以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図7を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。このうち、外枠2は、図3に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。
この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、を備えている。このうち、外枠本体21は、上下に一対の水平板21aと、左右に一対の立設板21bと、を備えている(図1を参照)。そして、両水平板21aは、上下に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、左右方向に長尺とされている。また、両立設板21bは、左右に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、上下方向に長尺とされている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、中枠3と、前面枠(ガラス扉枠)4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図7を参照)と、裏機構盤102(図22を参照)等を主要部としている。
中枠3は、ベース枠部材の具体例を構成するものであり、図3に示すように、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、中枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。この施錠装置7は、中枠3を外枠2に施錠したり、前面枠4や上皿部材5を中枠3に施錠するために用いられる。
中枠3は、全体がプラスチック製であり、図4及び図5に示すように、枠状体によって構成されている。この中枠3は、上半部に窓部3Aを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。この突出部3cは、枠本体部3bの裏面部のうちで、枠本体部3bの周縁部よりも内側であって、窓部3Aよりも外側の部位から突出している。そして、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの裏面部のうちの窓部3Aに周辺に位置すると共に壁面部3dよりも内側に位置する部位(以下、「窓部周辺部」という。)3eとが、略直交する状態とされる。
突出部3cの突端面であって、窓部3Aの左方側の上下と、窓部3Aの右方側の上下には、保持具3fが装着されている。この保持具3fは、突出部3cの突端面に軸心を略直交させた軸部材3gと、この軸部材3gによって支持された保持具本体3hとを備えている。この保持具本体3hは、軸部材3gの軸心回りに回転可能な状態とされ、その突端部3i側を、窓部周辺部3eの後方に出没させることができる。つまり、保持具本体3hは、軸部材3gの軸心回りに回転することで、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方に配置させる保持状態(図4等を参照)と、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方から退避させる解除状態と、を実現することができる。また、突出部3cの壁面部3dにおいて、窓部3Aの左右に位置する複数の箇所には、位置決め用段部3mが設けられている(図4を参照)。
本実施例では、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの「窓部周辺部」3eとで、「遊技盤10を保持するための保持部(3d、3e)」を構成し、保持具3fによって遊技盤10(詳細は後述する。)の保持状態を維持している。つまり、図5(b)及び(d)に示すように、遊技盤10(詳細は後述する。)は、前面部10aを前方に向けた状態(後面部10bを後方に向けた状態)で、保持部(3d、3e)に装着される。尚、この装着作業の際、保持具本体3hは解除状態とされる。そして、この装着により、遊技盤10の前面部10aにおける上縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの上方に位置する部位に当接する。また、遊技盤10の前面部10aにおける右側縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの右側方(中枠3を前方から見た場合の右側方)に位置する部位に当接し、遊技盤10の前面部10aにおける左側縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの左側方(中枠3を前方から見た場合の左側方)に位置する部位に当接する。
この際、遊技盤10の左右の側部に設けられた段部10cが、位置決め用段部3mに嵌合し(図6を参照)、遊技盤10が、保持部(3d、3e)に位置合わせされる。この保持具本体3hを保持状態とすると、この保持具本体3hによって、遊技盤10の保持部(3d、3e)からの抜け止めが図られる{図5(d)を参照}。これにより、遊技盤10が、保持部(3d、3e)に保持される。そして、このように、中枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Aによって、中枠3の前方から視認することができる(図7を参照)。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図22参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。尚、裏機構盤102の詳細に関しては後述する。
図7に示すように、中枠3の前面部3aのうちで、窓部3Aよりも下方側の部位(遊技盤10よりも下方側の部位)には、遊技球を遊技盤10に発射する発射装置(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、発射装置から発射された遊技球を外レール14(後述する。)に向かって誘導する発射レールYとが配設されている。尚、発射レールYは、中枠3の下方側において、左方向に向かって上がり傾斜状に設けられている。
前面枠4は、ガラス扉枠の具体例を構成するものであり、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、扉枠本体41と、ガラス板43と、ガラス板43を扉枠本体41に保持させる(取り付ける)ための保持部材(図示を省略)と、を備えている。尚、保持部材を扉枠本体41に対して一体的に設けることもできる。
扉枠本体41は、レンズ状のプラスチックを主体に構成され、円形状の開口部41aを有している。この開口部41aは、扉枠本体41の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられている。そして、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面(遊技領域11)を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部41aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図7参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
図2に示すように、前面枠4において、開口部41aの周縁の部位には、各種のLED基板4b、4c、4d、4e、4f、4g、4hが内蔵されている。また、何れのLED基板4b〜4hも、プリント配線基板と、プリント配線基板に搭載された複数のLEDランプと、を備えている。そして、これらのLED基板4b〜4hを構成するLEDランプは、目的(遊技効果を高める目的、賞球を報知する目的、当該遊技機1にエラーを生じたことを報知する目的)に応じて、点灯及び消灯したり、点滅する。
図1及び図2に示すように、前面枠4の上端部側の左右には、各々、スピーカーSP1、SP2(図24参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカーSP3、SP4(図24参照)が内蔵されている。このため、本遊技機1においては、前面部の4隅にスピーカーSP1〜SP4を配置することで、「4ウェイのスピーカーシステム」を構成している。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカーSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで、前面枠3の下方の部位が、上皿部材5と下皿部材6とを備える構成とされている。つまり、上皿部材5は、前面枠3の下方に配置され、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。また、上皿部材5は、遊技機1の内部の遊技球を、この上皿部材5に排出するための排出口5b等を備えている。
尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図23参照)及び演出ボタン基板228(図24参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸操作部5c」と、操作スイッチSWとが配置されている。また、上皿部材5の外郭部分も、レンズ状のプラスチックを主体され、上皿部材5の内部にも、LED基板4iが内蔵されている(図2を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。また、下皿部材6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部材6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、前述の施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットが設けられている(図示を省略)。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図7〜図21を用いて説明する。この遊技盤10は、前述のように、中枠3(図4を参照)の保持部(3d、3e)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図22参照)によりその背面側が覆われている。
この遊技盤10は、図7及び図8に示すように、略板状に構成される遊技盤本体(以下、「盤本体」という。)10Hと、この遊技盤10に装着された盤部品(後述する始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44、外側レール12及び内側レール13、障害釘80等)とを備えている。
盤本体10Hの前面部10aには、図7に示すように、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。尚、外側レール12及び内側レール13を、帯状の樹脂板(ABS製の板)を用いて構成することもできる。
盤本体10Hの前面部(表面部)10aにおいて、この外側レール12及び内側レール13が形成する略楕円形の周壁によって構成される部位が、遊技領域11を構成している。このため、本実施例では、遊技領域11の外縁部の形状が略楕円形(長軸;462mm、短軸;424mm)とされるが、外縁部の形状は「略円形」等、の他の形状であってもよい。また、本実施例の外側レール12は、「右側方に開口する略U字状の経路を描く、略帯状体」によって構成され、本実施例の内側レール13は、「上方に開口する略U字状の経路を描く、略帯状体」によって構成されている。
盤本体10Hは、図8に示すように、前方板状部500と、後方板状部580と、を着脱可能に積層して構成される積層板を用いて構成されている。また、前方板状部500及び後方板状部580の平面形状(前方から視認した平面形状)は、何れも、遊技盤10の平面形状(前方から視認した平面形状)と等しくされている。但し、本実施例では、前方板状部500の後面部500bに、装飾シート620が装着されている(図16及び図17を参照)。
前方板状部500は、遊技盤10の前面部10aの部位を構成する板状体であり、その前面部500aによって盤本体10Hの前面部10aを構成する。また、この前方板状部500は、透明な樹脂板を用いて構成され、図9及び図10に示すように、上端部側の左右と、下端部側の左右とに、位置決め孔501、501、501、501を貫通状(前面部500a及び後面部500bを貫通する状態)に備えている。
ここで、前方板状部500を構成する「透明な樹脂板」としては、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」や、「ポリカーボネート板(ポリカーボネート樹脂からなる板状体)」等を例示できる。尚、「アクリル樹脂からなる板状体」とは、「メタクリル酸エステル(特に、メタクリル酸メチル)」、及び/又は、「アクリル酸エステル」を主成分として含有する(樹脂成分全体の50重量%〜100重量%含有する)樹脂からなる板状体を指す。また、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」を用いた場合、例えば、「90〜92%の光透過率(可視領域での光透過率)」を得ること(クリスタルガラスに匹敵する光透過率を得ること)も可能なため、より好適な前方板状部500を得ることができる。
図10に示すように、前方板状部500の左右の端面には、複数の段部502が設けられている。また、前方板状部500の前面部500aには、外側レール12(外側レール12の一方の側縁部)が当接する部位(以下、「外側当接部位」という。)12tと、内側レール13(内側レール13の一方の側縁部)が当接する部位(以下、「内側レール当接部位」という。)13tとが、存在する。そして、外側当接部位12tは、右側方に開口する略U字状の経路を描いており(図10において破線で表示)、内側レール当接部位13tは、上方に開口する略U字状の経路(図10において破線で表示)を描いている。尚、後述する図11においては、説明の便宜のため、外側当接部位12tの後方に位置する部位を「破線L1」で示し、内側レール当接部位13tの後方に位置する部位を「破線L2」で示している。
この前方板状部500において、外側当接部位12tと内側レール当接部位13tとで囲まれた略楕円形(正面視で略楕円形)の領域形成部511である。そして、領域形成部511の前面部によって遊技領域11が形成される。また、領域形成部511には、始動入賞球通過孔503aと、大入賞球通過孔503bと、4つの一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503hと、アウト球通過孔503kとが貫通状(前面部500a及び後面部500bを貫通する状態)に設けられている。
また、図10に示すように、領域形成部511には多数の釘下穴570が形成されている(図7〜図9においては図示を省略)。この釘下穴570は、図19に示すように、領域形成部511の前面部511aで開口する「有底穴」として構成されている。つまり、この「有底穴」は、領域形成部511の前面部511aに開口部571を配置し、領域形成部511の後面部511bに近接する位置(後面部511bと約1.5mmの位置)に穴底部572を配置している。
この釘下穴570は前後に(領域形成部511の肉厚方向に)軸心J1を配置するとともに、直径が軸心J1に沿って一定(1.82mm)の略円柱形の空間形状を有している。但し、釘下穴570の軸心J1は前方(遊技者方向)に向かって僅かに(約2度の上がり勾配)で上がり傾斜となっている。
尚、前方板状部500において、外側当接部位12tに沿った複数箇所には取付孔(図示を省略)が、前方板状部500を貫通する状態に形成されている。そして、外側レール12はその一方の側縁部(盤本体10Hに当接する側縁部)から所定の間隔をおいて突出する取付突起12T(図8を参照)を、この取付孔に嵌合することで前方板状部500に固定されている。また、前方板状部500において、内側レール当接部位13tに沿った複数箇所にも、取付孔(図示を省略)が、前方板状部500を貫通する状態に形成されている。そして、内側レール13もその一方の側縁部(盤本体10Hに当接する側縁部)から所定の間隔をおいて突出する取付突起13T(図8を参照)を、この取付孔に嵌合することで前方板状部500に固定されている。更に、領域形成部511の適所には、その他の盤部品(始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44等)を固定(ネジ止め固定、カシメ固定)するための、盤部品固定穴が設けられているが図示を省略する。
図10に示すように、領域形成部511の上下方向中間部の左右には、ワープ進入孔503R、503Sが、貫通状(前面部500aから後面部500bに下り傾斜状に貫通する状態)に設けられている(図8においては図示を省略)。また、領域形成部511において、各ワープ進入孔503R、503Sの直下の部位には、ワープ排出孔503T、503Uが、貫通状(後面部500bが前面部500aに下り傾斜に貫通する状態)に設けられている。
後方板状部580は、図8及び図9に示すように、遊技盤10の後面部側の部位を構成する板状体であり、前方板状部500と略同一の正面形状(正面から見た外縁形状)を備えている。また、図8に示すように、後方板状部580の左右の端面にも、複数の段部582が設けられている。そして、本実施例では、この後方板状部580を、ベース部600と背板部660とを前後に積層配置した「2層構造」に構成している。但し、図9においては、背板部660の図示を省略した。
ベース部材600は、前方板状部500よりも剛性が高く、しかも不透明な樹脂板(例えば、ABS製の板等)を用いて構成されている。また、図9及び図11に示すように、このベース部600の前面部600aにおいて、各位置決め孔501、501、501、501と前後に位置合わせされる部位からは、位置決め突起601、601、601、601が前方に向かって突出している(図11では、ハッチングを用いて表示)。そして、前方板状部500とベース部600とを積層すると、各位置決め突起601、601、601、601は、対応する位置決め孔501、501、501、501に嵌合される。このとき、各位置決め突起601の突端部は、前方板状部500の前面部500aと略面一となる。
図11に示すように、ベース部600のうちで、領域形成部511の後方に配置される部位(以下、「領域後方部」という。)605Bには、始動入賞球通過孔603aと、大入賞球通過孔603bと、4つの一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603hと、アウト球通過孔603kと、が貫通状(前面部600a及び後面部600bを貫通する状態)に設けられている。
図12に示すように、ベース部600の後面部600bにおいて、各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)が開口する部位には、遊技球案内用のリブ603rが突出している。尚、図示を省略するが、ベース部600の後面部600bには、遊技球集合部材が装着される。そして、各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)を通じて、ベース部600の後方(遊技盤10の後方)に到達する遊技球が、遊技球集合部材の端末部(遊技球の通過方向に沿った端末部)に導かれる。
図11等に示すように、ベース部600の略中央部には、略矩形状の画面視認用貫通部(以下、「貫通部」という。)611が、貫通状に(ベース部600の前面部600aと、後面部600bとを貫通する状態に)設けられている(図16及び図17を参照)。ここで、図11に示すように、本実施例において、この貫通部611のサイズが以下のように定められている。つまり、貫通部611の横方向に沿った幅(P)は、約337.5mmとされ、貫通部611の縦方向に沿った幅(R)は、約272.3mmとされている。一方、本遊技機1を構成する遊技盤10の遊技領域11の縦方向に沿った幅の最大寸法(S)は約462mmとされ、遊技領域11の横方向に沿った幅の最大寸法(Q)は約424mmとされている。
このため、比(P/Q)は約0.80とされ、比(R/S)は約0.59とされている。換言すると、貫通部611の開口面積は、遊技領域11の全面積の約60%とされている。このように、この後方板状部600には大型の貫通部611を設けられているが、後方板状部600の後面部600bの面積(画面視認用貫通部611を除く、後方側の部位)が、十分に確保されている。尚、後述する中央表示装置27(画像表示装置である。)が固着される被固着部位は、この後面部600bから選択される。また、ベース部600には、各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)を構成するための貫通孔(前面部600a及び後面部600bを貫通する状態の貫通孔)が設けられている。
背板部660は、図13に示すように、薄肉の金属板(ベース部600よりも肉厚が薄い金属板)を用いて構成される枠体であり、ベース部600の後面部600bに重ね合わされている(図16及び図17を参照)。この背板部660は、正面から見た外縁形状をベース部材600と略一致させているともに、内側に開口部660aを備えている。そして、前述のベース部600と、背板部660とが前後に積層されて後方板状部580が構成されるが、開口部660aが大型に形成されているため(換言すると、背板部660が枠体であるため)、ベース部600の後面部600bの後方に配設される主要部材(前述の遊技球集合部材や、後述する中央表示装置27)は、開口部660aを通じて後方板状部580の後方に露呈している。尚、本実施例と異なり、後方板状部580を1枚の板状体(例えば、ベース部600)のみで構成してもよいし、3枚以上の板状体を積層して構成してもよい。
図16等に示すように、前方板状部500の後面部500bに装飾シート620が貼着され、前方板状部500及び後方板状部600が、この装飾シート620を挟み込んだ状態となっている。つまり、盤本体10Hは、装飾シート620を挟み込んだ状態で、前方板状部500と後方板状部600とを前後に積層した状態に構成されている。但し、装飾シート620は前方板状部500の後面部500bの全域に配設されているのではなく、前方板状部500や後方板状部600に設けられた各孔の機能を阻害しない範囲に配設されている。つまり、前方板状部500の後面部500bのうちで、「各位置決め孔501の形成箇所」と、「始動入賞球通過孔503aの形成箇所」と、「大入賞球通過孔503bの形成箇所」と、「各一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503hの形成箇所」と、「アウト球通過孔503kの形成箇所」と、「貫通部611の前方(表面側)に位置する箇所」と、を除く部位に装飾シート620が貼着されている。
この装飾シート620は、樹脂製のシート基材に、図柄(所謂、セル画であって、例えば、「太陽の図形と、月の図形とを用いたセル画」)を印刷して構成されるものである。尚、本実施例では、装飾シート620が、遊技盤10の前面部10aに配置されず、この装飾シート620上を遊技球が転動しないため、装飾シート620に経時的な劣化を生じないか、この経時的な劣化の度合いが少なくなる。また、本実施例と異なり、装飾シート620を後方板状部600の前面部600aに貼着してもよいし、前方板状部500の後面部500aや後方板状部600の前面部600aに直接、図柄(セル画)を形成(印刷等)してもよい。更に、遊技盤10の前面部10aに装飾シート620を貼着したり、この前面部10aに直接、図柄(セル画)を形成(印刷等)してもよい。
盤本体10Hの構成部材(前方板状部500、ベース部600、背板部660、装飾シート620)は、例えば、以下のように組み付けられる。先ず、前方板状部500の後面部500bに装飾シート620を貼着する。次いで、前方板状部500と、ベース部600とを装飾シート620を介在させた状態で積層する。更に、ベース部600の後面部600bに背板部660を装着して、前方板状部500と、装飾シート620と、ベース部600と、背板部660とを前方から後方に並べた(配設した)積層体とすると、盤本体10Hを完成する。
この組付に際しては、各位置決め孔501、501、501、501に、対応する位置決め突起601、601、601、601を嵌合させる。また、前方板状部500の各通過孔(始動入賞球通過孔503a、大入賞球通過孔503b、一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503h、アウト球通過孔503k)と、ベース部600の対応する各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)と、が前後に位置合わせされ、前後に連通するとともに、背板部660の開口部660aを通じて後方に開放される。
また、この組付により、前方板状部500の各段部502も、後方板状部580の対応する段部582と位置合わせされ、盤本体10Hの段部10cが完成する。また、左側のワープ進入孔503Rの出口部5031Rは、貫通部611の左端側上方部において後方に開口し、左側のワープ排出孔503Tの入口部5031Tは貫通部611の左端側上方部において後方に開口する(図17を参照)。また、右側のワープ進入孔503Sの出口部5031Sは貫通部611の右端側上方部において後方に開口し、右側のワープ排出孔503Uの入口部5031Uは、画面視認用貫通部611の右端側下方部において後方に開口する(図16を参照)。
図7に示すように、盤本体10Hの前面部10aにおいて遊技領域11内に位置する部位には、流下経路変更部材20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車(図示を省略)等が配設されている。また、図12に示すように、ベース部600の後面部600bには、中央表示装置27が固着されている。更に、遊技盤10を前後に縦断する状態で、ワープ部材70、70が配設されている。
流下経路変更部材20は、透明な樹脂を用いて構成されると共に、画面視認用貫通部611の外縁部の前方で、しかも、この外縁部よりも内側の部位に装着されている。この流下経路変更部材20は、図14に示すように、盤本体10Hの前面部10aから前方に突出する壁部21(遊技球の流下経路を変更するための壁部)を形成するための部材である。この流下経路変更部材20は、樹脂を用いて構成されると共に枠形状を備えている。また、この流下経路変更部材20は、図15に示すように、前面部10aから前方に突出する状態に配置される壁部21と、壁部21の基端部から突出し、前面部10aに沿った方向に配置される取付代22とを備えている。そして、この取付代22を盤本体10Hの前面部10aにネジ止めすることで、この流下経路変更部材20は、盤本体10Hに装着されている。
壁部21は、図14に示すように、上部を位置する庇部21aと、左右に位置する側壁部21b、21cと、下部に位置するステージ部21dとを備えている。このうち、庇部21aは、その上面部が、左右方向中間部から左右両端に下る「下り傾斜面」を形成している。このため、庇部21aの上面部に到達した遊技球は、この上面部に沿って、庇部21aの左右一方の端部側に転動するものとされている。
ステージ部21dの突端部からは、「落下防止壁21e」が上方に向かって延設されている(図17を参照)。また、このステージ部21dは、その上面部によって、遊技球の転動面を構成する。この転動面は、「左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面」として構成されている。そして、落下防止壁21eの左右方向に沿った中央部には、ステージ部21dの上面部(転動面)上の遊技球を、ステージ部21dの外部に排出するための排出通路21fが設けられている。尚、本実施例では、ステージ部21dの上面部(転動面)に進入した遊技球は、上面部(転動面)上を左右に転動する。そして、遊技球の勢いを衰えたところで、この遊技球は、排出通路21fを通過してステージ部21d外に排出されるか、或いは、「ステージ部21dの上面部(転動面)において、落下防止壁21eが低くされた部位」から、ステージ部21d外に排出される。尚、排出通路21fの出口部の直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
左側の側壁部21bは、左方向に入口部を開口させ、右方向に出口部を開口させたワープ孔21hを備えている。そして、図17に示すように、このワープ孔21hの出口部は、略管状のワープ連絡部材21i(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、左側のワープ進入孔503Rに連絡されている(図17を参照)。更に、この左側のワープ進入孔503Rの出口部5031Rは、左側のワープ部材70(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、左側のワープ排出孔503Tの入口部5031Tに連絡されている。更に、この「左側のワープ排出孔503Tの出口部」は、ステージ部21dの上面部(転動面)の左端側に連絡されている。この左側のワープ部材70は略管状に構成され、その中間部が、貫通部611内に進入している。
つまり、遊技盤10には、左側のワープ進入孔503Rと、左側のワープ連絡部材21iと、左側のワープ部材70と、左側のワープ排出孔503Tとを用いて構成される「ワープ通路(「遊技領域11に存在する遊技球を、一端、遊技領域11の後方に搬送し、再び、遊技領域11に戻す通路」の意味で用いる。)」の中間部が、画面視認用貫通部611内に進入すると共に、表示画面27aに近接する位置を通過している。即ち、左側の側壁部21bの左側方に到達し、しかも、ワープ孔21hに進入した遊技球は、左側のワープ連絡部材21iを通過した後、左側のワープ進入孔503R、左側のワープ部材70、左側のワープ排出孔503Tの順に通過する。この後、左側のワープ排出孔503Tの出口部からステージ部21dの上面部(転動面)の左端側に到達する。更に、この左側のワープ通路(503R、21i、70、503T)の内部が視認可能とされ(流下経路変更部材20、ワープ連絡部材21i、ワープ部材70が透明であるから)、遊技者は、このワープ通路(503R、21i、70、503T)の内部を通過する遊技球を視認可能である。加えて、左側のワープ部材70を通過する際に、遊技球は、貫通部611内を通過する。このため、本実施例では、「遊技球が、本遊技機1のうちで遊技者が特に注視する部位(表示画面27a)の近傍を通過すること」を、左側のワープ部材70を透かして視認することが可能である。
右側の側壁部21cは、右方向に入口部を開口させ、左方向に出口部を開口させたワープ孔21pを備えている。そして、図16に示すように、このワープ孔21pの出口部は、略管状のワープ連絡部材21k(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、右側のワープ排出孔503Sに連絡されている。更に、この右側のワープ進入孔503Sの出口部5031Sは、右側のワープ部材70(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、右側のワープ排出孔503Uの入口部5031Uに連絡されている。更に、この「右側のワープ排出孔503Uの出口部」は、ステージ部21dの上面部(転動面)の右端側に連絡されている。この右側のワープ部材70も、略管状に構成され、その中間部が、貫通部611内に進入している。
つまり、遊技盤10には、右側のワープ進入孔503Sと、右のワープ連絡部材21kと、右側のワープ部材70と、右側のワープ排出孔503Uとを用いて構成される「ワープ通路」の中間部が、画面視認用貫通部611内に進入すると共に、表示画面27aに近接する位置を通過している。即ち、右側の側壁部21cの右側方に到達し、しかも、この側壁部21cのワープ孔21pに進入した遊技球は、右側のワープ連絡部材21k、右側のワープ進入孔503S、右側のワープ部材70、右側のワープ排出孔503Uの順に通過する。この後、右側のワープ排出孔503Uの出口部からステージ部21dの上面部(転動面)の右端側に到達する。更に、この右側のワープ通路(503S、21k、70、503U)の内部も、視認可能とされ(流下経路変更部材20、ワープ連絡部材21k、ワープ部材70が透明であるから)、遊技者は、このワープ通路(503S、21k、70、503U)の内部を通過する遊技球を視認可能である。加えて、右側のワープ部材70を通過する際にも、遊技球は貫通部611内を通過する。このため、本実施例では、「遊技球が、本遊技機1のうちで遊技者が特に注視する部位(表示画面27a)の近傍を通過すること」を、右側のワープ部材70を透かして視認することも可能である。
中央表示装置27は、「画像表示装置」の具体例を構成すると共に液晶表示装置を用いて構成されている。この中央表示装置27の前面部には、図16〜図18に示すように、表示画面27aと、この表示画面27aを枠状に包囲する表示枠部27gとが設けられている。この中央表示装置27は、表示枠部27gの前面部をベース部600の後面部600bのうちで、貫通部611を包囲する部位に当接させつつ、この後面部600bに固着されている。尚、本実施例の中央表示装置27(液晶表示装置)は、「前面部側に表示画面27aを備える液晶パネル」を含む構成とされば足り、当該「液晶パネル」以外の部材(駆動回路等)を一体的に備えるか否かを特に問わない。
つまり、この「画像表示装置」の具体例を構成する液晶表示装置は、「表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)を主体とする装置(駆動回路等を含まない装置)」として構成されてもよいし、表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)と、他の部材(駆動回路等)とを含む装置として構成されてもよい。換言すると、少なくとも、「表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)」を含む装置であればよい。この場合、例えば、この液晶パネルを、表示画面27aを構成する部位と、この表示領域部を枠状に包囲する表示枠部と、を備える構成とする。そして、この液晶パネルの前面部(表示枠部の前面部)を、後方板状部600の後面部600bのうちで画面視認用貫通部611を包囲する部位に当接させつつ、この液晶パネルを後方板状部600の後面部600bに固着してもよい。
本実施例では、図18に示すように、この中央表示装置27の固着のために、略L字のステー27hと、取付用のビス27iとを用いている。そして、このように、中央表示装置27の固着すると、表示画面27aの外縁部と、画面視認用貫通部611の内縁部とが、前後に位置合わせされる。このため、遊技盤10の前方の遊技者は、前方板状部500を透かして、表示画面27aの全域を視認することができる(図7等を参照)。但し、本実施例では、表示画面27aのサイズを「17インチ」としている。尚、各請求項の発明では、表示画面27aのサイズは特に問わないが、「10インチ」〜「20インチ」の間で選択することが好ましく、「15インチ」〜「17インチ」の間で選択することが特に好ましい。
この中央表示装置27は、後述する右下表示装置60と同様に、当否判定の結果(後述する。)を示す図柄(以下、「判定結果図柄」という。)を確定表示するためのものである。但し、この中央表示装置27においては、右下表示装置60よりも、演出度の高い演出を実行しつつ、判定結果図柄を確定表示を行う。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄を表示するための「本図柄表示用の図柄表示装置」を構成し、中央表示装置27が、演出用の疑似図柄(演出図柄ということもある。)を表示するための「疑似図柄表示用の図柄表示装置」を構成する。また、本実施例と異なり、単一の図柄表示装置によって、本図柄の表示と、疑似図柄の表示とを行ってもよい。また、各請求項の発明の遊技機1は、本図柄の表示のみを行い、疑似図柄の表示を行わないものであってもよい。
中央表示装置27の表示画面は可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。また、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、図7に示すように、遊技領域11において、流下経路変更部材20の両脇に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図23参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、前後に連通する2つの始動入賞球通過孔503a、603aの前方に位置する部位に配設されている。そして、図7に示すように、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路24cの出口部24eの直下に位置するため、排出通路24cを通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの直下に位置すると共に、入口側部分に、普通電動役物17dが配置されている。この普通電動役物17eは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図23参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図23参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される構成となっている。
図7に示すように、下部装置30は、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、前後に連通する2つの大入賞球通過孔503b、603bと連通している。尚、この2つの大入賞球通過孔503b、603bによって、「大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための大入賞口入賞通路(図示を省略)」が構成される。
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図25参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図23参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、図7に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図21(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部61において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物17eを開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、可変入賞装置(大入賞装置)31を開放を許容するか否かの判断(遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態にすべきか否かの判断)を、「当否判定」と称する。
遊技状態表示部55は、2個のLED55a、55bを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、2個のLED55a、55bを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、一方のLED55aを点灯させ、他方のLED55bを消灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。更に、一方のLED55aを消灯させ、他方のLED55bを点灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確変モードになると、確変手段(特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定することを内容とする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17eの開放時間を長くしたり、開放回数が多く設定することを内容とする手段)とが作動する。
普通図柄表示部56は、1個のLED56aを用いて構成され、前述の如く、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に伴う当否抽選の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)を経て実行する。つまり、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、普通図柄表示部56は点滅表示を開始する。そして、「当否抽選に関する結果の表示」の実行時期が到来すると(換言すると、普通図柄の変動時間を終了すると)、普通図柄表示部56を用いて、「当否抽選に関する結果」の確定表示がなされる。具体的には、LED56aを点灯状態とすることで、当該「当否判定に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示され、LED56aを消灯状態とすることで、当該「当否抽選に関する結果」が外れ(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示される。尚、当該「当否抽選に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)である場合には、前述のように、普通電動役物17e(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
本実施例では、このように、LED56aを点灯状態としたり、消灯状態とすることで、普通図柄の確定表示を示し、LED56aを点滅状態とすることで、普通図柄の変動表示を示す。つまり、ランプ装置による点灯表示と、消灯表示と、点滅表示とを用いて、普通図柄の表示を行う。但し、本実施例においては、数字(例えば、1〜9の数字)、アルファベット文字、図形等を用いて普通図柄の表示を行うこともできる。
右下表示装置60は、図7に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図21(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62は、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。具体的には、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」において、この略長円状を周回する方向に沿って、「7個のLED62a〜62g」が点灯する。
より具体的には、所定のLED(例えば、LED62a)が点灯状態となると、残りのLED(例えば、LED62b〜62g)は消灯状態となる。このLED(例えば、LED62a)が消灯状態となると、略長円状を周回する方向に隣合う1つのLED(例えば、LED62b)のみが点灯状態となる。そして、点灯状態となるLEDを、略長円状を周回する方向に沿って順次変更することで、特別図柄表示部62の変動表示が実行される。この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の確定表示が実行される。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成される。この大当り態様表示部63は、主に、「特別図柄に関する当否判定に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。具体的には、「一方のLED63aを点灯させ、他方のLED63bを消灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第1の大当り(例えば、大量の賞球を期待できる大当り)」であることが示される。また、一方のLED63aを消灯させ、他方のLED63bを点灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第2の大当り(例えば、大量の賞球を期待できない大当り、若しくは、賞球を期待できないが、遊技機1の遊技状態を確変遊技状態に移行させることを期待できる大当り)」であることが示される。
図21(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図21(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図25参照)が配設されている。また、各一般入賞装置40、41、43、44は、それらの後方で連通する一般入賞球通過孔(503c及び603c、503e及び603e、503g及び603g、503h及び603h)に連通している。
図7に示すように、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。また、アウト口18は、その後方で連通する、アウト球通過孔503k、603kと連通している。更にアウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。但し、図8においては、ファール球防止部材15の図示を省略している。
また、本実施例では、領域形成部511の多数の釘下穴570(図11を参照)に対して、図20に示すように、各々障害釘80が植設されている(図7等においては、この障害釘80の図示を省略している。)。つまり、領域形成部511に設けられた多数の釘下穴570には、各々1本ずつ障害釘80が打ち込まれている。
この障害釘(全長;24.5mm)80は、図19に示すように、先端部81aを尖らせた軸部81と、軸部81の後端部81bに一体的に設けられた頭部82と、を備えている。この障害釘80においては、軸部81の先端部81aから後端部81bに向かって、7.5mmの長さの部分(LM)が、領域形成部511(つまり、釘下穴570)に埋設される埋設部80Mである。そして、障害釘80においてその他の部分(LT)が、領域形成部511の前方に突出する突出部80Tとされる。
軸部81は釘下穴570の内径よりも大きな外径(1.85mm)を備えている。また、軸部81の先端部81a側には、先端部81aに向かって外径を徐々に縮径(先細り)となるテーパ部84が形成されている。また、埋設部80Mの中間部(軸部81の軸心方向に沿った中間部)には、外周面に螺旋状のアンカー部(ねじり部)85を形成している。尚、埋設部80Mの外径は、アンカー部(ねじり部)85の最大径となる部分で、軸部81の他の部分に比べて僅かに大きくされ、アンカー部(ねじり部)85の最大径となる部分で、軸部81の他の部分(但し、テーパ部84を除く)に比べて僅かに小さくされている。また、軸部81の先端部81a側(テーパ部84の部分)には、略円錐面状の先端面88aが設けられている。
本実施例では、図20に示すように、障害釘80がその先端部80a(つまり、軸部81の先端部81a)を先頭に、各釘下穴570に打ち込まれている。つまり、障害釘80の埋設部80Mが釘下穴570に挿入(圧入)され、障害釘80の突出部80Tが領域形成部511の前方に突出する状態とされている。これにより、障害釘80が領域形成部511に植設された状態となる。但し、埋設部80Mの外径が釘下穴570の内径よりも大きくされているため、埋設部80Mを釘下穴570に挿入(圧入)する際に、削りカス80Vを生じ得る(図29を参照)。
このように障害釘80が植設されると、障害釘80の先端部80aと、釘下穴570の穴底部572とが離れた状態とされるとともに、障害釘80の先端面88aと穴底部572の間に隙間部570Sが形成される(このとき、障害釘80の先端部80aと、釘下穴570の穴底部572との間にも隙間部が形成される。)。そして、この隙間部570Sに、前述の削りカス80Vが収納される。従って、この削りカス80Vが、領域形成部511の後方に到達することはない。また、アンカー部85が釘下穴570の内壁に食い込んだ状態となるため、障害釘80の回り止めが図られる。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図22を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図22において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。また、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図22は、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
主制御基板ケース、中継端子板や、払出制御基板ケース118等の各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス、電源スイッチ、電源ターミナル基板132及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板が設けられている。尚、電源ターミナル基板132には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ132aが接続されている。また、中継端子板の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブルも配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブルが上方へ延出し、電源ケーブルを備えた球貸装置に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部材用球通路部材が設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図23〜図25を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(c)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図23〜図25中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図23においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ31s、40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイ板31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示装置)27を駆動する演出表示基板222やスピーカーSPを駆動するアンプ基板224が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、装飾用の各種LED基板4c〜4i等を駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSWからの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。尚、演出制御部220A(演出制御基板220)の詳細な入出力関係については後述する。
払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部材5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
主制御部200A(主制御基板200)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200A(主制御基板200)でも計数されている。
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124らの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。
下皿部材6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部材6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、或いは、遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御部240A(払出制御基板240)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部200A(主制御基板200)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置(液晶表示装置)27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜SP4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDランプや、「LED基板4c〜4iに搭載されたLEDランプ」の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出制御部220A(演出制御基板220)の駆動信号を演出表示基板222に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置(液晶表示装置)27、或いは、演出表示基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ、「LED基板4c〜4iに搭載されたLEDランプ」等の駆動信号を出力することによって、各種LEDの点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部材5の前面側に設けられた操作スイッチSWを、遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置(液晶表示装置)27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技盤の製造工程
次に、図26〜図28を用いて遊技盤10の製造工程の一具体例等について簡単に説明する。先ず、図26及び図27に示すように、アクリル板(アクリル樹脂製の板)を、ルータ加工装置800を用いて所定の形状に加工する(S10)。このとき、各位置決め孔501や、各通過孔(始動入賞球通過孔503a、大入賞球通過孔503b、一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503h、アウト球通過孔503k)等が形成される。
次いで、このアクリル板に対して、ドリル加工装置810を用いて釘下穴(直径;1.82mm)570を形成すると(S15)、前方板状部500を完成する。この釘下穴570は、領域形成部511の前面部511aで開口する「有底穴」として構成されている。尚、本実施例では、前方板状部500の板厚が10mmとされているが、釘下穴570の深さ(軸心J1方向に沿った深さ)が、「8.9〜9.5mm」のうちから選択される値とされている。また、釘下穴570の領域形成部511の板厚方向に沿った長さは、「8.5〜9mm」のうちから選択される値とされている。また、このS15の工程は、「釘下穴形成工程」の具体例を構成する。
続いて、前方板状部500に釘下穴570を形成する際に生じた「削りカス」を除去する作業(エアー等を用いて除去する作業)を行う(S20)。
更に、「前方板状部500の形状に合致した所定形状」に型抜きしたABS樹脂板(つまり、ベース部600)を、「後面部500bに装飾シート620が装着された前方板状部500」にビス止めする(S30)。続いて、「前方板状部500の形状に合致した所定形状」に型抜きした金属板(つまり、背板部660)をベース部600にビス止めすると(S38)、盤本体10Hを完成する。このS30の工程と、S38の工程とによって「釘下穴形成工程」の具体例を構成する。
このように、盤本体10Hを完成したところで、遊技機の製造メーカに納入される。そして、遊技機の製造メーカでは、先ず、盤本体10Hの板厚が基準値(19mm)であるか否かを測定する(S41)。つまり、S41の工程は「板厚測定工程」の具体例を示すものであり、盤本体10Hの板厚が、在来型の遊技盤(木製の遊技盤)の板厚であるか否かを測定するための工程である。この「板厚測定工程」は、所定の板厚測定装置850を用いて行われる。
遊技機の製造メーカが、盤本体10Hの板厚が基準値であることを確認すると、盤本体10Hに、盤部品(始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44等)や中央表示装置27(画像表示装置)を装着するとともに、障害釘80を植設する(S50)。
この障害釘80を植設は、在来型の遊技盤(木製の遊技盤)に障害釘80を打ち込むための「釘打装置880」を用いて行われる。この「釘打装置880」のアタッチメント(盤本体10Hを挟着するためのアタッチメント)は、在来型の遊技盤(木製の遊技盤)の板厚(19mm)に合致するように設定してあるが、本実施例では、S41の工程を経ているため、アタッチメントの設定を変更することなく、「障害釘80の打込工程」を行うことができる。
但し、本実施例で使用する釘打装置880は、所定の制御手段888を用いて駆動を制御させる。そして、「釘打装置880によって釘下穴570に打ち込まれる障害釘80の打込量」が、「障害釘80と釘下穴570の穴底部572との間に隙間部570Sを形成可能な量」となるように、釘打装置880の駆動が制御される。
このS50の工程においては、図28に示すように、障害釘80の先端部80aを先頭にして、釘下穴570に向かって埋設部80Mを圧入状態に埋設することによって行われる。そして、S50の工程を経て障害釘80が領域形成部511に植設されると、図29に示すように、障害釘80の先端部80aと、釘下穴570の穴底部572とが離れた状態とされる。そして、障害釘80の略円錐状とされる先端面88aと、釘下穴570の穴底部572との間に隙間部570Sが形成される。そして、この隙間部570Sに、前述の削りカス80Vが収納される。従って、この削りカス80Vが、領域形成部511の後方に到達することはない。また、アンカー部85が釘下穴570の内壁に食い込んだ状態となるため、障害釘80の回り止めが図られる。
ここで、図30に示す比較例のように、釘下穴570を、領域形成部511を貫通する状態に設けられるとすると、削りカス80Vが、領域形成部511の後方に到達する。従って、装飾シート620の前面部等に削りカス80Vが到達するため、遊技盤10の外見を低下させることになる。これに対して、本実施例では、図29に示すように、削りカス80Vが、領域形成部511の後方に到達しないため、遊技盤10の外見を良好な状態に維持することができる。
(4)実施例の効果
本実施例によると、有底の釘下穴570を用いて障害釘80を領域形成部511に植設するため、前方板状部500を透明部とする遊技盤10を簡易に製造できる。つまり、「従来型の釘打装置880」をそのまま使用しつつ、前方板状部500に「割れ」等の不具合を生ずることなく、遊技盤10を簡易に製造できる。
また、本実施例では、有底の釘下穴570に打ち込まれる障害釘80と、釘下穴570の穴底部572との間に隙間部570Sが形成され、障害釘80を釘下穴570に打ち込むことで生ずる削りカス80Vを、隙間部570Sに収納することができる。つまり、本実施例によると、障害釘80を釘下穴570に打ち込むことで生ずる「削りカス80V」は釘下穴570内に止まるため、良好な外観を備える遊技盤10を得ることができる。
更に、本実施例では、障害釘80を釘下穴に打ち込むことで生ずる削りカス80Vを、隙間部570Sに収納することができるため、障害釘80の打込量の適正化を図ることができる。すなわち、釘下穴570内の「削りカス80V」は隙間部570Sに逃がされ、「障害釘80の打込」の邪魔にならないため、障害釘80の打込量が不足することが防止される。従って、本実施例によると、遊技盤10を的確に製造することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
即ち、本実施例では、障害釘80が領域形成部511に植設されると、障害釘80の先端部80aと、釘下穴570の穴底部572とが離れた状態とされる態様を例示した。ところが、軸部81の先端側にテーパ部84を備える態様においては、図31の変形例に示すように、障害釘80の先端部80aと釘下穴570の穴底部572とを当接させても、障害釘80と穴底部572との間に隙間部570Sを形成することができる。
また、前方板状部500にベース部600を積層(但し、装飾シート620を介在させた状態で積層)した後、ベース部600に背板部660を装着して盤本体10Hを構成する態様を例示したが、予め、ベース部600と背板部660とを積層して後方板状部580を構成した後、前方板状部500と、後方板状部580とを積層して盤本体10Hを構成してもよい。この場合、本実施例と同様に、前方板状部500と、後方板状部580との間に装飾シート620を介在させることもできる。
更に、各請求項の発明においては、「釘下穴570」の深さ(軸心方向に沿った深さ)と、領域形成部511(前方板状部500)の板厚(前後方向に沿った厚み)と、「障害釘80」を構成する埋設部(打込部)80Mの軸心長さとを、例えば、以下のように定めることもできる。つまり、「釘下穴570」によって埋設部(打込部)を支持可能であるとともに、「釘下穴570」の深さが埋設部80Mの軸心長よりも長くなる範囲で定められる。例えば、領域形成部511の板(D)が「7mm〜12mm(遊技盤の肉厚の約36%〜約63%のうちの何れかの値)」である場合、「釘下穴の深さ(E)」を「肉厚(D)から1〜2.5mmのうちの何れかの長さだけ減じた値」とし、埋設部80Mの軸心長(F)を、「釘下穴の深さ(E)から0.5〜2.0mmのうちの何れかの長さだけ減じた値」とする場合を例示できる。尚、障害釘80の突出部80Tの全長(G)を、16.5mm〜17.5mm(特には、17mm)とすることができる。
つまり、隙間部570Sの全長(釘下穴570の軸心J1方向)に沿った幅としては、0.5〜2.0mmのうちの何れかの長さだけ確保されることが望ましい。蓋し、障害釘80が釘下穴570に打ち込まれることによって生ずる削りカス80Vを確実に収納するためである。また、埋設部80Mの軸心長(F)を前述の値(肉厚Dから1〜2.5mmのうちの何れかの長さだけ減じた値)とするのが好ましいには、障害釘80を釘下穴570で支持する上で、この程度の値とすることが望ましいからである。
埋設部80Mの外径は、釘下穴570の内径よりも大きくされる。例えば、「0.2mm〜0.5mmのうちの何れかの値(特に、0.3mm)」だけ大きくする態様を例示できる。尚、障害釘80の軸部81の外径は、例えば、(1.80〜1.90mmのうちの何れかの値(特に、1.85mm)とすることができる。このため、釘下穴870の内径は、例えば、この1.80〜1.90mmのうちの何れかの値から0.2mm〜0.5mmのうちの何れかの値を減じた値とすることができる。