JP5688345B2 - 塗布装置及び多層膜付きフィルムの製造方法 - Google Patents

塗布装置及び多層膜付きフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エクストルージョン型のダイを用いて連続搬送されるウエブの表面に塗布液を塗布し製膜する塗布装置及び多層膜付きフィルムの製造方法に関し、特に複数の膜を同時に製膜する塗布装置及び多層膜付きフィルムの製造方法に関する。
従来、可撓性支持体(以下、ウエブとも称する。)の表面に所望の厚さの塗布膜(塗布層)を塗布、製膜する塗布装置として、バーコータ方式、リバースロールコータ方式、グラビアロールコータ方式、エクストルージョンコータなどのスロットダイコータ方式などが知られている。
この中でもスロットダイコータ方式の塗布装置は、他の方式と比較して高速で薄膜(薄層)の塗布が可能であることから多用されている。近年、パソコンの普及や家庭用テレビの薄型化に伴い、液晶モニタの需要が増大し、薄膜の製膜が必要な偏光フィルム、光学補償フィルム等の光学フィルムの需要も高まってきている。これに伴って、薄膜の製膜が可能で、かつ、多層膜の製膜が可能なスロットダイコータ方式の塗布装置が注目されている。
このようなスロットダイコータ方式の塗布装置として、例えば、特許文献1に記載されたエクストルージョン塗布装置がある。特許文献1に記載されたエクストルージョン塗布方法は、帯状支持体に2層以上の塗布層を同時に塗布するエクストルージョン塗布方法において、最下層粘度をその隣接する層よりも低くすることを特徴にしている。これにより、0.01Pa・s以上の高粘度の塗布液を薄膜化し、高速塗布することが可能であるとしている。
特開2002−59062号公報
しかしながら、特許文献1に記載の塗布方法では、最下層の粘度を隣接する層の粘度よりも低くする必要がある。これは、多層膜を製膜する場合に、大きな制約になる。
また、塗布液を吐出するダイを構成するブロックの先端面であるリップとウエブ(帯状支持体)との距離であるリップ距離をウエブの進行方向に対して上流側のリップほど大きく取らなくてはならない。これは、層数が多くなるほど最上流側のリップ距離が大きくなってゆき装置構成上の制約になる。
更に、本研究者等の鋭意研究により、特許文献1の塗布方法では、段ムラやスジの不良が発生することが分かった。
本発明は、かかる実情に鑑み、40mPa・s以下の低粘度の塗布液も使用しても同時重層製膜可能で、かつ、段ムラやスジの発生を低減可能な塗布装置及び多層膜付きフィルムの製造方法を提供しようとするものである。
本発明の課題は、下記の各発明によって解決することができる。
即ち、本発明の多層膜付きフィルムの製造方法は、バックアップローラに支持されて連続走行するウエブの表面に粘度が40mPa・s以下の塗布液を同時重層塗布することにより、多層膜付きフィルムを製造する多層膜付きフィルムの製造方法であって、複数のブロックで構成されたダイと、空気を吸引する吸引装置とを準備する準備工程と、前記ダイの、前記ウエブの走行方向に対して上流側から前記吸引装置により空気を吸引することにより、前記ダイ先端部と前記ウエブとの間の空間を減圧する減圧工程と、前記減圧工程で減圧しながら前記ウエブに前記ダイの先端部から前記塗布液を吐出して前記ウエブに多層膜を製膜する製膜工程と、を備え、前記ダイは、前記複数のブロックを組み合わせることにより形成された前記塗布液を貯留するためのポケットを有し、前記ポケットは、当該ポケットから供給された塗布液がウエブに吐出されて、ウエブまたはウエブ上に形成された塗布膜に接触した位置である塗布点よりも下の位置に配置され、前記ブロックのうち前記走行方向に対して最下流のブロックの先端面である下流リップと、前記ウエブと、の最短距離をd1とし、前記最下流のブロックの一つ上流側にあるブロックの先端面であり、前記下流リップの隣に位置する隣接リップと、前記ウエブと、の最短距離をd2とし、前記隣接リップの前記走行方向の幅をL2とし、最上層を除く全ての膜の総膜厚をh2とし、最下流リップとウエブとの間におけるウエブ搬送方向の圧力勾配をdP/dXとしたとき、式1〜式4の全てを満たすように前記ブロックが設置されて前記ダイが構成されたことを主要な特徴にしている。
10μm≦(d1−d2)≦200μm 式1
d2≦3×h2 式2
50μm≦L2≦200μm 式3
dP/dX>0 式4
これにより、段ムラ、スジの不良を低減することができる
また、本発明の塗布装置は、複数のブロックで構成されたダイの先端から粘度が40mPa・s以下の塗布液を塗布し、バックアップローラに支持されて連続走行するウエブの表面に前記塗布液による2層以上の膜を同時に製膜する塗布装置であって、前記ダイの、前記ウエブの走行方向に対して上流側から空気を吸引することにより前記ダイ先端部と前記ウエブの表面との間の空間を減圧するための吸引装置と、前記複数のブロックを組み合わせることにより形成された前記塗布液を貯留するためのポケットと、を備え、前記ポケットは、当該ポケットから供給された塗布液がウエブに吐出されて、ウエブまたはウエブ上に形成された塗布膜に接触した位置である塗布点よりも下の位置に配置され、前記ブロックのうち前記走行方向に対して最下流のブロックの先端面である下流リップと、前記ウエブと、の最短距離をd1とし、前記最下流のブロックの一つ上流側にあるブロックの先端面であり、前記下流リップの隣に位置する隣接リップと、前記ウエブと、の最短距離をd2とし、前記隣接リップの前記走行方向の幅をL2とし、最上層を除く全ての膜の総膜厚をh2とし、最下流リップとウエブとの間におけるウエブ搬送方向の圧力勾配をdP/dXとしたとき、式1〜式4の全てを満たすように前記ブロックが設置されて前記ダイが構成されたことを主要な特徴にしている。
10μm≦(d1−d2)≦200μm 式1
d2≦3×h2 式2
50μm≦L2≦200μm 式3
dP/dX>0 式4
粘度が40mPa・s以下の塗布液を使用しても、良好な膜を同時重層塗布により製膜することができる。
本発明の塗布装置の一例を示す断面図である。 ダイ160とウエブ120との位置関係、寸法を示す概略図である。 評価条件と結果とを示す表である。 (A)等ピッチ状の段ムラを示す概略図である。(B)ランダムに発生する段ムラを示す概略図である。 (A)木目形状のスジを示す概略図である。(B)等ピッチ状の細いスジを示す概略図である。(C)等ピッチ状の太いスジを示す概略図である。(D)太スジを示す概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
<塗布装置の構成>
本発明の塗布装置は、エクストルージョン型のダイを用いるものであり、バックアップローラに支持されて連続走行するウエブ(支持体またはフィルムとも称する)の表面にニュートン流体である塗布液を塗布し、前記塗布液を前記ウエブの表面に2層以上同時に製膜することにより、多層膜付きフィルム(積層フィルムとも称する)を作製する。
本発明の塗布装置の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の塗布装置の一例を示す断面図である。本発明の塗布装置100は、ウエブ120を支持して回転するバックアップローラ140と、前記ウエブ120に塗布液を塗布するダイ160と、を主に備えて構成される。
ダイ160は、複数のブロック162a、162b、162cで構成される。ダイ160の内部には、これら複数のブロックを組み合わせることにより、塗布液を貯留するためのポケット164a、164b及び、前記ポケット164a、164bからダイ160の先端部に延在するスロット166a、166bが形成される。
図1に示すように、ポケット164a、164bは、その断面形状が略円形または半円形で構成されることができる。ポケット164a、164bは、ダイ160の幅方向(図面対して垂直方向)にその断面形状を延長された塗布液の液溜め空間である。
ここで、図1には、3つのブロック162a、162b、162cと、2つのポケット164a、164b及び、2つのスロット166a、166bが、図示されているが、ブロックの個数は3つに限定されるものではなく、ポケット及びスロットの個数も2つに限定されるものではない。必要とされる塗布膜の種類、数に応じて必要な数量のブロックで、必要な数量のポケット、スロットを形成することが可能である。
ダイの先端面であるリップは、ウエブ120と所定の距離を離して設置される。ウエブ120の搬送方向に対して最下流(これ以後、上流、下流、上流側、下流側との記載は、全てウエブ120の搬送方向に対して上流(側)、下流(側)を意味する。)に位置するブロックであるブロック162aの先端面を下流リップと称し、真ん中のブロック(下流リップの隣のブロックであり、最下流に位置するブロックよりも一つ上流側に位置するブロック)であるブロック162bの先端面を隣接リップと称し、最上流側のブロックであるブロック162cの先端部を上流リップと称するとすると、以下の式1〜5、条件1〜3の関係が成り立つようにダイが構成される。
ここで、図2を参照して更に説明する。図2は、ダイ160とウエブ120との位置関係、寸法を示す概略図である。最下流のスロット166aによって塗布された膜の膜厚をh1、最下流スロットよりも一つ上流側のスロット166bによって塗布された膜の膜厚をh2、隣接リップの先端とウエブとの最短距離をd2、最下流リップの先端とウエブとの最短距離をd1、隣接リップのウエブ搬送方向の長さをL2とし、更に、dP/dXを最下流リップとウエブとの間におけるウエブ搬送方向の圧力勾配としたとき、以下の条件を全て満たすように塗布装置100が構成される。
・10μm≦(d1−d2)≦200μm 式1
・d2≦3×h2 式2
・50μm≦L2≦200μm 式3
・dP/dX>0 式4
・上流側に減圧装置が設けられ、上流側から減圧する。 条件1
・塗布液粘度 40mPa・s以下 条件2
・ポケットの位置は、塗布点(ダイ160から吐出された塗布液がウエブ120と接する場所)よりも下になるように配置する。 条件3
ここで、条件3のポケット位置は、図1に示すように、塗布点よりもX1、X2だけ下に位置している。X1、X2については、正の値であれば、他の装置の構成に悪影響を及ぼさない限り任意の値を採用することができる。
上記説明においては、2層の塗布膜をウエブに形成する例で説明したが、3層以上の塗布膜をウエブに塗布する場合においては、最上層以外の膜の総膜厚をh2、最上層膜厚をh1、最下流のリップの先端とウエブとの最短距離をd2、最下流のリップの隣のリップの先端とウエブとの最短距離をd2として上記式の関係を満たすようにダイを構成することができる。
本発明者等の鋭意研究により、上記d1、d2、h1、h2、dP/dXの条件を満たすように塗布装置100を構成することにより、粘度40mPa・s以下の塗布液を用いても、段ムラ、スジ、泡スジ、リップ先端への異物の引っかかりスジ等のない良好な塗布膜をウエブに形成し、積層フィルムを製造することができることを見いだした。
次に、式1〜式4、条件1〜条件3について以下に詳細に説明する。
(1)式1[10μm≦(d1−d2)≦200μm]について
本発明は、10μm≦(d1−d2)≦200μmの関係を満たす。d1−d2が10μm未満だと、上層側のビードが下層側のビードに乱されてしまい、ビード全体が均一に形成されない。一方、200μm以上であるとd1が大きすぎてビードが端部から切れたり、ランダムな段ムラが発生することがある。
更に、d1−d2を200μm以下にすると、最上層の膜をウエット膜厚で5μm以下、最上層の隣接層の膜厚をウエット膜厚で40μm以下の膜厚で同時重層塗布が可能となる。膜厚を薄くできないと各層の固形分濃度と粘度を下げざるを得なくなり、層混合が起きやすくなってしまう。d1−d2が200μmを超えると、スジが発生し、最上層の膜をウエット膜厚5μm以下で塗布できなくなる。
(2)式2[d2≦3×h2]について
本発明は、d2≦3×h2の関係を満たす。なぜならば、最下流リップの隣のリップとウエブの間に形成されるビードに渦を形成することがないので、積層ビードを安定に形成することができるからである。
(3)式3[50μm≦L2≦200μm]について
本発明は、50μm≦L2≦200μmの関係を満たす。なぜならば、L2が200μmより小さいと減圧度を小さくできるためであることと、50μmより大きいことで液液界面の静的接触線が微小な外乱によりリップ端面から外れることを防ぐためである。
(4)式4[dP/dX]について
本発明は、最下流リップとウエブとの間におけるウエブ搬送方向の圧力勾配dP/dX>0を満たす。なぜならば、膜厚に対してリップとウエブとの最短距離が近すぎると、振動などの微小な外乱に対する耐性が低くなり、段ムラが発生するためである。
(5)条件1[減圧塗布]について
ここで、リップとウエブとの間隔を広くすることにより、リップ先端から塗布された塗布液によって形成されるウエブ表面のビードが、ちぎれる現象が発生する場合がある。この現象を抑えるためには、ビードをウエブ搬送方向上流側から減圧できる。また、ビードへの外乱を小さくする意味で、ビードが成立する範囲内で減圧値はできる限り小さい方が好ましい。
ウエブ搬送方向上流側から減圧するには、ダイの上流側にカバーを設けて、吸引装置であるポンプによりカバー中から空気を吸い出して減圧することができる。
(6)条件2[塗布液粘度40mPa・s以下]について
例えば光学フィルムのように乾燥後の塗布膜が非常に薄い場合、ウエット膜厚を増して塗りやすくするために、一般的に塗布液の固形分濃度をできる限り低くして塗る。そのため、塗布液の粘度も相当小さくなる。しかし、粘度が40mPa・s以下の液を塗布する場合、液の流動性が高いことが原因で、積層ビードを均一に形成することが非常に困難であることが分かった。本発明は40mPa・s以下の液を用いるときに絶大な効果を発揮する技術である。
(7)条件3[ポケット位置]について
次にポケットと塗布点との位置関係について、図1を参照して説明する。ここで塗布点とは、リップから吐出された塗布液がウエブ(ウエブ上に膜が形成されている場合は、ウエブ上の最上層の膜)に接触した位置のことを言う。本発明では、ポケットは、その位置が塗布点よりも下になるように配置される。なぜならば、ポケット位置を塗布点よりも下にすることにより、気泡等がポケットに溜まることなく抜けてゆき、泡スジを発生させることがないためである。よって、ここで言う「塗布点より下」とは、塗布点の真下のみを意味するのではなく、塗布点を通る地面に平行な水平面よりも下の位置全体を意味するものである。
<評価>
次に本発明の塗布装置の評価内容及び評価結果について説明する。評価は、図1に記載された塗布装置を使用して所定の条件でウエブに塗布膜を形成し、形成された塗布膜を目視により観察して膜の品質を評価することにより行った。
塗布液B200をスロット166bから吐出して塗布を行い、塗布液A210をスロット166aから吐出して塗布を行った。塗布は、ウエブ進行方向上流側から空気を吸い出して減圧しながら行った。膜厚h1、h2は、図1に示すように、塗布液A210は、ウエット膜厚でh2μm、塗布液B200は、ウエット膜厚でh1μm塗布した。
図2に示すように、隣接リップとウエブ120との最短距離をd2、最下流リップとウエブ120との最短距離をd1とした。塗布速度は、30m/minで塗布を行った。
本評価においては、アンダーバイト、即ちd1>d2となる塗布装置を用いて評価を行った。
図3に、上記評価の各実施例、比較例の条件と評価結果とを示す。図3は、評価条件と結果とを示す表である。図3において、ポケットと塗布点の位置関係の欄は、位置が高いもの(上にあるもの)を表示している。よって、塗布点と記載されている場合は、ポケットの位置よりも塗布点の位置が高くなるように塗布装置を設定して塗布したことを示す。また、ポケットと記載されている場合は、塗布点の位置よりもポケットの位置が高くなるように塗布装置を設定して塗布したことを示す。
dP/dXは、最下流リップとウエブとの間におけるウエブ搬送方向の圧力勾配(傾き)を示し、正とは傾きが正のことを示し、負とは傾きが負のことを示し、0とは傾きが0のことを示す。
段ムラ、スジ、総合評価の欄において、○、×、判断不可は以下のことを示す。
・段ムラの欄
○:3波長白色光の下で、段ムラが視認されないまたはわずかに視認されるが性能に影響がない。
×:3波長白色光の下で、段ムラが視認され、性能が満たせない。
判断不可:塗布が成立しない、または、塗布状態がひどすぎて、どの不良モードか判断できない。
・スジの欄
○:3波長白色光の下で、スジが視認されないまたはわずかに視認されるが性能に影響がない。
×:3波長白色光の下で、スジが視認され、性能が満たせない。
判断不可:塗布が成立しない、または、塗布状態がひどすぎて、どの不良モードか判断できない。
・総合評価の欄
○:段ムラもスジも○判定の場合。
×:段ムラとスジのうち一つでも×または判断不可があった場合。
ここで、段ムラとスジについて図4Aから図5Dを参照して説明する。図4Aから図5Dにおいて矢印は、ウエブの進行方向を示す。
図4(A)は、等ピッチ状の段ムラを示す概略図である。図4(A)に示すように、等ピッチ状の段ムラとは、ウエブの幅方向(進行方向に垂直な方向)に平行な一定の膜厚ムラが、ウエブの進行方向に等間隔に発生したもののことである。
図4(B)は、ランダムに発生する段ムラを示す概略図である。図4(B)に示すように、ランダムに発生する段ムラとは、ウエブの幅方向に平行な膜厚ムラが、ウエブの進行方向にランダムに発生したもののことである。
図5(A)は、木目形状のスジを示す概略図である。図5(A)に示すように、木目形状のスジとは、ウエブの進行方向に木目状に発生したもののことである。
図5(B)は、等ピッチ状の細いスジを示す概略図である。図5(B)に示すように、等ピッチ状の細いスジとは、ウエブの進行方向に平行な太さ1mm以下の膜厚ムラが、ウエブの幅方向に等間隔に発生したもののことである。
図5(C)は、等ピッチ状の太いスジを示す概略図である。図5(C)に示すように、等ピッチ状の太いスジとは、ウエブの進行方向に平行な太さ1mm以上の膜厚ムラが、ウエブの幅方向に等間隔に発生したもののことである。
図5(D)は、太スジを示す概略図である。図5(D)に示すように、太スジとは、ウエブの進行方向に平行な太さ1mm以上の膜厚ムラが、ウエブの幅方向に1以上発生したものであり、明らかに泡が原因と思われるもののことである。
<<評価結果>>
次に、図3を参照して、評価結果について説明する。
(1)式1[10μm≦(d1−d2)≦200μm]について
実施例1−3と、比較例3、4とを比較する。実施例1−3は、10μm≦(d1−d2)≦200μmを満たすのに対して、比較例3、4は、10μm≦(d1−d2)≦200μmを満たさない。特に、実施例3と比較例3、4を比較すると、d1、d2以外の条件は同じにも関わらず、実施例3[(d1-d2)=200μm]は総合評価○で、比較例3[(d1-d2)=5]は、不良モードが判断できないほどのひどい塗布状態で総合評価は×であり、比較例4[(d1-d2)=210]は、ランダムに発生する段ムラと等ピッチ状の太いスジとが発生して総合評価は×になった。実施例1[(d1-d2)=10]、実施例2[(d1-d2)=100]も総合評価は○であった。よって、10μm≦(d1−d2)≦200μmの条件を満たすことにより、段ムラ、スジの不良を防げることが分かった。
(2)式2[d2≦3×h2]について
実施例5、8と比較例8とを比較する。実施例5は、d2<3×h2を満たし、実施例8は、d2=3×h2を満たすが、比較例8は、d2≦3×h2を満たさない。また、d2以外の評価条件は、実施例5、8、比較例8ともに同じである。この時、実施例5、8では、総合評価○であるが、比較例8では、等ピッチ状の段ムラ不良が発生し総合評価は×であった。また、実施例1−4、6−7は、いずれもd2≦3×h2を満たし、総合評価○である。よって、d2≦3×h2を満たすことにより、段ムラ、スジの不良を防げることが分かった。
(3)式3[50μm≦L2≦200μm]について
次に、実施例4−6と比較例5、6とを比較する。実施例4(L2=50)、実施例5(L2=100)、実施例6(L2=200)は、いずれも50μm≦L2≦200μmを満たすが、比較例5(L2=40)、比較例6(L2=210)は、いずれも50μm≦L2≦200μmを満たさない。実施例4−6と比較例5、6とは、L2以外の評価条件は同じである。実施例4−6は、全て総合評価○であるが、比較例5は、等ピッチ状の細いスジが発生して総合評価は×であり、比較例6は、等ピッチ状の段ムラが発生して総合評価は×である。よって、50μm≦L2≦200μmの条件を満たすことにより、段ムラ、スジの不良を防げることが分かった。
(4)式4[dP/dX]について
実施例1〜8は、全てdP/dXが正であり、総合評価は○になっている。これに対して、dP/dXが負である比較例1、dP/dXが0(ゼロ)である比較例2は、ともに等ピッチ状の段ムラが発生し総合評価は×になっている。よって、dP/dX>0の条件を満たすことにより段ムラ不良を防げることが分かった。
(5)条件2[塗布液粘度40mPa・s以下]について
比較例9は、塗布液粘度が60mPa・sであり、40mPa・sより大きい。この場合は、dP/dXが負であっても総合評価が○になっている。これは、高粘度の塗布液を用いた従来の塗布方法を示したものである。しかしながら、近年では薄膜を製膜する要請が高く、薄膜を製膜するには、低粘度の塗布液を使用する必要があった。
ここで、比較例1を参照すると、粘度が40mPa・sであること以外は、比較例9(高粘度塗布液を使用する従来条件)と同じ条件で製膜すると、等ピッチ状の段ムラが発生してしまった。これにより、塗布液粘度が40mPa・s以下の低粘度塗布液を使用する場合には、40mPa・sより粘度の大きい塗布液を使用していたときには発生しなかった段ムラ不良が発生することを発見した。
(6)条件3[ポケット位置]について
実施例5と比較例7とを比較する。実施例5は、ポケット位置よりも塗布点の方が高い位置の装置で塗布したものであり、比較例7は、塗布点よりもポケット位置の方が高い位置の装置で塗布したものである。また、ポケットと塗布点との高さ位置以外の評価条件は、実施例5と比較例7とで同じである。このとき、実施例5では、総合評価○であるが、比較例7では、明らかに気泡が原因と考えられる太スジが発生して総合評価は×になった。また、実施例1−4、6−8は、いずれもポケット位置よりも塗布点の方が高い位置の装置で塗布したものであり総合評価○である。よって、ポケット位置よりも塗布点の方が高い位置で塗布することにより、気泡による不良を防げることが分かった。
100…塗布装置、120…ウエブ、140…バックアップローラ、160…ダイ、162a…ブロック、162b…ブロック、162c…ブロック、164a…ポケット、164b…ポケット、166a…スロット、166b…スロット、200…塗布液B、210…塗布液A

Claims (2)

  1. バックアップローラに支持されて連続走行するウエブの表面に粘度が40mPa・s以下の塗布液を同時重層塗布することにより、多層膜付きフィルムを製造する多層膜付きフィルムの製造方法であって、
    複数のブロックで構成されたダイと、空気を吸引する吸引装置とを準備する準備工程と、
    前記ダイの、前記ウエブの走行方向に対して上流側から前記吸引装置により空気を吸引することにより、前記ダイ先端部と前記ウエブとの間の空間を減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程で減圧しながら前記ウエブに前記ダイの先端部から前記塗布液を吐出して前記ウエブに多層膜を製膜する製膜工程と、
    を備え、
    前記ダイは、前記複数のブロックを組み合わせることにより形成された前記塗布液を貯留するためのポケットを有し、
    前記ポケットは、当該ポケットから供給された塗布液がウエブに吐出されて、ウエブまたはウエブ上に形成された塗布膜に接触した位置である塗布点よりも下の位置に配置され、
    前記ブロックのうち前記走行方向に対して最下流のブロックの先端面である下流リップと、前記ウエブと、の最短距離をd1とし、
    前記最下流のブロックの一つ上流側にあるブロックの先端面であり、前記下流リップの隣に位置する隣接リップと、前記ウエブと、の最短距離をd2とし、
    前記隣接リップの前記走行方向の幅をL2とし
    上層を除く全ての膜の総膜厚をh2とし、最下流リップとウエブとの間におけるウエブ搬送方向の圧力勾配をdP/dXとしたとき、式1〜式4の全てを満たすように前記ブロックが設置されて前記ダイが構成された多層膜付きフィルムの製造方法。
    10μm≦(d1−d2)≦200μm 式1
    d2≦3×h2 式2
    50μm≦L2≦200μm 式3
    dP/dX>0 式4
  2. 複数のブロックで構成されたダイの先端から粘度が40mPa・s以下の塗布液を塗布し、バックアップローラに支持されて連続走行するウエブの表面に前記塗布液による2層以上の膜を同時に製膜する塗布装置であって、
    前記ダイの、前記ウエブの走行方向に対して上流側から空気を吸引することにより前記ダイ先端部と前記ウエブの表面との間の空間を減圧するための吸引装置と、
    前記複数のブロックを組み合わせることにより形成された前記塗布液を貯留するためのポケットと、
    を備え、
    前記ポケットは、当該ポケットから供給された塗布液がウエブに吐出されて、ウエブまたはウエブ上に形成された塗布膜に接触した位置である塗布点よりも下の位置に配置され、
    前記ブロックのうち前記走行方向に対して最下流のブロックの先端面である下流リップと、前記ウエブと、の最短距離をd1とし、
    前記最下流のブロックの一つ上流側にあるブロックの先端面であり、前記下流リップの隣に位置する隣接リップと、前記ウエブと、の最短距離をd2とし、
    前記隣接リップの前記走行方向の幅をL2とし
    上層を除く全ての膜の総膜厚をh2とし、最下流リップとウエブとの間におけるウエブ搬送方向の圧力勾配をdP/dXとしたとき、式1〜式4の全てを満たすように前記ブロックが設置されて前記ダイが構成された塗布装置。
    10μm≦(d1−d2)≦200μm 式1
    d2≦3×h2 式2
    50μm≦L2≦200μm 式3
    dP/dX>0 式4
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