JP5697065B2 - ガラス母材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ガラス母材の製造方法に関する。
従来、長距離伝送用ファイバにおいて、伝送損失の低損失化が求められている。そこで近年、純シリカコアを用いることによってレイリー散乱を抑制する方法が検討されている。非特許文献1には、純シリカコアの周囲にフッ素をドープしたクラッド層を設けることによって、クラッド層の屈折率を下げることで光をガイドする構造が提案されている。また、特許文献1には、光ファイバのコア部にアルカリ金属をドープし、クラッド部にフッ素をドープした構造が記載されている。
K. Nagayama et al., Electron. Lett., 38, pp.1168-1169 (2002).
このように、低損失の光ファイバとしては、非特許文献1や特許文献1に記載されているように、純シリカガラスからなるコアまたはアルカリ金属が添加されたコアに対してフッ素が添加されたクラッドの構成が挙げられる。また、長尺の光ファイバを作製するには、大きなコアガラス母材の作製が必要になる。このようなコアガラス母材の作製方法としては、気相軸付(VAD:Vapor phase axial deposition)法を採用するのが望ましい。一方で、VAD法において、コア部とクラッド部との界面におけるOH基の生成を抑制するためには、コア部とクラッド部とを一括合成する必要がある。
また、VAD法においてはフッ素自体をドープすることは極めて困難であるため、ガラス化工程においてフッ素をドープする必要があった。しかしながら、コア部にまでフッ素がドープされてしまうと、コア部の屈折率が下がるため、光のガイドに必要なコア部−クラッド部間の比屈折率差が確保できない場合があるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、ガラス母材においてコア部とクラッド部とを一括合成する場合において、コア部より多量のフッ素をクラッド部にドープさせることができるガラス母材の製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係るガラス母材の製造方法は、出発材に堆積させた内側堆積スートと、内側堆積スートの外側に堆積させた外側堆積スートとから構成する多孔質ガラススートを形成するスート形成ステップと、スート形成ステップ後に、フッ素を添加しつつ多孔質ガラススートを焼結させて内側ガラス部と外側ガラス層とからなるガラス体を形成する焼結ステップと、を含むガラス母材の製造方法において、焼結ステップにおける内側堆積スートに添加するフッ素の添加量を、0g/cm3以上外側堆積スートに添加するフッ素の添加量未満とすることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、焼結ステップ前に、内側堆積スートと外側堆積スートとの少なくとも境界部分におけるスート密度を、外側堆積スートの平均スート密度より高密度化する内側堆積スート高密度化ステップをさらに含むことを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、内側堆積スートと外側堆積スートとの少なくとも境界部分におけるスート密度を、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下とすることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、内側堆積スート高密度化ステップにおいて、内側堆積スートの平均スート密度を外側堆積スートの平均スート密度より高くすることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、内側堆積スートの平均スート密度を、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下とすることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、アルカリ金属元素を添加するアルカリ金属添加ステップをさらに含むことを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、スート形成ステップ後かつ焼結ステップ前に、多孔質ガラススートを所定温度雰囲気において脱水する脱水ステップと、脱水ステップ後に、脱水ステップにおける所定温度以上の温度で仮焼結を行ってアルカリ金属元素が添加された内側堆積スートを収縮させる内側堆積スート収縮ステップと、をさらに含むことを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、内側堆積スート収縮ステップにおいて、内側堆積スートの平均スート密度を、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、アルカリ金属添加ステップが、多孔質ガラススートを、アルカリ金属元素をエアロゾル状にした雰囲気に曝すことによって、多孔質ガラススートの全体にアルカリ金属を添加するステップであることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、アルカリ金属添加ステップが、多孔質ガラススートを、ガラス化炉の内部のアルカリ金属元素雰囲気に曝すことによって、多孔質ガラススートの全体にアルカリ金属を添加するステップであることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、アルカリ金属添加ステップが、焼結ステップ後に、ガラス体を所定温度以上のアルカリ金属元素雰囲気に曝すことによって、ガラス体の全体にアルカリ金属を添加するステップであることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、アルカリ金属元素が、リチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ルビジウム(Rb)、またはセシウム(Cs)であることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、内側ガラス部に添加されたアルカリ金属元素の濃度が、10wtppm以上10000wtppm以下であることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、内側ガラス部に添加されたアルカリ金属元素の濃度が、10wtppm以上5000wtppm以下であることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、外側堆積スートの平均スート密度を、0.15g/cm3以上0.7g/cm3未満とすることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、外側ガラス層の外径を、内側ガラス部の外径に対して2倍以上4.5倍以下とすることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、外側ガラス層の外径を、内側ガラス部の外径に対して3倍以上4.5倍以下とすることを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記の発明において、ガラス体の外周に、さらに第2の多孔質ガラス層を外付けした後にガラス化を行ってガラス母材を製造する外付けステップをさらに有することを特徴とする。
本発明に係る光ファイバは、断面の中心に位置する内側ガラス部と、内側ガラス部を取り囲む第1外側ガラス層と、第1外側ガラス層を取り囲む第2外側ガラス層と、を有する光ファイバであって、内側ガラス部の外径が、7.5μm以上11.5μm以下であるとともに、第1外側ガラス層の外径が、内側ガラス部の外径に対して2倍以上4.5倍以下であり、第1外側ガラス層に対する内側ガラス部の比屈折率差が、0.25%以上0.5%以下であるとともに、第1外側ガラス層の純シリカガラスに対する比屈折率差が、−0.5%以上−0.25%以下であり、内側ガラス部と第1外側ガラス層との間において製造界面がなく、内側ガラス部のフッ素の添加量は、0g/cm3以上第1外側ガラス部のフッ素の添加量未満であり、アルカリ金属元素が添加され、波長1383nmにおける伝送損失が1.0dB/km以下であるとともに、波長1550nmにおける伝送損失が0.18dB/km以下であることを特徴とする。
本発明に係る光ファイバは、上記の発明において、波長1383nmにおける伝送損失が0.4dB/km以下であることを特徴とする。
本発明によれば、コア部とクラッド部とを一括合成させる場合に、コア部に比してクラッド部のフッ素濃度が高いガラス母材を製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。また、本明細書において特に定義しない用語については、ITU−T(国際電気通信連合)G.650.1における定義、測定方法に従うものとする。
まず、本発明の第1の実施形態に用いる気相軸付(VAD)装置について説明する。図1は、この第1の実施形態に用いるVAD装置の要部を示す。
図1に示すように、この第1の実施形態に用いるVAD装置は、出発材としてのターゲットロッド5を保持しつつ回転させながら引き上げる引上機構(図示せず)と、ターゲットロッド5に石英ガラス微粒子を堆積させるため、または焼き締めを行うための、同心円状の構造を有する複数のバーナー2,3,4とを備える。多孔質ガラススート1は、ターゲットロッド5の外周に形成され、内側に合成される内側堆積スート1aと、この内側堆積スート1aの外側に合成される外側堆積スート1bとからなる。
このVAD装置におけるバーナー2は、内側堆積スート1aを合成するためのバーナーである。バーナー2には、例えば、四塩化珪素などの主原料ガス、可燃ガスである水素(H2)ガス、支燃ガスである酸素(O2)ガス、およびキャリアガスを用いて、超音波によってミスト状にされたアルカリ金属の塩化物の水溶液などが流される。また、バーナー3は、外側堆積スート1bを合成するためのバーナーである。バーナー3には、例えば主原料ガス、キャリアガス、H2ガス、およびO2ガスなどが流される。さらに、バーナー4は、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界の部分を焼き締めるためのバーナーであり、H2ガスおよびO2ガスが流される。そして、これらのガスの火炎中の加水分解反応によって、合成石英ガラス微粒子がターゲットロッド5に吹き付けられて堆積し、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bが形成される。
次に、以上のように構成されたVAD装置を用いたVAD法による多孔質ガラススートの製造、および多孔質ガラススートからガラス体を経てガラス母材を製造した後、ガラス母材から光ファイバを製造するまでの一連の製造方法について説明する。図2は、この第1の実施形態による製造方法のフローチャートである。
すなわち、図2に示すように、バーナー2からターゲットロッド5に対して、石英ガラス微粒子およびミスト状の水溶液などを噴霧して、アルカリ金属として、例えば、リチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ルビジウム(Rb)、またはセシウム(Cs)を添加しつつ石英ガラス微粒子を堆積させることにより、内側堆積スート1aを形成する(ステップST1,ST2)。また、内側堆積スート1aの形成に続けて、内側堆積スート1aの外側に、バーナー3から石英ガラス微粒子を噴霧して石英ガラス微粒子を堆積させることにより、外側堆積スート1bを形成する(ステップST3)。
このように、内側堆積スート1aにアルカリ金属元素を添加することによって、後述する光ファイバの製造時における線引き延伸時の仮想温度を下げることができるとともに、光ファイバの径方向に沿った歪を軽減することができるので、光ファイバの伝送損失を低減できる。また、内側堆積スート1aに添加されるアルカリ金属の濃度は、後にガラス母材の内側ガラスになった時点で10wtppmよりも低いと、光ファイバを製造する際の線引き工程においてアルカリ金属による仮想温度の低減効果が低くなってしまい、高張力の線引き条件において歪の影響で伝送損失が増大するため好ましくない。一方、後にガラス母材の内側ガラスになった時点で、内側ガラスのアルカリ金属の濃度が10000wtppmよりも高いと、さらに最終製品としての光ファイバを製造する際に、この光ファイバのコア部となる領域が結晶化しやすい。そのため、後述するガラス化工程において割れてしまう可能性があるため好ましくない。したがって、内側堆積スート1aに添加されるアルカリ金属の濃度は、10wtppm以上10000wtppm以下が好ましい。さらに、ガラス母材の内側ガラスになった時点でアルカリ金属の濃度が5000wtppmを超えると、製造した光ファイバにおいてアルカリ元素の影響によるレイリー散乱が増加する。したがって、内側堆積スート1aに添加されるアルカリ金属の濃度は、10wtppm以上5000wtppm以下がより好ましい。
また、バーナー2によって内側堆積スート1aを形成する際に、内側堆積スート1aに対して塩素(Cl)をドープすると、後の工程でコア部となる領域の粘性を下げることができる。これによって、最終的に製造される光ファイバ内の歪を軽減することが可能となり、伝送損失の低減が可能となる。
また、内側堆積スート1aに、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、またはリン(P)などを添加することも可能である。これにより、内側堆積スート1aから後に形成される内側ガラス部11aの屈折率と、その外側に合成される外側堆積スート1bから後に形成される第1外側ガラス層としての外側ガラス層12aの屈折率との調整を図ることができる。
また、上述したステップST1,ST2,ST3と並行して、バーナー2とバーナー3との間に設置されたバーナー4から噴射した火炎によって内側堆積スート1aの少なくとも外周部分を収縮させる。なお、この第1の実施形態においては、バーナー4には、H2ガスとO2ガスのみを流しているが、SiCl4や硝酸カリウム(KNO3)などの水溶液を超音波によってミスト状にしたものを同時に流すようにしてもよい。
上述したステップST1,ST2,ST3によって、内側堆積スート1aの外側に外側堆積スート1bが堆積された多孔質ガラススート1が製造される。このような内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの一括合成による多孔質ガラススート1の製造においては、内側堆積スート1aの外周部分を収縮させているので、少なくとも外側堆積スート1bとの界面(境界部分)が焼き締めて収縮されている。なお、VAD装置のバーナー2から流すH2ガスとO2ガスとの流量を調整することで火力を調整したり、バーナー4から流すH2ガスとO2ガスとの流量を調整することで火力を調整したりすることもできる。これによって、内側堆積スート1aを、外側堆積スート1bとの境界部分のみならず全体的に焼き締めて、内側堆積スート1aのスート密度を全体的に一様に増加させることも可能である。
図3は、以上のように製造された多孔質ガラススート1の径方向に沿った内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとのスート密度分布の一例を示すグラフである。図3に示すように、この第1の実施形態による多孔質ガラススート1においては、バーナー4から噴射した火炎によって内側堆積スート1aの少なくとも外周部分を収縮させていることにより、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分におけるスート密度が、他の領域に比して高くなっている。このように、少なくとも内側堆積スート1aと外側堆積スート1bの境界部分におけるスート密度が他の領域に比して高密度化されている。この境界部分のスート密度を高密度化することによって、後の焼結工程において、フッ素を添加しつつガラス化を行う際に、外側堆積スート1bから内側堆積スート1aへのフッ素の侵入を抑制できて、フッ素をほとんどドープさせないようにできる。
具体的には、少なくとも内側堆積スート1aと外側堆積スート1bの境界部分における高密度化されたスート密度の最大値、すなわち最大スート密度が0.7g/cm3未満の場合、後の焼結工程における内側堆積スート1aに侵入するフッ素量が多くなるため好ましくない。一方、この最大スート密度が1.7g/cm3を超えると、この境界部分に閉気孔が生じてしまうため好ましくない。したがって、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分における最大スート密度は、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下、好適には1.0g/cm3以上1.7g/cm3以下とするのが好ましい。
また、外側堆積スート1bにおいては、具体的に、平均スート密度が0.15g/cm3未満の場合、ガラス化工程において多孔質ガラススートが崩れやすくなるため好ましくない。他方、平均スート密度が0.7g/cm3以上の場合には、フッ素添加量が極端に少なくなって、製造されるガラス母材における内側ガラスと外側ガラスとの比屈折率差が、このガラス母材から製造される光ファイバに要求される所定の比屈折率差より小さくなるため好ましくない。したがって、外側堆積スート1bの平均スート密度は、0.15g/cm3以上0.7g/cm3未満が好ましい。
次に、図2に示すように、多孔質ガラススート1をガラス化炉(図示せず)内において、所定温度で脱水工程を行う(ステップST4)。次に、この脱水工程における所定温度より高温で、例えば四フッ化珪素(SiF4)ガスとヘリウム(He)ガスとの混合ガス雰囲気において、フッ素を添加しつつ焼結ガラス化を行う(ステップST5)。
以上のようにして多孔質ガラススート1から製造されたガラス体10aの屈折率分布を図4に示す。図4に示すように、ガラス体10aは、内側堆積スート1aから内側ガラス部11aが形成され、外側堆積スート1bから外側ガラス層12aが形成される。このとき、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの少なくとも境界部分におけるスート密度が、他の領域に比して高くなっていることにより、フッ素は外側ガラス層12aに多量にドープされており、内側ガラス部11aへのフッ素の添加量は抑制される。なお、多孔質ガラススート1における内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの少なくとも境界部分におけるスート密度が他の領域に比して高いことから、内側ガラス部11aにドープされたアルカリ金属が外側ガラス層12aに拡散することも防止される。
そのため、この第1の実施形態によるガラス体10aにおいては、内側ガラス部11aへのフッ素のドープ量に比して、外側ガラス層12aへのフッ素のドープ量が大きくなる。これにより、外側ガラス層12aの屈折率が内側ガラス部11aの屈折率に比して小さくなる。そして、これらの内側ガラス部11aの屈折率と外側ガラス層12aの屈折率とはそれぞれ、後に製造される光ファイバにおけるコア部とクラッド部との屈折率に反映される。
また、製造されたガラス体10aにおいて、内側ガラス部11aの外径d1と外側ガラス層12aの外径d2とは次のように決定される。すなわち、外側ガラス層12aの外径d2が内側ガラス部11aの外径d1の2倍未満の場合、後の工程においてガラス体10aの表面にOH基が生じた際、このOH基の影響が、最終的に線引きした光ファイバのOH基による損失、すなわち波長1383nmにおける伝送損失の増加を引き起こす。また、外側ガラス層12aの外径d2を内側ガラス部11aの外径d1の4.5倍より大きく設定すると、このガラス体10aに対して焼結ガラス化を行う際に、内側堆積スート1aのスート密度と外側堆積スート1bのスート密度との相違から、重力の影響によって界面においてスートが滑って落下しやすくなり好ましくない。したがって、ガラス体10aにおいては、外側ガラス層12aの外径d2と内側ガラス部11aの外径d1との間に、以下の(1)式が成立することが好ましい。
4.5×d1≧d2≧2×d1 ……(1)
4.5×d1≧d2≧2×d1 ……(1)
また、外側ガラス層12aの外径d2を内側ガラス部11aの外径d1の3倍以上にすると、後の工程においてOH基の影響をほぼなくすことができるため好ましい。そのため、このガラス体10aにおいて、外側ガラス層12aの外径d2と内側ガラス部11aの外径d1との間には、以下の(2)式が成立することがより好ましい。
4.5×d1≧d2≧3×d1 ……(2)
4.5×d1≧d2≧3×d1 ……(2)
次に、ガラス化炉において、外側ガラス層12aの屈折率と同等になるように、SiF4ガスとHeガスとの混合雰囲気下で第2の多孔質ガラス層を堆積させて焼結ガラス化を2回行う、いわゆる外付け工程を行う(ステップST6)。これにより、図5に示すガラス母材10が製造される。図5は、この第1の実施形態により製造されるガラス母材10の断面形状を示す。図5に示すように、内側ガラス部11aから、光ファイバのコア部となる内側ガラス11が形成される。また、第1外側ガラス層としての外側ガラス層12aと第2の多孔質ガラス層から形成された第2外側ガラス層としての外側ガラス層12bとから、外側ガラス12が形成される。これにより、内側ガラス11および外側ガラス12から構成されるガラス母材10が製造される。
なお、このような製造方法によれば、内側ガラス部11aと外側ガラス層12aとの間において製造界面がないように形成される。これにより、内側ガラス11と外側ガラス12との間においても製造界面が存在しない。ここで、製造界面とは、製造工程においてガラス層の表面が一旦、たとえば大気などの水分を含む雰囲気に曝されてから、その表面上にさらにガラス層が形成される場合において、2つのガラス層の間の界面を意味する。このような製造界面に相当するものとしては、多孔質ガラススートを堆積して、この多孔質ガラススートを一度ガラス化して第1ガラス層を形成し、さらに第1ガラス層の表面に多孔質ガラススートを堆積して、この多孔質ガラススートをガラス化して第2ガラス層を形成した場合における、第1ガラス層と第2ガラス層との間の界面がある。これに対し、上述した製造方法によれば、VAD法によって内側堆積スート1aの形成に連続して、外側堆積スート1bを形成しているので、その後に製造される内側ガラス部11aと外側ガラス層12aとの間には製造界面が形成されない。
そして、以上のように製造されたガラス母材10に対して、所定速度で線引き延伸を行う(ステップST7)。これにより、内側ガラス11がコア部となり、外側ガラス12がクラッド部となる光ファイバが製造される。この第1の実施形態において製造された光ファイバにおいては、波長1383nmにおける伝送損失が1.0dB/km以下、好適には、0.4dB/km以下である。また、同様に、この第1の実施形態による光ファイバにおいては、波長1550nmにおける伝送損失が0.181dB/km以下である。これにより、伝送損失はITU−TG652Dの規格を満たすようになる。
以上説明したこの第1の実施形態によれば、VAD装置として、少なくとも3本のバーナー2,3,4を用いて、組成が異なる内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの2層の多孔質ガラススート1を形成し、この多孔質ガラススート1をガラス化する前に、内側堆積スート1aの少なくとも外側堆積スート1bとの境界部分を高密度化することにより、内側堆積スート1aのフッ素添加量が外側堆積スート1bのフッ素添加量より小さくなるようにフッ素添加量に差が生じるため、内側ガラス11よりも外側ガラス12におけるフッ素添加量が多く屈折率の低いガラス母材10を製造することが可能となる。
次に、上述した第1の実施形態に基づく実施例について説明する。表1は、これらの実施例における、カリウムの状態、フッ素の添加方法、スート密度、外径内径比のd1/d2、カリウム濃度、純シリカガラスに対する比屈折率差、コア径、伝送損失、および焼締めバーナ(バーナー4)の使用または不使用(以下、各種条件)をそれぞれ示す表である。
(実施例)
実施例においては、図1に示すVAD装置におけるバーナー2に、主原料ガスとしての例えば四塩化珪素(SiCl4)ガスと、H2ガス、O2ガス、およびアルゴン(Ar)ガスと、超音波によってミスト状にされた塩化カリウム(KCl)水溶液またはHeガスをキャリアガスとしてエアロゾルとしたKCl、もしくはミスト状にされた硝酸カリウム(KNO3)とを流す。これにより、内側堆積スート1aを形成する。また、バーナー3に、主原料ガスとしての例えばSiCl4ガスと、H2ガス、O2ガス、およびArガスとを流す。これにより、外側堆積スート1bを形成する。
実施例においては、図1に示すVAD装置におけるバーナー2に、主原料ガスとしての例えば四塩化珪素(SiCl4)ガスと、H2ガス、O2ガス、およびアルゴン(Ar)ガスと、超音波によってミスト状にされた塩化カリウム(KCl)水溶液またはHeガスをキャリアガスとしてエアロゾルとしたKCl、もしくはミスト状にされた硝酸カリウム(KNO3)とを流す。これにより、内側堆積スート1aを形成する。また、バーナー3に、主原料ガスとしての例えばSiCl4ガスと、H2ガス、O2ガス、およびArガスとを流す。これにより、外側堆積スート1bを形成する。
また、実施例において、図3に示すスート密度分布において、表1に示すように多孔質ガラススート1の内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分における最大スート密度(表1中、界面)を、0.18g/cm3以上1.15g/cm3以下の範囲内において種々の密度とした。そして、これらの場合、最大スート密度となる境界部分を含む内側堆積スート1aの平均スート密度(表1中、内側平均)は、0.2g/cm3以上1.1g/cm3以下の種々の密度になる。また、内側堆積スート1aにおける最大スート密度(表1中、内側最大)は、0.9g/cm3以上1.15g/cm3以下の種々の密度になる。さらに、外側堆積スート1bの平均スート密度(表1中、外側)は、0.18g/cm3以上0.43g/cm3以下の種々の密度となる。
そして、この多孔質ガラススート1に対して、ガラス化炉内において例えば1100℃の温度で脱水工程を行う。続いて、脱水工程における処理温度より高温の例えば1350℃の温度で、SiF4ガスとHeガスとの混合ガス雰囲気下において、フッ素を添加しつつ焼結ガラス化工程を行って、ガラス体10aを製造する。ここで、表1において、フッ素を添加する方法に関して、コア部とクラッド部との界面のスート密度を増加させる場合(図3に対応)を「A」、コア部全体のスート密度を増加させる場合(図6に対応)を「B」とする。
このように製造されたガラス体10aにおいて、内側ガラス部11aの純シリカガラスに対する比屈折率差が−0.17%以上0.02%以下であることが確認された。すなわち、内側ガラス部11aにフッ素の添加量が少ないことが確認された。一方、ガラス体10aにおける外側ガラス層12aの純シリカガラスに対する平均比屈折率差は、−0.5%以上−0.25%以下であることが確認された。このように、この実施例においては、図4に示すような屈折率分布となることが確認された。さらに、外側ガラス層12aの外径d2の内側ガラス部11aの外径d1に対する比(外径内径比、d1/d2)は1/1.9〜1/4.5とした。さらに、それぞれの実施例において、内側ガラス部11aに添加された元素の分析を行ったところ、カリウム(K)が5wtppm〜10000wtppmの種々の添加濃度で検出された。
その後、ガラス体10aの外側に、ガラス化炉において、外側ガラス層12aの屈折率と同等になるように、SiF4ガスとHeガスとの混合雰囲気下において焼結ガラス化を2回行う、いわゆる外付け工程を行って、図5に示すように、外側ガラス層12bを形成する。これにより、ガラス母材10を製造する。このように製造されたガラス母材10における内側ガラス11の外径とガラス母材10の外径との比は、製造される光ファイバのコア径と外径との比に相当するように、7.5〜11.5:125とするのが好ましく、8.0〜11.3:125とするのがより好ましい。
そして、このように製造されたガラス母材10に対して例えば1200m/minの速度で線引き延伸を行うことにより、外径が125μmの光ファイバを製造する。なお、内側ガラス11は、この光ファイバのコア部を形成し、そのコア径は7.5μm以上11.5μm以下、好適には、8.0μm以上11.3μm以下となる。また、製造された光ファイバにおいて、波長1383nmにおける伝送損失が0.32〜0.42dB/km、波長1550nmにおける伝送損失が0.163〜0.181dB/kmであり、伝送損失はITU−TG652Dの規格内となることが確認された。さらに、光ファイバのコア部における純シリカガラスに対する比屈折率差は、−0.17%以上0.02%以下、およびクラッド部における純シリカガラスに対する平均比屈折率差は、−0.5%以上−0.25%以下であった。
また、以上のように製造された光ファイバを用いて、光伝送媒体として例えば50kmの光ファイバケーブルを製造したところ、波長1550nmおよび波長1383nmの両波長において伝送損失が増加しないことが確認された。
(実施例1)
なお、実施例1における各種条件については、上述した実施例において表1に示す通りである。
なお、実施例1における各種条件については、上述した実施例において表1に示す通りである。
(実施例2)
実施例2においては上述した実施例に対してさらに、線引き延伸が行われた後の光ファイバに対してアニール処理を行うことも可能である。これにより、コア領域に添加されていたカリウム(K)が拡散する。そして、光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が、アニール処理を行っていない場合において、0.167dB/km(実施例2−1)であったのに対し、アニール処理を実行した場合において、0.165dB/km(実施例2−2)に低減することが確認された。
実施例2においては上述した実施例に対してさらに、線引き延伸が行われた後の光ファイバに対してアニール処理を行うことも可能である。これにより、コア領域に添加されていたカリウム(K)が拡散する。そして、光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が、アニール処理を行っていない場合において、0.167dB/km(実施例2−1)であったのに対し、アニール処理を実行した場合において、0.165dB/km(実施例2−2)に低減することが確認された。
(実施例3)
表1に示すように、実施例3においては、外側ガラス層12aの外径d2の内側ガラス部11aの外径d1に対する比(d1/d2)を1/2とした。そして、このガラス体10aに対して、外付け工程を行ってガラス母材10を製造する。その後、製造されたガラス母材10に対して線引き延伸を行うことによってコア径が10.2μmの光ファイバを製造する。
表1に示すように、実施例3においては、外側ガラス層12aの外径d2の内側ガラス部11aの外径d1に対する比(d1/d2)を1/2とした。そして、このガラス体10aに対して、外付け工程を行ってガラス母材10を製造する。その後、製造されたガラス母材10に対して線引き延伸を行うことによってコア径が10.2μmの光ファイバを製造する。
(実施例4)
実施例4においては、実施例2の条件に対して、図1に示すVAD装置のバーナー2から流すH2ガスとO2ガスとの流量を増加させて火力を強くする。一方で、実施例2の条件に比して、バーナー4から流すH2ガスとO2ガスとの流量を減少させて火力を弱くする。実施例4におけるその他の条件については、実施例2と同様である。これにより、内側堆積スート1aにおけるスート密度を全体的に一様に増加させる。
実施例4においては、実施例2の条件に対して、図1に示すVAD装置のバーナー2から流すH2ガスとO2ガスとの流量を増加させて火力を強くする。一方で、実施例2の条件に比して、バーナー4から流すH2ガスとO2ガスとの流量を減少させて火力を弱くする。実施例4におけるその他の条件については、実施例2と同様である。これにより、内側堆積スート1aにおけるスート密度を全体的に一様に増加させる。
このようにして製造された多孔質ガラススート1の径方向に沿ったスート密度分布を図6に示す。ここで、内側堆積スート1aの、最も高いスート密度、平均スート密度、および外側堆積スート1bのスート密度は、表1に示す通りであり、最もスート密度が低い領域で0.7g/cm3である。
次に、実施例1の条件に対してフッ素の流量を増加させて焼結ガラス化工程を行い、ガラス体10aを製造する。ここで、ガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。続いて、ガラス体10aに対して外付け工程を行い、ガラス母材10を製造した後、線引き延伸を行って、コア径が10.8μmの光ファイバを製造する。なお、実施例4におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(実施例5)
実施例5においては、実施例4での条件に対して、さらにバーナー2,4の火力を増加させて内側堆積スート1aの平均スート密度を増加させる。その後は実施例4と同様である。ここで、ガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。実施例5におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
実施例5においては、実施例4での条件に対して、さらにバーナー2,4の火力を増加させて内側堆積スート1aの平均スート密度を増加させる。その後は実施例4と同様である。ここで、ガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。実施例5におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(実施例6)
実施例6においては、実施例2においてさらに、Kの添加量を10〜10000wtppmの範囲で変更させてガラス母材10を製造した後、それぞれのガラス母材10からそれぞれ光ファイバを製造する。このように製造された光ファイバをそれぞれ、実施例6−1,6−2,6−3,6−4,6−5,6−6,6−7,6−8,6−9,6−10,6−11として、それらの結果を表1に示す。なお、いずれのガラス体10aにおいても、外側ガラス層12aの外径d2に対する内側ガラス部11aの外径d1の比(d1/d2)は1/3とする。
実施例6においては、実施例2においてさらに、Kの添加量を10〜10000wtppmの範囲で変更させてガラス母材10を製造した後、それぞれのガラス母材10からそれぞれ光ファイバを製造する。このように製造された光ファイバをそれぞれ、実施例6−1,6−2,6−3,6−4,6−5,6−6,6−7,6−8,6−9,6−10,6−11として、それらの結果を表1に示す。なお、いずれのガラス体10aにおいても、外側ガラス層12aの外径d2に対する内側ガラス部11aの外径d1の比(d1/d2)は1/3とする。
表1から、実施例6−1〜6−11においては、それぞれのガラス体10aの外側ガラス層12aおよび内側ガラス部11aの純シリカガラスに対する比屈折率差、および製造したガラス母材10の光学特性におけるいずれの損失特性も所望の範囲を満たしていることが分かる。
(実施例7)
実施例7においては、バーナー2に、SiCl4ガス、Arガス、H2ガス、O2ガス、および塩化アルミニウム(AlCl3)を流してアルミニウム(Al)を添加すること以外は、実施例1と同様にして内側堆積スート1aを製造する。なお、Al以外にもGeやPを添加してもよい。これにより、後に製造される外側ガラス層12aとの屈折率の調整を図ることができる。
実施例7においては、バーナー2に、SiCl4ガス、Arガス、H2ガス、O2ガス、および塩化アルミニウム(AlCl3)を流してアルミニウム(Al)を添加すること以外は、実施例1と同様にして内側堆積スート1aを製造する。なお、Al以外にもGeやPを添加してもよい。これにより、後に製造される外側ガラス層12aとの屈折率の調整を図ることができる。
ここで、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分の最大のスート密度、外側堆積スート1bの平均スート密度、および最大スート密度となっている内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分を含む内側堆積スート1aの平均スート密度は、表1に示す通りである。なお、内側堆積スート1aに添加されるAlの濃度は0.2wtppmであった。
次に、多孔質ガラススート1に対してガラス化工程を行ってガラス体10aを製造する。ガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。そして、製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行って、ガラス母材10を製造した後、線引き延伸を行って、コア径が9.2μmの光ファイバを製造する。実施例7におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(実施例8)
実施例8においては、噴霧堆積させて多孔質ガラススート1を製造する際における硝酸カリウム(KNO3)水溶液のミストの流量を実施例1の条件に比して減少させる以外は、実施例1と同様である。
実施例8においては、噴霧堆積させて多孔質ガラススート1を製造する際における硝酸カリウム(KNO3)水溶液のミストの流量を実施例1の条件に比して減少させる以外は、実施例1と同様である。
そして、このガラス体10aに対して外付け工程を行ってガラス母材10を製造した後、このガラス母材10に対して、例えば1200m/minの速度で線引き延伸を行って、コア径が10.8μmの光ファイバを製造する。実施例8におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(実施例9)
実施例9においては、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの堆積量の比率を実施例1と異なる比率とする以外は実施例1と同様の条件である。そして、製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行ってガラス母材10を製造した後、ガラス母材10に対して線引き延伸を行うことによって、コア径10.8μmの光ファイバを製造する。実施例9におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
実施例9においては、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの堆積量の比率を実施例1と異なる比率とする以外は実施例1と同様の条件である。そして、製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行ってガラス母材10を製造した後、ガラス母材10に対して線引き延伸を行うことによって、コア径10.8μmの光ファイバを製造する。実施例9におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に用いるVAD装置について説明する。図7は、この第2の実施形態に用いるVAD装置の要部を示す略線図である。図7に示すように、この第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なり、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分を収縮させて焼き締めるためのバーナー4が設けられていない(表1中、焼締めバーナー未使用)。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態に用いるVAD装置について説明する。図7は、この第2の実施形態に用いるVAD装置の要部を示す略線図である。図7に示すように、この第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なり、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分を収縮させて焼き締めるためのバーナー4が設けられていない(表1中、焼締めバーナー未使用)。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
(実施例10)
次に、第2の実施形態によるVAD装置を用いた実施例10について説明する。この実施例10においては、実施例1での条件に対して、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させて火力を強くしつつ多孔質ガラススート1を堆積させた。これにより、内側堆積スート1aの形成後、その外側に外側堆積スート1bを堆積するとともに、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分を焼き締めることができる。製造した多孔質ガラススート1における径方向に沿ったスート密度は、第1の実施形態と同様の図3に示すスート密度分布になる。すなわち、この実施例10においては、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させることによって、表1に示すように、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分におけるスート密度を高くし、最大のスート密度を0.7g/cm3以上、好適には1.0g/cm3とする。実施例10におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
次に、第2の実施形態によるVAD装置を用いた実施例10について説明する。この実施例10においては、実施例1での条件に対して、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させて火力を強くしつつ多孔質ガラススート1を堆積させた。これにより、内側堆積スート1aの形成後、その外側に外側堆積スート1bを堆積するとともに、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分を焼き締めることができる。製造した多孔質ガラススート1における径方向に沿ったスート密度は、第1の実施形態と同様の図3に示すスート密度分布になる。すなわち、この実施例10においては、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させることによって、表1に示すように、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分におけるスート密度を高くし、最大のスート密度を0.7g/cm3以上、好適には1.0g/cm3とする。実施例10におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
その後、実施例1と同様にして、多孔質ガラススート1に対してガラス化炉におけるガラス化工程を行うことによって、ガラス体10aを製造する。このように製造されたガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。
続いて、このようにガラス化されたガラス体10aに対して外付け工程を行って、ガラス母材10を製造した後、このガラス母材10を線引き延伸して、コア径が11.2μmの光ファイバを製造する。
さらに、線引き延伸を行った後の光ファイバに対してアニール処理を行うことも可能である。これにより、コア領域に添加されていたカリウム(K)が拡散する。そして、表1に示すように、この光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が、アニール処理を行っていない場合において0.169dB/km(実施例10−1)であったのに対し、アニール処理を行った場合には、0.167dB/km(実施例10−2)まで低減することが確認された。実施例10におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(実施例11)
実施例11においては、図7に示すVAD装置を用いて多孔質ガラススート1を製造する。すなわち、バーナー2に、Heガスをキャリアガスとして、主原料ガスとしてのSiCl4ガスと、Arガス、H2ガス、およびO2ガスと、KClのエアロゾルとを流す。そして、ターゲットロッド5に対して、これらのエアロゾルおよび混合ガスを噴霧して堆積させる。これにより、Kが添加された内側堆積スート1aを製造する。また、バーナー3には、SiCl4ガス、Arガス、H2ガス、およびO2ガスを流す。これにより内側堆積スート1aの外側に外側堆積スート1bを形成する。
実施例11においては、図7に示すVAD装置を用いて多孔質ガラススート1を製造する。すなわち、バーナー2に、Heガスをキャリアガスとして、主原料ガスとしてのSiCl4ガスと、Arガス、H2ガス、およびO2ガスと、KClのエアロゾルとを流す。そして、ターゲットロッド5に対して、これらのエアロゾルおよび混合ガスを噴霧して堆積させる。これにより、Kが添加された内側堆積スート1aを製造する。また、バーナー3には、SiCl4ガス、Arガス、H2ガス、およびO2ガスを流す。これにより内側堆積スート1aの外側に外側堆積スート1bを形成する。
このように製造された多孔質ガラススート1のスート密度は、多孔質ガラススート1の径方向に沿ってほぼ一様になる。そして、このような多孔質ガラススート1に対して、ガラス化炉において例えば1000℃の温度雰囲気で脱水工程を行った後、さらに高温の例えば1150℃の温度雰囲気で仮焼結ガラス化工程を行う。これによって、アルカリ金属のKが添加された内側堆積スート1aを選択的に収縮させて、内側堆積スート1aの全体のスート密度を、例えば0.18g/cm3から0.73g/cm3まで増加させる(表1中、0.18→0.73等と記載)。これに伴って、内側堆積スート1aの最大スート密度も増加する。一方、外側堆積スート1bは収縮させずに、スート密度を0.18g/cm3のままで維持する。
ここで、VAD法による合成時においては、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの間でスート密度に差が生じないようにし、内側堆積スート1aにのみアルカリ金属を添加する。このアルカリ金属が添加された内側堆積スート1aにおいては、比較的低温で緻密化が進む。この緻密化が進む仮焼結ガラス化工程における好適な温度範囲については、次のようにして選択される。すなわち、外側堆積スート1bに対する仮焼結ガラス化の温度が1100℃より低いと、内側堆積スート1aの収縮量が少なくなり、内側堆積スート1aへのフッ素の侵入を抑制できない。一方、仮焼結ガラス化の温度が1250℃より高いと内側堆積スート1aの焼結が進行してしまい、外側堆積スート1bが崩れやすくなるため好ましくない。そのため、この実施例11における仮焼結ガラス化工程においては、1100℃以上1250℃以下の温度雰囲気とするのが好ましい。これにより、外側堆積スート1bのスート密度を増加させずに、内側堆積スート1aのスート密度のみを増加できる。
また、内側堆積スート1aにおける平均スート密度については、0.7g/cm3未満の場合は添加されるフッ素量が多くなって、内側ガラス部11aと外側ガラス層12aとの比屈折率差が、必要とされる比屈折率差以上にならないため好ましくない。また、内側堆積スート1aの平均スート密度が1.7g/cm3を超えると、内側堆積スート1aに閉気孔が生じてしまうため好ましくない。したがって、内側堆積スート1aの平均スート密度は、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下とするのが好ましい。
その後、この多孔質ガラススート1に対して、例えば1350℃の温度でSiF4ガスおよびHeガスの混合ガス雰囲気において、フッ素を添加しつつ焼結ガラス化を行う。この場合、内側堆積スート1a全体のスート密度が外側堆積スート1bのスート密度より大きくなっていることにより、この焼結ガラス化工程においてフッ素を添加する際に、内側堆積スート1aへのフッ素の侵入を抑制できる。これにより、内側堆積スート1aにはフッ素がほとんどドープされない。なお、このように、ガラス化工程において、内側堆積スート1a全体のスート密度を外側堆積スート1bのスート密度より大きくしてフッ素を添加する方法を、表1においては「C」と記載する。
このように製造されたガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。次に、このように製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行うことによりガラス母材10を製造する。そして、このガラス母材10に対して線引き延伸を行うことにより、コア径が10.2μmの光ファイバを製造する。実施例11におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(実施例12)
実施例12においては、図7に示すVAD装置を用いて多孔質ガラススート1を製造する。なお、実施例12においては、実施例11における条件に比して、添加するK(KCl)の濃度を表1に示すように増加させる。このように製造された多孔質ガラススート1のスート密度は、多孔質ガラススート1の径方向に沿ってほぼ一様になり、内側堆積スート1aおよび外側堆積スート1bのスート密度はいずれも、0.18g/cm3となる。
実施例12においては、図7に示すVAD装置を用いて多孔質ガラススート1を製造する。なお、実施例12においては、実施例11における条件に比して、添加するK(KCl)の濃度を表1に示すように増加させる。このように製造された多孔質ガラススート1のスート密度は、多孔質ガラススート1の径方向に沿ってほぼ一様になり、内側堆積スート1aおよび外側堆積スート1bのスート密度はいずれも、0.18g/cm3となる。
そして、この多孔質ガラススート1に対して、ガラス化炉において例えば1000℃の温度雰囲気で脱水工程を行った後、これより高温の例えば1110℃の温度雰囲気に曝す。これによって、Kが添加された内側堆積スート1aを選択的に収縮させ、スート密度を0.18g/cm3から0.82g/cm3まで増加させる。一方、外側堆積スート1bは収縮させずに、スート密度を0.18g/cm3のままで維持する。
そして、この多孔質ガラススート1に対して、例えば1350℃の温度でSiF4ガスおよびHeガスの混合ガス雰囲気において、フッ素を添加しつつガラス化を行う。このように製造されたガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。
次に、このように製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行うことによりガラス母材10を製造する。そして、このガラス母材10に対して線引き延伸を行うことによりコア径が9.7μmの光ファイバを製造する。実施例12におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(実施例13)
実施例13においては、図7に示すVAD装置を用いて多孔質ガラススート1を製造する。なお、実施例13においては、実施例11における条件に比して、添加するK(KCl)の濃度を表1に示すように減少させる。このように製造された多孔質ガラススート1のスート密度は、多孔質ガラススート1の径方向に沿ってほぼ一様になる。
実施例13においては、図7に示すVAD装置を用いて多孔質ガラススート1を製造する。なお、実施例13においては、実施例11における条件に比して、添加するK(KCl)の濃度を表1に示すように減少させる。このように製造された多孔質ガラススート1のスート密度は、多孔質ガラススート1の径方向に沿ってほぼ一様になる。
そして、多孔質ガラススート1に対して、ガラス化炉において例えば1000℃の温度雰囲気で脱水工程を行った後、さらに高温の例えば1230℃の温度雰囲気に曝す。これによって、Kが添加された内側堆積スート1aを選択的に収縮させ、スート密度を増加させる。一方、外側堆積スート1bのスート密度は維持する。
そして、この多孔質ガラススート1に対して、例えば、SiF4ガスおよびHeガスの混合ガス雰囲気下で、例えば1350℃の温度雰囲気において、フッ素を添加しつつ焼結ガラス化を行う。このように製造されたガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。
次に、このように製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行うことにより、ガラス母材10を製造する。そして、このガラス母材10に対して線引き延伸を行うことによりコア径が9.6μmの光ファイバを製造する。実施例13におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(比較例)
次に、上述した第1の実施形態に基づく実施例1〜9、および第2の実施形態に基づく実施例10〜13の効果を確認するための比較例について説明する。
次に、上述した第1の実施形態に基づく実施例1〜9、および第2の実施形態に基づく実施例10〜13の効果を確認するための比較例について説明する。
(比較例1)
まず、比較例1について説明する。この比較例1においては、まず、図1に示すVAD装置においてバーナー2のみが設けられ、バーナー3,4が設けられていない構成のVAD装置を用いる。そして、バーナー2からは、主原料ガスとしてのSiCl4ガスと、Arガス、H2ガス、およびO2ガスと、KCl水溶液を超音波によって霧状(ミスト状)にした液体を、Arガスをキャリアガスとして流す。これによって、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じない多孔質ガラススートを製造する。そして、この多孔質ガラススートを、ガラス化炉内において、KClが固体粒子状で含まれるエアロゾル雰囲気下に曝すことによって、多孔質ガラススートにKを添加しつつガラス体を製造する。この場合、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じていないため、全体にカリウムが添加されたガラス体が製造される。なお、このガラス体に添加されているカリウムの濃度は300wtppmであり、その屈折率は純シリカガラスと同等であった。
まず、比較例1について説明する。この比較例1においては、まず、図1に示すVAD装置においてバーナー2のみが設けられ、バーナー3,4が設けられていない構成のVAD装置を用いる。そして、バーナー2からは、主原料ガスとしてのSiCl4ガスと、Arガス、H2ガス、およびO2ガスと、KCl水溶液を超音波によって霧状(ミスト状)にした液体を、Arガスをキャリアガスとして流す。これによって、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じない多孔質ガラススートを製造する。そして、この多孔質ガラススートを、ガラス化炉内において、KClが固体粒子状で含まれるエアロゾル雰囲気下に曝すことによって、多孔質ガラススートにKを添加しつつガラス体を製造する。この場合、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じていないため、全体にカリウムが添加されたガラス体が製造される。なお、このガラス体に添加されているカリウムの濃度は300wtppmであり、その屈折率は純シリカガラスと同等であった。
その後、このガラス体10aに対して、さらに多孔質ガラススートを堆積させた後、フッ素を添加しつつガラス化を行うことにより、ガラス母材を製造する。このガラス母材におけるフッ素が添加された領域においては、純シリカガラスに対する比屈折率差が−0.31%であった。そして、さらに同等の屈折率となるように、フッ素を添加しつつガラスを形成する外付け工程を行う。これにより、Kが添加された領域の外径と、フッ素(F)が添加された領域の外径との比が10.2:125となるガラス母材を製造した。なお、表1においては、このようなフッ素が添加された層を形成するフッ素添加方法を「D」とする。その後、このガラス母材に対して、実施例1と同様にして線引き延伸を行うことにより、光ファイバを製造した。このように製造した光ファイバにおいては、波長1383nmにおける伝送損失が3dB/km以上となり、極めて大きな値となってしまった。比較例1におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(比較例2)
比較例2においては、図1に示すVAD装置を用いて、外側堆積スートを形成するためのバーナー3の火力を増加させることによって、外側堆積スートの平均スート密度を0.62g/cm3まで増加させた。
比較例2においては、図1に示すVAD装置を用いて、外側堆積スートを形成するためのバーナー3の火力を増加させることによって、外側堆積スートの平均スート密度を0.62g/cm3まで増加させた。
次に、このように製造された多孔質ガラススートに対して、実施例2と同様にして焼結ガラス化工程を行うことによって、ガラス体を製造する。この場合、表1に示すように、内側ガラス部の純シリカガラスに対する比屈折率差は−0.05%、外側ガラス層の純シリカガラスに対する比屈折率差は−0.15%であった。すなわち、内側ガラス部と外側ガラス層との間において、光ファイバを製造する際の所望の比屈折率差は得られなかった。比較例2におけるその他の各種条件については表1に示す通りである。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、VAD装置の要部については第1の実施形態と同様であり、図8は、この第3の実施形態によるガラス化炉およびエアロゾル発生装置を示す。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、VAD装置の要部については第1の実施形態と同様であり、図8は、この第3の実施形態によるガラス化炉およびエアロゾル発生装置を示す。
図8に示すように、この第3の実施形態によるガラス化炉6は、ヒーター6aを備えるとともに、エアロゾルを発生可能に構成されたエアロゾル発生装置7と接続されている。そして、このガラス化炉6において、例えば1100℃程度の所定温度で多孔質ガラススート1に対して、脱水処理を行う。また、脱水処理を行った後、エアロゾル発生装置7から例えばKClなどのアルカリ金属と塩素との化合物のエアロゾルを供給しつつ、多孔質ガラススート1の全体にKなどのアルカリ金属元素を浸透させる。なお、キャリアガスとしては、HeやArなどの不活性ガスを用いることが可能である。
その後、多孔質ガラススート1を、例えば、SiF4などのフッ素化合物ガスとHeなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気に、脱水処理における所定温度以上の例えば1350℃程度の高温で曝すことにより、多孔質ガラススート1に対してフッ素を添加しつつガラス化を行う。
次に、以上のように構成された、VAD装置を用いた多孔質ガラススートの製造、ガラス化炉を用いたガラス体の製造、ガラス体からのガラス母材の製造、およびガラス母材から光ファイバを製造するまでの一連の製造方法について説明する。図9は、この第3の実施形態による製造方法のフローチャートである。
すなわち、第1の実施形態と同様に図1に示すVAD装置を用いて内側堆積スート1aを形成する(図9中、ステップST11)。なお、内側堆積スート1aに、Al、Ge、またはPなどを添加してもよい。これにより、内側堆積スート1aから後に形成される内側ガラス部11aの屈折率と、その外側に合成される外側堆積スート1bから後に形成される外側ガラス層12aの屈折率との調整を図ることができる。次に、内側堆積スート1aの外側に、バーナー3から各ガスを噴霧させて石英ガラス微粒子を堆積させて外側堆積スート1bを堆積させる(図9中、ステップST12)。
さらに、上述したステップST11,ST12と並行して、バーナー2とバーナー3との間に設置されたバーナー4から噴射した火炎によって内側堆積スート1aの少なくとも外周部分を収縮させる。なお、この第3の実施形態においては、バーナー4には、H2ガスとO2ガスのみを流しているが、SiCl4やKNO3などの水溶液を超音波によってミスト状にしたものを同時に流してもよい。
上述したステップST11,ST12によって、内側堆積スート1aの外側に外側堆積スート1bが堆積されて多孔質ガラススート1が製造される。また、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの一括合成による多孔質ガラススート1の製造においては、内側堆積スート1aの外周部分を収縮させているので、少なくとも外側堆積スート1bとの界面(境界部分)が焼き締めて収縮されている。なお、VAD装置のバーナー2から流すH2ガスとO2ガスとの流量を調整することで火力を調整したり、バーナー4から流すH2ガスとO2ガスとの流量を調整することで火力を調整したりすることもできる。これによって、内側堆積スート1aを、外側堆積スート1bとの境界部分のみならず全体的に焼き締めて、内側堆積スート1aのスート密度を全体的に一様に増加させることも可能である。
その後、以上のように製造された多孔質ガラススート1の全体にアルカリ金属元素を添加する(ステップST13)。アルカリ金属は拡散しやすいため、多孔質ガラススート1におけるスート密度によらずに、多孔質ガラススート1の全体に拡散される。そのため、内側堆積スート1aおよび外側堆積スート1bの両方にアルカリ金属を添加することが可能である。なお、このアルカリ金属元素の添加は、必要に応じて、後述する脱水工程後や焼結ガラス化工程後に行うことも可能である。ここで、アルカリ金属としては、例えば、K、Li、Na、Rb、またはCsを挙げることができる。このように、多孔質ガラススート1にアルカリ金属を添加することによって、後述する光ファイバの製造時における線引き延伸時の仮想温度を下げることができるとともに、光ファイバの径方向に沿った歪を軽減することができるので、光ファイバの伝送損失を低減できる。
また、多孔質ガラススート1の形成後、例えばガラス化炉などにおいてClをドープしてもよい。多孔質ガラススート1の形成後にClをドープすると、ドープされた領域の粘性を下げることができる。これによって、最終的に製造される光ファイバ内の歪を軽減することが可能となり、伝送損失の低減が可能となる。
また、アルカリ金属を添加する際には、種々の方法を採用することができる。すなわち、添加する際の例えばKClなどのアルカリ金属化合物の状態を、固相(固体粒子)、水溶液などの液相(液体)、および気相(気体、イオン)のいずれにするかによって、種々の方法を採用することが可能である。
そして、この第3の実施形態のように、ステップST13において、VAD装置における多孔質ガラススート1の合成時にアルカリ金属を多孔質ガラススート1にドープする場合、アルカリ金属化合物の状態を、固相であるエアロゾル、または液相であるミストとするのが好ましい。アルカリ金属を小径のエアロゾル状にすることで、アルカリ金属が、多孔質ガラススート1の表面に付着しやすくなるとともに、多孔質ガラススート1内への拡散が可能となり、後に形成されるガラス体全体にアルカリ金属を添加できる。
また、後の工程である焼結ガラス化工程より前に、アルカリ金属を多孔質ガラススート1にドープする場合には、アルカリ金属化合物を、固相であるエアロゾル、または気相であるイオン状にするのが好ましい。多孔質ガラススート1を高温のアルカリ金属イオンの雰囲気下に曝すことによって、多孔質ガラススート1全体にアルカリ金属元素を添加できる。
また、多孔質ガラススート1に添加されるアルカリ金属の濃度については、後にガラス母材10になった時点で10wtppmよりも低いと、光ファイバを製造する際の線引き工程においてアルカリ金属による仮想温度の低減効果が低くなり、高張力の線引き条件において歪の影響で伝送損失が増大するため好ましくない。一方、後にガラス母材10になった時点で、内側ガラスのアルカリ金属の濃度が10000wtppmよりも高いと、さらに最終製品としての光ファイバを製造する際に、この光ファイバのコア部となる領域が結晶化しやすい。そのため、後述する焼結ガラス化工程において割れてしまう可能性があるため好ましくない。したがって、多孔質ガラススート1に添加するアルカリ金属の濃度は、10wtppm以上10000wtppm以下が好ましい。さらに、ガラス母材10になった時点でアルカリ金属の濃度が5000wtppmを超えると、製造した光ファイバにおいてアルカリ元素の影響によるレイリー散乱が増加する。したがって、内側堆積スート1aに添加されるアルカリ金属の濃度は、10wtppm以上5000wtppm以下がより好ましい。また、多孔質ガラススート1におけるスート密度分布については、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
次に、図9に示すように、第1の実施形態と同様にして、多孔質ガラススート1をガラス化炉6内において、所定温度で脱水工程を行った(ステップST14)。次に、この脱水工程における所定温度より高温で、フッ素化合物としての例えばSiF4ガスとキャリアガスとしての例えばHeガスとの混合ガス雰囲気において、フッ素を添加しつつ焼結ガラス化を行う(ステップST15)。これによってガラス体10aが製造される。なお、上述したように、アルカリ金属元素の添加を、ステップST15の後、すなわちガラス体10aの製造後に行うことも可能である。この場合には、アルカリ金属化合物を気相であるイオン状にするのが好ましい。このようにガラス体10aを高温のアルカリ金属イオンの雰囲気下に曝すことによって、ガラス体10aの全体にアルカリ金属元素を添加できるので、アルカリ金属の添加による上述と同様の効果が得られる。なお、ステップST16およびステップST17においてはそれぞれ、第1の実施形態におけるステップST6およびステップST7と同様であるので、その説明を省略する。また、製造されたガラス体10aおよびガラス母材10のその他の構成についても、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(実施例)
次に、上述した第3の実施形態に基づく実施例について説明する。表2は、これらの実施例における、カリウムの状態、フッ素の添加方法、スート密度、外径内径比のd1/d2、カリウム濃度、純シリカガラスに対する比屈折率差、コア径、伝送損失、および焼締めバーナーの使用または不使用をそれぞれ示す表である。
次に、上述した第3の実施形態に基づく実施例について説明する。表2は、これらの実施例における、カリウムの状態、フッ素の添加方法、スート密度、外径内径比のd1/d2、カリウム濃度、純シリカガラスに対する比屈折率差、コア径、伝送損失、および焼締めバーナーの使用または不使用をそれぞれ示す表である。
実施例においては、図1に示すVAD装置におけるバーナー2,3にそれぞれ、主原料ガスとしての例えばSiCl4ガスと、H2ガス、O2ガス、およびArガスとを流すことにより、内側堆積スート1aおよび外側堆積スート1bを順次形成する。
また、これらの実施例においては、図3および表2に示すように、多孔質ガラススート1の内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分におけるスート密度(表2中、界面)を、0.85g/cm3以上1.15g/cm3以下の範囲内において種々の密度とした。この場合、この境界部分を含む内側堆積スート1aの平均スート密度(表2中、内側平均)は、0.205g/cm3以上1.1g/cm3以下の範囲内において種々の密度となった。また、外側堆積スート1bの平均スート密度(表2中、外側)は、0.18g/cm3以上0.35g/cm3以下の範囲内において種々の密度となった。
そして、図8に示すガラス化炉6内において、この多孔質ガラススート1に対して、例えば1100℃の温度で脱水工程を行う。その後、ガラス化炉6内にエアロゾル発生装置7からKClのエアロゾルを供給することにより、ガラス化炉6内をエアロゾル雰囲気にすることによって、多孔質ガラススート1の全体にカリウムを浸透させる。なお、KClのエアロゾルのキャリアガスとしては例えばHeガスを用いる。
続いて、脱水工程における処理温度より高温の例えば1350℃の温度で、SiF4ガスとHeガスとの混合ガス雰囲気下において、フッ素を添加しつつ焼結ガラス化工程を行って、ガラス体10aを製造する。
実施例全般において、このように製造されたガラス体10aにおいて、内側ガラス部11aの純シリカガラスに対する平均比屈折率差が−0.11%以上0%以下であることが確認された。すなわち、内側ガラス部11aにフッ素の添加量が少ないことが確認された。一方、ガラス体10aにおける外側ガラス層12aの純シリカガラスに対する平均比屈折率差は−0.5%以上−0.27%以下であることが確認された。このように、これらの実施例においては、図4に示すような屈折率分布となることが確認された。さらに、内側ガラス部11aの外径d1と外側ガラス層12aの外径d2との比(d1/d2)は1/1.9〜1/4.5とした。さらに、ガラス体10aに添加された元素の分析を行ったところ、ガラス体10aの全体に亘って一様にKが350wtppmの添加濃度で検出された。
その後、ガラス化炉において、ガラス体10aの外側に、外側ガラス層12aの屈折率と同等になるようにSiF4ガスとHeガスとの混合雰囲気下において焼結ガラス化を2回行う、いわゆる外付け工程を行って、図5に示す外側ガラス層12bを形成する。これにより、ガラス母材10を製造する。このように製造されたガラス母材10における、内側ガラス11の外径とガラス母材10の外径との比は10.2:125である。
そして、このように製造されたガラス母材10に対して例えば1200m/minの速度で線引き延伸を行うことにより、外径が125μmの光ファイバを製造する。なお、内側ガラス11は、この光ファイバのコア部を形成し、そのコア径は8.1〜11.4μmとする。また、製造された光ファイバの波長1550nmにおける伝送損失が0.163〜0.181dB/km、波長1383nmにおける伝送損失が0.32〜0.42dB/kmであり、伝送損失はITU−TG652Dの規格内となることが確認された。さらに、光ファイバのコア部における純シリカガラスに対する比屈折率差は、−0.11〜0%、クラッド部における純シリカガラスに対する比屈折率差は、−0.5〜−0.27%であった。
(実施例14)
そして、実施例14における、カリウムの状態、フッ素の添加方法、スート密度、外径内径比のd1/d2、カリウム濃度、純シリカガラスに対する比屈折率差、コア径、伝送損失、および焼締めバーナーの使用または不使用(以下、各種条件)については、表2に示す通りである。
そして、実施例14における、カリウムの状態、フッ素の添加方法、スート密度、外径内径比のd1/d2、カリウム濃度、純シリカガラスに対する比屈折率差、コア径、伝送損失、および焼締めバーナーの使用または不使用(以下、各種条件)については、表2に示す通りである。
また、以上のように製造された光ファイバを用いて、光伝送媒体として例えば50kmの光ファイバケーブルを製造したところ、波長1550nmおよび波長1383nmの両波長において伝送損失が増加しないことが確認された。
(実施例15)
実施例15においては、実施例14と異なり、外側堆積スート1bの堆積量を減少させた多孔質ガラススート1を製造する。これにより、実施例15において、内側ガラス部11aの外径d1と外側ガラス層12aの外径d2との比(d1/d2)が1/2のガラス体10aを製造する。そして、このガラス体10aに対して外付け工程を行うことによって、ガラス母材10を製造した後、製造されたガラス母材10に対して線引き延伸を行って、コア径が10.2μmの光ファイバを製造する。実施例15におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
実施例15においては、実施例14と異なり、外側堆積スート1bの堆積量を減少させた多孔質ガラススート1を製造する。これにより、実施例15において、内側ガラス部11aの外径d1と外側ガラス層12aの外径d2との比(d1/d2)が1/2のガラス体10aを製造する。そして、このガラス体10aに対して外付け工程を行うことによって、ガラス母材10を製造した後、製造されたガラス母材10に対して線引き延伸を行って、コア径が10.2μmの光ファイバを製造する。実施例15におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(実施例16)
次に、実施例16においては、多孔質ガラススート1におけるスート密度分布を、図3に示すスート密度分布とした。
次に、実施例16においては、多孔質ガラススート1におけるスート密度分布を、図3に示すスート密度分布とした。
そして、この実施例16においては、図10に示す気化装置8が接続されたガラス化炉6を用いる。図10に示すように、このガラス化炉6はヒーター6aを備え、さらにヒーター8aを備えて原子や分子を気化(イオン化)可能に構成された気化装置8と接続されている。そして、このガラス化炉6内において、多孔質ガラススート1に対して、例えば1100℃の温度で脱水工程を行う。その後、気化装置8によってKClを気化、すなわちイオン化させて、ガラス化炉6内に供給する。これにより、ガラス化炉6内をカリウムイオン雰囲気として、多孔質ガラススート1の全体にKを浸透させる。
次に、脱水工程における処理温度より高温の例えば1350℃の温度で、SiF4ガスとHeガスとの混合ガス雰囲気下において、フッ素を添加しつつ焼結ガラス化工程を行って、ガラス体10aを製造する。このように製造されたガラス体10aの屈折率分布は、は、図4に示す屈折率分布となった。このガラス体10aに対して外付け工程を行ってガラス母材10を製造した後、線引き延伸を行ってコア径が10.3μmの光ファイバを製造する。
さらに、線引き延伸が行われた後の光ファイバに対してアニール処理を行った。これにより、コア領域に添加されていたKが拡散された。そして、光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が、0.167dB/km(実施例16−1)から0.165dB/km(実施例16−2)にまで低減したことが確認された。なお、実施例16におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(実施例17)
実施例17においては、実施例14の条件に対して、図1に示すVAD装置のバーナー2から流すH2ガスとO2ガスとの流量を増加させて火力を強くする。実施例17におけるその他の条件については、実施例14と同様とする。これにより、内側堆積スート1aにおけるスート密度を全体的に一様に増加させる。
実施例17においては、実施例14の条件に対して、図1に示すVAD装置のバーナー2から流すH2ガスとO2ガスとの流量を増加させて火力を強くする。実施例17におけるその他の条件については、実施例14と同様とする。これにより、内側堆積スート1aにおけるスート密度を全体的に一様に増加させる。
このようにして製造された多孔質ガラススート1の径方向に沿ったスート密度分布は図6に示す密度分布となった。また、スート密度については、表2に示す通りである。
次に、図8に示すガラス化炉6内において、多孔質ガラススート1に対して、例えば1100℃の温度で脱水工程を行う。その後、ガラス化炉6内にエアロゾル発生装置7からKClのエアロゾルを供給することにより、ガラス化炉6内をエアロゾル雰囲気にすることによって、多孔質ガラススート1の全体にカリウムを浸透させる。なお、KClのエアロゾルのキャリアガスとしては例えばHeガスを用いる。
その後、実施例14の条件に比してSiF4の割合を増加させたフッ素雰囲気において焼結ガラス化工程を行って、ガラス体10aを製造する。このガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。続いて、ガラス体10aに対して外付け工程を行って、ガラス母材10を製造した後、線引き延伸を行って、コア径が10.3μmの光ファイバを製造する。実施例17におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(実施例18)
実施例18においては、実施例17における条件に対して、さらにバーナー2,4の火力を増加させることにより、内側堆積スート1aの平均スート密度を1.1g/cm3まで増加させる。その後、このように製造された多孔質ガラススート1に対して、実施例17と同様の条件においてKを添加しつつガラス化させてガラス体10aを製造した。なお、ガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。また、実施例18におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
実施例18においては、実施例17における条件に対して、さらにバーナー2,4の火力を増加させることにより、内側堆積スート1aの平均スート密度を1.1g/cm3まで増加させる。その後、このように製造された多孔質ガラススート1に対して、実施例17と同様の条件においてKを添加しつつガラス化させてガラス体10aを製造した。なお、ガラス体10aの屈折率分布は、図4に示す屈折率分布となることが確認された。また、実施例18におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(実施例19)
実施例19においては、実施例15と同様の条件に対して、さらに、アルカリ金属のKの添加量を10〜10000wtppmの範囲で変更させてガラス母材10を製造する。その後、それぞれのガラス母材10からそれぞれ光ファイバを製造する。表2に示すように、このように製造された光ファイバをそれぞれ、実施例19−1,19−2,19−3,19−4,19−5,19−6,19−7,19−8,19−9とする。
実施例19においては、実施例15と同様の条件に対して、さらに、アルカリ金属のKの添加量を10〜10000wtppmの範囲で変更させてガラス母材10を製造する。その後、それぞれのガラス母材10からそれぞれ光ファイバを製造する。表2に示すように、このように製造された光ファイバをそれぞれ、実施例19−1,19−2,19−3,19−4,19−5,19−6,19−7,19−8,19−9とする。
表2から、実施例19−1〜19−9においては、それぞれのガラス体10aの外側ガラス層12aの純シリカガラスに対する比屈折率差、内側ガラス部11aと外側ガラス層12aとの比屈折率差、および製造したガラス母材10の光学特性におけるいずれの損失特性も所望の範囲を満たしていることが分かる。
(実施例20)
実施例20においては、まず、多孔質ガラススート1を製造する。その後、エアロゾル発生装置7からガラス化炉6内に、HeガスをキャリアガスとしてKClのエアロゾルを供給する。これにより、ガラス化炉6内をエアロゾル雰囲気として、多孔質ガラススート1の全体にカリウムを浸透させる。このときのKCl濃度を実施例14の1/50程度に減少させる。その後、多孔質ガラススート1に対して焼結ガラス化工程を行う。このようにして製造されたガラス体10aに含まれるKの濃度を計測したところ、ガラス体10aの全体に亘って一様に、7wtppmであることが確認された。
実施例20においては、まず、多孔質ガラススート1を製造する。その後、エアロゾル発生装置7からガラス化炉6内に、HeガスをキャリアガスとしてKClのエアロゾルを供給する。これにより、ガラス化炉6内をエアロゾル雰囲気として、多孔質ガラススート1の全体にカリウムを浸透させる。このときのKCl濃度を実施例14の1/50程度に減少させる。その後、多孔質ガラススート1に対して焼結ガラス化工程を行う。このようにして製造されたガラス体10aに含まれるKの濃度を計測したところ、ガラス体10aの全体に亘って一様に、7wtppmであることが確認された。
続いて、このガラス体10aに対して外付け工程を行ってガラス母材10を製造した後、ガラス母材10に対して、例えば1200m/minの速度で線引き延伸を行って、コア径が10.3μmの光ファイバを製造する。実施例20におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(実施例21)
実施例21においては、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの堆積量の比率を実施例14と異なる比率とした以外は実施例14と同様の条件として、多孔質ガラススート1を製造する。そして、多孔質ガラススート1に対して焼結ガラス化工程を行って、ガラス体10aを製造する。このように製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行って、ガラス母材10を製造した後、線引き延伸を行って、コア径10.8μmの光ファイバを製造する。実施例21におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
実施例21においては、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの堆積量の比率を実施例14と異なる比率とした以外は実施例14と同様の条件として、多孔質ガラススート1を製造する。そして、多孔質ガラススート1に対して焼結ガラス化工程を行って、ガラス体10aを製造する。このように製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行って、ガラス母材10を製造した後、線引き延伸を行って、コア径10.8μmの光ファイバを製造する。実施例21におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態においては、第3の実施形態と異なり、図7に示す焼締め用のバーナー4が設けられていないVAD装置を用いる以外は、第3の実施形態と同様にしてガラス母材10を製造する。
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態においては、第3の実施形態と異なり、図7に示す焼締め用のバーナー4が設けられていないVAD装置を用いる以外は、第3の実施形態と同様にしてガラス母材10を製造する。
(実施例22)
次に、図7に示すVAD装置を用いた実施例22について説明する。実施例22においては、実施例14における条件に比して、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させて火力を強くしつつ多孔質ガラススート1を堆積させた。これにより、内側堆積スート1aの形成後、その外側に外側堆積スート1bを堆積するとともに、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分を焼き締めることができる。製造した多孔質ガラススート1における径方向に沿ったスート密度は、図3に示すスート密度分布と同様になる。すなわち、この実施例22においては、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させることによって、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分におけるスート密度を高くする。
次に、図7に示すVAD装置を用いた実施例22について説明する。実施例22においては、実施例14における条件に比して、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させて火力を強くしつつ多孔質ガラススート1を堆積させた。これにより、内側堆積スート1aの形成後、その外側に外側堆積スート1bを堆積するとともに、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分を焼き締めることができる。製造した多孔質ガラススート1における径方向に沿ったスート密度は、図3に示すスート密度分布と同様になる。すなわち、この実施例22においては、バーナー3から放出されるH2ガスとO2ガスとの量を増加させることによって、内側堆積スート1aと外側堆積スート1bとの境界部分におけるスート密度を高くする。
その後、実施例14と同様にして、多孔質ガラススート1に対して図8に示すガラス化炉6内においてKを添加した後、焼結ガラス化工程を行って、ガラス体10aを製造する。このように製造されたガラス体10aに対して外付け工程を行うことによって、ガラス母材10を製造し、線引き延伸することによって、コア径が11.2μmの光ファイバを製造する。
さらに、線引き延伸を行った後の光ファイバに対してアニール処理を行う。これにより、コア領域に添加されていたKが拡散する。そして、この光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が、アニール処理前の0.169dB/km(実施例22−1)から0.167dB/km(実施例22−2)まで低減することが確認された。実施例22におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(比較例)
次に、上述した第3の実施形態に基づく実施例14〜21、および第4の実施形態に基づく実施例22−1,22−2の効果を確認するための比較例について説明する。
次に、上述した第3の実施形態に基づく実施例14〜21、および第4の実施形態に基づく実施例22−1,22−2の効果を確認するための比較例について説明する。
(比較例3)
まず、比較例3について説明する。この比較例3においては、まず、図1に示すVAD装置においてバーナー2のみが設けられ、バーナー3,4が設けられていない構成のVAD装置を用いる。これによって、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じない多孔質ガラススートを製造する。そして、この多孔質ガラススートを、図8に示すガラス化炉6内において、KClが固体粒子状で含まれるエアロゾル雰囲気下に曝すことによって、多孔質ガラススートにKを添加しつつガラス体を製造する。この場合、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じていないため、全体にカリウムが添加された多孔質ガラスが製造される。なお、製造される多孔質ガラスの性状については、表2に示す通りである。
まず、比較例3について説明する。この比較例3においては、まず、図1に示すVAD装置においてバーナー2のみが設けられ、バーナー3,4が設けられていない構成のVAD装置を用いる。これによって、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じない多孔質ガラススートを製造する。そして、この多孔質ガラススートを、図8に示すガラス化炉6内において、KClが固体粒子状で含まれるエアロゾル雰囲気下に曝すことによって、多孔質ガラススートにKを添加しつつガラス体を製造する。この場合、多孔質ガラススートの径方向に沿ってスート密度に差が生じていないため、全体にカリウムが添加された多孔質ガラスが製造される。なお、製造される多孔質ガラスの性状については、表2に示す通りである。
その後、このガラス体に対して、さらに多孔質ガラススートを堆積させた後、フッ素を添加しつつガラス化を行うことにより、ガラス母材を製造する。このガラス母材におけるフッ素が添加された領域においては、純シリカガラスに対する比屈折率差が−0.31%であった。そして、さらに同等の屈折率となるように、フッ素を添加しつつガラスを形成する外付け工程を行う。これにより、Kが添加された領域の外径と、Fが添加された領域の外径との比が10.2:125となるガラス母材を製造した。その後、このガラス母材に対して、線引き延伸を行って、光ファイバを製造した。このように製造した光ファイバにおいては、波長1383nmにおける伝送損失が3dB/km以上と極めて大きな値となった。なお、比較例3におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
(比較例4)
次に、比較例4について説明する。この比較例4においては、図1に示すVAD装置を用いて、外側堆積スートを形成するためのバーナー3の火力を増加させることによって、外側堆積スートの平均スート密度を0.62g/cm3まで増加させた。
次に、比較例4について説明する。この比較例4においては、図1に示すVAD装置を用いて、外側堆積スートを形成するためのバーナー3の火力を増加させることによって、外側堆積スートの平均スート密度を0.62g/cm3まで増加させた。
次に、このように製造された多孔質ガラススートに対して、図8に示すガラス化炉6内において、多孔質ガラススートにカリウムを添加した後、焼結ガラス化工程を行うことによって、ガラス体を製造する。表2に示すように、製造されたガラス体の各種条件における、内側ガラス部と外側ガラス層との間において、光ファイバを製造する際の所望の比屈折率差は得られなかった。比較例4におけるその他の各種条件については、表2に示す通りである。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の実施形態において製造した光ファイバは、径方向に対して応力の変動が少なく歪も小さいため、光伝送用途に限定することなく、ガラス繊維として他の工業的用途にも使用可能である。
また、上述の実施形態において用いたVAD装置についても、その他のスート形成装置を用いることが可能である。
以上のように、本発明に係るガラス母材の製造方法および光ファイバは、光ファイバの製造に利用して好適なものである。
1 多孔質ガラススート
1a 内側堆積スート
1b 外側堆積スート
2,3,4 バーナー
5 ターゲットロッド
6 ガラス化炉
6a,8a ヒーター
7 エアロゾル発生装置
8 気化装置
10 ガラス母材
10a ガラス体
11 内側ガラス
11a 内側ガラス部
12 外側ガラス
12a,12b 外側ガラス層
1a 内側堆積スート
1b 外側堆積スート
2,3,4 バーナー
5 ターゲットロッド
6 ガラス化炉
6a,8a ヒーター
7 エアロゾル発生装置
8 気化装置
10 ガラス母材
10a ガラス体
11 内側ガラス
11a 内側ガラス部
12 外側ガラス
12a,12b 外側ガラス層
Claims (17)
- 出発材に堆積させた内側堆積スートと、前記内側堆積スートの外側に堆積させた外側堆積スートとから構成する多孔質ガラススートを形成するスート形成ステップと、
前記スート形成ステップ後に、前記内側堆積スートと前記外側堆積スートとの少なくとも境界部分におけるスート密度を、前記外側堆積スートの平均スート密度より高密度化する内側堆積スート高密度化ステップと、
前記内側堆積スート高密度化ステップ後に、フッ素を添加しつつ前記多孔質ガラススートを焼結させて内側ガラス部と外側ガラス層とからなるガラス体を形成する焼結ステップと、を含み、
前記焼結ステップにおける前記内側堆積スートに添加するフッ素の添加量を、0g/cm3以上前記外側堆積スートに添加するフッ素の添加量未満とする
ことを特徴とするガラス母材の製造方法。 - 前記内側堆積スートと外側堆積スートとの少なくとも境界部分におけるスート密度を、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下とすることを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記内側堆積スート高密度化ステップにおいて、前記内側堆積スートの平均スート密度を前記外側堆積スートの平均スート密度より高くすることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記内側堆積スートの平均スート密度を、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下とすることを特徴とする請求項3に記載のガラス母材の製造方法。
- アルカリ金属元素を添加するアルカリ金属添加ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の製造方法。
- 出発材に堆積させた内側堆積スートと、前記内側堆積スートの外側に堆積させた外側堆積スートとから構成する多孔質ガラススートを形成するスート形成ステップと、
前記内側堆積スートにアルカリ金属元素を添加するアルカリ金属添加ステップと、
前記スート形成ステップ後に、前記多孔質ガラススートを所定温度雰囲気において脱水する脱水ステップと、
前記脱水ステップ後に、前記脱水ステップにおける前記所定温度以上の温度で仮焼結を行って前記アルカリ金属元素が添加された内側堆積スートを収縮させる内側堆積スート収縮ステップと、
前記内側堆積スート収縮ステップ後に、フッ素を添加しつつ前記多孔質ガラススートを焼結させて内側ガラス部と外側ガラス層とからなるガラス体を形成する焼結ステップと、を含み、
前記焼結ステップにおける前記内側堆積スートに添加するフッ素の添加量を、0g/cm3以上前記外側堆積スートに添加するフッ素の添加量未満とする
ことを特徴とするガラス母材の製造方法。 - 前記内側堆積スート収縮ステップにおいて、前記内側堆積スートの平均スート密度を、0.7g/cm3以上1.7g/cm3以下とすることを特徴とする請求項6に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記アルカリ金属添加ステップが、前記多孔質ガラススートを、アルカリ金属元素をエアロゾル状にした雰囲気に曝すことによって、前記多孔質ガラススートの全体にアルカリ金属を添加するステップであることを特徴とする請求項5に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記アルカリ金属添加ステップが、前記多孔質ガラススートを、ガラス化炉の内部のアルカリ金属元素雰囲気に曝すことによって、前記多孔質ガラススートの全体にアルカリ金属を添加するステップであることを特徴とする請求項5に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記アルカリ金属添加ステップが、前記焼結ステップ後に、前記ガラス体を所定温度以上のアルカリ金属元素雰囲気に曝すことによって、前記ガラス体の全体にアルカリ金属を添加するステップであることを特徴とする請求項5に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記アルカリ金属元素が、リチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ルビジウム(Rb)、またはセシウム(Cs)であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記内側ガラス部に添加されたアルカリ金属元素の濃度が、10wtppm以上10000wtppm以下であることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記内側ガラス部に添加されたアルカリ金属元素の濃度が、10wtppm以上5000wtppm以下であることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記外側堆積スートの平均スート密度を、0.15g/cm3以上0.43g/cm3 以下とすることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記外側ガラス層の外径を、前記内側ガラス部の外径に対して2倍以上4.5倍以下とすることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記外側ガラス層の外径を、前記内側ガラス部の外径に対して3倍以上4.5倍以下とすることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記ガラス体の外周に、さらに第2の多孔質ガラス層を外付けした後にガラス化を行ってガラス母材を製造する外付けステップをさらに有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のガラス母材の製造方法。
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