JP5688010B2 - 骨補填材用のリン酸カルシウム系セメント組成物及びそのキット - Google Patents

骨補填材用のリン酸カルシウム系セメント組成物及びそのキット Download PDF

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Description

本発明は、任意の形状の補填部位にフィットし、自家骨への吸収性及び置換性に優れた骨補填材用リン酸カルシウム系セメント組成物、及びそのキットに関する。
リン酸カルシウムは自家骨に対して親和性を有するため、整形外科、脳神経外科、形成外科、口腔外科等で体内の所定部位に埋入する骨や歯の補填材として使用されている。リン酸カルシウム系骨補填材の使用方法として、(1) リン酸カルシウム粉末の焼結体を体内の所定部位に埋入する方法、及び(2) リン酸カルシウムセメントに水系硬化液を混合したペースト状混合物を体内の所定部位に充填し、硬化させる方法がある。(2) の方法では骨補填材の形状自由度が高く、任意の形状の補填部位に骨補填材を容易にフィットさせることができる。
(2) の方法に用いる骨補填材として、種々のリン酸カルシウムセメントが提案されている。例えば特開平5-23387号は、(a) α型第三リン酸カルシウム及び第二リン酸カルシウムを含有し、Ca/Pのモル比が1.40〜1.498である粉剤と、(b) ポリ乳酸粉末と、(c) 水系液剤とからなり、多孔質硬化体を形成することができるリン酸カルシウムセメントを提案している。しかしポリ乳酸は結晶性が高く、生体内での分解速度が十分とはいえない。そのためこのリン酸カルシウムセメントの硬化体は自家骨への吸収性及び置換性が不十分である。
特許第3966539号は、5〜500 ppmの骨形成因子、0.03〜2質量%のリン酸マグネシウム、及び5〜35質量%の第二リン酸カルシウムを含有し、残部が第四リン酸カルシウム及び不可避的に含まれるハイドロキシアパタイトからなり、前記骨形成因子が第二リン酸カルシウムの表面に担持されている速硬性の生体骨補強用リン酸カルシウムセメントを開示している。しかし、このリン酸カルシウムセメントの硬化体は、アパタイト/コラーゲン複合体を含有していないので、自家骨への吸収性及び置換性が不十分である。
WO 02/36518 A1は、第一の反応成分(燐酸ナトリウム)を含有する液剤と、クエン酸等の酸と、前記第一の反応成分と反応して自己硬化型骨セメントを生成する第二の反応成分(カルシウム源及び燐酸源)を含有する粉剤とを有する自己硬化型骨セメント製造用キットであって、前記粉剤が炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれた炭酸塩を含有し、前記第一及び第二の反応成分に対する前記酸及び前記炭酸塩の重量比が約10〜20%であるキットを開示している。しかし、このキットはアパタイト/コラーゲン複合体を含有していないので、自家骨への吸収性及び置換性が不十分である。その上、粘性付与剤を含有していないので、炭酸塩と酸との反応により発生した炭酸ガスは十分にセメント内に保持されず、約50%以下と小さな気孔率しか有さない。
従って、本発明の目的は、任意の形状の補填部位にフィットし、自家骨への吸収性及び置換性に優れた骨補填材用リン酸カルシウム系セメント組成物、及びそのキットを提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、(1) リン酸カルシウム系粉末及び粉末状アパタイト/コラーゲン複合体を水と混合することにより得られたペースト状混合物は、任意の形状の補填部位にフィットするだけでなく、(2) それから生成されるリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は優れた自家骨への吸収性及び置換性を有し、かつ(3) 粉末状発泡剤及び高濃度の粘性付与剤を添加することにより得られた発泡ペースト状混合物は、高粘度のために気泡が十分に保持され、もって高気孔率の多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を生成することを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明のリン酸カルシウム系セメント組成物キットは、(a) リン酸カルシウム系粉末100質量部と、(b) 粉末状アパタイト/コラーゲン複合体5〜50質量部と、(c) 前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり15〜50質量部の水系練和液とを含有し、練和により得られるペースト状混合物が、体内の所定の補填部位に充填された状態でリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成することを特徴とする。
本発明のリン酸カルシウム系セメント組成物キットは、(A) リン酸カルシウム系粉末100質量部と、粉末状アパタイト/コラーゲン複合体5〜50質量部とを含有する粉剤と、(B) 水系練和液とを含有し、前記粉剤に前記水系練和液を、前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり15〜50質量部の割合で練和することにより得られるペースト状混合物が、体内の所定の補填部位に充填された状態でリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成することを特徴とする。
前記水系練和液は2.5〜12.5質量%の濃度の粘性付与剤を含有するのが好ましい。前記粘性付与剤はコンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
ペースト状混合物が適度な硬化時間を有するとともに、リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体が優れた骨吸収置換性(自家骨への吸収置換性)を有するために、リン酸カルシウム系粉末は第三リン酸カルシウム粉末を主成分とするのが好ましい。リン酸カルシウム系粉末のより好ましい組成は、第三リン酸カルシウム粉末に加えて、2〜10質量%の第二リン酸カルシウム粉末、10〜25質量%の第四リン酸カルシウム粉末、5質量%以下の第二〜第四リン酸カルシウム以外のリン酸カルシウム系化合物粉末、さらにペースト状混合物の流動性を改善するために0.03〜2質量%のリン酸マグネシウム粉末を含有する。リン酸カルシウム系粉末の最も好ましい組成は、第三リン酸カルシウム粉末に加えて、3〜7質量%の第二リン酸カルシウム粉末、15〜20質量%の第四リン酸カルシウム粉末、及び3質量%以下の第二〜第四リン酸カルシウム以外のリン酸カルシウム系化合物粉末、さらに0.05〜0.5質量%のリン酸マグネシウム粉末を含有する。
前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体中のアパタイトはハイドロキシアパタイトであるのが好ましい。
前記リン酸カルシウム系セメント組成物はさらに、炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる粉末状発泡剤を、前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり10〜50質量部の割合で含有するのが好ましい。リン酸カルシウム系セメント組成物キットの場合、前記粉剤が前記粉末状発泡剤を含有するのが好ましい。
前記炭酸塩は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。前記炭酸水素塩は炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。中でも、炭酸水素ナトリウムが最も好ましい。
前記固体有機酸は、固体脂肪族カルボン酸、固体脂肪族ヒドロキシカルボン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。中でも、クエン酸が最も好ましい。
前記粘性付与剤は、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
リン酸カルシウム系セメント組成物はさらに、リン酸カルシウム系粉末100質量部当たり、2〜10質量部の硬化促進剤を含有するのが好ましい。リン酸カルシウム系セメント組成物キットの場合、前記硬化促進剤は水系練和液に添加するのが好ましい。前記硬化促進剤は、乳酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、リン酸ナトリウム及び塩化ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
本発明の好ましい一実施形態によるリン酸カルシウム系セメント組成物は、(a) リン酸カルシウム系粉末100質量部と、(b) 前記リン酸カルシウム系粉末100質量部当たり5〜50質量部の粉末状アパタイト/コラーゲン複合体と、(c) 前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり10〜50質量部の粉末状発泡剤(炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる)と、(d) 前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり15〜50質量部の水系練和液とを含有し、前記水系練和液が2.5〜12.5質量%の濃度の粘性付与剤を含有し、練和により得られる発泡ペースト状混合物が、体内の所定の補填部位に充填された状態で多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成することを特徴とする。
本発明の好ましい別の実施形態によるリン酸カルシウム系セメント組成物キットは、(A) (a) リン酸カルシウム系粉末100質量部と、(b) 前記リン酸カルシウム系粉末100質量部当たり5〜50質量部の粉末状アパタイト/コラーゲン複合体と、(c) 前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり10〜50質量部の粉末状発泡剤(炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる)とを含有する粉剤と、(B) 2.5〜12.5質量%の濃度の粘性付与剤を含有する水系練和液とを含有し、前記粉剤に前記水系練和液を、前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり15〜50質量部の割合で練和することにより得られるペースト状混合物が、体内の所定の補填部位に充填された状態で多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成することを特徴とする。
リン酸カルシウム系粉末と粉末状アパタイト/コラーゲン複合体とを含有するリン酸カルシウム系セメント組成物からなるペースト状混合物は、任意の形状の補填部位にフィットするだけでなく、自家骨への吸収性及び置換性に優れたリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体になる。さらにリン酸カルシウム系セメント組成物に炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる粉末状発泡剤を添加すると、得られるリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は適度な孔径の連通孔を有するので、細胞や骨形成因子が容易に進入及び定着することができ、自家骨への吸収性及び置換性に一層優れている。
本発明のリン酸カルシウム系セメント組成物キットを用いると、手術現場で粉剤と水系練和液とを練和するだけで所望の流動性及び粘度のペースト状混合物が得られるので、任意の形状の補填部位にフィットするようにリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成するのが容易であり、補填時の生体への負担が少ない。また粉末状発泡剤により多孔質化したリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は一層優れた自家骨への吸収性及び置換性を有する。このような特徴を有する本発明のリン酸カルシウム系セメント組成物及びそのキットは、例えば骨の欠損部や空隙部を補修したり、骨折部を補修したり、骨折部の固定を補助したり、骨接合用金属製螺子を固定したり、人工関節と骨との間隙を充填したりする骨補填材として好適である。
実施例1の多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の走査型電子顕微鏡写真(20倍)である。 実施例1の多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の走査型電子顕微鏡写真(50倍)である。 実施例1の多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の走査型電子顕微鏡写真(5,000倍)である。 実施例2のリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の走査型電子顕微鏡写真(50倍)である。 実施例2のリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の走査型電子顕微鏡写真(5,000倍)である。
[1] リン酸カルシウム系セメント組成物
(1) リン酸カルシウム系粉末
水和反応により硬化して多孔質体を形成するリン酸カルシウム系粉末は、第三リン酸カルシウム(リン酸三カルシウム)粉末を主成分とするのが好ましい。リン酸カルシウム系粉末のより好ましい組成は、リン酸カルシウム系粉末全体を100質量%として、2〜10質量%の第二リン酸カルシウム(リン酸水素カルシウム)粉末、10〜25質量%の第四リン酸カルシウム(リン酸四カルシウム)粉末、及び5質量%以下の前記第二〜第四リン酸カルシウム以外のリン酸カルシウム系化合物粉末を含有し、残部が第三リン酸カルシウム粉末である。リン酸カルシウム系粉末はまた0.03〜2質量%のリン酸マグネシウム粉末を含有するのが好ましい。各成分粉末は無水物でも水和物でも良いが、水和物粉末を用いる場合、その含有量は無水物に換算した含有量で表す。
(a) 第三リン酸カルシウム
主成分である第三リン酸カルシウムはα型であるのが好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、α型とβ型の混合物でも良い。第三リン酸カルシウム粉末の粒径範囲は約0.1〜500μmが好ましく、約1〜100μmがより好ましい。また第三リン酸カルシウム粉末の平均粒径は約1〜50μmが好ましく、約2〜10μmがより好ましい。第三リン酸カルシウム粉末の含有量は、リン酸カルシウム系粉末全体を100質量%として、60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、70質量%以上が最も好ましい。
(b) 第二リン酸カルシウム
第二リン酸カルシウムは硬化を促進する機能を有する。第二リン酸カルシウム粉末の粒径範囲及び平均粒径は第三リン酸カルシウム粉末のものと同じで良い。適度な硬化時間を得るために、第二リン酸カルシウム粉末の含有量は、リン酸カルシウム系粉末全体を100質量%として、2〜10質量%が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
(c) 第四リン酸カルシウム
第四リン酸カルシウムは、リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の自家骨への吸収置換を促進する機能を有する。第四リン酸カルシウムの粒径範囲及び平均粒径は第三リン酸カルシウム粉末のものと同じで良い。リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体が十分な骨吸収置換性及び強度を有するために、第四リン酸カルシウム粉末の含有量は、リン酸カルシウム系粉末全体を100質量%として、10〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。
(d) 第二〜第四リン酸カルシウム以外のリン酸カルシウム系化合物
不可避的に含まれる第二〜第四リン酸カルシウム以外のリン酸カルシウム系化合物粉末として、例えばハイドロキシアパタイト粉末が挙げられる。このリン酸カルシウム系化合物粉末の粒径範囲及び平均粒径は第三リン酸カルシウム粉末のものと同じで良い。このリン酸カルシウム系化合物粉末の含有量は、リン酸カルシウム系粉末全体を100質量%として、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
(e) リン酸マグネシウム
リン酸マグネシウムとしては第三リン酸マグネシウム(リン酸三マグネシウム)が好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、第三リン酸マグネシウムとともに、第一リン酸マグネシウム(リン酸二水素マグネシウム)、第二リン酸マグネシウム(リン酸水素マグネシウム)、ピロリン酸マグネシウム等の他のリン酸マグネシウムを含有しても良い。リン酸マグネシウム粉末の粒径範囲及び平均粒径は第三リン酸カルシウム粉末のものと同じで良い。リン酸カルシウム系粉末のペースト状混合物が良好な流動性を有するために、リン酸マグネシウム粉末の含有量は、リン酸カルシウム系粉末全体を100質量%として、0.03〜2質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。
(2) 粉末状アパタイト/コラーゲン複合体
アパタイト/コラーゲン複合体は、ハイドロキシアパタイトがコラーゲンに分散した、生体骨に類似の構造を有する。ハイドロキシアパタイトのC軸はコラーゲン繊維に沿って配向しているのが好ましい。すなわち、アパタイト/コラーゲン複合体は自己組織化しているのが好ましい。またアパタイト/コラーゲン複合体は多孔質であり、吸水すると弾力性を有する。
コラーゲンとハイドロキシアパタイトとの質量比は1/9〜4/6が好ましく、1.5/8.5〜3/7がより好ましく、約2/8が特に好ましい。粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の粒径分布は、約10〜2,000μmの範囲であるのが好ましく、約30〜1,000μmの範囲であるのがより好ましい。自家骨への優れた吸収性及び置換性を得るために、粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の含有量は、リン酸カルシウム系粉末100質量部当たり、5〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。粉末状アパタイト/コラーゲン複合体は、以下の方法により製造することができる。
(a) 原料
粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の原料は、コラーゲン、リン酸又はその塩(以下単に「リン酸(塩)」という)、及びカルシウム塩である。コラーゲンは動物から抽出したものが好ましいが、由来する動物の種、組織部位等は特に限定されない。例えば、哺乳動物(ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ネズミ等)や鳥類(ニワトリ等)の皮膚、骨、軟骨、腱、臓器等、魚類(タラ、ヒラメ、カレイ、サケ、マス、マグロ、サバ、タイ、イワシ、サメ等)の皮、骨、軟骨、ひれ、うろこ、臓器等から得られるコラーゲンを使用することができる。また遺伝子組み替え技術により得られたコラーゲンも使用可能である。
リン酸(塩)としては、リン酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。カルシウム塩としては、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。リン酸(塩)及びカルシウム塩はそれぞれ均一な水溶液又は懸濁液の状態で使用するのが好ましい。
(b) 溶液の調製
コラーゲンを含有するリン酸(塩)の水溶液[コラーゲン/リン酸(塩)水溶液]において、コラーゲンの濃度は0.1〜1.5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましく、リン酸(塩)の濃度は15〜240 mMが好ましく、20〜150 mMがより好ましい。またカルシウム塩水溶液又は懸濁液の濃度は50〜800 mMが好ましく、300〜500 mMがより好ましい。コラーゲン/リン酸(塩)水溶液、及びカルシウム塩の水溶液又は懸濁液の濃度を調整することにより、アパタイト/コラーゲン複合体の繊維長を調整することができる。具体的には、両溶液の濃度を高くすると繊維は短くなり、両溶液の濃度を低くすると繊維は長くなる。
(c) 複合化
カルシウム塩水溶液又は懸濁液とほぼ同量の水に、コラーゲン/リン酸(塩)水溶液とカルシウム塩水溶液又は懸濁液とを、室温で同時に滴下することにより、アパタイト/コラーゲン複合体を生成する。滴下条件を制御することにより、アパタイト/コラーゲン複合体の繊維長を制御できる。各溶液の滴下速度は1〜60 mL/分が好ましく、約30 mL/分がより好ましい。攪拌速度は1〜400 rpmが好ましく、約200 rpmがより好ましい。
リン酸(塩)とカルシウム塩との質量比は1/1〜2/5が好ましい。コラーゲンと、リン酸(塩)及びカルシウム塩の総量との質量比は1/9〜4/6が好ましく、1.5/8.5〜3/7がより好ましく、約2/8が特に好ましい。
反応液中のカルシウムイオン及びリン酸イオンの濃度をそれぞれ3.75 mM以下及び2.25 mM以下に維持して、反応液のpHを8.9〜9.1に保つのが好ましい。カルシウムイオン及びリン酸イオンのいずれも上記範囲外の濃度であると、複合体の自己組織化が妨げられる。上記条件により得られる繊維状アパタイト/コラーゲン複合体の平均長は2mm以下である。
(d) 粉末化
繊維状アパタイト/コラーゲン複合体は凍結乾燥法又は造粒法により粉末化することができる。
(i) 凍結乾燥法
繊維状アパタイト/コラーゲン複合体を水等の溶媒に分散させて、懸濁液とする。繊維状アパタイト/コラーゲン複合体と溶媒との体積比は5/95〜1/99であるのが好ましい。この懸濁液をスプレードライヤー等で−150℃〜−250℃の液体(例えば液体窒素)又は気体中に噴霧し、凍結乾燥を行った後、真空下で熱脱水処理(例えば140℃で12時間)するか、グルタールアルデヒド等の薬剤で処理することにより架橋すると、繊維状アパタイト/コラーゲン複合体が凝集してほぼ球状となった粉末状アパタイト/コラーゲン複合体が得られる。粒径は、凍結温度、噴霧条件等を変更することにより調節することができる。粉末状アパタイト/コラーゲン複合体中のハイドロキシアパタイトは、高温での熱履歴がないので、低結晶性である。
(ii) 造粒法
繊維状アパタイト/コラーゲン複合体を水等の溶媒で混練する。繊維状アパタイト/コラーゲン複合体と溶媒との質量比は0.5/1〜1/1であるのが好ましい。得られた混練物を湿式押出造粒機等を用いて造粒する。押出造粒された顆粒は長さが不揃いの円柱状であるので、球形整粒機で球形化するのが好ましい。得られた球状粒子を乾燥し、真空熱脱水又はグルタールアルデヒド等の薬剤により架橋処理すると、ほぼ球状の粉末状アパタイト/コラーゲン複合体が得られる。粒径は、造粒機のスクリーンのサイズを変えることにより制御することができる。粉末状アパタイト/コラーゲン複合体中のハイドロキシアパタイトも低結晶性である。
(3) 粉末状発泡剤
多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を得るためには、リン酸カルシウム系セメント組成物は粉末状発泡剤を含有するのが好ましい。粉末状発泡剤は、炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる。炭酸塩又は炭酸水素塩は固体有機酸又はその塩との中和反応により炭酸ガスを発生する。炭酸塩又は炭酸水素塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩又は炭酸水素塩が好ましく、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等が好ましい。さらに炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムも使用可能である。中でも、炭酸水素ナトリウムが最も好ましい。
固体有機酸としては、固体脂肪族カルボン酸、固体脂肪族ヒドロキシカルボン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。固体有機酸の塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
固体脂肪族カルボン酸は飽和及び不飽和のいずれでも良く、固体飽和脂肪族カルボン酸としてはカプリン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ、固体不飽和脂肪族カルボン酸としてはフマル酸、マレイン酸、アコニット酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。固体脂肪族ヒドロキシカルボン酸は飽和及び不飽和のいずれでも良く、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、カルボキシメチル酒石酸、ヒドロキシカプロン酸、クエン酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸等が挙げられる。中でも、クエン酸が最も好ましい。
例えば炭酸水素ナトリウムとクエン酸の組合せの場合、以下の反応により炭酸ガスを発生する。
3NaHCO3+CH2(COOH)-C(OH)(COOH)-CH2(COOH)→
CH2(COONa)−C(OH)(COONa)-CH2(COONa)+3H2O+3CO2
炭酸水素ナトリウムは1価の塩基で、クエン酸は3価の酸であるので、3:1のモル比で配合すると、両者は過不足なく中和反応に関与する。すなわち、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の化学当量比はほぼ1であるのが好ましい。ただし、炭酸水素ナトリウムが僅かに過剰でも問題はない。このモル比は、一般の炭酸塩と固体有機酸に適用される。
適度な連通孔を有する多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を得るために、粉末状発泡剤の含有量は、リン酸カルシウム系粉末と粉末状アパタイト/コラーゲン複合体との合計100質量部当たり、10〜50質量部であり、好ましくは15〜40質量部であり、より好ましくは20〜40質量部である。
(4) 水系練和液
粉末状発泡剤は水と中和反応を起こし、炭酸ガスを発生する。その結果、リン酸カルシウム系粉末は発泡したペースト状混合物となる。ペースト状混合物を高粘度化して気泡をペースト内に保持するために、水系練和液の含有量は、リン酸カルシウム系粉末と粉末状アパタイト/コラーゲン複合体との合計100質量部当たり、15〜50質量部であり、好ましくは20〜40質量部であり、より好ましくは25〜38質量部である。
(4) 水系練和液の成分
(a) 粘性付与剤
粘性付与剤として、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等のムコ多糖類、及びカルボキシメチルセルロース等の高分子化合物が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。粘性付与剤の濃度は、炭酸塩と酸との中和反応により発生した炭酸ガスがペースト内に十分に保持されるとともに、発泡によりペーストが破断しないような粘度を有するように設定する。ペースト状混合物を作製する際の作業性を考慮して、粘性付与剤の濃度は2.5〜12.5質量%であり、好ましくは6〜12質量%であり、より好ましくは7〜11質量%である。水系練和液における粘性付与剤の濃度を高くすることにより、高粘度のペースト状混合物が得られるので、ペースト状混合物内に気泡が良好に保持されるだけでなく、発泡に起因する崩壊を防ぐこともできる。
(b) 硬化促進剤
水系練和液はリン酸カルシウム系粉末用の硬化促進剤を含有するのが好ましい。硬化促進剤として、乳酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム等の水溶性ナトリウム塩が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。硬化促進剤の含有量は、リン酸カルシウム系粉末100質量部当たり2〜10質量部が好ましく、3〜7質量部がより好ましく、4〜6質量部が最も好ましい。
[2] リン酸カルシウム系セメント組成物キット
リン酸カルシウム系セメント組成物キットは、(A) リン酸カルシウム系粉末100質量部と、粉末状アパタイト/コラーゲン複合体5〜50質量部とを含有する粉剤と、(B) 水系練和液とからなる。多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を製造する場合、粉剤はさらに、リン酸カルシウム系粉末と粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり、10〜50質量部の粉末状発泡剤(炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる)を含有する。水系練和液は2.5〜12.5質量%の濃度の粘性付与剤を含有するのが好ましく、さらにリン酸カルシウム系粉末用の硬化促進剤を含有するのが好ましい。
多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体製造用キットの場合、粉剤中に炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる粉末状発泡剤が存在させると、炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩との比が粉剤と水系練和液との配合比により変動することがなく、従っていかなる粘度のペースト状混合物を調製しても、炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩との中和反応が完全に起こるので好ましい。
例えば、リン酸カルシウム系粉末、粉末状アパタイト/コラーゲン複合体及び粉末状発泡剤を含有する粉剤に粘性付与剤を含有する水系練和液を練和し、リン酸カルシウム系粉末の水和・硬化反応と、粉末状発泡剤の中和反応とを同時に起こすと、水系練和液中の粘性付与剤により比較的高い粘度を有するペースト状混合物が得られるので、高気孔率でありながら十分な強度を有する多孔質体が得られる。粉剤と水系練和液との配合比は、ペースト状混合物が所望の粘度及び流動性を有するように設定する。
所望の配合比の粉剤及び水系練和液は、例えば乳鉢内でヘラで練ることにより練和することができる。得られたペースト状混合物はシリンジを用いて体内の所定の骨補填部位に注入する。ペースト状混合物は約10分で硬化するので、数分以内に練和及び注入を完了する必要がある。ペースト状混合物の粘度が高い場合は、加圧式のシリンジポンプを利用する。
[3] リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の物性
本発明のリン酸カルシウム系セメント組成物から得られるリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は、リン酸カルシウム系粉末の水和反応により生成したハイドロキシアパタイト[Ca10(PO4)6・(OH)2]の結晶からなる骨格を有するとともに、骨組織との優れた親和性を有するアパタイト/コラーゲン複合体を含有するので、自家骨への吸収性及び置換性に優れている。ただしリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体にはα型の第三リン酸カルシウム(α-TCP)が少量残留していても良い。ハイドロキシアパタイトはある程度の間生体内で形状を保つのに対し、α-TCPは生体内で溶解し易く、骨の形成を誘発する。α-TCPが多すぎると、リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の強度が小さすぎたり、生体内で急に溶出しすぎたりするので、α-TCPの残留量は少ない方が好ましい。例えばX線回折パターンにおいて、α-TCPのメインピークはハイドロキシアパタイトのメインピークの0.5〜5%であるのが好ましく、0.5〜3%であるのがより好ましい。
発泡剤を用いた場合に得られる多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は、約1000μm以下と広い孔径範囲(孔径分布)の連通孔を有するが、細胞(造血細胞、幹細胞等)及び骨形成因子(骨形成蛋白質、線維芽細胞増殖因子等)が容易に進入及び定着できる約5〜1000μmの孔径範囲、特に約10〜800μmの孔径範囲の連通孔を多く有する。また連通孔の平均孔径は約50〜500μmであり、特に約100〜400μmである。連通孔の孔径分布及び平均孔径は走査型電子顕微鏡写真の画像処理により求めることができる。
発泡剤を用いた場合に得られる多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の気孔率は60%以上であり、好ましくは65〜95%であり、特に70〜90%が好ましい。水系練和液が粘性付与剤を含有する場合、得られるペースト状混合物が高粘度であるため、多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は95%まで高い気孔率を有しても、十分な自己支持性を有する。気孔率が60%未満であると、多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体内に入り込む細胞及び及び骨形成因子が十分でなく、大きな骨形成能が期待できない。ただし、気孔率の増大に応じて多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の機械的強度が低下するので、最適な気孔率を得るように水系練和液の配合比を設定する。
上記孔径分布及び平均孔径を有する連通孔を有するとともに、上記気孔率を有する多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体では、細胞及び骨形成因子の進入及び定着が容易であるので、新生骨の生成が一層早い。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
(1) 繊維状アパタイト/コラーゲン複合体の作製
濃度120 mMのリン酸水溶液400 mLに、コラーゲンのリン酸水溶液(コラーゲン濃度:0.97 質量%、リン酸濃度:20 mM)を412 g加えて撹拌することにより溶液Iを得た。また濃度400 mMの水酸化カルシウム溶液(溶液II)400 mLを調製した。200 mLの水(25℃)を入れた容器に、溶液I及びIIを同時に30 mL/minの速度で滴下し、繊維状アパタイト/コラーゲン複合体を含むスラリーを作製した。滴下中反応溶液を200 rpmで撹拌した。滴下中の反応溶液のpHは8.9〜9.1であった。
(2) 粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の作製
上記スラリーに水分が95体積%となるように水を加え、繊維状アパタイト/コラーゲン複合体の懸濁液を調製した。この懸濁液をスプレードライヤーで液体窒素中に噴霧し、凍結乾燥した後、真空下140℃で12時間熱脱水架橋処理して粉末状アパタイト/コラーゲン複合体を得た。走査型電子顕微鏡で観察した結果、粉末状アパタイト/コラーゲン複合体は球状であり、その粒径分布は約30〜1,000μmの範囲であった。
(3) 複合硬化体の製造
5質量%の第二リン酸カルシウム、18質量%の第四リン酸カルシウム、74.9質量%の第三リン酸カルシウム、2質量%のハイドロキシアパタイト及び0.1質量%のリン酸マグネシウムからなるリン酸カルシウム系粉末3.0 gに、1.0 gの上記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体、0.5 gの炭酸水素ナトリウム及び0.5 gのクエン酸を添加し、5.0 gの粉剤を調製した。また7.0質量%の濃度のコンドロイチン硫酸ナトリウム及び15.0質量%の濃度のコハク酸二ナトリウム無水物を含有する2mLの水系練和液を調製した。
上記粉剤及び上記水系練和液を混合することにより得られたペースト状混合物はシリンジの注射針からスムーズに押出せた。押出したペースト状混合物は室温で発泡するとともに硬化し、10分後には多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体となった。多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の走査型電子顕微鏡写真を図1〜図3に示す。図1及び図2から明らかなように、多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は、発泡剤により形成された気泡に由来する連通孔を有しており、気孔率は85%であった。これらの写真を用いて連通孔の孔径分布及び平均孔径を測定した結果、それぞれ300〜700μm及び500μmであった。図3から明らかなように、多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は、リン酸カルシウム系粉末の反応により生成したハイドロキシアパタイトにより粉末状アパタイト/コラーゲン複合体が結合した構造を有していた。
実施例2
炭酸水素ナトリウム及びクエン酸を使用しなかった以外実施例1と同様にして、リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を調製した。リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体の走査型電子顕微鏡写真を図4及び図5に示す。このリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は60%の気孔率を有し、リン酸カルシウム系粉末の反応により生成したハイドロキシアパタイトにより粉末状アパタイト/コラーゲン複合体が結合した構造を有していた。
実施例3
コンドロイチン硫酸ナトリウムの含有量を10質量%にした以外実施例1と同様にして、多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成した。粉剤及び水系練和液からなるペースト状混合物は非常に粘度が高く、発泡を伴ないながら10分後に硬化した。得られた多孔質リン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体は多数の連通孔を有しており、気孔率は90%であった。

Claims (20)

  1. (a) リン酸カルシウム系粉末100質量部と、(b)粉末状アパタイト/コラーゲン複合体5〜50質量部と、(c) 前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり15〜50質量部の水系練和液とを含有するリン酸カルシウム系セメント組成物であって、練和により得られるペースト状混合物が、体内の所定の補填部位に充填された状態で、自家骨への吸収性及び置換性に優れたリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  2. 請求項1に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、前記水系練和液が2.5〜12.5質量%の濃度の粘性付与剤を含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  3. 請求項1に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、さらに前記リン酸カルシウム系粉末100質量部当たり2〜10質量部の硬化促進剤を含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  4. 請求項1に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、前記リン酸カルシウム系粉末が第三リン酸カルシウムを主成分とすることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  5. 請求項4に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、前記リン酸カルシウム系粉末が、前記第三リン酸カルシウム以外に、2〜10質量%の第二リン酸カルシウム、10〜25質量%の第四リン酸カルシウム、5質量%以下の前記第二〜第四リン酸カルシウム以外のリン酸カルシウム系化合物、及び0.03〜2質量%のリン酸マグネシウムを含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  6. 請求項1に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体中のアパタイトがハイドロキシアパタイトであることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  7. 請求項1に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、さらに炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる粉末状発泡剤を、前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり10〜50質量部の割合で含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  8. 請求項7に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、前記炭酸塩が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、前記固体有機酸が、固体脂肪族カルボン酸、固体脂肪族ヒドロキシカルボン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  9. 請求項2に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、前記粘性付与剤がコンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれた少なくとも一種であるすることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  10. 請求項3に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物において、前記硬化促進剤が乳酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、リン酸ナトリウム及び塩化ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物。
  11. (A) リン酸カルシウム系粉末100質量部と、粉末状アパタイト/コラーゲン複合体5〜50質量部とを含有する粉剤と、(B) 水系練和液とを含有するリン酸カルシウム系セメント組成物キットであって、前記粉剤に前記水系練和液を、前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり15〜50質量部の割合で練和することにより得られるペースト状混合物が、体内の所定の補填部位に充填された状態で、自家骨への吸収性及び置換性に優れたリン酸カルシウム/コラーゲン複合硬化体を形成することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  12. 請求項11に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記水系練和液が2.5〜12.5質量%の濃度の粘性付与剤を含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  13. 請求項12に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記水系練和液がさらに、前記リン酸カルシウム系粉末100質量部当たり2〜10質量部の硬化促進剤を含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  14. 請求項11に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記リン酸カルシウム系粉末が第三リン酸カルシウムを主成分とすることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  15. 請求項14に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記リン酸カルシウム系粉末が、前記第三リン酸カルシウム以外に、2〜10質量%の第二リン酸カルシウム、10〜25質量%の第四リン酸カルシウム、5質量%以下の前記第二〜第四リン酸カルシウム以外のリン酸カルシウム系化合物、及び0.03〜2質量%のリン酸マグネシウムを含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  16. 請求項11に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体中のアパタイトがハイドロキシアパタイトであることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  17. 請求項11に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記粉剤がさらに、炭酸塩又は炭酸水素塩と固体有機酸又はその塩とからなる粉末状発泡剤を、前記リン酸カルシウム系粉末と前記粉末状アパタイト/コラーゲン複合体の合計100質量部当たり10〜50質量部の割合で含有することを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  18. 請求項17に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記炭酸塩が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、前記固体有機酸が、固体脂肪族カルボン酸、固体脂肪族ヒドロキシカルボン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  19. 請求項12に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記粘性付与剤がコンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれた少なくとも一種であるすることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
  20. 請求項13に記載のリン酸カルシウム系セメント組成物キットにおいて、前記硬化促進剤が乳酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、リン酸ナトリウム及び塩化ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とするリン酸カルシウム系セメント組成物キット。
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