本発明の好適な第1の実施形態を図面にしたがって説明する。図1、図2、図3、図4、図5に本発明を適用した遊技機の外観を示し、図6、図7、図8、図9、図10に上記遊技機の断面を示す。遊技機S1のハウジング1aは、遊技者と対向する前面パネルである前面枠12を有し、前面枠12は、後述する回胴装置60等が格納された矩形の箱状の筐体13の前面開口部を閉鎖している。遊技機S1は、筐体13を額縁状に縁取る木製の外枠11により、遊技場の島に固定される。島において遊技機S1は台間球貸機S2と交互に配列される。
前面枠12の左側の側縁には、上下のそれぞれにヒンジ141,142が設けられており、前面枠12が外枠11に蝶着される。前面枠12がヒンジ141,142を中心に水平方向に手前側に開放可能である。前面枠12の閉鎖状態は、ヒンジ141,142が設けられた側縁とは反対側の側縁の近傍にキーシリンダ38が設けられて、図示しないドアキーによるロックで保持される。図11に、前面枠12を開放状態としたときの図10と同じ断面を示し、図12に前面枠12を開放状態としたときのスロットマシンS1の筐体13側を示し(前面枠21側は図示せず)、図13に前面枠12を開放状態としたときの遊技機S1の前面枠12側を示す(筐体13側は図示せず)。
前面枠12は、上下方向やや中程が、周方向を上下方向にとって10cm強の曲率半径で円弧状に湾曲しており、等間隔に、3つの縦長の窓部301,302,303が水平方向に形成されている。筐体13内には、半径10cm程度の3つのリール601,602,603が回転軸を水平方向にとって配設された表示部である回胴装置60が格納されている。リール601〜603は窓部301〜303と1対1に対応して対向し、リール601〜603の表面が窓部301〜303を介して視認されるようになっている。リール601〜603の表面には周方向に多数(例えば21)の図柄が形成され、各窓部301〜303から縦にいくつかの図柄が視認可能である。図柄の内容は、数字や図形等で、これらの色違い図柄も含めて種類が複数あり、静止したときの図柄が所定の組み合わせの役図柄のときには、遊技者に遊技媒体である遊技球の払い出しやボーナス遊技等の特典が与えられる。
この前面枠12には窓部301〜303上を通りライン群31が形成してある。ライン群31は3つのライン311,312,313が水平方向に形成されるとともに、2つのライン314,315がたすきがけに形成されており、それぞれ、停止図柄が入賞役か否かを遊技者が判断するための入賞ラインとなっている。
ライン群31の左端の近傍には、それぞれ数字を表示する表示ランプ群32が設けられている。表示ランプ群32の各ランプ321,322,323,324,325の表示数は遊技球の賭数であり、ライン群31の水平な入賞ライン311〜313のうち中央の入賞ライン311に対応する表示ランプ321の表示数は「5」であり、その上下の入賞ライン312,313に対応する表示ランプ322,323の表示数は「10」であり、たすきがけの入賞ライン314,315に対応する表示ランプ324,325の表示数は「15」である。
表示ランプ321〜325は、対応する賭数以上の遊技球が取り込まれると点灯し、後述する3つのベットボタン231,232,233のいずれかを押下すれば、押下したベットボタン231〜233に応じた表示ランプ321〜325のみが点灯を維持し、入賞ライン311〜315のうち対応するものが有効となる。
また、ライン群31の右端の近傍には、別の表示ランプ群33が設けられ、上から、役物連続作動増加装置表示ランプ331、役物連続作動装置表示ランプ332、役物連続作動増加装置終了表示ランプ333、入賞表示ランプ334、再遊技表示ランプ335となっており、遊技者にいわゆるレギュラーボーナス、ビッグボーナス等の案内やリプレイ等を点灯により報知する。
また、窓部301〜303の上方には、横長の長方形で別の窓部34が形成され、遊技情報表示基板612に実装されたLCDパネルの画面が窓部34から視認可能である(以下、窓部301〜303をリール表示窓部301〜303と、窓部34をLCD表示窓部34という)。上記LCDパネルでは遊技の演出用のアニメーションやエラーメッセージ等を表示する。LCD表示窓部34を挟んで左右が図柄入賞組み合わせ表示部351,352となっており、表面に、入賞となる役図柄が印刷形成されている。これを目押しの参考にして遊技者は入賞を目指すことになる。
LCD表示窓部34、図柄入賞組み合わせ表示部351,352の下方には、表示器群36が設けてある。遊技開始表示ランプ361は遊技が開始可能なときに点灯する。遊技球貯留数表示器362、遊技回数表示器363、遊技球払出数表示器364は、それぞれ7セグメントのLED等で構成され、遊技球貯留数表示器362ではクレジットとして貯留されている遊技球の球数に応じて遊技可能な回数(以下、適宜、クレジット数という)を表示し、遊技回数表示器363では、上記役物連続作動増加装置の作動時の役物遊技可能回数等を表示し、遊技球払出数表示器364では、払い出される遊技球を表示する。遊技球投入表示ランプ365は遊技球を受け付け可能な状態のときに点灯する。
前面枠12には、上記円弧状湾曲部に連なる迫り出し部の下方に遊技球貯留皿44が設けてある。遊技球貯留皿44には台間球貸機S2のノズルS21から遊技球が吐き出される。遊技球貯留皿44は、凹部は底面が右側をやや低くした傾斜面となっており、右端で球2個分強の幅を有する第1の取込通路46に連なっている。第1取込通路46の下流端にはここから遊技球が落下する落下口4611,4612が開口しており、貯留する遊技球が第1の取込通路46を介して球取込装置5bへと流入するようになっている。
また、遊技球貯留皿44の底面には、排出通路45の上流端が開口しており、遊技球貯留皿44に貯留した遊技球を排出通路45を介して遊技球排出口451から排出可能である。遊技球貯留皿44の底面の開口部442は球抜き装置5cにより開閉自在であり、球抜き装置5cは球抜きボタン25の操作で作動する。
遊技球貯留皿44や上記迫り出し部は、遊技者が遊技機S1の前に設置された椅子に座ったときに両手が自然に伸ばせる高さに設定されており、遊技者がリール601〜603に回転開始および回転停止等をさせるための遊技操作を行う操作部2aが配置されている。
操作部2aについて説明する。上記遊技球貯留皿44に隣接して自動投入操作手段たる自動投入ボタン261、および手動投入操作手段たる手動投入ボタン262が設けてある。
遊技者と対向する遊技球貯留皿44の側面には、リール始動ボタン21、3つのリール停止ボタン221,222,223が左側からこの順に設けられている。リール始動ボタン21は、遊技可能状態において、これを押下するとリール601〜603が回転を開始する。リール停止ボタン221〜223は、リール601の回転時において、これを押下すると、リール601〜603のうち対応するものが回転を停止する。左側の第1のリール停止ボタン221が左側のリール601に対応し、真ん中の第2のリール停止ボタン222が真ん中のリール602に対応し、右側の第3のリール停止ボタン223が右側のリール603に対応する。
ベットボタン231〜233は、上記迫り出し部の傾斜した上面に設けてある。また、有効となる入賞ライン311〜315は、スロットマシンのごとくボーナス遊技か否か等によっても設定される。
上記ベットボタン231〜233と並んで設けられたボタンは、遊技を終えた遊技者が精算をするための精算操作手段たる精算ボタン24である。
リール始動ボタン21、リール停止ボタン221〜223の下方で前面枠12には、左寄りに、図例のごとく灰皿15が取り付け可能であり、右寄りに、円形の領域に多数のスピーカ孔37が形成されている。スピーカ孔37の背後に遊技の効果音を出力する図示しないスピーカが内蔵されている。
さて、本遊技機S1は遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を取り込み遊技が可能となる遊技機であり、次に球取込装置5bについて説明する。球取込装置5bは、図14に示すように、遊技球が2条に整流される上記第1取込通路46の下流端に開口する2つの落下口4611,4612の直下位置に配置されている。図15、図16、図17、図18に球取込装置5bを示し、図19にそのハウジングの上面を示す。なお、後述する賞球払出装置5aも球取込装置5bと同じ構造である。ハウジング50はその天井部に、上記落下口4611,4612と1対1に対応して対向する位置に遊技球1個分強の大きさの取込口521,522が開口しており、落下口4611,4612から落下した遊技球が取込口521,522からハウジング50内に取り込まれるようになっている。
ハウジング50内は取込口521,522形成側の取込室511と、駆動用のモータ55が格納されたモータ室512とからなる。取込室511は取込口521,522の配置方向に対向する室壁5111,5112が、山形に膨出し、この対向室壁5111,5112の間隔が、取込口521,522形成位置で最も広くなっている。そして最も間隔が狭くなる取込室511の両端部では、遊技球1個分強のスペースが確保されており、直下の出口通路531,532にそれぞれ連なっている。
第1の出口通路531の下方には、筐体13に取り付けられた第2の取込通路47が設けてある。第2取込通路47は通路の向きが遊技機S1の前後方向にとられるとともに、その底面が遊技機S1の背面側を低所としてやや傾斜せしめてあり、遊技球が流下可能である。第2取込通路47の上流端部は、第1出口通路531と近接対向して上向きに開口し、第1出口通路531から遊技球を受けるようになっている。第2取込通路47の下流端は、筐体13の背面に開口し(図5)、遊技球が遊技場側へと回収されるようになっている。
また、第2の出口通路532の下方には、前面枠12に形成された返却通路48が設けてある。返却通路48は通路の向きが排出通路45に向けてスロットマシンS1の左右方向にとられるとともに、その底面が排出通路45側を低所としてやや傾斜せしめてあり、遊技球が流下可能である。返却通路48の上流端部は、第2出口通路532と近接対向して上向きに開口し、第2出口通路532から遊技球を受けるようになっている。返却通路48は下流端で排出通路45と連通している。
モータ室512のモータ55は、シャフト551が、取込口521,522の直下位置をその配置方向に平行に、取込室511との隔壁5112を貫通して取込室511内に突出し、その外周には、ディスク状の2つの回転体であるスプロケット541,542が同軸に結合せしめてある。スプロケット541,542の側面には、周方向に等間隔に、V字状にカットされた3つの凹部が形成され、山部5401と谷部5402とが周方向に交互に繰り返す形状となっている。第1のスプロケット541と第2のスプロケット542とは同じ形状のものが用いられ、周方向に互いに60°ずらしてモータシャフト551に取り付けられる。また、第1スプロケット541は第1取込口521の直下に、第2スプロケット542は第2取込口522の直下に位置せしめてある。
取込室511内には、スプロケット541,542をそれぞれ回転軸方向に挟んで、座5011,5012、座5021,5022が設けてある。座5011,5012、座5021,5022は出口通路531,532に連なる遊技球通路の底面部を構成するとともに、上面がなだらかに凹んでスプロケット541,542をそれぞれ回転軸方向に挟む2か所で遊技球が1個着座可能である。
座5011,5012、座5021,5022の高さは、座5011,5012、座5021,5022によって挟まれたスプロケット541,542の谷部5402が取込口521,522の直下位置にあるときに遊技球が着座するように設定されている。
したがって、取込口521,522から落下した遊技球は、スプロケット541,542の山部5401が上記取込口521,522の直下位置にあるときにはスプロケット541,542上に乗り、スプロケット541,542の回転に伴って、スプロケット541,542の側面に沿って移動して座5011,5012、座5021,5022に着座する。なお、スプロケット541,542の谷部5402が上記取込口521,522の直下位置にあるときに落下した遊技球は、略直接に座5011,5012、座5021,5022に着座する。
そして、さらにスプロケット541,542が回転すると、山部5401に押し出されるように回転方向に遊技球が座5011,5012、座5021,5022上を移動し、回転方向側の出口通路531,532へと案内される。なお、座5011,5012、座5021,5022はそれぞれスプロケット541,542をモータシャフト551方向に挟む2か所で下方から1個の遊技球を受けるようになっているが、座のうちの1つは遊技球の側方から受ける構成でもよい。また、座は、モータシャフト551方向に挟む2か所を含む複数位置に設けられておればよい。また、図例のスプロケット541,542だけではなく、山部と谷部とが周方向に交互に繰り返す側面形状を有し、遊技球を回転方向に案内可能な回転体であれば種々の形状のものを用い得る。
また、各出口通路531,532を挟んで受光部と発光部とが対向するフォトインタラプタが設けられ、それぞれ対応する出口通路531,532を落下する遊技球の通過を検出する遊技球通過検出手段である遊技球センサ561,562としてある。ここで、遊技球センサ561,562の位置は、出口通路531,532の上端部に設けられているから、遊技球センサ561,562で検出された直後にスプロケット541,542の回転を停止すれば、その後、遊技球が出口通路531,532へと送出されることはなく、送出球数が正確である。
なお、遊技球センサ561,562の位置は、厳密には、次の位置であればよい。すなわち、上記のごとく2つのスプロケット541,542が60°の位相差でモータシャフト551に取り付けられているから、モータシャフト551が60°回転するごとに遊技球が1個ずつ送出されることになる。したがって、遊技球の送出間隔である、モータシャフト551が60°回転する時間が、送出された遊技球が遊技球センサ561,562で検出されるまでの検出遅延時間よりも長ければ、送出球数を正確にすることができることになる。
また、モータシャフト551には、円板57が同軸に取り付けられ、その周縁部を板厚方向に受光部と発光部とが対向するフォトインタラプタ58が設けられている。円板57の周縁部には図示しない切り欠きが形成されており、作動量検出手段であるフォトインタラプタ58により、スプロケット541,542の回転角度が検出可能である(以下、フォトインタラプタ58を回転位置センサ58という)。
しかして、図20(A)に示すように、モータ55の図中左回転(以下、適宜、正回転という)時には、第1取込口521から取り込まれた遊技球は、第1スプロケット541の谷部5402が略取込口521と対向するタイミングで谷部5402に落下し、座5011,5012に着座する。そして、スプロケット541の回転ととともに座5011,5012上を第1出口通路531側へ移動する。さらにスプロケット541が回転すると、第1出口通路531を落下し、第2取込通路47を流れていく。一方、60°の位相差で、第2スプロケット542においても遊技球がスプロケット542の回転方向に運ばれて第1出口通路531を落下し、第2取込通路47を流下していく。
また、図20(B)に示すように、モータ55の逆回転時には、取込口521,522から取り込まれた遊技球は、スプロケット541,542により逆方向に遊技球が案内されて、第2出口通路532を落下し、返却通路48を流下していく。
なお、遊技球はスプロケット541,542の真っ直ぐ上方から落下し、しかも、スプロケット541,542の谷部5402に位置する状態では座5011,5012、座5021,5022に着座している。したがって、遊技球の自重によるスプロケット541,542に対する回転力が作用しないので、モータ55への通電を停止するだけで、遊技球が誤って送出されることを回避することができる。スプロケット541,542に制動力を加える必要がないので、構成や制御を簡略化することができる。
次に、賞球等の遊技球貯留皿44への遊技球の払い出し系について説明する。筐体13の最上部には、補給球タンク40が設けられており、補給球タンク40から遊技球が2条式の補給球通路41を介して賞球払出装置5aに供給されるようになっている。そして、賞球払出装置5aの出口通路531,532からは後述する賞球制御基板615のCPUから指示された数の遊技球が払い出されるようになっている。
賞球払出装置5aの第1取込口521は、補給球通路41の2条のうち一方の1条の下流端の直下に位置し、第2取込口522は、補給球通路41の他方の1条の下流端の直下に位置している。
払出通路42は、全体形状が、長さ方向を上下方向にとって配置された筒状体であり、筒内には複数のガイド板421が傾斜方向に設けられ、ガイド板421に沿って遊技球が流下するようになっている。払出通路42は、上流端で賞球払出装置5aの両出口通路531,532と連なり、下流端が下向きに開口している。
一方、前面枠12には、遊技球貯留皿44の遊技球払出口441の周縁部が前面枠12の裏面側に突出してL字状の筒状部43が形成されており、その垂直部431の先端が払出通路42の下流端と近接し対向している。垂直部431の断面形状は払出通路42の下流端での断面形状と略同じであり、払出通路42を流下した遊技球は、筒状部43から遊技球貯留皿44に払い出される。
賞球払出装置5aでは、賞球を払い出す際には、モータ55は正回転として、図21(A)に示すように、第1の遊技球センサ561で賞球の払い出し数を計数し、遊技者が遊技を終了し精算する際にはモータ55は逆回転として、図21(B)に示すように、第2の遊技球センサ562で遊技球の戻し数を計数する。
図22に本遊技機S1の電気構成を示す。遊技機S1は、遊技制御基板611を中心に制御系が構成されている。制御装置である遊技制御基板611はマイクロコンピュータを備えたもので、各中継基板621,622,623,624から遊技機S1の各部の状態を示す検出信号に基づいて、指令コマンドを、リール601〜603等を駆動する制御基板631等に出力し、遊技を進行するとともに、賞球制御基板615に指令コマンドを送信して遊技球の払い出し等を実行せしめる。
中継基板621〜624について説明する。回胴中継基板621は、回胴装置60に付設され、回胴装置60の、第1の回胴モータセンサー基板631、第2の回胴モータセンサー基板632、第3の回胴モータセンサー基板633と接続されている。回胴モータセンサー基板631〜633は、遊技制御基板611からの制御信号により回胴モータ641,642,643を通電駆動する駆動回路と、リール601〜603の回転角度位置を検出し遊技制御基板611に出力するセンサ回路とが形成されたものである。
扉中継基板622は、回胴装置60の下方で前面枠12に取り付けられており、リール始動ボタン21、リール停止ボタン221〜223、操作スイッチ基板634の状態信号が遊技制御基板611に中継される。操作スイッチ基板634はベットボタン231〜233および精算ボタン24のスイッチ部分が実装されたもので、上記迫り出し部内に取り付けられる。
皿中継基板623は球取込装置5bに付設され、自動投入ボタン261、手動投入ボタン262、遊技球検知スイッチ651、遊技球計数センサ561,562の状態信号が遊技制御基板611および賞球制御基板615に中継される。
遊技球通過検出手段である遊技球検知スイッチ651は第1取込通路46の途中で遊技球の有無を検知する。したがって、遊技球検知スイッチ651の設置位置すなわち遊技球の検知位置は、遊技に必要な球数を考慮して設定される。本実施形態では、遊技球検知スイッチ651の設置位置から上記球取込装置5bに到る第1取込通路46の区間に、1回の遊技に必要な5個強の遊技球が整列する位置としてある。なお、本実施形態では第1取込通路46が2条式であり、球取込装置5bの上流の5個目で正確に検知するのは困難であり、確実に5個の遊技球が整列する位置とする。この点、第2の実施形態に示す1条式のものでは5個目の検知を正確になし得る。
賞球中継基板624は払出通路42の側面に取り付けられ、賞球払出装置5aの賞球計数センサ561、精算計数センサ562、補給球切れスイッチ652、満タンスイッチ653の状態信号が遊技制御基板611および賞球制御基板615に中継される。
払出球検知手段である補給球切れスイッチ652は遊技球通路である補給球通路41の途中に設けられて遊技球の有無を検知し、賞球払出装置5aの上流に、賞球として払いだす所定数の遊技球があるか否かが知られるようになっている。補給球切れスイッチ652がオフのときには、賞球制御基板615のCPUは賞球の払い出しを禁止する。
したがって、補給球切れスイッチ652の設置位置すなわち遊技球の検知位置は、賞球として一時に払い出すことが必要な最大数を考慮して設定される。本実施形態では、補給球切れスイッチ652の設置位置から上記賞球払出装置5aに到る補給球通路41の区間に、1回の遊技に払い出される賞球の最大値よりも少数の遊技球が整列する位置としてある。賞球数の最大値は一般的に25個であるが、これよりも少ない15個の遊技球が整列する位置としてある。なお、15個は賞球数の最小値である5個よりも多い。これにより、賞球払出装置5aへの遊技球の補給が断続して(いわゆるパラパラ球の状態)賞球個数の多い入賞に対しては賞球の払い出しが行われなくとも、入賞確率が相対的に高い賞球個数の少ない入賞(賞球5個、10個または15個)に対しては賞球の払い出しを行い得るから、遊技者のイライラ感を抑制することができる。なお、未払いの賞球については賞球制御基板615のRAMの所定領域に記憶される。
満タンスイッチ653は遊技球貯留皿44の背後の筒状部43に設けられて遊技球の有無を検知し、遊技球貯留皿44が遊技球で満タンか否かが知られるようになっている。満タン時には、後述するように賞球の払い出しが一時停止する。
遊技情報表示基板612は、遊技制御基板611からの制御信号に応じてそのLCDパネルに画像信号を出力する。遊技情報表示基板612は、マイクロコンピュータを中心に構成されて、その制御プログラムにしたがって遊技の演出用のアニメーションを表示する。
表示器ユニット644は表示器群36の各7セグメントLEDおよびランプとその駆動回路とが実装された基板であり、表示器群36の配置位置で、前面枠12に取り付けられる。
ランプ制御基板613は遊技情報表示基板612に隣接して配置され、遊技制御基板611からの制御信号に応じて飾りランプ基板645のランプ類を点滅せしめる。
音声制御基板614は遊技情報表示基板612に隣接して配置され、遊技制御基板611からの制御信号に応じてスピーカ646から音声を出力せしめる。
制御装置である賞球制御基板615は回胴装置60の下方位置で筐体13に取り付けられる。賞球制御基板615はマイクロコンピュータを中心に構成され、賞球モータセンサー基板636、球取込モータセンサー基板637と接続されている。賞球モータセンサー基板636は賞球払出装置5aに付設され、賞球モータ55を通電駆動するとともに、回転位置センサ58の検出信号を賞球制御基板615に出力する。また、球取込モータセンサー基板637は球取込装置5bに付設され、球取込モータ55を通電駆動するとともに、回転位置センサ58の検出信号を賞球制御基板615に出力する。
なお、ここで、賞球モータセンサー基板636、球取込モータセンサー基板637は同じものであり、それぞれ、上記のごとく、モータ55の回転速度が、モータ55を停止した後で遊技球センサ561,562で遊技球が検出されない速度となるように構成されている。
また、賞球制御基板615のCPUでは、遊技球センサ561,562のパルス状の検出信号を受け、これを計数することで、スプロケット541,542から送出された遊技球の数を監視する一方、作動量検出手段である回転位置センサ58の検出信号からモータシャフト551の回転角度すなわちスプロケット541,542の作動量である回動量が知られる。そして、スプロケット541,542の回動量が60°増加するごとに所定のパラメータ(推定送出球数)をインクリメントする。推定送出球数は予め設定した所定時間ごとにリセットされる。この所定時間における推定送出球数と、対応する期間における遊技球センサ561,562から知られる実際の送出球数とを比較し、両者が所定の許容範囲を越えて大きく異なっている場合には賞球払出装置5a、球取込装置5bの異常と判定し、異常が発生した旨の信号(異常報知信号)を遊技制御基板611に送信する。この場合、賞球払出装置5aと球取込装置5bとのいずれが異常かが知られるように信号の内容若しくは出力するポートが異なるのは勿論である。そして、遊技制御基板611は遊技情報表示基板612に、異常の発生を上記LCDに表示することを指示する指令コマンドを送信する。
上記のごとく、賞球払出装置5a、球取込装置5bはモータシャフト551が60°回転するごとに1個の遊技球を送出可能であるから、基本的に、遊技球センサ561,562から知られる送出球数と、回転位置センサ58から知られる推定送出球数とは一致するが、遊技球が整然と連続して取込口521,522へと流れなかったり、賞球払出装置5a、球取込装置5bでの球詰まりや故障のような作動異常があれば、一致しない。したがって、推定送出球数と、遊技球センサ561,562から知られる実際の送出球数とが上記許容範囲を越えて大きく異なっている場合には異常発生と判断できることになる。
また、賞球払出制御基板615のCPUは、上記遊技球検知スイッチ651がオンで、予め設定した基準時間を越えて遊技球計数センサ561,562により遊技球が検出されない場合に、遊技球の取り込みが異常である旨の信号(異常報知信号)を遊技制御基板611に出力する。この異常報知信号から、賞球払出装置5aや球取込装置5bの上流に遊技球が存在しているにも係わらず遊技球が送出されないことを知ることができる。
また、賞球払出制御基板615のCPUは、補給球切れスイッチ652がオフで賞球の払い出しが禁止された状態において、未払いの遊技球の数を、メモリの所定領域に記憶された未払い球数のデータに加算して、加算した値によりメモリの未払い球数を更新する。
また、遊技機S1に設けられる基板として、分電基板673があり、上記各基板611等に給電するようになっている。分電基板673には、受電基板671を介して入力する商用電源から所定の電圧を生成する電源ユニット672が接続されている。これらは筐体13の最下部に取り付けられる。
外部情報端子基板625は、遊技場の全体を制御するホールコンピュータと接続するためのインターフェースであり、遊技制御基板611、賞球制御基板615からの各種のデータや、補給球タンク40の遊技球不足を検知する球切れスイッチ654、前面枠12の開閉状態を検知する扉開放スイッチ663の状態信号が上記ホールコンピュータに対して出力可能である。
次に、遊技制御基板611のCPUおよび賞球払出制御基板615のCPUで実行される制御プログラムの概略とともに、本遊技機S1の全体作動について説明する。すなわち、補給球タンク40内の球切れスイッチ654がオンで遊技球ありと判定されると、賞球払い出し可能となる。一方、オフの場合はこれがホールコンピュータで検知され、ホールコンピュータは補給を指示する。これにより、賞球払い出し可能状態が常時、保持される。
賞球払い出し可能状態であれば、遊技者は、台間球貸機S2の図示しない投入口に所定の金額の金銭を投入することで、ノズルS21から遊技球の貸し出しを受けることができる。
遊技球は遊技球貯留皿44の右側の低所に向かって流れ、先頭は、球取込装置5b内へ流入する。球取込装置5bの直上流部に設けられた遊技球検知スイッチ651がオンすると、遊技可能な数の遊技球が取り込み可能であると判断し、自動投入ボタン261若しくは手動投入ボタン262の押下待ちとなり、遊技者は自動球送りモードで遊技を行うかまたは手動球送りモードで遊技を行うか選択することとなる。
先ず、自動球送りモードが選択された場合について説明する。自動投入ボタン261が押下されると、自動球送りモードが設定され、上記遊技情報表示基板612のLCDパネルの一部に自動球送りモード中であることが表示されて、球取込装置5bが作動して(正回転)、遊技球が1個ずつ連続的に取り込まれる。このとき、球取込装置5bの第1の遊技球計数センサ561の検出信号に基づいて取り込んだ遊技球が計数される。
遊技球計数センサ561の検出信号に基づく遊技球の計数値は、5個単位で遊技可能回数を表す1クレジットとして記憶され、遊技球の取り込みが進むにつれてクレジットは加算されて予め設定された最大値「50」まで記憶される。クレジットは遊技球貯留数表示器362に表示される。自動球送りモードでは、クレジット「50」(遊技球250個)を上限として、取り込む遊技球がある限り、球取込装置5bが遊技球貯留皿44の遊技球を取り込む。
なお、遊技球計数センサ561が250個目の遊技球を検出してクレジットが50となると、球取込装置5bはモータ55を直ちに停止して取り込みを停止するが、クレジットが「50」未満で遊技球貯留皿44に取り込む遊技球がなくなった場合には遊技球検知スイッチ651がオフして球取込装置5bは停止するが、遊技球検知スイッチ651が遊技球がないことを検知してから予め設定した基準時間をカウントし、カウント値が基準時間を越えると、取り込むべき遊技球がないものと判断して、モータ55を停止することになる。このときに取り込まれた遊技球数は、5個以下であれば端数分としてクレジットとは別に記憶され、次に遊技球を取り込んだときに加算されてクレジットとして記憶される。
以下、遊技者がベットボタン231,232,233で賭数を選択し、リール始動ボタン21を押下することで遊技が開始される。そして、上記クレジットが選択された賭数に応じてカウントダウンする。例えば賭数が「3」であればクレジットが3カウントダウンし、賭数が「1」であれば1カウントダウンする。そして、遊技制御基板611のCPUでは、リール601〜603の回転を開始するとともに、抽選用乱数の抽出やこれに基づく当たり/外れの判定等を実行し、リール停止ボタン221〜223の操作に応じて、リール601〜603を所定位置で停止する。
当たりであれば、賞球払出装置5aを作動し(正回転)、入賞の役の種類に応じた所定数の遊技球を払い出す。ここで払い出し数は上記のごとく1回の遊技に相当する5個を単位としてその倍数個に相当する遊技球(5個、10個、15個、20個等)が払い出される。賞球として払い出される数は遊技球払出数表示器364に表示される。
遊技球の実際の払い出し数は、賞球払出装置5aの賞球計数センサ561の検出信号に基づいて計数され、遊技球の計数値が上記入賞の役の種類に応じた所定数に達すると、賞球払出装置5aを停止する。
そして、クレジットの値は、遊技を行うごとに減じられていくが、ボーナス遊技の場合は、クレンジットの数は減じられない。そして、与えられたボーナス遊技の残数が遊技回数表示器363に表示される。
遊技回数が進行するとクレジットが減少するが、遊技球貯留皿44に賞球等により取り込み可能な遊技球が存在している場合、自動球送りモードでは、クレジットの減少に応じて、新たに遊技球が取り込まれて、クレジットがカウントアップする。
ここで、賞球を払い出す賞球払出装置5aと遊技球を取り込む球取込装置5b、賞球モータセンサー基板636と球取込モータセンサー基板637は同一の構成であるから、コストの低減が可能であるとともに、遊技球の取り込み速度と遊技球の払い出し速度とを同じにするのが容易である。遊技球の取り込み速度と遊技球の払い出し速度とを同じにすることで、入賞状態が続いているにも係わらず、賞球の払い出しが遊技球の取り込みに追いつかずに遊技が不可能(クレジット0)になることを未然に回避することができる。これにより、遊技者は快適に遊技を続けることができる。
また、クレジットが「50」未満のときに、賞球を遊技球貯留皿44に払いだすことなく直接的にクレジットに加算するようにしてもよい。例えば、15個の賞球が払い出される場合、現状のクレジットが「40」であれば「43」にカウントアップする。クレジットが「48」の場合には、クレジットを「50」とし、残りの賞球5個が遊技球貯留皿44に払い出される。クレジットが「50」のときには、遊技球貯留皿44に15個の賞球が払い出される。このようにすることで、賞球払い出し装置5aおよび球取込装置5bの作動する頻度を相当減らすことができる。各装置5a,5bの作動頻度を減らすことで、各装置5a,5bの故障率が低減し、装置5a,5bの長寿命化がはかれる。また、遊技球の通路等の破損や汚れも軽減できる。更に各遊技台で使用される遊技球の個数を低減することができ、遊技球の供給/回収や洗浄を行うシステムを小型化することができる。また、遊技球が遊技球貯留皿44等から落下することも少なくなる。
なお、遊技球が多く払い出され、遊技球貯留皿44が遊技球で一杯になれば、遊技場備え付けのいわゆるドル箱を遊技球排出口451の下方に置き、パチンコ機と同様に、球抜きボタン25を押下すれば、遊技球を遊技球排出口451からドル箱に移すことができる。
また、遊技球の払い出しにより遊技球貯留皿44の遊技球が一定数を越え、満タンスイッチ653がオンすると、賞球払出装置5aを停止して、上記メモリの未払い球数のデータに加算して、加算した値によりメモリの未払い球数を更新する。
この未払い球数がある場合で、遊技回数が進行してクレジットが減少すると、未払い球数の減算してその分、クレジットに割り当てるようにしてもよい。
遊技を終了するには、遊技者が精算ボタン24を押下する。これにより、賞球払出装置5aおよび球取込装置5bを逆回転で作動開始する。精算時には遊技者は精算ボタン24の押下に加えて球抜きボタン25を押下する。賞球払出装置5aでは、クレジット分と未払い分との合計数を賞球計数センサ561が計数するまで、作動を続け、遊技球を払い出す。このとき、遊技球貯留数表示器362では、表示されるクレジットが「0」になるまで変化していく。
球取込装置5bでは、逆回転時には、遊技球は、第2の出口通路532から返却通路48に落下するから、返却通路48を介して排出通路45へと流下する。これにより、遊技球貯留皿44の底面の開口部442から流下しない遊技球も遊技球排出口451からドル箱等に戻すことができる。なお球取込装置5bでは、遊技球検知スイッチ651が遊技球を検出しなくなってから所定のインターバルをおくまで作動を続ける。遊技球を漏れなく遊技者に戻すためである。
遊技を終了すべく遊技者が精算ボタン24を押下することで、自動球送りモードの設定は解除される。また自動球送りモードは、予め設定しておいた所定の時間(約5分間)、クレジットの数値が「0」および「1」から変動しなければ、遊技終了とみなして解除される。これによれば、新たに来た遊技者が自動および手動球送りモードの選択から遊技を開始でき、無駄に遊技球が取り込まれることがない。また自動球送りモードは、手動投入ボタン262が押下されることでも解除され、適宜、遊技者が自動球送りモードと手動球送りモードとのいずれかを選択することができるようにしている。自動球送りモードが解除されると、今まで自動球送りモード中であることを報知していた遊技情報表示基板612のLCDパネルの一部の表示が消える。またはLCDパネルの一部に手動球送りモード中であることを表示してもよい。
手動球送りモードでは、手動投入ボタン262が押下され、遊技者がベットボタン231〜233を操作すると、球取込装置5bが作動して(正回転)、遊技球が取り込まれ、球取込装置5bの第1の遊技球計数センサ561の検出信号に基づいて計数される。
手動投入ボタン262を繰り返し押下すると、その押下回数に比例した遊技球が取り込まれる。取り込み数は押下回数1回当たり、1クレジット分の5個であり、押下回数の上限は50回である。遊技者は連続して遊技を行おうとする回数分だけ、手動投入ボタン262を押下してクレジットを溜めることになる。クレジットが上記押下回数に応じた数になると、球取込装置5bを止めて遊技球の取り込みを停止する。
リール始動ボタン21を押下することで遊技が開始される。遊技を行う毎にクレジットが減算され、クレジットが「0」になるまで遊技が可能である。またクレジットが「0」となっても手動投入ボタン262を押下してクレジットを溜め遊技を継続することができる。この場合、上記未払い球が有る場合には、手動投入ボタン262の押下操作により未払い球をクレジットに割り当てるようにしてもよい。
本実施形態の遊技機は、自動、手動のいずれの球送りモードにおいても、入賞の頻発でクレジットが「50」になってからでも賞球の払い出しが続くと、遊技球貯留皿44の遊技球が増えていくことになる。図23に示すように、遊技球が筒状部43の垂直部431に設けた満タンスイッチ653位置まで遊技球でいっぱいになるまでは、賞球払出装置5aの作動が続くが、図24に示すように、満タンスイッチ653がオンするまで遊技球が貯留すると、賞球払出装置5aの作動が停止する。
ここで、満タンスイッチ653は筒状部43の垂直部431に設けられており、水平部430は実質的に遊技球貯留皿44の一部として機能する。パチンコ球はスロットマシンの遊技媒体であるメダルよりも単価が低く、パチンコ球を用いる遊技機ではスロットマシンに比して多くの遊技媒体を貯留する必要があるところ、本遊技機S1では、遊技球貯留皿44に連なる筒状部43まで遊技球貯留皿として用いることで、遊技球貯留皿をパチンコ機のごとく上皿と下皿とよりなる2皿構成とすることなく単一の遊技球貯溜皿でも十分に遊技球を貯留することができる。
また、補給球切れスイッチ652がオフのときに未払いの球数を記憶するようにしているが、遊技制御基板611の制御プログラムを、補給球切れスイッチ652がオフのときには操作部2aのスタートボタン21の操作が無効となるようにしてもよい。この場合は、続けて行ってきた遊技が一時中断することになるが、遊技球が払い出されない違和感を遊技者が感じないようにすることができる。
図25に本発明の第2の実施形態を適用した遊技機を示す。遊技機は、第1の実施形態と基本的に同じ構成のもので、遊技球の取り込み系が異なっている。第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
遊技球貯留皿44に貯留した遊技球を取り込むための第1取込通路46Aは1条式で、遊技球が1列になって流れ、その下流端の落下口4610から球取込装置5bAに取り込まれる。
球取込装置5bAは図26、図27に示すように、内部構造等の基本構成は第1の実施形態のものと同じであり、相違点としては、ハウジング50Aの取込口520が単一で上記落下口4610の直下位置に開口している。この取込口520は第1の実施形態の取込口522と同じものであり、第2スプロケット542上に落下する。
しかして、落下口4610からの遊技球は、取込口520から落下して第2スプロケット542により送出される。
なお、本実施形態では、賞球払い出し系の払い出し速度が球取り込み速度を上回るが、逆に、賞球払出装置を取込口が単一の構成とするとともに補給球通路を1条式としてもよい。この場合は、球取り込み速度の方が上回るので、第1の実施形態のごとく、遊技球貯留皿44が遊技球で一杯にもかかわらず遊技が不可能になるのを回避することができる。なお、払い出し速度、球取り込み速度の設定が賞球モータセンサー基板636や球取込モータセンサー基板637の構成に応じてなし得るのは勿論である。
また、球取込装置のハウジングの取込口の数を違えるだけで、1条式の球取込通路や補給球通路に適用可能であり、部品の種類を減らすことができる。勿論、1条式の球取込通路や補給球通路の場合にはスプロケットが単一の構成でもよいのは勿論である。
第1取込通路46Aを1条としたので、遊技球検知スイッチ651により遊技球貯留皿44に5個の遊技球が確実に存在することを確認できる。自動球送りモードで遊技球を取り込むときに、1クレジットに満たない端数の遊技球を取り込まないようにする。
図28に本発明の第3の実施形態になる遊技機を示し、図29にその電気構成を示す。遊技機は、第1の実施形態と基本的に同じ構成のもので、球貸し系が異なっている。第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
遊技球貯留皿44には自動投入ボタン261、手動投入ボタン262に近接して、球貸しボタン271、返却ボタン272、残数表示部39が設けられている。これらの配置位置で前面パネル12Aの背後には、球貸しボタン271で作動するスイッチ、返却ボタン272で作動するスイッチ、残数表示部39の7セグメントのLED群を実装したCR基板68が設けられており、賞球制御基板615Aと接続されている。賞球制御基板615Aは台間球貸機であるプリペードカードユニットS3と接続されている。
プリペードカードユニットS3は現金球貸機と同様に遊技機に対し1台ずつ設置されている。プリペードカードユニットS3はパチンコ機に用いられるものと同じものが利用され、遊技機との相方向の通信により球貸しを行う。例えば、遊技機からプリペードカードユニットS3に信号を送った場合、正常なら所定の時間内にプリペードカードユニットS3から遊技機へ返信するのだが、所定時間経過しても返信がなければ、遊技機はプリペードカードユニットS3が異常であると判断してプリペードカードユニットS3が異常である旨を示すエラー表示を行う。また逆に、プリペードカードユニットS3により遊技機の異常を報知する。これにより、エラーした時期およびエラーした場所が早期に発見でき、迅速に対処できる。
賞球制御基板615Aはマイクロコンピュータを中心に構成され、上記第1および第2の実施形態と同様の遊技球の取り込みや賞球の払い出しを実行する。相違点としては、プリペードカードユニットS3のカード挿入口に挿入されたプリペードカードの残高を確認して、これをCR基板68の上記LED群にて表示せしめるとともに、遊技者の球貸しボタン271、返却ボタン272の操作に応じて、賞球払出装置の賞球モータ55やプリペードカードユニットS3を作動せしめる。すなわち、球貸しボタン271が押下されると賞球モータ55を正回転せしめて遊技球を貸球として払い出するとともに、プリペードカードユニットS3にプリペードカードの残数を減じる書き換えを指令する。ここで、賞球モータ55の正回転で貸し出される遊技球を計数するのは賞球計数センサ561であり、賞球計数センサ561が、賞球の払い出し数の計数に用いられるとともに遊技球の貸し出し数の計数に用いられることになる。また、CR基板68には残数表示部39における残数を変更せしめる指令を送信する。
また、賞球制御基板615Aは、この球貸しにおいて、次の制御を実行する。すなわち、クレジットが上限値である「50」になると、球貸しを禁止し、球貸しボタン271の操作を無効にする。この球貸し禁止状態は、下限値である「25」まで保持され、「24」になると解除される。球貸しが禁止状態にあるか否かは、クレジットが「50」になるとセットされ、「25」を下回るとリセットされるフラグに基づいて判定し得る。
これにより、クレジットが一旦、「50」になった後少なくとも25回の遊技が終了するまでは、球貸しボタン271が押下されても球貸しは実行されない。したがって、十分にクレジットがあり遊技者が球貸しを受ける気がないのに誤って球貸しボタン271を押下して球貸しが実行されるのを回避することができる。また、球貸しの単位は現状500円すなわちクレジット「25」に相当する遊技球125個分実行されるから、球貸しの禁止状態が解除された後、球貸しが実行されると、直ぐに球貸しが禁止されることになる。したがって、球貸しで賞球払出装置5aが作動する頻度を相当減らすことができる。賞球払出装置5aの作動頻度を減じることで、賞球払出装置5aの長寿命化、各台で使用される遊技球の個数を低減することができ、遊技球の供給/回収や洗浄を行うシステムを小型化することができる。
また、賞球制御基板615AのCPUは、クレジット「0」の状態から遊技球の取り込みを実行した場合において、計数個数に、クレジットとしてカウントされない端数が生じたときに、これを繰り上げてクレジット数を1インクリメントする。これにより、球貸し実行時等に遊技球貯留皿から1、2個落下することがあっても、遊技者は投入した金額に見合う遊技回数を確保することができる。例えば、500円の投入で125個の遊技球が貸し出されるが、貸し出された遊技球をすべて取り込んでも124しかなかった場合、クレジット数は「24」ではなく、端数4により「25」となる。これにより、遊技者が「今日は始めからツイてない」といった遊技への意欲を減退させるような気分になるのを回避することができ、気持ちよく遊技を楽しむことができる。
また本実施形態において、プリペードカードユニットS3により球貸しを行うときに、自動球送りモードであれば、遊技球を遊技球貯留皿44に払い出すことなく、直接的にクレジットへ加算するようにしてもよい。例えば、クレジットが「10」のときに、500円分(125球、25クレジット分)の球を借りた場合、クレジットが「35」に増加する。これによれば、賞球払出装置5aおよび球取込装置5bの作動頻度を軽減でるうえ、球貸し時に遊技球が貯留皿44等から落下することが少なくなる。尚、球貸しにより直接的にクレジットへ加算する場合、上述の球貸し禁止状態を設定する構成としてもよいし、球貸し禁止状態を設定しない構成としてもよい。
なお、上記各実施形態は、回胴式の遊技機に適用した例を示したが、遊技用の操作部の操作に基づいて複数の図柄の表示部で図柄の変動が開始および停止する遊技機であれば適用することができる。例えば、表示部を、画面上で複数の図柄が変動表示されるLCDパネルにより構成された遊技機にも適用することができる。
また、各実施形態は幾つもの発明が適用されているが、要求される仕様によっては、一部の発明は省略してもよい。
また、遊技機の各部の具体的な構成についても本発明の趣旨に反しない限り任意である。