本発明の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機として弾球遊技機の一具体例を挙げて説明するが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜に設計が変更されてもよい。
本実施形態の遊技機100について説明する。図1〜図4は遊技機100の一例を表す斜視図であり、図1には遊技機100の閉鎖状態が示され、図2には外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態が示され、図3には中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態が示され、図4には中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態が示されている。なお、図2〜図4において各種の配線は省略されており、また、図3において遊技盤400の詳細な構成は省略されている。
遊技機100は、図1〜図4に示されたように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104と、外枠101に対して中間ブロック103を開閉自在及び着脱自在に支持する中間ブロック支持機構と、中間ブロック103に対して前ブロック102を開閉自在及び着脱自在に支持する前ブロック支持機構と、中間ブロック103に対して後ブロック104を開閉自在及び着脱自在に支持する後ブロック支持機構とを備えている。
外枠101は、図2に示されたように、天板111、底板112、左側板113及び右側板114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、遊技機100を設置する遊技ホールに設けられた遊技機設置設備(通称、「島設備」:図示せず)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。外枠101は、更に、外枠101に対する中間ブロック103の閉鎖状態において中間ブロック103が載置される台座板115を備えている。天板111及び底板112は木材であり、左側板113及び右側板114は木材よりも剛性の高い金属材であり、台座板115は樹脂材である。
中間ブロック支持機構は、図1に示されたように、外枠101に設けられた上側軸受け構造体121及び下側軸構造体122と、中間ブロック103に設けられた上側軸構造体126及び下側軸受け構造体127とを備えており、上側軸構造体126及び下側軸構造体122が、それぞれ、上側軸受け構造体121及び下側軸受け構造体127に装着されることによって、中間ブロック103が外枠101に対して支持される。
前ブロック支持機構は、図1又は図3に示されたように、中間ブロック103に設けられた上側軸構造体131(図3のみ)及び下側軸構造体132(図1のみ)と、前ブロック102に設けられた上側軸受け構造体133(図3のみ)及び下側軸受け構造体134(図1のみ)とを備えており、上側軸受け構造体133及び下側軸受け構造体134が、それぞれ、上側軸構造体131及び下側軸構造体132に装着されることによって、前ブロック102が中間ブロック103に対して支持される。同様に、後ブロック支持機構は、図4に示されたように、中間ブロック103に設けられた上側軸受け構造体136及び下側軸受け構造体137(図7参照)と、前ブロック102に設けられた上側軸構造体138及び下側軸構造体139(図7参照)とを備えており、上側軸構造体138及び下側軸構造体139が、それぞれ、上側軸受け構造体136及び下側軸受け構造体137に装着されることによって、後ブロック104が中間ブロック103に対して支持される。
また、遊技機100は、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の開錠や閉錠を行うために操作される錠開閉操作機構とを備えている。図3に示されたように、中間ブロック103に設けられ、前ブロック102の開口102Aを通して遊技機100の前面側に露出している錠開閉操作機構のキーシリンダ141(図1も参照)に対する所定の操作キー(図示せず)による右回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動爪143が作動し、外枠101に設けられた中間ブロック施錠機構の固定爪142と中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動爪143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動爪144と前ブロック102に設けられた前ブロック施錠機構の固定爪145との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、遊技機100は、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構を備えている。後ブロック開閉規制機構は、図2及び図4に示されたように、3つの開閉規制部150A〜150Cで構成され、それらの各々において、中間ブロック103に設けられ、後ブロック104に形成された開口104Aを通して遊技機100の背面側に突出している回動片151に対する回転操作に応じて、回動片151が開口104Aを通過できない開閉禁止位置から回動片151が開口104Aを通過できる開閉許容位置へ移動すると、中間ブロック103と回動片151とによる後ブロック104に形成された被挟持片152A〜152Cの挟持が解除されて、後ブロック104は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、遊技機100は、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構を備えている。遊技球移動規制機構は、図3に示されたように、中間ブロック103に設けられ、前ブロック102側へ付勢された流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更突起162とを備えており、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動は、中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖状態において流下規制片161が規制変更突起162により中間ブロック103側へ押圧された移動許容位置に位置することによって許容され、一方、中間ブロック103に対する前ブロック102の開放状態において流下規制片161が規制変更突起162による押圧が解除されて前ブロック102側へ突出する移動禁止位置に位置することによって禁止される。
また、遊技機100は、前ブロック102における後述の中央パネル220と中間ブロック103における後述の遊技盤400との間隔の一定性を厳密化する間隔規制機構を備えている。間隔規制機構は、図3に示されたように、中央パネル220に設けられ、前ブロック102の背面側において中間ブロック103と前ブロック102との開閉軸側に突出する突出片171と、中間ブロック103に設けられ、中間ブロック103の正面側においてその開閉軸側と反対側に突出する突出片172とを備えており、中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖方向への移動に伴って突出片171が突出片172の後方側に入り込み、最終的に中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖状態において突出片171の前面と突出片172の後面とが押圧状態で当接する。
また、遊技機100は、図2に示されたように、外枠101に対して中間ブロック103が開放されているか閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108と、図3に示されたように、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109とを備えている。
前ブロック102は、図1及び図3に示されたように、開口201A(図3のみ)を有する基枠201と、基枠201の前面側に設けられ、開口201Aの一部に連通する開口210A(図1のみ)を有する前面パネル210と、開口201Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230(図1のみ)と、遊技球を貯留する補助貯留機構240(図1のみ)と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に遊技盤400(図3のみ)に発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250(図1のみ)とを備えている。
前面パネル210は、図1に示されたように、開口210Aの周縁の開口周縁部211と、開口周縁部211の下方において前方に突出し、主貯留機構230が配置される上側突出部217と、上側突出部217の下方において前方に突出し、補助貯留機構240が配置される下側突出部218と、下側突出部218の右方において概ね平坦であり、発射操作装置250が配置される平坦部219とを含んでいる。
中央パネル220は、図1又は図3に示されたように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3のみ)と、パネル枠221に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1のみ)と、パネル枠221に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3のみ)とを備えている。なお、上述の間隔規制機構の突出片171は、パネル枠221と一体形成されている。
主貯留機構230は、図1に示されたように、遊技球の流入口231A、流出口(図示せず)及び流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)を有する貯留桶231と、放出口の開閉により貯留桶231から放出される遊技球の放出先を流出口と放出口との間で切り換える球抜き機構と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球や後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は主に流入口231Aを通して貯留桶231に流入し、貯留桶231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている方向(図5中の右方)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して中間ブロック103における後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1又は図5に示されたように、遊技球の流入口241A(図5のみ)及び放出口241Bを有する貯留桶241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留桶231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留桶241に流入し、また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じて貯留桶231から誘導された遊技球は流入口241Cを通して貯留桶241に流入する。貯留桶241の底面は放出口241Bに向けてすり鉢上に傾斜しており、球抜き操作部材242に対する球抜き操作(右スライド操作)に応じた放出口241Bの開放によって、貯留桶241に貯留されている全ての遊技球を順次に遊技機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(押圧操作又は微少な左スライド操作)がなされるまで、その状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留桶241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図9参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示されたように、前面パネル210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図9参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図9参照)と、遊技者によって操作され、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を無効化する発射停止スイッチ255(図5のみ)とを含んでいる。遊技者による発射ハンドル252の回転操作に応じて、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
前ブロック102は、基枠201に設けられ、前面パネル210の開口周縁部211の奥方に配置された発光装置群を備えており、発光装置群は、図5に示されたように、開口周縁部211における上方中央部211A、上方中央部211Aの左方の上方左角部211B、上方中央部211Aの右方の上方右角部211C、上方左角部211Bの下方の左中間部211D及び上方右角部211Cの下方の右中間部211Eのそれぞれに対応して配置された上中央枠発光装置271、左上枠発光装置272、右上枠発光装置273、左中間枠発光装置274及び右中間枠発光装置275(図9参照)で構成されている。
また、前ブロック102は、基枠201に設けられ、前面パネル210の開口周縁部211の奥方に配置された音響装置280を備えており、音響装置280は、開口周縁部211に形成された左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれの奥方に配置された左上音響出力部281及び右上音響出力部282を備えている。
また、前ブロック102は、図1に示されたように、上側突出部217に設けられた遊技球貸出装置290を備えており、遊技球貸出装置290は、遊技機100の側方に配置され遊技機100の構成要素でないカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置(図示せず)と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等の投入によってそれらの金額に対応する数値が度数表示装置に表示されている有効状態において貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
中間ブロック103は、図3又は図4に示されたように、開口(図示せず)を有する基枠301と、基枠301の前面側に取着されて開口を覆う遊技盤400(図3のみ)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3のみ)と、遊技盤400の背面側に設けられた取り付け台360(図4のみ)と、取り付け台360に装着された遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4のみ)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4のみ)とを備えている。
基枠301には、払出装置540(図7参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路301Aや前ブロック102の基枠201に設けられた枠発光装置271〜275や音響装置280と主制御装置370や副制御装置390とを電気的に接続するための配線(図示せず)や信号中継装置(図示せず)が挿通される遊技盤400の切り欠きに基づく開孔301Bが形成されている。
遊技盤400は、図6に示されたように、排出口401A等の各種の貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲し、後述する発射装置330から発射された遊技球を誘導する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着され、外レール402及び内レール403が平行に対向する部分で形成される発射通路401Bから放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着され、遊技盤400の中央を越えて左側に移動するような遊技球の大幅な反跳を防止する反跳防止部材405と、発射通路401Bを構成する部分の外レール402の外縁を保護する保護部材406とを備えている。図3に示されたように、発射装置330から発射通路401Bへ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、基枠201に形成され、この間隙の下方に配置される戻り球通路201Bを介して流入口241C(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。なお、概ね外レール402及び内レール403とで区画され、戻り球防止機構404を超えた遊技球が移動可能な略円形状の遊技領域に設けられる構造物については後述する。
遊技盤支持機構は、図3に示されたように、保護部材406に設けられた支軸部311と、基枠301に形成され、遊技盤400の基体401の一部が載置される載置部312及び支軸部311と係合する軸受け部313とで構成され、遊技盤400を回転自在かつ着脱自在に支持している。遊技盤400が回動自在に支持されている場合において、所定の角度以上だけ回転させた後に、基体401における載置部312と当接する部位を支点として遊技盤400を回転軸から傾けると、支軸部311と軸受け部313との係合が外れる。これによって、遊技盤400を基枠301から離脱させることができる。逆に、遊技盤400を基枠301に装着する場合には、遊技盤400の所定の部位を載置部312に載置した後に、支軸部311を軸受け部313に係合させる。
遊技盤固定機構は、基枠301に設けられた3つの固定具320(図3において2つの固定具のみが図示されている)で構成され、それらの各々は、基枠301から前方に突出する回動自在な回転軸体(図示せず)と、回転軸体の先端に固着され、遊技盤400の基体401に形成された切り欠き部401C(図6参照)を通して通過できない挿抜禁止姿勢と切り欠き部401Cを通して通過できる挿抜許容姿勢とをとる回動片322と、回動片322より後方に配置された押圧板(図示せず)と、回動片322が挿抜禁止姿勢である場合に押圧板を回動片322側に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。遊技盤400が基枠301に固定されている着脱禁止状態において、回動片322は、切り欠き部401Cを通して基体401の前方に突出すると共に挿抜禁止姿勢となっており、基体401は、回動片322と押圧板とによって押圧状態で挟持されている。これによって、基枠301に対する遊技盤400の前後方向の位置決めが正確に行えるために、誘導部材335から発射通路401Bへの遊技球の移動が阻害されることを防止できる。回動片322に対する回転操作に応じて、回動片322が挿抜禁止姿勢から回動片322が切り欠き部401Cを通過できる挿抜許容姿勢へ回転すると、付勢体からの押圧板の付勢が解除され、また、回動片322と押圧板とによる基体401の挟持が解除される。全ての固定具320の回動片322が挿抜許容姿勢である場合には、基枠301に対して遊技盤400が回動自在になる。逆に、遊技盤400を基枠301に固定する場合には、全ての固定具320の回動片322が挿抜許容姿勢である状態で、遊技盤400を回転させて各回動片を切り欠き部401Cに挿通させた後に、全ての固定具320の回動片322を挿抜禁止姿勢に回転させる。
発射装置330は、図3に示されたように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図9参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図9参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動する。
取り付け台360は、支持機構を介して、基枠301に対して回動自在に支持されている。
主制御装置370は、図4に示されたように、主制御基板920(図9参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、開封の痕跡を残さずには開封できないように基板ケース371に封止されている。
副制御装置390は、副制御基板940(図9参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えており、副制御基板940は、基板ケース391に封止されている。
ここで、遊技盤400において、基体401に設けられ、遊技領域に配置される各種の構造物について詳細に説明する。図6は、遊技盤の一例を表す正面図である。遊技盤400は、図6に示されたように、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置され、進入口(図示せず)から流入した遊技球を第1始動入賞装置431の近傍に誘導するセンタフレーム420と、センタフレーム420の中央の真下に配置された第1始動入賞装置431と、第1始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する第1始動入賞スイッチ441(図9参照)と、第1始動入賞装置431の真下に配置された第2始動入賞装置432と、第2始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ442(図9参照)と、第1始動入賞装置431及び第2始動入賞装置432の右方に配置された大入賞装置433と、大入賞装置433に進入した遊技球を検出する大入賞スイッチ443,61(図9及び図15〜図17参照)と、始動装置436と、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446(図9参照)と、複数の一般入賞装置438と、一般入賞装置438のいずれかに進入した遊技球を検出する一般入賞スイッチ448,449(図9参照)と、磁気センサ491と、振動センサ492とを備えている。センタフレーム420、始動装置436に進入した遊技球は遊技領域に放出されるが、第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438に進入しなかった遊技球は排出口401Aを通して回収排出路(図示せず)へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、遊技機100から遊技機設置設備(図示せず)に設けられた遊技球循環装置に排出される。第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438のいずれかに遊技球が進入した場合には、装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540から払い出されることとなる。
第1始動入賞装置431及び一般入賞装置438の各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する構造である。一方、第2始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入阻止姿勢との間の移行によって進入確率を変化させる可動羽根452と、可動羽根452を駆動する羽根開閉ソレノイド462(図9参照)とを備えている。可動羽根452が進入許容姿勢である場合には遊技球は第2始動入賞装置432に進入できるが、可動羽根452が進入阻止姿勢である場合には遊技球は第2始動入賞装置432に進入できない。可動羽根452は、始動装置436への遊技球の進入、正確には始動スイッチ446による遊技球の検出に伴う主制御基板920による当り抽選に当選した場合に、羽根開閉ソレノイド462の作動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。なお、大入賞装置433の詳細については後述する。
また、遊技盤400は、図6に示されたように、第1特別図柄に係る大当り抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄表示装置471と、第2特別図柄に係る大当り抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄表示装置472と、センタフレーム420に設けられ、第1特別図柄に係る大当り抽選の権利の保留状態を表示する第1特別図柄保留表示装置476と、センタフレーム420に設けられ、第2特別図柄に係る大当り抽選の権利の保留状態を表示する第2特別図柄保留表示装置477とを備えている。第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り抽選の権利は最大4つずつ保留される。なお、第1特別図柄に係る大当り抽選の権利が最大まで保留されている場合に、第1始動入賞装置431に遊技球が進入したとしてもその遊技球に対して権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る大当り抽選の権利が最大まで保留されている場合に、第2始動入賞装置432に遊技球が進入したとしてもその遊技球に対して権利は追加されない。
第1特別図柄表示装置471は、複数色で発光可能な2つの発光部471A,471Bで構成されており、主制御基板920(図9参照)により表示が制御される。第1特別図柄は、発光部471A,471Bの発光パターン(発光色の組合せ)によって表現される。第2特別図柄表示装置472は、第1特別図柄表示装置471と同様に、複数色で発光可能な2つの発光部471A,471Bで構成されており、主制御基板920(図9参照)により表示が制御される。第2特別図柄は、発光部472A,472Bの発光パターン(発光色の組合せ)によって表現される。第1特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄保留表示装置477は、それぞれ、2つの単色LED476A,476B及び2つの単色LED477A,477Bの発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって各種の抽選の権利の保留個数を表示する。
また、遊技盤400は、センタフレーム420に設けられ、普通図柄に係る当り抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、センタフレーム420に設けられ、普通図柄に係る当り抽選の権利の保留状態を表示する普通図柄保留表示装置478とを備えている。普通図柄に係る当り抽選の権利は最大4つまで保留される。なお、普通図柄に係る当り抽選の権利が最大まで保留されている場合に、始動装置436に遊技球が進入したとしてもその遊技球の進入に対して権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数色で発光可能な2つの発光部473A,473Bで構成されており、主制御基板920(図9参照)により表示が制御される。普通図柄は、発光部473A,473Bの発光パターン(発光色の組合せ)によって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2つの単色LED478A,478Bの発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって抽選の権利の保留個数を表示する。
また、遊技盤400は、センタフレーム420に設けられ、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る大当り抽選に伴って、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479を備えている。副制御基板940による制御に基づく装飾図柄の変動表示及び確定表示は、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と実質的に同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示より複雑な演出が実行される。
ここで、遊技盤400の各種の装置の動作について説明する。なお、それらの説明に先立って、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(通常遊技状態)は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が低確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示時間が長い遊技状態(以下において、「低確率非時短状態」とも称す)である。遊技状態は、大当りの当選に基づいて変化する。第1特別図柄に係る大当りの種類は、標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り、標準時短大当り及び突然時短大当りの5種類であり、第2特別図柄に係る大当りの種類は、標準確変大当り、標準時短大当りの2種類である。標準確変大当りや突然確変大当りに当選した場合には、遊技状態は、一旦、大入賞装置433が間欠的に進入許容状態となる(開閉扉52又は開閉シャッタ54が間欠的に進入許容配置となる)特別遊技状態に移行し、特別遊技状態の終了後に、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が通常遊技状態よりも高確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示時間が通常遊技状態よりも短い遊技状態(以下において、「高確率時短状態」と称す)に移行する。高確率時短状態は、次回の大当りの当選まで維持される。また、潜伏確変大当りに当選した場合には、一旦、特別遊技状態に移行した後に、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が通常遊技状態よりも高確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示時間が通常遊技状態と同一である遊技状態(以下において、「高確率非時短状態」と称す)に移行する。高確率非時短状態は、次回の大当りの当選まで維持される。また、標準時短大当りに当選した場合には、特別遊技状態に移行した後に、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が通常遊技状態と同一の低確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示の時間が通常遊技状態と同一である遊技状態(以下において、「低確率時短状態」と称す)に移行する。低確率時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る所定の回数(例えば、100回)の単位表示制御の終了まで維持されるが、その後、遊技状態は通常遊技状態に戻る。なお、高確率時短状態及び高確率非時短状態において大当りした場合には、低確率時短状態及び低確率非時短状態において大当りした場合に比べて、いずれかの確変大当り(標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り)への振分確率が大きい。以下において、遊技盤400の各種の装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。
主制御基板920において、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において、第1始動入賞装置431に遊技球が進入すると、特別図柄に係る当選乱数、特別図柄に係る図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、大入賞装置433が作動中でない場合において、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動表示中や確定表示中でなければ格納の直後に、また、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが変動表示中や確定表示中であれば先行して獲得している第1特別図柄に係る全ての大当り抽選の権利及び先行して獲得している及び後続して獲得する第2特別図柄に係る全ての大当り抽選の権利の消化後に、その取得された特別図柄に係る当選乱数に基づいて大当りに当選したか否かが判定される。なお、第1特別図柄に係る大当りの当選確率は、上述のように、現在の遊技状態によって、詳細には、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であるか低確率状態(低確率時短状態、低確率非時短状態)であるかによって変化し、具体的には、高確率状態における大当りの当選確率は低確率状態における大当りの当選確率よりも高い。大当りに当選した場合には、更に、取得された特別図柄に係る図柄乱数に基づいて第1特別図柄の停止図柄が決定される。この停止図柄の種類によって、標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り、標準時短大当り及び突然時短大当りのいずれの大当りであるかが決定される。なお、各種の大当りの振分確率は、現在の遊技状態によって、詳細には、高確率状態であるか低確率状態であるかによって変化し、具体的には、いずれかの確変大当り(標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り)への振分確率が高確率状態において低確率状態よりも高い。一方、大当りに落選したときであって、小当りに当選した場合には、停止図柄として小当り図柄が設定され、小当りにも当選しなかった場合には、停止図柄としてハズレ図柄が設定される。
第1特別図柄に係る大当り抽選の後に、現在の遊技状態、大当り抽選の抽選結果、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り抽選の権利の総保留数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が実行される。変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄として停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は通常モードから特別遊技状態(大入賞モード)に移行する。特別遊技状態においては、大入賞装置433が有する開閉機構が所定の回数だけ間欠的に進入許容配置へ移動する。進入許容配置へ移行した後に、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が大入賞装置433に進入した場合及び所定の最大開放時間が経過した場合のいずれかによって、大入賞装置433は、進入阻止配置へ移動する。その後、所定の閉鎖時間の経過後に、再度、大入賞装置433は進入許容配置へ移行する。この開閉動作が所定の回数だけ繰り返される。大入賞装置433の進入許容配置への移行に伴う開閉動作の繰り返し回数や進入許容配置に滞在する最大開放時間等は、大当りの種類(停止図柄の種類)によって変化する。具体的には、標準確変大当り及び標準時短大当りに基づく特別遊技状態において、最大開放時間が29.5秒であって閉鎖時間が2.0秒である開閉動作が16回だけ繰り返される。なお、特別遊技状態の開始から10.0秒の待機時間(オープニング時間)後に、第1回目の進入許容配置への移行が開始され、第16回目の進入阻止配置への移行から15.0秒の待機時間(エンディング時間)後に、特別遊技状態が終了する。一方、突然確変大当り、潜伏確変大当り及び突然時短大当りに基づく特別遊技状態において、最大開放時間が0.8秒であって閉鎖時間が2.0秒である開閉動作が2回だけ繰り返される。なお、特別遊技状態の開始から3.2秒の待機時間(オープニング時間)後に、第1回目の進入許容配置への移動が開始され、第2回目の進入阻止姿勢への移動から3.2秒の待機時間(エンディング時間)後に、特別遊技状態が終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、今回の大当りの種類に応じた遊技状態に移行する。
また、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄又はハズレ図柄である場合には、遊技状態は、第1特別図柄の確定表示後においても変更されない。但し、小当りに当選している場合には、突然確変大当り、潜伏確変大当り及び突然時短大当りに基づく特別遊技状態の場合と同一の態様で大入賞装置433が作動する。
上記においては、第1特別図柄に係る大当り抽選の権利が消化される場合について説明したが、第2特別図柄に係る大当り抽選の権利が消化される場合についても、大当りの種類が上述のように第1特別図柄と第2特別図柄とで異なること及び第2特別図柄に係る大当りの抽選の権利が第1特別図柄に係る大当りの抽選の権利よりも優先して消化されること以外は、第1特別図柄の場合と概ね同一であるために、第1特別図柄及び第2特別図柄をそれぞれ第2特別図柄及び第1特別図柄と入れ替えて読み替えることとして重複する説明を省略する。
各種の遊技状態において、始動装置436に遊技球が進入すると、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAM(図示せず)の所定の領域に格納される。このとき、第2始動入賞装置432が作動中でない場合において、普通図柄が変動表示中や確定表示中でなければ直後に、また、普通図柄が変動表示中や確定表示中であれば先行して獲得している全ての当り抽選の権利の消化後に、その取得された普通図柄に係る当選乱数に基づいて当りに当選したか否かが判定される。当りの当選確率は、判定時の遊技状態によって、具体的には、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)であるか非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態、特別遊技状態)であるかによって変化し、時短状態における当りの当選確率は非時短状態よりも高確率となっている。当りに当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定され、当りに当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。当り抽選後に、普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間(例えば、3.0秒)に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間(例えば、0.5秒)に亘って通常遊技状態と同一のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って普通図柄として停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、第2始動入賞装置432の可動羽根452が少なくとも1回は進入許容姿勢へ移行する。具体的には、非時短状態における当選の場合には、可動羽根452が典型的には所定の回数(例えば、1回)だけ所定の最大開放時間(例えば、0.2秒)に亘って進入許容姿勢へ移行し、時短状態における当選の場合には、可動羽根452が典型的には非時短状態よりも多い所定の回数(例えば、3回)だけ非時短状態より長い所定の最大開放時間(例えば、1.9秒)に亘って進入許容姿勢へ移行する。但し、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が第2始動入賞装置432に進入した場合には、可動羽根452は強制的に進入阻止状態へ移行し、今回の当りの当選に基づく可動羽根452の作動が終了する。
遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図9参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
後ブロック104について説明する。図7及び図8は、それぞれ、遊技機の一例を表す斜視図及び背面図である。後ブロック104は、図7及び図8に示されたように、基体501と、中間ブロック103に対して基体501を開閉自在に支持する支持機構と、基体501に取着され、遊技機固定設備(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側において基体501に取着され、積層貯留されている遊技球を2条に整流させると共に1段に整列させるタンクレール520と、タンクレール520の下流側において基体501に取着され、タンクレール520から流入した遊技球を誘導するケースレール530と、ケースレール530の下流側において基体501に取着され、遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において基体501に取着され、払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力すると共に、発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する電源・発射制御装置900と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)と遊技機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、略平坦状のベース部502と、ベース部502よりも後方に突出した保護カバー部503とを含んでいる。保護カバー部503は左右側方及び上方が閉鎖されかつ下方の一部のみが開放されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる多数の通気孔502Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端から遊技機固定設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端の底面には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、長手方向と直交する方向(前後方向)に対して更に穏やかに傾斜し、前方側(基体501への取り付け面側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510には、球循環装置から遊技球の供給される一端から中央近傍にかけて少なくとも一部の底部を覆う帯電防止板511(図7のみ)が取着されており、帯電防止板511は接地電位に接続されている。
タンクレール520は、遊技球タンク510の下方に取り付けられ、タンクレール520には遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、仕切り片(図示せず)によって仕切られた2列(2条)の樋状通路(図示せず)を形成する桶状部材521と、桶状部材521に対して回動自在に軸支され桶状部材521を流下する遊技球の球詰まりを防止させながら2条に整流させると共に1段に整列させる一対の整流部材522とを備えている。各樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510から流入した側と長手方向の反対側へ遊技球を誘導する。整流部材522は遊技球との接触によって振り子のように動作する。
ケースレール530は、保護カバー部503の一側面部に沿うように縦向きに配置されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲する2条の球通路(図示せず)が形成されている。また、球通路の上流側には、球切れ検出スイッチ539が取着されている。球切れ検出スイッチ539は、ケースレール530の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール530よりも上流側で球詰りが発生してケースレール530に遊技球が補給されていない場合等を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構541と、送出機構541を駆動する払出モータ542とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、2条の球通路に貯留されている遊技球を交互に放出する。
払出制御装置560は、払出制御基板930と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備えており、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように基板ケースによって実質的に封止されている。
次に、遊技機100の電気的構成について説明する。図9は、遊技機の電気的構成の一例を表すブロック図である。遊技機100は、図9に示されたように、電源・発射制御装置900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御装置を備えている。なお、図9において、各種の信号を中継するだけの回路装置については省略している。以下に、これらの主要な装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御装置900は、遊技機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAM及び払出制御基板930のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を生成して、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対して内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、主制御基板920に対して駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が電源監視基板910の電源監視部911を介して供給され、払出制御基板930に対して駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が直接的に供給され、副制御基板940に対して駆動用電圧及び制御用電圧の電力が直接的に供給され、発射制御部902に対して駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによって遊技機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920及び払出制御基板930は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330(図3参照)の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させることとなる。
電源監視基板910は、電源・発射制御装置900からの電力供給状態を監視し、停電状態への移行に応じて、主制御基板920及び払出制御基板930へ停電信号を出力する電源監視部911と、電源・発射制御装置900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電状態への移行と判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920及び払出制御基板930へ出力する。主制御基板920及び払出制御基板930は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識することとなる。
主制御基板920は、遊技機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御装置900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930のRAMも、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態においても内部データを維持できる構成となっている。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。
〔本発明に関連する主たる構成〕
本発明に係る遊技機100の主たる特徴部分である大入賞装置433の構成について説明する。図10は大入賞装置433の斜視図であり、図11は大入賞装置433の分解斜視図であり、図12は大入賞装置433の分解側面図である。
図10〜図12に示すように、大入賞装置433は、前面被覆板10と、誘導通路前面部材30と、後方ブロック部材50とから構成されており、それぞれがネジなどによって固定されている。
前面被覆板10及び誘導通路前面部材30は、透明な樹脂材料により形成された一部材であり、後方ブロック部材50は、複数の部材がネジなどによって固定されることにより形成されている。
大入賞装置433は、ネジ穴を介して遊技盤400にネジ止めされることによって固定される。大入賞装置433は、誘導通路後面板51よりも前の部分が、遊技盤400を構成する遊技板(釘411や風車412等が取り付けられる板状部材)の前面から突出する。
開閉扉52(図11)は、下部分を軸とした回転動作によって水平方向又は鉛直方向にほぼ平行に開閉扉52を位置させて後方向に形成される開口部58を開閉する開閉機構を有している。開閉シャッタ54は、水平方向に平行な板状部材であり、前後方向に移動して下方に形成される開口部31を開閉する開閉機構を有している。なお、開閉扉52及び開閉シャッタ54は、いずれも図示しない動力装置に接続されており、主制御基板920の制御により開閉動作を行う。
大入賞装置433(図10)は、上部に幅広の開口部11を有しており、大入賞装置433の上方から落ちてくる遊技球の多くを開口部11に進入させる。大入賞装置433は、開閉扉52及び開閉シャッタ54の開閉によって、通常モード、第1の大入賞モード及び第2の大入賞モードに遷移する。すなわち、大当たり抽選に当選すると、大当たりの種別が決められて、大当たりの種別に対応した大入賞モードに従って開閉扉52又は開閉シャッタ54が開閉する。
図13に示すように、通常モードにおいて、開閉扉52及び開閉シャッタ54は閉じた状態にあり、開口部11に進入した遊技球は、開閉扉52の前及び開閉シャッタ54の上の排出通路55を通過し、大入賞装置433の外部へと排出される。
図14に示すように、第1の大入賞モードにおいて、開閉扉52は開いた状態にあり、開口部11に進入した遊技球は、開閉扉52に衝突して開口部58へ進入し、そのまま後ろ方向の第1誘導通路59へと誘導され、排出口56から排出される。この排出口56の内部には、通過した遊技球を検出する大入賞スイッチ443(図9)が取り付けられており、主制御基板920より球数がカウントされる。
図15に示すように、第2の大入賞モードにおいて、開閉扉52は閉じた状態にあり、開閉シャッタ54は開いた状態にある。開口部11に進入した遊技球は、開閉扉52の前方を通過し、開口部31から第2誘導通路32へと誘導される。第2誘導通路32は、下流側に相当する左方向に向かって僅かに下がるよう傾斜しており、遊技球は、左方向へ向かって進行する。
ここで、第2の大入賞モードは、2つのサブモード、サブモードA及びBを有している。なお、図16及び図17は、誘導通路前面部材30の無い状態を示している。第2誘導通路32は、2つの分岐誘導通路32A,32Bを有している。大入賞装置433は、サブモードAの場合、遊技球を分岐誘導通路32Aへ誘導する一方、サブモードBの場合、遊技球を分岐誘導通路32Bへ誘導する。
サブモードA,Bは、大当たり後に遷移する遊技状態や、大当たりラウンド数を変化させる等、遊技を多様にするために設けられている。大当たり中に分岐誘導通路32Aに遊技球が誘導された場合には、分岐誘導通路32Bに誘導された場合よりも遊技者に有利になるように特典が付与される。サブモードA,Bの切り替え動作は、大当たり抽選に当選した場合に決められる大当たりの種別によって異なる設定とされ、遊技者に対しては、サブモードAの状態が発生し、且つ、長く継続する種別の大当たりを期待して遊技を行わせることができる。
図16に示すように、大入賞装置433は、第2誘導通路32において、リング状の大入賞スイッチ61の進行方向の先に隣接して並ぶ2つの開口部62,63を有している。サブモードAにおいて、遊技球は、開口部62に落ち込み、分岐誘導通路32Aへ誘導される。なお、分岐誘導通路32Aを通過した遊技球は、検出スイッチ65によって検出され、後方ブロック部材50における後面の排出口(図示しない)から排出される。
図17に示すように、大入賞装置433は、前後方向に移動することにより、開口部62を開閉する誘導シャッタ64を有している。誘導シャッタ64は、開口部62の全部を塞ぐ必要はなく、遊技球が開口部62の下へ落ち込むのを防止できれば良いが、遊技球をスムーズに誘導するため、第2誘導通路32の幅の半分以上を塞ぐことが望ましい。サブモードBにおいて、遊技球は、開口部62が塞がれていることにより、誘導シャッタ64上を通過し、その先に形成された開口部63へと落ち込み、分岐誘導通路32Bへ誘導される。なお、誘導シャッタ64は、シャッタ開閉ソレノイド463に接続されており、主制御基板920の制御により開閉動作を行う。分岐誘導通路32Bを通過した遊技球は、分岐誘導通路32B上に設置された検出スイッチ(図示しない)によってカウントされ、後方ブロック部材50における後面の排出口(図示しない)から排出される。
ここで、遊技機100は、各モードにおいて、設計された通りの誘導通路に遊技球を誘導することが望ましい。そこで本実施の形態における大入賞装置433は、第2の大入賞モードにおいて確実に第2誘導通路32へ遊技球を誘導すると共に、サブモードAでは遊技球を分岐誘導通路32Aに誘導する一方、サブモードBでは遊技球を分岐誘導通路32Bに確実に誘導するための3つの誘導機構を有している。
第1の発明として、大入賞装置433は、開口部31に落ち込んだ遊技球が跳ねて飛び出してしまうことを防止し、第2誘導通路32へ誘導する跳ね防止機構を有している。仮に、開口部31に落ち込んだ遊技球が勢い良く平らな面に落ちた場合、そのままほぼ180°の角度で跳ね上がり、その勢いで開口部31から外部へ飛び出してしまう可能性がある。そこで本実施の形態における跳ね防止機構は、遊技球を予め決まった位置に衝突させると共に、当該衝突による跳ねによって遊技球が飛び出さないよう、跳ねた遊技球をトラップする機構を設けるようにした。
図18〜20に示すように、第2誘導通路32は、前面被覆板10と、誘導通路前面部材30と、誘導通路後面板51とから構成されている。誘導通路前面部材30(図18)は、第2誘導通路32の底面を構成する誘導受面33,34を有している。図21(B)に示すように、誘導受面33,34は左方向へ向けて下向きに傾斜しており、右側に位置する誘導受面34の傾斜は誘導受面33よりも大きくなっている。
誘導通路前面部材30(図18及び図20)は、開口部31における前方向の端部から、後方向へ向けて下方向に傾斜する誘導傾斜板35を有している。誘導傾斜板35は、その傾斜が好ましくは30〜60°程度に形成されている。誘導傾斜板35は、右誘導傾斜板35a及び左誘導傾斜板35bを有している。右誘導傾斜板35a及び左誘導傾斜板35bは、前後方向の傾斜角度は同一であるが、左右方向において、左誘導傾斜板35bの傾斜が大きく形成されている。
開口部31から流下する全ての遊技球は、下流側に相当する左方向へ向けて進行するため、左方向へ進む程、既に遊技球が第2誘導通路32内に存在する確率が増大し、遊技球同士の衝突確率が増大する。左誘導傾斜板35bは、左端近傍に流下してきた遊技球をなるべく第2誘導通路32の上流側に相当する右方向に誘導し、第2誘導通路32の遊技球を大入賞スイッチ61へスムーズに誘導する。
誘導通路後面板51は、誘導受面33,34と連接する凹み部70を有している。凹み部70は、前後方向の凹み幅が均一な等幅凹み71と、弧を描くように深く凹んでいる弧状凹み72とを有している。等幅凹み71及び弧状凹み72は、それぞれ誘導受面33から後方向へ凹むように傾斜する底面側を形成する下傾斜部71a,72aと、誘導通路後面板51と平行な平行部71b,72bと、前方向へ向けて傾斜する通路の上面部分を形成する上傾斜部71c,72cを有しており、各面が曲面を描いてなだらかに接続されている。
図20に、誘導通路後面板51に対して誘導通路前面部材30を取り付けた状態を示している。第2誘導通路32のうち、開口部31の上方からは凹み部70は確認できず、誘導通路前面部材30のみを確認することができる。
図21(A)は、第2誘導通路32に関する部分のみを実線で示している。図21(B)はX−X‘断面図、図21(C)はY−Y’断面図である。図21(C)に示すように、第2誘導通路32は、前面被覆板10と、誘導傾斜板35と、戻り防止壁部36と、誘導受面33と、等幅凹み71とから形成されている。誘導傾斜板35は、誘導受面33から上方に伸びる戻り防止壁部36から前方向に上り傾斜するように延設されている。誘導傾斜板35の後端となる戻り防止壁部36の後面から誘導通路後面板51前面までの距離は、遊技球FBの直径よりも小さく形成されている。
従って、開口部31に落ち込んだ遊技球FBは、誘導傾斜板35に衝突し、後方へ押し込まれる。等幅凹み71及び弧状凹み72は、下部分が角張っておらず、その断面がなだらかな曲面を描いて傾斜しており、遊技球を上方向に極力跳ねさせないようにしている。また、等幅凹み71及び弧状凹み72は、上部分も同様に断面がなだらかな曲面を描いて傾斜しており、遊技球FBを前方斜め下方向に跳ね返して第2誘導通路32内にトラップする。すなわち、第2誘導通路32は、流下する遊技球を誘導傾斜板35によって後方向へ誘導し、戻り防止壁部36、誘導受面33、等幅凹み71及び弧状凹み72によって囲まれた空間内に遊技球を留まらせる。
ところで、遊技球FBは、左方向に進行するため、左側に行く程、遊技球FB同士が衝突する可能性が生じてしまう。図22に示すように、弧状凹み72は、等幅凹み71よりも大きく凹んでいるため、第2誘導通路32としての幅を大きくすることができ、他の遊技球が進入して衝突した場合であっても、前後方向に力を逃がすことができ、遊技球の跳ね返りを小さくすることができる。また、弧状凹み72は、大入賞スイッチ61の円形孔のサイズに合わせて左端の幅を狭くしているため、遊技球をスムーズに大入賞スイッチ61に誘導することができる。
このように、第2誘導通路32では、左右方向を長手方向とする開口部31から流下する遊技球を開口部31の長手方向の一端側に相当する左右方向に沿って誘導する場合に、その長手方向と垂直な前後方向にずらした位置に誘導してトラップすることにより、跳ね返りを防止するようにした。
これにより、第2誘導通路32では、遊技球の落下勢力が増大しても跳ね返りを防止することができるため、間に何ら緩衝機構を設けないで上下方向に2つの誘導通路を形成することを可能にした。
また、誘導傾斜板35は、前後方向において一定の角度で下り傾斜し、且つ、第2誘導通路32の傾斜方向に沿って遊技球の下流側に相当する左方向に下り傾斜する面により構成されている。このため、上方側から落下して誘導傾斜板35に接触した遊技球は、大入賞スイッチ61の位置する下流側へ誘導されながら、後方側へトラップされることとなる。よって、第2誘導通路32において遊技球を下流側へスムーズに進行させることができる。
次に、分岐誘導通路32A,32Bへの遊技球の誘導について説明する。第2の発明として、大入賞装置433は、サブモードAにおいて、第2誘導通路32と分岐誘導通路32Aとの角度に差異を設けることにより、手前側の開口部62に遊技球を落とし込み易くする一方、サブモードBにおいて、第2誘導通路32と分岐誘導通路32Bとの角度変化を小さくしてスムーズに奥側の開口部63まで遊技球を誘導するようにした。
図23(A)に示すように、大入賞装置433は、サブモードAにおいて、遊技球を分岐誘導通路32Aに誘導する。このとき、誘導シャッタ64は、開状態にあり、開口部62が開口している。なお、実際には、誘導シャッタ64は後方向に下がっているだけであるが、便宜上、図では誘導シャッタ64を省略している。
ここで、第2誘導通路32は、左下に向けて傾斜している。これに対して、開口部62は、その開口部分上端がほぼ水平に形成されている。すなわち、開口部62は、その入口が第2誘導通路32に対してわずかに傾斜させており、遊技球が進行するのを待ち受けることになる。
また、開口部62の両側の離隔壁部68,69の上部には、開口部62と隣接するようにして前後方向に筋状の突部66が形成されている。このため、第2誘導通路32を通り大入賞スイッチ61及び中継板82を通過した遊技球は、一段高い突部66に衝突し、分岐誘導通路32Aに誘導される。
一方、図23(B)に示すように、大入賞装置433は、サブモードBにおいて、遊技球を分岐誘導通路32Bに誘導する。このとき、誘導シャッタ64は、閉状態にあり、開口部62は閉じた状態にある。ここで、誘導シャッタ64は、その上面が左方向へ向けて下に傾斜している。この傾斜は、誘導受面33の傾斜とほぼ同じである。従って、遊技球は、第2誘導通路32を進行したほぼそのままの傾斜角度で、分岐誘導通路32Bへ誘導される。
また、開口部63は、開口部62よりも僅かに下に開口面(破線で示す)を位置させており、開口部63の右側にある開口部62とを隔てる離隔壁部68には、左方向へ向けて下に傾斜するテーパ部67が設けられている。このため、遊技球は、誘導シャッタ64、突部66、テーパ部67へと徐々に下へ向けた傾斜に沿って、開口部63へスムーズに誘導されるようになされている。
ここで、図23(A)に示したように、サブモードAにおいて、中継板82と開口部62との間には段差があり、遊技球が勢い良く中継板82から飛び出した場合には、開口部62に落ち込むことなく、誤って分岐誘導通路32Bへと誘導されてしまう可能性がある。
第3の発明として、大入賞装置433は、サブモードAにおいて、遊技球を分岐誘導通路32Aへ一段と確実に誘導するための誘導機構を設けるようにした。
ここで、遊技機100において、遊技盤400のサイズは決まっており、その面積は限られている。昨今の流行として、できる限り大きいモニタを使用することが好ましいことから、大入賞装置433が使用できる上下及び左右方向のスペースは限られている。一方、前後方向のスペースには比較的余裕がある。
そこで、本実施の形態における大入賞装置433は、左方向へ進行する遊技球の進行方向を左斜め後方向へと変換する方向変換部81を設けるようにした。
図24(A)に示すように、第2誘導通路32は、大入賞スイッチ61を過ぎてから後方向にずれている。大入賞スイッチ61の左側前方向、開口部62との間には、遊技球の方向を変更する方向変換部81が設けられている。
図24及び図25に示すように、方向変換部81は、第2誘導通路32と平行な平行面81aと、平行面81aに対して後方向へ向けて約45°傾斜した傾斜面81bと、誘導受面33と平行な底面81cとを有しており、これら3つの面が曲面81dによって曲面状に接続されている。
図24(C)に示すように、平行面81aは、大入賞スイッチ61の円形孔と前後方向にほぼ同じ位置にあり、大入賞スイッチ61からなめらかに接続されている。大入賞スイッチ61を通過した遊技球は、傾斜面81bに沿って方向を変え、開口部62へと誘導される。
このとき、遊技球は、傾斜面81bに沿って方向を変えるため、遊技球の速度を低下させてその勢いを低減することができる。また、方向変換部81の3つの面がなだらかな曲面を有しているため、遊技球との接触面積を増大させ、摩擦力によって遊技球の速度を低下できると共に、遊技球の進行する力を遠心力に変換させ、遊技球の速度を低下できる。仮に、遊技球の勢いが非常に大きく、開口部62を通過した場合であっても、左右方向に対して45°の角度で進行するため、後側の壁部85に衝突し、跳ね戻ったところで開口部62に落ち込むことになる。
また、図25(B)に示すように、遊技球の進行方向である誘導受面33の延長線(破線で示す)と平行に形成された底面81cと平行面81aとを接続する曲面81daが当該延長線とほぼ平行であるのに対し、傾斜面81bと底面81cとを接続する曲面81db(斜線で示す)は、上流側に向かってやや下向きに傾斜し、遊技球の進行方向において上向きに傾斜した底面を形成している。
曲面81dbの曲率半径は、遊技球の半径より大きく形成され、方向変換部81に向かって一定以上の勢いで進行してきた遊技球は、曲面81dbによって上方側へと移動しつつ下流側へ進行することとなる。また、曲面81dbは、左右方向においては誘導受面33に沿って略一定の曲率半径にて斜め下側へと連続し、前後方向においては傾斜面81bに沿って斜め後側へと連続している。
傾斜面81bは、鉛直方向にほぼ平行、すなわち、誘導受面33の延長線に対して90°未満の急角度で対峙している。従って、速度の遅い遊技球が進行する場合には、曲面81dbの上り傾斜を遊技球が上方側へ進行せず、曲面81dbの下り傾斜の効果によってやや下向きに誘導され、開口部62にそのまま落ち込むことになる。
一方、速度の大きい遊技球が進行する場合には、曲面81dbの効果により、遊技球の進行力が上方向の力に変換され、遊技球の進行力が大きく進行速度が大きい場合ほど、より大きく上方側へと移動し、更には傾斜面81bに衝突して遊技球を減速させることができる。よって、速度の大きい遊技球であっても開口部62を飛び越えさせてしまうことなく、当該遊技球を開口部62へと誘導することができる。
図23に示したように、方向変換部81の後側には、板状の中継板82が設けられており、底面81cと接続している。この中継板82は、前方向に僅かに下向きに傾斜が設けられており、大入賞スイッチ61を通過した遊技球を方向変換部81へ向かわせると共に、開口部62へ向かう遊技球の勢いを低減させることができる。
このように、大入賞装置433では、開口部62を水平に形成しつつ誘導シャッタ64に傾斜を持たせることにより、分岐誘導通路32A,32Bのいずれに対してもスムーズに遊技球を誘導できる。また、大入賞装置433は、方向変換部81によって遊技球を蛇行させることにより遊技球の速度を低減し、進行方向に並列に並べた手前側の開口部62に対して一段と確実に遊技球を落とし込むことができる。これにより、大入賞装置433では、誘導通路を横方向に2つ並べることが可能となった。
また、大入賞装置433の方向変換部81は、前後方向において斜めに傾斜して形成されているので、遊技者側から見て、開閉シャッタ54により開閉される開口部31と、方向変換部81の下流側に位置する分岐誘導通路32A,32Bとの左右方向における間隔を短く設定することができる。このため、大入賞装置433に必要な設置領域を遊技者側から見て小さくして、遊技者は、開口部31への遊技球の流入状況と、分岐誘導通路32A,32Bにおける遊技球の振り分け状況とを必要に応じて僅かな視線の移動によって視認することができる。
なお、上述した実施の形態においては、誘導部として前面被覆板10に接続する誘導傾斜板35を設けるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば誘導受面33から曲面状に突出する誘導部を設けるようにしても良く、その位置、形状に制限はない。また、誘導部の位置に制限はなく、例えば開口部31の左下から右下方向へ向けて斜め下向きに誘導部を設けても良い。
すなわち、上述した実施の形態においては、誘導傾斜板35を構成する各誘導傾斜板35a,35bと、下傾斜部71aと、平行部71bと、上傾斜部71cとは、略平面状の場合について説明したが、必ずしも平面状とする必要はなく、それらの少なくとも一部を曲面形状により形成しても良い。この場合には、遊技球を誘導する方向側に連続する曲面の曲率半径は遊技球の半径より大きくすることが必要であり、遊技球が後方側へ円滑に誘導される程度に、例えば、遊技球の半径に対して略2倍以上の曲率半径に曲面を形成することが好適である。
また、下傾斜部72aと、平行部72bと、上傾斜部72cは、平面視した場合に略円弧形状をなす曲面形状により形成したが、必ずしも曲面形状により形成する必要はなく、各部位の曲面形状に沿った複数の平面を組み合わせて構成しても良い。
また、誘導傾斜板35は、第2誘導通路32の下り傾斜に沿って斜め下側に連続するように形成したが、第2誘導通路32の下り傾斜に沿わずに水平方向に連続するように形成しても良く、この場合であっても、遊技球の第2誘導通路32からの跳ね返りを防止することができる。
また、上述した実施の形態においては、第2誘導通路32の幅が位置によって変化するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その幅や形状に制限はなく、例えば一律であっても良い。また、必ずしも等幅凹み71が曲面形状を有する必要はない。
さらに、上述した実施の形態においては、誘導シャッタ64に第2誘導通路32と同様の傾斜が設けられているようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず誘導シャッタ64の形状に制限はなく、傾斜は必須ではない。
また、上述した実施の形態においては、開口部63が開口部62よりも下に位置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、開口部62,63の位置や形状に特に制限はない。例えば開口部62,63が第2誘導通路32の延長線上に設けられても良く、開口部62,63をずらして配置することもできる。また、開口部62,63を構成する壁部などの形状に制限はなく自由に設計することができ、突部66やテーパ部67は必須ではない。
さらに、上述した実施の形態においては、方向変換部81が平行面81a、傾斜面81b、底面81c及び曲面81da,81dbによって構成されるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば全体として球の一部を切り取ったような球面状や、自由曲面であっても良く、用は遊技球の角度を30〜60°の範囲で変化できればよい。また、曲面81dbは、遊技球の進行方向に対して上り傾斜する曲面形状の場合について説明したが、必ずしも曲面形状とする必要はなく、上り傾斜する平面状の傾斜面により形成しても良い。
また、上述した実施の形態においては、中継板82が底面81cに向かって下がる傾斜を有するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、かならずしも傾斜は必須ではない。
また、上述した実施の形態においては、開口部31へ進入した遊技球を検出する大入賞スイッチ61は、方向変換部81の上流側に配置したが、大入賞スイッチ61は、方向変換部81より下流側に配置しても良いし、分岐誘導通路32A,32Bへの分岐部分より下流側に配置しても良い。ただし、方向変換部81においては、遊技球が減速される場合があり、開口部31へ進入した遊技球の数を一定量に制限するために、方向変換部81より上流側に大入賞スイッチ61を配置することが好ましい。
また、上述した実施の形態においては、大当たり抽選に当選した場合に開放される大入賞装置433の誘導通路32に対して遊技球をスムーズに所望の部位に誘導可能な構成について説明したが、大入賞装置433に限らず、他の入賞装置の誘導通路に対して誘導傾斜板35や方向変換部81等の誘導通路32を形成する上記各構成を適用しても良いし、誘導傾斜板35及び方向変換部81の一方側のみを適用する等、一部の構成のみを適用しても良い。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。
〔上記の各実施の形態から抽出される発明群〕
上記の実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しながら説明する。なお、以下においては、理解を容易ならしめるために、上記の実施の形態における構成との対応を括弧書きで適宜に示すが、括弧書きの構成に限定されるものではない。
記述のように、従来の典型的な遊技機において、遊技球の進入を許容する進入許容状態と遊技球の進入を阻止する進入阻止状態とをとる可変入賞装置(大入賞装置433に相当)が備えられており、当該許容状態の変化は可変入賞装置の内部に設けられた進入規制部材の配置変化によって実現されている。
このような遊技機としては、平板状の進入規制部材を遊技盤に平行に配置させて入賞口を進入規制部材によって塞ぐ進入阻止配置と進入規制部材を進入阻止配置から水平回転軸に対して回転させてその上端を前方に突出させた進入許容配置とを取り、上方から流下してくる遊技球を進入規制部材で受け止めて入賞口に誘導する構成や、前後方向に伸びる舌片と当該舌片の前端に垂設された前板とを有する進入規制部材を遊技盤の奥方に配置させて入賞口を前板によって塞ぐ進入阻止配置と進入阻止配置から開閉部材を前方に移動させた進入許容配置とを取り、上方から流下してくる遊技球を進入規制部材で受け止めて入賞口に誘導したり引き込んだりする構成(例えば、特許文献1参照)が挙げられる。
従来の典型的な遊技機の場合、上方から流下してくる遊技球が一旦入賞口に進入したにも拘わらず、飛び跳ねて可変入賞装置から排出されてしまうという事態が発生してしまっていた。
さらに、ユーザを飽きさせないために、複数の大入賞モードを準備しておき、対応する複数の誘導通路を設け、相違する大入賞モードであることをユーザに視認させることが好ましい。一方で、遊技球が大入賞用の誘導通路に誘導されたことをできる限りユーザに視認させたいという要望がある。しかしながら、上下方向に2つ誘導通路を並べると、間に緩衝機構を設置できないため、下側の誘導通路に対する遊技球の跳ね返りが大きくなり、一旦誘導通路に進入した遊技球が不意に排出されてしまう場合が生じる。また、水平方向に2つの誘導通路を並べた場合、勢いによって開口部を飛び越えることがあり、遊技球をモードに応じた誘導通路へ確実に振り分けることが困難であった。
可変入賞装置(大入賞装置433)において、進入許容配置において遊技球の跳ね返りによる意図しない排出を防止する観点からは、以下の発明A群を抽出でき、1つの誘導通路(第2誘導通路32)に誘導された遊技球を水平方向に並ぶ2つの分岐誘導通路(分岐誘導通路32A,32B)へ、サブモードに応じて別々に誘導するという観点からは以下の発明B群及びC群を抽出できる。
<発明A群>
特徴A1:
上方向から落下する遊技媒体を通過させる開口部(開口部31)と、前記遊技媒体の進行方向へ向けて下がる傾斜を有する底面部(誘導受面33)と、前記遊技媒体の進行方向に沿って設けられた第1及び第2の壁部(前面被覆板10及び等幅凹み71)と、前記第2の壁部から前記第1の壁部へ向かう方向を第1方向(前方向)、当該第1方向の反対を第2方向(後方向)とするとき、前記開口部から落下する前記遊技媒体を前記第2方向へ誘導する誘導部(誘導傾斜板35)とを有し、前記第2の壁部は、前記開口部よりも第2方向側に位置している、ことを特徴としている。
ここで、一旦開口部に進入した遊技媒体が大きな跳ね返りにより排出されてしまう原因は、以下の2つである。1つめは、底面に対してほぼ垂直に衝突し、大きく跳ねること。2つめは、既に誘導通路内を進行している遊技媒体に衝突し、大きく跳ねること。
特徴A1を有する遊技機であれば、流下する遊技媒体の跳ね返る方向を誘導部によって散らすことができると共に、第2の壁部が開口部よりも第2方向側に位置するため、底面に対して垂直方向に跳ねると第2の壁部の天井部分に衝突するため、開口部から排出されてしまうことを防止することができる。また、誘導通路内の遊技媒体が第2方向側に誘導されているため、遊技媒体同士が衝突しても上方向に大きく跳ねることがなく、遊技媒体が開口部から排出されてしまうことを防止することができる。
特徴A2:特徴A1において、前記誘導部(誘導傾斜板35)は、少なくとも一部(右誘導傾斜板35a)が底面部から遊技媒体の直径以下の位置に設けられている、ことを特徴としている。
特徴A2を有する遊技機であれば、誘導部から開口部までの距離が長いため、遊技媒体が誘導部に衝突して跳ね返っても、遊技媒体が開口部まで到達できにくくなり、遊技媒体が開口部から排出されてしまうことを防止することができる。
特徴A3:特徴A1又はA2において、前記誘導部(誘導傾斜板35)は、前記第1の壁部(前面被覆板10)から第2方向(後方向)へ向けて下向きに傾斜する傾斜板である、ことを特徴としている。
特徴A3を有する遊技機であれば、開口部から流下する遊技媒体を後方向へ向けて良好に誘導することができる。
特徴A4:特徴A1からA3のいずれかにおいて、前記誘導部(誘導傾斜板35)は、前記開口部(開口部31)の幅から前記遊技媒体の幅を差分した差分値よりも大きい幅で形成されている、ことを特徴としている。
特徴A4を有する遊技機であれば、開口部から流下する遊技媒体を確実に誘導部に衝突させることができる。
特徴A5:特徴A1からA4のいずれかにおいて、前記傾斜板(誘導傾斜板35)は、前記底面にほぼ平行に設置された第1の傾斜部(右誘導傾斜板35a)と、前記開口部における前記進行方向(左方向)端部近傍に設けられ、前記進行方向と逆の逆進方向へ向けて傾斜する第2の傾斜部(左誘導傾斜板35b)とを有する、ことを特徴としている。
なお、上記において、「近傍」とは、遊技媒体の直径と同一程度の距離範囲を意味する。
特徴A5を有する遊技機であれば、開口部において遊技媒体同士の衝突が生じやすい進行方向端部近傍に流下する遊技媒体を、より逆進方向へと誘導することができるため、遊技媒体同士の衝突を減少させることができる。
特徴A6:特徴A1からA5のいずれかにおいて前記底面部は、前記開口部の逆進方向(右方向)端部近傍から、進行方向(左方向)へ向けて、下流側の一部に比べて急峻に下がる傾斜(誘導受面34)を有する、ことを特徴とする。
特徴A6を有する遊技機であれば、開口部逆進方向端部までの距離が長いため傾斜によって跳ね返ることによる排出の恐れが小さく、誘導通路(第2誘導通路32)の進行距離の長い遊技媒体を速やかに進行方向へ向けて誘導できる。
特徴A7:特徴A1からA6のいずれかにおいて前記底面部は、前記開口部における前記進行方向端部近傍において、前記逆進方向端部近傍よりも広い幅を有する、ことを特徴とする。
特徴A7を有する遊技機であれば、開口部において遊技媒体同士の衝突が生じやすい進行方向端部近傍において、誘導通路内を進行する遊技媒体の逃げ場を形成することができ、遊技媒体同士の衝突を減少させると共に、遊技媒体の中心同士の衝突を避けて衝突時の跳ね返りを小さくできる。
なお、特徴A7における底面部の構成に代えて、底面部を少なくとも一部とする遊技球の誘導経路、又は、第1の壁部と第2の壁部との間隔は、開口部の下側であって遊技球の進行方向下流側部分において上流側部分よりも広い幅を有する遊技機としても良く、この場合でも、特徴A7と同様の効果を奏する遊技機となる。
特徴A8:特徴A1からA7のいずれかにおいて前記底面部並びに前記第1及び第2の壁部は、前記開口部における前記進行方向の端部よりも延長され、当該延長された部分において、遊技媒体を通過したことを検出する検出手段(大入賞スイッチ)が設けられ、前記進行方向端部近傍において一旦広くなった底面部は、前記検出手段に向けて幅を狭くする、ことを特徴としている。
特徴A8を有する遊技機であれば、遊技媒体同士の衝突確率を低減しつつ、遊技媒体を検出手段へスムーズに誘導できる。
特徴A9:特徴A1からA8のいずれかにおいて前記第2の壁部は、下部及び上部のうち、少なくともいずれか一方が傾斜を有することを特徴としている。
特徴A9を有する遊技機であれば、傾斜によって遊技媒体の跳ね返りの角度を調整し、遊技媒体が開口部から排出されることを防止できる。
<発明B群>
特徴B1:傾斜を有し進行方向へ向けて遊技媒体が進行する誘導通路(第2誘導通路32)と、前記誘導通路の後段(又は下流側若しくは遊技媒体の進行方向先端側)であって、前記誘導通路の延長線上からずれた位置に設けられた第1の開口部(開口部62)と、前記第1の開口部の後段(又は下流側若しくは遊技媒体の進行方向先端側)に設けられた第2の開口部(開口部63)と、前記第1の開口部を開閉可能な可動式の開閉蓋部(誘導シャッタ64)と、前記誘導通路と前記第1の開口部との間に設けられ、前記遊技媒体の方向を変化させる方向変換部(方向変換部81)とを有することを特徴としている。
特徴B1を有する遊技機であれば、方向変換部によって方向を変化させることにより、遊技媒体の速度を低下させることができるため、開閉蓋部が開状態のときには第1の開口部に遊技媒体を誘導できる一方、開閉蓋部が閉状態のときには第2の開口部へ遊技媒体を誘導できる。
なお、特徴B1における第1の開口部を開閉可能な可動式の開閉蓋部は、第1の開口部内に遊技球を進入可能とする開状態と、第1の開口部内への遊技球の進入を不可とする閉状態とを形成する動作部材であれば良く、閉状態において第1の開口部を完全に閉じる構成に限定されるものでない。
特徴B2:特徴B1において前記第1の開口部及び第2の開口部は、前記進行方向に対して平行な方向に並べて配置されている、ことを特徴としている。
特徴B2を有する遊技機であれば、方向を変化させた遊技媒体の直線上に第2の開口部がないため、遊技媒体が勢い余って一旦第1の開口部を飛び越えた場合であっても、第2の開口部に到達するには壁部などに衝突して進路を変化させて再度第1の開口部上を通過する際に再度遊技媒体を第1の開口部へ誘導できる。
特徴B3:特徴B1又はB2において前記方向変換部は、前記進行方向に対して略30〜60°傾斜する傾斜面を有する、ことを特徴としている。
特徴B3を有する遊技機であれば、進行方向の変化具合と、要するスペースとのバランスが良く、小さいスペースで第1の開口部へ確実に誘導する効果を得られる。
特徴B4:特徴B1からB3のいずれかにおいて前記方向変換部は、前記進行方向に平行な平行面と、底面とを有し、前記傾斜面(傾斜面81b)、平行面(平行面81a)及び底面(底面81c)は、なだらかな曲面状に接続されている、ことを特徴としている。
特徴B4を有する遊技機であれば、なめらかに遊技媒体の方向を変化させることができると共に、接触面積を増大させて摩擦による速度低減効果を増大させることができる。
特徴B5:特徴B4において前記底面と接続され、前記底面に向かって僅かに下がる傾斜が設けられた中継板を有する、ことを特徴としている。
特徴B5を有する遊技機であれば、変化後の遊技媒体の進行方向に対して僅かに上る傾斜により、遊技媒体の速度を低減することができる。
特徴B6:特徴B4又はB5において前記底面(底面81c)は、前記誘導通路が有する傾斜と同様の傾斜を有する、ことを特徴としている。
特徴B6を有する遊技機であれば、誘導通路からの接続をなめらかにできる。
<発明C群>
特徴C1:傾斜を有し進行方向へ向けて遊技媒体が進行する誘導通路(第2誘導通路32)と、前記誘導通路の後段に設けられた第1の開口部(開口部62)と、前記第1の開口部の後段に設けられた第2の開口部(開口部63)と、前記第1の開口部を開閉可能な可動式の開閉蓋部(誘導シャッタ64)とを有し、前記第1の開口部は、前記誘導通路に対して傾斜して設けられ、前記開閉蓋部は、前記進行方向へ向けて下がる傾斜が設けられている、ことを特徴としている。
特徴C1を有する遊技機であれば、遊技媒体を第1の開口部へ誘導したいときには、開閉蓋部を開状態にすると、誘導通路と第1の開口部との間に遊技媒体を迎えるような傾斜が形成されるため、第1の開口部へ遊技媒体を誘導しやすくできる。一方、遊技媒体を第2の開口部へ誘導したいときには、開閉蓋部が有する傾斜により、遊技媒体に対して開閉蓋部上をスムーズに通過させて第2の開口部へ誘導することができる。
特徴C2:特徴C1において前記開閉蓋部は、前記誘導通路が有する傾斜とほぼ同一角度の傾斜が設けられている、ことを特徴としている。
特徴C2を有する遊技機であれば、誘導通路と開閉蓋部の傾斜がほぼ同一なため、遊技媒体をスムーズに第2の開口部へ誘導することができる。
特徴C3:特徴C1又はC2において前記第2の開口部は、前記第1の開口部よりも下方向に位置する、ことを特徴としている。
特徴C3を有する遊技機であれば、遊技媒体の勢いが小さい場合であっても、遊技媒体を滞留させること無く第2の開口部へ誘導することができる。
特徴C4:特徴C1からC3のいずれかにおいて前記第1の開口部は、前記進行方向側の縁に突部(突部66)を有することを特徴としている。
特徴C4を有する遊技機であれば、進行方向である左下方向へ進む遊技媒体を突部に引っ掛けさせて第1の開口部に誘導できる。
特徴C5:特徴C1からC4のいずれかにおいて前記第1及び第2の開口部を隔てる離隔壁部(離隔壁部68)上には、前記第1の開口部の縁に設けられた突部(突部66)から、第2の開口部に向かって下がるように傾斜(テーパ部67)が設けられている、ことを特徴としている。
特徴C5を有する遊技機であれば、第1の開口部が開状態のときには、進行方向である左下方向へ進む遊技媒体を突部に引っ掛けさせて第1の開口部に誘導できる一方、第1の開口部が閉状態のときには、遊技媒体の進行方向へ向けたなだらかな傾斜を形成して遊技媒体を第2の開口部になめらかに誘導できる。
なお、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6及び特徴C1〜C5に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。