(本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機1の構成等)
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図3は、遊技機用枠を開放した状態を示す斜視図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面200Aを前面側に有する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域(「遊技部」ともいう)10が形成されている。この遊技領域10は、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれ、打ち込まれた遊技球が流下可能な領域とされている。
また、遊技機用枠3には、遊技領域10を視認するための窓部51が設けられた開閉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該開閉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、開閉枠50を閉鎖したときに窓部51を通して遊技領域10を透視できるようになっている。また、開閉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、窓部51の下方には遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技盤2は、図3及び図9に示すように、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材(透過性部材)にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面200Aに障害釘(図示略)やガイドレール2b(図3参照)等が設けられた盤面板200と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材205と、から主に構成されている。本実施の形態の遊技盤2は、透光性を有する合成樹脂材にて構成されていたが、これに限られるものではなく、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。特別図柄の変動表示(可変表示)とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(他の可変表示についても同じ)。変動表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」と、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、画像表示装置5A,5X,5Yが設けられている。画像表示装置5A,5X,5Yは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5Aの表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して(例えば、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して)、例えば3つといった複数の変動表示部となる「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄)が変動表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、画像表示装置5Aの表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。また、図1に示すように、画像表示装置5Aの表示領域には、後述する可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600R)がいずれの位置にあっても遊技に関する特定遊技情報(例えば、小図柄、第4図柄、右打ち表示、保留表示などのうちの少なくとも一つ)を表示する特定遊技情報表示領域5Zを備えている。小図柄は、第1特図ゲームに対応して可変表示され演出図柄よりも小さい第1小図柄と、第2特図ゲームに対応して可変表示され演出図柄よりも小さい第2小図柄とが含まれる。小図柄は、常時表示されるものや所定期間のみ表示されるものであってもよい。第4図柄は、現在変動表示(可変表示)中の状態であるのか否かを示す図柄である。右打ち表示は、遊技者に対して、遊技球が遊技領域の10の右側に発射されるよう打球操作ハンドルの操作を促す表示である。この実施の形態では、画像表示装置5Aの表示領域の一部を特定遊技情報表示領域5Zとしているが、画像表示装置5X,5Yの少なくとも一方の表示領域に特定遊技情報表示領域5Zを備えるようにしてもよい。また、遊技盤2に特定遊技情報表示装置(例えば、LED、ランプ、7セグメントLED、液晶表示装置など)を備えるようにしてもよい。
画像表示装置5X,5Yは、画像表示装置5Aよりも表示画面の横幅が略半分とされ、画像表示装置5Aの左右側に、後述するように移動及び回動可能に設けられている。本実施の形態では、主に中央の画像表示装置5Aにて演出図柄の変動表示や各種演出が行われ、画像表示装置5X,5Yにて画像表示装置5Aに関連する演出が行われるようになっているが、画像表示装置5Aに替えて演出図柄の変動表示が行われたり、画像表示装置5Aとは別個の演出も行われたりすることがある。
また、これら画像表示装置5A,5X,5Yは、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、本実施の形態では、画像表示装置5X,5Yの一部は盤面板200を通して視認できるようになっている。また、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠52が設けられている。
画像表示装置5A,5X,5Yの表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。つまり、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、実行が保留されている特図ゲームに対応する保留表示画像の表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右側方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)と第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)とを表示する。
画像表示装置5Aの下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、画像表示装置5Yの下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図、普通図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲーム(普通図ゲーム)ともいう。普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。普通図柄表示器20の右側方位置には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。つまり、普図保留表示器25Cは、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技盤2には、遊技領域側発光部品が配置されている。この遊技領域側発光部品としては、例えばセンター飾り枠52に設けられた図示省略の発光部品(LED)、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bに設けられた図示省略の発光部品(LED)などがある。また、遊技盤2は、その表面の少なくとも一部(例えば導光領域)を発光させるための発光部品(LED)を備えるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、遊技領域周辺部には遊技効果用の演出用LED9が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿ともいう)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球やファール球などをパチンコ遊技機1の外部へと排出する排出口(図示略)が設けられている。上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作(例えば押下)を検出し、操作検出信号を演出制御基板12に出力するプッシュセンサ35Bが設けられている。
遊技機用枠3の下部箇所には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における遊技機用枠3の下部内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5A,5X,5Y、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5A,5X,5Yにおける表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。LED制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、演出用LED9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
画像表示装置5Aは、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路を備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5Aに供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。また、画像表示装置5X,5Yは、画像表示装置5Aとのサイズの違いや後述するように可動することなどの違いはあるものの、表示構成に関しては画像表示装置5Aと同様に構成されている。
画像表示装置5Aの演出図柄表示エリア5L,5C,5Rや画像表示装置5X,5Yの演出図柄表示エリアでは、第1又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。第1、第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう)が停止表示されるときには、演出図柄の変動表示の表示結果(可変表示結果)となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)が停止表示(導出表示)される。
(パチンコ遊技機の構造)
次に、図3に基づいて、パチンコ遊技機1の構造について説明する。図3に示すように、外枠60は、上板61、下板62、左側板63及び右側板64により縦長四角枠状に形成されている。上板61及び下板62は木材により板状に形成されており、遊技場等に設置される図示しない遊技島に釘等を介して設置固定できるようになっている。左側板63及び右側板64は、アルミニウム材の押出成型により板状に形成されている。
外枠60の開口下部には幕板65が設けられ、開口下部が閉塞されている。外枠60の左上角部及び左下角部には、遊技機用枠3の左上角部及び左下角部に設けられた上下方向を向く回動軸(図示略)を回動可能に支持する軸受部(図示略)が設けられており、遊技機用枠3は、外枠60の左側辺付近を中心として該外枠60の開口を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で回動可能に支持されている。
遊技機用枠3には、遊技盤2の背面側に設けられる各種部品や装置を被覆する裏カバー70(図9参照)が挿入可能な大きさを有する開口部(図示略)が形成されている。また、開口部の左側上下位置には、係止凹部(図示略)が設けられているとともに、右側上下位置には、盤押え金具(図示略)が設けられている。よって、遊技機用枠3の前方から遊技盤2の背面の裏カバー70を開口部に挿入し、該遊技盤2の左端部を係止凹部(図示略)に差し込んだ状態で右端部を盤押え金具(図示略)で係止することにより、遊技機用枠3に遊技盤2を取付けできるようになっている。また、盤押え金具の係止状態を解除すれば遊技盤2を遊技機用枠3から容易に取外すことができる。
(窓部ユニット)
次に、窓部51を構成する窓部ユニット51Aについて、図4〜図9に基づいて説明する。図4は、(A)は窓部ユニットを示す正面図、(B)は窓部ユニットを示す背面図である。図5は、(A)は窓部ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は窓部ユニットを斜め後から見た状態を示す斜視図である。図6は、窓部ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図7は、窓部ユニットの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8は、筒状部を示す縦断面図である。図9は、開閉枠及び遊技機用枠の内部構造を示す縦断面図である。
図4〜図7に示すように、窓部ユニット51Aは、第1透過体250と、該第1透過体250よりも遊技領域10側に配置され、盤面板200の開口2cに対応する位置に孔部270が形成された第2透過体260と、を有する。
第1透過体250は、透明なガラス材からなる前透過板251からなる板状部と、非透光性の合成樹脂材により筒状に形成された第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部と、から構成されている。第2筒状体253は、第1筒状体252の内部に背面側の開口から嵌合可能に設けられ、第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口は前透過板251よりも若干小さく形成されており、第1筒状体252の背面側の開口から前透過板251を挿入し、そのさらに背面側から第2筒状体253を嵌合することで、前透過板251の周縁部が第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部により挟持されるようになっている。
第1筒状体252は、筒状部と、該筒状部における後側の開口周縁部から周囲に広がるように形成された板状のフランジ部256と、を有している。また、第1筒状体252の外周面と、第2筒状体253の内周面にはメッキ加工が施され、メッキ加工により補強されている。
第2筒状体253は、後側の開口周縁部に複数形成された取付孔にネジN1を取付け、該ネジN1を第1筒状体252の後側の開口周縁部に複数形成されたネジ孔に螺入することにより第1筒状体252に一体化されて筒状部を構成するとともに、これら第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部により挟持された前透過板251も一体化されて第1透過体250を構成する。尚、前透過板251の周縁部と第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部とは接着剤等を介して接合される。
第1筒状体252及び第2筒状体253は、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも長寸となるように形成されていることで、特に図9に示すように縦断面視略三角状をなしており、前透過板251は、下方に向けて後側に傾斜する、つまり、上端が前側に傾倒する傾倒姿勢をなすように配置されている。
窓部51の下方位置には、前述した上皿90が設けられている。上皿90は上方が開放しており、遊技を行うための遊技球を投入可能としているため、上皿90の上方に第1透過体250が突出していると遊技球の投入の邪魔になってしまう。また、第1透過体250は、上皿90を形成する部材よりも前方に突出するように設けられている。よって、前透過板251は、上端が上皿90を形成する部材の前端よりも前方に位置するとともに、下端が上皿90よりも後側に位置するように、上方から下方に向けて後側に傾斜するように配設される。
本実施の形態では、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部は、下壁部の前後長さ寸法が上壁部の前後長さ寸法に比べて極端に短いが、本発明はこれに限定されるものではなく、上壁部と下壁部の前後長さ寸法はほぼ同じであってもよいし、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも短寸となっていてもよい。また、前透過板251の全周縁に沿うように設けられる筒状部でなくても、前透過板251の周縁の一部に沿うアーチ状部であってもよい。
また、図6〜図8に示すように、第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所には、前後方向に延設される凸条部254Aや凹条部254Bからなる補強構造部254が形成されている。また、第1筒状体252にネジN1のネジ孔を形成するために内周面に形成される凸条部255Aや、第2筒状体253にネジN1の取付孔を形成するために内周面に形成される凸条部255Aや外周面に形成される凹条部255Bなども補強構造部254として機能している。このように第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所に補強構造部254が形成されることで、筒状部の外周面に凹凸部が形成されて強度が向上する。
また、このような凹凸部と前述したように外周面に施されたメッキ加工とにより、筒状部の外周面に装飾部が設けられている。本実施の形態では、補強用の凹凸部とメッキ加工とにより装飾部が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外周面を着色したり絵柄を設けたりするなどして装飾部を構成してもよい。
第2透過体260は、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなり、孔部270が形成された後透過板261からなる板状部と、非透光性の合成樹脂材により枠状に形成された枠体262と、から構成されている。後透過板261は、枠体262の開口262Aを閉鎖するように枠体262の背面に接着剤等を介して固着される。
このように構成された第1透過体250と第2透過体260とは、第1筒状体252のフランジ部256に形成された複数の取付孔に前側から取付けたネジN2を、枠体262に形成されたネジ孔に螺入することにより一体化されて一の窓部ユニット51Aを形成する。窓部ユニット51Aは、図3に示すように、遊技機用枠3を開放する開放位置にある開閉枠50の背面側に、該開閉枠50の開口(図示略)を閉鎖するように取付けられる。
窓部ユニット51Aは、開閉枠50に対し着脱可能とされ、機種変更等に応じて交換できるようになっている。具体的には、開閉枠50の背面に突設された係止ピンを枠体262に形成された係止孔に挿通した状態で、枠体262に設けられた係止フックを係止ピンに係止することで取付けられている。
窓部ユニット51Aを開閉枠50の背面に取付けた状態で、開閉枠50を開放位置から閉鎖位置まで回動して遊技機用枠3の前面を閉鎖すると、図9に示すように、後透過板261が、遊技盤2の盤面板200の前方に所定の隙間を隔てて該盤面板200に対しほぼ平行に配置され、盤面板200と後透過板261との間に、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成される。
また、図8に示すように、後透過板261は、パチンコ遊技機1を正面(遊技者側)から見たときに、盤面板200の遊技盤面200Aにおいてガイドレール2bにより囲まれる遊技領域10全域を前方から覆うように配置されるとともに、孔部270は、盤面板200に形成された開口2cに対応する位置に配置される。
本実施の形態では、遊技領域10とは、遊技球が流下可能な領域、つまり、盤面板200の遊技盤面200Aにおいてガイドレール2bに囲まれた領域のうち開口2cを除く領域と、開口2cに対応する領域、つまり、画像表示装置5A,5X,5Yや後述する各種可動体が遊技者から視認可能に設けられる領域と、を含む(図8において斜線で示す領域)。また、開口2cにはセンター飾り枠52が設けられていることで、遊技球が開口2c内に流入することが規制されている。
また、本実施の形態では、孔部270は、盤面板200に形成された開口2cとは、形状が異なるとともに大きさも小さく、かつ、該開口2cに対応する位置に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔部270とほぼ同形に形成されていてもよいし、一部が開口2cの外側に位置するようになっていてもよい。
よって、このように構成される遊技領域10は、窓部51を構成する前透過板251と後透過板261とを透して、パチンコ遊技機1の前方である遊技者側から視認(透視)できるようになっている(図4(A)にて網線領域で示す窓部51参照)。図9に示すように、後透過板261と遊技盤面200Aとは互いに平行をなすように起立状態で設置されるのに対し、前透過板251は、上方から下方に向けて漸次後側に傾斜するように、後透過板261に対し傾斜する前傾姿勢で配置されるため、後透過板261に対する上方の離間寸法L1よりも下方の離間寸法L2の方が離間寸法L1よりも短寸とされている。
板状部としての前透過板251と、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253と、からなる第1透過体250は、第2透過体260を構成する後透過板261に対し前方に突出する凸状に形成されており、窓部ユニット51Aを開閉枠50に取付けた状態において、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部が、開閉枠50の開口に背面側から挿入され前方に突出するように設けられる。
よって、遊技盤面200Aとともに遊技領域10を形成する後透過板261は開閉枠50の前後方向の板厚寸法内に収める一方、筒状部は開閉枠50の前面に対し前方に突出するように設けることで、開閉枠50の前後寸法を長寸化することなく、前透過板251を後透過板261から極力前方に離して配置することができる。これにより、前透過板251と後透過板261との間に広い空間部Sを形成することができる。
また、第1筒状体252及び第2筒状体253の上壁部は、前方に向けて下方に傾斜するように形成され、パチンコ遊技機1の前上方からの外光を遊技領域10に入りにくくしているため、遊技領域10の上部の前方が上壁部にて隠されてしまうが、遊技者の目線位置は上壁部よりも下方に位置するため、見上げれば視認可能である。
また、パチンコ遊技機1にあっては、例えば、前透過板251に磁石を押しつけるなどして磁気センサを誤作動させて不正に入賞を発生させたり、遊技領域10を流下する遊技球を磁力により不正に誘導するといった不正行為が行われる可能性があるが、前透過板251と後透過板261との離間寸法L1,L2を長くすることで、後透過板261の板厚を増大させることなく、前透過板251を遊技領域10から極力遠ざけて磁石の磁力による影響を減衰させることができるので、磁石による不正行為を好適に抑制することができる。また、不正な磁気を感知する磁石センサを搭載した遊技機にあっては、磁石センサでは検知できない範囲における前透過板251と後透過板261との離間寸法を長くすることで、上記不正行為を好適に抑制することが可能となるとともに、磁石センサの配置数を軽減することができる。
(下部可動体)
次に、後述する可動体ユニットにおける第2可動体400及び第3可動体500L,500Rを含む下部可動体450の詳細について、図10〜図17に基づいて説明する。図10は、(A)は下部可動体が待機位置に位置している状態、(B)は演出位置に位置している状態を示す正面図である。図11は、下部可動体の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図12は、下部可動体の構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図13は、(A)は案内部材及び補強板金を示す右側面図、(B)は(A)のD−D断面図、(C)は(A)のE−E断面図である。図14は、(A)は右側の案内部材を示す右側面図、(B)は金属板金を示す右側面図である。図15は、(A)は下部可動体が待機位置に位置しているときの駆動機構を示す概略正面図、(B)は右側面図である。図16は、(A)は下部可動体が中間位置に位置しているときの駆動機構を示す概略正面図、(B)は右側面図である。図17は、(A)は下部可動体が演出位置に位置しているときの駆動機構を示す概略正面図、(B)は右側面図である。
(第2可動体及び第3可動体)
第2可動体400及び第3可動体500L,500Rは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる画像表示装置5A,5X,5Yとの間に設けられ、画像表示装置5A,5X,5Yを支持する裏カバー70に固定されるベース部材700の下辺部に取付けられ、図示しない下部可動体モータ411L,411Rやギヤ及びラック等から成る下部駆動機構410により、画像表示装置5の下方であり遊技盤2の下部の第2待機位置、第3待機位置(図12、図14及び図15、図17参照)と、画像表示装置5の表示領域の前方であり遊技盤2の略中央位置に位置する第2演出位置、第3演出位置(図13及び図16参照)と、の間で上下方向に移動可能となっており、第2演出位置、第3演出位置において上端が前方側に傾倒する。
すなわち、下部可動体450は、第2可動体400及び第3可動体500L,500Rが第2待機位置、第3待機位置に位置する下方位置と、第2演出位置、第3演出位置に位置する上方位置と、の間で上下方向に移動可能とされている。尚、本実施の形態では、下部可動体450は、上方位置と下方位置との間の中間位置にて停止可能とされている。
図10〜図12に示すように、ベース部材700の下部を構成する合成樹脂材からなる下部ベース702は、左右方向を向く下辺部702Aと、下辺部702Aの左右端部から各々上方に延びる側辺部702L,702Rとにより上向きコ字形に形成されており、下部ベース702の前面側には、正面視略横長長方形状をなす第2可動体400が、下辺部702Aの前方に位置する第2待機位置(図10(A)参照)と、下辺部702Aの上方に位置する第2演出位置(図10(B)参照)と、の間で上下方向に移動可能に設けられている。
第2可動体400の前面には、特に詳細な図示はしないが、発光手段としてのLED(発光ダイオード)による発光表示が可能な発光表示ユニット401が、第2可動体400の上部に設けられた発光表示モータ402(図2、図15参照)により、上辺部に設けられた左右方向を向く回動軸(図示略)を中心として、第2可動体400の前面に沿う第1回動位置と、第2可動体400に対し下部が前方に突出するように傾斜する第2回動位置と、の間で回動可能に設けられている。
また、第2可動体400の前面における発光表示ユニット401の左右側には、正面視略三角形状に形成された第3可動体500L,500Rが、該第3可動体500L,500Rの背面下部に後向きに突設された回動軸502を中心として、内側壁501が第2可動体400に形成された外側壁403から離間する第3待機位置と、内側壁501が第2可動体400の外側壁403に当接する第3演出位置と、の間で回動可能に設けられている。
下部ベース702の左右の側辺部702L,702Rには、第2可動体400を上下方向に移動可能に案内するための案内部材710L,710Rが取付けられている。以下、案内部材710L,710Rについて説明するが、左右の案内部材710L,710Rはほぼ同様に構成されているため、右側の案内部材710Rについて説明し、左側の案内部材710Rについては説明を省略する。
図13及び図14に示すように、案内部材710Rは、合成樹脂材からなり、右側面視縦長長方形状をなす板状部710Aと該板状部710Aの右側面周縁に立設される周壁部710Bとにより右側方に開口する箱状に形成されている。板状部710Aの左側面(内側面)には、上下方向に延設される凹溝711が形成されているとともに、該凹溝711には左右方向に貫通する案内孔712が形成されている。凹溝711及び案内孔712は、上下方向に延びる直線状の第1案内部712Aと、第1案内部712Aの上端から前方に向けて湾曲する第2案内部712Bと、第2案内部712Bの上端から上方に延設され第1案内部712Aよりも短寸の直線状の第3案内部712Cと、から構成されている。
このように構成された案内孔712には、第2可動体400の右側面の上下に突設された円筒状の被案内軸713A,713Bが左側方から挿入されており、案内孔712の右側方に突出した被案内軸713A,713Bの先端には抜止部材714がネジにより取付けられている。被案内軸713A,713Bは、案内孔712の左右寸法よりも若干小寸とされているため、案内孔712内を摺動可能とされている。これにより第2可動体400は、被案内軸713A,713Bを介して案内孔712により上下方向に案内されるようになっている。
詳しくは、第2可動体400は、第1案内部712Aにより被案内軸713A,713Bが上下方向に案内されているときには、起立姿勢のまま上下方向に移動する第1動作を行い、第2案内部712Bにより被案内軸713A,713Bのうち少なくとも一方が斜め前後方向に案内されているときには、上部が前側に傾倒した状態で斜め前後方向に移動する第2動作を行い、第3案内部712Cにより上方の被案内軸713Aのみが案内されるときは、第2演出位置に位置する。
案内部材710Rの右側面には、該案内部材710Rを補強するための補強板金720Rが、板状部710Aの右側面(外側面)に複数形成されたネジ孔715にネジN1を螺入することにより取付けられている。尚、補強板金720Rの上下辺は外側方に向けて屈曲され捩れにくくされている。
また、補強板金720Rにおける案内孔712の第1案内部712Aの下端から上端近傍に対応する部分には案内孔712よりも幅広の孔部721Aが形成され、第1案内部712Aの上部付近から第2案内部712Bの下部に対応する部分には、孔部721Bが孔部721Aとは別個に形成されている。孔部721Aは、案内孔712、抜止部材714及び該抜止部材714に形成された検出片714Aを視認可能に形成され、孔部721Bは、案内孔712及び検出片714Aを検出可能な中間位置検出センサ716を視認可能に形成されているため、補強板金720Rを取外さなくても検出状況を確認できるようになっている。そしてこれら孔部721A,721Bを形成することで、補強板金720Rが軽量化されている。
また、孔部721A,721Bは、案内孔712の第1案内部712Aに対応する部分、つまり、第2可動体400が起立姿勢のまま上下方向に移動する第1動作を案内する部分に占める割合が、案内孔712の第2案内部712B及び第3案内部712Cに対応する部分、つまり、第2可動体400が傾倒姿勢で斜め前後方向に移動する第2動作を案内する部分に占める割合よりも大きくなるように(第1動作を案内する部分にのみ孔部721A,721Bが形成され、第2動作を案内する部分には孔部721A,721Bが形成されていない場合を含む)形成されている。つまり、補強板金720Rの下部可動体450の第1動作に対応する位置の強度が、第2動作に対応する位置の強度よりも高い(強く補強されている)。
左右の案内部材710L,710Rの前部には、発光手段としてのLED(発光ダイオード)による発光表示が可能なサイド発光表示ユニット730L,730Rが取付けられている。サイド発光表示ユニット730L,730Rは、側辺部702L,702Rに沿うように上下方向に延設されており、第3可動体500L,500Rが第3待機位置に位置している状態で該第3可動体500L,500Rの前方を被覆可能に形成されている。
次に、第2可動体400及び第3可動体500L,500Rを駆動させるための下部駆動機構410について説明する。
図11、図12及び図15に示すように、下部駆動機構410は、下部ベース702の下辺部702Aの背面左右側に設けられるステッピングモータからなる下部可動体モータ411L,411Rと、下辺部702Aの前面側に突出した下部可動体モータ411L,411Rの駆動軸(図示略)に固着されたピニオンギヤ412L,412Rと、下辺部702Aの前面左右側に前後方向を向く回動軸(図示略)を中心として回転可能に設けられピニオンギヤ412L,412Rに噛合する従動ギヤ413L,413Rと、下辺部702Aの前面左右側に前後方向を向く回動軸414を中心として回動可能に設けられた正面視略V字形状をなす第1リンク部材415L,415Rと、第1リンク部材415L,415Rの一方のアームの先端に突設された連結軸416が挿入可能な長孔417を一端側に有する第2リンク部材418L,418Rと、第2可動体400の前面左右側に前後方向を向く回動軸を中心として回動可能に設けられた正面視略V字形状をなす第3リンク部材420L,420Rと、を有する。
第2可動体400の左右側には、第3リンク部材420L,420Rの回動軸を中心とする円弧状の長孔421,422が形成されており、長孔421には、第2リンク部材418L,418Rと第3リンク部材420L,420Rとを連結する連結軸419が挿入されている。また、長孔422には、第3可動体500L,500Rと第3リンク部材420L,420Rのアームの一端とを回動可能に連結する連結軸427が挿入されている。
第1リンク部材415L,415Rのアームの先端に突設された連結軸416は、第2リンク部材418L,418Rの長孔417を通して、第2可動体400に形成された左右方向を向く長孔423L,423R(図12参照)に挿入されている。
また、第1リンク部材415L,415Rの連結軸416が形成されたアームとは別のアームには、従動ギヤ413L,413Rの前面における周縁部に突設された連結軸425が挿入可能な長孔426が形成されており、連結軸425により第1リンク部材415L,415Rと従動ギヤ413L,413Rとが連結されている。
また、下部ベース702の背面における左右の下部可動体モータ411L,411Rの間には、左右方向を向く補強板金722が複数のネジN2により取付けられることで下部ベース702が補強されており、これにより下部ベース702の破損等が抑制されている。
次に、第2可動体400と第3可動体500L,500Rの動作態様について、図15〜図17に基づいて説明する。
図15(A)(B)に示すように、第2可動体400が第2待機位置に位置し、発光表示ユニット401が第1回動位置に位置し、第3可動体500L,500Rが第3待機位置に位置している状態、つまり、下部可動体450が下方位置に位置している状態において、第2可動体400は、左右側の被案内軸713A,713Bが案内孔712の第1案内部712Aの下部に位置しており、側面視において、案内部材710L,710Rに対応する位置にて起立姿勢で保持されている。また、発光表示ユニット401及び第3可動体500L,500Rは、第2可動体400の前面側にて起立姿勢で保持され、所定重量を有する電気部品である発光表示モータ402が第2可動体400の上部に位置していることから、第2可動体400、発光表示ユニット401及び第3可動体500L,500Rからなる下部可動体450の重心位置Gは、第2可動体400の左右方向の略中央位置よりもやや左側、かつ、前後方向の前側の上部に配置される発光表示モータ402付近に設定されている。特に図15(B)に示すように、重心位置Gは、側面視において案内部材710L,710Rにおける案内孔712より前方の前側位置に設定されている。
図16に示すように、左右の下部可動体モータ411L,411Rによりピニオンギヤ412L,412Rを一緒に第1方向に回転させると、従動ギヤ413L,413Rが回転することにより、連結軸425を介して連結された第1リンク部材415L,415Rが回動軸414を中心として上方に向けて回動する。これにより、連結軸416を介して連結された第2可動体400が上方に向けて移動する。また、連結軸416は、アームが略水平になるまでの間は第2可動体400の長孔423L,423R及び第2リンク部材418L,418Rの長孔417内を内側に向けて摺動し、アームが水平より上方に回動し始めると、長孔423L,423R及び長孔417内を外側に向けて摺動するだけなので、第2リンク部材418L,418R及び第3リンク部材420L,420Rは動作しないため、第3可動体500L,500Rは第3待機位置に維持される。
第2可動体400が第2待機位置から、検出片714Aが中間位置検出センサ716にて検出される中間位置まで移動する間、つまり、被案内軸713A,713Bが第1案内部712Aにより案内される第1移動範囲では、第2可動体400、発光表示ユニット401及び第3可動体500L,500Rは、起立姿勢を維持したまま上方に移動する第1動作を行う。
尚、起立姿勢を維持したまま上方に移動している間は、重心位置Gは案内孔712に沿って上方に移動するだけであるため、案内部材710L,710Rに下部可動体450の負荷がかかることはほぼない。
また、本実施の形態では、下部可動体450が中間位置に位置したときに検出片714Aが中間位置検出センサ716にて検出されるようになっているため、演出制御用CPU120は、下部可動体450を中間位置にて停止させることが可能である。
次いで、図17に示すように、さらに左右の下部可動体モータ411L,411Rによりピニオンギヤ412L,412Rを一緒に第1方向に回転させると、下部可動体450はさらに上方に移動する。そして、連結軸416が第2リンク部材418L,418Rの長孔417の外側端部に当接した後、さらに外側に向けて移動すると、第3リンク部材420L,420Rが回動軸を中心として回動することで、連結軸427が長孔422内を上端から下端に向けて移動し、これにより連結軸427を介して第3リンク部材420L,420Rに連結された第3可動体500L,500Rが、回動軸502を中心として第3演出位置まで回動し、第2可動体400の外側壁403に内側壁501が当接する。
また、第3可動体500L,500Rが第3待機位置から第3演出位置へ回動するタイミングに応じて、発光表示モータ402により発光表示ユニット401が第1回動位置から第2回動位置まで回動する。
図17(B)に示すように、第2可動体400の上方の被案内軸713Aが第2案内部712Bに進入すると、第2可動体400、発光表示ユニット401及び第3可動体500L,500Rは、上方に移動しながら、上部が前側に傾斜するように前傾する。そして、上下の被案内軸713A,713Bが第2案内部712Bにより案内されると、第2可動体400、発光表示ユニット401及び第3可動体500L,500Rは、前傾姿勢のまま上方に移動する第2動作を行う。
そして、上方の被案内軸713Aが第3案内部712Cに進入して案内孔712の上端部に到達すると、下部可動体450の上部がやや上を向いて前傾角度が小さくなるが、前傾を維持したまま第2可動体400は第2演出位置に位置し、発光表示ユニット401は第2回動位置に位置し、第3可動体500L,500Rは第3演出位置に位置する。
また、下部可動体450の重心位置Gは、下部可動体450が第2案内部712Bにより案内され前傾姿勢で上昇する第2動作に伴って斜め前上方向に移動することにより、案内部材710L,710Rの前辺よりも前方へ移動する。よって、第2可動体400が斜め前上方向に移動しているときや第2演出位置に到達したときには、下部可動体450の荷重が被案内軸713A,713Bを介して第2案内部712Bの前側の周縁にかかる。つまり、案内部材710L,710Rの上部にある下部可動体450の重心位置Gが案内部材710L,710Rより前側に偏るため、下部可動体450を支える案内部材710L,710Rに負荷がかかることになる。
このように、下部可動体450が上下方向に移動(第1動作)しているときは案内部材710L,710Rに対する重心位置Gが前後方向に変化せず、斜め前後方向に移動(第2動作)しているときは案内部材710L,710Rに対する重心位置Gが前後方向に変化するため、補強板金720L,720Rにより補強されていることにより、案内部材710L,710Rに下部可動体450の負荷がかかることによって案内部材710L,710Rの上部に捩れが生じて破損すること等を好適に抑制することができる。
また、補強板金720L,720Rの軽量化を図るための孔部721A,721Bの大半を第2可動体400の第2動作を案内する部分に形成することで、案内部材710L,710Rの第2案内部712Bに対応する部分を好適に補強しながら軽量化を図ることができる。
(発光表示ユニット)
次に、発光表示ユニット401の詳細について、図18〜図22に基づいて説明する。図18は、発光表示ユニットの構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図19は、発光表示ユニットの構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図20は、(A)は発光表示ユニットを示す正面図、(B)はLED基板の前面に各インナーレンズを配置した状態を示す概略図である。図21は、図20(A)のA−A断面図である。図22は、図20(A)のB−B断面図である。
図18〜図20に示すように、発光表示ユニット401は、数字の「7」を模した形状の第1領域801A、該第1領域801Aの左側に配置され正面視横長長方形状をなす第2領域801B及び第1領域801Aの右側に配置され正面視横長長方形状をなし第2領域801Bよりも大きい第3領域801Cを有するLED基板801と、LED基板801の背面801Dを被覆可能な背面カバー802と、LED基板801における第1領域801Aの前面側に配置される第1インナーレンズ803と、第2領域801Bの前面側に配置される第2インナーレンズ804と、第3領域801Cの前面側に配置される第3インナーレンズ805と、発光表示ユニット401の外形を構成する枠部材806と、第1インナーレンズ803の前面側に配置される第1アウターレンズ807と、第2インナーレンズ804の前面側に配置される第2アウターレンズ808と、第3インナーレンズ805の前面側に配置される第3アウターレンズ809と、から構成される。
LED基板801は、電子部品の実装面となる前面801F及び背面801Dは白色に着色されており、前面801Fにおける第1領域801Aには、白色に発光可能な発光ダイオードであるアングル型LED811が、数字の「7」の外形を形成する第1領域801Aの周縁内側に沿って複数配設されている。各アングル型LED811は、内側(第1領域801Aの周縁と反対側)に向けて実装面である前面801Fに対し平行方向または略平行方向、つまり、左右上下方向に光を照射可能に設けられている。
前面801Fにおける第2領域801Bには、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの光を発する発光素子を有し7色に発光可能なフルカラー発光ダイオードであるトップ型LED812が、第2領域801Bに左右方向に複数並設されている。各トップ型LED812は、実装面である前面801Fに対し垂直方向または略垂直方向、つまり、前方に向けて光を照射可能に設けられている。
前面801Fにおける第3領域801Cには、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの光を発する発光素子を有し7色に発光可能なフルカラー発光ダイオードであるトップ型LED813が、第3領域801Cの上中下段各々に左右方向に複数並設されている。各トップ型LED813は、実装面である前面801Fに対し垂直方向または略垂直方向、つまり、前方に向けて光を照射可能に設けられている。
背面カバー802は、白色よりも光の反射効率が低い黒色の非透過性合成樹脂材にてLED基板801とほぼ同形に形成されている。
第1インナーレンズ803は、赤色の透過性合成樹脂材にて構成され、数字の「7」を象った形状をなす板状部803Aと該板状部803Aの前面周縁に立設される枠状の周壁部803Bとにより前面が開口する箱状に形成されている。図20(B)に示すように、板状部803Aは、正面視で第1領域801Aを縮小した相似形状をなしているため、LED基板801の前面801Fにおける第1領域801Aに配置したときに、枠状に配置された複数のアングル型LED811により囲まれて、周壁部803Bがアングル型LED811の発光部と対向するようになっている。また、周壁部803Bの外側面及び前端面には、断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸部からなる光拡散部803Cが長手方向に向けて形成されており、これにより周壁部803Bの外側面(入光部)から入射されるアングル型LED811からの光が拡散して導光されるとともに、周壁部803Bの前端面から出射される光が拡散されるようになっている。
図21に示すように、アングル型LED811から周壁部803Bの外側面に入射された光は、LED基板801の前面801Fに沿うように配置された板状部803A内に誘導された後、板状部803Aの背面に形成された反射部803Dにより前方に向けて反射され、板状部803Aの前面全域から前方に出射される。板状部803Aの前面は平坦面であるため、板状部803Aは導光板のように面発光する。
反射部803Dは、板状部803Aの内部を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより板状部803Aの背面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成してもよい。
ここで、枠状に配置された複数のアングル型LED811の外側を周壁部803Bが囲むように第1インナーレンズ803を配置し、各アングル型LED811からの光が周壁部803Bの内側面から入射させる場合、入射した光の一部が周壁部803Bを突き抜けて外方に出射されてしまうことで板状部803Aに光が十分に誘導されず、また、板状部803AがLED基板801の前面801Fから離間するので、一部の光が板状部803Aの背面から出射されてしまうため、板状部803Aが暗くなってしまう虞がある。
これに対し、本実施の形態のように、第1インナーレンズ803の周縁に沿って枠状に配置された複数のアングル型LED811に囲まれた領域に第1インナーレンズ803が配置されることで、各アングル型LED811からの光が内側の板状部803Aに向けて導光されるとともに、板状部803AがLED基板801の白色の前面801Fに近接または当接することで、板状部803Aの背面側に出射された光も前面801Fにて反射され、これによりアングル型LED811からの光を効率よく前方に出射させることができるため、板状部803Aを明るくすることができる。
第1アウターレンズ807は、赤色の透過性合成樹脂材にて構成され、板状部807Aと該板状部807Aの背面周縁に立設される枠状の周壁部807Bとにより背面が開口する箱状に形成されている。図20(B)に示すように、数字の「7」を象った形状をなす板状部807Aは、正面視で第1領域801Aとほぼ同形状をなしており、第1インナーレンズ803の前面側に配置されたときに、枠状に配置された複数のアングル型LED811の前方に周壁部807Bが位置する。
板状部807Aの前面は平坦面にて形成され、該前面における第1インナーレンズ803に対応しない領域、つまり、アングル型LED811に対応する領域には、第1インナーレンズ803に対応する領域よりも背面側に位置する凹部807Eが周縁に沿うように枠状に形成されている。また、凹部807Eに対応する前面には、他の部分よりも透過率が低い黒色の非透過層807Cが形成されており、凹部807Eから光が前方への出射されないようにしている(凹部807Eに対応しない前面の一部にも非透過層807Cが形成されている)。尚、非透過層807Cの透過率は、非透過層807C以外の透過層よりも低くなっている(透過率0%を含む)。
図19に示すように、板状部807Aの背面における凹部807Eに対応しない部分には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部807Dが形成されている。光拡散部807Dは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に複数列形成されるパターンなど)で配置されることにより形成されている。
このように構成される第1アウターレンズ807の前面において、黒色の非透過層807Cを除く透過領域は、所定の文字(例えば、数字の「7」など)を象った第1発光表示部851を構成している。
次に、第2インナーレンズ804は、無色透明の透過性合成樹脂材にて構成され、正面視横長長方形状をなす板状に形成され、図20(B)に示すように、第2領域801Bを被覆可能な大きさに形成されている。
図18に示すように、第2インナーレンズ804の前面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部804Aが形成されている。光拡散部804Aは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
図19に示すように、第2インナーレンズ804の背面には、射出成型などにより波紋カット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部804Bが形成されている。光拡散部804Bは、円形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、複数の同心円からなる波紋形状の凸部が左右方向に所定間隔おきに並設されるパターン)で配置されることにより形成されている。尚、光拡散部804Bは、円形状の各波紋形状のうちいずれかが第2領域801Bに設けられた各トップ型LED812のうちいずれかに対応するように設けられる。
このように第2インナーレンズ804は、前後面に凹凸形状が異なる、つまり、凸部の配置パターンが異なる光拡散部804A,804Bが形成されていることで、各トップ型LED812から前方に出射された光を好適に拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
第2アウターレンズ808は、無色透明の透過性合成樹脂材にて構成され、正面視横長長方形状をなす板状に形成され、図20(B)に示すように、第2インナーレンズ804を被覆可能な大きさに形成されている。
図18に示すように、第2アウターレンズ808の前面には、所定の文字(例えば、アルファベットの「AAA」など)を象った透過層の周囲に黒色の非透過層808Cが形成されることで、前記透過層により所定の文字を認識可能な第2発光表示部852が形成されている。尚、非透過層808Cの透過率は、非透過層808C以外の透過層よりも低くなっている(透過率0%を含む)。
尚、本実施の形態では、「AAA」の各アルファベットが互いに連接された一の透過層により一の第2発光表示部852が構成されているが、「AAA」のアルファベットが各々独立した複数の透過層により一の第2発光表示部852が構成されていてもよい。また、説明の便宜上、文字をアルファベットの「AAA」を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1のタイトルやサブタイトルなど、機種に関連する文字列であってもよい。さらには、文字だけでなく、数字、記号、図柄、キャラクタ、マーク等により第2発光表示部852を構成してもよい。
図19に示すように、第2アウターレンズ808の背面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部808Bが形成されている。光拡散部808Bは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
このように第2アウターレンズ808は、背面にのみ光拡散部808Bが形成されていることで、各トップ型LED812から第2インナーレンズ804を通して前方に出射された光をさらに拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
次に、第3インナーレンズ805は、無色透明の透過性合成樹脂材にて構成され、正面視横長長方形状をなす板状に形成され、図20(B)に示すように、第3領域801Cを被覆可能な大きさに形成されている。
図18に示すように、第3インナーレンズ805の前面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部805Aが形成されている。光拡散部805Aは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
図19に示すように、第3インナーレンズ805の背面には、射出成型などにより波紋カット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部805Bが形成されている。光拡散部805Bは、円形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、複数の同心円からなる波紋形状の凸部が左右方向に所定間隔おきに並設されるパターン)で配置されることにより形成されている。尚、光拡散部805Bは、円形状の各波紋形状のうちいずれかが第3領域801Cに設けられた各トップ型LED813のうちいずれかに対応するように設けられる。
このように第3インナーレンズ805は、前後面に凹凸形状が異なる、つまり、凸部の配置パターンが異なる光拡散部805A,805Bが形成されていることで、各トップ型LED813から前方に出射された光を好適に拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
第3アウターレンズ809は、無色透明の透過性合成樹脂材にて構成され、正面視横長長方形状をなす板状に形成され、図20(B)に示すように、第3インナーレンズ805を被覆可能な大きさに形成されている。
図18に示すように、第3アウターレンズ809の前面には、所定の文字(例えば、アルファベットの「XXX」など)を象った透過層の周囲に黒色の非透過層809Cが形成されることで、前記透過層により所定の文字を認識可能な第3発光表示部853が形成されている。尚、非透過層809Cの透過率は、非透過層809C以外の透過層よりも低くなっている(透過率0%を含む)。
尚、本実施の形態では、「XXX」の各アルファベットが互いに連接された一の透過層により一の第3発光表示部853が構成されているが、「XXX」のアルファベット各々が独立した複数の透過層により一の第3発光表示部853が構成されていてもよい。また、説明の便宜上、文字をアルファベットの「XXX」を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1のタイトルやサブタイトルなど、機種に関連する文字列であってもよい。さらには、文字だけでなく、数字、記号、図柄、キャラクタ、マーク等により第3発光表示部853を構成してもよい。
図19に示すように、第3アウターレンズ809の背面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部809Bが形成されている。光拡散部809Bは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
このように第3アウターレンズ809は、背面にのみ光拡散部809Bが形成されていることで、各トップ型LED813から第3インナーレンズ805を通して前方に出射された光をさらに拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
枠部材806は、図21及び図22に示すように、LED基板801、背面カバー802、第1インナーレンズ803、第2インナーレンズ804、第3インナーレンズ805、第1アウターレンズ807、第2アウターレンズ808、第3アウターレンズ809の周縁を側方から被覆可能に形成されており、内周面における前後方向の略中央位置には、第1アウターレンズ807、第2アウターレンズ808及び第3アウターレンズ809の位置決め用の凸条部806Aが枠状に形成されている。
そして、枠部材806の前面における第1領域801Aに対応する位置に第1アウターレンズ807を配置し、第2領域801Bに対応する位置に第2アウターレンズ808を配置し、第3領域801Cに対応する位置に第3アウターレンズ809を配置する一方で、枠部材806の背面における第1領域801Aに対応する位置に第1インナーレンズ803を配置し、第2領域801Bに対応する位置に第2インナーレンズ804を配置し、第3領域801Cに対応する位置に第3インナーレンズ805を配置し、これらの背面側にLED基板801と背面カバー802を配置する。
そして、背面カバー802の背面側からネジN11を挿入して、LED基板801及び第1インナーレンズ803を挿通して第1アウターレンズ807の背面のネジ孔に螺入することで、第1アウターレンズ807、第1インナーレンズ803、LED基板801及び背面カバー802が枠部材806を介して一体化される。また、背面カバー802の背面側からネジN12を挿入して、LED基板801及び第2インナーレンズ804を挿通して第2アウターレンズ808の背面のネジ孔に螺入することで、第2アウターレンズ808、第2インナーレンズ804、LED基板801及び背面カバー802が枠部材806を介して一体化される。また、背面カバー802の背面側からネジN13を挿入して、LED基板801及び第3インナーレンズ805を挿通して第3アウターレンズ809の背面のネジ孔に螺入することで、第3アウターレンズ809、第3インナーレンズ805、LED基板801及び背面カバー802が枠部材806を介して一体化される。これにより発光表示ユニット401が形成される。
(第1発光表示部851の発光態様)
次に、第1発光表示部851の発光態様について説明する。図20及び図21に示すように、各アングル型LED811が発光すると、各アングル型LED811からの光は第1インナーレンズ803の周壁部803Bの外側面(入光部)に入射される。周壁部803Bの外側面に入射された光は、LED基板801の前面801Fに沿うように配置された板状部803A内に誘導された後、板状部803Aの背面に形成された反射部803Dにより前方に向けて反射され、板状部803Aの前面全域から前方に出射される。板状部803Aの前面は平坦面であるため、板状部803Aは導光板のように面発光する。
第1インナーレンズ803の前面から出射された光は、第1アウターレンズ807の背面に入射され、入射された光は、背面に形成された光拡散部807Dにより拡散され第1アウターレンズ807内部で面方向に広がるように前方に導光された後、非透過層807Cを除く第1発光表示部851から前方に出射され、第1発光表示部851が面発光する。
詳しくは、第1インナーレンズ803は、正面視において「7」の数字を模った透過部からなる第1発光表示部851とほぼ同形に形成され、LED基板801の第1領域801Aの周縁に沿って枠状に配設された複数のアングル型LED811の内側に、実装面である前面801Fの一部を覆うように配置される。前面801Fに対し平行方向または略平行方向に光を照射可能なアングル型LED811からの光は、周壁部803Bの外側面から内部に入光されるが、入光部である外側面には凹凸部からなる光拡散部803Cが周壁部803Bの長手方向に向けて形成されていることで、指向性が高いアングル型LED811からの光が拡散されて板状部803Aに広く行きわたるため、板状部803A全域を略均一の強さで面発光させることができるとともに、周壁部803Bに入射された光により周壁部803Bにおける各アングル型LED811に対応する入光部が点光りすることを抑制できる。
また、アングル型LED811からは前面801Fに対し平行方向または略平行方向、つまり、左右方向に光が照射され、遊技者側である前方に向けて光が照射されることはないので、第1発光表示部851が部分的に強く発光する(点光り)することがなく、全域略均一に面発光させることができる。
第1インナーレンズ803の周囲に配置された複数のアングル型LED811の前方には、第1アウターレンズ807に設けられた黒色の非透過層807Cや枠部材806の凸条部806Aが配置されていることで、アングル型LED811が発光表示したときでも、前方からアングル型LED811の照射部を視認することは困難である。よって、第1発光表示部851の周縁における各アングル型LED811に対応する位置が点光りして見えることを防止できる。
また、複数のアングル型LED811は、「7」の数字を象った第1インナーレンズ803の周壁部803Bに沿って配置されていることで、演出制御用CPU120は、例えば、図28(A)〜(C)に示すように、複数のアングル型LED811を、第1発光表示部851の上部側から下部側に向けて順次点灯させる発光パターンに基づく発光演出を行うことが可能であり、このような発光パターンに基づく発光演出を行うことで、演出効果を高めることができる。
また、アングル型LED811からの光が第1アウターレンズ807に直接照射されるものではなく、第1インナーレンズ803を通して面発光された光がさらに第1アウターレンズ807の光拡散部807Dにて拡散されて第1発光表示部851から前方に出射されるため、第1発光表示部851の点光りを抑制できる。
図27(A)に示すように、第1アウターレンズ807の背面に形成された光拡散部807Dは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が左右上下方向に規則的なパターンで列設されていることで、アングル型LED811が発光したときに、第1発光表示部851を前方の任意の角度から見た場合でも複数の凸部が規則的なパターンで発光して見える。
また、光拡散部807Dの輪郭線のうち、左右方向に延びる輪郭線R1に沿って配置される複数の凸部は規則的なパターンで切り欠かれ、斜め方向に延びる輪郭線R2には、長手方向に向けて所定間隔おきに凸部が配置されることで、第1発光表示部851の輪郭線R1,R2付近の凸部が規則的なパターンで発光して見えるため、第1発光表示部851の輪郭がぼやけたり歪んだりすることなくはっきり見えるようになるため、数字の「7」を認識しやすくなる。さらに、図21に示すように、周囲の非透過層807Cに対し第1発光表示部851は前方に隆起しているため、数字を立体的に見せることができる。
図26に示すように、アングル型LED811は、白色で発光可能であり、第1インナーレンズ803及び第1アウターレンズ807は赤色の透過性合成樹脂材にて構成されていることで、第1発光表示部851を赤色にて発光表示できる。このようにすることで、複数色で発光可能な高価なフルカラーLEDを用いなくてもよいので、製造コストを削減することができる。
(第2発光表示部852及び第3発光表示部の発光態様)
次に、第2発光表示部852及び第3発光表示部853の発光態様について説明する。尚、第2発光表示部852及び第3発光表示部853の内部構造はほぼ同様であるため、以下においては第3発光表示部853の発光態様について説明し、第2発光表示部852の発光態様についての説明は省略する。
図22に示すように、各トップ型LED813が発光すると、各トップ型LED813からの光は第3インナーレンズ805の背面に入射され、入射された光は、背面に形成された光拡散部805Bにより拡散され第3インナーレンズ805内部で面方向に広がるように前方に導光された後、前面に形成された光拡散部805Aによりさらに拡散されて前面全域から前方に出射される。
第3インナーレンズ805の前面から出射された光は、第3アウターレンズ809の背面に入射され、入射された光は、背面に形成された光拡散部809Bにより拡散され第3アウターレンズ809内部で面方向に広がるように前方に導光された後、非透過層809Cを除く第3発光表示部853から前方に出射され、第3発光表示部853が面発光する。
詳しくは、各トップ型LED813は、前面801Fに対し垂直方向または略垂直方向、つまり、前方に向けて光を照射可能に設けられているが、第3インナーレンズ805の前後面に光拡散部805A,805Bが形成され、かつ、第3アウターレンズ809の背面に光拡散部809Bが形成されていることで、第3アウターレンズ809の前面から出射される際には光が周囲に広がるように拡散されるため、第3発光表示部853の点光りを抑制できる。
さらに、図26に示すように、第3インナーレンズ805の光拡散部805Aと第3アウターレンズ809の光拡散部809Bとは同じダイヤカット形状とされているが、光拡散部809Bの凸部が光拡散部805Aよりも大きい凸部とされており、また、第3インナーレンズ805の光拡散部805Aはダイヤカット形状とされているのに対し、光拡散部809Bは波紋カット形状とされている。つまり、光拡散部805A,805B,809Bそれぞれの凸部の配置パターンが異なることにより光の拡散態様も異なるため、光がより複雑に拡散されることになるため、第3発光表示部853の点光りを好適に抑制することができる。
(サイド発光表示ユニット)
次に、サイド発光表示ユニット730L,730Rのうち右側のサイド発光表示ユニット730Rの詳細について、図23〜図25に基づいて説明する。図23は、(A)はサイド発光表示ユニットの構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図、(B)はサイド発光表示ユニットの構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図24は、(A)はLED基板の前面にインナーレンズを配置した状態を示す正面図、(B)は背面カバーを外した状態で発光表示ユニットの下部を見た状態を示す背面図である。図25は、図24(A)のC−C断面図である。
図23〜図25に示すように、サイド発光表示ユニット730Rは、LED基板741と、LED基板741の背面を被覆可能な背面カバー742と、LED基板741の前面側に配置されるインナーレンズ743と、インナーレンズ743の前面側に配置されるアウターレンズ744と、から構成される。
LED基板741は、電子部品の実装面となる前面741F及び背面741Bは白色に着色されており、前面741Fにおける上部には、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの光を発する発光素子を有し7色に発光可能なフルカラー発光ダイオードであるアングル型LED745が、右斜め上方に傾斜するように略直線状に複数配設されている。各アングル型LED745は、右斜め下方に向けて実装面である前面741Fに対し平行方向または略平行方向に光を照射可能に設けられている。また、前面741Fにおける下部には、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの光を発する発光素子を有し7色に発光可能なフルカラー発光ダイオードであるアングル型LED746が、右斜め上方に傾斜するように略直線状に複数配設されている。各アングル型LED746は、左斜め上方に向けて実装面である前面741Fに対し平行方向または略平行方向に光を照射可能に設けられている。つまり、上方の各アングル型LED745と下方の各アングル型LED746とは、互いに上下に離間して配置され、一方から他方に向けて光を照射可能に配置されている。
一方、背面741Bにおける上部には、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの光を発する発光素子を有し7色に発光可能なフルカラー発光ダイオードであるアングル型LED747が、右斜め上方に傾斜するように形成された凹凸状の上辺の近傍に該上辺に沿うように複数配設されている。各アングル型LED747は、上辺より外側に向けて実装面である前面741Fに対し平行方向または略平行方向に光を照射可能に設けられている。
背面カバー742は、表裏面が光の反射効率が高い白色の非透過性合成樹脂材にて、LED基板741とほぼ同形をなす背壁部742Aと、背壁部742Aの前面における上辺を除く左右側辺及び下辺に立設された側壁部742Bと、により前面及び上面が開口する箱状に形成されている。
図25に示すように、背面カバー742の前面における上辺部、つまり、各アングル型LED747に対応する位置には、前方及び上方に開放する切欠部748が上辺に沿うように形成されていることで、背面カバー742の上辺部近傍の板厚が他の部位の板厚よりも薄くなっている。これにより、切欠部748におけるLED基板741の背面741Bからの離間寸法L5が、切欠部748以外におけるLED基板741の背面741Bからの離間寸法L6よりも大寸となっている(L5>L6)。
インナーレンズ743は、無色透明の透過性合成樹脂材にて構成され、LED基板741とほぼ同形をなす板状部743Aと該板状部743Aの前面周縁に立設される枠状の周壁部743Bとにより前面が開口する箱状に形成されている。板状部743Aには、上方の左側から2つのアングル型LED745を前方に露呈させる切欠部750と、上方の左側から3つ目以降のアングル型LED745各々を前方に露呈させる開口部751と、下方のアングル型LED746各々を前方に露呈させる開口部752と、が形成されている。
これら切欠部750、開口部751,752の開口周縁において、アングル型LED745,746から照射される光の入光部751A(図24(A)の拡大図参照)は、光の照射方向に凸状をなす湾曲面とされていることで、アングル型LED745,746から照射された光が照射方向に対し側方に広がるようになっている。
図24(B)及び図25に示すように、板状部743Aの背面には、アングル型LED745,746から入射された光を前方に向けて反射させるための反射部743Dにより前方に向けて反射され、板状部743Aの前面全域から略均等に前方に出射される。板状部743Aの前面は平坦面であるため、板状部743Aは導光板のように面発光する。
反射部743Dは、板状部743Aの内部を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより板状部743Aの背面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成してもよい。
アウターレンズ744は、無色透明の透過性合成樹脂材にて上下方向に延設され、上下に発光表示部が形成されている。尚、本実施の形態では、前述したLED基板741、背面カバー742及びインナーレンズ743は、下部の第4発光表示部854を構成する部材であり、上部の発光表示部を構成する各種部材やLED等の詳細については省略している。
アウターレンズ744の下部は、LED基板741とほぼ同形をなす板状部744Aと、該板状部744Aの背面周縁に立設される枠状の周壁部744Bとにより背面が開口する箱状に形成されている。
図23(A)に示すように、アウターレンズ744の前面には、所定の数字(例えば、「2400」など)を象った透過層の周囲に黒色の非透過層744Cが形成されることで、前記透過層により所定の文字を認識可能な第4発光表示部854が形成されている。尚、非透過層744Cの透過率は、非透過層744C以外の透過層よりも低くなっている(透過率0%を含む)。
尚、本実施の形態では、「2400」の各数字が互いに連接された一の透過層により一の第4発光表示部854が構成されているが、「2400」の各数字が各々独立した複数の透過層により一の第4発光表示部854が構成されていてもよい。また、説明の便宜上、数字の「2400」を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、数字だけでなく、文字、記号、図柄、キャラクタ、マーク等により第4発光表示部854を構成してもよい。
図23(A)に示すように、アウターレンズ744の背面には、射出成型などによりランダムカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部744Dが形成されている。光拡散部744Dは、大きさや形状が異なる複数の凸部が不規則なパターン(ランダムパターン)で配置されることにより形成されている。この光拡散部744Dは、透過層である第4発光表示部854に対応する部分からその周囲の非透過層744Cに対応する部分にかけて連続的に形成されている(図27参照)。
このようにアウターレンズ744は、背面にのみ光拡散部744Dが形成されていることで、各アングル型LED745,746からインナーレンズ743を通して前方に出射された光をさらに拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
また、図24(B)に示すように、周壁部744Bの内面における少なくとも上辺に対応する部分には、断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸部からなる光拡散部744Eが長手方向に向けて形成されており、これにより周壁部744Bの内側面から入射されるアングル型LED746からの光が拡散して導光され、周壁部744Bの前端面が略均一に面発光するようになっている。
(第4発光表示部の発光態様)
次に、第4発光表示部854の発光態様について説明する。図26は、各発光表示部を構成する部材や電子部品等を示す説明図である。図27は、(A)は第1発光表示部のアウターレンズとLEDとの位置関係を示す背面図、(B)は第4発光表示部のアウターレンズとLEDとの位置関係を示す背面図である。図28は、第1発光表示部の表示態様の一例を示す図である。図29は、(A)は通常時、(B)は予告演出時、(C)は大当り時における各発光表示部の表示態様の一例を示す図である。
図25に示すように、LED基板741の前面に設けられた各アングル型LED745,746が発光すると、各アングル型LED745,746からの光はインナーレンズ743に形成された切欠部750及び開口部751の入光部751Aからインナーレンズ743の内部に入射される。入光部751Aに入射された光は、LED基板741の前面741Fに沿うように配置されたインナーレンズ743内に誘導された後、背面に形成された反射部743Dにより前方に向けて反射され、インナーレンズ743の前面全域から前方に出射される。インナーレンズ743の前面は平坦面であるため、インナーレンズ743は導光板のように面発光する。
インナーレンズ743の前面から出射された光は、アウターレンズ744の背面に入射され、入射された光は、背面に形成された光拡散部744Dにより拡散されアウターレンズ744内部で面方向に広がるように前方に導光された後、非透過層744Cを除く第4発光表示部854から前方に出射されることで第4発光表示部854が面発光する。
また、アングル型LED745,746からは前面741Fに対し平行方向または略平行方向、つまり、上下方向に光が照射され、遊技者側である前方に向けて光が照射されることはなく、かつ、アウターレンズ744の背面に光拡散部744Dが形成されていることで、第4発光表示部854においてアングル型LED745,746に対応する部分が点光りすることを抑制することができる。
図27(B)に示すように、アウターレンズ744の背面に形成された光拡散部744Dは、大きさや形状が異なる複数の凸部が不規則なパターン(ランダムパターン)で、透過層である第4発光表示部854に対応する部分からその周囲の非透過層744Cに対応する部分にかけて連続的に形成されている。よって、アングル型LED745,746が発光したときに、第4発光表示部854を前方の任意の角度から見た場合でも複数の凸部が不規則なパターンで発光して見える。
また、光拡散部744Dの輪郭線R4に沿って配置される複数の凸部はほぼ不規則なパターンで切り欠かれていることで、第4発光表示部854の輪郭線R4付近の凸部が不規則なパターンで発光して見えるため、第4発光表示部854の輪郭がぼやけたり歪んだりして見えるようになる。
一方、LED基板741の背面に設けられた各アングル型LED747が発光すると、各アングル型LED747からの光はアウターレンズ744の周壁部744Bの内側面(入光部)に入射される。周壁部744Bの内側面に入射された光は、周壁部744Bの内側面に形成された光拡散部744Eにより該周壁部744Bの長手方向に向けて拡散されながら上方に向けて誘導された後、周壁部744Bの外側面から上方に向けて出射される。これにより、周壁部744Bの外側面が長手方向にわたり面発光する。
詳しくは、アウターレンズ744の周壁部744Bは、LED基板741の背面に設けられるアングル型LED747からの光により発光するので、アウターレンズ744の周壁部744Bを発光させるためにアングル型LED747を発光させたときに、前面の第4発光表示部854においてアングル型LED747に対応する部分が点光りして見えてしまうことを回避できる。
また、アングル型LED747は、LED基板741の縁辺近傍に配置された周壁部744Bを照射可能するために、LED基板741の背面741Bに対し平行方向または略平行方向に光を照射可能である。そして、LED基板741の背面741Bに対し平行または略平行に設けられる背面カバー742は、非透過性合成樹脂材にて構成されていることで、アングル型LED747からの光が背面側に出射されてしまうことがなく、また、アングル型LED747の近傍に位置する背面カバー742の前面が、反射効率が高い白色に着色された反射部を構成していることで、アングル型LED747からの光が周壁部744Bに到達するまでに背面カバー742に吸収され減衰してしまうことが抑制されるので、周壁部744Bが暗くなることを回避できる。
また、背面カバー742の前面における上辺部に切欠部748が形成され、背面カバー742の上辺部近傍の板厚が他の部位の板厚よりも薄くなっていることで、周壁部744Bの近傍においてLED基板741の背面741Bと背面カバー742の前面との間口が広がるので、周壁部744Bの内側面を前後方向に広範囲で照射することが可能となる。
また、第1発光表示部851を構成するアングル型LED811から第1アウターレンズ807の背面に形成された光拡散部807Dまでの離間寸法L11(図21参照)は、第4発光表示部854を構成するアングル型LED745からアウターレンズ744の背面に形成された光拡散部744Dまでの離間寸法L12(図25参照)よりも長寸とされている(L11>L12)。つまり、凸部が規則的なパターンで配列されてなる光拡散部744Dにおいては、凸部が不規則なパターンで配列されている光拡散部807Dよりも視認する位置によって発光表示部においてアングル型LED745に対応する部分が点光りしやすいので、アングル型LED745から光拡散部744Dまでの離間寸法L1までの離間寸法を長寸とすることで、点光りを好適に防止することができる。
図26に示すように、第1発光表示部851〜第4発光表示部854は、発光表示部の態様(例えば、文字や数字など)、アウターレンズやインナーレンズの背面に形成される光拡散部、LEDの光の照射方向、背面カバーの色といった形態が異なることで、LEDにより同じ輝度で同じ色で発光表示した場合でも、発光表示態様が各々異なるとともに、光拡散部により点光りが好適に抑制される。
また、演出制御用CPU120は、第1発光表示部851〜第4発光表示部854のうち、左右の第4発光表示部854の間の中央位置に配置され、機種のタイトルやサブタイトルといった重要度が高い情報を発光表示可能な第1発光表示部851〜第3発光表示部853については、通常時、つまり、遊技待機状態や可変表示状態においても常に発光表示させており、予告演出の実行時や大当り演出の実行時等においては、各種演出に応じて所定の態様にて発光表示させる。
尚、本実施の形態では、第1発光表示部851〜第3発光表示部853を上記タイミングで発光する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記タイミング以外で発光させてもよい。また、これら通常時、予告演出時、大当り時など種々の発光表示タイミング各々におけるLEDの発光期間を異ならせる(例えば、通常時<予告演出時<大当り時のように発光期間が長くなるなど)ようにしてもよい。また、通常時、予告演出時、大当り時など遊技状態の遷移に応じて種々の発光表示タイミング各々におけるLEDの発光態様(輝度、発光色、点灯・点滅等)を異ならせる(例えば、通常時は弱発光、予告演出時や大当り時は強発光とするなど)ようにしてもよい。
一方、第4発光表示部854については、ラウンド数が異なる複数種類の大当り種別を有するものにおいて、約2400個の遊技球を獲得可能な大当り(例えば、16R大当りなど)が発生したことを報知する大当り演出などにおいてのみ発光表示する。
尚、本実施の形態では、第4発光表示部854を上記タイミングで発光する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記タイミング以外の特定の状況下(例えば、通常時や予告演出においてハズレを報知するときなど)でのみ発光するようにしてもよい。
よって、パチンコ遊技機1に電力が供給されている期間、あるいは、パチンコ遊技機1にて遊技が行われている期間(可変表示期間、大当り期間)のうち所定の単位時間(例えば、3時間など)あたりにおける第1発光表示部851〜第3発光表示部853の発光表示期間は、第4発光表示部854の発光表示期間よりも長くなっている。
具体的には、図29(A)に示すように、演出制御用CPU120は、遊技待機状態などにおいても第1発光表示部851〜第3発光表示部853を発光表示させている。また、図29(B)に示すように、例えば、予告演出として下部可動体450の動作を伴う可動体演出を実行する場合などにおいて、下部可動体450を下方位置と中間位置との間で上下動させる場合においても第1発光表示部851〜第3発光表示部853を所定の表示態様にて発光表示させる。また、図29(C)に示すように、例えば、約2400個の遊技球を獲得可能な大当り(例えば、16R大当りなど)が発生したことを報知する大当り演出を実行する場合は、下部可動体450を中間位置まで上昇させるとともに、第1発光表示部851〜第3発光表示部853とともに、第4発光表示部854を発光表示させる。
特に図29(C)に示すように、第1発光表示部851〜第3発光表示部853と一緒に第4発光表示部854を発光表示させる場合、第1発光表示部851〜第3発光表示部853は、各アウターレンズの光拡散部を構成する凸部の配列が規則的なパターンとされているのに対し、第4発光表示部854は、アウターレンズの光拡散部を構成する凸部の配列が不規則なパターンとされているため、第1発光表示部851〜第3発光表示部853の文字である「7」、「AAA」、「XXX」は輪郭がはっきりと見えるのに対し、第4発光表示部854の数字である「3400」は輪郭が第1発光表示部851〜第3発光表示部853に比べるとややぼやけて見えるため、発光表示態様が異なる。
(センター飾り枠の遊技盤への取付構造)
次に、センター飾り枠52の遊技盤への取付構造について、図30〜図34に基づいて説明する。図30は、(A)は盤面板にセンター飾り枠が取付けられた状態を示す正面図、(B)は盤面板にセンター飾り枠を取付ける状態を示す斜視図である。図31は、(A)はセンター飾り枠の右側上部と盤面板とを前面側から見た状態を示す斜視図、(B)はセンター飾り枠の右側上部と盤面板とを背面側から見あげた状態を示す斜視図、(C)は盤面板の切欠部を前面側から視た状態を示す斜視図である。図32は、(A)は図30(A)のF−F断面図、(B)はG−G断面図、(C)はH−H断面図、(D)はI−I断面図である。図33は、(A)(B)はセンター飾り枠の左側下部と盤面板とを前面側から見た状態を示す斜視図である。図34は、(A)は図30(A)のJ−J断面図、(B)はK−K断面図である。
図30(A)(B)に示すように、センター飾り枠52は、合成樹脂材により枠状に形成され、遊技盤2を構成する盤面板200に形成された開口2cに前方から嵌合し、複数個所に形成された取付孔210に前面側から取付けたネジN21を盤面板200に形成されたネジ孔に螺入することで、盤面板200に取付けられる。尚、図30においては、センター飾り枠52の下部に設けられるステージを構成する部材については省略している。
センター飾り枠52は、遊技盤2の遊技盤面200Aに対し略直交するように立設される立壁部52Aと、立壁部52Aの下部から遊技盤面200Aにおける開口2c周縁に載置され、取付孔210を有する板状の取付部52Bと、開口2c内に収容される枠状部52C(図32参照)と、を有する。立壁部52Aは、遊技領域10に打ち出された遊技球Pに接触可能に設けられ、遊技球Pの開口2c内への進入を防止する。
センター飾り枠52の右側には、所謂右打ちにより遊技領域10に打ち出され右側上部に誘導された遊技球Pを、下方に向けて開口2cの周縁に沿うように誘導する誘導経路220が設けられている。誘導経路220は、遊技盤面200Aに対し略直交するように立設される内壁部221と、内壁部221の外側に遊技盤面200Aに対し略直交するように立設される外壁部222と、内壁部221と外壁部222の下端を連設する底壁部223と、から断面視略前向きコ字形に形成されている。
図31及び図32に示すように、内壁部221と外壁部222の上端よりも上方には、誘導経路220に遊技球Pを誘導するための誘導部225が、底壁部223から上方に向けて連設されている。誘導部225の背面側には、盤面板200の開口2cにおける右側上部に形成された正面視略台形状の切欠部230とほぼ同形に形成される隆起部226(図31(B)参照)が形成されており、誘導部225の前面上部には、下方から上方(上流側)に向けて後方に傾斜する傾斜面部227が形成されている。よって、誘導部225の板厚L31は、隆起部226により底壁部223の板厚L32よりも大寸とされている(L31>L32。図32(B)(C)参照)。つまり、隆起部226は、底壁部223の背面に対して所定寸法L33だけ背面側に隆起している。
一方、盤面板200に形成された切欠部230は、センター飾り枠52を盤面板200に取付けた状態において誘導部225に対応する位置に形成されている。また、遊技盤面200Aにおいて切欠部230に対応する部分には、遊技盤面200Aよりも盤面板200の内部側(背面側)に位置する特定部231(段部)が形成されている。特定部231の前面は、遊技盤面200Aに対し所定寸法L33だけ背面側に位置しているため、盤面板200において特定部231に対応する板厚L34は、盤面板200の板厚L35よりも短寸とされている(L34<L35。図32(B)参照)。
よって、センター飾り枠52を盤面板200に取付けた状態では、誘導経路220の底壁部223は遊技盤面200Aにおける開口2cの周辺に載置される一方で、底壁部223よりも板厚の誘導部225は、切欠部230に対応する位置に配置されたときに、隆起部226の外周縁が特定部231に載置される。つまり、盤面板200には、切欠部230と、遊技盤面200Aに対し凹設された特定部231と、が設けられていることで、板厚の誘導部225の一部が遊技盤面200Aよりも内部側に位置するようにセンター飾り枠52を盤面板200に取付けることができる。
また、図32(B)(C)に示すように、傾斜面部227の上辺部(傾斜下位部)が遊技盤面200Aとほぼ同位置に配置されることで段差が生じないため、遊技盤面200Aに沿って流下してくる遊技球Pを、遊技盤面200Aよりも前面側に位置する底壁部223の前面にスムーズに誘導することができる。
また、誘導部225は、遊技盤面200Aに沿って流下する遊技球Pを、該遊技盤面200Aよりも前面側に位置する底壁部223に遊技球Pを誘導する際に傾斜面部227に遊技球Pが接触するが、底壁部223よりも板厚に形成することで、接触による破損を効果的に抑制できる一方で、誘導部225よりも板厚の盤面板200側に切欠部230と板厚が薄い特定部231を形成して、底壁部223よりも突出した分の板厚を盤面板200側に収容することで、遊技盤面200Aと底壁部223との間に大きな段差が生じることを回避できるため、誘導部225の強度を高めつつ、遊技球Pをスムーズに誘導経路220へ誘導することができる。
また、誘導部225には、センター飾り枠52を盤面板200に取付けるためのネジN21の取付孔210が形成されていないことで、取付孔210を形成することにより誘導部225の強度が低下して遊技球Pとの接触により破損しやすくなることが防止されている。一方、誘導部225よりも下流側の底壁部223には取付孔210が形成されていることで(図32(D)参照)、誘導経路220を好適に盤面板200に固定することができる。
さらに、板厚の誘導部225は、誘導経路220の上流側において、上下方向に向けて所定区間(遊技球Pを誘導する所定区間)にわたり延設されていることで、例えば、傾斜面部227に対応する部分のみを肉厚に形成する場合に比べて、強度を確保しやすくなるので、誘導部225の破損を好適に防止できる。
図33及び図34に示すように、センター飾り枠52の左側下部には、所謂左打ちにより遊技領域10に打ち出され左側に誘導された遊技球Pを、画像表示装置5の下方に向けて右斜め下方の普通入賞球装置6Aに向けて誘導する誘導部235が設けられている。誘導部235の背面側には、隆起部236が形成されており、誘導部235の前面左部には、右方から左方に向けて後方に傾斜する傾斜面部237が形成されている。よって、誘導部235の板厚L41は、隆起部236により取付部52Bの板厚L42よりも大寸とされている(L41>L42。図34(A)(B)参照)。つまり、隆起部236は、取付部52Bの背面に対して所定寸法L43だけ背面側に隆起している。
一方、センター飾り枠52を盤面板200に取付けた状態において誘導部235に対応する位置には、遊技盤面200Aよりも盤面板200の内部側(背面側)に位置する特定部241(段部)が形成されている。特定部241の前面は、遊技盤面200Aに対し所定寸法L43だけ背面側に位置しているため、盤面板200において特定部241に対応する板厚L44は、盤面板200の板厚L35よりも短寸とされている(L44<L35。図34(A)参照)。
よって、センター飾り枠52を盤面板200に取付けた状態では、誘導部235は特定部241に載置される。つまり、盤面板200には、遊技盤面200Aに対し凹設された特定部241が設けられていることで、板厚の誘導部235の一部が遊技盤面200Aよりも内部側に位置するようにセンター飾り枠52を盤面板200に取付けることができる。
また、図34(A)に示すように、傾斜面部237の左辺部(傾斜下位部)が遊技盤面200Aとほぼ同位置に配置されることで段差が生じないため、遊技盤面200Aに沿って流下してくる遊技球Pを、遊技盤面200Aよりも前面側に位置する取付部52Bの前面にスムーズに誘導することができる。
また、誘導部235は、遊技盤面200Aに沿って流下する遊技球Pを、該遊技盤面200Aよりも前面側に位置する取付部52Bに遊技球Pを誘導する際に傾斜面部237に遊技球Pが接触するが、取付部52Bよりも板厚に形成することで、接触による破損を効果的に抑制できる一方で、誘導部235よりも板厚の盤面板200側に板厚が薄い特定部241を形成して、取付部52Bよりも突出した分の板厚を盤面板200側に収容することで、遊技盤面200Aと取付部52Bとの間に大きな段差が生じることを回避できるため、誘導部235の強度を高めつつ、遊技球Pをスムーズに誘導することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、LED基板741に設けられた発光手段としてのアングル型LED747と、アングル型LED747からの光を拡散する拡散手段としての光拡散部744Eを有するアウターレンズ744の周壁部744Bと、を備え、アングル型LED747は、LED基板741の縁辺近傍に配置された周壁部744Bを照射可能するために、LED基板741の背面741Bに対し平行方向または略平行方向に光を照射可能であり、アングル型LED747の近傍に位置する背面カバー742の前面が、反射効率が高い白色に着色された反射部を構成している。
このようにすることで、LED基板741の背面側に設けられたアングル型LED747からの光により、アウターレンズ744の周壁部744Bを好適に発光させることができる。詳しくは、発光手段としてアングル型LED747を用いていることで、背面カバー742をLED基板741に極力近づけて配置し、サイド発光表示ユニット730L,730Rの前後寸法を極力薄くすることができる一方で、アングル型LED747に近接する背面カバー742の前面が、反射効率が高い白色に着色された反射部を構成していることで、アングル型LED747からの光が背面カバー742の前面に吸収されることなく、周壁部744Bが強い光で照射されるため、周壁部744Bを強く発光させることができる。
また、LED基板741の背面も白色とされていることで、アングル型LED747からの光がLED基板741の背面と背面カバー742の前面とで反射されるので、アングル型LED747からの光を減衰させることなく、好適に周壁部744Bに誘導することができる。
また、背面カバー742は、アングル型LED747からの光を反射して周壁部744Bに誘導する反射部を有することで、アングル型LED747を周壁部744Bから離間して配置しても、アングル型LED747からの光を減衰させることなく、好適に周壁部744Bに誘導することができるため、周壁部744Bにおけるアングル型LED747に対応する部分が点光りすることを好適に抑制することができる。
また、アングル型LED747からの光を反射する反射部を、背面カバー742を利用して設けていることで、背面側に拡散された光を反射する反射部を構成するための部材を別個に設ける必要がないので、部品点数を削減することができる。
特に、発光表示ユニット401は、透過性の合成樹脂材からなり遊技球Pに接触可能に設けられる後透過板261の近傍に配置されるため、後透過板261に帯電した静電気により、LED基板801に電気が飛びやすい。よって、LED基板801の背面が背面カバー742により被覆されるが、この背面カバー742を利用してアングル型LED747からの光を反射する反射部を設けることができるので、部品点数を削減することができる。
また、アングル型LED747は、LED基板741の周辺に配置される周壁部744Bに形成された光拡散部744Eに向けて光を照射可能に設けられていることで、周壁部744Bを好適に発光させることができる。
LED基板741の実装面(背面)を覆うように設けられる背面カバー742における周壁部744B側の縁辺部には、アングル型LED747からの光の照射方向に向けて切り欠かれた切欠部748が形成されていることで、アングル型LED747からの光を前後方向に拡散させることができる。特に、背面カバー742を極力LED基板741基板に近づけて配置した場合でも、光の入光部となる周壁部744Bの内側面を広く確保することができるため、周壁部744Bを広範囲にわたり発光させることが可能となる。
また、発光表示ユニット401においてアングル型LED811やトップ型LED812,813が設けられたLED基板801の背面を覆うように設けられた背面カバー802の前面は、白色の背面カバー742よりも光の反射効率が低い黒色とされている。
このように、LEDが設けられていない背面側を覆う背面カバー802については、光の吸収率が高い黒色とされているため、光が背面側に漏れることが抑制されている。また、光の反射率が高い白色層を形成する必要がないので、黒色の背面カバー802を使用することで製造コストを抑制することができる。
尚、本実施の形態では、LED基板741に設けられたアングル型LED747からの光を拡散する拡散手段として、光拡散部744Eを有するアウターレンズ744の周壁部744Bを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光手段は、基板の実装面に対し平行方向または略平行方向に光を照射可能であり、発光手段の近傍に光の反射効率が良い反射部を備えるものであれば、基板、発光手段、拡散手段は、上記LED基板741、アングル型LED747、アウターレンズ744に限定されるものではなく、他の発光表示部や演出装置に設けられる種々の基板、発光手段、拡散手段にも適用可能である。
また、本実施の形態では、反射部はアングル型LED747の近傍に設けられた背面カバー742の前面に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、背面カバー742とは別個に設けられる反射板等に構成されていてもよい。
また、反射部は、発光手段の近傍に設けられていれば、必ずしも背面側に設けられていなくてもよい。また、反射効率が良い反射部の一例として、黒色の背面カバー802よりも反射率が低い白色の背面カバー742の前面を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光の反射効率が高いものであれば、例えば、光を吸収(透過)し難い合成樹脂材や金属板や鏡部材等により構成されていてもよいし、また、少なくとも部材における発光手段側の表面等に形成される例えばメッキ層のような反射層にて形成されていれば、部材全体が反射部にて構成されていなくてもよい。
また、本実施の形態では、アングル型LED747からの光はアウターレンズ744の周壁部744Bに形成された光拡散部744Eに入光される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アングル型LED747からの光は、発光表示部を構成するレンズ部材に入光されるものであってもよいし、インナーレンズのような導光部材に入光されるものであってもよい。
また、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、第1発光手段(例えば、アングル型LED811、トップ型LED812,813など)と、第2発光手段(例えば、アングル型LED745)と、前記第1発光手段からの光を拡散する第1拡散手段(例えば、光拡散部807Dを有する第1アウターレンズ807、光拡散部808Bを有する第2アウターレンズ808,光拡散部809Bを有する第3アウターレンズ809など)と、前記第2発光手段からの光を拡散する第2拡散手段(例えば、光拡散部744Dを有するアウターレンズ744)と、を備え、前記第1発光手段と前記第2発光手段とは、単位時間あたりに発光する期間の長さが異なり、前記第1拡散手段は、規則的なパターンによって光を拡散可能であり、前記第2拡散手段は、不規則なパターンによって光を拡散可能である。
このようにすることで、第1発光表示部851〜第3発光表示部853と第4発光表示部854とをそれぞれ好適に発光させることができる。詳しくは、単位時間あたりに発光する期間の長さが異なる第1発光表示部851〜第3発光表示部853と第4発光表示部854とで、発光手段による発光態様を変化させるのではなく、発光手段からの光の拡散態様を異ならせることにより、各発光表示部の見え方を異ならせることができる。
また、演出制御用CPU120は、第1発光手段(例えば、アングル型LED811)による単色(例えば、白色)での発光表示演出と、第2発光手段(例えば、アングル型LED745)による複数色(例えば、7色)での発光表示演出を実行可能である。
このようにすることで、光の拡散態様だけでなく、発光色を異ならせることによっても、各発光表示部を好適に発光させることができる。特にアングル型LED745を7色の光で発光させる場合、第2拡散手段が不規則なパターンによって光を拡散することで、複数の発光色が混ざりやすいため、グラデーション効果を高めることができる。
また、数字を象った第4発光表示部854と、第4発光表示部854よりも大きい文字を象った第1発光表示部851〜第3発光表示部853とを有し、第1発光手段(例えば、アングル型LED811、トップ型LED812,813など)は、第1発光表示部851〜第3発光表示部853を各々発光可能である。
このようにすることで、第1発光表示部851〜第3発光表示部853を好適に発光させることができる。詳しくは、「7」、「AAA」、「XXX」などの文字を象った第1発光表示部851〜第3発光表示部853は、光が規則的なパターンで拡散されるので文字の輪郭がはっきりと見えるのに対し、数字「2400」などの数字を象った第4発光表示部854は、光が不規則なパターンで拡散されるので文字の輪郭がぼやけて見えやすい。
このように、光の拡散態様(レンズにおける凸部の配列パターン)を異ならせることで、文字や数字でも、輪郭をはっきりと見せたい発光表示部と、輪郭が滲んでいるように見せたい発光表示部と、をレンズにおける凸部の配列パターンで作り出すことができるので、例えば、第1発光表示部851〜第3発光表示部853を第4発光表示部854よりも目立つように見せることができる。また、第4発光表示部854により発光表示される情報は、第1発光表示部851〜第3発光表示部853により発光表示される情報よりも輪郭がぼやけることで焦点が合ってないように見えることで奥側にあるように見せることができるため、立体感がある発光表示を提供することが可能となる。
具体的には、複数の発光表示部のうち、機種のタイトルやサブタイトルといった重要度が高い第1情報を発光表示可能な第1発光表示部851〜第3発光表示部853については、第1情報を遊技者に明確に見せるために規則的なパターンで光を拡散する一方で、第1情報よりも重要度が低い第2情報を発光表示可能な第4発光表示部854などにおいては、第2情報をあえて滲んで見えるように不規則なパターンで光を拡散する。これにより、遊技者に表示したい複数の情報のうち重要度が高い第1情報について、第1情報よりも重要度が低い第2情報よりも強調して発光表示させることができる。
第1インナーレンズ803とインナーレンズ743と、共に規則的なパターン(例えば、反射部803D、743D)によって光を拡散可能である。このようにすることで、各LEDからの光をそれぞれ略均一化させることが可能となるため、各LEDに対応する部分を点光りさせてしまうことを抑制できる。
また、アングル型LED811を有する発光表示ユニット401は上下移動可能であり、アングル型LED745,746を有するサイド発光表示ユニット730L,730Rは移動不能に固定されていることで、演出効果を向上させることができる。詳しくは、移動可能な第1発光表示部851〜第3発光表示部853は規則的なパターンで光が拡散され、移動不能な第4発光表示部854は不規則なパターンで光が拡散されるので、移動しているときでも第1発光表示部851〜第3発光表示部853をはっきり見せることができる。
また、第1発光表示部851を構成するアングル型LED811から第1アウターレンズ807の背面に形成された光拡散部807Dまでの離間寸法L11(図21参照)は、第4発光表示部854を構成するアングル型LED745からアウターレンズ744の背面に形成された光拡散部744Dまでの離間寸法L12(図25参照)よりも長寸とされている(L11>L12)。
このようにすることで、第1発光表示部851におけるアングル型LED811に対応する部分が点光りを防止することができる。
また、本実施の形態では、LED基板801に設けられたアングル型LED811やトップ型LED812,813からの光を拡散する第1拡散手段として、光拡散部807Dを有する第1アウターレンズ807、光拡散部808Bを有する第2アウターレンズ808,光拡散部809Bを有する第3アウターレンズ809を適用し、LED基板741に設けられたアングル型LED747からの光を拡散する第2拡散手段として、光拡散部744Dを有するアウターレンズ744を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光手段は、単位時間あたりに発光する期間の長さが異なる第1発光手段と第2発光手段であれば、基板、発光手段、拡散手段は、上記のものに限定されるものではなく、他の発光表示部や演出装置に設けられる種々の基板、発光手段、拡散手段にも適用可能である。
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機1に電力が供給されている期間、あるいは、パチンコ遊技機1にて遊技が行われている期間(可変表示期間、大当り期間)のうち所定の単位時間(例えば、3時間など)あたりにおける第1発光表示部851〜第3発光表示部853の発光表示期間は、第4発光表示部854の発光表示期間よりも長い形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光手段と第2発光手段とは、単位時間あたりに発光する期間の長さが異なるものであれば、第1発光表示部851〜第3発光表示部853の発光表示期間が第4発光表示部854の発光表示期間よりも短くてもよい。
また、単位時間あたりに発光する期間の長さとは、上記3時間以外の時間でもよい。また、遊技場における1営業日において単に発光手段が発光している時間の長さの合計数だけでなく、例えば、遊技場における営業期間のうちの所定期間において発光手段が発光する期間の長さの合計数であってもよい。あるいは、所定の発光タイミングにおいて継続して発光する時間の長さを対象としてもよい。
また、本実施の形態では、第1拡散手段の規則的なパターンとして、ダイヤカット形状、波紋カット形状を適用し、第2拡散手段の不規則なパターンとして、ランダムカット形状を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記したカット以外のカットパターンを適用してもよい。
また、第4発光表示部854においても、大きさや形状が異なる複数の凸部がランダムに配列されるランダムカットパターンを複数設けることで形成されていると言えるが、規則的なパターンは、発光表示部全域に対して凸部の配列パターンの最小単位が占める割合が、不規則なパターンにおいて発光表示部全域に対して凸部の配列パターンの最小単位が占める割合よりも小さいものであればよい。つまり、規則的なパターンとしては、例えば、三角形、四角形、六角形などの多角形や円、楕円、直線などの単純な図形を象った凸部を、それに平行移動、反転、回転、色の変化、拡大・縮小、分割などの操作を加えながら連続して組合せ配列を展開してつくった幾何学模様からなるレンズカットパターン等が含まれる。
また、本実施の形態では、第4発光表示部854よりも大きい第1発光表示部851〜第3発光表示部853は、アングル型LED811からの光を拡散する光拡散部807Dが、規則的なパターンにて構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第4発光表示部854よりも重要度が高い情報を表示する第1発光表示部851〜第3発光表示部853について、規則的なパターンにて光を拡散するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、動作可能な下部可動体450に設けられる発光表示ユニット401のレンズはダイヤカット、動作しないサイド発光表示ユニット730L,730Rのレンズはランダムカットとすることで、下部可動体450が動作しても第1発光表示部851〜第3発光表示部853がはっきりと見えるので、点光りが気になることがない。
また、本実施の形態では、機種のタイトルやサブタイトルといった重要度が高い第1情報を発光表示可能な第1発光表示部851〜第3発光表示部853のレンズについては規則的なダイヤカットパターンを適用し、第1情報よりも重要度が低い大当り種別などの第2情報を発光表示可能な第4発光表示部854のレンズについては不規則なランダムカットパターンを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者に明確に報知したい遊技情報(例えば、機種のタイトル、ロゴ、遊技状態(確変状態、時短状態、設定変更状態、エラー状態)を示す情報など)を表示する発光表示部のレンズについては規則的なダイヤカットパターンを適用する一方で、演出など遊技情報以外に関する情報を表示する発光表示部のレンズについては不規則なランダムカットパターンを適用してもよい。
また、電源投入時に実行されるイニシャル動作制御を実行しているときに発光する発光表示部のレンズについては不規則なランダムカットパターンを適用することで、光を和らげることができるため、複数台の電源投入作業を行う遊技店員の目の負担を軽減できる。
また、確変状態や大当り状態など遊技状態が変化する際には規則的なダイヤカットパターンのレンズからなる発光表示部を発光させることで、遊技状態の変化を遊技者に明確に報知する一方で、変化後に長期にわたり使用する発光表示部のレンズについては不規則なランダムカットパターンを適用することで、遊技者の目の負担を軽減できる。
また、発光手段(LED)を単純な発光パターンで発光させる発光表示部のレンズについては不規則なランダムカットパターンを適用して点光りを目立たなくする一方で、複雑な発光パターンで発光させる発光表示部のレンズについては規則的なダイヤカットパターンを適用して複雑な発光態様を分かりやすく見せることができる。
また、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、LED基板801に設けられたアングル型LED811と、アングル型LED811からの光を拡散する光拡散部803Cが設けられた周壁部803Bを有する第1インナーレンズ803と、を備え、アングル型LED811は、LED基板801の背面801Dに対し平行方向または略平行方向に光を照射可能であり、第1インナーレンズ803は、LED基板801における前面の少なくとも一部を覆うように設けられた板状部803Aを有し、周壁部744Bの外側面(入光部)から入光可能である。
このようにすることで、第1発光表示部851を好適に発光させることができる。詳しくは、アングル型LED811からの光は、前方(遊技者側)の第1インナーレンズ803に向けて照射されることがないので、第1発光表示部851における各アングル型LED811に対応する部分が点光りして見えることを抑制できる。
また、第1アウターレンズ807を備え、第1アウターレンズ807におけるアングル型LED811に対応する位置には透過率が低い非透過層807Cが設けられている。
このようにすることで、非透過層807Cによりアングル型LED811と、アングル型LED811から照射された光が第1インナーレンズ803の周壁部803Bに到達するまでの領域が隠れるので、アングル型LED811に対応する部分が点光りすること、詳しくは、アングル型LED811の発光部や該発光部から周壁部803Bに照射される直接光により点光りすることを好適に抑制しつつ発光させることができる。
また、第1アウターレンズ807は、数字の「7」を象った形状であり、アングル型LED811は第1アウターレンズ807の周縁に沿って複数設けられる。このようにすることで、数字を好適に発光させることができる。
また、トップ型LED812,813と拡散手段(例えば、第2インナーレンズ804、第2アウターレンズ808や第3インナーレンズ805、第3アウターレンズ809)と、を備え、トップ型LED812,813は前方に向けて光を照射可能に設けられている。
このようにすることで、文字の種類に応じて、発光方法を変更することができるので、演出効果を向上させることができる。詳しくは、数字の「7」を象った第1発光表示部851と、文字の「AAA」、「XXX」を象った第2発光表示部852及び第3発光表示部853と、を異なる発光態様にて発光表示させることができる。つまり、異なる情報を異なる発光態様にて表示することができる。
また、演出制御用CPU120は、複数のアングル型LED811を、第1発光表示部851の上部側から下部側に向けて順次点灯させる発光パターンに基づく発光演出を行うことが可能である。このようにすることで、演出効果を向上させることができる。
また、アングル型LED811)は白色で発光可能であり、第1インナーレンズ803は有色(例えば、赤色など)の透過性部材にて構成されている。このようにすることで、複数色で発光可能なLEDを用いなくてもよいので、製造コストを削減することができる。
また、本実施の形態では、LED基板801に設けられたアングル型LED811からの光を拡散する拡散手段として、光拡散部803Cが設けられた周壁部803Bを有する第1インナーレンズ803を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、拡散手段は、拡散手段は、基板における実装面の少なくとも一部を覆うように設けられ、発光手段からの光を拡散形状で設けられた入光部から入光可能であれば、基板、発光手段、拡散手段は、上記のものに限定されるものではなく、他の発光表示部や演出装置に設けられる種々の基板、発光手段、拡散手段にも適用可能である。
また、本実施の形態では、複数のアングル型LED811が第1インナーレンズ803の周壁部803Bの外周を囲むように配設されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のアングル型LED811を第1インナーレンズ803の内部において周壁部803Bの内周に沿って配設してもよい。また、アングル型LED811からの光の入光部である周壁部803Bの外側面には光拡散部803Cが設けられていたが、特に設けられていなくてもよい。
また、本実施の形態では、第1インナーレンズ803においてアングル型LED811に対応する領域には、黒色の非透過層807C(特定部)が形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定部は、他の部分よりも透過率が低いものであれば、例えば、表面に微細な凹凸部を形成するなどして遮光率が高いレンズ部を特定部として適用してもよいし、黒色以外の色からなる非透過層等を特定部としてもよい。さらには、特定部に非透過性部材を別個に設けてもよい。
また、本実施の形態では、第1インナーレンズ803は第1発光表示部851とほぼ形をなす「7」の形状に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光表示部851と同形またはほぼ同形に形成されていなくてもよい。
また、本実施の形態では、拡散手段の一例として、第1インナーレンズ803を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1アウターレンズ807を適用してもよい。
また、本実施の形態では、アングル型LED811は白色で発光可能なLEDであり、第1インナーレンズ803及び第1アウターレンズ807を赤色の透過性部材にて構成することで所定の色にて第1発光表示部851を表示可能に構成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アングル型LED811をフルカラーLEDとして第1インナーレンズ803及び第1アウターレンズ807を無色透明な透過性部材にて構成して複数色に発光可能としてもよい。
また、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、動作可能な下部可動体450と、下部可動体450の動作を案内する案内部材710L,710Rの案内孔712と、を備え、下部可動体450は、同一平面上を動作する第1動作(例えば、起立姿勢のまま上下方向に移動する第1動作)と該同一平面とは異なる方向に動作する第2動作(例えば、上部が前側に傾倒した状態で斜め前後方向に移動する第2動作)とを含む複数の動作態様により動作可能であり、案内部材710L,710Rは、補強板金720L,720Rにより補強されている。
このようにすることで、下部可動体450の動作による案内部材710L,710Rの破損を抑制できる。特に、案内部材710L,710Rに形成された案内孔712の上部は前側に湾曲して形成されていることで、案内部材710L,710Rの上部前側の強度が脆弱になり捩れなどが生じやすいが、補強板金720L,720Rにより補強されることで捩れなどが生じにくくなるので、下部可動体450を安定して支持できる。
また、下部可動体450は、後述する図42などに示すように上方位置に移動したときに、後透過板261に形成された孔部270を介して後透過板261の後方から前方まで移動してきた第1可動体300と合体する演出が可能であることで、案内部材710L,710Rにより遊技盤2の後方で支持する下部可動体450を前上方に案内したときに、案内部材710L,710Rに下部可動体450の負荷がかかるため、補強板金720L,720Rにより補強されることで安定して支持できる。
また、下部可動体450が第1動作しているときは案内部材710L,710Rに対する下部可動体450の重心位置Gが変化せず、第2動作しているときは案内孔712に対する下部可動体450の重心位置Gが変化する。このようにすることで、遊技興趣が向上する。
また、下部可動体450は、第1動作により上下方向に移動し、第2動作により前後方向に移動する。このようにすることで、遊技興趣が向上する。
また、演出制御用CPU120は、予告演出などにおいては下部可動体450を下方位置と中間位置との間で上下させる第1動作制御を、後述する複合演出(合体演出)においてのみ中間位置から上方位置まで移動させる第2動作制御よりも高い頻度で実行する。
このようにすることで、下部可動体450の動作による案内部材の破損を抑制できる。詳しくは、演出制御用CPU120は、後述するように第1可動体300に第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600Rなどを合体可能に移動させる合体演出(可動体演出)を実行可能である。この合体演出は、例えば、大当りになることが決定されている可変表示における所定の演出タイミングにて実行されるものであるため、例えば、予告演出などにおいて、下部可動体450を下方位置と中間位置との間で上下動させてスーパーリーチへ発展すること等を示唆したり煽ったりする第1動作制御を実行する頻度よりも低い。このように、案内部材710L,710Rへの負荷が大きい第2動作制御よりも負荷が小さい第1動作制御の実行機会を多くすることで、案内部材710L,710Rの破損を好適に抑制できるようにすることが好ましい。
但し、第2動作制御の実行頻度が第1動作制御の実行頻度よりも低くても、例えば、下部可動体450を第2動作制御により上方位置まで移動させたときに、該上方位置で停止させたまま演出する期間が長いと案内部材710L,710Rへ負荷がかかることになるため、補強板金720L,720Rにより補強することが好ましい。
また、補強板金720L,720Rの下部可動体450の第2動作に対応する位置の強度が、第1動作に対応する位置の強度よりも高い(強く補強されている)。
このようにすることで、補強板金720L,720Rの軽量化を図るとともに、可動体の負荷が大きく作用する部分の強度を維持することができる。
尚、本実施の形態では、補強板金720L,720Rの軽量化を図るために孔部721A,721Bを形成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、補強板金720L,720Rの下部可動体450の第1動作に対応する位置の板厚を第2動作に対応する位置の板厚よりも薄くしたり、第1動作に対応する位置の材質を第2動作に対応する位置の材質を軽量の素材にて構成してもよい。
また、補強部材として補強板金720L,720Rを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属材以外の素材にて構成されていてもよい。また、第2動作に対応する位置にリブや折曲げ部を形成したり、合成樹脂材の2色成形により第2動作に対応する位置を第1動作に対応する位置よりも強度が高い素材とすること等により、第2動作に対応する位置の強度を第1動作に対応する位置より高めてもよい。
また、本実施の形態では、下部可動体450は、第1動作においては上下方向に移動し、第2動作においては斜め前後方向に移動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1動作において上下左右方向に移動し、第2動作において前後方向に移動するようにしてもよいし、第1動作において前後左右方向に移動し、第2動作において上下方向に移動するようにしてもよい。つまり、同一平面上を動作するとは、X軸、Y軸、Z軸のうち2軸方向に移動可能なことであり、同一平面とは異なる方向に動作するとは、上記2軸以外の軸方向に移動可能なことである。
また、本実施の形態では、案内部の一例として案内部材710L,710Rの案内孔712を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体の動作を案内可能であれば、案内凸部を案内可能な案内溝(レール)であってもよいし、案内溝を案内可能な案内凸部であってもよいし、案内孔を摺動可能に案内する案内棒等であってもよく、種々に変更可能である。
また、本実施の形態では、第1案内部712Aは上下方向に向けて直線状に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上下方向に向けて前方または後方に湾曲していたり蛇行していてもよい。
また、本実施の形態では、案内部材710L,710Rは下部可動体450を左右側方から支持するように案内する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、案内部材は下部可動体450の左右方向の一側方のみを案内するものであってもよいし、下部可動体450の側方以外の部分を案内するものであってもよい。
また、本実施の形態では、補強板金720L,720Rは案内部材710L,710Rの外側面を覆うようにネジで取付けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、補強板金720L,720Rは案内部材710L,710Rに設けられるものであれば、案内部材710L,710Rに対しどのように取付けられていてもよい(例えば、接着により取付けられていてもよいし、案内部材710L,710Rの一部に取付けられていてもよい)。
また、本実施の形態では、可動体の一例として下部可動体450を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体300や第4可動体600L,600Rあるいは図49に示すような他の可動体等を適用してもよい。
また、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、平面状に設けられ、板厚を有する遊技盤2の盤面板200に取付けられ、遊技球Pに接触可能に設けられる構造物としてのセンター飾り枠52を備え、盤面板200は、板厚が薄くなるように設けられた特定部231,241を有し、センター飾り枠52は、所定の厚みをもって設けられた特定部231,241に配置された状態において誘導部225,235が遊技盤面200Aより内部側に位置するように取付けられる(図32(A)(B)(C)参照)。
このようにすることで、厚みがある盤面板200を削り、センター飾り枠52の誘導部225,235の厚みを確保することによって、センター飾り枠52が破損する虞を低減することができる。
また、遊技盤2の板厚L35は、誘導部225,235の板厚(例えば、板厚L31,L41)よりも厚い(L35>L31,L41)。このようにすることで、誘導部225,235が破損する虞を低減することができる。また、センター飾り枠52が、盤面板200よりも軟質の合成樹脂材にて構成されている場合においては、誘導部225,235が破損する虞を好適に低減することができる。
また、センター飾り枠52は、遊技球Pと接触可能な位置に設けられる傾斜面部227,237を有する。このようにすることで、流下する遊技球Pの勢いを傾斜面部227,237により緩和できるので、誘導部225,235が破損する虞を低減することができる。
また、センター飾り枠52は、盤面板200に取付けられた状態において特定部231に配置される誘導部225を有し、誘導部225は、センター飾り枠52を盤面板200に取付けるためのネジの取付孔210を有しない。
このようにすることで、誘導部225に取付孔210が形成されないので、誘導部225の強度が低下してセンター飾り枠52が破損する虞を低減することができる。
また、センター飾り枠52は、盤面板200に取付けられた状態において特定部231に配置される誘導部225と、遊技球Pを誘導可能な誘導経路220と、を有し、誘導経路220の上流側には誘導部225が設けられ、誘導経路220の下流側には、盤面板200に取付けられる取付孔210が設けられている。
このようにすることで、センター飾り枠52が破損する虞を低減するとともに、好適にセンター飾り枠52を取付けることができる。
また、センター飾り枠52は、盤面板200に取付けられた状態において特定部231に配置される誘導部225と、遊技球Pを誘導可能な誘導経路220と、を有し、誘導部225は、誘導経路220の上流側における所定区間にわたり設けられる。
このようにすることで、誘導経路220の上流側の誘導部225を肉厚にすることで、センター飾り枠52が破損する虞を低減することができる。
また、本実施の形態では、遊技媒体に接触可能に設けられる構造物の一例として、センター飾り枠52を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各種入賞口を構成する入賞口形成部材、通過ゲート、誘導通路を構成する通路形成部材など、種々の構造物に適用可能である。
また、本実施の形態では、特定部231が切欠部230の内部に形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、切欠部230に対応する部分が全て特定部231で形成されていてもよい。
また、本実施の形態では、センター飾り枠52の誘導部225,235が特定部231,241に配置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、センター飾り枠52の取付部など遊技盤面200Aに沿うように載置される他の部位(フランジ部など)が特定部231,241に配置されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、構造物としてのセンター飾り枠52が遊技盤2の盤面板200に取付けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技盤2がベニヤ等にて構成される場合、遊技盤2に構造物が直接取付けられてもよい。
また、本実施の形態では、構造物としてのセンター飾り枠52において、遊技盤面200Aに沿うように設けられる誘導部225,235が特定部231,241に配置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、構造物の一部が遊技盤面200Aより内部側に位置するように取付けられるものであれば、構造物のいずれの部位が特定部に配置されてもよい。
また、本実施の形態では、構造物としてのセンター飾り枠52を遊技盤面200Aに取付けることで誘導部225,235が特定部231,241に配置された状態において、誘導部225,235の一部が遊技盤面200Aよりも前方に突出する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、構造物を遊技盤に取付けた状態において特定部に配置された構造物の所定部が、遊技盤面200Aとほぼ面一をなすように配置されてもよいし、遊技盤面200Aよりも内部側に位置するように埋設されてもよい。
(可動体ユニット)
次に、図35〜図43に基づいて、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rを有する可動体ユニットについて説明する。図35は、動作待機形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図36は、第1動作形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図37は、第2動作形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図38は、動作待機形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図39は、第1動作形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図40は、第2動作形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図41は、動作待機形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。図42は、第1動作形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。図43は、第2動作形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施の形態では、以下に説明する第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rによる可動体演出や、これら可動体とスピーカ8L,8R、及び演出用LED9等とによる複合演出や、遊技者がスティックコントローラ31A等の操作手段を操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。また、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rは、演出制御基板12から出力される駆動制御指令としての可動体動作コマンドの受信(所定条件の成立)に基づいて、動作(例えば、図42、図43に示す進出位置や後述する図49に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作、図41に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作)が可能である。
図35〜図43に示すように、可動体ユニットは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる画像表示装置5A,5X,5Yとの間に設けられ、画像表示装置5A,5X,5Yを支持する裏カバー70に固定されるベース部材700と、該ベース部材700に対し移動可能に設けられた第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rと、を有する。ベース部材700は、上辺部、左側辺部、右側辺部、下辺部により四角枠状に形成され、各上辺部、左側辺部、右側辺部、下辺部が画像表示装置5Aの表示画面の各辺に沿うように配設され、中央の開口を介して画像表示装置5A,5X,5Yの表示画面を視認できるようになっている。この可動体ユニットは、後述するように動作待機形態、第1動作形態、第2動作形態に変化可能である。
(第1可動体及び第4可動体)
第1可動体300は、ベース部材700の上辺部から斜め下方に向けて延びるレール701に沿って前後方向に移動可能に取付けられるスライド板301と、スライド板301の先端に回動軸305を介して回動可能に軸支される本体部302と、本体部302に対し突出及び収納動作可能に取付けられる第1突出部303及び第2突出部304と、第1駆動機構310、第2駆動機構320、第3駆動機構330及び第4駆動機構340(図2参照)と、から主に構成されている。
第1可動体300は、第1駆動モータ311やギヤ等から成る第1駆動機構310により、画像表示装置5の上方であり遊技盤2の上部の原点位置である第1待機位置(図38及び図41参照)と、画像表示装置5の表示領域の前方であり遊技盤2の略中央の第1演出位置(図39及び図42参照)と、にレール701に沿って移動可能となっている。第1駆動機構310は、第1可動体300の位置を検出する第1待機位置センサ及び第1演出位置センサを備えている。
第1可動体300のスライド板301が、ベース部材700のレール701に沿って前後方向に移動可能に取付けられているので、第1可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に加速させて進出させることができる。つまり、第1可動体300のスライド板301とベース部材700のレール701とが加速進出手段を構成する。また、加速性をさらに高めるために、スライド板301とレール701との摺動抵抗がより低い材料、形状にしてもよい。また、さらに摺動抵抗を低下させるために潤滑油などを塗るようにしてもよい。また、第1可動体300の加速を支援する図示省略しない加速支援手段(例えば、バネ部材など)を備えるようにしてもよい。例えば、バネ部材が自然長よりも縮められた付勢状態から、自然長に戻ろうとするバネ力により、第1可動体300の加速を支援することができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
本体部302は、略六面体を成しており、左右方向を向く回動軸305に対して固着されている。以降、本体部302において、通常状態(動作待機形態)で正面を向く面を面A、上方を向く面を面Bとして説明する。
回動軸305は、図示しない第2駆動モータやギヤ等から成る第2駆動機構320により回動するようになっており、本体部302の面Aが正面を向き、面Bが上方を向く回動待機状態(図38及び図41参照)と、面Aが斜め前方側上方を向き、面Bが後方側を向く第1回動状態(図39及び図42参照)と、面Aが斜め前方側下方を向き、面Bが斜め前方側上方を向く第2回動状態(図40及び図43参照)と、に本体部302の回動状態を切換え可能となっている。第2駆動機構320は、第1可動体300の回動状態を検出する回動待機位置センサ、第1回動位置センサ及び第2回動位置センサを備えている。
第1突出部303は、第3駆動モータ331や図示しないギヤ及びラック等から成る第3駆動機構330により、本体部302に内蔵される第1収納状態(図38、図40及び図41、図43参照)と、本体部302の面Aから外方へ突出する第1突出状態(図39及び図42参照)と、に切換え可能となっている。第1収納状態にあっては、第1突出部303全体が本体部302内に収納されており、該本体部302から外部に突出しないようになっている。第3駆動機構330は、第1突出部303の状態を検出する第1突出位置センサ及び第1収納位置センサを備えている。
第2突出部304は、第4駆動モータ341や図示しないギヤ及びラック等から成る第4駆動機構340により、本体部302に一部内蔵される第2収納状態(図38、図39及び図41、図42参照)と、本体部302の面Bから外方へ突出する第2突出状態(図40及び図43参照)と、に切換え可能となっている。第2収納状態にあっては、第1突出部303の一部が本体部302の面Bよりも外方に突出しているが、前記回動待機状態や第1回動状態において面Bの背面側に配置されているため、遊技者(正面側)から目立たなくなっている。第4駆動機構340は、第2突出部304の状態を検出する第2突出位置センサ及び第2収納位置センサを備えている。
第4可動体600L,600Rは、ベース部材700の上辺部の左右両側に取付けられており、図示しない上部サイド駆動モータやギヤ及びラック等から成る上部サイド駆動機構610L,610Rにより、遊技盤2の上方側に配置される第4待機位置(図38及び図39参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第4演出位置(図40参照)と、の間で上下方向に移動可能となっている。詳しくは、各第4可動体600L,600Rは、ベース部材700の上辺部の左右両側から中央部に向けて互いに近接するように移動するようになっており、各第4可動体600L,600Rは、第4待機位置において第1待機位置における第1可動体300の左右両側から離間した位置に配置され、第4演出位置において第1演出位置における第1可動体300の左右両側に近接した位置に配置される。上部サイド駆動機構610L,610Rは、第4可動体600L,600Rの位置を検出する第4待機位置センサ及び第4演出位置センサを備えている。
図35に示すように、可動体ユニットの動作待機形態にあっては、第1可動体300が第1待機位置(原点位置)、第2可動体400が第2待機位置、第3可動体500L,500Rが第3待機位置、第4可動体600L,600Rが第4待機位置に配置されており、第1可動体300は、回動待機状態であるとともに、第1突出部303及び第2突出部304は、第1収納状態及び第2収納状態となっている。このとき、各可動体は、遊技盤2の開口2cの周縁側に配置されるため、遊技者(正面側)から画像表示装置5A,5X,5Yの表示画面を視認できるようになっている(図38参照)。例えば、図1に示すように、第1可動体300の第1待機位置(原点位置)は、第1可動体300が画像表示装置5Aに重複しない位置であると言える。尚、第1可動体300の第1待機位置(原点位置)はこれに限定されず、例えば、第1可動体300が画像表示装置5Aの一部に重複する位置としてもよい。また、図41に示すように、第1待機位置(原点位置)にある第1可動体300の前面側の一部分のみが、後透過板261の孔部270を介して、僅かに第1透過体250と第2透過体260との間に進入しているが、進入しないようにしてもよい。
また、図36に示すように、可動体ユニットの第1動作形態にあっては、第1可動体300が第1演出位置、第2可動体400が第2演出位置、第3可動体500L,500Rが第3演出位置、第4可動体600L,600Rが第4待機位置に配置されており、第1可動体300は、第1回動状態であるとともに、第1突出部303は、第1突出状態となり、第2突出部304は、第2収納状態となっている。このとき、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第1突出部303が画像表示装置5A,5X,5Yの前面側に配置され、所定の形状を成す構造物を構成するように互いに接触または近接することにより合体する(図39参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1可動体300に第2可動体400や第3可動体500L,500Rを合体可能に移動させる制御が可能である。
また、図37に示すように、可動体ユニットの第2動作形態にあっては、第1可動体300が第1演出位置、第2可動体400が第2待機位置、第3可動体500L,500Rが第3待機位置、第4可動体600L,600Rが第4演出位置に配置されており、第1可動体300は、第2回動状態であるとともに、第1突出部303は、第1収納状態となり、第2突出部304は、第2突出状態となっている。このとき、第1可動体300、第4可動体600L,600R及び第2突出部304が画像表示装置5A,5X,5Yの前面側に配置され、第1動作形態とは異なる形状の構造物を構成するように互いに接触または近接することにより合体する(図40参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1可動体300に第4可動体600L,600Rを合体可能に移動させる制御が可能である。
また、第1動作形態において第2可動体400及び第3可動体500L,500Rが第1可動体300と合体したときや、第2動作形態において第4可動体600L,600Rが第1可動体300と合体したときにおいて、これら第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rは、後透過板261よりも後側に配置されるようになっている(図42、図43参照)。
よって、第1可動体300と、第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600Rとは、合体したときに第1制御における第1可動体300の移動方向、つまり、前後方向の異なる位置に位置するため、奥行き感を生じさせることができる。
次に、演出制御用CPU120による可動体ユニットの動作制御の一例について図38〜図39を用いて説明する。
図38及び図41に示すように、可動体ユニットの動作待機形態にあっては、第1可動体300は、第1待機位置において、本体部302の面A側(前側)の一部が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側、つまり前側に位置している(特に、図38及び図41の実線部分参照)。
(演出制御基板12の動作)
図45(A)は、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
S51のあと、電源投入時の可動体初期化処理を行う(S51A)。電源投入時の可動体初期化処理(S51A)では、電源供給されたことにもとづく可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R)のイニシャル動作が実行される。イニシャル動作としては、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作とがある。ショートイニシャル動作は、可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)を初期位置(原点位置、待機位置など)に復帰させる初期動作のことである。ロングイニシャル動作は、可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)を初期位置(原点位置、待機位置など)に復帰させた後に動作確認(第1透過体250と第2透過体260との間に進出した進出位置(例えば第1可動体300であれば、図42、図43に示す進出位置や、後述する図49に示す変形例1の第1位置P1、第2位置P2)に移動させた後に初期位置に戻す動作の確認)をする初期動作のことである。本実施の形態のパチンコ遊技機1では、例えばロングイニシャル動作を実行するように設定されている。尚、ショートイニシャル動作を実行するように設定されていてもよい。
電源投入時の可動体初期化処理(S51A)では、演出制御用CPU120は、可動体のイニシャル動作の実行直前やイニシャル動作の実行中において、開閉枠50が開放されたとしても、可動体のイニシャル動作が停止されることなく実行される。具体的には、演出制御用CPU120は、S51Aの処理の実行中やその実行直前において、開閉枠50の開放を検知可能な図示しない扉開放検出スイッチ(例えばドアセンサなど)がオンになったとしても、可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)のイニシャル動作が停止されることなく実行されるように可動体の各駆動機構(第1可動体300についての第1〜第4駆動機構310、320、330、340、第2可動体400及び第3可動体500L,500Rを含む下部可動体450についての下部駆動機構410及び第4可動体600L,600Rについての上部サイド駆動機構610L,610R)を制御する。
これによれば、電源投入時の可動体のイニシャル動作中に開閉枠50が開放されても、可動体のイニシャル動作を停止させないので、電源投入時における開閉枠50の開放に邪魔されることなく、可動体の動作を確認できる。例えば、遊技機出荷前の工場検査時における可動体の動作チェックをスムーズに行うことができる。また、開閉枠50の開閉動作確認と、電源投入時の可動体のイニシャル動作とを同時に行うことができ、検査効率を向上させることができる。上述したように可動体の動作が確認されていることから、好適に可動体を制御できる。
このS51Aのあと、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5A,5X,5Yの表示および動作制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
次いで、演出制御用CPU120は、異常又はエラーが発生している場合には、異常等報知を実行する報知制御処理を実行し(S57)、この後、S52に移行する。図45(B)に示すように報知制御処理では、例えば、開閉枠50の開放を検知可能な図示しない扉開放検出スイッチがオンであるか否かを判定する(S61)。例えば、主基板11には、開閉枠50の開放を検出するための扉開放検出スイッチ(図示略)が接続されている。扉開放検出スイッチは、開閉枠50の開放時にオンとなり、閉鎖時にオフとなる。尚、扉開放検出スイッチは、開閉枠50の閉鎖時にオンとなり、開放時にオフとなるものであってもよい。この場合は、S61については扉開放検出スイッチがオフであるか否かを判定するとすればよい。主基板11は、扉開放検出スイッチにより開閉枠50の開放を検出したことに基づいて、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放中指定コマンドを演出制御基板12に送信する。このため、主基板11からの扉開放中指定コマンドを受信している場合には、扉開放検出スイッチがオンであると判定することができる。
扉開放検出スイッチがオンであれば(S61;Yes)、第1可動体300が動作中であるか否かを判定する(S62)。例えば、第1可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。尚、動作中の判定方法についてはこれに限定されない。例えば、第1可動体300が進出位置(尚、進出位置が複数ある場合には各進出位置)にあれば動作中と判定してもよい。また、第1駆動機構310、第2駆動機構320、第3駆動機構330及び第4駆動機構340(図2参照)のうちの少なくとも何れかが駆動動作中である場合には動作中と判定してもよい。第1可動体300が動作中であれば(S62;Yes)、可動体動作時の扉開放報知(第1開放報知)が実行される(S63)。一方、第1可動体300が動作中でなければ(S62;No)、通常時の扉開放報知(第2開放報知)が実行される(S65)。可動体動作時の扉開放報知は、通常時の扉開放報知とは異なる態様としている。例えば、可動体動作時の扉開放報知は、通常時の扉開放報知に比べて報知音が大きいあるいは報知画像や報知発光が目立つ態様としている。また、可動体動作時の扉開放報知は、可動体が動作中である旨の報知(例えば「可動体が動作中!」や「動作中の可動体に注意!」の報知画像を表示したりやその内容を音声出力したりするなど)を有するものであり、通常時の扉開放報知はその旨を有さないものとしてもよい。
このように第1開放報知であれば、第1可動体300の動作中における開閉枠50の開放であることを報知でき、動作中の第1可動体300を考慮しつつ開閉枠50の開放に対処することができる。また、第2開放報知であれば、第1可動体300が動作していないときの開閉枠50の開放であることを報知でき、第1可動体300を気にせず開閉枠50の開放に対処することができる。このため、開閉枠50の開放報知の際に、第1可動体300の動作有無に応じた適切な処置を実行できる。尚、可動体動作時の扉開放報知と通常時の扉開放報知とを区別せずに同一の報知としてもよい。
S63のあとには、第1可動体300の動作を制限する(S64)。例えば、第1可動体300の動作を停止する。S64では、演出制御用CPU120は、第1可動体300の動作中(例えば、第1可動体300が、図42、図43に示す進出位置や後述する図49に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作の実行中、あるいは、図41に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作の実行中など)に開閉枠50が開放される(扉開放検出スイッチ(図示略)がオンとなる)と、第1可動体300の動作を停止させる処理を実行する。このため、開閉枠50が開放されているときに第1可動体300が前記の動作(第1可動体300の進出動作や後退動作など)することによる不具合(例えば、第1可動体300による挟み込みや、第1可動体300自体やその関連部品または扉部材側の部品(第1可動体300や第2透過体260など)の損傷など)を防止できる。これにより、開閉枠50が開放された際の第1可動体300による不具合を防止できる。尚、図45(B)に示すようにS63のあとにS64を実行しているが、S64のあとにS63を実行するようにしてもよい。この場合には、いち早く可動体動作制限を実行できる。
また、開閉枠50が開放されたことを少なくとも含む特定条件の成立に基づいて、可動体の動作を停止させることが可能であり、可動体動作コマンドの受信(所定条件の成立)に基づく可動体の動作制御(例えば、第1可動体300が、図42、図43に示す進出位置や後述する図49に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作の制御や、図41に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作の制御など)よりも、開閉枠50が開放されたことを少なくとも含む特定条件の成立に基づく可動体の動作制御(例えば、第1可動体300などを停止させる制御など)を優先して該可動体の動作制御を実行可能である。このため、開閉枠50が開放されているときに可動体が動作すること、開閉枠50が開放されてから可動体が動作すること、可動体の動作後に開閉枠50が開放されて該可動体が復帰動作すること等による不具合(例えば、第1可動体300による挟み込みや、第1可動体300自体やその関連部品または扉部材側の部品(第1可動体300や第2透過体260など)の損傷など)を防止できる。これにより、扉部材が開放された際の可動体による不具合を防止できる。尚、特定条件は、開閉枠50が開放されたこと(開閉枠50の開放が検知されたこと、開閉枠50の開放エラーの発生など)を少なくとも含むとしているが、これに限定されるものではない。特定条件は、例えば、振動モータ異常エラー、役物初回起動エラー、磁石エラー(磁気検出エラー)、振動検出異常、不正入賞エラー、RAMクリア、開閉枠50の開放などのうちの少なくとも一つを含むものであってもよい。また、所定条件としては、可動体動作コマンドの受信に限定されない。例えば、可動体演出の実行設定、可動体演出の実行タイミングとなっていること、イニシャル動作コマンドの受信、客待ちデモ指定コマンドの受信など動作の契機となる条件であってもよい。
尚、S64では、演出制御用CPU120は、第1可動体300の動作中に開閉枠50が開放されると、第1可動体300の動作を停止させているが、これに限定されない。例えば、演出制御用CPU120は、S64において、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rのうちの少なくとも一つが動作中に開閉枠50が開放されると、これら全ての可動体の動作を停止させたり、動作中の可動体のみ動作を停止させたりするようにしてもよい。
また、開閉枠50が開放されると、演出制御用CPU120は、S64において、対象可動体については動作を停止し、非対象可動体(特定可動体)については動作を継続(あるいは 、初期位置等に戻すように)してもよい。例えば、対象可動体は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する第1可動体300とし、非対象可動体(特定可動体)は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rとしてもよい。この構成によれば、可動体の動作中に開閉枠50が開放されると、対象可動体(第1可動体300)の動作を停止させるが、特定可動体(第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600R)の動作中に開閉枠50が開放されたとしても、特定可動体は、第1透過体250と第2透過体260との間に位置する動作を行わない可動体であるので、特定可動体についてはその動作を停止させずに継続させることができる(あるいは 、初期位置等に戻すことができる)。これにより、可動体に応じた制御を行うことができる。つまり、可動体の種類(可動体、特定可動体のいずれであるか)に応じた制御を行うことができる。
また、演出制御用CPU120は、S64において、第1可動体300の動作を停止させているが、その動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)するなどとしてもよい。また、動作の範囲、速度、加速度などを、開閉枠50が開放されていないときの動作に比べて限定した範囲、異なる速度(遅い速度)、異なる加速度(小さい加速度)などとしてもよい。
尚、第1可動体300の動作を制限する(S64)例として、第1可動体300を初期位置(待機位置)へ移動させる制御を行うようにしてもよい。これによれば、例えば、可動体演出において第1制御や第2制御を実行しているときに、第1可動体300の動作異常が発生して該第1可動体300が第1演出位置などで動かなくなったり、遊技領域10内で球詰まりが生じたりするなどして、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、開閉枠50を開放する際に第1可動体300が後透過板261と接触しない位置(例えば、待機位置等)に向けて退避するため、後透過板261や第1可動体300が破損することを防止できる。
一方、S65のあとには、可動体の動作を禁止する(S66)。例えば、S66では、演出制御用CPU120は、第1可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)を禁止する。尚、図45(B)に示すようにS65のあとにS66を実行しているが、S66のあとにS65を実行するようにしてもよい。この場合には、いち早く可動体動作禁止を実行できる。
尚、S66において、演出制御用CPU120は、例えば、全ての可動体(対象可動体、非対象可動体の全て)の動作を禁止するようにしてもよい。また、S66において、対象可動体(第1可動体300)のみ動作を禁止し、非対象可動体(第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rなど)の動作は禁止せずに許可するようにしてもよい。つまり、開閉枠50が開放された状態であっても、非対象可動体については、その動作期間になると動作させるようにしてもよい。また、S66において、動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)してもよい。
また、演出制御用CPU120は、例えば、可動体の動作禁止(S66)については、開閉枠50が閉鎖されると、直ちに上記動作禁止を解除して可動体の動作を可能としている。尚、開閉枠50の閉鎖から所定期間経過後や、実行中の可変表示が終了した時点で、上記禁止を解除して可動体の動作を可能としてもよい。
一方、扉開放検出スイッチがオンでないとき(S61;No)、S64のあと、又は、S66のあとには、本処理は終了する。
<別例1の報知制御処理(S57)>
尚、図46(A)に示すように、別例1の報知制御処理(S57)において、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(例えばショートイニシャル動作)を実行する(S60A)ようにしてもよい。図46(A)に示す別例1の報知制御処理(S57)では、演出制御用CPU120は、例えば、扉閉鎖フラグがオンであるか否かを判定する(S60)。扉閉鎖フラグは、開放状態となっていた開閉枠50が閉鎖状態になったことを示すフラグである。扉閉鎖フラグがオンでなければ(S60;No)、扉開放検出スイッチがオンであるか否かを判定する(S61)。このS61〜S66については、前述した図45(B)と同じであるため、ここでの説明を省略する。S64のあと、又は、S66のあとには、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放フラグをオンにセットする(S67)。つまり、開閉枠50が開放されたことにより、扉開放検出スイッチがオンとなった(S61;Yes)ため、扉開放フラグをオンにセットする(S67)。
一方、扉開放検出スイッチがオンでなければ(S61;No)、つまり、開閉枠50の閉鎖状態であれば、扉開放フラグがオンであるか否かを判定する(S61A)。扉開放フラグがオンであれば(S61A;Yes)、扉開放フラグをオフにリセットし(S61B)、扉閉鎖フラグをオンにセットする(S61C)。つまり、開放状態となっていた開閉枠50が閉鎖状態になったことを示す扉閉鎖フラグが、オンにセットされる。
一方、扉閉鎖フラグがオンであれば(S60;Yes)、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(例えばショートイニシャル動作)を実行する(S60A)。演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、開閉枠50の閉鎖時に第1可動体300のショートイニシャル動作を実行する。S60Aのあと、扉閉鎖フラグをオフにリセットする(S60B)。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61A;No)、S61Cのあと、S67のあと、又は、S60Bのあとには、本処理は終了する。これにより、開閉枠50の閉鎖時に、第1可動体300を確実に初期位置に復帰させることができる。このため、第1可動体300を初期位置から動作させることができ、好適に第1可動体300を制御できる。
尚、演出制御用CPU120は、開閉枠50の閉鎖時に第1可動体300が初期位置にある場合には、ショートイニシャル動作を実行しないようにしてもよい。このように、既に初期位置にある第1可動体300については、不要なショートイニシャル動作を実行しなくて済む。このため、初期位置にない第1可動体300についてのみショートイニシャル動作を実行することができ、適切なイニシャル動作を実行することができる。
尚、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(S60A)を、例えばロングイニシャル動作としてもよい。
尚、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、第1可動体300に限らず、全ての可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)についてイニシャル動作(ショートイニシャル動作、ロングイニシャル動作の何れであってもよい)が実行されるようにしてもよい。さらに、S60Aにおいて、全ての可動体のうち、初期位置にある可動体についてのイニシャル動作を行わないようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する突出役物(第1可動体300)及び第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない非突出役物(第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)の何れも初期位置に戻すようにしているが、突出役物及び非突出役物のうちの一方について初期位置に戻すようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、全ての可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)についてイニシャル動作を所定の順番(イニシャル動作用として設定された順番や、可動体演出のときと同じ順番など)で行うようにしてもよい。所定の順番でイニシャル動作を行うことにより、適切なイニシャル動作を実行することができる。また、各可動体のイニシャル動作に優先順位を設定してもよい。イニシャル動作の優先順位としては、例えば、突出役物(第1可動体300)を非突出役物(第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)よりも優先して実行するとしたり、その逆の優先順としたりしてもよい。
<別例2の報知制御処理(S57)>
尚、図46(B)に示すように、別例2の報知制御処理(S57)において、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1可動体300を、検出手段の検出結果によって動作させる(S64A、S64B)ようにしてもよい。この検出手段としては、扉開放検出スイッチ(図示略)、プッシュボタン31B、遊技者以外の遊技場関係者が操作可能な関係者専用の操作ボタン(図示略)のうちの少なくとも一つとすればよい。関係者専用の操作ボタン(図示略)は、例えば、開閉枠50が開放されることで露出するボタンとすることで、遊技場関係者のみが操作可能とすることができる。ここでは、検出手段は、前記の関係者専用の操作ボタンであるとする。別例2の報知制御処理におけるS61〜S66は、前述した図45(B)と同じであるため、ここでのその説明を省略する。S64のあと、演出制御用CPU120は、例えば、関係者専用の操作ボタンの操作の有無を判定する(S64A)。演出制御用CPU120は、関係者専用の操作ボタンの操作有りのときには(S64A;Yes)、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1可動体300を動作させる(S64B)。関係者専用の操作ボタンが操作されている期間において第1可動体300が動作するようにしてもよいし、関係者専用の操作ボタンが1回操作されれば第1可動体300が動作するようにしてもよい。一方、関係者専用の操作ボタンの操作がなければ(S64A;No)、本処理はそのまま終了する。これにより、安全を確認してから第1可動体300を動作させる(例えば、停止した第1可動体300を、初期位置に復帰させたり、第1位置に動作(例えば格納など)させたり、第2位置に動作(例えば進出など)させたりする)ことができる。尚、可動体としては第1可動体300に限定されるものではなく、開閉枠50が開放されることで動作が停止された全ての可動体(第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600R)を個別に動作させたり、これら全部を同時に動作させたりしてもよい。尚、S64Aでは、関係者専用の操作ボタンの操作の有無を判定しているが、遊技場関係者の動作を検出する赤外線センサなどにおいて遊技場関係者の動作の有無を判定してもよい。遊技場関係者の動作が検出された場合には、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1可動体300を動作させる(S64B)ようにしてもよい。
<別例3の報知制御処理(S57)>
尚、図47(A)に示すように、別例3の報知制御処理(S57)において、可動体演出を有する変動パターンであるか否かに基づいて可動体の動作制限(S65C)や可動体の動作禁止(65D)とするようにしてもよい。別例3の報知制御処理では、演出制御用CPU120は、図47(A)に示すように、例えば、扉開放検出スイッチ(図示略)がオンであるか否かを判定する(S61)。扉開放検出スイッチがオンであれば(S61;Yes)、扉開放報知(第2開放報知)が実行される(S65)。S65のあと、可動体演出を有する変動パターンであるか否かを判定する(S65A)。可動体演出設定処理のS505において、可動体演出パターンが設定されている場合には、可動体演出を有する変動パターンであると判定され(S65A;Yes)、そうでない場合には可動体演出を有する変動パターンでないと判定される(S65A;No)。可動体演出を有する変動パターンであれば(S65A;Yes)、第1可動体300が動作中であるか否かを判定する(S65B)。例えば、第1可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1可動体300が動作中であれば(S65B;Yes)、第1可動体300の動作を制限する(S65C)。例えば、第1可動体300の動作を停止する。S65Cでは、演出制御用CPU120は、第1可動体300の前記の動作(第1可動体300の進出動作や後退動作など)を停止させる処理を実行する。
尚、S65Cでは、演出制御用CPU120は、第1可動体300の動作中に開閉枠50が開放されると、第1可動体300の動作を停止させているが、これに限定されない。例えば、演出制御用CPU120は、S65Cにおいて、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rのうちの少なくとも一つが動作中に開閉枠50が開放されると、これら全ての可動体の動作を停止させたり、動作中の可動体のみ動作を停止させたりするようにしてもよい。
また、S65Cにおいて、演出制御用CPU120は、対象可動体については動作を停止し、非対象可動体(特定可動体)については動作を継続(あるいは 、初期位置等に戻すように)してもよい。例えば、対象可動体は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する第1可動体300とし、非対象可動体(特定可動体)は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rとしてもよい。
また、S65Cにおいて、演出制御用CPU120は、第1可動体300の動作を停止させているが、その動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)するなどとしてもよい。また、動作の範囲、速度、加速度などを、開閉枠50が開放されていないときの動作に比べて限定した範囲、異なる速度(遅い速度)、異なる加速度(小さい加速度)などとしてもよい。
一方、第1可動体300が動作中でなければ(S65B;No)、可動体の動作を禁止する(S65D)。例えば、S65Dでは、演出制御用CPU120は、第1可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)を禁止する。つまり、可動体演出を有する変動パターンについての可変表示の開始(演出図柄の変動表示の開始)から可動体演出による可動体動作が開始(実行)されるまでの期間、該可動体動作の終了から可変表示が確定表示(確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)が停止表示)されるまでの期間についても、第1可動体300の動作を禁止する。これによれば、可変表示の開始(変動表示の開始)から可動体動作開始までの期間において開閉枠50が開放となると、可動体動作をそもそも実行しないとすることができる。また、可動体動作終了後から図柄確定までの期間においても可動体動作を実行しないとすることができる。コマンド化けやノイズによる可動体動作コマンドの出力に起因する想定外の可動体(特に付勢による役物)動作を未然に防止できる。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61;No)、可動体演出を有する変動パターンでないとき(S65A;No)、S65Cのあと、又は、S65Dのあとには、本処理は終了する。
尚、S65Dにおいて、演出制御用CPU120は、例えば、全ての可動体(対象可動体、非対象可動体の全て)の動作を禁止するようにしてもよい。また、S65Dにおいて、対象可動体(第1可動体300)のみ動作を禁止し、非対象可動体(第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rなど)の動作は禁止せずに許可するようにしてもよい。つまり、開閉枠50が開放された状態であっても、非対象可動体については、その動作期間になると動作させるようにしてもよい。また、S65Dにおいて、動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)してもよい。
また、演出制御用CPU120は、例えば、可動体の動作禁止(S65D)については、開閉枠50が閉鎖されると、直ちに上記動作禁止を解除して可動体の動作を可能としている。尚、開閉枠50の閉鎖から所定期間経過後や、実行中の可変表示が終了した時点で、上記禁止を解除して可動体の動作を可能としてもよい。
上述した別例3の報知制御処理(図47(A)参照)によれば、S65Aを備えているので、可動体動作演出を含む変動パターンの場合(S65A;Yes)のみ開閉枠50による可動体の動作停止判断処理(S65C)や動作禁止判断処理(S65D)を行い、それ以外の変動パターンではかかる停止判断処理を行わないようにすることができ、処理効率を向上させることができる。
<別例4の報知制御処理(S57)>
尚、図47(B)に示すように、別例4の報知制御処理(S57)において、客待ちデモ指定コマンドに基づいて客待ちデモンストレーション時における可動体の動作制限(S65C)や可動体の動作禁止(65D)とするようにしてもよい。このS61、S65C、S65Dについては、前述した図47(A)と同じであるため、ここでの説明を省略する。別例4の報知制御処理では、演出制御用CPU120は、S65のあと、主基板11からの客待ちデモ指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S65E)。客待ちデモ指定コマンドは、例えば画像表示装置5A、5X、5Yの画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)と該デモ画面表示とともに可動体を動作させるデモ演出などを指定する演出制御コマンドである。客待ちデモ指定コマンドを受信していれば(S65E;Yes)、客待ちデモ演出において第1可動体300がデモ動作中(可動体デモ動作中)であるか否かを判定する(S65F)。例えば、第1可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1可動体300がデモ動作中であれば(S65F;Yes)、第1可動体300の動作を制限する(S65C)。例えば、第1可動体300の動作を停止する。S65Cでは、演出制御用CPU120は、第1可動体300の前記の動作(第1可動体300の進出動作や後退動作など)を停止させる処理を実行する。
一方、第1可動体300がデモ動作中でなければ(S65F;No)、第1可動体300の動作を禁止する(S65F)。例えば、S65Fでは、演出制御用CPU120は、第1可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)を禁止する。つまり、デモ画面表示の開始から第1可動体300のデモ動作が開始(実行)されるまでの期間、該第1可動体300のデモ動作の終了からデモ画面表示が終了されるまでの期間についても、第1可動体300の動作を禁止する。これによれば、デモ画面表示の開始から第1可動体300のデモ動作開始までの期間において開閉枠50が開放となると、可動体動作をそもそも実行しないとすることができる。また、第1可動体300のデモ動作の終了からデモ画面表示が終了されるまでの期間においても可動体動作を実行しないとすることができる。コマンド化けやノイズによる可動体動作コマンドの出力に起因する想定外の可動体(特に付勢による役物)動作を未然に防止できる。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61;No)、客待ちデモ指定コマンドを受信していないとき(S65E;No)、S65Cのあと、又は、S65Dのあとには、本処理は終了する。尚、図47(B)に示す別例4の報知制御処理(S57)における可動体としては、第1可動体300のみに限定されるものではなく、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rのうちの少なくとも一つとしてもよい。
(コマンド解析処理)
コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。
例えば、特定された演出制御コマンドに応じてその受信フラグをセットしたり、各格納領域に格納したりする。各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい。特図保留記憶数の加算指定コマンドや特図保留記憶数の減算指定コマンドを受信したときには、それに応じて画像表示装置5Aの第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示画像の数を増減させてもよい。
(演出制御プロセス処理)
演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。以下で説明する各フラグ、各タイマ、各カウンタなどはRAM122に設けられる。
演出の開始設定は、例えば、演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、プロセスタイマに、前記でセットした演出制御パターンに応じた初期値を設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎に所定タイミング(演出制御プロセス処理開始時、後述の演出動作制御時など)において減算される。演出制御パターンは、各種演出(演出図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。具体的には、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して画像表示装置5A,5X,5Yに画像を表示させたり、駆動制御データに従った駆動制御指令を表示装置駆動機構900に伝送して画像表示装置5X,5Yを駆動させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をLED制御基板14に伝送して演出用LED9を点灯/消灯させたりして、演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、各種の演出の実行が実現される。
図48(A)は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じて、S170〜S175のいずれかを実行する。
次にS170〜S175の処理を説明する。S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かを判定する。当該判定は、例えば変動パターン指定コマンド格納領域に当該コマンドが格納されているか否かによって判定すればよい。当該コマンドを受信している場合、演出プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理は終了する。当該コマンドを受信していない場合、本処理はそのまま終了する。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図48(B)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出図柄の可変表示結果としての確定演出図柄となる最終停止図柄などを決定する(S321)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定演出図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5Aの画面上における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を決定する。次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5Aの画面上における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5Aの画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5Aの画面上における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。さらに、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5Aの画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定演出図柄を決定する。例えば中確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定演出図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定演出図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定演出図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定演出図柄を決定するときには、左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定演出図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5Aの画面上における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す演出図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す演出図柄)のいずれを確定演出図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5Aにおいて大当りを想起させるが確変状態を想起させないような演出図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。これにより、確定演出図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
S321のあと、保留表示変化演出の実行設定を行う変化演出設定処理が実行される(S322)。変化演出設定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容などに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われる。尚、変化演出設定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かなどに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われるようにしてもよい。
S322のあと、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、S322の変化演出設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
S323のあと、演出制御用CPU120は、例えばスーパーリーチAのリーチ演出の場合に可動体を動作させる可動体演出設定処理(S323A)を実行する。
図48(B)に戻って、S323Aの処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S324)。そして、画像表示装置5Aの画面上にて演出図柄などの変動を開始させるための設定を行う(S325)。このときには、例えばS323の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5Aの表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。
S325のあとには、演出図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留記憶表示エリア5Dの第1保留表示や第2保留記憶表示エリア5Uの第2保留表示などを更新するための設定を行う(S326)。例えば、第1特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留記憶表示エリア5Dにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留記憶表示エリア5Uにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図48(A)に戻って、S172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。可変表示中演出処理では、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(S341)。一例として、S341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。S341にて可変表示時間が経過していない場合には(S341;No)、演出制御用CPU120は、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(S342)。保留表示変化演出期間は、例えば図48(B)に示すS323の処理にて決定された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)において予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(S342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(S343)。S343の処理では、表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、LED制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5A,5X,5Yの画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、演出用LED9を点灯、点滅又は消灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
S342にて保留表示変化演出期間ではないと判定されたときや(S342;No)、S343のあとには、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(S346)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。S346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(S346;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(S347)。S347のあとには、演出制御用CPU120は、可動体演出フラグがオンであるか否かを判定する(S347A)。可動体演出フラグがオンである場合には(S347A;Yes)、スティックコントローラ31A等の操作が有効である操作有効期間であるか否かを判定する(S347B)。操作有効期間である場合には(S347B;Yes)、スティックコントローラ31Aの操作があったか否かを判定する(S347C)。スティックコントローラ31Aの操作があった場合には(S347C;Yes)、操作フラグをオン状態にセットする(S347D)。S347Bにて操作有効期間ではないと判定されたときや(S347B;No)、S347Cにてスティックコントローラ31Aの操作がないと判定されたときや(S347C;No)、S347Dのあとには、可動体演出期間であるか否かを判定する(S347E)。可動体演出期間である場合には(S347E;Yes)、操作フラグがオンであるか否かを判定する(S347F)。操作フラグがオンである場合には(S347F;Yes)、可動体演出実行処理が行われる(S347G)。操作フラグがオンでない場合には(S347F;No)、可動体演出に替わる代替演出実行処理が行われる(S347H)。尚、操作フラグがオンでない場合でも(S347F;No)、可動体演出実行処理が行われる(S347G)ようにしてもよい。
S347Aにて可動体演出フラグがオンではないと判定されたときや(S347A;No)、S347Eにて可動体演出期間ではないと判定されたときや(S347E;No)、S347Gのあとや、S347Hのあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、演出図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(S348)。
S341にて可変表示時間が経過した場合には(S341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。尚、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。S349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(S349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)を導出表示させる制御を行う(S350)。また、S350の処理では、演出図柄の可変表示における最終停止図柄を導出表示させる。そして、S350のあとには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(S351)。S351のあとには、可動体演出フラグと操作フラグとをオフ状態にリセットする(S351A)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(S352)、可変表示中演出処理を終了する。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、最終停止図柄を導出表示させてからの現在の経過時間(所定のタイマで計測すればよい)が、予め設定されている当り開始指定コマンド受信待ち時間に達したかを判定し、達していないときに、当り開始指定コマンドの受信があった場合(当り開始指定コマンド受信フラグがオンのとき)、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行されるファンファーレ開始からエンディングの前までの演出)の開始設定(演出制御パターンのセットなど)を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、本処理を終了する。当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンドの受信もない場合は、そのまま本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達している場合、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」と判断して、演出プロセスフラグの値を「0」に更新し、本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
S174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5A,5X,5Yの画面上に表示させることや、画像表示装置5X,5Yを動作させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、LED制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により演出用LED9を点灯、消灯等させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。当り中処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
S175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理であり、大当り遊技状態終了時のエンディングを実行するための処理である。エンディング処理においては、画像表示装置5A,5X,5Yにおいて、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
次に、本実施の形態における可動体演出及び表示装置演出を含む複合演出の一例を説明する。先ず、例えば、所定の図柄変動表示中においてリーチ状態が成立した後、画像表示装置5X,5Yを画像表示装置5Aの前方側の位置に近づくように移動し、画像表示装置5X,5Yにスーパーリーチ演出等に発展したことを示す表示が実行される。
その後、画像表示装置5X,5Yが互いに接触して1つの表示部を形成するとともに、該表示部に遊技者に対して操作手段を操作するよう促す操作促進画像が表示される。
遊技者が操作手段の操作受付期間中に該操作手段を操作すると、画像表示装置5X,5Yが待機位置に移動するとともに、本実施の形態における可動体演出の開始条件が成立したとして可動体演出が実行され、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500Rが演出動作して可動体ユニットが動作待機形態から第1動作形態に変化する。このとき、各可動体が画像表示装置5Aの表示部の前方に重畳して画像表示装置5Aの表示部が遊技者から視認困難となる。
可動体ユニットの第1動作形態が所定時間経過すると、第2可動体400、第3可動体500L,500Rが収納されるとともに、第1可動体300及び第4可動体600L,600Rが演出動作して可動体ユニットが第1動作形態から第2動作形態に変化する。このときにも、各可動体が画像表示装置5Aの表示部の前方に重畳して画像表示装置5Aの表示部が遊技者から視認困難となる。また、可動体演出の実行中には、遊技領域側発光部品(例えば、センター飾り枠52の発光部品(LED)、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bの発光部品(LED)、遊技盤2の表面の少なくとも一部を発光させるための発光部品(LED)の少なくとも一つ)を消灯または該可動体演出を実行していないときよりも低い輝度で発光させている。これにより、可動体演出を目立たせることができ、可動体演出に遊技者を注視させることができる。よって、演出の効果を向上させることができる。
次いで、可動体ユニットの第2動作形態が所定時間経過すると、第1可動体300及び第4可動体600L,600Rの収納動作が実行され、可動体演出が終了する。そして、スーパーリーチ演出が実行され、このスーパーリーチ演出の実行後に、例えば大当りの場合には、画像表示装置5Aに大当りを示す図柄を揃えて(例えば、7−7−7等)を表示するとともに、画像表示装置5X,5Yにエフェクト画像(例えば、キャラクタや文字等)を表示する。
以上説明したように、上記実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域10を視認するための窓部51と、動作可能に設けられた第1可動体300と、第1可動体300を制御するための制御手段としての演出制御用CPU120と、を備え、窓部51は、第1透過体250と、該第1透過体250よりも遊技領域10側に配置され孔部270が形成された第2透過体260と、を有し、第1透過体250と第2透過体260との間に形成された空間部Sに孔部270を介して第1可動体300の少なくとも一部が進入可能であり、第1可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第1演出位置に移動する第2動作が実行可能である。つまり、第1可動体300が図41に示す第1待機位置(原点位置)から、図42または図43に示す第1演出位置に一気に進入させることができ、驚きのある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
また、第1可動体300を第1透過体250と第2透過体260との間に加速させて進出させる加速進出手段(第1可動体300のスライド板301とベース部材700のレール701とで構成される)を備えるので、第1可動体300のスライド板301が、ベース部材700のレール701に沿って斜め下方向に加速させて進出させることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、ベース部材700のレール701は、斜め下向き直線状の経路(下向き案内経路部)を有する案内部材としているので、斜め下向きのレール701に沿って第1可動体300のスライド板301が下向きに案内されることで、第1可動体300を加速させて第2位置P2に進出させることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。尚、レール701の一部に、下向き以外の部分を有していてもよい。
また、第1可動体300は、画像表示装置5A(表示手段)に重畳しない位置(あるいは、一部が表示手段に重畳する位置であってもよい)である図41に示す第1待機位置(原点位置)から、図42または図43に示す第1演出位置に動作可能である。例えば、原点位置の第1可動体300は、遊技者から見えないまたは見え難くなっており、原点位置にあった第1可動体300が突然に第1演出位置に出現してくるので、遊技者に驚きを与えることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
また、演出制御用CPU120は、第1待機位置にある第1可動体300を、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第1制御と、該第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第1突出部303を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させたり、第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第2突出部304を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる第2制御と、を行うことが可能である。この構成によれば、第1可動体300を第1透過体250側へ移動させる第1制御を行った後、本体部302の所定部の少なくとも一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)を、第2透過体260よりも第1透過体250側で第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、遊技者によりインパクトを与えることができるため、演出の効果を向上させることができる。
具体的には、第1可動体300を第1透過体250側へ移動させる第1制御だけでなく、第1制御を行った後、第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、本体部302の一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)が拡張して第1可動体300が拡大しているように見えるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、後透過板261は、遊技盤面200Aとの間を遊技球が流下可能となるように盤面板200の前側に対向して配置され、遊技盤面200Aとの間に遊技球の流下領域を形成するものであるため、孔部270は、遊技領域10において遊技球の流下領域に対応しない演出領域(盤面板200に形成された開口2c)に対応する位置に形成される。つまり、遊技球の流下領域を確保する必要があるので孔部270を大きくするには限界があり、また、第1可動体300を孔部270に通過させるためには、第1可動体300を孔部270よりも大きくすることはできない。
よって、本発明のように、第1可動体300を前側へ移動させる第1制御を行った後、本体部302の所定部の少なくとも一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)を、第2透過体260よりも前側で第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、孔部270を必要以上に大きくすることなく、しかも後透過板261よりも前側の遊技者に近い位置にて、第1可動体300を正面(遊技者側)から見たときに本体部302の一部が拡張しているように見せることができるため、遊技者により迫力ある演出を提供することができる。
また、演出制御用CPU120は、第2制御において、本体部302の所定部(前半分)の一部である第1突出部303や第2突出部304を、第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる。このようにすることで、第2制御における第1可動体300の第1突出部303や第2突出部304の移動(突出動作)を好適に見せることができる。
また、第2制御において、本体部302の所定部(前半分)の一部である第1突出部303や第2突出部304を、第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向であって、かつ、前透過板251に沿う方向である前上方向に移動させるため、正面から見たときに、第1突出部303や第2突出部304を、本体部302の周囲に拡張するように、かつ、遊技者側に向けて移動させることができるため、より迫力ある演出を提供することができる。
第1可動体300は、第2制御において遊技領域10とは反対方向(前側)へ移動する、すなわち、第1制御及び第2制御により漸次前方側にせり出すように移動するため、迫力のある演出を行うことができる。
また、第1可動体300は、第1制御により、第1待機位置から第1演出位置へ向けて前下方に下降しながら前側に移動するため、水平に移動するものに比べて、遊技者側に向けて移動してくる様子を分かりやすくすることができる。また、前方への移動時に本体部302の面Aだけでなく面Bも視認できるようになるため、本体部302を大きく見せることができる。
また、第1動作形態において、第1可動体300を支持する第2可動体400及び第3可動体500L,500Rや、第2動作形態において、第1可動体300を支持する第4可動体600L,600Rなどの支持手段を備える。このようにすることで、第1可動体300の動作時や動作後の姿勢を安定させることができる。
より詳しくは、第1可動体300は、遊技盤2の背面側に設けられたベース部材700に動作可能に支持されており、盤面板200と後透過板261とを介して前側に移動するため、後透過板261の手前までしか移動しない従来の可動体に比べて移動距離が長くなるため、ガイドレール等を介して安定して支持させることも考えられるが、後透過板261よりも前側までガイドレール等を設けると、可動体演出の非実行時において、ガイドレール等により後方の遊技領域10の一部が見え難くなるなど、視認性が低下する虞がある。よって、このように他の第4可動体600L,600Rなどにより演出動作時にのみ支持されるようにすることで、可動体演出の非実行時における遊技領域10の視認性の低下を防止することができる。
また、第1可動体300とは異なる関連可動体(例えば、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rなど)を備え、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1可動体300に第2可動体400、第3可動体500L,500R、第4可動体600L,600Rなどを合体可能に移動させる制御が可能である。このようにすることで、合体により第1可動体300と第2可動体(例えば、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rなど)とが互いに支え合うため、移動後の姿勢を安定させることができる。
具体的には、可動体ユニットの第1動作形態及び第2動作形態において、第1可動体300とは異なる関連可動体(第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600R)が、第1可動体300の周辺位置で当接または近接するように配置されるため、第1突出部303及び第2突出部304の突出動作や該突出動作後に該第1可動体300が揺れたりしても、互いに支え合い、姿勢を安定させることができる。
また、第1動作形態において第2可動体400及び第3可動体500L,500Rが第1可動体300と合体したときや、第2動作形態において第4可動体600L,600Rが第1可動体300と合体したときにおいて、これら第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rは、後透過板261よりも後側に配置されるようになっている。このようにすることで、第1可動体300と第2可動体(例えば、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rなど)とは、合体したときに第1制御における第1可動体300の移動方向(前後方向)の異なる位置に位置するため、奥行き感を生じさせることができる。
また、窓部51は、遊技領域10を開閉可能であり(図3参照)、第1可動体300は、窓部51を開閉する際に第2透過体260に接触しない(図44参照)。このようにすることで、第1可動体300や第2透過体260の破損を防止できる。
具体的には、第1可動体300の前側の部分(開閉枠50の閉鎖状態において孔部270よりも前透過板251側に配置される部分)は、孔部270の回動領域Z内に配置されているため、開閉枠50を開閉動作しても後透過板261が第1可動体300に対して接触することがない。これによれば、例えば、可動体ユニットの動作中、つまり、第1制御や第2制御の実行中に動作エラー等が発生して第1可動体300が第1演出位置にて停止したままとなり、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できるため、後透過板261や第1可動体300が破損することを防止できる。
尚本実施の形態では、第1可動体300は、可動体演出において第1制御や第2制御の実行中であっても孔部270の回動領域Z内に配置されているため、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉枠50を開閉する際に第2透過体に接触しないようになっていればよい。
また、第1可動体300には、第1制御を行った後に、第1透過体250以外に向けて光を照射可能な発光手段(例えば、可動体LED350A、可動体LED350B、可動体LED350CL,350CR、及び可動体LED350DL,350DR等)が設けられている。このようにすることで、遊技者だけでなく周囲にも演出をアピールすることができる。
具体的には、第1可動体300の移動演出だけでなく、可動体LED350A、可動体LED350B、可動体LED350CL,350CR、及び可動体LED350DL,350DRの発光演出も行うことができるため、広範囲に演出をアピールすることができる。
また、遊技領域10を形成するための遊技盤2を有する遊技機用枠3と、遊技機用枠3に対し開閉可能に設けられ窓部51を有する開閉枠50と、開閉枠50における窓部51以外の領域に設けられる開閉扉側発光部品としての演出用LED9と、演出用LED9の発光制御を行う発光制御手段としての演出制御用CPU120とを備え、演出制御用CPU120は、第1可動体300、第2可動体400、第3可動体500L,500R及び第4可動体600L,600Rの動作に応じて演出用LED9の発光態様を第1〜第5発光態様に変化させることが可能である。このようにすることで、第1可動体300の移動を好適に演出することができる。
また、演出制御用CPU120は、演出用LED9を第1発光態様にて発光させた後、該第1発光態様よりも輝度が低い第2発光態様にて発光させる制御を行う。このようにすることで、第1可動体300などの透視性の低下を抑制することができる。
具体的には、第1発光態様で第1制御を行った後、可動体ユニットが第1動作形態時(第2制御時)において、第1発光態様よりも輝度が低い第2発光態様にて発光させるため、第1可動体300が拡大しているように見える演出である第2制御時に、演出用LED9の光によりハレーション等が起こり、各可動体の視認性の低下を抑制することができる。
また、遊技領域10を形成するための遊技盤2を有する遊技機用枠3と、遊技機用枠3に対し開閉可能に設けられ窓部51を有する開閉枠50と、開閉枠50における窓部51以外の領域に設けられる開閉扉側発光部品としての演出用LED9と、演出用LED9の発光制御を行う発光制御手段としての演出制御用CPU120とを備え、演出用LED9は、第1制御が行われた後に第1可動体300に向けて光を照射可能に設けられている。このようにすることで、第1可動体300を光により目立たせることができる。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である(上記構成を削除してもよい)。以下に上記実施の形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、第2透過体260には孔部270が形成されているが、これに限定されない。例えば、第2透過体260には、第1可動体300が進入可能な大きさの切欠部が形成されているものであってもよい。
(変形例1)
上記実施の形態では、第1可動体300は、第1駆動機構310により第1待機位置(原点位置)から第1演出位置に向けて斜め下方向に移動する(図38及び図41の矢印1参照)ようにしているが、これに限定されない。図49に示す変形例1のように、第1可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能としてもよい。つまり、第1可動体300が図49に示すように二段階動作するようにしてもよい。例えば、第1可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1待機位置(原点位置P0)から真下の第1位置P1に移動する第1動作ACT1(例えば、垂下方向への移動)が可能である。さらに、第1可動体300は、第1位置P1から遊技者側に向かって、第1透過体250と第2透過体260との間に後透過板261の孔部270を介して進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2(例えば、水平方向への移動)が可能である。
また、第1可動体300は、図49に示すように、画像表示装置5A(表示手段)に重畳しない位置(あるいは、一部が表示手段に重畳する位置であってもよい)である原点位置P0から第1位置P1または第2位置P2に動作可能である。例えば、原点位置P0の第1可動体300は、遊技者から見えないまたは見え難くなっており、原点位置P0にあった第1可動体300が突然に第1位置P1または第2位置P2に出現してくるので、遊技者に驚きを与えることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
本発明の(A)の遊技機は、
本体(例えば、遊技機用枠3など)に対して開閉可能な扉部材(例えば、開閉枠50など)と、
前記扉部材に設けられた透過部材(例えば、窓部51)と、
前記可動体の動作を制御する可動体制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、
を備え、
前記透過部材は、第1透過部材(例えば、第1透過体250)と、該第1透過部材よりも前記本体側に設けられた第2透過部材(例えば、第2透過体260)と、を有し、
前記可動体制御手段は、
前記可動体を、第1位置から、前記第1透過部材と前記第2透過部材との間の第2位置に向かって動作させることが可能であり(例えば、S323A、S172の処理を実行する演出制御用CPU120により、図49に示すように第1可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間の第2位置P2に向かう第2動作ACT2が実行可能であるなど)、
前記可動体の動作中に前記扉部材が開放されると、該可動体の動作を停止させる処理を実行する(例えば、S64の処理を実行する演出制御用CPU120など)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、扉部材が開放された際の可動体による不具合を防止できる。
また、本発明の(B)の遊技機は、
本体(例えば、遊技機用枠3など)に対して開閉可能な扉部材(例えば、開閉枠50など)と、
前記扉部材に設けられた透過部材(例えば、窓部51)と、
前記可動体の動作を制御する可動体制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、
を備え、
前記透過部材は、第1透過部材(例えば、第1透過体250)と、該第1透過部材よりも前記本体側に設けられた第2透過部材(例えば、第2透過体260)と、を有し、
前記可動体制御手段は、
所定条件の成立に基づいて、前記可動体を、第1位置から、前記第1透過部材と前記第2透過部材との間の第2位置に向かって動作させることが可能であり(例えば、S323A、S172の処理を実行する演出制御用CPU120により、図49に示すように第1可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間の第2位置P2に向かう第2動作ACT2が実行可能であるなど)、
前記扉部材が開放されたことを少なくとも含む特定条件の成立に基づいて、前記可動体の動作を停止させることが可能であり(例えば、S64の処理を実行する演出制御用CPU120など)、
前記所定条件の成立に基づく前記可動体の動作制御(例えば、第1可動体300が、図42、図43に示す進出位置や後述する図49に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作の制御や、図41に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作の制御など)よりも、前記特定条件の成立に基づく前記可動体の動作制御(例えば、第1可動体300などを停止させる制御など)を優先して該可動体の動作制御を実行可能である
ことを特徴としている。
この構成によれば、扉部材が開放された際の可動体による不具合を防止できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
スロットマシンの場合、本発明の遊技領域とは、例えば、リール等の変動表示装置による図柄の変動表示が実行される可変表示領域などが該当する。また、本発明の表示装置とは、上記のような図柄の変動表示装置(例えば、リールや液晶表示器など)が該当する。
実施の形態では、検出手段としてコントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bを用いた例について説明したが、これに限らず、赤外線センサ等の非接触式の検出手段やタッチパネルなどの接触式の検出手段を設け、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
識別情報(特図、演出図柄、普図など)の可変表示は識別情報が点滅することも含む。例えば特図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも可変表示に含まれる。可変表示にて停止表示される特別図柄は、停止表示の前(変動中)に表示される特別図柄とは異なる図柄であってもよい(演出図柄、普通図柄についても同様)。
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。