JP2012179106A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】糸付き球を用いた不正遊技を検出する不正遊技検出機構であって、迂回流路を有するとともに、取り込み口から取り込まれた球を誘導する通路と、迂回流路の内周側の壁部に設けられたスリットと、迂回流路よりも内周側に設けられ、球に接続された糸を検出する検出ユニットとを備える構成とした。
【選択図】図2
Description
このようなゴト行為として近年、遊技店によって貸し出される遊技球(以下、球という)に接着剤等を介して糸を付けた球(以下、糸付き球という)を自作し、球と繋がる糸を手で保持したまま、糸付き球をパチンコ機の発射機構に装填し、糸付き球を遊技領域内に発射するという「糸ゴト」と呼ばれる不正行為が横行するようになっている。
より詳細には、糸付き球が遊技領域に到達すると、球と繋がる糸が球発射通路の一部を構成する内ガイドレールに設けられた球戻り防止弁の先端部に引っ掛かった状態となる。
そして、不正行為者は、球戻り防止弁の先端部を支点として手で保持した糸を操作することにより、遊技領域内に到達した糸付き球を自在に操り、糸付き球を遊技盤に配設された始動入賞口や一般入賞口に取り込ませた上で、手に保持した糸を繰り返し引張ることにより(リフティング動作)、上記遊技部品の内部に設けられた入賞検出センサーにより糸付き球を繰り返し検出させ短時間で大量の不正な賞球を得る。
このようなゴト行為は、遊技店或いは一般遊技者に対して与える不利益が極めて甚大なものとなるため、当該ゴト行為に対応する具体策を講じることが望まれるが、根本的な解決策は見出されていないのが現状である。
本構成によれば、迂回流路内に糸付き球が進入した場合、球が迂回流路に沿って流下する一方で、球と接続された後続の糸が迂回流路の内周側の壁部に設けられたスリット内に進入し、検出ユニットにより検出されるため、糸付き球を用いた不正遊技を確実に検出することができる。
また、本発明の第二の構成として、迂回流路が屈曲した流路である構成とした。本構成によっても前記構成と同様の効果を得ることができる。
また、本発明の第三の構成として、迂回流路が湾曲した流路である構成とした。本構成によっても前記構成と同様の効果を得ることができる。
また、本発明の第四の構成として、迂回流路における検出ユニットよりも下方に位置する流路が水平な流路である構成とした。
本構成によれば、迂回流路における水平な流路に到達した糸付き球を糸を引張ることにより回収しようとしても、球が水平流路内において堰き止められるため、不正遊技の証拠隠滅を確実に防止することができる。
また、本発明の第五の構成として、検出ユニットがフォトセンサーを含む構成とした。本構成によれば、安価で簡易な構成で、不正行為者の不正遊技を検出することができる。
パチンコ機10は、球が打ち出される遊技領域11Aを有し、内枠12に対して着脱自在に取り付けられる遊技盤11と、内枠12を前後方向に開閉自在に軸支する外枠13とを備える。遊技盤11の前方には、内枠12の前後方向に開閉自在に軸支される窓12Aが設けられ、遊技盤11の前方が閉鎖される。また、パチンコ機10の下方には、発射ハンドル14が回転自在に取着され、発射ハンドル14が遊技者によって回動操作されることにより、図外の打ち出し機構が駆動する。打ち出し機構が駆動すると、上皿構造体16内に貯留された球が上方に打ち出され、外ガイドレール18と内ガイドレール17とで囲繞された遊技領域11A内に進入する。
傾斜部20Aと連接して傾斜する他方の傾斜部20Cは、右側に向かって下方に傾斜する部分であって、窓12Aが閉鎖された状態において当該傾斜部20Cよりも前方を球が通過することはなく、球は傾斜部20Cに沿って遊技盤11の右側に誘導される。傾斜部20Cと連接して延長する障壁部20Dは、円弧状に窪む壁部と当該壁部と連接し、遊技盤11の右側に延在するスロープとを有する障壁であって、傾斜部20Cから落下した球は、当該障壁部20Dに沿って落下するか、障壁部20Dに接触することなく落下する。
遊技盤11の遊技領域11Aに進入した球は、打ち出しの強さによって傾斜部20A又は傾斜部20Cにより誘導され、遊技領域11Aの左側又は右側を流下する。遊技領域11Aの左側を流下する球は、流下する過程において、遊技領域11A内に植設された図外の多数の遊技釘や風車に衝突しながら誘導され、遊技盤11の略中央に設けられた中央始動入賞部品26又は遊技盤11の下部側方に設けられた複数の一般入賞部品27,29に取り込まれ得る。また、中央始動入賞部品26又は一般入賞部品27,29に取り込まれなかった球は、遊技盤11の中央最下部に開設されたアウト口28に取り込まれて回収される。ここで、中央始動入賞部品26又は一般入賞部品27,29は、球の受け入れ口の大きさが変化せず、入賞の可能性が一定の固定入賞部品として構成される。
中央始動入賞部品26、一般入賞部品27,29及びアウト口28により取り込まれた球は、遊技盤11を前後方向に貫通する導出孔54により遊技盤11の裏側に誘導され、遊技盤11の裏面に装着された後述のセット板50によって機外に排出される(図2参照)。
入賞球誘導室としてのいわゆるセット板50は、例えばアクリル樹脂により成型された浅い箱状体であって、遊技盤11の背面を覆うように付設されることにより、遊技盤11に配設された各入賞部品全体をカバーできるようにしている。
セット板50は、各入賞部品からの入賞球を後述の各検出センサーが設けられた入賞球通路(球通路)に誘導し、系外に送り出すことができる。
図2において、セット板50は、遊技盤11の取付け開口19と対応し、図外の図柄表示装置が突出する開口部50Aを有し、当該開口部50Aの周囲を囲むように、複数の内部通路が形成される。
内部通路の内、開口部の一側方に形成された球通路には、遊技盤11の上部に設けられる図外の球タンク及び賞球払出装置から排出される賞球や貸し球を上皿構造体16へ導出する賞球払出流路や、球タンク、賞球払出装置の内部に滞留する球をパチンコ機10の機外へ排出する球抜き流路が形成される。また、開口部50Aより下方には、遊技盤11に配設された複数の入賞部品に取り込まれた球を誘導するための複数の内部通路が形成される。
球通路53は、遊技盤11上に設けられた複数の一般入賞部品27と対応する位置に設けられる通路であって、複数の一般入賞部品27から導出された球を垂直方向に流下させる複数の縦流路部53Aと、当該縦流路部53Aと連通し、縦流路部53Aを流下した球を一括して下流側に誘導する横流路部53Bと、横流路部53Bよりも下流側に設けられた迂回流路部32とにより構成される。
迂回流路部32は、横流路部53Bを経て垂直方向に落下する球を左右方向に迂回させながら誘導する流路であって、当該流路の側部に内挿された検出ユニット40とともに、不正遊技検出機構30を構成する。
また、迂回流路部32の最下流部には、検出センサー55が内挿され、複数の一般入賞部品27に取り込まれた球は、迂回流路部32を経て下流側の検出センサー55により一括して検出された後に機外に排出される。
球が中央始動入賞部品26(第一の始動入賞部品)に対応する上述の検出センサー52Aにより検出されると、遊技全般の進行を司る主制御装置は、当該検出信号に基づいて、例えば賞球を3個払出す賞球払出処理を実行するとともに、所定の確率による大当り抽選処理を実行する。大当り抽選処理の結果「大当り」となる確率は、例えば360分の1として予め設定される。主制御装置は、大当り抽選処理の結果に基づいて取付け開口19に装着される図外の図柄表示装置に表示される演出用図柄の変動を開始させるとともに、所定時間経過後に大当り抽選処理の結果を報知する態様で演出用図柄を停止させる図柄変動処理を実行する。
停止後の演出用図柄は、大当り抽選処理の結果が「大当り」である場合には、例えば「7・7・7」のように同一数字や特定のキャラクターを模した図柄が直線状に配列された形態であり、大当り抽選処理の結果が「大当り」以外の「外れ」である場合には、「1・3・5」のような互いに異なる数字やキャラクターを模した図柄が配列された形態である。
本実施形態において、大当り遊技は遊技盤11の右側に設けられた大入賞部品25の開閉扉25Aが、遊技盤11の裏側に配設されたソレノイドにより開放動作されることによって実行される。詳細は後述するが、大入賞部品25は、開閉扉25Aの開閉動作により、球の進入を容易又は困難なものとすることが可能な可変入賞部品である。
また、球が複数の一般入賞部品27;29とそれぞれ対応する検出センサー55;56Aにより検出されると、主制御装置は、当該検出信号に基づいて例えば賞球を3個払出す賞球払出処理を実行する。
迂回流路部32は、第1傾斜部33、第2傾斜部34及び垂直部35により形成され、直線的に屈曲した流路である。第1傾斜部33は、垂直な連絡流路部31に対して左下方に向かって漸次傾斜する流路であって、下流側の垂直部35と連通する。垂直部35は、第1傾斜部33及び第2傾斜部34を接続する通路であって、垂直方向に延長する。
第2傾斜部34は、垂直部35に対して右下方に向かって漸次傾斜する流路であって、下流側の流路と連通する。つまり、第1傾斜部33と第2傾斜部34とは、下流側に向かって互いに反対方向に延長する流路である。また、第1傾斜部33、第2傾斜部34、垂直部35及びセンサー受容プレート46により囲まれる内周側の検出空間Rには、後述の検出ユニット40が配設される。
また、スリット36は、迂回流路部32の前後方向中央に形成される。図4(a),(b)に示すように、スリット36の存在により、糸付き球Pの球は、迂回流路部32に沿って迂回しながら流下するが、球に接続された糸Qは、スリット36を経て迂回流路部32の内周側の検出空間R内おいて球の自重によって吊下げられた状態となり、検出空間R内に設けられた検出ユニット40により検出される。
なお、本例において、スリット36が形成される第1傾斜部33の内周側の壁部32Aは、平坦であってもよいが、図3(b)の斜視図に示すようにスリット36を中心にV字状に傾斜する斜面とすれば糸付き球Pの糸Qを確実に検出空間R内に導くことができる。
本例に係る検出ユニット40は、糸受け部材41及びフォトセンサー45から構成される。糸受け部材41は、センサー受容プレート46に対して弾性支持される。
センサー受容プレート46は、セット板50と同様に例えばアクリル樹脂から形成される板材であって、第1傾斜部33、及び、第2傾斜部34同士を接続するように垂直方向に延長し、第1傾斜部33,第2傾斜部34及び垂直部35の内周側の壁部32Aとの間に検出空間Rを形成する。
また、センサー受容プレート46の略中央には迂回流路部32と離れる方向に窪む後述のフォトセンサー45を受容するためのセンサー受容部46Aが形成される。また、センサー受容部46Aの上方には、後述の受容部43のガイド部42が貫通する貫通孔46Bが形成される。
ガイド部42は、受容部43の一側面からセンサー受容プレート46方向に延長する。また、ガイド部42の他端部は、センサー受容プレート46に開設された貫通孔46Bに挿通される。貫通孔46Bを貫通するガイド部42の他端部には抜け止め部材48が嵌入され、ガイド部42の脱落が防止される。
また、ガイド部42には周囲を取り巻くように、センサー受容プレート46の表面及び受容部43の表面の間に渡ってバネ42Aが介挿される。つまり、糸受け部材41は、ガイド部42及びバネ42Aによりセンサー受容プレート46に対して弾性支持され、受容部43が糸の圧力を受けた場合に迂回流路部32から離れる方向に直動する。
一方、受容部43が糸の圧力から開放された場合には、糸受け部材41が常に糸を受けられる位置となるように元の状態に復帰する。
不正な糸付き球Pが、複数の一般入賞部品27のいずれかから取り込まれると、糸付き球Pは、横流路部53B及び連絡流路部31を経て迂回流路部32内に進入する。そして、迂回流路部32に進入した糸付き球Pが、第1傾斜部33から垂直部35へ到達すると、糸付き球Pに接続され後続に続く糸Qは、第1傾斜部33及び垂直部35の角部よりスリット36内に進入し、糸付き球Pが第2傾斜部34を経ることにより検出空間R内において吊下げられた状態となる。また、検出空間R内において吊下げられた状態の糸Qは一様な張力を有し、検出空間R内の糸受け部材41の受容部43に迂回流路部32と離れる方向の力を加える。そして、受容部43に力が加わることで、遮光板44がフォトセンサー45の発光部45Bから照射される光を遮り、フォトセンサー45は不正遊技を検出して、主制御装置に不正検出信号を出力する。
即ち、本実施形態に係る不正遊技検出機構30によれば、迂回流路部32の内周側の壁部32Aにスリット36を形成し、スリット36を介して検出空間R内に進入した糸付き球Pのみを検出ユニット40によって確実に検出する構成であるため、糸付き球Pを用いた不正な遊技を確実に防止することが可能となる。
以下、役物構造体60について概説する。役物構造体60は、内部空間内に大当り遊技獲得の契機となる特定領域60A及び非特定領域60Bを有し、羽根部材62が開放動作中に進入した球が特定領域60Aに誘導されることにより大当りを獲得することができる。
特定領域60Aは、例えば前後方向に進退動作する誘導部材64により閉鎖又は開放されており、誘導部材64の動作タイミングによって球が特定領域60Aに誘導されるか否かが決まる。特定領域60A又は非特定領域60Bに取り込まれた球は、導出孔54を経てセット板50に誘導され、それぞれ検出センサー68,69によって検出される(図2参照)。
同図における役物構造体60内には、下方の特定領域60A及び非特定領域60Bに向かって延長する内部流路63の途中に球を左右に迂回させる迂回流路部32が形成され、迂回流路部32の内周側に検出ユニット40が配設されている。よって、例えば不正な遊技者が役物構造体60内に糸付き球Pを進入させることにより、不正な大当りの獲得や賞球の払出を実行しようとした場合であっても、糸付き球Pの存在を確実に検出することが可能となる。
同図に示すように、本実施形態に係る不正遊技検出機構30は、連絡流路部31と連通する迂回流路部32が、垂直方向に流下する球を左方に誘導した後に右方に誘導する湾曲した流路である点で上記実施形態と異なる。当該実施形態によっても湾曲した迂回流路部32の内周側の壁部32Aに形成されたスリット36に上述の糸Qが進入するため、検出空間R内に配設された検出ユニット40により不正な遊技を確実に検出することができる。
即ち、不正遊技検出機構30を構成する迂回流路部32の形状は如何なる形状であってもよく、内周側に検出空間Rを確保し得る形状であればよい。また、上記実施形態においては、球の迂回方向を垂直に落下する球が遊技盤11の左右方向に迂回する形状としたが、迂回方向を遊技盤11の前後方向としてもよい。
同図に示すように本実施形態に係る不正遊技検出機構30は、連絡流路部31と連通する迂回流路部32が、第1傾斜部70、垂直部71、第2傾斜部72に加えて水平部73から構成される点で上述の実施形態と異なる。なお、第1傾斜部70、垂直部71及び第2傾斜部72の構成については、前述の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
水平部73は、第2傾斜部72と連通する流路であって、第2傾斜部72に沿って流下してくる球を水平方向に誘導する。また、水平部73の下流側には、図外の検出センサーが設けられており、迂回流路部32を経由した球が検出される。水平部73は、迂回流路部32を構成する内周側の壁部73Aと外周側の壁部73Bとにより形成され、壁部73A;73Bはともに水平方向に延長する。
25 大入賞部品、26 中央始動入賞部品、27一般入賞部品、29 一般入賞部品、
30 不正遊技検出機構、31 連絡流路部、32 迂回流路部、33 第1傾斜部、
34 第2傾斜部、35 垂直部、36 スリット、
40 検出ユニット、41 糸受け部材、42 ガイド部、
43 受容部、44 遮光板、45 フォトセンサー、46 センサー受容プレート、
50 セット板、52 球通路、53 球通路、54 導出孔、
60 役物構造体、62 羽根部材、63 内部流路、
70 第1傾斜部、71 垂直部、72 第2傾斜部、73 水平部。
Claims (5)
- 糸付き球を用いた不正遊技を検出する不正遊技検出機構を備えた遊技機であって、
前記不正遊技検出機構が、
迂回流路を有するとともに、取り込み口から取り込まれた球を誘導する通路と、
前記迂回流路の内周側の壁部に設けられたスリットと、
前記迂回流路よりも内周側に設けられ、前記球に接続された糸を検出する検出ユニットと、
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記迂回流路が屈曲した流路である請求項1記載の遊技機。
- 前記迂回流路が湾曲した流路である請求項1記載の遊技機。
- 前記迂回流路における前記検出ユニットよりも下方に位置する流路が水平な流路である請求項1乃至請求項3いずれかに記載の遊技機。
- 前記検出ユニットがフォトセンサーを含む請求項1乃至請求項4いずれかに記載の遊技機。
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