JP5688067B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
そして、従来の燃料電池システムによれば、アノード圧を調整するためのインジェクタの開弁を、次の駆動インターバルまで待たなければならなかった。
よって、従来の燃料電池システムでは、アノード圧の急な変動に対し、早急に圧力調整することができず、燃料電池がストイキ不足になるおそれがあった。
よって、本発明によれば、第1駆動インターバル中に生じる急な変動に対して早急に圧力調整ができ、燃料電池がストイキ不足となるおそれを低減できる。
そのため、第1駆動インターバル中に排出弁が開弁して大きな圧力変動が生じても、第2燃料供給装置の開弁によりアノード圧を調整できるようになっている。そのため、ストイキ不足の回避と燃料電池の発電の安定性とを図ることができる。
また、制御装置は、燃料ガスの負荷要求量を、循環性能が高い第1燃料供給装置に優先的に割り付けているため、第2燃料供給装置で燃料ガスを供給する場合に比べて、燃料電池の発電の安定性を図ることができる。
そのため、要求負荷が小さい場合、第1燃料供給装置の噴射間隔が長くなっており、第1燃料供給装置の駆動回数を低減できる。一方で、要求負荷が大きい場合に、第1燃料供給装置の噴射間隔が短くなっているため、比較的早急に水素量を供給でき、燃料電池スタックの耐久を図ることができる。
MEAは、1価の陽イオン交換膜などからなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノードおよびカソード(電極)とを備える。各セパレータには、各MEAの全面に水素または空気を供給するための溝や、全単セルに水素または空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝および貫通孔がアノード流路12(燃料ガス流路)、カソード流路13(酸化剤ガス流路)として機能している。
温度センサ26と上流圧力センサ27は、第1インジェクタ28Aの噴射無効時間を算出するために、第1インジェクタ28Aの上流側の水素の温度、圧力状態を検出するものである。また、温度センサ26と上流圧力センサ27とにより検出された上流温度T26、上流圧力P27は、ECU6に送られている(図2参照)。
そのため、第1インジェクタ28Aが閉弁中であっても、遮断弁25が開いていれば、第2インジェクタ28Bを開弁させることで、バイパス配管32を介して、水素タンク21の水素をアノード流路12に供給できるようになっている。なお、第2インジェクタ28Bは、特許請求の範囲に記載される「第2燃料供給装置」に相当する構成である。
希釈器46は、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合し、アノードオフガス中の水素を、カソードオフガス(希釈用ガス)で希釈する容器であり、希釈後に車外に排出されるようになっている。
また、本実施形態において、周期信号Aの所定周期が200msec、周期信号Bの所定周期が100msecに設定されている。そのため、第1インジェクタ28Aの第1駆動インターバルは200msec、第2インジェクタ28Bの第2駆動インターバルは100msecとなり、第1インジェクタ28Aの第1駆動インターバルに比べて第2インジェクタ28Bの第2駆動インターバルの方が短くなるように設定されている。
なお、本実施形態において、周期信号Aの周期(200msec)が周期信号Bの周期(100msec)に対し2倍となっているため、第2インジェクタ28Bの第2駆動インターバルの開始が、2回中1回、第1駆動インターバルの開始と同期するようになっている(図5参照)。
そして、発電消費量算出手段62は、アクセル開度マップ(不図示)に基づき、アクセル開度センサ8(図1参照)に入力されたアクセル開度θから、燃料電池スタック10の目標発電量に応じた負荷要求水素量を算出して、割り付け手段65に送るように構成されている。
圧力要求水素量の算出に関し、まず、目標圧変化量算出手段63は、燃料電池スタック10から出力された電流IFCに基づいて、目標圧力マップからアノード流路12の目標圧力を算出するように構成されている。なお、電流IFCと目標圧力との関係は、電流IFCが大きい場合、目標圧力も大きくなり、一方で、電流IFCが小さい場合、目標圧力も小さくなるという相関関係にある(図5参照)。
次いで、目標圧変化量算出手段63は、算出した目標圧力と前回算出した目標圧力とを比較することで、アノード流路12のアノード圧Paの変化量を算出している。
そして、目標圧変化量算出手段63は、算出したアノード圧Paの変化量に対応する水素量を圧力要求水素量として割り付け手段65に送り、アノード流路12のアノード圧Paが目標圧力となるように調整されている。
なお、目標圧変化量算出手段63は、目標圧力マップから算出した目標圧力に係る情報を、第1開弁時間算出手段66に送るように構成されている。
そのほか、目標圧変化量算出手段63について、上記方法により算出した圧力要求水素量を、アノード系2の排水性又は電解質膜の加湿量に基づいて補正できるように構成してもよい。
また、排出ガス量算出手段64は、予め試験等により求められたマップにより、パージ弁33の開弁時間から排出された水素量を算出して、割り付け手段65に送るように構成されている。
さらに、排出ガス量算出手段64は、電流IFCが高出力であると判断する場合には、割り付け手段65に送る排出水素量の増量を行い、排出水素量を補正できるようになっている。
なお、割り付け処理とは、要求水素量(負荷要求水素量、圧力要求水素量、排出水素量)の噴射を行う対象を、第1インジェクタ28A及び第2インジェクタ28Bのいずれかに割り付けるための処理である。
また、割り付け表とは、図3に示すように、駆動インターバル設定手段61の周期信号A及び周期信号Bを受けた場合、又は周期信号Bのみを受けた場合に分けて、負荷要求水素量、圧力要求水素量、排出水素量の割り付ける対象が特定された表である。
これにより、駆動対象となるインジェクタが、第1インジェクタ28A及び第2インジェクタ28B、又は第2インジェクタ28Bと特定できる。
そして、割り付け手段65は、第1開弁時間算出手段66に、「負荷要求水素量」と「圧力要求水素量」の半分とを合計してなる要求水素量を送り、第2開弁時間算出手段69に、「排出水素量」と「圧力要求水素量」の残り半分を合計してなる要求水素量を送り、割り付け処理を終了する(END)
そして、割り付け手段65は、第1開弁時間算出手段66に、「負荷要求水素量」と「圧力要求水素量」とを合計してなる要求水素量を送り、第2開弁時間算出手段69に、「排出水素量」に相当する要求水素量を送り、割り付け処理を終了する(END)。
つぎに、割り付け手段65は、圧力要求水素量の割り付けを決定するために、圧力要求水素量が閾値を超えるか否かを判定する(S5)。
なお、ここでいう閾値とは、第2インジェクタ28Bを開弁させることなく、次の第1駆動インターバルの開始を待って第1インジェクタにより噴射させた場合に、ストイキ不足になるおそれがあるか否かの判定基準となる値であり、試験等により予め求められた値である。
そして、割り付け手段65は、「排出水素量」に相当する要求水素量を第2開弁時間算出手段69に送り、割り付け処理を終了する(END)。
これにより、「圧力要求水素量」及び「排出水素量」に比べて、全体的に要求される水素量が多い「負荷要求水素量」が、循環効率の高い第1インジェクタ28Aに優先的に割り当てられており、より多くの水素が循環するようになっている。
このため、第1インジェクタ28Aの第1駆動インターバル中にパージ弁33が開弁したとしても、第2インジェクタ28Bにより排出水素量を供給して、燃料電池スタック10のストイキ不足を早急に解消できる。
また、「排出水素量」の割り付け対象は、周期信号A及び周期信号Bを受けた場合であっても、つまり、第1インジェクタ28Aが駆動可能な場合であっても、第2インジェクタ28Bに割り付けるようになっている。
そのため、第1インジェクタ28Aの作動回数を低減させて、第1インジェクタ28Aの耐久を図ることができる。
このため、第1インジェクタ28Aの第1駆動インターバル中に、燃料電池スタック10が高負荷となり、アノード圧Paが急に変動したとしても、第2インジェクタ28Bにより圧力要求水素量が供給されて、燃料電池スタック10のストイキ不足を早急に解消できるようになっている。
なお、本実施形態において、「圧力要求水素量」の割り付け対象が、周期信号Bを受けた場合は、第2インジェクタ28Bとなっている。
一方で、周期信号A及び周期信号Bを受けた場合には、第1インジェクタ28A、又は、第1インジェクタ28A及び第2インジェクタ28Bとなっており、第1インジェクタ28Aに割り付けるようになっている(S3及びS4の場合)。
これは、第2インジェクタ28Bに比べて、循環性能が高い第1インジェクタ28Aに要求水素量を割り当てることで、より多くの水素を循環させて、発電効率の向上と生成水の排水を図っているからである。
第1開弁時間算出手段66は、要求水素量と開弁時間Tiaとの相関関係を示すマップに基づいて、割り付け出段65から送られた要求水素量に対応する第1インジェクタ28Aの開弁時間Tiaを算出するためのものである。
また、第1開弁時間算出手段66は、第1インジェクタ28Aにおける前回の第1駆動インターバルの目標噴射量と実測値との差異を補正するため、第1インジェクタ28Aの開弁時間Tiaに、フィードバック値を含めるように構成されている。
なお、下流圧力センサ29(図1参照)から送られる実測値である下流圧力P29と、目標圧変化量算出手段63から送られたアノード流路12のアノード圧Paの目標圧力との差圧を算出することで、フィードバック値を決定するように構成されている。
さらに、第1開弁時間算出手段66は、無効噴射時間マップを有している。この無効噴射時間マップとは、第1インジェクタ28Aの上流側の水素の圧力及び温度に対して、第1インジェクタ28Aの無効噴射時間との関係を示すものである。
そして、第1開弁時間算出手段66は、温度センサ26及び上流圧力センサ27に測定された上流温度T26、上流圧力P27と、無効噴射時間マップとから、第1インジェクタ28Aの無効噴射時間を算出して、開弁時間Tiaに含めるように構成されている。
また、第1リミット手段67は、開弁時間Tiaが上限時間を超える場合には、上限時間に対応するデューティ比のPWM信号を生成し、一方、開弁時間Tiaが上限時間を超えない場合には、開弁時間Tiaに対応するデューティ比のPWM信号を生成して、第1インジェクタ28Aに送るように構成されている。
さらに、第1リミット手段67は、開弁時間Tiaが上限時間を超える場合に、上限時間を超える過剰分の開弁時間を換算手段68に送るように構成されている。
ここで、第1インジェクタ28A用の開弁時間を、第2インジェクタ28B用の開弁時間に換算する理由は、同じ開弁時間であっても、下流側にエゼクタ30が配置される第1インジェクタ28Aに比べて、第2インジェクタ28Bの方が水素の供給量が多くなるからである。
よって、換算手段68により換算し、開弁時間を調整することで、第1インジェクタ28Aに割り当てられた開弁時間を、第2インジェクタ28Bに再度割り当てることができる。
なお、換算手段68と前述した第1開弁時間算出手段66と第1リミット手段67を併せてなる構成が、特許請求の範囲に記載される「第1燃料供給装置制御手段」に相当するものである。
また、第2リミット手段70は、開弁時間が制限値(上限時間)を超える場合には、上限時間に対応するデューティ比のPWM信号を生成し、一方、開弁時間が上限時間を超えない場合には、開弁時間に対応するデューティ比のPWM信号を生成して、第2インジェクタ28Bに送るように構成されている。
なお、第2開弁時間算出手段69と第2リミット手段70を併せてなる構成が、特許請求の範囲に記載される「第2燃料供給装置制御手段」に相当するものである。
つぎに、実施形態に係る燃料電池車の一期間(800msec)における第1インジェクタ28A及び第2インジェクタ28Bの動作例について、図5を主に参照しながら説明する。
なお、図5において、上下方向に延びる複数本の破線が図示されているが、この破線は一期間を100msec間隔で区切った時間軸であり、左側から右側に向かうにつれて時間が経過していることを示している。
また、この動作例の説明においては、駆動インターバル設定手段61が割り付け手段65に送る周期信号Aは、図5に示す一期間において、0、200、400、600、800msec時に送られているものとする。また、周期信号Bは、0、100、200、300、400、500、600、700、800msec時に送られているものとする。
また、パージ弁33は、150msec時、450msec時、650msec時に開弁している。さらに、アノード流路12のアノード圧Paは、500msec前後を除き、大凡、電流IFCに対応して変化(増減)している。
以下、100msec毎に分けて説明する。
図5に示すように、0〜100msecの間において、パージ弁33が閉弁しているため、排出ガス量算出手段64により算出される排出水素量は0となる。
また、アノード圧Paと目標圧力との差圧が小さく、目標圧変化量算出手段63により算出される圧力要求水素量も少ない。よって、100msec時の割り付け処理では、圧力要求水素量が閾値未満と判定される(図4の「S5」で「No」の場合)。
その結果、排出水素量のみが第2インジェクタ28Bに割り付けられる(図4の「S7」の場合)。ただし、排出水素量は0であるため、図5に示すように、100msec時において第2インジェクタ28Bは開弁しない。
100〜200msecの間において、パージ弁33が開弁しているため、排出ガス量算出手段64により排出水素量が算出される。
一方、アノード圧Paは、目標圧力との差圧が小さく、目標圧変化量算出手段63により算出される圧力要求水素量も少ないため、200msec時の割り付け処理は、圧力要求水素量が所定値未満と判定される(図4の「S2」で「No」の場合)。
その結果、第1インジェクタ28Aには、負荷要求水素量と圧力要求水素量が割り付けられ、第2インジェクタ28Bには、排出水素量が割り付けられる(図4の「S4」の場合)。
そのため、200msec時において、第1インジェクタ28Aが開弁し、負荷要求水素量と圧力要求水素量との合計に相当する水素量がアノード流路12に供給される。また、第2インジェクタ28Bも開弁して、排出水素量に相当する水素量がアノード流路12に供給される。
200〜300msecの間において、パージ弁33が閉弁している。また、アノード圧Paと目標圧力との差圧が小さく、目標圧変化量算出手段63により算出される圧力要求水素量も少ない。
よって、300msec時の割り付け処理は、圧力要求水素量が閾値未満と判定され(図4の「S5」で「No」の場合)、排出水素量のみが第2インジェクタ28Bに割り付けられる(図4の「S7」の場合)。ただし、排出水素量は0であるため、300msec時において第2インジェクタ28Bは開弁しない。
300〜400msecの間において、パージ弁33が閉弁している。
また、アノード圧Paと目標圧力との差圧が小さく、目標圧変化量算出手段63により算出される圧力要求水素量も少ないため、400msec時の割り付け処理は、圧力要求水素量が所定値未満と判定される(図4の「S2」で「No」の場合)。
その結果、第1インジェクタ28Aには、負荷要求水素量と圧力要求水素量が割り付けられ、第2インジェクタ28Bには、排出水素量が割り付けられる(図4の「S4」の場合)。
そのため、400msec時において、第1インジェクタ28Aが開弁して、負荷要求水素量と圧力要求水素量との合計に相当する水素量が供給される。一方で、排出水素量は0であるため、第2インジェクタ28Bは開弁しない。
400〜550msecの間において、燃料電池スタック10から出力する電流IFCの増加(加速時)と、パージ弁33の開弁により、アノード圧Paが急変動(低下)して、アノード圧Paと目標圧力との差圧が大きくなっている。
そのため、500msec時の割り付け処理では、圧力要求水素量が閾値を超えていると判定されて(図4の「S5」で「Yes」の場合)、圧力要求水素量と排出水素量が第2インジェクタ28Bに割り付けられる(図4の「S6」の場合)。
これにより、第2インジェクタ28Bが開弁して、圧力要求水素量と排出水素量との合計量に相当する水素が供給される。
500〜600msecの間において、パージ弁33が閉弁している。また、アノード圧Paについては、500msec時の第2インジェクタ28Bによる水素噴射により、目標圧力との差圧が小さくなっているため、目標圧変化量算出手段63により算出される圧力要求水素量が少ない。
そのため、600msec時の割り付け処理は、圧力要求水素量が所定値未満と判定される(図4の「S2」で「No」の場合)。
その結果、第1インジェクタ28Aには、負荷要求水素量と圧力要求水素量が割り付けられ、第2インジェクタ28Bには、排出水素量が割り付けられる(図4の「S4」の場合)。
そのため、発電消費量算出手段62により算出されて、第1インジェクタ28Aに割り付けられた圧力要求水素量が多量となり、第1インジェクタ28Aの開弁時間Tiaが第1リミット手段67により設けられた制限値(上限時間)を超えている。
そのため、第1リミット手段67により制限値を超える開弁時間が換算手段68に送られ、換算手段68により換算された開弁時間が第2リミット手段70に渡される。
以上より、600msecにおいて、第1インジェクタ28Aが上限時間に相当する時間開弁する。一方で、第2インジェクタ28Bは、排出水素量が0であるものの、換算手段68から渡された開弁時間に相当する時間開弁し、水素の供給が行われる。
600〜700msecの間において、パージ弁33が開弁しているため、排出ガス量算出手段64が排出水素量を算出する。一方、アノード圧Paと目標圧力との差圧が小さく、目標圧変化量算出手段63により算出される圧力要求水素量も少ない。
よって、700msec時の割り付け処理は、圧力要求水素量が閾値未満と判定される(図4の「S5」で「No」の場合)。
その結果、第2インジェクタ28Bに「排出水素量」のみが割り付けられて、第2インジェクタ28Bが開弁する。
なお、600〜700msecの間において、電流IFCが高出力となっているため、排出ガス量算出手段64は、電流IFCが低出力時に比べて、算出する排出水素量を増加させるように補正している。
そのため、700msec時の第2インジェクタ28Bの開弁時間Tibは、電流IFCが低出力時(200msec時)の開弁時間Tibに比べて長くなっている。
そのため、例えば、図5に示す400〜500msecなど、第1インジェクタ28Aの駆動インターバル中に、燃料電池スタック10が高負荷状態となり、アノード圧Paが急に変動したとしても、第1インジェクタ28Aの次の第1駆動インターバル(600msec時)まで待つことなく、500msec時に、第2インジェクタ28Bの開弁により水素を供給して、燃料電池スタック1のアノード流路12のアノード圧Paを調整することができる。
つまり、駆動インターバル設定手段61を備える実施形態の燃料電池システム1によれば、急な圧力変動に対して早急な圧力調整が可能であるため、ストイキ不足となるおそれを低減できる。
変形例に係るECU6aは、図6に示すように、駆動インターバル設定手段61aと、発電消費量算出手段62と、目標圧変化量算出手段63と、排出ガス量算出手段64と、割り付け手段65aと、第1開弁時間算出手段66と、第1リミット手段67と、換算手段68と、第2開弁時間算出手段69と、第2リミット手段70とを備えている。
変形例に係るECU6aは、上記実施形態に係るECU6が備えた駆動インターバル設定手段61に代えて駆動インターバル設定手段61aを備えている点と、上記実施形態に係るECU6が備えた割り付け手段65に代えて割り付け手段65aとを備えている点が相違している。
一方で、図7に示すように、変形例に係る駆動インターバル設定手段61aは、周期信号Aの周期が燃料電池スタック10の出力(電流IFC)に対応して変化するようになっている点が、実施形態に係る駆動インターバル設定手段61と相違している。
一方で、周期信号Aの周期は、電流IFCが100A未満の場合、電流IFCの値(言い換えると、燃料電池スタック10の要求負荷)が低くなるにつれて周期が次第に長くなるようになっている。
つまり、変形例に係る駆動インターバル設定手段61aは、燃料電池スタック10が低負荷の場合に限り、第1駆動インターバルに比べて第2駆動インターバルが短く設定されるようになっている。
なお、変形例に係る駆動インターバル設定手段61aでは、第1駆動インターバルの周期が変動するため、実施形態のように周期信号Aが送られた場合、常に周期信号Bが同期するようには構成されていない。
そのため、変形例に係る割り付け手段65aの割り付け表は、図8に示すように、駆動インターバル設定手段61の周期信号Aを受けた場合、又は周期信号Bを受けた場合とそれぞれに対応するようになっている。以下、変形例に係る割り付け表について説明する。
これによれば、「負荷要求水素量」が、第2インジェクタ28Bに比べて循環効率の高い第1インジェクタ28Aに優先的に割り当てられ、より多くの水素が循環させることができる。
また、変形例においては、燃料電池スタック10が高負荷の場合、第1駆動インターバルの周期が短くなるのに伴い第1インジェクタ28Aの噴射間隔も短くなるため、水素が随時供給されて、スイトキ不足となるおそれを低減できるようになっている。
このため、第1駆動インターバルに比べて第2駆動インターバルが短くなるように設定された低負荷時において、第1駆動インターバル中にパージ弁33が開弁したとしても、第2インジェクタ28Bにより排出水素量を供給することができるため、燃料電池スタック10のストイキ不足を早急に解消できる。
このため、第1駆動インターバルに比べて第2駆動インターバルが短くなるように設定された低負荷時において、第1駆動インターバル中にアノード圧Paが急に変動したとしても、第2インジェクタ28Bにより圧力要求水素量を供給して、燃料電池スタック10のストイキ不足を早急に解消できるようになっている。
一方で、圧力要求水素量が閾値未満の場合、言い換えれば、第2インジェクタ28Bにより水素を供給しなくてもストイキ不足にならない場合には、周期信号Aを受けた場合に、第1インジェクタ28Aに割り付けるようになっている。
このように、循環性能が高い第1インジェクタ28Aが水素を供給するため、アノード系2に残留する生成水の排水を促進させることができる。
そのため、第1駆動インターバル中にアノード圧Paが急に変動したとしても、第1インジェクタ28Aの次の第1駆動インターバルまで待つことなく、第2インジェクタ28Bの開弁により水素を供給し、燃料電池スタック1のアノード流路12のアノード圧Paを調整することができ、ストイキ不足となるおそれを低減することができる。
そのため、燃料電池スタック10の負荷が高くなるにつれて、言い換えると、要求水素量が大きくなるにつれて、第1インジェクタ28Aの水素噴射間隔が短くなるようになっている。よって、燃料電池スタック10に比較的早急に水素量を供給して、燃料電池スタック10の耐久を図ることができる。
たとえば、実施形態に係る駆動インターバル設定手段61では、周期信号Aの所定周期が200msec、周期信号Bの所定周期が100msecに設定されて、第1インジェクタ28Aの第1駆動インターバルの開始が、常に第2駆動インターバルの開始と同期するようになっているが、本発明はこれに限定されない。
駆動インターバル設定手段61は、たとえば、周期信号Aの所定周期を190msec、周期信号Bの所定周期を90msecに設定して、第1駆動インターバルの開始が、常に第2駆動インターバルの開始と同期しないように設定しても良い。
ただし、駆動インターバル設定手段61をこのように変形した場合には、割り付け手段65による要求水素量の割り付けは、図3に示す割り付け表ではなく、図8に示す割り付け表に基づいて割り付けするように構成する必要がある。
2 アノード系
4 カソード系
5 電力制御系
6、6a ECU(制御装置)
8 アクセル開度センサ
10 燃料電池スタック(燃料電池)
28A 第1インジェクタ(第1燃料供給装置)
28B 第2インジェクタ(第2燃料供給装置)
30 エゼクタ(循環装置)
32 バイパス配管
33 パージ弁(排出弁)
61、61a 駆動インターバル設定手段
63 目標圧変化量算出手段
65、65a 割り付け手段
66 第1開弁時間算出手段
67 第1リミット手段
68 換算手段
69 第2開弁時間算出手段
70 第2リミット手段
Claims (4)
- 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、
前記燃料電池と燃料タンクとを接続する燃料ガス供給配管と、
前記燃料電池から排出された燃料オフガスが流入する燃料オフガス排出配管と、
前記燃料オフガス排出配管と燃料ガス供給配管とを接続する燃料ガス循環配管と、
前記燃料ガス供給配管上であって、前記燃料ガス供給配管と前記燃料ガス循環配管との接続部よりも上流側に設けられた第1燃料供給装置と、
前記燃料ガス供給配管から分岐し、前記第1燃料供給装置と前記接続部をバイパスして前記燃料ガス供給配管に合流するバイパス配管と、
前記バイパス配管上に設けられた第2燃料供給装置と、
前記第1燃料供給装置及び前記第2燃料供給装置の駆動を制御する制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
前記制御装置は、
前記第1燃料供給装置の開弁時間と閉弁時間との合計時間からなる第1駆動インターバル及び第2燃料供給装置の開弁時間と閉弁時間との合計時間からなる第2駆動インターバルを設定する駆動インターバル設定手段と、
前記第1駆動インターバルに応じて、前記第1燃料供給装置の開弁時間を設定する第1燃料供給装置制御手段と、
前記第2駆動インターバルに応じて、前記第2燃料供給装置の開弁時間を設定する第2燃料供給装置制御手段と、を有し、
前記駆動インターバル設定手段によって、前記第2駆動インターバルが前記第1駆動インターバルに比べて短く設定されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料オフガス配管上に排出弁が設けられ、
前記制御装置は、前記排出弁の開弁時間に基づいて、排出された燃料ガス量を算出する排出ガス量算出手段を有し、
前記第2燃料供給装置は、前記排出ガス量に基づいて開弁時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料ガス供給配管と前記燃料ガス循環配管との前記接続部には循環装置が設けられ、
前記制御装置は、前記燃料電池の負荷に対応する燃料ガスの負荷要求量を第1燃料供給装置に優先的に割り付け、不足分を第2燃料供給装置に割り付けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記駆動インターバル設定手段は、
前記燃料電池の要求負荷が小さくなるにつれて前記第1駆動インターバルが次第に長くなるように設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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