JP2014065225A - 積層体及びこれを用いたプリント基板 - Google Patents

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義博 中井
Shunei Yoshitani
俊英 芳谷
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Abstract

【課題】植物起源の化合物を利用することによる環境適合性を有し、フレキシブルプリント基板等に求められる物性を有し、めっき特性、耐折れ性に優れる積層体及びこれを用いたプリント基板を提供する。
【解決手段】無機充填材を含有する複合樹脂の層2と金属層1とを有する積層体10であって、複合樹脂が、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む特定重合体と、無機充填材10〜200質量部(特定重合体を100質量部とする)とを含む積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は積層体及びこれを用いたプリント基板に関する。
柔軟性や省スペース化が求められる電子機器の回路部品として、フレキシブルプリント基板が広く使用されている。例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置用デバイス実装基板や、携帯電話・デジタルカメラ・携帯型ゲーム機などの基板間中継ケーブル、操作スイッチ部基板など、そのアプリケーションとして、いずれも生活や産業に欠かせない電気機器が挙げられる。かかるフレキシブルプリント基板には、柔軟性や、絶縁性、耐熱性などが求められる。このような条件を満たすものとして、ポリイミドを利用したフィルム基板が広く用いられている(特許文献1、2参照)。
特開2012−079934号公報 特開2012−069939号公報
ところで、本出願人は先に天然資源由来のアビエタン系の化合物に注目し、これを主鎖に組込んだ重合体とすることに成功し、その物性を確認した(国際公開第2010/150847号パンフレット)。その後の研究開発を通じ、さらに上記重合体をフィルム成形体とすることに成功し、そのフィルムを利用して金属層と組合せた積層体とすることができることを見出した。その結果、このフィルム素材が、上述したフレキシブルプリント基板を始めとしたアプリケーションに適合することを見い出し本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、植物起源の化合物を利用することによる環境適合性を有し、フレキシブルプリント基板等に求められる物性を有し、めっき特性、耐折れ性、はんだ耐性に優れる積層体及びこれを用いたプリント基板の提供を目的とする。
前記課題は下記の手段により解決された。
〔1〕無機充填材を含有する複合樹脂の層と金属層とを有する積層体であって、
複合樹脂が、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む特定重合体と、無機充填材10〜200質量部(特定重合体を100質量部とする)とを含む積層体。
〔2〕デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式(U)で表される構造を含む〔1〕に記載の積層体。
Figure 2014065225
(R及びRは炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。nは0〜3の整数を表す。mは0〜5の整数を表す。環Cyはヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の6員環もしくは7員環を表す。式中、*,**は主鎖に組み込まれる結合手を表す。*はRから延びる結合手であってもよい。)
〔3〕デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式A1又はA2で表される繰り返し単位である〔1〕または〔2〕に記載の積層体。
Figure 2014065225
(式中、L11、L12、L21、L22、及びL23は、2価の連結基を表す。*は主鎖に組み込まれる結合手を表す。)
〔4〕式A1中、連結基L11が式中2位で示される炭素原子と結合した〔3〕に記載の積層体。
〔5〕式A2中、連結基L23が式中2位及び2’位で示される炭素原子と結合した〔3〕に記載の積層体。
〔6〕式A1中のL11が、*−L13−CO−**または*−CO−L13−**(*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表す。**はその逆の結合手を表す。)で表され、L13が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、酸素原子、カルボニル基、又は単結合であり、L12がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基である〔3〕または〔4〕に記載の積層体。
〔7〕式A2中のL21及びL22がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基であり、L23が酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合である〔3〕または〔5〕に記載の積層体。
〔8〕さらに、特定重合体が、ポリオール化合物由来、ポリカルボン酸由来、もしくはポリアミン由来の共重合成分を含む〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の積層体。
〔9〕共重合成分が、下記式(II)で表される〔8〕に記載の積層体。
Figure 2014065225
[Gはアルカン連結基、アルケン連結基、アリール連結基、ヘテロアリール連結基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはこれらを組み合わせた連結基を表す。X、Y、Zはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−、−O(C=O)−、−(C=O)O−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、及びこれらの組合せからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Rは水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基を表す。*は主鎖に組み込まれる結合手である。mzは0〜3の整数である。]
〔10〕式(II)が下記式(B1)で表される〔9〕に記載の積層体。
Figure 2014065225
(Lは、酸素原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アリーレン連結基、単結合、又はこれらの組合せである。Lが複数存在するとき、そのそれぞれは同じでも異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。R及びRが複数存在するとき、そのそれぞれは同じでも異なっていてもよい。n1及びn2はそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。n3は0〜2の整数を表す。*は主鎖に組み込まれる結合手を表す。)
〔11〕無機充填材が、平均粒径が5nm以上10μm以下の粒子である〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の積層体。
〔12〕無機充填材が、シリカ、マイカ、クレイ、タルク、またはウィスカーから選ばれる一以上である〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の積層体。
〔13〕無機充填材が、易分散処理されたものである〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の積層体。
〔14〕易分散処理が、充填材表面へのシリル基の導入または界面活性剤による安定化である〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の積層体。
〔15〕無機充填材が有機化された層状クレイである〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の積層体。
〔16〕金属層の構成金属と異なる金属で構成され、金属層と複合樹脂層との間に介在する下地層を有する〔1〕〜〔15〕のいずれかに記載の積層体。
〔17〕下地層がパラジウム、ニッケル、コバルト、又は鉄を含有してなる〔16〕に記載の積層体。
〔18〕〔1〕〜〔17〕のいずれか1項に記載の積層体を有してなるプリント基板。
〔19〕デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む特定重合体と、無機充填材10〜50質量部(特定重合体を100質量部とする)とを含む複合樹脂。
〔20〕デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式(U)で表される構造を含む〔19〕に記載の複合樹脂。
Figure 2014065225
(R及びRは炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。nは0〜3の整数を表す。mは0〜5の整数を表す。環Cyはヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の6員環もしくは7員環を表す。式中、*,**は主鎖に組み込まれる結合手を表す。*はRから延びる結合手であってもよい。)
〔21〕〔19〕または〔20〕に記載の複合樹脂からなる樹脂フィルム。
〔22〕金属層と積層してフレキシブルプリント基板をなす〔21〕に記載のフィルム。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、特に断らなくても、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本発明の積層体およびこれを用いたプリント基板は、植物起源の化合物を利用することによる環境適合性を有する。また、その積層体は、フレキシブルプリント基板への利用に特に適した物性を有し、めっき特性、耐折れ性、はんだ耐性に優れる。さらに、本発明の複合樹脂は前記フレキシブルプリント基板等に用いられる積層体の材料として有用である。
本発明の一実施形態としての積層体を模式的に示した断面図である。 本発明の別の実施形態としての積層体を模式的に示した断面図である。 本発明の一実施形態としてのフレキシブルプリント基板を模式的に示した斜視図である。
本発明の積層体は、金属層と、植物起源の化合物を利用した特定重合体及び無機充填材とを含有する複合樹脂層とを有する。これにより、とりわけ良好なめっき性と耐折れ性とはんだ耐性とが実現された。この理由は未解明の点を含むが、以下のように推定される。すなわち、上記特定重合体では、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を有する化学構造的に安定した3環状部分が母格として二次元的に連結していることによる特有のマトリックスが樹脂中に作出されていると考えられる。この母格の3環状部分の平面性が無機充填材との良好な混和性を発揮し、構造の特質性からくる充分な柔軟性を維持しながら、無機充填材の存在により金属層ないしその下地層との高い密着性を実現したものと考えられる。これは、従来広く利用されているポリイミド系樹脂では達成しがたかったことである。以下、本発明の好ましい実施態様を中心に詳細に説明する。
[特定重合体]
(デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を含む繰り返し単位)
本発明の特定重合体は、下記式(AA)で表されるデヒドロアビエチン酸又はその誘導体を原料モノマーとして使用する。これを重合させて得られる単独重合体であっても、当該原料モノマーと他のモノマーとを重合させて得られる共重合体であってもよい。すなわち、上記特定重合体は、その分子構造中にデヒドロアビエチン酸に由来する骨格を含む繰り返し単位を主鎖に有してなる。
Figure 2014065225
ここで、「デヒドロアビエチン酸に由来する骨格」とは、上記のデヒドロアビエチン酸に由来する構造を有していればよく、言い変えれば、所望の効果を奏する範囲で、デヒドロアビエチン酸から誘導できる構造骨格であればよい。好ましい例としては下記が挙げられる。好ましくは(AA−1)、(AA−3)、(AA−10)であり、最も好ましくは(AA−1)である。
Figure 2014065225
「デヒドロアビエチン酸に由来する骨格」はさらに置換基を有してもよい。有してもよい置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基などが挙げられる。
本発明の特定重合体は、前記デヒドロアビエチン酸に由来する骨格として下記式(U)で表される構造を含むことが好ましい。
Figure 2014065225
及びRは炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。nは0〜3の整数を表す。mは0〜5の整数を表す。環Cyはヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の6員環もしくは7員環を表す。式中、*,**は主鎖に組み込まれる結合手を表す。*はRから延びる結合手であってもよい。Rはメチル基であることが好ましい。Rは炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、i−プロピル基であることがより好ましい。Cyはシクロヘキサン環もしくはシクロヘキセン環であることが好ましく、シクロヘキサン環であることがより好ましい。n,mは1であることが好ましい。n、mが2以上のとき、R、Rはそれぞれ異なっていてもよい。以下の式についても同様である。
上記式(U)は下記式(U1)であることが好ましい。R、R、m、nは前記式(U)と同義である。RはRと同義である。pは0〜2の整数であり、0であることが好ましい。pが2以上のとき、Rはそれぞれ異なっていてもよい。
Figure 2014065225
さらに、上記式(U)は下記式(U2)であることが好ましい。
Figure 2014065225
式中、*,**は結合手を表す。
デヒドロアビエチン酸は、植物起源の松脂に含まれるロジンを構成する成分の1つである。すなわち、天然起源の材料をその基質として利用することができるため、二酸化炭素の排出量において相殺され、化石燃料起源のプラスチック材料に比し、大幅にその換算排出量を削減することができる。次世代材料として望まれる環境適合型の、バイオマス資源由来の素材である。なお、上記デヒドロアビエチン酸に由来する骨格、式U、U1ないしはU2で表される骨格を総称してデヒドロアビエタン主骨格と呼ぶことがあり、これを「DHA主骨格」と省略して呼ぶことがある。
さらに、本発明の好ましい実施形態において重要な骨格構造として、下記式U3及びU4で表されるものが挙げられる。下記式U3のものをデヒドロアビエタン骨格(DA骨格)と呼び、式U4のものをデヒドロアビエチン酸骨格(DAA骨格)という。
Figure 2014065225
前記特定重合体は、下記式A01又はA02で表される繰り返し単位を含む重合体から選ばれることが好ましく、式A11又はA12で表される繰り返し単位を含む重合体から選ばれることがより好ましく、A1又はA2で表される繰り返し単位を含む重合体から選ばれることが特に好ましい。なお、下記式中、R、R、R、Cy、m、n、pは前記式(U)、(U1)と同義である。RはRと同義である。
Figure 2014065225
Figure 2014065225
Figure 2014065225
式中、L11、L12、L21、L22、及びL23は、2価の連結基を表す。*は結合手を表す。これらの連結基の好ましい範囲は、後記各重合体の好ましい実施形態の説明の中で述べるが、まとめて好ましいものを示すと下記のとおりである。
(1)ポリカルボン酸由来の繰り返し単位であるとき
11:*−CO−L13−**または*−L13−CO−**(L13は単結合または連結基を表す。その詳細は後記参照。)
12、L21、L22:カルボニル基
23:酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合
(2)ポリオール由来の繰り返し単位であるとき
11:*−L1A−O−**(L1Aは単結合または連結基を表す。その詳細は後記参照。)
12、L21、L22:*−L−O−**(Lの詳細は後記参照)
23:前記と同義
前記式A1中、連結基L11が式中2位で示される炭素原子と結合したことが好ましい。前記式A2中、連結基L23が式中2位及び2’位で示される炭素原子と結合したことが好ましい。
上記DHA主骨格を有する構成単位は、これ単独でホモポリマーを構成していてもよいが、本発明において好ましくは、共重合体成分とともにコポリマーを構成していることが好ましい。具体的には、下記で例示するポリカルボン酸やポリオールとともにポリエステルを形成していることが好ましい。あるいは、ポリアミンとともにポリアミドを形成していることも好ましい。好ましい共重合成分としては、下記式(II)で表されるものが挙げられる。
本発明における特定重合体Aは下記式(II)で表される構造単位を共重合成分として有していてもよい。
Figure 2014065225
・G
はアルカン連結基(アルカンジイル、アルカントリイル、アルカンテトライル等)、アルケン連結基(アルケンジイル、アルケントリイル、アルケンテトライル等)、アリール連結基(アリールジイル、アリールトリイル、アリールテトライル等)、ヘテロアリール連結基(ヘテロアリールジイル、ヘテロアリールトリイル、ヘテロアリールテトライル等)、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(好ましくは炭素数0〜6)、スルホニル基、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた連結基を表す。Gがアルカン連結基、またはそれらの組合せもしくはアルケン連結基であるとき、鎖状であっても環状であってもよく、これが鎖状のとき直鎖であっても分岐であってもよい。アルカン連結基、アルケン連結基、アリール連結基、またはヘテロアリール連結基はその一つ以上の水素原子が特定の置換基に置換されていても、無置換でもよい。置換されているときの置換基としては、後記置換基Tが挙げられ、なかでもアルキル基、アルケニル基が好ましい。ヘテロ原子を含む連結基としては、前記のように酸素原子、イミノ基、硫黄原子等を含み連結基が挙げられ、なかでも酸素原子を含む連結基が好ましい(典型的にはアルキレン鎖の一部がエーテル結合等に置き換わり連結された形、あるいはアリーレン基がエーテル結合等で連結され形である。)。なお、炭素数とは置換基を有する場合、その炭素原子の数を含まない意味である。
がアルカン連結基(好ましくはアルキレン基)またはアルケン連結基(好ましくはアルケニレン基)であるとき、炭素数2〜30であることが好ましく、炭素数2〜20がより好ましい。アルキレン基、アルケニレン基は、置換または無置換であってもよく、一部がヘテロ原子に置換されていてよいことは上記のとおりである。さらに具体的には、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CHRa)CH−、−CH−Rb−CH−、−(CHCHO)−CHCH−、−(CHCHO)−CHCH−がより好ましい。Raは炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましく、C1837、C1633、C1225、C17、C1835、C1631、C1223、C15であることがより好ましい。Rbは炭素数4〜12のシクロアルキレン基が好ましく、シクロヘキサンジイル基がより好ましい。
がアリール連結基(好ましくはアリーレン基)またはヘテロアリール連結基(好ましくはヘテロアリーレン基)であるとき、炭素数3〜24であることが好ましく、炭素数6〜12がより好ましい。具体的には置換もしくは無置換のベンゼン連結基(好ましくはフェニレン基)が挙げられる。
はアルカン連結基、アルケン連結基、アリール連結基、およびヘテロアリール連結基を組み合わせた連結基であってもよい。例えば、アルカン連結基(好ましくはアルキレン基)とアリール連結基(好ましくはアリーレン基)を組み合わせて連結した連結基等が挙げられ、−Ph−Me−Ph−(Ph:フェニレン基、Me:メチレン基)、−Ph−Pr−Ph−(Pr:プロパン−2,2−ジイル基)、−Ph−Me−Ph−(Me:メチレン基)、−Ph−O−Ph−、−Ph−O−Ph−O−Ph−、−Ph−SO−Ph−、−Ph−Ph−などが挙げられる。
・X、Y、Z
X、Y、Zはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−、−O(C=O)−、−(C=O)O−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、及びこれらの組合せからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。好ましくは、−O−、−(C=O)O−、−(C=O)NH−、又は−(C=O)−である。前記Rは水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基を表す。なお、ここでの連結基の表示は左側がG側の結合手であることを意味する。
・mz
mzは0〜3の整数を表す。mzが2以上のとき、Zはそれぞれ異なっていてもよい。
前記式(II)がポリオール由来の場合は、下記式(II−1)で表されるものが好ましい。
Figure 2014065225
前記式(II)がポリカルボン酸由来の場合は、下記式(II−2)で表されるものが好ましい。
Figure 2014065225
前記式(II)がポリアミン由来の場合は、下記式(II−3)で表されるものが好ましい。
Figure 2014065225
前記共重合成分は環構造を含むことが好ましく、芳香族もしくは芳香族複素環構造を有することが好ましい。この環構造は前記連結基G内にあることが好ましい。なお、本明細書においては、「連結基」という用語を、2つ以上の構造部を連結するものを広く意味し、原子や単結合を含む意味で用いる。
本発明の好ましい共重合体の構成成分及び組成について以下の表に整理して述べておく。ただし、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。表中の数値の単位はモノマーのモル比基準であり、合計で100%になることを前提とする。
[表K]
―――――――――――――――――――――――――――――――――
DHA アリール 非アリール
―――――――――――――――――――――――――――――――――
好ましくは 10−100 0−60 0−60
より好ましくは 20−80 20−60 0−40
特に好ましくは 40−60 40−60 0−20
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<表の注記>
DHA:DHA骨格を含有するモノマー
アリール:DHA骨格を含まずアリール連結基を含有するモノマー
非アリール:DHA骨格を含まずアリール基も含有しないモノマー
(アルカン連結基、アルケン連結基など)
(分子量等)
本発明における特定重合体は、DHA主骨格を主鎖の一部を構成するように含んでいれば、その結合態様は特に限定されるものではない。前記特定重合体の重量平均分子量は限定的でないが、好ましくは5,000〜700,000、より好ましくは10,000〜500,000である。重量平均分子量がこの範囲であることにより、フレキシブルプリント基板等に適した、耐熱性、成形性等に優れ、さらに高いめっき特性及び耐折れ性が実現され良好となる。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で得られた値である。なお、本明細書では特に断らない限り、キャリアとしてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用い、カラムとしてはトーソー(TOSOH)株式会社製 TSK−gel Super AWM−H(商品名)用いた値で分子量を示す。
ガラス転移温度(Tg)は限定的でないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは150〜400℃、更に好ましくは150〜350℃である。ガラス転移温度がこの範囲であることにより、ポリエステル系重合体は、特に耐熱性に優れ、フレキシブルプリント基板等に好適に用いることができる。なお、前記ガラス転移温度は、示差走査熱量計を用い、30〜400℃の温度範囲について、窒素気流下に昇温速度10℃/min.の条件で観察される吸熱ピークとして測定される。なお、本明細書では特に断らない限り、TGの測定には、SII社製、商品名:DSC6300を用いて測定した値をいう。
前記特定重合体の密度は限定的でないが、好ましくは1.25g/cm以下、より好ましくは0.90g/cm〜1.25g/cm、更に好ましくは1.00g/cm〜1.20g/cmである。密度がこの範囲であることにより、特定重合体は、耐熱性、成形性等に優れ、さらにめっき特性及び耐折れ性が実現され、フレキシブルプリント基板等への利用に良好となる。なお、ポリエステル系重合体の密度は、精密比重計(SHIMAZU社製、商品名:精密比重計AUW120D)を用いて測定される値をいう。なお、ここでの密度は、熱プレスにより成形したフィルムの密度を前提とする。
なお、前記特定重合体には、DHA主骨格を含む繰返し単位を有するものに対して、更に化学処理等を施した誘導体も含む。
前記特定重合体を構成するDHA主骨格もしくはその二量体骨格を有する繰り返し単位(例えば、式(A1)で表される繰り返し単位及び式(A2)で表される繰り返し単位)の総含有率は特に制限されないが、繰り返し単位を構成する構造部の総量(例えば下記エステル系重合体のジカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の総量)に対し、耐熱性と密度の観点から、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることがより好ましく、40モル%以上であることが更に好ましい。
前記特定重合体は、必要に応じて、DHA主骨格を含まないその他の繰り返し単位の少なくとも1種を含んだ共重合体であってもよい。
本明細書において、末尾に「化合物」と付すなどして分子ないしその構造を特定するときには、当該化合物そのものに加え、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の置換基を伴ったあるいは所定の形態で修飾された誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換基ないし連結基に関して特定の原子群を意味するときには、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。上記、連結基にさらに有してもよい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基((好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシル基である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、同様に置換されていても無置換でもよい。
(連結形態)
式A01、A11、A1(以下式A1等)、A02、A12、およびA2(以下式A2等)には、L11、L12、L21、L22、L23の5つの連結基が存在するが、(1)ポリエステル系重合体[I]、(2)ポリエステル系重合体[II]、(3)ポリアミド系重合体の3種においてそれぞれ好ましいものが異なり得る。中でも、本発明においては、(1)ポリエステル系重合体が高い性能が得られる点で好ましく、その順で以下に好ましい連結基の内容について説明する。なお、本明細書においてポリエステルとは、連結基にオキシカルボニル基があればよく、ポリカーボネート構造をとっていてもよい。ポリアミドについても同様であり、アミド基が連結基に含まれていればよく、ポリイミド構造、ポリウレア構造、ポリウレタン構造等であってもよい。
(1)ポリエステル系重合体[I]
<ポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位>
・L11
式A1等中のL11は、*−CO−L13−**または*−L13−CO−**であることが好ましい。*は5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロフェナントレン環(母核)側の結合手を表す。**はその逆の結合手を表す。
・L13
13が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、酸素原子、カルボニル基、単結合、またはこれらの組合せであることが好ましい。
前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖又は分岐鎖の鎖状であっても、環状であってもよい。L13は、耐熱性の観点から、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、酸素原子、カルボニル基、又は単結合、あるいはそれらの組合せであることが好ましい。より好ましくは、炭素数2〜4の鎖状のアルキレン基もしくはカルボニルアルキレン基、炭素数5〜6の環状のアルキレン基もしくはカルボニルアルキレン基、炭素数2〜4の鎖状のアルケニレン基もしくはカルボニルアルケニレン基、炭素数5〜6の環状のアルケニレン基もしくはカルボニルアルケニレン基、炭素数6〜10のアリーレン基もしくはカルボニルアリーレン基、酸素原子、又は単結合である。
13で表される連結基の具体例として以下のものを挙げることができるが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。なお、以下の例示化学構造式では、結合手*はヒドロフェナントレン環側に結合する側であり、結合手**がその反対側を意味する。
Figure 2014065225
式A1等におけるL13としては、耐熱性の観点から、単結合、(L1−ex−4)、(L1−ex−10)又は(Ll−ex−12)であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。さらに好ましくは、L11が*−CO−**、*−CO−Rd−CO−**(Rdは炭素数1〜6のアルキレン基)である。
前記式A1等中、連結基L11は式中1位〜4位のいずれの炭素原子に結合するものであってもよいが、2位もしくは4位で示される炭素原子と結合したものであることが好ましく、2位で示される炭素原子と結合したものであることがより好ましい。なお、この結合位置は、後述する(2)ポリエステル重合体[II]及び(3)ポリアミド系重合体についても同様である。なお、上記式中の炭素原子の位置番号は、アビエタンの位置番号に対して、1位が11位、2位が12位、3位が13位、4位が14位に相当する。
・L12
12は、カルボニル基であることが好ましい。
前記ポリエステル系重合体[I]の好適な態様のもう一つは、2つのデヒドロアビエタン主骨格が直接又は連結基を介して結合してなる二量体構造を、主鎖の一部として繰り返し単位中に含むものである。この二量体構造を含む繰り返し単位は、例えば、上記式(A2)で表される。
・L21、L22
式A2等中のL21及びL22は、カルボニル基であることが好ましい。このことは、上記L12と同様に、本実施形態の特定重合体が、DAA骨格を含む繰り返し単位を有して構成されていることを意味する。
・L23
23は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合であることが好ましい。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖又は分岐鎖の鎖状であっても、環状であってもよい。L23で表される連結基は、耐熱性の観点から、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、及び炭素数6〜18のアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1種から構成されることが好ましく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、炭素数1〜4の鎖状のアルキレン基、炭素数5〜6の環状のアルキレン基、炭素数2〜4の鎖状のアルケニレン基、炭素数5〜6の環状のアルケニレン基、及び炭素数6〜8のアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1種から構成される2価の連結基、又は単結合であることがより好ましい。
23で表される連結基を構成するアルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は可能な場合には置換基を有していてもよい。アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基における置換基としては、前記置換基Tを挙げることができる。L23で表される連結基の具体例として、以下の連結基を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2014065225
23としては、耐熱性の観点から、(L2−ex−2)、(L2−ex−5)、(L2−ex−9)又は(L2−ex−11)であることが好ましく、(L2−ex−2)であることがより好ましい。
前記式A2等中、連結基L23は式中1位、2位、4位、1’位、2’位、4’位のいずれの炭素原子に結合するものであってもよいが、2位、4位、2’位、及び4’位で示される炭素原子と結合したものであることが好ましく(ただし、2つのヒドロフェナントレン環を連結する組合せである。)、2位及び2’位で示される炭素原子と結合したものであることがより好ましい。なお、この結合位置は、後述する(2)ポリエステル系重合体[II]及び(3)ポリアミド系重合体についても同様である。
前記ポリエステル系重合体[I]を構成するポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位中におけるDHA主骨格ないしその二量体骨格からなる繰り返し単位(例えば、式(A1)で表される繰り返し単位及び式(A2)で表される繰り返し単位)の総含有率は特に制限されないが、ジカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の総量を50モル%とした場合、耐熱性と密度の観点から、10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。なお、ポリエステル中のポリカルボン酸由来の構成単位の含有率は通常50モル%であり、典型的にはそれが上限となる。
本実施形態のポリエステル系重合体[I]は、その他のポリカルボン酸化合物との共重合体であってもよい。その他のポリカルボン酸化合物としては、ポリエステル系重合体[I]を構成するのに通常用いられるポリカルボン酸化合物を特に制限なく用いることができ、例えば、合成高分子V(朝倉書店)P.63−91等に記載のポリカルボン酸化合物を用いることができる。
その他のポリカルボン酸化合物としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類や、シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸類が挙げられる。前記ポリエステル系重合体[I]におけるその他のポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の含有率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。例えば,その他のポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の含有率は、前記ポリエステル系重合体[I]を構成するポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位中に、40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。
<ポリオール化合物由来の繰り返し単位>
・環構造を含むポリオール化合物
本実施形態のポリエステル系重合体[I]は、前述の共重合成分(式II、II−1)をポリオール化合物由来の繰り返し単位として含むことが好ましい。なかでも、その共重合体成分として環構造を有するポリオール化合物由来の繰り返し単位を少なくとも1種含むことが好ましい。前記ポリオール化合物に含まれる環構造は、ポリエステル系重合体[I]の側鎖部分に含まれていても、主鎖の一部を構成するように含まれていてもよいが、耐熱性の観点から、ポリオール化合物に含まれる環構造が主鎖の一部を構成していることが好ましい。これによりさらに耐熱性が向上する。
前記ポリオール化合物に含まれる環構造は、脂肪族環であっても、芳香族環であってもよく、また炭化水素環であってもヘテロ環であってもよい。さらに脂肪族環は不飽和結合を含むものであってもよい。またポリオール化合物に含まれる環の数は特に制限されないが、例えば1〜5とすることができ、耐熱性の観点から,1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。ポリオール化合物が2以上の環構造を含む場合、2以上の単環が共有結合又は連結基で連結した構造であっても、縮環構造であってもよい。
前記環構造を有するポリオール化合物由来の繰り返し単位の具体例としては、例えば,シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゼン、及び4−ヒドロキシエチルフェノール等に由来する繰り返し単位や、下記式(B1)で表されるポリオール化合物由来の繰り返し単位を挙げることができる。前記環構造を有するポリオール化合物由来の繰り返し単位は、耐熱性の観点から、下記式(B1)で表されるポリオール化合物由来の繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2014065225
式(B1)中、Lは、酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、スルホニル基、アルキレン基、アリーレン連結基、単結合、又はこれらの組合せを表す。Lが複数存在する場合、それぞれのLは同じでも異なっていてもよい。R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。またR及びRが複数存在する場合、それぞれのR及びRは同じでも異なっていてもよい。n1及びn2はそれぞれ独立して0〜4までの整数を表し、n3は0〜2までの整数を表す。n1〜n3が2以上のとき、そこで規定される構造部はそれぞれ異なっていてもよい。
における2価の連結基を構成するアルキレン基は、直鎖や分岐鎖の鎖状アルキレン基であっても、環状アルキレン基であってもよい。またアルキレン基の炭素数は、耐熱性の観点から、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。なお、ここでいうアルキレン基の炭素数には、後述する置換基の炭素数を含まないものとする。さらにアルキレン基は、炭素数1〜6の鎖状又は環状アルキル基、炭素数6〜18のアリール基等の置換基を有していてもよい。アルキレン基における置換基の数は2以上であってもよく、アルキレン基が2以上の置換基を有する場合、2以上の置換基は同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成してもよい。
における2価の連結基がアリーレン基であるとき、炭素数6〜48であることが好ましく、6〜36であることがより好ましい。このアリーレン基は置換基Tを有していてもよい。アリーレン基は、複数のアリーレン基が他の連結基、原子、単結合によって連結されていてもよい。
及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を表すが、耐熱性の観点から、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、及び炭素数1〜8のアルコキシ基からなる群から選ばれる置換基であることが好ましい。
n1及びn2は0〜4の整数を表すが、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。n3は0〜2の整数を表すが、0又は1であることが好ましい。
以下に式(B1)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2014065225
式(B1)で表される繰り返し単位としては、耐熱性の観点から.上記(B1−ex−1)、(B1−ex−2)、(B1−ex−3)、(B1−ex−4)、(B1−ex−5),(B1−ex−6)、(B1−ex−7)、(B1−ex−9)又は(B1−ex−11)であることが好ましく、上記(B1−ex−1)、(B1−ex−2)又は(B1−ex−3)であることがより好ましい。
前記ポリエステル系重合体[I]を構成するポリオール化合物由来の繰り返し単位中における、環構造を有する共重合成分(式(B1)で表される繰り返し単位)の含有率は特に制限されないが、ジオール化合物由来の繰り返し単位の総量を50モル%とした場合、耐熱性と密度の観点から、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることがより好ましく、40モル%以上であることが更に好ましい。なお、ポリエステル中のポリオール由来の構成単位の含有率は通常50モル%であり、典型的にはそれが上限となる。
・環構造を含まないポリオール化合物
前記ポリエステル系重合体[I]は、環構造を含まないその他のポリオール化合物由来の繰り返し単位の少なくとも1種を含むものであってもよい。環構造を含まないポリオール化合物としては、ポリエステル系重合体[I]を構成するのに通常用いられるポリオール化合物を特に制限なく用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1.3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等といったジオール化合物が挙げられる。
前記ポリエステル系重合体[I]における環構造を含まないポリオール化合物由来の繰り返し単位の含有率は、その好ましい範囲において、前記環構造を含むものと同様である。
(ポリエステル系重合体[I]の製造方法)
本実施形態のポリエステル系重合体[I]の製造に用いるデヒドロアビエチン酸は、例えば、ロジンから得ることができる。ロジンに含まれる構成成分は、これら採取の方法や松の産地により異なるが、一般的には、アビエチン酸(1)、ネオアビエチン酸(2)、パラストリン酸(3)、レボピマール酸(4)、デヒドロアピエチン酸(5)、ピマール酸(6)、イソピマール酸(7)等のジテルペン系樹脂酸の混合物である。これらのジテルペン系樹脂酸のうち、(1)から(4)で表される各化合物は、ある種の金属触媒の存在下、加熱処理することにより不均化を起こし、デヒドロアビエチン酸(5)と、ジヒドロアビエチン酸(8)に変性する。即ち、本発明のポリエステル系重合体[I]を製造する上で必要なデヒドロアビエチン酸(5)は、種々の樹脂酸の混合物であるロジンに適切な化学処理を施すことにより比較的容易に得ることができ、工業的にも安価に製造することができる。なお、ジヒドロアビエチン酸(8)とデヒドロアビエチン酸(5)とは、公知の方法により容易に分離できる。
Figure 2014065225
例えば、上記の式(A1)又は(A2)で表される繰り返し単位及び式(B1)で表される繰り返し単位を有するポリエステル系重合体[I]を合成する工程は、式(B1)で表される繰り返し単位をなすジオール化合物と、上記の式(A1)又は(A2)で表される繰り返し単位をなすジカルボン酸化合物又はその誘導体であるジカルボン酸ハライド誘導体もしくはジエステル誘導体とを公知の方法で重縮合させることにより合成することができる。この一連の工程をスキームにすると下記スキーム1及び2の2通りに分けて説明することができる。なお、下記の反応スキームは本発明における1例であり、この説明により本発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 2014065225
Figure 2014065225
重合体の具体的な合成方法としては、例えば、新高分子実験学3、高分子の合成・反応(2)、78〜95頁、共立出版(1996年)に記載の方法(例えば、エステル交換法、直接エステル化法、酸ハライド法等の溶融重合法、低音溶液重合法、高温溶液重縮合法、界面重縮合法など)などが挙げられ、本発明では特に酸クロリド法及び界面重縮合法が好ましく用いられる。
エステル交換法は、ポリオール化合物とポリカルボン酸エステル誘導体とを溶融状態又は溶液状態で、必要により触媒の存在下に加熱することにより脱アルコール重縮合させポリエステル系重合体[I]を合成する方法である。
直接エステル化法は、ポリオール化合物とポリカルボン酸化合物とを溶融状態又は溶液状態で触媒の存在下に、加熱下において脱水重縮合させることによりポリエステル系重合体[I]を合成する方法である。
酸ハライド法は、ポリオール化合物とポリカルボン酸ハライド誘導体とを溶融状態又は溶液状態で、必要により触媒の存在下に加熱し脱ハロゲン化水素重縮合させることによりポリエステル系重合体[I]を合成する方法である。
界面重合法は、ポリオール化合物を水、前記ポリカルボン酸化合物又はその誘導体を有機溶媒に溶解させ、相問移動触媒を使用して水/有機溶媒界面で重縮合させることによりポリエステル系重合体[I]を合成する方法である。
なお、スキーム2のデヒドロアビエチン酸(DAA)の二量化体は、特開2011−26569記載の方法で合成できる。具体的には、L23を単結合で連結する場合、オキサリルクロリドを用い触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドを添加して反応を進行させることができる。L23をメチレン基とする場合には、上記オキサリルクロリドをジクロロメタンに代える方法などが挙げられる。あるいは、下記合成例のように、DAAをホルマリンと混合し、触媒量のトリフルオロ酢酸を添加することで反応を進行させてもよい。
(2)ポリエステル系重合体[II]
本実施形態においては連結基がそれぞれ以下のものであることが好ましい。
・L11
11は、*−L1A−O−**であることが好ましい。*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表し、**はその逆の結合手を表す。L1Aで示される単結合もしくは二価の連結基としては特に限定的ではないが、連結基としては、例えば、−(C2n)−、−CO(C2n)−、(ここで、nは1〜12、好ましくは1〜8の整数であり、直鎖でも分岐でも環状でもよくまた、更に置換基(例えば置換基T)を有していてもよい。また、分子鎖を構成する炭素原子の1つ以上が、酸素原子に置き換わった構造であってもよい。)等が挙げられる。
・L12、L21、L22
12、L21、L22は、*−L−O−**である。*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表し、**はその逆の結合手を表す。ここでのLはアルキレン基であり、−C2mであることが好ましい。mは1〜6の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましい。このときLRはさらに置換基(例えば置換基T)を有していてもよい。
・L23
23は、(1)ポリエステル系重合体[I]と同義であり、好ましい範囲も同じである。
(ポリエステル系重合体[II]の製造方法)
本実施形態の重合体は、例えば、以下のスキーム3で合成することができる。以下は、反応経路の例示であり、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。なお、下記は上記式(A1)で示される態様を例示しているが、アビエタン主骨格を2つもつ2量体とする以外同様であるので式(A2)のものについては省略する。2量体化については、前記ポリエステル系重合体[I]と同様である。
Figure 2014065225
(i)のジカルボン酸体の合成は前記ポリエステルの(I)と同様にして行うことができる。アビエチン酸にカルボキシ基を導入したジカルボキシ化合物(i)からジアルコキシ化合物(ii)への反応は、通常の還元反応によればよい。例えば、水素化アルミで還元することにより、上記還元反応を速やかに進行させることができる。ジアルコキシ化合物(ii)からポリカルボン酸クロリド化合物との反応によりポリエステル(iii)を得る反応は、例えば、後述する合成例を参照することができる。
ジアルコキシ化合物にテレフタル酸ジクロリドを反応させるプロセスについては、上記ポリエステル系重合体[I]で述べたのと同様である。その他、ジカルボン酸を反応させてエステル化反応を進行させたり、エステル交換反応を行ったりしてもよく、そうした反応についても、同様に上記ポリエステル系重合体[I]で述べたのと同様である。
(3)ポリアミド系重合体
本実施形態においては連結基がそれぞれ以下のものであることが好ましい。
・L11
11は、上記(1)ポリエステル系重合体[I]におけるL11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
・L12、L21、L22、L23
12、L21、L22、L23は、上記(1)ポリエステル系重合体[I]におけるL12、L21、L22、L23と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記ポリアミド系重合体を構成するDHA主骨格もしくはその二量体骨格を有する繰り返し単位(例えば、式(A1)で表される繰り返し単位、式(A2)で表される繰り返し単位)の総含有率は特に制限されないが、ジカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の総量を50モル%とした場合、耐熱性と密度の観点から、10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。
前記ポリアミド系重合体は、式(A1)で表される繰り返し単位及び式(A2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる2種以上のジカルボン酸化合物に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。ポリアミド系重合体がジカルボン酸化合物に由来する繰り返し単位2種以上を含む場合、それらの含有比率は目的に応じて適宜選択される。
またポリアミド系重合体が、ジカルボン酸化合物に由来する繰り返し単位を2種以上を含む場合、それらは同一の式で表される繰り返し単位であっても、それぞれ異なる式で表される繰り返し単位であってもよい。
前記ポリアミド系重合体は、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を含むポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の少なくとも1種を含むものであるが、必要に応じて、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を含まないその他のポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の少なくとも1種を含んでいてもよい。
その他のポリカルボン酸化合物としては、ポリアミド系重合体を構成するのに通常用いられるポリカルボン酸化合物を特に制限なく用いることができ、例えば、合成高分子V(朝倉書店)P.63−91等に記載のポリカルボン酸化合物を用いることができる。
その他のポリカルボン酸化合物としては例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類や、シクロへキサンジカルボン酸、ジシクロへキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ブラシル酸、マレイン酸、及びフマル酸等の脂肪族ジカルボン酸類が挙げられる。
前記ポリアミド系重合体におけるその他のポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の含有率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。例えば、その他のポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位の含有率は、前記ポリアミド系重合体を構成するポリカルボン酸化合物由来の繰り返し単位中に、40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。
本実施形態のポリアミド系重合体は、上記DHA主骨格もしくはその二量体骨格からなる繰り返し単位を構成するモノマー(ポリカルボン酸)と、ジアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。この重合反応は公知の反応方法を適宜利用することができる。上記ポリカルボン酸化合物を得る方法は、(1)ポリエステル系重合体[I][II]で述べたようにロジンから得たアビエチン酸から誘導することができる。
前記ポリアミド系重合体に適用することができるポリアミン化合物としては、ポリアミド系重合体の構成に通常用いられるポリアミン化合物を特に制限なく用いることができ、例えば、高分子データハンドブック基礎編(高分子学会編)(培風館)P.241〜257に記載のポリアミン化合物等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物としては、脂肪族ポリアミン化合物であっても、芳香族ポリアミン化合物であってもよい。また脂肪族ポリアミン化合物は鎖状であっても、環状であってもよい。
脂肪族ポリアミン化合物としては、鎖状のポリアミノアルキレン誘導体であっても、環状のポリアミノアルキレン誘導体であってもよく、さらに不飽和結合を含んでいてもよい。ポリアミノアルキレン誘導体の炭素数は特に制限されないが、耐熱性と成形性の観点から、2〜20であることが好ましく、2〜14であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましい。
また芳香族ポリアミン化合物としては、ポリアミノアリーレン誘導体を挙げることができる。中でも耐熱性と成形性の観点から、炭素数6〜24のポリアミノアリーレン誘導体であることが好ましく、炭素数6〜18のポリアミノアリーレン誘導体であることがより好ましい。
更に前記ポリアミン化合物は、脂肪族モノアミノ化合物に由来する基及び芳香族モノアミノ化合物に由来する基から選ばれる2種が、2価の連結基を介して結合してなるポリアミン化合物であってもよい。2価の連結基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される2価の連結基を挙げることができる。
2価の連結基を構成するアルキレン基及びアルケニレン基は鎖状であっても、環状であってもよい。アルキレン基及びアルケニレン基が鎖状である場合、その炭素数は2〜6であることが好ましい。またアルキレン基及びアルケニレン基が環状である場合、その炭素数は5〜8であることが好ましい。
前記ポリアミン化合物が、脂肪族モノアミノ化合物に由来する基及び芳香族モノアミノ化合物に由来する基から選ばれる2種が2価の連結基を介して結合してなる場合、ポリアミン化合物を構成する2つの脂肪族モノアミノ化合物に由来する基又は芳香族モノアミノ化合物に由来する基は互いに連結して環を形成してもよい。
更に前記ポリアミン化合物は置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基Tを挙げることができる。
以下に本発明に好ましく用いられるポリアミン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2014065225
本発明におけるポリアミン化合物は、耐熱性と成形性の観点から、炭素数2〜14のポリアミノアルキレン誘導体、炭素数6〜24のポリアミノアリーレン誘導体、並びに、脂肪族モノアミノ化合物に由来する基及び芳香族モノアミノ化合物に由来する基から選ばれる2種以上が連結基を介して結合してなるポリアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。なお、前記連結基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成されることが好ましい。
前記ポリアミド系重合体における前記ポリアミン化合物由来の繰り返し単位は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリアミド系重合体が2種以上のポリアミン化合物由来の繰り返し単位を有する場合、それらの含有比率は目的に応じて適宜選択される。
上記(1)ポリエステル系重合体[I]の製造方法や化合物の詳細については、特開2011−026569号公報を参照することができる。(2)ポリエステル系重合体[II]の製造方法や化合物の詳細については、特開2011−074249号公報を参照することができる。
[複合樹脂層]
・樹脂層
本発明の好ましい実施形態に係る積層体は、上記特定重合体を含有してなる樹脂層(複合樹脂層)を有する。この層の厚さは特に限定されないが、5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。この厚さを上記上限値以下とすることで、基板の軽量化、フレキシブル性を確保することができ好ましい。一方、上記下限値以上とすることで、支持性や強度を確保することができ好ましい。本発明における膜厚は、特に断らない限り、デジタルリニアゲージDG−525H(小野測器製)にて測定した値とする。測定は3箇所行い、その平均値を求める。
・ドープ
上記複合樹脂層において特定重合体の含有量は特に限定されないが、固形分の全量に対して、1〜99質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましい。この量を上記上限値以下とすることで、支持体の特性を付与することができ好ましい。一方、上記下限値以上とすることで、耐熱性、耐湿耐水性を付与することができ好ましい。
本実施形態においては、上記複合樹脂層の形成に前記特定重合体を含有するドープを用いることが好ましい。特定重合体を溶解するための溶媒は特に限定されないが、下記のような有機溶剤が挙げられる。有機溶剤にはキシレン、ナフタレン、トルエンの如き芳香族炭化水素、ジオクチルフタレート、ジメトキシオキシエチルフタレートあるいはジメチルフタレートの如きフタル酸エステル、トリフェニルフォスフェート、あるいはトリクレジルフォスフェートの如きリン酸エステル類、グリセロールトリアセテート、エチルフタリルエチルグリコレートあるいはメチルフタリルエチルグリコレートの如き多価アルコールエステル類、灯油やケロシンの如き鉱油、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン類、メチレンクロライド、クロロホルムあるいは1,1−ジクロルエタンの如きハロゲン化炭化水素類、酢酸メチルあるいは酢酸エチルの如きエステル類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)の如き窒素化合物などがある。
これらの溶剤を単独あるいは二つ以上の溶剤による混合溶剤として用いることができる。上記ドープにおける特定重合体の含有量は特に限定されないが、ドープ全量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。この量を上記上限値以下とすることで、粘度を低く抑え塗布適性を確保することができ好ましい。一方、上記下限値以上とすることで揮散溶剤の量を低減することができ好ましい。
なお、上記の樹脂組成物(ドープ)中には、上記樹脂および溶剤のほかに、後記の充填材を含有される。その他、酸化防止剤、UV吸収剤、染料、顔料、帯電防止剤、難燃剤等を配合してもよい。添加量は樹脂組成物に対して、通常0.01質量%〜50質量%程度配合されるが、0.1質量%〜10質量%程度配合することが好ましい。より好ましくは0.5質量%〜10質量%程度配合することが望ましい。
複合樹脂層の製膜方法は特に限定されないが、仮支持体や仮基板上に前記のドープを塗布して乾燥硬化する方法などが挙げられる。
この際、1種のドープから単層の複合樹脂層を形成させても良いし、フィラー配合量の異なる2種以上のドープを互いに積層して、組成の異なる多層樹脂層を形成させても良い。一度乾燥させた複合樹脂層状に異なる複合樹脂層のドープを塗布し乾燥させて多層樹脂層としても構わない。
ドープを乾燥する方法については特に限定されないが、上記溶媒がゆっくりと揮散し、なおかつ得られた複合樹脂層中に残存する溶媒量を極力低減するのに必要な温度を選択することが好ましく、早い段階で表面が硬化してしまうと、樹脂層内部に残存した溶媒が揮散し難くなることから、段階的に温度を上げて行く方法が好ましい。
・充填材
複合樹脂層に適用される無機充填材は特に限定されないが、例えば、シリカ、マイカ、クレイ、タルク、ウィスカーなどが挙げられる。
本発明に用いることができるシリカとしては、球状シリカ粒子が好ましく、以下に示す市販品を好ましく例示できる。なお、括弧内の数値は平均粒径を表す。
日本アエロジル(株)製として、AEROSIL RM50(40nm)、R711(12nm)、R7200(12nm)、AEROSIL OX50(40nm)、50(30nm)、90G(20nm)、130(16nm)、150(14nm)、200(12nm)、200CF(12nm)、300(7nm)、380(7nm)が例示できる。AGCエスアイテク(株)製として、サンスフェア H−31(3μm)、H−51(5μm)、H−121(12μm)、H−201(20μm)、サンスフェア L−31(3μm)、L−51(5μm)、サンスフェア NP−30(4μm)、NP−100(10μm)、NP−200(20μm)が例示できる。日産化学工業(株)製として、メタノールシリカゾル(10〜20nm)、MA−ST−M(10〜20nm)、IPA−ST(10〜20nm)、EG−ST(10〜20nm)、EG−ST−ZL(70〜100nm)、NPC−ST(10〜20nm)、DMAC−ST(10〜20nm)、MEK−ST(10〜20nm)、XBA−ST(10〜20nm)、MIBK−ST(10〜20nm)が挙げられる。
なお、本明細書において粒径は、特に断らない限り、後記実施例で示す測定方法で測定した値をいう。
本発明に用いることができるマイカとしては、下記式で表される天然マイカ、合成マイカ等を用いることができる。
A(B,C)2〜510(OH,F,O)
(式中、AはK,Na,Caのいずれかを表し、B及びCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vのいずれかを表し、DはSi又はAlを表す。)
本発明に用いることができるクレイ、タルクとしては、薄い平板状の形状を有する無機質の層状化合物であれば特に限定されないが、例えば、3MgO・4SiO・HOで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
本発明に用いることができるウィスカーとしては、窒化珪素ウィスカー、三窒化珪素ウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、炭化珪素ウィスカー、ボロンウィスカー等が使用可能であり、無機系繊維としては、ロックウール、ジルコニア、アルミナシリカ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、炭化珪素、アルミナ、シリカ、高炉スラグ等の各種ファイバーが使用可能である。
無機充填材が粒子状のものであるとき、その平均粒径は5nm以上10μm以下であることが好ましく、10nm以上1μm以下であることがより好ましい。粒径の測定方法は特に限定されないが、特に断らない限り、後記実施例に示した測定方法によるものとする。
無機充填材は易分散処理されていることが好ましい。易分散処理とは分散相の分散安定性を高める処理をいい、具体的には充填材の表面にシリル基等の改質剤(基)を導入する処理、界面活性剤による安定化処理などが挙げられる。
充填材の表面にシリル基等の改質剤(基)を導入する処理は、充填材表面の官能基に化学的に結合し、樹脂との親和性を高める方法があり、一般的にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤等が使用される。この処理は、乾燥した充填材にカップリング剤を添加して加熱する乾式法や、水や溶媒等に分散した充填材にカップリング剤を添加して加熱・攪拌する湿式法等で調製することができるが、特にその製造方法には限定されない。この方法はシリカ等の球状粒子の安定化に有効である。
界面活性剤による安定化処理は、充填材の表面と特に化学的な結合を有さずに、界面活性剤等によって充填材を安定化する方法であり、特にクレイやマイカ等の積層した層状充填材の分散化に有効である。
易分散処理のための改質剤は特に限定されないが、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、トリメチルステアリルアンモニウム、オクタデシルアミン、メチルジヒドロキシエチル水素化タローアンモニウムなどが挙げられる。
充填材の配合量は特に限定されないが、前記の樹脂(特定重合体)100質量部に対して10質量部以上であり、20質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましい。上限としては、200質量部以下であり、100質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。この配合量が多すぎると、均一な製膜が困難になることがある。一方、この量が少なすぎると、良好なめっき特性が得られないことがある。
樹脂の種類と充填材の種類との組合せは特に限定されないが、前記ポリエステル系のDHA樹脂とシリカとの組合せおよび前記ポリアミド系のDHA樹脂とクレイとの組合せが好ましい。充填材の表面処理については、めっき特性を重視する場合は表面処理を施さないことが好ましく、めっき特性と耐折れ性とのバランスを考慮するときには表面処理(易分散化)することが好ましい。
・金属層
本実施形態に用いられる金属層としては、回路基板に使用可能な任意の導電性材料が使用可能であり、例えば、めっき層や金属箔が使用可能である。材質としては、例えば、銅、アルミニウム、スチール、およびニッケル等を挙げることができ、これらを複合した複合金属や亜鉛やクロム化合物等の他の金属で処理した金属についても用いることができる。またITO等の透明導電膜を用いることも可能である。
金属層の厚みについては特に限定はないが、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは3μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上である。また、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。厚さが薄すぎる場合には、回路の充分な電気的性能が得られにくい場合があり、一方で、厚さが厚すぎる場合には、回路作製時の加工能率等が低下する場合がある。
・下地層
上記金属層を安定的に形成させるために、前記複合樹脂層と金属層との間に、下地層を設けることが好ましい。とりわけ、めっきにより前記金属層を作製する場合には前記充填材との吸着性の高い金属を下地層に適用することが好ましく、例えば、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄などを挙げることができる。特にパラジウムが好ましい。
パラジウムは、めっき処理時に活性核となり金属を析出させる役割を果たす、めっき触媒(パラジウム)又はその前駆体(パラジウムイオン)として作用する。パラジウム化合物としては、パラジウムを含み、めっき処理の際に核として作用すれば、特に限定されないが、例えば、パラジウム(II)塩、パラジウム(0)錯体、パラジウムコロイドなどが挙げられる。パラジウム塩としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、臭化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩化物などが挙げられる。なかでも、取り扱いやすさと溶解性の点で、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、硫酸パラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)が好ましい。パラジウム錯体としては、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体、ジパラジウムトリスベンジリデンアセトン錯体などが挙げられる。パラジウムコロイドは、パラジウム(0)から構成される粒子で、その大きさは特に制限されないが、液中での安定性の観点から、5nm〜300nmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。パラジウムコロイドは、必要に応じて、他の金属を含んでいてもよく、他の金属としては、例えば、スズなどが挙げられる。パラジウムコロイドとしては、例えば、スズ−パラジウムコロイドなどが挙げられる。なお、パラジウムコロイドは、公知の方法で合成してもよいし、市販品を使用してもよい。例えば、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、パラジウムイオンを還元することによりパラジウムコロイドを作製することができる。
下地層の厚さは1nm〜1μmであることが好ましい。
[積層体]
本発明の実施形態に係る積層体は、良好な線膨張係数、引張弾性率を有することが好ましい。各項目における性能特性は実施例に示した方法で測定し評価することができる。
線膨張係数については、実施例に示した条件で80ppm/℃以下であることが好ましく、60ppm/℃以下であることがより好ましい。
引張弾性率については、実施例に示した条件で1.5GPa以上であることが好ましく、2.5GPa以上であることがより好ましい。上限値は特にないが、6.0GPa以下であることが実際的である。
<フレキシブルプリント基板>
図1は本発明の一実施形態における積層体10を模式的に示しており、図2はまた別の実施形態の積層体20を示す断面図である。1は金属層、2は複合樹脂層を示す。さらに、本発明における一実施形態のフレキシブルプリント基板(FPC)100として、図3に示した、金属層1、複合樹脂2に、およびオーバーコート層(カバーフィルム層)3を含む構成をあげることができる。ただし、本発明はこれに限定されず、FPCとして採用され得る任意の積層構成とすることができる。例えば、複合樹脂層、金属層、接着層、およびカバーフィルム層の4層から構成されるFPCであってもよい。また例えば、複合樹脂層、接着剤層、金属層、接着層、およびカバーフィルム層の5層から構成されるFPCであってもよい。
さらに、必要に応じて、上記のFPCを2つもしくは3つ以上積層した構成とすることもできる。このような場合には、例えば、上記のFPCを複数積層し、必要に応じて、FPCとFPCとの間を接着剤で接着することが可能である。また例えば、複合樹脂層の底部どうしを接着剤層により接着して、背中合わせに張り合わせた形態とすることもできる。
プリント基板を構成する際の金属の積層等は、特開2007−313739、特開2008−101068、特開2006−54239、特開2010−238720等を参照することができる。なお、積層体の製造は、金属に直接複合樹脂をコーティングしてもよいし、フィルムを作成して接着剤を介して張り合わせてもよい。
本発明の積層体は、上記フレキシブルプリント基板をはじめ、表示デバイス等の光学フィルムや保護フィルム、各種産業用途における透明部材など、広い分野で、多岐にわたる用途において優れた性能を発揮させることができる。
以下に、実施例により本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
<合成例>
<モノマーのa−1合成>
1,2−カルボキシデヒドロアビエチン酸(a−1)を、下記合成経路に従って合成した。
Figure 2014065225
92%デヒドロアビエチン酸(A),荒川化学工業製60.0gと塩化メチレン120mlの混合物に、塩化オキサリル26.8gを室温で滴下した。3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、そこにメタノール32.0gを滴下した。室温で3時間撹拌後、過剰のメタノールを減圧留去し、化合物(B)の白色結晶62.8gを得た。
化合物(B)62.8g、塩化アセチル18.8gおよび塩化メチレン160mlの混合物に無水塩化アルミニウム58.6gを少量ずつ3〜5℃で加えた。5〜8℃で2時間撹拌した後、反応液を1000gの氷水に注いだ。酢酸エチル400mlを加えて有機層を抽出した。食塩水で洗浄、無水塩化マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣に冷メタノール100mlを加えて析出した化合物(C)の白色結晶をろ取した(収量65.6g)。
水酸化ナトリウム64.0gを水200mlに溶かし、そこに臭素51.2gを8〜10℃で滴下した。さらに、化合物(C)35.6gをジメトキシエタン200mlに溶かした液を10〜12℃で滴下した。室温で2時間攪拌した後、反応液を6N冷希塩酸に注いで酸性とし、析出した白色結晶を濾取した。結晶をメタノールから再結晶して化合物(D)の結晶29.8gを得た。
化合物(D)20.4gに対して10wt%水酸化ナトリウム水100gを加えて攪拌した。その後、反応系を外設130℃にて昇温し、緩やかに還流させた。そのまま3時間攪拌し、反応を薄層クロマトグラフィーにてチェックした後、反応系の温度を室温まで冷却した。冷却した1N塩酸250mLに反応系の内容物をゆっくりと添加し、酸析させた。そのものをヌッチェにてろ取し、水をかけ洗いすることでろ液を中性にした。固体を取り出し、乾燥させることで12−カルボキシデヒドロアビエチン酸(a−1)19.2gを得た。
<モノマーのa−1’合成>
Figure 2014065225
化合物(a−1)の結晶13.76gを塩化メチレン160mlに分散し、塩化オキサリル11.18gおよびジメチルホルムアミド0.6mlを加えて5時間加熱還流した。この間結晶は完全に溶解した。放冷後、溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチル20mlとn−ヘキサン60mlを加え、化合物(a−1)の酸クロリド(a−1’)の白色沈殿を濾取、減圧乾燥した。収量は13gであった。
<モノマーのa−2合成>
ジカルボン酸(a−2)を、下記合成経路に従って合成した。
Figure 2014065225
92%デヒドロアビエチン酸(上記化学式(A)、荒川化学工業製)120g、36%ホルマリン20ml及び塩化メチレン200mlの混合物に、10〜15℃でトリフルオロ酢酸200mlを滴下した。15〜20℃で8時間攪拌した後、塩化メチレンとトリフルオロ酢酸を減圧留去した。残渣に水2lを加え、灰白色結晶を濾過、十分に水洗した。乾燥後、1lの熱n−ヘキサンを加えて1時間攪拌し、放冷後、(a−2)の白色結晶を濾取した。収量は118gであった。
<ポリエステル系重合体の合成>
以下のスキームに従ってポリエステル系重合体(PE−1)を合成した。
Figure 2014065225
ハイドロキノン2.03g、N,N’−ジメチルアミノピリジン7.05gをN,N’−ジメチルアセトアミド100mlに溶解させた。系内の温度を10℃まで冷却し、そこに上記で得られたジカルボン酸化合物(a−1)の酸クロリド誘導体(a−1’)10.5gを少量ずつ加えた。反応液は徐々に粘稠となった。室温で8時間撹拌した後、反応液にメタノール1Lを加え、生成したPE−1を濾別、メタノールで洗浄した。得られたものを乾燥後、ジメチルホルムアミド100mlに加熱溶解し、メタノール1000mlに少量ずつ注いで再沈殿させた。再沈殿物を回収し、乾燥後、PE−1の白色固体10.8gを得た。得られたポリエステル重合体(デヒドロアビエチン酸重合体、PE−1)のGPC測定(溶媒:NMP)による重量平均分子量は95,000であった。
PE−1の合成例において、ジカルボン酸化合物及びジオール化合物を下記表Aに記載した化合物にそれぞれ変更したこと以外は、その方法と同様にして、ポリエステル系重合体(PE−2)〜(PE−10)を得た。
Figure 2014065225
*1 ジカルボン酸化合物については酸クロリド誘導体として合成に用いた。
(表の注記)
表A中、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物における括弧内の数字は、ポリエステル系重合体の仕込み量(モル%)を示す。なお、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物の総量を100モル%とした。このことは後記ポリアミドについても同様である。以下にジカルボン酸化合物、ジオール化合物の構造を示す。
Figure 2014065225
<ポリアミド系重合体の合成>
以下のスキームに従ってポリアミド系重合体(PA−1)を合成した。
Figure 2014065225
化合物(a−1)の結晶6.88gを塩化メチレン80mlに分散し、塩化オキサリル5.59gおよびジメチルホルムアミド0.3mlを加えて5時間加熱還流した。この間に結晶は完全に溶解した。放冷後、溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチル10mlとn−ヘキサン30mlを加え、化合物(a−1)の酸クロリド(a−1’)の白色沈殿を濾取、減圧乾燥した。収量は6.5gであった。
p−フェニレンジアミン(DA−8)1.08gをピリジン30mlに加え、窒素雰囲気下、45℃に加熱して溶解させた。この液を15℃まで冷却し、そこに上記化合物の酸クロリド(a−1’)3.81gを少量ずつ加えた。反応液は徐々に粘稠となった。室温で2時間撹拌した後、反応液にメタノール100mlを加え、生成したPA−1を濾別、メタノールで洗浄した。このものを乾燥後、ジメチルホルムアミド50mlに加熱溶解し、メタノール500mlに少量ずつ注いで再沈殿させた。乾燥後、PA−1の白色固体4.24gを得た。
ポリアミド重合体PA−1の分子量を、GPC(溶媒:NMP)にて測定すると、Mw=111,000,Mn=47,000であった。
PA−1の合成例において、ジカルボン酸化合物及びジアミン化合物を下記表Bに記載した化合物にそれぞれ変更したこと以外は、前記の方法と同様にして、ポリアミド系重合体(PA−2)〜(PA−11)を得た。
Figure 2014065225
*1 ジカルボン酸化合物については酸クロリド誘導体として合成に用いた。
Figure 2014065225
<作製例>
ポリマーPE−1 7.0g、シリカ微粒子(日本アエロジル社製 アエロジル(登録商標)R974、一次粒子径12nm) 3.0g、テトラヒドロフラン60gを、1mmφジルコニアビーズを用いて6時間ミル分散処理を行い、これを濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で加圧ろ過し透明なドープを作製した。
作製したドープをドクターブレードを用い、クリアランス0.7mmで清浄なガラス基板上にキャストした。室温で6時間、70℃で30分、110℃で30分、140℃で1時間、さらに窒素雰囲気下260℃で1時間熱処理を行い、透明なフィルム101a(No.101で使用)を作製した。膜厚は50μmであった。
前記フィルム101aの例において、表1のごとくポリマーを変え、用いたシリカを変更した以外は同様にして処理を行い、透明な厚み50μmのフィルム(シリカ適用)を得た。
有機化ナノクレイ(アルドリッチ製 “Nanoclay,Nanomer1.34TCN(商品名))5gをN,N−ジメチルホルムアミド95gに2時間超音波分散させ、目開き5μmのPTFEフィルターでろ過した後、有機化クレイ溶液を調製した。
ポリマーPE−1 8.5g、上記有機化ナノクレイ溶液30g(ナノクレイとして1.5g)、N,N−ジメチルホルムアミド45gを1mmφジルコニアビーズを用いて6時間ミル分散処理を行い、これを濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で加圧ろ過し、褐色を帯びた乳白色ドープを作製した。
作製したドープをドクターブレードを用い、クリアランス0.8mmで清浄なガラス基板上にキャストした。60℃で3時間、80℃で3時間、100℃で2時間、170℃で5時間、さらに窒素雰囲気下260℃で1時間熱処理を行い、乳白色のフィルム201aを作製した。厚みは50μmであった。
前記フィルム201a(No.201で使用)の例において、表1のごとく用いたポリマーを変え、用いたポリマーとクレイの量を変更した以外は同様にして処理を行い、乳白色の厚み50μmのフィルム積層体(クレイ適用)を得た。
市販ポリイミドフィルム(東レデュポン社製「カプトン(登録商標)」200EN、厚み50μm)を比較のためのフィルムc01(No.c01で使用)として用いた。
ポリアミド酸ワニス(Uワニス、宇部興産製)60部(固形分)に、アエロジルR976Sを40部配合し、実施例と同様にしてミル分散処理を行った。得られたドープをドクターブレードを用いてガラス上にキャストし、140℃で2時間、200℃で2時間、さらに260℃で4時間熱処理して、厚み50μmのシリカが配合された不透明で褐色のポリイミドフィルムc10a(No.c10で使用)を得た。
<実施例1・比較例1>
上記のフィルムを、50℃の0.1%苛性ソーダ水溶液5分洗浄後、Pd触媒付工程(浸漬塗布)、還元工程、活性化工程を経て、25℃で20分間無電解銅めっきを実施した。引き続き、150℃で15分間ベーク処理した後、電流0.75Aで25分間電気銅めっきを行い、良く水洗しさらに180℃で15分間ベーク処理を行い、めっき膜を形成した。この結果作製されためっき膜付きフィルムを本発明の積層体(101〜513)および比較のための積層体(c01〜c10)とした。
−評価方法−
実施例及び比較例のフィルム(反射板)について、下記の測定、評価を行った。
(膜厚の測定)
得られたフィルムの厚さをデジタルリニアゲージDG−525H(商品名)(小野測器社製)にて測定した。測定は3箇所行い、その平均値を求めた。
(ガラス転移点温度(Tg)の測定)
得られたフィルムから5mm×22mmの短冊状試験片を切り出し、これを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(商品名)(UBM社製)にて、引っ張りモードで温度範囲25℃〜350℃の正接損失(tanδ)を測定した。正接損失(tanδ)が極大値を示す温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(充填材の平均粒径の測定)
得られたフィルムの断面をミクロトームで切り出し、TEM観察を行い100〜200個のシリカおよびクレイについて分散粒子径(円相当直径)を算出し、数平均粒子径として求めた。なお、クレイの様に球状でないものまたは平板状のものについては、短長(平板としての厚さ)を粒子径としてカウントした。
(線膨張係数の測定)
フィルムサンプル(0.5cm×2.0cm片)を作製し、引張荷重100mNの条件下、TMA(リガク社製、TMA8310)の引張荷重法にて室温から240℃までのスキャンを2回行い、2回目の昇温および冷却時の平均曲線の50〜200℃の傾きから線膨張係数を求めた。
(引張弾性率の測定)
フィルムサンプル(1.0cm×5.0cm片)を作製し、東洋精機製ストログラフを用いて、荷重400N、試験速度3.0mm/分の条件で引張試験を行い、引張弾性率を求めた。
(めっき膜の作製および析出性の評価〔めっき特性〕)
前記積層体作製の際、無電解銅めっきの銅の析出性について、以下の基準にて5段階を目視判定した。
A:フィルム全面に銅の析出が見られた
B:フィルムの3/4程度の面積比で銅の析出が見られた
C:フィルムの半分以上3/4未満の面積比で銅の析出が見られた
D:フィルムの1/4以上半分未満程度の面積比で銅の析出が見られた
E:析出がほとんど無い
(耐折れ性の測定)
上記めっきされた積層体を、装置に東洋精機製MIT−DA型耐折れ試験機を用い、JIS P8115に準拠し、荷重1kgf、折曲角度135°クランプ部のRは0.38mm、試験速度175cpmの条件で試験を行い、金属層の導通が途切れた往復回数を求めた(100回以下は四捨五入して記載)。
耐折れ性は、前記往復回数により以下のようにして評価した。
A:8000回以上
B:5000回以上8000回未満
C:1000回以上5000回未満
D:1000回未満
(はんだ耐性)
上記めっきされた積層体を、260℃に加熱溶融された、はんだ浴上に1分間浮かべ、冷却した後に状態を観察して、以下のようにして評価した。
A:金属層の剥がれや、変形による波うちなどの異常が認められないもの。
B:金属層の剥がれは無いが、波うちなどの変形がみられるもの。
C:金属層の一部に剥がれが見られるもの。
D:金属層全体が剥がれたもの。
Figure 2014065225
Figure 2014065225
<表の注記>
シリカ1 アエロジルR976S(平均粒径7nm、疎水処理)
シリカ2 アエロジルR974(平均粒径12nm、疎水処理)
シリカ3 アエロジルNAX50(平均粒径30nm、疎水処理)
シリカ4 アエロジル300(平均粒径7nm、処理無し)
シリカ5 アエロジル50(平均粒径30nm、処理無し)
クレイ1 Nanomer1.34TCN(平均粒径20nm、界面活性剤による安定化処理)
クレイ2 ベンゲル ブライト11(平均粒径1μm、処理無し、ホージュン社製)
・・・いずれも登録商標
比較例c08、c09はいずれも均一な膜が得られなかった。
PI:ポリイミド(カプトン200EN 登録商標 商品名 東レ・デュポン社製)
充填剤質量部:ポリマー(ベース樹脂)を100質量部としたときの質量部
「c」で始まるNo.の試験は比較例
前記表1で得られた結果から、本発明の積層体(実施例)は、線膨張係数が小さく、引張弾性率が高く、めっき特性(付き回り性)が良好であり、しかも耐折れ性が高い。比較例の樹脂組成物は、成膜ができない、または、めっき特性に劣っていた。また、本発明の積層体(実施例)はフレキシブルプリント基板用の基材として良好な絶縁性を有し、かつ十分な可とう性を有していた。
<実施例2>
積層体101、110に用いたPE−1、PE−10を下表のとおりに変えた以外同様にして、めっき特性および耐折れ性の試験を行った。その結果、いずれの試験体においても、「A」もしくは「B」の結果が得られた。なお、下表では、ジカルボン酸化合物については、同化合物由来の繰り返し単位として、一般式およびその連結基により当該構成単位を特定している。
Figure 2014065225
Figure 2014065225
Figure 2014065225
Figure 2014065225
<実施例3>
前述のめっき工程において、下地となる無電解めっき処理の金属を表3のごとく変更した以外は同様にて処理し、引き続き銅の電解めっき処理を行い、これら積層体の評価を行った。
Figure 2014065225
<実施例4>
積層体101(樹脂層厚み50μm、銅層厚み15μm)についてフォトリソエッチング処理を施し、長さ20cm×幅5cmで、長手方向に平行に刻まれたパターン幅1mm×20本(互いに導通無し)、パターン間距離1mmのフレキシブルプリント基板を作製した。得られたパターン間に50Vを印加して絶縁性を経時で測定したところ、1000時間に渡って1×10Ωの抵抗値を維持した。
1 金属層
2 複合樹脂層
3 被覆層
10、20 積層体
100 フレキシブルプリント基板

Claims (22)

  1. 無機充填材を含有する複合樹脂の層と金属層とを有する積層体であって、
    前記複合樹脂が、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む特定重合体と、無機充填材10〜200質量部(前記特定重合体を100質量部とする)とを含む積層体。
  2. 前記デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式(U)で表される構造を含む請求項1に記載の積層体。
    Figure 2014065225
    (R及びRは炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。nは0〜3の整数を表す。mは0〜5の整数を表す。環Cyはヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の6員環もしくは7員環を表す。式中、*,**は主鎖に組み込まれる結合手を表す。*はRから延びる結合手であってもよい。)
  3. 前記デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式A1又はA2で表される繰り返し単位である請求項1または2に記載の積層体。
    Figure 2014065225
    (式中、L11、L12、L21、L22、及びL23は、2価の連結基を表す。*は主鎖に組み込まれる結合手を表す。)
  4. 前記式A1中、連結基L11が式中2位で示される炭素原子と結合した請求項3に記載の積層体。
  5. 前記式A2中、連結基L23が式中2位及び2’位で示される炭素原子と結合した請求項3に記載の積層体。
  6. 式A1中のL11が、*−L13−CO−**または*−CO−L13−**(*はヒドロフェナントレン環側の結合手を表す。**はその逆の結合手を表す。)で表され、L13が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、酸素原子、カルボニル基、又は単結合であり、L12がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基である請求項3または4に記載の積層体。
  7. 式A2中のL21及びL22がカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基であり、L23が酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、又は単結合である請求項3または5に記載の積層体。
  8. さらに、前記特定重合体が、ポリオール化合物由来、ポリカルボン酸由来、もしくはポリアミン由来の共重合成分を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記共重合成分が、下記式(II)で表される請求項8に記載の積層体。
    Figure 2014065225
    [Gはアルカン連結基、アルケン連結基、アリール連結基、ヘテロアリール連結基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはこれらを組み合わせた連結基を表す。X、Y、Zはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−、−O(C=O)−、−(C=O)O−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、及びこれらの組合せからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Rは水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基を表す。*は主鎖に組み込まれる結合手である。mzは0〜3の整数である。]
  10. 前記式(II)が下記式(B1)で表される請求項9に記載の積層体。
    Figure 2014065225
    (Lは、酸素原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アリーレン連結基、単結合、又はこれらの組合せである。Lが複数存在するとき、そのそれぞれは同じでも異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。R及びRが複数存在するとき、そのそれぞれは同じでも異なっていてもよい。n1及びn2はそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。n3は0〜2の整数を表す。*は主鎖に組み込まれる結合手を表す。)
  11. 前記無機充填材が、平均粒径が5nm以上10μm以下の粒子である請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層体。
  12. 前記無機充填材が、シリカ、マイカ、クレイ、タルク、またはウィスカーから選ばれる一以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体。
  13. 前記無機充填材が、易分散処理されたものである請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層体。
  14. 前記易分散処理が、充填材表面へのシリル基の導入または界面活性剤による安定化である請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層体。
  15. 前記無機充填材が有機化された層状クレイである請求項1〜14のいずれか1項に記載の積層体。
  16. 前記金属層の構成金属と異なる金属で構成され、前記金属層と複合樹脂層との間に介在する下地層を有する請求項1〜15のいずれかに記載の積層体。
  17. 前記下地層がパラジウム、ニッケル、コバルト、又は鉄を含有してなる請求項16に記載の積層体。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の積層体を有してなるプリント基板。
  19. デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む特定重合体と、無機充填材10〜50質量部(前記特定重合体を100質量部とする)とを含む複合樹脂。
  20. 前記デヒドロアビエチン酸に由来する骨格が下記式(U)で表される構造を含む請求項19に記載の複合樹脂。
    Figure 2014065225
    (R及びRは炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。nは0〜3の整数を表す。mは0〜5の整数を表す。環Cyはヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の6員環もしくは7員環を表す。式中、*,**は主鎖に組み込まれる結合手を表す。*はRから延びる結合手であってもよい。)
  21. 請求項19または20に記載の複合樹脂からなる樹脂フィルム。
  22. 金属層と積層してフレキシブルプリント基板をなす請求項21に記載のフィルム。
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