JP5689444B2 - 透明絶縁積層体及びこれを用いたプリント基板 - Google Patents
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Description
〔1〕透明支持体の少なくとも片面側に設けて利用される透明絶縁膜形成用ドープであって、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む特定重合体を有機溶媒中に溶解したドープ。
〔2〕デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式(U)で表される構造を含む〔1〕に記載のドープ。
〔3〕デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式(A1)又は(A2)で表される繰り返し単位である〔1〕または〔2〕に記載のドープ。
〔4〕式(A1)中、連結基L11が式中2位で示される炭素原子と結合した〔3〕に記載のドープ。
〔5〕式(A2)中、連結基L23が式中2位及び2’位で示される炭素原子と結合した〔3〕に記載のドープ。
〔6〕式(A1)中のL11が、*−L13−CO−**または*−CO−L13−**(*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表す。**はその逆の結合手を表す。)で表され、L13が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、酸素原子、カルボニル基、又は単結合であり、L12がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基である〔3〕または〔4〕に記載のドープ。
〔7〕式(A2)中のL21及びL22がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基であり、L23が酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合である〔3〕または〔5〕に記載のドープ。
〔8〕さらに、特定重合体が、ポリオール化合物由来もしくはポリカルボン酸由来の共重合成分を含む〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のドープ。
〔9〕共重合成分が、下記式(II)で表される〔8〕に記載のドープ。
〔10〕式(II)が下記式(B1)で表される〔9〕に記載のドープ。
〔11〕透明支持体が、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、及びポリ乳酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものである〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のドープ。
〔12〕透明支持体の少なくとも片面側に、〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のドープで形成された透明絶縁膜。
〔13〕〔12〕に記載の透明絶縁膜を有する透明絶縁積層体。
〔14〕〔13〕に記載の積層体と導電性膜とを具備するプリント基板。
(デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を含む繰り返し単位)
本発明の特定重合体は、下記式(AA)で表されるデヒドロアビエチン酸又はその誘導体を原料モノマーとして使用する。これを重合させて得られる単独重合体であっても、当該原料モノマーと他のモノマーとを重合させて得られる共重合体であってもよい。すなわち、上記特定重合体は、その分子構造中にデヒドロアビエチン酸に由来する骨格を含む繰り返し単位を有してなる。
L11:*−CO−L13−**または*−L13−CO−**(L13は連結基を表す。その詳細は後記参照。)
L12、L21、L22:カルボニル基
L23:酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合
(2)ポリオール由来の繰り返し単位であるとき
L11:*−L1A−O−**(L1Aは連結基を表す。その詳細は後記参照。)
L12、L21、L22:*−CH2−O−**
L23:前記と同義
G1はアルカン連結基(アルカンジイル、アルカントリイル、アルカンテトライル等)、アルケン連結基(アルケンジイル、アルケントリイル、アルケンテトライル等)、アリール連結基(アリールジイル、アリールトリイル、アリールテトライル等)、ヘテロアリール連結基(ヘテロアリールジイル、ヘテロアリールトリイル、ヘテロアリールテトライル等)を表す。G1がアルカン連結基、またはそれらの組合せもしくはアルケン連結基であるとき、鎖状であっても環状であってもよく、これが鎖状のとき直鎖であっても分岐であってもよい。アルカン連結基、アルケン連結基、アリール連結基、またはヘテロアリール連結基はその一つ以上の水素原子が特定の置換基に置換されていても、無置換でもよい。置換されているときの置換基としては、後記置換基Tが挙げられ、なかでもアルキル基、アルケニル基が好ましい。また、アルカン連結基およびアルケン連結基を構成する一つ以上の炭素原子がヘテロ原子によって置換されていてもよく、置換されているときのヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられ、なかでも酸素原子が好ましい(典型的にはアルキレン鎖の一部がエーテル結合に置き換わり連結された形である。)。なお、炭素数とは置換基を有する場合、その炭素原子の数を含まない意味である。
X、Y、Zはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−、−O(C=O)−、−(C=O)O−、−(C=O)NR−、及びこれらの組合せからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。好ましくは、−O−、−(C=O)O−、−(C=O)NH−、又は−(C=O)−である。前記Rは水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基を表す。
mzは0〜3の整数を表す。
本発明における特定重合体は、DHA主骨格を主鎖の一部を構成するように含んでいれば、その結合態様は特に限定されるものではない。前記特定重合体の重量平均分子量は限定的でないが、好ましくは5,000〜700,000、より好ましくは10,000〜500,000である。重量平均分子量がこの範囲であることにより、フレキシブルプリント基板等に適した、耐熱性、成形性等に優れ、さらに高い耐湿耐水性及び透明性が実現され良好となる。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフェィー(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で得られた値である。なお、本明細書では特に断らない限り、キャリアとしてはN−メチル−2−ピロリドンを用い、カラムとしてはトーソー(TOSOH)株式会社製 TSK−gel Super AWM−H(商品名)用いた値で分子量を示す。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基((好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシル基である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
式A01、A11、A1(以下式A1等)、A02、A12、およびA2(以下式A2等)には、L11、L12、L21、L22、L23の5つの連結基が存在するが、L23以外の4つの連結基については、(1)ポリエステル系重合体[I]、(2)ポリエステル系重合体[II]、(3)ポリアミド系重合体の3種においてそれぞれ好ましいものが異なる。中でも、本発明においては、(1)ポリエステル系重合体が高い性能が得られる点で好ましく、その順で以下に好ましい連結基の内容について説明する。なお、本明細書においてポリエステルとは、連結基にオキシカルボニル基があればよく、ポリカーボネート構造をとっていてもよい。ポリアミドについても同様であり、アミド基が連結基に含まれていればよく、ポリイミド構造、ポリウレア構造、ポリウレタン構造等であってもよい。
<ポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位>
・L11
式A1等中のL11は、*−CO−L13−**または*−L13−CO−**であることが好ましい。*は5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロフェナントレン環(母核)側の結合手を表す。**はその逆の結合手を表す。
・L13
L13が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、酸素原子、カルボニル基、単結合、またはこれらの組合せであることが好ましい。
L12は、カルボニル基であることが好ましい。
式A2等中のL21及びL22及は、カルボニル基であることが好ましい。このことは、上記L12と同様に、本実施形態の特定重合体が、DAA骨格を含む繰り返し単位を有して構成されていることを意味する。
L23は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合であることが好ましい。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖又は分岐鎖の鎖状であっても、環状であってもよい。L23で表される連結基は、耐熱性の観点から、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、及び炭素数6〜18のアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1種から構成されることが好ましく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、炭素数1〜4の鎖状のアルキレン基、炭素数5〜6の環状のアルキレン基、炭素数2〜4の鎖状のアルケニレン基、炭素数5〜6の環状のアルケニレン基、及び炭素数6〜8のアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1種から構成される2価の連結基、又は単結合であることがより好ましい。
・環構造を含むポリオール化合物
本実施形態のポリエステル系重合体[I]は、前述の共重合成分(式II、II−1)をポリオール化合物由来の繰り返し単位として含むことが好ましい。なかでも、その共重合体成分として環構造を有するポリオール化合物由来の繰り返し単位を少なくとも1種含むことが好ましい。前記ポリオール化合物に含まれる環構造は、ポリエステル系重合体[I]の側鎖部分に含まれていても、主鎖の一部を構成するように含まれていてもよいが、耐熱性の観点から、ポリオール化合物に含まれる環構造が主鎖の一部を構成していることが好ましい。これによりさらに耐熱性が向上する。
前記ポリエステル系重合体[I]は、環構造を含まないその他のポリオール化合物由来の繰り返し単位の少なくとも1種を含むものであってもよい。環構造を含まないポリオール化合物としては、ポリエステル系重合体[I]を構成するのに通常用いられるポリオール化合物を特に制限なく用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1.3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等といったジオール化合物が挙げられる。
前記ポリエステル系重合体[I]における環構造を含まないポリオール化合物由来の繰り返し単位の含有率は、その好ましい範囲において、前記環構造を含むものと同様である。
式(A1)・・・L13が単結合、化学式(L1−ex−4)、(L1−ex−10)又は(L1−ex−12)、L12がカルボニル基
式(A2)・・・L23が化学式(L2−ex−2)、(L2−ex−5)、(L2−ex−9)又は(L2−ex−11)、L21及びL22がカルボニル基
・ポリオール化合物由来の繰り返し単位
化学式(B1−ex−1)、(B1−ex−2)、(B1−ex−3)、(B1−ex−4)、(B1−ex−5)、(B1−ex−6)又は(B1−ex−11)
・ポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位
式(A1)・・・L11、L12がカルボニル基
式(A2)・・・L23が(L2−ex−2)、L21及びL22がカルボニル基
・ポリオール化合物由来の繰り返し単位
化学式(B1−ex−1)、(B1−ex−2)、(B1−ex−3)又は(B1−ex−4)
本実施形態のポリエステル系重合体[I]の製造に用いるデヒドロアビエチン酸は、例えば、ロジンから得ることができる。ロジンに含まれる構成成分は、これら採取の方法や松の産地により異なるが、一般的には、アビエチン酸(1)、ネオアビエチン酸(2)、パラストリン酸(3)、レボピマール酸(4)、デヒドロアピエチン酸(5)、ピマール酸(6)、イソピマール酸(7)等のジテルペン系樹脂酸の混合物である。これらのジテルペン系樹脂酸のうち、(1)から(4)で表される各化合物は、ある種の金属触媒の存在下、加熱処理することにより不均化を起こし、デヒドロアビエチン酸(5)と、下説構造のジヒドロアビエチン酸(8)に変性する。即ち、本発明のポリエステル系重合体[I]を製造する上で必要なデヒドロアビエチン酸(5)は、種々の樹脂酸の混合物であるロジンに適切な化学処理を施すことにより比較的容易に得ることができ、工業的にも安価に製造することができる。なお、ジヒドロアビエチン酸(8)とデヒドロアビエチン酸(5)とは、公知の方法により容易に分離できる。
本実施形態においては連結基がそれぞれ以下のものであることが好ましい。
・L11
L11は、*−L1A−O−**である。*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表し、**はその逆の結合手を表す。L1Aで示される単結合もしくは二価の連結基としては特に限定的ではないが、連結基としては、例えば、−(CnH2n)−、−CO(CnH2n)−、(ここで、nは1〜12、好ましくは1〜8の整数であり、直鎖でも分岐でも環状でもよくまた、更に置換基を有していてもよい。また、分子鎖を構成する炭素原子の1つ以上が、酸素原子に置き換わった構造であってもよい。)等が挙げられる。L1Aに結合する原子が酸素原子のときには、好ましくは−(CH2)4−、−(CH2)5−、又は−(CH2)6−等である。L1Aに結合する原子がカルボニル基のときには、好ましくは−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CO(CH2)2−、−CO(CH2)3−、又は−CO(CH2)4−等である。
L12は、*−CH2−O−**である。*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表し、**はその逆の結合手を表す。
L23は、(1)ポリエステル系重合体[I]と同義であり、好ましい範囲も同じである。
本実施形態の重合体は、例えば、以下のスキーム3で合成することができる。以下は、反応経路の例示であり、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。なお、下記は上記式(A1)で示される態様を例示しているが、アビエタン主骨格を2つもつ2量体とする以外同様であるので式(A2)のものについては省略する。2量体化については、前記ポリエステル系重合体[I]と同様である。
本実施形態においては連結基がそれぞれ以下のものであることが好ましい。
・L11
L11は、上記(1)ポリエステル系重合体[I]におけるL11と同義であり、好ましい範囲も同じである。ただし、L1−ex−* で示したものにおいては、本実施形態では、耐熱性の観点から、単結合、(L1−ex−4)、(L1−ex−10)又は(L1−ex−12)であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
・L12、L21、L22、L23
L12、L21、L22、L23は、上記(1)ポリエステル系重合体[I]におけるL12、L21、L22、L23と同義であり、好ましい範囲も同じである。
またポリアミド系重合体が、ジカルボン酸化合物に由来する繰り返し単位を2種以上を含む場合、それらは同一の式で表される繰り返し単位であっても、それぞれ異なる式で表される繰り返し単位であってもよい。
その他のポリカルボン酸化合物としては、ポリアミド系重合体を構成するのに通常用いられるポリカルボン酸化合物を特に制限なく用いることができ、例えば、合成高分子V(朝倉書店)P.63−91等に記載のポリカルボン酸化合物を用いることができる。
前記ポリアミド系重合体におけるその他のポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の含有率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。例えば、その他のポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の含有率は、前記ポリアミド系重合体を構成するポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位中に、40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。
脂肪族ポリアミン化合物としては、鎖状のポリアミノアルキレン誘導体であっても、環状のポリアミノアルキレン誘導体であってもよく、さらに不飽和結合を含んでいてもよい。ポリアミノアルキレン誘導体の炭素数は特に制限されないが、耐熱性と成形性の観点から、2〜20であることが好ましく、2〜14であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましい。
更に前記ポリアミン化合物は置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基Tを挙げることができる。
本発明の積層膜においては、上記特定重合体を含有してなる透明絶縁層を有する。この透明絶縁層の厚さは特に限定されないが、5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。この厚さを上記上限値以下とすることで、基板の軽量化、フレキシブル性を確保することができ好ましい。一方、上記下限値以上とすることで、支持性や強度を確保することができ好ましい。本発明における膜厚は、デジタルリニアゲージDG−525H(小野測器製)にて測定した値とする。測定は3箇所行い、その平均値を求める。
なお、本発明の樹脂組成物中には、上記樹脂および溶剤のほかに、フィラー、酸化防止剤、UV吸収剤、染料、顔料、帯電防止剤、難燃剤等を配合してもよい。添加量は樹脂組成物に対して、通常0.01質量%〜50質量%程度配合されるが、0.1質量%〜10質量%程度配合することが好ましい。より好ましくは0.5質量%〜10質量%程度配合することが望ましい。
本発明の積層膜は、耐湿耐水性、耐熱収縮性、低誘電率、高はんだ耐性、透明性、密着性を有することが好ましい。各項目における性能特性は実施例に示した方法で測定し評価することができる。
耐湿耐水性については、実施例に示した条件で1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、0.05%以上であることが実際的である。
耐熱収縮性については、実施例に示した条件で0.15%未満であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、0.01%以上であることが実際的である。
誘電率については、実施例に示した条件で3.5未満であることが好ましく、3.2以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、2.5以上であることが実際的である。周波数ごとにみると、上記範囲のなかでも、1MHzのときは上記同様であり、1GHzのときはさらに3.0以下であることが好ましく、10GHzのときはさらに2.8以下であることが好ましい。
誘電正接については、実施例に示した条件で0.011以下であることが好ましく、0.008以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、0.001以上であることが実際的である。
透明性を示す全光線透過率については、実施例に示した条件で50%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。下限値は特にないが、30%以上であることが実際的である。
本発明に用いられる支持体には、耐熱性、透明性がよいことから、セルロースアシレート系フィルムが使用されることが好ましい。このセルロースアシレートは、炭素数2〜22程度の脂肪族カルボン酸エステル又は芳香族カルボン酸エステルであり、特にセルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートフタレート等や、特開平10−45804号公報、同8−231761号公報、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。或いは、特開2002−179701号公報、特開2002−265639号公報、特開2002−265638号公報に記載の芳香族カルボン酸とセルロースとのエステルも好ましく用いられる。
上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルは、セルローストリアセテートと後述するセルロースアセテートプロピオネートである。なお、これらのセルロースエステルは混合して用いることもできる。
セルロースアシレートは、アシル基の疎水性と水酸基の親水性を適度にバランスさせることにより、光学特性の湿度依存性とフイルムの寸度安定性を両立させるものである。すなわち、アシル基中のアルキル鎖が平均的に短かすぎる、及び/又は水酸基比率が高すぎると光学特性の湿度依存性は大きくなってしまう。
また、アシル基中のアルキル鎖が平均的に長すぎる、及び/又は水酸基比率が高すぎるとTgが低下し、寸度安定性が悪化してしまう。
式(a):2.6≦X+Y≦2.9
式(b):0≦X≦2.5
中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)が好ましい。アシル基で置換されていない部分は、通常水酸基として存在している。これらは公知の方法で合成することができる。
炭素数が3〜12のエーテル類:具体的には、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等、
炭素数が3〜12のケトン類:具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノン等、
炭素数が3〜12のエステル類:具体的には、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−ブチロラクトン等、
2種類以上の官能基を有する有機溶媒:具体的には、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、N−メチルピロリドン、及びアセト酢酸エチル等が挙げられる。
フィルムを積層する方法としては、例えば下記のような方法が挙げられる。
接着剤を有機溶剤で適当な粘度に希釈してフィルムに塗布し、乾燥後もう一方のフィルムと圧着して貼り合わせる方法である。ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤などがあり、耐熱性、耐薬品性、深絞り適性など、使用する接着剤の特性でラミネートフイルムの性能を変化させることができる。
ドライラミネートには、有機溶剤で希釈する一般的な方法と、有機溶剤を使用しないで、加熱によって適当な粘度に調節後塗布する無溶剤タイプがある。また最近ではエマルジョンタイプ(水の中に接着剤を分散した水性タイプ)もある。
押出しラミネートには、フィルムの片面に溶融したPEをコーティングするポリラミと、フィルムとフィルムの間に溶融したPEを流し込むポリサンドラミがある。
ドライラミネートは接着剤を有機溶剤に溶かして塗布するが、ホットメルトは接着剤を加熱しながら適切な粘度にして塗布する。乾燥工程が必要なく、冷却すればすぐに使用できる。機械設備も簡単で済む。ラミネート以外にホットメルト樹脂をコーティングすることもよく行われる。耐熱性がない、強度も低いなどの欠点はあるが、ヨーグルトのアルミ蓋材のイージーピール材などによく使用されている。
樹脂の種類によっては接着剤を用いなくても熱をかけて圧着するだけで接着することができる。その接着力を利用して行うのがサーマルラミネートである。
本実施形態においては、複数のドープがフィードブロック(図示せず)に送られ、流延ダイ31から流延ドラム34の上に複数の層で流延する(図4参照)。流延ドラムの表面は−12℃〜0℃の範囲で略一定に保持することが好ましい。流延ドラム34上にて流延ビードが冷却され、短時間の内にゲル状の流延膜44が形成される。ここでは3層の構成の例を示している。流延膜44は流延ドラム34の回転に伴い移動する。この移動中に冷却されることでゲル状が進行し流延膜44に自己支持性が付与される。これにより生産速度の高速化が可能となる。ここで、流延ドラム34とドープとの温度差を小さくするほどドープが効果的に冷やされるので流延膜の形成時間が短縮される。なお、冷却ゲル化により流延膜を形成させれば、乾燥風等により流延膜が自己支持性を持つまで乾燥する方法に比べて乾燥ムラがなく剥げ残りが発生し辛いので剥取性が向上する。
・基本構造
図1は本発明の一実施形態における積層体10を模式的に示しており、図2はまた別の実施形態の積層体20を示す断面図である。1は透明絶縁層、2は透明支持層を示す。さらに、本発明における一実施形態のフレキシブルプリント基板(FPC)100として、透明絶縁積層体(基材フィルム層)10、導電材層(金属箔層)12、接着剤層13、およびオーバーコート層(カバーフィルム層)11を含む構成をあげることができる(図3参照)。ただし、本発明はこれに限定されず、FPCとして採用され得る任意の積層構成とすることができる。例えば、基材フィルム層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の4層のみから構成されるFPCであってもよい。また例えば、基材フィルム層、接着剤層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の5層から構成されるFPCであってもよい。
・導体層
本実施形態に用いられる導体層としては、回路基板に使用可能な任意の導電性材料が使用可能であり、例えば、金属箔が使用可能である。また、金属箔としては、従来公知の任意のものが使用可能である。材質としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、スチール箔、およびニッケル箔等を挙げることができ、これらを複合した複合金属箔や亜鉛やクロム化合物等の他の金属で処理した金属箔についても用いることができる。またITO等の透明導電膜を用いることで透明のFPCを形成することも可能である。
本実施形態のFPCにおいては接着層を使用しないが、各層間の密着性を高めるために接着剤層を使用してもよい。接着剤層の配置としては、例えば、基材フィルム側、すなわち、基材フィルムと導体層との間、あるいは、カバーフィルム側、すなわち、カバーフィルムの一部等が挙げられる。接着剤層を構成する接着剤としては、FPC用の接着剤として従来公知の接着剤が使用可能であるが、本発明においては、透明性の高い接着剤を用いることが望ましい。このような接着剤としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステルポリウレタン系接着剤等を挙げることができる。これらのなかでは、エポキシ樹脂とアクリル樹脂とを含む接着剤を用いることが好ましい。エポキシ樹脂とアクリル樹脂とを併用することにより、熱サイクルによって歪みが発生する可能性のあるエポキシ樹脂の内部歪をアクリル樹脂が吸収し、得られる接着剤硬化物にたわみ性を付与できるとともに、透明性を良好なものとすることができる。
なお、基材フィルム側の接着剤とカバーフィルム側の接着剤は、それぞれが違っていてもよいが、同一の接着剤を使用することが好ましい。
デヒドロアビエチン酸重合体の合成に用いる12−カルボキシデヒドロアビエチン酸(a−1)を、下記合成経路に従って合成した。
以下のスキームに従ってポリエステル系重合体(PE−1)を合成した。
ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン(c−1)3.78gをNMP180mlに加え、窒素雰囲気下、45℃に加熱して溶解させた。この液を15℃まで冷却し、そこに上記ジカルボン酸化合物(a−1)の酸クロリド誘導体(a−1’)13.35gを少量ずつ加えた。反応液は徐々に粘稠となった。室温で2時間撹拌した後、反応液にメタノール200mlを加え、生成したポリマーを濾別、メタノールで洗浄した。このものを乾燥後、ジメチルホルムアミド100mlに加熱溶解し、メタノール1000mlに少量ずつ注いで再沈殿させた。乾燥後、PA−1の白色固体14.3gを得た。
上記で得られたポリエステル系重合体PE−1をメチレンクロライドに10%の濃度で溶解させ、これを対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で加圧ろ過してドープを作製した。作製したドープをドクターブレードを用いて、銅箔上に流延した。流延後、40℃で30分、100℃で30分加熱乾燥させ、透明絶縁層を形成した。引き続き、同様にして作成したセルロースアセテート(アセチル置換度2.95、ダイセル化学製)をメチレンクロライドに溶解して10%の支持体形成用ドープとし、これを銅箔/PE−1積層フィルム上に流延し、40℃で30分、100℃で30分加熱乾燥させ、銅箔/PE−1/セルロースアセテート積層フィルムFPC−101を得た。このとき支持体の厚さは50μmであった。
上記と同様にして、ポリエステル系重合体PE−2〜PE−8用いて、同様にして積層フィルムFPC−102〜FPC−110を作製した。
セルロースアセテート(アセチル置換度2.95、ダイセル化学製)のメチレンクロライド10%ドープを銅箔上に流延し、40℃で30分、100℃で30分加熱乾燥させ、銅箔/セルロースアセテート積層フィルムFPC−c11を得た。また、銅箔をガラス基板に変更し、セルロースアセテートの単膜F−c11を得た。
なおPETフィルム単独でF−c16とした。
なおPARフィルム単独でF−c17とした。
なおPCフィルム単独でF−c18とした。
前記実施例及び比較例の樹脂フィルムについて、下記の評価を行った。
得られた積層フィルムについて、23℃の水浴に24時間浸漬し、質量の増加率を測定した。
得られた積層フィルムについて、熱機械分析(SIIナノテクノロジー社製、TMA/SS7100)を用い、引っ張りモードで、昇温5℃/min、260℃1時間保持、降温5℃/minの温度プログラム後におけるフィルムの収縮を測定した。
得られた積層フィルムについて表面に直径20mmの金電極を蒸着、誘電緩和測定はAlpha−Aアナライザ(Novocontrol社製)を用い、1MHzにおける誘電率(1)と誘電正接(1)を求めた。測定温度は室温(約25℃)とした。
得られた積層フィルムについて1.5mm×80mmを切り出し、ネットワークアナライザ E8363B (アジレントテクノロジー製)、空洞共振器 CP431(1GHz用)、CP531(10GHz用)(関東電子応用開発製)を用い、1GHz、10GHzにおける誘電率(2−1)(2−2)を求めた。測定温度は室温(約25℃)とした。
得られたフレキシブル基板の金属箔をエッチング加工しパターンを作成したサンプルを23℃、65%RHで調湿した。その後、260℃、及び320℃のはんだ浴に浸漬し、白濁、剥がれ、膨れなどの故障の有無を観察した。浸漬時間は60秒とした。
A:白濁、剥がれ、膨れなどの故障なし
B:白濁、剥がれ、膨れなどの故障あり
積層フィルムについて、JIS規格 K6714−1958に準じ、全光線透過率Tt(%)を測定した。
85%以上をAとした
85%未満50%以上をBとした
50%未満をCとした
フィルムの層間、あるいは支持体と塗布層との密着性は以下の方法により評価した。
塗布層を有する側の表面にカッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着し、24時間放置後引き剥がす試験を同じ場所で繰り返し3回行い、剥がれの有無を目視で観察する。
A:剥がれが無い
B:一部に剥がれがあるが実用上で問題が無い
C:全面に剥がれがある
上記全評価項目の結果を総合し、フレキシブルプリント基板等としての性能を下記基準で評価した。
A:高い要求レベルにも好適に対応することができる
B:一般的な要求レベルに対応することができる
C:一般的な要求レベルであっても対応することが難しい
PET:ポリエチレンテレフタレート(コスモシャインA4100)
PC:ポリカーボネート(ピュアエース)
PAR:ポリアリレート(U−100)
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
PI−1:ポリイミド(特開2007−313739の実施例)
PI−2:ポリイミド(ユーピレックス50s)
PEN:ポリエチレンナフタレート
PLA:ポリ乳酸
試験101に用いたPE−1を下表のとおりに変えた以外同様にして、はんだ耐性試験および密着性試験を行った。その結果、いずれの試験体においても、はんだ耐性(260℃)、密着性で「A」もしくは「B」の結果が得られた。なお、下表では、ジカルボン酸化合物については、同化合物由来の繰り返し単位として、一般式およびその連結基により当該構成単位を特定している。
2 透明支持層
10、20 透明絶縁積層体
11 オーバーコート(カバーフィルム層)
12 導電材層(金属箔層)
13 接着剤層
100 フレキシブルプリント基板
Claims (14)
- 透明支持体の少なくとも片面側に設けて利用される透明絶縁膜形成用ドープであって、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む特定重合体を有機溶媒中に溶解したドープ。
- 前記式(A1)中、連結基L11が式中2位で示される炭素原子と結合した請求項3に記載のドープ。
- 前記式(A2)中、連結基L23が式中2位及び2’位で示される炭素原子と結合した請求項3に記載のドープ。
- 式(A1)中のL11が、*−L13−CO−**または*−CO−L13−**(*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表す。**はその逆の結合手を表す。)で表され、L13が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、酸素原子、カルボニル基、又は単結合であり、L12がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基である請求項3または4に記載のドープ。
- 式(A2)中のL21及びL22がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基であり、L23が酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合である請求項3または5に記載のドープ。
- さらに、前記特定重合体が、ポリオール化合物由来もしくはポリカルボン酸由来の共重合成分を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のドープ。
- 前記透明支持体が、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、及びポリ乳酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものである請求項1〜10のいずれか1項に記載のドープ。
- 透明支持体の少なくとも片面側に、請求項1〜11のいずれか1項に記載のドープで形成された透明絶縁膜。
- 請求項12に記載の透明絶縁膜を有する透明絶縁積層体。
- 請求項13に記載の積層体と導電性膜とを具備するプリント基板。
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