以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図4を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。このうち、外枠2は、図3に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。
この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、を備えている。このうち、外枠本体21は、上下に一対の水平板21aと、左右に一対の立設板21bと、を備えている(図1を参照)。そして、両水平板21aは、上下に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、左右方向に長尺とされている。また、両立設板21bは、左右に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、上下方向に長尺とされている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠(ガラス扉枠)4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図30を参照)等を主要部としている。
本体枠3は、図3に示すように、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。この施錠装置7は、本体枠3を外枠2に施錠したり、前面枠4や上皿部材5を本体枠3に施錠するために用いられる。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Aを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。この突出部3cは、枠本体部3bの裏面部のうちで、枠本体部3bの周縁部よりも内側であって、窓部3Aよりも外側の部位から突出している。そして、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの裏面部のうちの窓部3Aに周辺に位置すると共に壁面部3dよりも内側に位置する部位(以下、「窓部周辺部」という。)3eとが、略直交する状態とされる。
また、突出部3cの突端面であって、窓部3Aの左方側の上下と、窓部3Aの右方側の上下には、保持具3fが装着されている。この保持具3fは、突出部3cの突端面に回動可能な状態で装着され、その回動軸心回りに回動すると、その突端部3i側を窓部周辺部3eの後方に配置させる保持状態(図3を参照)と、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方から退避させる解除状態と、を実現することができる。そして、保持具3fを解除状態としつつ、遊技盤10を前面部を前方に向けつつ、突出部3cに嵌合すると共に、遊技盤10の前面部の周縁側を窓部周辺部3eに当接させる。この後、保持具3fを保持状態とし、この保持状態とされた保持具3fを、遊技盤10の後面部に当接させ、遊技盤10が本体枠3により保持された状態となっている。
このように、本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Aによって、本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図20参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。尚、図示を省略するが、遊技盤10の本体枠3に対する位置決めは、遊技盤10及び本体枠3のうちの一方に設けられた突部を、他方に設けられた嵌合部(孔や凹部)に嵌合して行うことができる。また、裏機構盤102の詳細に関しては後述する。
前面枠4は、表扉部材の具体例を構成するものであり、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、その中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは、前面枠4の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられている。そして、この視認窓41aは、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤(図を参照)10の盤面(遊技領域11)を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この視認窓41aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図4参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
前面枠4は、図5〜図7に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させる(取り付ける)ための保持具44と、を備えている。また、枠本体41は、図7〜図10に示すように、ベース部材700と、前カバー部材710と、不正防止板720と、インナー部材730と、6枚の取付基板740と、取付基板740と同数の反射シート(光反射シート)750」と、複数個の「第1のLED760」と、複数個の「第2のLED770」と、複数個の「第3のLED780」と、を備えている。
ベース部材700は、図11(a)に示すように、前面枠4と同様な外縁形状(正面から観察した外縁形状)を備える枠状体を用いて構成され、内側に略円形の貫通孔701を備えている。この貫通孔701は、ベース部材700の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられ、視認窓41aの後端側の部分を構成するものである。また、ベース部材700の上端側の左右には、後述するスピーカーSP3、SP4を取り付けるための取付孔702が設けられている。尚、図11(a)では、ベース部材700に取付基板740を併記した図示し、図11(b)では、ベース部材700に取付基板740及び反射シート750を併記したものを図示している。
前カバー部材710は、図12に示すように、前面枠4と同様な外縁形状(正面から観察した外縁形状)を備え、ベース部材700の前面部側に装着され、前面枠4の前面部側の部分等を構成する。この前カバー部材710は、前カバー本体711と、この前カバー部材710をベース部材700に取り付けるための取付具(図示を省略)とを備えている。
前カバー本体711は、透明な樹脂(透光性を備える樹脂)を用いて構成される一体成形品であり、図7〜図13に示すように、前壁部712と、外周壁部713と、内周壁部714と、を備える。このうち、前壁部712は、前面枠4と同様な外縁形状(正面から観察した外縁形状)を備える枠状体を用いて構成され、内側に略円形の貫通孔712aを備えている。この貫通孔712aは、前壁部712の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられ、視認窓41aの前端側の部分を構成するものである。また、前カバー本体711の上端側の左右には、後述するスピーカーSP3、SP4から発音される音を通過させるための通過孔712cが設けられている。尚、前カバー本体711は、無色透明に構成されてもよいし、有色透明に構成されてもよい。
図7に示すように、前壁部712の後面部には、多数の略棒状の凸レンズ部712bが形成されている。この凸レンズ部712bは略半円柱形状とされつつ、軸心を上下に向けている。つまり、この凸レンズ部712bは、略「シリンドリカルレンズ状」に構成され、略半円柱状となりつつ、ベース部材700の方向に突出する状態とされている。
外周壁部713は、前壁部712の外縁部から後方に突出する状態に設けられ、内周壁部714は、前壁部712の内縁部(つまり、貫通孔712aが形成された部位)から後方に突出する状態に設けられている。この内周壁部714は、略円筒形状とされつつ、「ベース部材700の貫通孔701」、「前壁部712貫通孔712a」等と一体となり、視認窓41aを構成する。また、図14に示すように、外周壁部713の内側面(内周壁部714と対向する面)と、内周壁部714の内側面(外周壁部713と対向する面)には、断面形状が「三角波状」の凹凸部713a、714bが設けられている。これらの凹凸部713a、714bは、「乱反射処理部」の具体例を構成している。
不正防止板720は、金属板を用いて構成され、図6及び図7に示すように、ベース部材700の後面部に装着される。この不正防止板720も、前面枠4と同様な外縁形状(正面から観察した外縁形状)を備える枠状体とされている。そして、この不正防止板720の内側にも、略円形の貫通孔721が設けられている。また、貫通孔721の内径は、ベース部材700の貫通孔701の内径よりも、一回り、大きくされている。更に、不正防止板720の後面部であって、貫通孔721の周縁部(不正防止板720の内縁部)に近接する部位には、保持具44が装着されている。
この保持具44は、前述の保持具3fと同様な構成を備えており、ベース部材700の後面部に軸心を略直交させた軸部材44gと、この軸部材44gによって支持された保持具本体44hとを備えている。この保持具本体44hは、軸部材44gの軸心回りに回転可能な状態とされ、その突端部44i側を、貫通孔721の後方に出没させることができる。つまり、保持具本体44hは、軸部材44gの軸心回りに回転することで、突端部44i側を貫通孔721の後方に配置させる保持状態と、突端部44i側を貫通孔721後方から退避させる解除状態と、を実現することができる。
本実施例では、図7に示すように、外周壁部713の後端部とベース部材700の外縁部と位置合わせし、内周壁部714の後端部とベース部材700の内縁部(貫通孔701)とを位置合わせしつつ、前カバー部材710が、ベース部材700の前面部側に装着される。これにより、前壁部712と、ベース部材700の前面部との間には、空間部(以下、「配置用空間部」という。)715が形成され、この配置用空間部715内に、後述するインナー部材730と、取付基板740と、取付基板740と同一枚数の反射シート750と、複数個の「第1のLED760」と、複数個の「第2のLED770」と、複数個の「第3のLED780」と、が配置される。
また、不正防止板720の貫通孔721を、ベース部材700の貫通孔701に位置合わせしつつ、不正防止板720がベース部材700の後面部に装着される。このとき、貫通孔721の内径が、貫通孔701の内径よりも大きくされているため、ベース部材700の後面部において、貫通孔701の周縁側に位置する部位708が、略リング形状となりつつ後方に露呈する(図6を参照)。そして、保持具3fを解除状態としつつ、ガラス板43の前面部の周縁側の部位を、この略リング形状に露呈する部位708に当接させる。この後、保持具3fを保持状態とすると、保持具本体44hが、ガラス板43の後面部の周縁側の部位に当接し、ガラス板43が、保持具本体44h及び部位708によって挟持される。これにより、ガラス板43は、前面枠4に保持された状態となる。
6枚の取付基板740は、第1のLED760と、第2のLED770と、第3のLED780とを搭載するためのプリント配線基板である。これの取付基板740は、ベース部材700の前面部において、貫通孔701を周回状に略包囲する状態に配置されている{図11(a)を参照}。また、これらの取付基板740は、その前面部を前方に向けた状態に配置されている。
反射シート750は、図11(b)に示すように、各取付基板740の前面部に貼付されている。この反射シート750の前面部によって、「光反射面部」の具体例が構成される。そして、この反射シート750の前面部は、前方を指向する状態とされている。
第1のLED760、第2のLED770、及び、第3のLED780は、図8に示すように、何れも、通電に伴って発光するLEDチップ(図示を省略)と、このLEDチップを封止すると共に透光性を備えるモールド部材(透光性を備える樹脂等)Mと、を備えている。これらのLED(LEDランプ)760、770、780を構成するモールド部材Mは、何れも、略弾丸形状とされている。そして、これらのLED(LEDランプ)760、770、780から出射される光の光度は、モールド部材Mの先端部M1が指向する方向に高くなっている。換言すると、これらのLED(LEDランプ)760、770、780を、「モールド部材Mの先端部M1」と対向する方向から観察すると、その輝度が、最も、高くなるようにされている。
尚、本実施例では、第1のLED760として、単色のLED(例えば、白色に発光するLEDチップ等、単一のLEDチップのみを備えるLEDであって、以下、「単色LED」という。)を用い、第2のLED770及び第3のLED780として、所謂「フルカラーLED(例えば、赤色に発光するLEDチップ、緑色に発光するLEDチップ、及、青色のに発光するLEDチップを備えるLEDランプ)」を使用している。そして、本実施例では、第2のLED770及び第3のLED780の発光色を、後述する「演出制御部220A」によって制御(PWM制御)しつつ、予告(大当り予告、ガセ予告)演出等の特別な演出を実行することとしている。但し、本実施例と異なり、第1のLED760をフルカラーLEDとしたり、第2のLED770及び第3のLED780を単色LEDとしてもよい。また、全LED760、770、780を単色LEDとしたり、若しくは、フルカラーLEDしてもよい。更に、複数個の「第1のLED760」において、単色LEDとフルカラーLEDとを混在させてもよいし、複数個の「第2のLED770」や、複数個の「第3のLED780」において、単色LEDとフルカラーLEDとを混在させてもよい。
第1のLED760は、「主光源部」の具体例を構成するものであり、図8に示すように、モールド部材Mの先端部M1を前方に向けた状態で、各取付基板740に装着されている。つまり、この第1のLED760は、前方を指向する状態で配置されている。そして、この第1のLED760においては、そのモールド部材Mの後端部を反射シート750の前面部に当接させている。
第2のLED770及び第3のLED780は、「副光源部」の具体例を構成するものである。このうち、第2のLED770は、図9(b)に示すように、モールド部材Mの先端部M1を上方に向けた状態で、各取付基板740に装着されている。つまり、この第2のLED770は、上方を指向する状態で配置されている。また、第3のLED780は、図9(a)に示すように、モールド部材Mの先端部M1を下方に向けた状態で、各取付基板740に装着されている。つまり、この第3のLED780は、下方を指向する状態で配置されている。そして、第2のLED770及び第3のLED780は、それらの「モールド部材Mの側面部」を、反射シート750の前面部の前方に離間させた状態で配置されている。
インナー部材730は、透明な樹脂を用いて作製された一体成形品であり、図7〜図10に示すように、前カバー部材710の後方であって、ベース部材700の前面部側に装着される。このインナー部材730も、図15に示すように、前面枠4と同様な外縁形状(正面から観察した外縁形状)を備える枠状体とされている。そして、このインナー部材730の内側にも、略円形の貫通孔731が設けられている。
インナー部材730の外径(外縁部の外径)は、前カバー本体711の外周壁部713の内径よりも小さくされ、インナー部材730の内径(内縁部の内径)が、前カバー本体711の内周壁部714の内径よりも大きくされている。このため、このインナー部材730は、前カバー本体711における「外周壁部713及び内周壁部714で囲まれた空間部」内に挿入可能とされている。
このインナー部材730は、図16(a)に示すように、前面部及び後面部を貫通する状態に、多数の挿通孔731、732、733を備えている。これらの挿通孔731、732、733によって「挿入部」の具体例が構成されている。そして、このインナー部材730は、これらの挿通孔731、732、733に対して第1のLED760、第2のLED770、及び、第3のLED780を挿通させ、後面部を反射シート750の前面部に当接させつつ、配置用空間部715内に配置される。
より具体的には、インナー部材730において、各第1のLED760と位置合わせされる個所には、第1の挿通孔731が設けられ、各第2のLED770と位置合わせされる個所には、第2の挿通孔732が設けられると共に、各第3のLED770と位置合わせされる個所には、第3の挿通孔733が設けられている。そして、インナー部材730を配置用空間部715内に配置し、インナー部材730の後面部を反射シート750の前面部に当接させる際に、各第1のLED760が、対応する第1の挿通孔731に挿通され、各第2のLED770が、対応する第2の挿通孔732に挿通されると共に、各第3のLED780が、対応する第3の挿通孔733に挿通される(図8及び図9参照)。
インナー部材730には、図15に示すように、軸心を上下に向けた導光部735A、735Bが、多数設けられている。但し、このインナー部材730に設けられる導光部735A、735Bには、軸心長が長いもの(以下、「第1の導光部735A」という。)と、軸心長が短いもの(以下、「第2の導光部735B」という。)と、が存在する。尚、「第1の導光部735A」は、「インナー部材730において貫通孔731の左右に位置する部位」に多数、設けられ、「第2の導光部735B」は、「インナー部材730において貫通孔731の下方に位置する部位」に多数、設けられている。
図8に示すように、第1の導光部735Aは、第3の挿通孔733及び第2の挿通孔732によって上下を挟まれた状態とされている。この第1の導光部735Aにおいて、第3の挿通孔733と連続する上端部が、「上方を指向する光入射部735b」、つまり、「面法線の方向が上方を向いた光入射部735b」とされている。また、第2の挿通孔732と連続する下端部が、「下方を指向する光入射部735a」、つまり、「面法線の方向が下方を向いた光入射部735a」とされている。
第2の導光部735Bの中には、図9(a)に示すように、第3の挿通孔733の直下に設けられ、第2の挿通孔732と連続しないもの(以下、「前者」という。)と、図9(b)に示すように、第2の挿通孔732の真上に設けられ、第3の挿通孔733と連続しないもの(以下、「後者」という。)とが、存在する。そして、「前者」においては、第3の挿通孔733と連続する第2の導光部735Bの上端部が、「上方を指向する光入射部735b」とされ、下端部は、光入射部とされていない。また、「後者」においては、第2の挿通孔732と連続する第2の導光部735Bの下端部が、「下方を指向する光入射部735a」とされ、上端部は、光入射部とされていない。
何れの導光部735A、735Bも、図16(b)に示すように、前面部を光出射部735cとし、後面部を光反射部735dとしている。また、何れの導光部735A、735Bも、軸心を前壁部712の方向に凸となるように湾曲させている。このため、光出射部735c及び光反射部735dは、前壁部712{図7、図13}の方向に凸となる湾曲面とされている。また、図17に示すように、光反射部735d(導光部735A、735Bの後面部)と、反射シート750との間には、略半円柱形状(軸心を上下方向に向けている。)の空き空間部735kが形成されている。尚、この空き空間部735kの空間形状は特に問わない。
各導光部735A、735Bの前面部側の部分によって、略棒状の凸レンズ部735eが形成されている。この凸レンズ部735eは略半円柱形状とされつつ、軸心を上下に向けている{図10(b)を参照}。つまり、この凸レンズ部735eは、略「シリンドリカルレンズ状」に構成され、略半円柱状となりつつ、前壁部712の方向に突出する状態とされている。
図16(b)等に示すように、光反射部735d(導光部735A、735Bの後面部)は、縦断面形状が三角波状となる凹凸部735gが設けられている。つまり、この光反射部735dにおいては、反射シート750の方向に突出する「山形」の凸部と、前壁部712に凹む、凹部とを、上方から下方に交互に並べた構成を備えている。
第1の挿通孔731は、図16(a)に示すように、インナー部材730において、第3の挿通孔733、第2の挿通孔732、導光部735A、735Bの存在しない個所に配設されている。
本実施例においては、図10(b)に示すように、導光部735A、735Bが、前壁部712の凸レンズ部712bと前後に位置合わせされる。また、各LED760、770、780も、前壁部712の凸レンズ部712bと前後に位置合わせされる。
ここで、本遊技機1においては、図5に示すように、前面枠4が閉鎖状態にされると(つまり、本遊技機1が使用状態にされると)、後述する中央表示装置(画像表示装置の一具体例を構成する。)27の表示画面27aが、視認窓41aの略中央部に配置される(図5においては、表示画面27aを2点鎖線D1を用いて図示する。)。そして、本実施例では、この表示画面27aの略中央部に、仮想基準点G1が仮想的に設定されると共に、この仮想基準点G1を通過する2本の仮想連結線L1、L2が仮想的に設定される(図5中、一点鎖線で図示)。
つまり、一方の仮想連結線(以下、「第1の仮想連結線」という。)L1は、前面枠4の上端部側であって左端側に位置する箇所4ULと、前面枠4の下端部側であって右端側に位置する箇所4DRとを、仮想基準点G1を介して(仮想基準点G1を通過する状態)で連結する略円弧状に形成される。尚、箇所4UL及び箇所4DRのうちの一方が、前面枠4(表扉部材)の「外縁一端」の一具体例を構成し、他方が、前面枠4(表扉部材)の「外縁他端」の一具体例を構成する。
また、他方の仮想連結線(以下、「第2の仮想連結線」という。)L2は、前面枠4の上端部側であって右端側に位置する箇所4URと、前面枠4の下端部側であって右端側に位置する箇所4DLとを、仮想基準点G1を介して(仮想基準点G1を通過する状態)で連結する略円弧状に形成される。尚、箇所4UR及び箇所4DLのうちの一方が、前面枠4(表扉部材)の「外縁一端」の他の具体例を構成し、他方が、前面枠4(表扉部材)の「外縁他端」の他の具体例を構成する。
本遊技機1においては、図5に示すように、この2本の仮想連結線L1、L2によって、「アルファベット」の「Xの文字」が描かれる。そして、第1の仮想連結線L1の左端側部分(上端側部分)L11は、前面枠4の上端部寄りであって左端側に位置する部位に配設され、第1の仮想連結線L1の右端側部分(下端側部分)L12は、前面枠4の下端部寄りであって右端側に位置する部位に配設される。また、第2の仮想連結線L2の右端側部分(上端側部分)L21は、前面枠4の上端部寄りであって右端側に位置する部位に配設され、第2の仮想連結線L2の左端側部分(下端側部分)L22は、前面枠4の下端部寄りであって左端側に位置する部位に配設される。
本実施例では、図5に示すように、前面枠4において、仮想連結線L1、L2の近傍範囲内(本実施例では、11ミリ以内の距離にある範囲内)に「発光部材」を備えている。ここで、仮想連結線L1の近傍範囲は、仮想連結線L1の両脇において仮想連結線L1と略平行に描かれる「一対の仮想境界線h1、h1」に挟まれた範囲であり、仮想連結線L2の近傍範囲は、仮想連結線L2の両脇において仮想連結線L2と略平行に描かれる「一対の仮想境界線h2、h2」に挟まれた範囲である。そして、何れの近傍範囲においても、軸心位置(中心位置)に仮想連結線L1、L2が配設される。そして、前面枠4における左端側部分L11の近傍範囲内及び右端側部分L21の近傍範囲内には、1個の「第1のLED760」と、3個の「第1の導光部735A」と、3個の「第2のLED770」と、3個の「第3のLED780」とが配設され、各々、発光部材の具体例を構成する。尚、以下の説明において、前面枠4における右端側部分L21の近傍範囲内に配設される発光部材を、右上発光部材URと称し、前面枠4における左端側部分L11の近傍範囲内に配設される発光部材を、左上発光部材ULと称することがある。
前面枠4における右端側部分L12の近傍範囲内及び左端側部分L22の近傍範囲内には、1個の「第1のLED760」と、1個の「第1の導光部735A」と、1個の「第2のLED770」と、2個の「第2の導光部735B」と、3個の「第3のLED780」とが配設され、各々、発光部材の具体例を構成する。尚、以下の説明において、前面枠4における左端側部分L22の近傍範囲内に配設される発光部材を、左下発光部材DLと称し、前面枠4における右端側部分L12の近傍範囲内に配設される発光部材を、右下発光部材DRと称することがある。
本遊技機1においては、第1のLED760と、第2のLED770と、第3のLED780とが、目的(遊技効果を高める目的、賞球を報知する目的、当該遊技機1にエラーを生じたことを報知する目的)に応じて、種々の態様で駆動させ、前面枠4の電飾を行う。例えば、「所定のタイミングで、消灯状態から点灯状態に移行させるような駆動」、「所定のタイミングで、点灯状態から消灯状態に移行させるような駆動」、「所定のタイミングで、点灯状態と消灯状態とを交互に繰り返すような駆動」、「消灯状態若しくは点灯状態から、点滅状態に移行させるような駆動」を行う。その際、個々の目的(演出態様や、報知の対象等)に応じて、使用するLEDの種類(指向する方向によって区別される種類や、前面枠4における配設箇所によって区別される種類等)や、数を選択してもよい。
例えば、「入賞時(後述する。)においては、全ての第1のLED760を、消灯状態から点灯状態とする」、「リーチ(後述する。)を生じた場合、「全ての第1のLED760と、全ての第2のLED770と、全ての第3のLED780と、を点滅状態とする」、「特別遊技(後述する。)の実行時には、全ての第1のLED760と、全ての第2のLED770と、全ての第3のLED780と、を点灯状態とする」、「確率変動の開始時(後述する。)には、より下方に位置するLED760、770、780から、より上方に位置するLED760、770、780の順で、各LED760、770、780を順次、消灯状態から点灯状態とする」、「確率変動を実行することが確定したときに、第2のLED770及び第3のLED780を、特別な色(他の状態では、用いない特別な色)で発光させる」、等の駆動を行われる。
この前面枠4においては、各LED760、770、780が、点灯したり、点滅することで、以下のような電飾が実行される。即ち、第1のLED760が発光すると、図17に示すように、前方を指向する光(つまり、「主光」)S1が出射される。この主光S1においては、直前方向(遊技盤10の前面部を基準とする鉛直前方の意味で用いる。)F1で、最も光度(輝度)が高くなると共に、この直前方向F1を基準とする前方側の範囲(例えば、第1のLED760の先端部M1を頂点とし、直前方向F1に軸心を配置した円錐状の範囲)に出射される。尚、各第1のLED760は、前壁部712の凸レンズ部712bと前後に対向しているため、各第1のLED760から前方に出射される主光S1は、この凸レンズ部712bを用いて、適宜、拡散される。
第2のLED770が発光すると、図17に示すように、第2のLED770から上方を指向する光(つまり、「副光」)S2が出射される。この副光S2は、鉛直上方向F2で、最も光度(輝度)が高くなると共に、この鉛直上方向F2を基準とする上方側の範囲(例えば、第2のLED770の先端部M1を頂点とし、鉛直上方向F2に軸心を配置した円錐状の範囲)に出射される。
この副光S2のうちで、特定の方向を向いたものS21は、「導光部(735A若しくは735B)」の光入射部735a(下方を指向する光入射部735a)に入射し、「導光部(735A若しくは735B)」内を上方に導光される。つまり、この導光部(735A若しくは735B)と、その前方に位置する大気(つまり、光出射部735cの前方に位置する大気)T1との境界(以下、「前面境界部」という。)に達した光S21は、導光部(735A若しくは735B)」を構成する部材の屈折率と、大気T1との屈折率との差により、より高屈折率である導光部(735A若しくは735B)」内に内面反射(全反射)を行う。
「この光S21は、この内面反射(全反射)を繰り返しつつ、導光部(735A若しくは735B)の上端側に向かおうとする挙動」を示す。但し、このように、導光部(735A若しくは735B)によって導光される光S21の中には、光反射部735dで反射された後、光出射部735cの前方に出射されるものS211も存在する。つまり、「光反射部735dの凹凸部735gで反射されることによって、「光出射部735cに対して直角に近い角度、つまり、内面反射を生ずる角度以下の角度」で、前面境界部に到達する光S211も存在する。
この光S211は、光出射部735cの前方に出射されるが、このような出射は、光出射部735cの上下方向に沿った全域で生ずる。そして、光出射部735cが、凸レンズ状の湾曲面とされているため、光出射部735cの全域から出射される光S211は、「導光部(735A若しくは735B)」の幅方向に拡散する。しかも、各「導光部(735A若しくは735B)」が、前壁部712の凸レンズ部712bと前後に対向しているため、光出射部735cから出射される光S211は、この凸レンズ部712bを用いて、適宜、拡散される{図10(b)を参照}。
このように、導光部(735A若しくは735B)に導光された後、前方に出射される光S211は、前述の主光S1(導光部に導光されず、直接的に前方に出射される光」に比べて、前方への光度(前方で認識する輝度)が低くなる。但し、上下に配置される導光部(735A若しくは735B)に導光され、その導光部(735A若しくは735B)の上下方向に沿った全域から光S211が出射される点で、「この光S211は主光S1に比べてへの拡散範囲が広くなる。
尚、副光S2のうちで、光入射部735a(下方を指向する光入射部735a)よりも前方を指向するものS22は、「導光部(735A若しくは735B)」を通過することなく、前壁部712を通過して前方に到達する。また、副光S2のうちで、光入射部735a(下方を指向する光入射部735a)よりも後方を指向するものS23は、空き空間部735k内に到達し、反射シート750で反射される。
図18に示すように、第3のLED780が発光すると、第3のLED780から下方を指向する光(つまり、「副光」)S3が出射される。この副光S3は、鉛直下方向F3で、最も光度(輝度)が高くなると共に、この鉛直下方向F3を基準とする下方側の範囲(例えば、第3のLED780の先端部M1を頂点とし、鉛直下方向F3に軸心を配置した円錐状の範囲)に出射される。
この副光S3のうちで、特定の方向を向いたものS31は、「導光部(735A若しくは735B)」の光入射部735b(上方を指向する光入射部735b)に入射し、「導光部(735A若しくは735B)」内を下方に導光される。つまり、「前面境界部」に達した光S31は、導光部(735A若しくは735B)」内に内面反射(全反射)を行う。この光S31も、「この内面反射(全反射)を繰り返しつつ、導光部(735A若しくは735B)の下端側に向かおうとする挙動」を示す。そして、この光S31の中には、「光反射部735dの凹凸部735gで反射されることによって、「光出射部735cに内面反射を生ずる角度以下の角度」で到達するものS311も存在する。
この光S311も、前述の「光S211」と同様に、光出射部735cの前方に出射されるが、このような出射は、光出射部735cの上下方向に沿った全域で生ずる。そして、この光S311も、「導光部(735A若しくは735B)」の幅方向に拡散すると共に、凸レンズ部712bを用いて、適宜、拡散される{図10(b)を参照}。そして、この光S311においても、前述の主光S1に比べて、前方への光度(前方で認識する輝度)が低くなると共に、拡散範囲が広くなる。
尚、副光S3のうちで、光入射部735b(上方を指向する光入射部735b)よりも前方を指向するものS32は、「導光部(735A若しくは735B)」を通過することなく、前壁部712を通過して前方に到達する。また、副光S3のうちで、光入射部735b(上方を指向する光入射部735b)よりも後方を指向するものS33は、空き空間部735k内に到達し、反射シート750で反射される。
本前面枠4においては、例えば、第1のLED760と、第2のLED770と、第3のLED780とを同時に駆動することで、異なる光度(輝度)と、異なる拡散範囲の光を用いた電飾を行うことができる。つまり、図19に示すように、前面枠4を前方から視認すると、「多数、散点状に配置される導光部(735A若しくは735B)」から、「淡く、しかも、拡散範囲の広い光S211、S311」が出射されることが認識される。同時に、「導光部(735A若しくは735B)」の間隙の部位に、「強く、しかも、集中的な拡散範囲となる光S111」が出射されることが認識される。
尚、本前面枠4においては、第1のLED760と、第2のLED770と、第3のLED780を消灯状態とする場合、図20に示すように、前面枠4の前方の光S5(例えば、遊技ホールの照明設備から発せられる光)が、前面枠4の内側に入射し、反射シート750によって、前面枠4の外部に反射される。このため、本前面枠4においては、第1のLED760と、第2のLED770と、第3のLED780を消灯状態とするときにも、電飾を行うことができる。但し、本前面枠4においては、各LED760、770、780を点灯状態とする場合においても、前面枠4の前方の光S5を反射し、各LED760、770、780よる電飾を補強することができる。
但し、本実施例においては、特別演出(後述する。)を実行する際には、発光部材UR、UL、DR、DLを構成するLEDのみが点灯状態とされ、他のLEDは消灯状態とされる。、つまり、(1)左端側部分L11の近傍範囲内及び右端側部分L21の近傍範囲内のLED(760、770、780)と、(2)右端側部分L12の近傍範囲内及び左端側部分L22の近傍範囲内のLED(760、770、780)とが、点灯状態とされ、他のLED(760、770、780)は消灯状態とされる。
図1及び図2に示すように、前面枠4の上端部側の左右には、各々、スピーカーSP1、SP2(図35参照)が内蔵されている。つまり、前述の取付孔702等を用いて、スピーカーSP1、SP2(図30参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカーSP3、SP4(図35参照)が内蔵されている。このため、本遊技機1においては、前面部の4隅にスピーカーSP1〜SP4を配置することで、「4ウェイのスピーカーシステム」を構成している。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカーSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで、前面枠3の下方の部位が、上皿部材5と下皿部材6とを備える構成とされている。つまり、上皿部材5は、前面枠3の下方に配置されている。また、上皿部材5は、遊技機1の内部の遊技球を、この上皿部材5の内部の容器状の部位に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図30参照)及び演出ボタン基板228(図30参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸操作部5c」と、操作スイッチSWとが配置されている。
図21に示すように、上皿部材5は、本体部5Hと、この上皿部材5の前面部を構成するカバー部材5Kと、反射シート5Sと、を備えている。このうち、反射シート5Sは、本体部5Hの前面部に貼付され、前方を指向する状態とされている。そして、この反射シート5Sの前面部は、「光反射部」の具体例を構成している。
カバー部材5Kは本体部5Hの前面部(反射シート5S)の前方に所定の間隔をおいて配置されている。このカバー部材5Kは、図21(b)に示すように、「透明体(樹脂製)からなるカバー本体」を用いて構成されると共に、その後面部には、多数の略棒状の凸レンズ部55Kが形成されている。この凸レンズ部55Kは、前述の凸レンズ部712bと同様なものであり、略半円柱形状とされつつ、軸心を上下に向けている。つまり、この凸レンズ部55Kも、略「シリンドリカルレンズ状」に構成され、略半円柱状となりつつ、本体部5Hの前面部(反射シート5S)の前方に突出する状態とされている。
この上皿部材5においても、前方の光が、上皿部材5の内側(カバー部材5Kの後方)に入射し、反射シート5Sによって、上皿部材5の外部に反射される。このため、上皿部材5においても、上皿部材5の外部の光(例えば、遊技ホールの照明設備から発せられる光)を用いて電飾を行うことができる。但し、上皿部材5においても、カバー部材5Kと、反射シート5Sとの間にLED760、770、LED780や、導光部(735A若しくは735B)」等を配置することもできる。
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を、この下皿部材6の内部の容器状の部位に排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。また、下皿部材6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部材6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、前述の施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットが設けられている(図示を省略)。
尚、図示を省略するが、下皿部材6及び発射ハンドル9も、上皿部材5と同様に、本体部と、前面部を構成するカバー部材と、反射シートと、を備えている。そして、反射シートは、本体部の前面部に貼付され、前方を指向する状態とされている。そして、この反射シートの前面部が、参考発明3の「光反射部」の具体例を構成している。また、カバー部材は本体部の前面部(反射シート)の前方に所定の間隔をおいて配置されている。このカバー部材は、透明体(樹脂製)を用いて構成されると共に、その後面部には、多数の略棒状の凸レンズ部が形成されている。この凸レンズ部は、前述の凸レンズ部55K、712bと同様なものである。このため、下皿部材6及び発射ハンドル9においても、前方の光が、内側(カバー部材の後方)に入射し、反射シートによって、外部(前方)に反射される。このため、下皿部材6及び発射ハンドル9においても、外部の光(例えば、遊技ホールの照明設備から発せられる光)を用いて電飾を行うことができる。但し、下皿部材6及び発射ハンドル9においても、カバー部材と、反射シートとの間にLED760、770、LED780や、導光部(735A若しくは735B)」等を配置することもできる。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図4等を用いて説明する。この遊技盤10は、前述のように、本体枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図30参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10は、正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが、図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19と、発光装置14等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、中央表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられている。そして、この窓部形成孔21dは、「領域形成部10Bの窓部形成孔10F(図22を参照)」と前後に位置合わせされている。そして、前後に連通する窓部形成孔21dと、窓部形成孔10Fとによって表示窓21eを構成している(図22を参照)。尚、この表示窓21eは、「画像視認部」の具体例を構成する。また、領域形成部10Bの窓部形成孔10F(図22を参照)は、領域形成部10Bの肉厚方向を貫通する状態に設けられている。更に、窓部形成孔21dと、「領域形成部10Bの窓部形成孔10F(図22を参照)」と、表示窓21eは、正面視で略矩形状とされている。
図4に示すように、取付部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、外側レール12に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、取付部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。
左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
ステージ部材21pは、その上面部によって、遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下する傾斜面として構成されている。但し、転動面の中央部では、上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球を、メイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は、転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いを衰えたところで、この遊技球は、排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
中央表示装置27は画像表示装置の具体例を構成するものである。また、この中央表示装置27は液晶表示装置を用いて構成されると共に、遊技盤本体10Aに対して、その後方から装着されている。更に、この中央表示装置27の表示画面27aは前方に向けられると共に、表示窓21eに内側に挿入されている。このため、この表示画面27aは、遊技盤本体10Aの前面部よりも後方に位置しつつ、表示窓21eを通じて前方から視認可能とされている。
この中央表示装置27は、後述する右下表示装置60と同様に、判定結果図柄を確定表示するためのものである。但し、この中央表示装置27においては、右下表示装置60よりも、演出度の高い演出を実行しつつ、判定結果図柄を確定表示を行う。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄を表示するための「本図柄表示用の図柄表示装置」を構成し、中央表示装置27が、演出用の疑似図柄(演出図柄ということもある。)を表示するための「疑似図柄表示用の図柄表示装置」を構成する。また、本実施例と異なり、単一の図柄表示装置によって、本図柄の表示と、疑似図柄の表示とを行ってもよい。また、各請求項の発明の遊技機1は、本図柄の表示のみを行い、疑似図柄の表示を行わないものであってもよい。
中央表示装置27の表示画面27aは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図24(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部27bを「左疑似図柄表示部27b」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部27cを「中疑似図柄表示部27c」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部27dを「右疑似図柄表示部27d」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。尚、表示画面27aにおける具体的な表示態様に関しては後述する。
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、図4に示すように、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図31参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの直下に位置すると共に、入口側部分に、普通電動役物が配置されている。この普通電動役物は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図31参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図31参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される構成となっている。
下部装置30は、図4に示すように、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、図4に示すように、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイ板31c(図31参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図31参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、図4に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図26(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、図26(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、図26(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部61において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物を開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、可変入賞装置(大入賞装置)31を開放を許容するか否かの判断(遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態にすべきか否かの判断)を、「当否判定」と称する。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、図26(b)に示すように、2個LEDを消灯させることで、「保留数」が「ゼロ個」であることを示す。また、1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させることで、「保留数」が「1個」であることを示す。更に、2個のLEDを点灯させることで、「保留数」が「2個」であることを示す。また、1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させることで、「保留数」が「3個」であることを示す。更に、2個のLEDを点滅させることで、「保留数」が「4個」であることを示す。
遊技状態表示部55は、2個のLED55a、55bを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、2個のLED55a、55bを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、図27(a)に示すように、一方のLED55aを点灯させ、他方のLED55bを消灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。更に、図27(b)に示すように、一方のLED55aを消灯させ、他方のLED55bを点灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。
ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確変モードになると、確変手段(特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定することを内容とする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17eの開放時間を長くしたり、開放回数が多く設定することを内容とする手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが、確変モードから時短モードになると、確変手段は作動を停止し、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定することを内容とする手段)が作動を開始する。更に、遊技機1の遊技モードが、確変モードから通常遊技モードに戻されると、時短手段と、開放延長手段は作動を停止する。尚、本実施例では、確変手段の作動時に、確変手段は、「特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定すること」に加えて、「特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定すること」も行う。つまり、遊技機1が実行する「確変モード」は、実質的に、時短モードをも実行するモードと言える。但し、本実施例では、確変モードが解除された後であって、時短手段と、開放延長手段とが作動している場合のみを「時短モード」と称することとする。
普通図柄表示部56は、1個のLED56aを用いて構成され、前述の如く、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に伴う当否抽選の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)を経て実行する。つまり、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、普通図柄表示部56は点滅表示を開始する。そして、「当否抽選に関する結果の表示」の実行時期が到来すると(換言すると、普通図柄の変動時間を終了すると)、普通図柄表示部56を用いて、「当否抽選に関する結果」の確定表示がなされる。具体的には、図27(c)に示すように、LED56aを点灯状態とすることで、当該「当否判定に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示され、LED56aを消灯状態とすることで、当該「当否抽選に関する結果」が外れ(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示される。尚、当該「当否抽選に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)である場合には、前述のように、普通電動役物(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
本実施例では、このように、LED56aを点灯状態としたり、消灯状態とすることで、普通図柄の確定表示を示し、LED56aを点滅状態とすることで、普通図柄の変動表示を示する。つまり、ランプ装置による点灯表示と、消灯表示と、点滅表示とを用いて、普通図柄の表示を行う。但し、本実施例においては、数字(例えば、1〜9の数字)、アルファベット文字、図形等を用いて普通図柄の表示を行うこともできる。
右下表示装置60は、図4に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図28(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、図28(b)に示すように、特別図柄表示部62は、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。具体的には、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」において、この略長円状を周回する方向に沿って、「7個のLED62a〜62g」が点灯する。
より具体的には、所定のLED(例えば、LED62a)が点灯状態となると、残りのLED(例えば、LED62b〜62g)は消灯状態となる。このLED(例えば、LED62a)が消灯状態となると、略長円状を周回する方向に隣合う1つのLED(例えば、LED62b)のみが点灯状態となる。そして、図28(b)に示すように、点灯状態となるLEDを、略長円状を周回する方向に沿って順次変更することで、特別図柄表示部62の変動表示が実行される。この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の確定表示が実行される。尚、特別図柄表示部62における特別図柄の表示態様に関しては後述する。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成される。この大当り態様表示部63は、主に、「特別図柄に関する当否判定に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、図29(a)に示すように、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。具体的には、図29(b)及び(c)に示すように、一方のLED63aを点灯させ、他方のLED63bを消灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第1の大当り(スタンダード大当りともいい、具体的な内容は後述する。)」であることが示される。また、図29(d)に示すように、一方のLED63aを消灯させ、他方のLED63bを点灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第2の大当り(チャンス大当りともいい、具体的な内容は後述する。」であることが示される。
図26(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図28(a)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図30参照)が配設されている。
尚、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。尚、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
尚、本遊技機1では、前述のように、上皿部材5に操作スイッチSWを配設している。本実施例の遊技機1では、この操作スイッチSWを操作しても、遊技上の演出に変化を与えることはできないが、各発明においては、この操作スイッチSWを、遊技上の演出に変化を与えるために用いることとしてもよい。例えば、中央表示装置27の表示画面27aで行われる表示に変更を加えるために用いることとしてもよい。
発光装置14は、領域形成部10Bに埋設されている。つまり、図4に示すように、「領域形成部10Bにおける表示画面27aの周囲」であって、仮想連結線L1、L2上に位置する部位に埋設されている。
ここで、前述のように、仮想基準点G1は、表示画面27aの略中央部に設定されると共に、この仮想基準点G1を通過する2本の仮想連結線L1、L2が仮想的に設定される。また、2本の仮想連結線L1、L2によって、「アルファベット」の「Xの文字」が描かれる。そして、領域形成部10Bにおいて、表示窓21eの周囲に位置する4カ所には、挿入孔10Dが形成されている。
つまり、挿入孔10Dは、領域形成部10Bにおいて、(a)表示窓21eの左斜め上方に位置すると共に第1の仮想連結線L1上に位置する部位と、(b)表示窓21eの右斜め下方に位置すると共に第1の仮想連結線L1上に位置する部位と、(c)表示窓21eの右斜め上方に位置すると共に第2の仮想連結線L2上に位置する部位と、(d)表示窓21eの左斜め下方に位置すると共に第2の仮想連結線L2上に位置する部位とに形成されている。これらの挿入孔10Dは、仮想連結線L1、L2の経路に沿った略円弧の経路を描きつつ、領域形成部10Bの肉厚方向に貫通している。
図22及び図23に示すように、発光装置14は、この挿入孔10Dに挿入されることで、領域形成部10Bに埋設されている。この発光装置14は、ベース体800と、前カバー体810と、インナー部材830と、取付基板840と、反射シート(光反射シート)850と、第4のLED860と、第5のLED870と、第6のLED880と、を備えている。尚、第4のLED860と、第5のLED870と、第6のLED880と、後述する導光部835Aは、請求項3の発明の「盤側発光部材」の具体例を構成する。
ベース体800は、挿入孔10Dの経路に沿った円弧状の経路を描く板状体によって構成されている。また、前カバー体810は、領域形成部10Bの前面部側において、挿入孔10Dに、はめ込まれている。この前カバー体810は、挿入孔10Dを封止するためのカバー体であり、透明な樹脂(透光性備える樹脂)を用いて構成されている。尚、この前カバー体810は、無色透明に構成されてもよいし、有色透明に構成されてもよい。また、前カバー体810の後面部には、凸レンズ部812bが形成されている。この凸レンズ部812bは略半円柱形状とされつつ、軸心を挿入孔10Dの経路に沿わせている。尚、この凸レンズ部812bも、略「シリンドリカルレンズ状」に構成され、略半円柱状となりつつ、ベース体800の方向に突出する状態とされている。
取付基板840は、第4のLED860と、第5のLED870と、第6のLED880とを搭載するためのプリント配線基板である。これの取付基板840は、ベース体800の前面部に配置され、その前面部が前方に向いた状態とされている。また、反射シート850は、取付基板840の前面部に貼付され、その前面部が前方を指向する状態とされている。
第4のLED860、第5のLED870、及び、第6のLED880は、前述の各LED(LEDランプ)760、770、780と同様な構成を備えている。尚、本実施例では、第4のLED860として、「単色LED」を用い、第5のLED870及び第6のLED880として、所謂「フルカラーLED」を使用している。
第4のLED860は、モールド部材Mの先端部M1を前方に向けた状態で、各取付基板840に装着されている。つまり、この第4のLED860は、前方を指向する状態で配置されている。そして、この第4のLED860においては、そのモールド部材Mの後端部を反射シート850の前面部に当接させている。
第5のLED870は、モールド部材Mの先端部M1を斜め上方に向けた状態で、取付基板840に装着されている。つまり、この第5のLED870は、斜め上方を指向する状態で配置されている。また、第6のLED880は、モールド部材Mの先端部M1を斜め下方に向けた状態で、取付基板840に装着されている。つまり、この第6のLED880は、斜め下方を指向する状態で配置されている。そして、第5のLED870及び第6のLED880は、それらの「モールド部材Mの側面部」を、反射シート850の前面部の前方に離間させた状態で配置されている。
インナー部材830は、透明な樹脂を用いて作製された一体成形品であり、前カバー体810の後方であって、ベース体800の前面部側に装着される。このインナー部材830も、前面部及び後面部を貫通する状態に、多数の挿通孔831、832、833を備えている。これらの挿通孔831、832、833によって「挿入部」の具体例が構成されている。そして、このインナー部材830は、これらの挿通孔831、832、833に対して第4のLED860、第5のLED870、及び、第6のLED880を挿通させ、後面部を反射シート850の前面部に当接させつつ、挿入孔10D内に配置される。
より具体的には、インナー部材830において、各第4のLED860と位置合わせされる個所には、第4の挿通孔831が設けられ、各第5のLED870と位置合わせされる個所には、第5の挿通孔832が設けられると共に、各第6のLED870と位置合わせされる個所には、第6の挿通孔833が設けられている。そして、インナー部材830を挿入孔10D内において、ベース体800と前カバー体810との間に位置する配置用空間部815内に配置する。そして、インナー部材830の後面部を反射シート850の前面部に当接させる際に、各第4のLED860が、対応する第4の挿通孔831に挿通され、各第5のLED870が、対応する第5の挿通孔832に挿通されると共に、各第6のLED880が、対応する第6の挿通孔833に挿通される。
インナー部材830には、軸心を斜め上下に向けた導光部835Aが設けられている。この導光部835Aは、軸心が斜め上下に向けられていることを除いて、前述の「第1の導光部735A」と同様な構成とされている。つまり、導光部835Aは、第6の挿通孔833及び第5の挿通孔832によって上下(斜め上下)を挟まれた状態とされている。この導光部835Aにおいて、第6の挿通孔833と連続する上端部が、「斜め上方を指向する光入射部835b」、つまり、「面法線の方向が斜め上方を向いた光入射部835b」とされている。また、第5の挿通孔832と連続する下端部が、「斜め下方を指向する光入射部835a」、つまり、「面法線の方向が斜め下方を向いた光入射部835a」とされている。
この導光部835Aも、前面部を光出射部835cとし、後面部を光反射部835dとしている。また、この導光部835Aも、軸心を前カバー体810の方向(前方)に凸となるように湾曲させている。このため、光出射部835c及び光反射部835dは、前カバー体810の方向(前方)に凸となる湾曲面とされている。また、光反射部835d(導光部835Aの後面部)と、反射シート850との間には、略半円柱形状(軸心を上下方向に向けている。)の空き空間部835kが形成されている。尚、この空き空間部835kの空間形状は特に問わない。
更に、図23に示すように、この導光部835Aの前面部側の部分によって、略棒状の凸レンズ部835eが形成されている。この凸レンズ部835eも、略半円柱形状とされつつ、軸心を斜め上下に向けている。つまり、この凸レンズ部835eも、略「シリンドリカルレンズ状」に構成され、略半円柱状となりつつ、前カバー体810の方向(前方)に突出する状態とされている。また、光反射部835d(導光部835Aの後面部)は、縦断面形状が三角波状となる凹凸部835gが設けられている。つまり、この光反射部835dにおいては、反射シート850の方向に突出する「山形」の凸部と、前カバー体810の方向(前方)に凹む、凹部とを、上方から下方に交互に並べた構成を備えている。また、第4の挿通孔831は、インナー部材830において、第6の挿通孔833、第5の挿通孔632、導光部835Aの存在しない個所に配設されている。
本実施例においては、導光部835Aが、前カバー体810の凸レンズ部812bと前後に位置合わせされる。また、各LED860、870、880も、前カバー体810の凸レンズ部812bと前後に位置合わせされる。尚、本実施例では、メイン役物装置20の構成部材の中に、発光装置14と交差するものが存在する。つまり、上部装飾部材21nと、ステージ部材21pが、発光装置14と交差する箇所(以下、「交差箇所」という。)が、各々2カ所ずつ存在する。このため、本実施例では、この交差箇所を透明部とすることで、当該交差箇所の後方に位置する発光装置14を、遊技機1の前方から視認可能としている。
c.特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、当否判定の結果を示す確定表示と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び中央表示装置27)において、同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は、「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、中央表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御する演出制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。
次に、これらの特別図柄の表示態様を説明する。先ず、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)においては、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、右下表示装置60の「特別図柄表示部62」を用いて、本図柄の変動表示(つまり、LED62b〜62gを用いた循環表示)を開始する。この変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)が実行される。そして、本図柄の停止表示(確定表示)の態様には、以下の態様がある。
i)スタンダード大当り(遊技機にとって、標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図29(b)に示すように、2個のLEDを点灯させて行うか、図29(c)に示すように、3個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「スタンダード大当り」を「第1の大当り」と称することもある。また、このスタンダード大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、2個若しくは3個のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第1の大当り図柄」、若しくは、「スタンダード大当り図柄」と称することがある。尚、「特別図柄表示部62」に、スタンダード大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「一方のLED63a」は点灯状態とされる。
このスタンダード大当り(第1の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態(第1の大当り状態若しくはスタンダード大当りとも言う。)となり、第1の特別遊技(第1の大当り遊技若しくはスタンダード大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞容易な状態に開放され、多量の賞球を伴う利益が遊技者に付与される。
但し、「スタンダード大当り」のうちで、図29(c)に示すように、3個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定(以下、「確変判定」ということもある。)の結果」も、「当り」であることを示す。一方、「スタンダード大当り」のうちで、図29(b)に示すように、2個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であるが、「確変判定」の結果は「外れ」であることを示す。以下、本明細書においては、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)で、しかも、確変判定の結果も当選である場合を「スタンダード確変当り(若しくは、スタンダード確率変動大当り)」と称し、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)」であるが、確変判定の結果が落選である場合を「スタンダード通常大当り」と称することがある。
ii)チャンス大当り(遊技機にとって、非標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図29(d)に示すように、4個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「チャンス大当り」を「第2の大当り」と称することもある。また、このチャンス大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、4のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第2の大当り図柄」、若しくは、「チャンス大当り図柄」と称することがある。
このチャンス大当り(第2の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態(第2の大当り状態若しくはチャンス大当り状態とも言う。)となり、第2の特別遊技(第2の大当り遊技若しくはチャンス大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞困難な状態(第1の大当り遊技状態への移行時に比べて入賞困難な状態)に開放される。但し、チャンス大当り(第2の大当り)においては、「確変判定」の結果が当りであるため、遊技者は、確変状態の実行による利益を得ることができる。尚、「特別図柄表示部62」に、チャンス大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「他方のLED63b」は点灯状態とされる。
ii)外れ
図29(a)に示すように、「特別図柄表示部62」に、1個のLEDが点灯すると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す。つまり、当否判定の結果が、「スタンダード大当り(第1の大当り)」にも、「チャンス大当り(第2の大当り)」にも該当しないことを示す。この場合、「確変判定」の結果も外れとなる。
尚、「確変当り(スタンダード確変当り、若しくは、チャンス確変当り)」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る大当り遊技遊技状態の終了後に、当該遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確率変動モードに変更される。そして、遊技機1のモードが、この「確率変動モード」に変更されると、この「確率変動モード」の解除条件が成立するまでの間、判定手段によって「大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。また、本実施では、この「確率変動モードの解除条件」は、大当りの判定結果(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を得ないまま、特別図柄が所定回数、変動するか(つまり、外れ判定が所定回数、繰り返されるか)、あるいは、次回の大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を生ずることで成立する。
中央表示装置27においても、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示を開始する。そして、この変動表示の期間が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示(確定表示)も、前述の本図柄の停止図柄(確定図柄)と同様に、当否判定の結果の表示する。尚、本実施例では、当否判定の結果を、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とで行うが、本実施例と異なり、「判定結果図柄」を、本図柄の停止図柄(確定図柄)のみで構成してもよい。
中央表示装置27の表示画面27aにおいては、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、図24(b)に示すように、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。
疑似図柄表示部27b〜27dに、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図25(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図25(a)の「外れを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図25(b)及び図25(c)に示すスタンダード大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図25(d)の「チャンス大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、がある。
このうち、「スタンダード大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの「数字」を3つ並べて構成される。但し、この「スタンダード大当り」が、確変当りである(スタンダード確率変動当りである)場合には、奇数の数字が揃えられ、通常当りである(スタンダード通常当りである)場合には、偶数数字が揃えられる。
また、「チャンス大当りを示す停止図柄」は、図25(d)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dに、左から右に昇順となる数字を並べて(例えば、「1」、「2」、「3」)構成される。更に、「外れを示す停止図柄」は、図25(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dのうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「チャンス大当りを示す停止図柄」を除いたものである。
本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される疑似図柄(以下、「疑似図柄による判定結果図柄」という。)の表示内容と、特別図柄表示部62に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「本図柄による判定結果図柄」という。)とが一致している。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される表示内容が、特別図柄表示部62に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部27b〜27dにおいては、その変動の開始から停止に至るまでの間に、特別図柄表示部62よりも、派手な演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dでは、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」を行ってもよい。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「スタンダード確率変動当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「スタンダード通常大当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「スタンダード確率変動当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「大当り(スタンダード大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「大当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部200Aで抽選してもよいし、演出制御部220Aによって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、特別図柄表示部62の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、特別図柄表示部62も、中央表示装置27と同様に、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)を表示可能な構成とする。そして、この特別図柄表示部62においても、変動表示の途中に、リーチ演出を行ってもよい。また、本実施例では、本図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置60)と、疑似図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置27)とを別体の図柄表示装置としたが、本図柄及び疑似図柄を同一の図柄表示装置によって表示してもよい。
f.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図30を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって本体枠3に開閉可能に軸支されている。
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図30において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。また、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図30は、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
主制御基板ケース、中継端子板や、払出制御基板ケース118等の各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス、電源スイッチ、電源ターミナル基板132及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板が設けられている。尚、電源ターミナル基板132には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ132aが接続されている。また、中継端子板の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブルも配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブルが上方へ延出し、電源ケーブルを備えた球貸装置に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材が設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図31〜図33を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(c)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図31〜図33中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図31においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイ板31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示装置)27を駆動する演出表示制御基板222やスピーカーSP1〜SP4を駆動するアンプ基板224が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、「LED760、770、780が搭載された取付基板740」、「LED860、870、880が搭載された取付基板840」等の各種装飾用基板を駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSWからの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。尚、演出制御部220A(演出制御基板220)の詳細な入出力関係については後述する。
払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部5に設けられた球貸スイッチ5eや返却スイッチ5fを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
主制御部200A(主制御基板200)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200A(主制御基板200)でも計数されている。
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。
下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。
加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、或いは、遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御部240A(払出制御基板240は、主制御部200A(主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部200A(主制御基板200)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置(液晶表示装置)27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSPで出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、中央表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置(液晶表示装置)27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LED(760、770、780、860、870、880)の駆動信号を出力することによって、各種LED(760、770、780、860、870、880)やランプ類の点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部5の前面側に設けられた操作スイッチSWを遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置(液晶表示装置)27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)変動演出遊技及び大当り遊技の概要
変動演出遊技において、演出表示を通常態様で行う場合(以下、「通常演出」という。)と、特別態様で行う場合(以下、「特別演出」という。)と、がある。以下、この「通常演出で行われる変動演出遊技」の概要を述べた後、「特別演出で行われる変動演出遊技」の特徴的な部分について説明する。
ここで、「通常演出」の実行時においては、前述の演出制御部220A(演出制御基板220)により、前面枠4に配設された全LED760、770、780に対して、通常態様の「点灯制御」が施される。また、「特別演出」の実行途中においては、前述の演出制御部220A(演出制御基板220)により、前面枠4に配設された全LED760、770、780に対して、特別態様の「点灯制御」が施される。この特別態様の「点灯制御」とは、右上発光部材URを構成するLED(760、770、780)と、左上発光部材ULを構成するLED(760、770、780)と、左下発光部材DLを構成するLED(760、770、780)と、右下発光部材DRを構成するLED(760、770、780)とを所定の順序で点灯させるが、残りのLED(760、770、780)を消灯状態に維持させることを内容とする制御である。つまり、右上発光部材URと、左上発光部材ULと、左下発光部材DLと、右下発光部材DRを構成するLED(760、770、780)のみを重点的に駆動させるような点灯制御である。
一方、通常態様の「点灯制御」とは、何れのLED760、770、780にも優劣を持たせることなく、各LED760、770、780を目的(大当りの報知、入賞の報知等)に合わせて点灯させるような点灯制御である。以下の説明において、右上発光部材URと、左上発光部材ULと、左下発光部材DLと、右下発光部材DRを構成するLED(760、770、780)が、前述の「特別態様の点灯制御」に従って点灯することを「特別点灯」と称し、前面枠4に配設された各LED760、770、780が、前述の「通常態様の点灯制御」に従って点灯することを「通常点灯」と称することがある。尚、前述の演出制御部220A(演出制御基板220)は、演出表示を態様(通常態様と、特別態様)に応じて、「前面枠4に配設された全LED760、770、780から点灯させるべきLEDを選択するための選択手段」としても機能することになる。
a.通常演出の場合
始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図34〜37に示すように、右下表示装置60の特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示を開始すると共に、中央表示装置(液晶表示装置)27の疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を用いた変動演出表示(演出表示)を開始する。
そして、所定の変動時間を経過した後、特別図柄表示部62a〜62gと、疑似図柄表示部27b〜27dとの双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。この通常演出においては、前面枠4に配設された各LED760、770、780が、「通常点灯」を行う。また、領域形成部10Bには、前述のように、4個の発光装置14が埋設されているが、各発光装置14を構成する全LED860、870、880が、消灯状態を維持するように制御される。以下、この「通常演出に関わる変動演出表示において、特別図柄の停止図柄の種類毎(当否判定の結果毎)に異なる点を説明する。
先ず、図34に示すように、「特別図柄の停止図柄」を用いて、当否判定の結果が「外れである」旨の確定表示がなされると(当否判定の結果が外れである旨の判定結果図柄が表示されると)、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された変動演出遊技」を終了するが、この場合、大当り遊技は、実行されない。尚、図34では、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)を図示するが、外れ表示としては、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」を実行することもできる。
図35に示すように、「特別図柄の停止図柄」を用いて、当否判定の結果が「スタンダード通常大当りである」旨の確定表示を行う場合(当否判定の結果が、スタンダード通常大当りである旨の判定結果図柄を表示を行う場合)には、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。
また、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(大当り図柄の確定表示)」が行われる。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、2個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の数字」を停止表示して行われる。この大当り表示によって変動演出遊技を終了する。そして、この「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行し、第1の大当り遊技を開始する。
この第1の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第1の単位駆動」が施される。この「第1の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜30秒から選択される時間)維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された変動演出遊技と大当り遊技」を終了する。そして、この「スタンダード通常大当りに起因する第1の大当り遊技状態(第1の大当り遊技)」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードのままに維持される。
図36に示すように、「特別図柄の停止図柄」を用いて、当否判定の結果が「スタンダード確率変動大当りである」旨の確定表示がなされる場合(当否判定の結果が、スタンダード確率変動大当りである旨の判定結果図柄の表示が行われる場合)にも、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。そして、この「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード確率変動大当り図柄を用いた大当り表示)」が行われ、変動演出遊技を終了する。
この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、3個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の数字」を停止表示して行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「第2の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行し、第1の大当り遊技を開始する。
この「スタンダード確率変動大当りに起因する第1の大当り遊技」は、前述の「スタンダード通常動大当りに起因する第1の大当り遊技」と同様の態様で実行される。つまり、「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回実行されると、第1の大当り遊技を終了し、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。そして、この「スタンダード確率変動大当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確率変動モードに変更される。
図37に示すように、「特別図柄の停止図柄」を用いて、当否判定の結果が「チャンス大当りである」旨の確定表示がなされる場合(当否判定の結果が、チャンス大当りである旨の判定結果図柄の表示が行われる場合)には、「リーチ表示」を行った後、「大当り表示(チャンス大当り図柄を用いた大当り表示)」が行われ、変動演出遊技を終了する。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、4個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「左から右に昇順となる数字」を停止表示して行われる。
この「大当り表示」がなされると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行し、第2の大当り遊技が実行される。そして、この第2の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第2の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第2のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計2回実行されると、第2の大当り遊技を終了し、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。この「第2の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、「閉鎖姿勢」から、「開放姿勢」に移行させ、この開放姿勢を、「第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、0.05秒〜0.35秒から選択される時間)」維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第2の特別状態」の終了後においては、確率モードが、一律に高確率モードとされる。尚、個々の第2の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の特別遊技状態の間に実行される第2の単位駆動の回数」は、「第1の特別遊技状態の間に実行される第1の単位駆動の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の特別遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.05秒〜0.35秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位駆動」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、遊技球の入賞は、ごく希にしか生じない。
b.特別演出の場合
次に、図38〜図41を用いて、特別演出の特徴的な部分について説明する。尚、以下の説明を、「当否判定の結果がスタンダード確率変動大当りである場合」を例にとり行うが、「当否判定の結果が外れの場合」、「当否判定の結果がスタンダード通常大当りである場合」、「当否判定の結果がチャンス大当りである場合」に関しても、以下の説明を適用できる。
この「特別演出で行われる変動演出遊技(以下、単に「特別演出」という。)」においては、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図38に示すように、前述の「通常演出と同様に、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示を開始し、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて疑似図柄を用いた変動演出表示を開始する。このとき、前面枠4に配設された各LED760、770、780に対して、通常態様の「点灯制御」が施されると共に、各発光装置14を構成する全LED860、870、880が、消灯状態を維持するように制御される。
この後、所定時間が経過すると、通常演出の場合と同様に、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。但し、この「特別演出」においては、「リーチ表示」と同時に、前述の演出制御部220A(演出制御基板220)は、特別態様の「点灯制御」を開始させると共に、各発光装置14を構成するLED860、870、880を順次、点灯させる。
具体的には、前面枠4に配設された全LED760、770、780と、各発光装置14を構成する全LED860、870、880を同時に消灯状態とした後(a1)、先ず、第1の仮想連結線L1に沿い、「表示光を上方に向かって徐々に出現させるような演出(以下、「上昇点灯演出」という。)」が行われる。この「上昇点灯演出」においては、先ず、表示画面27aの斜め右下方において、第1の仮想連結線L1の近傍範囲内に存在するLED(つまり、右下発光部材DRを構成するLEDと、表示画面27aの斜め右下方の発光装置14を構成するLED)を、「第1の仮想連結線L1に沿ってより下方側に位置するもの」から「第1の仮想連結線L1に沿ってより上方側に位置するもの」の順で点灯させる(a2)。更に、図39に示すように、表示画面27aにおいて、第1の仮想連結線L1に沿ったオンライン図形Z1を、第1の仮想連結線L1に沿ってより下方側に位置する部位からより上方側に位置する部位に向かって出現させる。そして、表示画面27aの斜め左上方において、第1の仮想連結線L1の近傍範囲内に存在するLED(つまり、表示画面27aの斜め左上方の発光装置14を構成するLEDと、左上発光部材ULを構成するLED)を、「第1の仮想連結線L1に沿ってより下方側に位置するもの」から「第1の仮想連結線L1に沿ってより上方側に位置するもの」の順で点灯させる(a3)。
この「上昇点灯演出」を完了すると、第2の仮想連結線L2に沿い、「表示光を下方に向かって徐々に出現させるような演出(以下、「下降点灯演出」という。)」が行われる。この「下降点灯演出」においては、先ず、表示画面27aの斜め右上方において、第2の仮想連結線L2の近傍範囲内に存在するLED(つまり、右上発光部材URを構成するLEDと、表示画面27aの斜め右上方の発光装置14を構成するLED)を、「第2の仮想連結線L2に沿ってより上方側に位置するもの」から「第2の仮想連結線L2に沿ってより下方側に位置するもの」の順で点灯させる(a4)。更に、表示画面27aにおいて、第2の仮想連結線L2に沿ったオンライン図形Z2を、第2の仮想連結線L2に沿ってより上方側に位置する部位からより下方側に位置する部位に向かって出現させる。そして、表示画面27aの斜め左下方において、第2の仮想連結線L2の近傍範囲内に存在するLED(つまり、表示画面27aの斜め左下方の発光装置14を構成するLEDと、左下発光部材DLを構成するLED)を、「第2の仮想連結線L2に沿ってより上方側に位置するもの」から「第2の仮想連結線L2に沿ってより下方側に位置するもの」の順で点灯させる(a5)。
このように、「下降点灯演出」を完了すると、第1の仮想連結線L1の近傍範囲内に存在するLEDの点灯状態と、第2の仮想連結線L2の近傍範囲内に存在するLEDの点灯状態とが、所定時間(例えば、0.8秒)維持される。このとき、遊技機1の前面側には「Xの文字(アルファベット)」が出現する。そして、このように、上昇点灯演出と下降点灯演出とが順次行われると、遊技者は、「遊技機1全体が、あたかも、Xの文字(アルファベット)を描きつつ切り裂かれたような印象」を受ける。
この後、第1の仮想連結線L1に沿い、「表示光を上方に向かって徐々に消失させるような演出(以下、「上昇消灯演出」という。)」と、第2の仮想連結線L2に沿い、「表示光を下方に向かって徐々に消失させるような演出(以下、「下降消灯演出」という。)」とが、この順で行われる。この「上昇消灯演出」においては、図40に示すように、先ず、表示画面27aの斜め右下方において、第1の仮想連結線L1の近傍範囲内に存在するLEDを、「第1の仮想連結線L1に沿ってより下方側に位置するもの」から「第1の仮想連結線L1に沿ってより上方側に位置するもの」の順で消灯させる(a6)。更に、表示画面27aにおいて、第1の仮想連結線L1に沿ったオンライン図形Z1を、第1の仮想連結線L1に沿ってより下方側に位置する部位からより上方側に位置する部位に向かって消失させる。そして、表示画面27aの斜め左上方において、第1の仮想連結線L1の近傍範囲内に存在するLEDを、「第1の仮想連結線L1に沿ってより下方側に位置するもの」から「第1の仮想連結線L1に沿ってより上方側に位置するもの」の順で消灯させる(a7)。
この「上昇消灯演出」に続いて行われる「下降消灯演出」では、先ず、表示画面27aの斜め右上方において、第2の仮想連結線L2の近傍範囲内に存在するLEDを、「第2の仮想連結線L2に沿ってより上方側に位置するもの」から「第2の仮想連結線L2に沿ってより下方側に位置するもの」の順で消灯させる(a8)。更に、表示画面27aにおいて、第2の仮想連結線L2に沿ったオンライン図形Z2を、第2の仮想連結線L2に沿ってより上方側に位置する部位からより下方側に位置する部位に向かって消失させる。そして、図41に示すように、表示画面27aの斜め左下方において、第2の仮想連結線L2の近傍範囲内に存在するLEDを、「第2の仮想連結線L2に沿ってより上方側に位置するもの」から「第2の仮想連結線L2に沿ってより下方側に位置するもの」の順で消失させる(a9)。
この「下降消灯演出」の後、変動演出表示の実行時間(以下、「変動時間」という。)が経過すると、「通常演出」の場合と同様な大当り表示が行われる(a10)。尚、「上昇点灯演出」と、「下降点灯演出」と、「上昇消灯演出」と、「下降消灯演出」を行う際に、演出制御部220A(演出制御基板220)は、請求項2の発明を具体化した「発光部材UL、UR、DL、DRの点灯制御及び画像表示装置27の表示制御」を行う。
(4)コマンドの送信
本実施例の遊技機1が、前述の「変動演出表示」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図42(a)の模式図を用いて説明する。尚、図42(a)は、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)に向かってコマンドを出力する場合について示しているが、主制御部200A(主制御基板200)から払出制御部240A(払出制御基板240)、あるいは演出制御部220A(演出制御基板220)から演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)等、他の制御部(制御基板)に向かってコマンドを出力する場合も同様にして出力されている。
主制御部200(主制御基板200)と演出制御部200A(演出制御基板220)とは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)にコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、演出制御部200A(演出制御基板220)は、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御基板200から送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
本実施例の遊技機1では、コマンドデータは2バイトデータ(即ち、16ビット分のデータ)となっている。そこで、主制御部200(主制御基板200)は、先ず8ビット分のコマンドデータを出力して1ビットのストローブ信号を出力し、続いて残りの8ビット分のコマンドデータを出力して再びストローブ信号を出力する。また、演出制御部200A(演出制御基板220)は、ストローブ信号が立ち上がる度に、8ビット分ずつ2回に分けてコマンドデータを読み取る。このようにして、主制御基板200からサブ制御基板220に向かって、16ビット分のコマンドを確実に供給することができる。尚、1バイト(即ち、8ビット)のコマンドを供給する場合は、ストローブ信号を1回だけ出力すればよい。通常の初期化動作において出力される初期コマンドは、このようにして各種の制御基板に出力される。その結果、遊技盤面上に設けられた中央表示装置(液晶表示装置)27では適切な疑似図柄が表示され、各種ランプ類(4b〜4f等)、スピーカSP、可動演出装置70等は適切な状態に制御されることになる。
ここで、主制御部200(主制御基板200)から演出制御部200A(演出制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図42(b)に図示したもを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)、(C)図柄停止コマンド(以下、「CZE」と表記することがある。)、(D)移行表示開始コマンド(以下、「CIS」と表記することがある。)、(E)移行表示終了コマンド(以下、「CIE」と表記することがある。)、(F)Rラウンド表示開始コマンド(以下、「CRS」と表記することがある。)、(G)Rラウンド表示終了コマンド(以下、「CRE」と表記することがある。)、(H)大当り表示終了コマンド(以下、「COE」と表記することがある。)、等がある。尚、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、コマンドのその他の詳細に関しては後述する。
(5)主制御部200による遊技制御の概要
主制御部200を構成する主制御基板200に搭載されたCPU201は、前述の「変動演出遊技」等を実現するために、以下のような制御(遊技制御)を行う。つまり、このCPU201は、所定の制御準備開始処理を終了すると、遊技機1の遊技制御を開始する。
図43は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この図に示すように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理(S150)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、特別電動役物遊技処理(S900)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、図43の一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチなどの状態を検出する処理などが行われる。そして、図43に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S150)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、特別電動役物遊技処理(S900)を実施する。そして、これら各処理中で、演出制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種のコマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図43のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
a.賞球払出処理
主制御基板200に搭載されたCPU01は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S10)。即ち、主制御基板200に接続されている始動入賞検出用スイッチ17sの状態を検出して、遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出コマンドを払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17sへの入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出コマンドを出力する。
主制御部200A(主制御基板200)から払出制御部240A(払出制御基板240)へ払出コマンドを出力するに際しては、図42(a)を用いて前述したように、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いてコマンドデータを出力する。
これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出コマンドで指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
b.普通図柄遊技開始判断処理
次いで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、普通図柄遊技処理(S150)を開始するか否かを判断する(S100)。ここで、図44は、CPU201が普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理(普通図柄遊技開始判断処理)を示したフローチャートである。この普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過したか否かを判断する(S102)。尚、普通図柄作動ゲート16には、普通図柄作動ゲート通過検出用スイッチ16sが組み込まれているため、CPU201はゲートスイッチ36sからの信号に基づいて遊技球の通過を検出することが可能である。
遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過していれば(S102:YES)、普通図柄の保留数が「4」以上か否かを判断する(S104)。ここで、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、普通図柄保留数のデータが書き込まれており、S104では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、この値が「4」か否かの判断を行う。そして、保留数が「4」に達していなければ(S104:NO)、普通図柄保留数の値を1つ加算する(S106)と共に、普通図柄の当否判定用乱数を取得(発生・読み込み)し、この乱数値をRAM202の所定アドレスに記憶した後(S107)、S108の処理に移行する。
詳細な説明は後述するが、普通図柄の当否判定は、こうして記憶した普通図柄当否判定用乱数を用いて行われる。また、普通図柄保留数は、上述したようにRAM202の所定アドレスに記憶されている。尚、普通図柄の当否判定用乱数は、乱数発生用のプログラムによってソフトウェア的に発生させてもよいし、乱数発生用の専用ICを用いてハードウェア的に発生させてもよい。更に簡便には、発振器とカウンタとを組み合わせることによって、ハードウェア的に発生させた疑似乱数を用いることとしても良い。
一方、S104において、保留数が「4」に達している場合は(S104:YES)、「普通図柄保留数の値の加算」や「普通図柄の当否判定用乱数の取得」を行わずにS108の処理に移行する。ここで、即ち、普通図柄の当否判定用乱数は、最大4つまで記憶することが可能となっており、このことに対応して、普通図柄保留表示部29cにも、最大4つまでの保留を表示可能となっている。
S108の処理では、左下表示装置50の普通図柄保留表示部52で普通図柄の保留数を表示するべく、LEDの駆動信号を出力する。即ち、普通図柄保留数が4個であれば、2個ランプ装置52a、52bを点滅させ、普通図柄保留数が3個であれば、1個ランプ装置52aを点滅させ、もう1つのランプ装置52bを点灯させる。また、普通図柄保留数が2個であれば2個のランプ装置52a、52bを点灯させ、普通図柄保留数が1個であれば1つの52aを点灯させ、もう1つのランプ装置52bを消灯させる。更に、普通図柄保留数が0個であれば、2個ランプ装置52a、52bを消灯させる。
以上のようにして、左下表示装置50を駆動して普通図柄保留表示部52に、普通図柄保留の個数を点灯させたら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S110)。この普通電動役物は、普通図柄遊技を行った結果として作動する役物である。従って、普通電動役物が作動中であれば(S110:YES)、重ねて普通図柄遊技を開始する必要はないので、普通図柄遊技は開始しないと判断する(即ち、S100:NO)。一方、普通電動役物が作動中でない場合は(S110;NO)、普通図柄遊技を開始すると判断する(即ち、S100;YES)。
図43に示した遊技制御処理のステップS100では、普通図柄遊技を開始するか否かを、以上のようにして判断する。そして、普通図柄遊技を開始すると判断した場合は(S100:YES)、以下に説明する普通図柄遊技処理(S150)を開始する。一方、普通図柄遊技を開始しないと判断した場合は(S100:NO)、普通図柄遊技処理(S150)はスキップする。
c.普通図柄遊技処理
図45は、普通図柄遊技処理(S150)の流れを示したフローチャートである。この普通図柄遊技処理(S150)を開始すると、先ず初めに、普通図柄が変動中か否かを判断する(S152)。前述のように、本遊技機1の左下表示装置50には、普通図柄表示部56が設けられており、普通図柄を変動表示することが可能となっている。そして、普通図柄遊技処理(S150)を開始したら、先ず初めに、普通図柄が変動表示中か否か、つまり、普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aが点滅中であるか否かを判断する。
普通図柄が変動中でない場合は(S152;NO)、普通図柄が未だ変動していないか、若しくは、変動表示後に停止図柄で停止表示されているかのいずれかであると考えられる。そこで、現在の状態が、普通図柄の停止図柄を所定期間表示させるべく設定された時間(停止表示時間)中であるか否かを判断する(S154)。後述するように、普通図柄の変動表示開始や変動表示の停止は、主制御基板200に搭載されたCPU201が制御している。このためCPU201は、現在の状態が普通図柄の停止表示時間中であるか否かを、内部の制御状態に基づいて容易に判断することができる。
普通図柄の停止表示時間中ではないと判断された場合(S154;NO)、即ち、普通図柄が変動表示されておらず、且つ、普通図柄の停止図柄を表示中でもない場合は、普通図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S156)。そして、普通図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、普通図柄の保留が残っている場合は(S156;NO)、普通図柄の当否抽選を行う(S158)。この普通図柄の当否抽選は、普通図柄の保留時に記憶しておいた当否判定用乱数値が、予め定めておいた当たり値と一致するか否かを判断することによって行う。即ち、図44のS107で記憶した乱数値が、所定の当たり値と一致していれば普通図柄の当たりと判断し、一致していなければ普通図柄の外れと判断する。
こうして普通図柄の当否抽選を行ったら、主制御基板200のCPU201は、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始する(S160)。次いで、普通図柄保留数から1を減算したら(S162)、図45に示した普通図柄遊技処理を終了して、図43に示す遊技制御処理に復帰する。一方、S156で肯定判断がされた場合(S156;YES)、即ち、普通図柄の変動表示中ではなく、且つ、普通図柄の停止表示時間中でもないが、普通図柄の保留数が「0」である場合は、S158、S160及びS162の各処理を行うことなく、そのまま普通図柄遊技処理(S150)を終了して図43に示す遊技制御処理に復帰する。
また、S152の処理において、普通図柄が変動中であると判断された場合は(S152;YES)、既に行われた普通図柄遊技処理の中で、普通図柄の変動表示が開始されているものと考えられる。そこで、普通図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S164)。ここで、普通図柄の変動表示時間は、変動表示が開始された段階で予め定められており、主制御基板200に搭載されたCPU201は、所定の変動時間が経過したか否かを判断する。
そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S164;NO)、そのまま通図柄遊技処理を終了して、図43に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S164;YES)、左下表示装置50の普通図柄表示部56において変動表示している普通図柄を停止表示させる(S166)。このときの停止図柄は、普通図柄の当否抽選の結果に応じた図柄で停止表示させる。即ち、S160で普通図柄の変動表示を開始するに先だって既に普通図柄の当否が決定されており(S158)、当否抽選の結果が当たりの場合は、普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを点灯させ、当否抽選の結果が外れの場合は、普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを消灯させる。更に、停止表示された図柄(ランプ装置56aが点灯しているか、消灯しているか)を遊技者が確認することができるように、停止図柄の表示時間を設定する(S168)。
次いで、停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断し(S170)、設定された停示時間が経過していない場合は(S170;NO)、そのまま普通図柄遊技処理(S150)を終了して、図43に示す遊技制御処理に復帰する。一方、3停止図柄の表示時間が経過したと判断された場合は(S170;YES)、停止表示された図柄が普通電動役物17dを作動させることとなる図柄(本実施例では普通図柄表示部56による点灯表示)であるか否かを判断する(S172)。
停止表示された普通図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄でない場合は(S172;NO)、つまり、普通図柄表示部56が消灯表示を行う場合は、そのまま普通図柄遊技処理(S150)を終了して、図43に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止表示された普通図柄が普通電動役物17dの作動図柄である場合は(S172;YES)、普通電動役物17dの作動を開始し(S174)、その後、普通図柄遊技処理(S150)を終了して、図43に示す遊技制御処理に復帰する。本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17dを構成する一対の翼片部が外側の回動して、普通電動役物17dが開放状態となる。
図43に示すように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理(S150)から復帰すると普通電動役物17dが作動中か否かを判断する(S190)。また、主制御基板200のCPU201は、普通電動役物17dが作動中であれば、内部の制御状態に基づいてこれを容易に検出することができる。そして、普通電動役物17dが作動中でなければ(S190;NO)、普通電動役物遊技処理(S200)はスキップするが、普通電動役物17dが作動中であれば(S190;YES)、以下に説明する普通電動役物遊技処理(S200)を開始する。
d.普通電動役物遊技処理
図46は、普通電動役物遊技処理(S200)の流れを示すフローチャートである。この普通電動役物遊技処理(S200)では、先ず初めに、普通電動役物17dが所定の作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。ここで、前述のように、普通電動役物17dが作動すると、一対の翼片部が外側に向かって回動し、普通電動役物17dが開放状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片部が直立した通常の状態に復帰する。そこで、S202では、普通電動役物17dが予め設定しておいた作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止した後(S206)、普通電動役物遊技処理を終了して、図43に示した遊技制御処理に復帰する。
一方、普通電動役物17dの開放中に、始動入賞装置17(第1の始動入賞17aであっても、第1の始動入賞17bであってもよい。)に規定数(例えば、8個)の遊技球が入球すると、開放時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物17dの作動時間が所定時間に達していない場合は(S202;NO)、普通電動役物17dに規定数の遊技球が入球したか否かを判断し(S204)、規定数の遊技球が入球したと判断された場合は(S204;YES)、普通電動役物17dの作動を停止して、図46に示した普通電動役物遊技処理(S200)を終了する。逆に、規定数の入球がないと判断された場合は(S204;NO)、普通電動役物17dを作動させたまま、図46に示した普通電動役物遊技処理(S200)を終了して、図36に示す遊技制御処理に復帰する。
図43に示すように、遊技制御処理では、図46に示す普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。その結果、特別図柄遊技処理を開始しないと判断された場合には(S300;NO)、特別図柄遊技処理(S400)をスキップし、逆に、特別図柄遊技処理を開始すると判断された場合には(S300;YES)、特別図柄遊技処理(S400)を行う。
e.特別図柄遊技開始判断処理
図43に示したように、遊技制御処理では、普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断する(S300)。図47は、特別図柄遊技を行うか否かを判断する処理の流れを示したフローチャートである。次に、図47を用いて前述した特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断について説明する。
特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっても、先ず初めに、特別図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、始動入賞装置17に遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。前述したように、始動入賞装置17の内部には遊技球の通過を検出する「始動入賞検出用スイッチ17s」が組み込まれており、主制御基板200のCPU201は、かかるスイッチ17sによって始動入賞装置17に遊技球が入球したことを検出することができる。
始動入賞装置17への入賞を生じている場合は(S302;YES)、特別図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S304)。ここで、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図52の特別図柄保留数メモリ202bである。)には、特別図柄保留数のデータが書き込まれており、S304では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、特別図柄の保留数が4以上か否かの判断を行う。そして、特別図柄保留数が4に達していなければ(S304;NO)、特別図柄保留数を1つ加算する(S306)と共に、特別図柄の当否判定用乱数を取得(発生・読み込み)して、この乱数値をRAM202の所定アドレス(図52の特別図柄当否判定乱数メモリ202aである。)に記憶し(S307)、S308の処理に移行する。
尚、当否判定は、このように記憶された当否判定用乱数に基づいて行われる。また、特別図柄の当否判定用乱数についても、前述した普通図柄の当否抽選乱数と同様に、乱数発生用のプログラムによってソフトウェア的に発生させてもよいし、乱数発生用の専用ICを用いてハードウェア的に発生させてもよい。また、特別図柄当否判定乱数メモリ202a(図52を参照)は、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。そして、この特別図柄当否判定乱数メモリ202aは、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ202aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
S304の処理において、特別図柄の保留数が4に達していると判断されると(S304;YSE)、S306の処理やS307の処理を行わずにS308の処理に移行する。
S308の処理では、左下表示装置50の「特別図柄保留表示部53」で特別図柄の保留数を表示するべく、LEDの駆動信号を出力する(S308)。即ち、特別図柄保留数が4個であれば、2個ランプ装置53a、53bを点滅させ、特別図柄保留数が3個であれば、1個ランプ装置53aを点滅させ、もう1つのランプ装置53bを点灯させる。また、特別図柄保留数が2個であれ2個のランプ装置53a、53bを点灯させ、特別図柄保留数が1個であれば1つの53aを点灯させ、もう1つのランプ装置53bを消灯させる。更に、特別図柄保留数が0個であれば、2個ランプ装置53a、53bを消灯させる。
このようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、条件装置が作動中か否かを判断する(S310)。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置(プログラムであり、ROM203に格納されている。)であり、特別図柄表示部62a〜62gによって、「大当りを示す特別図柄(スタンダード通常大当り、スタンダード確変大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)」が停止表示されると作動を開始する装置である。そして、条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞装置31(大入賞口31a)が連続して開放する遊技状態(所謂、「特別遊技状態」)が開始される。つまり、遊技機の遊技状態が「通常遊技状態(非特別遊技状態)」にあるときには、開放することのない大入賞装置31(大入賞口31a)が、連続して開放する「特別遊技状態」)が開始される。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、S310の処理において、条件装置が作動中と判断されれば(S310;YES)、重ねて特別遊技状態を開始することを避けるため、特別図柄遊技は開始しないと判断する(即ち、S300;YES)。一方、条件装置が作動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄遊技を開始すると判断する(S300;YES)。
図43に示した遊技制御処理のステップS300では、以上のようにして、特別図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、特別図柄遊技を開始すると判断した場合は(S300;YES)、以下に説明する特別図柄遊技処理(S400)を開始する(S320)。
f.特別図柄遊技処理
図48は、特別図柄遊技処理(S400)の流れを示したフローチャートである。この特別図柄遊技処理(S400)を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S404)。つまり、前述の特別図柄表示部62a〜62gにおいて、「ランプ装置の点滅表示を利用した変動表示」を実行中か否かが判断される(S404)。
特別図柄が変動中でない場合は(S404;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる表示時間中であるか否かを判断する(S410)。そして、特別図柄が変動表示されておらず、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している表示時間中でもない場合は(S410;NO)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S500)。ここで、特別図柄保留数は、前述のように、RAM202の所定アドレス(特別図柄保留数メモリ202b)に記憶されており、S500の処理では、このアドレスに記憶されている特別図柄保留数のデータが「0」か否かを判断する。
S500の処理により、特別図柄保留数が「0」でないと判断される場合、換言すれば、特別図柄の保留が残っている場合は(S500;NO)、特別図柄の当否判定処理(S600)を開始する。この特別図柄の当否判定処理(S600)は、図50及び図51に従って以下のように行われる。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S600)は、以下のように行われる。即ち、図50に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ202aから記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、ROM203内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か、つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動モードであるか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図51に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための本図柄であって、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、点灯表示を実行するランプ装置の数によって特定される。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ202e(図52参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。
一方、両者が一致していれば(S660;YES)、当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S662)、S664の処理に移行する。このS664の処理は、S660の処理で肯定判断された当選(確変当り)が、「チャンス大当り」であるのか否かを判断する処理である。そして、「チャンス大当り」でない場合(スタンダード確率変動大当りである場合)は(S664;NO)、そのままS668の処理に移行する。これに対して、「チャンス大当り」である場合は(S664;YES)、チャンス大当りフラグをセットした後(S666)、S668の処理に移行する。尚、「チャンス大当りフラグ」は、チャンス大当りを生じたことを示すフラグである。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ202iにセットする。尚、本実施例では、S660処理、つまり、「確変(確率変動)」に関する抽選(確変判定)を「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。同様に、大当りの態様(第1の大当りであるか、第2の大当りであるか)を決定するための抽選も、「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この抽選を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この抽選に関する専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図50に示すように、S680で外れ本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ本図柄番号メモリ202fに記憶する(S682)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ202iにセットする。
以上のように、特別図柄の当否判定処理(S600)を行ったら、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S700)。この処理の詳細な説明は省略するが、この処理においては、特別図柄の当否判定処理(S600)において決定した停止図柄に応じて、特別図柄の変動パターンを設定(変動時間を設定する処理等)を実行する。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄の変動パターンを設定すると、演出制御基板220に向かって「変動パターンの指定コマンド(CHP)」を出力した後(S740)、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)を出力し(S744)、右下表示装置60の「特別図柄表示部62a〜62g」において、特別図柄の変動表示(点滅表示)を開始する(S748)。また、特別図柄保留数から1を減算する処理を行う(S752)。尚、特別図柄の変動表示(点滅表示)が開始されると特別図柄の保留数が1つ消化されるので、主制御基板200上のRAM(特別図柄保留数メモリ202b)に記憶されている特別図柄保留数のデータから1を減算しておくのである。
ここで、S740で出力される変動パターン指定コマンド(CHP)は、S700の特別図柄変動パターン設定処理中で設定された変動パターンを指定するコマンドであり、演出制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。また、S744で出力される特別図柄停止情報指定コマンド(CJP)は、特別図柄の停止図柄の態様(スタンダード通常大当り図柄、スタンダード確変大当り図柄、チャンス大当り図柄、通常外れ図柄、リーチ外れ図柄等の停止図柄の態様)を指定するコマンドであり、演出制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。
変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)は、図42(a)に示したように、ストローブ信号とともに演出制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、演出制御基板220に搭載されたCPUの割り込み端子に接続されており、演出制御基板220側のCPUは、ストローブ信号が入力されると直ちにコマンドを受け取って、コマンドの内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が確変図柄等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が確変図柄で停止するのか、更には外れ図柄で停止するのかを知ることができる。
演出制御基板220に搭載されたCPUは、これらの情報に基づいて、中央表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御コマンドを出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、演出制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
主制御基板200のCPU201は、以上のようにして、特別図柄の変動パターンと特別図柄の停止図柄とを決定し、これらに対応する変動パターン指定コマンドと特別図柄停止情報指定コマンドとを出力したら、図48に示した特別図柄遊技処理を終了して、図43に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄遊技処理(S400)を開始した直後の「S404の処理」で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S404;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されているものと考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S756)。
即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S756;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図46に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S756;YES)、演出制御基板220に向かって、中央表示装置27で変動表示されている疑似図柄の図柄停止コマンド(CZE)を出力すると共に、「特別図柄表示部62a〜62g」において変動表示(点滅表示)している特別図柄を停止表示する(S760)。なお、図柄停止コマンド(CZE)は、演出制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、中央表示装置27上で特別図柄を停止表示させる表示時間を設定した後(S772)、設定した表示時間が経過したか否かを判断する(S776)。
S776の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S776;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図43に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S776;YES)、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(図49のS778)。ここで、「条件装置を作動させることとなる図柄」とは、「大当り図柄」のことであって、具体的には、「スタンダード通常大当り図柄」と、「スタンダード確変大当り図柄」と、「チャンス大当り図柄」とを指す。
S778の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる(S780)。ここで、条件装置(プログラムであり、ROM203に格納されている。)とは、前述のように、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。また、役物連続作動装置(プログラムであり、ROM203に格納されている。)とは、一旦閉鎖された大入賞装置31(大入賞口31a)を再び開放させる装置である。詳細には別図を用いて説明するが、こうして条件装置および役物連続作動装置を作動させることにより、特別図柄遊技処理(S400)を抜けて図43の遊技制御処理に復帰すると特別電動役物遊技処理が開始され、特別遊技状態が開始されることになる。尚、主制御基板200のCPU201は、このS780の処理に連動して、「大当り移行表示開始コマンド(CIS)を、演出制御基板220に向かって送信する。この大当り移行表示開始コマンド(CIS)は演出制御基板220から演出表示制御基板222に転送されるもので、これにより、大当り遊技開始を遊技者に報知する演出表示が中央表示装置27にて行われる。
ところで、本実施例の遊技機1では、条件装置及び役物連続作動装置の作動時は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。このため、S780の処理において、条件装置及び役物連続作動装置を作動させたら、現在の遊技状態(条件装置作動開始時の遊技状態)が確変中か否かを判断する(S782)。そして、確変中であれば(S782;YES)、確変機能(確率変動手段)及び時短機能(時短手段)が作動しているので、これら機能(手段)を停止させる(S790)。一方、現在の遊技状態(条件装置作動開始時の遊技状態)が確変中ではなかった場合は(S782;NO)、時短中か否かを確認し(S786)、時短中であった場合は(S786;YES)、時短機能(時短手段)を停止させる(S788)。
また、本実施例では、確変中である場合(S782;YES)や、時短中である場合(S786;YES)には、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)も働いているので、S792の処理で、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)も停止させた後(S792)、図48及び図49に示した特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。一方、S780の処理で条件装置及び役物連続作動装置を作動させたときの遊技状態が確変中でも時短中でもなかった場合は(S786;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、遊技制御処理に復帰する。
S778の処理で否定的な判断がなされると、つまり、「特別図柄表示部62a〜62g」において停止表示される特別図柄が「外れ図柄」の場合(S778;NO)、以下ような処理を行う。
先ず、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S794)。このS794の処理で肯定的な判断がなされる場合(S794;YES)、「遊技機1が現在実行中の確変状態に移行した後に、S778の処理で肯定的な判断を得ることなく、実行された特別図柄の変動回数(累積回数)」が計数(インクリメント)される(S796)。そして、この変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、50回)に到達していない場合は(S798;NO)、確変状態を維持したまま、図48及び図49に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。
一方、この変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、50回)に到達した場合(S798;YES)、主制御基板200のCPU201は、遊技機1の遊技モードを確変モードから時短モードに移行させた後(S800、S802)、図48及び図49に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。
S794の処理において現在の遊技状態が確変中ではないと判断された場合は(S794;NO)、現在の遊技状態が時短中か否かを判断する(804)。このS804の処理で肯定的な判断がなされる場合(S804;YES)、「遊技機1が現在実行中の時短状態に移行した後に、S778の処理で肯定的な判断を得ることなく、実行された特別図柄の変動回数(累積回数)」が計数(インクリメント)される(S806)。そして、この変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、100回)に到達していない場合は(S808;NO)、時短状態を維持したまま、図48及び図49に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。
一方、S808の処理で計数される変動回数(累積回数)が、上限回数(例えば、100回)に到達した場合(S808;YES)、主制御基板200のCPU201は、遊技機1の遊技モードを遊技モードから通常モード戻し(S810)、更に、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)を停止させた後、図48及び図49に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。
g.特別電動役物遊技処理
図53に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理(S400)から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S880)。ところで、前述のように、条件装置は役物連続作動装置を作動させることにより、所謂「特別遊技状態」を開始させる装置である。そこで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S900)。一方、条件装置が作動中でなければ(S880;NO)、特別電動役物遊技処理(S900)はスキップする。
図53及び図54は、特別電動役物遊技処理(S900)の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理(S900)が実行されることによって、所謂「特別遊技状態」が発生する。ここで、本明細書の「特別電動役物」とは、大入賞口31dを開放させる装置である。大入賞口31dは他の入賞口に比べて大きく開口するため、大入賞口31dが開放されると、遊技球が高い確率で入球することになる。この開放された大入賞口31dは、前述のように、所定の開放時間が経過するか、或いは、所定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。そして、本明細書の「役物連続作動装置」とは、大入賞口31dを再び開放状態とする装置である。尚、大入賞口31dが開放してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド」と呼ばれる。こうしたラウンドを繰り返して、所定回数のラウンドを消化したら特別遊技状態が終了する。こうした遊技状態は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図53及び図54に示す特別電動役物遊技処理(S900)を行うことで実現されている。以下、図53及び図54を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
CPU201は、特別電動役物遊技処理(S900)を開始すると先ず初めに、大当りフラグ(S668)がセットされているか否か判断する(S904)。この大当りフラグ(S668)がセットされている場合(S904;YES)、これから特別電動役物遊技処理(S900)の「第1ラウンド」を開始する段階であることを示し、大当りフラグ(S668)がセットされいない場合(S904;NO)、これから特別電動役物遊技処理(S900)の「第2ラウンド」以降を開始する段階であることを示す。
S904の処理で否定的な判断がなされる場合(S904;NO)、そのまま、S912の処理に移行するが、S904の処理で肯定的な判断がなされる場合(S904;YES)、大当りフラグ(S668)を解除する処理と、ラウンド回数R(ラウンドカウンタ)に初期値(「1」)をセットする処理を実行した後に、S912の処理に移行する。ここで、ラウンド回数(ラウンドカウンタ)とは、特別電動役物遊技処理(S900)において、現在実行中のラウンド回数を示すものである。そして、本実施例では、スタンダード大当りに係る「特別遊技状態」において、このラウンド回数Rの上限は、N1回(具体的には、15回)とされ、チャンス大当りに係る「特別遊技状態」において、このラウンド回数Rの上限は、N2回(具体的には、2回)とされている。
S912の処理においては、「チャンス大当りフラグ(S664)」がセットされているか否かを判断する。そして、CPU201は、S912の処理を根拠に、第1の特別遊技状態(スタンダード大当りを根拠とする特別遊技状態)を実行するか、第2の特別遊技状態(チャンス大当りを根拠とする特別遊技状態)を実行するかを判断する。
S912の処理において否定的な判断がなされる場合(S912;NO)、第1の特別遊技状態(スタンダード大当りを根拠とする特別遊技状態)が実行される。その際、先ず、大入賞口31dが開放中か否かを判断する(S916)。ここで、大入賞口31dは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、第1の特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっている。このため、第1の特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは開放中ではないと判断され(S916;NO)、特別電動役物の連続作動回数(R)が所定の上限回数(N1)に達したか否か(15回に達したか否か)を判断する(S940)。つまり、前述のように、特別電動役物とは、大入賞口31dを開放させる装置であり、特別遊技状態が発生すると特別電動役物が所定の回数作動して、所定回数のラウンドが繰り返されることになっている。このことに対応して、大入賞口31dが閉鎖されている場合は(S916;NO)、特別電動役物の作動回数(R)が所定回数(N1)に達したか否か、換言すれば、所定回数(N1)のラウンドが終了したか否かを判断するのである(S940)。
但し、第1の特別遊技状態が開始された直後は、特別電動役物の作動回数(R)が所定回数(N1)に達していないから、S940の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S940;NO)。このため、S948の処理に移行して、大入賞口31dの閉鎖時間(t2)が経過したか否かを判断する(S948)。ここで、大入賞口の閉鎖時間(t2)とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口31dが閉鎖状態となっている時間である。そして、第1の特別遊技状態が開始された直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっているから、必然的に、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S948;NO)、大入賞口31dを開放させた後(S952)、図56に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図43の遊技制御処理に復帰する。
尚、CPU201は、このS952の処理に連動して、「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。この「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」は、CPU201が演出制御基板220に対して、第1の特別遊技に係るラウンドの開始を報知するためのコマンドであって、各ラウンドを開始する毎に送信される。なお、ラウンド表示開始コマンド(CRS)は、演出制御基板220から演出表示制御基板222に転送されるもので、これにより、大当り遊技中のラウンド表示が中央表示装置27にて行われる。
一方、S912の処理において肯定的な判断がなされる場合(S912;YES)、第2の特別遊技状態(チャンス大当りを根拠とする特別遊技状態)が実行される。この際にも、前述の「第1の特別遊技状態」と同様な処理が実行される。つまり、先ず、大入賞口31dが開放中か否かを判断する(S970)。この場合も、第2の特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは開放中ではないと判断され(S970;NO)、特別電動役物の連続作動回数(R)が所定の上限回数(N2)に達したか否か(2回に達したか否か)を判断する(S984)。
但し、第2の特別遊技状態が開始された直後は、特別電動役物の作動回数(R)が所定回数(N2)に達していないから、S984の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S984;NO)。このため、S986の処理に移行して、大入賞口31dの閉鎖時間(t2)が経過したか否かを判断する(S986)。そして、第2の特別遊技状態が開始された直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっているから、必然的に、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S986;NO)、大入賞口31dを開放させた後(S988)、図53に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図43の遊技制御処理に復帰する。尚、この際にも、CPU201は、このS988の処理に連動して、「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図43に示す一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。この際、前述のように、図43に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図53及び図54に示す特別電動役物遊技処理(S900)も、約4msec毎に繰り返して実行される。この際、第1の特別遊技の実行中に繰り返される特別電動役物遊技処理(S900)においては、「チャンス大当りフラグ(S664)」がセットされていないため(S912の処理で否定的な判断がなされるため)、図53のS916以降の処理が確実に実行される。一方、第2の特別遊技の実行中に繰り返される特別電動役物遊技処理(S900)においては、「チャンス大当りフラグ(S664)」がセットされいるため(S912の処理で肯定的な判断がなされるため)、図54のS970以降の処理が確実に実行される。
ここで、第1の特別遊技状態の開始後に行われた初めての特別電動役物遊技処理(S900)は、S916の処理において大入賞口31dを開放して、そのまま、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」を終了する。そして、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」の終了後、約4msec後に2周目の特別電動役物遊技処理(S900)を行う場合には、S916にて、大入賞口31dが開放中と判断されることになる(S916;YES)。
この2周目の特別電動役物遊技処理(S900)においては、S916の処理で肯定的な判断がなされた後、大入賞口31dの開放時間が所定時間(t1)に達したか否かを判断する(S920)。そして、前述のように、第1の特別遊技では、大入賞口31dが開放状態となるが、開放時間が所定時間(t1)に達するか、又は、は大入賞口31dに所定数(N1)の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S920では大入賞口31dの開放時間が所定時間(T1)に達したか否かを判断するのである。
そして、開放時間が所定時間(t1)に達していれば(S920;YES)、大入賞口31dを閉鎖した後(S928)、図53に示した特別電動役物遊技処理(S900)を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が所定時間(t1)に達していない場合は(920;NO)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数(N1)に達しているか否かを判断する(S924)。そして、遊技球が規定数(N1)に達した場合も(S924;YES)、大入賞口31dを閉鎖する(S928)。これに対して、規定数(N1)に達していない場合は(S924;NO)、大入賞口31dの開放時間が未だ所定時間(t1)に達しておらず、しかも、大入賞口31dに入球した遊技球も規定数(N1)に達していないと考えられるので、大入賞口31dを開放させたまま、図53の特別電動役物遊技処理を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「第1の特別遊技状態」である場合、図43の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dの開放時間が所定時間(T1)に達するか(図53のS920;YES)、若しくは、大入賞口31dに所定数(N1)の遊技球が入球して(S924;YES)、大入賞口31dが閉鎖される(S928)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。この際にも、CPU201は、このS928の処理に連動して、「ラウンド表示終了コマンド(CRE)」を演出制御基板220に送信する。ここで、ラウンド表示終了コマンド(CRE)は、演出制御基板220から演出表示制御基板222に転送されるもので、これにより、現在の状態が次ラウンドの遊技開始まで待機状態であることを遊技者に報知するラウンド間演出表示が、中央表示装置27にて行われる。
遊技機1の遊技状態が「第1の特別遊技状態」である場合、次に特別電動役物遊技処理(S900)が実行された時には、S916において大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S916;NO)、当該「第1の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N1)、つまり、「15」に到達したか否かが判断され(S940)、所定回数(N1)に到達していなければ(S940;NO)、大入賞口31dの閉鎖時間が所定時間(t2)に達したことを確認した後(S948;YES)、再び大入賞口31dを開放状態として新たなラウンドを開始する(S952)。尚、この際にも、CPU201は、このS952の処理に連動して、新たに始まるラウンドに係る「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。
一方、S940の処理において、当該「第1の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N1)に到達したと判断される場合(S940;YES)、条件装置及び役物連続作動装置の作動を停止させ、第1の特別遊技状態を終了する(S944)。
続いて、確変当りフラグ(S662)がセットされているか否か(つまり、条件装置が作動して、第1の特別遊技状態が開始されることとなった特別図柄の停止図柄が、確変図柄であったか否か)を判断する(S946)。そして、S946の処理で否定的な判断がなされる場合(S946;NO)、そのまま、特別電動役物遊技処理(S900)を終了し、図43に示す遊技制御処理に復帰する。する。これに対して、S946の処理で肯定的な判断がなされる場合(S946;YES)、確変当りフラグ(S662)を解除した後、確変機能(確変手段)と、普通電動役物開放時間延長機能(開放延長手段)の作動を開始した後(S954、S962)、特別電動役物遊技処理(S900)を終了し、図43に示す遊技制御処理に復帰する。
また、第2の特別遊技状態の開始後に行われた初めての特別電動役物遊技処理(S900)においても、S970の処理において大入賞口31dを開放して、そのまま、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」を終了する。そして、当該「特別電動役物遊技処理(S900)」の終了後、約4msec後に2周目の特別電動役物遊技処理(S900)を行う場合には、S970にて、大入賞口31dが開放中と判断されることになる(S970;YES)。
この2周目の特別電動役物遊技処理(S900)においては、S970の処理で肯定的な判断がなされた後、大入賞口31dの開放時間が所定時間(v1)に達したか否かを判断する(S972)。そして、前述のように、第2の特別遊技では、大入賞口31dが開放状態となるが、開放時間が所定時間(v1)に達するか、又は、は大入賞口31dに所定数(n1)の遊技球が入球すると閉鎖される。
そして、開放時間が所定時間(t1)に達していれば(S972;YES)、大入賞口31dを閉鎖した後(S978)、図53及び図54に示した特別電動役物遊技処理(S900)を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が所定時間(v1)に達していない場合は(972;NO)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数(n1)に達しているか否かを判断する(S974)。そして、遊技球が規定数(n1)に達した場合も(S974;YES)、大入賞口31dを閉鎖する(S978)。これに対して、規定数(n1)に達していない場合は(S974;NO)、大入賞口31dを開放させたまま、図53及び図54の特別電動役物遊技処理を抜けて、図43の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「第2の特別遊技状態」である場合、図43の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dの開放時間が所定時間(v1)に達するか(図54のS972;YES)、若しくは、大入賞口31dに所定数(n1)の遊技球が入球して(S974;YES)、大入賞口31dが閉鎖される(S978)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。この際にも、CPU201は、このS978の処理に連動して、「ラウンド表示終了コマンド(CRE)」を演出制御基板220に送信する。
遊技機1の遊技状態が「第2の特別遊技状態」である場合、次に特別電動役物遊技処理(S900)が実行された時には、S970において大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S970;NO)、当該「第2の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N2)、つまり、「2」に到達したか否かが判断され(S984)、所定回数(N2)に到達していなければ(S984;NO)、大入賞口31dの閉鎖時間が所定時間(v2)に達したことを確認した後(S986;YES)、再び大入賞口31dを開放状態として新たなラウンドを開始する(S988)。尚、この際にも、CPU201は、このS988の処理に連動して、新たに始まるラウンドに係る「ラウンド表示開始コマンド(CRS)」を演出制御基板220に送信する。
一方、S984の処理において、当該「第2の特別遊技」中に終了したランド数(連続回数R)が所定回数(N2)に到達したと判断される場合(S984;YES)、条件装置及び役物連続作動装置の作動を停止させ、第2の特別遊技状態を終了する(S990)。続いて、チャンス大当りフラグ(S666)を解除した後、確変機能(確変手段)と、普通電動役物開放時間延長機能(開放延長手段)の作動を開始した後(S994、S998)、特別電動役物遊技処理(S900)を終了し、図43に示す遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1の遊技を進行させることが可能となっている。
(6)図柄変動関連処理
以下、演出制御部220A(演出制御部220Aを構成する演出制御基板220のCPU)が、「演出制御手段」として行う「図柄変動関連処理」について説明する。
この図柄変動関連処理は、図55に示すように、演出制御部220A(演出制御基板220)が、変動パターン指定コマンドを受信すると(S1005;YES)、開始される。つまり、演出制御部220A(演出制御基板220)が、変動パターン指定コマンドを受信すると(S1005;YES)、演出制御部220A(演出制御基板220)は受信した変動パターン指定コマンド(CHP)を演出制御部222A(演出制御基板222)に転送し、中央表示装置27において、疑似図柄と、背景図柄の変動表示を開始させる(S1010)。このとき、疑似図柄の変動時間(変動演出表示の終了時間)を管理(特定)するための「変動時間タイマT1」がセットされると共に、ランプ装置Rが点灯状態となる(S1010)。尚、演出制御部220A(演出制御基板220)は、特別図柄の変動開始に合わせて、「スピーカSP1〜SP4から所定の効果音」が出力されように、「スピーカSP1〜SP4」の駆動を制御する。
そして、演出制御部220A(演出制御基板220)が、「情報指定コマンド」を受信すると(S1020;YES)、「演出制御処理」を行われる(S1100)。この演出制御処理(S1100)においては、図56に示すうように、先ず、受信した「情報指定コマンド」に基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行された当否判定の結果が、大当り(スタンダード大当り、チャンス大当り)であるか否かが判断される(S1105)。
大当り(スタンダード大当り、チャンス大当り)であると判断される場合(S1105;YES)、「演出表示の実行態様」を選択し、特定する(S1110)。このS1110の処理は、S1005で受信した変動パターン指定コマンド(CHP)の種類等を基づいて実行され、(1)疑似図柄表示部27b〜27dにおいて実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、リーチ表示の態様等)」、(2)特別演出処理を実行するか否か、(3)特別演出を実行する場合には、その態様(実行を開始するタイミング、特別演出処理の実行時間等)が特定される。また、S1110において、「リーチ表示を開始する時間(以下、「リーチ時」という。)」を管理するための「リーチタイマーT2」がセットされる。
S1110で特定された「演出表示の実行態様」が、「特別演出の実行を予定しないもの」である場合(S1120;NO)、通常演出を実行し(S1620)、演出制御処理(S1100)を終了し、図55の「図柄変動関連処理」に復帰する。一方、S1110で特定された「演出表示の実行態様」が、「特別演出の実行を予定するもの」である場合(S1120;YES)、図57に示す「特別演出」を実行した後(S1200)、演出制御処理(S1100)を終了し、図55の「図柄変動関連処理」に復帰する。
この「特別演出処理」では、特別演出(上昇点灯演出)の開始時間を管理(特定)するための「第2開始タイマT3」の終了時を、「リーチ時」に設定すると共に、「上昇消灯演出」の開始時間を管理(特定)するための「第2開始タイマT3」の終了時間を管理(特定)するための「第3開始タイマT4」の終了時を、「リーチ表示の終了後の所定の時間(以下、「リーチ後」という。)」に設定する(S1205)。
この後、「リーチタイマT2」が終了する(同時に、第2開始タイマT3も終了すると(S1210;YES)、疑似図柄表示部27b〜27dによって「リーチ表示」が実行されると共に、前面枠4に配設された全LED760、770、780と、各発光装置14を構成する全LED860、870、880を同時に消灯状態とした後(S1212)、上昇点灯演出が行われる(S1215、S1220、S1225、S1230、S1235)。
具体的には、右下発光部材DRを構成するLED(図中、右下枠LEDと表記)と、表示画面27aの斜め右下方の発光装置14を構成するLED(図中、右下領域LEDと表記)とを、「より下方側に位置するもの」から「より上方側に位置するもの」の順で点灯させる(S1215、S1220)。そして、表示画面27aにおいてオンライン図形Z1を、より下方側に位置する部位からより上方側に位置する部位に向かって出現させる(S1225)。更に、表示画面27aの斜め左上方の発光装置14を構成するLED(図中、左上領域LEDと表記)と、左上発光部材ULを構成するLED(図中、左上枠LEDと表記)とを、「より下方側に位置するもの」から「より上方側に位置するもの」の順で点灯させる(S1230、S1235)。これにより、上昇点灯演出を完了する。
上昇点灯演出を完了すると、続いて、下降点灯演出が行われる(S1240、S1245、S1250、S1255、S1265)。つまり、右上発光部材URを構成するLED(図中、左上枠LEDと表記)と、表示画面27aの斜め右上方の発光装置14を構成するLED(図中、右上領域LEDと表記)とを、より上方側に位置するもの」から「より下方側に位置するもの」の順で点灯させる(S1240、S1245)。そして、表示画面27aにおいてオンライン図形Z2を、より上方側に位置する部位からより下方側に位置する部位に向かって出現させる(S1250)。更に、表示画面27aの斜め左下方の発光装置14を構成するLED(図中、左下領域LEDと表記)と、左下発光部材DLを構成するLED(図中、左下枠LEDと表記)とを、「より上方側に位置するもの」から「より下方側に位置するもの」の順で点灯させる(S1230、S1235)。これにより、下降点灯演出を完了する。そして、このように、上昇点灯演出と、下降点灯演出とが順次行われると、遊技者は、「遊技機1全体が、あたかも、Xの文字(アルファベット)を描きつつ切り裂かれたような印象」を受ける。
このように、「下降点灯演出」を完了すると、「第3開始タイマT4」が終了するのを待って(S1270;YES)、上昇消灯演出が実行される(S1315、S1320、S1325、S1330、S1335)。この後、下降消灯演出が実行され(S1340、S1345、S1350、S1355、S1360)、「特別演出処理」を終了し、図55の「図柄変動関連処理」に復帰する。尚、下降点灯演出を完了してから、「第3開始タイマT4」が終了するまでの間(例えば、0.8秒間)において、第1の仮想連結線L1の近傍範囲内に存在するLEDの点灯状態と、第2の仮想連結線L2の近傍範囲内に存在するLEDの点灯状態とが維持される。
S1020の処理において受信した「情報指定コマンド」に基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行された当否判定の結果が、「外れ」であると判断される場合(S1105;NO)も、「演出表示の実行態様」を選択し、特定する(S1600)。このS1600の処理は、S1005で受信した変動パターン指定コマンド(CHP)の種類等を基づいて実行され、(1)疑似図柄表示部27b〜27dにおいて実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様等)」、(2)リーチ表示の実行の可否、(3)リーチ表示の実行する場合には、その態様、(3)リーチ表示の実行する場合には、特別演出を実行するか否か、(4)特別演出を実行する場合には、その態様(実行を開始するタイミング、特別演出処理の実行時間等)が特定される。また、S1600において、「リーチ表示の実行」すべきと判断する場合、「リーチタイマーT2」がセットされる。
S1600の処理において、「リーチ表示の実行しないとされた場合(S1610;NO)、通常演出を実行し、演出制御処理(S1100)を終了し、図55の「図柄変動関連処理」に復帰する。一方、S1600の処理において、「リーチ表示の実行するされた場合(S1610;YES)、S1120の処理に移行する。この後、S1200の処理を実行(S1120;YESの場合)するか、通常演出を実行(S1120;NOの場合)する。
演出制御処理(S1100)を経て、「図柄変動関連処理」に復帰した後、演出制御部220A(演出制御基板220)が、図柄停止コマンドを受信すると(S1700;YES)、疑似図柄と、背景図柄の変動が停止する(S1710)。このとき、「変動時間タイマT1」も終了する(S1710)。
(7)実施例の効果
本実施例によると、遊技機1の前面側の略全体を用いて効果的な演出を実行することが可能となる。つまり、遊技領域11外において、表示画面27aと関連を付けられた部位(つまり、仮想連結線L1、L2の近傍範囲内に位置する部位)に対して、発光部材(UR、UL、DR、DL)と、発光装置14とを設け、これらを用いて演出(発光表示)を行うことができる。このため、本実施例によると、遊技領域11内の表示画面27aを用いた画像表示と、遊技領域11内の発光装置14を用いた発光表示(点灯)と、遊技領域11外の発光部材(UR、UL、DR、DL)を用いた発光表示(点灯)を組み合わせて、効果的な演出を実行することができる。特に、本実施例においては、遊技者に対して、「あたかも、遊技機1の全体が、Xの文字(アルファベット)に沿って切り裂かれるような印象」を与えることができるため、演出効果が大きなものとなる。
また、本実施例の遊技機1では、「透明な前カバー部材710の後方に配置される、第2のLED770及び第3のLED780」と、「同じく、透明な前カバー部材710の後方に配置される、導光部735A、735B」と、が協働して、「前面枠4の前方に出射される光の拡散範囲」を拡大する。同時に、前カバー部材710の後方に、「第1のLED760」を介在させ、「遊技者が体感する輝度が高い光(主光)」を混在させ、「前面枠4の前方への出射光」にアクセントを与える。このため、遊技機1によると、例えば、「前面枠4が、ぴかりと輝くような効果的な電飾」を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
即ち、本実施例では、発光部材(UL、UR、DL、DR)及び盤側発光部材として、発光源(LED760、760、770、860、870、880)と、導光手段(導光部735A、735B、835A)と、を備えるものを例示したが、発光部材(UL、UR、DL、DR)及び盤側発光部材のうちの少なくとも一方から、導光手段(導光部735A、735B、835A)を排除することもできる。例えば、盤側発光部材を、挿入孔10D内に配置されるランプ装置(LED)によって構成した「別の態様(つまり、導光手段を備えない構成とした別の態様)」を例示することもできる。
この「別の態様」においては、挿入孔10Dの封止を、「実施例で示した態様」と同様に、「レンズとして機能するカバー体(前カバー体810)」により行ってもよいし、「レンズとして機能しないカバー体(例えば、単なる透明板)」により行ってもよい。更に、この「別の態様」においては、ランプ装置(LED)を搭載するための取付基板を、挿入孔10Dの外部に配設してもよいし、反射シート850を省略してもよい。
また、参考発明1及び参考発明2の各発明においては、図58の変形例1のように、主光源部を構成するLED1810と、副光源部を構成するLED1820と、導光部1830とを、仮想連結線L1、L2の近傍範囲内のみに集中的に配置してもよい。また、本実施例及び変形例1等において、導光部1830の軸線を、仮想連結線L1、L2の経路に一致させ、導光部1830を仮想連結線L1、L2に対して、「オンライン」の状態となるように配置してもよい。
また、参考発明3においては、図59〜図61を用いて示す変形例2のように、発光装置14の役割を、表示画面27aによって行うことができる。つまり、この変形例2に係る遊技機を構成する遊技盤10は、図60に示すように、前方板状部500と、後方板状部600と、を着脱可能に積層して構成される積層板を用いて構成されている。また、前方板状部500及び後方板状部600の平面形状(前方から視認した平面形状)は、何れも、遊技盤10の平面形状(前方から視認した平面形状)と等しくされている。
前方板状部500は、透明な樹脂板を用いて構成されると共に遊技盤10の後面部側の部位を構成する板状体であり、後方板状部600は、遊技盤10の後面部側の部位を構成する板状体である。ここで、透明な樹脂板としては、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」や、「ポリカーボネート板(ポリカーボネート樹脂からなる板状体)」等を例示できる。尚、「アクリル樹脂からなる板状体」とは、「メタクリル酸エステル(特に、メタクリル酸メチル)」、及び/又は、「アクリル酸エステル」を主成分として含有する(樹脂成分全体の50重量%〜100重量%含有する)樹脂からなる板状体を指す。また、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」を用いた場合、例えば、「90〜92%の光透過率(可視領域での光透過率)」を得ること(クリスタルガラスに匹敵する光透過率を得ること)も可能なため、より好適な前方板状部500を得ることができる。
後方板状部600の略中央部には、略矩形状の貫通部611が、貫通状に設けられている。尚、この貫通部611のサイズが以下のように定められている。つまり、図61に示すように、貫通部611の横方向に沿った幅(P)は、約337.5mmとされ、貫通部611の縦方向に沿った幅(R)は、約272.3mmとされている。一方、本遊技機1を構成する遊技盤10の遊技領域11の縦方向に沿った幅の最大寸法(S)は約462mmとされ、遊技領域11の横方向に沿った幅の最大寸法(Q)は約424mmとされている。このため、比(P/Q)は約0.80とされ、比(R/S)は約0.59とされている。
この変形例2においては、中央表示装置27が、後方板状部600の後面部に固着されている。そして、中央表示装置27の表示画面27aは、貫通部611と略同一のサイズとされと共に、貫通部611と前後に位置合わせされている。このため、この変形例2においては、大型の表示画面27aが、前方板状部500を透かした状態で視認可能とされている。尚、この中央表示装置27も、画像表示装置」の具体例を構成すると共に液晶表示装置を用いて構成されている。また、本実施例では、表示画面27aのサイズを「17インチ」としている。この表示画面27aのサイズは特に問わないが、「10インチ」〜「20インチ」の間で選択することが好ましく、「15インチ」〜「17インチ」の間で選択することが更に好ましい。
この変形例2においては、大型の表示画面27aが、遊技盤10の前方から視認可能な状態に配置される。このため、図59に示すように、この表示画面27aにオンライン図形Z1、Z2を表示することとすれば、遊技盤10から発光装置14を排除しても、実施例に劣らない演出を実行できる。例えば、前面枠4に配設される発光部材と、表示画面27aとにより、遊技者に対して、「あたかも、遊技機1の全体が、Xの文字(アルファベット)に沿って切り裂かれるような印象」を与えることができる。尚、変形例2は、参考発明3を具体化したものであるが、参考発明4においても、同様な変形例を例示できる。例えば、参考発明4の具体例として、全体が透明な遊技盤10の後方に、大型の表示画面を配置するもの(変形例2の表示画面27aと同様な表示画面)を例示できる。
、各請求項の発明の遊技機が、図62(a)の変形例3に示すように、円弧状の導光部735Cを備えてしてもよい。また、各請求項の発明においては、前面枠4の局部的な電飾を行うこともできる。例えば、図62(b)の変形例4に示すように、カバー本体710の一部のみを透明部710tとしてもよい。この場合、透明部710tは、仮想連結線L1(L2)の近傍範囲内(仮想連結線L1に平行な一対の線h1、h1で挟まれた範囲内や、仮想連結線L2に平行な一対の線h2、h2で挟まれた範囲内)に設けられてもよい。また、透明部710tの後方に一個の導光部735Dと、一個の「第1のLED760」と、一個の「第2のLED770」と、一個の「第3のLED780」と、を配置してもよい。
また、本実施例では、個々の副光源部と、個々の光入射部とが一対一の関係になるものを例示したが、副光源部と光入射部とが一対多の関係になってもよい。つまり、一個の副光源部が、二個若しくは三個以上の光入射部に光を出射してもよい。更に、使用するLEDが指向する方向は、そのモールド部材の先端部の方向に限定されない。例えば、モールド部材内に、LEDが指向する方向を調整するための反射板が配置される場合、この反射板によって調整される方向が、「指向する方向」となる。