1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50と、遊技機枠50の内部に取付けられた遊技盤2(図7参照)と、を備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。本形態では、外枠51及び内枠52が遊技機枠50の「基枠部」に相当し、前枠53が遊技機枠50の「前枠部」に相当する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。図2に示すように、ヒンジ部54により、前枠53は外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央には窓枠開口部分53aが形成されていて、この窓枠開口部分53aに透明のガラス板55が取付けられる。これにより遊技者は、ガラス板55を通して、後述する遊技領域3を視認できるようになっている。そして、前枠53は、内枠52に対して閉じられた閉状態において、遊技盤2を外部の空間から区画することができる。一方、前枠53は、閉状態から、内枠52に対して開いた開状態へと回転されることで、少なくとも遊技盤2の遊技盤面2aを外部の空間に開放することができる。
前枠53は、図2に示すように、後方側にベース枠56を備えている。また、本形態のパチンコ遊技機1について、図3に正面図が示され、図4に右側面図が示され、図5に平面図が示されている。前枠53は、図3に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを備えている。ベース枠56は、前面側で上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを着脱可能に取付ける枠体である。ベース枠56の上側の左右にはスピーカ67(図17参照)が設けられていて、ベース枠56のうち下側の左方には遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61が設けられている。またベース枠56の下端の内部には遊技球を後述する遊技領域3へ打ち出すための打球発射機構57が設けられている。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠50(前枠53)の上部を装飾するものである。上側装飾部200は、図3に示すように、左右方向の中央に可動体ユニット201を備え、左右両側に発光ユニット202L,202Rを備えている。可動体ユニット201は、所定の動作が可能な枠可動体205(図17参照)を有するユニットであり、前後方向に長いものである。発光ユニット202L,202Rは、内部にて回転発光体(図示省略)を回転可能に組付けるユニットであり、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態でベース枠56に取付けられている(図2参照)。
この上側装飾部200(可動体ユニット201)は、図4に示すように、ベース枠56に取付けられている他のどの部分(左側装飾部210,右側装飾部220,操作機構部230)よりも、前方に突出している。例えば、上側装飾部200の前面から外枠51の幕板51aの前面までの距離L1(P1からP2までの水平方向における距離)は操作機構部230の前面から外枠51の幕板51aの前面までの距離L2(P3からP2までの水平方向における距離)の2倍以上である。これにより、上側装飾部200による前方への突出が非常に強調されていて、従来の遊技機枠に比べて大きなインパクトを与えることが可能である。
左側装飾部210は、遊技機枠50(前枠53)の右部を装飾するものである。右側装飾部220は、遊技機枠50の左部を装飾するものであり、剣役物ユニット221を備えている。剣役物ユニット221には、剣の形を模した剣役物222が押込操作可能に設けられている。これにより遊技の進行に伴って実行される演出時に、遊技者に対して剣役物222への押込操作が促されるようになっている。
操作機構部230は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部230は、図1に示すように、右側の下部に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備え、上側の後部に遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61を備え、ハンドル60よりも左方に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また操作機構部230のうち上皿61よりも前方には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63や十字キー68が設けられている。
また、図3及び図4に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうちパチンコ遊技機1の上方には、データカウンタ160が配されている。データカウンタ160は、垂直壁面SHに固定されている固定部材161と、この固定部材161に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示装置162とを備えている。
データ表示装置162は、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示装置162は、遊技者がホールの従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ160では、垂直壁面SHに対するデータ表示装置162の前傾角度θを15度から25度まで可変できるようになっている。なお、図4では、データ表示装置162の前傾角度θが最大の25度になっている状態が示されている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、図6に示すように、遊技機枠50のうち上側装飾部200の後方の下側に、左右一対の左側スピーカ67L及び右側スピーカ67Rが設けられている。左側スピーカ67Lの軸中心ZLは遊技者の左耳に、右側スピーカ67Rの軸中心ZRは遊技者の右耳に向かうようになっている。また上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220、及び操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(図17参照)が多数設けられている。
次に、図7を参照して遊技盤2について説明する。遊技盤2は、板状の部材であり(このため遊技板ともいう)、装飾部としての盤可動体15、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7等と一体化され、これらとともに遊技盤ユニット2Uを構成している。遊技盤ユニット2Uには、各種制御基板やハーネス等を取付けるユニットも設けられている。また、遊技盤ユニット2Uには、様々な発光色で発光可能な装飾部である盤ランプ5(図17参照)が多数設けられている。
また、遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技盤面2aが形成されている。遊技盤2の遊技盤面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。さらに、遊技盤2には、遊技盤面2aの前方に、レール部4が設けられている。図7には、レール部4により形成されているレール410を示している。レール410は、遊技盤面2aに対して略垂直に突出して設けられている部分であり、遊技盤面2aに略垂直をなす面を有している。
また、レール410は、遊技領域3の外周縁を構成する外縁レール420と、打球発射機構57から発射された遊技球を遊技領域3へと誘導する誘導通路3Iを構成する誘導レール430とを有している。誘導レール430は、遊技領域3側の内誘導レール431と、内誘導レール431と対向する外誘導レール432とにより構成されている。遊技盤2の下方には、発射位置57Hより、重力に逆らう向きである矢印Hの向きに遊技球を発射する打球発射機構57が配されている。そして、ハンドル60の操作によって打球発射機構57から矢印Hの向きに発射された遊技球は、誘導通路3Iを通過後、遊技領域3へと進入し、遊技領域3を流下するようになっている。
第1画像表示装置(第1表示手段)6および第2画像表示装置(第2表示手段)7はともに、液晶表示装置にケースを組み付けてなるものである。図7に示すように、第2画像表示装置7は、第1画像表示装置よりも上方に設けられている。そして、本形態では、上下に並んで設けられた第1画像表示装置6の表示画面(表示部)6aと、第2画像表示装置7の表示画面(表示部)7aとを用い、広い範囲で演出画像を表示することが可能となっている。このため、本形態では、遊技領域3に加え、その遊技領域3よりも上側にはみ出している第2画像表示装置7の表示画面7aについても、窓枠開口部分53aの内側に位置している。よって、遊技者は、第1画像表示装置6の表示画面6aと、第2画像表示装置7の表示画面7aとをともに、ガラス板55を通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7等の構成については、後に詳述する。
第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した装飾図柄(演出図柄の一例)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う装飾図柄表示領域がある。なお、装飾図柄8L,8C,8Rを表示する演出を装飾図柄変動演出という。装飾図柄変動演出を「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。また、装飾図柄表示領域は、第2画像表示装置7の表示画面7aに設けられていてもよい。さらに、装飾図柄表示領域は、第1画像表示装置6の表示画面6aと、第2画像表示装置7の表示画面7aとにまたいで設けられていてもよい。
装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。第1画像表示装置6は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図9参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、第1画像表示装置6にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
第1画像表示装置6は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面6aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
また第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図9参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43b(図9参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置6の下部付近の前方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またステージ部11の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。
遊技領域3における第1画像表示装置6の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。なお本形態の第2始動口21は、上下方向且つ前後方向に延びる平面で形成される開口部分である。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。
電チュー22は、前後方向に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図16参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が前方に進出しているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。つまり、可動部材23が前方に進出しているときには、流下する遊技球が可動部材23の上側に当接すると、左方へ誘導される。これにより、遊技球が第2始動口21に入球可能となる。
一方、第2始動口21は、後方に退避しているとき(つまり閉状態であるとき)には遊技球が入球不可能となる。つまり、可動部材23が後方に退避しているときには、流下する遊技球が可動部材23に当接しない。これにより、遊技球は第2始動口21に入球することなく、後述するアウト口16へ向かう。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときには開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態であるときに完全に入球不可能となるものでなくても良い。
また第1始動口20の右斜め上方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図16参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、ゲート28の右斜め上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図16参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図8(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、左方に進出した進出状態(第2の状態)又は右方に退避した退避状態(第1の状態)をとる。
図8(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図8(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図8(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図8(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図7に戻り、遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、第1流路R1を流下した遊技球が第2始動口21へ入賞することは、ほとんどないように構成されている。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、ゲート28への通過、又は第1大入賞口30への入賞を狙う。
また図7に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図9に示すように、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、特図保留記憶部85(図16参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図16参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図16参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており(図9参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図9参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図16参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図9参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技盤ユニットの構成
次に、遊技盤ユニット2Uの構成について説明する。図10は、遊技盤ユニット2Uにおける遊技盤2、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7の断面図である。図10に示すように、第1画像表示装置6は、表示画面6aが鉛直方向に起立した状態で設けられている。すなわち、第1画像表示装置6は、表示画面6aが、遊技盤2の遊技盤面2aと平行な面に沿った状態で固定されている。また、第1画像表示装置6は、遊技盤ユニット2Uにおいて、遊技盤2よりも後方側に配置されている。
第2画像表示装置7は、図10に示すように、第1画像表示装置6とは異なり、表示画面7aが鉛直面に対して傾斜した状態で設けられている。すなわち、第2画像表示装置7は、表示画面7aが、遊技盤2の遊技盤面2aに対して交差する面に沿った状態で固定されている。本形態の第2画像表示装置7の表示画面7aは、鉛直面に対して傾斜していることで、鉛直面に平行な場合よりも、面積の広いものとなっている。また、図10には、傾斜している第2画像表示装置7の、前方側の部分である前方部分7Fと、後方側の後方部分7Bとを示している。そして、第2画像表示装置7は、前方部分7Fが上方に、後方部分7Bが下方に位置している。
第2画像表示装置7は、その後方部分7Bが、遊技盤2よりも後方であって、第1画像表示装置6の表示画面6aよりも前方に位置している。第2画像表示装置7の後方部分7Bは、前後方向について、第1画像表示装置6の表示画面6aの上部と重なっている。このため、第1画像表示装置6と第2画像表示装置7とは、上下方向については隙間なく設けられている。これにより、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとにまたがる画像を表示したとしても、遊技者には、その画像を違和感のない(つまり表示画面6aと表示画面7aとの境目で切れていないように感じさせる)一体的な画像として視認させることが可能となっている。
また、第2画像表示装置7の前方部分7Fについては、遊技盤2の遊技盤面2aよりも前方に位置している。このため、第2画像表示装置7は、表示画面7aが、遊技盤2の遊技盤面2aの同一平面に対して交差している。そして、第2画像表示装置7の前方部分7Fが遊技盤2の遊技盤面2aよりも前方に飛び出ていることで、遊技者には、より近い位置で表示画面7aの前方部分7Fを見せることができる。つまり、第2画像表示装置7により、遊技者に、迫力のある演出画像を見せることが可能である。なお、この第2画像表示装置7の前方部分7Fは、後述する外側部7Oの一部である。
また、図7に示すように、第1画像表示装置6は、表示画面6aが、遊技領域3と重なる配置で設けられている。すなわち、第1画像表示装置6は、表示画面6aが、外縁レール420(遊技領域3の外周縁)よりも内側の領域の後方に重なる位置に設けられている。
これに対し、第2画像表示装置7は、表示画面7aの一部が遊技領域3と重なる一方、表示画面7aに遊技領域3よりも上方に位置する部分を有している。具体的に、第2画像表示装置7は、前方部分7Fを含む上部が、遊技領域3よりも上方に位置するように設けられている。このように、第2画像表示装置7が遊技領域3の外側にまでおよんでいることで、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技者に、遊技領域3の外側までおよぶ広範囲で迫力のある演出画像を見せることが可能となっている。
本形態の遊技盤ユニット2Uは、図10に示すように、遊技盤2よりも前方に、前方カバー440を有している。前方カバー440は、遊技盤2に固定されている。本形態では、この前方カバー440により、第2画像表示装置7の前方部分7Fにおける、少なくとも表示画面7aを、その前方から覆っている。これにより、前方カバー440は、遊技盤ユニット2Uにおいて、第2画像表示装置7の前方部分7Fを保護する保護部として機能することが可能であり、第2画像表示装置7の損傷を抑制することができる。なお、前方カバー440は、少なくとも、第2画像表示装置7の前方部分7Fにおける表示画面7aを覆うものであることが好ましい。第2画像表示装置7では、表示画面7aが、最も衝撃等によって損傷しやすい箇所だからである。
また、前方カバー440は、可視光を透過可能な光透過性樹脂により構成されている。よって、遊技者には、第2画像表示装置7の表示画面7aを、前方カバー440を通して違和感なく視認させることが可能である。なお、前方カバー440は、後方の第2画像表示装置7の表示画面7aの少なくとも一部が視認可能であるように、一部のみが光透過性樹脂により構成されているものであってもよい。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uは、図10に示すように、遊技盤2の後方であって、第1画像表示装置6の表示画面6a前方の空間に、盤可動体15を有している。盤可動体15は、これらを用いた演出が行われる際には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の前方へと進出した進出状態をとり、それ以外の通常時には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の前方から左右方向または上下方向に退いた退避位置をとる。
また、本形態の盤可動体15は、前方に位置する第1盤可動体15Aと、後方に位置する第3盤可動体15Cと、これらの間に位置する第2盤可動体15Bとにより構成されている。つまり、遊技盤ユニット2Uでは、遊技盤2から第1画像表示装置6までの空間に、前後方向について、3層よりなる盤可動体15が設けられている。そのため、本形態の遊技盤ユニット2Uでは、遊技盤2から第1画像表示装置6までの空間が広くとられている。
このような遊技盤2から第1画像表示装置6までの空間が広くとられている場合、遊技者は、第1画像表示装置6の表示画面6aを遠くに感じがちである。このため、第1画像表示装置6の表示画面6aだけでは、遊技者に、迫力のある演出画像を見せることができないおそれがある。しかし、本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aの上方に、表示画面6aと交差する面に沿った表示画面7aを有する第2画像表示装置7を設けている。そして、互いに交差する面に沿って設けられている第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとを併せて用いていることで、遊技者には、演出画像に奥行きを感じさせることが可能である。つまり、遊技者に、奥行きのある、十分な迫力の演出画像を見せることが可能となっている。
また、前述したように、第2画像表示装置7は、そのすべてが、遊技領域3の外側に位置しているわけではない。つまり、第2画像表示装置7は、その一部が遊技領域3の外側に位置しており、それ以外の部分は遊技領域3の後方に重なっている。
ここで、遊技者は、遊技球が流下する遊技領域3を注視しがちである。つまり、遊技者は、自然と、遊技領域3の外側よりも、遊技領域3に視線を向ける傾向にある。よって、第2画像表示装置7に遊技領域3と重なる部分を設けておくことで、遊技領域3を注視しがちな遊技者にも、第2画像表示装置7を用いた迫力のある演出画像を、無理なく自然に見せることが可能である。
また、図10に示すように、遊技盤ユニット2Uは、後方カバー600を有している。後方カバー600は、図11の遊技盤ユニット2Uの斜視図に示すように箱状の筐体である。後方カバー600は、遊技盤2にビス止め等によって固定されている。つまり、後方カバー600は、遊技盤2から取り外すことが可能である。後方カバー600としては、例えば、樹脂成型により製造されたものを用いることができる。
後方カバー600は、遊技盤ユニット2Uにおける遊技盤2の後方に位置する構成部材(いわゆる裏ユニット)の少なくとも一部を覆うものである。つまり、遊技盤ユニット2Uにおいて、遊技盤2の後方に位置する構成部材の少なくとも一部は、図10に示すように、遊技盤2と後方カバー600とにより形成された収容空間2S内に位置している。収容空間2Sは、遊技盤2と後方カバー600とを外壁とするものであり、遊技盤2の後面と後方カバー600の内壁面とにより囲われて形成されている空間である。また、本形態の遊技盤ユニット2Uにおいて、裏ユニットを構成する第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、盤可動体15といった装飾部は、後方カバー600に組み付けられている。
ここで、本形態における第2画像表示装置7の後方カバー600への組み付け構成について説明する。図12は、後方カバー600と第2画像表示装置7との組み付け箇所を後方から見た斜視図である。図12に示すように、後方カバー600は、第2画像表示装置7を取り付けるための固定部610を有している。本形態において、固定部610は、後方カバー600の内壁面に固定されている。
また、第2画像表示装置7は、表示画面7aとは反対の裏面側に位置する被固定部700を有している。図13は、図12に示すB−B位置での断面図である。図13に示すように、後方カバー600の固定部610と、第2画像表示装置7の被固定部700とは重ねられており、被固定部700は、固定部610に、ビス690によって固定されている。具体的には、固定部610には貫通孔が、被固定部700にはめねじ穴が形成されており、ビス690のおねじ部分は、固定部610の貫通孔を通ってめねじ穴に挿入されている。そして、これら被固定部700は、固定部610に、ビス690により、後方カバー600と第2画像表示装置7との固定箇所が構成されている。
なお、本形態において、第2画像表示装置7は、図12に示すように、後方カバー600の固定部610に、4つのビス690によって固定されている。また、第2画像表示装置7は、4つのビス690を取り外すことで、後方カバー600への固定状態を解除し、移動可能状態とすることができる。移動可能状態の第2画像表示装置7は、例えば、遊技盤ユニット2Uにおける第2画像表示装置7の交換作業や修理作業等を行う作業者が、その作業の際に、後方カバー600に対して移動させることが可能である。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uは、図12に示すように、遊技盤2と後方カバー600とにより構成されている外壁に、開口部2OPを有している。開口部2OPは、遊技盤2に形成された切欠き2Cと、後方カバー600に形成された切欠き601とにより形成されている。図14は、開口部2OPを前方から見た斜視図である。なお、図14においては、開口部2OPを見やすくするため、第2画像表示装置7の前方に位置する前方カバー440を二点鎖線により示している。遊技盤ユニット2Uの収容空間2Sは、開口部2OPにより、遊技盤ユニット2Uの外部と連通されている。
本形態の第2画像表示装置7は、遊技盤ユニット2Uにおいて、開口部2OPの箇所に設けられている。より具体的には、第2画像表示装置7は、図13に示すように、収容空間2S内に位置する被収容部7Iと、開口部2OPより収容空間2Sの外側へと突出している外側部7Oとを有している。なお、図13に示すように、第2画像表示装置7は、外側部7Oの体積よりも、被収容部7Iの体積の方が大きなものである。
移動可能状態の第2画像表示装置7は、被収容部7Iを、遊技盤ユニット2Uの開口部2OPを通過させることにより、収容空間2Sからその外側へと移動させることができる。つまり、第2画像表示装置7は、遊技盤ユニット2Uにおける遊技盤2と後方カバー600とが組み付けられた状態のまま、被収容部7Iを収容空間2Sから取り出すことが可能である。すなわち、本形態の第2画像表示装置7は、遊技盤2と後方カバー600とが組付いた状態のままで、遊技盤ユニット2Uから取り外すことが可能なものである。
また、第2画像表示装置7の被収容部7Iは、遊技盤2と後方カバー600とが組み付けられた状態のまま、収容空間2Sの外側より、開口部2OPを通過させて収容空間2Sへと収容することも可能である。すなわち、本形態の第2画像表示装置7は、遊技盤2と後方カバー600とが組付いた状態のままで、遊技盤ユニット2Uへと取り付けることも可能なものである。
上記のように、本形態の遊技盤ユニット2Uは、遊技盤2と後方カバー600とが組み付けられた状態で第2画像表示装置7を取り外したり、取り付けたりすることが可能なものである。よって、メンテナンス性に優れ、第2画像表示装置7の定期的なメンテナンスが必要である場合や、第2画像表示装置7の故障等によって交換や修理が必要になった場合に、その作業を、作業者は、短時間で容易に行うことが可能となる。なお、前述したように、本形態の第2画像表示装置7は、外側部7Oの体積よりも、被収容部7Iの体積の方が大きなものである。このような場合、第2画像表示装置7のメンテナンス性は特に悪くなってしまいがちである。しかし、本形態では、このような第2画像表示装置7であっても、メンテナンス性の高いものとすることが可能である。
また、遊技盤ユニット2Uには、移動可能状態の第2画像表示装置7の取り外しや取り付けの際の移動をガイドするガイド構成が設けられている。図15は、遊技盤2を取り外した状態の後方カバー600の斜視図である。また、図15では、第2画像表示装置7についても取り外されている。図15に示すように、後方カバー600は、ガイド溝621を形成するガイド部材620を有している。ガイド部材620は、固定部610に固定して設けられている。本形態では、それぞれ左右に設けられた2つのガイド溝621で一対のガイド側の構成が形成されている。ガイド溝621は、収容空間2Sより、前方斜め上に向かって延びている。つまり、ガイド溝621は、収容空間2Sの中で、開口部2OPに向けて延びている。
また、第2画像表示装置7には、ガイド溝621に対応するスライド部7Sが設けられている。スライド部7Sは、第2画像表示装置7の左右の側面に沿ってそれぞれ設けられている。よって、本形態の第2画像表示装置7は、そのスライド部7Sを、後方カバー600のガイド溝621に沿って移動させることが可能である。具体的に、第2画像表示装置7は、その表示画面7aの面内方向に移動させることが可能である。
そして、第2画像表示装置7の被収容部7Iを収容空間2Sから取り出す取り出し作業と、被収容部7Iの収容空間2Sへと収容する収容作業とを、スライド部7Sをガイド溝621に沿って移動させることにより行うことができる。なお、図15ではガイド溝621の説明のために遊技盤2等を取り外した状態の後方カバー600を示しているが、遊技盤2や前方カバー440が組み付いた状態であっても、第2画像表示装置7の被収容部7Iの取り出し作業および収容作業を行うことが可能である。
そして、ガイド構成が遊技盤ユニット2Uにない場合、第2画像表示装置7の被収容部7Iの取り出し作業や収容作業を行う作業者が、第2画像表示装置7を開口部2OPへと通過させる際に、遊技盤2や後方カバー600等に接触させてしまうおそれがある。第2画像表示装置7の表示画面7aが、例えば遊技盤2に接触してしまった場合、表示画面7aが損傷してしまうおそれがある。また、第2画像表示装置7が盤可動体15に接触した場合には、盤可動体15を損傷させてしまうおそれもある。
これに対し、本形態の遊技盤ユニット2Uでは、作業者は、第2画像表示装置7のスライド部7Sをガイド溝621に沿って移動させることで、第2画像表示装置7を遊技盤2や後方カバー600等の他の構成に衝突させずに、第2画像表示装置7の被収容部7Iの取り出し作業や収容作業を行うことが可能となっている。これにより、本形態の遊技盤ユニット2Uでは、第2画像表示装置7を損傷させずに、取り出し作業や収容作業を行うことが可能である。
また、図15に示すように、ガイド溝621の下方には、受け部630が設けられている。受け部630は、固定部610から後方斜め下に向けて延びた部分の先端に設けられている。この受け部630は、図13に示すように、被収容部7Iが収容空間2Sに収容された状態の第2画像表示装置7の接触部7Cに接触することで、第2画像表示装置7の荷重を受けることができるものである。そのため、受け部630は、ガイド溝621が延びる方向(長手方向)と交差する面を有している。
よって、スライド部7Sをガイド溝621に沿って移動させつつ、被収容部7Iを収容空間2Sへと収容した第2画像表示装置7について、その接触部7Cが受け部630に突き当たることで位置決めを行うことが可能である。つまり、本形態では、第2画像表示装置7の被収容部7Iの、収容空間2Sへの収容作業における位置決めが容易なものである。
さらに、被収容部7Iが収容状態の第2画像表示装置7は、接触部7Cが受け部630に接触していることで、重力の作用によって移動することがない。よって、後方カバー600に受け部630が設けられていることで、第2画像表示装置7は、ビス690が取り外され、移動可能状態となったときにも、落下などしてしまうことがない。このため、作業者は、第2画像表示装置7を支えることなく、ビス690の取り付け、取り外し作業を行うことが可能である。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uでは、図13に示すように、固定部610および被固定部700がともに、収容空間2Sの外側に位置している。また、被固定部700を固定部610に固定するビス690についても、収容空間2Sの外側に位置している。よって、固定部610、被固定部700、ビス690が収容空間2Sの内側に設けられている場合と比較して、作業者は、ビス690を取り外して第2画像表示装置7の固定を解除する固定解除作業や、ビス690を取り付けて第2画像表示装置7を固定する固定作業を容易に行うことが可能である。
なお、固定部610および被固定部700の少なくとも一方の、少なくとも一部が収容空間2Sの外側に位置していれば、第2画像表示装置7の固定解除作業や固定作業を容易に行うことが可能である。すなわち、収容空間2S内であっても、作業者の手や工具が届きやすい遊技盤ユニット2Uの開口部2OPの付近であれば、第2画像表示装置7の固定解除作業や固定作業が容易に行えるからである。さらに、ビス690についても、その全てが収容空間2Sの外側に位置していなくても、少なくとも一部が収容空間2Sの外側に位置していれば、第2画像表示装置7の固定解除作業や固定作業を容易に行うことが可能である。また、第2画像表示装置7の固定解除作業や固定作業を容易にするためには、ビス690の少なくとも頭部が収容空間2Sの外側に位置していることが好ましい。また、第2画像表示装置7の固定解除作業や固定作業を容易にするためには、ビス690のすべてが収容空間2S内に位置している場合であっても、ビス690の頭部が収容空間2S内で開口部2OPに向けて配置されていることが好ましい。また、複数、設けられているビス690については、その複数のうちの少なくとも1つのビス690が、収容空間2Sの外側に位置していることが好ましい。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uにおいて、固定状態の第2画像表示装置7は、外側部7Oを有している。よって、作業者は、移動可能状態とした第2画像表示装置7の外側部7Oをつかんで、第2画像表示装置7を容易に遊技盤ユニット2Uから取り外すことが可能である。
また、図12に示すように、遊技盤ユニット2Uには、2つの落下阻止部800が設けられている。落下阻止部800は、凹部が形成された皿状の受け皿810を有するものである。また、2つの落下阻止部800はともに、受け皿810の開口811を上方に向けた状態で、固定部610の下方に固定されている。ここで、第2画像表示装置7を固定した固定状態である4つのビス690は、図12に示すように、2つを1組とし、一方の組は左方に、他方の組は右方に偏って設けられている。そして、2つの落下阻止部800はそれぞれ、2つのビス690により構成される左右の組の下方に配置されている。つまり、落下阻止部800は、受け皿810の開口811を、固定状態のビス690に向けて設けられている。
ここで、作業者は、第2画像表示装置7の固定解除作業や固定作業の際に、ビス690を落下させてしまうおそれがある。しかし、本形態の遊技盤ユニット2Uでは、そのビス690の取り付け箇所の下方に受け皿810が位置している。このため、落下したビス690を受け皿810によって受け止め、それ以上、落下しないようにすることが可能である。よって、作業者が、落下したビス690を探したり拾い上げたりする手間が発生することを抑制することが可能である。
また、本形態のように、後方カバー600を有する遊技盤ユニット2Uでは、ビス690が落下した際に、後方カバー600の内側に入り込んでしまい、取り出すことが困難になってしまうおそれがある。これに対し、本形態では、受け皿810によって落下したビス690を受け止めることが可能であることで、落下したビス690が、後方カバー600の取り出すことが困難な箇所に入り込んでしまうことを抑制可能である。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uは、前述したように、遊技盤2と後方カバー600とを組み付けた状態のままで、第2画像表示装置7の取り外し作業や取り付け作業を行うことが可能である。ただし、これらの作業が、遊技盤ユニット2Uを、開口部2OPを上方に向けた姿勢として行われた場合、そのビス690の取り付け箇所の下方には、収容空間2Sが存在する。また、第2画像表示装置7は、収容空間2S内に位置する被収容部7Iを有している。このため、ビス690の取り付け作業や取り外し作業の際に落下したビス690は、収容空間2S内へと入り込んでしまいやすい傾向にある。
そして、ビス690が収容空間2Sに入り込んでしまった場合、作業者は、収容空間2Sからビス690を取り出すために、遊技盤2と後方カバー600とを分解しなければならないおそれがある。これに対し、本形態では、落下阻止部800が設けられていることで、ビス690が落下した場合であっても、遊技盤2と後方カバー600とを分解せずに、落下したビス690を容易に発見し、取得することが可能である。
さらに、本形態において、落下阻止部800は、受け皿810の開口811が、遊技盤ユニット2Uの開口部2OPの付近となるように設けられている。より具体的には、図13に示すように、受け皿810は、ほとんどが収容空間2S内に位置しているものの、その開口811の一部が収容空間2Sの外側に位置している。よって、受け皿810の全てが収容空間2S内に位置している場合よりも、作業者は、受け皿810内のビス690を容易に、受け皿810から取り出すことが可能である。
なお、本形態では、遊技盤ユニット2Uに備えられる複数の装飾部のうち、第2画像表示装置7についてのみ、上記のようにメンテナンス性の向上が図られたものである。しかし、他の装飾部(例えば、盤可動体15や固定の装飾部)にも同様の構成を採用することで、その装飾部のメンテナンス性を高めることも可能である。ただし、上記のような第2画像表示装置7は、電力の供給を受けて動作する電子部品を搭載してなるものである。この第2画像表示装置7のような電子部品を搭載した装飾部は、繊細であり、電子部品を搭載していない装飾部と比較して故障頻度が高い傾向にある。よって、電子部品を搭載したような装飾部に、同様の構成を採用することが好ましい。
また、第2画像表示装置7は、外部の電源より電力の供給を受けて動作するものである。さらに、第2画像表示装置7は、動作を指示する信号を受けて動作するものである。このため、図12に示すように、第2画像表示装置7には、外部より、電力や信号の伝送を行う配線7Lが接続されている。
また、本形態の落下阻止部800は、受け皿810の下方に設けられたクリップ部820を有している。クリップ部820は、配線7Lを挟み込むことが可能なものである。そして、クリップ部820は、配線7Lを挟み込むことにより、配線7Lの取り回し経路を形成している。このように、クリップ部820が設けられていることで、本形態では、配線7Lの取り回し経路が煩雑になることなく、適切に形成されている。
また、第2画像表示装置7を取り外したり取り付けたりする際には、配線7Lも合わせて、取り外したり、取り外した配線7Lを元通りに施行したりすることがある。そして、本形態では、配線7Lの取り回し経路を形成するクリップ部820が落下阻止部800に設けられていることで、メンテナンス性をさらに高めることが可能となっている。すなわち、第2画像表示装置7を取り外したり取り付けたりする際に、作業者は、手や工具によってビス690に触ることとなる。
よって、その作業者が触るビス690の付近にクリップ部820が設けられていることで、配線7Lの取り外しや施工についても、ビス690の取り外しや取り付けと合わせて行うことが容易になるからである。また、クリップ部820が落下阻止部800に設けられていることで、クリップ部820を落下阻止部800とは別部材として構成した場合と比較して、部品点数を低減することが可能である。よって、コストダウンや設計の簡素化を図るとともに、構造についても簡素なものとすることが可能である。
また、本形態の配線7Lは、一端が第2画像表示装置7の被収容部7Iに接続され、他端が遊技盤ユニット2Uにおける収容空間2Sの外側の箇所に接続されるものである。そして、配線7Lの取り回し経路は、遊技盤ユニット2Uの開口部2OPの内側を通っている。このようになっていることで、作業者は、例えば、第2画像表示装置7と配線7Lとの両方を取り外す場合であっても、その作業を1つの開口部2OPを通じて行うことができる。すなわち、メンテナンス性をより高めることが可能となっている。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uにおいて、開口部2OPは、前述したように、遊技盤2の切欠き2Cと後方カバー600の切欠き601とによって形成されている。すなわち、開口部2OPは、遊技盤2と後方カバー600との両方にわたって形成されている。本形態とは異なり、例えば、開口部2OPが後方カバー600にのみ形成されている場合、後方カバー600に切欠き601よりも大きな切欠きや穴が形成されることとなり、後方カバー600の強度が低下してしまうおそれがある。これに対し、本形態では、開口部2OPが遊技盤2と後方カバー600との両方にわたって形成されていることで、遊技盤2および後方カバー600の強度いずれも高いものとなっている。よって、遊技盤2および後方カバー600の破損を抑制可能である。
また、遊技盤2は、切欠き2Cが形成されていることで、図14等に示すように、2つの突起部2Fを有している。そして、第2画像表示装置7の外側部7Oは、その2つの突起部2Fの間を通って、遊技盤2の遊技盤面2aの前方へと突き出ている。よって、このような突起部2Fは、遊技盤ユニット2Uにおいて、第2画像表示装置7を保護する保護部として機能させることができる。
すなわち、液晶表示装置である第2画像表示装置7は、必ずしも外部からの衝撃等に対して強いものではない。また、本形態とは異なり、遊技盤2に突起部2Fが無かった場合には、第2画像表示装置7の側面は、一部、遊技盤ユニット2Uにおいて露出してしまうこととなる。つまり、遊技盤ユニット2Uにおいて第2画像表示装置7の側面が露出していた場合、例えば、遊技機枠50への組付けや取り外しの際などに、第2画像表示装置7が外部から衝撃を受け、損傷してしまうおそれがある。このような問題に対し、本形態では、遊技盤2に、第2画像表示装置7の側面と対向する突起部2Fが設けられていることにより、第2画像表示装置7の側面が、外部から直接、衝撃等を受けることなどがないようにされている。よって、本形態では、第2画像表示装置7の損傷が抑制されている。なお、突起部2Fのような保護部は、遊技盤2の一部ではなく、遊技盤2とは異なる部材であってもよい。
3.遊技機の電気的構成
次に、図16および図17に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図16および図17に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、音声制御基板106およびサブ駆動基板107とともにサブ制御部DKを構成する。なお、サブ制御部DKは、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(第1画像表示装置6や第2画像表示装置7、盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、遊技盤ユニット2Uの盤可動体15、可動体ユニット201の枠可動体205等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150には、電源回路(電源手段)151およびバックアップ電源回路152が設けられている。電源回路151は、主制御基板80、サブ制御基板90および払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。バックアップ電源回路152は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図16に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、および、変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図16に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられており、ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、打球発射機構57やハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図17に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、図17に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107および枠中継基板99が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67(左側スピーカ67L,右側スピーカ67R)から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して盤可動体15(第1盤可動体15A、第2盤可動体15B、第3盤可動体15C)の各駆動部の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の各駆動部(例えばステッピングモータ)の駆動制御を行う。なお、発光パターンデータや動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠中継基板99に接続された枠可動体205の駆動部(図17参照)を動作させる。演出制御用マイコン91は、枠可動体205の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体205の駆動部(例えばステッピングモータ)の駆動制御を行う。この枠可動体205の駆動部の駆動制御に係る動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、枠中継基板99には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63aおよび十字キー検出スイッチ68aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、十字キー検出スイッチ68aは、十字キー68(図1参照)が操作されたことを検出するものである。十字キー68をなす各種ボタン(「上ボタン」,「下ボタン」,「右ボタン」,「左ボタン」)が操作されると、その操作に応じた検知信号が、十字キー検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して出力される。
なお、サブ駆動基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動体の各駆動部の駆動制御を実行させてもよい。また、サブ駆動基板107に枠可動体205を接続して、サブ駆動基板107に枠可動体205の動作制御をさせてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図18に示す通りである。図18に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである(図19参照)。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである(図19参照)。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図8(B)参照)から第1の状態(図8(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図18に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図20(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面6a内や表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図20(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図21(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図22参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図21(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図21(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図23参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図23参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
6.パチンコ遊技機1の動作
次に、図24に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図25〜図26に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図24に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図16参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の所定の記憶領域にセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図20(A)参照)を取得する。また、第2始動口センサ21aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図20(A)参照)を取得する。また、ゲートセンサ28aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図20(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図19参照)に従って第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン91に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図23参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は図25〜図26に示す処理を行う。演出制御用マイコン91の動作について、以下に説明する。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図25に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
[受信コマンド解析処理]図26に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン91はまず、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1101)。受信していなければ、ステップS1104に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1102)を行う。
変動演出パターン選択処理(S1102)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、盤ランプ5を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠ランプ66を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15を動作させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠可動体205を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1102で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1103)。そしてステップS1104に進む。
ステップS1104では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1107に進むが、受信していれば、大当たり演出パターン選択処理(S1105)を行う。
大当たり演出パターン選択処理(S1105)では、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技中に実行する大当たり演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する。なお、ここで選択した大当たり演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この大当たり演出パターンの選択により、大当たり遊技中における盤ランプ5や枠ランプ66の発光演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15や枠可動体205の駆動演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1105で選択した大当たり演出パターンで大当たり演出を開始させるための大当たり演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1106)。その後、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行って(S1107)、受信コマンド解析処理を終える。
図25に戻り、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板100は、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、ステップS1103でセットされた変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
続いて演出制御用マイコン91は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ67から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ67からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板106に出力したりする。次に演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S1004)および可動体処理(S1005)を行う。
ランプ処理(S1004)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤ランプ5や枠ランプ66を発光させる発光演出がある場合には、その発光演出を実行する。すなわち、盤ランプ5や枠ランプ66を、所定のタイミング、所定の発光態様で発光させる。また、可動体処理(S1005)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤可動体15や枠可動体205を動作させる駆動演出がある場合には、その駆動演出を実行する。すなわち、盤可動体15や枠可動体205を、所定のタイミング、所定の駆動態様で動作させる。
7.本形態の効果等
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤ユニット2Uを備えている。遊技盤ユニット2Uは、遊技球が流下する遊技領域3を形成する遊技盤2、遊技盤2の後方に組み付けられた後方カバー600を有している。また、遊技盤ユニット2Uは、装飾部として、第2画像表示装置7等を有している。第2画像表示装置7は、後方カバー600に設けられた固定部610に固定されており、収容空間2Sに位置する被収容部7Iを有している。収容空間2Sは、遊技盤2と後方カバー600とを外壁として、その外壁の内壁面に囲われて形成されている空間である。そして、第2画像表示装置7は、遊技盤2と後方カバー600とが組み付いた状態で、固定部610から取り外すことが可能なものである。このため、第2画像表示装置7を取り外す作業を行う作業者は、遊技盤2と後方カバー600とを分解せずに、第2画像表示装置7を取り外すことが可能である。従って、メンテナンス性の向上を図ることが可能なパチンコ遊技機1が実現されている。
また、遊技盤ユニット2Uには、収容空間2Sとその外部とを連通する開口部2OPが設けられている。また、第2画像表示装置7の被収容部7Iは、固定部610への固定状態を解除した移動可能状態では、遊技盤ユニット2Uの開口部2OPを通過させて、収容空間2Sとその外側との間で移動させることが可能である。よって、被収容部7Iを有する第2画像表示装置7を、容易に取り外すことが可能である。
また、後方カバー600には、ガイド溝621が設けられている。一方、第2画像表示装置7には、移動可能状態にて、ガイド溝621に沿って移動可能なスライド部7Sが設けられている。このため、作業者は、第2画像表示装置7のスライド部7Sをガイド溝621に沿って移動させることで、第2画像表示装置7の被収容部7Iを、収容空間2Sとその外側との間で容易に移動させることが可能である。また、その第2画像表示装置7を移動させる際に、作業者が、例えば、開口部2OPを形成している遊技盤2や後方カバー600等にぶつけてしまうこと等を抑制可能である。よって、第2画像表示装置7が、交換等の際に損傷してしまうことを抑制可能である。
また、遊技盤ユニット2Uは、後方カバー600の固定部610の下方に設けられた受け部630を有している。第2画像表示装置7は、接触部7Cを有している。第2画像表示装置7の接触部7Cは、スライド部7Sをガイド溝621に沿って移動させ、被収容部7Iを収容空間2Sに収容した際に、受け部630に突き当たるものである。このため、スライド部7Sをガイド溝621に沿って移動させつつ、第2画像表示装置7の被収容部7Iを収容空間2Sに収容した際の第2画像表示装置7の位置決めを、容易に行うことが可能である。
また、遊技盤ユニット2Uにおいて、スライド部7Sをガイド溝621に沿って移動させつつ第2画像表示装置7の被収容部7Iを収容空間2Sに収容した際に、第2画像表示装置7の接触部7Cは、後方カバー600の受け部630の上方より、受け部630に突き当たる。つまり、移動可能状態であるとき、第2画像表示装置7の接触部7Cは、重力の作用によって受け部630に接触する。このため、作業者が移動可能状態の第2画像表示装置7を支えていなくても第2画像表示装置7が落下してしまうことがなく、例えば、作業者は、ビス690による固定作業やその固定の解除作業を容易に行うことが可能である。
また、遊技盤ユニット2Uの開口部2OPは、遊技盤2に形成された切欠き2Cと、後方カバー600に形成された切欠き601とにより構成されている。つまり、遊技盤ユニット2Uの開口部2OPは、遊技盤2と後方カバー600とにわたって形成されている。本形態とは異なり、開口部2OPを遊技盤2および後方カバー600のどちらか一方のみに形成した場合、その開口部2OPが形成された部材の強度が低下してしまうおそれがある。これに対し、遊技盤ユニット2Uの開口部2OPが遊技盤2と後方カバー600とにわたって形成されていることで、遊技盤2および後方カバー600の強度がいずれも低下しすぎてしまうことを抑制可能である。これにより、遊技盤2や後方カバー600の破損等が抑制されるため、これらの取り扱いを容易にすることが可能である。
また、第2画像表示装置7は、その被固定部700において、後方カバー600の固定部610に固定されている。そして、本形態では、後方カバー600の固定部610と第2画像表示装置7の被固定部700とがともに、収容空間2Sの外側に位置している。また、本形態では、ビス690についても、収容空間2Sの外側に設けられている。このため、作業者は、ビス690による固定作業やその固定の解除作業を容易に行うことが可能である。
また、第2画像表示装置7は、固定状態にて、収容空間2Sの外側に位置する外側部7Oを有している。このため、作業者は、例えば、第2画像表示装置7の外側部7Oをつかんで、第2画像表示装置7を遊技盤ユニット2Uから容易に取り外すことが可能である。
また、第2画像表示装置7は、電子部品を含んで構成されているため、電力や信号の伝送が可能な配線7Lが接続されているものである。そして、このような故障頻度が高い傾向にある第2画像表示装置7の取り付けや取り外しを容易に行うことが可能であることで、遊技盤ユニット2Uのメンテナンス性の向上を的確に図ることが可能である。
また、遊技盤ユニット2Uにおいて、第2画像表示装置7の配線7Lの取り回し経路は、開口部2OPを通って、収容空間2Sの内側から外側まで延びている。配線7Lの取り回し経路がこのようになっていることで、作業者は、第2画像表示装置7を配線7Lとともに取り外す際に、その取り外し作業を容易に行うことが可能である。また、第2画像表示装置7を取り付ける際の配線7Lの施行作業についても同様に、容易に可能である。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。
例えば、上記形態では、遊技盤ユニット2Uの遊技盤2と後方カバー600とが組み付いた状態で、固定部610から第2画像表示装置7を取り外すことが可能な態様について具体的に説明した。しかし、パチンコ遊技機1における第2画像表示装置7以外の構成が、このようになっていてもよい。
また例えば、上記形態では、落下阻止部800が、遊技盤ユニット2Uにおけるビス690の下方に取り付けられている構成について具体的に説明した。しかし、パチンコ遊技機1における他のビス690について、落下阻止部800を設けることとしてもよい。
また例えば、上記形態では、遊技盤ユニット2Uにおける上部に、開口部2OPおよび第2画像表示装置7が設けられている例について具体的に説明している。しかし、開口部2OPおよび第2画像表示装置7が設けられている位置はこれに限定されず、例えば、遊技盤ユニット2Uの左部、右部、下部のいずれに設けられていてもよい。このような場合であっても、作業者は、第2画像表示装置7の取り外しや取り付け作業を容易に行えることにかわりはないからである。
なお、例えば、開口部2OPおよび第2画像表示装置7が遊技盤ユニット2Uの下部に設けられていた場合、通常、作業者は、遊技盤ユニット2Uの下部を上側に向けて(遊技機枠50への取り付け状態とは逆さまにして)、第2画像表示装置7の取り外しや取り付け作業を行う。これらの作業を、開口部2OPおよび第2画像表示装置7が設けられている箇所を重力方向の上側にした姿勢とすることで、作業性がよくなるからである。すなわち、第2画像表示装置7の取り外しや取り付け作業を、遊技盤ユニット2Uを遊技機枠50から取り外して行う場合には、開口部2OPおよび第2画像表示装置7が設けられている位置がどこであっても、メンテナンス性が大きく異なることはない。ただし、第2画像表示装置7の取り外しや取り付け作業を、遊技盤ユニット2Uが遊技機枠50に装着された状態で行う場合には、開口部2OPおよび第2画像表示装置7が設けられている位置は、遊技盤ユニット2Uの上部であることが好ましいことがある。
また例えば、移動可能状態の第2画像表示装置7を移動させる際のガイド構成については必須の構成ではない。また例えば、第2画像表示装置7の被収容部7Iを収容空間2Sへと収容したときに互いに接触する受け部630や接触部7Cについても、必須の構成ではない。また例えば、第2画像表示装置7は、後方カバー600に設けられた固定部610ではなく、遊技盤2に設けられた固定部に固定可能な構成であってもよい。また、第2画像表示装置7の外側部7Oについても必須ではなく、第2画像表示装置7は、そのすべてが被収容部7Iであってもよい。
また、上記の形態では、第2画像表示装置7の被固定部700を、後方カバー600の固定部610に、ビス690によって固定した構成について具体的に説明している。しかし、第2画像表示装置7の固定は、ビス690に限らず、その他の固定要素を用いた固定構造を採用することが可能である。固定要素としては、第2画像表示装置7を後方カバー600に固定し得るものであればよく、ビス690の他、例えば、ねじによるボルト・ナットの組み合わせ、かしめによるリベット、トグルクランプ等のクランプ構造をもつもの、釘、止め輪、割ピン、スナップピン、スプリングピン、磁石、ファスナー、面ファスナー等を採用することが可能である。また、例えば上記の形態において、第2画像表示装置7の、開口部2OPの外側へ向かう移動を規制するような規制部材についても、固定要素として機能させることができる。第2画像表示装置7は、ガイド溝621に沿った方向に移動方向が規制されている状態で、そのガイド溝621に沿った方向における収容空間2Sの内部へ向かう向きの移動が受け部630により規制されている。よって、第2画像表示装置7は、開口部2OPの外側へ向かう向きの移動が規制されることで、固定可能だからである。なお、本形態のパチンコ遊技機1のように、重力の作用によって第2画像表示装置7が落下しない場合には、固定要素はなくてもよい。また、固定要素としては、市場において容易に取り外すことが可能なものであることが好ましい。
また、上記の形態では、落下阻止部800が受け皿810を有するものとして説明した。しかし、落下阻止部には、受け皿810に限らず、ビス690の落下を阻止可能なものであれば採用することが可能である。例えば、ビス690が磁石によって吸着可能なものである場合、落下阻止部は、受け皿810に替えて、磁石を有していてもよい。磁石を採用する場合、その磁石は、固定状態のビス690の下方に限らず、例えば、固定状態のビス690の上方にあってもよい。また、落下阻止部としては、ビス690を繋ぐ紐状のもの(チェーン等)を採用することも可能である。その場合、落下阻止部は、一端がビス690に、他端が第2画像表示装置7や後方カバー600等に接続されていればよい。
また例えば、上記の形態では、移動可能状態の第2画像表示装置7を移動させる際のガイド構成に関して、後方カバー600側に溝状のガイド溝621を、第2画像表示装置7側に、ガイド溝621に嵌りつつガイド溝621に沿って移動するスライド部7Sを設けたものについて具体的に説明した。しかし、これらのガイド構成は当然、逆であってもよい。つまり、第2画像表示装置7側にスライド部として溝の形成されたものを設けておき、後方カバー600側に、スライド部の溝に嵌りつつその溝の移動方向を規制可能なレール上のガイド部を設けておいてもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、所謂1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
第1の部材(遊技盤2)と、
前記第1の部材に組み付けられ、前記第1の部材とともに内側に収容空間(収容空間2S)を形成する外壁をなす第2の部材(後方カバー600)と、
前記外壁に設けられた固定部(固定部610)に固定された固定状態にて、前記収容空間に位置する被収容部(被収容部7I)を有する装飾部(第2画像表示装置7)と、を備え、
前記装飾部は、前記第1の部材と前記第2の部材とが組み付いた状態で、前記固定部から取り外すことが可能なものであることを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−20966号公報には、遊技盤と後方カバーとで囲われる収容空間の内部に位置する液晶ユニットを有する遊技機が記載されている。この文献における液晶ユニットは、液晶面が遊技盤の前面よりも前方へと突出しているものの、その液晶面の幅よりも、後方カバーの幅の方がはるかに大きいものである。つまり、液晶ユニットの遊技盤と後方カバーとで囲われる収容空間の内部に位置する部分が大きく、遊技盤の前方に引き出すように取り外すことは不可能である。よって、後方カバーを取り外さなければ、液晶ユニットの修理や交換等は行えず、メンテナンス性が低いものである。これに対し。本構成の遊技機によれば、第1の部材と第2の部材とが組み付いた状態で、収容空間に位置する被収容部を有する装飾部を、取り外すことができるため、メンテナンス性が高いものである。つまり、メンテナンス性が低いという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。そして、装飾部の定期的なメンテナンス、装飾部の修理や交換等の作業を効率的に行うことが可能となる。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域3)を形成する遊技盤と、
前記遊技盤の後方に組付けられた後方カバーと、を含んで構成された遊技盤ユニット(遊技盤ユニット2U)を備え、
前記遊技盤が前記第1の部材であり、
前記後方カバーが前記第2の部材であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技盤ユニットのメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1または手段A2に記載の遊技機であって、
前記外壁は、開口部(開口部2OP)が形成されており、
前記装飾部は、
前記固定状態を解除した移動可能状態では、前記被収容部を、前記開口部を通過させて、前記収容空間とその外側との間で移動させることが可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、外壁に開口部が設けられていることで、メンテナンス性をより向上させることが可能であり、装飾部の定期的なメンテナンス、装飾部の修理や交換等の作業をより効率的に行うことが可能となる。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前記外壁側に設けられたガイド部(ガイド溝621)を有し、
前記装飾部は、前記移動可能状態では、前記ガイド部に沿って移動可能なスライド部(スライド部7S)を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、外壁側に設けられたガイド部に沿って装飾部のスライド部を移動させることで、被収容部を、収容空間とその外側との間で容易に移動させることが可能である。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。また、作業者が、被収容部を収容空間とその外側との間で移動させる際に、誤って外壁等に接触させてしまうことも抑制可能である。このため、例えば、装飾部が交換時に損傷してしまうことを抑制可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A4に記載の遊技機であって、
前記外壁側に設けられた外壁側当接部(受け部630)を有し、
前記装飾部は、前記スライド部を前記ガイド部に沿って移動させ、前記被収容部を前記収容空間に収容した際に前記外壁側当接部に突き当たる装飾側当接部(接触部7C)を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、装飾部のスライド部をガイド部に沿って挿入した際の位置決めを容易に行うことが可能となる。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A5に記載の遊技機であって、
前記装飾側当接部は、前記被収容部を前記収容空間に収容した際には、前記外壁側当接部の上方から前記外壁側当接部に突き当たるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、移動可能状態でも、重力の作用によって外壁側当接部と装飾側当接部とが接触するため、装飾部が落下してしまうことを抑制可能である。このため、装飾部の取り外しの際に、作業者は、固定状態の解除のときに装飾部を支えることなく容易に取り外し作業を行うことが可能である。また、装飾部の取り付けの際の固定作業を行うときにも、作業者は、装飾部を支えることなく容易に固定作業を行うことが可能である。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段A7に係る発明は、
手段A3から手段A6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記装飾部は、前記固定部に固定される被固定部(被固定部700)を有し、
前記固定部および前記被固定部の少なくとも一方は、前記収容空間の外側に位置していることを特徴とする遊技機である。
例えば、固定部および被固定部がともに収容空間の中央付近にある場合、固定作業や固定解除作業が困難になってしまうことがある。これに対し、本構成の遊技機によれば、固定作業および固定解除作業をともに、容易に行うことが可能である。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段A8に係る発明は、
手段A7に記載の遊技機であって、
前記固定部に前記被固定部を固定する固定要素(ビス690)を有し、
前記固定要素は、前記収容空間の外側に設けられていることを特徴とする遊技機である。
例えば、固定要素が収容空間の中央付近にある場合、固定作業や固定解除作業が困難になってしまうことがある。これに対し、本構成の遊技機によれば、固定作業および固定解除作業をともに、容易に行うことが可能である。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段A9に係る発明は、
手段A3から手段A8までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記装飾部は、前記収容空間の外側に位置する外側部分(外側部7O)を有するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、作業者は、つかみやすい装飾部の外側部分をつかんで、装飾部の取り外し作業を行うことが可能となる。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段A10に係る発明は、
手段A3から手段A9までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記開口部は、前記第1の部材と前記第2の部材とにわたって形成されている(遊技盤2の切欠き2Cと後方カバー600の切欠き601とで形成される開口部2OP)ことを特徴とする遊技機である。
開口部がいずれか一方のみに形成されている場合、その開口部によって、開口部が形成されている部材の強度が低下してしまうおそれがある。当然、強度が低下してしまった場合、破損は生じやすくなってしまう。また、大きな開口部によって強度の低いものとなってしまった部材は、破損してしまいやすいことから、取扱いに相当の注意が必要になってしまうなど、メンテナンス性が低下してしまうおそれもある。このような問題に対し、本構成の遊技機によれば、開口部が第1の部材と第2の部材とにわたって形成されていることで、いずれの強度も高く維持することが可能である。よって、メンテナンス性を向上させつつ、第1の部材、第2の部材の破損についても抑制することが可能である。
手段A11に係る発明は、
手段A3から手段A10までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記装飾部は、電力および信号の少なくとも一方の伝送が可能な配線(配線7L)が接続された部品を含むものであることを特徴とする遊技機である。
配線が接続されている部品、例えば、電子部品等は、故障頻度が高くなりがちである。そして、本構成の遊技機によれば、故障頻度の高くなりがちな部品を含む装飾部のメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段A12に係る発明は、
手段A11に記載の遊技機であって、
前記固定状態における前記配線の取り回し経路は、前記開口部を通って、前記収容空間の内側から外側まで延びていることを特徴とする遊技機である。
配線の取り回し経路がこのようになっていることで、配線の取り外し作業や、配線の施行作業についても容易に行うことが可能である。つまり、よりメンテナンス性を向上させることが可能である。
手段A13に係る発明は、
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域3)を形成する遊技盤(遊技盤2)と、
前記遊技盤の後方に組み付けられた後方カバー(後方カバー600)と、を含んで構成された遊技盤ユニット(遊技盤ユニット2U)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技盤ユニットは、前記遊技盤と前記後方カバーとを外壁として形成される収容空間(収容空間2S)内に少なくとも一部が位置する状態で固定された装飾部(第2画像表示装置7)を有し、
前記外壁を構成する部材は、前記装飾部の被固定部(被固定部700)が固定要素(ビス690)によって固定される固定部(固定部610)を有するとともに、前記収容空間とその外側とを連通する開口部(開口部2OP)が形成されているものであり、
前記装飾部は、前記固定要素による固定を解除した状態では、前記開口部より、前記収容空間の内側から外側へと移動させることが可能なものであり、
前記固定要素は、前記収容空間の外側に位置し、前記収容空間の内側には位置しないものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、装飾部を、開口部を通じて、遊技盤と後方カバーとが組み付いた状態で取り外すことができる。また、収容空間の外側にのみ固定要素が設けられていることで、固定要素による装飾部の固定やその解除を容易に行うことが可能である。よって、メンテナンス性が高いものである。
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
2つ以上の部材が固定されている固定状態にて構成された固定箇所(固定部610、被固定部700、ビス690により構成された固定箇所)と、
前記固定状態が解除された固定解除状態における、前記固定箇所を構成していた部材(ビス690)の落下を阻止可能な落下阻止部(落下阻止部800)と、を有することを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−20966号公報には、遊技盤と後方カバーとで囲われる収容空間の内部に位置する液晶ユニットを有する遊技機が記載されている。このような構成において例えば、液晶ユニットや後方カバーが、遊技盤にビス等の固定要素によって固定されていた場合、その固定要素を取り外すことで液晶ユニットや後方カバーを遊技盤から取り外すことは可能である。しかし、固定要素の取り外しの際に、固定要素、液晶ユニット、後方カバー等が落下してしまった場合には、作業者に、落下した部材を探したり、探し出した部材を拾いに行くような手間が生じ、メンテナンス性が低下してしまうおそれがある。これに対し。本構成の遊技機によれば、固定を解除された状態の部材の落下を阻止することが可能であることで、上記のような手間が発生してしまうことを抑制可能である。つまり、メンテナンス性が低下してしまうという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。そして、装飾部の定期的なメンテナンス、装飾部の修理や交換等の作業を効率的に行うことが可能となる。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記固定状態では、固定部(固定部610)を有する部材に、固定要素(ビス690)によって被固定部(被固定部700)を有する部材が固定されていることで前記固定箇所が構成されており、
前記落下阻止部は、前記固定解除状態の前記固定要素の落下を阻止可能なものであることを特徴とする遊技機である。
固定要素は、固定部や被固定部を備える部材よりも、落下した際に破損しにくい部品であることが多いため、作業者は、固定作業や固定の解除作業の際に、固定部や被固定部を備える部材は支えるものの、固定要素にまで手が回らないことがある。つまり、固定要素は、固定部や被固定部を備える部材よりも、固定作業や固定の解除作業の際に落下する頻度が高い傾向にある。これに対し、本構成の遊技機によれば、落下頻度が高い傾向にある固定要素の落下を阻止することが可能であるため、メンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機であって、
前記落下阻止部は、
凹部(受け皿810)が形成されているとともに、前記凹部の開口(開口811)を、前記固定状態の前記固定要素に向けて設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、例えば、固定箇所を有するユニットを、落下阻止部が固定状態の固定要素の鉛直方向の下方に位置する姿勢とし、その状態で固定要素を取り外すことで、取り外した固定要素が落下した場合であっても、落下した固定要素を、落下阻止部の凹部によって受け止めることが可能である。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B2または手段B3に記載の遊技機であって、
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域3)を形成する遊技盤(遊技盤2)を含んで構成された遊技盤ユニット(遊技盤ユニット2U)を備え、
前記固定部は、前記遊技盤ユニットに設けられており、
前記遊技盤ユニットは、前記被固定部が設けられた装飾部(第2画像表示装置7)を有することを特徴とする遊技機である。
近年、遊技盤ユニットの装飾部は、複雑な動作を行う可動部や、画像を表示する液晶等の電子機器を搭載したものとなっており、故障等の頻度が高くなりがちである。そして、本構成の遊技機によれば、このような遊技盤ユニットのメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B4に記載の遊技機であって、
前記遊技盤ユニットは、前記遊技盤の後方に組み付けられた後方カバー(後方カバー600)を有することを特徴とする遊技機である。
取り外しの際に落下してしまった固定要素が後方カバーの内側に入り込んでしまった場合、固定要素を後方カバーの中から取り出すことが困難になってしまうおそれがある。これに対し、本構成の遊技機によれば、落下阻止部によって、取り外した固定要素が、後方カバーの内側の取り出しにくい箇所に入り込んでしまうことを抑制可能である。つまり、よりメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B5に記載の遊技機であって、
前記遊技盤ユニットは、前記固定状態の前記固定要素の下方に前記落下阻止部が位置する姿勢にて、前記落下阻止部の下方に、前記遊技盤と前記後方カバーとを外壁として形成される収容空間(収容空間2S)の少なくとも一部が存在するものであることを特徴とする遊技機である。
例えば、下方に収容空間の少なくとも一部が位置する状態で取り外された固定要素は、落下してしまった場合に、収容空間内に入り込んでしまいやすい傾向にある。このような問題に対し、本構成の遊技機では、下方に収容空間の少なくとも一部が位置する状態で取り外された固定要素が落下してしまった場合であっても、落下阻止部により、固定要素が収容空間内の取り出しにくい箇所に入り込んでしまうことを抑制し、メンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段B7に係る発明は、
手段B6に記載の遊技機であって、
前記装飾部は、前記収容空間に位置する被収容部(被収容部7I)を有することを特徴とする遊技機である。
装飾部が被収容部を有する場合、例えば、取り外され、落下した固定要素は収容空間内へと入り込みやすい傾向にある。このような問題に対し、本構成の遊技機では、落下阻止部によって、取り外された固定要素の落下を阻止し、メンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段B8に係る発明は、
手段B6または手段B7に記載の遊技機であって、
前記落下阻止部の少なくとも一部(受け皿810の開口811の少なくとも一部)は、前記収容空間の外側に位置していることを特徴とする遊技機である。
落下阻止部のすべてが収容空間内に位置していた場合、落下阻止部によって落下が阻止された固定要素を、落下阻止部から取得することが困難になってしまうおそれがある。このような問題に対し、本構成の遊技機では、落下阻止部によって落下が阻止された固定要素を容易に、落下阻止部から取得することが可能となるからである。
手段B9に係る発明は、
手段B4から手段B8までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記装飾部は、電力および信号の少なくとも一方の伝送が可能な配線(配線7L)が接続された部品を含むものであることを特徴とする遊技機である。
配線が接続されている部品、例えば、電子部品等は、故障頻度が高くなりがちである。そして、本構成の遊技機によれば、故障頻度の高くなりがちな部品を含む装飾部のメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
手段B10に係る発明は、
手段B9に記載の遊技機であって、
前記落下阻止部は、前記配線の取り回し経路を形成可能な配線経路形成部(クリップ部820)と一体の部材として構成されていることを特徴とする遊技機である。
例えば、配線が接続された部品を有する装飾部の交換の際には、その配線についても、取り外し、また取り外した配線を元通りに施行する作業を行うことがある。このため、落下阻止部が配線経路形成部をも有することで、配線の作業を、装飾部の取り外し、取り付け作業と合わせて行うことが容易に可能となり、メンテナンス性の向上を図ることが可能である。さらに、配線経路形成部を落下阻止部とは別に設ける場合よりも部品点数を少なくすることが可能となり、コストダウン、設計や構造の簡素化等を図ることも可能となる。
手段B11に係る発明は、
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域3)を形成する遊技盤(遊技盤2)を含んで構成された遊技盤ユニット(遊技盤ユニット2U)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技盤ユニットに設けられた固定部(固定部610)に、固定要素(ビス690)によって被固定部(被固定部700)が固定された装飾部(第2画像表示装置7)を有し、
前記固定要素は、取り外し可能なものであることを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−20966号公報には、遊技盤と後方カバーとで囲われる収容空間の内部に位置する液晶ユニットを有する遊技機が記載されている。また、この文献には、遊技盤ごと、遊技機枠から取り外して交換を可能とする技術が記載されている。ただし、液晶ユニットのような装飾部を取り外す必要が生じたような場合には、その作業を容易に行えないと、メンテナンス性が低くなってしまう。このような問題に対し、本構成の遊技機によれば、固定要素を取り外すことで、装飾部の被固定部の固定部からの固定を解除することが可能である。つまり、固定要素が取り外し可能であることにより、メンテナンス性が高いものである。このため、メンテナンス性が低いという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。そして、装飾部の定期的なメンテナンス、装飾部の修理や交換等の作業を効率的に行うことが可能となる。
手段B12に係る発明は、
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域3)を形成する遊技盤(遊技盤2)と、
前記遊技盤の後方に組み付けられた後方カバー(後方カバー600)と、を含んで構成された遊技盤ユニット(遊技盤ユニット2U)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技盤ユニットは、
前記遊技盤および前記後方カバーの一方に設けられた固定部(固定部610)に、固定要素(ビス690)によって被固定部(被固定部700)が固定された装飾部(第2画像表示装置7)を有するとともに、
前記固定要素の下方に、上方に開口する凹部が形成された皿部(受け皿810)を有する部材(落下阻止部800)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、取り外した際に落下してしまった固定要素を、皿部によって受け止めることが可能となる。よって、作業者が落下した固定要素を探したり、探し出した固定要素を拾いに行くような手間が生じてしまうことを抑制し、落下してしまった固定要素の取得を容易にすることが可能である。よって、メンテナンス性の向上を図ることが可能となっている。