以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る弾球遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機PMを図1〜図3に示しており、まず、この図を参照してぱちんこ遊技機PMの全体構成について説明する。なお、以降の説明においては
、便宜上、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
[遊技機の全体構成]
始めに、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2の前面側には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラス5aを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、図3に示すように、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レール21と、外レール21の内側において左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レール22と、外レール21の右上部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾り23とを備えており、外レール21と内レール22とレール飾り23とで囲まれた内側に略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール21と内レール22とにより、後述の発射機構150により打ち出された遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路24が形成される。この案内通路24における遊技球の出口開口の近傍位置、すなわち、内レール22の先端部に、案内通路24を通って出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路24へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁25が配設されている。
遊技領域PAには、図3では詳細な図示を省略しているが、多数本の遊技釘や風車等とともに、第1始動口、第2始動口、作動ゲート、大入賞口、一般入賞口等の各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置、第2特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、演出表示装置等の各種表示装置などが配設されている。遊技領域PAの略中央にはセンター役物26が配設されており、このセンター役物26の中央開口を通して演出表示装置27の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には、各種入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口29が設けられている。
ガラス枠5の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿6及び下球皿7)が設けられる。ガラス枠5の上部には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ11や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生させるスピーカ8が設けられている。ここで、下球皿7は、ガラス枠5の左右の中心に対して左側に寄って配置されている。これにより、下球皿7の正面右側には空きスペースが形成され、その部分に所定の演出操作を行うためのボタンやスイッチ、ダイヤル等の演出操作手段12などが取り付けられる。
前枠2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル9が設けられている。前枠2の下部には、図3に示すように、ガラス枠5の背後において遊技盤20と上下に整合し得る位置に遊技補助盤(40)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤40の各部に、上球皿6に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構100(図5等を参照)、球送り機構100から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す
発射機構150、球送り機構100及び発射機構150の作動を制御する発射制御基板180などが設けられている。
続いて、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が取り付けられている。裏セット盤30の各部には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンク33、貯留タンク33からの遊技球を流下させる樋部材34、樋部材34により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット35、賞球払出ユニット35から払い出された遊技球を上球皿6又は下球皿7へ流下させる裏側通路部材36などが設けられている。
遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板51や、演出全般の制御を行う演出制御基板52(図4を参照)、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板53(図4を参照)などが取り付けられている。なお、本実施形態では、演出制御基板52および画像制御基板53は、演出表示装置(液晶表示装置)27と一体化されたアッセンブリ状態で液晶ユニット28を構成している。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板54や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(図示せず)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
続いて、図4は、ぱちんこ遊技機PMの電気的な概略構成を示すブロック図である。前述したように、ぱちんこ遊技機PMには、主制御基板51、演出制御基板52、画像制御基板53、払出制御基板54、発射制御基板180などが搭載されている。
主制御基板51は、上記第1始動口への遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ61、上記第2始動口への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ62、上記作動ゲートへの遊技球の通過を検出する作動ゲートスイッチ63、上記大入賞口への遊技球の入球を検出する大入賞口スイッチ64、上記一般入賞口への遊技球の入球を検出する一般入賞口スイッチ65等と電気的に接続されている。また、主制御基板51と演出制御基板52との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板51から演出制御基板52へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板51から演出制御基板52へ各種の演出制御コマンドが送信される。また、主制御基板51は、払出制御基板54と電気的に接続され、払出制御基板54との間で双方向通信が可能となっている。また、主制御基板51は、発射制御基板180と電気的に接続され、主制御基板51から発射制御基板180へ一方向通信が可能となっている。
演出制御基板52は、画像制御基板53と双方向通信が可能となるように接続されており、画像制御基板53に対して画像および音響を指示する画像制御コマンドを送信する。また、演出制御基板52は、演出ランプ11及び演出操作手段12等と電気的に接続されており、演出ランプ11を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信するとともに、遊技者の操作に応じて演出操作手段12からの操作入力信号を受信する。
画像制御基板53は、演出表示装置27及びスピーカ8等と電気的に接続されており、演出制御基板52からの指示(画像制御コマンド)に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置27に送信す
るとともに、演出制御基板52からの指示(画像制御コマンド)に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ8に送信する。また、画像制御基板53は、演出制御基板52からの画像制御コマンドに対する応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)を演出制御基板52へ送信する。
払出制御基板54は、賞球払出ユニット35及び貸球操作装置(図示せず)等と電気的に接続されており、主制御基板51からの払出制御コマンドに基づき、或いは、貸球操作装置からの操作信号に基づき、賞球払出ユニット35を作動させて、遊技球を上球皿6又は下球皿7に払い出す制御を実行する。
発射制御基板180は、発射ハンドル9、球送り機構100、発射機構150等と電気的に接続されており、発射ハンドル9からの操作信号に基づき、球送り機構100と発射機構150とを同期的に作動させて、遊技球を発射する制御を実行する。このとき、主制御基板51では、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合、発射制御基板180に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合、発射制御基板180に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、遊技球を上球皿6に貯留させて発射ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル9が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球が、球送り機構100によって1球ずつ発射機構150に送り出され、該発射機構150により遊技領域PAに向けて打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口、第2始動口、大入賞口、一般入賞口のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット35により上球皿6又は下球皿7に払い出される。本例では、第1始動口又は第2始動口に入賞した場合の賞球数は「3個」、大入賞口に入賞した場合の賞球数は「15個」、一般入賞口に入賞した場合の賞球数は「10個」である。また、遊技球が第1始動口又は第2始動口に入球すると、特別図柄遊技の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(変動開始条件)が成立する場合、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置27において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、特別遊技に移行し、大入賞口の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技(大当り遊技)として、当選した大当り種別(大当り図柄)に応じて、規定ラウンド数の異なる複数種の特別遊技のうちの何れかが展開される。特別遊技は、大入賞口(特別電動役物)の1又は複数回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。
かかる構成のぱちんこ遊技機PMにおいて、正常な遊技では、原則として各種入賞口への遊技球1球の入球につき1回の入賞が検出されるものであるが、近年においては、各種入賞口へ入球した遊技球を不正に操作することで連続入賞を検出させる不正入賞行為(俗
に「糸吊りゴト」と称される)が頻発している。この代表的な手口を概説すると、まず、釣糸などの線材の一端側に遊技球を固着し、この線材の他端側を不正行為者自身が手で掴み、このような細工を施した遊技球(「不正球」とも称する)を発射機構150により遊技領域PAへ打ち出す。この不正球が遊技領域PAまで達すると、線材を操作して或いは外部から強力な磁石などを用いて不正球を入賞口まで誘導して該入賞口に入球させる。そして、線材を手前側に引っ張ったり(引き込んだり)奥側へ送り込んだりする操作を繰り返すことで、不正球を入賞口スイッチにて何度も検出させて(典型的には不正球を通過型センサに何度も通過させて)連続入賞を獲得する。これが近年において頻発している不正球を利用した不正入賞行為の概要である。なお、最近では不正の手口が巧妙化しており、不正球を上球皿6に投入することで該不正球を球送り機構100を介して発射機構150へ送り出す典型的な手口の他、不正球を下球皿7から機内の通路(ファール球通路)を逆流させて該不正球を球送り機構100を介さずに発射機構150へ送り出す手口も発見されている。
そこで本実施形態においては、上記のような糸吊りゴトと称される不正入賞行為を防止すべく、かかる構成のぱちんこ遊技機PMにあって、遊技補助盤40および内レール22に不正防止構造が設けられている。それでは以下において、本実施形態に係る不正防止構造として、(A)遊技補助盤40に適用された不正防止構造、及び(B)内レール22に適用された不正防止構造について具体的に説明する。なお、図面上では、遊技球(不正球を含む)を符号「B」で表し、線材を符号「L」で表す。
[A.遊技補助盤に適用された不正防止構造]
まず、図5〜図19を追加参照して、遊技補助盤40に適用された不正防止構造について説明する。
遊技補助盤40には、上球皿6に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構100、球送り機構100から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す発射機構150、球送り機構100及び発射機構150の作動を制御する発射制御基板180、発射機構150により打ち出されて遊技領域PAへ到達できずに戻ってきた遊技球(「ファール球」と称する)を下球皿7に回収するためのファール球回収機構200などが設けられている。
<球送り機構>
球送り機構100は、図9〜図11に示すように、ガラス枠5と前後に対向する前ケース部材110と、発射機構150と前後に対向する後ケース部材120と、遊技球を1球ずつ発射機構150へ送り出す球送り部材130と、球送り部材130を揺動させる球送りソレノイド140とを有して構成される。
前ケース部材110及び後ケース部材120は、共に無色透明な樹脂材料(例えばポリカーボネート)を用いて射出成形等の成形手段により形成されている。前ケース部材110及び後ケース部材120は、それぞれの四隅に形成された係合部同士を係合させることで、箱形に組み合わされて一体化される。各ケース部材110,120の内部には、上球皿6から流下した遊技球を1球ずつ発射機構150へ送り出すための球送り通路101が形成されている。
前ケース部材110は、後ケース部材120の前面開口を閉止可能な板状に形成されている。前ケース部材110の前面には、球送り通路101の上流端に開口し、ガラス枠5に前後貫通して設けられた連通穴(図示せず)と連絡して上球皿6から流下する遊技球を受け入れるための球入口111が形成されている。また、前ケース部材110の前面には、球送り部材130に形成された揺動ストッパ134が挿通される長穴状の揺動規制穴1
12が形成されている。
後ケース部材120は、前面に開口を有する矩形箱状に形成されている。後ケース部材120には、球送り通路101の底面をなす通路床部121が形成されている。後ケース部材120の内面側には、球送り通路101の下流端に達した遊技球を発射機構150の発射レール173上に導くための球出口122が形成されている。また、後ケース部材120の内面には、球送り部材130の軸部135と係合して該球送り部材130を揺動自在に支持する支持穴123が形成されるとともに、球送りソレノイド140が固定されるソレノイド取付部124が形成されている。また、球出口122の左側縁部には、ブロック状のガイド部125が後方に突出して形成されており、球出口122を通過する遊技球の側方を案内するようになっている。後ケース部材120の下端には、下方に突出する固定爪126が形成されており、発射機構150の外周部前方を覆う発射機構カバー(図示せず)の下部にこの固定爪126が係止されることで、球送り機構100が発射カバー(発射機構150)に固定されるようになっている。
球送り部材130は、図11に示すように、樹脂材料を用いて図示する形状に形成され、球受容部131、球送りレール部132及び棹部133を有して構成される。球送り部材130は、各ケース部材110,120の内部に軸部135を中心として揺動自在に取り付けられる。球送り部材130の側部には、前ケース部材110の揺動規制穴112に挿通される突起状の揺動ストッパ134が設けられており、この揺動ストッパ134が揺動規制穴112に沿って移動可能な範囲内で球送り部材130の揺動が許容される。それにより、球送り部材130は、球出口122を閉止する球出口閉止位置と、球出口122を開放する球出口開放位置との間で揺動可能に構成される。
球受容部131は、球出口閉止位置に揺動すると、球送り通路101を開通するように右方へ変位し、球送り通路101を流下する遊技球を1球だけ受け入れて保持する。また、球受容部131は、球出口開放位置に揺動すると、球送り通路101を閉止するように左方へ変位し、保持した遊技球を球送りレール部132(球出口122)へ向けて送るとともに、球送り通路101を流下する遊技球を堰き止める。
球送りレール部132は、基端部が球受容部131の下部に繋がるとともに、先端部が球出口122から後方外方へ突出して延びる板状に形成されている。球送りレール部132は、球出口閉止位置に揺動すると、球出口122を閉止するように右方に変位する。また、球送りレール部132は、球出口開放位置に揺動すると、球出口122を開放するように左方に変位し、球受容部131から送られた遊技球を発射機構150の発射レール173上に流下させる。なお、球送りレール部132の上面は、先端部(後端部)に向けて下傾するだけでなく、左側のガイド部125に向けても下傾しており、遊技球がガイド部125に沿って球送りレール部132上を流下するようになっている。
棹部133は、球受容部131の下端から下方へ延びる棒状に形成されている。棹部133の内部には、永久磁石136が取り付けられている。
球送りソレノイド140は、各ケース部材110,120の内部において棹部133の近傍に配設されている。球送りソレノイド140には、ソレノイド制御基板(図示せず)が電気的に接続されており、ソレノイド制御基板から出力された駆動信号により球送りソレノイド140が駆動される。球送りソレノイド140がオン作動すると(通電状態になると)、球送りソレノイド140から発生した磁力を受けて、永久磁石136が球送りソレノイド140に反撥し、球送り部材130が球出口閉止位置に揺動する。一方、球送りソレノイド140がオフ作動すると(非通電状態になると)、球送りソレノイド140からの磁力が消失し、球送り部材130が重力の作用により降下して球出口開放位置に揺動
する。
<発射機構>
発射機構150は、図9に示すように、遊技球を発射する発射機構部160と、発射機構部160により発射された遊技球を外レール21(案内通路24)に案内する発射レール部170とを備えて構成される。この発射機構150は、図5等に示すように、球送り機構100の後面側に重なって配設されている。
発射機構部160は、盤面とほぼ平行な面内で揺動可能に設けられて遊技球を打ち出すハンマ161と、このハンマ161を揺動させる発射ソレノイド163とを備えている。
発射レール部170は、遊技補助盤40の発射装置取付部41に取り付けられるベースプレート171と、このベースプレート171に取り付けられて斜め上方に延びる横断面がV字形の発射レール173と、発射レール173のレール面と対向して設けられ遊技球を発射レール173の傾斜下端に位置する打撃位置(発射位置)に留置するガイドホルダ175とを備えている。
ベースプレート171は、平板状に形成されており、遊技補助盤40の発射装置取付部41にビス止め固定される。ベースプレート171の前面には、ハンマ161を弾性的に受け止める二つのストッパ165,166が取り付けられている。発射レール173は、右下端における遊技球の打球位置から外レール21と内レール22との間の案内通路24に向けて(すなわち外レール21の下端近傍のレール面よりも上方に向けて)左斜め上方に延びて設けられている。
発射ソレノイド163は、ベースプレート171の後面側にビス止め固定され、その本体部分がベースプレート171の後面側に突出している。発射ソレノイド163の可動鉄芯164は、ベースプレート171に前後貫通された鉄芯挿通孔172を通してベースプレート171の前面側に達するように構成されており、この可動鉄芯164にハンマ161が連結されている。このようにして、ハンマ161はベースプレート171の前面側に取り付けられ、発射ソレノイド163の作動により可動鉄芯164を揺動軸として、発射レール173上にセットされた遊技球を打球可能な打球位置と、該打球位置から右下方に退避した待機位置との間で揺動可能に構成される。すなわち、ハンマ161は、右方の待機位置から左方の打球位置への揺動により遊技球を遊技領域PAに向けて発射可能となっている。具体的には、発射ソレノイド163がオン作動すると(通電状態になると)、発射ソレノイド163の駆動力を受けてハンマ161が待機位置から打球位置へ揺動し、発射ソレノイド163がオフ作動すると(非通電状態になると)、ハンマ161が重力の作用を受けて打球位置から待機位置へ揺動する。
<発射制御基板>
発射制御基板180は、矩形板状のプリント配線板を基板とし、このプリント配線板に各種の電気・電子部品が実行されて発射制御回路が形成されている。この発射制御基板180は、発射ハンドル9(具体的には該ハンドル内に装備されたポテンショメータやタッチセンサなど)と電気的に接続されており、遊技者による発射ハンドル9の回動操作量に応じた操作信号に基づき、発射ソレノイド163の作動を制御する。発射制御基板180は、無色透明の樹脂材料を用いて矩形箱状に形成された発射基板ケースに収容保持された状態で遊技補助盤40の発射装置取付部41にビス止め固定される。
<ファール球回収機構>
ファール球回収機構200は、図12〜図17に示すように、遊技補助盤40に着脱される補助盤カバー210と、補助盤カバー210に設けられて一方向にのみ遊技球の通過
を許容する上下の逆止弁250,270と、補助盤カバー210の上端部に設けられた切断部材290とを主体に構成されている。
補助盤カバー210は、無色透明の樹脂材料を用いて全体として後面開放の矩形箱状に形成されている。この補助盤カバー210は、前面側に配置される基壁211と、この基壁211の周縁から後方に向けて立設される上下左右の側壁212,213,214,215とを備えている。補助盤カバー210の後面側には、該カバー内における通路部分(後述の発射通路230及びファール球通路240,260)を区画するための仕切壁220が設けられている。この補助盤カバー210は、複数本のビス(図示せず)を用いて、遊技補助盤40の補助盤カバー取付部42に着脱可能に取り付けられ、発射機構150(発射レール173)の上端と遊技盤20(案内通路24)の下端との間に配設される。
補助盤カバー210の上側の側壁212には、案内通路24の下端と略上下に対向する上端開口216が貫通形成されている。補助盤カバー210の右側の側壁215には、発射レール173の上端部に近接して、発射機構150により打ち出された遊技球を通過させる発射ガイド口217が形成されている。補助盤カバー210の下側の側壁213には、下方に開口した球排出口218を有する上側ダクト219が形成されている。この球排出口218は、補助盤カバー取付部42に揺動自在に設けられた開閉弁46により開閉可能に構成されている。
補助盤カバー210には、右側方の発射ガイド口217と上方の上端開口216とを繋いで右斜め上方に傾斜して延びる発射通路230が形成されており、発射機構150により打ち出された遊技球が発射通路230を通過可能に構成されている。なお、この発射通路230は、発射機構150の発射レール173と略平行に設けられている。
また、補助盤カバー210には、二つのファール球通路、具体的には、案内通路24から戻ってきて上端開口216に落入した遊技球を球排出口218へ導くための上側ファール球通路240と、発射通路230を越えられずに戻ってきた遊技球を球排出口218へ導くための下側ファール球通路260とが設けられている。各ファール球通路240,260は、遊技球が1球通過できる通路幅(遊技球1個分の直径よりも広く且つ遊技球2個分の直径よりも狭い通路幅)に形成されている。
上側ファール球通路240は、上端開口216に連通して左右方向に延びる第1通路241と、第1通路241に繋がり前後方向に延びる第2通路242とを有して、全体として略L字状に屈曲した通路として構成されている。第1通路241の下面をなす第1上側傾斜面241aと、第2通路242の下面をなす第2上側傾斜面242aとは、互いに連続的に繋がり、且つ、上流側から下流側に向けて下り傾斜しており、これらの傾斜面241a,242aに沿って遊技球(ファール球)が流下可能となっている。なお、第1傾斜面241aは、図7に示すように、仕切壁220に形成された前側傾斜面221と補助盤カバー取付部42に形成された後側傾斜面43とが略面一状態となるよう前後に組み合わされて構成されており、これらが一体となって第2上側傾斜面242aに繋がっている。そして、第1通路241と第2通路242との接続部分に、遊技球の逆流方向の通過を防止するための逆止弁250が取り付けられている。
逆止弁250は、上側ファール球通路240(第2通路242)を閉鎖可能な大きさの扉形に形成され、上側の側壁212に設けられた支軸部251を中心として上下に揺動自在に枢結されている。逆止弁250は、通常時には、上側ファール球通路240内において自重により垂下して上側ファール球通路240を閉鎖する中立姿勢(略垂直姿勢)に保持されている。ここで、上側ファール球通路240の閉鎖とは、該ファール球通路240を完全に閉鎖する意味に限定されず、遊技球の逆戻りを妨げる程度の閉鎖状態を含む概念
で用いている。このとき、上側の側壁212には、支軸部251よりも右側に位置して中立姿勢(略垂直姿勢)にある逆止弁250の上端部と左右方向に近接して対峙する制止壁212aが設けられている。そのため、逆止弁250は、中立姿勢から左方(下流方向)への揺動は許容されるが、中立姿勢から右方(上流方向)への揺動は制止壁212aに当接して規制される。従って、遊技球が上流側の第1通路241から下流側の第2通路242へ流下する場合は、逆止弁250が中立姿勢から下流側に向けて揺動することで、遊技球の通過(正流方向の通過)が許容される。一方、遊技球が下流側の第2通路242から上流側の第1通路241へ逆流する場合は、逆止弁250が制止壁212aに当接して中立姿勢に保持されることで、遊技球の通過(逆流方向の通過)が規制される。
上側ファール球通路240(第2通路242)は、図7に示すように、補助盤カバー取付部42の前面側に形成された排出通路44と前後に連通している。この排出通路44は、略鉛直方向に延びており、その下端において上側ダクト219と前後に連通している。この上側ダクト219の球排出口218は、前述したように、補助盤カバー取付部42に設けられた開閉弁46により開閉可能に構成されている。具体的に、ガラス枠5が開放されているときは、開閉弁46が不図示のバネにて前方に付勢されて球排出口218は閉止され、ガラス枠5が開放されているときは、ガラス枠5の背面に突出して設けられた下側ダクト(図示せず)により開閉弁46が後方に押圧されて球排出口218が開放される。球排出口218が開放されている状態では、この球排出口218から下方に排出された遊技球は下側ダクト内に落入するようになっている。下側ダクトは、ガラス枠5に表裏貫通して形成された下球皿通路(図示せず)に連通している。そのため、下側ダクトに落入した遊技球は、ガラス枠5の後面側から前面側へ通過して、該ガラス枠5の前面側に設けられた下球皿7に供給されるようになっている。このように上端開口216に落入した遊技球(ファール球)は、上側ファール球通路240→排出通路44→上側ダクト219→下側ダクト(図示せず)→下球皿通路(図示せず)→下球皿7といった順に、機内に形成された各流路を流下する。
一方、下側ファール球通路260は、発射通路230の下端部に連通しており、該発射通路230の下端部から左方に延びて上側ダクト219の球排出口218に連通している。下側ファール球通路260の下面をなす下側傾斜面261は、発射通路230の下端部から上側ダクト219に向けて下り傾斜しており、発射通路230を越えずに流下した遊技球(ファール球)を上側ダクト219に誘導するようになっている。このように、発射通路230から戻ってきた遊技球(ファール球)は、下側ファール球通路260→上側ダクト219→下側ダクト(図示せず)→下球皿通路(図示せず)→下球皿7といった順に、機内に設けられた各流路を流下する。
下側ファール球通路260の途中には、遊技球の逆流方向の通過を防止するための逆止弁270が取り付けられている。逆止弁270は、通常時には下側ファール球通路260内にて自重により垂下して該ファール球通路260を閉鎖する中立姿勢(略垂直姿勢)に保持されている。ここで、下側ファール球通路260の閉鎖とは、該ファール球通路260を完全に閉鎖する意味に限定されず、遊技球の逆戻りを妨げる程度の閉鎖状態を含む概念で用いている。図18に示すように、逆止弁270の上端部には板幅方向(前後方向)に突出する一対の軸部271が形成されており、この一対の軸部271が仕切壁220にビス止め固定される弁取付部材280と該弁取付部材280の前面側に着脱可能に取り付けられる弁蓋部材281とに跨って枢結されることで、該逆止弁270が軸部271を中心として垂直面内で揺動自在に構成されている。弁蓋部材281の内面には、逆止弁270よりも右側に位置するとともに中立姿勢にある逆止弁270の上端部と左右方向に近接して対峙する制止突起(図示せず)が設けられている。そのため、逆止弁270は、中立姿勢から左方(下流方向)への揺動は許容されるが、中立姿勢から右方(上流方向)への揺動は不図示の制止突起に当接して規制される。従って、遊技球が下側ファール球通路2
60を上流側から下流側へ流下する場合は、該逆止弁270が中立姿勢から下流側に向けて揺動することで、遊技球の通過(正流方向の通過)が許容される。一方、遊技球が下側ファール球通路260を下流側から上流側へ逆流する場合は、該逆止弁270が制止突起に当接して中立姿勢に保持されることで、遊技球の通過(逆流方向の通過)が規制される。
切断部材290は、補助盤カバー210の上側の側壁212に形成された固定部212bに不図示のビスを用いて着脱可能に取り付けられている。切断部材290は、例えば帯板状の金属平板にプレス加工(打ち抜き可能や曲げ加工など)を施して図19等に示す所定形状に形成されている。切断部材290は、補助盤カバー210の上端開口216の近傍に配置された切断刃部291と、切断刃部291の後端縁から立設された支持片部295とを備えて形成される。切断刃部291は、上下に重ね合わされて形成された上側刃部292と下側刃部293とからなり、上側刃部292と下側刃部293との間にV字状の切り込み294が形成されており、この切り込み294に沿った縁部が鋭利な刃状に形成されることで、該切り込み294に入り込んだ線材L(食い込んだ線材L)に接触してこれを切断可能に構成されている。支持片部295には、切断部材290を補助盤カバー210の固定部212bにビス止めするための円孔296が開設されている。切断部材290は、図15に示すように、切断刃部291の切り込み294を上端開口216側に向けて取り付けられており、平面視にて該切り込み294が上側ファール球通路240の幅方向(前後方向)の中心線上の近傍に配置されている。
[B.内レールに適用された不正防止構造]
次に、図20〜図26を追加参照して、内レール22に適用された不正防止構造について説明する。
<内レール>
内レール22は、該レール22の基体となる内レール本体300と、内レール本体300に着脱可能に取り付けられる押さえ部材340と、内レール本体300と押さえ部材340との間に挟持される切断部材350とを備えて構成される。
内レール本体300は、外レール21側に凸を向けて円弧状に湾曲する帯板状の内レール部301と、内レール部301の後縁部に沿って設けられたレール支持部320と、内レール部301の下端に設けられてアウト口29を形成するアウト口形成部330とを備えている。内レール本体300の上端部には、前述の逆戻り防止弁25(図3を参照)が装着される。
内レール部301の上下方向の略中央には、該内レール部301のレール面302から右側方(遊技領域PA側)に向けて凹設されて溝状に開放する凹部310が形成されており、この凹部310内に不正防止具としての切断部材350が着脱可能に取り付けられる。凹部310は、該凹部310の長手方向の両端から中央に向かうほど深くなるように形成されている。この凹部310の底面をなす基底部311は略「く」の字形に屈曲しており、その最深部の近傍には切断部材350の裏面側を支持するための凸状の支持部312が形成されている。基底部311の後端側には、上下に一対の係合溝313がそれぞれ凹設されている。また、凹部310の前壁面には、切断部材350の前端部を嵌挿するための支持溝314が形成されるとともに、切断部材350の前端部の表裏面をそれぞれ支持するための表面側突部315及び裏面側突部316が形成されている。支持部312の近傍には、中心にネジ孔(図示せず)を有した円筒状のネジボス317が形成されている。
レール支持部320は、内レール部301の後端縁に沿って円弧状に湾曲しており、上下方向の略中央部(凹部310と整合する位置)には押さえ部材340を装着するための
空部321が形成されている。そのため、レール支持部320は、空部321が形成されている区間内において前後に抜けている。レール支持部320の後面側には、遊技盤20に前面側に嵌挿される複数の位置決めピン322,323が突出形成されている。
押さえ部材340は、レール支持部320の空部321に対応する形状に形成されており、この空部321に装着されてレール支持部320の一部分を構成する。このようにレール支持部320は空部321が形成された区間において途切れているが、押さえ部材340を空部321に装着することで、レール支持部320と押さえ部材340とがレールの延伸方向に沿って連続的に繋がるように構成されている。押さえ部材340の上端及び下端には、内レール本体300の係合溝313に係合される係合突起341がそれぞれ形成されている。押さえ部材340の前面側には、内レール本体300の基底部311の後面側を挿入するための収容部342が凹設されている。この収容部342には、基底部311の後面側のみではなく、切断部材350の後端部も挿入されるようになっており、これにより切断部材350の両側部(前端部、後端部)が内レール本体300及び押さえ部材340により前後から挟持されることになる。収容部342には、前後に貫通する挿通孔343が形成されており、この挿通孔343に不図示のビスを挿入して内レール本体301のネジボス317に螺着させることで、押さえ部材340が内レール本体300にビス止め固定される。また、押さえ部材340の後面側には、遊技盤20の前面側に嵌挿される位置決めピン344が突出形成されている。
切断部材350は、例えば帯板状の金属平板にプレス加工(打ち抜き可能や曲げ加工など)を施して図21等に示す所定形状に形成されている。切断部材350は、内レール本体300の凹部310内において、先端部が左斜め上方に指向した傾斜姿勢で取り付けられている。切断部材350は、その先端側に鋭利な刃先を有した三つの刃部として、中央刃部351、前側刃部352及び後側刃部353を有している。切断部材350には、各刃部351〜353の間に短手方向(略上下方向)に延びる2カ所の切り込み354が形成されており、この2カ所の切り込み354に挟まれた中央刃部351が案内通路24側へ向けて斜めに折り曲げられることで、線材Lを捕捉しやすい構造となっている。各切り込み354は奥にいくほど開き間隔が狭くなる略V字状に形成されており、この切り込み354に沿った縁部が鋭利な刃状に形成されることで、該切り込み354に入り込んだ線材L(食い込んだ線材L)にせん断力が作用してこれを切断可能に構成されている。なお、中央刃部351の先端は、上方に凸を向けた緩やかな円弧状(山型)に形成されており、この円弧面の作用によって、切断部材350に引っ掛かった線材Lを切り込み354へと誘導するように構成されている。
切断部材350は、図23及び図24等に示すように、内レール部301のレール面302よりも外方(案内通路24側)へ突出することなく、その全体が凹部310内に完全に収容された状態で固定されている。それにより、発射機構150により打ち出されて案内通路24内を通過する遊技球に切断部材350が接触して、遊技球の飛翔を妨げるおそれがない。ここで、図24に示すように、凹部310(基底部311)の最上端Xと最下端Yとを直線的に繋ぐ仮想線Kを考える。この仮想線Kは凹部310の最上端Xと最下端Yとの間を最短距離で繋ぐ直線であるため、最上端Xと最下端Yとの間を外側(左方)に凸を向けて円弧状に繋ぐレール面302よりも内側(右方)に位置することになる。このとき、切断部材350は、凹部310内において仮想線Lと交差する位置関係で配置されている。より具体的には、図24に示す縦断面視において、切断部材340の三つの刃部351〜353がレール面302よりも内側であって仮想線Kよりも外側に配置された位置関係(好適には切り込み354が仮想線Kと交差する位置関係)となっている。そのため、この仮想線Kを釣糸等の線材Lに見立てた場合、該線材Lは切断部材350に接触して(切り込み354内に食い込んで)切断されるものといえる。従って、切断部材350をレール面302よりもはみ出さずに凹部310内に収容しながらも線材Lに対して接触
可能(切断可能)に構成されている。
[不正防止構造の特徴的作用]
次に、本実施形態の理解を容易にするため、ぱちんこ遊技機PMに備えられた不正防止構造の作用について図27〜図29を追加参照して説明する。
まず、通常の遊技において、上球皿6に貯留された遊技球は、球送り機構100により1球ずつ発射機構150(発射レール173上の打球位置)に送り出され、この発射機構150から遊技領域PAへ向けて打ち出される。発射機構150により打ち出された遊技球は、補助盤カバー210に形成された発射通路230を通過した後、外レール21に沿って案内通路24を通過して遊技領域PA内に放出され、この遊技領域PA内を重力の作用を受けて流下する。このとき、内レール22に設けられた切断部材350は、内レール22の凹部310内においてレール面302よりも内側に配設されているため(案内通路24に突出していないため)、案内通路24を通過する遊技球が切断部材350に接触することはなく、遊技球の飛翔を妨害するおそれはない。
一方、不正行為者が線材Lの付いた遊技球(不正球)Bを上球皿6に投入して、上記と同様にして、該不正球Bが発射機構150により打ち出されて遊技領域PA内に放出されると、該不正球Bは重力の作用を受けて遊技領域PA内を流下する一方で、該不正球Bから延びる線材Lは球戻り防止弁25或いは遊技釘などに引掛けられ、そこに繋留された状態となる。図27に示すように、この状態から不正行為者が線材Lを操作すると、案内通路24内に通されている線材Lは、遊技者に引っ張られる張力により内レール22側に引き寄せられる。この内レール22の略中央部には凹部310が形成されており、内レール22側に引き寄せられた線材Lは凹部310内に入り込む。本実施形態では、内レール22の略中央部(最も左方外方に突き出た部分)に凹部310を配置しているため、線材Lを引っ張ったときに、該線材Lが凹部310内に寄り易くなるように構成されている。ここで、凹部310内には切断部材350が取り付けられており、凹部310内に入り込んだ線材Lは切断部材350の刃部351〜353(切り込み354)に接触する。そして、不正行為者が不正球Bを操作すべく線材Lを引っ張ったり送り込んだりすると、その線材Lが切り込み354内に食い込んで切断されるため、不正球Bから線材Lを分断して不正な操作を抑止することができる(該線材Lを切り込み354内に挟み込んで該線材Lの移動を拘束するものでもよい)。
ここで近年では、このような不正行為を防止すべく、球送り機構100に不正防止具(切断部材)を取り付けて、不正球Bを球送り機構100から発射機構150へ送り出す際に、不正球Bに付けられた線材Lを切断する技術も実用化されつつある(後述の第3変形例を参照)。しかしながら、不正行為者は、それに対抗するため、不正球Bを上球皿6ではなく下球皿7から機内に侵入させて、不正球Bに付けた線材L(その場合には例えばストローやチューブといったある程度の剛性を有する線材)を操作することで、この不正球Bを球送り機構100を介さずにファール球通路240,260から直接、発射機構150(発射レール173上の打球位置)に送り込む事例も見つかっている。そこで、そのような不具合を是正すべく、本実施形態では、不正球をファール球通路240,260において逆流させる(下流側から上流側へ通過させる)のを防止するための上下の逆止弁250,270が設けられている。
具体的に、図28に示すように、不正行為者が不正球Bに付けられた線材Lを操作して、上側ファール球通路240内において不正球Bを逆止弁250に下流側から押し当てて上流側に開放させようとしても、逆止弁250は制止壁212aに当接して上流側への開放が規制される(中立姿勢に保持される)ため、該不正球Bを上側ファール球通路240から発射機構150へ送り込むことはできず、線材Lを用いた不正な操作を抑止すること
ができる。
同様に、図28に示すように、不正行為者が不正球Bに付けられた線材Lを操作して、下側フェール球通路260内において不正球Bを逆止弁270に下流側から押し当てて上流側に開放させようとしても、逆止弁270は制止突起(図示せず)に当接して上流側への開放が規制される(中立姿勢に保持される)ため、該不正球Bを下側ファール球通路260から発射機構150へ送り込むことはできず、線材Lを用いた不正な操作を抑止することができる。
ここで、万が一、何らかの巧妙な手口により逆止弁250がこじ開けられ(例えば針金やピアノ線によりこじ開けられ)、不正球Bが発射機構150に送り込まれてしまった場合を考える。その場合に、該不正球Bが発射機構150により遊技領域PAへ向けて打ち出されると、図29に示すように、該不正球Bに付けられた線材Lは、下球皿7〜上側ダクト219〜上側ファール球通路240〜案内通路24(遊技領域PA)へ通された状態となる。この状態から不正行為者が線材Lを操作すると、補助盤カバー210の上端開口216に通されている線材Lは、遊技者に引っ張られる張力により上端開口216の左端側(切断部材290側)に引き寄せられ、この開口端に配置されている切断部材290に接触する。そして、不正行為者が不正球Bを操作すべく線材Lを引っ張ったり送り込んだりすると、この線材Lが切断部材290の切り込み294内に食い込んで切断されるため、不正球Bから線材Lを分断して不正な操作を抑止することができる(該線材Lを切り込み294内に挟み込んで該線材Lの移動を拘束するものでもよい)。
以上、本実施形態によれば、線材Lの付いた不正球Bを遊技領域PA内に打ち出して、この線材Lを機外から操作すると、その張力により線材Lが内レール22の凹部310内に引き寄せられて切断部材150に接触して切断されるため、線材Lの付いた不正球Bを操作して連続入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することができ、ひいては不正入賞行為による損害の発生を未然に防止することが可能になる。
また、本実施形態によれば、線材Lの付いた不正球Bを下球皿7から逆流させて機内のファール球通路240,260を経て発射機構150へ到達させようとしても、このファール球通路240,260の途中に遊技球の逆流方向の通過を規制する逆止弁250,270を設けたことにより、ファール球通路240,260内において不正球Bの移動が拘束されるため、線材Lの付いた不正球Bを操作して連続入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することができ、ひいては不正入賞行為による損害の発生を未然に防止することが可能になる。
[第1変形例]
次に、本実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
上述の本実施形態に係る遊技機はいわゆる「斜め発射」と称される発射方式を採用しているが、第1変形例に係る遊技機はいわゆる「垂直発射」と称される発射方式を採用している。このような発射方式の差異により、第1変形例の内レール1022は、本実施形態の内レール22とは構成が相違する。以下、図30〜図36を追加参照して、本変形例の内レール1022について説明する。
内レール1022は、該レール1022の基体となる内レール本体1300と、内レール本体1300に着脱可能に取り付けられる押さえ部材1340と、内レール本体130
0と押さえ部材1340との間に挟持される切断部材1350と、内レール本体1300の裏面側(遊技領域PA側の側面)に取り付けられる金属製のレール補強部材1390とを備えて構成される。
内レール本体1300は、外レール21側に凸を向けて円弧状に湾曲する帯板状の内レール部1301と、内レール部1301の後縁部に沿って設けられたレール支持部1320と、内レール部1301の前縁部に沿って設けられたレール側壁部1330とを備えている。
内レール部1301には、該内レール部1301のレール面1302から右側方(遊技領域PA側)に向けて凹設されて溝状に開放する凹部1310が形成されており、この凹部1310内に不正防止具としての切断部材1350が着脱可能に取り付けられる。凹部1310は、押さえ部材1340の内溝部1349と組み合わされて該レールの長手方向に沿って延びる長穴状に形成されており、この凹部1310の底面をなす基底部1311には切断部材1350の裏面側を支持するための凸状の支持部1312が形成されている。凹部1310の前壁面には、押さえ部材1340の上下の係合板1341がそれぞれ係合される係合溝1313が凹設されている。また、凹部1310の前壁面には、切断部材1350の前端部を嵌挿するための支持溝1314が形成されるとともに、切断部材1350の前端部の表面側を支持するための突部1315が形成されている。また、基底部1311には、支持部1312の上方及び下方に位置して、中心にネジ孔(図示せず)を有した円筒状のネジボス1317がそれぞれ形成されている。
レール支持部1320は、内レール部1301の後端縁に沿って円弧状に湾曲しており、凹部1310と整合する位置には押さえ部材1340を装着するための空部1321が形成されている。そのため、レール支持部1320は、空部1321が形成されている区間内において前後に抜けている。レール支持部1320の後面側には、遊技盤20の前面側に嵌挿される複数の位置決めピン1322が突出形成されている。
押さえ部材1340は、レール支持部1320の空部1321に対応する形状に形成されており、この空部1321に装着されてレール支持部1320の一部分を構成する。このようにレール支持部1320は空部1321が形成された区間において途切れているが、押さえ部材1340を空部1321に装着することで、レール支持部1320と押さえ部材1340とがレールの延伸方向に沿って連続的に繋がるように構成されている。押さえ部材1340の上下には、内レール本体1300の係合溝1313に係合される円弧状に湾曲した帯板状の係合板部1341が設けられている。押さえ部材1340の前面側において、上下の係合板部1341の間には、切断部材1350の後端部を嵌挿するための支持溝1342が凹設されており、それにより切断部材1350の両側部(前端部、後端部)がレール本体1300(支持溝1314)と押さえ部材1340(支持溝1342)とにより前後から挟持されることになる。また、押さえ部材1340の前面側には、内レール本体1300のネジボス1317,1318を嵌挿するための挿通孔1343が凹設されており、この挿通孔1343に不図示のビスを挿入して内レール本体1301のネジボス1317に螺着させることで、押さえ部材1340が内レール本体1300にビス止め固定される。また、押さえ部材1340の後面側には、遊技盤20の前面側に嵌挿される位置決めピン1344が突出形成されている。
切断部材1350は、例えば帯板状の金属平板にプレス加工(打ち抜き可能や曲げ加工など)を施して図33等に示す所定形状に形成されている。切断部材1350は、内レール本体1300の凹部1310内において、先端部が左斜め上方に指向した傾斜姿勢で取り付けられている。切断部材1350は、その先端側に先細り形状となる五つの刃状突起1351〜1355が形成されており、その内の二つの刃状突起1352,1354が案
内通路24側に折り曲げられて、隣り合う刃状突起1351〜1355同士が板厚方向に所定角度だけ相互にずらされることで、線材Lを捕捉しやすい構造となっている。互いに隣り合う刃状突起1351〜1355の間には、略上下方向に延びる複数の切り込み1356が形成される。各切り込み1356は奥にいくほど開き間隔が狭くなる略V字状に形成されており、この切り込み1356に沿った縁部が鋭利な刃状に形成されることで、該切り込み1356に入り込んだ線材L(食い込んだ線材L)にせん断力が作用してこれを切断可能に構成されている。また、切断部材1350の後端側には、右方に向けてL字状に折り曲げられた支持片部1358が形成されており、この支持片部1359が押さえ部材1340の支持溝1342に嵌挿されるようになっている。
切断部材350は、図35及び図36等に示すように、内レール部1301のレール面1302よりも外方(案内通路24側)へ突出することなく、その全体が凹部1310内に完全に収容された状態で取り付けられている。それにより、発射機構150により打ち出されて案内通路24内を通過する遊技球に切断部材1350が接触して、遊技球の飛翔を妨げるおそれがない。
ここで、本変形例の内レール1022は、図30等に示すように、遊技球の着弾位置の近傍(レールの中央よりも上寄りの位置)を境として曲率が相違している。具体的に、この内レール1022の下部から遊技球の着弾位置の近傍までは曲率半径が相対的に大きく設定(緩やかな曲率半径に設定)され、それよりも上部では曲率半径が相対的に小さく設定されている(曲率半径が徐々に小さくなっている)。その理由としては、前述の垂直発射方式により遊技球は垂直に近い方向に発射されるので、それに対応して着弾位置までの曲率を緩やかに(遊技球の飛翔角度との差異を小さく)設定する一方で、それよりも上部では曲率半径を徐々に減少させて(勾配を大きくして)、案内通路24の出口に近づくにつれて遊技球の移動方向を遊技領域PA側に向けて方向転換させるためである。そして、凹部1310内において内レール本体1300における曲率半径が小さく形成された部位に切断部材1350が配設されている。このように、内レール本体1300における曲率半径が小さく形成された部分(曲率半径が急な部分)に切断部材1350を配置しているため、不正球Bに付けられた線材Lを操作したときに、この線材Lが切断部材1350に食い込み易くなっている(線材Lが凹部1310内に入り込みやすくなっている)。従って、切断部材1350をレール面1302よりもはみ出さずに凹部1310内に収容しながらも線材Lに対して接触可能(切断可能)に構成されている。
以上、第1変形例によれば、線材Lの付いた不正球Bを遊技領域PA内に打ち出して、この線材Lを機外から操作すると、その張力により線材Lが内レール1022の凹部1310内に引き寄せられて切断部材1350に接触して切断されるため、線材Lの付いた不正球Bを操作して連続入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することができ、ひいては不正入賞行為による損害の発生を未然に防止することが可能になる。
[第2変形例]
次に、本実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
上述の本実施形態では、上側ファール球通路240に設けられた逆止弁250が単一の弁部材から構成されていたが、第2変形例では、図37及び図38に示すように、上側ファール球通路240に設けられた逆止弁1250が互いに独立した複数の弁部材(具体的には4枚の弁部材)1251〜1254から構成されている。
逆止弁1250は、第1弁部材1251、第2弁部材1252、第3弁部材1253及び第4弁部材1254を備えて構成され、全体として上側ファール球通路240(第2通路242)を閉鎖可能な大きさの扉形に形成されている。各弁部材1251〜1254は、上側の側壁212に設けられた支軸部1255を中心として互いに独立して上下に揺動自在に枢結されている。各弁部材1251〜1254は、通常時には、上側ファール球通路240内において自重により垂下して上側ファール球通路240を閉鎖する中立姿勢(略垂直姿勢)に保持されている。ここで、上側ファール球通路240の閉鎖とは、該ファール球通路240を完全に閉鎖する意味に限定されず、遊技球の逆戻りを妨げる程度の閉鎖状態を含む概念で用いている。
上側の側壁212には、中立姿勢(略垂直姿勢)にある弁部材1251〜1254の上端部と左右方向に近接して対峙する制止壁(図示せず)が設けられている。そのため、各弁部材1251〜1254は、中立姿勢から左方(下流方向)への揺動は許容されるが、中立姿勢から右方(上流方向)への揺動は制止壁に当接して規制される。従って、遊技球が上流側の第1通路241から下流側の第2通路242へ流下する場合は、各弁部材1251〜1254が中立姿勢から下流側に向けて揺動することで、遊技球の通過(正流方向の通過)が許容される。一方、遊技球が下流側の第2通路242から上流側の第1通路241へ逆流する場合は、各弁部材1251〜1254が不図示の制止壁に当接して中立姿勢に保持されることで、遊技球の通過(逆流方向の通過)が規制される。
以上、第2変形例によれば、線材Lの付いた不正球Bを下球皿7から逆流させて機内のファール球通路240を経て発射機構150へ到達させようとしても、このファール球通路240の途中に遊技球の逆流方向の通過を規制する逆止弁1250を設けたことにより、ファール球通路240内における不正球Bの移動が拘束されるため、線材Lの付いた不正球Bを操作して連続入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することができ、ひいては不正入賞行為による損害の発生を未然に防止することが可能になる。また、第2変形例では、逆止弁1250が互いに独立して揺動することが可能な複数の弁部材1251〜1254から構成されているため、各弁部材1251〜1254を同時且つ個別に操作しない限りは(一度に全ての弁部材1251〜1254を開放させなければ)、不正球Bを逆流方向に通過させることができず、不正入賞行為を一層確実に防止することが可能となる。
[第3変形例]
次に、本実施形態の第3変形例に係る遊技機について説明する。この第3変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
上述の本実施形態に係る遊技機では、不正入賞行為を防止すべく(不正球Bに付けられた線材Lを切断又は拘束すべく)、内レール22及び補助盤カバー210に切断部材290,350が備えられていたが、第3変形例に係る遊技機では、内レール22及び補助盤カバー210の他、球送り機構100の球出口122近傍にも切断部材129が備えられている。
図39に示すように、球送り機構100における球送り通路101の延伸方向は、球出口122部分において前後方向に設定されている。従って、球送り機構100から発射機構150(発射レール173上の打球位置)への球送り方向は、実質的にみて前後方向とみなすことができる。一方、図9等に示すように、球出口122の下流側にある発射レール173(図9等を参照)は、打球位置から左斜め上方に向けて延びている。そのため、発射機構150による遊技球の発射方向は、実質的にみて左斜め上方向とみなすことがで
きる。このように、球送り機構100の球通路(球送り通路101)と、発射機構150の球通路(発射レール173)とにおける当該通路方向が切り替わる方向転換部に、より具体的には、球出口122の近傍に、球送り機構100から発射機構150へ通された線材Lに接触してこれを切断可能な切断部材129が設けられている。
切断部材129は、例えば帯板状の金属平板にプレス加工(打ち抜き可能や曲げ加工など)を施して図39に示す所定形状に形成されている。この切断部材129は、ガイド部125の後面側に固定される基板部129aと、この基板部129aの先端側(右端側)から細溝状に切り込まれたV字溝129bとを備えて形成されている。なお、球出口122が形成されたガイド部125には、切断部材129のV字溝129bと前後に連通するとともに、このV字溝129bよりも左右方向に深く切り込まれた案内溝125aが前後方向に沿って形成されている。そのため、球出口122に通された(前後方向に通された)線材Lが操作されたときに、この方向転換部において該線材LをV字溝129b及び案内溝125aに跨って食い込ませ、該線材LをV字溝129bにより切断可能に構成されている。
以上、第3変形例によれば、球送り機構100の球通路と発射機構150の球通路との間の方向転換部(球出口122)に切断部材129を配設し、遊技者が線材Lを操作すると、この方向転換部(切断部材129)に該線材Lが食い込んで切断されるため、線材Lの付いた不正球Bを操作して連続入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することができ、ひいては不正入賞行為による損害の発生を未然に防止することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態(変形例を含む)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態では、逆止弁250,270を扉形に形成しているが、この逆止弁250,270の外縁に刃部を形成してもよい。この構成によれば、線材Lがファール球通路240,260に通されてしまった場合(逆止弁250,270とファール球通路240,260との隙間に通されてしまった場合)に、該線材Lが操作されると、該線材Lが逆止弁250,270の外縁の刃部に食い込んで切断又は拘束されやすくなる。なお、このような刃部を形成することなく、逆止弁250,270とファール球通路240,260との隙間を線材Lよりも小さく形成することで、該隙間に線材Lを挟み込んで拘束可能にしてもよい。
また、上述の実施形態では、内レール22の凹部310内に線材Lを切断可能な切断部材350を設けているが、この構成に限定されるものではなく、例えば線材Lを挟み込んだり引掛けたりすることで該線材Lの移動を拘束可能な拘束部材を設けてもよい。