以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1を参照して説明する。この遊技機1は、遊技機本体1Aと外枠(本体枠)2とを備えている(図27も参照)。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものであり、パチンコホールの島設備に固定される。また、遊技機本体1Aは、中枠3と、前面枠4と、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102(図30を参照)と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7と、を備えている。
中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、施錠装置7は、中枠3の右端中央に設けられ、遊技盤10は中枠の開口部は脱自在に取り付けられている。この中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカーSP(図29参照)等が配設されている。
前面枠4は、遊技盤10の前面部を覆うガラス板を具備するガラス扉枠を構成するものであり、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図2参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図2参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
遊技機本体1Aの前面部のうちで、前面枠3の下方の部位が、上皿部5と下皿部6とを備える構成とされている。つまり、上皿部5は、前面枠3の下方に配置され、下皿部6は上皿部5の下方に配置されている。また、上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、球貸表示基板410(図28参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットPUが設けられている。
上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカーSPを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカーSPを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2及び図3を中心にして説明する。この遊技盤10は、前述のように、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図27参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10の前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、遊技盤10の前面部において、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって構成される部位が、遊技領域11を構成している。
この遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位には、中央装置20と、可動演出装置70と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘14と、風車19等が配設されている。
ここで、図4は、各種の盤部品(中央装置20、可動演出装置70、普通図柄作動ゲート16、始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44、障害釘14、風車19等)を装着する前の遊技盤10を示している。この図4に示すように、「遊技盤10において遊技領域11を構成する部位」には開口部10cが形成されている。この開口部10cは、遊技盤10の表裏面(前後面)を貫通する状態に形成されると共に、遊技領域11の「略中央部」から、「遊技領域11の右斜め上方の端部」及び「遊技領域11の右側方の端部」に至るサイズ(遊技領域11の面積の約2/5を占める大型の開口部)とされている。この開口部10cは、中央装置20を遊技盤10に取り付けるための取付孔を構成する。
中央装置20は、図3に示すように、枠部材21と、ベース部材22と、上部装飾部材23と、ステージ部材24と、左側装飾部材25と、右側装飾部材26と、中央表示装置27と、を備えている。尚、本実施例において、可動演出装置70は、中央装置20に組み込まれている。また、図3では、箱状部材82の姿勢を前傾姿勢に姿勢変更させた状態の可動演出装置70を示し、 図2では、箱状部材82の姿勢を基本姿勢に維持した状態の可動演出装置70を示している。
枠部材21及びベース部材22は、中央装置20の他の構成部材や可動演出装置70(後述する。)を、遊技盤10に取り付けるために使用される取付部材(取付ステー)として機能する。
図3に示すように、枠部材21の外縁部21aは、「遊技盤10の開口部10c」と略同一形状とされている。また、詳細な図示を省略するが、枠部材21の内縁部21bも、「遊技盤10の開口部10c」と略同一形状とされている。但し、図6に示すように、枠部材21の外縁部21aのサイズは開口部10cの周縁部のサイズよりも大きくされ、枠部材21の内縁部21bのサイズは開口部10cの周縁部のサイズよりも小さくされている。
この枠部材21は、図6に示すように、その裏面部21cを遊技盤10の前面部において開口部10cの周縁に位置する部位に当接させつつ、遊技盤10の前面部に取り付けられている。この取付の際、枠部材21は、開口部10cに対して同心状に位置合わせされるため、枠部材21の外縁部21aは開口部10cの周縁部の外側に位置し、枠部材21の内縁部21bは開口部10cの周縁部の内側に位置することになる。そして、枠部材21は、裏面部21cのうちで、内縁部21b寄りに位置する部位(以下、「内縁側部位」という。)21eが、開口部10cを通じて、遊技盤10の背後(後方であって、遊技者とは離間する方向)を指向する状態とされる。この内縁側部位21eは、ベース部材22を枠部材21に取り付けるための「取付部分」を構成する。
図5に示すように、ベース部材22は、「遊技盤10の開口部10c」と略同一形状の板状体(樹脂製)を用いて構成とされている。そして、図6に示すように、このベース部材22の外縁部22aのサイズは開口部10cの周縁部のサイズよりも小さくされているが、枠部材21の内縁部21bのサイズよりも大きくされている。また、このベース部材22の外縁部22aからは取付代22bが突出し、このベース部材22の「略中央から左方向に偏心した部位(遊技盤10の前方から観察した場合)」には略矩形状の窓部22cが設けられている。この窓部22cは、ベース部材22の表裏面(前後面)を貫通する状態に設けられている。
図5に示すように、ベース部材22において、窓部22cの上方の部位(以下、「上方取付部」という。)22dには、略矩形状の貫通孔22eが設けられている。そして、上方取付部22dにおいて、貫通孔22e及びその周囲の部位によって、可動演出装置70の配設部位22jを構成する。尚、可動演出装置70の詳細に関しては、後述する。
図5に示すように、配設部位22jにおいて、貫通孔22eの左側方に位置する部位には、軸支孔22kを備えている。この軸支孔22kは、配設部位22jの表裏面(前後面)を貫通する状態に設けられると共に、軸心をベース部材22の肉厚方向(つまり、前後方向)に向けている。また、配設部位22jにおいて、貫通孔22eの左右の両側方に位置する部位においては、支持突起22m、22mが前方に向かって突出している。これらの支持突起22m、22mは、図7(a)及び(b)に示すように、突端部側に支持軸22sを把持するための把持部22nを備えている。
つまり、この把持部22nは、配設部位22jの前方(ベース部材22の前方)に開口すると共に略U状の空間形状を備える縦断面を備える切り欠き部22pを有する。そして、これらの支持突起22m、22mは、一方の切り欠き部22pに、支持軸22sの一端側を挿通し、他方の切り欠き部22pに、支持軸22sの他端側を挿通した状態で、支持軸22sを把持している。この支持軸22sは、後述のように、可動演出装置70を構成する下方装置部81を支持するために用いられる。尚、把持部22nによって把持された支持軸22sには、リング部材(CリングやEリング等)22rが装着され、支持軸22sの把持部22nからの脱落防止が図られる。また、支持軸22s、のその他の詳細に関しては後述する。
また、図8に示すように、ベース部材22の背面部において、貫通孔22eの両脇に位置する部位には、保持部22t、22uが配設されている。これらの保持部22t、22uは相互に鏡面対称な形状を備え、後述するスライド部材87を、スライド可能な状態に保持する。また、各保持部22t、22uは、上下方向に形成された段部22vを備えている。
図5に示すように、上方取付部22dにおいて、「可動演出装置70の取付部位」を除く部位は、上部装飾部材23の取付部位を構成する。また、窓部22cの左側方(遊技者から見て左側方)の部位(以下、「左側取付部」という。)22gは、左側装飾部材25の取付部位を構成し、窓部22cの右側方(遊技者から見て右側方)の部位(以下、「左側取付部」という。)22hは、右側装飾部材26の取付部位を構成する。更に、ベース部材22の下縁部22iは、ステージ部材24の取付部位を構成している。
図6に示すように、ベース部材22は、その前面部の外縁部22a側の部位を、枠部材21の内縁側部位21eに当接させつつ、取付代22bを内縁側部位21eにビス止めすることで、枠部材21に取り付けれている。また、このように、ベース部材22が、枠部材21を介して遊技盤10に取り付けられると、窓部22cは遊技領域11の略中央部に位置する状態とになる(図2、図3を参照)。
中央表示装置27は液晶表示装置を用いて構成されると共に、図2に示すように、窓部22cと略同一のサイズの表示画面27aを備える。この表示画面27aを前方(遊技者方向)に向け、しかも、表示画面27aを窓部22cに位置合わせした状態で、ベース部材22の後方に配置されている。このため、遊技者は、中央表示装置27の表示画面27aを、窓部22cを通じて遊技機1の前方から視認可能である。
この中央表示装置27は、右下表示装置60と同様に、判定結果図柄を確定表示するためのものである。但し、この中央表示装置27においては、右下表示装置60よりも、演出度の高い演出を実行しつつ、判定結果図柄を確定表示を行う。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄を表示するための「本図柄表示用の図柄表示装置」を構成し、中央表示装置27が、演出用の疑似図柄(演出図柄ということもある。)を表示するための「疑似図柄表示用の図柄表示装置」を構成する。また、本実施例と異なり、単一の図柄表示装置によって、本図柄の表示と、疑似図柄の表示とを行ってもよい。また、各請求項の発明の遊技機1は、本図柄の表示のみを行い、疑似図柄の表示を行わないものであってもよい。
中央表示装置27の表示画面27aは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図9(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部27bを「左疑似図柄表示部27b」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部27cを「中疑似図柄表示部27c」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部27dを「右疑似図柄表示部27d」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。尚、表示画面27aにおける具体的な表示態様に関しては後述する。
左側装飾部材25は、図3に示すように、2個の造形物(小判型)25a、25bを用いて構成されている。これらの造形物(小判型)25a、25bのうち、遊技者から見て下方に位置する造形物25bの内部には遊技球通路25cが形成されており、この造形物25bは、遊技領域11を流下する遊技球を、中央装置20の内部に進入させための進入口を構成する。
ステージ部材24は、図3に示すように、その上面部24aによって、遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下する傾斜面として構成されている。但し、転動面の中央部では、上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材24には、転動面上の遊技球を、中央装置20の外部に排出するための排出通路24cが設けられている。尚、排出通路24cの入口部24dは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路24cの出口部24eは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、中央装置20の内部に進入した遊技球は、転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いを衰えたところで、この遊技球は、排出通路24cを通過して中央装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、中央装置20外に排出される。尚、出口部24eの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、図2に示すように、遊技領域11において、中央装置20の左側に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図28参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、図2に示すように、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路24cの出口部24eの直下に位置するため、排出通路24cを通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの直下に位置すると共に、入口側部分に、普通電動役物17dが配置されている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図28参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図28参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される構成となっている。
図2に示すように、下部装置30は、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。また、取付板部31kの背後には、大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための「大入賞口入賞通路(図示を省略)」が設けられている。
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイ板31c(図28参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図28参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、図2に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図11(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、図11(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、図11(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部61において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物17eを開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、可変入賞装置(大入賞装置)31を開放を許容するか否かの判断(遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態にすべきか否かの判断)を、「当否判定」と称する。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、図11(b)に示すように、2個LEDを消灯させることで、「保留数」が「ゼロ個」であることを示す。また、1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させることで、「保留数」が「1個」であることを示す。更に、2個のLEDを点灯させることで、「保留数」が「2個」であることを示す。また、1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させることで、「保留数」が「3個」であることを示す。更に、2個のLEDを点滅させることで、「保留数」が「4個」であることを示す。
遊技状態表示部55は、2個のLED55a、55bを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、2個のLED55a、55bを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、図12(a)に示すように、一方のLED55aを点灯させ、他方のLED55bを消灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。更に、図12(b)に示すように、一方のLED55aを消灯させ、他方のLED55bを点灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。
ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確変モードになると、確変手段(特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定することを内容とする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17eの開放時間を長くしたり、開放回数が多く設定することを内容とする手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが、確変モードから時短モードになると、確変手段は作動を停止し、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定することを内容とする手段)が作動を開始する。更に、遊技機1の遊技モードが、確変モードから通常遊技モードに戻されると、時短手段と、開放延長手段は作動を停止する。尚、本実施例では、確変手段の作動時に、確変手段は、「特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定すること」に加えて、「特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定すること」も行う。つまり、遊技機1が実行する「確変モード」は、実質的に、時短モードをも実行するモードと言える。但し、本実施例では、確変モードが解除された後であって、時短手段と、開放延長手段とが作動している場合のみを「時短モード」と称することとする。
普通図柄表示部56は、1個のLED56aを用いて構成され、前述の如く、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に伴う当否抽選の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)を経て実行する。つまり、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、普通図柄表示部56は点滅表示を開始する。そして、「当否抽選に関する結果の表示」の実行時期が到来すると(換言すると、普通図柄の変動時間を終了すると)、普通図柄表示部56を用いて、「当否抽選に関する結果」の確定表示がなされる。具体的には、図12(c)に示すように、LED56aを点灯状態とすることで、当該「当否判定に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示され、LED56aを消灯状態とすることで、当該「当否抽選に関する結果」が外れ(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示される。尚、当該「当否抽選に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)である場合には、前述のように、普通電動役物17e(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
本実施例では、このように、LED56aを点灯状態としたり、消灯状態とすることで、普通図柄の確定表示を示し、LED56aを点滅状態とすることで、普通図柄の変動表示を示する。つまり、ランプ装置による点灯表示と、消灯表示と、点滅表示とを用いて、普通図柄の表示を行う。但し、本実施例においては、数字(例えば、1〜9の数字)、アルファベット文字、図形等を用いて普通図柄の表示を行うこともできる。
右下表示装置60は、図2に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図13(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、図13(b)に示すように、特別図柄表示部62は、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。具体的には、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」において、この略長円状を周回する方向に沿って、「7個のLED62a〜62g」が点灯する。
より具体的には、所定のLED(例えば、LED62a)が点灯状態となると、残りのLED(例えば、LED62b〜62g)は消灯状態となる。このLED(例えば、LED62a)が消灯状態となると、略長円状を周回する方向に隣合う1つのLED(例えば、LED62b)のみが点灯状態となる。そして、図13(b)に示すように、点灯状態となるLEDを、略長円状を周回する方向に沿って順次変更することで、特別図柄表示部62の変動表示が実行される。この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の確定表示が実行される。尚、特別図柄表示部62における特別図柄の表示態様に関しては後述する。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成される。この大当り態様表示部63は、主に、「特別図柄に関する当否判定に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、図14(a)に示すように、2個のLED63a、63bは消灯状態とされる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。具体的には、図14(b)及び(c)に示すように、一方のLED63aを点灯させ、他方のLED63bを消灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第1の大当り(スタンダード大当りともいい、具体的な内容は後述する。)」であることが示される。また、図14(d)に示すように、一方のLED63aを消灯させ、他方のLED63bを点灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第2の大当り(チャンス大当りともいい、具体的な内容は後述する。」であることが示される。
図11(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図13(a)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図28参照)が配設されている。
図2に示すように、風車19は、中央装置20の左側方に配置されている。また、多数の障害釘14は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。尚、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられ、そのアウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
尚、本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作スイッチSW1、SW2を配設している。本実施例の遊技機1では、この操作スイッチSW1、SW2を、大当り遊技の際に中央表示装置27の表示画面27aで行われる演出表示(所謂、大当りラウンド演出表示)の態様を選択するために用いることとしている。なお、この操作スイッチSW1、SW2を、大当り遊技以外の遊技上の演出に変化を与えるために用いることとしてもよい。例えば、中央表示装置27の表示画面27aで行われる表示に変更を加えるために用いることとしてもよい。
c.特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、当否判定の結果を示す確定表示と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び中央表示装置27)において、同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は、「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、中央表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御する演出制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。
次に、これらの特別図柄の表示態様を説明する。先ず、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)においては、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、右下表示装置60の「特別図柄表示部62」を用いて、本図柄の変動表示(つまり、LED62b〜62gを用いた循環表示)を開始する。この変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)が実行される。そして、本図柄の停止表示(確定表示)の態様には、以下の態様がある。
i)スタンダード大当り(遊技機にとって、標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図14(b)に示すように、2個のLEDを点灯させて行うか、図14(c)に示すように、3個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「スタンダード大当り」を「第1の大当り」と称することもある。また、このスタンダード大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、2個若しくは3個のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第1の大当り図柄」、若しくは、「スタンダード大当り図柄」と称することがある。尚、「特別図柄表示部62」に、スタンダード大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「一方のLED63a」は点灯状態とされる。
このスタンダード大当り(第1の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態(第1の大当り状態若しくはスタンダード大当りとも言う。)となり、第1の特別遊技(第1の大当り遊技若しくはスタンダード大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞容易な状態に開放され、多量の賞球を伴う利益が遊技者に付与される。
但し、「スタンダード大当り」のうちで、図14(c)に示すように、3個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定(以下、「確変判定」ということもある。)の結果」も、「当り」であることを示す。一方、「スタンダード大当り」のうちで、図14(b)に示すように、2個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であるが、「確変判定」の結果は「外れ」であることを示す。以下、本明細書においては、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)で、しかも、確変判定の結果も当選である場合を「スタンダード確変当り(若しくは、スタンダード確率変動大当り)」と称し、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)」であるが、確変判定の結果が落選である場合を「スタンダード通常大当り」と称することがある。
ii)チャンス大当り(遊技機にとって、非標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図14(c)に示すように、4個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「チャンス大当り」を「第2の大当り」と称することもある。また、このチャンス大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、4のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第2の大当り図柄」、若しくは、「チャンス大当り図柄」と称することがある。
このチャンス大当り(第2の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態(第2の大当り状態若しくはチャンス大当り状態とも言う。)となり、第2の特別遊技(第2の大当り遊技若しくはチャンス大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞困難な状態(第1の大当り遊技状態への移行時に比べて入賞困難な状態)に開放される。但し、チャンス大当り(第2の大当り)においては、「確変判定」の結果が当りであるため、遊技者は、確変状態の実行による利益を得ることができる。尚、「特別図柄表示部62」に、チャンス大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「他方のLED63b」は点灯状態とされる。
ii)外れ
図14(a)に示すように、「特別図柄表示部62」に、1個のLEDが点灯すると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す。つまり、当否判定の結果が、「スタンダード大当り(第1の大当り)」にも、「チャンス大当り(第2の大当り)」にも該当しないことを示す。この場合、「確変判定」の結果も外れとなる。
尚、「確変当り(スタンダード確変当り、若しくは、チャンス確変当り)」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る大当り遊技遊技状態の終了後に、当該遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確率変動モードに変更される。そして、遊技機1のモードが、この「確率変動モード」に変更されると、この「確率変動モード」の解除条件が成立するまでの間、判定手段によって「大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。また、本実施では、この「確率変動モードの解除条件」は、大当りの判定結果(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を得ないまま、特別図柄が所定回数、変動するか(つまり、外れ判定が所定回数、繰り返されるか)、あるいは、次回の大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を生ずることで成立する。
中央表示装置27においても、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示を開始する。そして、この変動表示の期間が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示(確定表示)も、前述の本図柄の停止図柄(確定図柄)と同様に、当否判定の結果の表示する。尚、本実施例では、当否判定の結果を、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とで行うが、本実施例と異なり、「判定結果図柄」を、本図柄の停止図柄(確定図柄)のみで構成してもよい。
中央表示装置27の表示画面27aにおいては、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、図9(b)に示すように、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。
疑似図柄表示部27b〜27dに、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図10(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図10(a)の「外れを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図10(b)及び図10(c)に示すスタンダード大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図10(d)の「チャンス大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、がある。
このうち、「スタンダード大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。このため、遊技者では、疑似図柄表示部27b〜27dの表示のみによっては、「スタンダード大当り」が通常当りであるのか(スタンダード通常大当りであるのか)と、確変当りであるのか(スタンダード確率変動当りのか)を判別することができない。但し、遊技者は、可動演出装置70に注目することで、両者を判別することができる。つまり、図10(b)に示すように、当該「スタンダード大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)の実行中に、可動演出装置70が開放状態とならない場合は、当該「スタンダード大当り」は、スタンダード通常大当りである。これに対して、図9t(c)に示すように、当該「スタンダード大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)の実行中に、可動演出装置70が開放状態となる場合は、当該「スタンダード大当り」は、スタンダード確率変動当りである。
また、「チャンス大当りを示す停止図柄」は、図10(d)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dに、左から右に昇順となる数字を並べて(例えば、「1」、「2」、「3」)構成される。更に、「外れを示す停止図柄」は、図10(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dのうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「チャンス大当りを示す停止図柄」を除いたものである。
本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される疑似図柄(以下、「疑似図柄による判定結果図柄」という。)の表示内容と、特別図柄表示部62に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「本図柄による判定結果図柄」という。)とが一致している。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される表示内容が、特別図柄表示部62に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部27b〜27dにおいては、その変動の開始から停止に至るまでの間に、特別図柄表示部62よりも、派手な演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dでは、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」を行ってもよい。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「スタンダード確率変動当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「スタンダード通常大当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「スタンダード確率変動当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「大当り(スタンダード大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「大当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部200Aで抽選してもよいし、演出制御部220Aによって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、特別図柄表示部62の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、特別図柄表示部62も、中央表示装置27と同様に、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)を表示可能な構成とする。そして、この特別図柄表示部62においても、変動表示の途中に、リーチ演出を行ってもよい。また、本実施例では、本図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置60)と、疑似図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置27)とを別体の図柄表示装置としたが、本図柄及び疑似図柄を同一の図柄表示装置によって表示してもよい。
d.可動演出装置70の詳細な説明
可動演出装置70は、前述のように、ベース部材22に設けられる配設部位22jに配設される。つまり、図2及び図3に示すように、中央表示装置27の表示画面27aの周囲を飾る装飾部材(上部装飾部材23、左側装飾部材25、右側装飾部材26)の間に配設されている。この可動演出装置70は、図15〜図18等に示すように、蓋付きの箱(千両箱である。)を模した可動物を用いて構成され、上方演出装置部71と、下方演出装置部81とを主要な構成部材として備える。ここで、本実施例では、上方演出装置部71及び下方演出装置部81は、配設部位22jの前方において動作可能に配設され、各々、別個の駆動源を用いて動作可能とされている。但し、各請求項の発明は、上方演出装置部71及び下方演出装置部81を共通の駆動源で動作させる態様を排除するものではない。
上方演出装置部71は、図17〜図20に示すように、蓋状部材72と、ソレノイド73と、照明部材78と、を備えている。このうち、蓋状部材72は、略直方体の蓋形状に構成され、取付用空間部72aを下方に開口する(下面で開口する)状態に備えている(図19を参照)。また、図17等に示すように、蓋状部材72の背面部からは、平面形状が略矩形状のストッパー板72bが垂下している。更に、ストッパー板72bの背面部(後面部)において、左右方向に沿った一端側(遊技者から見て左端側)に位置する部位からは、支持軸72cが背後(後方)に向かって突出している。また、ストッパー板72bの背面部(後面部)において、左右方向に沿った他端側(遊技者から見て右端側)に位置する部位からは、支持用突起72cが背後(後方)に向かって突出している。
ソレノイド73は、図17及び図18に示すように、蓋状部材72の右後方(遊技者から見て右後方)に配設されている。このソレノイド73の動作は、後述する「演出制御部220A」から送信される制御信号を用いて制御されている。つまり、「演出制御部220A」は、「演出動作制御手段」の具体例を構成している。
このソレノイド73は、外郭体73aと、外郭体73aに設けられた軸受(図示を省略)によって上下にスライド可能に支持されたプランジャ73bと、外郭体73aの内側においてプランジャ73bの外周位置に配置されたソレノイドコイル73cと、プランジャ73bを下方へ付勢する(外郭体73aからの突出量が多くなるように付勢する)付勢手段(コイルバネであって、図示を省略する。)と、を備える。また、プランジャ73bの突端(下端)のフランジ状の部分からは、前方に向かって操作用突起73eが突出している。
ソレノイドコイル73cへの通電を行わないときに、プランジャ73bは付勢手段の付勢力によって下方に移動し、プランジャ73bの外郭体73aからの突出量が最大となり、プランジャ73b及び操作用突起73eは下限位置に到達する。一方、ソレノイドコイル73cへの通電を行うと、ソレノイドコイル73cからプランジャ73bへ、電流に比例した大きさの牽引力が与えられる。このため、プランジャ73bは、付勢手段の付勢力に対抗しつつ、上方に移動し、プランジャ73bの外郭体73aからの突出量が最小となり、プランジャ73b及び操作用突起73eは上限位置に到達する。
この蓋状部材72においては、支持軸72cが前述の軸支孔22k(図5を参照)に回転可能で、しかも、クリアランスを維持した状態で支持されている。同時に、操作用突起73eの突端部が、支持用突起72cの突端部に対して下方から当接することで、支持用突起72cが操作用突起73eによって支持されている。これにより、蓋状部材72は、配設部位22jの前方において動作可能に支持されている。
また、上方演出装置部71において、ソレノイドコイル73cへの通電を行わないときには、蓋状部材72は略水平な状態に支持される。一方、ソレノイドコイル73cへの通電を行うと、操作用突起73eは上限位置に到達するため、蓋状部材72は支持軸72cを支点に上方に回動する。このため、ソレノイドコイル73cの通電と、通電の停止とを複数回に渡って交互に繰り返すことによって、上方演出装置部71を振動させることができる。
ここで、本実施例では、支持軸72cを蓋状部材72の背面部に突出状に設けると共に(ボスの形で設け)、この支持軸72cを軸支孔22kに対して、クリアランスをもった状態(遊びをもった状態)で挿入する(遊入する)ことで、蓋状部材72が、その上下への振動に伴って、前後方向へも移動可能としている。つまり、蓋状部材72が、上下への振動と連動して前後方向に移動可能とされているため、遊技者に対して、あたかも、「蓋状部材72(千両箱の蓋部分)を上下に激しく動かしている」が如き、印象を与えることができる。
但し、この構成(支持軸72cを軸支孔22kに対して、クリアランスをもった状態で挿入する構成)、換言すると、蓋状部材72の可動範囲を前後方向に拡大する構成によると、蓋状部材72が、箱状部材82の前方に落下する可能性がある。このため、本実施例では、蓋状部材72の背面部側にストッパー板72bを設け、箱状部材82の前方への落下を防止している。つまり、図20(a)に示すように、蓋状部材72の背面部から垂下するストッパー板72bと、箱状部材82の背面部とは、隙間部Cを挟む状態で対向している。このため、箱状部材82を上下に振動させると、箱状部材82は、この隙間部Cの範囲で前後に移動する。しかも、移動距離が隙間部Cを超えようとすると、ストッパー板72bの前面部と、蓋状部材72の背面部とが当接し、箱状部材82のそれ以上の前進が、規制(邪魔)される。
つまり、本実施例では、蓋状部材72の振動に伴って、蓋状部材72の前後動を可能とすることで、蓋状部材72の可動範囲を広げ、可動演出装置70を用いた演出の迫力を高めつつも、蓋状部材72の前方への落下を確実に防止している。尚、ストッパー板72bは、箱状部材82の後側(背後)に張り出すように(垂下するように)設けられているので、箱状部材82後側にある可動構造や、配線を隠蔽するための隠蔽部材としても機能している。また、ストッパー板72bから突出する支持軸72cを中空体で構成することで、支持軸72c上にあたる蓋状部材72に配線口を設けることもできる。
照明部材78は、図19に示すように、取付用空間部72aに取り付けられ、ランプ基板78aと、4つのランプ装置(所謂、高輝度LEDで構成)78b〜78eと、を備えている。つまり、上方演出装置部71においては、ランプ基板78aが蓋状部材72の上板72eの下面部に装着されている。そして、ランプ基板78aに対して、4つのランプ装置78b〜78eが垂下する状態に並設(装着)され、これらのランプ装置78b〜78eは下方に向かって、光を照射可能となっている。また、4つのランプ装置78b〜78eは、蓋状部材72の幅方向(横方向)に沿って略等間隔に配置されている。尚、以下の説明においては、便宜上、「左端のランプ装置78bと、右端から2個目のランプ装置78dとで構成されるランプ装置群」を「第1組のランプ装置78b、78d」と称し、「右端から2個目のランプ装置78cと、右端のランプ装置78dとで構成される構成されるランプ装置群」を「第2組のランプ装置78c、78e」と称することがある。
このランプ装置78b〜78eの発光動作も、後述する「演出制御部220A(演出動作制御手段)」から送信される制御信号を用いて制御されている。但し、演出制御部220Aは、4つのランプ装置78b〜78eを同時に発光させるのではなく、隣合うランプ装置78b〜78eが交互に点灯するように制御する。つまり、(a)「第1組のランプ装置78b、78d」を点灯させ、「第2組のランプ装置78c、78e」を消灯させる状態(以下、「第1の発光状態」という。)と、(b)「第1組のランプ装置78b、78d」を消灯させ、「第2組のランプ装置78c、78e」を点灯させることを点灯させる状態(以下、「第2の発光状態」という。)と、が交互に繰り返されるように制御される。
下方演出装置部81は、箱状部材82と、箱状部材82を動作させるための駆動源を構成するモータ83と、モータ83の回転駆動力を上下方向への駆動力に変換しつつ、箱状部材82に伝達するための駆動力変換伝達手段85とを備えている。
箱状部材82は、下方部材の具体例を構成すると共に蓋状部材72の下方に配設されている。この箱状部材82は、図19に示すように、箱状の外形を備えると共に、収容空間部82aを上方に開口させている。この収容空間部82aは、深さの浅い(箱状部材82の高さに比べて深さの浅い)、凹部状に構成されている。そして、収容空間部82aには、被収容部材84が収容されている。
この被収容部材84は、収容空間部82a内において箱状部材82に対して一体的に設けられ、箱状部材82に対して着脱不可能とされている。つまり、箱状部材82は、被収容部材84を含んだ状態で、樹脂を用いて一体成形されている。尚、本実施例と異なり、被収容部材84を箱状部材82と別体で構成し、被収容部材84を収容空間部82aに対して着脱可能な状態で収容してもよい。
被収容部材84は、図16に示すように、複数の「小判84a」を無作為に収容した状態を、あしらったものあり、表面部は「金色のメッキ層」によって構成されている。この被収容部材84は、個々の「小判84a」に凹部84cが形成され、個々の「小判84a」自体が、その表面部に凹凸部を有している。しかも、隣接する「小判84a」が重なり合い、段部84dを形成している。
よって、被収容部材84の表面部は全体に渡って、大小、多数の凹凸部を備えることになる。つまり、被収容部材84は、表面部を「金色のメッキ層」によって構成すると共に、表面部の全域に、大小、多数の凹凸部を備える。そして、前述の「ランプ装置78b〜78e」は、蓋状部材72において、被収容部材84と対向可能な部位に配置されている。このため、被収容部材84は、ランプ装置78b〜78eから照射される光を乱反射し易くなっている。
箱状部材82の背面部(後面部)には、図21に示すように、略円筒状の軸挿通部82bが設けられている。この軸挿通部82bは、軸心を左右に向け、開口部を左右に配置した構成となっている。また、軸挿通部82bの背面部において、所定の間隔をおいた部位からは、2個の伝達アーム部82cが後方に向かって突出している。更に、両伝達アーム部82cは、僅かに上がり傾斜状とされつつ、略平行な状態にて、軸挿通部82bの後方に突出している。また、両伝達アーム部82cの突端部の間には、受圧ピン82dが掛け渡されている。この受圧ピン82dは略円柱状に構成されると共に、軸心を左右に向けている。
図26に示すように、箱状部材82の前面部には凹部82dが設けられ、この凹部82dにはランプ基板82fが配設されている。このランプ基板82fには、所謂「フルカラーLED(例えば、赤色、緑色及、青色の3種類のLEDチップを供えるLEDランプ)」を用いて構成されるランプ装置82gが装着されている。また、箱状部材82の前面部の全域には、「レンズを用いて構成される化粧板82h」が装着され、凹部82dは、この「化粧板82h」によって封止されている。尚、この化粧板82hには、装飾文字(千両箱)が施された透明なシールが装着されている(図15を参照)。
本実施例では、このランプ装置82gの発光色を「演出制御部220A」によって制御(PWM制御)しつつ、予告(大当り予告、ガセ予告)演出を実行する。つまり、本実施例では、ランプ装置82gの発光色を制御し(変化させ)、遊技者が視認する「化粧板82hの色」を変化させることで、予告の信頼度を変化させている。尚、ランプ装置82gを用いた予告演出の詳細に関しては後述する。
以上の下方演出装置部81は、配設部位22jに対して、以下のように配設されている。即ち、図21及び図22に示すように、両伝達アーム部82cの突端部側と、受圧ピン82dとを、貫通孔22eを通じてベース部材22の背後に突出させ、箱状部材82を傾動可能に支持した状態で配設部位22jに配設されている。つまり、先ず、図7に示すように、軸挿通部82bを、両把持部22n、22nの間に配置し、軸挿通部82bの両端の開口部と、切り欠き部22pとを位置合わせする。そして、一方の切り欠き部22pから他方の切り欠き部22pに向かって、前述の支持軸22sを挿通し、支持軸22sの左端部を左の支持突起22mの左側方に突出させ、支持軸22sの右端部を右の支持突起22mの右側方に突出させる。更に、支持軸22sの支持突起22mから突出する部位に、リング部材22rを装着すると、下方演出装置部81の配設を完了する。
この下方演出装置部81は、図21に示すように、箱状部材82を蓋状部材72の下方に配設した状態で、配設部位22jに配設される。この下方演出装置部81においては、あたかも、軸挿通部82bを支点とし、伝達アーム部82cの突端部(受圧ピン82d)を力点とする「てこ」のような構造を備える。そして、受圧ピン82dに外力(下方に向かう押圧力)が加わっていないときに、図22に示すように、伝達アーム部82cは、その突端部(受圧ピン82d)を上限位置の方向に移行させるように(遊技機1の後方に向かって上がり傾斜姿勢とされるように)回転し、箱状部材82は前方に傾動した状態(前傾姿勢)となる。この際、「蓋状部材72の箱状部材82(収容空間部82a)に対する封止」が解除され、しかも、収容空間部82aが前方(遊技者方向)の斜め上方を向いた状態となるため、遊技者は、収容空間部82a、ひいては、被収容部材84を視認可能となる。
一方、受圧ピン82dに外力(下方に向かう押圧力)を加えると、図20に示すように、伝達アーム部82cは、その突端部(受圧ピン82d)を下限位置の方向に移行させるように(伝達アーム部82cの姿勢を略水平な姿勢に近づくように)に回転して、箱状部材82は略水平な状態(基本姿勢)となる。この際、箱状部材82は、その収容空間部82aを蓋状部材72によって封止された状態となるため、遊技者は、収容空間部82a、ひいては、被収容部材84を視認不可能となる。
モータ83は、ステッピングモータを用いて構成されている。このモータ83は、ベース部材22の背面側に配置されると共に回転駆動軸83aの軸心を前後に向けた状態とされている(図15を参照)。このモータ83の回転動作と停止動作は、「演出制御部220A(演出動作制御手段)」から送信される制御信号を用いて制御されている。
駆動力変換伝達手段85は、ベース部材22の背面側に配置されると共に、所謂「逆カム」を用いて構成される「駆動力変換伝達機構」を用いて構成されている。この駆動力変換伝達手段85は、図15及び図16に示すように、この回転駆動軸83aに対して一体回転可能に装着される回転部材86と、ベース部材22の背面部において上下にスライド可能に配設されたスライド部材87と、を備えている。尚、回転部材86は、駆動力変換伝達手段85の「原動側の節を構成する部材」であり、スライド部材87は、駆動力変換伝達手段85の「従動側の節を構成する部材」である。
回転部材86は、図15及び図16に示すように、部材本体86aと、この部材本体86aに対して回転可能な状態に装着されたローラ部86bと、を備えている。このうち、部材本体86aは略矩形の平面形状を備えると共に、その背面部であって、長手方向に沿った一端側に位置する部位に、回転駆動軸83aが接続される接続部86cを備えている。また、ローラ部86bは、部材本体86aの前面部において、回転部材本体86aの長手方向に沿った中間部に位置すると共に、部材本体86aの短手方向に沿った一端側に位置する部位に配設されている。
この回転駆動軸83aが回転すると、回転部材86は接続部86cの軸心を回転中心として回転する。そして、この回転部材86においては、ローラ部86bが回転中心から偏心した位置に存在するため、このローラ部86bは、「当該ローラ部86bの軸心と接続部86cの軸心と距離」に相当する回転半径に従って、回転中心回りを回転する構造とされている。
スライド部材87は、図23に示すように、略平板状に構成された本体部87aと、本体部87aの左側面部の下端側から左側方に突出する端部支持用突出部87bと、本体部87aの右側面部の下端側から右側方に突出する端部支持用突出部87bと、を備えている。そして、図23及び図24に示すように、このスライド部材87は、付勢部材(コイルバネ)88と、端部支持部材89とを用いつつ、ベース部材22の背面側に配設されている。
図8に示すように、本体部87aの左右の側面部には、段部87d、87eが設けられている。そして、スライド部材87の段部87d、87eと、前述の保持部22t、22uの段部22vとを、スライド可能(摺動可能)な状態に当接させつつ、スライド部材87の各側面部側の部位が、対応する保持部22t、22uによって保持される。
本体部87aには、図23に示すように、長手方向を横方向に向けた長円状の可動孔(カム孔)87fが、表裏面(前後面)を貫通する状態に備えている。この可動孔(カム孔)87fの短手幅は、ローラ部86bの直径よりも僅かに大きくされている。このため、この可動孔(カム孔)87fには、ローラ部86bを所定のクリアランスを維持した状態で挿入可能とされている。
本体部87aにおいて、図23に示すように、可動孔(カム孔)87fの下方に位置すると共に、本体部87aの左右方向に沿った略中央部には、平面形状が略矩形状の切り欠き部87kが設けられている。この切り欠き部87kは、本体部87aの表裏面(前後面)と下端面とで開口する状態に設けられている。また、本体部87aにおいて、切り欠き部87kの上端に位置する部位からは、押圧用突起87mが垂下している。そして、図21及び図22に示すように、この押圧用突起87mの下端面は、遊技者方向に下り傾斜面(遊技機の後方に上がり傾斜面)となる押圧面87nが形成されている。この押圧面87nは、スライド部材87の上下動に伴い、上下動するが、常時、受圧ピン82dと当接する状態とされる。
図23及び図24に示すように、左右の端部支持用突出部87b、87bの上面部からは挿入突起87g、87gが上方に向かって突出している。また、ベース部材22の背面部において、各端部支持用突出部87b、87bの上方の部位には、前述の端部支持部材89、89が装着されている。これらの端部支持部材89、89は、端部支持用突出部87b、87bと対向する位置に支持面部89a、89aを備えている。そして、支持面部89a、89aからは、挿入突起89b、89bが下方に向かって突出している。
このスライド部材87においては、各端部支持用突出部87b、87bの上面部と、各端部支持部材89の支持面部89a、89aとの間には、付勢部材(コイルバネ)88が圧縮状態で介在されている。この際、付勢部材(コイルバネ)88の上端部の内側には挿入突起89b、89bが挿入され、付勢部材(コイルバネ)88の下端部の内側には挿入突起87g、87gが挿入されているため、付勢部材(コイルバネ)88の脱落(端部支持用突出部87b、87bの上面部と、各端部支持部材89の支持面部89a、89aとの間からの脱落)が防止される。
スライド部材87をベース部材22の背面側に装着すると、このスライド部材87には、付勢部材(コイルバネ)88によって下方に向かう押圧力が加えられる。このため、ローラ部86bから可動孔(カム孔)87fの内周部(上方に位置する直線状の部分)に対して、下方から上方に向かって確実に当接する。このため、ローラ部86bの動きに、スライド部材87を確実に追従させることができる。つまり、本実施例では、このように、スライド部材87を下方へ付勢する付勢手段(コイルバネ)88を備え、ローラ部86bは、可動孔(カム孔)87fの周部に接触する。このため、常に、モータ83の力をローラ部86bからスライド部材87に伝達することができ、蓋状部材72と箱状部材82とがスムーズに開閉する。
以上の下方演出装置部81においては、図25に示すように、「演出制御部220A(演出動作制御手段)」が、モータ83の動作を所定の態様に制御し、回転駆動軸83aを左回転方向(遊技者から観察して左回転方向)に所定量、回転させ、ローラ部86bを第1の回転動作位置(以下、「前傾位置」という。)に上昇させると{図23(b)の状態}、箱状部材82の姿勢が前傾姿勢とされる(図16及び図22を参照)。つまり、ローラ部86bを「前傾位置」に上昇させると、「原動節側の部材を構成するローラ部86b」は、可動孔87f内を左方向に移動しようとつつ、「本体部87aにおいて、可動孔87fの内壁上部を構成する部位」を、上方に押圧する。このため、「従動節側の部材を構成するスライド部材87」は、保持部22t、22uに沿って上昇する。
よって、押圧面87nが上昇するため、受圧ピン82dが「押圧面87nの上昇量」に相当する量だけ、上昇することを許容される。このとき、伝達アーム部82c及び蓋状部材72は軸挿通部82bを支点とし、左回転方向に所定量だけ回転することを許容されるため、蓋状部材72の姿勢は前傾姿勢となる。
一方、箱状部材82の姿勢が前傾姿勢であるとき、「演出制御部220A(演出動作制御手段)」が、回転駆動軸83aを右回転方向(遊技者から観察して右回転方向)に回転させ、ローラ部86bを第2の回転動作位置(以下、「基本位置」という。)に下降させると、箱状部材82の姿勢が基本姿勢に戻される。つまり、ローラ部86bを「基本位置」に下降させると{図25(a)の状態}、「原動節側の部材を構成するローラ部86b」は、可動孔87f内を右方向に移動しようとつつ、「本体部87aにおいて、可動孔87fの内壁下部を構成する部位」を、下方に押圧する。このため、「従動節側の部材を構成するスライド部材87」は、保持部22t、22uに沿って下降する。
よって、押圧面87nが下降するため、受圧ピン82dが「押圧面87nの下降量」に相当する量だけ、下降することになる。このとき、伝達アーム部82c及び蓋状部材72は軸挿通部82bを支点とし、右回転方向に所定量だけ回転するため、蓋状部材72の姿勢は基本姿勢となる。この際、付勢手段(コイルバネ)88が、スライド部材87を下方へ付勢するため、箱状部材82が誤って、開放状態となること(前傾姿勢となること)を防止できる。
本実施例では、このように、「演出制御部220A(演出動作制御手段)」が、モータ83の左回転動作を実行させ、ローラ部86bを「前傾位置」に上昇させると、箱状部材82の姿勢が前傾姿勢とされる。一方、「演出制御部220A(演出動作制御手段)」が、モータ83の右回転動作を実行させ、ローラ部86bを「基本位置」に下降させると、箱状部材82の姿勢が基本姿勢とされる。そして、ローラ部86bを「前傾位置」に上昇させたり、「基本位置」に下降させると、箱状部材82の開閉を行うことができる。
e.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図27を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、中央表示装置(液晶表示装置)27が格納された蓋付きの裏ケースと、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケース112と、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図27において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。また、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図27は、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
主制御基板ケース112、中継端子板190や、払出制御基板ケース118等の各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス、電源スイッチ、電源ターミナル基板132及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板が設けられている。尚、電源ターミナル基板132には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ(図示を省略)を接続してもよい。また、中継端子板の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブルも配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブルが上方へ延出し、電源ケーブルを備えた球貸装置に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図28〜図30を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や大当りに関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に中央表示装置27における演出用図柄(疑似図柄や背景図柄など)の表示制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(222A、260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図28〜図30中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図28においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM,ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ31s、40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示装置)27を駆動する演出表示制御基板222やスピーカーSPを駆動するアンプ基板224が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、装飾用の各種LED4b〜f、上方演出装置部71を構成するソレノイド73、上方演出装置部71を構成するランプ装置78b〜78f、下方演出装置部81を構成するモータ83、及び、下方演出装置部81を構成するランプ装置82gを駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSW1、SW2からの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。尚、演出制御部220A(演出制御基板220)の詳細な入出力関係については後述する。
払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部5に設けられた球貸スイッチ5eや返却スイッチ5fを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
主制御部200A(主制御基板200)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200A(主制御基板200)でも計数されている。
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。
下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。
加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、或いは、遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御部240A(払出制御基板240は、主制御部200A(主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部200A(主制御基板200)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置(液晶表示装置)27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSPで出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、中央表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置(液晶表示装置)27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSPから効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LED、ランプ類4b〜4f、ソレノイド73、ランプ装置78b〜78f、モータ83、ランプ装置82gの駆動信号を出力することによって、各種LEDやランプ類の点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部5の前面側に設けられた操作スイッチSW1,SW2を遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置(液晶表示装置)27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)特別図柄表示ゲームの概要
本遊技機においては、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図31〜34に示すように、右下表示装置60の特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示を開始すると共に、中央表示装置(液晶表示装置)27の疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、特別図柄表示部62a〜62gと、疑似図柄表示部27b〜27dとの双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。以下、この特別図柄表示ゲームにおいて、特別図柄の停止図柄の種類毎(当否判定の結果毎)に異なる点を説明する。
a.外れの場合
図31(a)及び(b)に示すように、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると(当否判定の結果が外れである旨の判定結果図柄が表示されると)、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。
ここで、図31(a)では、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)を示し、図31(b)では、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」を示している。また、「外れリーチ」に係る特別図柄表示ゲームの実行中において、「リーチ予告」を行う場合、リーチ表示の実行前に蓋状部材72を振動させる。また、「偽りの大当り予告(所謂、「ガセ予告」)を実行する場合、リーチ表示の後に、ランプ装置82gを点灯し、箱状部材82前面部の化粧板82hに描かれた文字(千両箱なる文字)を際だたせる。尚、予告演出の詳細に関しては後述する。
b.スタンダード通常大当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード通常大当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード通常大当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図32に示すように、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。但し、「リーチ予告」を行う場合、リーチ表示の実行前に蓋状部材72を振動させる。
また、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示」と、「大当り報知」とが行われる。ここで、「大当り報知」は、箱状部材82の姿勢を、基本姿勢から前傾姿勢に移行させると同時に、「第1組のランプ装置78b、78d」と、「第2組のランプ装置78c、78e」とを交互に点灯させて行われる。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、2個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の数字」を停止表示して行われる。尚、この「スタンダード通常大当り」に係る特別図柄表示ゲームの実行中において、「大当り予告(所謂、「真実の予告」)を実行する場合、図32の括弧内に示すように、リーチ表示の後に、ランプ装置82gを点灯し、箱状部材82前面部の化粧板82hに描かれた文字(千両箱なる文字)を際だたせる。
この「スタンダード通常大当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいて、「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第1の単位駆動」が施される。この「第1の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜30秒から選択される時間)維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード通常大当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードとされる。
この「スタンダード通常大当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいては、箱状部材82の姿勢は、終始、基本姿勢に保たれる。そして、遊技者は、このように、箱状部材82の姿勢が、終始、基本姿勢に保たれたことを確認することによっても、当該「特別図柄表示ゲーム」に係る「大当り」が、「通常当り(確率変動を生じさせない当り)」であったことを確認できる。
c.スタンダード確率変動当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード確率変動当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード確率変動当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)にも、図33に示すように、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。但し、「リーチ予告」を行う場合、リーチ表示の実行前に蓋状部材72を振動させる。
この「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード確率変動当り図柄を用いた大当り表示)」と、「大当り報知(スタンダード通常大当りの場合と同様の態様で行われる。)」とが行われる。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、3個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の数字」を停止表示して行われる。尚、この「スタンダード確変当り」に係る特別図柄表示ゲームの実行中において、「大当り予告(所謂、「真実の予告」)を実行する場合も、スタンダード通常大当りの場合と同様の態様で行われる。
この「スタンダード確変当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいて、「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態においては、「第1の単位駆動」が、「第1のインターバル時間」を挟みつつ、計14回実行されると、箱状部材82の姿勢は、基本姿勢から前傾姿勢に移行する。同時に、「第1組のランプ装置78b、78d」と、「第2組のランプ装置78c、78e」とが交互に点灯する。このため、遊技者は、箱状部材82の内部の収容部材84が乱反射すること確認することができる。そして、もう一度(第15回目)の「第1の単位駆動」が、「第1のインターバル時間」を挟みつつ、実行されると、箱状部材82の姿勢を前傾姿勢から基本姿勢に戻し、ランプ装置78b〜78eの駆動を停止した後、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード確率変動当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。つまり、この「スタンダード確変当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいては、大当り遊技の実行中(後述の如く、条件装置を作動させ、開閉板31bの姿勢を、閉鎖姿勢から開放姿勢に移行させ、再び、閉鎖姿勢に戻しつつ行われる遊技の実行中)に、箱状部材82の姿勢が基本姿勢から前傾姿勢に移行すると共に、ランプ装置78b〜78eを用いた発光演出が実行される。そして、遊技者は、この箱状部材82の姿勢変更と、発光演出と、これらによって生ずる乱反射によっても、当該「特別図柄表示ゲーム」に係る「大当り」が、「確変当り(確率変動を生じさせる当り)」であったことを確認できる。
c.チャンス大当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「チャンス大当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、チャンス大当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図t4に示すように、「リーチ表示」を行った後、「大当り表示(チャンス大当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、4個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「左から右に昇順となる数字」を停止表示して行われる。
この「大当り表示」がなされると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行する。そして、この第2の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第2の単位駆動」が施される。この「第2の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、「閉鎖姿勢」から、「開放姿勢」に移行させ、この開放姿勢を、「第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第2の単位駆動」のうちで、第2回目のもの(第2回目の第2の単位駆動)の実行中に、箱状部材82の姿勢は、基本姿勢から前傾姿勢に移行する。同時に、「第1組のランプ装置78b、78d」と、「第2組のランプ装置78c、78e」とが交互に点灯する。このため、遊技者は、箱状部材82の動作と、箱状部材82の内部の収容部材84が乱反射すること確認し、チャンス大当りを生じたことを実感できる。この後、箱状部材82の姿勢を前傾姿勢から基本姿勢に戻し、ランプ装置78b〜78eの駆動を停止した後、遊技機1の遊技状態は、第2の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「チャンス大当りに起因する第2の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。つまり、この「チャンス大当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいても、大当り遊技の実行中に、箱状部材82の姿勢が基本姿勢から前傾姿勢に移行すると共に、ランプ装置78b〜78eを用いた発光演出が実行される。そして、遊技者は、この箱状部材82の姿勢変更と、発光演出と、これらによって生ずる乱反射によっても、当該「特別図柄表示ゲーム」に係る「大当り」が、「確変当り(確率変動を生じさせる当り)」であったことを確認できる。
尚、本実施例では、個々の第2の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の大当り遊技状態の間に実行される第2の単位駆動の回数」は、「第1の大当り遊技状態の間に実行される第1の単位駆動の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位駆動」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、遊技球の入賞は、ごく希にしか生じない。
(4)コマンドの送信
本実施例の遊技機1が、前述の「特別図柄表示ゲーム」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図35(a)の模式図を用いて説明する。尚、図35(a)は、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)に向かってコマンドを出力する場合について示しているが、主制御部200A(主制御基板200)から払出制御部240A(払出制御基板240)、あるいは演出制御部220A(演出制御基板220)から演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)等、他の制御部(制御基板)に向かってコマンドを出力する場合も同様にして出力されている。
主制御部200(主制御基板200)と演出制御部200A(演出制御基板220)とは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)にコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、演出制御部200A(演出制御基板220)は、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御基板200から送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
本実施例の遊技機1では、コマンドデータは2バイトデータ(即ち、16ビット分のデータ)となっている。そこで、主制御部200(主制御基板200)は、先ず8ビット分のコマンドデータを出力して1ビットのストローブ信号を出力し、続いて残りの8ビット分のコマンドデータを出力して再びストローブ信号を出力する。また、演出制御部200A(演出制御基板220)は、ストローブ信号が立ち上がる度に、8ビット分ずつ2回に分けてコマンドデータを読み取る。このようにして、主制御基板200からサブ制御基板220に向かって、16ビット分のコマンドを確実に供給することができる。尚、1バイト(即ち、8ビット)のコマンドを供給する場合は、ストローブ信号を1回だけ出力すればよい。通常の初期化動作において出力される初期コマンドは、このようにして各種の制御基板に出力される。その結果、遊技盤面上に設けられた中央表示装置(液晶表示装置)27では適切な疑似図柄が表示され、各種ランプ類(4b〜4f等)、スピーカSP、可動演出装置70等は適切な状態に制御されることになる。
ここで、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図35(b)に図示したもを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)、(C)図柄停止コマンド(以下、「CZE」と表記することがある。)、(D)移行表示開始コマンド(以下、「CIS」と表記することがある。)、(E)移行表示終了コマンド(以下、「CIE」と表記することがある。)、(F)Rラウンド表示開始コマンド(以下、「CRS」と表記することがある。)、(G)Rラウンド表示終了コマンド(以下、「CRE」と表記することがある。)、(H)大当り表示終了コマンド(以下、「COE」と表記することがある。)、等がある。尚、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、コマンドのその他の詳細に関しては後述する。
(5)主制御部200による遊技制御の概要
主制御部200を構成する主制御基板200に搭載されたCPU201は、前述の「特別図柄表示ゲーム」等を実現するために、以下のような制御(遊技制御)を行う。つまり、このCPU201は、所定の制御準備開始処理を終了すると、遊技機1の遊技制御を開始する。
図36は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この図に示すように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理(S150)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、特別電動役物遊技処理(S900)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、図36の一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出スイッチなどの状態を検出する処理などが行われる。そして、図S15に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S150)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、特別電動役物遊技処理(S900)を実施する。そして、これら各処理中で、演出制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種のコマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図S15のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
a.賞球払出処理
主制御基板200に搭載されたCPU01は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S10)。即ち、主制御基板200に接続されている始動入賞検出スイッチ17sの状態を検出して、遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出コマンドを払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出スイッチ17sへの入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出コマンドを出力する。
主制御部200A(主制御基板200)から払出制御部240A(払出制御基板240)へ払出コマンドを出力するに際しては、図S14(a)を用いて前述したように、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いてコマンドデータを出力する。
これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出コマンドで指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
b.普通図柄遊技開始判断処理
次いで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、普通図柄遊技処理(S150)を開始するか否かを判断する(S100)。ここで、図37は、CPU201が普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理(普通図柄遊技開始判断処理)を示したフローチャートである。この普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過したか否かを判断する(S102)。尚、普通図柄作動ゲート16には、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sが組み込まれているため、CPU201はゲートスイッチ36sからの信号に基づいて遊技球の通過を検出することが可能である。
遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過していれば(S102:YES)、普通図柄の保留数が「4」以上か否かを判断する(S104)。ここで、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、普通図柄保留数のデータが書き込まれており、S104では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、この値が「4」か否かの判断を行う。そして、保留数が「4」に達していなければ(S104:NO)、普通図柄保留数の値を1つ加算する(S106)と共に、普通図柄の当否判定用乱数を取得(発生・読み込み)し、この乱数値をRAM202の所定アドレスに記憶した後(S107)、S108の処理に移行する。
詳細な説明は後述するが、普通図柄の当否判定は、こうして記憶した普通図柄当否判定用乱数を用いて行われる。また、普通図柄保留数は、上述したようにRAM202の所定アドレスに記憶されている。尚、普通図柄の当否判定用乱数は、乱数発生用のプログラムによってソフトウェア的に発生させてもよいし、乱数発生用の専用ICを用いてハードウェア的に発生させてもよい。更に簡便には、発振器とカウンタとを組み合わせることによって、ハードウェア的に発生させた疑似乱数を用いることとしても良い。
一方、S104において、保留数が「4」に達している場合は(S104:YES)、「普通図柄保留数の値の加算」や「普通図柄の当否判定用乱数の取得」を行わずにS108の処理に移行する。ここで、即ち、普通図柄の当否判定用乱数は、最大4つまで記憶することが可能となっており、このことに対応して、普通図柄保留表示部29cにも、最大4つまでの保留を表示可能となっている。
S108の処理では、左下表示装置50の普通図柄保留表示部52で普通図柄の保留数を表示するべく、LEDの駆動信号を出力する。即ち、普通図柄保留数が4個であれば、2個ランプ装置52a、52bを点滅させ、普通図柄保留数が3個であれば、1個ランプ装置52aを点滅させ、もう1つのランプ装置52bを点灯させる。また、普通図柄保留数が2個であれば2個のランプ装置52a、52bを点灯させ、普通図柄保留数が1個であれば1つの52aを点灯させ、もう1つのランプ装置52bを消灯させる。更に、普通図柄保留数が0個であれば、2個ランプ装置52a、52bを消灯させる。
以上のようにして、左下表示装置50を駆動して普通図柄保留表示部52に、普通図柄保留の個数を点灯させたら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S110)。この普通電動役物は、普通図柄遊技を行った結果として作動する役物である。従って、普通電動役物が作動中であれば(S110:YES)、重ねて普通図柄遊技を開始する必要はないので、普通図柄遊技は開始しないと判断する(即ち、S100:NO)。一方、普通電動役物が作動中でない場合は(S110;NO)、普通図柄遊技を開始すると判断する(即ち、S100;YES)。
図S15に示した遊技制御処理のステップS100では、普通図柄遊技を開始するか否かを、以上のようにして判断する。そして、普通図柄遊技を開始すると判断した場合は(S100:YES)、以下に説明する普通図柄遊技処理(S150)を開始する。一方、普通図柄遊技を開始しないと判断した場合は(S100:NO)、普通図柄遊技処理(S150)はスキップする。
c.普通図柄遊技処理
図17は、普通図柄遊技処理(S150)の流れを示したフローチャートである。この普通図柄遊技処理(S150)を開始すると、先ず初めに、普通図柄が変動中か否かを判断する(S152)。前述のように、本遊技機1の左下表示装置50には、普通図柄表示部56が設けられており、普通図柄を変動表示することが可能となっている。そして、普通図柄遊技処理(S150)を開始したら、先ず初めに、普通図柄が変動表示中か否か、つまり、普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aが点滅中であるか否かを判断する。
普通図柄が変動中でない場合は(S152;NO)、普通図柄が未だ変動していないか、若しくは、変動表示後に停止図柄で停止表示されているかのいずれかであると考えられる。そこで、現在の状態が、普通図柄の停止図柄を所定期間表示させるべく設定された時間(停止表示時間)中であるか否かを判断する(S154)。後述するように、普通図柄の変動表示開始や変動表示の停止は、主制御基板200に搭載されたCPU201が制御している。このためCPU201は、現在の状態が普通図柄の停止表示時間中であるか否かを、内部の制御状態に基づいて容易に判断することができる。
普通図柄の停止表示時間中ではないと判断された場合(S154;NO)、即ち、普通図柄が変動表示されておらず、且つ、普通図柄の停止図柄を表示中でもない場合は、普通図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S156)。そして、普通図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、普通図柄の保留が残っている場合は(S156;NO)、普通図柄の当否抽選を行う(S158)。この普通図柄の当否抽選は、普通図柄の保留時に記憶しておいた当否判定用乱数値が、予め定めておいた当たり値と一致するか否かを判断することによって行う。即ち、図S16のS107で記憶した乱数値が、所定の当たり値と一致していれば普通図柄の当たりと判断し、一致していなければ普通図柄の外れと判断する。
こうして普通図柄の当否抽選を行ったら、主制御基板200のCPU201は、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始する(S160)。次いで、普通図柄保留数から1を減算したら(S162)、図38に示した普通図柄遊技処理を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。一方、S156で肯定判断がされた場合(S156;YES)、即ち、普通図柄の変動表示中ではなく、且つ、普通図柄の停止表示時間中でもないが、普通図柄の保留数が「0」である場合は、S158、S160及びS162の各処理を行うことなく、そのまま普通図柄遊技処理(S150)を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。
また、S152の処理において、普通図柄が変動中であると判断された場合は(S152;YES)、既に行われた普通図柄遊技処理の中で、普通図柄の変動表示が開始されているものと考えられる。そこで、普通図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S164)。ここで、普通図柄の変動表示時間は、変動表示が開始された段階で予め定められており、主制御基板200に搭載されたCPU201は、所定の変動時間が経過したか否かを判断する。
そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S164;NO)、そのまま通図柄遊技処理を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S164;YES)、左下表示装置50の普通図柄表示部56において変動表示している普通図柄を停止表示させる(S166)。このときの停止図柄は、普通図柄の当否抽選の結果に応じた図柄で停止表示させる。即ち、S160で普通図柄の変動表示を開始するに先だって既に普通図柄の当否が決定されており(S158)、当否抽選の結果が当たりの場合は、普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを点灯させ、当否抽選の結果が外れの場合は、普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを消灯させる。更に、停止表示された図柄(ランプ装置56aが点灯しているか、消灯しているか)を遊技者が確認することができるように、停止図柄の表示時間を設定する(S168)。
次いで、停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断し(S170)、設定された停示時間が経過していない場合は(S170;NO)、そのまま普通図柄遊技処理(S150)を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止図柄の表示時間が経過したと判断された場合は(S170;YES)、停止表示された図柄が普通電動役物17dを作動させることとなる図柄(本実施例では普通図柄表示部56による点灯表示)であるか否かを判断する(S172)。
停止表示された普通図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄でない場合は(S172;NO)、つまり、普通図柄表示部56が消灯表示を行う場合は、そのまま普通図柄遊技処理(S150)を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止表示された普通図柄が普通電動役物17dの作動図柄である場合は(S172;YES)、普通電動役物17dの作動を開始し(S174)、その後、普通図柄遊技処理(S150)を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17dを構成する一対の翼片部が外側の回動して、普通電動役物17dが開放状態となる。
図36に示すように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理(S150)から復帰すると普通電動役物17dが作動中か否かを判断する(S190)。また、主制御基板200のCPU201は、普通電動役物17dが作動中であれば、内部の制御状態に基づいてこれを容易に検出することができる。そして、普通電動役物17dが作動中でなければ(S190;NO)、普通電動役物遊技処理(S200)はスキップするが、普通電動役物17dが作動中であれば(S190;YES)、以下に説明する普通電動役物遊技処理(S200)を開始する。
d.普通電動役物遊技処理
図39は、普通電動役物遊技処理(S200)の流れを示すフローチャートである。この普通電動役物遊技処理(S200)では、先ず初めに、普通電動役物17dが所定の作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。ここで、前述のように、普通電動役物17dが作動すると、一対の翼片部が外側に向かって回動し、普通電動役物17dが開放状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片部が直立した通常の状態に復帰する。そこで、S202では、普通電動役物17dが予め設定しておいた作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止した後(S206)、普通電動役物遊技処理を終了して、図S15に示した遊技制御処理に復帰する。
一方、普通電動役物17dの開放中に、始動入賞装置17(第1の始動入賞17aであっても、第1の始動入賞17bであってもよい。)に規定数(例えば、8個)の遊技球が入球すると、開放時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物17dの作動時間が所定時間に達していない場合は(S202;NO)、普通電動役物17dに規定数の遊技球が入球したか否かを判断し(S204)、規定数の遊技球が入球したと判断された場合は(S204;YES)、普通電動役物17dの作動を停止して、図39に示した普通電動役物遊技処理(S200)を終了する。逆に、規定数の入球がないと判断された場合は(S204;NO)、普通電動役物17dを作動させたまま、図38に示した普通電動役物遊技処理(S200)を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。
図36に示すように、遊技制御処理では、図39に示す普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。その結果、特別図柄遊技処理を開始しないと判断された場合には(S300;NO)、特別図柄遊技処理(S400)をスキップし、逆に、特別図柄遊技処理を開始すると判断された場合には(S300;YES)、特別図柄遊技処理(S400)を行う。
e.特別図柄遊技開始判断処理
図36に示したように、遊技制御処理では、普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断する(S300)。図40は、特別図柄遊技を行うか否かを判断する処理の流れを示したフローチャートである。次に、図40を用いて前述した特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断について説明する。
特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっても、先ず初めに、特別図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、始動入賞装置17に遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。前述したように、始動入賞装置17の内部には遊技球の通過を検出する「始動入賞検出スイッチ17s」が組み込まれており、主制御基板200のCPU201は、かかるスイッチ17sによって始動入賞装置17に遊技球が入球したことを検出することができる。
始動入賞装置17への入賞を生じている場合は(S302;YES)、特別図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S304)。ここで、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図45の特別図柄保留数メモリ202bである。)には、特別図柄保留数のデータが書き込まれており、S304では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、特別図柄の保留数が4以上か否かの判断を行う。そして、特別図柄保留数が4に達していなければ(S304;NO)、特別図柄保留数を1つ加算する(S306)と共に、特別図柄の当否判定用乱数を取得(発生・読み込み)して、この乱数値をRAM202の所定アドレス(図45の特別図柄当否判定乱数メモリ202aである。)に記憶し(S307)、S308の処理に移行する。
尚、当否判定は、このように記憶された当否判定用乱数に基づいて行われる。また、特別図柄の当否判定用乱数についても、前述した普通図柄の当否抽選乱数と同様に、乱数発生用のプログラムによってソフトウェア的に発生させてもよいし、乱数発生用の専用ICを用いてハードウェア的に発生させてもよい。また、特別図柄当否判定乱数メモリ202aは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。そして、この特別図柄当否判定乱数メモリ202aは、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ202aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
S304の処理において、特別図柄の保留数が4に達していると判断されると(S304;YSE)、S306の処理やS307の処理を行わずにS308の処理に移行する。
S308の処理では、左下表示装置50の「特別図柄保留表示部53」で特別図柄の保留数を表示するべく、LEDの駆動信号を出力する(S308)。即ち、特別図柄保留数が4個であれば、2個ランプ装置53a、53bを点滅させ、特別図柄保留数が3個であれば、1個ランプ装置53aを点滅させ、もう1つのランプ装置53bを点灯させる。また、特別図柄保留数が2個であれ2個のランプ装置53a、53bを点灯させ、特別図柄保留数が1個であれば1つの53aを点灯させ、もう1つのランプ装置53bを消灯させる。更に、特別図柄保留数が0個であれば、2個ランプ装置53a、53bを消灯させる。
このようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、条件装置が作動中か否かを判断する(S310)。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置(プログラムであり、ROM203に格納されている。)であり、特別図柄表示部62a〜62gによって、「大当りを示す特別図柄(スタンダード通常大当り、スタンダード確変大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)」が停止表示されると作動を開始する装置である。そして、条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞装置31(大入賞口31a)が連続して開放する遊技状態(所謂、「特別遊技状態」)が開始される。つまり、遊技機の遊技状態が「通常遊技状態(非特別遊技状態)」にあるときには、開放することのない大入賞装置31(大入賞口31a)が、連続して開放する「特別遊技状態」)が開始される。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、S310の処理において、条件装置が作動中と判断されれば(S310;YES)、重ねて特別遊技状態を開始することを避けるため、特別図柄遊技は開始しないと判断する(即ち、S300;YES)。一方、条件装置が作動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄遊技を開始すると判断する(S300;YES)。
図36に示した遊技制御処理のステップS300では、以上のようにして、特別図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、特別図柄遊技を開始すると判断した場合は(S300;YES)、以下に説明する特別図柄遊技処理(S400)を開始する(S320)。
f.特別図柄遊技処理
図41は、特別図柄遊技処理(S400)の流れを示したフローチャートである。この特別図柄遊技処理(S400)を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S404)。つまり、前述の特別図柄表示部62a〜62gにおいて、「ランプ装置の点滅表示を利用した変動表示」を実行中か否かが判断される(S404)。
特別図柄が変動中でない場合は(S404;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる表示時間中であるか否かを判断する(S410)。そして、特別図柄が変動表示されておらず、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している表示時間中でもない場合は(S410;NO)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S500)。ここで、特別図柄保留数は、前述のように、RAM202の所定アドレス(特別図柄保留数メモリ202b)に記憶されており、S500の処理では、このアドレスに記憶されている特別図柄保留数のデータが「0」か否かを判断する。
S500の処理により、特別図柄保留数が「0」でないと判断される場合、換言すれば、特別図柄の保留が残っている場合は(S500;NO)、特別図柄の当否判定処理(S600)を開始する。この特別図柄の当否判定処理(S600)は、図43及び図44に従って以下のように行われる。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S600)は、以下のように行われる。即ち、図43に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ202aから記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、ROM203内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か、つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動モードであるか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図44に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための本図柄であって、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、点灯表示を実行するランプ装置の数によって特定される。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ202e(図45参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。
一方、両者が一致していれば(S660;YES)、当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S664の処理に移行する。このS664の処理は、S660の処理で肯定判断された当選(確変当り)が、「チャンス大当り」であるのか否かを判断する処理である。そして、「チャンス大当り」でない場合(スタンダード確率変動当りである場合)は(S664;NO)、そのままS668の処理に移行する。これに対して、「チャンス大当り」である場合は(S664;YES)、チャンス大当りフラグをセットした後(S666)、S668の処理に移行する。尚、「チャンス大当りフラグ」は、チャンス大当りを生じたことを示すフラグである。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ202iにセットする。尚、本実施例では、S660処理、つまり、「確変(確率変動)」に関する抽選(確変判定)を「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。同様に、大当りの態様(第1の大当りであるか、第2の大当りであるか)を決定するための抽選も、「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この抽選を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この抽選に関する専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図43に示すように、S680で外れ本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ本図柄番号メモリ202fに記憶する(S682)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ202iにセットする。
以上のように、特別図柄の当否判定処理(S600)を行ったら、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S700)。この処理の詳細な説明は省略するが、この処理においては、特別図柄の当否判定処理(S600)において決定した停止図柄に応じて、特別図柄の変動パターンを設定(変動時間を設定する処理等)を実行する。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄の変動パターンを設定すると、演出制御基板220に向かって「変動パターンの指定コマンド(CHP)」を出力した後(S740)、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)を出力し(S744)、右下表示装置60の「特別図柄表示部62a〜62g」において、特別図柄の変動表示(点滅表示)を開始する(S748)。また、特別図柄保留数から1を減算する処理を行う(S752)。尚、特別図柄の変動表示(点滅表示)が開始されると特別図柄の保留数が1つ消化されるので、主制御基板200上のRAM(特別図柄保留数メモリ202b)に記憶されている特別図柄保留数のデータから1を減算しておくのである。
ここで、S740で出力される変動パターン指定コマンド(CHP)は、S700の特別図柄変動パターン設定処理中で設定された変動パターンを指定するコマンドであり、演出制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。また、S744で出力される特別図柄停止情報指定コマンド(CJP)は、特別図柄の停止図柄の態様(スタンダード通常大当り図柄、スタンダード確変大当り図柄、チャンス大当り図柄、通常外れ図柄、リーチ外れ図柄等の停止図柄の態様)を指定するコマンドであり、演出制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。
変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)は、図35(a)に示したように、ストローブ信号とともに演出制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、演出制御基板220に搭載されたCPUの割り込み端子に接続されており、演出制御基板220側のCPUは、ストローブ信号が入力されると直ちにコマンドを受け取って、コマンドの内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が確変図柄等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が確変図柄で停止するのか、更には外れ図柄で停止するのかを知ることができる。
演出制御基板220に搭載されたCPUは、これらの情報に基づいて、中央表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御コマンドを出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、演出制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
主制御基板200のCPU201は、以上のようにして、特別図柄の変動パターンと特別図柄の停止図柄とを決定し、これらに対応する変動パターン指定コマンドと特別図柄停止情報指定コマンドとを出力したら、図41に示した特別図柄遊技処理を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄遊技処理(S400)を開始した直後の「S404の処理」で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S404;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されているものと考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S756)。
即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S756;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S756;YES)、演出制御基板220に向かって、中央表示装置27で変動表示されている疑似図柄の図柄停止コマンド(CZE)を出力すると共に、「特別図柄表示部62a〜62g」において変動表示(点滅表示)している特別図柄を停止表示する(S760)。なお、図柄停止コマンド(CZE)は、演出制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、中央表示装置27上で特別図柄を停止表示させる表示時間を設定した後(S772)、設定した表示時間が経過したか否かを判断する(S776)。
S776の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S776;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S776;YES)、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(図42のS778)。ここで、「条件装置を作動させることとなる図柄」とは、「大当り図柄」のことであって、具体的には、「スタンダード通常大当り図柄」と、「スタンダード確変大当り図柄」と、「チャンス大当り図柄」とを指す。
S778の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる(S780)。ここで、条件装置(プログラムであり、ROM203に格納されている。)とは、前述のように、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。また、役物連続作動装置(プログラムであり、ROM203に格納されている。)とは、一旦閉鎖された大入賞装置31(大入賞口31a)を再び開放させる装置である。詳細には別図を用いて説明するが、こうして条件装置および役物連続作動装置を作動させることにより、特別図柄遊技処理(S400)を抜けて図36の遊技制御処理に復帰すると特別電動役物遊技処理が開始され、特別遊技状態が開始されることになる。尚、主制御基板200のCPU201は、このS780の処理に連動して、「大当り移行表示開始コマンド(CIS)を、演出制御基板220に向かって送信する。この大当り移行表示開始コマンド(CIS)は演出制御基板220から演出表示制御基板222に転送されるもので、これにより、大当り遊技開始を遊技者に報知する演出表示が中央表示装置27にて行われる。
ところで、本実施例の遊技機1では、条件装置及び役物連続作動装置の作動時は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。このため、S780の処理において、条件装置及び役物連続作動装置を作動させたら、現在の遊技状態(条件装置作動開始時の遊技状態)が確変中か否かを判断する(S782)。そして、確変中であれば(S782;YES)、確変機能(確率変動手段)及び時短機能(時短手段)が作動しているので、これら機能(手段)を停止させる(S790)。一方、現在の遊技状態(条件装置作動開始時の遊技状態)が確変中ではなかった場合は(S782;NO)、時短中か否かを確認し(S786)、時短中であった場合は(S786;YES)、時短機能(時短手段)を停止させる(S788)。
また、本実施例では、確変中である場合(S782;YES)や、時短中である場合(S786;YES)には、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)も働いているので、S792の処理で、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)も停止させた後(S792)、図41及び図42に示した特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図36の遊技制御処理に復帰する。一方、S780の処理で条件装置及び役物連続作動装置を作動させたときの遊技状態が確変中でも時短中でもなかった場合は(S786;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、遊技制御処理に復帰する。
S778の処理で否定的な判断がなされると、つまり、「特別図柄表示部62a〜62g」において停止表示される特別図柄が「外れ図柄」の場合(S778;NO)、以下ような処理を行う。
先ず、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S794)。このS794の処理で肯定的な判断がなされる場合(S794;YES)、「遊技機1が現在実行中の確変状態に移行した後に、S778の処理で肯定的な判断を得ることなく、実行された特別図柄の変動回数(累積回数)」が計数(インクリメント)される(S796)。そして、この変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、50回)に到達していない場合は(S798;NO)、確変状態を維持したまま、図41及び図42に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図36の遊技制御処理に復帰する。
一方、この変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、50回)に到達した場合(S798;YES)、主制御基板200のCPU201は、遊技機1の遊技モードを確変モードから時短モードに移行させた後(S800、S802)、図41及び図S21に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図36の遊技制御処理に復帰する。
S794の処理において現在の遊技状態が確変中ではないと判断された場合は(S794;NO)、現在の遊技状態が時短中か否かを判断する(804)。このS804の処理で肯定的な判断がなされる場合(S804;YES)、「遊技機1が現在実行中の時短状態に移行した後に、S778の処理で肯定的な判断を得ることなく、実行された特別図柄の変動回数(累積回数)」が計数(インクリメント)される(S806)。そして、この変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、100回)に到達していない場合は(S808;NO)、時短状態を維持したまま、図41及び図S21に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図36の遊技制御処理に復帰する。
一方、S808の処理で計数される変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、100回)に到達した場合(S808;YES)、主制御基板200のCPU201は、遊技機1の遊技モードを遊技モードから通常モード戻し(S810)、更に、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)を停止させた後、図41及び図42に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図36の遊技制御処理に復帰する。
g.特別電動役物遊技処理
図36に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理(S400)から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S880)。ところで、前述のように、条件装置は役物連続作動装置を作動させることにより、所謂「特別遊技状態」を開始させる装置である。そこで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S900)。一方、条件装置が作動中でなければ(S880;NO)、特別電動役物遊技処理(S900)はスキップする。
図46及び図47は、特別電動役物遊技処理(S900)の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理(S900)が実行されることによって、所謂「特別遊技状態」が発生する。ここで、本明細書の「特別電動役物」とは、大入賞口31dを開放させる装置である。大入賞口31dは他の入賞口に比べて大きく開口するため、大入賞口31dが開放されると、遊技球が高い確率で入球することになる。この開放された大入賞口31dは、前述のように、所定の開放時間が経過するか、或いは、所定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。そして、本明細書の「役物連続作動装置」とは、大入賞口31dを再び開放状態とする装置である。尚、大入賞口31dが開放してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド」と呼ばれる。こうしたラウンドを繰り返して、所定回数のラウンドを消化したら特別遊技状態が終了する。こうした遊技状態は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図46及び図47に示す特別電動役物遊技処理(S900)を行うことで実現されている。以下、図46及び図47を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
CPU201は、特別電動役物遊技処理(S900)を開始すると先ず初めに、大当りフラグ(S668)がセットされているか否か判断する(S904)。この大当りフラグ(S668)がセットされている場合(S904;YES)、これから特別電動役物遊技処理(S900)の「第1ラウンド」を開始する段階であることを示し、大当りフラグ(S668)がセットされいない場合(S904;NO)、これから特別電動役物遊技処理(S900)の「第2ラウンド」以降を開始する段階であることを示す。
S904の処理で否定的な判断がなされる場合(S904;NO)、そのまま、S912の処理に移行するが、S904の処理で肯定的な判断がなされる場合(S904;YES)、大当りフラグ(S668)を解除する処理と、ラウンド回数R(ラウンドカウンタ)に初期値(「1」)をセットする処理を実行した後に、S912の処理に移行する。ここで、ラウンド回数(ラウンドカウンタ)とは、特別電動役物遊技処理(S900)において、現在実行中のラウンド回数を示すものである。そして、本実施例では、スタンダード大当りに係る「特別遊技状態」において、このラウンド回数Rの上限は、N1回(具体的には、15回)とされ、チャンス大当りに係る「特別遊技状態」において、このラウンド回数Rの上限は、N2回(具体的には、2回)とされている。
S912の処理においては、「チャンス大当りフラグ(S664)」がセットされているか否かを判断する。そして、CPU201は、S912の処理を根拠に、第1の特別遊技状態(スタンダード大当りを根拠とする特別遊技状態)を実行するか、第2の特別遊技状態(チャンス大当りを根拠とする特別遊技状態)を実行するかを判断する。
S912の処理において否定的な判断がなされる場合(S912;NO)、第1の特別遊技状態(スタンダード大当りを根拠とする特別遊技状態)が実行される。その際、先ず、大入賞口31dが開放中か否かを判断する(S916)。ここで、大入賞口31dは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、第1の特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっている。このため、第1の特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは開放中ではないと判断され(S916;NO)、特別電動役物の連続作動回数(R)が所定の上限回数(N1)に達したか否か(15回に達したか否か)を判断する(S940)。つまり、前述のように、特別電動役物とは、大入賞口31dを開放させる装置であり、特別遊技状態が発生すると特別電動役物が所定の回数作動して、所定回数のラウンドが繰り返されることになっている。このことに対応して、大入賞口31dが閉鎖されている場合は(S916;NO)、特別電動役物の作動回数(R)が所定回数(N1)に達したか否か、換言すれば、所定回数(N1)のラウンドが終了したか否かを判断するのである(S940)。
但し、第1の特別遊技状態が開始された直後は、特別電動役物の作動回数(R)が所定回数(N1)に達していないから、S940の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S940;NO)。このため、S948の処理に移行して、大入賞口31dの閉鎖時間(t2)が経過したか否かを判断する(S948)。ここで、大入賞口の閉鎖時間(t2)とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口31dが閉鎖状態となっている時間である。そして、第1の特別遊技状態が開始された直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっているから、必然的に、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S948;NO)、大入賞口31dを開放させた後(S952)、図46に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図15の遊技制御処理に復帰する。
尚、CPU201は、このS952の処理に連動して、「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。この「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」は、CPU201が演出制御基板220に対して、第1の特別遊技に係るラウンドの開始を報知するためのコマンドであって、各ラウンドを開始する毎に送信される。なお、ラウンド表示開始コマンド(CRS)は、演出制御基板220から演出表示制御基板222に転送されるもので、これにより、大当り遊技中のラウンド表示が中央表示装置27にて行われる。
一方、S912の処理において肯定的な判断がなされる場合(S912;YES)、第2の特別遊技状態(チャンス大当りを根拠とする特別遊技状態)が実行される。この際にも、前述の「第1の特別遊技状態」と同様な処理が実行される。つまり、先ず、大入賞口31dが開放中か否かを判断する(S970)。この場合も、第2の特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは開放中ではないと判断され(S970;NO)、特別電動役物の連続作動回数(R)が所定の上限回数(N2)に達したか否か(2回に達したか否か)を判断する(S984)。
但し、第2の特別遊技状態が開始された直後は、特別電動役物の作動回数(R)が所定回数(N2)に達していないから、S984の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S984;NO)。このため、S986の処理に移行して、大入賞口31dの閉鎖時間(t2)が経過したか否かを判断する(S986)。そして、第2の特別遊技状態が開始された直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっているから、必然的に、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S986;NO)、大入賞口31dを開放させた後(S988)、図46に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図36の遊技制御処理に復帰する。尚、この際にも、CPU201は、このS988の処理に連動して、「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図36に示す一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。この際、前述のように、図36に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図46及び図47に示す特別電動役物遊技処理(S900)も、約4msec毎に繰り返して実行される。この際、第1の特別遊技の実行中に繰り返される特別電動役物遊技処理(S900)においては、「チャンス大当りフラグ(S664)」がセットされていないため(S912の処理で否定的な判断がなされるため)、図46のS916以降の処理が確実に実行される。一方、第2の特別遊技の実行中に繰り返される特別電動役物遊技処理(S900)においては、「チャンス大当りフラグ(S664)」がセットされいるため(S912の処理で肯定的な判断がなされるため)、図47のS970以降の処理が確実に実行される。
ここで、第1の特別遊技状態の開始後に行われた初めての特別電動役物遊技処理(S900)は、S916の処理において大入賞口31dを開放して、そのまま、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」を終了する。そして、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」の終了後、約4msec後に2周目の特別電動役物遊技処理(S900)を行う場合には、S916にて、大入賞口31dが開放中と判断されることになる(S916;YES)。
この2周目の特別電動役物遊技処理(S900)においては、S916の処理で肯定的な判断がなされた後、大入賞口31dの開放時間が所定時間(t1)に達したか否かを判断する(S920)。そして、前述のように、第1の特別遊技では、大入賞口31dが開放状態となるが、開放時間が所定時間(t1)に達するか、又は、は大入賞口31dに所定数(N1)の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S920では大入賞口31dの開放時間が所定時間(T1)に達したか否かを判断するのである。
そして、開放時間が所定時間(t1)に達していれば(S920;YES)、大入賞口31dを閉鎖した後(S928)、図46に示した特別電動役物遊技処理(S900)を抜けて、図15の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が所定時間(t1)に達していない場合は(920;NO)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数(N1)に達しているか否かを判断する(S924)。そして、遊技球が規定数(N1)に達した場合も(S924;YES)、大入賞口31dを閉鎖する(S928)。これに対して、規定数(N1)に達していない場合は(S924;NO)、大入賞口31dの開放時間が未だ所定時間(t1)に達しておらず、しかも、大入賞口31dに入球した遊技球も規定数(N1)に達していないと考えられるので、大入賞口31dを開放させたまま、図46の特別電動役物遊技処理を抜けて、図36の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「第1の特別遊技状態」である場合、図36の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dの開放時間が所定時間(T1)に達するか(図46のS920;YES)、若しくは、大入賞口31dに所定数(N1)の遊技球が入球して(S924;YES)、大入賞口31dが閉鎖される(S928)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。この際にも、CPU201は、このS928の処理に連動して、「ラウンド表示終了コマンド(CRE)」を演出制御基板220に送信する。ここで、ラウンド表示終了コマンド(CRE)は、演出制御基板220から演出表示制御基板222に転送されるもので、これにより、現在の状態が次ラウンドの遊技開始まで待機状態であることを遊技者に報知するラウンド間演出表示が、中央表示装置27にて行われる。
遊技機1の遊技状態が「第1の特別遊技状態」である場合、次に特別電動役物遊技処理(S900)が実行された時には、S916において大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S916;NO)、当該「第1の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N1)、つまり、「15」に到達したか否かが判断され(S940)、所定回数(N1)に到達していなければ(S940;NO)、大入賞口31dの閉鎖時間が所定時間(t2)に達したことを確認した後(S948;YES)、再び大入賞口31dを開放状態として新たなラウンドを開始する(S952)。尚、この際にも、CPU201は、このS952の処理に連動して、新たに始まるラウンドに係る「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。
一方、S940の処理において、当該「第1の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N1)に到達したと判断される場合(S940;YES)、条件装置及び役物連続作動装置の作動を停止させ、第1の特別遊技状態を終了する(S944)。
続いて、確変当りフラグ(S662)がセットされているか否か(つまり、条件装置が作動して、第1の特別遊技状態が開始されることとなった特別図柄の停止図柄が、確変図柄であったか否か)を判断する(S946)。そして、S946の処理で否定的な判断がなされる場合(S946;NO)、そのまま、特別電動役物遊技処理(S900)を終了し、図36に示す遊技制御処理に復帰する。する。これに対して、S946の処理で肯定的な判断がなされる場合(S946;YES)、確変当りフラグ(S662)を解除した後、確変機能(確変手段)と、普通電動役物開放時間延長機能(開放延長手段)の作動を開始した後(S954、S962)、特別電動役物遊技処理(S900)を終了し、図36に示す遊技制御処理に復帰する。
また、第2の特別遊技状態の開始後に行われた初めての特別電動役物遊技処理(S900)においても、S970の処理において大入賞口31dを開放して、そのまま、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」を終了する。そして、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」の終了後、約4msec後に2周目の特別電動役物遊技処理(S900)を行う場合には、S970にて、大入賞口31dが開放中と判断されることになる(S970;YES)。
この2周目の特別電動役物遊技処理(S900)においては、S970の処理で肯定的な判断がなされた後、大入賞口31dの開放時間が所定時間(v1)に達したか否かを判断する(S972)。そして、前述のように、第2の特別遊技では、大入賞口31dが開放状態となるが、開放時間が所定時間(v1)に達するか、又は、は大入賞口31dに所定数(n1)の遊技球が入球すると閉鎖される。
そして、開放時間が所定時間(t1)に達していれば(S972;YES)、大入賞口31dを閉鎖した後(S978)、図46及び図47に示した特別電動役物遊技処理(S900)を抜けて、図15の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が所定時間(v1)に達していない場合は(972;NO)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数(n1)に達しているか否かを判断する(S974)。そして、遊技球が規定数(n1)に達した場合も(S974;YES)、大入賞口31dを閉鎖する(S978)。これに対して、規定数(n1)に達していない場合は(S974;NO)、大入賞口31dを開放させたまま、図46及び図47の特別電動役物遊技処理を抜けて、図36の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「第2の特別遊技状態」である場合、図36の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dの開放時間が所定時間(v1)に達するか(図47のS972;YES)、若しくは、大入賞口31dに所定数(n1)の遊技球が入球して(S974;YES)、大入賞口31dが閉鎖される(S978)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。この際にも、CPU201は、このS978の処理に連動して、「ラウンド表示終了コマンド(CRE)」を演出制御基板220に送信する。
遊技機1の遊技状態が「第2の特別遊技状態」である場合、次に特別電動役物遊技処理(S900)が実行された時には、S970において大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S970;NO)、当該「第2の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N2)、つまり、「2」に到達したか否かが判断され(S984)、所定回数(N2)に到達していなければ(S984;NO)、大入賞口31dの閉鎖時間が所定時間(v2)に達したことを確認した後(S986;YES)、再び大入賞口31dを開放状態として新たなラウンドを開始する(S988)。尚、この際にも、CPU201は、このS988の処理に連動して、新たに始まるラウンドに係る「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。
一方、S984の処理において、当該「第2の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N2)に到達したと判断される場合(S984;YES)、条件装置及び役物連続作動装置の作動を停止させ、第2の特別遊技状態を終了する(S990)。続いて、チャンス大当りフラグ(S666)を解除した後、確変機能(確変手段)と、普通電動役物開放時間延長機能(開放延長手段)の作動を開始した後(S994、S998)、特別電動役物遊技処理(S900)を終了し、図36に示す遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1の遊技を進行させることが可能となっている。
(6)演出制御部220Aにおける主要な処理
以下、演出制御部220A(演出制御部220Aを構成する演出制御基板220のCPU)が、「演出動作制御手段」として行う主要な処理の概要について説明する。ここで、演出制御部220Aは、特別図柄表示部62a〜62gにおける変動表示(点灯表示)と、確定表示とに連動して、「図柄変動関連処理」を実行する。そして、特別図柄表示部62a〜62gに、「大当り表示」がなされることに連動して、「特別遊技関連演出処理」を実行する。以下、これらの処理の概要について説明する。
a.図柄変動関連処理
図柄変動関連処理は、図48に示すように、演出制御部220A(演出制御基板220)が、変動パターン指定コマンドを受信すると(S1005;YES)、開始される。つまり、演出制御部220A(演出制御基板220)が、変動パターン指定コマンドを受信すると(S1005;YES)、演出制御部220A(演出制御基板220)は受信した変動パターン指定コマンド(CHP)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送し、中央表示装置27において、疑似図柄と、背景図柄の変動表示を開始させる(S1010)。このとき、演出制御部220A(演出制御基板220)においては、疑似図柄の変動時間を管理するための「変動時間タイマT1」がセットされる(S1010)。尚、演出制御部220A(演出制御基板220)は、特別図柄の変動開始に合わせて、「スピーカSPから所定の効果音」が出力されように、「スピーカSP」の駆動を制御する。
そして、演出制御部220A(演出制御基板220)が、「情報指定コマンド」を受信すると(S1020;YES)、「変動中演出制御処理」を行われる(S1100)。この変動中演出制御処理(S1100)においては、図49に示すうように、先ず、受信した「情報指定コマンド」に基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行された当否判定の結果が、スタンダード大当りであると判断される場合(S1102;NO、S1106;YES)、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、リーチ表示の態様等)」として、「スタンダード大当り用の表示態様」を選択した後(S1120)、「大当り演出フラグ」を「セット」する(S1124)。この「大当り演出フラグ」は、「可動演出装置70を用いて大当り報知演出を実行すること」を示すフラグである。
この後、スタンダード大当りの種類を判断し(S1128)、「スタンダード通常大当り」である場合(S1128;NO)、そのまま、S1136の処理に移行する。一方、「スタンダード確変大当り」である場合(S1128;YES)、「確変演出フラグ」を「セット」した後(S1132)、S1136の処理に移行する。この「確変演出フラグ」は、「可動演出装置70を用いて確変報知演出を実行すること」を示す「フラグ」である。
S1136の処理においては、「リーチ予告」を実行するか否かを判断し、実行しない場合には(S1136;NO)、リーチタイマーT3をリーチ時にセットする(S1148)。この後、リーチタイマーT3が終了するのを待って(S1154;YES)、そのまま(リーチ予告を行わずに)、リーチ表示を実行し(S1154)、S1158の処理に移行する。
S1136の処理において、「リーチ予告」を実行すると判断した場合には(S1136;YES)、リーチタイマーT3をリーチ時にセットすると共に、予告演出タイマーT2をリーチ前にセットする(S1140)。この後、先ず、予告演出タイマーT2が終了するのを待って(S1144;YES)、可動演出装置70を用いた「リーチ予告動作」を実行し(S1146)、続いて、リーチタイマーT3が終了するのを待って(S1150;YES)リーチ表示を実行し(S1154)、更に、S1158の処理に移行する。
ここで、S1146の処理の「リーチ予告動作」は、以下のように行われる。つまり、演出制御部220Aは、所定の期間(リーチ予告を実行する期間)に渡って、(a)ソレノイドコイル73cへの通電と通電の停止とが交互に繰り返されると共に、(b)照明部材78によって「第1の発光状態」と「第2の発光状態」とが交互に繰り返されるように、可動演出装置70の動作を制御する。このため、「リーチ予告動作」の際には、蓋状部材72が振動(支持軸72cを支点に上下に回動)すると共に、被収容部材84が照明部材78から照射される光を乱反射させる。そして、遊技者は、蓋状部材72が振動して箱状部材82の内部が見え隠れする際に、乱反射する被収容部材84を視認し、遊技上の興趣が高められることになる。
S1158の処理においては、「大当り予告演出」を実行するか否かが判断され、実行しないと判断される場合(S1158;NO)、そのまま(大当り予告を実行せずに)、変動中演出制御処理(S1100)を終了し、図48の「図柄変動関連処理」に復帰する。
一方、S1158の処理において、「大当り予告演出」を実行すると判断する場合(S1158;YES)、「大当り用のデータテーブル」を用いて、「大当り予告」の「演出態様」を抽選で決定した後(S1162)、当該「抽選で決定した演出態様」に従って、「大当り予告演出」する(S1166)。この後、変動中演出制御処理(S1100)を終了し、図48の「図柄変動関連処理」に復帰する。
本実施例では、S1166の「大当り予告演出」や、後述するS1210の「ガセ予告演出」を、以下のように行う。つまり、箱状部材82において、化粧板82の背後に配置されたランプ装置82gを、その都度(予告演出を実行する毎に)、抽選(S1162の抽選や、後述するS1206の抽選)で選択された発光色で発光させる。これにより、(a)遊技者から観察する化粧板82hの色に変化を与えたり、(b)遊技者に対して、あたかも、化粧板82h自体が発光しているような印象を与えることによって、この予告演出が行われる。
但し、本実施例では、ランプ装置82gが「フルカラーLED」を用いて構成されるため、演出制御部220AがPWM制御を行うことで、図51に示すように、ランプ装置82gの発光色を種々選択することができる。そして、図表に示すように、「大当り予告の演出態様」を抽選・選択するために使用される「大当り用のデータテーブル」と、「ガセ予告の演出態様」を抽選・選択するために使用される「外れ用のデータテーブル」とでは「データ」の内容が異なっている。
つまり、「S1162の処理で抽選・選択された演出態様」に従って実行される「大当り予告演出」では、ランプ装置82gが「赤色」や「黄色」で発光する可能性が高く、「紫色」や「白色」で発光する可能性はない。これに対して、「S1206の処理で抽選・選択された演出態様」に従って実行される「ガセ予告演出」では、ランプ装置82gが「紫色」や「白色」で発光する可能性が高いと共に、「黄色」で発光する可能性は低く、「赤色」で発光する可能性はない。このため、本実施例では、ランプ装置82gの発光色を用いて、「大当り予告」の信頼度を示すことができる。
例えば、ランプ装置82gの発光色が「赤色」であれば、「予告の信頼度」は「100%」となり、「黄色」であれば、「80%」となる。一方、「緑色」、「水色」であれば、「予告の信頼度」は「50%」となり、「紫色」若しくは「白色」であれば、「予告の信頼度」は「ゼロ%(所謂、100%ガセ)」となる。つまり、本実施例では、「フルカラーLED」を用いたランプ装置82gと、その発光動作を制御する演出制御部220Aとを備える簡単な構成と、発光色を「6色」で変化させる簡単な制御とを用いて、「きめの細かい予告演出」を実行することができる。
S1020の処理において受信した「情報指定コマンド」に基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行された当否判定の結果が、「外れ」であると判断される場合(S1102;NO、S1106;NO)、S1005の処理で受信した「変動パターン指定コマンド」の内容を解析し、この「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動パターンが、「外れリーチ演出」を行うためのものであるか否かを判断する(S1174)。
S1174において否定的な判断がなされる場合(S1174;NO)、変動中演出制御処理(S1100)を終了し、図48の「図柄変動関連処理」に復帰する。一方、S1174において肯定的な判断がなされる場合(S1174;YES)、「リーチ予告に関連する処理」を、前述の「スタンダード大当りにおけるリーチ予告に関連する処理」と同様に行った後、ガセ予告に関する処理を実行する。
つまり、「リーチ予告」を実行しない場合には(S1178;NO)、リーチタイマーT3をリーチ時にセットした後(S1192)、リーチタイマーT3が終了するのを待って(S1194;YES)、リーチ表示を実行し(S1198)、S1202の処理に移行する。一方、「リーチ予告」を実行する場合(S1178;YES)、リーチタイマーT3をリーチ時にセットすると共に、予告演出タイマーT2をリーチ前にセットした後(S1182)、予告演出タイマーT2が終了するのを待って(S1186;YES)、可動演出装置70を用いた「リーチ予告動作」を実行し(S1190)、続いて、リーチタイマーT3が終了するのを待って(S1194;YES)リーチ表示を実行し(S1198)、更に、S1202の処理に移行する。
S1202の処理においては、「ガセ予告演出(偽りの大当り予告を行うため演出)」を実行するか否かが判断され、実行しないと判断される場合(S1202;NO)、そのまま(ガセ予告を実行せずに)、変動中演出制御処理(S1100)を終了し、図48の「特別遊技関連演出処理」に復帰する。一方、S1202の処理において、「ガセ予告演出」を実行すると判断する場合(S1202;YES)、「外れ用のデータテーブル」を用いて、「ガセ予告」の「演出態様」を抽選で決定した後(S1206)、当該「抽選で決定した演出態様」に従って、「ガセ予告演出」する(S1210)。この後、変動中演出制御処理(S1100)を終了し、図48の「図柄変動関連処理」に復帰する。
S1020の処理において受信した「情報指定コマンド」に基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行された当否判定の結果が、「チャンス大当り」であると判断される場合(S1102;YES)、図50に示すように、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、リーチ表示の態様等)」として、「チャンス大当り用の表示態様」を選択した後(S1220)、「チャンス大当り演出フラグ」を「セット」する(S1224)。
この後、リーチタイマーT3をリーチ時にセットした後(S1228)、リーチタイマーT3が終了するのを待って(S1132;YES)、リーチ表示を実行する(S1236)。そして、変動中演出制御処理(S1100)を終了し、図48の「図柄変動関連処理」に復帰する。
変動中演出制御処理(S1100)を経て、「図柄変動関連処理」に復帰した後、演出制御部220A(演出制御基板220)が、図柄停止コマンドを受信すると(S1700;YES)、この図柄停止コマンドが演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送され、疑似図柄と、背景図柄の変動が停止する(S1710)。このとき、「変動時間タイマT1」も終了する(S1710)。
このS1710の処理の際、「大当り演出フラグ(S1124)」がセットされているか否かが判断される(S1720)。つまり、変動を停止した特別図柄(疑似図柄等)が、「スランタード大当り」に係るものであるか否かが判断される(S1720)。そして、S1720の処理において否定的な判断がされる場合には(S1720;NO)、そのまま、図柄変動関連処理を終了する。一方、S1720の処理において肯定的な判断がされる場合(S1720;YES)、「大当り報知演出」を実行した後(S1722、S1724)、「大当り演出フラグ(S1124)」を解除し(S1726)、更に、可動演出装置を初期状態に戻した後(S1728、S1730)、図柄変動関連処理を終了する。
ここで、「大当り報知演出」は、以下のように行われる。つまり、演出制御部220Aは、報知期間(大当り報知を実行する期間)に渡って、(a)モータ83が左回転動作を実行し、(b)照明部材78によって「第1の発光状態」と「第2の発光状態」とが交互に繰り返されるように、可動演出装置70の動作を制御する。即ち、先ず、モータ83に左回転動作を行わせ、箱状部材82の姿勢を基本姿勢から前傾姿勢へ姿勢変更する(S1722)。
換言すると、報知期間の間、蓋状部材72による封止を解除し、開放状態となるように箱状部材82の姿勢を変更する(S1722)。また、この姿勢変更に連動して(報知期間の間)、「第1組のランプ装置78b、78d」を点灯させ、「第2組のランプ装置78c、78e」を消灯させる状態(第1の発光状態)と、「第1組のランプ装置78b、78d」を消灯させ、「第2組のランプ装置78c、78e」を点灯させる状態(第2の発光状態)と、を交互に繰り返す(S1724)。
これにより、箱状部材82の上面部は、「前方に向かって上がり傾斜となる方向」を指向するため、遊技者にとっては、箱状部材82の内部(つまり、収容空間部82a)を視認し易くなる。この際、被収容部材84が照明部材78から照射される光を乱反射させるが、この照明部材78が「第1の発光状態」と「第2の発光状態」とが交互に繰り返するため、被収容部材84において、強く「乱反射する部位」が、交互に変化する。つまり、箱状部材82の姿勢を前傾姿勢に姿勢変更することで、箱状部材82の内部(収容空間部82a)が遊技者側に十分に露呈すると共に、この姿勢変更に連動させて、効果的な「発光演出」を実行するため、より遊技上の興趣を高められる演出を行うことができる。
この「大当り報知演出」を終了すると、「大当り演出フラグ(S1124)」を解除した後(S1726)、照明部材78の発光(点灯)を終了する処理(S1728)と、モータ83の右回転動作を行って、箱状部材82の姿勢を前傾姿勢から基本姿勢に戻す処理(S1730)とを実行する。
b.特別遊技関連演出処理
特別遊技関連演出処理は、本遊技機1の遊技状態が特別遊技状態に移行すると、実行される。つまり、この特別遊技関連演出処理は、図52〜図54に示すように、演出制御部220A(演出制御基板220)が、移行表示開始コマンド(CIS)を受信すると(S1740;YES)、開始される。つまり、演出制御部220A(演出制御基板220)は、この移行表示開始コマンド(CIS)を受信すると(S1740;YES)、このコマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送し、中央表示装置(液晶表示装置)27の表示画面27a等において、「移行表示(遊技機1の遊技状態が特別遊技状態に移行する旨の表示」を開始させる(S1745)。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、「移行表示終了コマンド(CIE)」を受信すると(S1750;YES)、このコマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送し、移行表示を終了させる(S1755)。
この後、演出制御部220A(演出制御基板220)は、1ラウンド表示開始コマンド(CRSの一態様)を受信すると(S1760;YES)、このコマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送し、中央表示装置(液晶表示装置)27の表示画面27a等において、「1ランド表示(特別遊技の第1ラウンドを実行中であることを示すための表示」を開始させる(S1765)。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、1ラウンド表示終了コマンドを受信すると(S1770;YES)、このコマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送し、1ラウンド表示を終了させる(S1775)。
そして、第1の特別遊技状態においては、同様な処理が、2ラウンドから15ラウンドまで繰り返された後(S1780、S1785、S1790、S1795・・・S1810、S1815、S1820、S1825、S1840、S1845、S1900、S1910)、S1920の処理に移行する。また、第2の特別遊技状態においては、同様な処理が、2ラウンドまで行われた後(S1780、S1785、S1790、S1795・・・)、S1920の処理に移行する。但し、スタンダード確変大当りに係る「第1の特別遊技状態」や、第2の特別遊技状態を実行する場合には、特別遊技の実行中に、「可動演出装置70を用いて確変報知演出」が実行される。
つまり、演出制御部220A(演出制御基板220)は、2ラウンド表示終了コマンドを受信し(S1770;YES)、2ラウンド表示を終了させた後(S1775)に、「チャンス大当り演出フラグ(S1224)」がセットされているか否かを判断する(S1798)。そして、S1798において否定的な判断がなされる場合(S1798;NO)、現在実行中の特別遊技が、「第1の特別遊技」であるため、後続する「3ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を受信するまで待機する。一方、S1798において肯定的な判断がなされる場合(S1798;YES)、現在実行中の特別遊技が、「第2の特別遊技」であるため、「可動演出装置70を用いた確変報知演出」を実行した後(S1802、S1806)、S1920の処理に移行する。
この「確変報知演出」は、前述の「大当り報知演出」と同様な態様で行われる。即ち、演出制御部220Aは、報知期間(確変報知を実行する期間)に渡って、(a)モータ83の左回転動作を実行させ、箱状部材82の姿勢を前傾姿勢に変更させる(S1802)と共に、(b)照明部材78によって「第1の発光状態」と「第2の発光状態」とが交互に繰り返される(S1806)ように、可動演出装置70の動作を制御する。これにより、箱状部材82の内部(収容空間部82a)が遊技者側に十分に露呈すると共に、この姿勢変更に連動させて、効果的な「発光演出」を実行するため、遊技者は、当該特別遊技(第2の特別遊技)の終了後に、本遊技機1の遊技モードが確率変動モードに移行することを明確に認識することができる。
一方、実行中の特別遊技が「第1の特別遊技」である場合(チャンス大当り演出フラグがセットされていない場合)、演出制御部220A(演出制御基板220)は、14ラウンド表示開始コマンドを受信し(S1810;YES)、このコマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送して14ラウンド表示を開始させた後(S1815)に、「確変演出フラグ(S1132)」がセットされているか否かを判断する(S1816)。つまり、現在進行中の「第1の特別遊技」が、「スタンダード通常大当り」に関するものであるのか、「スタンダード確変大当り」に関するものであるのか、を判断する(S1816)。
このS1816の処理において否定的な判断がなされる場合(S1816;NO)、つまり、現在進行中の「第1の特別遊技」が、「スタンダード通常大当り」に関するものである場合は、そのまま、S1820以降の処理に移行する。一方、S1816の処理において肯定的な判断がなされる場合(S1816;YES)、つまり、現在進行中の「第1の特別遊技」が、「スタンダード確変大当り」に関するものである場合は、「可動演出装置70を用いた確変報知演出」を実行した後(S1817、S1818)、S1820以降の処理に移行する。尚、この「確変報知演出」も、前述の「大当り報知演出」と同様な態様で行われる。
この特別遊技関連演出処理では、「第1の特別遊技」において「15ラウンド表示」を終了した後(S1910)、若しくは、「第2の特別遊技」において「確変報知演出」を終了した後(S1802、S1806)に、以下のような処理を行う。つまり、「大当り表示終了コマンド(COE)」を受信するまで待機し(S1920)、この「大当り表示終了コマンド(COE)」を受信すると(S1920;YES)、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に「大当り表示終了コマンド(COE)」を転送し、「大当り終了表示(まもなく、特別遊技が終了する旨を示す表示)」を実行する(S1930)。
この後、「確変演出フラグ(S1132)」、若しくは、「チャンス大当り演出フラグ(S1224)」がセットされているか否かを判断する(S1940)。換言すると、現在、可動演出装置70を用いた確変報知演出を実行中であるか否かを判断する(S1940)。そして、S1940の処理において否定的な判断がなされる場合は(S1940;NO)、そのまま、特別遊技関連演出処理を終了するが、S1940の処理において肯定的な判断がなされる場合は(S1940;YES)、可動演出装置70を初期状態に戻す処理等を行った後(S1941、S1945、S1948)、特別遊技関連演出処理を終了する。つまり、S1940の処理において肯定的な判断がなされる場合は(S1940;YES)、セットされているフラグ(確変演出フラグ、若しくは、チャンス大当り演出フラグ)を解除する処理(S1940)と、照明部材78の発光(点灯)を終了する処理(S1945)と、モータ83の右回転動作を行って、箱状部材82の姿勢を前傾姿勢から基本姿勢に戻す処理(S1948)と、を実行した後、特別遊技関連演出処理を終了する。
(7)実施例の効果
実施例の遊技機1では、箱状部材82が基本姿勢にあるときに、収容空間部72aが蓋状部材82によって封止される。そして、箱状部材82が傾動して収容空間部72aが遊技者側に露呈される際に、照明部材78の光が被収容部材74によって乱反射される。つまり、光の乱反射によって、被収容部材74自体を輝かせるといったリアリティのある演出を実現することができる。しかも、光の乱反射を用いた演出を、可動演出装置70の動きに連動させて行うため、「視覚的な効果の高い演出」を行うことができる。更に、本遊技機1によると、箱状部材82を動作させて箱体の開閉を行うという、遊技者にとって、斬新で、意外性に富んだ演出を実現できる。
また、本実施例によると、蓋状部材72が動作して、収容空間部72内が見え隠れする際にも、照明部材78の光が被収容部材74によって乱反射される。つまり、箱状部材82の傾動のみならず、蓋状部材72の動作にも連動して、「リアリティがあると共に視覚的な効果の高い演出」が実現される。従って、より効果的な演出を実行できる。
更に、本実施例では、所謂「逆カム構造」の伝達手段85を用いることで、可動演出部材70の駆動源(モータ83、ソレノイド73)を、「蓋状部材72及び箱状部材82」の背後に配置することを可能とする。つまり、この構造を採用することにより、駆動源(モータ83、ソレノイド73)を「蓋状部材72及び箱状部材82」の背後へ設置することができるので、駆動構造を小さくすることができる。このため、遊技盤10の限られた空きスペースを有効に利用することができる。つまり、蓋状部材72及び箱状部材82の側方(横方向)に駆動源(モータ83、ソレノイド73)を配置することが必要とならないため、この側方(横方向)に、例えば、「LED基板」等の部品を配置する等、「遊技盤10の空きスペース」の有効利用を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
つまり、本実施例では、箱状部材82を傾動可能としたが、本実施例と異なり、蓋状部材72を傾動可能としたり、箱状部材82及び蓋状部材72を傾動可能としてもよい。また、箱状部材82を振動可能したり、箱状部材82及び蓋状部材72をを振動可能とすることもできる。