を例示できる。
更に導電助材としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素化物を例示できる。更に正極集電体としては、アルミニウム、ステンレス等からなる金属箔または金属網を例示できる。
被膜形成化合物の正極に対する添加比は、所謂固形分である正極合材に対して、0.01質量部〜2質量部の範囲が好ましい。
また、被膜形成化合物の正極に対する添加比は、後述する非水電解質の質量に対して0.001質量%以上10質量%以下、好ましくは0.005質量%以上1質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下の範囲となるように調整してもよい。
添加比が下限以上であれば、充分な被膜が形成されるので、非水電解質の分解を抑制できる。また、添加率が上限以下であれば、被膜の量が過剰にならず、正極または負極における内部抵抗の増大を防止できる。
(負極)
次に、負極としては、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質と結着剤及び必要に応じて導電助材とが含有されてなる負極合材と、この負極合材に接合される負極集電体とからなるシート状の電極を用いることができる。また、負極として、上記の負極合材を円板状に成形させてなるペレット型若しくはシート状の電極も用いることができる。
負極の結着剤は、有機質または無機質のいずれでも良く、負極活物質と共に溶媒に分散あるいは溶解し、更に溶媒を除去することにより負極活物質を結着させるものであればどのようなものでもよい。また、負極活物質と共に混合し、加圧成形等の固化成形を行うことにより負極活物質を結着させるものでもよい。このような結着剤として例えば、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、フェノール樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが使用でき、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバー、等の樹脂を例示できる。
また、負極活物質及び結着剤の他に、導電助材としてカーボンブラック、黒鉛粉末、炭素繊維、金属粉末、金属繊維等を添加しても良い。更に負極集電体としては、銅からなる金属箔または金属網を例示できる。
負極活物質としては、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維、黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ、非晶質炭素等の炭素質材料を例示できる。また、負極活物質として、リチウムと合金化が可能な金属質物単体やこの金属質物と炭素質材料を含む複合物も負極活物質として例示できる。リチウムと合金化が可能な金属としては、上述したSiの他、Al、Sn、Pb、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd等を例示できる。また負極活物質として金属リチウム箔も使用できる。
(非水電解質)
非水電解質としては、例えば、非プロトン性溶媒にリチウム塩が溶解されてなる非水電解質を例示できる。また、非水電解質には、後述する被膜形成化合物が添加されていてもよい。
非プロトン性溶媒は、環状カーボネート単独あるいは鎖状カーボネートと混合使用されるのが一般だが、混合する場合、次の組合せ例を挙げることができる。
エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート。
環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合割合(環状カーボネート:鎖状カーボネート)は、重量比で表して、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは5:95〜70:30、さらに好ましくは10:90〜60:40である。この混合割合はリチウム二次電池の充放電特性を損なわない非水電解質の良好な電気伝導性をもって適宜決定される。
一方、リチウム塩には、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF{C(2k+1)(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)などのリチウム塩が挙げられる。また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。LiC(SO5)(SO6)(SO7)、LiN(SOOR8)(SOOR9)、LiN(SO10)(SOOR11)、LiN(SO12)(SO13)。ここで、R5〜R13は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である。これらのリチウム塩は単独で使用してもよいし、また2種類以上を混合して使用してもよい。
また、従来技術で適用される添加剤(ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等)を添加してもよい。
また非水電解質として、PEO、PVA等のポリマーに上記記載のリチウム塩のいずれかを混合させたものや、膨潤性の高いポリマーに、上記の非プロトン性溶媒及びリチウム塩を含浸させたもの等、いわゆるポリマー電解質を用いることもできる。
被膜形成化合物を非水電解質に添加した場合の添加率は、0.001質量%以上10質量%以下の範囲が好ましく、0.005質量%以上1質量%以下の範囲がより好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下の範囲が更に好ましい。添加率が0.001質量%以上であれば、充分な被膜が形成されるので、非水電解質の分解を抑制できる。また、添加率が10質量%以下であれば、被膜の量が過剰にならず、正極または負極における内部抵抗の増大を防止できる。
更に、本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、非水電解質のみに限られず、必要に応じて他の部材等を備えていても良く、例えば正極と負極を隔離するセパレータを具備しても良い。セパレータは、非水電解質がポリマー電解質でない場合には必須であり、多孔質のポリプロピレンフィルム、多孔質のポリエチレンフィルム等、公知のセパレータを適宜使用できる。
次に、正極または非水電解質に添加する被膜形成化合物について説明する。
本発明に係る被膜形成化合物は、下記一般式(15)に示す化合物であって、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ13族、14族または15族の元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合を有する化合物である。
Figure 0005702901
上記一般式(15)において、Mは13族、14族または15族の元素であり、Aは炭素−炭素不飽和結合基を備えた置換基であり、Rは−(CH−、−(CHO)−またはフェニル基(−C−)のうちのいずれかであり(但し、aは0〜3の整数)、R〜Rはそれぞれ独立して、=O、−OX(XはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、中心元素がN、Pのオニウム塩のいずれか)、−OY=CH(YはHまたはC2b−1(bは1〜3の整数))、C5−d(dは1〜5の整数、ZはH、CHまたはハロゲン元素のいずれか)、−O(C2c+1)(cは1〜4の整数)、−(OCHCHH(dは=1〜3の整数)のいずれかである。
また、Rが=Oの場合にR及びRは=O以外であり、RとRが=Oの場合にはRは=O以外であり、R、R、Rがいずれも=O以外の場合は、R、R、Rは同じでも異なっていてもよく、R、R、Rのうちの2つ以上が相互に結合して環状になっていてもよく、Mが13族の場合はRが省略される。
更に、一般式(15)における前記Aは、ビニル基、エチニル基、エチニレン基、ビニレン基、ビニリデン基のうちの何れかであることが好ましい。
また、一般式(15)における前記Mは、B、P、Sのうちの何れかであることが好ましい。
被膜形成化合物は特に、下記一般式(16)〜(21)に示す化合物またはこれらの塩のいずれかが好ましい。
Figure 0005702901
上記式(16)に示す化合物は、上記一般式(15)において、Aがビニル基であり、Rが(CHまたは(OCHであり、MがPであり、Rが=Oであり、R及びRがOHであるビニルリン酸である。
また、上記式(17)に示す化合物は、上記一般式(15)において、Aがビニル基であり、Rがフェニル基(C)であり、MがB(13族元素)であり、R及びRがOHであり、Rが省略されたビニルホウ酸である。
また、上記式(18)に示す化合物は、上記一般式(15)において、Aがビニル基であり、Rが(CHまたは(OCHであり、MがSであり、R及びRが=Oであり、Rが−ONaであるビニルスルホン酸ナトリウムである。
また、上記式(19)に示す化合物は、上記一般式(15)において、Aがビニル基であり、Rが(OCHであり、MがPであり、Rが=Oであり、R及びRが−OY=CH(YはC2b−1(bが1))であるトリビニルリン酸エステルとなっている。
また、上記式(20)に示す化合物は、上記一般式(15)において、Aがビニル基であり、Rが(CHまたは(OCHであり、MがB(13族元素)であり、R及びRが−OCHCHO−によって相互に結合された環状のビニルホウ酸化合物となっている。
また、上記式(21)に示す化合物は、B−O結合を有する六員環構造に3つのビニル基が結合した環状のホウ素酸化合物となっている。
本発明に係る被膜形成化合物には、分子中に、ビニル基等の炭素−炭素不飽和結合があり、この炭素−炭素不飽和結合が開裂することによって被膜が形成される。従って形成された被膜は、極めて熱安定性に優れたものとなる。
また、この被膜形成化合物の分子中には、元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合があり、オキソ酸化合物またはオキソ酸エステル化合物となっている。この元素Mを中心とする部分がリチウムイオンの伝導性を有するので、被膜のリチウムイオン伝導性が高められる。
上記の被膜形成化合物によって形成された被膜は、正極活物質または負極活物質のいずれか一方または両方を覆うように形成される。
例えば、被膜形成化合物が非水電解質に添加された場合は、正極または負極の両方に被膜が形成される。また、被膜形成化合物が正極に添加された場合は、主に正極側に被膜が形成される。
なお、形成される被膜は、正極活物質または負極活物質の一部を覆っていてもよく、全部を覆っていてもよい。
リチウム二次電池の充電電圧が4.2V超になると、特にリチウムに対する正極の電位が増大して、非水電解質に含まれる非プロトン性溶媒が酸化されるおそれがあるが、本発明に係るリチウム二次電池によれば、正極活物質に被膜が形成されるので、非水電解質の酸化を防止することができる。
また、被膜形成化合物を非水電解質に添加した場合には、正極活物質に加えて負極活物質にも被膜が形成されるので、負極における非水電解質の分解も同時に抑制することができる。
なお、被膜形成化合物を正極に添加した場合には、主に正極側に被膜が形成され、負極側には何らの被膜が形成されず、負極において非水電解質の分解が進むおそれがある。この場合には、被膜形成化合物を正極に添加すると同時に、非水電解質にビニレンカーボネートなどの従来の添加剤を添加すればよい。これにより、正極には被膜形成化合物による被膜が形成され、負極にはビニレンカーボネート等による被膜が形成され、正極及び負極の両方において、非水電解質の分解を防止することができる。
また、本発明においては、被膜形成化合物を正極及び非水電解質の両方に添加してもよい。これにより、正極及び負極の両方に被膜が形成される。
被膜形成化合物を正極に添加するには、例えば、あらかじめ正極活物質と導電助材と結着剤と被膜形成化合物とを含むスラリーを調製し、このスラリーを集電体上に塗布し、加熱によりスラリー中の溶媒を除去することによって、被膜形成化合物を正極に添加すればよい。
この方法では、スラリー中の溶媒を加熱除去する際に、40℃〜120℃程度、好ましくは80℃〜120℃、更に好ましくは100℃〜120℃で加熱するとよい。この加熱によって、正極中に含まれる被膜形成化合物の炭素二重結合部が開裂し、被膜形成化合物の一部または全部が重合して被膜を形成する。重合されずに残存した被膜形成化合物は、電池組立後の初充電工程において重合されて、被膜を形成する。
このように、被膜形成化合物を正極に添加した場合には、主に正極調製時の加熱処理によって被膜が形成される。
また、被膜形成化合物を非水電解質に添加するには、予め非水電解質に被膜形成化合物を添加しておき、これを電池に注液してもよく、非水電解質と被膜形成化合物を別個に電池に添加してもよい。
このようにして添加された被膜形成化合物は、電池組立後の初充電工程において通電された際に重合して、被膜を形成する。初充電時には、40℃〜80℃程度、好ましくは40℃〜50℃、更に好ましくは40℃〜45℃に加熱しながら充電を行いとよい。加熱しながら充電することによって、被膜の形成を促進できる。
このように、被膜形成化合物を非水電解質に添加した場合には、主に初充電によって被膜が形成される。
以上説明したように、本実施形態のリチウム二次電池によれば、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ13族、14族または15族の元素Mと酸素(O)との単結合または二重結合を有する被膜形成化合物が添加されており、この被膜形成化合物によって正極または負極に被膜が形成されるので、4.2Vを超える充電電圧下でも非水電解質が分解されるおそれがなく、4.2V超の充電電圧による充電が可能なリチウム二次電池を実現することができる。
また、上記のリチウム二次電池用の非水電解質によれば、上記の被膜形成化合物が添加されており、この被膜形成化合物がリチウム二次電池の正極または負極において被膜を形成させるので、4.2Vを超える充電電圧下でも非水電解質が分解されるおそれがなく、4.2V超の充電電圧による充電が可能なリチウム二次電池を実現することができる。
参考例1)
結着材であるポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業株式会社製#1100)が溶解されたN−メチル−2−ピロリドン溶液を調製し、この溶液に、LiCoO95質量部と、導電カーボン2質量部とを加えてスラリー化した。調製済みの正極スラリーを厚み20μmのAl箔上に均一に塗布、乾燥して正極とした。正極における、LiCoO:導電カーボン:ポリフッ化ビニリデンの比は95:2:3であった。
次に、炭素材料粉末を負極活物質とし、この炭素材料粉末90重量部と、結着剤となるポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極スラリーとした。そして、この負極スラリーを厚み20μmの銅箔上に均一に塗布、乾燥して負極とした。
正極及び負極を20μmのポリプロピレン製セパレータを介在させ、非水電解質を注液して2032型のコイン型リチウム二次電池を作製した。
非水電解質としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとが3:7の割合で混合されてなる混合溶媒に、LiPFが1.00モル/Lの濃度で溶解されてなる非水電解液を用いた。
また、非水電解液には、ビニルリン酸リチウム(上記一般式(16)に示すビニルリン酸のリチウム塩)を非水電解液に対して0.02質量%の割合で添加した。
参考例1のリチウム二次電池について、定電流定電圧(0.1C)で4.5Vまで25℃の環境中で充電後、定電流(0.1C)で3.0Vまで放電して放電容量を測定して、80℃保存前における充放電の容量比を求めた。その後、再度4.5Vまで充電し、80℃の恒温室に3日間放置し、放置前後の電池電圧を測定し、80℃保存前後における電圧の降下量を求めた。更にその後、定電流(0.1C)で3.0Vまで放電して保持された放電容量を測定し、80℃保存前後における充放電の容量比を求めた。結果を表1に示す。
参考例2)
非水電解質(非水電解液)に、ビニルスルホン酸リチウム(上記一般式(18)に示すビニルスルホン酸のリチウム塩)を非水電解質に対して0.02質量%の割合で添加すると共に、ビニレンカーボネートを非水電解質に対して1質量%の割合で添加したこと以外は上記参考例1と同様にして、参考例2のリチウム二次電池を製造した。
参考例2のリチウム二次電池について、参考例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
参考例3)
非水電解質(非水電解液)に、ビニルリン酸リチウムを非水電解質に対して0.02質量%の割合で添加すると共に、ビニレンカーボネートを非水電解質に対して1質量%の割合で添加したこと以外は上記参考例1と同様にして、参考例3のリチウム二次電池を製造した。
参考例3のリチウム二次電池について、参考例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
参考例4)
非水電解質(非水電解液)に、リン酸トリアリルエステル(上記一般式(19)に示す化合物)を非水電解質に対して0.02質量%の割合で添加すると共に、ビニレンカーボネートを非水電解質に対して1質量%の割合で添加したこと以外は上記参考例1と同様にして、参考例4のリチウム二次電池を製造した。
参考例4のリチウム二次電池について、参考例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
非水電解質(非水電解液)に、ビニルホウ酸ジブチルエステル(上記一般式(15)において、MをBとし、Aをビニル基とし、Rのaを0とし、R及びRを−OCとし、R4を省略した化合物)を非水電解質に対して0.02質量%の割合で添加すると共に、ビニレンカーボネートを非水電解質に対して1質量%の割合で添加したこと以外は上記参考例1と同様にして、実施例5のリチウム二次電池を製造した。
実施例5のリチウム二次電池について、参考例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
参考例6
結着材であるポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業株式会社製#1100)が溶解されたN−メチル−2−ピロリドン溶液を調製し、この溶液に、LiCoO95質量部と、導電カーボン2質量部と、ビニルリン酸リチウムとを加えてスラリー化した。調製済みの正極スラリーを厚み20μmのAl箔上に均一に塗布、120℃で乾燥して正極とした。
正極における、LiCoO:導電カーボン:ポリフッ化ビニリデン:ビニルリン酸リチウムの質量比は95:2:2:1であった。
次に、参考例1と同様にして負極を製造した。
正極及び負極を20μmのポリプロピレン製セパレータを介在させ、非水電解質を注液して参考例6の2032型のコイン型リチウム二次電池を作製した。
非水電解質としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとが3:7の割合で混合されてなる混合溶媒に、LiPFが1.00モル/Lの濃度で溶解されてなる非水電解液を用いた。
そして、参考例6のリチウム二次電池について、参考例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
参考例7
参考例6の場合と同様にして正極を製造した。また、参考例1と同様にして負極を製造した。そして、ビニルリン酸リチウムを非水電解液に添加しない代わりに、ビニレンカーボネートを非水電解質に対して1質量%の添加率で添加したこと以外は参考例1と同様にして、参考例7のリチウム二次電池を製造した。
(比較例1)
ビニルリン酸リチウムを非水電解液に添加しなかったこと以外は参考例1と同様にして、比較例1のリチウム二次電池を製造した。
そして、比較例1のリチウム二次電池について、参考例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
ビニルリン酸リチウムを非水電解液に添加しない代わりに、ビニレンカーボネートを非水電解質に対して1質量%の添加率で添加したこと以外は参考例1と同様にして、比較例2のリチウム二次電池を製造した。
そして、比較例2のリチウム二次電池について、参考例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005702901
表1に示すように、実施例5、及び参考例1〜4、6、及び7のリチウム二次電池の80℃保存前の容量比は、比較例1及び2と比べて大差はなかった。一方、80℃保存前後の容量比及び電圧降下量については、実施例5、及び参考例1〜4、6、及び7は比較例1及び2に比べて、容量比の低下及び電圧の降下量が少なく、保存安定性に優れていることが分かる。このような結果は、実施例5、及び参考例1〜4、6、及び7の非水電解液に、本発明に係る被膜形成化合物が添加されているため、この被膜形成化合物による被膜が形成されたためと考えられる。
次に試験後の電池について、電池を分解して正極を取り出し、電子顕微鏡で正極の観察を行った。結果を図1〜3に示す。図1は比較例2の正極のSEM写真であり、図2は参考例1の正極のSEM写真であり、図3は参考例2の正極のSEM写真である。
図1において、粒径が数十μm程度の角張った粒子が正極活物質であるLiCoO粒子であり、その周囲のスポンジ状に見えるものが導電性カーボンである。この図1のSEM写真に対して、図2及び図3に示すSEM写真では、LiCoO粒子の表面の一部に、被膜が形成されていることが分かる。この被膜はそれぞれ、ビニルリン酸リチウム、ビニルスルホン酸リチウムによる被膜であることが確認された。
図1は、比較例2のリチウム二次電池の正極のSEM写真である。 図2は、参考例1のリチウム二次電池の正極のSEM写真である。 図3は、参考例2のリチウム二次電池の正極のSEM写真である。

Claims (3)

  1. リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質を含む正極と、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを具備してなり、
    前記非水電解質に、被膜形成化合物が添加され、
    前記被膜形成化合物が、ビニルホウ酸ジブチルエステルであり、
    前記非水電解質に対する前記被膜形成化合物の添加率が0.01質量%以上0.5質量%以下であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質を含む正極と、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを具備してなり、
    前記正極または前記負極のうちのいずれか一方または両方に、被膜形成化合物からなる被膜が形成され、
    前記被膜形成化合物が、ビニルホウ酸ジブチルエステルであることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質を含む正極と、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えたリチウム二次電池用の非水電解質であり、被膜形成化合物が添加され、
    前記被膜形成化合物が、ビニルホウ酸ジブチルエステルであり、
    前記非水電解質に対する前記被膜形成化合物の添加率が0.01質量%以上0.5質量%以下であることを特徴とするリチウム二次電池用の非水電解質。
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