以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図1はスロットマシンXを示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体10を備えており、この筐体10は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体10の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。また、筐体10の正面には、筐体10の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉12が設けられている。また、前扉12は、筐体10の正面開口部の開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。なお、前扉12を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。
筐体10内の下部には、図2に示すように、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット14、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット16、ホッパーユニット16内のメダルの量が所定量以上となるとホッパーユニット16からメダルが送り出されるキャッシュボックス18等が設けられている。また、電源ユニット14は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット14から各部品に電力が供給されるようになっている。なお、一部の部品には、電源ユニット14がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
また、筐体10内には、リールユニット20や主制御装置(メイン制御基板)70、副制御装置(サブ制御基板)72等が設けられている。リールユニット20は、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リール20a,20b,20cと、リール20a〜20cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)とを有している。
また、主制御装置70には、設定変更キーシリンダや、設定変更ボタン26が設けられている(図3参照)。なお、設定変更キーシリンダや、設定変更ボタン26は、例えば、電源ユニット14等の、他の部分に設けられていてもよい。
図1に示すように、上扉30の下部中央には、表示窓31が設けられ、この表示窓31の奥には、3個のリール20a〜20cが横一列に設けられている。各リール20a〜20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール20a〜20cが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。表示窓31には、各リール20a〜20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a〜20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、各リール20a〜20cの中段によって構成される有効ラインが有効化される。また、遊技開始に伴って各リール20a〜20cが回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a〜20cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
また、表示窓31の下方には、遊技情報表示部32が設けられている。遊技情報表示部32は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、遊技情報表示部32は、後述する第一メイン表示器90および第二メイン表示器92を備えている。
また、上扉30の上部中央には、表示窓31の上方に表示窓33が設けられている。この表示窓33の奥には、液晶ディスプレイ(画像表示装置)34が設けられている。液晶ディスプレイ34には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(画像)が表示される。また、上扉30や下扉40には、スピーカ36が複数設けられている。スピーカ36からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。また、前扉12には、報知や演出などを行うための照明装置38が複数設けられている。
また、下扉40の上部には、スロットマシンXを操作するための操作領域50が設けられている。操作領域50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算ボタン52、ゲームを開始させるためのスタートレバー53、回転リールの回転を停止させるためのストップボタン54(54a,54b,54c)、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン、メダルをゲームに投資(ベット)するときに操作されるベットボタン56等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための選択手段57等が設けられている。選択手段57は操作領域50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置されている。なお、選択手段57は、演出等の選択用のジョグダイヤル、決定ボタン等を有しているが、選択用の十字キーやキャンセルボタン等を有するものであってもよい。また、本実施形態の遊技機は、ベットボタン56として、3枚(規定枚数)のメダルをゲームに投資するときに操作されるMAXベットボタン56と、1枚のメダルをゲームに投資する際に操作される1ベットボタン56とを備えている。
ここで、本実施形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を傾動させる操作を行うと、リール20a〜20cが回転を始め、リール20a〜20cの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン54a〜54cの押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングで各リール20a〜20cに対応する各ストップボタン54a〜54cを押下していくと、各リール20a〜20cが停止する。具体的には、ストップボタン54aを押下するとリール20aが停止し、ストップボタン54bを押下するとリール20bが停止し、ストップボタン54cを押下するとリール20cが停止する。そして、全てのリール20a〜20cが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
次に、スタートレバー53、MAXベットボタン56、およびストップボタン54の操作荷重(検出荷重および最大荷重)について説明する。
スタートレバー53は、上下左右方向に傾動するように操作されるレバーである。なお、スタートレバー53は、例えば、左右方向には動かせず、上下方向のみに動かせるようになっていてもよい。スタートレバー53は、先端に球状の操作部が設けられたシャフト、ばね、およびセンサ等を備えている。スタートレバー53は、非操作時にはシャフトがスロットマシンXの前後方向に対して平行となる姿勢(中立状態)を保つようになっている。以下、スタートレバー53の非操作時における当該姿勢を初期位置という。ばねは、操作部が上下左右に動かされ、シャフトが傾動すると、弾性変形して撓むようになっている。センサは、例えば、フォトセンサである。センサは、例えば、シャフトが傾動することによって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、ON信号を出力するようになっている。なお、当該センサならびに後述するMAXベットボタン56およびストップボタン54のセンサは、各センサで検知したい操作部あるいは押圧部の動きを検知できるものであれば、フォトセンサに限られず、他のセンサを用いてもよい。
ここで、スタートレバー53の操作部を上下左右に動かし、ばねを弾性変形させ、センサからON信号(スタートレバー53が操作されたことを示す信号)が出力される位置まで、操作部を移動させるのに要する荷重を、スタートレバー53の検出荷重とする。スタートレバー53の検出荷重は、約1.5Nとなっている。操作部は、検出荷重より大きな荷重で操作された場合、ばねを弾性変形させながらさらに動くようになっている。そして、操作部は、任意の箇所に設けられているメカストッパー(メカエンド)にシャフトが当接することにより、停止するようになっている。ここで、スタートレバー53の操作部を動かし、ばねを弾性変形させ、シャフトがメカストッパーに当接するまで操作部を移動させるのに要する荷重を、スタートレバー53の最大荷重とする。スタートレバー53の最大荷重は、約3.0Nとなっている。
MAXベットボタン56は、上方から下方に向かって押し込まれるように操作されるボタンである。MAXベットボタン56は、押圧部、ばね、およびセンサ等を備えている。押圧部は、遊技者の指等によって操作される部品であり、例えば、樹脂で形成されている。ばねは、押圧部を上方に付勢するとともに、押圧部が押し込み操作されると弾性変形し、撓むようになっている。センサは、例えば、フォトセンサである。センサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、ON信号を出力するようになっている。
ここで、MAXベットボタン56の押圧部を押し込み、ばねを弾性変形させ、センサからON信号(MAXベットボタン56が操作されたことを示す信号)が出力される位置まで、押圧部を移動させるのに要する荷重を、MAXベットボタン56の検出荷重とする。MAXベットボタン56の検出荷重は、約0.8Nとなっている。なお、押圧部の初期位置から検出位置までの移動量(ONストローク)は、約1.0mmである。押圧部は、検出荷重より大きな荷重で操作された場合、ばねを弾性変形させながらさらに押し込まれるようになっている。そして、押圧部は、任意の箇所に設けられているメカストッパー(メカエンド)に当接して、停止するようになっている。ここで、MAXベットボタン56の押圧部を押し込み、ばねを弾性変形させ、メカストッパーに当接するまで押圧部を移動させるのに要する荷重を、MAXベットボタン56の最大荷重とする。MAXベットボタン56の最大荷重は、約1.6Nとなっている。なお、押圧部の初期位置からメカストッパーに当接するまでの移動量(フルストローク)は、約2.0mmである。
ストップボタン54は、前方から後方に向かって押し込まれるように操作されるボタンである。ストップボタン54は、押圧部、ばね、およびセンサ等を備えている。ストップボタン54の押圧部、ばね、およびセンサは、MAXベットボタン56の押圧部、ばね、センサと同等の機能を有する構成であるため、重複する説明を省略する。
ストップボタン54の検出荷重は、約0.7Nとなっている。なお、ストップボタン54のONストロークは、約1.0mmとなっている。また、ストップボタン54の最大荷重は、約1.4Nとなっている。なお、ストップボタン54のフルストロークは、約2.0mmとなっている。
以上のように、スタートレバー53、MAXベットボタン56、およびストップボタン54は、遊技者にとって相対的に好適な操作荷重となるように、操作荷重が設定されている。
スタートレバー53の検出荷重は、ストップボタン54の検出荷重より大きい値となっている。また、スタートレバー53の最大荷重は、ストップボタン54の最大荷重より大きい値となっている。スタートレバー53は、役抽選を実行する際に操作されるものであり、遊技者が期待を込めて力強く操作することがある。このため、ストップボタン54に比べて重みのある操作感をスタートレバー53に持たせることで、押しごたえがあり心地よい操作フィーリングを遊技者に提供することができる。これにより、スタートレバー53の操作感が遊技者にとって好適なものとなり、遊技性が向上する。また、ストップボタン54操作時に、軽くて心地よい操作感を遊技者に提供することができる。
また、スタートレバー53の検出荷重は、MAXベットボタン56の検出荷重より大きい値となっている。また、スタートレバー53の最大荷重は、MAXベットボタン56の最大荷重より大きい値となっている。このように、MAXベットボタン56に比べて重みのある操作感をスタートレバー53に持たせることで、押しごたえがあり心地よい操作フィーリングを遊技者に提供することができる。これにより、スタートレバー53の操作感が遊技者にとって好適なものとなり、遊技性が向上する。
また、ストップボタン54の検出荷重は、MAXベットボタン56の検出荷重より小さい値となっている。また、ストップボタン54の最大荷重は、MAXベットボタンの最大荷重より小さい値となっている。ストップボタン54は、遊技毎に、回転リールの数に応じて複数個操作しなければならないボタンである。ストップボタン54の操作荷重が、MAXベットボタン56の操作荷重より小さく設定されていることで、遊技者は、ストップボタン54の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよく全てのストップボタン54を押下することが可能となる。これにより、遊技者は快適に遊技を行うことが可能となり、遊技性が向上する。また、使用頻度の高いストップボタン54の操作荷重が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。また、MAXベットボタン56は、遊技を開始するための操作に用いられるボタンであり、上から叩くような操作が可能であるため、強い力で操作されることが多いボタンである。MAXベットボタン56の操作荷重が、ストップボタン54の操作荷重より大きく設定されていることで、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
前扉12の下端部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払出口60と、メダル払出口60から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿62とが形成されている。また、操作領域50とメダル受け皿62との間にはスロットマシンXの外観を装飾するための下パネル64が設けられている。また、下パネル64の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル64が背後から照らされるようになっている。
また、下扉40には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーシリンダ66にドアキーを挿入して下扉40(前扉12)を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、下扉40の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
なお、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開くことができない構造になっている。すなわち、上扉30を開く際には、下扉40を解錠して開いてから上扉30を開くように構成されている。
メダル投入口42から投入されたメダルは、メダルセレクタ67を通過した後に、メダルシュート69を経由してホッパーユニット16に入るようになっている。ただし、遊技を開始した後などの所定の条件下では、メダルセレクタ67に内蔵されたメダルブロッカー68が作動して、メダルシュート69へ向かう流路を閉塞し、投入されたメダルがメダル払出口60から返却されるようになっている。
スロットマシンXは、主制御装置70と副制御装置72とによって制御される。主制御装置70は、図3に示すように、精算ボタン52、スタートレバー53、ストップボタン54、ベットボタン56、設定変更ボタン26、ドア開閉スイッチ74、ドアセンサ76、投入検知センサ78、第一メダル通過センサ80、第二メダル通過センサ82、シュートセンサ84、オーバーフローセンサ86、払出センサ88等からの入力信号を受けて、遊技機の設定、エラーの管理、あるいは遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリール20a〜20cや、ホッパーユニット16等の出力手段の制御を行う。また、副制御装置72は、主制御装置70から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ34、スピーカ36、照明装置38等の演出用の装置の制御を行う。
また、主制御装置70と副制御装置72とは電気的に接続されており、主制御装置70から副制御装置72へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御装置72から主制御装置70へは情報を送信できないようになっている。
また、主制御装置70や副制御装置72の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
主制御装置70は、設定変更手段101、設定確認手段102、払出制御手段103、遊技制御手段104、乱数発生手段105、エラー検出手段106、エラー管理手段107、および主記憶手段108を備えている。
設定変更手段101は、主記憶手段108に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態の遊技機では、電源投入時の設定変更キーシリンダの状態に応じて遊技モードで起動される場合と設定変更モードで起動される場合とが切り替えられるようになっている。そして、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに90度設定キーが回された状態で、電源スイッチが作動することにより電源ユニット14から電力が供給されると、設定変更手段101が、スロットマシンXを設定変更モードで起動する。本実施形態の遊技機では、設定1〜設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができるようになっている。そして、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように当選役抽選の当選確率が変動するようになっている。なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
また、設定変更手段101は、設定変更モードにおいて設定変更ボタン26が押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー53が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を主記憶手段108に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
また、本実施形態では、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、遊技モードでスロットマシンXを起動する。そして、本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
また、設定変更手段101は、設定変更モードにおいて、主記憶手段108における読み出しおよび書き込みが可能な記憶領域であるリードライトメモリ(RWM)に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。なお、初期化処理においては、リードライトメモリに記憶されている全ての情報を初期化するのではなく、メダルのクレジット情報など一部の情報については初期化されずに保持されるようになっている。
設定確認手段102は、液晶ディスプレイ34や遊技情報表示部32等を介して現在の設定値を報知し、遊技者や管理者等に設定値を知らせる処理を行う。遊技モードにおいて、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに90度設定キーが回された状態で設定変更ボタン26が押下されると、設定確認手段102は、スロットマシンXを設定確認モード(設定確認状態)にする。設定確認モードにおいては、液晶ディスプレイ34は、設定確認モードであることを知らせる画像を表示する。また、設定確認モードにおいては、遊技情報表示部32の第一メイン表示器90は、現在設定されている設定値を表示する。
また、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定確認モードを終了させ、設定確認モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、設定確認モードでは設定値を参照することはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。また、設定確認モードでは設定値を参照することはできるが、設定値の変更を行うことはできないようになっている。なお、設定確認モードへの移行方法は、上述の方法に限られない。例えば、設定キーを回すだけで、設定変更ボタン26が押下されなくても設定確認モードに移行するものとしてもよい。また、遊技機の電源がOFFの状態や、設定変更モード等から設定確認モードに移行可能となっていてもよい。
払出制御手段103は、メダル(遊技媒体)の払い出しを制御する手段である。払出制御手段103は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理を行う。具体的には、払出制御手段103は、小役に入賞した場合に、所定の枚数のメダルの払い出しを指示する信号を、ホッパーユニット16に対して出力する。そして、ホッパーユニット16は、払出制御手段103からの指示を受け、指示された払出数のメダルを払い出す。また、ホッパーユニット16は、払出センサ88を備えており、払出センサ88は、ホッパーユニット16がメダルを1枚払い出す毎に、メダルが払い出されたことを報知する信号(払出信号)を出力する。主制御装置70は、この払出信号に基づいて、ホッパーユニット16から実際に払い出されたメダルの枚数を管理している。なお、本実施形態の遊技機では、各遊技においてメダルの払い出しが行われる場合に、メダルの払出数が第一メイン表示器90に表示されるようになっており、主制御装置70は、小役の入賞によってメダルが払い出される場合には、当該小役の入賞に伴うメダルの払出数を第一メイン表示器90に表示させる制御を行う。
また、払出制御手段103は、精算ボタン52の押下操作に基づいて精算ボタン52から出力される信号を受け、ベットされているメダルまたは/およびクレジット記憶されているメダルを払い出す処理(精算処理)を行う。具体的には、払出制御手段103は、精算ボタン52が長押しされた場合に、メダルの払い出しを指示する信号をホッパーユニット16に対して出力し、ホッパーユニット16からメダルを払い出させる。すなわち、精算処理とは、精算ボタン52への操作に基づいて、遊技機内部に貯留されている遊技媒体を払い出す処理をいう。以下では、スロットマシンXが精算処理を行っている状態を、精算モード(精算状態)と呼ぶこととする。また、本実施形態では、精算モードでは遊技を行うことはできないようになっている。
なお、1回の精算ボタン52への押下操作に対して、ベットされているメダルおよびクレジット記憶されているメダルの両方を全て払い出させることしてもよく、1回目の精算ボタン52への押下操作に対してベットされているメダルまたはクレジット記憶されているメダルの一方を払い出させた後、2回目の精算ボタン52への押下操作に対してベットされているメダルまたはクレジット記憶されているメダルの他方を払い出させることとしてもよい。
遊技制御手段104は、遊技の進行を制御する手段であって、メダルが投入され、スタートレバー53が操作されると、当選役抽選により役の当否を決定するとともに、リール20a〜20cを回転させ、ストップボタン54に対する停止操作が行われると、当選役抽選の結果に応じて回転中のリールを停止させて、有効ライン上に表示された図柄組合せに基づいて役が入賞したか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことによって、遊技を進行させるメインループ処理を行う。以下では、その詳細を説明する。
遊技制御手段104は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定枚数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー53に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。また、遊技制御手段104は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン56が押下されると、規定枚数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。また、本実施形態の遊技機では、規定枚数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー53に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a〜20cの回転が開始されるとともに、当選役抽選等の抽選が行われる。
なお、本実施形態の遊技機では、主記憶手段108に最大で50枚分のメダルをクレジット記憶することが可能となっている。第二メイン表示器92は、メダルのクレジット数を表示するようになっており、主制御装置70は、主記憶手段108に記憶されているメダルのクレジット数の増減に従って、第二メイン表示器92の表示内容を変化させる。
また、遊技制御手段104は、スタートレバー53に対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバー53への最初の押下操作)に基づいて発せられるスタートレバー53からの信号に基づいて、当選役抽選テーブルを用いた当選役抽選を行う。
当選役抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナス等の各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、主記憶手段108に記憶されている。本実施形態の遊技機では、6段階の設定値それぞれに対して、異なる当選役抽選テーブルが用意されている。このため、設定値に応じて、当選役抽選で一部の当選態様が得られる確率が異なるようになっている。具体的には、設定値が高くなるほど、出玉率の期待値が高くなるように、当選役と乱数値との対応関係が設定されている。
乱数発生手段105は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
当選役抽選では、乱数発生手段105から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を当選役抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。また、各乱数値には、1つの当選役が対応付けられているものと、複数の当選役が対応付けられているものとが存在する。したがって、当選役抽選によって、1つの役が当選する場合と、複数の役が重複して当選する場合とが存在する。
また、遊技制御手段104は、当選役抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、主記憶手段108に記憶される。
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。また、ボーナスには持越可能フラグが対応付けられており、小役およびリプレイには持越不可能フラグが対応付けられている。また、ボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている場合であっても、小役やリプレイに当選した場合には、遊技制御手段104は、ボーナスの当選フラグに加えて、当該当選した役に対応する当選フラグも当選状態に設定する。
また、遊技制御手段104は、有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a〜20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン54a〜54cが操作されると、リール20a〜20cを抽選フラグの設定状態(当選役抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。すなわち、遊技制御手段104は、ストップボタン54a〜54cの各ボタンが操作される毎に、リール20a〜リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。したがって、ストップボタン54a〜54cの操作順序(打順)によって、リール20a〜リール20cの停止順序が変化する。
ストップボタン54a〜54cが操作された際の停止制御において、遊技制御手段104は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a〜20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a〜20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a〜20cを停止させる。特に、ボーナス、小役、リプレイのうち2種類以上の役の当選フラグが当選状態に設定されている場合には、ボーナスよりも小役、小役よりもリプレイが入賞するように停止制御がされる。また、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が1つだけの場合であっても、必ずこの当選役が入賞するように停止制御が行なわれるわけではない。例えば、ボーナスの当選フラグのみが当選状態に設定されている場合であっても、ストップボタン54a〜54cの操作タイミングによって、いずれの役も当選しない(取りこぼす)場合がある。
また、遊技制御手段104は、リール20a〜20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、遊技制御手段104は、リール20a〜20cの全てが停止することにより有効ライン上に表示されている図柄組合せを、主記憶手段108に記憶されている入賞判定テーブルに照合して、入賞の有無や入賞した当選役の種類を判定する。
払出制御手段103は、上述のように、小役が入賞した場合にメダルの払い出しを行う。
なお、メダルのクレジット記憶(貯留記憶)が許可されている場合、具体的にはクレジット数(クレジット記憶されたメダルの枚数)が上限の50枚以下の場合には、ホッパーユニット16によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段108に記憶されているクレジット数に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す処理を行う。なお、メダルの払出数の一部または全部をクレジット数に加算する場合には主制御装置70は、クレジット数の増加分に対応して、第二メイン表示器92の表示内容を変化させる制御を行う。
また、遊技制御手段104は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジット記憶されたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー53に対する遊技開始操作を待機する。
また、遊技制御手段104は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。滞在している遊技状態を示す情報は、主記憶手段108に格納される。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてボーナスが当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、主記憶手段108に記憶されている複数種類の当選役抽選テーブルのうち、小役、リプレイ、およびボーナスが抽選対象として設定されている当選役抽選テーブルを参照して当選役抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、当選役抽選でボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、主記憶手段108に記憶されている複数種類の当選役抽選テーブルのうち、通常状態と同じ確率で小役の当否が決定され、ボーナスが抽選対象から除外された当選役抽選テーブルを参照した当選役抽選が行われる。なおボーナス成立状態においてもリプレイは抽選対象として設定されているが、通常状態とはリプレイの当選確率や当選態様が異なっていてもよいし、同じであってもよい。
またボーナス成立状態では、ボーナスが入賞するまでボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持されたまま小役およびリプレイの当否が決定され、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技制御手段104は、ボーナスの入賞に基づいて遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、主記憶手段108に記憶されている複数種類の当選役抽選テーブルのうち、小役の当選確率が通常状態およびボーナス成立状態よりも高く設定され、リプレイが抽選対象から除外された当選役抽選テーブルを参照した当選役抽選が行われる。すなわちボーナス状態では、通常状態やボーナス成立状態とは小役の当選確率が異なる。
またボーナス状態では、ボーナス状態でのボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数(例えば、250枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技制御手段104は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。なお本実施形態では、ボーナス状態における払出数についてのカウント情報は主記憶手段108に累計して記憶される。
エラー検出手段106は、ドア開閉スイッチ74、ドアセンサ76、投入検知センサ78、第一メダル通過センサ80、第二メダル通過センサ82、シュートセンサ84、オーバーフローセンサ86、および払出センサ88の信号状態を監視して、エラー検出条件を満たしているかを判断して、エラー検出条件を満たしていることに基づいて発生しているエラーを特定することによってエラーを検出する。なお、本実施形態では、いずれかのエラーを検出した後(エラーの解除操作を待機している状況)も、エラー検出手段106は各エラーの検出を継続して行っている。
以下では、図4および図5を参照して各エラーについて説明する。
図4は、メダル投入口から投入されたメダルの流路を説明する図である。
まず、メダルの投入が受け付けられている状態では、メダル投入口42から投入されたメダルは、メダルセレクタ67を通過してメダルの識別および枚数のカウントがなされ、次いでメダルシュート69を経由してホッパーユニット16へ送られるようになっている。ここで、メダルセレクタ67は、投入検知センサ78と、第一メダル通過センサ80と、第二メダル通過センサ82とを備えている。また、メダルシュート69は、シュートセンサ84を備えている。そして、メダル投入口42から投入されたメダルは、投入検知センサ78、第一メダル通過センサ80、第二メダル通過センサ82、およびシュートセンサ62に、この順で検知されるようになっている。
一方、遊技を行っている状態(スタートレバー53が操作され、リール20a〜20cが回転を開始してから、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理等が終了するまでの間)や、メダルのベット数およびクレジット数が最大数に達している状況等では、メダルブロッカー68が作動して、メダルセレクタ67からメダルシュート69への流路が閉塞され、メダルセレクタ67からメダル払出口60へメダルが返却されるようになっている。
また、ホッパーユニット16に貯蔵されているメダルが所定量を超えると、所定量を越えてホッパーユニット16に送られたメダルは、キャッシュボックス18へと送られるようになっている。また、筐体10内の、キャッシュボックス18が配置される部分には、オーバーフローセンサ86が設けられており、キャッシュボックス18内のメダルが所定量を超えた場合、所定量を超えたことがオーバーフローセンサ86により検知されるようになっている。
エラー検出手段106は、各種センサの信号状態に基づいて、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラー、バックアップエラー、ドア開放エラー、投入異常エラー、シュートエラー、および投入検知エラーを検出する。
(1)逆流エラー
逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するエラーである。具体的には、メダルの投入を受け付けている状況において、第一メダル通過センサ80または第二メダル通過センサ82の信号状態(オン/オフ状態)が正しい順序に変化しなかった場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、第一メダル通過センサ80または第二メダル通過センサ82の信号状態の変化がある毎に、2つのセンサの状態をチェックし、正しい順序通りに変化しない場合に、逆流エラーが発生したとみなして、主記憶手段108に逆流エラー検出フラグを設定する。
(2)エンプティエラー
エンプティエラーは、ホッパーユニット16に貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ88の信号状態がオフ状態(払い出されるメダルが検知されていない状態)で一定期間(約2100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、ホッパーユニット16に対してメダルの払い出しを指示する信号がオン状態にされると、主記憶手段108に設けられたエンプティエラー検出タイマで計時を行い、エンプティエラー検出タイマの計時情報から払出センサ88の信号状態がオフ状態のまま一定期間以上となったと判断される場合に、エンプティエラーが発生したとみなして主記憶手段108にエンプティエラー検出フラグを設定する。
(3)払出詰まりエラー
払出詰まりエラーは、ホッパーユニット16において払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ88の信号状態がオン状態(払い出されるメダルが検知されている状態)で一定期間(約172ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、ホッパーユニット16に対してメダルの払い出しを指示する信号がオン状態にされると、主記憶手段108に設けられた払出詰まりエラー検出タイマで計時を行い、払出詰まりエラー検出タイマの計時情報によって払出センサ88の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、払出詰まりエラーが発生したとみなして主記憶手段108に払出詰まりエラー検出フラグを設定する。
(4)払出異常エラー
払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われていない状況において、払出センサ88の信号状態がオン状態で一定期間(約6ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、ホッパーユニット16に対するメダルの払い出しを指示する信号がオフ状態である状況において、主記憶手段108に設けられた払出異常エラー検出タイマで計時を行い、払出異常エラー検出タイマの計時情報によって払出センサ88の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、払出異常エラーが発生したとみなして主記憶手段108に払出異常エラー検出フラグを設定する。
(5)オーバーエラー
オーバーエラーは、キャッシュボックス18に貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するエラーである。具体的には、オーバーフローセンサ86の信号状態がオン状態(余剰メダルが所定量を超えたこと示す信号状態)で一定期間(約100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、オーバーフローセンサ86の信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段108に設けられたオーバーエラー検出タイマで計時を行い、オーバーエラー検出タイマの計時情報によってオーバーフローセンサ86の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、オーバーエラーが発生したとみなして主記憶手段108にオーバーエラー検出フラグを設定する。
(6)滞留エラー
滞留エラーは、メダルセレクタ67内でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、第一メダル通過センサ80または第二メダル通過センサ82の信号状態がオン状態(メダルの存在を検知していることを示す信号状態)で一定期間(約113ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、第一メダル通過センサ80および第二メダル通過センサ82の少なくとも一方のセンサの信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段108に設けられた滞留エラー検出タイマで計時を行い、滞留エラー検出タイマの計時情報によって第一メダル通過センサ80または第二メダル通過センサ82の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、滞留エラーが発生したとみなして主記憶手段108に滞留エラー検出フラグを設定する。
(7)バックアップエラー
バックアップエラーは、RWMのバックアップに不具合が生じたことに起因するエラーである。具体的には、電源投入時において、RWMのバックアップ異常を検出した場合に検出されるエラーである。あるいは、電源投入時において、スタックポインタの保存値が特定の範囲でない場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、RWMのバックアップ異常を検出した場合またはスタックポインタの保存値が特定の範囲でない場合に、バックアップエラーが発生したとみなして、主記憶手段108にバックアップエラー検出フラグを設定する。
(8)ドア開放エラー
ドア開放エラーは、下扉40(前扉12)が開いていることに起因するエラーである。具体的には、下扉40が開くことによって作動するドア開閉スイッチ74の信号状態がオン状態(下扉40が開いていることを示す信号状態)で一定期間(約48ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、ドア開閉スイッチ74の信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段108に設けられたドア開放エラー検出タイマで計時を行い、ドア開放エラー検出タイマの計時情報によってドア開閉スイッチ74の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、ドア開放エラーが発生したとみなして主記憶手段108にドア開放エラー検出フラグを設定する。
(9)投入異常エラー
投入異常エラーは、メダルブロッカー68を作動させてメダルシュート69への流路を閉塞したことによってメダルの流路が切り替えられたにも関わらずに、メダルが正規の流路(ここではメダル払出口60に返却される流路)とは異なる流路を通過していることに起因するエラーである。具体的には、メダルブロッカー68の作動後に第二メダル通過センサ82によってメダルセレクタ67を通過してメダルシュート69へ向かって流れるメダルを検知した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、メダルブロッカー68が作動している状況において、第二メダル通過センサ82の信号状態がオン状態である場合に、投入異常エラーが発生したとみなして主記憶手段108に投入異常エラー検出フラグを設定する。ただし、本実施形態の遊技機では、投入異常エラーの発生判断には非監視期間(約250ms)が設けられており、エラー検出手段106は、メダルブロッカー68が作動したことに基づいて主記憶手段108に設けられた投入異常非監視タイマで計時を行い、非監視期間が経過した時点で第二メダル通過センサ82の信号状態を確認して投入異常エラーの発生判断を行う。
(10)シュートエラー
シュートエラーは、メダルセレクタ67を通過したメダルの数とメダルシュート69を通過したメダルの数とに一定以上の差が生じたことに起因するエラーである。具体的には、投入されたメダルが第一メダル通過センサ80および第二メダル通過センサ82を正しい順序で通過してから一定期間を経過するまでの間に、第一メダル通過センサ80および第二メダル通過センサ82を正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサ84の信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定範囲に収まっていない場合、または投入されたメダルが第一メダル通過センサ80および第二メダル通過センサ82を正しい順序で通過してから一定期間を経過した時点において、第一メダル通過センサ80および第二メダル通過センサ82を正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサ84の信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定数以上となった場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、第一メダル通過センサ80および第二メダル通過センサ82の信号状態がオフ状態であって、かつシュートセンサ84の信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段108に設けられたシュートエラー検出タイマで計時を行いながら、第一メダル通過センサ80および第二メダル通過センサ82を正しい順序で通過したと検知されたメダルの数とシュートセンサ84の信号状態がオン状態となった回数との差を監視して、この差が上記条件を満たした場合にシュートエラーが発生したとみなして主記憶手段108にシュートエラー検出フラグを設定する。
(11)投入検知エラー
投入検知エラーは、メダル投入口42付近でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、メダルセレクタ67内の投入検知センサ78がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)で一定期間(約280ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。エラー検出手段106は、投入検知センサ78の信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段108に設けられた投入検知エラー検出タイマで計時を行い、投入検知エラー検出タイマの計時情報によって投入検知センサ78の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、投入検知エラーが発生したとみなして主記憶手段108に投入検知エラー検出フラグを設定する。
各エラーには、エラーの種類に応じてE1〜E9までのエラーコードが割り当てられている。具体的には、図5に示すように、逆流エラーにはエラーコードE1が割り当てられており、エンプティエラーにはエラーコードE2が割り当てられており、払出詰まりエラーにはエラーコードE3が割り当てられており、払出異常エラーにはエラーコードE4が割り当てられており、オーバーエラーにはエラーコードE5が割り当てられており、滞留エラーにはエラーコードE6が割り当てられており、バックアップエラーにはエラーコードE7が割り当てられており、ドア開放エラーにはエラーコードE8が割り当てられており、投入異常エラー、シュートエラー、および投入検知エラーにはエラーコードE9が割り当てられている。
エラー管理手段107は、エラー検出手段106によってエラーが検出されると、検出されたエラーを、液晶ディスプレイ34や第一メイン表示器90を介して報知する処理を実行する。具体的には、エラー管理手段107は、検出されたエラーの種類に対応したエラーコードを設定して、設定されたエラーコードを、液晶ディスプレイ34や第一メイン表示器90に表示させる。換言すると、エラー管理手段107は、設定されているエラー検出フラグ(逆流エラー検出フラグ、エンプティエラー検出フラグ、払出詰まりエラー検出フラグ、払出異常エラー検出フラグ、オーバーエラー検出フラグ、滞留エラー検出フラグ、バックアップエラー検出フラグ、ドア開放エラー検出フラグ、投入異常エラー検出フラグ、シュートエラー検出フラグ、または投入検知エラー検出フラグ)に応じたエラーコードを、液晶ディスプレイ34や第一メイン表示器90に表示させる。
また、エラー管理手段107は、所定の解除操作が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理を行う。具体的には、エラー管理手段107は、設定変更ボタン26が押下されたこと、またはドアキーシリンダ66にドアキーが挿入された状態でドアキーが反時計回りに回転された(捻られた)ことを解除操作として受け付けて、これらの解除操作によって設定変更ボタン26またはドアセンサ76から信号が入力されると、解除操作が行われたと判断して、主記憶手段108に記憶されているエラー検出フラグやタイマの計時情報等のエラーに関連する情報をクリア(消去)する解除処理を行う。
なお、第一メイン表示器90にエラーコードを表示させた後に、主記憶手段108に設けられたエラーウェイトタイマを用いてタイマウェイト処理を行い、タイマウェイト処理が行われている期間(例えば、約100ms)を経過した後から解除操作を受け付けるようにしてもよい。
なお、エラーの解除処理の契機は上述のものに限らず、例えば、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを回転させることに基づく、設定変更モードあるいは設定確認モードの開始時あるいは終了時にエラー検出フラグ等をクリアすることとしてもよい。また、設定変更モード中や、設定確認モード中においては、エラーの検出を行わず、エラー検出フラグが設定されないようになっていてもよい。換言すると、エラー管理手段107は、設定変更モードまたは設定確認モードに移行すると、設定変更モードもしくは設定確認モードへの移行前または設定変更モード中もしくは設定確認モード中に起きたエラーは、報知しないようになっていてもよい。
次に、複数のエラーが重複して発生した場合について説明する。
遊技モードにおいて、各種エラーのうちの1つのエラー(第一のエラー)が発生し、第一のエラーのエラー検出フラグが設定された場合、エラー管理手段107は、当該第一のエラーに対応するエラーコードを液晶ディスプレイ34や第一メイン表示器90に表示させることにより、当該第一のエラーの発生を報知する。また、エラー管理手段107が当該第一のエラーを報知している状態において、各種エラーのうちの第一のエラーとは異なるエラー(第二のエラー)が発生し、第一のエラーのエラー検出フラグに加え、第二のエラーのエラー検出フラグが設定された場合、エラー管理手段107は、第一のエラーの発生を報知し続ける。この状態において、エラーの解除操作がなされると、エラー管理手段107は第一のエラーのエラー検出フラグをクリアし、第二のエラーに対応するエラーコードを液晶ディスプレイ34や第一メイン表示器90に表示させることにより、当該第二のエラーの発生を報知する。そして、再度エラーの解除操作がなされると、エラー管理手段107は第二のエラーのエラー検出フラグをクリアし、エラー管理手段107は、エラーの報知を終了する。
一方、設定確認モードにおいて、各種エラーのうちの1つのエラー(第一のエラー)が発生し検出された場合、エラー管理手段107は設定確認モード中は当該第一のエラーの報知を行わない。また、設定確認モードにおいて第一のエラーが発生し検出された後、設定確認モードが終了する前に、各種エラーのうちの第一のエラーとは異なるエラー(第二のエラー)が発生し検出された場合、エラー管理手段107は、設定確認モード中は当該第一のエラーおよび当該第二のエラーの報知を行わない。そして、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーが初期位置に戻され、設定確認モードが終了すると、エラー管理手段107は、予め定められた優先度に従って、第一のエラーまたは第二のエラーのいずれか一方に対応するエラーコードを液晶ディスプレイ34や第一メイン表示器90に表示させることにより、第一のエラーまたは第二のエラーの発生を報知する。そして、エラーの解除操作がなされると、エラー管理手段107は、第一のエラーと第二のエラーとのうち、報知しているエラーのエラー検出フラグをクリアし、報知していなかった他方のエラーに対応するエラーコードを液晶ディスプレイ34や第一メイン表示器90に表示させる。そして、再度エラーの解除操作がなされると、エラー管理手段107は当該他方のエラーのエラー検出フラグをクリアし、エラーコードの報知を終了する。
また、本実施形態の遊技機においては、精算モード(精算ボタン52への操作に基づくメダルの払い出しを行っている状態)において、第一のエラーと第二のエラーとの両方が発生し検出された場合にも、設定確認モードのときと同様に、精算の終了後に、予め定められた優先度に従って、第一のエラーと第二のエラーとのうちのいずれか一方を先に報知する。
以下では、設定確認モードおよび精算モードをまとめて特定状態と呼ぶこととする。なお、特定状態は、設定確認モードと精算モードとの両方を含んでいる必要はなく、また、設定確認モードおよび精算モード以外の状態を含んでいてもよく、また、設定確認モードおよび精算モードを含まない他の状態としてもよい。例えば、特定状態は、小役の入賞に基づくメダルの払い出しを行っている状態であってもよい。また、例えば、特定状態は、遊技モードにおいて第一のエラーが発生し検出されたことに基づき、エラー管理手段107が当該第一のエラーを報知している状態であってもよい。また、例えば、特定状態は、スタートレバー53に対する遊技開始操作を契機としてリール20a〜20cが回転を開始してから定常回転状態に移行するまでの間の状態(リール加速中)であってもよい。
なお、本実施形態の遊技機においては、特定状態において、エラーの解除操作がなされても、エラー管理手段107は、エラー検出フラグのクリアを行わないが、クリアを行うようになっていてもよい。
本実施形態の遊技機においては、E4>E9>E1>E6>E8の順で、対応するエラーの優先度が設定されている。そして、エラー管理手段107は、特定状態において複数のエラーが重複して発生した場合、優先度が高いエラーを先に報知する。
例えば、遊技モードにおいて、エラーコードがE9のエラーが検出され、その後、エラーコードがE4のエラーが検出される場合、エラー管理手段107は、エラーコードE9のエラーを先に報知するように処理を行う。そして、エラーの解除操作がなされると、エラー管理手段107は、エラーコードE9のエラーの報知をやめ、エラーコードE4のエラーを報知するように処理を行う。一方、設定確認モードにおいて、エラーコードがE9のエラーが検出され、その後、エラーコードがE4のエラーが検出された場合、エラー管理手段107は、設定確認モードの終了後に、エラーコードE4のエラーを先に報知するように処理を行う。そして、エラーの解除操作がなされると、エラー管理手段107は、エラーコードE4のエラーの報知をやめ、エラーコードE9のエラーを報知するように処理を行う。
なお、エラーの優先度は、エラーの深刻度に従って定められており、発生した場合に不正行為が行われている可能性が高いエラーや、エラーの原因が不正行為である場合に直ちに発見しなければならないエラーであるほど優先度が高く設定されている。換言すると、管理者に知らせるべき優先順位の高いエラーほど優先度が高く設定されている。なお、特定状態において複数のエラーが重複して検出された場合に、管理者に知らせるべき優先順位の低いエラーを先に報知することとしてもよい。また、遊技機の状態に応じてエラーの優先度が変わるものであってもよい。
また、各種エラーは、エラーコード毎に、エラーを報知可能な状態が異なっている。例えば、エラーコードE2、E3のエラーは、メダルの払い出し中にのみ報知されるようになっている。
続いて、副制御装置72について説明する。副制御装置72は、演出制御手段131と副記憶手段132とを備えている。
演出制御手段131は、副記憶手段132に記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ34を用いて行う表示演出や、スピーカ36を用いて行う音響演出や、照明装置38を用いて行う発光演出に関する制御を行う。例えば、遊技状態等に応じて液晶ディスプレイ34の表示内容を変化させたり、スピーカ36から音を出力させたり、照明装置38を点灯/消灯させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出をしたりする。
また、エラー検出フラグが主記憶手段108に設定されると、主制御装置70(エラー管理手段107)から副制御装置72に対してエラーの発生についての報知を行う旨のコマンドが送られるようになっており、副制御装置72では、主制御装置70から送られたコマンドに従って演出制御手段131がエラーの発生内容に対応する画像を液晶ディスプレイ34に表示させる制御や、エラー発生に対応する警告音をスピーカ36から出力させる制御等を行う。
次に、エラーを検出して報知する処理について、図6〜10に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、これらのフローチャートに示すフローはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。
遊技を開始することが可能な状態においては、主制御装置70は、エラーを検出するエラー検出処理(ステップS1)と、エラーを報知するか否かを判定し、所定の条件を満たしている場合にエラーを報知するエラー報知処理(ステップS2)と、スロットマシンXの状態の移行条件を満たしている場合に状態を移行させる状態移行処理(ステップS3)と、を含む様々な処理を繰り返し行う。ここで、遊技を開始することが可能な状態とは、遊技モードにおいて、遊技の結果に応じた処理が行われ1回の遊技が終了した後、スタートレバー53に対する遊技開始操作が行われるまでの間の状態であって、メダルの投入またはスタートレバー53に対する遊技開始操作が有効な状態をいう。
なお、ステップS1〜S3の処理は、定期的に繰り返すものでもよく、不定期で繰り返すものであってもよいが、本実施形態の遊技機においては、間に行われる処理によって周期が変動するが概ね数μsの周期で繰り返し行われるようになっている。なお、当然ステップS1〜S3の処理が、互いに同様の回数繰り返される必要はない。
ステップS1のエラー検出処理においては、エラー検出手段106が、上述のエラー検出条件(エラーが発生したとみなす条件)を満たしているか否かを判定し、エラー検出条件を満たしている場合に、条件を満たしているエラーに対応するエラー検出フラグを設定する。
ステップS2のエラー報知処理においては、エラー管理手段107は、各種エラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定し、エラー検出フラグが設定されている場合、エラーの報知を行うことを決定する。具体的には、図7に示すように、エラー管理手段107は、まず、エラーコードE4のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS21)。エラーコードE4のエラーのエラー検出フラグが設定されていない場合(ステップS21でNO)、エラー管理手段107は、エラーコードE9のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS22)。エラーコードE4、E9のエラーのエラー検出フラグが設定されていない場合(ステップS22でNO)、エラー管理手段107は、エラーコードE1のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS23)。エラーコードE4、E9、E1のエラーのエラー検出フラグが設定されていない場合(ステップS23でNO)、エラー管理手段107は、エラーコードE6のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS24)。エラーコードE4、E9、E1、E6のエラーのエラー検出フラグが設定されていない場合(ステップS24でNO)、エラー管理手段107は、エラーコードE8のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS25)。そして、いずれかのエラーのエラー検出フラグが設定されていた場合(ステップS21、S22、S23、S24、またはS25でYES)、エラー管理手段107は、当該エラー検出フラグが設定されているエラーの発生を報知することを決定する。一方、いずれのエラーのエラー検出フラグも設定されていない場合(ステップS25でNO)、エラー管理手段107は、エラーの発生を報知することなくエラー報知処理を終了する。
エラーの発生を報知することを決定した場合、エラー管理手段107は、液晶ディスプレイ34や、第一メイン表示器90を介して、検出されたエラーの種類を報知する(ステップS26)。具体的には、エラーの発生を報知することを決定する判断の基となったエラー検出フラグに対応するエラーコードを液晶ディスプレイ34や、第一メイン表示器90に表示する。換言すると、エラー管理手段107は、液晶ディスプレイ34や、第一メイン表示器90を介して、検出されたエラーの種類を報知する。また、エラー管理手段107は、液晶ディスプレイ34やスピーカ36や照明装置38を介してエラーが検出されたことを報知する。すなわち、エラー管理手段107は、検出されたエラーの種類の報知を行うとともに、何らかのエラーが検出されたことの報知を行う。なお、例えば、エラーの種類に応じてスピーカ36から発する音声や照明装置38の光らせ方を変えてもよい。
また、エラーの報知中においても、エラー検出手段106は、ステップS1と同様のエラー検出処理を繰り返し行い(ステップS27)、エラー検出条件を満たしている場合に、条件を満たしているエラーに対応するエラー検出フラグを設定する。また、エラー管理手段107は、エラーの解除操作が行われたか否かを判定し(ステップS28)、解除操作が行われていない場合(ステップS28でNO)、エラーの報知を続ける。一方、解除操作が行われた場合(ステップS28でYES)、報知しているエラーに対応するエラー検出フラグをクリアする(ステップS29)。
エラー検出フラグをクリアすると(ステップS29)、再びステップS21の処理に戻り、エラーコードE4、E9、E1、E6、E8のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを順に判定する(ステップS21〜S25)。そして、いずれかのエラーのエラー検出フラグが設定されていた場合、このエラー検出フラグに対応するエラーコードを液晶ディスプレイ34や、第一メイン表示器90に表示する(ステップS26)。すなわち、ステップS28でエラーの解除操作が行われ、次にステップS26の処理を行うまでの間に、当該解除操作が行われる前に報知していたエラーコードのエラーについての報知は終了する。換言すると、ステップS28でエラーの解除操作が行われ、再度ステップS26の処理を行うと、報知されるエラーの種類(エラーコード)が変化する。
このようにして、各種エラーのエラー検出フラグが設定されているか否かの判定と、各種エラーの報知とを繰り返し、エラーコードE4、E9、E1、E6、E8のエラーのエラー検出フラグが全て解消すると、エラー管理手段107は、エラーの報知を終了し(ステップS30,S31)、エラー報知処理を終了する。
なお、本実施形態の遊技機においては、最初にステップS26において、エラーの報知を開始してから、ステップS31でエラーの報知を終了するまでの間、何らかのエラーが検出されたことについての報知は続けている。すなわち、最初にステップS26において、エラーの報知を開始してから、ステップS31でエラーの報知を終了するまでの間に、報知するエラーの種類(エラーコード)は変化するが、エラーが検出されたことについては連続して報知を続けている。しかし、ステップS28の解除操作が行われる毎に、エラーの種類の報知だけでなく、何らかのエラーが検出されたことについての報知も終了し、エラー報知処理を終了して、ステップS1の処理や、ステップS3の処理に戻ることとしてもよい。すなわち、例えば、ステップS29の処理の後、ステップS21の処理に戻るのではなく、ステップS31の処理に移行することとしてもよい。
ステップS3の状態移行処理においては、主制御装置70は、特定状態への移行条件を満たしているかを判定し、満たしている場合に特定状態へ移行させる。具体的には、主制御装置70は、図8に示すように、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに90度設定キーが回された状態で設定変更ボタン26が押下されることにより、設定確認モードへの移行条件が満たされているか否かを判定し(ステップS41)、満たされている場合には(ステップS41でYES)、スロットマシンXの状態を設定確認モードへ移行させる(ステップS42)。また、主制御装置70は、設定確認モードへの移行条件が満たされていない場合には(ステップS41でNO)、精算ボタン52が所定時間以上押下される(長押しされる)ことにより、精算モード(精算状態)への移行条件が満たされているか否かを判定し(ステップS43)、満たされている場合には(ステップS43でYES)、スロットマシンXの状態を精算モードへ移行させる(ステップS44)。
設定確認モードにおいては、図9に示すように、エラー検出手段106は、ステップS1と同様のエラー検出処理を行い(ステップS51)、エラー検出条件を満たしている場合に、条件を満たしているエラーに対応するエラー検出フラグを設定する。また、主制御装置70は、設定確認モードの終了条件を満たしているか否か判定し(ステップS52)、満たしている場合に(ステップS52でYES)、具体的には設定変更キーシリンダに挿入された設定キーが初期位置に戻された場合に、設定確認モードを終了させてスロットマシンXを遊技モードに移行させる(ステップS53)。そうすると、スロットマシンXは、遊技を開始することが可能な状態に戻り、再びステップS1〜S3の処理を繰り返す。また、特定状態の終了条件を満たすまでは(ステップS52でNO)、エラー検出手段106は、エラー検出処理を繰り返し行う。
なお、図9には示していないが、当然、設定確認手段102は、設定確認モードにおいては、液晶ディスプレイ34や遊技情報表示部32を介して現在設定されている設定値を報知している。
精算モードにおいては、図10に示すように、エラー検出手段106は、ステップS1と同様のエラー検出処理を行い(ステップS61)、エラー検出条件を満たしている場合に、条件を満たしているエラーに対応するエラー検出フラグを設定する。また、エラー管理手段107は、エラーコードE2のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS62)。エラーコードE2のエラーのエラー検出フラグが設定されていない場合(ステップS62でNO)、エラー管理手段107は、エラーコードE3のエラーのエラー検出フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS63)。
エラーコードE2またはE3のエラーのエラー検出フラグが設定されていた場合、エラー管理手段107は、エラーコードE2またはE3のエラーの発生の報知を開始する(ステップS64)。具体的には、エラーコードE2またはE3を液晶ディスプレイ34や、第一メイン表示器90に表示し、検出されたエラーの種類を報知する。また、液晶ディスプレイ34やスピーカ36や照明装置38を介して、何らかのエラーが検出されたことを報知する。そして、エラー管理手段107は、解除操作が行われるまでエラーの報知を続ける。
解除操作が行われると(ステップS65でYES)、エラー管理手段107は、報知しているエラーのエラー検出フラグをクリアし(ステップS66)、エラーの報知を終了して(ステップS67)、ステップS61の処理に戻る。
エラーコードE2のエラーもエラーコードE3のエラーも検出されていない場合(ステップS63でNO)、主制御装置70は、精算モードの終了条件を満たしているか否かを判定する(ステップS68)。精算モードの終了条件を満たしていない場合(ステップS68でNO)、エラーの検出を続け、E2エラーまたはE3エラーが検出された場合、エラーの検出を報知する。一方、精算モードの終了条件を満たした場合(ステップS68でYES)、具体的には払い出すべきメダルを全て払い出した場合に、主制御装置70は、精算モードを終了させてスロットマシンXを遊技モードに移行させる(ステップS69)。そうすると、スロットマシンXは、遊技を開始することが可能な状態に戻り、再びステップS1〜S3の処理を繰り返す。
なお、図10には示していないが、当然、払出制御手段103は、精算モードにおいては、メダルを払い出す処理を行っている。
なお、本実施形態の遊技機においては、メダルの払い出しをしている間は、エラーコードE2またはE3のエラーについての報知しか行わず、エラーコードE1、E4〜E9のエラーについては、メダルの払い出しが終了してから、予め定められた優先度に従った順番で報知する。また、エラーコードE2のエラーと、エラーコードE3のエラーとは重複して発生しない(重複してエラー検出フラグが設定されない)ようになっている。
本実施形態の遊技機によれば、エラーを検出するエラー検出手段106と、検出されたエラーを報知する処理を実行するエラー管理手段107とを備え、エラー管理手段107は、遊技を開始することが可能な状態において第一のエラー(例えば、エラーコードE9のエラー)と第二のエラー(例えば、エラーコードE4のエラー)とのうちの一方が検出され、その後他方が検出される場合には、第一のエラーと第二のエラーとのうちの先に発生したエラーを先に報知するように処理を行い、遊技を開始することが可能な状態とは異なる特定状態において、第一のエラーと第二のエラーとの両方が検出された場合には、特定状態の終了後に、予め定められた優先度に従って、第一のエラーと第二のエラーとのうちのいずれか一方を先に報知するように処理を行う。
このような構成によれば、遊技を開始することが可能な状態においては、第一のエラーと第二のエラーとのうちの先に検出されたエラーを先に報知することで、管理者にエラーの発生を素早く知らせることができるとともに、エラーを検出してからすぐに、遊技を開始することができない状態にすることができる。また、設定確認モードや精算モード等の特定状態においては、遊技を行うことができない等の理由から(スタートレバー53や、ストップボタン54等に対する遊技にかかる操作等が無効であることから)、例えば、エラーコードE4のエラーやエラーコードE9のエラー等を検出してもその検出をすぐに報知する必要はない。このような状態においては、特定状態の終了後に、予め定められた優先度に従って、エラーを報知するので、第一のエラーと第二のエラーとのうち、より管理者に知らせるべきエラーを優先して知らせたりすることができる。なお、逆に管理者に知らせるべきエラーを後に知らせることで、管理者に知らせるべきエラーを解除されにくくすることもできる。
なお、エラーを報知する順番と、エラーを解除する順番とは必ずしも一致している必要はない。例えば、管理者に知らせるべきエラーの優先度を高くして特定状態の終了後に優先度の高いエラーを先に報知するようにする一方、解除操作が行われた際に優先度が低いエラーを先に解除するようにしてもよい。また、一回の解除操作により解除されるエラーは、一つではなく複数であってもよい。例えば、エラーの解除操作が行われると、報知しているエラーコードのエラー検出フラグに加えて、ドア開放エラー検出フラグをクリアするようにしてもよい。