本発明の第1実施形態に係るパチンコ機について説明する。
(パチンコ機の構成)
図1には、第1実施形態の遊技機の一例としてのパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備(図示省略)に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には、合成樹脂で矩形額縁状に形成された内枠14が配置されており、内枠14の下側となる外枠12の前面下端部には、パチンコ機10の前面下端部を構成する合成樹脂製の下飾り16が取り付けられている。
下飾り16の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板18を装着したガラス枠20が配置されており、ガラス枠20は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠20の奥側には、着脱交換可能に遊技盤22がセットされており、遊技盤22は、ガラス枠20で閉塞された状態でガラス板18に対向するようになっている。
ガラス枠20の下部には、一体皿24が配置されている。パチンコ機10の正面視で一体皿24の右端部には、鍵穴26が設けられており、鍵穴26にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠20が開放し、他方に回すと一体皿24が開放するようになっている。
一体皿24には、遊技球(図示省略)が払い出される上皿部28と、上皿部28で満杯となった遊技球が送り出される下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられており、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球を外部(例えば、いわゆる「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁部32における右端部には、球貸ボタン38と、返却ボタン42が設けられている。また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル44が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が収納されている。そして、一体皿24における下皿部30の右側には、報知手段の一例としてのスピーカ50が設けられている。
さらに、一体皿24における上皿部28の周縁壁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン52が設けられている。操作ボタン52は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
一方、ガラス枠20におけるガラス板18の周囲には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出すアーチ状の上側演出部54が設けられている。そして、上側演出部54の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下側演出部56の上端部と連結されている。この結果、上側演出部54と下側演出部56とで、遊技盤22の周囲を取り囲むように、演出部58が形成されている。
下側演出部56は、上側演出部54及び下側演出部56共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように所定の意匠で形成されたレンズカバー62とが取り付けられている。
レンズカバー62は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。
また、ガラス枠20の上部角部には、それぞれ報知手段の一例としての三連表示灯64が設けられ、遊技状態の報知(エラー報知や後述する不正報知等を含む)に適用される。さらに、上側演出部54における、ガラス枠20の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に音声を出力するようになっている。
(遊技盤の構成)
図2に示すように、遊技盤22は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール72及び内レール74が取り付けられている。これらの外レール72及び内レール74によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域Fとされている。
遊技盤22の遊技領域Fには、釘(図示省略)及び風車76が点在して打ち込まれている。また、遊技領域Fにおけるほぼ中央には、センター役物80が配置されている。センター役物80は、各種演出等の映像を表示するLCD表示部82を備えている。
LCD表示部82では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合、あるいは、3列の内、先に左右2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの中央の1列が変動中の場合を「リーチ」という。
センター役物80の下辺部には、ステージ80Sが形成されている。ステージ80Sには、釘等で跳ね返えることで受け入れた遊技球PB、あるいは図示しないワープ路に案内されて受け入れた遊技球PBが送り込まれるようになっている。また、ステージ80Sは、傾斜面や突起部等が形成されており、遊技球PBの移動が当該傾斜面や突起部等により不規則に変化して、最終的に下辺手前から遊技盤22へ戻されるようになっている。
一方、センター役物80の左側(図示の左側)には、普通図柄抽選の始動機能を持つ通過ゲート84が配置されている。また、センター役物80の下部には、特別図柄始動入賞口86A、86Bが上下に設けられている。
特別図柄始動入賞口86Aは、常時、入賞可能に上部が開口しており、特別図柄始動入賞口86Bの上部開口(入賞開口部)は、特別図柄始動入賞口86Aが閉塞している。この特別図柄始動入賞口86Bには、電動チューリップ88が取り付けられている。電動チューリップ88は、遊技盤22の裏面側に配設された電チューソレノイド(図示省略)の通電、非通電によって開閉する構成となっている。ここで、電動チューリップ88が開放状態になると、特別図柄始動入賞口86Bの入賞開口部への遊技球PBの受け入れが可能となり、遊技球PBの入賞が可能となる。
また、図2に示すように、特別図柄始動入賞口86Bの下側には、遊技領域Fの下端部付近に位置してアタッカー92が配置されている。アタッカー92には開閉扉94が設けられており、開閉扉94は、ソレノイド(図示省略)の通電、非通電によって開放又は閉塞されるようになっている。すなわち、開閉扉94の開放時には、開閉扉94上に落下した遊技球PBが開閉扉94に案内されてアタッカー92へ入賞する。そして、遊技領域Fの中央の最下位置には、入賞せずに流化した遊技球PB(外れ球)を遊技盤22の裏側へ排出するアウト口96が設けられている。
さらに、遊技領域Fにおけるセンター役物80よりも下で、且つ特別図柄始動入賞口86A、86Bの左右には、複数のサイド入賞口102が設けられている(本実施形態では、パチンコ機10を遊技者側から正面視して、向かって左側に2個のサイド入賞口102A、120Bが設けられ、右側に1個のサイド入賞口102Cが設けられている。)。なお、サイド入賞口102の個数は、3個に限られるものではなく、例えば、入賞率等の設計上の演算によってその数を決めればよい。
ここで、特別図柄始動入賞口86A又は特別図柄始動入賞口86Bに遊技球PBが入賞すると、特別図柄抽選が実行され、この特別図柄抽選に当選すると、前記アタッカー92の開閉扉94が所定のパターンで開閉動作し、これを所定回数(所定ラウンド)繰り返すようになっている(「特別遊技状態」又は「大役処理」等と言う場合がある)。
なお、前記特別図柄抽選の当選/落選は、主としてLCD表示部82の図柄変動表示演出において遊技者に報知され、この図柄変動パターン演出中、或いは、前記大役処理中の場合は、抽選結果を保留し、順次報知していくようになっている。また、図柄変動表示演出と共に、動物などが擬人化されたキャラクタが表示され、抽選で当選した旨を暗示させることにより、遊技者に期待感を持たせるといった視覚的な演出をすることがあり、その場合は、効果音によって聴覚からも遊技者の興趣を増大させる。
一方、遊技盤22には、内レール74の内側に沿って取付けられ遊技領域Fの左下側の一部を構成する装飾部材104が設けられている。装飾部材104は、略三日月状の本体部104Aを有しており、本体部104Aの中央付近にはサイド入賞口102Aが設けられ、本体部104Aの右下側にはサイド入賞口102Bが設けられている。なお、本体部104Aの具体的な装飾状態(形状)については説明を省略する。
遊技盤22の裏面側(遊技者と対面する側を表面とする)におけるセンター役物80の下部には、複数の球通路が形成された球案内パネル(図示省略)が取付けられている。球案内パネルは、センター役物80の下部に集中している入賞口(特別図柄始動入賞口86A、86B、サイド入賞口102A、102B、102C)に、複数の球通路がそれぞれ対応するように取付けられている。
(要部構成)
次に、遊技球PBの逆流を規制する逆流規制部材の一例としての逆流規制板100及び球通路部材108の構成について説明する。
図3(A)には、複数の入賞口のうち一例として、サイド入賞口102Aが示されている。サイド入賞口102Aよりも奥側には、サイド入賞口102Aに入賞した遊技球PBを回収部(図示省略)に案内する球通路部材108が設けられている。球通路部材108は、前述の球案内パネル(図示省略)の一部を構成しており、正面視でサイド入賞口102Aから右下方向に向かって延設された球通路108Aと、球通路108Aの下端から下方側へ延設された球通路108Bとを有している。そして、球通路108Bの途中には、遊技球PBを検出する検出手段の一例としての球検出センサ110が設けられている。
図4に示すように、球検出センサ110は、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化で金属製の遊技球PBの有無を検出する方式の近接センサであり、薄型板状の直方体形状で円形の通過孔112Aが形成されている。通過孔112Aは遊技球PBを検出する検出領域であり、この検出領域(通過孔112Aの周縁)に検出コイルを有する検出部112Bが設けられている。
また、球検出センサ110には、検出部112Bからの信号を受けて出力信号を生成する高周波発振回路を備えた信号生成部112Cが設けられている。ここで、球検出センサ110に駆動電力が供給されると、通過孔112Aに遊技球PBが通過していない状態(通常状態)において、検出信号としてH信号(3.3V又は5.0V)を出力する。逆に、通過孔112Aを遊技球PBが通過すると、L信号(無信号)となる。
このように、遊技球PBの非検出時にH信号、検出時にL信号とすると、例えば、外部からの電波の一部が球検出センサ110の検出領域に届くことがあっても、H信号が維持されることになる。すなわち、外部からの電波は、L信号(無信号状態)の出力をH信号に変換させる能力はあるが、H信号をL信号に変換する能力はないためである。そして、球検出センサ110の信号生成部112Cは、パチンコ機10(図1参照)の各部の動作を制御すると共に開放時間検出手段の一例である制御部90に接続されている。
制御部90は、遊技球PBが球検出センサ110を完全に通過したとき、即ち、H信号からL信号となりさらにH信号となったときに、球払出手段(図示省略)から賞球を払い出させる構成となっている。また、制御部90は、スピーカ50及び三連表示灯64(図1参照)に接続されており、スピーカ50から出力される効果音又は警告音の選択や、三連表示灯64の点灯状態の変更(点滅、常時点灯等)を行うようになっている。なお、制御部90によるスピーカ50、三連表示灯64の動作については、第3実施形態で説明する。
一方、図3(A)に示すように、球通路108Bにおける球検出センサ110の下側には、逆流規制部材の一例としての逆流規制板100が設けられている。
逆流規制板100は、図示の奥行き方向(矢印Y方向)を軸方向として配置される支持手段の一例としての円柱状の回転軸100Cと、回転軸100Cの側面から矢印−X方向に延設された板材の一例としての板状の接触部100Aと、回転軸100Cにおける接触部100Aとは反対側の側面から矢印+X方向に延設された板状のバランス部100Bとを含んで構成されている。
接触部100Aは、球通路108B側に配置され、遊技球PBが接触するようになっている。接触部100Aの上面100Dは、逆流規制板100が回動していない初期状態において、面内方向が遊技球PBの流下方向と直交するように配置されており、この位置で球通路108Bを遮断(遊技球PBの通過を遮断)している。なお、以後の説明では、逆流規制板100が回動していない初期状態での逆流規制板100の位置を遮断位置とし、遊技球PBが逆流規制板100を通過する状態での逆流規制板100の位置を開放位置とする。また、矢印X方向、Y方向と直交する上下方向を矢印Z方向とする。
回転軸100Cの軸方向は、矢印Y方向と一致しており、接触部100A及びバランス部100Bの長手方向(矢印X方向)と矢印Y方向とは直交している。そして、矢印X方向において、回転軸100Cの軸中心Oから接触部100Aの端部(図示の左端部)までの長さL1は、回転軸100Cの軸中心Oからバランス部100Bの端部(図示の右端部)までの長さL2よりも長くなっている。
また、回転軸100Cは、パチンコ機10(図1参照)内部に設けられた支持手段の一例としてのブラケット103により、矢印+R方向(図示の時計回り方向)又は矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に回動可能に支持されている。矢印+R、−R方向は、いずれもX−Z面内での移動方向であり、矢印+R方向が、逆流規制板100が球検出センサ110に近づく方向、矢印−R方向が、逆流規制板100が球検出センサ110から離れる方向となっている。
一方、バランス部100Bの下面には、錘部材101が取付けられており、逆流規制板100に回動力(遮断位置へ向かう力)を付与するようになっている。なお、本実施形態では、バランス部100Bの重量の調整を可能とするために錘部材101を別部材として取付けているが、バランス部100Bと錘部材101は、一体であってもよい。一体とした場合は、バランス部100Bの厚さを接触部100Aの厚さに対して厚くすればよい。このため、錘部材101は、バランス部100Bに含まれるものとする。
ここで、軸中心Oを境界として、回転軸100Cを含む接触部100Aの重量をWt1、回転軸100Cを含むバランス部100Bの重量をWt2とし、さらに、錘部材101の重量をWt3、遊技球PBの重量をWt4(いずれも図示は省略)として、Wt1≦(Wt2+Wt3)<(Wt1+Wt4)の不等式(以後、不等式Aという)に合うように各重量が設定されている。
不等式Aを用いた重量Wt1、Wt2、Wt3、Wt4の設定は、各部材の重量の設定の一例であり、前述の接触部100Aの長さL1とバランス部100Bの長さL2を含めたモーメントも考慮して設定される。このように各部材の重量を設定することで、逆流規制板100は、遊技球PBとの接触、非接触により、モータ等の回転駆動手段を用いずに矢印−R方向又は矢印+R方向に回動可能となっている。
ここで、逆流規制板100が遮断位置(初期位置)に配置されている状態において、球検出センサ110の下面112Dと逆流規制板100の上面100Dとの間隔をΔd1とし、遊技球PBの直径をdとして、本実施形態では、0<Δd1<dとなるようにΔd1が設定されている。これにより、逆流規制板100が設置位置で保持されている状態で、糸106付きの遊技球PBが球検出センサ110を上下に往復移動する不正が行われないようになっている。
また、逆流規制板100の接触部100Aの端部(図示の左端部)上方には、接触部100Aの上方への移動を規制する移動規制部材の一例としてのストッパ部材116が設けられている。ストッパ部材116は、板材であり、下面が接触部100Aの上面100Dと接触することで、逆流規制板100を遮断位置(初期位置)に保持するようになっている。
図3(B)に示すように、球通路部材108の一組の側壁108C、108Dには、逆流規制板100の接触部100Aが挿通及び移動可能となる大きさの縦孔109A、109Bが形成されている。そして、矢印Y方向における接触部100Aの幅をW1、縦孔109A、109Bの幅をW2として、W1<W2<dとなるように幅W1、W2が設定されており、接触部100Aは、縦孔109A、109Bに挿通されている。なお、縦孔109A、109Bの幅W2が遊技球PBの直径dよりも小さいため、遊技球PBが縦孔109A又は縦孔109Bから外側へ流出することはない。また、接触部100Aの幅方向における球通路108Bの幅W3は、遊技球PBの直径の2倍(2d)よりも狭くなっており、接触部100Aと球通路108Bとの隙間から下流側へ遊技球PBが落下しないように設定されている。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図5(A)に示すように、糸106付きの遊技球PBがサイド入賞口102Aから球通路108Aを通って球通路108B内を流下する不正行為が行われたとき、球検出センサ110を通過中の遊技球PBの下部は、球通路108Bを遮断している逆流規制板100の接触部100Aと接触する。このとき、接触部100Aには遊技球PBの重量が作用するため、接触部100A(遊技球PB含む)の方がバランス部100Bよりも重くなり、即ち、接触部100Aに押し下げ力が作用して、逆流規制板100が開放位置(矢印−R方向)に回動して球通路108Bを開放する。なお、図5(A)、(B)では、ブラケット103の図示を省略する。
そして、糸106付きの遊技球PBは、逆流規制板100が球通路108Bを開放することにより、逆流規制板100を通過する(逆流規制板100よりも下流側に流れる)。なお、糸106付きの遊技球PBが自重で球通路108B内を流下するため、逆流規制板100が開放位置への回動途中で停止することはなく、糸106付きの遊技球PBは、球通路108Bにおける逆流規制板100よりも下流側に位置することになる。
続いて、図5(B)に示すように、逆流規制板100は、糸106付きの遊技球PBの重量が作用しなくなること、及びバランス部100Bと錘部材101との合計重量が接触部100Aの重量よりも重いことにより、遮断位置に向けて矢印+R方向に自動で回動する。そして、逆流規制板100は、接触部100Aの端部がストッパ部材116と接触することで遮断位置に保持され、再度、球通路108Bを遮断する。このように、ストッパ部材116によって、逆流規制板100が遮断位置よりも球検出センサ110側へ移動することが規制されるため、逆流規制板100が球検出センサ110に接触するのを防ぐことができる。
続いて、不正行為者が、糸106を上方へ引き上げたとき、糸106付きの遊技球PBは球通路108B内の上方へ移動しようとする。しかし、逆流規制板100が球通路108Bを遮断しているため、糸106付きの遊技球PBは、逆流規制板100(接触部100A)の下面と接触して移動が規制され、球検出センサ110を通過することがなくなる。このようにして、遮断位置よりも下流側の位置から上流側に向かう逆流の遊技球PBの球検出センサ110への移動が規制されるので、糸106付きの遊技球PBが球検出センサ110を複数回通過することが防止され、不正行為を防ぐことができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。また、各図では、矢印X、Y、Zの記載を省略する。
図6(A)、(B)には、第2実施形態の遊技機の一例としてのパチンコ機130が示されている。パチンコ機130は、第1実施形態のパチンコ機10と同様に三連表示灯64及びスピーカ50(図1参照)を有している。また、パチンコ機130は、遊技球PBが流れる球通路部材108を有しており、球通路108Bの球検出センサ110の下側には、逆流規制部材及び板材の一例としての逆流規制板132が設けられている。
逆流規制板132は、図示の奥行き方向(矢印Y方向)を軸方向として配置される円柱状の軸本体132Cと、軸本体132Cの両端面からさらに外側へ突出した支持手段の一例としての回転軸132Eと、軸本体132Cの側面から矢印−X方向に延設された板材の一例としての板状の接触部132Aと、軸本体132Cにおける接触部132Aとは反対側の側面から矢印+X方向に延設された板状のバランス部132Bとを含んで構成されている。
接触部132Aは、球通路108B側に配置され、遊技球PBが接触するようになっている。接触部132Aの上面132Dは、逆流規制板132が回動していない初期状態において、面内方向が遊技球PBの流下方向と直交するように配置されており、この位置で球通路108Bを遮断(遊技球PBの通過を遮断)している。なお、以後の説明では、逆流規制板132が回動していない初期状態での逆流規制板132の位置を遮断位置とし、遊技球PBが逆流規制板132を通過する状態での逆流規制板132の位置を開放位置とする。
接触部132A及びバランス部132Bの長手方向と回転軸132Eの軸方向とは直交している。そして、回転軸132Eの軸中心Oから接触部132Aの端部(図示の左端部)までの長さL1は、回転軸132Eの軸中心Oからバランス部132Bの端部(図示の右端部)までの長さL2よりも長くなっている。
一方、球通路部材108の外側で球検出センサ110の近傍には、支持手段の一例としての支持部材134が立設されている。支持部材134は、球通路部材108の側壁108Dと平行に対向して配置された平板状の本体部134Aと、本体部134Aの上面における奥行き方向の両端部からそれぞれ上方へ延設された2つの支持部134Bとを含んで構成されている。
2つの支持部134Bには、それぞれ奥行き方向に貫通した貫通孔134Cが形成されている。貫通孔134Cの内径は、回転軸132Eの外径よりも僅かに大きくなっており、貫通孔134Cには、逆流規制板132の回転軸132Eが挿通されている。これにより、逆流規制板132は、矢印+R方向(図示の時計回り方向)又は矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に回動可能に設けられている。なお、貫通孔134Cにベアリングを嵌合させて、回転軸132Eを回転可能に支持してもよい。
バランス部132Bの下面には、錘部材138が取付けられており、逆流規制板132に回動力(遮断位置へ向かう力)を付与するようになっている。なお、本実施形態では、バランス部132Bの重量の調整を可能とするために錘部材138を別部材として取付けているが、バランス部132Bと錘部材138は、一体であってもよい。一体とした場合は、バランス部132Bの厚さを接触部132Aの厚さに対して厚くすればよい。このため、錘部材138は、バランス部132Bに含まれるものとする。
さらに、逆流規制板132の接触部132Aの下面中央付近には、球通路108Bを遮断する方向に逆流規制板132を付勢する付勢手段の一例としてのトーションスプリング136の一端が取付けられている。そして、トーションスプリング136の他端は、支持部材134の本体部134Aにおける側面(側壁108Dと対向する側面)に取付けられている。これにより、遮断位置から逆流規制板132が矢印−R方向に回動すると、トーションスプリング136によって、逆流規制板132に矢印+R方向に回動させる付勢力(回動力)が付与されるようになっている。
ここで、軸中心Oを境界として、回転軸132Eを含む接触部132Aの重量をWt5、回転軸132Eを含むバランス部132Bの重量をWt6とし、さらに、錘部材138の重量をWt7、遊技球PBの重量をWt4(いずれも図示は省略)として、Wt5≦(Wt6+Wt7)<(Wt4+Wt5)の不等式(以後、不等式Bという)に合うように各重量が設定されている。
不等式Bを用いた重量Wt4、Wt5、Wt6、Wt7の設定は、各部材の重量の設定の一例であり、前述の接触部132Aの長さL1とバランス部132Bの長さL2を含めたモーメント、及びトーションスプリング136による付勢力も考慮して設定される。このように各部材の重量を設定することで、逆流規制板132は、モータ等の回転駆動手段を用いずに矢印+R方向又は矢印−R方向に回動可能となっている。
ここで、逆流規制板132が遮断位置(初期位置)に配置されている状態において、球検出センサ110の下面112Dと逆流規制板132の上面132Dとの間隔をΔd1とし、遊技球PBの直径をdとして、本実施形態では、0<Δd1<dとなるようにΔd1が設定されている。これにより、逆流規制板132が遮断位置で保持されている状態で、糸106付きの遊技球PBが球検出センサ110を上下に往復移動する不正が行われないようになっている。
また、逆流規制板132の接触部132Aの端部(図示の左端部)上方には、ストッパ部材116が設けられている。ストッパ部材116は、下面が接触部132Aの上面132Dと接触することで、逆流規制板132を遮断位置(初期位置)に保持するようになっている。
図6(B)に示すように、接触部132Aの幅をW1、縦孔109A、109Bの幅をW2として、W1<W2<dとなるように幅W1、W2が設定されており、接触部132Aは、縦孔109A、109Bに挿通されている。なお、縦孔109A、109Bの幅W2が遊技球PBの直径dよりも小さいため、遊技球PBが縦孔109A又は縦孔109Bから外側へ流出することはない。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図7(A)に示すように、糸106付きの遊技球PBがサイド入賞口102Aから球通路108Aを通って球通路108B内を流下する不正行為が行われたとき、球検出センサ110を通過中の遊技球PBの下部は、球通路108Bを遮断している逆流規制板132の接触部132Aと接触する。このとき、接触部132Aには遊技球PBの重量が作用するため、接触部132A(遊技球PB含む)の方がバランス部132Bよりも重くなり、且つ接触部132Aがトーションスプリング136の付勢力に対抗し、逆流規制板132が開放位置(矢印−R方向)に回動して球通路108Bを開放する。
そして、糸106付きの遊技球PBは、逆流規制板132が球通路108Bを開放することにより、逆流規制板132を通過する(逆流規制板132よりも下流側に流れる)。なお、糸106付きの遊技球PBが自重で球通路108B内を流下するため、逆流規制板132が開放位置への回動途中で停止することはなく、糸106付きの遊技球PBは、球通路108Bにおける逆流規制板132よりも下流側に位置することになる。
続いて、図7(B)に示すように、逆流規制板132は、糸106付きの遊技球PBの重量が作用しなくなり、バランス部132Bと錘部材138との合計重量が接触部132Aの重量よりも重く且つトーションスプリング136の付勢力が付与されるため、矢印+R方向に自動で回動する。そして、逆流規制板132は、接触部132Aの端部がストッパ部材116と接触することで遮断位置に保持され、再度、球通路108Bを遮断する。このように、ストッパ部材116によって、逆流規制板132が設定位置よりも球検出センサ110側へ移動することが規制されるため、逆流規制板132が球検出センサ110に接触するのを防ぐことができる。
続いて、不正行為者が、糸106を上方へ引き上げたとき、糸106付きの遊技球PBは球通路108B内の上方へ移動しようとする。しかし、逆流規制板132が球通路108Bを遮断しているため、糸106付きの遊技球PBは、逆流規制板132(接触部132A)の下面と接触して移動が規制され、球検出センサ110を通過することがなくなる。このようにして、遮断位置よりも下流側の位置から上流側に向かう逆流の遊技球PBの球検出センサ110への移動が規制されるので、糸106付きの遊技球PBが球検出センサ110を複数回通過することが防止され、不正行為を防ぐことができる。
なお、糸106付きの遊技球PBが逆流規制板132を通過した後、逆流規制板132はトーションスプリング136によって付勢され、球通路108Bを遮断する元の位置に回動するので、トーションスプリング136を設けていない構成に比べて、短時間で逆流規制板132を元の位置に戻すことができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る遊技機について説明する。なお、前述した第1、第2実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1、第2実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。また、各図では、矢印X、Y、Zの記載を省略する。
図8(A)、(B)には、第3実施形態の遊技機の一例としてのパチンコ機140が示されている。パチンコ機140は、第1実施形態のパチンコ機10と同様に三連表示灯64及びスピーカ50(図1参照)を有している。また、パチンコ機140は、遊技球PBが流れる球通路部材152を有している。
球通路部材152は、前述の球案内パネル(図示省略)の一部を構成しており、正面視でサイド入賞口102Aから右下方向に向かって延設された球通路152Aと、球通路152Aの下端から下方側へ延設された球通路152Bとを有している。そして、球通路152Bの途中には、遊技球PBを検出する球検出センサ110が設けられている。また、球通路152Bの球検出センサ110の下側には、逆流規制部材及び板材の一例としての逆流規制板142が設けられている。
図8(B)に示すように、球通路部材152の一組の側壁152C、152Dには、逆流規制板142の接触部142Aが挿通及び移動可能となる大きさの縦孔154A、154Bが形成されている。そして、矢印Y方向における接触部142Aの幅をW1、縦孔154A、154Bの幅をW2として、W1<W2<dとなるように幅W1、W2が設定されており、接触部142Aは、縦孔154A、154Bに挿通されている。
なお、縦孔154A、154Bの幅W2が遊技球PBの直径dよりも小さいため、遊技球PBが縦孔154A又は縦孔154Bから外側へ流出することはない。また、接触部142Aの幅方向における球通路152Bの幅は、球通路152A側から逆流規制板142の下側近傍まで、第1、第2実施形態と同様にW3(図3(B)参照)となっており、遊技球PBの直径の2倍(2d)よりも狭く、接触部142Aと球通路152Bとの隙間から下流側へ遊技球PBが落下しないように設定されている。
ここで、逆流規制板142からさらに下流側の位置において、接触部142Aの幅方向における球通路152Bの幅は、図示のようにW4(>W3)と拡幅されており、遊技球PBの直径の2倍(2d)よりも広くなっている。これは、逆流規制板142が下側へ移動したとき、球通路152Bを完全に開放しきれないため、遊技球PBが球通路152Bの下方で詰まらないように球通路を拡幅したことによる。
一方、逆流規制板142は、図示の奥行き方向を軸方向として配置される支持手段の一例としての円柱状の回転軸142Cと、回転軸142Cの側面から矢印−X方向に延設された板材の一例としての板状の接触部142Aと、回転軸142Cにおける接触部142Aとは反対側の側面から矢印+X方向に延設された板状のバランス部142Bとを含んで構成されている。
接触部142Aは、球通路152B側に配置され、遊技球PBが接触するようになっている。接触部142Aの上面142Dは、逆流規制板142が回動していない初期状態において、面内方向が遊技球PBの流下方向と直交するように配置されており、この位置で球通路152Bを遮断(遊技球PBの通過を遮断)している。なお、以後の説明では、逆流規制板142が回動していない初期状態での逆流規制板142の位置を遮断位置とし、遊技球PBが逆流規制板142を通過する状態での逆流規制板142の位置を開放位置とする。
図8(A)に示すように、接触部142A及びバランス部142Bの長手方向と回転軸142Cの軸方向とは直交している。そして、回転軸142Cの軸中心Oから接触部142Aの端部(図示の左端部)までの長さL3は、回転軸142Cの軸中心Oからバランス部142Bの端部(図示の右端部)までの長さL4よりも長くなっている。
一方、球通路部材152の外側で球検出センサ110の近傍には、支持手段の一例としての支持部材144が立設されている。支持部材144は、球通路部材152の側壁152Dと平行に対向して配置された平板状の本体部144Aと、本体部144Aの上面における奥行き方向の両端部からそれぞれ上方へ延設された2つの支持部144Bとを含んで構成されている。
2つの支持部144Bには、それぞれ奥行き方向に貫通した貫通孔144Cが形成されている。貫通孔144Cの内径は、回転軸142Cの外径よりも僅かに大きくなっており、貫通孔144Cには、逆流規制板142の回転軸142Cが挿通されている。これにより、逆流規制板142は、矢印+R方向(図示の時計回り方向)又は矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に回動可能に設けられている。なお、貫通孔144Cにベアリングを嵌合させて、回転軸142Cを回転可能に支持してもよい。
バランス部142Bの下面には、錘部材146が取付けられており、逆流規制板142に回動力(遮断位置へ向かう力)を付与するようになっている。なお、本実施形態では、バランス部142Bの重量の調整を可能とするために錘部材146を別部材として取付けているが、バランス部142Bと錘部材146は、一体であってもよい。一体とした場合は、バランス部142Bの厚さを接触部142Aの厚さに対して厚くすればよい。このため、錘部材146は、バランス部142Bに含まれるものとする。
さらに、逆流規制板142の接触部142Aの下面中央付近には、球通路152Bを遮断する方向に逆流規制板142を付勢する付勢手段の一例としてのトーションスプリング136の一端が取付けられている。そして、トーションスプリング136の他端は、支持部材144の本体部144Aにおける側面(側壁152Dと対向する側面)に取付けられている。これにより、遮断位置から逆流規制板142が矢印−R方向に回動すると、トーションスプリング136によって、逆流規制板142に矢印+R方向に回動させる付勢力(回動力)が付与されるようになっている。
ここで、軸中心Oを境界として、回転軸142Cを含む接触部142Aの重量をWt8、回転軸142Cを含むバランス部142Bの重量をWt9とし、さらに、錘部材146の重量をWt10、遊技球PBの重量をWt4(いずれも図示は省略)として、Wt8≦(Wt9+Wt10)<(Wt4+Wt8)の不等式(以後、不等式Cという)に合うように各重量が設定されている。
不等式Cを用いた重量Wt4、Wt8、Wt9、Wt10の設定は、各部材の重量の設定の一例であり、前述の接触部142Aの長さL3とバランス部142Bの長さL4を含めたモーメント、及びトーションスプリング136による付勢力も考慮して設定される。このように各部材の重量を設定することで、逆流規制板142は、モータ等の回転駆動手段を用いずに矢印+R方向又は矢印−R方向に回動可能となっている。
また、逆流規制板142が遮断位置(初期位置)に配置されている状態において、球検出センサ110の下面112Dと逆流規制板142の上面142Dとの間隔をΔd2とし、遊技球PBの直径をdとして、本実施形態では、0<Δd2<dとなるようにΔd2が設定されている。これにより、逆流規制板142が遮断位置で保持されている状態で、糸106付きの遊技球PBが球検出センサ110を上下に往復移動する不正が行われないようになっている。
さらに、逆流規制板142の接触部142Aの端部(図示の左端部)上方には、ストッパ部材116が設けられている。ストッパ部材116は、下面が接触部142Aの上面142Dと接触することで、逆流規制板142を遮断位置(初期位置)に保持するようになっている。
一方、接触部142Aの端部で上面142Dの奥行き方向中央部には、板状の被検出部142Eが立設されている。そして、パチンコ機140の内部で球通路部材152に近接して設けられたブラケット(図示省略)には、平面視で被検出部142Eをコ字状に囲むようにしてフォトセンサ148が設けられている。フォトセンサ148は、被検出部142Eによる光の遮断の有無により、逆流規制板142が遮断位置(初期位置)にあるかどうかを検出するようになっている。
フォトセンサ148では、一例として、被検出部142Eにより光が遮断されているときにL信号を出力し、光が遮断されていないときにH信号を出力する。また、フォトセンサ148は、制御部90(図4参照)に接続されている。制御部90では、フォトセンサ148から出力されたH信号が予め設定した設定時間を越えたときに、不正状態であると判定して、三連表示灯64による点滅表示あるいはスピーカ50からの警告音の出力を行わせるように設定されている。なお、制御部90、被検出部142E、及びフォトセンサ148が、逆流規制板142の開放時間を検出する開放時間検出手段の一例である。
次に、第3実施形態の作用について説明する。
図9(A)に示すように、糸106付きの遊技球PBがサイド入賞口102Aから球通路152Aを通って球通路152B内を流下する不正行為が行われたとき、球検出センサ110を通過中の遊技球PBの下部は、球通路152Bを遮断している逆流規制板142の接触部142Aと接触する。このとき、接触部142Aには遊技球PBの重量が作用するため、接触部142A(遊技球PB含む)の方がバランス部142Bよりも重くなり、且つ接触部142Aがトーションスプリング136の付勢力に対抗し、逆流規制板142が開放位置(矢印−R方向)に回動して球通路152Bを開放する。また、フォトセンサ148からH信号が出力される。
そして、糸106付きの遊技球PBは、逆流規制板142が球通路152Bを開放することにより、逆流規制板142を通過する(逆流規制板142よりも下流側に流れる)。なお、糸106付きの遊技球PBが自重で球通路152B内を流下するため、逆流規制板142が開放位置への回動途中で停止することはなく、糸106付きの遊技球PBは、球通路152Bにおける逆流規制板142よりも下流側に位置することになる。
続いて、図9(B)に示すように、逆流規制板142は、糸106付きの遊技球PBの重量が作用しなくなり、バランス部142Bと錘部材146との合計重量が接触部142Aの重量よりも重く且つトーションスプリング136の付勢力が付与されるため、矢印+R方向に自動で回動する。そして、逆流規制板142は、接触部142Aの端部がストッパ部材116と接触することで遮断位置に保持され、再度、球通路152Bを遮断する。このように、ストッパ部材116によって、逆流規制板142が遮断位置よりも球検出センサ110側へ移動することが規制されるため、逆流規制板142が球検出センサ110に接触するのを防ぐことができる。
続いて、不正行為者が、糸106を上方へ引き上げたとき、糸106付きの遊技球PBは球通路152B内の上方へ移動しようとする。しかし、逆流規制板142が球通路152Bを遮断しているため、糸106付きの遊技球PBは、逆流規制板142(接触部142A)の下面と接触して移動が規制され、球検出センサ110を通過することがなくなる。このようにして、遮断位置よりも下流側の位置から上流側に向かう逆流の遊技球PBの球検出センサ110への移動が規制されるので、糸106付きの遊技球PBが球検出センサ110を複数回通過することが防止され、不正行為を防ぐことができる。
なお、糸106付きの遊技球PBが逆流規制板142を通過した後、逆流規制板142はトーションスプリング136によって付勢され、球通路152Bを遮断する元の位置に回動するので、トーションスプリング136を設けていない構成に比べて、短時間で逆流規制板142を元の位置に戻すことができる。
一方、パチンコ機140において、例えば、糸106付きの遊技球PBとは別の部材が使用され、逆流規制板142が開放された場合、フォトセンサ148によって球通路152Bの開放状態が検出され、制御部90(図4参照)にH信号が出力される。そして、制御部90では、H信号が入力されてからの経過時間がカウントされる。
ここで、逆流規制板142が開放状態のまま保持され、H信号が入力されてからの経過時間が設定時間を越えた場合、制御部90は、三連表示灯64を点滅させ又はスピーカ50から警告を出力して、パチンコ機140が不正状態であることを報知する。このように、糸106付きの遊技球PBとは別の部材が使用されて球通路152Bが開放されても、不正状態を防ぐことができる。また、制御部90では、H信号が入力されてからの経過時間が設定時間以内の場合は、三連表示灯64及びスピーカ50を通常の遊技状態で動作(演出用の点灯動作、効果音の出力動作)させる。
図10(A)において、上記の第1〜第3実施形態における逆流規制板100、132、142は、球通路108B、152Bの閉塞時に球検出センサ110の下側に近接して配置されている(図3(A)のΔd1、図8(A)のΔd2参照)。さらに、図10(B)に示すように、逆流規制板100、132、142は、平面視したときの矢印Y方向の幅W1が、球検出センサ110の通過孔112Aの直径W5(>W1)に近い大きさとなっている。
ここで、球検出センサ110の通過孔112Aの直径W5と、逆流規制板100、132、142の矢印Y方向の幅W1との差(以後、ΔW(図示省略)とする)は、遊技球PBの直径d(図3(A)参照)に比べて小さく、ΔW=(W5−W1)<dとなっている。これにより、この構成では、図10(B)に示すように、逆流規制板100、132、142の矢印Y方向の端部と通過孔112Aの孔壁との間に相当する隙間を、遊技球PBが下側から上側へ通過することはできない。即ち、逆流規制板100、132、142よりも下側にある糸106(図3(A)参照)付きの遊技球PBを引き上げても、通過孔112Aを通過させることができないので、不正行為を防止することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
パチンコ機10は、遊技盤22が非対称ゲージとなっていたが、対称ゲージであってもよい。各逆流規制板100、132、142は、回動可能となるスペースがあれば、特別図柄始動入賞口86A、86B、他のサイド入賞口102B、102Cの球通路の球検出センサ110よりも下流側に設けてもよい。また、各逆流規制板100、132、142は、パチンコ機10、130、140を正面視して、左右方向を長手方向とする設置だけでなく、前後方向を長手方向とする設置としてもよい。さらに、逆流規制板100、132、142は1枚に限らず、球通路を挟んで左右両側に1枚ずつ設けて、開閉扉式としてもよい。そして、逆流規制板100、132、142の幅を、球検出センサ110の通過孔112Aを完全に塞ぐ大きさとしてもよい。
また、錘部材101、138、146に換えて、引張ばねをバランス部100B、132B、142Bの下面に取付けて、バランス部100B、132B、142Bを下方側へ引っ張るように構成してもよい。さらに、トーションスプリング136に換えて、コイルスプリングを設けてもよい。加えて、被検出部142Eは、中央に配置する他に、前後方向における一方の端部側に寄せて配設してもよい。