本発明を適用した一例としてのパチンコ機の正面図である。
上記パチンコ機の背面図である。
上記パチンコ機を構成する前枠の正面図である。
上記パチンコ機を構成する球皿ユニットの背面図である。
上記パチンコ機を構成する遊技盤の正面図である。
上記パチンコ機の制御系統を示すブロック図である。
球戻り防止装置を遊技盤上に取り付けた状態を示す斜視図である。
カバー部材を取り外した球戻り防止装置を示す正面図である。
図8中のIX−IX部分を示す断面図である。
(a)は揺動部材が閉止位置にあるときの球戻り防止装置の正面図を、(b)は揺動部材が開放位置にあるときの球戻り防止装置の正面図をそれぞれ示す。
(a)は揺動部材に糸状体が引掛かった状態の球戻り防止装置の正面図を、(b)は糸付球の自重によって揺動部材が開放位置に揺動された状態の球戻り防止装置の正面図をそれぞれ示す。
糸付球が発射されたときに揺動位置検出器から出力される信号の一例である。
推定流入個数と合計排出個数との差の一例を示すグラフである。
(a)および(b)はそれぞれ、別の実施形態に係る揺動部材を示す側面図である。
別の実施形態に係る球戻り防止装置を示す正面図である。
別の実施形態に係る制御系統を示すブロック図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明を適用した弾球遊技機の一例としてのパチンコ機PMの概要構成について、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1はパチンコ機PMの正面を示しており、この図1から分かるように、パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して、常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿ユニット6が、正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス扉5の側部には、LED等から構成されて遊技の進行状況に応じて点滅する電飾装置8が設けられ、また、ガラス扉5の上部には、遊技の進行状況に応じた効果音を発するスピーカ9が設けられている。ガラス扉5の背後に位置する前枠2の上部には、遊技盤10を着脱可能に収容する方形枠状の収容枠(図示せず)が設けられており、この収容枠に遊技盤10が着脱可能に保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5を通して遊技盤10の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。球皿ユニット6の正面右側下部には、遊技球の発射操作を行うための発射ハンドルHが設けられている。
図5は遊技盤10の正面を示しており、この図5から分かるように、遊技盤10は化粧板11を基板として構成され、化粧板11の前面に外レール12a、内レール12b、入賞装置14〜17、図柄表示装置18、アウト口19、多数の遊技釘および風車等を備える。外レール12aと内レール12bとにより、遊技盤10の前面に遊技領域PAが区画形成されるとともに、後述する発射機構170によって発射された遊技球を遊技領域PAに誘導するための発射通路12が上下に延びて形成される。内レール12bの上端部に、発射通路12の上端部である出口開口部12cを開閉する球戻り防止装置50が設けられており、この球戻り防止装置50は、発射通路12から出口開口部12cを通って遊技領域PAへの遊技球の放出を許容しつつ、反対に遊技領域PAから発射通路12内に遊技球が逆戻りすることを防止する(詳しくは後述)。図柄表示装置18は、遊技の進行状況に応じて各種の演出パターンの画像および図柄を表示するための装置である。
遊技盤10に設けられる入賞装置としては、その外観意匠や入賞時の動作を含めて種々の形態のものを用いることが可能であるが、本実施形態においては図5に示すように、一般入賞装置14、始動入賞装置15、大入賞装置16,17の3種類の入賞装置を備えた構成を例示している。
一般入賞装置14は、遊技球が落入可能な入賞口14aを有する固定入賞具である。この入賞口14aに落入したセーフ球は、セーフ球通路(図示せず)を通って遊技盤10の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞球検出器14s(図6参照)を通過することによって入賞が検出されるようになっている。ここで、入賞球検出器14sは、遊技球の通過を検出可能な通過型センサである限り特に限定されず、例えば、磁気センサや光センサ、近接スイッチ等の非接触動作型でも、マイクロスイッチのような接触動作型でも良い(後述する球検出器15s,16s,17s,19sについても同様)。
始動入賞装置15は、遊技球が落入可能な入賞口15aを有し、図柄の変動開始の条件を定めるための入賞具である。この入賞口15aに落入したセーフ球は、セーフ球通路を通って遊技盤10の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞球検出器15s(図6を参照)を通過することによって入賞が検出されるようになっている。
大入賞装置16,17は、遊技球が落入可能な入賞口16a,17aを有する、いわゆるアタッカー型の可動入賞具であり、横長方形状の大入賞口16a,17aを覆う開閉扉(図示せず)が上下に揺動可能に取り付けられている。大入賞口16a,17aは通常、開閉扉によって閉止されて入賞が困難な状態(入賞困難状態)に維持されているが、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技(大当たり遊技)状態が成立したときには、開閉扉を前後に揺動させる制御が行われることで大入賞口16a,17aが開放されて入賞が容易な状態(入賞容易状態)とされる。大入賞口16a,17aに落入したセーフ球は、セーフ球通路を通って遊技盤10の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞球検出器16s,17s(図6を参照)を通過することによって入賞が検出されるようになっている。
アウト口19は、遊技領域PA内に放出された後で上記のいずれの入賞装置にも入賞することなく遊技領域PAを落下したアウト球を、遊技盤10の裏面側へ排出させるための開口部である。このアウト口19に流入したアウト球は、遊技盤10の裏面側に設けられたアウト球検出器19s(図6参照)を通過することによって入球が検出されるようになっている。なお、球検出器14s,15s,16s,17s,19sにより検出された遊技球は、遊技済み球排出通路(図示せず)を流下して遊技島に設けられた回収装置に回収される。
図3は前枠2の正面を示しており、この図3から分かるように、前枠2の前面下部には、球皿ユニット6の背後に位置する遊技補助盤20が形成されている。この遊技補助盤20に、前枠2の前後に連通して形成された賞球連絡通路22および溢れ球通路23、遊技盤10(遊技領域PA)へ向けて遊技球を発射する発射機構170等が設けられている。発射機構170の前方には、この発射機構170の前面側を覆うようにカバー部材24が着脱自在に取り付けられている。
図4は球皿ユニット6の背面を示しており、この図4から分かるように、球皿ユニット6の背面側には、遊技補助盤20に設けられた各機器に対応した装置が装着されており、具体的には、球送りカセット26、上球皿連絡ダクト27、および下球皿連絡ダクト28が装着されている。一方、球皿ユニット6の前面側には、遊技球を貯留するための上球皿6aおよび下球皿6bが設けられている(図1参照)。球送りカセット26は、上球皿6aに貯留された遊技球を1球ずつ発射機構170に送り出す装置である。上球皿連絡ダクト27は、遊技補助盤20の賞球連絡通路22に位置整合して設けられており、賞球連絡通路22から流下する遊技球を上球皿6aに導くためのダクトである。下球皿連絡ダクト28は、遊技補助盤20の溢れ球通路23に位置整合して設けられており、溢れ球通路23から流下する遊技球を下球皿6bに導くためのダクトである。
図2はパチンコ機PMの背面を示しており、この図2から分かるように、前枠2の裏面側には、外枠1よりも幾分小さめの矩形枠状に形成された裏セット盤30が着脱可能に取り付けられている。この裏セット盤30には、遊技盤10の背後に位置する上部領域に、前後に開口する窓口開口30aが形成されている。裏セット盤30は、球貯留タンク31、タンクレール32、球払出装置33、および球払出通路34を備える。球貯留タンク31は、窓口開口30aの上側にして設けられ、遊技球を貯留するためのタンクである。タンクレール32は、球貯留タンク31に繋がるとともに若干下方に傾斜して設けられ、球貯留タンク31に貯留された遊技球を前後各1列の整列状態で球払出装置33に導くためのレールである。球払出装置33は、タンクレール32から供給された遊技球を、遊技盤10における入賞状態に基づいて払い出す装置である。球払出通路34は、球払出装置33から払い出された遊技球を、球皿ユニット6の上球皿6aに導くための通路である。
この構成により、球払出装置33から払い出された遊技球は通常、球払出通路34を通って賞球連絡通路22の後端部に達し、この賞球連絡通路22を前方に流下するとともに上球皿連絡ダクト27を通って上球皿6aに達する。一方で、上球皿6aが遊技球で満たされている場合には、球払出装置33から払い出された遊技球は、賞球連絡通路22から溢れ球誘導口(図示せず)を通って溢れ球通路23を流下し、下球皿連絡ダクト28を通って下球皿6bに達する。
図2に示すように、裏セット盤30の背面側には、主制御装置42、副制御装置43および払出制御装置44から構成される制御ユニット40(図6も参照)や電源ユニット41も備えられている。これらの制御装置が、コネクタケーブル(図示せず)より電気接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される。電源ユニット41は、制御装置や電子部品等に電力を供給するための電源である。主制御装置42は、パチンコ機PMの作動を統括的に制御するための装置であり、このパチンコ機PMが設置されたホールのホールコンピュータと各種情報の送受信が可能に接続されている。また、主制御装置42は、図6に示すように、不正入賞行為検出部42aおよび記憶部42bを備えており、揺動位置検出器100によって検出された検出信号を基にして不正入賞行為の検出を行い、不正入賞行為が検出された場合には報知作動を行わせる制御信号を出力する(詳しくは後述)。副制御装置43は、電飾装置8、スピーカ9および図柄表示装置18に作動信号を出力することで、これらの装置の作動制御を行うものである。払出制御装置44は、球送りカセット26、球払出装置33およびロータリソレノイド171(図6参照)の作動を制御するための装置である。
ところで、このパチンコ機PMは、発射ハンドルHの回動操作量に応じた発射強度で、発射機構170(図3参照)によって遊技球が発射されるように構成されており、ここで、発射ハンドルHおよび発射機構170の構成について説明する。
遊技領域PAに向けて発射される遊技球の発射強度を調節する操作を行うための発射ハンドルHについて説明する。発射ハンドルHは、図1および図4に示すように、前後に延びて球皿ユニット6に取り付けられたハンドルベース(図示せず)の前端部に、回動レバー(図示せず)が回動操作可能に設けられて構成される。また、発射ハンドルHには、遊技者が回動レバーに触れたことを検出するタッチ検出器111、および回動レバーの回動操作量(角度位置)を検出する角度検出器112が備えられており、これらの検出器で検出された検出信号が払出制御装置44に出力される(図6参照)。
図3を用いて、遊技領域PAに向けて遊技球を発射する発射機構170について説明する。発射機構170は、揺動可能に設けられたハンマー(図示せず)と、このハンマーを揺動させるロータリソレノイド171とを備えて構成される(図6も参照)。ロータリソレノイド171が通電されていない非励磁状態においては、ハンマーは発射待機位置に位置しており、ロータリソレノイド171が通電されて励磁されることで、ハンマーは発射待機位置から発射完了位置まで揺動されて、ガイドホルダ(図示せず)に供給された遊技球が1球ずつハンマーにより遊技領域PAに向けて打ち出されるようになっている。このようにしてハンマーによって打ち出された遊技球は、発射通路12に向けて左斜め上方に延びる発射レール部180によりガイドされた後、発射レール部180の上端の発射口181から放出されて発射通路12内に突入する。
図3に示すように、発射口181の左側には、上方に開口するファール球回収口191が形成されたファール球回収樋190が設けられている。ハンマーにより打ち出された後、遊技領域PAに到達できずに発射通路12を落下して戻ってくるファール球が、ファール球回収口191に落入するようになっている。このファール球回収樋190の内部に形成されたファール球回収通路192は、下球皿6bに繋がる溢れ球通路23と連通している。そのため、ファール球回収口191に落入したファール球は、ファール球回収通路192を流下して溢れ球通路23に導かれ、下球皿連絡ダクト28を経て下球皿6bに達するようになっている。
以上のように構成されるパチンコ機PMは、外枠1が遊技島(設置枠台)に固定され、前枠2、ガラス扉5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供される。上球皿6aに遊技球が貯留された状態で発射ハンドルHが回動操作されると、上球皿6aに貯留された遊技球が球送りカセット26によって1球ずつガイドホルダに送り出される。このようにして送り出された遊技球が、発射機構170のハンマーにより1球ずつ遊技領域PAに向けて打ち出されることでパチンコゲームが展開される。
以上ここまでは、パチンコ機PMの概要構成について説明をした。以下においては、このパチンコ機PMにおいて実行される遊技球の払出制御について、図6を参照しながら説明する。
図6はパチンコ機PMの制御構成をブロック図で示しており、この図6に示すように、球検出器14s,15s,16s,17s,19sによって検出された検出信号は主制御装置42に入力され、主制御装置42は入力された検出信号に基づいてパチンコ機PMの作動を統括的に制御する。例えば一般入賞装置14に遊技球が落入すると、この遊技球が入賞球検出器14sを通過する際に入賞が検出され、その検出信号が主制御装置42に入力される。主制御装置42は、この検出信号から、遊技球が入賞装置に落入したこと、および入賞した入賞装置が一般入賞装置14であることを検知し、払出制御装置44に対して入賞条件に応じた球払出指令コマンドを出力して球払出装置33を作動させ、一般入賞装置14に入賞した場合として予め設定された所定個数の賞球を払い出させる。
また、始動入賞装置15に遊技球が落入して入賞球検出器15sから検出信号が出力されると、主制御装置42はこの検出信号から、遊技球が落入したこと、および入賞した入賞装置が始動入賞装置15であることを検知し、この入賞条件に応じた遊技プログラムを呼び出して実行する。具体的には、主制御装置42内で図柄の組み合わせ抽選を行うとともに、副制御装置43に抽選結果を出力して図柄表示装置18に表示させる図柄を変動および停止制御させ、停止図柄の組み合わせに応じた電飾装置8の点滅やスピーカ9による効果音の発生を行わせる。また、主制御装置42は、払出制御装置44に対して入賞条件に応じた球払出指令コマンドを出力して球払出装置33を作動させ、始動入賞装置15に入賞した場合として予め設定された所定個数の賞球を払い出させる。
上述した主制御装置42による抽選の結果が大当たりである場合(大当たり図柄で変動停止する場合)、図柄表示装置18には、例えばスロットマシンの図柄表示を模した装飾図柄を一致させるような表示が行われて、特別遊技が実行される。特別遊技においては、大入賞装置16,17に設けられた開閉扉の揺動制御が行われることで、大当たり図柄に応じて設定された開放パターンで、大入賞装置16,17の大入賞口16a,17aが開放される。この開放パターンの一例を挙げると、例えば大当たり図柄「777」である場合に、大入賞装置16の大入賞口16aのみを30秒間にわたって開放状態にする作動を15ラウンド継続させる態様や、大当たり図柄「111」である場合に、大入賞装置17の大入賞口17aのみを30秒間にわたって開放状態にする作動を2ラウンド継続する態様がある。このようにして開放された大入賞装置16または大入賞装置17に遊技球が落入する度に、予め設定された所定個数の遊技球が賞球として球払出装置33から払い出される。
以上、パチンコ機PMにおいて実行される遊技球の払出制御について説明した。さて、このような遊技球の払出制御が行われるパチンコ機PMにおいて、正常な遊技では原則として遊技球1球につき1回のみ入賞球検出器への通過が検出されるものである。しかし近年においては、入賞装置に落入した1個の遊技球を不正な操作によって入賞球検出器の導入口に連続して通過させて、多数の賞球を払い出させる不正入賞行為(ゴト行為)が頻発している。
この代表的な手口を概要説明すると、まず、所定長さを有する釣糸等の糸状体の一端側を遊技球に固着させ、この糸状体の他端側を不正行為者自身が掌で掴み、このような細工を施した遊技球(以下において「糸付球」と称する)を上球皿内の他の遊技球の間に忍ばせて、他の遊技球とともに上球皿から1球ずつ順番に発射機構へ供給させて発射機構により発射通路を通して遊技領域内へ送り込む。糸付球が遊技領域まで達すると、ガラス扉の外側から強力な磁石を用いてこの糸付球を入賞装置まで誘導して当該入賞装置の入賞口へ落入させる。糸付球が入賞口からセーフ球通路に導かれて入賞球検出器の導入口を通過すると、主制御装置により入賞が検出されて球払出装置により入賞条件に応じた個数の賞球が払い出されることになる。不正行為者は、このようにして賞球が払い出されたことをもって、糸付球がターゲットである入賞球検出器へ到達したことを認識し、自身の掌に掴んでいる糸状体の他端側を手前に引っ張ったり奥側へ送り込んだりする操作をして、糸付球を入賞球検出器の導入口に何度も繰り返し通過させることで、遊技球の連続入賞を不正に検出させて多数の賞球を獲得している。これが、最近になって頻発している糸付球を用いた不正入賞行為の全貌である。
そこで、本発明を適用したパチンコ機PMは、このような不正入賞行為を的確に検出して報知するための構成を有した球戻り防止装置50を備える。以下、この球戻り防止装置50の構成について、図7〜図9を追加参照しながら説明する。
図7は球戻り防止装置50の斜視図を示しており、球戻り防止装置50は、遊技盤10上における内レール12bの上端部に設けられた揺動部材支持体60と、この揺動部材支持体60に枢結されて化粧板11と平行な面内で揺動変位可能な揺動部材90と、この揺動部材90の揺動位置を検出する揺動位置検出器100とを有して構成される。
揺動部材支持体60は、内レール12bの上端部に一体的に形成されたベース部材70と、このベース部材70にカバー部材取付ネジB2によって着脱自在に取り付けられるカバー部材80とから構成されており、ベース部材70にカバー部材80が組み付けられた状態でその内部に揺動部材90の一部を収容する空間62(図8参照)が形成される。
ベース部材70は、内レール12bに沿って全体として右斜め上方へ向かって細長く延びた形状を有しており、遊技盤10の前面側に当接される略板状の支持部71と、この支持部71の下端から前方に延びて揺動部材90の下方部を覆う正面視略コ字状の側壁部73とを備えている。図8はカバー部材80を外した球戻り防止装置50の正面図を示しており、この図8から分かるように、側壁部73の上端には、揺動部材90に当接可能に構成されて揺動部材90の揺動を制止するための板状の規制片74が左斜め上方に向けて突設されている。また、側壁部73の略中央にはカバー部材80側に突出して延びた円筒状のベース部材側突起75が設けられ、規制片74の根本部分にはカバー部材取付ネジB2(図7参照)の凸条と螺合する凹条を内周面に有したカバー部材取付ネジ孔76が形成されている。さらに、側壁部73の下端部には、前方側から順番に、後述するカバー部材側突起84を嵌挿可能な大径の突起挿入孔77と、揺動部材支持体60を遊技盤10上に固定するための固定ネジB1(図7参照)が挿通される小径のベース部材側挿入孔78とが同軸上に設けられている。
カバー部材80は、図7に示すように、ベース部材70の形状に合わせた細長い形状をしており、カバー部材取付ネジB2が挿通されるカバー部材取付ネジ挿入孔81と、ベース部材70とカバー部材80との位置決め用としてベース部材側突起75が挿入される突起挿入孔82と、遊技盤10への取付用の固定ネジB1が挿通されるカバー部材側挿入孔83とが設けられている。カバー部材80の後面側には、ベース部材70の突起挿入孔77に嵌挿される円筒状のカバー部材側突起(図示せず)が突設されており、このカバー部材側突起と同軸に上記のカバー部材側挿入孔83が前後方向に貫通して設けられている。
揺動部材90は、図7および図8に示すように、内部に円柱状の支軸(揺動軸)61を挿入可能な支軸挿入孔92が形成された略円筒状の基部91と、この基部91から半径方向外方(上方)に延びた平板状の開閉部93と、この開閉部93の上端部に繋がるとともに棒状となって後方に延びる被検出片94と、基部91を挟んで開閉部93とはほぼ反対方向(下方)に設けられた円筒状のウェイト部96と、このウェイト部96に着脱自在に取り付けられる金属製の錘97とを有して構成される。基部91の支軸挿入孔92に挿入される支軸61の一端部はベース部材70の支軸固定孔(図示せず)に嵌合され、支軸61の他端部はカバー部材80の支軸固定孔(図示せず)に嵌合されるようになっており、これにより揺動部材90が支軸61を中心として揺動可能である。
開閉部93は、略矩形平板状に形成されており、その揺動位置に応じた突出長で揺動部材支持体60から外方へ突出するようになっている。この開閉部93の表面側は発射通路12を通ってきた遊技球を接触させるための発射側接触面90aであり、裏面側は遊技領域PAから発射通路12に向けて逆戻りする遊技球を接触させるための戻り側接触面90bである(図8参照)。開閉部93の戻り側接触面90bはベース部材60の規制片74と当接可能であり、このように戻り側接触面90bが規制片74に当接することにより、揺動部材90が開放位置(遊技球が出口開口部12cを通過可能な揺動位置)に位置した状態で時計回り方向への揺動が制止される。
開閉部93の先端には、基部91に向けてV字状に切り込まれた保持用切込み部95が形成されており、この保持用切込み部95を挟んで前側に前側傾斜部93aが形成されるとともに後側に後側傾斜部94aが形成される。前側傾斜部93aは、開閉部93の前端部から保持用切込み部95に向けて下がるように傾斜して形成され、一方、後側傾斜部94aは、被検出片94の後端部から保持用切込み部95に向けて下がるように傾斜して形成されている。
ウェイト部96の中央には、前後方向に貫通する錘取付孔96aが形成されており、この錘取付孔96aの内周面に設けられた凹条に、錘97の外周面に設けられた凸条が螺合されることによって、錘97がウェイト部96に取り付けられている。また、ウェイト部96はベース部材70の側壁部73に当接可能であり、このようにウェイト部96が側壁部73に当接することにより、揺動部材90が閉止位置(遊技球が出口開口部12cを通過することを規制可能な揺動位置)に位置した状態で反時計回り方向への揺動が制止される。
従って、揺動部材90は、発射通路12の出口開口部12cを遊技球が通過していないときには、錘97の自重によって反時計回りに揺動されてウェイト部96が側壁部73に当接して閉止位置に保持される(図8に実線で示す位置)。そのため、遊技領域PA内に放出された後、例えば遊技釘に弾かれることで発射通路12に向けて逆戻りしようとする遊技球があったとしても、出口開口部12cにおいて反時計周りの揺動が規制された揺動部材90の戻り側接触面90bに当接することで、遊技球の発射通路12への逆戻りが阻止される。一方、揺動部材90が閉止位置に保持された状態で、遊技領域PAに向けて遊技球が打ち出された場合には、発射通路12を通ってきた遊技球が揺動部材90の発射側接触面90aに当接することで、揺動部材90は戻り側接触面90bが規制片74に当接する開放位置まで揺動される(図8に1点鎖線で示す位置)。このように、揺動部材90が開放位置に揺動されることで、発射通路12を通ってきた遊技球は出口開口部12cを通過して遊技領域PA内に放出される。
揺動位置検出器100は、図7に示すように、側面視略コの字状に構成されており、上下に延びる本体部101と、本体部101の上端部に繋がって前方に延びる発光側基部102と、本体部101の下端部に繋がって前方に延びるとともに発光側基部102と上下に対向する受光側基部103とを備えて構成される。また、揺動位置検出器100は、本体部101、発光側基部102および受光側基部103によって囲まれて左右に貫通する被検出片受容空間104を備える。さらに、発光側基部102の下面には、下方に向けて検査光を発光する発光部(図示せず)が設けられ、一方、受光側基部103の上面には、発光部から発光された検査光を受光可能な受光部(図示せず)が設けられている。受光部での検査光の受光結果は、主制御装置42に出力される(図6参照)。
図9は図8中のIX−IX部分の断面図を示しており、この図9および図8から分かるように、揺動位置検出器100は化粧板11に埋設され、且つ、揺動部材90が開放位置に揺動された状態での被検出片94が被検出片受容空間104内に位置するように設けられている。そのため、揺動部材90が開放位置以外の揺動位置に位置する場合には、発光部から発光された検査光が被検出片94によって遮られることなく受光部で受光され、揺動位置検出器100はこの受光状態に対応した例えばOFF信号を主制御装置42に出力する。一方、揺動部材90が開放位置に位置する場合には、発光部から発光された検査光が被検出片94によって遮られて受光部で受光されず、揺動位置検出器100はこの受光状態に対応したON信号を主制御装置42に出力する。
以上、球戻り防止装置50の構成について説明した。以下においては、揺動位置検出器100によって検出された検出信号を基にして不正入賞行為の検出を行い、不正入賞行為が検出された場合には報知作動を行わせる制御について、図10〜図12を追加参照して説明する。なお、主制御装置42の記憶部42bには、不正入賞行為を検出するための検出用継続時間Tが予め記憶されている。
まず、糸状体が固着されていない遊技球を発射させて遊技が行われる場合について説明する。遊技者が回動レバーを回動操作することで、回動レバーの回動操作量に応じた発射強度で、例えば1分間に100球程度の割合で連続的にハンマーによって遊技球が打ち出される。図10に遊技球が発射されたときの球戻り防止装置50の正面図を示しており、この図10(a)から分かるように、発射通路12を通過して出口開口部12cに達した遊技球が揺動部材90に当接することで、揺動部材90は閉止位置から時計周りに揺動される。そして、図10(b)に示すように、遊技球によって揺動部材90が開放位置まで揺動されて出口開口部12cが開放されるとともに、遊技球が出口開口部12cを通過して遊技領域PA内に放出される。遊技球が出口開口部12cを通過した後、揺動部材90は錘97の自重によって反時計回りに揺動されて閉止位置に復帰する。このように、遊技球が出口開口部12cを通過して遊技領域PA内に放出される毎に、揺動部材90は開放位置まで揺動された後、閉止位置に復帰する作動を繰り返す。
図12の時間t1〜時間t4には、遊技球が遊技領域PA内に放出される毎に揺動部材90が閉止位置と開放位置との間で揺動される場合において、揺動位置検出器100から主制御装置42に出力される検出信号の一例を示している。遊技球が出口開口部12cを通過することで揺動部材90が開放位置に揺動され、揺動位置検出器100の受光部で検査光が検出されないタイミング(時間t1,t2,t3,t4)においてそれぞれON信号が出力され、それ以外においては受光部で検査光が検出されてOFF信号が出力される。ここで、球戻り防止装置50の構造上、揺動部材90が開放位置に位置する間においてはON信号が継続して出力されるのであるが、揺動部材90が遊技球により押圧されて開放位置に留まる時間は例えば1秒未満であるため、それに対応して各タイミング(時間t1,t2,t3,t4)においてON信号が出力される時間は1秒未満である。
次に、遊技球の中に糸付球BIを混在させておき、糸付球BIを発射機構170により発射させて遊技領域PA内に到達させることで不正入賞行為が行われる場合について説明する。
糸状体Iが固着されていない遊技球が発射される間は、上述したように、遊技球が出口開口部12cを通過して遊技領域PA内に放出される毎に、揺動部材90は閉止位置と開放位置との間で揺動を繰り返し、それに対応したON信号およびOFF信号が揺動位置検出器100から主制御装置42に出力される(図10および図12の時間t1〜時間t4)。
図11に、このようにして遊技球が連続して発射されている途中で、糸状体Iが固着された糸付球BIが発射されたときの球戻り防止装置50の正面図を示している。糸付球BIが発射された場合には、まず、糸状体Iが固着されていない遊技球の場合と同様に揺動部材90が閉止位置から開放位置まで揺動されて、糸付球BIが出口開口部12cを通過して遊技領域PA内に放出され、揺動位置検出器100から主制御装置42にON信号が出力される(図12の時間t5)。糸付球BIが遊技領域PA内に放出された直後は、図11(a)に示すように、糸状体Iが弛んでいるため揺動部材90は錘97の自重によって反時計回りに揺動されて閉止位置に復帰し、揺動位置検出器100から主制御装置42にOFF信号が出力される(図12の時間t5〜時間t6)。揺動部材90が閉止位置に復帰した後、図11(b)に示すように、糸付球BIの自重によって糸状体Iが先端側に引っ張られることで揺動部材90が糸状体Iによって閉止位置から開放位置まで時計回りに揺動されて、揺動位置検出器100から主制御装置42にON信号が出力される(図12の時間t6)。
ここで、糸状体Iが前側傾斜部93aまたは後側傾斜部94aに当接した場合には、前側傾斜部93aおよび後側傾斜部94aが保持用切込み部95に向けて下がるように傾斜して形成されているので、糸状体Iは糸付球BIの自重によって先端側に引っ張られると同時に、前側傾斜部93aまたは後側傾斜部94aの傾斜に沿って前後にスライド移動して保持用切込み部95に入り込む(図9参照)。このとき、被検出片94が後方に延びて形成されているので、化粧板11と開閉部93との隙間に糸状体Iが入り込むことを防止できる。そのため、糸付球BIが発射された場合には、保持用切込み部95に糸状体Iを入り込ませて糸状体Iを揺動部材90に保持させることで、糸付球BIの自重によって揺動部材90を開放位置に位置させたままにすることができる。
このようにして、糸付球BIが遊技領域PA内に放出された後遊技領域PA内に存在する限り、糸付球BIの自重よって揺動部材90が開放位置に保持され、この間においては、揺動位置検出器100から主制御装置42にON信号が継続して出力される(図12の時間t6〜時間t7)。そこで、主制御装置42の不正入賞行為検出部42aは、揺動位置検出器100からの検出信号と、記憶部42bに記憶された検出用継続時間Tとを参照し、揺動位置検出器100からのON信号が検出用継続時間Tを越えて継続して出力される場合に、不正入賞行為が行われているものと判断する。ここで、記憶部42bに記憶された検出用継続時間Tは、糸状体Iが固着されていない遊技球が発射されるとき、揺動部材90が開放位置に揺動される毎に揺動位置検出器100から出力されるON信号よりも長い時間(例えば5秒程度)に設定されている。このため、糸付球BIが発射された場合には、揺動位置検出器100からの検出信号に基づいて的確に不正入賞行為を検出できる。
不正入賞行為検出部42aにおいて不正入賞行為が行われていると判断された場合、主制御装置42は、例えばホールコンピュータへ報知信号を出力してホールコンピュータの表示画面上に不正入賞行為が行われていることを知らせる警告表示をさせることで、不正入賞行為が行われていることを報知することができる。また、主制御装置42は、副制御装置43に制御信号を出力することで、例えば図柄表示装置18に不正入賞行為が行われていることを知らせる警告表示をさせたり、電飾装置8のLED等を異常状態を知らせるように点滅させたり、スピーカ9から警告音を発生させたりすることで、不正入賞行為が行われていることを報知することもできる。さらに、主制御装置42は、副制御装置43および払出制御装置44に制御信号を出力することで、例えばパチンコ機PMの遊技を強制的に中止させる制御を行うこともでき、これにより不正入賞行為による被害を抑えることも可能になる。
以上、揺動位置検出器100から出力される検出信号に基づいて不正入賞行為を検出する構成について説明した。以下においては、図13を参照して、上述した不正入賞行為を検出する構成とは別の不正入賞行為を検出する構成について説明する。なお、以下に説明する不正入賞行為を検出する構成においては、主制御装置42の不正入賞行為検出部42aおよび記憶部42bの構成が異なっている点を除いては、上述した構成と同一である。
不正入賞行為検出部42aは、遊技中において揺動位置検出器100から出力された検出信号を基にしてOFF信号からON信号に(または、ON信号からOFF信号に)切り替わる回数を算出することで、出口開口部12cを通過して遊技領域PA内に放出されたと推定される遊技球の推定流入個数を逐次算出する。また、不正入賞行為検出部42aは、遊技中において球検出器14s,15s,16s,17s,19sにより検出された遊技球の合計個数、すなわち、遊技領域PAから遊技盤10の裏面側に排出された遊技球の合計排出個数を逐次算出する。そして、不正入賞行為検出部42aは、上記のようにして算出された推定流入個数と合計排出個数との差(遊技領域PA内に留まっていると推定される遊技球の個数であって、以下「滞留個数」と称す)を算出する。一方、記憶部42bには、遊技盤10の盤面構成に対応した検出用滞留個数Pが記憶されている。
糸状体Iが固着されていない遊技球を発射させて遊技が行われる場合には、遊技球が遊技領域PA内に放出される毎に揺動部材90が閉止位置と開放位置との間で揺動されるので、遊技領域PA内に実際に放出された遊技球の個数と、不正入賞行為検出部42aにおいて算出された推定流入個数とは一致する。また、遊技領域PA内においては、順次遊技球が放出されると同時に遊技球が各入賞装置14,15,16,17またはアウト口19に落入することで、遊技盤10の盤面構成に応じた通常時滞留個数L(例えば5個程度であり、図13参照)の遊技球が遊技領域PA内に滞留することとなる。そのためこの場合には、図13の時間t0〜時間t1の部分に示すように、不正入賞行為検出部42aにおいて、推定流入個数と合計排出個数とを基にして通常時滞留個数Lに近い滞留個数が算出される。
これに対して、糸付球BIを遊技領域PA内に放出させた後で、例えば遊技球の発射を止めて糸状体Iを操作することで不正入賞行為が行われる場合には、糸状体Iによって揺動部材90が開放位置に保持されて推定流入個数が一定のまま増加しないにも拘わらず、糸付球BIが球検出器によって何度も検出されることで合計排出個数だけが一方的に増加することとなる。そのためこの場合には、図13の時間t1〜時間t2の部分に示すように、不正入賞行為検出部42aにおいて、推定流入個数と合計排出個数とを基にして通常時滞留個数Lを上回る滞留個数が算出される。
ここで、記憶部42bには、上記の通常時滞留個数Lよりも多い個数(例えば15個以上)に設定された検出用滞留個数Pが記憶されている。そこで、不正入賞行為検出部42aは、算出された滞留個数と、記憶部42bに記憶された検出用滞留個数Pとを参照し、算出された滞留個数が検出用滞留個数Pを越える場合、すなわち、通常時滞留個数Lに対して例えば10個以上多くの遊技球が遊技領域PA内に滞留していると推定される場合、糸付球BIを用いて不正入賞行為が行われていると判断する(図13における時間t2)。
このようにして、不正入賞行為検出部42aにおいて不正入賞行為が行われていると判断された場合、主制御装置42は、例えばホールコンピュータの表示画面上に不正入賞行為が行われていることを知らせる警告表示をさせたり、図柄表示装置18に不正入賞行為が行われていることを知らせる警告表示をさせたり、電飾装置8のLED等を異常状態を知らせるように点滅させたり、スピーカ9から警告音を発生させたりすることで、不正入賞行為が行われていることを報知することができる。また、不正入賞行為が行われていると判断された場合に、パチンコ機PMの遊技を強制的に中止させる制御を行うことで不正入賞行為による被害を抑えることが可能になる。
ところで、不正入賞行為の態様としては、上述した糸付球BIを遊技領域PA内に放出させた後で、遊技球の発射を止めて糸状体Iを操作する態様以外にも、例えば糸付球BIを遊技領域PA内に放出させた後も継続して遊技球を発射させながら糸状体Iを操作する態様もあり得る。
この態様の不正入賞行為が行われる場合には、糸状体Iによって揺動部材90が開放位置に保持されて推定流入個数が一定のまま増加しないにも拘わらず、糸付球BIが球検出器によって何度も検出されるとともに糸状体Iが固着されていない遊技球が各入賞装置14,15,16,17またはアウト口19に落入して合計排出個数だけが一方的に増加することとなる。よってこの場合も、不正入賞行為検出部42aにおいて、算出された滞留個数と、記憶部42bに記憶された検出用滞留個数Pとを参照することで、糸付球BIを用いて不正入賞行為が行われていることを的確に検出できる。
なお、糸付球BIを球検出器に何度も検出させる不正入賞行為とは別の不正入賞行為の一例として、ガラス扉5の外側から強力な磁石を用いて遊技領域PA内に発射された遊技球を誘導することで、入賞させ易い落下経路を形成するものが知られている(複数の遊技球が磁石で誘導されるケースが多いことから「ぶどうゴト」とも称される)。この「ぶどうゴト」が行われた場合、遊技球が出口開口部12cを通過して遊技領域PA内に放出される毎に揺動部材90が揺動されて推定流入個数が増加するのであるが、一方で、磁石によって複数の遊技球(例えば10個程度)が遊技領域PA内に保持されるので、その保持された遊技球の分だけ算出される合計排出個数が減少することとなる。よってこの場合も、不正入賞行為検出部42aにおいて、算出された滞留個数と、記憶部42bに記憶された検出用滞留個数Pとを参照することで、「ぶどうゴト」と称される不正入賞行為が行われていることを的確に検出できる。
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
例えば図7に示す揺動部材90に代えて、図14(a)に示すように構成された揺動部材390を用いることも可能である。揺動部材390の先端部は、平板状の開閉部393と、この開閉部393の上端部に繋がるとともに棒状となって後方に延びる被検出片394とから構成される。開閉部393の先端には、V字状に切り込まれた保持用切込み部397が形成されており、この保持用切込み部397を挟むように前側傾斜部395および後側傾斜部396が形成されている。開閉部393の前端部には、前側傾斜部395に対して外方に突出する外れ止め突起395aが形成され、また、開閉部393の後端部(被検出片394)には、後側傾斜部396に対して外方に突出する外れ止め突起396aが形成されている。外れ止め突起395aおよび外れ止め突起396aにより、一旦前側傾斜部395または後側傾斜部396に押し付けられた糸状体Iが、揺動部材390から前後に外れることを防止できる。また、例えば糸状体Iが被検出片394の方まで後方に入り込むことがないような場合には、図7に示す揺動部材90に対して揺動部材390のように後側傾斜部396の前後幅を狭めて構成することで、被検出片394の強度を確保しつつ糸状体Iを保持用切込み部397に誘導して保持することができる。
また、図7に示す揺動部材90に代えて、図14(b)に示すように構成された揺動部材490を用いることも可能である。揺動部材490の先端部は、平板状の開閉部493と、この開閉部493の上端部に繋がるとともに棒状となって後方に延びる被検出片494とから構成される。開閉部493の前端部には、開閉部493に対して外方に突出する外れ止め突起495aが形成され、また、開閉部493の後端部(被検出片494)には、開閉部493に対して外方に突出する外れ止め突起495bが形成され、外れ止め突起495aと外れ止め突起495bとの間に平らな糸状体保持部495が形成される。外れ止め突起495aおよび外れ止め突起495bにより、一旦糸状体保持部495に押し付けられた糸状体Iが、揺動部材490から前後に外れることを防止できる。また、この揺動部材490は、図7に示す揺動部材90や図14(a)に示す揺動部材390と比較して、保持用切込み部が形成されていない分だけ開閉部493の先端部の強度が確保されているため、発射された遊技球によって繰り返し押圧されても破損しにくい。
上述の実施形態においては、揺動位置検出器100としてフォトセンサを用いた例について説明したが、フォトセンサ以外にも、例えば図15に示すようにリミットスイッチを揺動位置検出器200として用いることも可能である。図15においては、図8に示す構成と同一構成部分には同一番号を付している。図15に示す球戻り防止装置250は、揺動部材290と、この揺動部材290の揺動位置を検出する揺動位置検出器200とを備えて構成される。揺動部材290は、被検出片94を備えていない点を除いては、図8に示す揺動部材90と同一構成となっている。揺動位置検出器200は、リミットスイッチを用いて構成されており、規制片74の先端部から突出するように設けられている。そのため、揺動位置検出器200は、揺動部材290が開放位置(290Bで示す位置)に位置するときには、揺動部材290によって押圧されて例えばON信号を出力し(200Bで示す状態)、揺動部材290が開放位置以外(例えば290Aで示す閉止位置)に位置するときにはOFF信号を出力する(200Aで示す状態)。この球戻り防止装置250は、球戻り防止装置50と比較して、揺動位置検出器200を揺動部材支持体60の内部に配置できる分だけ球戻り防止装置をコンパクトに構成できる。
上述の実施形態においては、揺動位置検出器100の検出信号を、不正入賞行為検出部42aおよび記憶部42bを備えた主制御装置42に出力する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば図16に示す制御ユニット540のように、揺動位置検出器100の検出信号を、不正入賞行為検出部543aおよび記憶部543bを備える副制御装置543に出力する構成としても良い。この構成の場合、記憶部543bに記憶された検出用継続時間Tを用いて、不正入賞行為検出部543aにおいて不正入賞行為が行われていると判断された場合、副制御装置43は、図柄表示装置18に不正入賞行為が行われていることを知らせる警告表示をさせたり、電飾装置8のLED等を異常状態を知らせるように点滅させたり、スピーカ9から警告音を発生させたりすることで、不正入賞行為が行われていることを報知することができる。一方、主制御装置542を介して副制御装置543(不正入賞行為検出部543a)に球検出器14s,15s,16s,17s,19sによる検出結果を入力させて、記憶部543bに記憶された検出用滞留個数Pを用いることで不正入賞行為を検出することもできる。
上述の実施形態においては、揺動部材90を閉止位置に保持するために錘97を用いた構成を例示して説明したが、この構成に代えて、例えば捩りばねを用いて揺動部材90を閉止位置に保持する構成としても良い。
上述の実施形態においては、弾球遊技機としてパチンコ機PMを例に挙げて説明したが、本発明が適用される弾球遊技機はパチンコ機に限定されず、例えば雀球遊技機やアレンジボール機等の弾球遊技機にも本発明を適用可能である。