以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1を参照して説明する。この遊技機1は、遊技機本体1Aと外枠(本体枠)2とを備えている(図27も参照)。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものであり、パチンコホールの島設備に固定される。また、遊技機本体1Aは、中枠3と、前面枠4と、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102(図24を参照)と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7と、を備えている。
中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、施錠装置7は、中枠3の右端中央に設けられ、遊技盤10は中枠の開口部は脱自在に取り付けられている。この中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカーSP(図26参照)等が配設されている。
前面枠4は、遊技盤10の前面部を覆うガラス板を具備するガラス扉枠を構成するものであり、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図2参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図2参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
遊技機本体1Aの前面部のうちで、前面枠3の下方の部位が、上皿部5と下皿部6とを備える構成とされている。つまり、上皿部5は、前面枠3の下方に配置され、下皿部6は上皿部5の下方に配置されている。また、上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、球貸表示基板410(図25参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットPUが設けられている。
上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカーSPを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカーSPを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2及び図3を中心にして説明する。この遊技盤10は、前述のように、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図24参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10の前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、遊技盤10の前面部において、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって構成される部位が、遊技領域11を構成している。
この遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位には、中央装置20と、第1の可動演出装置70と、第2の可動演出装置80と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘14と、風車19等が配設されている。このように、本遊技機1では、遊技領域11に2個の可動演出装置70、80を配設するが、このうちの一方の可動演出装置80が、各請求項の発明に係る可動演出装置80を構成する。
ここで、図4は、各種の盤部品(中央装置20、可動演出装置70、普通図柄作動ゲート16、始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44、障害釘14、風車19等)を装着する前の遊技盤10を示している。この図4に示すように、「遊技盤10において遊技領域11を構成する部位」には開口部10cが形成されている。この開口部10cは、遊技盤10の表裏面(前後面)を貫通する状態に形成されると共に、遊技領域11の「略中央部」から、「遊技領域11の右斜め上方の端部」及び「遊技領域11の右側方の端部」に至るサイズ(遊技領域11の面積の約2/5を占める大型の開口部)とされている。この開口部10cは、中央装置20を遊技盤10に取り付けるための取付孔を構成する。
中央装置20は、図3に示すように、枠部材21と、ベース部材22と、上部装飾部材23と、ステージ部材24と、左側装飾部材25と、中央表示装置27と、を備えている。尚、本実施例において、第1の可動演出装置70及び第2の可動演出装置80は、中央装置20に組み込まれている。
枠部材21及びベース部材22は、中央装置20の他の構成部材や可動演出装置70、80(後述する。)を、遊技盤10に取り付けるために使用される取付部材(取付ステー)として機能する。また、ベース部材22は、後述するように、「経路案内部材」及び「取付部材」の具体例を構成する。更に、本実施例では、経路案内部材を構成するベース部材22において、その表面部を前方(遊技者の方向)に向け、その裏面部を後方(遊技者と反対の方向)に向けている。つまり、経路案内部材の表面部、つまり、第2の可動演出装置80等が配置される側の面部は、遊技者によって視認可能な方向に向けられる。
図3に示すように、枠部材21の外縁部21aは、「遊技盤10の開口部10c」と略同一形状とされている。また、詳細な図示を省略するが、枠部材21の内縁部21bも、「遊技盤10の開口部10c」と略同一形状とされている。但し、図6に示すように、枠部材21の外縁部21aのサイズは開口部10cの周縁部のサイズよりも大きくされ、枠部材21の内縁部21bのサイズは開口部10cの周縁部のサイズよりも小さくされている。
この枠部材21は、図6に示すように、その裏面部21cを遊技盤10の前面部において開口部10cの周縁に位置する部位に当接させつつ、遊技盤10の前面部に取り付けられている。この取付の際、枠部材21は、開口部10cに対して同心状に位置合わせされるため、枠部材21の外縁部21aは開口部10cの周縁部の外側に位置し、枠部材21の内縁部21bは開口部10cの周縁部の内側に位置することになる。そして、枠部材21は、裏面部21cのうちで、内縁部21b寄りに位置する部位(以下、「内縁側部位」という。)21eが、開口部10cを通じて、遊技盤10の背後(後方であって、遊技者とは離間する方向)を指向する状態とされる。この内縁側部位21eは、ベース部材22を枠部材21に取り付けるための「取付部分」を構成する。
図5に示すように、ベース部材22は、「遊技盤10の開口部10c」と略同一形状の板状体(樹脂製)を用いて構成とされている。そして、図6に示すように、このベース部材22の外縁部22aのサイズは開口部10cの周縁部のサイズよりも小さくされているが、枠部材21の内縁部21bのサイズよりも大きくされている。また、このベース部材22の外縁部22aからは取付代22bが突出し、このベース部材22の「略中央から左方向に偏心した部位(遊技盤10の前方から観察した場合)」には略矩形状の窓部22cが設けられている。この窓部22cは、ベース部材22の表裏面(前後面)を貫通する状態に設けられている。
図5に示すように、ベース部材22において、窓部22cの上方の部位(以下、「上方配置部」という。)22dには、略矩形状の貫通孔22eが設けられている。そして、上方配置部22dにおいて、貫通孔22e及びその周囲の部位によって、第1の可動演出装置70の配置部位22jを構成する。尚、可動演出装置70に関しては、後述する。
図5に示すように、上方配置部22dにおいて、「第1の可動演出装置70の配置部位22j」を除く部位は、上部装飾部材23の配置部位を構成する。また、窓部22cの左側方(遊技者から見て左側方)の部位(以下、「左側配置部」という。)22gは、左側装飾部材25の配置部位を構成し、ベース部材22の下縁部22iは、ステージ部材24の配置部位を構成している。
更に、ベース部材22において、窓部22cの右側方(遊技者から見て右側方)の部位(以下、「右側配置部」という。)22hは、第2の可動演出装置80の配置部位を構成する。そして、この右側配置部22hには、主経路案内孔22pと、第1の副経路案内孔22qと、第2の副経路案内孔22rと、第3の副経路案内孔22sと、第1の補助路案内孔22tと、第2の補助経路案内孔22uとが、何れも、ベース部材22の表裏面部を貫通する状態に備えている。また、何れの孔も、略円弧状の経路を描きつつ、略長円状の平面形状(開口形状)を備えている。
これらの孔のうちで、最下部に位置する主経路案内孔22pは、「主経路案内手段」の具体例を構成するものであり、左方向に下り傾斜となる略円弧状の主経路22pkを形成している。また、第1の補助路案内孔22t及び第2の補助経路案内孔22uは、何れも、補助案内手段の具体例を構成するものであり、主経路22pkと同一形状の補助経路22tk、22ukを形成している。尚、これらの補助経路22tk、22ukは、主経路22pkを、延長した仮想円(図示を省略)の上に、略位置した状態に形成されている。
第1の副経路案内孔22qと、第2の副経路案内孔22rと、第3の副経路案内孔22sは、何れも、「副経路案内手段」の具体例を構成している。これらの副経路案内孔22q、22r、22sは、略円弧状の副経路22qk、22rk、22skを形成している。但し、これらの副経路22qk、22rk、22skの曲率は、主経路22pk及び補助経路22tk、22ukの曲率に比べて小さくされ、直線に近いものとされている。また、各副経路案内孔22q、22r、22sの短手幅(経路方向に直交する幅)は、主経路案内孔22pや補助路案内孔22t、22uの短手幅(経路方向に直交する幅)よりも狭くされている。
より具体的には、最下部に位置する第1の副経路案内孔22qは、主経路案内孔22pの右斜め上方に隣接配置されている。この第1の副経路案内孔22qによって形成される副経路22qkの曲率は、主経路案内孔22pによって形成される主経路22pkの曲率よりも小さくされると共に、「左下り傾斜となる副経路22qkの傾斜度」は、「左下り傾斜となる主経路22pkの傾斜度」よりも僅かに小さくされている。
上下方向中間部に位置する第2の副経路案内孔22rは、主経路案内孔22pの右斜め上方の離れた位置に配置されている。この第2の副経路案内孔22rによって形成される副経路22rkの曲率も、主経路22pkの曲率よりも小さくされている。
最上部に位置する第3の副経路案内孔22sは、第2の副経路案内孔22rの右斜め上方に隣接配置されている。この第3の副経路案内孔22sによって形成される副経路22skの曲率も、主経路22pkの曲率よりも小さくされている。但し、「左下り傾斜となる副経路22skの傾斜度」は、「左下り傾斜となる主経路22pkの傾斜度」よりも僅かに大きくされている。
図6に示すように、ベース部材22は、その前面部の外縁部22a側の部位を、枠部材21の内縁側部位21eに当接させつつ、取付代22bを内縁側部位21eにビス止めすることで、枠部材21に取り付けれている。また、このように、ベース部材22が、枠部材21を介して遊技盤10に取り付けられると、窓部22cは遊技領域11の略中央部に位置する状態とになる(図2、図3を参照)。
中央表示装置27は液晶表示装置を用いて構成されると共に、図2に示すように、窓部22cと略同一のサイズの表示画面27aを備える。この表示画面27aを前方(遊技者方向)に向け、しかも、表示画面27aを窓部22cに位置合わせした状態で、ベース部材22の後方に配置されている。このため、遊技者は、中央表示装置27の表示画面27aを、窓部22cを通じて遊技機1の前方から視認可能である。
この中央表示装置27は、右下表示装置60と同様に、判定結果図柄を確定表示するためのものである。但し、この中央表示装置27においては、右下表示装置60よりも、演出度の高い演出を実行しつつ、判定結果図柄を確定表示を行う。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄を表示するための「本図柄表示用の図柄表示装置」を構成し、中央表示装置27が、演出用の疑似図柄(演出図柄ということもある。)を表示するための「疑似図柄表示用の図柄表示装置」を構成する。また、本実施例と異なり、単一の図柄表示装置によって、本図柄の表示と、疑似図柄の表示とを行ってもよい。また、各請求項の発明の遊技機1は、本図柄の表示のみを行い、疑似図柄の表示を行わないものであってもよい。
中央表示装置27の表示画面27aは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図7(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部27bを「左疑似図柄表示部27b」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部27cを「中疑似図柄表示部27c」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部27dを「右疑似図柄表示部27d」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。尚、表示画面27aにおける具体的な表示態様に関しては後述する。
左側装飾部材25は、図3に示すように、2個の造形物(小判型)25a、25bを用いて構成されている。これらの造形物(小判型)25a、25bのうち、遊技者から見て下方に位置する造形物25bの内部には遊技球通路25cが形成されており、この造形物25bは、遊技領域11を流下する遊技球を、中央装置20の内部に進入させための進入口を構成する。
ステージ部材24は、図3に示すように、その上面部24aによって、遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下する傾斜面として構成されている。但し、転動面の中央部では、上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材24には、転動面上の遊技球を、中央装置20の外部に排出するための排出通路24cが設けられている。尚、排出通路24cの入口部24dは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路24cの出口部24eは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、中央装置20の内部に進入した遊技球は、転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いを衰えたところで、この遊技球は、排出通路24cを通過して中央装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、中央装置20外に排出される。尚、出口部24eの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、図2に示すように、遊技領域11において、中央装置20の左側に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図28参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、図2に示すように、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路24cの出口部24eの直下に位置するため、排出通路24cを通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの直下に位置すると共に、入口側部分に、普通電動役物17dが配置されている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図25参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図25参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される構成となっている。
図2に示すように、下部装置30は、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。また、取付板部31kの背後には、大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための「大入賞口入賞通路(図示を省略)」が設けられている。
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイ板31c(図25参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図25参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、図2に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図11(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、図9(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、図9(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部61において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物17eを開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、可変入賞装置(大入賞装置)31を開放を許容するか否かの判断(遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態にすべきか否かの判断)を、「当否判定」と称する。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、図9(b)に示すように、2個LEDを消灯させることで、「保留数」が「ゼロ個」であることを示す。また、1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させることで、「保留数」が「1個」であることを示す。更に、2個のLEDを点灯させることで、「保留数」が「2個」であることを示す。また、1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させることで、「保留数」が「3個」であることを示す。更に、2個のLEDを点滅させることで、「保留数」が「4個」であることを示す。
遊技状態表示部55は、2個のLED55a、55bを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、2個のLED55a、55bを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、図10(a)に示すように、一方のLED55aを点灯させ、他方のLED55bを消灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。更に、図10(b)に示すように、一方のLED55aを消灯させ、他方のLED55bを点灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。
ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確変モードになると、確変手段(特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定することを内容とする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17eの開放時間を長くしたり、開放回数が多く設定することを内容とする手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが、確変モードから時短モードになると、確変手段は作動を停止し、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定することを内容とする手段)が作動を開始する。更に、遊技機1の遊技モードが、確変モードから通常遊技モードに戻されると、時短手段と、開放延長手段は作動を停止する。尚、本実施例では、確変手段の作動時に、確変手段は、「特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定すること」に加えて、「特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定すること」も行う。つまり、遊技機1が実行する「確変モード」は、実質的に、時短モードをも実行するモードと言える。但し、本実施例では、確変モードが解除された後であって、時短手段と、開放延長手段とが作動している場合のみを「時短モード」と称することとする。
普通図柄表示部56は、1個のLED56aを用いて構成され、前述の如く、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に伴う当否抽選の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)を経て実行する。つまり、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、普通図柄表示部56は点滅表示を開始する。そして、「当否抽選に関する結果の表示」の実行時期が到来すると(換言すると、普通図柄の変動時間を終了すると)、普通図柄表示部56を用いて、「当否抽選に関する結果」の確定表示がなされる。具体的には、図10(c)に示すように、LED56aを点灯状態とすることで、当該「当否判定に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示され、LED56aを消灯状態とすることで、当該「当否抽選に関する結果」が外れ(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示される。尚、当該「当否抽選に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)である場合には、前述のように、普通電動役物17e(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
本実施例では、このように、LED56aを点灯状態としたり、消灯状態とすることで、普通図柄の確定表示を示し、LED56aを点滅状態とすることで、普通図柄の変動表示を示する。つまり、ランプ装置による点灯表示と、消灯表示と、点滅表示とを用いて、普通図柄の表示を行う。但し、本実施例においては、数字(例えば、1〜9の数字)、アルファベット文字、図形等を用いて普通図柄の表示を行うこともできる。
右下表示装置60は、図2に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図11(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、図13(b)に示すように、特別図柄表示部62は、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。具体的には、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」において、この略長円状を周回する方向に沿って、「7個のLED62a〜62g」が点灯する。
より具体的には、所定のLED(例えば、LED62a)が点灯状態となると、残りのLED(例えば、LED62b〜62g)は消灯状態となる。このLED(例えば、LED62a)が消灯状態となると、略長円状を周回する方向に隣合う1つのLED(例えば、LED62b)のみが点灯状態となる。そして、図11(b)に示すように、点灯状態となるLEDを、略長円状を周回する方向に沿って順次変更することで、特別図柄表示部62の変動表示が実行される。この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の確定表示が実行される。尚、特別図柄表示部62における特別図柄の表示態様に関しては後述する。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成される。この大当り態様表示部63は、主に、「特別図柄に関する当否判定に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、図12(a)に示すように、2個のLED63a、63bは消灯状態とされる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。具体的には、図12(b)及び(c)に示すように、一方のLED63aを点灯させ、他方のLED63bを消灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第1の大当り(スタンダード大当りともいい、具体的な内容は後述する。)」であることが示される。また、図12(d)に示すように、一方のLED63aを消灯させ、他方のLED63bを点灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第2の大当り(チャンス大当りともいい、具体的な内容は後述する。」であることが示される。
図9(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図11(a)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図28参照)が配設されている。
図2に示すように、風車19は、中央装置20の左側方に配置されている。また、多数の障害釘14は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。尚、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられ、そのアウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
尚、本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作スイッチSW1、SW2を配設している。本実施例の遊技機1では、この操作スイッチSW1、SW2を、大当り遊技の際に中央表示装置27の表示画面27aで行われる演出表示(所謂、大当りラウンド演出表示)の態様を選択するために用いることとしている。なお、この操作スイッチSW1、SW2を、大当り遊技以外の遊技上の演出に変化を与えるために用いることとしてもよい。例えば、中央表示装置27の表示画面27aで行われる表示に変更を加えるために用いることとしてもよい。
c.特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、当否判定の結果を示す確定表示と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び中央表示装置27)において、同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は、「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、中央表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御する演出制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。
次に、これらの特別図柄の表示態様を説明する。先ず、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)においては、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、右下表示装置60の「特別図柄表示部62」を用いて、本図柄の変動表示(つまり、LED62b〜62gを用いた循環表示)を開始する。この変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)が実行される。そして、本図柄の停止表示(確定表示)の態様には、以下の態様がある。
i)スタンダード大当り(遊技機にとって、標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図12(b)に示すように、2個のLEDを点灯させて行うか、図12(c)に示すように、3個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「スタンダード大当り」を「第1の大当り」と称することもある。また、このスタンダード大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、2個若しくは3個のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第1の大当り図柄」、若しくは、「スタンダード大当り図柄」と称することがある。尚、「特別図柄表示部62」に、スタンダード大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「一方のLED63a」は点灯状態とされる。
このスタンダード大当り(第1の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態(第1の大当り状態若しくはスタンダード大当りとも言う。)となり、第1の特別遊技(第1の大当り遊技若しくはスタンダード大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞容易な状態に開放され、多量の賞球を伴う利益が遊技者に付与される。
但し、「スタンダード大当り」のうちで、図12(c)に示すように、3個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定(以下、「確変判定」ということもある。)の結果」も、「当り」であることを示す。一方、「スタンダード大当り」のうちで、図12(b)に示すように、2個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であるが、「確変判定」の結果は「外れ」であることを示す。以下、本明細書においては、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)で、しかも、確変判定の結果も当選である場合を「スタンダード確変当り(若しくは、スタンダード確率変動大当り)」と称し、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)」であるが、確変判定の結果が落選である場合を「スタンダード通常大当り」と称することがある。
ii)チャンス大当り(遊技機にとって、非標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図12(c)に示すように、4個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「チャンス大当り」を「第2の大当り」と称することもある。また、このチャンス大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、4のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第2の大当り図柄」、若しくは、「チャンス大当り図柄」と称することがある。
このチャンス大当り(第2の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態(第2の大当り状態若しくはチャンス大当り状態とも言う。)となり、第2の特別遊技(第2の大当り遊技若しくはチャンス大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞困難な状態(第1の大当り遊技状態への移行時に比べて入賞困難な状態)に開放される。但し、チャンス大当り(第2の大当り)においては、「確変判定」の結果が当りであるため、遊技者は、確変状態の実行による利益を得ることができる。尚、「特別図柄表示部62」に、チャンス大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「他方のLED63b」は点灯状態とされる。
ii)外れ
図12(a)に示すように、「特別図柄表示部62」に、1個のLEDが点灯すると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す。つまり、当否判定の結果が、「スタンダード大当り(第1の大当り)」にも、「チャンス大当り(第2の大当り)」にも該当しないことを示す。この場合、「確変判定」の結果も外れとなる。
尚、「確変当り(スタンダード確変当り、若しくは、チャンス確変当り)」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る大当り遊技遊技状態の終了後に、当該遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確率変動モードに変更される。そして、遊技機1のモードが、この「確率変動モード」に変更されると、この「確率変動モード」の解除条件が成立するまでの間、判定手段によって「大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。また、本実施では、この「確率変動モードの解除条件」は、大当りの判定結果(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を得ないまま、特別図柄が所定回数、変動するか(つまり、外れ判定が所定回数、繰り返されるか)、あるいは、次回の大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を生ずることで成立する。
中央表示装置27においても、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示を開始する。そして、この変動表示の期間が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示(確定表示)も、前述の本図柄の停止図柄(確定図柄)と同様に、当否判定の結果の表示する。尚、本実施例では、当否判定の結果を、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とで行うが、本実施例と異なり、「判定結果図柄」を、本図柄の停止図柄(確定図柄)のみで構成してもよい。
中央表示装置27の表示画面27aにおいては、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、図9(b)に示すように、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。
疑似図柄表示部27b〜27dに、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図8(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図8(a)の「外れを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図8(b)及び図8(c)に示すスタンダード大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図8(d)の「チャンス大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、がある。
このうち、「スタンダード大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。このため、遊技者では、疑似図柄表示部27b〜27dの表示のみによっては、「スタンダード大当り」が通常当りであるのか(スタンダード通常大当りであるのか)と、確変当りであるのか(スタンダード確率変動当りのか)を判別することができない。但し、遊技者は、第1の可動演出装置70に注目することで、両者を判別することができる。つまり、図8(b)に示すように、当該「スタンダード大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)の実行中に、可動演出装置70が開放状態とならない場合は、当該「スタンダード大当り」は、スタンダード通常大当りである。これに対して、図8(c)に示すように、当該「スタンダード大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)の実行中に、第1の可動演出装置70が開放状態となる場合は、当該「スタンダード大当り」は、スタンダード確率変動当りである。
また、「チャンス大当りを示す停止図柄」は、図8(d)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dに、左から右に昇順となる数字を並べて(例えば、「1」、「2」、「3」)構成される。更に、「外れを示す停止図柄」は、図8(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dのうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「チャンス大当りを示す停止図柄」を除いたものである。
本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される疑似図柄(以下、「疑似図柄による判定結果図柄」という。)の表示内容と、特別図柄表示部62に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「本図柄による判定結果図柄」という。)とが一致している。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される表示内容が、特別図柄表示部62に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部27b〜27dにおいては、その変動の開始から停止に至るまでの間に、特別図柄表示部62よりも、派手な演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dでは、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」を行ってもよい。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「スタンダード確率変動当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「スタンダード通常大当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「スタンダード確率変動当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「大当り(スタンダード大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「大当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部200Aで抽選してもよいし、演出制御部220Aによって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、特別図柄表示部62の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、特別図柄表示部62も、中央表示装置27と同様に、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)を表示可能な構成とする。そして、この特別図柄表示部62においても、変動表示の途中に、リーチ演出を行ってもよい。また、本実施例では、本図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置60)と、疑似図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置27)とを別体の図柄表示装置としたが、本図柄及び疑似図柄を同一の図柄表示装置によって表示してもよい。
d.第1の可動演出装置70の説明
第1の可動演出装置70は、前述のように、ベース部材22に設けられる配置部位22jに配設される。つまり、図2及び図3に示すように、中央表示装置27の表示画面27aの周囲を飾る装飾部材(上部装飾部材23)の間に配設されている。この可動演出装置70は、蓋付きの箱(千両箱である。)を模した可動物を用いて構成され、図13に示すように、上方演出装置部71と、下方演出装置部72を主要な構成部材として備える。
上方演出装置部71は、蓋状部材71aと、ソレノイド73(図26を参照)と、照明部材78と、を備えている。このソレノイド73の動作は、後述する「演出制御部220A」から送信される制御信号を用いて制御されている。また、蓋状部材72は、略直方体の蓋形状に構成され、取付用空間部71bを下方に開口する(下面で開口する)状態に備えている。そして、この蓋状部材71aの左端部が支持軸71fを用いてベース部材22に回転自在に支持され、右端部が「ソレノイド73のプランジャーと一体とされた支持片」によって支持されている。このため、ソレノイド73への通電と、通電の停止とを繰り返し、支持片を上下動させると、蓋状部材71aは支持軸71fを支点に振動可能とされている。
照明部材78は、取付用空間部71bに取り付けられ、ランプ基板78aと、4つのランプ装置(所謂、高輝度LEDで構成)78b〜78eと、を備えている。つまり、上方演出装置部71においては、ランプ基板78aが蓋状部材71aの上板71eの下面部に装着されている。そして、ランプ基板78aに対して、4つのランプ装置78b〜78eが垂下する状態に並設(装着)され、これらのランプ装置78b〜78eは下方に向かって、光を照射可能となっている。また、4つのランプ装置78b〜78eは、蓋状部材71aの幅方向(横方向)に沿って略等間隔に配置されている。尚、以下の説明においては、便宜上、「左端のランプ装置78bと、右端から2個目のランプ装置78dとで構成されるランプ装置群」を「第1組のランプ装置78b、78d」と称し、「右端から2個目のランプ装置78cと、右端のランプ装置78dとで構成される構成されるランプ装置群」を「第2組のランプ装置78c、78e」と称することがある。
このランプ装置78b〜78eの発光動作も、後述する「演出制御部220A」から送信される制御信号を用いて制御されている。但し、演出制御部220Aは、4つのランプ装置78b〜78eを同時に発光させるのではなく、隣合うランプ装置78b〜78eが交互に点灯するように制御する。つまり、(a)「第1組のランプ装置78b、78d」を点灯させ、「第2組のランプ装置78c、78e」を消灯させる状態(以下、「第1の発光状態」という。)と、(b)「第1組のランプ装置78b、78d」を消灯させ、「第2組のランプ装置78c、78e」を点灯させることを点灯させる状態(以下、「第2の発光状態」という。)と、が交互に繰り返されるように制御される。
下方演出装置部72は、箱状部材72aと、箱状部材72aを動作させるための駆動源を構成するモータ72m(図26を参照)と、モータ72mの回転駆動力を上下方向への駆動力に変換しつつ、箱状部材72aに伝達するための駆動力変換伝達手段(図示を省略)とを備えている。このうち、箱状部材72aは蓋状部材71aの下方に配設され、箱状の外形を備えると共に収容空間部72bを上方に開口させている。この収容空間部72bは、深さの浅い(箱状部材72aの高さに比べて深さの浅い)、凹部状に構成されている。そして、収容空間部72bには、被収容部材72cが収容されている。
この被収容部材72cは、複数の「小判72d」を無作為に収容した状態を、あしらったものあり、表面部は「金色のメッキ層」によって構成されている。この被収容部材72cは、個々の「小判72d」に凹部が形成され、個々の「小判72d」自体が、その表面部に凹凸部を有している。しかも、隣接する「小判72d」が重なり合い、段部を形成している。このため、被収容部材72cの表面部は全体に渡って、大小、多数の凹凸部を備えることになる。つまり、被収容部材72cは、表面部を「金色のメッキ層」によって構成すると共に、表面部の全域に、大小、多数の凹凸部を備える。そして、前述の「ランプ装置78b〜78e」は、蓋状部材71aにおいて、被収容部材72cと対向可能な部位に配置されている。このため、被収容部材72cは、ランプ装置78b〜78eから照射される光を乱反射し易くなっている。
図14に示すように、箱状部材72aの前面部には凹部72eが設けられ、この凹部72eにはランプ基板72fが配設されている。このランプ基板72fには、所謂「フルカラーLED(例えば、赤色、緑色及、青色の3種類のLEDチップを供えるLEDランプ)」を用いて構成されるランプ装置72gが装着されている。また、箱状部材72aの前面部の全域には、「レンズを用いて構成される化粧板72h」が装着され、凹部72eは、この「化粧板72h」によって封止されている。尚、この化粧板72hには、装飾文字(千両箱)が施された透明なシールが装着されている。
本実施例では、このランプ装置72gの発光色を「演出制御部220A」によって制御(PWM制御)しつつ、予告(大当り予告、ガセ予告)演出を実行する。つまり、本実施例では、ランプ装置82gの発光色を制御し(変化させ)、遊技者が視認する「化粧板72hの色」を変化させることで、予告の信頼度を変化させている。
箱状部材72aは、通常、図2に示す基本姿勢とされている。つまり、箱状部材72aの開口部(収容空間部72b)を上方に向け、この開口部(収容空間部72b)を、蓋状部材71aで封止した姿勢とされる。そして、箱状部材72aがこの基本姿勢にある場合、遊技機1の前方の遊技者は、収容空間部72bの内部(被収容部材72c)を視認することができない。
一方、モータ72mを所定の方向に回転動作させると、モータ72mの駆動力が駆動力変換伝達手段(図示を省略)を介して、箱状部材72aに伝達され、箱状部材72aの姿勢は前傾姿勢となる。これにより、蓋状部材71aによる箱状部材72aの開口部(収容空間部72b)の封止が解除されるため、遊技機1の前方の遊技者は、収容空間部72bの内部(被収容部材72c)を視認可能となる。そして、この状態で、モータ72mを逆方向に回転動作させると、箱状部材72aの姿勢は前傾姿勢から基本姿勢に戻される。尚、本実施例では、モータ72mをステッピングモータを用いて構成している。また、このモータ72mの回転動作と停止動作は、「演出制御部220A」から送信される制御信号を用いて制御されている。
e.第2の可動演出装置80の説明
第2の可動演出装置80は、前述のように、ベース部材22の「右側配置部」22hに配置されている。この第2の可動演出装置80は、図2及び図3に示すように、「金シャチ」をあしらった可動物を用いて構成されている。この第2の可動演出装置80は、図15及び図16に示すように、胴体部81と、下ヒレ部82と、マユ部83と、上ヒレ部84と、モータ85と、主軸体部86と、第1の副軸体部87aと、第2の副軸体部87bと、第3の副軸体部87cと、第1の作動片部88aと、第2の作動片部88bと、第3の作動片部88cと、第1の補助軸体部91と、第2の補助軸体部92と、を備えている。
胴体部81は、「主可動部」の具体例を示すものであり、「金シャチ」の胴体をあしらた板状物を用いて構成されている。そして、この胴体部81は、図17及び図18に示すように、「右側配置部」22hの表面部の前方(経路案内部材の表面部の前方)に所定の間隔をおいて配置されている。また、図18に示すように、胴体部81の下方部と、中間部と、上方部には、表裏を貫通する状態の取付孔81aを備えている。そして、各取付孔81aには、後述する各副軸体部87a、87b、87cを回動可能な状態で支持するための軸受け部材81bが装着されている。尚、図2に示すように、この胴体部81のうちで、「金シャチの目玉」に相当する部位には、この「金シャチの目玉」をあしらった「ランプ装置(LED)81c」が装着されている。この「ランプ装置(LED)81c」の演出動作は、「演出制御部220A」から送信される制御信号を用いて制御されている。
下ヒレ部82と、マユ部83と、上ヒレ部84は、何れも、「副可動部」の具体例を示すものであり、図18に示すように、胴体部81の表面部の前方に配置されている。このうち、下ヒレ部82は、「金シャチ」の下ヒレをあしらた板状物を用いて構成され、マユ部83は、「金シャチ」のマユをあしらた板状物を用いて構成されている。更に、上ヒレ部84は、「金シャチ」の上ヒレをあしらた板状物を用いて構成されている。
モータ85は、駆動手段の具体例を構成するものであり、図19に示すように、「右側配置部」22hの裏面部の後方(経路案内部材の裏面部の後方)に配置されている。このモータ85もステッピングモータを用いて構成され、その回転動作と停止動作は、「演出制御部220A」から送信される制御信号を用いて制御されている。また、モータ85の回転軸(駆動軸)85aに対しては、略円板状の回転体85bが一体回転可能な状態に装着されている。
この回転体85bの前面部(モータ85とは対向せず、右側配置部22hの裏面部と対向する面部)には、伝達軸(クランクシャフト)85cの一端部85dが装着されている。この伝達軸85cの一端部85dは、回転体85bの前面部において、モータ85の回転軸(駆動軸)85aと偏心した位置に装着され、この一端部85dは、回転体85bを基準に相対回転することが許容された状態とされている。つまり、伝達軸85cの一端部85dは略円筒状の軸受け形状に構成されている。また、「回転体85bの前面部においてモータ85の回転軸(駆動軸)85aと偏心した位置」からは略円柱状の突起部85hが突出している。そして、この一端部85dに形成された貫通孔85g(略円筒の中空部分)に対して突起部85hを摺動可能な状態で挿入しつつ、この一端部85dは回転体85bによって支持されている。尚、伝達軸(クランクシャフト)85cは、「伝達手段」の具体例を構成する。
主軸体部86は、図17(a)に示すように、右側配置部22hの表裏面部に対して略直交する状態に配置されると共に、軸本体部86aと、摺動部材86bとを備えている。この主軸体部86は、その一端部86cを主経路案内孔22pを通じて、ベース部材22の「右側配置部」22hの裏面部の後方に配置し、その他の大部分を、ベース部材22の「右側配置部」22hの表面部側に配置し、更に、他端部86dを、胴体部81に一体化している。つまり、主軸体部86の一端部86cは駆動連結部の具体例を構成し、主軸体部86の他端部86dは可動連結部の具体例を構成している。
摺動部材86bは、2つの部材を略円板形状に組み合わせて構成されると共に、周面部に周回状に凹む凹部86eを備えている。この摺動部材86bの凹部86eは、請求項1の発明の「主挿通部」と、請求項2及び3の発明の「主摺動部」の具体例を構成する部分である。つまり、摺動部材86bの凹部86eを、主経路案内孔22pに摺動可能な状態で挿入し、摺動部材86bにおいて、凹部86eの前後に位置するフランジ部86f、86fを、「ベース部材22において主経路案内孔22pの周辺に位置する部位」の前後に配置している。
この摺動部材86bは、軸心位置を貫通する貫通孔86gに、軸本体部86aの一端部側を一体回転が可能な状態に嵌合しつつ、主経路案内孔22pに、はめ込まれている。そして、この摺動部材86bは、一対のフランジ部86f、86fによって抜け止めを図りつつ、主経路案内孔22p内を摺動可能(主経路22pkに沿って摺動可能)とされている。
主軸体部86の一端部86cは、摺動部材86bの背後に(右側配置部22hの裏面部から離間する方向に)突出している。そして、この状態の「主軸体部86の一端部86c」に対して、伝達軸(クランクシャフト)85cの他端部85eが装着されている。この伝達軸85cの他端部85eと、主軸体部86の一端部86cとは、相対回転を行うことが許容された状態とされている。つまり、伝達軸85cの他端部85eも略円筒形状の略軸受け形状に構成されている。そして、この他端部85eに形成された貫通孔85j(略円筒の中空部分)に対して、主軸体部86の一端部86cを摺動可能な状態で挿入しつつ、この他端部85eは、主軸体部86の一端部86cによって支持されている。
主軸体部86の他端部86dは、胴体部81の裏面部の下端側の部位に対して、カシメ、接着、若しくは、溶接等を用いて一体化されている。このため、主軸体部86と、胴体部81とは一体で動作可能とされている。
また、各補助軸体部91、92も、主軸体部86と同様、図17(b)に示すように、右側配置部22hの表裏面部に対して略直交する状態に配置される。また、主軸体部86の軸本体部86aと同様な軸本体部93aと、主軸体部86の摺動部材86bと同様な摺動部材93bとを備えている。この各補助軸体部91、92も、その一端部93cを対応する補助路案内孔22t、22uを通じて、ベース部材22の「右側配置部」22hの裏面部の後方に配置し、その他の大部分を、ベース部材22の「右側配置部」22hの表面部側に配置し、更に、他端部93dを、胴体部81に一体化している。
この摺動部材93bも、摺動部材86bと同様な構成を備え、凹部86eと同様な凹部93eを、対応する補助路案内孔22t、22uに摺動可能な状態で挿入し、摺動部材93bにおいて、凹部93eの前後に位置するフランジ部93f、93fを、「ベース部材22において、対応する補助路案内孔22t、22uの周辺に位置する部位」の前後に配置している。
この摺動部材93bは、軸心位置を貫通する貫通孔93gに、軸本体部93aの一端部側を一体回転が可能な状態に嵌合しつつ、対応する補助路案内孔22t、22uにはめ込まれている。そして、この摺動部材93bは、一対のフランジ部93f、93fによって抜け止めを図りつつ、対応する補助路案内孔22t、22u内を摺動可能(補助路22tk、22ukに沿って摺動可能)とされている。
第1の補助軸体部91の他端部93dは、胴体部81の中間側の部位に対して、カシメ、接着、若しくは、溶接等を用いて一体化されている。また、第2の補助軸体部92の他端部93dは、胴体部81の上方側の部位に対して、カシメ、接着、若しくは、溶接等を用いて一体化されている。このため、両補助軸体部91、92と、胴体部81とは一体で動作可能とされている。
実施例では、伝達軸85cをクランクシャフトとし、摺動部材86bをスライダー(摺動子)とする「往復スライダークランク機構」を構成する。つまり、図20及び図21に示すように、モータ85を所定方向に回転すると、摺動部材86bが、主経路案内孔22p内をその主経路22pkに沿って摺動状態で往復動する。これにより、主軸体部86が、主経路22pkに沿って往復動することとされている。この際、両補助軸体部91、92が、胴体部81を介して主軸体部86と一体化されているため、両補助軸体部91、92も、主軸体部86に追従して往復動する。
各副軸体部87a、87b、87cは、図18に示すように、何れも、右側配置部22hの表面部に配置された軸体87dを用いて構成されている。この軸体87dの軸心の延長線は、右側配置部22hと略直交するものとされている。そして、軸体87dの一端部87eを、右側配置部22hの表面部側に近接させ、軸体87dの他端部87fを、対応する副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)に一体化し、更に、軸体87dの他端部87f寄りが胴体部81の軸受け部材81bによって支持された状態で、配置されている。
最下部に位置する「第1の副軸体部87a」の他端部87fは、下ヒレ部82の裏面部に対して、カシメ、接着、若しくは、溶接等を用いて一体化されている。また、「第1の副軸体部87a」の他端部87f寄りの部位が、胴体部81に装着された軸受け部材81bのうちで、最下部に位置するものに回転自在に支持されている。このため、下ヒレ部82及び「第1の副軸体部87a」は、胴体部81と共に動作可能とされつつも、胴体部81に対して、相対回転可能とされている。
上下方向中間部に位置する「第2の副軸体部87b」の他端部87fは、マユ部83の裏面部に対して、カシメ、接着、若しくは、溶接等を用いて一体化されている。また、「第2の副軸体部87b」の他端部87f寄りの部位が、胴体部81に装着された軸受け部材81bのうちで、上下方向中間部に位置するものに回転自在に支持されている。このため、マユ部83及び「第2の副軸体部87b」は、胴体部81と共に動作可能とされつつも、胴体部81に対して、相対回転可能とされている。
最上部に位置する「第3の副軸体部87c」の他端部87fは、上ヒレ部84の裏面部に対して、カシメ、接着、若しくは、溶接等を用いて一体化されている。また、「第3の副軸体部87c」の他端部87f寄りの部位が、胴体部81に装着された軸受け部材81bのうちで、最上部に位置するものに回転自在に支持されている。このため、上ヒレ部84及び「第3の副軸体部87c」は、胴体部81と共に動作可能とされつつも、胴体部81に対して、相対回転可能とされている。
各作動片部88a、88b、88cは、図18に示すように、右側配置部22hの表面部と近接する位置に配置されると共に、対応する副軸体部87a、87b、87cの一端部87eに対して一体動作可能な状態に連結されている。つまり、各作動片部88a、88b、88cは、対応する副軸体部87a、87b、87cの一端部87eから、略片持ち梁状に突出する基体部88gと、基体部88gの自由端が突出する突出部88hとを備えている。ここで、基体部88gの軸心は、右側配置部22hの表面部と略平行とされると共に、突出部88hの軸心は、右側配置部22hの表面部と略直交する状態とされる。そして、突出部88hは、請求項1の発明の「副挿通部」の具体例を構成すると共に、請求項2及び3の発明の「副摺動部」の具体例を構成する。
この突出部88hの軸心は、対応する副軸体部87a、87b、87cの軸心と略平行とされるが、右側配置部22hの表面部に沿って、「位置ずれ」を生じている。つまり、突出部88hの軸心と、対応する副軸体部87a、87b、87cの軸心とは、基体部88gの軸心長に相当する距離だけ、「位置ずれ」を生じている。
このように構成される各作動片部88a、88b、88cの突出部88hは、対応する副経路案内孔22q、22r、22sに対して、摺動可能な状態に挿入されている。つまり、第1の副軸体部87aの一端部87eに連結された「第1の作動片部88a」においては、その突出部88hが、第1の副経路案内孔22qに挿入されている。このため、この突出部88hは、第1の副経路22qkに沿って、第1の副経路案内孔22q内を摺動可能とされている。
また、第2の副軸体部87bの一端部87eに連結された「第2の作動片部88b」においては、その突出部88hが、第2の副経路案内孔22rに挿入されている。このため、この突出部88hは、第2の副経路22rkに沿って、第2の副経路案内孔22r内を摺動可能とされている。更に、第3の副軸体部87cの一端部87eに連結された「第3の作動片部88c」においては、その突出部88hが、第3の副経路案内孔22sに挿入されている。このため、この突出部88hは、第3の副経路22skに沿って、第3の副経路案内孔22s内を摺動可能とされている。
以上の構成を備える「第2の可動演出装置80」においては、図20及び図21に示すように、モータ85を起動すると、主軸体部86が主経路22pkに沿って往復動する。これに伴い、胴体部81と、胴体部81に装着された各軸受け部材81bも往復動し、それに連動して、各軸受け部材81bで支持された副軸体部87a、87b、87cも、往復動する。但し、本実施例では、図22(a)及び(b)に示すように、主経路22pkと副経路22qk、22rk、22skとの間で、経路の傾斜度や曲率等が異なっており、主経路22pkと副経路22qk、22rk、22skとの距離が、右側配置部22hの上下方向等に変化する。
このため、胴体部81の移動に伴って、各作動片部88a、88b、88cが、その突出部88hの軸心回りに回転し、各副軸体部87a、87b、87c、ひいては、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)を、胴体部81に対して相対回転させることができる。つまり、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)を、胴体部81の移動に追従・移動させつつも、突出部88hの軸心回りに回転させることができる。
これにより、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)によって、独立性の高い演出動作(胴体部81に対する独立性の高い演出動作)を実行することができる。つまり、モータ85の回転軸85aが半回転し、主軸体部86が主経路22pkをその上端部から下端部に移動すると、図23に示すように、胴体部81は、時計の回転方向に所定の角度だけ、回転する(実線L1の状態から破線L2の状態となる。)。このとき、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)も、胴体部81は、時計の回転方向に回転するが、その際、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)は、胴体部81とは独立した回転動作を行う。例えば、下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84の回転量は、胴体部81の回転量と異なったものとなる。
f.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図24を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、中央表示装置(液晶表示装置)27が格納された蓋付きの裏ケースと、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケース112と、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図27において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。また、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図27は、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
主制御基板ケース112、中継端子板190や、払出制御基板ケース118等の各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス、電源スイッチ、電源ターミナル基板132及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板が設けられている。尚、電源ターミナル基板132には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ(図示を省略)を接続してもよい。また、中継端子板の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブルも配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブルが上方へ延出し、電源ケーブルを備えた球貸装置に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図25〜図27を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や大当りに関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に中央表示装置27における演出用図柄(疑似図柄や背景図柄など)の表示制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(222A、260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図25〜図27中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図25においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM,ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ31s、40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示装置)27を駆動する演出表示制御基板222やスピーカーSPを駆動するアンプ基板224が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、(i)装飾用の各種LED4b〜f、(ii)第1の可動演出装置70を構成するソレノイド73、ランプ装置78b〜78f、モータ72m、ランプ装置73g、及び、(iii)第2の可動演出装置80を構成するモータ85、ランプ装置81c、を駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSW1、SW2からの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。尚、演出制御部220A(演出制御基板220)の詳細な入出力関係については後述する。
払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部5に設けられた球貸スイッチ5eや返却スイッチ5fを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
主制御部200A(主制御基板200)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200A(主制御基板200)でも計数されている。
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。
下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、或いは、遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御部240A(払出制御基板240は、主制御部200A(主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部200A(主制御基板200)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置(液晶表示装置)27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSPで出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、中央表示装置27の駆動信号(各種の図柄表示コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置(液晶表示装置)27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSPから効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LED、ランプ類4b〜4f、ソレノイド73、ランプ装置78b〜78f、モータ83、ランプ装置82gの駆動信号を出力することによって、各種LEDやランプ類の点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部5の前面側に設けられた操作スイッチSW1,SW2を遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置(液晶表示装置)27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)特別図柄表示ゲームの概要
本遊技機においては、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図28〜31に示すように、右下表示装置60の特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示を開始すると共に、中央表示装置(液晶表示装置)27の疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、特別図柄表示部62a〜62gと、疑似図柄表示部27b〜27dとの双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。以下、この特別図柄表示ゲームにおいて、特別図柄の停止図柄の種類毎(当否判定の結果毎)に異なる点を説明する。
a.外れの場合
図28(a)及び(b)に示すように、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると(当否判定の結果が外れである旨の判定結果図柄が表示されると)、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。
ここで、図28(a)では、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)を示し、図28(b)では、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」を示している。また、「外れリーチ」に係る特別図柄表示ゲームの実行中において、「リーチ予告」を行う場合、リーチ表示の実行前に蓋状部材71aを振動させる。そして、リーチ表示が実行されると、モータ85が起動して、第2の可動演出装置80が動作を開始する。
つまり、胴体部81が、揺動動作(所定の角度だけ、時計回りの方向に回転した後、反半時計回りの方向に同一の角度だけ、回転することを繰り返して構成される揺動動作)が実行される。この際、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)も、胴体部81の動作に追従しつつも、独立性の高い演出動作(胴体部81に対する独立性の高い演出動作)を実行する。このとき、遊技者は、第2の可動演出装置80の演出動作を目視することで、「大当り」の発生を期待する(つまり、リーチ表示が、大当りの前提となるリーチ表示であることを期待する。)尚、「偽りの大当り予告(所謂、「ガセ予告」)を実行する場合、リーチ表示の後に、ランプ装置72gを点灯し、箱状部材72a前面部の化粧板72hに描かれた文字(千両箱なる文字)を際だたせる。
そして、外れ表示を行うと同時に、モータ85を停止して、第2の可動演出装置80が動作を終了する。このとき、「金シャチの目玉」をあしらった「ランプ装置(LED)81c」は、消灯状態に維持される。
b.スタンダード通常大当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード通常大当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード通常大当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図29に示すように、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。但し、「リーチ予告」を行う場合、リーチ表示の実行前に蓋状部材71aを振動させる。
そして、リーチ表示が実行されると、モータ85が起動して、第2の可動演出装置80が動作を開始する。そして、特別図柄の変動時間を経過した後に、「大当り表示」と、「大当り報知」とが行われる。このとき、モータ85を停止して、第2の可動演出装置80が動作を終了する。
ここで、「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、2個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の数字」を停止表示して行われる。また、「大当り報知」は、第1の可動演出装置70と、 第2の可動演出装置80とで実行される。つまり、第1の可動演出装置70においては、箱状部材72の姿勢を、基本姿勢から前傾姿勢に移行させると同時に、「第1組のランプ装置78b、78d」と、「第2組のランプ装置78c、78e」とを交互に点灯させて行われる。また、第2の可動演出装置8においては、「金シャチの目玉」をあしらった「ランプ装置(LED)81c」を、暫し、点灯状態に変化させて行われる。
尚、この「スタンダード通常大当り」に係る特別図柄表示ゲームの実行中において、「大当り予告(所謂、「真実の予告」)を実行する場合、リーチ表示の後に、ランプ装置72gを点灯し、箱状部材72a前面部の化粧板72hに描かれた文字(千両箱なる文字)を際だたせる。
この「スタンダード通常大当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいて、「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第1の単位駆動」が施される。この「第1の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜30秒から選択される時間)維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード通常大当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードとされる。
この「スタンダード通常大当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいては、箱状部材72aの姿勢は、終始、基本姿勢に保たれる。そして、遊技者は、このように、箱状部材72aの姿勢が、終始、基本姿勢に保たれたことを確認することによっても、当該「特別図柄表示ゲーム」に係る「大当り」が、「通常当り(確率変動を生じさせない当り)」であったことを確認できる。
c.スタンダード確率変動当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード確率変動当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード確率変動当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)にも、図30に示すように、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。但し、「リーチ予告」を行う場合、リーチ表示の実行前に蓋状部材71aを振動させる。
そして、リーチ表示が実行されると、モータ85が起動して、第2の可動演出装置80が動作を開始する。そして、特別図柄の変動時間を経過した後に、「大当り表示」と、「大当り報知」とが行われる。このとき、モータ85を停止して、第2の可動演出装置80が動作を終了する。
この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、3個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の数字」を停止表示して行われる。また、このときの「大当り報知」も、前述のスタンダード通常大当りの場合と同様の態様で行われる。尚、この「スタンダード確変当り」に係る特別図柄表示ゲームの実行中において、「大当り予告(所謂、「真実の予告」)を実行する場合も、スタンダード通常大当りの場合と同様の態様で行われる。
この「スタンダード確変当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいて、「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態においては、「第1の単位駆動」が、「第1のインターバル時間」を挟みつつ、計14回実行されると、箱状部材82の姿勢は、基本姿勢から前傾姿勢に移行する。同時に、「第1組のランプ装置78b、78d」と、「第2組のランプ装置78c、78e」とが交互に点灯する。このため、遊技者は、箱状部材72aの内部の収容部材72dが乱反射すること確認することができる。そして、もう一度(第15回目)の「第1の単位駆動」が、「第1のインターバル時間」を挟みつつ、実行されると、箱状部材72aの姿勢を前傾姿勢から基本姿勢に戻し、ランプ装置78b〜78eの駆動を停止した後、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード確率変動当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。つまり、この「スタンダード確変当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいては、大当り遊技の実行中(後述の如く、条件装置を作動させ、開閉板31bの姿勢を、閉鎖姿勢から開放姿勢に移行させ、再び、閉鎖姿勢に戻しつつ行われる遊技の実行中)に、箱状部材72aの姿勢が基本姿勢から前傾姿勢に移行すると共に、ランプ装置78b〜78eを用いた発光演出が実行される。そして、遊技者は、この箱状部材72aの姿勢変更と、発光演出と、これらによって生ずる乱反射によっても、当該「特別図柄表示ゲーム」に係る「大当り」が、「確変当り(確率変動を生じさせる当り)」であったことを確認できる。
c.チャンス大当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「チャンス大当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、チャンス大当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図31に示すように、「リーチ表示」を行った後、「大当り表示(チャンス大当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、4個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「左から右に昇順となる数字」を停止表示して行われる。
この「大当り表示」がなされると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行する。そして、この第2の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第2の単位駆動」が施される。この「第2の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、「閉鎖姿勢」から、「開放姿勢」に移行させ、この開放姿勢を、「第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第2の単位駆動」のうちで、第2回目のもの(第2回目の第2の単位駆動)の実行中に、箱状部材72aの姿勢は、基本姿勢から前傾姿勢に移行する。同時に、「第1組のランプ装置78b、78d」と、「第2組のランプ装置78c、78e」とが交互に点灯する。このため、遊技者は、箱状部材72aの動作と、箱状部材72aの内部の収容部材72dが乱反射すること確認し、チャンス大当りを生じたことを実感できる。この後、箱状部材72aの姿勢を前傾姿勢から基本姿勢に戻し、ランプ装置78b〜78eの駆動を停止した後、遊技機1の遊技状態は、第2の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「チャンス大当りに起因する第2の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。つまり、この「チャンス大当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいても、大当り遊技の実行中に、箱状部材82の姿勢が基本姿勢から前傾姿勢に移行すると共に、ランプ装置78b〜78eを用いた発光演出が実行される。そして、遊技者は、この箱状部材72aの姿勢変更と、発光演出と、これらによって生ずる乱反射によっても、当該「特別図柄表示ゲーム」に係る「大当り」が、「確変当り(確率変動を生じさせる当り)」であったことを確認できる。
尚、本実施例では、個々の第2の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の大当り遊技状態の間に実行される第2の単位駆動の回数」は、「第1の大当り遊技状態の間に実行される第1の単位駆動の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位駆動」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、遊技球の入賞は、ごく希にしか生じない。
(4)実施例の効果
実施例の遊技機1では、作動片部(88a、88b、88c)の作用で、副軸体部(87a、87b、87c)、ひいては、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)の移動態様に変化が与えられ、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)によって独立性の高い演出動作を実行することができる。即ち、第2の可動演出装置80に対して、簡素な構造の経路案内部材(ベース部材22の右側配置部22h)を併存させ、この経路案内部材を用いて、副軸体部(87a、87b、87c)の動作態様に変化を与える構成を採用することで、副可動部(下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)によって独立性の高い演出動作を実行可能とする。
しかも、第2の可動演出装置80における「駆動力の伝達機構」を、軸体部(主軸体部86、副軸体部87a、87b、87c)と、作動片部(88a、88b、88c)とを備える簡素で、部品点数の少ない構成としている。換言すると、駆動源を複数としたり、駆動力の伝達機構をギアやカムを用いた複雑な機構とすることなく、複数の可動部(胴体部81、下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)に独立性の高い動作を行わせることができる。
従って、本実施例によると、この可動演出装置80の製造(組み立て)が容易となり、この可動演出装置80の製造コストの低廉化を図ることができる。また、このように、この可動演出装置80を構成する「駆動力の伝達機構」を、軸体部(主軸体部86、副軸体部87a、87b、87c)と、作動片部(88a、88b、88c)とを備える簡素な構成とするため、可動部(胴体部81、下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)の動作の円滑性を確保することができる。しかも、ベース部材22の裏面部側にモータ85を配置するため、「可動演出装置80においてベース部材22の表面部側に位置する部分」のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施例では、中央表示装置27(液晶表示装置)の表示画面27aの演出に、「金シャチ型」の構造物、つまり、第2の可動演出装置80が連動する。そして、単一のモータ85で、計4箇所の可動部(胴体部81、下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)が動作する。これにより、遊技者は、個々の可動部(胴体部81、下ヒレ部82、マユ部83、上ヒレ部84)の動作範囲が狭くても、可動演出装置80全体では、大きく動作しているような印象を受ける。更に、本実施例では、中央表示装置27(液晶表示装置)の表示画面27aの約半分の大きさの構造物(第2の可動演出装置80)を可動させることにより、遊技者に大当りを期待させ、遊技を持続させる効果を有する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
つまり、本実施例では、主経路案内手段22pと、副経路案内手段22q、22r、22s)と、補助路案内孔22t、22uを孔状に構成する態様例示した。但し、図32(a)〜(c)の第1の変形例のように、主経路案内手段22pと、副経路案内手段22q、22r、22s)と、補助路案内孔22t、22uとのうちの少なくとも何れかを、経路案内部材Kの表面部で開口する溝部を用いて構成してもよい。この場合、図32(a)及び(b)に示すように、経路案内部材Kの表面部に凹部Mを設け、この凹部Mによって溝部を形成してもよいし、経路案内部材Kの表面部に突出部Tを設け、この突出部Tの内側の部分によって溝部を形成してもよい。更に、主経路案内手段22p、副経路案内手段22q、22r、22s)、及び、補助路案内孔22t、22uのうちの少なくとも何れかを、図33(a)及び(b)の第2の変形例のように、経路案内部材Kの表面部に形成した突条Nによって構成してもよい。この場合、突条Nの両端部N1、N2に屈曲部を設け、主摺動部や副摺動部の摺動範囲を規制してもよい。