まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面から見て略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。また、演出ユニット300における後述する可動体装置400及び第2導光板装置410と遊技盤2の背面との間には後述する第1導光板装置500が設けられており、遊技盤2における開口2cから後述する第1導光板511、第2導光板521を透して可動体装置400の上部可動体402L,402R及び下部可動体403L,403R及び演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、導光板LED607、駆動モータ603A、原点位置センサ516といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9、導光板LED607の発光及び駆動モータ603Aの駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
また、本実施例では、上記予告を含む各種演出として、後述するように、可動体装置400の上部可動体402L,402R及び下部可動体403L,403Rによる可動体演出や、第2導光板装置410を用いた発光演出や、第1導光板装置500を用いた発光演出(演出表示)や、演出ユニット300(可動体装置400、第2導光板装置410、第1導光板装置500)、スピーカ8L,8R、及び演出用LED9による複合演出を実行可能とされている。尚、これら各種演出は、例えば、変動表示中における所定タイミングや、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したタイミングで実行される。
次に、演出ユニット300について、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、演出ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図4は、演出ユニットの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図3及び図4に示すように、演出ユニット300は、演出表示装置5の前面側に配設される可動体装置400と、可動体装置400の前面側に配設される第2導光板装置410と、第2導光板装置410の前面側に配設される第1導光板装置500と、から主に構成される。可動体装置400は、枠状のベース部401と、ベース部401の上部に対し移動可能に設けられた上部可動体402L,402Rと、ベース部401の下部に対し移動可能に設けられた下部可動体403L,403Rとを有し、上部可動体402L,402R及び下部可動体403L,403Rは、遊技者から視認困難な待機位置と、演出表示装置5の表示画面の前側略中央位置に重畳する演出位置と、の間で上下方向に移動可能とされている。
第2導光板装置410は、枠状のベース部411と、ベース部411の内側に固定される環状の第2導光板412と、第2導光板412に光を照射するLED(図示略)と、を有し、LEDのON/OFFを切換えることで、第2導光板412が発光する発光演出状態と、第2導光板412が発光しない非発光演出状態と、に切換えることができる。尚、可動体装置400のベース部401と、第2導光板装置410のベース部411とは、複数のネジにより固定されている。
次に、第1導光板装置500について、図3~図19に基づいて説明する。図5は、第1導光板装置の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、第1導光板装置の構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図7は、発光装置の構成を斜め上方から見た状態を示す分解斜視図である。図8は、発光装置の構成を斜め下方から見た状態を示す分解斜視図である。図9は、第1導光板装置を示す正面断面図である。図10は、(A)は図9のA-A断面図、(B)は(A)の要部拡大部である。図11は、(A)は図9のB-B断面図、(B)は(A)の要部拡大部である。図12は、(A)は図9のC-C断面図、(B)は(A)の要部拡大部である。図13は、(A)は取付部材が第2位置に移動した上面概略図、(B)は取付部材が第3位置に移動した上面概略図である。図14は、(A)は取付部材が第1位置にある状態を示す正面概略図、(B)は取付部材が第2位置にある状態を示す正面概略図、(C)は取付部材が第3位置にある状態を示す正面概略図である。図15は、(A)は取付部材が第1導光板に対し平行に近接した状態を示す正面概略図、(B)は取付部材の一端が第1導光板に対し傾いて近接した状態を示す正面概略図である。図16は、第1導光板を示す正面図である。図17は、第1導光板装置における各位置決め用ボスと各挿入部との配置位置を示す正面図である。図18は、(A)は図17のD-D断面図、(B)は図17のE-E断面図である。図19は、(A)は第1導光板の通常時、(B)は第1導光板の熱膨張時の態様を示す正面図である。
図3~図6に示すように、第1導光板装置500は、第1導光板511と、第1導光板511を前後から挟むように保持する前保持部材503及び後保持部材505と、発光装置600と、から主に構成される。
図5及び図6に示すように、前保持部材503は、透光性を有する(透明な)アクリル樹脂により、板状の上辺部503H及び左右の側辺部503L,503Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部503Hは、所定の色で着色されており、透光性が低下している。尚、上辺部503Hは、スモークフィルム等が貼着されることにより透光性が低下されていてもよいし、非透光性部材により構成され透光性を有さなくてもよい。
上辺部503Hの背面左右側には、第1導光板511を前保持部材503に対する取付位置に保持する際の位置決め用の第1位置決め用ボス551(上辺部503Hの背面右側)と第2位置決め用ボス552(上辺部503Hの背面左側)とがそれぞれ突設されている。また、右の側辺部503Rの背面下位置には、第1導光板511を前保持部材503に対する取付位置に保持する際の位置決め用の第3位置決め用ボス542が突設されている。また、上辺部503H及び側辺部503L,503Rの各々の背面には、後保持部材505を取付けるための複数の保持枠用ボス545が突設されている。この前保持部材503は、図示しないネジにより遊技盤2のスペーサ部材の背面に取付けることで、遊技盤2の背面側に取付けられる。尚、左右の側辺部503L,503Rの前面下部には、装飾部材508L,508Rがそれぞれ固定されている。
第1導光板511は、透明なアクリル樹脂板により、背面に位置する演出表示装置5の表示画面のほぼ全域を被覆可能な大きさに形成されており、第1位置決め用ボス551を挿通可能な第1孔部511Aと、第2位置決め用ボス552を挿通可能な第2孔部511Bと、第3位置決め用ボス542が挿通可能な第3孔部511Cと、を備える。尚、第1孔部511A、第2孔部511B、及び第3孔部511Cの詳しい構成については後に詳述する。
後保持部材505は、非透光性を有する(不透明な)合成樹脂により、板状の上辺部505H及び左右の側辺部505L,505Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部505Hの前面には、前保持部材503の第1位置決め用ボス551が嵌合する第1位置決め孔580と、第2位置決め用ボス552が嵌合する第2位置決め孔583と、が設けられている。また、右の側辺部505Rの前面下位置には、第3位置決め用ボス542が嵌合する第3位置決め孔(図示略)が設けられている。尚、上辺部503H及び側辺部505L,505Rの各々の背面には、前保持部材503の保持枠用ボス545が嵌合する保持枠用孔部546が設けられている。また、上辺部505Hの上部には、発光装置600が取付けられている。
次に、図7及び図8に基づいて発光装置600の構造について説明する。図7及び図8に示すように、発光装置600は、ベース部材601と、取付部材602と、駆動機構603と、上部カバー部材604と、下部カバー部材605と、導光板LED607と、を主に備えている。
ベース部材601は、左右方向に延設されており、長手方向(左右方向)に沿って延びるガイド溝601aが該ベース部材601の右後側に上下方向に貫通して形成されている。また、ベース部材601には、ガイド溝601aの前方に左右方向に延びるシャフト606が配設されており、シャフト606には左右に離間してリニアブッシュ606A,606Bが該シャフト606に沿って移動可能に取付けられている。また、ベース部材601の下面におけるシャフト606よりも左側には、取付部材602の移動を案内する案内軸601bが下方に突設されている。
取付部材602は、上取付部材602Aと下取付部材602Bとを備えている。上取付部材602Aは、リニアブッシュ606A,606Bの上半分に嵌合可能な凹部610a,610bを有する嵌合部610と、嵌合部610から前方に張り出す膨出部611と、を備えている。嵌合部610の後方側下面には、ベース部材601のガイド溝601aに挿通される案内軸610cが下方に突設されている。
図8の拡大部及び図9に示すように、膨出部611は、前壁部611a、後壁部611b、左右の側壁部611c,611d、及び上壁部611eを備えている。上壁部611eの中央部には、上下方向に貫通する貫通孔611fが設けられており、上壁部611eの下面には、導光板LED607を有するLED基板609がスペーサ部材620を介してネジNにより取付けられている。尚、スペーサ部材620は、貫通孔611fに挿通される凸部620aを備えており、これにより膨出部611とスペーサ部材620との位置合わせがされる。また、側壁部611c,611dの下端には、前後方向に延設され下方に突出するリブ612L,612Rが設けられている。
また、LED基板609の前辺における導光板LED607に対応する部分には前側に突出する突出部609Aが形成されており、これにより導光板LED607を極力前側に配置できるようになっている。また、前壁部611aの下端辺における突出部609A(導光板LED607)に対応する位置には、切欠部611gが形成されており、LED基板609の一部である突出部609Aが収容されている。
具体的には、導光板LED607やLED基板609を遊技者側から見えないようにするためにこれらの前方を遮るように非透過性の前壁部611aが設けられているが、膨出部611の前側に配置される前保持部材503の上辺部503Hなどの部材との干渉を避けるため、膨出部611を前側に配置するには限界がある。一方、導光板LED607を第1導光板511の上端面511aに対応する位置に配置しようとすると、導光板LED607がLED基板609の前辺(端)にかかってしまうため、突出部609Aを形成しこれを切欠部611gにより収容可能としている。
図7及び図8に戻って、下取付部材602Bは、リニアブッシュ606A,606Bの下半分に嵌合可能な凹部613a,613bを有する嵌合部613と、嵌合部613の下面から左側に張り出す膨出部614と、を備えている。膨出部614には、左右方向に延びるガイド溝614aが上下に貫通して設けられているとともに、該膨出部614の背面側には、ラックギヤ部614bが形成されている。ガイド溝614aには、ベース部材601の案内軸601bが挿通されるようになっている。
また、上取付部材602Aと下取付部材602Bとは、リニアブッシュ606A,606Bを上下から挟み込むように凹部610a,610b及び凹部613a,613bを嵌合させ、嵌合部610及び嵌合部613をネジなどにより固定することで一体化される。上取付部材602Aと下取付部材602Bとがリニアブッシュ606A,606Bに取付けられた状態にあっては、膨出部614がベース部材601よりも前方側に突出するようになっている。
駆動機構603は、ベース部材601に固定される駆動モータ603Aと、駆動モータ603Aの駆動軸603aに固定されるギヤ603Bと、を備え、ギヤ603Bは、取付部材602におけるラックギヤ部614bに噛合するようになっている。したがって、駆動モータ603Aが駆動すると、その駆動力がギヤ603Bを介して取付部材602に伝達される。
上部カバー部材604は、ガイド溝601a及び駆動モータ603Aを被覆するようにベース部材601に固定されている。また、下部カバー部材605は、下側から下取付部材602Bを挟み込むようにベース部材601に固定されている。
導光板LED607は、赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる。つまり、導光板LED607は、複数色にて発光可能である。尚、この導光板LED607は、複数輝度にて発光可能に構成されている。
図9~図12に示すように、発光装置600は、後保持部材505の上辺部505Hの上部に組付けられている。詳しくは、ベース部材601が後保持部材505の上辺部505Hの背面にネジなどにより固定されていることにより、発光装置600が後保持部材505に組付けられた状態において該発光装置600の大部分は、後保持部材505の背面側に配設されている。また、取付部材602における膨出部611は、ベース部材601よりも前方側に突出しており、前保持部材503、後保持部材505、第1導光板511の上方に配置されている。
発光装置600が後保持部材505に組付けられた状態において、導光板LED607は、第1導光板511の上端面511aの直上位置に対向して下向きに光を照射可能に配置されている(図10参照)。したがって、導光板LED607が下方に向けて光を照射することにより、第1導光板511の上端面511aから該光が入射され、第1導光板511に設けられた反射部により前面側に向けて出射され該第1導光板511の表示部(前面側)にて所定の画像を発光表示可能となっている(図20参照)。また、膨出部611を構成する側壁部611dのリブ612Lと、膨出部611を構成する側壁部611cのリブ612Rも導光板LED607と同様に、第1導光板511の上端面511aの直上位置に配置されている(図11及び図12参照)。尚、膨出部611を構成する前壁部611aは、前保持部材503の上辺部503Hの上方に配置されている。
具体的には、特に図10(B)に示すように、導光板LED607は、寸法L10分第1導光板511よりも上方に離間して配置されており、リブ612L(リブ612R)は、寸法L10よりも小さな寸法L11分第1導光板511よりも上方に離間して配置されている(L10>L11)。言い換えれば、リブ612L(リブ612R)は、導光板LED607よりも第1導光板511側に突出する突出部として機能している。尚、第1導光板511の上端部と前保持部材503の上辺部503Hとの間には、装飾部材615が複数配置されている。この装飾部材615は、第1導光板511の前面から離間した位置に配置されており、装飾部材615と第1導光板511との間には後述する所定の隙間S20が形成されている。
次に、取付部材602の移動形態について図13~図15に基づいて説明する。図13に示すように、駆動モータ603Aを駆動させることによりギヤ603Bを介して取付部材602におけるラックギヤ部614bに駆動力が伝達され、これにより取付部材602が左右方向に移動するようになっている。また、導光板LED607及びリブ612L,612Rは、取付部材602の移動可能範囲において、常に第1導光板511の上端面511aの上方に配置されている。つまり、取付部材602は、第1導光板511の上端面511aに沿って移動可能であり、取付部材602の移動可能範囲は、導光板LED607及びリブ612L,612Rが第1導光板511の上端面511aに対向する所定位置となっている。言い換えれば、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに対向する所定位置において、リブ612L,612Rが第1導光板511の上端面511aと対向する。
また前述のように、取付部材602の案内軸610cは、ベース部材601のガイド溝601a内に挿入されており、ベース部材601の案内軸601bは、取付部材602のガイド溝614aに挿入されているため、ベース部材601に対する取付部材602の左右方向の移動が案内される。尚、取付部材602は、シャフト606に対する摩擦抵抗が低いリニアブッシュ606A,606Bにより取付けられているため、シャフト606に沿ってスムーズにスライド移動可能となっている。
また、ベース部材601の後面側には、原点位置センサ516が配設されており、該原点位置センサ516は、ガイド溝601aの左右方向略中央部の位置を検出している。また、取付部材602の後面側には、該取付部材602の左右方向の移動に伴ってガイド溝601aに沿って該ガイド溝601a上を走行する検出片602aが設けられており、検出片602aは、取付部材602が移動可能範囲における略中央位置にあるときに原点位置センサ516により検出されるようになっている。
具体的には、検出片602aが原点位置センサ516により検出されたときには、取付部材602は、その移動可能範囲における略中央位置である第1位置(原点位置、初期位置)に配置される(図14(A)参照)。また、取付部材602が第1位置にある状態から駆動モータ603Aによりギヤ603Bを正回転(上面視時計回り、図13参照)させることにより、取付部材602は、その移動可能範囲における右端位置である第2位置に配置される(図14(B)参照)。また、取付部材602が第1位置にある状態から駆動モータ603Aによりギヤ603Bを逆回転(上面視反時計回り、図13参照)させることにより、取付部材602は、その移動可能範囲における左端位置である第3位置に配置される(図14(C)参照)。
このように、取付部材602は、第1位置、第2位置、第3位置の間で左右方向に移動可能であるため、ベース部材601に対して相対移動しやすいように取付けられている。したがって、取付部材602は、パチンコ遊技機1を搬送すること、取付部材602が移動すること、遊技球が遊技領域10に打ち出されること、他の可動物(上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403Rなど)が動作すること等により生じる衝撃や振動などにより上下に動作することがある。例えば、図15に示すように、取付部材602が第1導光板511に対し略水平方向を向いた状態のまま近接する場合や、取付部材602が第1導光板511に対し傾いた状態で近接する場合などがある。
図15(A)に示すように、取付部材602が第1導光板511に対し略水平方向を向いた状態のまま近接した場合には、導光板LED607よりも第1導光板511側に突出するリブ612L,612Rが、導光板LED607よりも先に第1導光板511の上端面511aに接触するので、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触することを防止できる。
また、図15(B)に示すように、取付部材602の右の側壁部611cが左の左右の側壁部611dよりも下がった状態(取付部材602が第1導光板511に対し傾いた状態)で近接した場合にも同様に、導光板LED607よりも第1導光板511側に突出するリブ612Rが、導光板LED607よりも先に第1導光板511の上端面511aに接触するので、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触することを防止できる。尚、導光板LED607は、取付部材602の右の側壁部611c側に寄せて配置されているが、右の側壁部611cから左側に所定距離離間して配置されているため、取付部材602が第1導光板511に対し傾いた状態で近接した場合であっても、導光板LED607を右の側壁部611cに近接して配置した形態に比べて、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触しにくくなっている。
また、図示しないが、例えば、取付部材602がシャフト606を中心として回動するような場合には、取付部材602の前壁部611aが前保持部材503の上辺部503Hに接触、または取付部材602の後壁部611bが後保持部材505の上辺部505Hに接触して、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触することを防止できる(図10~図12参照)。また、図10(B)に示すように、リブ612L(リブ612R)は、その前後幅が第1導光板511の板厚寸法L15(前後幅)よりも大きくなっており、第1導光板511よりも背面側に延設されているため、取付部材602がシャフト606を中心として背面側(右側から見て時計回り)に回転したときに、導光板LED607よりも先にリブ612L(リブ612R)が第1導光板511の上端面511aに接触するようになっている。
図16に示すように、第1導光板511は、所定の板厚寸法{板厚(例えば、2.5mm)}を有する透明なアクリル樹脂板により形成されている。上端面511aは左右方向に延設される平坦面からなり、左右側辺部及び下辺部は前保持部材503及び後保持部材505に沿うように形成されており、演出表示装置5の表示画面及び可動体装置400の上部可動体402L,402R及び下部可動体403L,403Rの前方を被覆可能な形状とされている(図3及び図4参照)。
第1導光板511は、アクリル樹脂材により板厚寸法が約2.5mmの透明板からなり、遊技盤2を構成する透明な合成樹脂材からなる盤面板の板厚寸法L15(例えば、約10mm)に比べて肉薄であるため、後述するように、パチンコ遊技機1に組付けられた状態において、パチンコ遊技機1の内部の温度変化により伸び縮みが発生することがある。
パチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側はガラス扉枠50により閉鎖され、背面側はカバー体(図示略)により閉鎖されており、これらガラス扉枠50とカバー体とにより閉鎖された内部空間には、液晶表示器等からなる演出表示装置5や、制御基板、LED、駆動源(モータやソレノイド)といった多数の熱源が設けられている。よって、パチンコ遊技機1の稼働時の内部温度は非稼働時に比べて高くなるため、演出表示装置5とガラス窓50aとの間に設けられる第1導光板511は、例えば、約40度の温度変化により最大で約1.6mmの伸び縮みが生じる。
具体的には、例えば第1導光板511の場合、反り公差(平面度交差)は約3~6mm程度とされているため、例えば、第1導光板装置500を遊技盤2の背面に取付けた状態において、前側の遊技盤2との離間寸法及び後側の演出表示装置5や他の部材との離間寸法は、6mmを超えた寸法とすることが好ましい。
一方、第1導光板装置500は、第1導光板511は、周縁の一部が前保持部材503及び後保持部材505により前後から挟持された状態で遊技盤2の背面側に取付けられる構造であるため、製造上の寸法公差や組付誤差によるアセンブリの歪みなどで前保持部材503及び後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞があるばかりか、上記したような温度変化による伸び縮みにより前保持部材503及び後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞がある。
よって、本実施例の第1導光板装置500は、以下に説明するように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化や、製造上の寸法公差や組付誤差に対応できるように、第1導光板511は、前保持部材503及び後保持部材505に対し所定の隙間(クリアランス)をもって取付けられている。
図16~図18に示すように、第1導光板511における右上部には、前保持部材503の背面右上側に突設された第1位置決め用ボス551が挿入可能な第1挿入部としての正面視円形状の第1孔部511Aが形成されている。また、第1導光板511における左上部には、前保持部材503の背面左上側に突設された第2位置決め用ボス552が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部511Bが形成されている。第2孔部511Bは左右方向に向けて延設される長孔にて構成されている。また、第1導光板511における右下部には、前保持部材503の背面右下側に突設された第3位置決め用ボス542が挿入可能な第2挿入部としての第3孔部511Cが形成されている。第3孔部511Cは上下方向に向けて延設される長孔にて構成されている。
第1孔部511Aは、該第1孔部511Aの中心を通る直線LN2が、上端面511a(第1導光板511の上辺)に沿う直線LN1に対し平行をなすように、上端面511aの近傍位置に形成されている。第2孔部511Bは、該第2孔部511Bの中心を通る直線LN3が、上端面511a(第1導光板511の上辺)に沿う直線LN1に対し平行をなすように、上端面511aの近傍位置に形成されている。第3孔部511Cは、第3孔部511Cの中心と通る直線LN5が、右端面511b(第1導光板511の右側辺)に沿う直線LN4に対し略平行をなすように、右端面511bの近傍位置に形成されている。
詳しくは、直線LN1と直線LN2との離間寸法L20、直線LN1と直線LN3との離間寸法L21、及び直線LN4と直線LN5との離間寸法L22は、第1導光板511の板厚寸法L15の2倍の長さ(2.5mm×2=5mm)より長寸とされている(L20,L21,L22>L15×2)。つまり、第1孔部511Aと第2孔部511Bとは、上端面511a(第1導光板511の上辺)から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されており、第3孔部511Cは、右端面511b(第1導光板511の右側辺)から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている。
また、第1孔部511Aと第2孔部511Bとは、上端面511a(第1導光板511の上辺)に対してだけでなく、第1導光板511の周縁から第1導光板511の板厚寸法L15(図10参照)の2倍以上離れた位置に形成されていることで、第1導光板511の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。第3孔部511Cも同様に、右端面511bに対してだけでなく、第1導光板511の周縁から第1導光板511の板厚寸法L15(図10参照)の2倍以上離れた位置に形成されていることで、第1導光板511の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
図18(A)に示すように、第1孔部511Aの直径L1は、第1位置決め用ボス551の直径L2よりも若干長寸とされているが(L1>L2)、第1孔部511Aに第1位置決め用ボス551が挿入された状態において、第1孔部511Aと第1位置決め用ボス551との間に左右上下方向の隙間S1(L1-L2)がほぼ生じない。つまり、第1位置決め用ボス551は第1孔部511Aに嵌合される。
第2孔部511Bの左右寸法L3Aは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも長寸とされ(L3A>L4)、第2孔部511Bの上下寸法L3Bは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも若干長寸とされている(L3B>L4)。よって、第2孔部511Bに第2位置決め用ボス552が挿入された状態において、第2孔部511Bと第2位置決め用ボス552との間に左右方向の隙間S2(L3A-L4)が生じるが、上下方向の隙間S3(L3B-L4)がほぼ生じない。
左右方向の隙間S2は、隙間S1よりも大きい(S2(L3A-L4)>S1(L1-L2))。また、隙間S1と隙間S3とはほぼ同寸とされている(S1(L1-L2)=S3(L3B-L4))。つまり、第2孔部511Bは、第2位置決め用ボス552に対する第1導光板511の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
また、図18(B)に示すように、第3孔部511Cの上下寸法L5Aは、第3位置決め用ボス542の直径L6よりも長寸とされ(L5A>L6)、第3孔部511Cの左右寸法L5Bは、第2位置決め用ボス552の直径L6よりも若干長寸とされている(L5B>L6)。よって、第3孔部511Cに第3位置決め用ボス542が挿入された状態において、第3孔部511Cと第3位置決め用ボス542との間に上下方向の隙間S4(L5A-L6)が生じるが、左右方向の隙間S5(L5B-L6)がほぼ生じない。
上下方向の隙間S4は、隙間S5よりも大きい(S4(L5A-L6)>S5(L5B-L6))。また、隙間S1と隙間S5とはほぼ同寸とされている(S1(L1-L2)=S5(L5B-L6))。つまり、第3孔部511Cは、第3位置決め用ボス542に対する第1導光板511の上下方向への移動を許容し、左右方向への移動を許容しない。
また、第1位置決め用ボス551の直径L2と第2位置決め用ボス552の直径L4とはほぼ同寸とされており(L2=L4)、第3位置決め用ボス542の直径L6は、第1位置決め用ボス551の直径L2及び第2位置決め用ボス552の直径L4よりも小さい。尚、本実施例では、第1位置決め用ボス551の直径と第2位置決め用ボス552の直径とは同寸とされているが、異なっていてもよい。
図10~図12、図18に示すように、第1導光板511を前保持部材503と後保持部材505とにより保持した状態において、第1導光板511と前保持部材503との間に隙間S20が設けられる。この隙間S20は、第1導光板511の全面に亘って形成されており、いずれの箇所においても第1導光板511の板厚寸法L15以下の寸法(例えば、約0.2mm~8mm程度)とされている(S20<L15)。このように、隙間S20は、最も前後幅が小さい箇所が約0.2mm程度であるため、第1導光板511が前後に移動する幅は極めて小さい。
次に、図19に基づいて、第1導光板511の熱膨張について説明する。第1導光板511は、アクリル樹脂材により板厚寸法L15が約2.5mmの透明板からなるため、前述したように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化に応じて伸び縮みが生じる。
本実施例では、例えば、図19に示すように、第1導光板511における第1孔部511A(第1導光板511の右上側)から対向する角部(第1導光板511の左下側)までの離間寸法L40は約442mmであり、この場合、製造上の寸法公差は±0.6mm程度となり、40度の温度変化に対し最大で約1.6mm程度の伸びが発生する。よって、第1導光板511における第1孔部511Aと該第1孔部511Aと対向する角部の位置が固定されていると、温度変化により約16.3mm程度の不可逆的な反りが発生することがある。
図18及び図19(A)に示すように、第1導光板511を前保持部材503と後保持部材505とにより保持した状態において、第1孔部511Aには第1位置決め用ボス551が嵌合され、第2孔部511Bの左右方向の略中央位置には第2位置決め用ボス552が挿入され、第3孔部511Cの上下方向の略中央位置には第3位置決め用ボス542が挿入されている。
図18及び図19(B)に示すように、第1導光板511が熱膨張する場合、第1導光板511は、前保持部材503と後保持部材505に対し相対移動することになるが、第1孔部511Aが前保持部材503に形成された第1位置決め用ボス551に嵌合されていることで、第1孔部511Aを基準として放射状(図中矢印方向)に伸長することになる。尚、第1導光板511における第1孔部511Aと対向する角部の位置は固定されていないため、第1孔部511Aを基準とする斜め左下方向への伸びは許容されることになる。
ここで、第1孔部511A及び第2孔部511Bは、導光板LED607の出射面(下面)から出射される光が入射される上端面511aの近傍に設けられており、また、第1位置決め用ボス551との上下方向の隙間S1及び第2位置決め用ボス552との上下方向の隙間S3は小さいため、第1孔部511A及び第2孔部511Bから上方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第1導光板511の上端面511aが上方の導光板LED607に伸長することで、導光板LED607との離間寸法が左右方向の一の位置(例えば、右側位置)と他の位置(例えば、左側位置)との間で異なること、つまり、導光板LED607の出射面(下面)と第1導光板511の上端面511aとの位置関係がずれてしまったり、上端面511aが導光板LED607に接触するなどして、導光板LED607が傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス552と第2孔部511Bとの隙間S2が隙間S1よりも大きいことで、第1孔部511Aを基準とする左方向への伸びは許容されるため、図19(B)に示すように、第2孔部511Bが第2位置決め用ボス552に対し左側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を前取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス552を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503及び第1導光板511に対する位置ずれにより、導光板LED607から上端面511aへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
また、第1位置決め用ボス551と第1孔部511Aとの左右方向の隙間S1及び第3孔部511Cと第3位置決め用ボス542との隙間S5は小さいため、第1孔部511A及び第3孔部511Cの右方向への伸び幅を小さく抑えることができる。一方、第3孔部511Cと第3位置決め用ボス542との隙間S4が隙間S1よりも大きいことで、第1孔部511Aを基準とする下方向への伸びは許容されるため、図19(B)に示すように、第3孔部511Cが第3位置決め用ボス542に対し下側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を前取付位置に位置決めするための第3位置決め用ボス542を押圧して折ってしまうことを回避できる。
尚、図19では、第1導光板511が熱膨張した場合について説明したが、例えば、冬季における製造時、保管時、遊技場の非営業時などにおいてパチンコ遊技機1の内部温度が低下して第1導光板511が収縮した場合にあっては、特に図示はしないが、第1孔部511Aを基準として放射状に収縮、つまり、第1導光板511の周縁部が第1孔部511Aに向けて移動するように収縮する。
このような場合でも、第2孔部511Bの長手方向の略中央位置に第2位置決め用ボス552が挿入されており、また、第3孔部511Cの略中央位置に第3位置決め用ボス542が挿入されることで、第2位置決め用ボス552及び第3位置決め用ボス542に対する第2孔部511B及び第3孔部511Cの第1孔部511A側への移動が許容されるため、第2位置決め用ボス552及び第3位置決め用ボス542の破損が防止される。
次に、第1導光板装置500による演出表示態様について、図20に基づいて説明する。尚、本実施例では、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出として第1導光板装置500の演出表示を実行する形態を例に取り説明する。
前述のように、導光板LED607の光が第1導光板511の上端面511aから入射されることにより、該光が第1導光板511に設けられた複数の反射部(図示略)により前面側に向けて出射され該第1導光板511の表示部にて所定の画像を発光表示可能となっている。具体的には、例えば、特開2016-114929号公報に示される光デバイスの技術のように、第1導光板511に設けられた反射部は、該第1導光板511の前面側の空間上の予め定められた前後左右上下複数の位置に光を収束させるようになっており、図20に示すように、光が収束された収束点や収束線の集まりにより空間上に立体像(直方体)が形成されるようになっている。つまり、第1導光板511は、立体演出表示が可能となっている。
演出制御用CPU120は、取付部材602を左右方向(第1位置~第3位置)に移動させながら導光板LED607を発光させる制御を行うことができる。これによれば、取付部材602の左右方向への移動により各反射部に対する導光板LED607からの光の入射角が変化するため、反射部により光が収束された収束点や収束線も取付部材602の移動に伴って移動し、第1導光板511に表示される立体像が漸次変化する演出表示を行うことができる。
具体的には、図20(A)に示すように、取付部材602が第1位置にあるときには、遊技者から見て前面が正面側(遊技者側)を向く立体像Z1が表示される。図20(B)に示すように、取付部材602が第2位置にあるときには、遊技者から見て前面が左手前側を向く立体像Z2が表示される。図20(C)に示すように、取付部材602が第3位置にあるときには、遊技者から見て前面が右下側を向く立体像Z3が表示される。
本実施例では、取付部材602は第1位置(原点位置)に停止しており(導光板LED607は消灯)、演出制御用CPU120は、例えば、大当り予告演出における所定タイミングで、導光板LED607を点灯して取付部材602を第1位置から第2位置へ移動させた後、第2位置から第1位置を経由して第3位置へ移動し、第2位置と第3位置との間で所定回数(例えば、3回)左右方向に往復移動させた後、最終的に第1位置、第2位置及び第3位置のうちいずれかに停止させる。また、演出制御用CPU120は、取付部材602を移動させながら導光板LED607の発光色を変更(変化)させるとともに、最終位置において所定の発光態様にて発光させる制御を行う。そして、これら最終停止位置、移動中の発光態様、最終停止時の発光態様により、大当りの可能性を示唆する。
詳しくは、演出制御用CPU120は、図柄の変動表示を開始する際に、変動表示の表示結果に基づいて大当り予告演出の実行の有無を決定するとともに、実行を決定した場合には、取付部材602の最終停止位置、移動中の導光板LED607の発光色の変更態様(例えば、白→青、青→赤、レインボー等)、最終停止位置での発光態様(例えば、白、青、赤、レインボー)といった各演出態様をそれぞれ決定する。
最終停止位置については、最終停止位置が第1位置(立体像Z1が表示)、第2位置(立体像Z2が表示)、第3位置(立体像Z3が表示)の順に大当りの期待度(有利度)が高くなるように決定する。言い換えると、演出制御用CPU120は、図柄の変動表示結果が大当り表示結果である場合、第1割合で第3位置を決定し、第1割合よりも低い第2割合で第2位置を決定し、第2割合よりも低い第3割合で第1位置を決定する。つまり、大当り表示結果が大当りの場合、大当りではない場合よりも高い割合で第3位置に決定する。
また、移動中の導光板LED607の発光(変更)態様については、第1発光態様(白→青、輝度弱)、第2発光態様(青→赤、輝度中)、第3発光態様(レインボー(7色変化)、輝度高)の順に大当りの期待度(有利度)が高くなるように決定する。言い換えると、演出制御用CPU120は、図柄の変動表示結果が大当り表示結果である場合、第1割合で第3発光態様を決定し、第1割合よりも低い第2割合で第2発光態様を決定し、第2割合よりも低い第3割合で第1発光態様を決定する。つまり、大当り表示結果が大当りの場合、大当りではない場合よりも高い割合で第3発光態様を決定する。
また、最終停止位置での導光板LED607の発光態様については、第1発光態様(白、輝度弱)、第2発光態様(青、輝度中)、第3発光態様(赤、輝度高)の順に大当りの期待度(有利度)が高くなるように決定する。言い換えると、演出制御用CPU120は、図柄の変動表示結果が大当り表示結果である場合、第1割合で第3発光態様を決定し、第1割合よりも低い第2割合で第2発光態様を決定し、第2割合よりも低い第3割合で第1発光態様を決定する。つまり、大当り表示結果が大当りの場合、大当りではない場合よりも高い割合で第3発光態様を決定する。
尚、移動中の発光態様、及び最終停止時の発光態様は、白、青、赤、レインボーのみに限られず、他の色を用いてもよい。また、本実施例では、第1発光態様(白→青)、第2発光態様(青→赤)、において発光色が1回変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発光色が2回以上変化するようにしてもよく、また、発光色が変化する回数に応じて大当りの期待度(有利度)が高くなるようになっていてもよい。また、発光色が変化することに合わせて発光輝度を複数段階で変化させるようにしてもよい。
このように演出制御用CPU120は、取付部材602を左右方向(第1位置~第3位置)に移動させながら導光板LED607の発光する色を変更(変化)する制御を行うことができる。これによれば、変動表示結果に応じて立体像Z1,Z2,Z3の発光する色(例えば、白、青、赤、レインボー等)を変更することができるため、演出効果を高めることができる。また、演出制御用CPU120は、取付部材602を左右方向(第1位置~第3位置)に移動させながら導光板LED607の発光する輝度も変更する制御を行うことができる。これによれば、変動表示結果に応じて立体像Z1,Z2,Z3の明暗を変更することができるため、演出効果を高めることができる。
また、図20に示すように、取付部材602は、前保持部材503の上辺部503Hの背面側に配設されており、前述のように、上辺部503Hは透光性が低いことから遊技者側から視認困難となっている。つまり、取付部材602が第1位置、第2位置、第3位置のいずれの位置で停止するかを遊技者が予測することが困難であるため、遊技者に興味を持たせることができる。
また、上辺部503Hは透光性が低いことから取付部材602を遊技者側から視認困難としているが、膨出部611の切欠部611gから光が前方に漏れるようになっていることで、導光板LED607を発光させながら取付部材602を移動させる場合においては、切欠部611gから漏れた光が上辺部503Hを通して前方に出射されるため、取付部材602を視認困難としつつ、移動する光に応じて立体像Z1,Z2,Z3の向きや形状等が変化しているように見せることができる。
尚、図20では、取付部材602の移動に伴って移動し、第1導光板511に表示される立体像Z1,Z2,Z3が漸次変化する演出表示について説明する便宜上、表示される画像として立方体を記載しているが、例えば、上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403Rに関連する画像を各可動体に対応する位置等に表示してもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段(例えば、導光板LED607)と、前記発光手段からの光が端面(例えば、上端面511a)から入射されることにより演出表示を行うことが可能な導光板(例えば、第1導光板511)と、前記発光手段が取付けられる取付部材(例えば、取付部材602)と、を備え、前記取付部材は、移動可能に設けられ、前記発光手段よりも前記導光板側に突出する突出部(例えば、導光板LED607は、寸法L10分第1導光板511よりも上方に離間して配置されており、リブ612L(リブ612R)は、寸法L10よりも大きな寸法L11分第1導光板511よりも上方に離間して配置されている。図10参照)を有し、前記突出部は、前記取付部材が前記導光板の端面と前記発光手段とが対向する所定位置において前記導光板の端面と対向する(例えば、取付部材602の移動可能範囲は、導光板LED607及びリブ612L,612Rが第1導光板511の上端面511aに対向する所定位置となっている。図10~図12、図14参照)。このようにすることで、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触して破損することを防止できる。
具体的には、取付部材602に取付けられる導光板LED607は、赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなり、単色のLEDに比べて高価であるため、取付部材602を左右方向に移動可能に取付け、1つの導光板LED607を用いて第1導光板511の表示部に表示される画像を変化させる演出表示を行っている。これにより、導光板LED607(フルカラーLED)を複数設け、発光箇所を変更することにより画像を変化させる場合に比べ、画像を変化させる演出表示を安価に行うことができる。
取付部材602は、左右方向に移動可能に取付けられており、移動動作をスムーズに行えるようにベース部材601に対して若干の相対移動が許容されていることから、パチンコ遊技機1を搬送すること、取付部材602が移動こと、遊技球が遊技領域10に打ち出されること、他の可動物(上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403Rなど)が動作すること等により生じる衝撃や振動などにより上下に動作することがあり、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触して破損する虞がある。また、第1導光板511は、アクリル樹脂材により板厚寸法が約2.5mmの透明板からなり、遊技盤2を構成する透明な合成樹脂材からなる盤面板の板厚寸法L15(例えば、約10mm)に比べて肉薄であるため、パチンコ遊技機1に組付けられた状態において、パチンコ遊技機1の内部の温度変化により伸び縮みが発生することがあり、第1導光板511が熱膨張することで導光板LED607に第1導光板511の上端面511aが近接して接触しやすくなるといった虞もあった。
本実施例においては、導光板LED607が寸法L10分第1導光板511よりも上方に離間して配置されており、リブ612L,612Rが寸法L10よりも小さな寸法L11分第1導光板511よりも上方に離間して配置されている(L10>L11)。つまり、リブ612L,612Rは、導光板LED607よりも第1導光板511側に突出しており、取付部材602が第1導光板511に近接した場合には、導光板LED607よりも第1導光板511側に突出するリブ612L,612Rが、導光板LED607よりも先に第1導光板511の上端面511aに接触するので、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触して破損することを防止できる。
また、取付部材602は、第1導光板511の上端面511aに沿って移動可能であるため、演出効果を高めることができる。具体的には、取付部材602が第1導光板511の上端面511aに沿って移動する移動範囲において、導光板LED607は、常に第1導光板511の上端面511aの上方に配置されている。これによれば、導光板LED607を点灯させながら取付部材602を移動させることで、第1導光板511に設けられた各反射部に対する光の入射角が変化するため、各反射部により光が収束された収束点や収束線も取付部材602の移動に伴って移動し、第1導光板511に表示される立体像(例えば、立体像Z1,Z2,Z3)が漸次変化するような演出表示を行うことができる。
また、リブ612L,612Rは、取付部材602の移動範囲において常に第1導光板511の上端面511aの上方に配置されているため、取付部材602が左右方向のいずれの位置(例えば、第1位置、第2位置、第3位置)で第1導光板511に近接した場合であっても、導光板LED607よりも先に第1導光板511の上端面511aに接触するので、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触して破損することを防止できる。
また、本実施例では、突出部の一例としてのリブ612L,612Rは、左右の側壁部611c,611dの下端面に下方に突出するように形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板LED607よりも第1導光板511の上端面511aに対し突出する位置に設けられているものであれば、例えば、左右の側壁部611c,611dの下端面が突出部として機能してもよい。
尚、本実施例では、取付部材602が第1導光板511の上端面511aに沿って移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに対向する所定位置にあるときに、リブ612L,612Rが第1導光板511の上端面511aに対向するものであれば、取付部材602の動作方向は自由に変更してもよい。例えば、取付部材602が第1導光板511の上端面511aに対して近接及び離間するように上下方向に移動するようになっていてもよいし、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに対向する所定位置と、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aと対向しない退避位置と、の間で取付部材602が例えば前後(略水平)方向に移動するようになっていてもよい。
また、リブ612L,612Rを有する取付部材602は、導光板LED607を有するLED基板609を収容可能とする下向きに開口する箱状に形成されていることで、導光板LED607からの光が周囲に拡散されることを防止できる。
また、第1導光板511は、立体演出表示が可能であるため、演出効果を高めることができる。具体的には、第1導光板511の背面には、凹凸状態(粗面)の複数の反射部が設けられており、これら反射部は、前面側の空間上の予め定められた前後左右上下複数の位置に光を収束させるようになっており、光が収束された収束点や収束線の集まりにより空間上に立体像Z1,Z2,Z3が形成されるようになっている。つまり、立体感を演出することで遊技者に対して奥行を感じさせることができるため、演出効果が高まる。尚、立体演出表示を行う方式として、遊技者の右目と左目の視差に対応した映像を視認させる公知の偏光方式や視差バリア方式等を採用してもよい。
また、取付部材602が移動中に導光板LED607を複数色にて発光可能であるため、演出効果を高めることができる。具体的には、導光板LED607は、赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなり、演出制御用CPU120は、取付部材602を左右方向(第1位置~第3位置)に移動させながら導光板LED607の発光する色を変更(変化)する制御を行うことができる。これによれば、取付部材602の移動により立体像Z1,Z2,Z3の向きや形状等を変化させながら、立体像Z1,Z2,Z3の発光色(例えば、白、青、赤、レインボー等)を変更させることができるため、演出効果を高めつつ遊技者に期待感を与えることができる。
また、このように立体演出表示するときにおいて、導光板LED607を発光させながら左右に移動させることにより立体像Z1,Z2,Z3の向きや形状等を変化させることができるので、導光板LED607を第1導光板511の端面に沿って複数配置することにより同じような立体演出表示を行う場合に比べて、立体像Z1,Z2,Z3の向きや形状等が段階的に変化しないようにスムーズに変化させることができる。
また、取付部材602が移動中に導光板LED607を複数輝度にて発光可能であるため、演出効果を高めることができる。具体的には、導光板LED607は、複数の輝度で発光可能に構成されており、演出制御用CPU120は、取付部材602を左右方向(第1位置~第3位置)に移動させながら導光板LED607の発光する輝度も変更する制御を行うことができる。これによれば、取付部材602の移動により立体像Z1,Z2,Z3の向きや形状等を変化させながら、立体像Z1,Z2,Z3の明暗を変更させることができるため、演出効果を高めつつ遊技者に期待感を与えることができる。
また、取付部材602を移動させる演出と、導光板LED607の発光する色を変更する演出と、導光板LED607の発光する輝度を変更する演出と、を組み合わせて行うことにより演出効果をさらに高めることができる。例えば、先ず、第1位置、第2位置、第3位置のいずれかの位置で取付部材602を停止させた状態で低輝度及び所定の色の立体像(立体像Z1,Z2,Z3のいずれか)を表示する。次いで取付部材602を移動させて立体像Z1,Z2,Z3を漸次変化させる。そして、第1位置、第2位置、第3位置のいずれかの位置で取付部材602を停止させるとともに、導光板LED607の輝度を高く変化させ、且つ、所定の色とは異なる色で立体像(立体像Z1,Z2,Z3のいずれか)を表示するなどの演出表示を行うことができる。これによれば、取付部材602が動作するときに変化して表示される立体像に比べ、停止したときに表示されるいずれかの立体像Z1,Z2,Z3を強調することができるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
尚、上記演出表示の形態は、一例であり、自由に変更することができる。例えば、演出制御用CPU120は、取付部材602を移動させているときに導光板LED607を常に点灯させるものに限られず、取付部材602を移動するときは消灯し、停止させてから点灯させたり、取付部材602を移動させながら点滅を繰り返したりしてもよい。尚、取付部材602が移動するときは消灯し、停止させてから点灯する場合においては、上辺部503Hにより取付部材602が遊技者側から視認困難となっていることから、移動する取付部材602の位置を予測することが極めて困難となる。これにより、遊技者は導光板LED607が点灯するまで、取付部材602がいずれの位置に移動したかが分からなくなくなるので、遊技者に取付部材602の移動に対する興味を持たせることができる。
また、所定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であり、取付部材602と導光板LED607とは、遊技者から視認困難に設けられ、前記所定位置(例えば、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに対向する位置)は、第1位置(例えば、第1位置)と該第1位置とは異なる第2位置(例えば、第2位置及び第3位置)を含み、前記第1位置と前記第2位置のいずれにあるときに導光板LED607が発光するかに応じて有利度(期待度)が異なる。このようにすることで、演出効果を高めることができる。
具体的には、本実施例では、取付部材602の移動が第1位置で停止した場合(立体像Z1が表示された場合)が最も大当りの期待度が低く、取付部材602の移動が第2位置で停止した場合(立体像Z2が表示された場合)が取付部材602の移動が第1位置で停止した場合よりも期待度が高く、取付部材602の移動が第3位置で停止した場合(立体像Z3が表示された場合)が最も大当りの期待度が高く設定されているため、遊技者に第1位置、第2位置、第3位置のいずれの位置で取付部材602が停止するか(立体像Z1,Z2,Z3のいずれが表示されるか)遊技者に興味を持たせることができる。また、大当りの期待度に応じて立体像Z1,Z2,Z3の発光する色や明暗(輝度)を変更することにより、さらに遊技者に興味を持たせることができる。尚、取付部材602の各停止位置における大当りの期待度は、自由に変更することができる。
また、取付部材602及び導光板LED607は、前保持部材503の上辺部503Hの背面側に配設されており、遊技者から視認困難となっている。つまり、取付部材602が第1位置、第2位置、第3位置のいずれの位置で停止するかを遊技者が予測することが困難であるため、遊技者に興味を持たせることができる。また、前保持部材503以外の構造物や演出用可動体等によって遊技者から視認困難となるように隠蔽してもよい。
尚、取付部材602及び導光板LED607が遊技者から視認困難に設けられていればよく、例えば、取付部材602の前面に取付部材602とは異なる方向へ移動する移動体やLEDを複数設け、移動体やLEDを取付部材602と同時に動作させることで取付部材602を特定しにくいようにカムフラージュしてもよいし、遊技者側に照射するLEDを設けることで遊技者から取付部材602を見えにくくする等、構造物による隠蔽以外の方法で視認困難となるようにしてもよい。
また、第1導光板511が取付けられる被取付部としての前保持部材503,後保持部材505と、を備え、被取付部は、導光板LED607に対する第1導光板511の位置決め用のボスとして、第1位置決め用ボス551と第2位置決め用ボス552とを含む複数の位置決め用ボスを有し、第1導光板511は、第1位置決め用ボス551が挿入可能な第1挿入部としての第1孔部511Aと、第2位置決め用ボス552が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部511Bとを含む複数の挿入部を有し、第2位置決め用ボス552と第2孔部511Bとは、第1導光板511を被取付部に取付けた状態において、第2位置決め用ボス552と第2孔部511Bとの間に生じる隙間S2が第1位置決め用ボス551と第1孔部511Aとの間に生じる隙間S1よりも大きく、上端面511aに平行または略平行な特定方向への第1導光板511の移動を許容する一方で該特定方向以外の方向への第1導光板511の移動を規制するように設けられる。
このようにすることで、第2位置決め用ボス552と第2孔部511Bとにより第1導光板511の導光板LED607側への移動が規制されることで、熱膨張時の入光状況の変化(例えば、第1導光板511の熱膨張により上端面511aが導光板LED607に近づくなど、上端面511aと導光板LED607との離間距離が変化する)を抑えることができるので、第1導光板511の熱膨張に対し好適に対応できる。また、第1導光板511の熱膨張により上端面511aが導光板LED607に近づくことが規制されるため、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに接触して破損することを防止できる。
尚、前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間の隙間(例えば、隙間S1)は、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部との間の隙間(例えば、隙間S2)よりも小さいものであればよく、前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間に隙間がないものを含む。
また、第1導光板511を取付位置に保持するための保持体としての前保持部材503,後保持部材505と、を備え、前保持部材503,後保持部材505は、第1導光板511を一面(前面)側と他面(背面)側とから挟み込むように取付位置に保持可能であり、第1導光板511を前保持部材503,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511と前保持部材503,後保持部材505との間に隙間S20が設けられる。
このようにすることで、第1導光板511の熱膨張に対し好適に対応できる。詳しくは、前保持部材503,後保持部材505は、第1導光板511の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるため、設計上、第1導光板511との間に隙間S20(クリアランス)を設けることで、熱膨張に対し逃げがなくなって反りが生じてしまうことを好適に回避することができる。
尚、本実施例では、第1導光板511の上端面511aに沿って移動可能な導光板LED607のみの光を入射させる形態を例示したが、導光板LED607とは別個に第1導光板511の内部に光を入射させる発光手段が固定的に設けられていてもよい。
例えば、図21及び図22に示すように、第1導光板装置500’は、前保持部材503の左の側辺部503Lに第1導光板511の左端面511cに向けて光を照射する導光板LED517を複数有するLED基板518が取付けられていてもよい(変形例)。
詳しくは、本変形例におけるLED基板518は、ネジN5により前保持部材503の左の側辺部503Lに固定されている。左の側辺部503Lの内側辺には、内壁部548が背面側に向けて突出するように立設されている。これら内壁部548の後端縁部には、所定間隔ごとに凹部549Bが形成されており、これにより内壁部548の後端縁部は、凹部549Bと凸部549Aとからなる凹凸部549として形成されている。凹凸部549は、後述するように第1導光板511が後保持部材505により取付位置に保持された状態において、第1導光板511の前面における左側部に対向するように設けられている。
第1導光板511の左端面511cと導光板LED517との間には、導光板LED517から入射された光を第1導光板511の左端面511cに向けて集光する第1集光レンズ519が配設されている。第1集光レンズ519の前面には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Fがそれぞれ前方に向けて突出するように形成され、集光レンズ位置決め用ボス593FはLED基板518に形成された位置決め孔595Aに挿入される。
図22に示すように、第1導光板511の背面における周縁近傍位置には、第1導光板511の製造時において、成型品である第1導光板511を図示しないエジャクタピン(押出ピンともいう)により金型から押出して取出す際に形成される複数のエジェクタピン跡650が形成されている。エジェクタピン跡650は、第1導光板511を金型から取出す際にエジャクタピンにより押圧されることにより形成される凸部(例えば、突出寸法約0.1mm程度)であり、注視しないと視認が困難な程度のものである。特に第1導光板511の周縁における各孔部の近傍には、取出し時の破損を防止するために2箇所ずつ形成されている。
図22(A)に示すように、第1導光板511を前保持部材503と後保持部材505とで挟持した状態において、凹凸部549は、第1導光板511の背面に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。詳しくは、第1導光板511が前保持部材503と後保持部材505とにより保持された状態において、第1導光板511の左側辺に形成された各エジェクタピン跡650は、凹凸部549よりも内側、つまり、周縁から離れた位置に形成されているため、エジェクタピン跡650が凸部549Aと接触することにより第1導光板511の表面に傷が付くことが抑制されている。
以上のように、第1導光板511を取付位置に保持するための保持体としての前保持部材503,後保持部材505を備え、保持体は、第1導光板511を一面(前面)側と他面(背面)側とから挟み込むように取付位置に保持可能であり、第1導光板511を保持した状態において該第1導光板511と対向する位置に凹凸部549が設けられ、凹凸部549は、第1導光板511を前保持部材503,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。
このように、前保持部材503,後保持部材505は、第1導光板511の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるが、凹凸部549を設けることで、例えば、振動などにより第1導光板511が前方側へ移動したときに、第1導光板511との接触面積を極力小さくする(部分的に接触させる)ことができる。また、第1導光板511の前面に形成されたエジェクタピン跡650(凸部)は凹凸部549と対向しないことで、熱膨張により第1導光板511が伸び縮みしてエジェクタピン跡650が凹凸部549に接触することを回避できるため、第1導光板511の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、導光板LED517から入射された光を第1導光板511に向けて出射する導光部材としての第1集光レンズ519と、第1集光レンズ519が取付けられる被取付部(例えば、LED基板518の背面)と、を備え、第1集光レンズ519には、被取付部に取付けられた状態において該被取付部に設けられた挿入部としての位置決め孔595Aに挿入可能な集光レンズ位置決め用ボス593Fが突出して設けられている。
このようにすることで、集光レンズ位置決め用ボス593Fを位置決め孔595Aに挿入することで第1集光レンズ519の取付位置が決定されるため、第1集光レンズ519を好適に取付けることができる。
また、第1集光レンズ519の集光レンズ位置決め用ボス593Fは、LED基板518に設けられた位置決め孔595Aに挿入されることで、導光板LED517に対し正確に位置決めできるため、導光板LED517からの光が好適に入射されるようにすることができる。
尚、本変形例では、導光板LED517が第1集光レンズ519の左側方において固定的に配置される形態を例示したが、導光板LED517は第1集光レンズ519に対して相対移動可能となっていてもよい。また、第1導光板511の内部に光を入射させる方向は、第1導光板511の下端面や右端面等から光を入射させてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、第1導光板装置500により第1導光板511の表示部に表示可能とする表示情報としては、画像(絵柄)が例示されているが、これら以外にも、文字、記号、図柄、あるいは模様等の装飾も含む他の表示情報を表示可能としてもよい。また、第1導光板511は、透光性を有していれば必ずしも透明でなくてもよく、例えば着色されていてもよいし、半透明とされていてもよい。
また、前記実施例では、導光板LED607が取付けられる取付部材602は、ベース部材601と駆動機構603とにより移動可能に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに対向する位置に移動可能であれば、例えば、第1導光板511の上端面511aに近接及び離間する可動体(例えば、上部可動体402L,402R及び下部可動体403L,403Rといった演出用可動体等を含む)に導光板LED607が取付けられていてもよい。この場合でも、取付部材602は、遊技者から視認困難となるように可動体の背面側に設けられることが好ましい。
また、前記実施例では、導光板LED607が取付けられる取付部材602は、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに沿って移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511の左右側端面や下端面等に沿って移動するように設けられていてもよい。
また、前記実施例では、ベース部材601と駆動機構603とにより移動可能に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板LED607が第1導光板511の上端面511aに対向する位置に移動可能であれば、例えば、第1導光板511の上端面511aに近接及び離間する可動体(例えば、上部可動体402L,402R及び下部可動体403L,403Rといった演出用可動体等を含む)に取付けられていてもよい。この場合でも、取付部材602は、遊技者から視認困難となるように可動体の背面側に設けられることが好ましい。
また、第1導光板装置500は、第1導光板511が1つ設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、導光板を前後に2つ以上重畳するように設け、各導光板LEDを各導光板に対して光を入射可能に設けてもよい。このような具体例として、図23に示す本発明の変形例2としての導光板装置について説明する。図23は、本発明の変形例2としての導光板装置を示す図であって、(A)は前側の導光板を示す正面図、(B)は後側の導光板を示す正面図、(C)(D)は導光板が前後に重畳して配置された状態を示す説明図である。
図23(A)に示すように、前側の導光板570Aには、上端面に光を照射可能に取付部材611Aに取付けられた導光板LED607Aが左右方向に移動可能に設けられているとともに、導光板LED607Aからの光を前方に反射することにより、数字(例えば、10,20,30,40,50,60,70,80,90など)の上半部を表示可能な反射部701Aが複数設けられている。また、図23(B)に示すように、後側の導光板570Bには、右側端面に光を照射可能に取付部材602Dに取付けられた導光板LED607Bが上下方向に移動可能に設けられているとともに、導光板LED607Bからの光を前方に反射することにより、数字(例えば、10,20,30,40,50,60,70,80,90など)の下半部を表示可能な反射部701Bが複数設けられている。
導光板LED607A,607Bをそれぞれ発光させると、該導光板LED607A,607Bの位置に対応する行または列に配置された3つの反射部701A,701Bが光を前方に反射することにより各数字の上半部または下半部が表示される。よって、このように構成された導光板570A,570Bを、前後の各反射部701A,701Bが対応して配置されることにより各数字(画像)が表示可能となるように前後に離間して配置することで、導光板LED607A,607Bからの光が重畳する領域においては、反射部701A,701Bにて光が反射されることで数字が表示される。
例えば、前述した大当り予告演出等の所定タイミングにおいて、前後の導光板LED607A,607Bを各々往復移動させた後(図23(C)参照)、導光板LED607A,607Bを所定の数字(例えば、「70」など)に対応する位置で停止させて導光板LED607A,607Bを発光させることにより、「70」の数字が表示され、当該変動表示における大当り期待度が70%であることを示唆すること等が可能となる。尚、図23(C)のように導光板LED607A,607Bを各々往復移動させている間は、導光板LED607A,607Bからの光が重畳する領域において所定の数字の全体が一時的に表示されたり、数字の一部が部分的に表示されるだけで、導光板LED607A,607Bが停止するまで所定の数字が表示されることを予測しにくいため、遊技者に意外性を与えることができる。
これによれば、前後の導光板570A,570Bの表示部で異なる画像等を表示して一の画像を形成するなどの演出表示を行うことができるため、演出効果を高めることができる。尚、複数の導光板を用いる場合、各導光板に導光板LEDが取付けられる一の取付部材を配設してもよいし、導光板LEDが取付けられる一の取付部材602を各導光板間で移動させてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511は、立体像Z1,Z2,Z3を立体演出表示可能である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平面的に画像などを表示するようになっていてもよい。
また、前記実施例では、取付部材602を移動させることで表示される立体像Z1,Z2,Z3の向きや形状を変化させる演出表示を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1導光板511の表示部(反射部)を複数領域(例えば、「左」、「中」、「右」の3つの領域等)に区分けし、取付部材602を上端面511aに沿って移動させることで演出表示部における各発光領域を「左」→「中」→「右」等に変化させる演出表示を行ってもよい。さらに、演出表示部の「左」、「中」、「右」領域を個別に発光させる演出表示を行ってもよい。
また、前記実施例では、第1導光板装置500による演出表示を単独で行う場合を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1導光板装置500による演出表示と上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403Rによる可動体演出とを組合せた複合演出や、第1導光板装置500による演出表示と演出表示装置5による演出表示とを組合せた複合演出や、第1導光板装置500による演出表示と、上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403Rによる可動体演出と、演出表示装置5による演出表示とを組合せた複合演出等を行ってもよい。つまり、演出制御用CPU120は、これら各装置による演出を同時に行う複合演出を実行可能である。
また、例えば、第1導光板装置500による演出表示と上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403Rによる可動体演出とによる複合演出を実行する場合、例えば、第1導光板511において、上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403R、あるいは演出表示装置5にて表示した演出表示部に対応する位置に画像を表示させることが好ましい。さらに、立体像を表示可能であれば、取付部材602を移動させて立体像の向きや形状を変化させれば、第1導光板511の背面側にある上部可動体402L,402Rや下部可動体403L,403Rが動いているように見せること等が可能となる。
また、前記実施例では、第1導光板装置500による演出表示を大当り予告演出の所定タイミングにて実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り予告演出以外の予告演出にて実行可能としてもよいし、スーパーリーチに発展する可能性があることを示す予告演出や、確変大当りに昇格する可能性があることを示す昇格演出や、大当り遊技中実行する大当り演出等、種々の演出においても適用可能である。
また、前記実施例では、第1導光板511を一面側と他面側とから挟持するように保持する保持体として、それぞれ別個の前保持部材503、後保持部材505からなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前保持部材503と、後保持部材505とが予め一体に形成された断面視略コ字形の保持体により第1導光板511を保持してもよい。
また、前記実施例では、保持体としての前保持部材503、後保持部材505は、第1導光板511の周縁の一部(例えば、上辺部及び左右端辺部)を前後から挟持するように保持する構造である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511の全周縁を囲むように保持するようにしてもよい。
また、前記実施例では、保持体としての前保持部材503、後保持部材505に形成された複数の位置決め用ボスを第1導光板511に形成された複数の孔部に挿入することで、保持体に対する導光板の位置決めをする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら位置決め用ボスと孔部とによる位置決めを行うことなく、導光板を保持体により保持するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511を取付位置に位置決めするための複数の位置決め用ボスは、前保持部材503、後保持部材505からなる保持体に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板の被取付部となる部材や構造物(例えば、遊技盤2や演出用の可動体など)の一部を保持体として、該保持体に位置決め用ボスを形成してもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511には第1挿入部として一の第1孔部511Aが形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511に複数の第1挿入部を形成してもよい。
また、上記各位置決め用ボスの突出長さ、直径、外形状、形成位置、形成数及びこれらに対応する各孔部の大きさ、外形状、形成位置、形成数については、上記のように例示したものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
また、前記実施例では、第1導光板511に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部511Cが形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部が形成されていなくてもよい。
また、前記実施例では、導光板LED607はフルカラーLEDであり、導光板LED607の発光色を変化させることで発光演出における演出態様(発光色)を種々に変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら導光板LED607を1色でのみ発光可能な単色LED(例えば、白色LED)を適用し、単色LEDの光を所定色に着色した集光レンズを介して第1導光板511に入射させることで、集光レンズに着色された色にて発光演出を実行できるようにしてもよく、このようにした場合、高価なフルカラーLEDを用いることなく、着色された集光レンズを用いることで種々の演出態様(発光色)で発光演出を行うことができる。尚、このような場合であっても、リブ612L,612Rが設けられていることで、導光板LED607が集光レンズに接触して破損することを防止できる。
また、前記実施例では、第1導光板装置500は、遊技盤2に形成された開口2cを被覆するように設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板装置500を透過性を有する盤面板からなる遊技盤2の背面側に設け、遊技者側から透明な盤面板を透して導光板による演出表示を視認可能としてもよい。また、透過性を有する盤面板を反射部を有する導光板とし、該盤面板を利用して演出表示を実行可能としてもよいし、盤面板とその背面に設けた導光板装置双方による演出表示を実行可能としてもよい。さらに、導光板装置は、遊技盤2の前面側にセンター飾り枠51などに任意の位置に取付けられていてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。