以下、本発明に係る弾球遊技機の入賞装置の好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図1は上記弾球遊技機の一例として説明するパチンコ機の外観正面図で、図2はパチンコ機の裏面側を示す背面図で、図3はパチンコ機に設けられた入賞装置周辺を示す斜視図で、図4は入賞装置に設けられた開閉扉周辺を示す平断面図で、図5は入賞装置を示す平断面図で、図6は図5中の矢印C−Cに沿った部分断面図で、図7は図5中の矢印A−Aに沿った部分側断面図で、図8は図5中の矢印B−Bに沿った部分側断面図である。また、図9はパチンコ機に設けられている制御システムの概略を表したブロック図で、図10および図11はパチンコ機における遊技の概要を示すフローチャートで、図12から図14はパチンコ機に設けられた入賞装置の一実施形態を概念的に示す図である。
ここではまず、上記弾球遊技機の一例として説明するパチンコ機PMの概要構成を図1および図2を参照して説明する。このパチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠2が正面左側上下に配設されたヒンジ部材3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して通常は外枠1と係合された閉鎖状態に保持される。
前枠2の正面側には、前枠2の前面域に合わせた方形状をなし中央部に取り付けられたポリカーボネート板やガラス板等の透明板材5a(図7もしくは図8参照)を通して遊技盤20を透視可能なガラス扉5が、さらにガラス扉5の下部には遊技球を整列させて1個ずつ前枠2の裏面に設けられた打球発射装置9に導く上球皿6が、ともに左側縁に内蔵されたヒンジ機構により前枠2に対して横開き開閉および着脱が可能に組み付けられる。ガラス扉5および上球皿6は、通常は施錠装置4および図示しないロック機構を利用して前枠2の前面を覆う閉止状態で保持される。また、前枠2の下部には下球皿7が設けられ、この下球皿7と並んで遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が取り付けられている。
遊技盤20は、板厚19mm程度の積層合板を所定形状に切断等して、その表面に所定意匠のセルを貼り付けた化粧板(ベニヤとも称される)21を基板として構成される。化粧板21の前面側には、帯状の外レール23aおよび内レール23bが円弧状に固設され、これらの案内レール23a,23bで囲まれた内側に遊技領域PAが区画される。遊技領域PAには、始動入賞具50、左大入賞具60および右大入賞具60´が隣接して並設された入賞装置40、一般入賞具25、さらに遊技の進行状況に応じて所定の図柄を表示させる図柄表示装置28などが取り付けられ、遊技領域PAの下端には入賞装置40や一般入賞具25に入賞せずに落下した遊技球を遊技盤20の裏面側に排出させるアウト口27が設けられている。また、図柄表示装置28は、遊技盤20のほぼ中央に位置しており、この図柄表示装置28は、3桁の絵柄の組合せから成る「特別図柄」を液晶画面にて変動表示させる図柄表示画面を有して構成されている。さらに、図柄表示装置28の上方には4個の特別図柄保留ランプ29,29,29,29が設けられている。
図2に示すように、前枠2の裏面下部には、遊技球を外レール23aに向けて発射する打球発射装置9、および操作ハンドル8の回動操作を受けて打球発射装置9の作動を制御する発射装置制御基板200が取り付けられている。また、上球皿6の背後には、通常は閉鎖保持される上球皿6によりその前面側が覆われている遊技補助盤と称される補助機構部が形成され、その前面側に打球発射装置9によって打ち出された遊技球を外レール23aに向けて案内する発射レールや、遊技領域PAに到達できずに打球発射装置9側に戻ってきたファール球を下球皿7に排出させるファール球回収経路部材、遊技の展開状況に応
じた効果音を発生させるスピーカなどが取り付けられている。
また、前枠2の背後には、裏セット盤30が取り付けられている。この裏セット盤30は、外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの方形状をなし、中央に表裏貫通する窓口31wを有して一体成形された基枠体31をベースとして構成される。基枠体31の側縁部には上下に所定間隔をおいて裏セット盤揺動ヒンジ部材32,33が固定されており、この上下の裏セット盤揺動ヒンジ部材32,33を前枠2側の上下の固定ヒンジ部材12,13に係合させて揺動させあるいは係脱させることで、裏セット盤30が前枠2の背後に横開き開閉および着脱可能に装備され、通常は3箇所の閉鎖レバー34を利用して前枠2の背面を覆うように閉鎖保持される。
裏セット盤30には、窓口31wを取り囲むようにして賞球を払い出すための賞球経路が設けられる。すなわち、基枠体31の裏面側には、遊技球の貯留・供給を行うタンク部材35、タンク部材35から供給される遊技球を整列させて流下させる整列樋部材36、整列樋部材36から供給される遊技球を受けて所定数量の遊技球を待機保持させる賞球待機通路37、賞球待機通路37に待機された遊技球を所定の入賞条件等に基いて払い出す球払出装置38、球払出装置38から払い出された遊技球を上下の球皿6,7に導く賞球払出経路39などの賞球経路が設けられている。また、基枠体31の前面側には、窓口31wの下方に位置して遊技盤20の裏面側に排出されたアウト球およびセーフ球、球抜き機構によって賞球経路の途上から排出された抜き球等を集合させる図示しない集合経路が形成され、基枠体31の裏面側には集合経路と繋がって集合された遊技球を遊技施設側の回収バケットに排出させる図示しない球排出経路が形成されている。
裏セット盤30の裏面各部には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主基板700や、主基板700からの指令信号を受けて、ソレノイドに向けて制御信号を出力するソレノイド中継基板800、主基板700からの指令信号に基いて球払出装置38の作動制御を行う球払出基板300、効果照明や効果音の作動制御を行うランプ・音声制御基板400、これらの制御基板や各種電子機器等に電力を供給する電源基板500などの回路基板が着脱交換可能に取り付けられ、これら各回路基板や電子機器が図示しないワイヤーハーネスで接続されてパチンコ機PMが構成される。
パチンコ機PMは、ガラス扉5、上球皿6、裏セット盤30等がそれぞれ閉鎖され、前枠2が外枠1に閉鎖施錠された状態で遊技に供される。遊技は上球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより開始され、上球皿6に貯留された遊技球が1球ずつ打球発射装置9に送られ操作ハンドル8の回動操作角度に応じた強度で遊技領域PAに打ち出されてパチンコゲームが展開される。
次に、本発明に係る入賞装置について図3から図8を加えて説明する。図柄表示装置28の下方には、入賞装置40を遊技盤20に取り付けて固定するための図示しない配設孔が設けられており、この配設孔は、遊技盤20の前面に形成される遊技領域PAから遊技盤20の裏面側へと貫通形成されている。また、入賞装置40は、後述するソレノイド類が収納され上記配設孔内に取付可能な直方体状の筺体41と、筐体41の前面側を覆う平板状の取付板42とを有して構成され、筐体41を配設孔内に遊技盤20の表側から装入し、取付板42に形成された図示しない取付孔を介して遊技盤20の前面にビス止めすることで入賞装置40が遊技盤20に固設される。
この入賞装置40は、上述したように、始動入賞具50および左右の大入賞具60,60´を有しており、左大入賞具60は始動入賞具50の左側に隣接して配設され、右大入賞具60´は始動入賞具50を挟んで左大入賞具60に対して右側に配設されている。図3に示すように、入賞装置40の前面には遊技球を受容可能な矩形状の3箇所の開口、すなわち始動用開口52、この始動用開口52を挟んで左側に左大入賞用開口62、右側に右大入賞用開口62´が形成されている。左大入賞用開口62および右大入賞用開口62´はともに左右に同一の長さを有している。
また、遊技盤20に取り付けられた開閉扉61は、平板状の左右の扉部61a,61bとこれらに挟まれた曲面部61cとを有して遊技盤20に対して前後に回動自在に構成され、開閉扉61が直立した閉鎖位置にあるときには、左扉部61aが上記左大入賞用開口62を閉鎖するように覆い、また、右扉部61bが右大入賞用開口62´を閉鎖するように覆い、さらに、曲面部61cが始動用開口52を遊技盤20の前面側に突出して遊技盤20の上方に向けて開口を形成する状態に覆うようになっている。一方、開閉扉61が遊技盤20に対してその上端が前方に傾斜した開放位置では、左右の扉部61a,61bが落下する遊技球を受容して左右の大入賞用開口62,62´内へと誘導するようになっている。そして、左扉部61aにより左大入賞用開口62が開閉可能に構成されることで左大入賞具60が構成され、右扉部61bにより右大入賞用開口62´が開閉可能に構成されることで右大入賞具60´が構成される。なお、図3に示すように、曲面部61cの端部は後述する理由から、斜めに切り欠かれた形状になっている。
始動用開口52の下側の一部は、遊技盤20の上方に向けて開口した平面視U字形の球受部材51により覆われていて、この球受部材51と閉鎖位置にある開閉扉61の曲面部61cとで始動入賞具50が構成される。図7に示すように、球受部材51の内側は曲面51aが形成され始動入賞具50に落入した遊技球がこの曲面51aにより案内されて始動用開口52内へと誘導されるようになっている。始動用開口52は、その左右開口幅が遊技球の外径よりも大きく形成されており、遊技球が1球ずつこの始動用開口52内に進入できるようになっている。始動用開口52内には、平面視でコの字形に形成された仕切壁107が設けられ、始動用開口52の内部は後述する右転がり面101および左転がり面102とは隔絶されている(図5参照)。また、始動用開口52は、遊技球が1球ずつ通過する幅に下方に延びて形成された始動用入賞通路113と連通されている。さらに、この始動用入賞通路113は入賞装置40の下部通路114に開口形成されて下方に延びる入賞球排出通路115と連通されている(図6参照)。すなわち、始動入賞具50へ入賞した遊技球は、始動用入賞通路113を1球ずつ通過して、入賞球排出通路115から遊技盤20の裏面へ排出されるようになっている。
なお、図3に示すように、仕切壁107,107を各々前方に延出させた仕切壁108を設けるようにしてもよい。このようにすることで、遊技盤20を落下して始動入賞具50上方の釘に当たった遊技球が、大入賞用開口62,62´の側に流れることなく始動用開口52内へと確実に誘導されるようになる。この場合、左扉部61aと曲面部61cとの境目および右扉部61bと曲面部61cとの境目を、いずれも図3の鎖線にて示すように、より緩やかに形成することで、閉鎖位置にある開閉扉61が仕切壁108と干渉しないようにすることが可能である。
また、同じく図3に示すように、左扉部61a上の曲面部61c側の端部および右扉部61b上の曲面部61c側の端部に、前後に延びる直方体状のリブ67を設けてもよい。このようにすることで、開放位置にある開閉扉61の左扉部61aもしくは右扉部61b上を転動する遊技球が、曲面部61cの側に流れることなく左右の大入賞用開口62,62´内へと確実に誘導されるようになる。
始動用入賞通路113には、遊技球が通過可能な平面視略八角形状の検出孔部135aを有し遊技球がこの検出孔部135aを通過したときにこれを磁気的に検出する始動入賞センサ135が設けられている。この始動入賞センサ135は、始動用入賞通路113内に設けられたセンサホルダ136により前後方向に挿抜自在に収容されている。この始動入賞センサ135は、ハイ信号及びロー信号の2通りの状態をとる始動入賞信号を出力する。この始動入賞信号は、遊技球の通過を検出していないときにはハイ信号として出力されるが、遊技球が通過する間のみロー信号として出力される。なお、光学的又は機械的センサが始動入賞センサとして使用されることもある。
取付板42の裏面には、後方へ突出した左右2箇所の軸受部43,44が設けられている。この軸受部43,44には、上方が開放され左右に延びる軸受溝43a,44aが各々設けられている。また、左大入賞具60を構成する左扉部61aの左側端部には、左方に突出する係合軸63が、右大入賞具60´を構成する右扉部61bの右側端部には、右方に突出する係合軸64が設けられている。係合軸63は上記軸受溝43aと嵌合し、係合軸64は軸受溝44aと嵌合する。このようにして入賞装置40に取り付けられた開閉扉61は、その左右に渡って延びる回動軸65を回動中心として、遊技盤20の前後方向に回動可能である。すなわち、この開閉扉61は、直立した状態で左大入賞用開口62および右大入賞用開口62´を閉鎖する閉鎖位置と、遊技盤20に対して前方に傾斜した開放位置との間で、回動軸65を回動中心として回動変位可能となっている。また、係合軸64とは別に、右扉部61bの右側端部には、右方に延びて後述する規制片94の長穴95と係合する係止片66が設けられている。
上記のように構成される開閉扉61を開閉作動させるための駆動機構として、上下に延びて上下方向に移動可能なプランジャ92を有した大入賞具開放ソレノイド91が入賞装置40内に配設されている。図8に示すように、この駆動機構は、当該ソレノイド91のほか、プランジャ92、バネ93および規制片94から構成される。
ソレノイド91への通電がない状態では、プランジャ92は、プランジャ92に被せられたバネ93のプランジャ92に沿う方向への復元力により、下方に突出した状態を保っている。このプランジャ92の先端には、側面視クランク状の規制片94が取り付けられている。この規制片94の先端部の側面には、前後に延びる長穴95が設けられており、この長穴95と、開閉扉61の係止片66とが係合するようになっている。バネ93の復元力は、規制片94を介して長穴95と係合する係止片66に伝達され、係止片66が下方に押圧されることで開閉扉61が直立した閉鎖位置に保持される(図8において実線で表される開閉扉61)。
ソレノイド91への通電で、プランジャ92がバネ93の復元力に抗してソレノイド91内へ引き込まれると、これとともに規制片94が上動する。このとき、係止片66が長穴95内を規制片94の基端側に移動する。そして、開閉扉61は、自重によりその下端の回動軸65を回動中心として図7における矢印D方向に回動し、遊技盤20に対して前傾する状態になり、左大入賞具60および右大入賞具60´が開放される(図8において開放された開閉扉61を鎖線で示す)。なお、上記のように、曲面部61cの端部は斜めに切り欠かれた形状になっている。このため、曲面部61cの矢印D方向への回動の過程で、曲面部61cが遊技盤20前方にある透明板材5aに接触するのが防止されるようになっている。
そして、このようにして開放位置に位置した開閉扉61は、その曲面部61cが丁度球受部材51の下方に潜り込むような状態になる。また、自重により所定の角度まで前傾した開閉扉61は、係止片66と規制片94とが係合することで、それ以上の回動が規制され、開閉扉61が所定の以上の角度に前傾されるのが阻止されるようになっている。
一方、ソレノイド91への通電が切断されると、バネ93の復元力によりプランジャ92は下方に突出し、これにともなって規制片94が下方へ移動する。このため、係止片66は長穴95の先端側に移動して下方に押し付けられ、開閉扉61はその回動軸65回りに後方に(遊技盤20の側に)回動して左大入賞具60および右大入賞具60´が閉鎖される。
入賞装置40の右大入賞用開口62´側には、入賞装置40の奥側に向かってやや下傾する右転がり面101が形成され、同様に、左大入賞用開口62側には入賞装置40の奥側に向かってやや下傾する左転がり面102が形成されている(図5参照)。さらに、左転がり面102の一部は、左転がり面102上を前後に延びる仕切壁105により左右の領域に分けられて、平面視で右側の第1球通路側転がり面103と平面視で左側の第2球通路側転がり面104とが形成されている。また、第1球通路側転がり面103と右転がり面101とを繋ぐ転がり面106が第1球通路側転がり面103側から右転がり面101側に向けて下傾して形成されている。
右転がり面101の右奥隅側には非特定領域と称される第1球通路111が、第2球通路側転がり面104の奥側には特定領域(いわゆるVゾーン)と称される第2球通路112が、いずれも下方に延びて形成されている。また、第2球通路112の上部には、左右方向に移動変位して第2球通路112の入口を開閉させるシャッタ121が左右に延びて配設されている。
上記シャッタ121の駆動機構として、左右に移動可能なプランジャ123を有した特定領域ソレノイド122がシャッタ121の左方に設けられている。シャッタ121は正面視でL字形に形成され、その基端側がプランジャ123の先端部に取り付けられている。この特定領域ソレノイド122への通電がない状態では、図5および図6に示すように、プランジャ123はプランジャ123に被せられたバネ124のプランジャ123に沿う方向への復元力により、右方に突出した状態を保っている。この状態では、シャッタ121により、第2球通路112の入口は閉鎖されている。このため、第2球通路側転がり面104を流れてきた遊技球は、第2球通路112内へ突入できずに、転がり面106上を第1球通路111に向けて右方に流れる。
特定領域ソレノイド122への通電で、プランジャ123がバネ124の復元力に抗して特定領域ソレノイド122内へ引き込まれると、これとともにシャッタ121が左動する。このため、第2球通路112の入口は開放されて第2球通路側転がり面104を流れてきた遊技球は、第2球通路112内へ突入可能となる。一方、特定領域ソレノイド122への通電が切断されると、バネ124の復元力によりプランジャ123は右動し、これにともなってシャッタ121が右動して第2球通路112の入口が閉鎖される。
第1球通路111には、遊技球が通過可能な平面視略八角形状の検出孔部131aを有し遊技球がこの検出孔部131aを通過したときにこれを磁気的に検出する球検出センサ131が設けられている(図5および図6参照)。この球検出センサ131は、第1球通路111に設けられたセンサホルダ132により前後方向に挿抜自在に収容されている。この球検出センサ131は、ハイ信号及びロー信号の2通りの状態をとる球検出信号を出力する。この球検出信号は、遊技球の通過を検出していないときにはハイ信号として出力されるが、遊技球が通過する間のみロー信号として出力される。なお、光学的又は機械的センサがこの始動入賞センサ135として使用されることもある。
同様に、第2球通路112には、遊技球が通過可能な平面視略八角形状の検出孔部133aを有し遊技球がこの検出孔部133aを通過したときにこれを磁気的に検出する球検出センサ133が設けられている(図5および図6参照)。この球検出センサ133は、第2球通路112に設けられたセンサホルダ134により前後方向に挿抜自在に収容されている。この球検出センサ133は、ハイ信号及びロー信号の2通りの状態をとる球検出信号を出力する。この球検出信号は、遊技球の通過を検出していないときにはハイ信号として出力されるが、遊技球が通過する間のみロー信号として出力される。なお、光学的又は機械的センサが始動入賞センサとして使用されることもある。
また、第1球通路111の下部は下部通路114に開口形成されて下方に延びる入賞球排出通路115と連通されており、第1球通路111内を通過した遊技球は、下部通路114を通って入賞球排出通路115から遊技盤20の裏面へ排出されるようになっている。同様に、第2球通路112の下部は下部通路114に開口形成されて下方に延びる入賞球排出通路115と連通されており、第2球通路112内を通過した遊技球は、下部通路114を通って入賞球排出通路115から遊技盤20の裏面へ排出されるようになっている。
次に、パチンコ機PMを制御する制御システムの概略を説明する。図9に示すように、本制御システムは、遊技盤20に配設された遊技盤側電気部品である球検出センサ131,133、始動入賞センサ135、ソレノイド中継基板800、ソレノイド91,122、図柄表示装置28等と、裏セット盤30に配設された枠側電気部品である上述の主基板700等とから構成され、これらがケーブル等により電気的に接続されている。
すなわち、主基板700は、始動入賞センサ135に接続されて始動入賞センサ135からの検出信号(始動信号)が主基板700に入力される。また、大入賞具開放ソレノイド91および特定領域ソレノイド122は、ソレノイド中継基板800を介して主基板700と各々接続され、主基板700からのソレノイド駆動信号が、ソレノイド中継基板800を介して各ソレノイド91,122に入力され、各ソレノイド91,122を駆動させるようになっている。また、主基板700からの図柄表示信号が図柄表示装置28に入力されると、図柄表示装置28が作動して複数の図柄表示部における図柄の変動表示をさせるようになっている。
主基板700は、パチンコ機PMの動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶されている半導体メモリ等で形成された記憶部およびこれらのプログラムを実行するマイクロプロセッサ(以下、「CPU」という。)を有する制御部710と、主基板700の制御とは無関係に図柄抽選用の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)を発生させる乱数発生部720とから構成されている。
CPU711は、図柄抽選手段B73を有している。主基板700は、始動入賞センサ135からのロー信号(始動信号)を検出すると、この図柄抽選手段B73により、乱数発生部720から順次発生する65536個の乱数のうちの1つのカウント値を取得することで、図柄表示装置28における停止図柄の決定が行われる。
制御部710には上記のCPU711のほか、ROM712が設けられており、CPU711が実行すべき制御プログラム及び制御の過程で必要なデータはROM712に記載されている。これら必要なデータのうち、例えば図柄データテーブルB74には、図柄表示装置28における停止図柄を決定するための図柄データが記録されている。個々の図柄データにはアドレス番号が付与されており、1つのアドレス番号から1つの図柄データが特定されることとなっている。上述のように、始動入賞センサ135からのロー信号(始動信号)を検出すると、乱数発生部720により発生した乱数の中から抽選した図柄抽選用のカウント値と、図柄データテーブルB74内の図柄データとの照合により停止図柄が選択される。そして、主基板700からの図柄表示信号に基いて選択された所定の図柄が図柄表示装置28上に表示される。
上記のようにして、図柄抽選手段B73による抽選結果に基いて選択された3桁の絵柄もしくは数字の組合せから成る「特別図柄」(例えば、「147」,「258」)が図柄表示装置28の液晶画面に表示されるが、この特別図柄のうち、3桁がいずれも同一種類の絵柄の組合せから成るもの(例えば、「111」,「777」)を「大当たり図柄」と称する。
次にパチンコ機PMにおける遊技の概要について、図10から図11までのフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図10および図11に示すフローチャートは、丸囲みAの部分同士が繋がって1つのフローチャートを構成し、丸囲みBの部分同士が繋がって1つのフローチャートを構成している。まず、操作ハンドル8を遊技者が操作することで、遊技盤20に打球が弾球される。この打球は、遊技盤20上に設けられた図示しない釘等に接触しながら、遊技盤20を落下する。そして、落下の過程で始動入賞具50へ入賞(ステップS1)するか、もしくは一般入賞具25へ入賞(ステップS20)すると、上球皿6のうち横型長方形をなし前枠2に対して開閉可能な当て板6aの左側上部に設けられた賞球払出口6bから所定の数(例えば5球)の賞球が遊技者に払い出される(ステップS2もしくはステップS21)。
始動入賞具50への入賞があった場合に、制御部710に記憶されている保留球数が0の場合には、以降の図柄の変動処理は実行されることはなく、一方、保留球数が1以上4以下の場合には、保留球数から1が減算される(ステップS3)。そして、始動入賞センサ135からのロー信号の検出に基いて賞球払出口6bから所定の数(例えば5球)の賞球が払い出されるのに加え、主基板700から制御信号が図柄表示装置28に出力され、図柄表示装置28が作動して図柄の変動表示が開始される(ステップS4)。なお、図柄表示装置28における図柄の変動表示の最中に打球が始動入賞具50に入賞した場合には、保留球数が最大4個まで制御部710において記憶され、記憶された保留球数分に相当する回数だけ、以後の図柄表示装置28の作動が保証されることとなっている。記憶された保留球数は、遊技盤20上の特別図柄保留ランプ29,29,29,29が点灯することで遊技者が認識できるようになっている。
そして、続くステップS5において、図柄抽選手段B73により、乱数発生部720により生成される乱数のうちの1つのカウント値が取得され、このカウント値に応じた停止図柄が選択される。そして、主基板700からの図柄表示信号に基いて選択された所定の図柄が図柄表示装置28上に表示される(ステップS6)。
このとき、図柄抽選手段B73により取得されたカウント値が所定の当選値であるか否かが判断され(ステップS7)、所定の当選値でない限りは、すなわち、図柄表示装置28に停止表示された図柄が所定の大当たり図柄でない限りは、主基板700からソレノイド駆動信号がソレノイド91に出力されためにソレノイド91は通電されず、開閉扉61は直立した状態のままであり、左右の扉部61a,61bは閉鎖状態を保つ(ステップS8)。このような左右の扉部61a,61bの閉鎖状態では、左大入賞具60および右大入賞具60´内に遊技球の進入ができないようになっている。このため、遊技盤20上を落下する遊技球は、大入賞具60,60´内に入らずに、下方のアウト口27に至る。
一方、図柄抽選手段B73により取得されたカウント値が所定の当選値である場合には、すなわち、図柄表示装置28における図柄変動の結果、停止表示される特別図柄が所定の大当たり図柄の場合には、「大当たり遊技」が発生する。この大当たり遊技においては、普段は閉鎖位置にある開閉扉61が所定の前傾した位置まで回動し、左右の大入賞具60,60´は開放状態となる(ステップS9)。このような開放状態では、左右の扉部61a,61bが遊技盤20上を落下してくる遊技球を受けて、左右の大入賞具60,60´内への遊技球の進入が可能となる。このとき、入賞装置40内では、主基板700から制御信号が出力されて特定領域ソレノイド122が通電され、シャッタ121が左動することによって第2球通路112が開放される(ステップS10)。
右扉部61bに受容されて右転がり面101に進入した遊技球は、第1球通路111内に突入する。このとき、第1球通路111内に設けられた球検出センサ131の検出孔部131aを遊技球が通過して、その検出が行われ(ステップS11)、賞球払出口6bから所定の数(例えば15球)の賞球が払い出される(ステップS12)。また、左扉部61aに受容されて左転がり面102に進入した遊技球のうち、仕切壁105よりも右側の第1球通路側転がり面103を通過する遊技球は、下傾する転がり面106によって右転がり面101側に誘導されて、第1球通路111内に突入する。このとき、第1球通路111内に設けられた球検出センサ131の検出孔部131aを遊技球が通過して、その検出が行われ(ステップS11)、賞球払出口6bから所定の数(例えば15球)の賞球が払い出される(ステップS12)。
一方、左扉部61aに受容されて左転がり面102に進入した遊技球のうち、仕切壁105よりも左側の第2球通路側転がり面104を通過する遊技球は、第2球通路112内に突入する。このとき、第2球通路112内に設けられた球検出センサ133の検出孔部133aを遊技球が通過して、その検出が行われ(ステップS13)、賞球払出口6bから所定の数(例えば15球)の賞球が払い出される(ステップS14)。これとともに、球検出センサ133による遊技球の検出が行われると、主基板700から制御信号が出力されて特定領域ソレノイド122への通電が遮断され、シャッタ121が右動して第2球通路112の入口が閉鎖される(ステップS15)。そしてこれ以降、再び開閉扉61が開放されるまでは、シャッタ121は第2球通路112の入口を閉鎖したままの状態となる。
左右の大入賞具60,60´は、開放されて所定の時間(例えば30秒間)経過するか、又は球検出センサ131,133により所定の数(例えば10球)の入賞の検出があるかの判断により(ステップS16)、いずれかの条件を満たした場合に一旦閉鎖する(ステップS17)。そして、この左右の大入賞具60,60´が開放していた間に、入賞装置40の内部に設けられた第2球通路112(特定領域)への入賞があったと判断された場合には(ステップS18)、大入賞具60,60´は上記のように一旦閉鎖した後、再度開放することとなっている。これにより、大入賞具60,60´の開放は、所定の回数(例えば16回)連続することが可能となっている。また、大入賞具60,60´が所定の回数(例えば16回)開放し終えるか、又は大入賞具60,60´の開放中に第2球通路112への入賞がなかった場合には(ステップS19)、この大当たり遊技は終了する。
なお、これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述した実施形態に必ずしも限定されるものではない。例えば、上記の実施例では、左大入賞用開口62と右大入賞用開口62´とが左右に同一の長さに形成されることで、左大入賞具60と右大入賞具60´とが左右に同一の長さになるように構成されていたが(図12参照。「始」は始動入賞具を表し、「大」は大入賞具を表す。これ以降の図において同じ。)、左大入賞用開口62および右大入賞用開口62´の左右の長さを変えることで、図13(a)に示すように、右大入賞具の方を左大入賞具よりも左右に長く構成したり、あるいは、図13(b)に示すように、左大入賞具の方を右大入賞具よりも左右に長く構成したりすることもできる。このように構成すれば、遊技球が左大入賞具の側により落入し易くなったり、あるいは、右大入賞具の側により落入し易くなったりする。
さらに、上記の実施例では、始動入賞具50を挟んで左大入賞具60および右大入賞具60´が設けられた構成であったが、図14(a)に示すように、1つの大入賞具を始動入賞具の左側に設けて始動入賞具の右側には設けず(もしくは、常に閉鎖状態にして)、あるいは、図14(b)に示すように、1つの大入賞具を始動入賞具の右側に設けて始動入賞具の左側には設けない(もしくは、常に閉鎖状態にして)ように構成してもよい。このよな構成によれば、遊技盤を落下する遊技球の遊技経路によっては、大入賞具に入賞させ易くしたり、入賞させにくくしたりすることができる。