本発明の実施形態に係る遊技機を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1に示すように、パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面見略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されている。尚、本実施例では、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていたが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)等が植設される盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、遊技に関する画像(例えば、後述する演出図柄や演出用のキャラクタや背景等の画像)を表示可能であるとともに、その後方の領域を前方から視認可能な透過性を有する液晶パネル5aと、該液晶パネル5aの後方位置に設けられ、面発光により液晶パネル5aの背面全域に亘って表示用の光を供給可能なバックライト5bと、液晶パネル5aの後方位置で、かつ、バックライト5bの前方位置に設けられ、後方の領域が視認可能となる第1状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる第2状態とに切替可能な前透過液晶フィルム5cと、バックライト5bの後方位置で、かつ、後述する後役物450の前方位置に設けられ、後方の領域が視認可能となる第1状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる第2状態とに切替可能な後透過液晶フィルム5dと、を有する液晶表示モジュールにて形成されており、該液晶表示モジュールの液晶パネル5aにより表示領域が形成されている。尚、液晶パネル5aは、外光、フロントライト、バックライト5b等の光源により発せられた光を部分的に遮ったり透過させたりすることによって表示を行う所謂透過型液晶パネルである。
このように、本実施例では液晶表示モジュールを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出表示装置5は、演出図柄等を所定の解像度で表示可能であるとともに、その後方の領域を前方から視認可能な透過性を有するものであれば、液晶以外の画像表示形態の表示装置、例えば、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の表示装置により構成されてもよい。
また、本実施例では、図30、31に示すように、液晶パネル5aの前方位置には前役物300が設けられているとともに、後透過液晶フィルム5dの後方位置に、後役物450が設けられており、これら前役物300と後役物450とにより、後述する特別演出が実行可能とされている。また、これら演出表示装置5、前役物300、後役物450は、後述する筐体601に配設され演出ユニット600として一体化された状態で遊技盤2の背面に組付けられている。尚、演出ユニット600の詳細に関しては後述することとする。
演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、本実施例では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット600が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット600に設けられる各種モータ、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。
次に、図3〜図28に基づいて、前役物300について説明する。図3は、(A)は前役物を示す正面図、(B)は前役物を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図4は、(A)は演出用可動体が下方位置に移動した状態を示す斜視図、(B)は第1演出用可動体及び第2演出用可動体の動作態様を示す斜視図である。図5は、前役物を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、前役物を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図7は、(A)は第2ギヤが噛合位置にある状態を示す正面図、(B)は第2ギヤが噛合解除位置へ移動した状態を示す正面図である。図8は、(A)はボビンを示す斜視図、(B)は正面図、(C)は分解斜視図、(D)は(A)のA−A断面図である。図9は、(A)は図8(B)のB−B断面図、(B)は図8(B)のC−C断面図、(C)はボビンの周面の要部を示す断面図である。図10は、(A)は保持部材が保持位置にある状態を示す断面図、(B)は保持解除位置へ移動した状態を示す断面図である。図11は、演出用可動体が第1上方位置にある状態を示す概略図である。図12は、演出用可動体を第2上方位置まで上昇させた状態を示す概略図である。図13は、演出用可動体が落下した状態を示す概略図である。図14は、演出用可動体を上方位置まで上昇させる状態を示す概略図である。図15は、(A)は落下演出を実行するときの移動機構の動作態様を示すタイミングチャート、(B)は落下演出を実行しないときの移動機構の動作態様を示すタイミングチャートである。
図3〜図6に示すように、前役物300は、ベース部材301と、ベース部材301に対し少なくとも上方位置と下方位置との間で移動可能に設けられた演出用可動体302と、を有する。ベース部材301は、上辺部301aと該上辺部301aの左右端から下方に延設される側辺部301b,301cとにより正面視略下向きコ字形に形成され、図1に示すように、演出表示装置5の表示画面の上辺及び左右側辺に沿うように配設される。
演出用可動体302は、ベース部材301の上辺部301aに対応する位置、つまり、演出表示装置5の表示画面の上方となる上方位置(図3参照)と、左右の側辺部301b,301cにおける上下方向の略中央位置、つまり、演出表示装置5の表示画面の略中央位置前方に重畳する下方位置(図4参照)と、の間で移動可能とされ、特に演出用可動体302は、自重で上方位置から下方位置へ落下可能とされている。
尚、本実施例では、演出用可動体302は、上方位置が駆動初期位置とされているが、下方位置を駆動初期位置としてもよい。また、本実施例では、演出用可動体302は、該上方位置よりさらに上方に移動可能に設けられている。つまり、上方位置は、上記駆動初期位置であって後述する保持機構340により保持される第1上方位置と、該第1上方位置より上方の第2上方位置と、を含み、演出用可動体302は、少なくもとも第2上方位置と下方位置との間を移動可能に設けられている。
また、本実施例では、演出用可動体302は、第2上方位置と下方位置との間を移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくもとも第2上方位置と下方位置との間を移動可能に設けられていれば、第2上方位置よりさらに上方へ移動可能とされていてもよい。
また、演出用可動体302は、左側の側辺部301bに対し上下移動可能に支持された第1演出体としての第1演出用可動体303Lと、右側の側辺部301cに対し上下移動可能に支持された第2演出体としての第2演出用可動体303Rと、から構成され、ベース部材301の上辺部301aの左右側にそれぞれ設けられた移動手段としての移動機構304L,304Rにより、下方位置から上方位置へ移動可能とされている。尚、第1演出用可動体303L及び第2演出用可動体303Rは、連結棒305により一体化されているので、常に同じタイミングで上方位置から下方位置へ一緒に落下するようになっている。
図5及び図6に示すように、ベース部材301の左右の側辺部301b,301cには、演出用可動体302を上下方向に直線移動案内するガイドレール306が上下方向に延設されている。また、ガイドレール306の下方には、落下してきた演出用可動体302に当接して下方への落下を規制する落下規制部材307が設けられている。尚、落下規制部材307は、ゴム材やウレタン樹脂材等からなり、演出用可動体302が衝突したときに緩衝できるようになっている。
次に、移動機構304L,304Rについて説明する。尚、左右の移動機構304L,304Rは、それぞれ左右対称に配置されているだけでほぼ同様に構成されているため、ここでは左側の移動機構304Lについてのみ説明し、右側の移動機構304Rについては同様の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図5〜図7に示すように、移動機構304Lは、ベース部材301の上辺部301aに取付けられる取付板309と、取付板309の背面側に固定される第1演出用モータ310と、取付板309を挿通して前面側に突出した駆動軸310aに固着された第1ギヤ311と、第1ギヤ311に噛合された第2ギヤ312と、第2ギヤ312に噛合する第3ギヤ313と、第3ギヤ313の背面側に一体に設けられる巻取部としてのボビン314と、ボビン314に巻き取り可能に設けられた帯部材の一例である定荷重バネ315と、第2ギヤ312を移動させるための第1演出用ソレノイド316と、を有している。
図8及び図9に示すように、ボビン314は、前側の円筒状部317a及びフランジ部318aと、後側の円筒状部317b及びフランジ部318bと、がネジN1により一体化されることで形成され、前側のフランジ部318aには第3ギヤ313が形成されている。円筒状部317a,317b及び第3ギヤ313の中心には貫通孔319が形成されており、取付板309に突設された前後方向を向く回転軸320を中心として回動可能とされている。
円筒状部317a,317bの周面には平坦部321a,321bが形成されているとともに、後側の円筒状部317bにはネジ孔322が形成されており、定荷重バネ315の一端に取付けたネジN2をネジ孔322に螺入することで、定荷重バネ315の一端を取り付けることができるようになっている。このように定荷重バネ315の一端を平坦部321a,321bに取り付けることで、ネジN2の頭部により突出したり幅方向にずれたりしないように定荷重バネ315を円筒状部317a,317bの周面にきれいに巻き取ることができるようになっている。
図9(C)に示すように、定荷重バネ315は、所定の幅寸法L1(例えば、約8mm)を有するとともに、所定長さを有する帯状のバネ部材であり、一端はボビン314の平坦部321a,321bに取付けられ、他端は演出用可動体302に取付けられる。また、演出用可動体302が上方位置にあるときには円筒状部317a,317bの周面に巻回され、演出用可動体302が少なくとも下方位置まで落下可能に引き出されるのに必要な長さを有している。
定荷重バネ315は、直線に引き伸ばすときに生じる戻り力(荷重)がストロークにかかわらず略一定になっており、演出用可動体302は、その自重が定荷重バネ315の戻り力よりも大きい状態で支持されている。このように、演出用可動体302の重量が定荷重バネ315の戻り力を上回ることで、演出用可動体302は自重で落下可能となるが、小さな出力の第1演出用モータ310で上昇(または下降)させることができる。
尚、本実施例では、演出用可動体302は、その自重が定荷重バネ315の戻り力よりも大きい状態で支持されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その自重が定荷重バネ315の戻り力とバランスが取られた状態で支持されるようにしてもよい。このようにすることで、演出用可動体302の重量が理論上ゼロとなり、小さな出力の第1演出用モータ310で上昇(または下降)させることができる。
円筒状部317a,317bの周面における軸心方向(前後方向)の幅寸法L2(例えば、約8.5mm)は、定荷重バネ315の幅寸法L1よりも僅かに(例えば、約0.5〜1mm程度)長寸とされている。また、定荷重バネ315を巻き取るときのガイドとなるフランジ部318a,318bの幅寸法は、軸心から離れるに従い漸次長寸となっており、先端側の幅寸法L3(例えば、9.7mm)は、基部側の幅寸法L2に比べて幅広とされている。
つまり、帯部材としての定荷重バネ315の幅寸法L1は、巻取部としての円筒状部317a,317bの幅寸法L2に対応した幅寸法を有している。円筒状部317a,317bの周面の幅寸法L2に対応した幅寸法とは、例えば、定荷重バネ315を巻き取る際に、幅方向に大きくずれることがないようにほぼ同寸であるが、フランジ部318a,318bとの間に僅かな遊びを有する程度の幅寸法であることが好ましい。具体的には、幅寸法L1に対し、幅寸法L2は約1.05〜約1.1倍、幅寸法L3は約1.2倍程度であることが好ましい。
このように、定荷重バネ315の幅寸法L1と円筒状部317a,317bの周面の幅寸法L2とをほぼ同寸とすることで、図9(C)中に1点鎖線で示すように、巻取りの際に何らかの要因で定荷重バネ315が幅方向にずれたときでも、定荷重バネ315の端部にフランジ部318a,318bが接触することでずれが修正されるため、ボビン314に偏りなく巻き取ることができる。
また、フランジ部318a,318bの幅寸法は、軸心から離れるに従い漸次長寸となっていることにより、フランジ部318a,318bの間口は広く、かつ、中心に向けて狭くなるため、巻取り時に定荷重バネ315を幅方向に偏りなくスムーズに巻き取ることが可能となる。
このように、本実施例における巻取部の幅とは、ボビン314の円筒状部317a,317bにおける回転軸320方向の寸法である幅寸法L2及び幅寸法L3を含む。つまり、巻取部が、ボビン314の回転軸320に沿う断面視で略凹溝状に形成されている場合、巻取部の幅とは該凹溝の幅寸法となる。また、本実施例のように、凹溝における基端側の幅寸法L2と先端側の幅寸法L3とが異なる場合、これら幅寸法L2〜L3の範囲の寸法が巻取部の幅に含まれる。
このように、巻取部としてのボビン314の円筒状部317a,317bの周面が略凹溝状に形成されていることで、巻取り時に定荷重バネ315の幅方向の両端部がフランジ部318a,318bによりガイドされるため、定荷重バネ315を幅方向に偏りなくスムーズに巻き取ることが可能となる。尚、本実施例では、巻取部の幅寸法、つまり、フランジ部318a,318bの離間幅寸法は、基端側と先端側とで異なっていたが(幅寸法L2≠L3)、本発明はこれに限定されるものではなく、基端側から先端側に向けて幅寸法が全て同一であってもよい。
図7に示すように、このように構成されたボビン314は、第1演出用モータ310の駆動軸310aの回転力が第1ギヤ311、第2ギヤ312及び第3ギヤ313に伝達されることで、回転軸320を中心として回転するようになっている。ボビン314が第1方向(正面視時計回り)に回転することで定荷重バネ315がボビン314に巻き取られ、ボビン314が第2方向(正面視反時計回り)に回転することで定荷重バネ315がボビン314から鉛直下方に引き出されていく。
第2ギヤ312は、第1ギヤ311の駆動軸310aを中心として回動可能に支持された正面視略逆V字形をなす回動部材330の一端に前後方向を向く回動軸331を中心として回動可能に設けられている。回動部材330の他端には、第1演出用ソレノイド316のプランジャ316aの先端が連結されており、第1演出用ソレノイド316をon(通電状態)とすることで、回動部材330が駆動軸310aを中心として回動するようになっている。
詳しくは、第2ギヤ312は、第1演出用ソレノイド316がoff(非通電状態)であるときには、プランジャ316aが付勢バネ316bにより付勢されて伸張し、回動部材330が第1方向(正面視時計回り)に回動されることで、第1ギヤ311と第3ギヤ313とにそれぞれ噛合し、駆動軸310aの回転力を第3ギヤ313に伝達可能な噛合位置に維持される(図7(A)参照)。
また、第1演出用ソレノイド316がon(通電状態)であるときには、プランジャ316aが付勢バネ316bの付勢力に抗して収縮し、回動部材330が第2方向(正面視反時計回り)に回動されることで、第3ギヤ313から離れる方向に回動(移動)し、駆動軸310aの回転力を第3ギヤ313に伝達不可能な噛合解除位置へ移動する(図7(B)参照)。尚、第2ギヤ312は、駆動軸310aを中心として第1ギヤ311の周囲を周回するように移動することで第3ギヤ313から離れるようになっているので、第1ギヤ311との噛合状態を維持しながら第3ギヤ313のみから離れる。
このように、第1ギヤ311、第2ギヤ312、第3ギヤ313の噛合状態が解除されることで、ボビン314には、第1演出用モータ310の負荷がかからないフリーな状態となり、自重が定荷重バネ315の戻り力を上回ることで、上方位置から下方位置へ落下可能となる。
図10に示すように、ベース部材301における側辺部301bの上部には、上方位置まで移動した前記演出用可動体を該上方位置に保持するための保持手段としての保持機構340が設けられている。保持機構340は、プランジャ341aを下方に向けた状態で取付けられた第2演出用ソレノイド341と、プランジャ341aの先端に取付けられた連結部材342を介して連結され、前後方向に移動可能に設けられた保持部材343と、を有している。
保持部材343には、前側に向けて上方に傾斜する連結溝343aが形成されており、該連結溝343aには、連結部材342に形成された連結軸342aが挿入されている。第2演出用ソレノイド341がoff(非通電状態)であるときは、プランジャ341aが付勢バネ341bにより下方に向けて付勢され伸長することで、連結軸342aが連結溝343aの後端に位置するため、保持部材343は、先端の保持部343bが側辺部301bより前側に突出する保持位置に位置する。また、第2演出用ソレノイド341がon(通電状態)となると、プランジャ341aが付勢バネ341bの付勢力に抗して収縮されることで、連結軸342aが上昇するため、保持部材343を、先端の保持部343bが後側に退避する保持解除位置まで移動させる。
保持部材343は、側辺部301bにより前後方向にスライド移動可能にガイドされているため、保持部材343が保持位置に位置している状態において、保持部343bに演出用可動体302の第1演出用可動体303Lが係止されたときに、該第1演出用可動体303Lの荷重を支持し、演出用可動体302を上方位置に保持することができる。
図5及び図6に戻って、第1演出用可動体303Lは、ベース部材301の側辺部301bの前面側を上下方向に移動するガイド部350と、ガイド部350の上部から右方に向けて延びる水平部351と、水平部351に対し左右方向にスライド移動可能に設けられた第1演出可動部352と、該第1演出可動部352の背面側に設けられた第2演出可動部353と、補助可動部358と、を主に有する。尚、詳細な構造については図16〜図23に基づいて後述する。
ガイド部350の所定箇所には、保持部材343の保持部343bにより保持される被保持部としての水平な保持片354a(図15参照)と、下方位置において落下規制部材307に当接する規制片354bと、からなるストッパ部354が設けられている。
また、ガイド部350の背面には、ベース部材301のガイドレール306に摺動可能に組み付けられる摺動レール356が設けられている。また、ガイド部350の上部には、定荷重バネ315の他端が取付けられるバネ取付部357が設けられている。このように本実施形態では、第1演出用可動体303Lは、摺動レール356をガイドレール306に組み付けることで、ベース部材301に対し上下方向に移動可能とされている。また、定荷重バネ315は、幅寸法L1が前後方向を向くようにベース部材301に取付けられ、バネ取付部357は、図7に示すように、ボビン314の周面左側の直下において上下動可能に配置されているため、演出用可動体302が下方位置へ落下することで、定荷重バネ315は略鉛直下方に向けて引き出されるようになっている。
また、本実施例では、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出として、例えば、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割り込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告のほか、大当り遊技中において実行される大当り中演出や、大当り終了時に高確率状態に移行することを報知したり、演出図柄の変動表示の終了時に通常大当り組合せから確変大当り組合せの確定演出図柄に再変動させることで大当り終了後に高確率状態に移行することを報知する昇格報知演出等、種々の予告演出を実行可能であり、これら各種予告演出の所定タイミングにおいて、このように上方位置にある演出用可動体302を自重により下方位置まで落下させる落下演出(可動演出)を実行可能である。
また、演出用可動体302は、これら各種演出の所定のタイミングにて必ず落下するものではなく、例えば、上記大当り予告演出において、変動表示結果が大当りとなるとき、ハズレのときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で落下させるようにしたり、リーチ予告において、リーチが成立するとき、成立しないときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で落下させるようにしたり、擬似連予告において、擬似連が継続するとき、継続しないときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で落下させるようにしたり、スーパーリーチに発展するときに、発展しないときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で落下させるようにしてもよく、このようにすれば、遊技者は演出用可動体302が落下することを期待するようになるので、演出用可動体302の落下動作に注視させることができる。
また、演出用可動体302を落下させるタイミングは、上記各種予告の実行中における任意のタイミングで実行可能であり、例えば、リーチが成立したときやスーパーリーチに発展するときなど任意のタイミングであるが、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したタイミングでもよい。すなわち、本発明は、上方位置にある演出用可動体302が、上記ように予め定められた各種落下タイミング以外のタイミングで落下することを防止するものである。
また、本実施例では、例えば、演出制御用CPU120が実行するスーパーリーチ演出の演出パターンとして、演出用可動体302の落下条件が成立したとき(例えば、操作有効期間内にプッシュボタン31Bが操作されたときまたは操作有効期間内に操作されずに該操作有効期間が経過したとき)に該演出用可動体302を上方位置から下方位置へ落下させる第1演出パターンと、演出用可動体302の落下条件が成立しても演出用可動体302を上方位置から下方位置に落下させない第2演出パターンと、を含む複数種類の演出パターンのうちからいずれかを決定するようになっている。
具体的には、演出制御用CPU120は、変動表示の開始時に、設定されている変動パターンに基づいて当該変動表示の表示結果を特定し、該特定した表示結果に基づいて、スーパーリーチ演出の実行の有無及び実行する場合にはその演出パターンを複数のうちからいずれかに決定する。例えば、変動表示結果が大当りとなる場合、変動表示結果がハズレとなる場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で第1演出パターンをスーパーリーチ演出パターンとして決定し、変動表示結果がハズレとなる場合、変動表示結果が大当りとなる場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で第2演出パターンをスーパーリーチ演出パターンとして決定する。
そこで、演出制御用CPU120は、第1演出パターンまたは第2演出パターンのいずれを決定したときでも、落下条件が成立する前の所定タイミング(例えば、操作有効期間内にプッシュボタン31Bが操作されたときまたは操作有効期間内に操作されずに該操作有効期間が経過したときよりも前のタイミング)にて、第1演出用モータ310によりボビン314を回転させて演出用可動体302を第1上方位置から第2上方位置へ上昇させる。このようにすることで、所定タイミングにて演出用可動体302が第1上方位置から第2上方位置へ上昇するか否かにより、演出用可動体302が落下するか否かを遊技者が予測できてしまうことを回避できる。
次に、演出用可動体302を落下または上昇させる際における演出制御用CPU120が実行する各部の動作制御について、図11〜図15に基づき、図15(A)のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図11に示すように、駆動初期状態においては、演出用可動体302は第1上方位置に保持されている。このとき、第1演出用可動体303Lの保持片354aが保持部材343の保持部343bに係止され、演出用可動体302の荷重が保持部材343により支持されることで、演出用可動体302は第1上方位置に保持される。
この状態において、定荷重バネ315の巻取用の第1演出用モータ310、第2ギヤ312の移動用の第1演出用ソレノイド316、保持用の第2演出用ソレノイド341はそれぞれoff(非通電状態)とされている(図15(A)におけるタイミングa参照)。よって、第2ギヤ312は噛合位置に位置している。
図12に示すように、前述した第1演出パターンに基づき、演出用可動体302を落下させる落下演出が開始すると(図15(A)におけるタイミングa参照)、落下タイミングに到達する前に、第1演出用モータ310により左側のボビン314を第1方向(正面視時計回り)に僅かに回転させて、演出用可動体302を第1上方位置から第2上方位置へ上昇させる(図15(A)におけるタイミングb参照)。これにより、図12中拡大図に示すように、第1演出用可動体303Lの保持片354aが保持部材343の保持部343bから浮き上がる。
次いで、図13に示すように、演出用可動体302の落下タイミング(図15(A)におけるタイミングc参照)になったとき、まず、第1演出用モータ310がoff(非通電状態)となるとともに、第1演出用ソレノイド316及び第2演出用ソレノイド341はon(通電状態)となる。これにより、第2ギヤ312が噛合位置から噛合解除位置へ回動するとともに、保持部材343が保持解除位置へ退避する。また、演出用可動体302と第1演出用モータ310との連結が解除されてフリーな状態となるため、演出用可動体302は、第2上方位置から第1上方位置を経て下方位置へ自重により落下する。
また、第2ギヤ312が噛合位置から噛合解除位置へ回動するとき、第1演出用モータ310はoff(非通電状態)とすることが好ましい。つまり、第1演出用モータ310により演出用可動体302を第1上方位置から第2上方位置へ上昇させて該第2上方位置で保持する間は、第1演出用モータ310の巻取方向への回転駆動力により演出用可動体302の落下を規制する状態となる。よって、第2ギヤ312の歯部と第3ギヤ313の歯部とは強く圧接されているため、第2演出用ソレノイド341の力で第3ギヤ313に対する第2ギヤ312の噛合を解除することが困難となる。
そこで、第1演出用モータ310をoff(非通電状態)とすることで、第1ギヤ311、第2ギヤ312及び第3ギヤ313全てが回転フリーな状態となるので、第3ギヤ313の落下方向への回転が、第2ギヤ312及び第1ギヤ311の回転により許容されるため、第3ギヤ313に対する第2ギヤ312の噛合解除位置へ回動しやすくなる。
尚、本実施例では、タイミングcで、第1演出用モータ310がoff(非通電状態)となると同時に、第1演出用ソレノイド316及び第2演出用ソレノイド341がon(通電状態)となるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出用モータ310をoff(非通電状態)とした後に、第1演出用ソレノイド316及び第2演出用ソレノイド341をon(通電状態)とするようにしてもよい。
また、タイミングcでは、第1演出用モータ310がoff(非通電状態)となると同時に、第1演出用ソレノイド316及び第2演出用ソレノイド341がon(通電状態)となるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出用モータ310をoff(非通電状態)とすると同時またはoff(非通電状態)とした後、第2演出用ソレノイド341をonとして演出用可動体302の保持状態を解除してから、第1演出用ソレノイド316をonとして第2ギヤ312を噛合解除位置へ移動するようにしてもよい。また、第1演出用モータ310をoff(非通電状態)とすると同時またはoff(非通電状態)とした後、第1演出用ソレノイド316をonとして第2ギヤ312を噛合解除位置へ移動してから、第2演出用ソレノイド341をonとして演出用可動体302の保持状態を解除するようにしてもよい。
また、第1演出用モータ310により演出用可動体302を第1上方位置から第2上方位置へ上昇させてから第2演出用ソレノイド341をon(通電状態)として、保持部材343を保持位置から保持解除位置へ退避させている。つまり、保持部343bに演出用可動体302の荷重がかかっていない状態で保持部材343を保持位置から保持解除位置へ退避させるため、小さな力で移動させることができるばかりか、確実に保持位置から保持解除位置へ移動させることができる。
次いで、演出用可動体302が下方位置へ落下した後、所定期間が経過したときに、第2演出用ソレノイド341をoff(非通電状態)として保持部材343を保持位置へ戻すとともに(図15(A)におけるタイミングd参照)、第1演出用ソレノイド316をoff(非通電状態)として第2ギヤ312を噛合位置へ戻す(図15(A)におけるタイミングe参照)。
尚、本実施例では、保持部材343を保持位置へ戻した後に第2ギヤ312を噛合位置へ戻していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2ギヤ312を噛合位置へ戻した後に保持部材343を保持位置へ戻してもよいし、第2ギヤ312を噛合位置へ戻すタイミングと保持部材343を保持位置へ戻すタイミングとが同時であってもよい。さらに、保持部材343については、演出用可動体302が落下した後、上方位置へ戻るまでの一連の動作が終了したときに保持位置へ戻すようにしてもよい。また、保持部材343を保持位置から保持解除位置へ移動して演出用可動体302を落下させた後、該演出用可動体302が下方位置へ到達する前に保持部材343を保持解除位置から保持位置へ戻してもよい。
また、本実施例では、帯部材の一例として定荷重バネ315が適用されていることで、演出用可動体302が定荷重バネ315の戻り力に抗して下方位置まで落下したとき、ボビン314から引き出された定荷重バネ315はボビン314に巻戻ろうとする力が作用することで、引き出された定荷重バネ315が撓んだり捩れたりすることがない。また、巻取の偏りが抑制されることで、落下の際にも巻き取られていた定荷重バネ315がスムーズに引き出されるため、落下途中で止まったりがたついたりすることが抑制される。
そして、下方位置での演出用可動体302による演出が終了した後、第1上方位置へ戻す場合、第1演出用モータ310をon(通電状態)としてボビン314を第1方向(正面視時計回り)に回転させる(図15(A)におけるタイミングf参照)。これにより、ボビン314における円筒状部317a,317bの周面に定荷重バネ315が巻き取られていくことで、演出用可動体302が上昇する。このとき、定荷重バネ315による巻き取る力が働くため、小さな力で上昇させることができる。そして、位置センサ(図示略)により演出用可動体302が第1上方位置に到達したことが検出されたら、第1演出用モータ310をoff(非通電状態)とする(図15(A)におけるタイミングg参照)。
演出用可動体302が下方位置から第1上方位置へ上昇するときは、保持部材343が保持位置へ突出していても、保持部343bの下部に形成されたテーパ面に第1演出用可動体303Lの保持片354aが接触し、上昇しながら付勢バネ341bの付勢力に抗して保持部材343を後側へ押し込むことで、保持片354aが通過可能となる。そして、通過した後に付勢バネ341bの付勢力で保持部材343が保持位置へ戻ることにより、保持片354aが保持部343bに係止されて第1演出用可動体303Lが第1上方位置に保持され、落下演出が終了する。
次に、図15(B)に示すように、前述した第2演出パターンに基づき、演出用可動体302を落下させる落下演出が開始された場合(図15(B)におけるタイミングa参照)、落下タイミングに到達する前に、第1演出用モータ310により左側のボビン314を第1方向(正面視時計回り)に僅かに回転させて、演出用可動体302を第1上方位置から第2上方位置へ上昇させる(図15(B)におけるタイミングb参照)。これにより、図12中拡大図に示すように、第1演出用可動体303Lの保持片354aが保持部材343の保持部343bから浮き上がる。
次いで、演出用可動体302の落下タイミング(図15(B)におけるタイミングc参照)になったとき、第1演出用モータ310はon(通電状態)のまま、かつ、第1演出用ソレノイド316及び第2演出用ソレノイド341もoff(非通電状態)のままとされる。つまり、演出用可動体302は、第1上方位置から第2上方位置へ上昇した後、第2上方位置から第1上方位置を経て下方位置へ自重により落下することなく、該第2上方位置に保持される。
そして、所定期間が経過した後、第1演出用モータ310がoff(非通電状態)となることで、演出用可動体302は第2上方位置から第1上方位置へ落下し、保持部材343により第1上方位置に保持される(図15(B)におけるタイミングd参照)。さらに所定期間が経過した後、落下演出が終了する(図15(B)におけるタイミングe参照)。
このように、例えば、演出用可動体302が第1上方位置に保持されている状態において遊技者側から視認可能とされ、第1上方位置から下方位置へ落下させる前に、第1上方位置から第2上方位置へ僅かに上昇させる動作が行われる場合、演出用可動体302を落下タイミングで落下させない第2演出パターンを実行するときでも、演出用可動体302を落下させる落下タイミングよりも前において、第1演出パターンのときと同様に、演出用可動体302を第1上方位置から第2上方位置まで上昇させる(また、演出表示装置5等においても共通の演出が実行される)ため、演出用可動体302が落下するか否かを予測しにくくすることができる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、少なくとも上方位置と下方位置との間で移動可能に設けられた移動体としての演出用可動体302と、幅寸法L1を有し演出用可動体302に取り付けられた帯部材としての定荷重バネ315と、定荷重バネ315を巻き取る巻取部としてのボビン314と、を備え、演出用可動体302は自重で上方位置から下方位置へ落下可能であり、定荷重バネ315は、演出用可動体302が上方位置まで移動するときにボビン314に巻き取られ、ボビン314の幅寸法L2〜L3に対応した幅寸法L1を有することで、定荷重バネ315をボビン314にて巻き取る際に、ボビン314の幅方向に偏って巻き取られることを回避できる。よって、演出用可動体302を上昇させる際に定荷重バネ315が偏って巻き取られることで、上昇速度が変化したり、上昇タイミングがズレたりすること等を回避することができる。
また、本実施例では、帯部材の一例として、演出用可動体302を上方に向けて付勢するバネ部材である定荷重バネ315が適用されていることで、演出用可動体302を上方位置まで移動させるための力が軽減されるため、出力が小さなモータ等でも上昇させることが可能となる。また、下方位置から上方位置までの間、常に一定の力で上昇が補助されるため、安定して上昇させることができるばかりか、帯部材自体が巻取力を有していることで、帯部材以外に、演出用可動体302の上昇をサポートするバネ部材等の付勢部材を設ける必要がないので、構造が簡素化される。
尚、本実施例では、帯部材の一例として、定荷重バネ315が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、定荷重バネ以外のバネ部材(例えば、ゼンマイバネ等)であってもよい。さらに、バネのように巻取力を有しない布やゴム材等の帯部材を適用してもよい。尚、このように定荷重バネ以外のバネ部材を適用した場合、演出用可動体302の上昇をサポートするバネ部材等の付勢部材を別途設けてもよい。
また、本実施例では、巻取部の一例として、ボビン314が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、筒状部材やプーリ等であってもよい。
また、演出用可動体302は、第1移動体としての第1演出用可動体303Lと、第2移動体としての第2演出用可動体303Rとを含み、第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303Rとを、同タイミングで下方位置へ落下させ、同タイミングで上方位置まで移動させるようになっているため、演出効果が向上する。
尚、本実施例では、第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303Rとが連結棒305を介して一体化されていたため、移動機構304L,304Rがそれぞれ別個に設けられていても、同タイミングで昇降するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303Rとをそれぞれ別個に昇降可能に設け、それぞれ別個の移動機構304L,304Rにより別個に昇降または同タイミングで昇降させることができるようにしてもよい。
また、このように、第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303Rとをそれぞれ別個に昇降可能に設け、かつ、それぞれ別個の移動機構304L,304Rにより別個に昇降または同タイミングで昇降させることができるようにした場合でも、本実施例のように、定荷重バネ315は、ボビン314の幅寸法L2〜L3に対応した幅寸法L1を有し、ボビン314の幅方向に偏ることなく巻き取られるようにすることで、別個の移動機構304L,304Rそれぞれに巻き取りにずれが生じにくくなるので、左右の第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303Rとをずれなく一緒に上昇させることができる。
また、本実施例では、演出用可動体302は、第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303Rとを有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一の可動体のみにて構成されていてもよいし、3以上の複数の可動体にて構成されていてもよい。
また、本実施例では、演出用可動体302は、上方位置において演出表示装置5の上方に位置し、下方位置に落下することで演出表示装置5の前面に重畳するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出用可動体302は、例えば、透明遊技盤の背面側などにおいて、演出表示装置5と関わりない位置で昇降可能に設けられていてもよい。
また、第1演出用モータ310の回転力を伝達する第1ギヤ311、第2ギヤ312及び第3ギヤ313と、これら第1ギヤ311、第2ギヤ312及び第3ギヤ313のうち少なくとも一のギヤ部材(例えば、第2ギヤ312)を、他のギヤ部材(例えば、第3ギヤ313)に噛合する噛合位置と噛合が解除される噛合解除位置との間で移動させるギヤ部材移動手段としての第1演出用ソレノイド316及び回動部材330と、を備え、第2ギヤ312を噛合位置に位置させ、第1演出用モータ310の回転力を複数のギヤ部材により伝達してボビン314により定荷重バネ315を巻き取ることで、演出用可動体302を上方位置まで移動させ、第1演出用ソレノイド316及び回動部材330により第2ギヤ312を噛合解除位置へ移動させることで、上方位置の演出用可動体302を自重で下方位置まで落下させる。
このようにすることで、演出用可動体302を上方位置から落下させるときに、第1演出用モータ310との連結を解除させることができるため、第1演出用モータ310の負荷により演出用可動体302の落下方向への力が弱くなることを抑制できる。
また、本実施例では、第1ギヤ311、第2ギヤ312及び第3ギヤ313のうち第2ギヤ312を噛合位置と噛合解除位置との間で移動可能としていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のうち少なくとも一のギヤ部材が移動可能とされていればよく、第2ギヤ312でなく、第1ギヤ311や第3ギヤ313が移動可能に設けられていてもよい。さらに、第2ギヤ312だけでなく、複数のギヤ部材が他のギヤ部材に対し移動可能に設けられていてもよい。
また、本実施例では、第2ギヤ312は、噛合位置から噛合解除位置へ移動しても、第1ギヤ311との噛合は解除されないようになっていたため、噛合状態へ戻るときに一のギヤ部材である第3ギヤ313に対してのみ噛合すればよいため、噛合がスムーズに行われるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、噛合位置から噛合解除位置へ移動することで、2以上のギヤ部材との噛合状態が解除されるようにしてもよい。
また、ギヤ部材移動手段は、ソレノイドに限定されるものではなく、モータ等の別の駆動源にて駆動するものであってもよいし、第1演出用モータ310等、移動体を上昇させるための駆動源により連動する連動機構であってもよい。
さらに、本実施例では、第2ギヤ312は、噛合位置から噛合解除位置への移動が、第1ギヤ311の回動軸心である駆動軸310aを中心とした回動とされていたため、上記のように第1ギヤ311との噛合は解除されないようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、噛合位置から噛合解除位置への移動は回動に限定されるものではなく、直線移動であってもよい。また、対象となるギヤ部材の周面から離れる方向への移動に限定されるものでなく、ギヤ部材の軸心方向へ移動するようにしてもよい。
また、第1上方位置まで移動した演出用可動体302を該第1上方位置に保持するための保持手段としての保持機構340を備え、第1上方位置の演出用可動体302を自重で落下させるときに、第1上方位置からさらに上方の第2上方位置へ移動させ、保持機構340による保持を解除する。
このようにすることで、保持機構340である保持部材343に演出用可動体302の荷重がかからない状態で円滑に保持を解除することができる。
尚、本実施例では、演出用可動体302を落下させるとき、第1上方位置から第2上方位置へ移動させてから、保持部材343を保持位置から保持解除位置へ移動させるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、保持部材343を保持位置から保持解除位置へ向けて斜め上方に移動させるようにしたり、保持部343bと保持片354aとの間に、摩擦抵抗を低減するためのローラ等の摩擦低減手段(図示略)を設け、演出用可動体302の荷重がかかっている状態でも、保持部材343を保持解除位置へ円滑に移動させることができるようにしてもよい。
また、本実施例では、演出用可動体302を下方位置から第1上方位置へ上昇させる移動機構と、第1上方位置から第2上方位置へ上昇させる移動機構とは同一の移動機構であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、別個の移動機構であってもよい。
また、本実施例では、演出用可動体302を下方位置から第1上方位置へ上昇させる移動機構304L,304Rは、ボビン314により定荷重バネ315を巻き取ることにより上昇させるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動機構は、例えば、ラックとピニオンなど、別個の移動機構にて構成されていてもよい。
また、本実施例では、演出用可動体302は、演出制御用CPU120により移動制御されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU103により移動制御されてもよい。尚、この場合、CPU103は移動体の状態を示す制御情報(コマンド)を演出制御基板12に出力するようにし、演出制御用CPU120は、受信した制御情報(コマンド)に基づいて、演出表示装置5等において演出を実行するようにすればよい。
また、本実施例では、演出用可動体302は、落下演出を実行するとき、上方位置から常に同じ下方位置へ落下するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、段階的に落下できるようにしてもよい。つまり、上方位置より下方の下方位置は、第1下方位置及び該第1下方位置より上方位置からの距離が長い第2下方位置を含む複数の下方位置を含み、これら各下方位置それぞれに落下可能としてもよい。
このようにした場合、例えば、変動表示結果が大当りとなる場合、変動表示結果がハズレとなる場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で第2下方位置へ落下し、変動表示結果がハズレとなる場合、変動表示結果が大当りとなる場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で第1下方位置へ落下するようにしてもよく、このようにすることで、遊技者は演出用可動体302がより下方まで落下することを期待するようになるので、演出効果が向上する。
次に、演出用可動体302の構造詳細について説明する。演出用可動体302を構成する第1演出用可動体303L及び第2演出用可動体303Rは、左右対称な構成を有しており、基本的な構成は同じである。そのため、以下の説明では、第1演出用可動体303Lの構造詳細を中心に説明する。なお、第1演出用可動体303Lの構成部材を表す符号については、適宜Lを追記する(例えば、水平部351Lのように)とともに、第1演出用可動体303Rの構成部材を表す符号については、適宜Rを追記する(例えば、水平部351Rのように)ものとする。図16は、本発明の実施形態に係る遊技機の第1演出用可動体を示した分解斜視図である。上述したように、第1演出用可動体303Lは、ベース部材301(図5)を上下方向に移動するガイド部350Lと、ガイド部350Lの上部から右方に向けて延びる水平部351Lと、水平部351Lに対し左右方向にスライド可能に設けられた第1演出可動部352Lと、該第1演出可動部352Lの背面側に設けられた第2演出可動部353L(図17)と、第3演出可動部358Lと、を主に有する。
第1演出可動部352Lは、ベース板360と、ベース板360の前面に設けられたLED基板361と、LED基板361の前方に設けられた拡散板362と、ベース板360に組み合わされ、内部にLED基板361と拡散板362とを収容する装飾板363と、を有している。
ベース板360は、水平部351Lに対して左右方向にスライド可能に取り付けられている。ベース板360の後面には、後述するように、3本の指を模した第2演出可動部353L(図17)と、1本の指を模した第3演出可動部358Lとがスライド可能に取り付けられている。
LED基板361は、複数のLED364を有している。これらのLED364は、前役物300(図3)の演出動作に合せて、点灯動作や点滅動作を行う。これにより、前役物300の演出効果を高めることができる。なお、図2に示すように、LED364は、ランプ制御基板14からの出力によって制御され、点灯/消灯/点滅動作を行う。
拡散板362は、例えば、透光性を有する合成樹脂から構成されており、LED基板361の前方に設けられている。拡散板362の表面には、複数の凹凸が規則的に形成されている。LED364から拡散板362に入射した光は、表面に形成された複数の凹凸によって拡散される。これにより、点光源であるLED364からの光は、拡散光として拡散板362から出射されるとともに、出射される光に生じた明るさのムラが模様として遊技者に視認される。
装飾板363は、ベース板360に取り付けられて、第1演出可動部352Lの前面を構成する。装飾板363は、例えば、透光性を有する合成樹脂から構成されており、拡散板362から入射した光を外部へ出射する。装飾板363の表面には、パチンコ遊技機1特有のデザイン(不図示)が施されているとともに、装飾板363自体もパチンコ遊技機1特有の形状に形成されている。これにより、装飾板363に施されたデザインや、装飾板363自体の形状が、LED364から出射された光によって後方から照射される。これにより、前役物300の演出時において、第1演出可動部352Lの見栄えをよくすることができる。
図17は、本発明の実施形態に係る遊技機の第1演出用可動体の一部を後方からみた分解斜視図である。また、図18は、図17で示した第1演出用可動体の一部を前方からみた分解斜視図である。なお、図17、図18に示す第1演出用可動体の一部は、図16において分解して単体の部材として示したLED基板361等の図示は省略している。
水平部351Lの後面には、第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303R(図5)とを接続する連結棒305(図5)の一端が係止される連結棒係止部365が、ねじ366により取り付けられている。連結棒305(図5)は、連結棒係止部365に形成された連結棒挿通孔365a(図17)に挿通され、その一端が図示しない係止部材によって係止されている。これにより、第1演出用可動体303Lと第2演出用可動体303Rとの一体化が図れている。また、水平部351Lの後面には、第2演出用モータ367を水平部351Lに取り付けるための演出用モータ取付部368が、ねじ369に取り付けられている。なお、第2演出用モータ367は、ねじ370によって演出用モータ取付部368に取り付けられている。
第2演出用モータ367は、例えば、例えばステッピングモータであり、演出制御基板12(図2)により動作/非動作が制御される。第2演出用モータ367の駆動軸367a(図18)は、駆動パルスに同期して回転するため、駆動軸367aを所定の角度だけ回転させることができる。第2演出用モータ367の駆動軸367aは、演出用モータ取付部368に形成された駆動軸挿通孔368aに挿通されて、駆動ギヤ371(図17)に嵌合している。これにより、駆動ギヤ371は、第2演出用モータ367の駆動により回転する。
また、水平部351Lには、駆動ギヤ371と噛み合った従動ギヤ372が回動可能に取り付けられている。これにより、第2演出用モータ367の駆動が従動ギヤ372に伝達される。なお、従動ギヤ372は、後述するように、ベース板360とともに水平部351Lに対して左右方向にスライドするラック373と噛み合っている。これにより、従動ギヤ372が回動することにより、ラック373は水平部351Lに対して左右方向にスライドする。
図19(a)は、本発明の実施形態に係る遊技機の第1演出用可動体の一部を後方からみた分解斜視図であり、(b)は(a)中の矢視B−Bから見た断面図である。また、図20は、本発明の実施形態に係る遊技機の第1演出用可動体の一部を後方からみた分解斜視図である。また、図21は、図20に示した第1演出用可動体の一部を前方からみた分解斜視図である。なお、図19に示す第1演出用可動体の一部は、図18において、分解することで単体の部材として示した第2演出用モータ367等の図示を省略している。
図20に示すように、ベース板360の後面には、間隔をあけて左右方向に並んだ2つの摺動突起378が形成されている。2つの摺動突起378は、その外周にリング状の摺動リング379が嵌められた状態で、水平部351Lに形成されたスライド孔351aに挿通されている。スライド孔351aは、左右方向に長軸が一致した、水平部351aにあけられた長孔である。
また、ベース板360とともに、水平部351Lを挟み込む位置には、ラック373が設けられている。ラック373には、摺動突起378に対応する位置にねじ孔373aが形成されている。このねじ孔373aに、ねじ377が挿通され、摺動突起378に螺合している。これにより、ラック373は、ベース板360に取り付けられている。なお、ベース板360の後面に形成された2つの摺動突起378は、水平部351Lに形成されたスライド孔351aに挿通されている。そのため、ベース板360及びラック373は、スライド孔351aの長軸方向(左右方向)に移動可能である。
なお、上述したように、ラック373は、第2演出用モータ367(図17)の駆動を伝達する従動リング372と噛み合っている。そのため、第2演出用モータ367(図17)の駆動により従動リング372が回動すると、ラック373及びベース板360は、水平部351Lに対して左右方向に移動する。
また、図19に示すように、ベース板360の裏面には、ベース板360ががたつくことなく安定して水平部351Lに対して左右方向に移動できるように、略L字状の変位抑制部376が取り付けられている。変位抑制部376は、ねじ孔376bを有しており、図示しないねじが挿通されてベース板360に取り付けられている。また、変位抑制部376には、水平部351Lの当接面351bに対向する対向面376aが、形成されている。この対向面376aには、図19(b)に示すように、中央に向けて突出した凸部376bが形成されている。変位抑制部376は、この凸部376bの頂点が、水平部351Lの当接面351bに接触することで、水平部351Lと線接触している。これにより、ベース板360と水平部351Lとの間隔を一定の間隔に保持することが可能となり、ベース板360をがたつかせることなく安定させて水平部351Lに対してスライドさせることができる。また、変位抑制部376と水平部351Lとの接触面積を抑制することができるため、ベース板360の動きが阻害されることを防止することができる。
また、図19に示すように、ラック373の後面には検出片取付孔373bが形成されており、検出片375が、図示しないねじにより検出片取付孔373bに締結されている。また、水平部351Lの後面にはセンサ取付孔351eが形成されており、検出センサ374が、図示しないねじによりセンサ取付孔351eに締結されている。
検出センサ374は、例えば、フォトセンサであり、発光部から出射された光を検出片375が遮るのを受光部が検出することによって、検出片375の有無を判定する。検出センサ374は、図19に示すように、ベース板360が水平部351Lに対して、最も右側に位置している場合に、検出片375を検出する。ここで、ベース板360が水平部351Lに対して最も右側に位置している場合とは、図3に示す第1演出可動部352Lが最も右側に位置し、第1演出可動部352Rに最も近い位置にある場合である。第1演出可動部352Lがこのような位置にある状態を、第1演出可動部352Lが初期位置(第1位置)にあると定義する。すなわち、検出センサ374を用いることで、第1演出可動部352Lが初期位置にあるか否かを判定することができる。
同様に、図3に示す第1演出可動部352Rが、最も左側に位置し、第1演出可動部352Lに最も近い位置にある状態を、第1演出可動部352Rが初期位置にあると定義する。第1演出可動部352Rに設けられた図示しない検出センサも、第1演出可動部352Rが初期位置にあるか否かを判定するために用いられる。このように検出センサ374の検出結果に基づいて、第2演出用モータ367の駆動を実行することで、第1演出可動部352L及び第1演出可動部352Rの正確な移動を実現することができる。
なお、第1演出可動部352L及び第1演出可動部352Rが初期位置にある場合、図3に示すように、第1演出可動部352L及び第1演出可動部352Rは、互いに接触した状態にある。
次に、ベース板360に設けられた種々の構成要素について説明する。図22は、本発明の実施形態に係る遊技機のベース板を後方からみた斜視図である。また、図23は、図22で示した遊技機のベース板を後方からみた分解斜視図である。
第3演出可動部358Lは、小指を模して形成されており、図23に示すように、その後面には摺動リング381が嵌めこまれた2つの摺動突起380が形成されている。ベース板360には、長軸方向が右上方向を向いたスライド孔360aが形成されている。摺動リング381が嵌めこまれた2つの摺動突起380は、スライド孔360aに挿通されている。また、第3演出可動部358Lとともに、ベース板360を挟みこむ位置に、矩形状の摺動板382が設けられている。摺動板382は、挿通された図示しないねじが、第3演出可動部358Lに形成されたねじ孔380aに締め付けられて、第3演出可動部358Lに取り付けられている。これにより、第3演出可動部358Lは、摺動板382とともに、スライド孔360aの長軸方向(右上方向)に移動可能となっている。
また、第3演出可動部358Lには、第1ばね383の一端に形成されたループ部383aを引っ掛けるための引掛部358aが形成されている。また、ベース板360には、第1ばね383の他端に形成されたループ部383bを引掛けるための引掛部360bが形成されている。図22に示すように、ばね383の一端に形成されたループ383aを第3演出可動部358Lの引掛部358aに、他端に形成されたループ383bをベース板360に形成された引掛部360bに引掛けることで、第3演出可動部358Lは、ばね383により左下方向に付勢された状態にある。
また、ベース板360の後面には、第2演出可動部353Lと、第2演出可動部353Lのベース板360に対する動きを所定の動きのみに制限する移動制限部384とが取り付けられている。移動制限部384は、図23に示すように、平板部384aと、平板部384aの端部からベース板360に向けて立設した立設部384b、384cと、平板部384aの右側の端辺から突出形成された突起部384dとから構成されている。移動制限部384に形成された突起部384dが、ベース板360に形成された凹部である係止部360cに挿入されるとともに、移動制限部384に形成されたねじ挿通孔384eに挿通された図示しないねじが、ベース板360に形成されたねじ孔360eに螺合されることにより、移動制限部384はベース板360に取り付けられている。このようにベース板360に移動制限部384が取り付けられると、立設部384b、384cにより、平板部384aとベース板360との間に隙間385が形成される。この隙間385には、後述するように、第2演出可動部353Lの突起部353dが挿入され、第2演出可動部353Lは、この隙間385によって所定の動きのみに制限される。
第2演出可動部353Lは、薬指を模した第1可動部353aと、中指を模した第2可動部353bと、人差し指を模した第3可動部353cとが連結された構造体と、この構造体から二又に分岐して、それぞれの先端から互いの軸が一致するように突出形成された突起部353dとを有している。突起部353dは、平板部384aとベース板360との間に形成された隙間385に、平板部384aの両サイドから挿入されている。これにより、突起部353dが移動制限部384に引掛けられ、第2演出可動部353Lはベース板360に移動可能に取り付けられる。
なお、平板部384aとベース板360との間隔は、突起部353dの径よりも若干大きい程度である。そのため、突起部353dは、前後方向の動きが制限される。一方、突起部353dは、立設部384bに接触する位置と、立設部384cに接触する位置との間で、左右方向に移動可能である。
また、第2演出可動部353Lは、水平部351L(図20)の左側端部351c(図20)に接触され押圧される押圧部387を有している。なお、図22、23においては、第2演出可動部353Lの押圧部387に相当する領域にハッチングを施している。後述するように、第2演出可動部353Lは、押圧部387が水平部351L(図20)の左側端部351c(図20)によって右方向に押圧されることにより、右方向に移動するとともに回動軸Rを中心に回動する。
ベース板360には、ばね386の一端に形成されたループ部386aが引掛けられる引掛部360dが形成されている。ばね386の一端に形成されたループ部386aは、引掛部360dに引掛けられているとともに、ばね386の他端に形成されたループ部386bは、第2演出可動部353Lに形成された突起部353dに引掛けられている。これにより、第2演出可動部353Lは、ばね386により左側に付勢された状態でベース板360に取り付けられている。
なお、第2演出可動部353Lがベース板360に接触する箇所(二又に分岐した先端部)は、平坦面353f、353gとなっている。これにより、第2演出可動部353Lとベース板360との接触面積を大きくとることができ、第2演出可動部353Lを安定した状態でベース板360に取り付けることができる。また、第2演出可動部353Lのベース板360に対する左右方向の移動も、第2演出可動部353Lの平坦面353f、353gをベース板360に接触させながら行うことができる。そのため、第2演出可動部353Lの姿勢を安定させて、ベース板360に対する左右方向の移動を実行することができる。
上述のように、第2演出可動部353Lは、ばね386によって左方向に付勢されており、第3演出可動部358Lは、ばね383によって左下方向に付勢されている。そのため、第2演出可動部353L及び第3演出可動部358Lは、ベース板360(第1演出可動部352)の後方に隠れ、前方から視認することはできない。一方、第1演出可動部352L(図16)が左方へ移動することにより、第1演出可動部352Lとともに左方へ移動しようとする第2演出可動部353L及び第3演出可動部358Lは、水平部351Lに接触し、右方へと押圧される。これにより、後述するように、第2演出可動部353Lはベース板360に対して右方向に、第3演出可動部358Lはベース板360に対して右上方向に移動する。その結果、第2演出可動部353L及び第3演出可動部358Lは、ベース板360の右側から飛び出し、前方から視認可能な状態となる。次に、このような演出用可動体302の演出動作について説明する。
図24は、本発明の実施形態に係る遊技機の第1演出可動部が第1位置にあるときを示す図であり、(a)は演出用可動体の正面図、(b)は(a)に示す状態に対応する第1演出用可動体の一部を前方から見た斜視図である。また、図25〜図28は、第1演出用可動体の演出動作を、その動作順に示した図である。なお、図24〜図28の(b)に示す第1演出用可動体303Lの一部においては、第2演出可動部353L及び第3演出可動部358Lの動きを容易に理解できるようにするために、ベース板360等の第1演出用可動体303Lの一部の構成要素の図示を省略している。
図24(a)は、第1演出可動部352L、352Rが初期位置にある場合の演出用可動体302の正面図であり、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとは、互いに密着した状態にある。図24(b)に示す移動制限部384は、水平部351Lに対して左右方向に移動可能な第1演出可動部352Lに取り付けられており、第1演出可動部352Lとともに移動する。突起部353dが移動制限部384に引掛けられた第2演出可動部353Lは、一端が水平部351Lに取り付けられたばね386(図23)によって左方に付勢されている。これにより、第2演出可動部353Lの突起部353dは、移動制限部384の立設部384cに引き付けられて当接した状態にある。また、第3演出可動部358L及び摺動板382は、一端が水平部351Lに取り付けられたばね383(図23)により左下に向けて付勢されている。これにより、摺動板382の端部382aは、水平部351Lの左側端部351cに引き付けられて当接した状態にある。なお、ばね386(図23)により左方に付勢された第2演出可動部353Lと、水平部351Lの左側端部351cとの間には、隙間Dが存在している。
図24に示す状態から、第1演出用可動体303Lの第2演出用モータ367(図17)及び第2演出用可動体303Rの第2演出用モータ367(図17)を駆動させて、第1演出可動部352Lを水平部351Lに対して距離Dだけ左方に移動させるとともに、第1演出可動部352Rを水平部351Rに対して距離Dだけ右方に移動させた状態を図25に示す。このような第1演出可動部352Lの左方への移動は、水平部351Lに形成されたスライド孔351a内で摺動突起378(図20)が左方へスライドすることで実行される。第1演出可動部352Rの右方への移動においても、同様である。第1演出可動部352Lが水平部351Lに対して左方に移動すると、第1演出可動部352L(ベース板360)に一端が取り付けられたばね383(図22)によって左下に向けて付勢されている摺動板382及び第3演出可動部358Lも、同様に左方に移動しようとする。しかしながら、図24(b)に示すように、摺動板382の端部382aは水平部351Lの左側端部351cと当接している。そのため、摺動板382の端部382aは、水平部351Lの左側端部351cに右方に向けて押圧されることになる。これにより、摺動板382及び第3演出可動部358Lは、ばね383(図22)の左下方向への付勢力に抗して、ベース板360に形成されたスライド孔360aの長軸方向(右上方向)に沿ってせりあがっていく。そのため、図25(b)に示す摺動板382は、図24(b)に示す摺動板382と比べて、水平部351の左側端部351cにせりあがった状態となる。
同様に、第1演出可動部352Lが水平部351Lに対して左方へ移動すると、第1演出可動部352L(ベース板360)に一端が取り付けられたばね386(図22)によって左方に付勢されている第2演出可動部353Lも、同様に左方へ移動しようとする。なお、図24(b)に示すように、第2演出可動部353Lの押圧部387と、水平部351Lの左側端部351cとの間には、隙間Dが存在している。そのため、第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lの左方への移動とともに、距離Dだけ水平部351Lに対して左方に移動する。
なお、第3演出可動部358Rは、演出用可動体302の上下方向に延びる基準線Lに対して、第3演出可動部358Lの動きと左右対称の動きをする。また、第2演出可動部353Rは、演出用可動体302の上下方向に延びる基準線Lに対して、第2演出可動部353Lの動きと左右対称の動きをする。
これにより、図25(a)に示すように、左方向に距離Dだけ移動した第1演出可動部352Lと、右方向に距離Dだけ移動した第1演出可動部352Rとの間には、距離2Dの隙間が形成される。なお、第3演出可動部358Lは、第1演出可動部352Lに対して右上方向に移動する。また、第3演出可動部358Rは、第1演出可動部352Rに対して左上方向に移動する。そのため、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとが離間して形成された領域から、第3演出可動部358Lの一部と第3演出可動部358Rの一部とが出現して、視認可能な状態となる。一方、第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lとともに左方向に、第2演出可動部353Rは、第1演出可動部352Rとともに右方向に移動する。そのため、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとが離間して形成された領域には、第2演出可動部353L及び第2演出可動部353Rは出現しない。
図25に示す状態から、第1演出用可動体303Lの第2演出用モータ367(図17)及び第2演出用可動体303Rの第2演出用モータ367(図17)を駆動させて、第1演出可動部352Lを水平部351Lに対して左方へ移動させるとともに、第1演出可動部352Rを水平部351Rに対して右方へ移動させた状態を図26に示す。第1演出可動部352Lが左方へ移動することにより、摺動板382は、水平部351Lの左側端部351cによってさらに右方へ押圧され、スライド孔360a(図23)の長軸方向(右上方向)に沿って移動する。これにより、図26(b)に示すように、摺動板382は、さらに水平部351Lの左側端部351cをせりあがった状態となる。第3演出可動部358Lは、摺動板382ともに、スライド孔360a(図23)の長軸方向(右上方向)に沿って移動する。
図25(b)に示す第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lが左方に距離Dだけ移動したことにより、水平部351Lの左側端部351cと接触した状態にある。そのため、図25(b)に示す状態から、第1演出可動部352Lが水平部351Lに対して左方へ移動すると、第1演出可動部352Lとともに左方へ移動しようとする第2演出可動部353Lは、水平部351Lの左側端部351cにより右方へ押圧される。これにより、第2演出可動部353Lは、ばね386(図23)の左方への付勢に抗して、移動制限部384(第1演出可動部352L)に対して右側に移動する。そのため、図25(b)において、移動制限部384の立設部384cに当接した状態であった突起部353dは、右方へ移動することにより、図26(b)に示すように、もう一つの立設部384bに当設した状態となる。なお、上述したように第2演出可動部353Lは、平坦面353f、353g(図23)をベース板360(図23)に接触させた状態で配されている。これにより、第2演出可動部353Lは、平坦面353f、353gをベース板360(図23)に接触させたまま、第1演出用可動体303Lに対して右方へスライドしていく。
これにより、図26(a)に示すように、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとの離間距離は大きくなり、離間して形成された領域に、第2演出可動部353L及び第2演出可動部353Rが出現するようになる。また、第3演出可動部358Lは第1演出可動部352Lに対して右上方向に移動し、第3演出可動部358Rは第1演出可動部352Rに対して左上方向に移動する。そのため、第3演出可動部358L及び第3演出可動部358Rは、第1演出可動部352Lの端部及び第1演出可動部352Rの端部から、より大きく突出するようになる。
図26に示す状態から、第1演出用可動体303Lの第2演出用モータ367(図17)及び第2演出用可動体303Rの第2演出用モータ367(図17)を駆動させて、第1演出可動部352Lを水平部351Lに対して左方へ移動させるとともに、第1演出可動部352Rを水平部351Rに対して右方へ移動させた状態を図27に示す。図27(b)に示すように、水平部351Lには、左側端部351cから連続する水平なスライド部351dが形成されている。上述したように、第1演出可動部352Lが左方向に移動すると、第3演出可動部358Lは、水平部351Lに形成された左側端部351cをせりあがるとともに、ベース板360(図23)に形成されたスライド孔360a(図23)の長軸方向(右上方向)に沿って移動する。そして、第3演出可動部358Lは、水平部351Lの左側端部351cをせりあがりきると、水平部351Lに形成されたスライド部351dに接触しながら水平方向(左方向)にスライドするようになる。これにより、第3演出可動部358Lは、水平部351Lからの押圧を受けなくなる。そのため、第1演出可動部352Lが左方に移動すると、第3演出可動部358Lはスライド部351bに接触しながら、第1演出可動部352Lとともに水平部351Lに対して左方へ移動する。
図26(b)に示すように、第2演出可動部353Lの突起部353dは、移動制限部384の一方の立設部384bに接触した状態にある。図26(b)に示す状態から、第1演出可動部352Lが左方に移動すると、水平部351Lが第2演出可動部353Lの押圧部387を右方へ押圧する。しかしながら、第2演出可動部353Lは、突起部353dを移動制限部384の一方の立設部384bに接触させた状態であるため、これ以上右方へ移動することはできない。図23に示すように、第2演出可動部353Lにおいて、水平部351Lからの押圧力が作用する押圧部387と、突起部353dとは、距離Hだけ離間している。これにより、第2演出可動部353Lは、押圧部387を右方へ押圧されることにより、回動軸Rを中心として回動する。
これにより、図26(b)に示すように、略右方を向いていた指を模した第2演出可動部353Lは、図27(b)に示すように、略前方を向くように回動する。また、第2演出可動部353Lの突起部353dが、第1演出可動部352Lとともに左方に移動する移動制限部384の立設部384bによって、左方に引っ張られる。これにより、第2演出可動部353Lは、回動動作と、水平部351Lに対する左方への移動を同時に行う。
このように、第1演出可動部352Lが左方へ移動する場合、図26(b)に示す、第2演出可動部353Lの位置から、第2演出可動部353Lに回動動作が生じるようになる。このように、第1演出可動部352の第1位置から第2位置まで移動経路上であり、第2演出可動部353Lに回動動作が生じ始める第1演出可動部352Lの位置を、第3位置として定義する。
このような演出用可動体302の動作により、図26(a)から図27(a)に示すように、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとの間隔が広がるとともに、第3演出可動部358Lは、第1演出可動部352Lとともに左方に移動するとともに、第3演出可動部358Rは、第1演出可動部352Rとともに右方に移動する。また、指を模した第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lとともに左方へ移動しながら、指先が向く向きを略右方から略前方となるように回動する。また、指を模した第2演出可動部353Rも同様に、第1演出可動部352Rとともに右方へ移動しながら、指先が向く向きを略左方から略前方となるように回動する。
図27に示す状態から、第1演出用可動体303Lの第2演出用モータ367(図17)及び第2演出用可動体303Rの第2演出用モータ367(図17)を駆動させて、第1演出可動部352Lを水平部351Lに対してさらに左方へ移動させるとともに、第1演出可動部352Rを水平部351Rに対してさらに右方へ移動させた状態を図28に示す。図28に示す状態は、第1演出可動部352Lが、移動可能な範囲内で最も左方の位置である第2位置にあるとともに、第1演出可動部352Rが、移動可能な範囲内で最も右方の位置である第2位置にある状態を示している。そのため、第1演出可動部352Rと、第1演出可動部352Lとの間隔は最大となっている。
図27(b)に示すように、第2演出可動部353Lは、水平部351Lに押圧されて前方に向けて回動した状態にあり、この回動状態を保持したまま水平部351の前方を左方向に移動可能である。そのため、第1演出可動部352Lの左方への移動に伴い、第2演出可動部353Lは、後部を水平部351Lの前面に接触させながら、水平部351Lに対して左方へ移動し、図28(b)に示す状態となる。これにより、第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lとともに、水平部351Lに対して左方へ移動する。
また、第3演出可動部358Lは、第1演出用可動体303Lの左方への動きにより、水平部351のスライド部351dに接触しながら、第1演出用可動体303Lとともに、水平部351に対して左方に移動する。
なお、第2演出可動部353R及び第3演出可動部358Rは、演出用可動体302の基準線Lに対して、第2演出可動部353L及び第3演出可動部358Lの動きと左右対称の動きをする。
これにより、図27(a)に示すように、第1演出可動部352Lと、前方に指先を向けて第1演出可動部352Lの縁部に触れているかのように設けられた第2演出可動部353Lと、第3演出可動部358Lと、が一体的に左方へ移動するとともに、第1演出可動部352Rと、前方に指先を向けて第1演出可動部352Rの縁部に触れているかのように設けられた第2演出可動部353Rと、第3演出可動部358Rと、が一体的に右方へ移動することで、演出可動体302は、図28(a)に示す状態となる。
このように、演出用可動体302を動作させることにより、何者かが、第1演出可動部352L及び第1演出可動部352Rに指(第2演出可動部353L、353R)を掛けて、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rを左右に開いているかの如く遊技者に視認させることができる。
演出用可動体302が、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとが左右に開いた状態(第2位置にある状態(図28))から、密着した状態(第1位置にある状態(図24))に復帰させる場合には、第2演出用モータ367(図17)を逆方向に回転させて、第1演出可動部352Lを右方へ移動させるとともに、第1演出可動部352Rを左方へ移動させる。これにより、第1演出可動部352L及び第1演出可動部352Rは、徐々に離間距離を狭めていくが、演出用可動体302の動作については、以下で説明する。
図28に示す演出用可動体302の状態から、第2検出用モータ367(図17)を駆動して、第1演出可動部352Lを右方へ移動させる。図28(b)に示す第2演出可動部353Lは、後部を水平部351Lに当接させた状態のため、回動軸Rを中心に回動することができない。そのため、第2演出可動部353Lは、前方に指先を向けた状態のままで保持される。また、第2演出可動部353Lは、図28(a)に示すように、第1演出可動部352Lの端部352aに当接した状態である。そのため、第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lによって右方へ押圧されて、第1演出可動部352Lとともに右方へ移動する。
また、摺動板382の端部382aは、水平部351Lのスライド部351dに沿って右方へスライドする。スライド部351dは、水平方向に形成されているため、摺動板382に取り付けられた第3演出可動部358Lは、ベース板360(図23)に形成されたスライド孔360a(図23)の長軸に沿って移動することはない。そのため、第3演出可動部358Lは、第1演出可動部352Lとともに右方へ移動する。
これにより、演出用可動体302は、図28に示す状態から、図27に示す状態となる。
図27に示す演出用可動体302の状態から、第2検出用モータ367(図7)を駆動して、第1演出用可動部352Lを右方へ移動させる。図27(b)において、第2演出可動部353Lは、後部が水平部351Lに当接し回動が規制されている状況である。そして、さらに、第1演出可動部352Lとともに、第2演出可動部353Lが右方へ移動すると、水平部351Lは徐々に第2演出可動部353Lからずれ、第2演出可動部353Lが回動できる角度範囲が徐々に大きくなる。そのため、図27に示す状態から、第1演出可動部352Lが右方へ移動していくと、第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lに右方へ押圧されて、右方へ移動しながら指先が徐々に右方向を向くように回動軸Rを中心に回動する。これにより、図26(b)に示すように、第2演出可動部353Lは指先を右方へ向けた状態となる。このとき、第2演出可動部353Lは、ばね386(図23)により左方へ付勢されているため、水平部351の左側端部351cを押圧した状態で係止される。
また、摺動板382の端部382aは、水平部351Lのスライド部351dに沿って右方向へスライドし、摺動板382に取り付けられた第3演出可動部358Lは、第1演出可動部352Lとともに右方へ移動する。
これにより、演出用可動体302は、図27示す状態から、図26に示す状態となる。
図26に示す演出用可動体302の状態から、第2検出用モータ367(図7)を駆動して、第1演出用可動部352Lを右方へ移動させる。第2演出可動部353Lは、ばね386(図23)により左方へ付勢されているため、水平部351Lの左側端部351cを押圧し係止されている。そのため、第1演出用可動部352Lが右方へ移動したとしても、第2演出可動部353Lは、水平部351Lの左側端部351cとの係止状態を維持したままとなる。このとき、第2演出可動部353Lの突起部353dは、移動制限部384とベース板360(図23)との間に形成された隙間を移動する。これにより、図26(a)から図25(a)に示すように、第1演出用可動部352Lは、第2演出可動部353Lを覆い隠すように右方へと移動する。
摺動板382は、端部382aを水平部351Lのスライド部351dに摺接ながら、右方向にスライドする。やがて、摺動板382は、下方へ移動して、端部382aを上下方向に延びる水平部351Lの左側端部351cと接触するようになる。第3演出可動部358Lは、ばね383(図23)により左下方向へ付勢されているため、摺動板382は水平部351Lの左側端部351cを押圧した状態で係止される。
これにより、演出用可動体302は、図26示す状態から、図25に示す状態となる。
図25に示す演出用可動体302の状態から、第2検出用モータ367(図7)を駆動して、第1演出可動部352Lを右方へ移動させる。これにより、図24(a)に示すように、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとが、密着した状態(第1位置にある状態(図24に示す状態))となる。
図25に示す第2演出可動部353Lの突起部353dは、移動制限部384とベース板360(図23)との間に形成された隙間に対して図中左方向移動したことにより、立設部384cにまで到達している。そのため、突起部353dは、これ以上移動制限部384に対して左方向へ移動することはできない。そのため、演出用可動体302が右方へ移動すると、移動制限部384の立設部384cにより突起部353dが右方へ押圧され、これにより、第2演出可動部353Lは、第1演出可動部352Lとともに右方へ移動する。
また、図25(b)に示す第3演出可動部358Lは、上述のように、ばね383(図23)により左下に付勢された状態にある。これにより、第3演出可動部358Lは、端部382aを水平部351の左側端部351cに当接させている。そのため、第1演出可動部352Lが右方へ移動することで、第3演出可動部358Lはベース板360に形成されたスライド孔360aに沿って左下方向にスライドするとともに、摺動板382は端部382aを水平部351に形成された左側端部351cに沿って下方へ移動する。このように、摺動板382の端部382aが、水平部351Lの左側端部351cに当接させた状態が維持されるため、第3演出可動部358は左右方向へほとんど移動することはない。このようにして、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとを、密着した状態(第1位置にある状態(図24に示す状態))に復帰させることができる。
このように、第1演出可動部352L及び第1演出可動部352Rが第1位置まで移動し、互いに密着した状態となったことは、検出センサ374(図19)が、検出片375(図19)を検出するか否かによって判定することができる。あるいは、第2検出用モータ367(図17)の動作を制御して、所定の回転数だけ回転させるようにしてもよいし、検出センサ374の検出結果と、第2検出用モータ367(図17)の動作の制御を組み合わせることで、演出用可動体202の適切な動作を確保してもよい。
次に、演出表示装置5、前役物300、及び後役物450が、後述する筐体601に配設された演出ユニット600の詳細について、図面を用いて説明する。
図29は、演出表示装置の構成を示す分解斜視図である。図30は、(A)は演出ユニットが遊技盤の背面に組付けられた状態を示す縦断面図、(B)は(A)の要部拡大図である。図31は、(A)は前役物が退避位置にあるとき、(B)は演出位置にあるときにおける前役物との位置関係を示す図である。図32は、演出表示装置の表示態様例を示す説明図であり、(A)は状態A、(B)は状態B、(C)は状態Cを示す。尚、以下においては、パチンコ遊技機1の前面を正面から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
図29及び図30に示すように、演出表示装置5は、液晶パネル5aと、前透過液晶フィルム5cと、バックライト5bと、後透過液晶フィルム5dと、がトップシャーシ501、フレーム枠502、バックライト枠503a〜503d、ヒートシンク504a〜504dにより一体的に組み付けられることによりユニット化されてなる。
具体的には、液晶パネル5aの背面側には、合成樹脂材により横長四角枠状に形成された断面視略T字形をなすフレーム枠502により、液晶パネル5aの背面に対し所定の隙間L1を隔てて前透過液晶フィルム5cが組み付けられている。また、フレーム枠502の外周には、液晶パネル5aの表示画面を前方に臨ませるための開口を有する横長四角枠状に形成されたトップシャーシ501が取り付けられている。
前透過液晶フィルム5cの背面側には、アルミ材により断面視略内向きコ字形に形成されたバックライト枠503a〜503dにより前透過液晶フィルム5cの背面に対し所定の隙間L2を隔てて導光板507が組み付けられている。バックライト枠503a〜503dは、それぞれ導光板507の上辺、左側辺、下辺、右側辺をそれぞれ覆うように取り付けられ、内部には、複数の表示用LED506が搭載されたLED基板505a〜505dが配設されており、フレーム枠502に一体に取り付けられている。LED基板505a〜505dは、各々に搭載された複数の表示用LED506からの光が導光板507の周端面507aに照射されるようにバックライト枠503a〜503dの内面に取り付けられている。つまり、LED基板505a〜505dと導光板507とは、バックライト枠503a〜503dにより各表示用LED506が導光板507の周端面507aに対し所定の隙間を隔てて配置されるように一体化されており、これら表示用LED506と導光板507とによりバックライト5bが構成される。
図30(B)に示すように、導光板507は、所定の前後幅寸法(板厚(例えば、5mm))を有するアクリルやポリカーボネートなど、光を透過可能な透光性を有する透明な合成樹脂板により正面視で横長の長方形状に形成されている。尚、導光板507は、透光性を有していれば必ずしも透明でなくても良く、例えば、着色されていても良いし、半透明とされていても良い。
尚、導光板507の背面には、表示用LED506から照射され、周端面507aから入射され導光板507内部にて誘導された入射光を反射して前面から出射させるための反射部508が、導光板507の背面ほぼ全域にわたり形成されている。反射部508は、導光板507内を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されているが、導光板507を前方から視認したときにこれら反射部508が視認されにくいように形成されていることが好ましい。具体的には、レーザー加工、スタンパー、インジェクションにより導光板507の背面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成しても良い。
尚、本実施例では、導光板507の背面における反射部508を光の進行方向の断面視が略三角波形状の凹凸部としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら反射部508の断面形状を略半円形状等、光を前面に向けて反射可能な反射面を構成するものであれば種々に変形可能である。また、反射部は導光板507の背面に設けられるものだけでなく、レーザー加工等により導光板507の内部に設けられるものであってもよい。
液晶パネル5aは、横長長方形状をなすパネル状に形成され、そのパネル面にマトリクス状に配置された複数の画素を有し、バックライト5bからの光を各画素で透過率を制御して透過させることで前面の表示画面に映像を表示する。また、表示用LED506及び導光板507からなる面発光可能なバックライト5bにより、液晶パネル5aの背面全域に亘って表示用の光が略均一に供給されることで、表示画面に表示される画像が液晶パネル5aの前方から視認可能となる。
導光板507の背面側には、アルミ材により断面視略L字形に形成されたヒートシンク504a〜504dにより導光板507の背面に対し所定の隙間L3を隔てて後透過液晶フィルム5dが組み付けられている。ヒートシンク504a〜504dは、それぞれ対応するバックライト枠503a〜503dの背面に一体に取り付けられ、背面側に向けて延出される放熱部として機能する。
尚、本実施例では、隙間L1,L2はほぼ同じ幅寸法とされ、隙間L1,L2よりも隙間L3の方が長寸とされているが、これら隙間L1,L2,L3の幅寸法の関係は種々に変更可能である。
前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dは、特に詳細な図示はしないが、例えば、ネマティック液晶の小滴(カプセルと呼びます)が分散した透明なポリマー・フィルムを2枚の透明導電膜付きポリエステル・フィルムに挟んでなり、電圧が印加されていない状態では、棒状の分子として表される液晶はカプセルの内壁に沿って並ぶことで、前透過液晶フィルム5cや後透過液晶フィルム5dに入射した光は、ポリマーと液晶の屈折率の違いおよび液晶の複屈折性によってカプセルの表面や内部で屈折し、その結果、光は直進できず散乱し、前透過液晶フィルム5cや後透過液晶フィルム5dは不透明に見える(拡散状態)。また、電圧が印加されると、液晶分子が電圧を印加した方向と平行に並ぼうとし、電極に対して垂直に配列することで、屈折率がポリマーのそれと一致する液晶であれば、カプセルの界面がないのに等しい状態となり、その結果、光は散乱せず直進し、前透過液晶フィルム5cや後透過液晶フィルム5dは透明に見えることになる(非拡散状態)。
このように構成された演出表示装置5は、図30に示すように、演出ユニット600に組付けられている。本実施例では、遊技盤2には、演出表示装置5を視認可能とするための表示用開口2aが形成されており、遊技盤2の背面における表示用開口2aに対応する位置に開口が臨むように演出ユニット600が組付けられている。尚、表示用開口2aには、環状に形成されたステージ飾り枠11が前方から嵌合されており、遊技領域を流下する遊技球が表示用開口2a内に進入することが防止されている。
演出ユニット600は、演出表示装置5と、該演出表示装置5の前方位置に配設される前役物300と、該演出表示装置5の後方位置に配設される後役物450と、を有し、これら前役物300、演出表示装置5、後役物450は、非透光性を有する合成樹脂材により前面が開口する箱状に形成された筐体601内に収納されることで一体化された状態で、該筐体601が遊技盤2の背面に取り付けられることにより、前役物300及び演出表示装置5が表示用開口2a及び透明な遊技盤2を介して該遊技盤2の前方から視認可能となるように設けられる。特に演出表示装置5は、液晶パネル5aの表示画面が表示用開口2aを介して前面側に臨むように設けられる。
前役物300の構造詳細については、上記で詳述している。そのため、図30以降の図においては、前役物300の図示を簡略化するものとする。なお、前役物300の演出用可動体302は、表示装置5の表示画面上部に位置する退避位置(図31(A)中2点鎖線位置参照)と、演出表示装置5の表示画面の略中央前方に位置し該表示画面に前後に重畳する演出位置(図31(A)中実線位置参照)と、の間で上下方向に移動可能とされている。本実施例では、前役物300は退避位置、第1演出可動部352L、352Rは合体位置が駆動初期位置とされており、所定の演出の実行に応じて駆動初期位置から演出位置や非合体位置に移動するようになっている。
尚、本実施例では、前役物300は、退避位置において第1演出可動部352L、352Rや水平部351L、351Rの一部が演出表示装置5の表示画面に対し前後に重畳するようになっていたが、第1演出可動部352L、352Rや水平部351L、351R全体が演出表示装置5の表示画面に対し前後に重畳しない位置まで退避するようにしてもよい。
図30及び図31に示すように、後役物450は、所定のキャラクタ(後述する味方キャラクタC1、図33(C))を模した人形模型からなり、透光性を有するレンズ部材にて前面が形成され、内部には複数の後役物LED451が配設された後役物LED基板452が内蔵されており、後役物LED451からの光がレンズ部材を透して前方に出射可能になっている。尚、本実施例では、複数の後役物LED451のうち、レンズ部材の前面に装飾されたキャラクタの目などの特定の部位に相当する位置の後役物LED451のみを部分的に点灯させることができる(図34(E)参照)。尚、このような特定の部位の周囲のみ非透光性を有する印刷層等にて構成されていてもよい。また、後役物450は、前面が演出表示装置5の表示画面よりも小さく形成され、演出表示装置5を正面から見たときに後役物450の周囲に背景が形成されるように、つまり、後役物450の周面と筐体601の内壁面との間に隙間が形成されるように配設されている。
後役物450は、筐体601の背板前面から前方に突設された支持部材453にて背面から支持されており、演出表示装置5を正面から視認したときに、該演出表示装置5の表示画面の略中央位置に位置するように、後透過液晶フィルム5dの後方位置に、該後透過液晶フィルム5dの背面に対し所定の隙間L4を隔てて配置されている。所定の隙間L4は、例えば、後述するように演出表示装置5にて演出図柄の変動表示等を行っているときに後役物450の影が演出表示装置5に映り込まない程度の隙間(例えば、隙間L1〜3よりも大きい隙間)とすることが好ましい。
また、図31(A)に示すように、後役物450は、演出表示装置5を正面から視認したときに、前役物300が退避位置であるときには演出用可動体302と前後に重畳せず、かつ、前役物300が演出位置であるときには演出用可動体302と前後に重畳する位置に配置されている。言い換えると、前役物300は、後役物450と前後に重畳しない非重畳位置(退避位置)と、後役物450と前後に重畳する重畳位置(演出位置)と、の間で昇降可能に設けられている。
尚、本実施例では、前役物300が退避位置であるときに、演出用可動体302と後役物450とは前後に重畳しないようになっていたが、前役物300の一部が後役物450と前後に重畳するようにしてもよい。また、前役物300が演出位置であるときに、第1演出可動部352L、352Rのほぼ全域が後役物450と前後に重畳するようになっていたが、第1演出可動部352L、352Rの一部のみが後役物450と前後に重畳するようにしてもよい。
また、後役物450の後方位置には、該後役物450を後方から照射する後役物バックライト610が設けられている。後役物バックライト610は、前面に複数の後役物バックライト用LED611が配設されたバックライト用LED基板613と、該複数の後役物バックライト用LED611を前方から覆うように設けられる透光性を有する半球状のレンズカバー612と、から構成されており、後役物バックライト用LED611からの光がレンズカバー612を透して拡散され、前方に向けて上下左右に放射状に広がるように出射される。
後役物バックライト610は、筐体601の背板前面における後役物450の背面略中央位置に対応する部分に取り付けられ、後役物450の背面に対し所定の隙間を隔てて配置されている。よって、後役物バックライト用LED611を点灯したときに、後役物バックライト用LED611からの光が、後役物450の背面だけでなく、後役物450の周面と筐体601の内壁面との間の隙間を介して後役物450の前方に誘導され、後透過液晶フィルム5dの背面に到達する。つまり、遊技者側(液晶パネル5aの前方)から見ると逆光になるため、後透過液晶フィルム5dにおける後役物450の周囲に対応する領域のみ後役物バックライト用LED611からの光により明るくなり、後透過液晶フィルム5dにおける後役物450に対応する領域は暗くなり、影が映り込む。
次に、このように構成された演出表示装置5の表示態様例について、図30及び図32に基づいて説明する。
図32(A)は、演出表示装置5の液晶パネル5aにて演出図柄の変動表示や各種演出画像表示を行うときの演出ユニット600の状態(状態A)を示している。状態Aにおいて、演出制御用マイクロコンピュータは、バックライト5bを点灯させて(表示用LED506;ON)、液晶パネル5aに演出図柄の変動表示の画像を表示させ、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dに電圧を印加せず透過する光を拡散する拡散状態(乳白色)とし、後役物LED451及び後役物バックライト用LED611を消灯する(後役物LED451;OFF、後役物バックライト用LED611;OFF、図32(D)参照)。
具体的には、図30に示すように、バックライト5bを構成する表示用LED506から導光板507の周端面507aを介して該導光板507内部に入射された光は、内部にて反射部508に反射して前面全域から前方に出射され、拡散状態(乳白色)の前透過液晶フィルム5cを透過し拡散されて液晶パネル5aの背面全域に入射される。このように、表示用LED506の光が導光板507により面発光されることにより、表示用LED506の光を液晶パネル5aの背面全域に略均一に供給することができるため、光源からの距離に関わりなく、液晶パネル5aの表示画面全域を略均一に明るくすることができる。
また、導光板507内部に入射された光の全てが反射部508にて反射され前方に出射されるわけではなく、その一部の光(例えば、導光板507内部に入射された光の約1〜3割程度の光)は背面側に出射される。背面側に出射された光は、その背面側に配置されている後透過液晶フィルム5dが拡散状態(乳白色)であるときには大半が透過して拡散されて背面から出射されるが、一部の光は反射して再び前方に向けて出射される(図30(B)参照)。よって、表示用LED506からの光のうち導光板507の背面から漏れた光の一部が反射して前方に戻ってくるため、光の損失が低減して液晶パネル5aの表示画面が暗くなることが防止される。
さらに、導光板507の背面側に、拡散状態と非拡散状態とに切替可能な後透過液晶フィルム5dを配設し、導光板507の背面側に出射された光の一部を反射して再び前方に向けて出射できるようにすることで、例えば、凹凸部のピッチを細かくするなどして反射部508における光の反射率を高めることにより、該後透過液晶フィルム5dの透過性、つまり、該後透過液晶フィルム5dの後方領域の視認性(後役物450の視認性)が低下することを防止しつつ、表示用LED506の光を極力損失させることなく液晶パネル5aに向けて供給することができるため、表示画面を明るくすることができる。
また、状態Aにおいて、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dを、透過する光を拡散させる拡散状態とすることで、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dの全面が濁って乳白色に見えるようになるばかりか、一部の光が反射して前方に戻されることで、筐体601における後透過液晶フィルム5dの後方の空間に光が透過しにくくなって暗くなるため、後透過液晶フィルム5dの後方の領域の視認性が低下する。つまり、これら前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dの前方から前透過液晶フィルム5cや後透過液晶フィルム5dの背面側に配設された後役物450を視認することが困難または不可能となるため、液晶パネル5aの表示画面に表示されている画像の後方に後役物450が重なることにより表示画像が見にくくなることが防止される。
尚、本実施例では、状態Aにおいて、前透過液晶フィルム5cを拡散状態(乳白色)とするようになっているため、導光板507の前面から出射された光が前透過液晶フィルム5cを透過する際に拡散されるので、導光板507の前面に光拡散フィルム等を貼付しなくて済むが、本発明はこれに限定されるものではなく、状態Aにおいて、前透過液晶フィルム5cを非拡散状態(透明)とするようにしてもよい。
図32(B)は、演出表示装置5の液晶パネル5aにて後役物450の表示及び演出図柄としての小図柄の変動表示を行うときの演出ユニット600の状態(状態B)を示している。状態Bにおいて、演出制御用マイクロコンピュータは、バックライト5bを点灯させて(表示用LED506;ON)、液晶パネル5aの表示画面の右上部に小図柄の変動表示の画像を表示させるとともに、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dに電圧を印加して透過する光を拡散しない非拡散状態(透明)とする。また、後役物LED451を点灯する(後役物LED451;ON)とともに、後役物バックライト用LED611を消灯する(後役物バックライト用LED611;OFF、図32(D)参照)。
この場合、液晶パネル5aにて表示するのは小図柄だけであり、表示画面の右上部以外の領域には画像が表示されないばかりか、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dが非拡散状態、つまり、透明となるため、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dの後方の領域の視認性が高くなる。また、後役物LED451が点灯することで、液晶パネル5aの前方から、該液晶パネル5a、前透過液晶フィルム5c、導光板507、後透過液晶フィルム5dを透して後役物450が見えやすくなる。
尚、ここでは後役物LED451が点灯することにより後役物450の視認性が高まっているが、特に後役物LED451を点灯させなくてもよい。また、液晶パネル5aの表示画面の一部に画像を表示するためにバックライト5bを点灯させているが、表示画面に画像を表示させない場合には、バックライト5bを消灯するようにしてもよい。尚、この場合、後透過液晶フィルム5dの後方の空間に光が届きにくくなり、後役物450の周囲(背景)が暗くなるので、後役物450がより鮮明に見えるようになる。
図32(C)は、演出表示装置5の液晶パネル5aにて後役物450の表示及び演出図柄としての小図柄の変動表示を行うときの演出ユニット600の状態(状態C)を示している。状態Cにおいて、演出制御用マイクロコンピュータは、バックライト5bを点灯させて(表示用LED506;ON)、液晶パネル5aの表示画面の右上部に小図柄の変動表示の画像を表示させるとともに、前透過液晶フィルム5cに電圧を印加して透過する光を拡散しない非拡散状態(透明)とする一方、後透過液晶フィルム5dに電圧を印加せずに拡散状態(乳白色)とする。また、後役物LED451を消灯する(後役物LED451;OFF)とともに、後役物バックライト用LED611を点灯する(後役物バックライト用LED611;ON、図32(D)参照)。
この場合、液晶パネル5aにて表示するのは小図柄だけであり、表示画面の右上部以外の領域には画像が表示されないばかりか、前透過液晶フィルム5cが非拡散状態、つまり、透明となるため、前透過液晶フィルム5cが拡散状態の場合よりも後方の領域の視認性は高まるが、後透過液晶フィルム5dが拡散状態となり、後方からの白色光により乳白色となるため、後透過液晶フィルム5dの背面側に配設されている後役物450を前方から見ることが困難または不可能となる。また、後役物LED451が消灯する一方、後役物バックライト用LED611が点灯して後役物450が後方から照らされる。すなわち、後役物450の光源が該後役物450の背面側にあることで、後役物450の影(後役物450の輪郭)が後透過液晶フィルム5dの背面に映り込む。言い換えると、後透過液晶フィルム5dの背面における後役物450に対応する領域の周囲にのみ光が入射し、後役物450に対応する領域には光が入射しないため、後透過液晶フィルム5dの前方から後役物450を見た場合、後透過液晶フィルム5dに後役物450の輪郭(外形)と同じ影(シルエット)が形成されて見える。
また、本実施例では、状態Aにおいては、後役物450の影が映り込むことを防止するために、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5d双方に電圧を印加せず拡散状態とするようにし、状態Cにおいては、後役物450の影の映り込みが見えるように前透過液晶フィルム5cに電圧を印加して非拡散状態(透明)となるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、後透過液晶フィルム5dのみに電圧を印加して非拡散状態とするようにしてもよいし、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5d双方に電圧を印加して非拡散状態とするようにしてもよい。また、状態Cにおいて、液晶パネル5aには必ずしも画像を表示させなくても良い。
尚、ここでは後役物LED451が消灯することにより後役物450のシルエットが形成されやすくなっているが、複数のうち一部(例えば、キャラクタの目など)の後役物LED451のみを点灯させてもよい。また、液晶パネル5aの表示画面の一部に画像を表示するためにバックライト5bを点灯させているが、表示画面に画像を表示させない場合には、バックライト5bを消灯するようにしてもよい。尚、この場合、後透過液晶フィルム5dに対し光が入射されにくくなるので、後役物450のシルエットがより鮮明に見えるようになる。
次に、図33〜図36に基づいて、スーパーリーチ演出の一例を説明する。
本実施例では、変動パターンとしてスーパーリーチが選択されたとき、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出において、以下に説明する前役物300と後役物450とによる特別演出を実行する。
以下、スーパーリーチ演出について説明すると、まず、演出制御用マイクロコンピュータは、演出ユニット600を状態Aとしているため、液晶パネル5aの後方の後役物450は視認することが困難とされている。そして、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動表示を開始した後(図33(A)参照)、演出図柄表示エリア5L,5Rに「7」図柄を停止表示してリーチ状態とすると(図33(B)参照)、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに表示していた演出図柄を右上方部の小図柄の表示エリアに縮小表示させるとともに、味方キャラクタC1と敵キャラクタC2とを出現させてスーパーリーチ演出を開始する(図33(C)参照)。尚、味方キャラクタC1は、後役物450と同じキャラクタとされており、スーパーリーチ演出においては、味方キャラクタC1と敵キャラクタC2とが対決し、後役物450が出現して味方キャラクタC1が勝てば大当り、後役物450が出現せず対決に負ければハズレとなる。
次いで、対決が開始された後(図33(D)参照)、所定期間が経過したとき、前役物300のLED364を発光するとともに、演出表示装置5の表示画面に後役物450の影を表示させる(図34(E)参照)。つまり、演出制御用マイクロコンピュータは、演出ユニット600を状態Aから状態Cに切替ることで、図34(E’)に示すように、液晶パネル5aの表示画面右上方部にのみ小図柄を縮小表示し、表示画面の右上部以外の領域には画像を表示しないばかりか、前透過液晶フィルム5cを非拡散状態(透明)とする一方、後透過液晶フィルム5dを拡散状態(乳白色)とし、また、後役物LED451の目に対応するLEDのみ点灯して他のLEDを消灯し、後役物バックライト用LED611を点灯して後役物450を後方から照らすることで、後役物450の影(後役物450の輪郭)が後透過液晶フィルム5dの背面に映り込む。
このように、後役物450の影(後役物450の輪郭)が後透過液晶フィルム5dの背面に映り込む所定演出を実行することで、後役物450が出現することが示唆されるため、遊技者の期待感を高めることが出来る。また、液晶パネル5aの後方位置にある後透過液晶フィルム5dの背面に後役物450の本当の影を映し出して表示することで、液晶パネル5aに味方キャラクタC1の影の画像を表示する場合に比べ、より後役物450の近くで影を表示することが出来るため、後役物450の存在感を高めることが出来る。
状態Cに切替えてから所定時間が経過したら、演出制御用マイクロコンピュータは、演出ユニット600を再び状態Aに切替え、前役物300を退避位置から演出位置まで下降させるとともに(図34(F)参照)、演出表示装置5の表示画面に小図柄及び背景画像を表示する(図34(F’)参照)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータは、状態Aから状態Bに切替え、前役物300の左右の第1演出可動部352L、352Rを互いに離れたり近づいたりするように左右に往復移動させる、つまり、合体位置と非合体位置との間で往復移動させるとともに(図34(G)参照)、背景画像の左右方向の中央位置を、第1演出可動部352L、352Rの対向面(内側面)に合わせて左右に移動表示させる(図34(G’)参照)。これにより、第1演出可動部352L、352Rが背景画像の左右方向の中央部を左右に切り裂いて開くように見せることができるとともに、開かれた部分、つまり、背景画像の非表示領域から液晶パネル5a、前透過液晶フィルム5c、導光板507、後透過液晶フィルム5dを透して後方の後役物450の一部が見えるため、後役物450の出現に対する期待感を高めることが出来る。
また、上述したように、指を模した第2演出可動部353L、353R(図28)、及び第3演出可動部358L、358R(図28)を第1演出可動部352L、352Rと連動させることにより、後役物450のキャラクタが指を第1演出可動部353L、353Rに掛けて開閉しているかのように視認させることができる。これにより、第1演出可動部353L、353Rの開閉動作による演出によって、パチンコ遊技機1の興趣を高めることができる。
このように、液晶パネル5aの前後に配設された前役物300及び後役物450双方が同時に、かつ、前後に重畳するように視認可能となる特別演出が実行されることで、前後方向に奥行き感のある演出を提供することができる。また、このとき前役物300は演出位置であり、後役物450の前方位置において該後役物450と前後に重畳する位置にあることで、遊技者からは互いに前後に重なって見えるため、一体感のある演出を実行することができる。
そして、当該変動表示の表示結果が大当り表示結果となる場合、演出制御用マイクロコンピュータは、前役物300を演出位置から上昇させて退避位置まで移動させるとともに(図35(H)参照)、背景画像を、左右方向の略中央位置から左右辺部に向けて縮小表示(扉が左右に開くような表示)させる(図35(H’)参照)。これにより、背景画像の非表示領域が漸次大きくなるため、後役物450が漸次出現するように見える。
最終的に背景画像がなくなることで、後役物450全体が液晶パネル5a、前透過液晶フィルム5c、導光板507、後透過液晶フィルム5dを透して視認可能となる(図35(I)参照)。そして、液晶パネル5aの右上方部に表示していた小図柄全てを停止表示させ、表示画面における後役物450の下部位置辺りに「大当り!!」の文字を表示するとともに、表示画面における後役物450と前後に重畳する領域の周囲、つまり、画像表示手段である液晶パネル5aにおいて後方演出物である後役物450と前後に重畳して視認されない非重畳領域にエフェクト画像を表示して(図35(I’)参照)、後役物450が出現したことを強調することで、大当りとなった旨を遊技者に報知する。
一方、当該変動表示の表示結果がハズレ表示結果となる場合、演出制御用マイクロコンピュータは、図34(G)の後、第1演出可動部352L、352Rを合体位置まで移動させるとともに(図36(J)参照)、背景画像を、第1演出可動部352L、352Rの移動に合わせて、左右方向の略中央位置に向けて拡大表示(左右の扉が閉じるような表示)させる(図36(J’)参照)。これにより、背景画像の表示領域が漸次大きくなるため、後役物450が漸次見えなくなっていく。
最終的に表示画面が背景画像にて覆われるとともに、前役物300が上昇して退避位置まで移動することで、後役物450が視認不可能または困難となる(図36(K)参照)。そして、液晶パネル5aの右上方部に表示していた小図柄全てを停止表示させ、表示画面に「敗北・ .・」の文字を表示して(図36(K’)参照)、後役物450が出現しなかったことを示唆することで、ハズレとなった旨を遊技者に報知する。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、第1演出可動部352L及び第1演出可動部352Rが、互いに密着した第1位置から、左右に開いた第2位置まで移動する間に、第2演出可動部353L、353R、及び第3演出可動部358L、358Rを、第1演出可動部352L、352Rから突出させて、遊技者に視認させることができる。これにより、演出効果を高めることができ、興趣を高めた遊技機を提供することができる。
また、第1演出可動部352L、352Rが、第1位置から第3位置(図26に示す位置)まで移動する間、第2演出可動部353L、353Rを、徐々に第1演出可動部352L、352Rから突出させることができる。一方、第1演出可動部352L、352Rが、第3位置から第2位置まで移動するまでの間、第2演出可動部353L、353Rを第1演出可動部352L、352Rの動きに追随させて、一体的に第2位置に向けて移動させることができる。さらに、左右方向を向いていた第2演出可動部353L、353Rの先端が、前方を向くように、第2演出可動部353L、353Rを回動させることができる。このように、第1演出可動部352L、352Rが、第1位置から第2位置まで移動する間、第2演出可動部353L、353Rに、複数の異なる動きをさせることができる。これにより、第1演出可動部352L、352Rと第2演出可動部353L、353Rとで複雑な動きによる演出を行うことができ、興趣を高めた遊技機を提供することができる。
また、第1演出可動部352L、352Rには、第3演出可動部358L、358Rが取り付けられている。第3演出可動部358L、358Rは、図25に示すように、第2演出可動部353L、353Rよりも先に、第1演出可動部352L、352Rから突出するとともに、左右方向のみの動きをする第2演出可動部353L、353Rと異なり、上下方向にも移動する。このように、第3演出可動部358L、358Rに第2演出可動部353L、353Rとは異なる動きをさせることができるため、複雑な動きによる演出を行うことができ、興趣を高めた遊技機を提供することができる。
また、このような第1演出可動部352L、352R、第2演出可動部353L、353R、及び第3演出可動部358L、358Rによる複雑な動きは、1つの駆動源(第2演出用モータ367)により実現することができる。そのため、前役物300の構成を簡単なものとすることができるとともに、製造コストを抑制することができる。
また、第1演出用可動体303Lを構成する、第1演出可動部352L、第2演出過動部353L、及び第3演出可動部358Lと、第1演出用可動体303Rを構成する第1演出可動部352R、第2演出過動部353R、及び第3演出可動部358Rとは、所定の基準線L(図25)に対して対称に移動する。そのため、指を模した第2演出可動部353L、353R、及び第3演出可動部358L、358Rによって、第1演出可動部352Lと第1演出可動部353Rとが引き裂かれたような演出が可能となる。これにより、興趣を高めた遊技機を提供することができる。
また、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとが離間して形成された領域に、第2演出可動部353L、353R、及び第3演出可動部358L、358Rを出現させることができる。これにより、遊技者が注目しやすい領域に、第2演出可動部353L、353R、及び第3演出可動部358L、358Rを出現させることができ、興趣を高めた遊技機を提供することができる。
本発明は、上記実施例に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施例では、第1演出可動部352Lと第1演出可動部352Rとの2つの移動体を設けたが、さらに多くの移動体を設けてもよいし、1つの移動体のみを設けるようにしてもよい。また、移動体の移動方向は、上記実施例のように左右方向に限定されずに、上下方向でもよいし、斜め方向でもよい。例えば、初期状態において、上下方向に移動可能な2つの移動体と、左右方向に移動可能な2つの移動体とを1箇所に集めて、互いが離間するように上下左右方向に移動させるような演出を行ってもよい。
また、上記実施例では、スーパーリーチ演出において前役物300による演出を実行したが、これに限定されるものではない。例えば、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出、例えば、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割り込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される種々の予告や、大当り遊技中のラウンド昇格予告や確変昇格予告、変動表示がされていない状態で実行されるデモ演出、大当り遊技中に実行される大当り演出等、種々の演出に適用可能である。
なお、本発明において、移動体(第1演出可動部352L、352R)と、装飾体(第2演出可動部353L、353R、及び第3演出可動部358L、358R)とが一体的に移動するとは、移動体と装飾体との相対的な位置関係が変化することなく移動する場合の他、移動体と装飾体との相対的な位置関係が変化するもののその変化が小さい移動や、例えば親ガモについていく子ガモのように、いずれか一方の移動が他方の移動と関連しているかのように認識されうる態様の移動も含むものとする。
また、第2演出可動部353L、353Rと、第3演出可動部358L、358Rは、指を模して形成されたものであると説明したが、第1演出可動部352L、352Rに表記された模様や、演出表示装置5に表示する画像に適した、他の形状のものから構成されてもよい。
また、上記実施例においては、2つの移動体(第1演出可動部352L、352R)が所定の基準線に対して対称に移動する場合について説明した。しかしながら、2つの移動体のうち、一方の移動体のみを、他方の移動体から離間するように移動させてもよい。この場合、2つの移動体が同時に移動する場合と比べて、大当たりの期待度を低く設定してもよい。また、一方の移動体を移動させてから時間をおいて、他方の移動体を移動させるようにしてもよい。このように、時間差で移動体を移動させることにより、遊技者に大当たりとなる期待を抱かせる演出が可能となる。
また、第1演出可動部352L、352R、第2演出可動部353L、353R、及び第3演出可動部358L、358Rを、1つの駆動源(第2演出用モータ367)により動作させていたが、それぞれの可動部に駆動源を設けて、互いに独立した動作をさせるようにしてもよい。それぞれの可動部に設けた駆動源は、演出制御用CPU120により駆動制御することで、上述した演出用可動体302の演出動作を実現することができる。あるいは、第1演出可動部352L、352R、及び第2演出可動部353L、353Rを共通の駆動源で駆動し、第3演出可動部358L、358Rは異なる駆動源で駆動するようにしてもよい。このように、駆動源は、可動部がどのような動作を行うかによって、適宜設置することができる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技に関する画像(例えば、演出図柄など)を表示可能であるとともに、その後方の領域を前方から視認可能な透過性を有する画像表示手段としての液晶パネル5aと、液晶パネル5aの後方に設けられ、後方の領域が視認可能となる非拡散状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる拡散状態とに切替可能な切替手段としての前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dと、液晶パネル5aの前方に設けられる前方演出物としての前役物300と、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dの後方に設けられる後方演出物としての後役物450と、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dを後方の領域が視認可能となる状態とするときに、後役物450と前役物300とによる特別演出(例えば、スーパーリーチ演出において、前役物300と後役物450とが視認可能となる特別演出を実行する部分、図34(G)、図35(H)(I)等参照)と、を実行する演出制御用マイクロコンピュータと、を備えることで、液晶パネル5aの前後に配設された前役物300と後役物450とを用いて、奥行き感のある演出を実行することができるので興趣が向上する。
また、前役物300は、後役物450に少なくとも一部が前後に重畳して視認される重畳位置(例えば、図31(B)参照)と重畳して視認されない非重畳位置(例えば、図31(A)参照)との間で移動可能に設けられ、演出制御用マイクロコンピュータが、スーパーリーチ演出において、前役物300を後役物450と前後に重畳する演出位置に移動させて特別演出を実行することで、前役物300と後役物450とで一体感のある演出を実行することができるので興趣が向上する。
また、前記実施例では、前役物300を後役物450と前後に重畳する演出位置に移動させて特別演出を実行するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別演出は、必ずしも前役物300を後役物450と前後に重畳する演出位置に移動させる、つまり、少なくとも一方の役物を移動させることにより実行されるものでなくてもよく、例えば、液晶パネル5aの表示画面などの所定の領域内に前役物300と後役物450とが視認可能にとなる演出も特別演出に含まれる。
また、前記実施例では、前役物300のみが動作可能に配設され、後役物450は動作不能に固設されていたが、後役物450も動作可能に配設してもよく、このように前役物300及び後役物450双方を互いに連動動作させる演出も特別演出に含まれる。すなわち、特別演出は、前役物300を後役物450とが連動した演出であると遊技者が認識させることができるものであればよく、「連動」として上記のように前役物300及び後役物450双方を動作させるときは、双方を同時に動作させるものであってもよいし、一方を動作させた後に他方を動作させることで遊技者に連動していると認識させることができるものであってもよい。また、前役物300と後役物450とは、同じ動作態様にて動作してもよいし、異なる動作態様にて動作してもよい。さらに、前役物300と後役物450とが合体(当接)して一の役物が構成されるように見せるものでもよい。
また、特別演出は、上記のように前役物300及び後役物450のうち少なくとも一方を移動させるものに限定されるものではなく、「連動」として、前役物300及び後役物450双方または少なくとも一方の態様を同時または交互に変化させる(例えば、役物の所定部位を振動、回動、発光させる)演出であってもよい。
また、前記実施例では、液晶パネル5aの前方に一の前役物300が配設されていたが、複数の前役物が配設されていてもよい。また、液晶パネル5aの後方に一の後役物450が配設されていたが、複数の後役物が配設されていてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータは、スーパーリーチ演出において、液晶パネル5aにおいて後役物450の周囲の領域に特別演出用画像として背景画像を表示させる(図34(G’)参照)ことで、背景画像により後役物450が装飾されて迫力ある演出を実行することができるので興趣が向上する。
より詳しくは、液晶パネル5aにおいて後役物450の周囲の領域に特別演出用画像が表示されることで、液晶パネル5aにおける後役物450の周囲の領域を透して、筐体601内の構造物等が視認されることも防止されるため、前役物300と後役物450とに遊技者を注視させることができる。尚、本実施例では、特別演出用画像として背景画像が適用されていたが、背景画像に限定されるものではなく、種々の画像を表示可能である。
また、演出制御用マイクロコンピュータが、後役物450を後方から照射する照射手段としての後役物バックライト用LED611と、後透過液晶フィルム5dが拡散状態であるときに後役物バックライト用LED611により後役物450を後方から照射することにより、液晶パネル5aの前方から該後役物450の輪郭が視認可能となる所定演出を実行することで、後透過液晶フィルム5dが拡散状態であるときにも後役物450を用いた演出が実行できるので興趣が向上する。
また、前記実施例では、上記特別演出、特別演出用画像の表示、所定演出はスーパーリーチ演出において実行されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、このような特別演出、特別演出用画像の表示、所定演出は、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出、例えば、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割り込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される種々の予告や、大当り遊技中に実行される大当り演出等、種々の演出に適用可能である。
また、前記実施例では、後役物450の影(後役物450の輪郭)が後透過液晶フィルム5dの背面に映り込む所定演出は、スーパーリーチ演出において実行されるようになっていたが、例えば、該所定演出を複数変動に亘って実行することで、特別演出が実行される可能性を示唆するようにしてもよい。
具体的には、例えば、CPU103は、始動入賞処理において変動パターン判定テーブルと始動入賞時に抽出した変動パターン判定用の乱数値とを用いて変動カテゴリ(変動パターン)を判定し、該判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するようにするとともに、演出制御用CPU120は、特別演出が実行されるスーパーリーチに対応した変動カテゴリ(変動パターン)を示す変動カテゴリ指定コマンドを受信したことに基づき、該スーパーリーチの変動パターンに基づく変動表示を開始するより前に複数の保留記憶があることを条件に、該複数の保留記憶に対応する変動表示に亘って、スーパーリーチの変動パターンに基づく変動表示結果が「大当り」となる可能性などを示唆する先読み予告を実行可能とする場合において、該複数の保留記憶に対応する変動表示に亘って実行される先読み予告として前記所定演出を実行するようにしてもよい。
また、前透過液晶フィルム5cおよび後透過液晶フィルム5dは、電圧を印加することで透過する光を拡散しない非拡散状態(透明)となり、電圧を印加しないことで透過する光を拡散する拡散状態(乳白色)となることで、切替手段の構造が大型化することを抑制できるので、奥行き幅を抑えることが可能となる。
また、遊技に関する画像(例えば、演出図柄など)を表示可能であるとともに、その後方の領域を前方から視認可能な透過性を有する画像表示手段としての液晶パネル5aと、液晶パネル5aの後方に設けられ、液晶パネル5aへ表示用の光を供給可能な発光手段としての表示用LED506と導光板507とからなるバックライト5bと、液晶パネル5aの後方に設けられ、後方の領域が視認可能となる非拡散状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる拡散状態とに切替可能な切替手段としての前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dと、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dの後方に設けられる演出物としての後役物450と、を備え、バックライト5bは、透過性を有するとともに、端面から内部に入射された表示用LED506からの光を前方に反射して出射させることで面発光する導光板507にて構成されることで、後役物450の視認を妨げることなく、発光手段により液晶パネル5aの背面全域を略均一に照射することができる。
また、前透過液晶フィルム5cは、バックライト5bの前方に設けられ、拡散状態であるときはバックライト5bからの光を拡散することで、液晶パネル5aの背面全域を略均一に照射することができる。
さらに、後透過液晶フィルム5dは、バックライト5bの後方にさらに設けられることで、拡散状態であるときにバックライト5bの後方に出射される光を前方に反射させることができるため、液晶パネル5aを明るくすることができる。
また、遊技に関する画像(例えば、演出図柄など)を表示可能であるとともに、その後方の領域を前方から視認可能な透過性を有する画像表示手段としての液晶パネル5aと、液晶パネル5aの後方に設けられ、液晶パネル5aへ表示用の光を供給可能な発光手段としてのバックライト5bと、バックライト5bの前方に設けられ、後方の領域が視認可能となる非拡散状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる拡散状態とに切替可能な前方切替手段としての前透過液晶フィルム5cと、バックライト5bの後方に設けられる演出物としての後役物450と、バックライト5bと後役物450との間に設けられ、非拡散状態と拡散状態とに切替可能な後方切替手段としての後透過液晶フィルム5dと、を備え、後透過液晶フィルム5dは、電圧の印加により後方の領域が視認可能となる非拡散状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる拡散状態とに切替可能であることにより、ロールスクリーンのような構造物に比べて奥行き幅を抑えつつ、液晶パネル5aに後役物450の影が映ることを防止できる。
また、前透過液晶フィルム5cは、電圧を印加することで透過する光を拡散しない非拡散状態(透明)となり、電圧を印加しないことで透過する光を拡散する拡散状態(乳白色)となることで、ロールスクリーンのような構造物に比べて構造が大型化することを抑制できるので、奥行き幅を抑えることが可能となる。
また、遊技に関する画像(例えば、演出図柄など)を表示可能であるとともに、その後方の領域を前方から視認可能な透過性を有する画像表示手段としての液晶パネル5aと、液晶パネル5aの後方に設けられ、液晶パネル5aへ表示用の光を供給可能な発光手段としてのバックライト5bと、液晶パネル5aの後方に設けられ、後方の領域が視認可能となる非拡散状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる拡散状態とに切替可能な切替手段としての前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dと、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5dの後方に設けられる演出物としての後役物450と、後役物450を照射する照射手段としての後役物バックライトLED311と、を備えることで、後役物450の周囲が暗く視認し難くなってしまうことを防止できる。
また、本実施例では、演出物の一例である後役物450を照射する照射手段の一例として、該後役物450を後方から照射可能な後役物バックライト610が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、後役物450を前方(詳しくは、斜め左右前方位置)から照射可能に設けられる後役物ライトの後役物照射LEDであってもよく、このようにすることで、後役物450の前面側を明るくすることで前方から視認しやすくすることができる。
さらに、例えば、前役物300の背面から光を照射可能な後役物照射LED404c,404dとしてもよい。このように、液晶パネル5aの前方に配置される後役物照射LED404c,404dからの光を、液晶パネル5a、前透過液晶フィルム5c及び後透過液晶フィルム5d、導光板507を透して照射するものでもよい。
また、後役物450を側方(詳しくは、左右側方)から照射可能に設けられる後役物ライト560a,560bの後役物照射LED561a,561bであってもよく、このようにすることで、後役物450の後方に照射手段を配置しなくて済むため、演出ユニット600の筐体601の前後の奥行き幅を抑えることが可能となる。
また、後役物450を照射する照射手段は、前記実施例のように後役物バックライト用LED611のように1箇所に配設されているものに限らず、複数個所に配設されていてもよい。また、後役物バックライト用LED611のように後役物450の後方にのみ配設した場合でも、ミラー等の反射板等を配設することにより、後役物バックライト用LED611からの光を反射させて後役物450の前方から光が照射されるようにしてもよい。
尚、前記実施例では、状態B(図32(B)参照)において、後役物バックライト用LED611を消灯していたが、後役物バックライト用LED611を点灯させて後役物450の周囲が明るくなるようにしてもよい。また、状態B(図32(B)参照)において、後役物LED451を点灯させることで後役物450の視認性を向上させていたが、後役物LED451に替えて、役物照射LED404c,404d、後役物照射LED551a,551b、後役物照射LED561a,561bのうち少なくとも一の照射手段にて照射するようにしてもよい。
さらに、前記実施例では、後役物450の内部に、前方に向けて光を出射可能な後役物LED451が配設されていたが、上記後役物バックライト用LED611、役物照射LED404c,404d、後役物照射LED551a,551b、後役物照射LED561a,561b等、後役物450の外部から照射可能な照射手段と組み合わせて配設してもよい。
また、前記実施例では、バックライト5bの前方に前透過液晶フィルム5cが配設され、バックライト5bの後方に後透過液晶フィルム5dが配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前透過液晶フィルム5cおよび後透過液晶フィルム5dのうち一方が設けられていればよい。また、前透過液晶フィルム5cおよび後透過液晶フィルム5dは、液晶パネル5aの後方に設けられていれば、バックライト5bの前方または後方のいずれかに前透過液晶フィルム5cおよび後透過液晶フィルム5d双方が設けられていてもよい。
また、前記実施例では、バックライト5bは、透過性を有するとともに、端面507aから内部に入射された光を前方に反射して出射させることで面発光する導光板507と、端面507aに光を照射する表示用LED506と、から構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、透過性を有するとともに、端面から内部に入射された光を前方に反射して出射させることで面発光する面発光手段であれば、例えば、光源は発光ダイオード(LED)ではなく、冷陰極蛍光管等であってもよい。
また、前記実施例では、バックライト5bは、端面から内部に入射された光を前方に反射して出射させることで面発光する面発光手段であり、画像表示手段としての液晶パネル5aの背面に対して光を略均一に照射できるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示手段へ表示用の光を供給可能な発光手段であれば、必ずしも画像表示手段に対して光を略均一に照射できるものでなくてもよい。
また、前記実施例では、後役物450を照射する照射手段として、後役物バックライト用LED611がバックライト5bとは別個に配設されていたが、液晶パネル5aへ表示用の光を供給するバックライトの光により後役物450を照射する照射手段としてもよい。
また、前記実施例では、切替手段の一例として、電圧を印加することにより拡散状態と非拡散状態とに切替え可能な透過液晶フィルムが適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、後方の領域が視認可能となる状態と後方の領域が視認不可能または視認困難となる状態とに切替可能なものであれば、例えば、後方の領域が視認可能となる視認可領域と、後方の領域が視認不可能または視認困難となる視認不可領域と、を有するフィルム等を、液晶パネル5aの後方に視認可領域と視認不可領域とを選択的に配置可能なロールスクリーンや、後方の領域が視認可能となる視認可領域と、後方の領域が視認不可能または視認困難となる視認不可領域と、を有するシャッタ装置等の構造物を適用してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
前記実施例では、上方位置にある演出用可動体302を下方位置へ落下させる落下演出は、予告演出や大当り中演出等の各種演出として実行可能とされていたが、スロットマシンの場合、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等)の付与、遊技者にとって有利な押し順が報知されるアシストタイム(以下、ATと略称する)の付与、ATの継続率引き上げやATのストック数上乗せといったより有利なATの付与、ATに移行しやすい状態の付与、特定役の付与などが決定された可能性を示唆する示唆演出として、上記のように上方位置にある演出用可動体302を下方位置へ落下させる落下演出を適用してもよい。
尚、このような場合、ゲームの進行を制御する遊技制御手段から出力された制御情報に基づいて演出の制御を行う演出制御手段は、内部抽選結果がボーナスである場合やATの付与が決定されている場合、ハズレの場合やATの付与が決定されていない場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で前記第1演出パターンを決定し、内部抽選結果がハズレである場合やATの付与が決定されていない場合、ボーナスである場合やATの付与が決定されている場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で前記第2演出パターンを決定するようにしてもよい。