(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すとパチンコ機10の左側端部が軸支された内枠(図示せず)が開放する。
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球PBを下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PB(図2参照)を外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁部32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅するアーチ状の照明による視覚的効果や、音声等のスピーカによる聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結するように配置されている。
この結果、上部演出部52と下部演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、遊技機枠演出部56が形成されている。
この遊技機枠演出部56は、上部演出部52及び下部演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。
また、前記上部演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という場合がある。
さらに、ガラス枠16の上部2箇所の角部には、エラーランプとして機能する細長状の共用表示部62が設けられている。
(遊技盤の構成「その1」)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状化粧材であるセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが障害物等により弾かれながら自重落下により移動可能な遊技領域19を構成している。
遊技盤18の遊技領域には、前記障害物の一部として、釘128(一部のみ指標)及び風車132が点在して打ち込まれている。
遊技盤18には、センター役物105が配置されている。より具体的には、センター役物105は、その右周端に弓状の遊技球PBの通過路を残し、遊技領域19の右寄りに配置されている。
センター役物105は、大きく分類して、当該センター役物105内と他の遊技領域とを区画する複数の装飾部材105Aと、センター役物105内に流入した遊技球PBをノーマルルート(第一の通路)に沿って案内する球案内流路105BN、スペシャルルート(第二の通路)に沿って案内する球案内流路105BSと、スペシャルルートにおいて当り/外れを決定する第2のV入賞振分部107と、遊技球Pの前途を振り分ける振分部105Cと、ノーマルルートにおいて当り外れを決定する第1のV入賞振分部105Eと、ノーマルルートにおいて当りでも外れでもない「チャンス溝」に入賞した遊技球PBを第2のV入賞振分部107へ送り出す第1の役目及びスペシャルルートに案内された遊技球PBを第2のV入賞振分部107へ送り出す第2の役目を備えた昇降移送部105Fと、ストッパ111と、センター役物105の中央に設けられた矩形状の貫通孔に嵌め込まれたLCD表示部106と、センター役物105内に流入せずに遊技盤18を落下する遊技球PBを受け入れ、かつ左右に揺動させ、後述する特別通過ゲート130を通過する可能性を高めるよう遊技盤18へ戻すステージユニット115と、を備えている。
センター役物105の上部開口には羽根部材120が設けられている。羽根部材120が回転軸120Aを中心に回転開放すると、前記上部開口から遊技球PBがセンター役物105内へ流入可能となる。すなわち、羽根部材120が設けられた前記上部開口は、本願発明における遊技球PBの流入口としての役目を持つ。
ここで、従来の同一構成の羽根部材120は、その駆動源としてソレノイドを用いている。羽根部材120は、「開放」位置と「閉止」位置の2位置で位置決めされればよく、「励磁」又は「非励磁」によって伸縮ロッドを「伸長」位置及び「格納」位置の2位置に動作させるソレノイドの機能で十分であった。
しかしながら、「非励磁」の際の復帰動作は弾性部材(ばね)に委ねられることが多く、このため、駆動源がソレノイド仕様の羽根部材では、ばねの経時劣化等による、所謂「ヘタリ」により、開閉位置がずれる場合があった。また、羽根部材120の駆動系が組み付けられるユニットと、羽根部材120の開閉ストッパが組み付けられるセンター役物105とが別部材であるため、相互の組み付け時の相対位置関係によって、羽根部材120の開閉角度が異なり、さらには経時的に変化する場合があった。
そこで、本実施の形態では、羽根部材120の動作の駆動源として、モータ(羽根部材モータ272)を採用した。羽根部材120の駆動系を含む羽根部材アッセンブリの詳細構造については後述する。
図2に示される如く、ステージユニット115は、センター役物105の図2の左端に設けられたワープ流路200と、ワープ流路200によって案内された遊技球PBを揺動させるステージ本体202と、を備えている。
ステージ本体202は、図2の正面視で中央が最も下に凸となる円弧状を形成し、前記ワープ流路200の出口が、当該ステージ本体202の左端側に位置している。また、ステージ本体202の中央部は、さらに凹陥されており、この凹陥部202Aから遊技球PBが落下し易くなっている。なお、凹陥部202Aは、後述する特別通過ゲート130に対応している。すなわち、凹陥部202Aに案内されて落下する遊技球PBは、特別通過ゲート130に入賞し易くなっている。
なお、ワープ流路200の出口の延長方向が奥側、これに対してステージ本体202の遊技球PBの揺動面が手間側とされ、互いに図2の奥行き方向(遊技盤18の奥行き方向)において段違いとなっている。
このため、ワープ流路200の出口から飛び出る遊技球PBはセンター役物105の壁面に当接してその移動が減速した状態で、手前側のステージ本体202へ受け渡されることになる。
前記センター役物105の図2の左側には、普通図柄抽選の始動機能を持つ普通通過ゲート118が配置されている。
また、センター役物105の下部には、特別図柄抽選の始動機能を持つ特別通過ゲート130と、一般入賞口134とが縦列に配置されている。なお、「一般入賞口」とは、入賞することで、予め定められた賞球払い出しが実行され、図柄の抽選契機とはならない入賞口を言う。
特別通過ゲート130は、遊技球PBが通過可能であり、通過検出時に特別図柄抽選が実行されるようになっている。なお、この特別通過ゲート130を通過する遊技球PBのほとんどは、一般入賞口134の下端部から突出している受け部材230に到達する構成となっている。
さらに、図2に示される如く、前記一般入賞口134のさらに下部には、遊技領域19の下端部付近に位置してアタッカー112が配置されている。
アタッカー112には、開閉扉116が設けられている。この開閉扉116が開放又は閉塞する。すなわち、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球PBが開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
また、遊技領域19の最下位置に、外れ球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
さらに、この遊技領域19における、アタッカー112の左右の領域には、複数の一般入賞口113が設けられると共に、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子(図示省略)が多数設けられている。
図2に示される如く、昇降移送部105Fは、センター役物装置105におけるLCD表示部106の右辺に沿って遊技盤18の上下方向に移動するようになっている。
LCD表示部106の右側はスペシャルルートの領域であり、その下部に第2のV入賞振分部107が設けられている。
スペシャルルートは、3筋のスロープ部352、354、356が設けられている。
最上位置のスロープ部352(以下、「上スロープ部352」という)は、右肩上がりとされている。
この上スロープ部352の右端部(最上位)に対応する壁面は貫通孔351が設けられている。貫通孔351は、前記振分部105Cにおける球案内流路105BSの右端部(最下位)に対応している。このため、この貫通孔351を介して、当該球案内流路105BSから遊技球PBが上スロープ部352に受け渡されるようになっている。
上スロープ部352に受け渡された遊技球PBは、LCD表示部106方向に転動する。
また、最下位置のスロープ部356(以下、「下スロープ部356」という)及び中間位置のスロープ部354(以下、「中間スロープ部354」という)は、共に右肩下がりとされている。
中間スロープ部354は、左端部の最上位で受け取った遊技球PBを、所定のタイミングで下スロープ部356へ案内する役目を有している。なお、所定のタイミングとは、例えば、すり鉢状の受け皿の中央に貫通孔が設けられた構造の所謂「クルーン機構354A」を介在させることで、遊技球PBの落下時期を、受け取った時点の遊技球PBの動向に応じて変化させることをいい、特に特別な開閉機構等は必要ないが、意図的に開閉機構を設ける構造としてもよい。
(1)スペシャルルート
図2に示される如く、スペシャルルートでは、前記昇降移送部105Fが昇降方向最上端部に位置決めされたとき、遊技球PBを当該昇降移送部105Fの遊技球集配部材350に受け渡すようになっている。すなわち、昇降移送部105Fは、前記ノーマルルートにおいて当りでも外れでもない「チャンス溝」に入賞した遊技球PBをスペシャルルートへ送り出す役目(詳細後述)の他、スペシャルルートにおいて遊技球PBを第2のV入賞振分部107へ受け渡す役目も兼ねている。
スペシャルルートである球案内通路105BSから、上スロープ部352を介して、昇降移送部105Fに受け渡された遊技球PBは、当該昇降移送部105Fの下降によって、中間スロープ部354へ送り出され、この中間スロープ部354の傾斜により、下スロープ部356を介して、第2のV入賞振分部107へ到達するようになっている。なお、昇降移送部105Fの詳細については後述する。
図3に示される如く、第2のV入賞振分部107は、V入賞回転体240を備えている。V入賞回転体240の周面には、3個の溝242が形成され、その内の1個の溝242にはV入賞を示す指標部244が付与されている。遊技球PBは、この指標部244が付与された溝242に入賞したときのみ、Vゾーン246(第1のV入賞領域)へ案内されるようになっている。Vゾーン246に遊技球PBが案内されると大当りとなり、前記特別遊技(大役遊技)が実行される。一方、指標部244が付与されていない溝242に入った場合は、外れゾーン248(第1の外れ領域)に案内され、Vゾーン246に入賞検出された後に遊技盤面から排出される遊技球PBの排出路と合流する排出路に案内される。
(2)ノーマルルート
前記振分部105Cにおいて、遊技球PBがノーマルルートへ案内されると、当該遊技球PBは、球案内流路105BNに連通するようにLCD表示部106の左端に縦方向に配置された球分岐流路ユニット101(図2参照)を通過して、その一部がLCD表示部106の下部の第1のV入賞振分部105Eへ送られるようになっている。
本実施の形態では、球分岐流路ユニット101では、球案内流路105BNから送られる遊技球PBが複数個の場合、その内の最初の1個の遊技球PBをストッパ111(図2参照)で保持し、2個目以降の遊技球PBを外れ球として排出する機構を設けている。
一方、ストッパ111に保持された遊技球PBは、所定のタイミングでストッパ111を解除することで、第1のV入賞振分部105Eへ案内されるようになっている。
図4に示される如く、第1のV入賞振分部105Eには、回転体283を備えている。回転体283には、その周囲に8個の溝284が形成され、その振分は、1個の「V入賞溝284V」、1個の「チャンス溝(特別溝)284C」、6個の「外れ溝284D」となっている。
ここで、前記ストッパ111(図2参照)の解除時期は周期性があるものではなく、かつ回転体283の回転との間で同期がとられておらず、この結果、純粋に、1/8の確率で「V入賞溝284V」へ入り、1/8の確率で「チャンス溝284C」に入り、6/8の確率で「外れ溝284D」に入ることになる。
「V入賞溝284V」に入賞すると、Vゾーン285V(第2のV入賞領域)に案内されて、前記特別遊技(大役遊技)に移行する。一方、「外れ溝284D」に入った場合は、外れゾーン285D(第2の外れ領域)に案内され、前記球分岐流路ユニット101によって、第1のV入賞振分部105Eに至らずに排出される遊技球PBと共通の排出路に案内され、通常遊技が継続される。
ここで、遊技球PBが、「チャンス溝284C」に入った場合、当該遊技球PBは、昇降移送部105Fへ案内される。
昇降移送部105Fは、遊技球集配部材350(図2)を備えており、この遊技球集配部材350は、上下方向に移動する構成となっている。通常は、遊技球集配部材350は、第1のV入賞振分部105Eと面一となる位置(最下端位置)にあり、羽根部材120からの入賞検出から所定時間後に上昇し、前記スペシャルルートに案内された遊技球PBを受け取る最上端位置との間で1往復して戻るようになっている。なお、センター役物105内の入賞球と排出球の検出状況に応じて動作し、入賞球と排出球の検出数が同一の場合には、前記所定時間後であっても動作しない場合もある。
前記昇降移送部105Fが、前記最下端位置において遊技球集配部材350に遊技球PBを収容していると、遊技球集配部材350の上昇によって、下スロープ部356(図2参照)へ送り出され、この下スロープ部356の傾斜により、第2のV入賞振分部107へ到達するようになっている。
(羽根部材アッセンブリの構成)
図5及び図6は、羽根部材120を開閉させるための機構がユニット化された羽根部材アッセンブリ300が示されている。
羽根部材アッセンブリ300の各部品は、板状の金属板が予め曲げ加工されて形成されたベース部材302に組み付けられている。ベース部材302は、基本的に直角に曲げ加工が施されている。この曲げ加工の結果、ベース部材302には、羽根部材モータ272を取り付けるためのモータ取付ベース部302A、羽根部材120の回転軸120Aを回転可能に取り付けるための羽根部材回転軸取付ベース部302B、並びに、羽根部材アッセンブリ300自体を、例えば、センター役物105に固定するためのフランジ部がそれぞれ形成された一対の固定ベース部302Cが形成される。固定ベース部302Cは相互に形状が異なる場合があるが、センター役物105に固定するという機能は共通である。
モータ取付ベース部302Aは、最も広い平面面積を有しており、図示しない貫通孔が設けられている。前記モータ取付ベース部302Aに、羽根部材モータ272(ステッピンモータ)の本体がほぼ密着して取り付けられると、当該羽根部材モータ272の回転軸が前記貫通孔を貫通する。
すなわち、羽根部材モータ272の本体取付面とは反対側の面には、駆動歯車306が配置され、前記貫通孔を貫通した羽根部材モータ272の回転軸に取り付けられている。
モータ取付ベース部302Aから延長された平面は、前記羽根部材回転軸取付ベース部302Bの一部である一方の脚部302BRとされている。羽根部材回転軸取付ベース部302Bは、前記一方の脚部302BRに対して略直角に屈曲されて基部302BCが形成され、さらに基部302BCの先端部が略直角に屈曲されて他方の脚部302BLが形成されている。この結果、羽根部材回転軸取付ベース部302Bは、基部302BCの両端から互いに平行な一対の脚部302BR、302BLが形成された三方面を有する開断面形状となっている。
一対の脚部302BR、302BLには、前記羽根部材120の回転軸120Aが掛け渡されている。
回転軸120Aは、一対の脚部302BR、302BLをそれぞれ貫通しており、一方の脚部302BR(図5の奥側)から貫通した回転軸120Aには、従動歯車308が取り付けられている。この従動歯車308は、前記駆動歯車306と噛み合っており、駆動歯車306から駆動力を受けて回転するようになっている。
また、他方の脚部302BL(図5の手前側)から貫通した回転軸120Aには、前記羽根部材120が取り付けられている。このため、従動歯車308が回転すると、羽根部材120が回転軸120Aを中心に回転する。
また、回転軸120Aには、その一方の脚部302BRの内側面近傍に、位置決めプレート310が取り付けられている。
位置決めプレート310は円板形状であり、回転軸120Aに対して同軸となるように取り付けられている。なお、位置決めプレート310の軸芯近傍は肉厚に拡大されて円筒部310Aが形成されている。円筒部310Aは、前記回転軸120Aに対する同軸状態を強固に維持している。すなわち、回転軸120Aが回転すると、位置決めプレート310は、ぶれることなく回転軸120Aと同軸に回転する。
位置決めプレート310の周縁の一部には、扇型の第1の切欠部312が形成されている。この第1の切欠部312に対応するように、前記一方の脚部302BRの内側面からはストッパ部314が突出されている。このストッパ部314は円柱形状で、その一部が位置決めプレート310の回転軌跡上に位置しているが、第1の切欠部312によって互いの干渉が回避されるようになっている。
言い換えれば、位置決めプレート310は、扇型の第1の切欠部312の内端面間の開度範囲(ストッパ部314の直径に相当する分は除く)でストッパ部314に干渉することなく回転可能とされ、回転方向両端部でストッパ部314と当接することで、その回転角度が制限される。
位置決めプレート310の回転角度は、羽根部材120の回転角度として必要な角度(例えば、略30°〜90°程度)に相当しており、一方の内端面に当接している位置が羽根部材120の閉止位置(図5の位置参照)であり、他方の内端面に当接している位置が羽根部材120の開放位置(図6の位置参照)である。
ここで、羽根部材モータ272は、駆動指示(羽根部材120の開放指示又は閉止指示)があると、適宜正転又は逆転駆動する。基本的には、駆動歯車306と従動歯車308との歯数の比に基づいて予め演算された時間(羽根部材120の回転角度分だけの時間)駆動するようにタイマ制御されるようになっている。
タイマ設定時間は、回転角度分回転するよりも若干長い時間に設定されており、この結果、位置決めプレート310の第1の切欠部312において、ストッパ部314が一対の内端面の何れかに当接するまで必ず回転することになる。
前記位置決めプレート310には、扇状の第1の切欠部312の他、スリット状の第2の切欠部316が形成されている。また、前記羽根部材回転軸取付ベース部302Bの基部302BCには、電気配線基板318が取り付けられ、その一部としてスリットセンサ320が取り付けられている。スリットセンサ320は、投光部と受光部とが互いに所定の隙間を持って配置された二股形状とされ、当該隙間が前記位置決めプレート310の回転移動軌跡となっている。なお、スリット状の第2の切欠部316を、扇状の第1の切欠部312とは別に形成したが、第1の切欠部312を第2の切欠部として利用することも可能である。
ここで、前記位置決めプレート310の第2の切欠部316は、羽根部材120が閉止状態とされているとき、前記スリットセンサ320に対峙するように設定されている。
このため、羽根部材120の閉止状態のとき、スリットセンサ320は投光部から光を受光部で受光することになり、この位置を基準位置として、位置決めプレート310の位置の監視を行っている。なお、基準位置は、本実施の形態では、羽根部材120の閉止位置としているが、開放位置であってもよく、また、別の位置であってもよい。
すなわち、羽根部材モータ272が駆動(正転、逆転)しているときは、その駆動力で羽根部材120は回転するが、羽根部材モータ272の非駆動中、特に羽根部材120はその位置が保持されず、外部からの力(例えば、遊技球PBの当接等)によって、位置が移動する場合がある。特に、閉止されている時間が長いため、閉止状態を監視する必要がある。このため、前記羽根部材モータ272の非駆動中において、第2の切欠部316とセンサ部320とによって、羽根部材120の閉止状態を監視している。
(振分部105Cの構成)
図2に示される如く羽根部材120の開放でセンター役物105に流入した遊技球PBは、ノーマルルート又はスペシャルルートのどちらかへ案内され、最終的に何れかのV入賞領域にV入賞すれば大当りとなり、アタッカー112の所定時間、所定回数の開放遊技(特別遊技、或いは大役遊技という)が開始される。一方、V入賞以外、すなわち外れた場合は、通常遊技が継続される。
羽根部材120が開放入賞したとき、遊技球PBは、まず、遊技球Pの入賞ルートを振り分ける振分部105Cを通過する。
振分部105Cでは、遊技球PBの流入時期に依存して、遊技球PBをスペシャルルート又はノーマルルートの何れかへ案内されるようになっている。
振分部105Cは、羽根部材120が開放したときに流入される遊技球PBの流動方向下流側に設けられている。
図7に示される如く、遊技球PBは、振分部105Cに到達する前に、流入センサ254によって検出されるようになっている。
流入センサ254の下方は、センター役物105の左上部を占有する横長の領域322が設けられ、その領域322の左右両端部に一対の回転体324、326がそれぞれ配置されている。回転体324、326は、その回転軸324,326(図8参照)が不透明とされた背景壁328を貫通して、センター役物105の裏面側において回転可能に支持されている。また、回転軸の一方は、第1のモータ276(図10参照、図8では図示省略)の駆動力で図7の反時計方向周りに回転されるようになっている。
一対の回転体324、326には、ベルト330が巻き掛けられており、この結果、ベルト330は、一対の回転体324、326の回転に伴って、所謂トラック状に周回する。また、ベルト330の外周には、当該外周の全域に亘って、隔壁部330A(一部のみ指標)が均等に配置されている。隔壁部330A間のピッチ寸法は、遊技球PBが遊びをもって収容する程度であり、このため、一対の隔壁部330Aとベルト330の底部とによって複数の遊技球収容部332(一部のみ指標)が形成されることになる。
ここで、ベルト330が、図7の反時計回りに周回すると、前記遊技球収容部332が順次、流入センサ254の真下に位置することになり、羽根部材120の開放中に流入した遊技球PBは、何れかの遊技球収容部に収容されることになる。このとき、遊技球収容部332の開口は上向きであり、この開口が上向きとされている直線搬送領域を収容領域という。
ベルト330の周囲における、少なくとも円弧部は、縦壁部334が設けられ、遊技球収容部332の開口を閉塞しており、遊技球収容部332に収容された遊技球PBは、当該遊技球収容部332から脱落することなく、反転するようになっている。このとき、遊技球収容部332の開口は下向きであり、この開口が下向きとされている直線搬送領域を排出領域という。
排出領域には、前記ベルト330に沿って直線状の誘導路336が設けられている。誘導路336は、ベルト330の隔壁部330Aに接近しているため、遊技球PBは、遊技球収容部332に収容されたままの状態で、誘導路336を転動することになる。
図8に示される如く、この誘導路336は、少なくとも奥側の前記背景壁328に向けて下位となるように傾斜されており、誘導路336上の遊技球PBは、背景壁328に接触しながら転動するようになっている。なお、誘導路336は流動方向に沿って下位となるように傾斜させてもよい。
前記誘導路336における、遊技球転動方向終端部(当該誘導路336が寸断された端部)では、支持される誘導路336を失った遊技球PBが遊技球収容部332から離脱し、落下するようになっている。
この誘導路336の終端部における、遊技球PBの落下方向には、前述したノーマルルート(第一の通路)に沿って案内する球案内流路105BNが配設されている。球案内流路105BNは、その右端部は略L字型に屈曲され、前記誘導路336による誘導を失って遊技球収容部332から離脱する遊技球PBを確実に球案内流路105BNのスロープに案内する案内壁338が形成されている。
ここで、前記誘導路336に沿った背景壁328には、複数の(本実施の形態では、3個の)開口部340が設けられている。開口部340の開口幅、開口高さは、共に遊技球PBの外径よりも大きく、誘導路336を転動している遊技球PBは、誘導路336の背景壁328方向への下り傾斜によって、開口部340に到達した時点で、当該開口部340に入り(図8(A)参照)、誘導路336から離脱可能となっている。
一方、前記背景壁328の裏面側、かつ開口部340に対応する位置には、開閉部材としての回転板342が設けられている。回転板342は、背景壁328の裏面側において、第2のモータ278(図10参照、図8では図示省略)の駆動力で一定速度で回転するようになっている。
回転板342には、その周縁の一部に、前記開口部340と同等の大きさの切欠部342A(本実施の形態では、各回転板342に2個の切欠部342A)が形成されている。切欠部342Aは、回転板342の回転により所定周期で前記開口部340と一致するようになっている。
ここで、遊技球PBが誘導路336を転動し開口部340に到達したときと、切欠部342Aと開口部340とが一致したときと、が重なると、遊技球PBは開口部340に入ることができる。開口部340に入った遊技球PB(誘導路336の途中で離脱した遊技球PB)は、前述したスペシャルルート(第二の通路)に沿って案内する球案内流路105BSへ案内されるようになっている。
また、遊技球PBが誘導路336を転動し開口部304に到達したとき、切欠部342Aと開口部340とが一致していないときは、遊技球PBは開口部340に入ることができず、そのまま誘導路336を転動し、前記ノーマルルート(球案内流路105BN)へ至る。
回転板342は、不透明の背景壁328の裏面側に配置されており、回転速度は第2のモータ278の駆動によって制御可能であるため、遊技者からはその動作状態は、意図的に見難くしている。
例えば、3個の回転板342が単一の第2のモータ278で駆動させる場合、互いに回転力を伝達する歯車の数や、それぞれの歯車の歯数の比等を考慮して、3個の回転板342の回転速度を変えたり、回転方向を変えることで、開口部340に切欠部342Aが一致する時期をランダムにする。なお、厳密にはランダムではなく、例えば歯数同士の最小公倍数毎を「周期」となるが、素数の歯数を用いれば膨大な回転数にならないと1周期を迎えることができないような場合も「ランダム」とする。
また、変速機を介在させることで、動作途中での速度変更、回転方向変更も可能である。
さらに、第1のモータ276によるベルト330の搬送速度は、基本的には一定速度であるが、このベルト330の搬送速度を制御するようにして、遊技球PBの収容領域から排出領域までの到達時間を変化させるようにしてもよい。また、回転板342の回転制御と、ベルト330の搬送速度制御を併用してもよい。
このように、本実施の形態では、前記流入センサ254で遊技球PBの流入を検出した時点や遊技球収容部332に遊技球PBが収容された時点に基づいて、開口部340と回転板342の切欠部342Aとが一致するか否かを予測し難くして、ノーマルルートへ至るかスペシャルルートへ至るかの判断を遅らせるようにした。
ここで、回転板342の材質として、アクリル、ガラス等の透明部材を用いることで、背景壁328の裏面側で回転しているとき、開口部340に切欠部342Aが一致しているか否かの判断がつき難くなるため、遊技者からすれば、より予測がし難くなる。
(昇降移送部105Fの構成)
中間スロープ部354は、前記上スロープ部352から昇降移送部105Fを介して遊技球PBを受け取る。
また、下スロープ部356は、前記チャンス溝284Cに入った遊技球PBを昇降方向最下端位置で受け取り、昇降移送部105Fが上昇することで遊技球PBを受け取る。
ここで、図9に示される如く、昇降移送部105Fは、昇降機構部357と、上ストッパ機構部358と、下ストッパ機構部360とを備えている。
昇降機構部357は、レール部357Aが前記LCD表示部106の右辺に沿って配設され、当該レール部357Aには、昇降ブラケット357Bを介して、遊技球集配部材350が摺動可能に取り付けられている。
遊技球集配部材350は、第3のモータ279(図10参照)によってレール部357Aに沿って昇降する。なお、遊技球集配部材350の昇降範囲は、最上端が前記上スロープ部352の近傍であり、最下端が前記下スロープ部356よりも下方である。
図9に示される如く、遊技球集配部材350は、基本構造として略L字型(図9の隠れ線参照)とされ、底面350Aは右肩下がりとなっており、レール部357A側に設けられた、中間スロープ部354及び下スロープ部356の左端と一致すると、収容している遊技球PBを底面350Aの傾斜によって送り出すことが可能となっている。
また、上スロープ部352の右端では、当該右端よりも遊技球集配部材350の底面350Aが若干低位となる位置で遊技球PBを受け取るようになっている。
ここで、昇降移送部105Fの昇降動作と、遊技球PBを上スロープ部352から受け取る時期或いは最下端位置でチャンス溝284Cに入った遊技球PBを受け取る時期とは、同期がとられておらず(基本的に同期をとるのは困難であり)、それぞれに遊技球PBを待機させるための上ストッパ機構部358と、下ストッパ機構部360を設けている。
上ストッパ機構部358は、長孔358Aが設けられたブラケット部358Bと、この長孔358Aに取り付けられ、当該長孔358Aに沿って移動可能なストッパ部358Cとを備えている。
ストッパ部358Cは、通常は自重によって長孔358Aの下端に位置しており、この位置では、ストッパ部358Cが前記上スロープ部352の左端に位置している。このため、上スロープ部352を転動する遊技球PBは、当該ストッパ部358Cによって上スロープ部352からの脱落を防止する。
ここで、遊技球集配部材350が上昇してくると、まず、ストッパ部358Cに当接するため、当該上昇を継続することで、ストッパ部358Cが押し上げられて、遊技球PBの脱落防止が解除される。このとき、遊技球集配部350が必ず存在するため、確実に遊技球PBの受け渡しが達成される。
下ストッパ機構部360は、長孔(図示省略)が設けられたブラケット部360Aと、この長孔に取り付けられ、当該長孔に沿って移動可能なストッパ部360Bとを備えている。
ストッパ部360Bは、通常は圧縮コイルばね360Cの付勢力によって長孔の上端に位置しており、この位置では、ストッパ部360Bがチャンス溝284C(図4参照)からの流路362の底面よりも上側に位置している。このため、流路362を転動する遊技球PBは、当該ストッパ部360Bによって流路362からの脱落を防止する。
ここで、遊技球集配部材350が下降してくると、まず、ストッパ部360Bに当接するため、当該下降を継続することで、圧縮コイルばね360Cの付勢力に抗してストッパ部360Bが押し下げられて、遊技球PBの脱落防止が解除される。このとき、遊技球集配部350が必ず存在するため、確実に遊技球PBの受け渡しが達成される。
(制御系の構成)
次に、図10を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図10に示されるように、本実施の形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは盤用外部端子190を介して遊技店に設置される管理コンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり情報信号、図柄確定回数信号)が送信される。
主制御部150には、入力系として、特別通過ゲート130を通過する遊技球PBを検出する特別通過ゲートセンサ250、普通通過ゲート118を通過する遊技球PBを検出する普通通過ゲートセンサ252、羽根部材120が開放したときにセンター役物105内に流入した遊技球PBを検出する流入センサ254、V入賞した遊技球を検出するV入賞センサ256、V入賞を逸した(外れた)遊技球PBを検出する外れセンサ258、アタッカー112の開閉扉116の開放時に入賞する遊技球PBを検出するアタッカーセンサ260、一般入賞口113,134のそれぞれの入賞を検出する複数の一般入賞センサ262、264、羽根部材120の回転軸120Aに対して同軸に取り付けられた位置決めプレート310の回転位置を検出するスリットセンサ320が接続されている。なお、一般入賞口113と、一般入賞口134とが別々の一般入賞センサ262,264としたのは、それぞれ賞球払出数が異なる場合があるからである。
さらに、遊技の進行に関わるものではないが、エラー検知システムに関する部材として、主制御部150には、遊技盤面近傍の磁力を検出する磁気センサ266、遊技盤18における振動を検出する振動センサ268及びガラス枠16等の開放状態を検出する開放検出センサ270が接続されている。
また、主制御部150には、出力系として、羽根部材120を開閉するための羽根部材モータ272、アタッカー112の開閉扉116を開閉するためのアタッカーソレノイド274が接続されている。
さらに、主制御部150には、センター役物105内に設けられた動作系の駆動源として、振分部105Cのベルト330(図7参照)を周回駆動するための第1のモータ276、回転板342(図7参照)を回転させるための第2のモータ278、昇降移送部105Fの遊技球集配部材350(図9参照)を昇降させるための第3のモータ279、ストッパ111(図2参照)の駆動源である第1のソレノイド280が接続されている。
演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部106が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、スピーカ60を作動させて効果音等の音声出力を制御する。また、演出制御部152の入力系として、操作ボタン50が接続されている。
この演出制御部152に制御されるLCD表示部106には演出図柄映像が表示され、スピーカ60からはその演出表示に対応した効果音等の音声が出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、演出図柄による演出を楽しむことができる。
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置40を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して賞球又は貸球の払出しに関する情報である払出情報を遊技店に設置された管理コンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、遊技球PBが一球ずつ発射装置によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域19に打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域19内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域19の下端部に至った遊技球PBはアウト口からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが遊技領域19内に設けた入賞口に入賞したり、通過ゲートを通過すると、それぞれの遊技制御に基づく処理(例えば、抽選等)が実行されると共に、LCD表示部106への画像表示演出、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。
(遊技仕様の一例)
遊技球PBが発射され、遊技盤面上を落下して、特別通過ゲート130を通過すると、特別図柄抽選が実行され、その抽選結果は、LCD表示部106に演出を交えて報知される。
この特別図柄抽選の結果が当りであると、羽根部材120が所定時間、かつ所定回数開放する。この羽根部材120の開放中は、遊技球PBをセンター役物105内に流入させることができる。流入した遊技球PBは、流入センサ254によってカウントし、最終的に、V入賞球及び外れ球として回収して、それぞれの検出センサ(V入賞センサ256、外れセンサ258)で検出した遊技球PBの数と照合する。
遊技球PBがセンター役物105内に流入すると、遊技球PBは、まず、振分部105Cによって、ノーマルルートかスペシャルルートに振り分けられる。この振分部105Cによる振り分け動作については、後述する。
ノーマルルートに案内された遊技球PBは、球案内流路105BNを通り、球分岐流路ユニット101へ送られる。
球分岐流路ユニット101には、ストッパ111が設けられ、最初に到達した1個の遊技球PBが滞留される。なお、2個目以降の遊技球PBは、外れ球として排出される。
流入センサ254にて検出されてから所定のタイミングで、ストッパ111が解除されると、遊技球PBは、第1のV入賞振分部105Eへ送られる.
第1のV入賞振分部105Eには、回転体283が配置され、その周囲にある8個の溝284の何れかに入る。
回転体283では、1/8の確率で「V入賞溝284V」へ入り、1/8の確率で「チャンス溝284C」に入り、6/8の確率で「外れ溝284D」に入る。
「V入賞溝284V」に入賞すると、Vゾーン285Vに案内されて、前記特別遊技(大役遊技)に移行する。一方、「外れ溝284D」に入った場合は、外れゾーン285Dに案内され、前記球分岐流路ユニット101によって、第1のV入賞振分部105Eに至らずに排出される遊技球PBと共通の排出路に案内され、通常遊技が継続される。
ここで、遊技球PBが、「チャンス溝284C」に入った場合、当該遊技球PBは、昇降移送部105Fへ案内される。
昇降移送部105Fは、遊技球集配部材350を遊技盤面に沿って上下方向(最上端位置から最下位置まで)昇降可能であり、最下端位置において、ノーマルルートでV入賞を逸した遊技球PBの一部、すなわち、1/8の確率で「チャンス溝284C」に入った遊技球PBをスペシャルルートへ移行させるべく、遊技球PBを受入れ、遊技球集配部材350を下スロープ部356まで上昇させる。なお、昇降移送部105Fが最下端位置に位置決めされていないときは、自動的にストッパ部360Bが突出し、遊技球PBは遊技球集配部材350の直前(流路362の終端)で待機保持される。
下スロープ部356に到達すると、遊技球PBは遊技球集配部材350から離脱して、下スロープ部356の傾斜に沿って、スペシャルルートの終端である第2のV入賞振分部107へ到達する。
次に、振分部105Cにより、スペシャルルートに案内された遊技球PBは、最上端に位置する昇降移送部105Fの遊技球集配部材350に収容される。なお、昇降移送部105Fが最上端位置に位置決めされていないときは、自動的にストッパ部358Cが突出し、遊技球PBは遊技球集配部材350の直前(上スロープ部352の終端)で待機保持される。
昇降移送部105は、当該最上端位置から下降し始め、中間スロープ部354に到達すると、遊技球PBは遊技球集配部材350から離脱して、中間スロープ部354の傾斜に沿って転動し、下スロープ部356を介して、スペシャルルートの終端である第2のV入賞振分部107へ到達する。
第2のV入賞振分部107には、V入賞回転体240が設けられ、1/3の確率でV入賞する。V入賞すると、前記特別遊技(大役遊技)に移行する。
以上が、遊技仕様に基づく遊技の流れを一例であるが、本願発明は、上記遊技仕様に限定されるものではなく、以下に示す主要部(羽根部材120、振分部105C、昇降移送部105F)の動作により、それぞれの作用効果をもたらす遊技仕様の遊技機の全てを含む。
(羽根部材の動作制御)
図11は、羽根部材120の開閉動作並びに基準位置(閉止位置)での保持制御のためのタイミングチャートである。
遊技仕様として、特別図柄抽選の結果が当りであると、羽根部材120が所定時間t、かつ所定回数開放するが、このとき、開放指示信号と閉止指示信号とにより、羽根部材モータ272の駆動が制御される。
開放指示信号が出力されると、羽根部材モータ272は羽根部材120を開放する方向に駆動(正転)して停止する。その後、遊技仕様上の所定時間tを計時する。この計時終了後、閉止指示信号が出力され、この閉止指示信号に基づいて、羽根部材モータ272は羽根部材120を閉止する方向に駆動(逆転)して停止する。
ここで、羽根部材120が動作していないときは、羽根部材モータ272は駆動しておらず、この状態では、回転軸は回転しないように保持されていないため(無制動状態)、外力、例えば羽根部材120に遊技球PB等が衝突すると、その衝撃により回転位置が変化する場合がある。
すなわち、羽根部材120が非駆動中は、スリットセンサ320が有効とされ、通常遊技状態における閉止状態を監視している。言い換えれば、遊技仕様に基づく開放指示から閉止指示までの間は、スリットセンサ320が無効とされる。
この状態で、羽根部材120が前記外力等で開放されると、回転軸120Aが回転して位置決めプレート310の第2の切欠部316の位置が変移する。スリットセンサ320では、この第2の切欠部316の変移によって検出信号は反転(第2の切欠部316の未検出信号)し、遊技仕様上の開放指示、閉止指示に関わらず、直接羽根部材モータ272に対して羽根部材120を閉止させる方向(逆転)の駆動を指示する。
この羽根部材モータ272の駆動によって、羽根部材120は閉止位置に戻り、スリットセンサ320の検出信号が反転(第2の切欠部316の検出信号)し、羽根部材モータ272の駆動を停止させる。
これにより、羽根部材モータ272を駆動させていなくても、基準位置である閉止位置を維持することができる。
なお、羽根部材120の開放位置は、遊技仕様上、最長で30秒程度であるため、例えば、釘等の配置によって開放中の羽根部材120を閉止させるような位置に遊技球PBが来ないようにすれば、この期間中は羽根部材モータ272の駆動は停止しておいても外力によって閉止するような問題はない。しかし、図11の一点鎖線で示すように駆動し続けるようにしてもよい。或いは、図11の斜線領域で示したように、開放期間を分割して、間欠的に駆動(例えば、30秒であれば、5秒毎に0.5〜1.0秒の駆動)するといった制御で開放位置を維持することができる。
なお、羽根部材120或いは回転軸120A等に、回転範囲の途中で付勢方向が反転するばね部材を設けて、羽根部材120が開放するときは開放位置に付勢し、羽根部材120が閉止するときは閉止位置に付勢する機構を設けてもよい(変形例1)。
また、前記第1の切欠部312の底部(円弧面)に、位置決めプレート310の回転中にストッパ部314と若干干渉するように弾性変形可能な突起部を設け、所謂「クリック感」を持たせ、羽根部材120の開放位置及び/又は閉止位置で保持できるようにしてもよい(変形例2)。
さらに、羽根部材モータ272の回転軸から羽根部材120との間で回転可能に連結される部材間にワンウェイクラッチ機構を設けるようにしてもよい。例えば、羽根部材120の開放状態と閉止状態とを比較して維持する時間が短い方を選択し(ここでは、遊技仕様上、最大30秒程度である開放状態を選択し)、羽根部材モータ272の駆動力で羽根部材120を閉止位置から開放位置へ移動させた後、開放位置に到達しても羽根部材モータ272を駆動し続けるようにすれば、羽根部材120の開放時間を確実に維持することができる。このとき、ワンウェイクラッチ機構によって、開放位置での羽根部材モータ272にかかる負荷を回避することができる。なお、ワンウェイクラッチ機構は、羽根部材モータ272の回転軸と駆動歯車306との間、従動歯車306と回転軸120Aとの間、回転軸120Aと羽根部材120との間の何れであってもよい。また、駆動歯車306と従動歯車308との間に中間歯車を介在させる等、別途、連結部材を介在させ、ワンウェイクラッチ機構を設けるようにしてもよい(変形例3)。
なお、変形例1乃至変形例3は、前記スリットセンサ320と第2の切欠部316とによる監視に対して併用してもよいし、代替として適用してもよい。
(振分部105Cによる振り分け動作)
図7及び図8に示される如く、振分部105Cでは、羽根部材120の開放状態でセンター役物105に流入した遊技球PBをノーマルルートに沿って案内する球案内流路105BN、或いはスペシャルルートに沿って案内する球案内流路105BSに振り分ける。
この振り分けは、遊技の進行上、遊技者の有利状態に多大な影響を及ぼすため、遊技者からすれば、どちらに振り分けられるのかは、心理的には早期に知りたい情報である。
しかしながら、早期、例えば羽根部材120の開放で流入した遊技球PBが、振分部105Cのベルト330に設けられた遊技球収容部332に収容されたとき(収容領域段階)に予測ができてしまうと、振分演出の効果が損なわれることになる。一方、全くランダムに遊技者から見えない領域で振り分けたり、シーソー機構等によって一瞬で振り分けられても、遊技の趣向性が乏しくなる場合がある。
そこで、本実施の形態では、遊技球PBの動向は遊技者の視野から逸脱することなく、かつ、振り分けが確定するまでの遊技球PBの道程を、期待感をもって見ることができる振分部105Cを構築した。
振分部105Cにおける、遊技球PBの流れは以下のとおりである。
羽根部材120が開放して、遊技球PBが流入すると、遊技球PBは、流入センサ254を通過して収容領域へ至る。
ベルト330は一定速度で図7の反時計回りに周回しており、流入センサ254の下方には、順次遊技球収容部332が対応しており、遊技球PBはその何れかに収容されることになる。
遊技球収容部332に収容された遊技球PBは、収容状態が保持されてベルト330の周回駆動に伴い反転する。
ここで、ベルト330が反転すると、遊技球収容部332の開口が下向きになるが、排出領域には、誘導路336が設けられているため、遊技球PBは、排出領域にいたっても遊技球収容部332に収容された状態で、誘導路336に沿って転動する。
図8に示される如く、誘導路336は、背景壁328の方向が下位となる傾斜が付けられているため、遊技球PBは、誘導路336を転動するとき、背景壁328に接しながら転動する。
誘導路336に沿った背景壁328には、3個の開口部340が設けられているため、遊技球PBはこの上流側の開口部340から順に到達する。
一方、3個の開口部340における背景壁328の裏面側では、3個の回転板342が回転しており、ほぼランダムに切欠部342Aと開口部340とが一致する。
ここで、図8(A)に示される如く、前記誘導路336上を転動する遊技球PBが開口部340に到達するとき、当該開口部340と切欠部342Aとが一致すると、遊技球PBは開口部340に入ることができ、誘導路336から離脱して、球案内流路105BS(スペシャルルート)へ案内される。
開口部340は3箇所であるため、球案内流路105BSへ案内される機会は3回となる。この間、遊技者は遊技球PBが開口部340に入ることを望みながら一喜一憂することになる。
一方、図8(B)に示される如く、遊技球PBが開口部340を通過するとき、回転板342の切欠部342Aが開口部340に一致しておらず、残念ながらいずれの開口部340にも入らなかった遊技球PBは、誘導路336の終端部へ至り、球案内流路105BN(ノーマルルート)へ案内される。
本実施の形態によれば、回転板342の回転速度を制御することで、開口部340と切欠部342Aとが一致する周期をほぼランダムにすることができ、遊技球PBが遊技球収容部332に収容される収容領域の段階では、開口部340に入るか否かの予測がつき難く、振分演出の効果を最大限に発揮することができる。
なお、回転板342の回転速度の制御とは、一定速度、一定回転方向ではあるが、3個の回転板342の回転速度が違うことも含む。また、個々の回転板342の回転中の回転速度、回転方向を変更する制御を行ってもよい。さらには、ベルト330の搬送速度や搬送方向を変更するようにしてもよい。
また、振分部105Cの背景壁328は不透明であるため、回転板342の回転状態がわかり難く、遊技者は容易に切欠部342Aの位置を予測することができない。さらに、回転板342がアクリルやガラス等の透明部材であれば、切欠部342Aとそうでない部分との区別もつき難い。
(昇降移送部105Fの動作)
本実施の形態にかかる昇降移送部105Fは、ノーマルルートにおける第1のV入賞振分部105Eで遊技球PBがチャンス溝284Cに入ったとき、当該遊技球PBをスペシャルルートを介して第2のV入賞振分部107へ移送する役目と、スペシャルルートにおける第2のV入賞振分部107へ移送する役目とを兼ねている。
昇降移送部105Fの遊技球集配部材350は、基準位置が最下端位置とされている。この位置では、下ストッパ機構部360のストッパ部360Bを圧縮コイルばね360Cの付勢力に抗して押し下げており、チャンス溝348Cに入り、流路362を転動してきた遊技球PBの受け入れ態勢が整っている状態である。
昇降移送部105Fの遊技球集配部材350は、前記羽根部材120の開放があり、その後の閉止時期から計時される所定時間経過後に、前記基準位置から最上端位置までの間を1往復するように制御される。この動作は、遊技球PBの動向を監視するものではなく、一義的に実行されるものである。
ここで、所定時間とは、羽根部材120が開放されているときに流入する遊技球PBが最も遅くチャンス溝248Cに入り、流路362を介して、昇降移送部105Fに到達するまでの時間よりも長く設定されている。このため、昇降移送部105Fが上昇を開始するときは、チャンス溝248Cに遊技球PBが入っている場合には、流路362を通って、必ず遊技球PBを遊技球集配部材350に収容される。なお、例えば、所定時間経過前に、第1のV入賞振分部105Eにおいて、V入賞溝284Vや外れ溝284Dに入り、それぞれセンサ(V入賞センサ256、外れセンサ258)で検出された場合は、昇降移送部105Fの昇降を行わない場合がある。
図12(A)及び(B)は、チャンス溝248Cに入り流路362を転動してきた遊技球PBを、遊技球集配部材350が最下端部の位置で収容した場合の動作の流れを示している。
図12(A)では、下ストッパ機構部360のストッパ部360Bが開放状態(非阻止状態)であるため遊技球PBは遊技球集配部材350へと転動し、収容される。
羽根部材120が開閉動作を終了してから所定時間経過後、昇降機構部357では遊技球集配部材350を上昇させる。この上昇中、遊技球集配部材350の底面350Aが傾斜されているため、下スロープ部356に対応した時点で、遊技球PBは底面350Aの傾斜によって下スロープ部356へ送り出される(図12(B)参照)。なお、遊技球集配部材350を、下スロープ部356に対応したとき、一旦停止させるようにしてもよい。
図12(B)に示される如く、下スロープ部356に送り出された遊技球PBは、下スロープ部356の傾斜によって、スペシャルルートを介して、第2のV入賞振分部107へと案内される。
次に、図13(A)〜(C)は、振分部105Cによって球案内流路105BSに振り分けられた遊技球PBを、遊技球集配部材350が最上端部の位置で収容した場合の動作の流れを示している。
羽根部材120が開閉動作を終了してから所定時間経過後、昇降機構部357では遊技球集配部材350を上昇させる。この上昇動作により、遊技球集配部材350が最上端位置に到達すると、上ストッパ機構部358のストッパ部358Cを長孔358Aに沿って押し上げるため、当該ストッパ部358Cによって動きが阻止されていた上スロープ部352上の遊技球PBが転動を再開して遊技球集配部材350へ収容される(図13(B)参照)。この場合、遊技球集配部材350の底面350Aの方が、上スロープ部352の転動面よりも下位であるため、底面350Aの傾斜に関係なく、遊技球PBは遊技球集配部材350に収容される。
次に、遊技球集配部材350は、レール部357Aに沿って下降して、中間スロープ部354へ至る。遊技球の底面350Aが傾斜されているため、中間スロープ部354に対応した時点で、遊技球PBは底面350Aの傾斜によって中間スロープ部354へ送り出される(図13(C)参照)。なお、遊技球集配部材350が中間スロープ部354に対応したとき、遊技球集配部材350を一旦停止させるようにしてもよい。
図13(C)に示される如く、中間スロープ部354に送り出された遊技球PBは、中間スロープ部354の傾斜によって転動し、かつクルーン機構354Aで落下タイミングが遅延され、その後、下スロープ356へ落下し、第2のV入賞振分部107へと案内される。