以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明及び各参考発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
尚、本明細書において、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し 「右」とは「遊技者から見て「右」であることを示す。また、「前」及び「表」は、「遊技機1を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機1とする後方前方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。更に、中枠3、上皿部5、前面枠4等の扉状部材の「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉状部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図6を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。
このうち、外枠2は、図3に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、を備えている。このうち、外枠本体21は、上下に一対の水平板21aと、左右に一対の立設板21bと、を備えている(図1を参照)。そして、両水平板21aは、上下に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、左右方向に長尺とされている。また、両立設板21bは、左右に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、上下方向に長尺とされている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、中枠3と、前面枠(ガラス扉枠)4と、上皿部5と、下皿部6と、遊技盤10(図7を参照)と、裏機構盤102(図24を参照)等を主要部としている。
中枠3は、ベース枠部材の具体例を構成するものであり、図3に示すように、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、中枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。この施錠装置7は、中枠3を外枠2に施錠したり、前面枠4や上皿部5を中枠3に施錠するために用いられる。
中枠3は、全体がプラスチック製であり、図4及び図5に示すように、枠状体によって構成されている。この中枠3は、上半部に窓部3Aを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。この突出部3cは、枠本体部3bの裏面部のうちで、枠本体部3bの周縁部よりも内側であって、窓部3Aよりも外側の部位から突出している。そして、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの裏面部のうちの窓部3Aに周辺に位置すると共に壁面部3dよりも内側に位置する部位(以下、「窓部周辺部」という。)3eとが、略直交する状態とされる。
突出部3cの突端面であって、窓部3Aの左方側の上下と、窓部3Aの右方側の上下には、保持具3fが装着されている。この保持具3fは、突出部3cの突端面に軸心を略直交させた軸部材3gと、この軸部材3gによって支持された保持具本体3hとを備えている。この保持具本体3hは、軸部材3gの軸心回りに回転可能な状態とされ、その突端部3i側を、窓部周辺部3eの後方に出没させることができる。つまり、保持具本体3hは、軸部材3gの軸心回りに回転することで、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方に配置させる保持状態(図4等を参照)と、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方から退避させる解除状態と、を実現することができる。
窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの左端上方の位置と、窓部3Aの右端上方の位置からは、位置決め用突起3kが、後方に向かって突出している。また、突出部3cの壁面部3dにおいて、窓部3Aの左右に位置する複数の箇所には、位置決め用段部3mが設けられている(図4を参照)。
本実施例では、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの「窓部周辺部」3eとで保持部の具体例を構成し、保持具3fによって遊技盤10(詳細は後述する。)の保持状態を維持している。つまり、図5(b)及び(d)に示すように、遊技盤10(詳細は後述する。)は、前面部10aを前方に向けた状態(後面部10bを後方に向けた状態)で、保持部(3d、3e)に装着される。尚、この装着作業の際、保持具本体3hは解除状態とされる。そして、この装着により、遊技盤10の前面部10aにおける上縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの上方に位置する部位に当接する。また、遊技盤10の前面部10aにおける右側縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの右側方(中枠3を前方から見た場合の右側方)に位置する部位に当接し、遊技盤10の前面部10aにおける左側縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの左側方(中枠3を前方から見た場合の左側方)に位置する部位に当接する。
この際、遊技盤10の上端側左右の位置決め用孔10wに、対応する位置決め用突起3kが嵌合される{図5(b)を参照}と共に、遊技盤10の左右の側部に設けられた段部10cが、位置決め用段部3mに嵌合し(図6を参照)、遊技盤10が、保持部(3d、3e)に位置合わせされる。この保持具本体3hを保持状態とすると、この保持具本体3hによって、遊技盤10の保持部(3d、3e)からの抜け止めが図られる{図5(d)を参照}。これにより、遊技盤10が、保持部(3d、3e)に保持される。そして、このように、中枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Aによって、中枠3の前方から視認することができる(図7を参照)。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図24参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。尚、裏機構盤102の詳細に関しては後述する。
図7に示すように、中枠3の前面部3aのうちで、窓部3Aよりも下方側の部位(遊技盤10よりも下方側の部位)には、遊技球を遊技盤10に発射する発射装置(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、発射装置から発射された遊技球を外レール14(後述する。)に向かって誘導する発射レールYとが配設されている。尚、発射レールYは、中枠3の下方側において、左方向に向かって上がり傾斜状に設けられている。
前面枠4は、ガラス扉枠の具体例を構成するものであり、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、扉枠本体41と、ガラス板43と、ガラス板43を扉枠本体41に保持させる(取り付ける)ための保持部材(図示を省略)と、を備えている。尚、保持部材を扉枠本体41に対して一体的に設けることもできる。
扉枠本体41は、レンズ状のプラスチックを主体に構成され、円形状の開口部41aを有している。この開口部41aは、扉枠本体41の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられている。そして、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面(遊技領域11)を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部41aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図7参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
図2に示すように、前面枠4において、開口部41aの周縁の部位には、各種のLED基板4b、4c、4d、4e、4f、4g、4hが内蔵されている。また、何れのLED基板4b〜4hも、プリント配線基板と、プリント配線基板に搭載された複数のLEDランプと、を備えている。そして、これらのLED基板4b〜4hを構成するLEDランプは、目的(遊技効果を高める目的、賞球を報知する目的、当該遊技機1にエラーを生じたことを報知する目的)に応じて、点灯及び消灯したり、点滅する。
図1及び図2に示すように、前面枠4の上端部側の左右には、各々、スピーカーSP1、SP2(図26参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカーSP3、SP4(図26参照)が内蔵されている。このため、本遊技機1においては、前面部の4隅にスピーカーSP1〜SP4を配置することで、「4ウェイのスピーカーシステム」を構成している。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカーSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで、前面枠3の下方の部位が、上皿部5と下皿部6とを備える構成とされている。つまり、上皿部5は、前面枠3の下方に配置され、下皿部6は上皿部5の下方に配置されている。また、上皿部5は、遊技機1の内部の遊技球を、この上皿部5に排出するための排出口5b等を備えている。
尚、上皿部5の裏側には、球貸表示基板410(図25参照)及び演出ボタン基板228(図26参照)が設けられ、上皿部5の上面部には「球貸操作部5c」と、操作スイッチSWとが配置されている。また、上皿部5の外郭部分も、レンズ状のプラスチックを主体され、上皿部5の内部にも、LED基板4iが内蔵されている(図2を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、前述の施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットが設けられている(図示を省略)。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図7及び図8を中心にして説明する。この遊技盤10は、前述のように、中枠3(図4を参照)の保持部(3d、3e)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図24参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10の前面部には、ともに帯状の樹脂板(ABS製の板)を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、遊技盤10の前面部10aにおいて、この外側レール12及び内側レール13が形成する略楕円形の周壁によって構成される部位が、遊技領域11を構成している。このため、本実施例では、遊技領域11の外縁部の形状が略楕円形(長軸;462mm、短軸;424mm)とされるが、外縁部の形状は「略円形」等、の他の形状であってもよい。また、本実施例の外側レール12は、「右側方に開口する略U字状の経路を描く、略帯状体」によって構成され、本実施例の内側レール13は、「上方に開口する略U字状の経路を描く、略帯状体」によって構成されている。
遊技盤10は、図8に示すように、前方板状部500と、後方板状部600と、を着脱可能に積層して構成される積層板を用いて構成されている。また、前方板状部500及び後方板状部600の平面形状(前方から視認した平面形状)は、何れも、遊技盤10の平面形状(前方から視認した平面形状)と等しくされている。
前方板状部500は、遊技盤10の前面部10aの部位を構成する板状体であり、その前面部500aによって、遊技盤10の前面部10aを構成する。また、この前方板状部500は、透明な樹脂板を用いて構成され、図9に示すように、上端部の左右に位置決め孔501、501を貫通状(前面部500a及び後面部500bを貫通する状態)に備える。ここで、透明な樹脂板としては、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」や、「ポリカーボネート板(ポリカーボネート樹脂からなる板状体)」等を例示できる。尚、「アクリル樹脂からなる板状体」とは、「メタクリル酸エステル(特に、メタクリル酸メチル)」、及び/又は、「アクリル酸エステル」を主成分として含有する(樹脂成分全体の50重量%〜100重量%含有する)樹脂からなる板状体を指す。また、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」を用いた場合、例えば、「90〜92%の光透過率(可視領域での光透過率)」を得ること(クリスタルガラスに匹敵する光透過率を得ること)も可能なため、より好適な前方板状部500を得ることができる。
図9に示すように、前方板状部500の左右の端面には、複数の段部502が設けられている。また、前方板状部500において遊技領域11を構成する部位(以下、「遊技領域構成部」という。)511には、始動入賞球通過孔503aと、大入賞球通過孔503bと、4つの一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503hと、アウト球通過孔503kと、が貫通状(前面部500a及び後面部500bを貫通する状態)に設けられている。
遊技領域構成部511の周縁部に沿った複数箇所には、レール固定穴503m(図9において、「黒丸を白丸で囲む、2重丸表示」を用いて図示)が、前面部500aで開口する状態に設けられている。また、遊技領域構成部511の適所には、盤部品固定穴503n(図9において、「黒丸の表示」を用いて図示)が、前面部500aで開口する状態に設けられている。尚、遊技領域構成部511には、障害釘(ビス状であっても、雄ネジ状であってもよい。)を、遊技領域構成部511に打ち込む際に使用される案内穴(下穴)が前面部500aで開口する状態に設けられているが、図8及び図9等においては、図示を省略する。
遊技領域構成部511の上下方向中間部の左右には、ワープ進入孔503R、503Sが、貫通状(前面部500aから後面部500bに下り傾斜状に貫通する状態)に設けられている(図8においては図示を省略)。また、遊技領域構成部511において、各ワープ進入孔503R、503Sの直下の部位には、ワープ排出孔503T、503Uが、貫通状(後面部500bが前面部500aに下り傾斜に貫通する状態)に設けられている。
本実施例では、図10に示すように、前述の外側レール12と内側レール13を、前方板状部500に対してネジ止め固定している。つまり、外側レール12及び内側レール13は、何れも、長尺な略帯状に構成されたレール本体700と、このレール本体700の後端面(遊技盤10の前面部10aと対向する面である。)から突出する固定用突起710とを備える。
この固定用突起710は、突端部で開口する固定孔711を備えており、この固定孔711内には雌ネジ部712が設けられている。そして、図10(a)に示すように、外側レール12及び内側レール13の各固定用突起710を、対応関係にあるレール固定穴503mに対して、前方板状部500の前面部500aの側から嵌合する。そして、前方板状部500の後面部500bの側から、固定孔711に対して、雄ネジ(ビス)770を螺合すると、外側レール12及び内側レール13の前方板状部500への固定作業を完了する。
後方板状部600は、図8、図10(b)及び図11に示すように、遊技盤10の後面部側の部位を構成する板状体であり、その後面部600bによって、遊技盤10の後面部10bを構成する。また、この後方板状部600は、ベース部材610と、ベース部材610の前面部610aに装着された装飾シート620と、を備えている。また、図11に示すように、後方板状部600の上端部の左右にも、位置決め孔601、601が貫通状(前面部600a及び後面部600bを貫通する状態)に備える。尚、図11においては、装飾シート620を、「一点鎖線を用いたハッチング表示」を用いて表現している。
図11に示すように、後方板状部600の左右の端面にも、複数の段部602が設けられている。更に、後方板状部600のうちで、遊技領域構成部511の後方に配置される部位(以下、「遊技領域後方部」という。)605Bには、始動入賞球通過孔603aと、大入賞球通過孔603bと、4つの一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603hと、アウト球通過孔603kと、が貫通状(前面部600a及び後面部600bを貫通する状態)に設けられている。
図12に示すように、後方板状部600の後面部600b(ベース部材610の後面部610b)において、各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)が開口する部位には、遊技球案内用のリブ603rが突出している。尚、図示を省略するが、後方板状部600の後面部600b(ベース部材610の後面部610b)には、遊技球集合部材が装着されている。そして、各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)を通じて、後方板状部600の後方(遊技盤10の後方)に到達する遊技球が、遊技球集合部材の端末部(遊技球の通過方向に沿った端末部)に導かれる。
ベース部材610は、後方板状部600の基材部を構成し、後方板状部600の強度を決定づける部材であり、剛性の高い、不透明な樹脂板(例えば、ABS製の板等)を用いて構成されている。尚、本実施例では、後方板状部600の基材部を、剛性が高く、熱膨張率の低い素材で構成するため、後方板状部600及び前方板状部500は、剛性が高く、しかも、熱膨張率が低くされている。
ベース部材610の略中央部には、略矩形状の貫通部611が、貫通状に(ベース部材610の表面部610aと、裏面部610bとを貫通する状態に)設けられている(図15及び図16を参照)。この貫通部611は、後方板状部600の貫通部を構成するものである。ここで、図11に示すように、本実施例において、この貫通部611のサイズが以下のように定められている。つまり、貫通部611の横方向に沿った幅(P)は、約337.5mmとされ、貫通部611の縦方向に沿った幅(R)は、約272.3mmとされている。一方、本遊技機1を構成する遊技盤10の遊技領域11の縦方向に沿った幅の最大寸法(S)は約462mmとされ、遊技領域11の横方向に沿った幅の最大寸法(Q)は約424mmとされている。
このため、比(P/Q)は約0.80とされ、比(R/S)は約0.59とされている。換言すると、ベース部材610の貫通部611の開口面積は、遊技領域11の全面積の約60%とされている。このように、このベース部材610では大型の貫通部611を設けているが、ベース部材610の後面部610bの面積(貫通部611を除く、後方側の部位)が、十分に確保されている。尚、後述する中央表示装置27(画像表示装置である。)が固着される被固着部位は、この後面部610bから選択される。また、ベース部材610には、各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)を構成するための貫通孔(前面部610a及び後面部610bを貫通する状態の貫通孔)が設けられている。
ベース部材610においては、「盤部品(後述する始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44等)の後方の部位を除く略全域」が、前方板状部500の前方から視認可能な「可視部位」とされている。但し、ベース部材610が不透明な樹脂板であるばかりか、この「可視部位」の全域を装飾シート620が被覆するため、後方板状部600の「可視部位」は、「後方板状部600の前方から後方板状部600の後方を視認することができない、非透視部位」とされている。
装飾シート620は、ベース部材610の前面部610aのうちで、貫通部611と、各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)の形成箇所を除く、略全域に貼着されている。この装飾シート620は、樹脂製のシート基材に、図柄(例えば、「太陽の図形と、月の図形とを用いたセル画」)を印刷して構成されるものである。尚、本実施例では、装飾シート620が、遊技盤10の表面部10aに配置されず、この装飾シート620上を遊技球が転動しないため、装飾シート620に経時的な劣化を生じないか、この経時的な劣化の度合いが少なくなる。
遊技盤10の構成部材(前方板状部500、ベース部材610、装飾シート620)は以下のように組み付けられる。先ず、前方板状部500に外側レール12及び内側レール13を固定すると共に、ベース部材610の表面部610aのうちで、貫通部611と、「盤部品(後述する始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44等)の後方の部位」とを除く略全域に装飾シート620を貼着する。次いで、前方板状部500の後面部500bと、後方板状部600の前面部610aとを、面当接させ、前方板状部500及び後方板状部600を積層すると、遊技盤10が完成する。
この積層に際しては、前方板状部500の左右の位置決め孔501、501と、後方板状部600の左右の位置決め孔601、601とが前後に位置合わせされ、前後に連通する。そして、この連通する左右、2組の位置決め孔501、601によって、遊技盤10の位置決め用孔10w、10wが完成する。また、この積層により、前方板状部500の各通過孔(始動入賞球通過孔503a、大入賞球通過孔503b、一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503h、アウト球通過孔503k)と、後方板状部600の対応する各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)と、が前後に位置合わせされ、前後に連通する。
前方板状部500の各段部502も、ベース部材610の対応する段部612と位置合わせされ、遊技盤10の段部10cが完成する。また、左側のワープ進入孔503Rの出口部5031Rは、貫通部611の左端側上方部において後方に開口し、左側のワープ排出孔503Tの入口部5031Tは、貫通部611の左端側上方部において後方に開口する(図16を参照)。また、右側のワープ進入孔503Sの出口部5031Sは、貫通部611の右端側上方部において後方に開口し、右側のワープ排出孔503Uの入口部5031Uは、貫通部611の右端側下方部において後方に開口する(図15を参照)。
図7に示すように、以上の遊技盤10の前面部10aにおいて遊技領域11内に位置する部位には、流下経路変更部材20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車(図示を省略)等が配設されている。また、図8に示すように、遊技盤10に裏面部10b(後方板状部600の裏面部600b)には、中央表示装置27が固着されている。更に、遊技盤10を前後に縦断する状態で、ワープ部材70、70が配設されている。
流下経路変更部材20は、透明な樹脂を用いて構成されると共に、貫通部611の外縁部の前方で、しかも、この外縁部よりも内側の部位に装着されている。この流下経路変更部材20は、図13に示すように、遊技盤10の前面部10aから前方に突出する壁部21(遊技球の流下経路を変更するための壁部)を形成するための部材である。この流下経路変更部材20は、樹脂を用いて構成されると共に枠形状を備えている。また、この流下経路変更部材20は、図13及び図14に示すように、前面部10aから前方に突出する状態に配置される壁部21と、壁部21の基端部から突出し、前面部10aに沿った方向に配置される取付代22とを備えている。そして、この取付代22を、対応する盤部品固定穴503nを利用しつつ、遊技盤10の前面部10aにネジ止めすることで、この流下経路変更部材20は、遊技盤10に装着されている。
壁部21は、上部を位置する庇部21aと、左右に位置する側壁部21b、21cと、下部に位置するステージ部21dとを備えている。このうち、庇部21aは、その上面部が、左右方向中間部から左右両端に下る「下り傾斜面」を形成している。このため、庇部21aの上面部に到達した遊技球は、この上面部に沿って、庇部21aの左右一方の端部側に転動するものとされている。
ステージ部21dの突端部からは、「落下防止壁21e」が上方に向かって延設されている。また、このステージ部21dは、その上面部によって、遊技球の転動面を構成する。この転動面は、「左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面」として構成されている。そして、落下防止壁21eの左右方向に沿った中央部には、ステージ部21dの上面部(転動面)上の遊技球を、ステージ部21dの外部に排出するための排出通路21fが設けられている。尚、本実施例では、ステージ部21dの上面部(転動面)に進入した遊技球は、上面部(転動面)上を左右に転動する。そして、遊技球の勢いを衰えたところで、この遊技球は、排出通路21fを通過してステージ部21d外に排出されるか、或いは、「ステージ部21dの上面部(転動面)において、落下防止壁21eが低くされた部位」から、ステージ部21d外に排出される。尚、排出通路21fの出口部の直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
左側の側壁部21bは、左方向に入口部を開口させ、右方向に出口部を開口させたワープ孔21hを備えている。そして、図16に示すように、このワープ孔21hの出口部は、略管状のワープ連絡部材21i(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、左側のワープ進入孔503Rに連絡されている(図16を参照)。更に、この左側のワープ進入孔503Rの出口部5031Rは、左側のワープ部材70(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、左側のワープ排出孔503Tの入口部5031Tに連絡されている。更に、この「左側のワープ排出孔503Tの出口部」は、ステージ部21dの上面部(転動面)の左端側に連絡されている。この左側のワープ部材70は略管状に構成され、その中間部が、貫通部611内に進入している。
つまり、遊技盤10には、左側のワープ進入孔503Rと、左側のワープ連絡部材21iと、左側のワープ部材70と、左側のワープ排出孔503Tとを用いて構成される「ワープ通路(「遊技領域11に存在する遊技球を、一端、遊技領域11の後方に搬送し、再び、遊技領域11に戻す通路」の意味で用いる。)」の中間部が、貫通部611内に進入すると共に、表示画面27aに近接する位置を通過している。即ち、左側の側壁部21bの左側方に到達し、しかも、ワープ孔21hに進入した遊技球は、左側のワープ連絡部材21iを通過した後、左側のワープ進入孔503R、左側のワープ部材70、左側のワープ排出孔503Tの順に通過する。この後、左側のワープ排出孔503Tの出口部からステージ部21dの上面部(転動面)の左端側に到達する。更に、この左側のワープ通路(503R、21i、70、503T)の内部が視認可能とされ(流下経路変更部材20、ワープ連絡部材21i、ワープ部材70が透明であるから)、遊技者は、このワープ通路(503R、21i、70、503T)の内部を通過する遊技球を視認可能である。加えて、左側のワープ部材70を通過する際に、遊技球は、貫通部611内を通過する。このため、本実施例では、「遊技球が、本遊技機1のうちで遊技者が特に注視する部位(表示画面27a)の近傍を通過すること」を、左側のワープ部材70を透かして視認することが可能である。
右側の側壁部21cは、右方向に入口部を開口させ、左方向に出口部を開口させたワープ孔21pを備えている。そして、図15に示すように、このワープ孔21pの出口部は、略管状のワープ連絡部材21k(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、右側のワープ進入孔503Sに連絡されている。更に、この右側のワープ進入孔503Sの出口部5031Sは、右側のワープ部材70(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、右側のワープ排出孔503Uの入口部5031Uに連絡されている。更に、この「右側のワープ排出孔503Uの出口部」は、ステージ部21dの上面部(転動面)の右端側に連絡されている。この右側のワープ部材70も、略管状に構成され、その中間部が、貫通部611内に進入している。
つまり、遊技盤10には、右側のワープ進入孔503Sと、右のワープ連絡部材21kと、右側のワープ部材70と、右側のワープ排出孔503Uとを用いて構成される「ワープ通路」の中間部が、貫通部611内に進入すると共に、表示画面27aに近接する位置を通過している。即ち、右側の側壁部21cの右側方に到達し、しかも、この側壁部21cのワープ孔21pに進入した遊技球は、右側のワープ連絡部材21k、右側のワープ進入孔503S、右側のワープ部材70、右側のワープ排出孔503Uの順に通過する。この後、右側のワープ排出孔503Uの出口部からステージ部21dの上面部(転動面)の右端側に到達する。更に、この右側のワープ通路(503S、21k、70、503U)の内部も、視認可能とされ(流下経路変更部材20、ワープ連絡部材21k、ワープ部材70が透明であるから)、遊技者は、このワープ通路(503S、21k、70、503U)の内部を通過する遊技球を視認可能である。加えて、右側のワープ部材70を通過する際にも、遊技球は、貫通部611内を通過する。このため、本実施例では、「遊技球が、本遊技機1のうちで遊技者が特に注視する部位(表示画面27a)の近傍を通過すること」を、右側のワープ部材70を透かして視認することも可能である。
中央表示装置27は、「画像表示装置」の具体例を構成すると共に液晶表示装置を用いて構成されている。この中央表示装置27の前面部には、図15〜図17に示すように、表示画面27aと、この表示画面27aを枠状に包囲する表示枠部27gとが設けられている。ここで、表示画面27aは、表示領域部の具体例を構成する。そして、この中央表示装置27は、表示枠部27gの前面部を後方板状部600の後面部600bのうちで、貫通部611を包囲する部位に当接させつつ、この後面部600bに固着されている。尚、本実施例の中央表示装置27(液晶表示装置)は、「前面部側に表示画面27aを備える液晶パネル」を含む構成とされば足り、当該「液晶パネル」以外の部材(駆動回路等)を一体的に備えるか否かを特に問わない。つまり、この各請求項の発明及び各参考発明の「画像表示装置」の具体例を構成する液晶表示装置は、「表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)を主体とする装置(駆動回路等を含まない装置)」として構成されてもよいし、表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)と、他の部材(駆動回路等)とを含む装置として構成されてもよい。換言すると、少なくとも、「表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)」を含む装置であればよい。この場合、例えば、この液晶パネルを、表示領域部(表示画面27aを構成する部位)と、この表示領域部を枠状に包囲する表示枠部と、を備える構成とする。そして、この液晶パネルの前面部(表示枠部の前面部)を、後方板状部600の後面部600bのうちで貫通部611を包囲する部位に当接させつつ、この液晶パネルを後方板状部600の後面部600bに固着してもよい。
本実施例では、図17に示すように、この中央表示装置27の固着のために、略L字のステー27hと、取付用のビス27iとを用いている。そして、このように、中央表示装置27の固着すると、表示画面27aの外縁部と、貫通部611の内縁部とが、前後に位置合わせされる。このため、遊技盤10の前方の遊技者は、前方板状部500を透かして、表示画面27aの全域を視認することができる(図7及び図18等を参照)。但し、本実施例では、表示画面27aのサイズを「17インチ」としている。尚、各請求項の発明及び各参考発明では、表示画面27aのサイズは特に問わないが、「10インチ」〜「20インチ」の間で選択することが好ましく、「15インチ」〜「17インチ」の間で選択することが特に好ましい。
この中央表示装置27は、後述する右下表示装置60と同様に、判定結果図柄を確定表示するためのものである。但し、この中央表示装置27においては、右下表示装置60よりも、演出度の高い演出を実行しつつ、判定結果図柄を確定表示を行う。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄を表示するための「本図柄表示用の図柄表示装置」を構成し、中央表示装置27が、演出用の疑似図柄(演出図柄ということもある。)を表示するための「疑似図柄表示用の図柄表示装置」を構成する。また、本実施例と異なり、単一の図柄表示装置によって、本図柄の表示と、疑似図柄の表示とを行ってもよい。また、各請求項の発明及び各参考発明の遊技機1は、本図柄の表示のみを行い、疑似図柄の表示を行わないものであってもよい。
中央表示装置27の表示画面27aは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図18(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部27bを「左疑似図柄表示部27b」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部27cを「中疑似図柄表示部27c」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部27dを「右疑似図柄表示部27d」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。尚、表示画面27aにおける具体的な表示態様に関しては後述する。
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、図7に示すように、遊技領域11において、流下経路変更部材20の両脇に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図25参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、前後に連通する2つの始動入賞球通過孔503a、603aの前方に位置する部位に配設されている。そして、図7に示すように、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路24cの出口部24eの直下に位置するため、排出通路24cを通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの直下に位置すると共に、入口側部分に、普通電動役物17dが配置されている。この普通電動役物17eは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図25参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図25参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される構成となっている。
図7に示すように、下部装置30は、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、前後に連通する2つの大入賞球通過孔503b、603bと連通している。尚、この2つの大入賞球通過孔503b、603bによって、「大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための大入賞口入賞通路(図示を省略)」が構成される。
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイ板31c(図25参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図25参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、図7に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図20(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、図20(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、図20(a)に示すように、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部61において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物17eを開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、可変入賞装置(大入賞装置)31を開放を許容するか否かの判断(遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態にすべきか否かの判断)を、「当否判定」と称する。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、図20(b)に示すように、2個LEDを消灯させることで、「保留数」が「ゼロ個」であることを示す。また、1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させることで、「保留数」が「1個」であることを示す。更に、2個のLEDを点灯させることで、「保留数」が「2個」であることを示す。また、1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させることで、「保留数」が「3個」であることを示す。更に、2個のLEDを点滅させることで、「保留数」が「4個」であることを示す。
遊技状態表示部55は、2個のLED55a、55bを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、2個のLED55a、55bを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、図21(a)に示すように、一方のLED55aを点灯させ、他方のLED55bを消灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。更に、図21(b)に示すように、一方のLED55aを消灯させ、他方のLED55bを点灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。
ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確変モードになると、確変手段(特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定することを内容とする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17eの開放時間を長くしたり、開放回数が多く設定することを内容とする手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが、確変モードから時短モードになると、確変手段は作動を停止し、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定することを内容とする手段)が作動を開始する。更に、遊技機1の遊技モードが、確変モードから通常遊技モードに戻されると、時短手段と、開放延長手段は作動を停止する。尚、本実施例では、確変手段の作動時に、確変手段は、「特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定すること」に加えて、「特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定すること」も行う。つまり、遊技機1が実行する「確変モード」は、実質的に、時短モードをも実行するモードと言える。但し、本実施例では、確変モードが解除された後であって、時短手段と、開放延長手段とが作動している場合のみを「時短モード」と称することとする。
普通図柄表示部56は、1個のLED56aを用いて構成され、前述の如く、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に伴う当否抽選の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)を経て実行する。つまり、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、普通図柄表示部56は点滅表示を開始する。そして、「当否抽選に関する結果の表示」の実行時期が到来すると(換言すると、普通図柄の変動時間を終了すると)、普通図柄表示部56を用いて、「当否抽選に関する結果」の確定表示がなされる。具体的には、図21(c)に示すように、LED56aを点灯状態とすることで、当該「当否判定に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示され、LED56aを消灯状態とすることで、当該「当否抽選に関する結果」が外れ(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示される。尚、当該「当否抽選に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)である場合には、前述のように、普通電動役物17e(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
本実施例では、このように、LED56aを点灯状態としたり、消灯状態とすることで、普通図柄の確定表示を示し、LED56aを点滅状態とすることで、普通図柄の変動表示を示する。つまり、ランプ装置による点灯表示と、消灯表示と、点滅表示とを用いて、普通図柄の表示を行う。但し、本実施例においては、数字(例えば、1〜9の数字)、アルファベット文字、図形等を用いて普通図柄の表示を行うこともできる。
右下表示装置60は、図7に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図22(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、図22(b)に示すように、特別図柄表示部62は、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。具体的には、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」において、この略長円状を周回する方向に沿って、「7個のLED62a〜62g」が点灯する。
より具体的には、所定のLED(例えば、LED62a)が点灯状態となると、残りのLED(例えば、LED62b〜62g)は消灯状態となる。このLED(例えば、LED62a)が消灯状態となると、略長円状を周回する方向に隣合う1つのLED(例えば、LED62b)のみが点灯状態となる。そして、図22(b)に示すように、点灯状態となるLEDを、略長円状を周回する方向に沿って順次変更することで、特別図柄表示部62の変動表示が実行される。この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の確定表示が実行される。尚、特別図柄表示部62における特別図柄の表示態様に関しては後述する。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成される。この大当り態様表示部63は、主に、「特別図柄に関する当否判定に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、図23(a)に示すように、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。具体的には、図23(b)及び(c)に示すように、一方のLED63aを点灯させ、他方のLED63bを消灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第1の大当り(スタンダード大当りともいい、具体的な内容は後述する。)」であることが示される。また、図23(d)に示すように、一方のLED63aを消灯させ、他方のLED63bを点灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第2の大当り(チャンス大当りともいい、具体的な内容は後述する。」であることが示される。
図20(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図22(a)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図25参照)が配設されている。また、各一般入賞装置40、41、43、44は、それらの後方で連通する一般入賞球通過孔(503c及び603c、503e及び603e、503g及び603g、503h及び603h)に連通している。
尚、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。尚、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。また、アウト口18は、その後方で連通する、アウト球通過孔503k、603kと連通している。更にアウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
尚、本遊技機1では、前述のように、上皿部5に操作スイッチSWを配設している。本実施例の遊技機1では、この操作スイッチSWを操作しても、遊技上の演出に変化を与えることはできないが、各発明においては、この操作スイッチSWを、遊技上の演出に変化を与えるために用いることとしてもよい。例えば、中央表示装置27の表示画面27aで行われる表示に変更を加えるために用いることとしてもよい。
c.特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、当否判定の結果を示す確定表示と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び中央表示装置27)において、同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は、「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、中央表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御する演出制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。
次に、これらの特別図柄の表示態様を説明する。先ず、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)においては、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、右下表示装置60の「特別図柄表示部62」を用いて、本図柄の変動表示(つまり、LED62b〜62gを用いた循環表示)を開始する。この変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)が実行される。そして、本図柄の停止表示(確定表示)の態様には、以下の態様がある。
i)スタンダード大当り(遊技機にとって、標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図23(b)に示すように、2個のLEDを点灯させて行うか、図23(c)に示すように、3個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「スタンダード大当り」を「第1の大当り」と称することもある。また、このスタンダード大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、2個若しくは3個のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第1の大当り図柄」、若しくは、「スタンダード大当り図柄」と称することがある。尚、「特別図柄表示部62」に、スタンダード大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「一方のLED63a」は点灯状態とされる。
このスタンダード大当り(第1の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態(第1の大当り状態若しくはスタンダード大当りとも言う。)となり、第1の特別遊技(第1の大当り遊技若しくはスタンダード大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第1の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞容易な状態に開放され、多量の賞球を伴う利益が遊技者に付与される。
但し、「スタンダード大当り」のうちで、図23(c)に示すように、3個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定(以下、「確変判定」ということもある。)の結果」も、「当り」であることを示す。一方、「スタンダード大当り」のうちで、図23(b)に示すように、2個のLEDを点灯して行われるものは、当否判定の結果が「第1の大当り」であるが、「確変判定」の結果は「外れ」であることを示す。以下、本明細書においては、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)で、しかも、確変判定の結果も当選である場合を「スタンダード確変当り(若しくは、スタンダード確率変動大当り)」と称し、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)」であるが、確変判定の結果が落選である場合を「スタンダード通常大当り」と称することがある。
ii)チャンス大当り(遊技機にとって、非標準型の大当り)
本図柄の停止表示(確定表示)を、図23(d)に示すように、4個のLEDを点灯させて行う場合である。以下、この「チャンス大当り」を「第2の大当り」と称することもある。また、このチャンス大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、4のLEDが点灯させて表示される図柄)を、「第2の大当り図柄」、若しくは、「チャンス大当り図柄」と称することがある。
このチャンス大当り(第2の大当り)を生ずると、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態(第2の大当り状態若しくはチャンス大当り状態とも言う。)となり、第2の特別遊技(第2の大当り遊技若しくはチャンス大当り遊技とも言う。)が実行される。そして、遊技機の遊技状態は、第2の特別遊技状態となると、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞困難な状態(第1の大当り遊技状態への移行時に比べて入賞困難な状態)に開放される。但し、チャンス大当り(第2の大当り)においては、「確変判定」の結果が当りであるため、遊技者は、確変状態の実行による利益を得ることができる。尚、「特別図柄表示部62」に、チャンス大当り図柄が表示される場合、大当り態様表示部63を構成する「他方のLED63b」は点灯状態とされる。
ii)外れ
図23(a)に示すように、「特別図柄表示部62」に、1個のLEDが点灯すると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す。つまり、当否判定の結果が、「スタンダード大当り(第1の大当り)」にも、「チャンス大当り(第2の大当り)」にも該当しないことを示す。この場合、「確変判定」の結果も外れとなる。
尚、「確変当り(スタンダード確変当り、若しくは、チャンス確変当り)」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る大当り遊技遊技状態の終了後に、当該遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確率変動モードに変更される。そして、遊技機1のモードが、この「確率変動モード」に変更されると、この「確率変動モード」の解除条件が成立するまでの間、判定手段によって「大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。また、本実施では、この「確率変動モードの解除条件」は、大当りの判定結果(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を得ないまま、特別図柄が所定回数、変動するか(つまり、外れ判定が所定回数、繰り返されるか)、あるいは、次回の大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を生ずることで成立する。
中央表示装置27においても、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示を開始する。そして、この変動表示の期間が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示(確定表示)も、前述の本図柄の停止図柄(確定図柄)と同様に、当否判定の結果の表示する。尚、本実施例では、当否判定の結果を、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とで行うが、本実施例と異なり、「判定結果図柄」を、本図柄の停止図柄(確定図柄)のみで構成してもよい。
中央表示装置27の表示画面27aにおいては、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、図18(b)に示すように、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。
疑似図柄表示部27b〜27dに、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図19「(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図19(a)の「外れを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図19(b)及び図19(c)に示すスタンダード大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図19(d)の「チャンス大当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、がある。
このうち、「スタンダード大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの「数字」を3つ並べて構成される。但し、この「スタンダード大当り」が、確変当りである(スタンダード確率変動当りである)場合には、奇数の数字が揃えられ、通常当りである(スタンダード通常当りである)場合には、偶数数字が揃えられる。
また、「チャンス大当りを示す停止図柄」は、図19(d)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dに、左から右に昇順となる数字を並べて(例えば、「1」、「2」、「3」)構成される。更に、「外れを示す停止図柄」は、図19(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dのうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「チャンス大当りを示す停止図柄」を除いたものである。
本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される疑似図柄(以下、「疑似図柄による判定結果図柄」という。)の表示内容と、特別図柄表示部62に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「本図柄による判定結果図柄」という。)とが一致している。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される表示内容が、特別図柄表示部62に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部27b〜27dにおいては、その変動の開始から停止に至るまでの間に、特別図柄表示部62よりも、派手な演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dでは、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」を行ってもよい。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「スタンダード確率変動当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「スタンダード通常大当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「スタンダード確率変動当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63とを用いて、「大当り(スタンダード大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「大当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部200Aで抽選してもよいし、演出制御部220Aによって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明及び各参考発明において、特別図柄表示部62の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、特別図柄表示部62も、中央表示装置27と同様に、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)を表示可能な構成とする。そして、この特別図柄表示部62においても、変動表示の途中に、リーチ演出を行ってもよい。また、本実施例では、本図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置60)と、疑似図柄を表示するための図柄表示装置(右下表示装置27)とを別体の図柄表示装置としたが、本図柄及び疑似図柄を同一の図柄表示装置によって表示してもよい。
f.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図24を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図27において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。また、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図27は、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
主制御基板ケース、中継端子板や、払出制御基板ケース118等の各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス、電源スイッチ、電源ターミナル基板132及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板が設けられている。尚、電源ターミナル基板132には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ132aが接続されている。また、中継端子板の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブルも配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブルが上方へ延出し、電源ケーブルを備えた球貸装置に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材が設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図25〜図27を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(c)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図25〜図27中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図26においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ31s、40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイ板31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示装置)27を駆動する演出表示基板222やスピーカーSPを駆動するアンプ基板224が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、装飾用の各種LED基板4c〜4i等を駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSWからの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。尚、演出制御部220A(演出制御基板220)の詳細な入出力関係については後述する。
払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
主制御部200A(主制御基板200)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200A(主制御基板200)でも計数されている。
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。
下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、或いは、遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御部240A(払出制御基板240は、主制御部200A(主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部200A(主制御基板200)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置(液晶表示装置)27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜SP4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDランプや、「LED基板4c〜4iに搭載されたLEDランプ」の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出制御部220A(演出制御基板220)の駆動信号を演出表示基板222に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置(液晶表示装置)27、或いは、演出表示基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ、「LED基板4c〜4iに搭載されたLEDランプ」等の駆動信号を出力することによって、各種LEDの点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部5の前面側に設けられた操作スイッチSWを、遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置(液晶表示装置)27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)特別図柄表示ゲームの概要
本遊技機においては、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図28〜31に示すように、右下表示装置60の特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示を開始すると共に、中央表示装置(液晶表示装置)27の疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、特別図柄表示部62a〜62gと、疑似図柄表示部27b〜27dとの双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。以下、この特別図柄表示ゲームにおいて、特別図柄の停止図柄の種類毎(当否判定の結果毎)に異なる点を説明する。
a.外れの場合
図28(a)及び(b)に示すように、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると(当否判定の結果が外れである旨の判定結果図柄が表示されると)、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。ここで、図28(a)では、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)を示し、図28(b)では、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」を示している。
b.スタンダード通常大当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード通常大当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード通常大当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図29に示すように、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。そして、特別図柄の変動時間を経過した後に、「大当り表示」が行われる。ここで、「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、2個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の偶数数字」を停止表示して行われる。
この「スタンダード通常大当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいて、「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第1の単位駆動」が施される。この「第1の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜35秒から選択される時間)維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード通常大当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードとされる。
c.スタンダード確率変動当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード確率変動当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード確率変動当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)にも、図30に示すように、特別図柄の変動途中に「リーチ表示」が行われる。そして、特別図柄の変動時間を経過した後に、「大当り表示」が行われる。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、3個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「ゾロ目の奇数数字」を停止表示して行われる。
この「スタンダード確変当り」に係る特別図柄表示ゲームにおいて、「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態においては、「第1の単位駆動」が、「第1のインターバル時間」を挟みつつ、計15回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード確率変動当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。
c.チャンス大当りの場合
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「チャンス大当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、チャンス大当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図31に示すように、「リーチ表示」を行った後、「大当り表示(チャンス大当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」は、特別図柄表示部62a〜62gにおいて、4個のランプ装置を点灯すると共に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「左から右に昇順となる数字」を停止表示して行われる。
この「大当り表示」がなされると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行する。そして、この第2の大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に、「第2の単位駆動」が施される。この「第2の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、「閉鎖姿勢」から、「開放姿勢」に移行させ、この開放姿勢を、「第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
そして、この「第2の単位駆動」が終了すると、遊技機1の遊技状態は、第2の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「チャンス大当りに起因する第2の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。尚、本実施例では、個々の第2の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の大当り遊技状態の間に実行される第2の単位駆動の回数」は、「第1の大当り遊技状態の間に実行される第1の単位駆動の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位駆動」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、遊技球の入賞は、ごく希にしか生じない。
(4)実施例の効果
実施例の遊技機1では、前方板状部500の後面部(裏面部)500bに、後方板状部600を着脱自在に組み付けた積層体を用いて遊技盤10を構成する。そして、この遊技盤10の後面部(裏面部)10bに、中央表示装置(画像表示装置)27を固着する。このため、本実施例によると、遊技盤10と、この遊技盤20の後面部10bに一体化された中央表示装置(画像表示装置)27と、を遊技機1に組み込む際に、「特別な構造(レール部等を備える特別な構造)の中枠3」が必要とされない。
このため、パチンコホールにおいて、本実施例に係る中枠3を転用しつつ、「機種変更」を円滑に行うことができる。例えば、実施例の遊技機1を、「別の透明盤型の遊技機」に機種変更する場合には、「本実施例の中枠3」から「本実施例の遊技盤10及び中央表示装置(画像表示装置)27の一体品」を取り外した後、図32(a)に示すように、この「本実施例の中枠3」に対して、当該「別の透明盤型の遊技機を構成する遊技盤10E及び中央表示装置(画像表示装置)27Eの一体品」を組み込めばよい。
また、実施例の遊技機1を、「一般型の遊技機」に機種変更する場合には、「本実施例の中枠3」から「本実施例の遊技盤10及び中央表示装置(画像表示装置)27の一体品」を取り外した後、図32(b)に示すように、この「本実施例の中枠3」に対して、当該「一般型の遊技機を構成する遊技盤10」を組み込めばよい。この場合、遊技盤10に装着された中央装置900Fに、中央表示装置(画像表示装置)927Fが組み込まれるが、この中央表示装置(画像表示装置)927Fの表示画面927aのサイズは、本実施例の中央表示装置(画像表示装置)27の表示画面27aのサイズよりも遙かに小さくされる。
更に、実施例の遊技機1を、「別の透明盤型の遊技機」に機種変更する際に、図33に示すように、後方板状部600の交換によって、この機種変更に対処することもできる。この場合、後方板状部500を、「機種変更後の遊技盤を構成する部品」として引き続き使用できる。よって、本実施例によると、「透明盤型の遊技機を構成する遊技盤10の構成部材」の汎用性を高めることができる。尚、この場合、装飾部材620のみを取り換えて、ベース部材610の転用をも図ることができる。かかる態様では、中央表示装置27をも、転用することができる。
また、本実施例においては、中央表示装置27を遊技盤10の裏面部10bに直接、固着するため、中央表示装置27の表示画面27aを遊技者の視線に近づけることができる。このため、遊技者は、表示画面27aによって、より迫力のある画像を楽しむことができる。
更に、本実施例においては、左側のワープ通路(503R、21i、70、503T)、及び、右側のワープ通路(503S、21k、70、503U)が透明な素材で構成される。しかも、左側のワープ通路(503R、21i、70、503T)中間部(左側のワープ部材70の中間部)と、右側のワープ通路(503S、21k、70、503U)の中間部(左側のワープ部材70の中間部)と、が貫通部611内を通過するため、ワープ通路(ワープ部材70)に奥行きを生じさせることができる。加えて、これらのワープ通路の中間部が、表示画面27aに近い位置を通過する。更に、ワープ通路(ワープ部材70)を通過する遊技球が、一端、表示画面27aに近づいた後、表示画面27aから遠ざかるという、斬新な挙動を示す。このため、本実施例の遊技機1によると、遊技者の興趣が高められる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
つまり、ベース部材610の構成素材を、本実施例で例示する樹脂に限定されない。例えば、図34(a)の変形例1に示す木材(合板等)や、図34(b)の変形例2に示す金属等であってもよい。
また、図35の変形例3に示すように、内側レール15及び外側レール14を、金属板で構成することもできる。つまり、変形例3の外側レール12及び内側レール13は、金属製で、長尺な略帯状に構成されるレール本体850と、このレール本体850の後端面(遊技盤10の前面部10aと対向する面である。)から突出する固定片860と、この固定片860を被覆する樹脂製の被覆部材870と、を備える構成とする。
尚、この変形例3では、この被覆部材870を、ゴム、若しくは、熱可塑性エラストマー等の弾性に優れた素材で構成することもできる。また、この変形例3では、固定用片860に、アンカー部861(外径が段差状に大きくする部分等)を設け、固定用片860の被覆部材870からの抜け止めを図ることが望ましい。
この変形例3では、レール固定穴(レール保持穴)503mに、被覆部材870で被覆された固定片860が嵌合される。この際、被覆部材870の外径が、レール固定穴503mの内径よりも僅かに大きくされるため、固定片860を被覆する被覆部材870は、僅かに圧縮変形されつつ、レール固定穴503mに圧入される。
この変形例3を利用すると、金属製の外側レール12及び内側レール13を、樹脂製の前方板状部500に対して強固に固定することができる。つまり、金属製の固定片860を、レール固定穴(レール保持穴)503mに対して、そのまま嵌合するだけの場合、前方板状部500が固定片860を十分に強固な状態で保持することは困難である。つまり、金属製の固定片860を、樹脂製の前方板状部500に嵌合した場合、外側レール12や内側レール13に衝撃が加わると、この衝撃によって、固定片860が、レール固定穴(レール保持穴)503mから抜け出るおそれがある。
これに対して、変形例3では、被覆部材870を樹脂で構成すると共に、被覆部材870をレール固定穴503mに圧入するため、被覆部材870の外周面と、レール固定穴503mの内周壁との間に十分な大きさの摩擦力が働く。このため、外側レール12や内側レール13に衝撃っても、この衝撃によって、被覆部材870が、レール固定穴(レール保持穴)503mから抜け出る可能性は低くなる。よって、変形例3を利用すると、金属製の外側レール12及び内側レール13を、樹脂製の前方板状部500に対して強固に固定することができる。
尚、変形例3によると、「固定片860の抜け止め」のために、この固定片860に施すべき加工を少なくできる。つまり、「固定片860の抜け止め」を図るために、「固定片860」の表面を凹凸面とし、この表面の面粗度を高める等の加工を施すことが必要とされない。