JP5687426B2 - 香味付与剤及びそれを含有するビールテイスト飲料 - Google Patents

香味付与剤及びそれを含有するビールテイスト飲料 Download PDF

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Description

本発明は、ビールテイスト飲料などの飲食品及びその製造方法に関し、さらに詳細には、大麦由来の旨みや重厚感を付与する効果をもつ香味付与成分を用いて香味を向上させたビールテイスト飲料及びその製造方法に関する。
近年の消費者の嗜好の多様化にともなって、様々な香味特徴をもつビールテイスト飲料の開発が望まれている。従来のビールよりも麦芽使用比率を低くした発泡酒や、ビールの主原料であった麦芽をまったく使用しないビール風味の飲料などが次々と開発され、多様化した消費者の嗜好にあったビールテイスト飲料を消費者が選択できる時代になってきている。そのような中で、飲料メーカーは、消費者にとっての様々な価値を提案したり、また本質的にビールテイスト飲料の香味を向上させたりして、より高品質のビールテイスト飲料を開発することが要求されている。
一方で、ビールテイスト飲料の香味を本質的に向上させるためには、日本国酒税法等で制限されたビールテイスト飲料の原料特徴を把握して、その良さをうまく引き出すことによって飲料香味を大幅に向上させることが必要である。
ビールテイスト飲料であるビールや発泡酒は、主原料として麦芽を、副原料として麦・米・コーン・こうりゃん・馬鈴薯・スターチ・糖類等の澱粉質原料を、及びホップ、水を用いて製造される。ビールテイスト飲料であるビールや発泡酒の製造において、味の厚みや香ばしさを付与する際には麦汁を100℃で煮沸する方法(非特許文献1)が知られている。
特許文献1には、種々のタンパクを酵素により加水分解して製造される遊離のアミノ酸及びペプチドを含むタンパク加水分解物が記載されている。このタンパク加水分解物は食品の風味の改善に有効であることが記載されている。さらに、タンパク加水分解物中の遊離アミノ酸の風味を強化するために、グルタミン酸と5’−リボヌクレオチドとを組み合わせることが記載されている。また、他の風味の強化としては、遊離アミノ酸と糖とをメイラード反応させてその反応生成物を食品等に使用することが開示されている。このようなメイラード反応は、食品の調理や製造に際して、高温が加えられた場合、食品中の糖と遊離アミノ酸との間に起ることが知られている。メイラード反応生成物は強い味及び香りの特徴を示すと記載されている。
しかしながら、特許文献1には、発酵アルコール飲料の製造に際して、飲料の風味を改善するために、どのような材料を具体的にどのような条件で加熱処理を行えば良いのか、については開示していない。
特許文献2には、タンパク分解物と糖とのメイラード反応物、又はその調製物を用いて発酵アルコール飲料の液色及び風味を調整することにより、ビール様の自然な色度や風味を付与することが開示されている。特許文献2には、メイラード反応は、105〜121℃の温度で行われると記載されている。また、特許文献2には、発酵アルコール飲料の製造に際して、メイラード反応物または調製物のフルフラール成分、メチオナール成分、又はフェニルアセトアルデヒド成分のうちのいずれか一以上を指標とすることができると記載されている。
特許文献3には、水に懸濁させた粉砕大麦を90℃〜125℃に加熱処理して糊状の粉砕大麦に加工する醸造原料用加工大麦の製造方法が記載されている。
特表2004−511241号公報 特許第3836117号公報 特開2005−348677号公報 宮地秀夫著「ビール醸造技術」食品産業新聞社出版、1999年12月発行、第242頁
これらの技術は多くの場合、比較的低分子の熱反応生成成分を指標として熱反応を制御している。これらの低分子化合物は熱反応の主成分である高分子化合物と比較して揮発性が高く、香ばしさなどの香りへの寄与が大きいが、単独での飲料等への香味改善の効果は必ずしも十分とは言えない場合がある。
本発明は、味の厚みといった重厚感や、コクや旨みなどのおいしさに寄与する高分子の高温反応生成成分を含有する香味付与剤を製造することを目的とする。また、当該成分を旨みや重厚感の評価のための、官能に頼らない客観的な指標として活用し、当該成分を含有する香味付与剤の使用によって旨みや重厚感を増強したビールテイスト飲料および飲食品を提供することを目的とする。
本発明者らは大麦種子、大麦麦芽、大麦種子抽出液、大麦麦芽抽出液、またはこれらの混合物を高温で処理することによって生ずる高分子のアミノカルボニル反応生成成分およびカラメル反応生成成分(以下、これらをまとめて高温反応生成成分と表記する。)に着目し、当該成分の香味効果を検証した。高温処理した麦芽抽出液を各種分析に供し、測定法および分析法を鋭意検討し、高温処理によって生成するある種の化合物群をひとつの画分に集め、これらの不揮発性の高分子の高温反応生成成分の一部を分取した。この画分の香味を評価したところ、まろやかな旨みや味の厚みをもつことがわかった。この画分を構成する化合物群およびこの化合物群を含む原料を、香味付与剤としてビールテイスト飲料などの飲食品に添加することによって、ビールテイスト飲料の旨みや重厚感を増強することができ、ビールテイスト飲料の香味を大幅に向上させることができた。
すなわち、本発明の内容は下記の通りである。
1.大麦麦芽抽出液を120℃〜150℃で処理し、大麦麦芽抽出液中に、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する化合物群を生成させる工程1、及び
工程1で得られた液に酵母を加え発酵させる工程2
を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
2.大麦麦芽抽出液を120℃〜150℃で処理し、大麦麦芽抽出液中に、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する化合物群を生成させる工程1、
工程1で得られた液をゲルろ過カラムに付し、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する化合物群を分取する工程2、及び
工程2で得られた化合物群をビールテイスト飲料に添加する工程3
を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
3.大麦麦芽抽出液を120℃〜150℃で処理する工程1の前に、
大麦麦芽抽出液を30℃以上80℃以下の温度で1〜240分間保持する工程
を含む、上記1または2に記載の製造方法。
4.130℃で30分間処理した大麦麦芽抽出液または大麦種子抽出液をゲルろ過カラムに付し、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する画分を回収することにより得られる化合物群。
5.大麦種子、大麦麦芽、大麦種子抽出液、大麦麦芽抽出液、またはそれらの混合物を120℃〜150℃で処理することにより生じた上記4に記載の化合物群。
6.大麦麦芽抽出液を120℃〜150℃で処理することにより生じた上記5に記載の化合物群。
7.ゲルろ過カラムが、ジオール基を化学結合基とした全多孔性球状シリカゲルを担体とする樹脂からなるゲルろ過用カラムである上記4〜6のいずれかに記載の化合物群。
8.上記4〜7のいずれかに記載の化合物群を含有する香味付与剤。
9.賦形剤又は希釈剤を配合した上記8に記載の香味付与剤。
10.乾燥粉末状である上記8又は9に記載の香味付与剤。
11.大麦種子、大麦麦芽、大麦種子抽出液、大麦麦芽抽出液、またはそれらの混合物を120℃〜150℃で処理することにより製造した香味付与剤。
12.大麦麦芽抽出液を120℃〜150℃で処理することにより製造した上記11に記載の香味付与剤。
13.上記4〜7のいずれかに記載の化合物群及び/又は上記8〜12のいずれかに記載の香味付与剤を含有することを特徴とするビールテイスト飲料。
14.ビールテイスト飲料が、ビール、発泡酒、雑酒、リキュール類、スピリッツ類、低アルコール飲料又はノンアルコール飲料である、上記13に記載のビールテイスト飲料。
15.上記4〜7のいずれかの項に記載の化合物群及び/又は上記8〜12のいずれかの項に記載の香味付与剤を含有することを特徴とする飲食品。
本発明によれば、通常の大麦種子、大麦麦芽、大麦種子抽出液、大麦麦芽抽出液、またはこれらの混合物を加工することによってビールテイスト飲料の香味向上に効果のある香味付与成分を生成させることができる。また、それらを香味付与剤としてビールテイスト飲料の原料の一部に使用することによって、旨みや味の厚みといった重厚感を増強したビールテイスト飲料を提供できる。
実施例1において高温処理された麦芽抽出液サンプルのゲルろ過カラムによるクロマトグラムである。 市販の分子量マーカーを用いた分子量の検定図である。 実施例1において分画された約6000の分子量を持つ画分の紫外線吸収スペクトルである。 異なる温度で高温処理した麦芽抽出液サンプルにおける香味付与成分の分析結果を示すゲルろ過クロマトグラムである。 実施例5に示すような前処理を行なった後に高温処理に付した麦芽抽出液と、前処理を行わない対照との香味付与成分の分析結果を示すゲルろ過クロマトグラムである。
1.香味付与成分
(原料)
本発明の香味付与成分の製造に使用する原料としては、ビール類製品の主な原料のひとつである大麦種子もしくは大麦麦芽が挙げられる。大麦種子と大麦麦芽とを比較すると、大麦種子中のデンプンなどの糖質やタンパク質などの窒素含有化合物が発芽によって分解されている大麦麦芽のほうが、後続の高温処理において糖質をカラメル反応させることによる或いは糖質の還元末端であるカルボニル基と、タンパク質、ペプチドもしくはアミノ酸のアミノ基とをアミノカルボニル反応させることによる香味の増強効率が高いから、本発明により好ましい。大麦麦芽には、2条大麦麦芽、6条大麦麦芽など、大麦の品種などによっていくつかの種別があるが、いずれを用いてもよい。また、欧州産、北米産、豪州産などの産地による区分も存在するが、いずれでもよい。さらに好適な本発明の原料として、麦芽抽出液があげられる。本発明において麦芽抽出液とは、麦芽または粉砕した麦芽を温水に懸濁し、一定時間保持することにより得られる液のことをいう。さらに、本発明において大麦種子抽出液とは、大麦種子または粉砕した大麦種子を温水に懸濁し、一定時間保持することにより得られる液のことをいう。例えば、麦芽抽出液は、麦芽を当業者に周知の方法で粉砕し、約50℃の温水に溶解することにより得られる。この工程において、デンプンやタンパク質は、糖質やペプチドおよびアミノ酸へと酵素反応によって加水分解される。
本発明の香味付与成分の製造に使用する原料の一部に、大麦種子または大麦麦芽以外の原料、例えば、米、コーン、こうりゃん、馬鈴薯、スターチ、糖類等の澱粉質原料、および麦芽、麦、米などの穀物原料中に含まれるタンパク分解物などを含んでいてもよい。また、発酵原液中には糖類が含まれているから、これを澱粉質原料として使用してもよい。糖類としては、糖液など市販の糖類を用いることもできる。あるいは、麦芽、麦、米、コーン、こうりゃん、馬鈴薯、スターチ、糖類等の澱粉質原料を麦芽に含まれる酵素や他の酵素剤によって十分に糖化したものを用いることも好ましい。糖化工程によって麦芽などの原料に含まれるデンプンを分解して糖類とすることができる。
その他、タンパク分解物として、麦芽、麦、米などの穀物原料中に含まれるタンパク分解物を用いても良い。また、市販のタンパク分解物を用いても良い。また、穀物原料中に含まれるタンパク質をタンパク分解酵素や酵素剤によって分解したものを用いても良い。
(前処理)
麦芽抽出液を用いる場合、後述する高温処理の前に、麦芽抽出液を30℃以上80℃以下、好ましくは40℃以上75℃以下の温度域に一定時間保持して前処理することができる。当該前処理は必須ではないが、後述のとおり高温での反応を促進する効果がある。処理時間は特に限定されないが、好ましくは1分〜240分、より好ましくは1分〜90分、さらに好ましくは5分〜90分、最も好ましくは20分〜60分程度である。
上記の前処理の効果としては、デンプンを糖類にする分解反応、およびタンパク質をタンパク分解物にする加水分解反応を促進することにあると考えられる。前処理は、後続の高温加熱反応における基質となる還元糖の生成を促進するので、デンプンを含む原料を糖化して用いる場合に特に有効である。さらに、上記の前処理の際に、麦芽抽出液に塩類を添加することや、麦芽抽出液のpHを調整することや、糖化酵素およびプロテアーゼなどの酵素類を添加することなどにより、デンプンやタンパク質などの加水分解反応をより確実に行わせることができる。さらに、このような前処理において、固形原料重量と水の重量との比率を変えることにより、加水分解反応をより効果的に行わせることができる。
ここでいう塩類とは、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウムなどがあげられるが、食品の製造に適したものであればよく、特にこれらに制限されるものではない。また、pHの調整には、乳酸、リン酸、コハク酸、酢酸、リンゴ酸、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどを用いることができるが、食品の製造に適したものであればよく、特にこれらに制限されるものではない。
また、酵素類としては、アミラーゼ、グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、セルーゼ、アミログルコシダーゼ、グリコシダーゼなどの糖化酵素や、各種プロテアーゼなどがあげられる。酵素類は食品の製造に適したものであればよく、特に、ここに例示したものに制限されるものではない。
これらの前処理は、後続の高温処理におけるアミノカルボニル反応およびカラメル反応を効果的に進めるためのものであれば特に制限されるものではない。例えば、アミノカルボニル反応またはカラメル反応を促進させる触媒のようなものを前処理において予め添加したり、酸素でバブリングすることにより溶存酸素量を調整したりすることができる。前処理に使用する装置は、上述の各種の前処理条件を調整することができる装置であれば特に限定されず、例えば糖化槽など当業者に周知のビール醸造設備を用いてもよい。
(高温処理)
本発明の香味付与成分は、大麦種子、大麦麦芽、大麦種子抽出液、大麦麦芽抽出液、およびこれらの混合物などの原料を高温処理することにより生成される。高温処理とは、大麦種子、大麦麦芽、大麦種子抽出液、大麦麦芽抽出液、およびこれらの混合物などの原料を110℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは122℃以上、さらに好ましくは125℃以上、さらに好ましくは126℃以上、最も好ましくは130℃以上で処理することをいう。高温処理の温度範囲としては、110℃〜150℃、好ましくは120℃〜150℃、より好ましくは120℃〜141℃、さらに好ましくは122℃〜141℃、さらに好ましくは126℃〜141℃、最も好ましくは130℃〜141℃などが挙げられる。150℃を超えると、麦芽成分の濃度や反応時間によっては、焦げによる香味の低下が認められ、好ましくない香味が付与される場合がある。122℃〜141℃、好ましくは126℃〜141℃、最も好ましくは130℃〜141℃の温度範囲では、麦芽成分をより効率的に抽出することができる。圧力条件については、0.1〜0.3MPaが望ましい。この範囲であれば、コゲ臭が少なく、適度なアミノカルボニル反応およびカラメル反応による芳ばしい香味を得ることができる。
処理時間については特に限定されないが、5〜240分間程度であり、5〜60分間程度が好ましく、10〜60分間程度がより好ましく、これらの範囲で適宜設定することができる。
(高温処理装置)
本発明において高温処理を行うための装置としては、加圧することが可能な加熱装置を用いることができる。この加熱装置は、耐圧釜であれば特に限定されない。例えば、加圧式の密閉加熱装置を用いることができる。
(高温反応生成成分)
植物原料の高温反応生成成分として、例えば、バニリンなどのリグニン分解物などはよく知られている。これは、それらの化合物が低分子であることから、化合物の分離および化学構造の同定が容易であることに加え、揮発性が高いので、香りへの効果を調べやすいことによる。一方、本発明においては、高温反応生成成分として、旨みや味の厚みといった重厚感に寄与する不揮発性の高分子高温反応生成成分に着目した。これらの成分は、その化学構造に大きな多様性を持ち、またそれぞれが非常に複雑な構造をしているため、個々の成分に関する詳細な研究はこれまで非常に困難であった。また、その複雑な構造ゆえに、各成分を分離することさえ非常に困難であった。これらのことから、不揮発性の高分子高温反応生成成分に関しては、その香味効果などの詳細について不明な点が多かった。本発明では、これらの複雑な高分子成分の分析方法を工夫することによって、ある種の化合物群をひとつの画分としてとらえ、その画分の香味効果を検証することによって、その画分の香味付与効果を確認することに成功した。
(高分子高温反応生成成分の分析)
高温処理によって生ずる不揮発性の複雑な高分子高温反応生成成分の分析方法を工夫することにより、高分子高温反応生成成分のうちのある種の化合物群をひとつの画分としてとらえることが可能となった。また、この画分(香味付与成分)を含む香味付与剤を製造せしめることが可能となった。すなわち、多様で複雑な高分子高温反応生成成分を分画し、それらの画分のひとつが香味改善効果をもち、その画分およびその画分を含む原料を香味付与剤として使用することによって、ビールテイスト飲料の香味を大幅に向上させることが可能となった。
本発明の香味付与成分は、例えば、大麦麦芽抽出液を130℃で30分間高温処理することにより生成される。本発明の香味付与成分の分析に際しては、例えば、この高温処理大麦麦芽抽出液を5000rpmにて10分間遠心し、上清を0.45μmのフィルターにてろ過して、そのうちの10μlをHPLCに供し、280nmの吸光度を測定する。測定は、高速液体クロマトグラフィーシステムCLASS−VPシリーズ(株式会社島津製作所製)およびCosmosil−5Diol−300−IIカラム(ナカライテスク株式会社製 7.5x300mm)を用いることができる。Cosmosil−5Diol−300−IIカラムとは、ジオール基を化学結合基とした全多孔性球状シリカゲルを担体とする樹脂からなるゲルろ過用カラムである。分析条件は、50mM硫酸ナトリウム、5mM酢酸アンモニウム溶液、pH7.0を溶出液として用い、流速1ml/minのアイソクラティックとすることができる。これにより、高温処理によって生じた分子量が約6000である成分を検出することができる。
(分子量の検定)
本発明における分子量の検定では、ナカライテスク社製のタンパク質マーカー(10倍濃縮)(SDS−PAGE用、コード29458−24)を用いることができる。本マーカーには、後述の表2に示される物質が含まれている。
前述の「高分子高温反応生成成分の分析」の欄に記載した測定条件において、上記の分子量マーカーを用いたときの分子量の検定を図2に示す。縦軸が分子量、横軸がリテンンションタイムである。この分析に関する変動説明率(相関係数の二乗、R2)は0.9943であり、分子量約6000から約70000までの分子量が正確に測定できていることがわかる。本発明における香味付与成分(画分)のピークは、この検量線の最も端である分子量約6000であるが、ほぼ正確に測定できていると思われる。この分子量の検定に、さらに正確を期するために、クロマトグラフィー用のゲルろ過スタンダード(BIO−RAD社製、コード151−1901)を用い、この図2の結果を検証したところ、ほぼ同様の分子量の検定結果が得られた。このスタンダードは、分子量1350〜670000までの広範囲におよぶものであるため、本発明における香味付与成分のピークの分子量6000は、ほぼ正確に測定できていることが確認された。
本発明の香味付与成分は、上述の分析方法および分子量の検定によって、分子量6000〜6400(6.0×103〜6.4×103)に相当するリテンションタイムにピークの頂点が検出される分子量約6000の化合物群である。さらに正確には分子量6100〜6300、より正確には分子量約6200に相当するリテンションタイムにピークの頂点が検出される分子量約6000の化合物群である。
(香味付与成分)
上記の分析によって検出される分子量約6000の化合物群を液体クロマトグラフィーを用いて分画、分取することにより本発明の香味付与効果を有する化合物群(香味付与成分ともよぶ)を得ることができる。この画分をさらに市販の脱塩カラムを用いて当業者に周知の方法にて脱塩してもよい。この画分は、さらに濃縮、凍結乾燥することによって、粉末化してもよいし、また溶液のまま用いてもよい。この画分は旨みや味の厚みをもつことから、ビールテイスト飲料の香味を向上させるために、ビールテイスト飲料製造用原料のひとつとして使用することができる。香味付与成分をビールテイスト飲料に使用する際、使用時の日本国酒税法や食品衛生法などの関連法令を遵守しているのであれば、添加量、添加方法、添加時期などは、適宜設定することができる。また、例えば仮に、法令等の内容が改正され、現行の法令等の内容を考慮しなくてもよい場合には、本発明の香味付与成分を、ビールテイスト飲料の製造工程のどの段階で添加しても良い。例えば、ビールに使用する場合、麦汁仕込工程や酵母による発酵工程のいずれで添加してもよく、製品に近い酵母ろ過工程の直前に添加しても良い。
(香味付与剤)
分子量約6000の化合物群である本発明の香味付与成分は、その成分を単独にて使用してもよいが、使用する設備などの構造によって添加物の性状を変える必要がある場合などには、一般に食品として許容される添加剤、例えば食品として許容される賦形剤、希釈剤などを香味付与成分に添加して、香味付与剤として使用しても良い。香味付与剤の重量に対する香味付与成分の重量(詳細には、上記の香味付与成分を含有する画分を脱塩し凍結乾燥して得られた粉末としての香味付与成分の重量)は、とくに限定されるものではないが、好ましくは0.0001〜99.9重量%程度である。より好ましくは、0.0001〜50重量%程度であり、さらに好ましくは0.0001〜30重量%程度である。
本発明における香味付与剤は、上記の分子量約6000の化合物群を含有していれば良く、必ずしも精製による高純度化は必要ではない。香味付与成分を含有するビールテイスト飲料製造用原料は、ビールテイスト飲料への香味付与効果を有する。したがって、ビールテイスト飲料製造用原料である大麦麦芽抽出液等を高温処理して分子量約6000の化合物群(香味付与成分)を生成させたものを、香味付与剤として用いることができる。
香味付与剤をビールテイスト飲料に使用する際の添加量、添加方法、添加時期などは、先に説明した香味付与成分の場合と同様に、適宜設定することができる。例えば、ビールに使用する例では、ビール製造工程のどの段階で使用しても良い。例えば、麦汁仕込工程や酵母による発酵工程などのいずれの段階で使用しても良い。
(飲食品)
本発明の香味付与成分や香味付与剤はビールテイスト飲料などの飲食品に広く添加して用いることができる。飲食品への添加量は特に限定されないが、香味付与成分量(固形重量)が飲食品重量に対して0.0001重量%〜30重量%となる量の香味付与成分や香味付与剤を添加することができる。より好ましくは、0.0001重量%〜20重量%程度であり、さらに好ましくは0.0001重量%〜10重量%程度である。
飲食品の種類は特に限定されないが、例えば、ビールテイスト飲料などに本発明の香味付与成分や香味付与剤を好適に用いることができる。
2.ビールテイスト飲料
(ビールテイスト飲料の原料)
本発明でいうところの「ビールテイスト飲料の原料」とは、ビールテイスト飲料を製造するために使用される原料全てをいう。「原料」という語に対しては、酒税法や食品衛生法などの各種法令や、業界、企業の慣習などにより、原料、添加物、工程使用剤、半製品などの種々の言葉が存在するが、いずれも同様の意味で用いられる。
(発酵原液)
本発明において「発原液」とは、酵母を加えて発酵に供することにより発酵飲料となることができる、発酵前で酵母未添加の液をいう。香味付与成分、香味付与剤等を原料の一部もしくは全量として用いてビールテイスト飲料の発酵原液を調製し、ビールテイスト飲料の香味を調整することができる。香味付与剤の使用量は特に限定されないが、例えば、高温処理した麦芽抽出液の場合、発酵原液中の混合比としては、0.0001〜100重量%、好ましくは1〜75重量%、更に好ましくは5〜50重量%である。また、高温処理した麦芽抽出液そのものを発酵原液として用いることもできる。発酵原液の種類としては、ビールテイスト飲料用のビール用麦芽抽出液、発泡酒用麦芽抽出液または非麦芽発酵原液、穀物醸造酒における穀物抽出液などとすることができる。発酵原液にホップを添加してもよい。得られた発酵原液を、発酵工程、貯酒工程、ろ過工程、容器詰め、殺菌工程などの常法の工程に付すことにより、発酵飲料を得ることができる。
(ホップ)
ビールテイスト飲料を製造する際には、ホップを添加してもよい。ホップはビール等の製造に使用する通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを香味に応じて適宜選択して使用する。イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップなどのホップ加工品を用いてもよい。
(酵母)
発酵工程では酵母を用いる。酵母の種類は特に限定されるものではないが、ビールテイスト飲料を製造する場合に関しては、ビールテイスト飲料の醸造に適したビール酵母が好ましい。本発明で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して自由に選択できる。例えばWeihenstephan−34株など、市販のビール酵母を用いることができる。酵母は、酵母懸濁液のまま発酵原液に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母が濃縮されたスラリーを発酵原液に添加しても良い。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の発酵原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×106cells/ml 〜1×108 cells/ml程度である。
本発明は発酵方法を選ばない。例えばビールテイスト飲料の場合、通常のビールや発泡酒の発酵温度である、8〜25℃で1週間から10日発酵させてもよい。発酵中の昇温、降温、加圧などについても、特に制限はない。
(その他の原料)
本発明においては、日本国酒税法等の関連法令上に定められた範囲で、必要であれば、色素や泡形成剤、香料、などを添加することができる。色素についてはビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などをビール様の色彩を呈する量添加することができる。ビール様の泡を形成させるため、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパクおよびペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質などを適宜使用することができる。ビール様の風味付けのためにビール風味を有する香料を適量使用することができる。
(ビールテイスト飲料の種類)
本発明におけるビールテイスト飲料としては、その原料や製法および日本国酒税法によって、種々の分類がなされ得るが、ビール様の風味をもつ飲料であればどのような酒類でも良く、特に限定されるものではない。つまり、本発明のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程を経る経ないにかかわらず、ビール風味の飲料を全て包含する。例えば、日本の酒税法上の名称における発泡酒、ビール、リキュール類、その他雑酒を含み、また、低アルコールの発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の発酵飲料)、スピリッツ類、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料なども含む。本発明のビールテイスト飲料のアルコール分は特に限定されないが、好ましくは0〜40%(v/v)、より好ましくは1〜15%(v/v)である。特にビールや発泡酒といったビールテイスト飲料として消費者に好んで飲用されるアルコールと同程度の濃度、すなわち、1〜6%(v/v)の範囲であることが望ましいが特に限定されるものではない。
(容器)
得られた飲料は、通常の発酵飲料と同様、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
<旨み、味の厚みといった重厚感をもつ高温反応生成成分>
当業者に周知の方法で粉砕した欧州産2条大麦麦芽3.0kgを55℃の温水12Lに懸濁し、15分間保持することによって麦芽抽出液を得た。これを密閉の耐圧容器で加熱し、温度が130℃になった時点から30分間または60分間同温度で保持して、高温処理した麦芽抽出液を得た。また、同様の方法で、温度100℃で30分間または60分間保持した麦芽抽出液も比較のために調製した。得られた各サンプルについて、官能評価および高分子高温反応生成成分の分析を行なった。
官能評価は、旨みと、味の厚みなどの重厚感のそれぞれを、訓練されたパネラー5名で次の4段階で評価した。
旨み:
4 コクがあって旨みが非常に強い
3 コクがあって旨みが強い
2 コクがあまりなく旨みが弱い
1 旨みが感じられない
重厚感:
4 味に厚みがあり、重厚感を非常に感じる
3 味に厚みがあり、重厚感をやや感じる
2 味に厚みがあまりなく、重厚感があまり感じられない
1 味に厚みがなく、重厚感が感じられない
パネラー5名の評価結果を集計し、その平均値が1以上2未満の場合を×、2以上3未満の場合を△、3以上4以下の場合を○と表現し3段階評価にして最終評価とした。
Figure 0005687426
100℃にて30分間または60分間処理したサンプルに比べて、130℃で30分間または60分間高温処理したサンプルは、明らかに旨みや重厚感を強く感じた。
次に、各サンプルにおける高分子の高温反応生成成分の分析を下記の方法で行った。各サンプルを5000rpmにて10分間遠心分離し、上清を0.45μmのフィルターにてろ過して、そのうちの10μlをHPLCに供し、280nmの吸光度を測定した。測定は、高速液体クロマトグラフィーシステムCLASS−VPシリーズ(株式会社島津製作所製)およびCosmosil−5Diol−300−IIカラム(ナカライテスク株式会社製 7.5x300mm)を用いた。分析条件は、50mM硫酸ナトリウム、5mM酢酸アンモニウム溶液、pH 7.0を溶出液として用い、流速1ml/minのアイソクラティックとした。本発明における分子量の検定は、ナカライテスク社製のタンパク質マーカー(10倍濃縮)(SDS−PAGE用、コード29458−24)を用いた。本マーカーには、下記の表2に示される物質が含まれている(表2)。
Figure 0005687426
上記の測定条件において、この分子量マーカーを用いたときの分子量の検定を図2に示す。縦軸が分子量、横軸がリテンンションタイムである。この分析に関する変動説明率(相関係数の二乗、R2)は0.9943であり、分子量約6000から約70000までの分子量が正確に測定できていることがわかる。本発明における香味付与成分のピークは、この検量線の最も端である分子量約6000であるが、ほぼ正確に測定できていると思われる。この分子量の検定に、さらに正確を期するために、クロマトグラフィー用のゲルろ過スタンダード(BIO−RAD社製、コード151−1901)を用い、この図2の結果を検証したところ、ほぼ同様の分子量の検定結果が得られた。このスタンダードは、分子量1350〜670000までの広範囲におよぶものであるため、本発明における香味付与成分のピークの分子量6000は、ほぼ正確に測定できていると判断した。
本発明における、高温反応生成成分の分析によって検出される分子量約6000の化合物群とは、上述の分析方法および分子量の検定によって、分子量6000〜6400(6.0×103〜6.4×103)に相当するリテンションタイムにピークの頂点が検出される化合物群をさす。さらに正確には分子量6100〜6300、より正確には分子量約6200に相当するリテンションタイム付近にピークの頂点が検出される化合物群をさす。
分析した4試料のうち、図1に100℃で30分間処理したときの試料および130℃で30分間処理したときの試料のクロマトグラムを示す。100℃における反応生成物と130℃における高温反応生成物とには、大きなプロファイルの差異が確認された。130℃での高温処理によって、ほとんどの成分に増加が見られた。これは、熱反応によるアミノカルボニル反応もしくはカラメル化反応の進展によると考えられる。各種成分量の増加がみられるなか、100℃における加熱ではほとんど検出されないが、130℃の加熱では検出できる分子量約6000の画分の存在に着目した。この画分は不揮発性の高温反応生成成分の一部と考えられる。そのUV吸収スペクトルを図3に示す。なお、当該成分は、100℃で60分間処理した試料では、ほとんど検出されなかった。
130℃で30分間または60分間処理した試料についてこの画分(分子量6.0×103〜6.4×103)を分取し、10mg/mlの濃度で純水に溶解した水溶液を官能評価に供した際の結果を表3に示す。このとき、対照として、100℃で30分間または60分間処理したサンプルの同一リテンションタイムの画分を分取し、同様に10mg/mlの濃度で純水に溶解した水溶液を用いた。
Figure 0005687426
官能評価の結果、表1と同様に、100℃で30分間または60分間処理したときの分子量約6000の画分に比べて、130℃で30分間または60分間高温処理した分子量約6000の画分サンプルは、明らかに旨みや味の厚みといった重厚感が強く感じられた。従ってこの画分は旨みや味の厚みといった重厚感を付与するなどの香味改善効果をもつ画分であることがわかった。
<香味付与成分又は画分>
実施例1に記載の旨み、味の厚みといった重厚感をもつ高温反応生成成分を分画し、発泡酒へ添加し、添加量と香味の影響との関係を評価した。
常法により、麦芽使用比率24%であるビール風味の発泡酒(ビールテイスト飲料)を試作した。その際、香味、特に旨みや重厚感に寄与するような原料や製法での工夫は施さなかった。別に、実施例1に記載の分子量約6000の化合物群を大量に分取し、市販の脱塩カラムを用いて当業者に周知の方法にて脱塩し、凍結乾燥することによって、香味改善効果をもつ成分の粉末を調製した。この粉末5mgまたは50mgを上記の発泡酒100mlに溶解した。また、この粉末を添加しない上記の発泡酒を対照品として評価した。官能評価は、実施例1に記載の方法にて行った。官能評価の結果を表4に示す。
Figure 0005687426
表4より、実施例1に記載の旨みや味の厚みといった重厚感をもつ分子量約6000の化合物群を添加した発泡酒テスト品は、対照品に対して旨みや重厚感が有意に増強されていた。よって実施例1に記載の旨み、味の厚みといった重厚感をもつ高温でのアミノカルボニル反応生成成分は、ビールテイスト飲料に旨みや重厚感を付与する効果を持ち、香味付与成分として有効であることが示された。
<香味付与剤>
実施例2に記載の香味付与成分を用いて、下記に示す香味付与剤の製造を行った。具体的には、実施例2に記載した方法に従って香味付与成分(分子量約6000の高温反応生成成分)の粉末を60mg調製し、当業者に周知の方法で製造した麦汁エキスと混合して香味付与剤1.2gを得た。実施例2と同様の方法で調製した発泡酒100mlに、得られた香味付与剤0.1gまたは1gを添加し、官能評価を行った。官能評価は、実施例1に記載の方法にて実施した。香味付与剤無添加の発泡酒を対照品として評価した。
官能評価は、実施例1に記載の方法にて行った。官能評価の結果を表5に示す。
Figure 0005687426
この結果、香味付与剤は発泡酒サンプルの旨み、味の厚みといった重厚感を有意に増強させることが確認された。従って、実施例1に記載の旨みや味の厚みといった重厚感をもつ高温反応生成成分は、実施例2によって、分画・精製した状態で香味付与効果を有することが示され、また、本実施例3によって、麦汁もしくは麦汁エキスなど未精製の原料(即ち、希釈剤)と混合しても、その香味効果を保持できることがわかった。これらの結果は、実施例1に記載の旨みや味の厚みといった重厚感をもつ高温反応生成成分を必ずしも高純度に精製する必要はないことを示唆している。
<高温処理で付与できる旨みや重厚感の測定法>
本発明を活用し、旨みや味の厚みといった重厚感をもつ高温反応生成成分の測定を応用すれば、今まで官能評価に頼ってきた原料の旨みや重厚感を簡便に測定することが可能である。また、原料もしくは製造工程途中の半製品などは、当然ながら最終製品とは異なる香味バランスであることが多く、最終製品での香味をうまく予測したり、表現したりしにくいことが多い。本実施例は官能評価に頼らないで、原料の旨みや重厚感を簡便に測定することができるメリットがある。
当業者に周知の方法にて粉砕した欧州産2条大麦麦芽3kgに55℃の温水12Lを加えて懸濁し、15分間保持することによって麦芽抽出液を得た。これを密閉の耐圧容器で加熱し、温度が100℃、110℃、120℃、130℃、140℃になった時点からそれぞれ30分間同温度で保持した時点で取り出した。冷却後、実施例1に記載の方法で官能評価を行った。官能評価の結果を表6に示す。
Figure 0005687426
高温処理の熱負荷を強めることによって、処理した麦芽抽出液の旨みや重厚感が増加していることがわかる。さらに、実施例1に記載の方法で、旨みや重厚感をもつ高温反応生成成分の測定を行った結果を図4に示す。実施例1に記載した旨みや重厚感をもつ分子量約6000の化合物群ピークは、120℃以上の高温処理にて検出することができ、高温処理に特徴的な成分であることが判る。従って、高温処理の条件としては、120℃以上で30分以上の処理が好ましく、130℃以上で30分の処理がより好ましいことがわかった。
さらに、高温処理した麦芽抽出液サンプルの官能評価による旨みや重厚感の評価結果と、分子量約6000の化合物群のピークの高さとが相関すること、および、実施例2や3において、この化合物群の飲料への添加量と、飲料の香味とに相関性があったことから、飲料中のこの化合物群の量を測定することにより、飲料の旨みや重厚感を測定することができることが示された。
また、実施例1に記載した旨みや重厚感をもつ分子量約6000の化合物群ピークを指標として、麦芽抽出液の高温処理の適切な反応条件を推測できることが示された。
<高温処理で付与できる旨みや重厚感の測定例(前処理の効果)>
欧州産2条大麦麦芽3.0kgを55℃の温水12Lに懸濁し15分間保持したのち、65℃に昇温し25分間保持(前処理)することによって試験麦芽抽出液を得た。対照として、同一の大麦麦芽3.0kgを90℃の温水12Lに懸濁し15分間保持することによって麦芽抽出液を得た。それぞれの麦芽抽出液を密閉の耐圧容器で加熱し、130℃で30分間高温処理を行った。得られた高温処理麦芽抽出液について、実施例1に記載の方法で評価をおこなった。官能評価の結果、前処理を行わなかった対照品も前処理を行ったサンプルも、いずれも、旨み、重厚感ともに○の評価であったが、前処理ありのサンプルの旨みと重厚感は、前処理なしのサンプルのものに比べて、明らかに強く感じられた。香味付与成分の分析結果を図5に示す。
実施例5の結果より、本発明の高温処理の前に前処理を行うことにより、付与できる旨みや重厚感が増加することが明確に示された。さらに、この香味付与効果の差異を、実施例4に記載の旨みや重厚感の測定法を用いて測定することが可能であることが示された。
<本発明のビールの製造例>
香味付与成分(高温処理により生成する分子量約6000の化合物群)を含有する液を原料の一部として使用し、ビールを製造した例を示す。具体的には、当業者に周知の欧州産2条大麦麦芽7.5kgを50℃の温水20Lに懸濁し10分間保持し、65℃に昇温後30分間保持し得られた麦芽抽出液を130℃に昇温後30分間保持し、旨み、味の厚みといった重厚感をもつ香味付与成分含有液を得た。この香味付与成分含有液を、欧州産2条大麦麦芽22.5kgを50℃の温水100Lに懸濁したものに添加した後、65℃で30分間保持し、麦汁ろ過した。ホップ約100gを加えて1時間程度煮沸した後、10℃程度に冷却し、ビール醸造用酵母約300gを添加して約10日間発酵を行い、ビール(テスト品1)を得た。対照品として、原料の一部に濃色麦芽を用い、130℃での高温処理を行わない以外は同様にして、ビールを製造した。官能評価の結果、本実施例におけるテスト品1は、対照品に比べて旨みや重厚感の増強が認められ、香味の大幅な向上がみられた。
<本発明の発泡酒の製造例>
実施例6に記載の香味付与成分含有液を使用したビール風味の発泡酒の製造例をあげる。具体的には、実施例6に記載の香味付与成分含有液を、当業者に周知の方法にて粉砕した麦芽10kgに水40Lを加え50℃にて15分攪拌した仕込液に混合した。混合液に大過剰のアミログルコシダーゼ(AMG300L:ノボザイム社製)およびプルラナーゼ(プロモザイム:ノボザイム社製)を添加し、65℃にて100分間糖化を行った。同温度にて麦汁ろ過した後、この麦汁に、ショ糖の純度約99%の糖液(LA67:三井製糖社製)を、原麦汁エキス換算で約84重量%となるように添加して加水・攪拌し、ホップ約100gを添加して90分間煮沸した。15℃に冷却後、ビール醸造用酵母約300gを加え、10日間発酵させたのち、原麦汁エキスを6.5重量%に調整し、発泡酒を得た。このときの糖質の値は0.4g/100mLであった。また、対照として、香味付与成分含有液を使用せず、同様に作成した発泡酒(テスト品2)を製造した。官能評価の結果、本実施例におけるテスト品2である発泡酒は、対照品に比べて旨みや重厚感の増強が認められ、香味の大幅な向上がみられた。
<本発明のビールの製造例>
大麦麦芽22.5kgを30℃の温水60Lに懸濁し240分間保持して得られた麦芽抽出液を、125℃に昇温して30分間保持し、香味付与成分を含有する液を得た。この香味付与成分含有液を、大麦麦芽22.5kgを59℃の温水100Lに懸濁したものに、香味付与成分含有液の割合が95重量%となるように混合した後、65℃で40分間保持した。77℃に昇温後、ろ過を行ない穀皮を取り除いた。糖度を12w/w%に調整し、ホップを加えて1時間程度煮沸した後、10℃程度に冷却し、酵母を添加して発酵を行なった。1週間程度の発酵と2週間程度の熟成ののち、ろ過を行なった。アルコール度数を5.0v/v%に調整し、ビールを得た。官能評価の結果、旨みや重厚感が認められ、香味は良好であった。
<本発明のビールの製造例>
大麦麦芽7.5kgを水20Lに懸濁後、141℃に昇温して10分間保持し、香味付与成分を含有する液を得た。この香味付与成分含有液を、大麦麦芽22.5kgを59℃の温水100Lに懸濁したものに、香味付与成分含有液の割合が50重量%となるように混合した。この混合液を65℃で40分間保持して77℃に昇温し、ろ過を行なって穀皮を取り除いた。糖度を12w/w%に調整し、ホップを加えて1時間程度煮沸した後、10℃程度に冷却し、酵母を添加して発酵を行なった。1週間程度の発酵と2週間程度の熟成ののち、ろ過を行なった。アルコールを5.0v/v%に調整し、ビールを得た。官能評価の結果、旨みや重厚感が認められ、香味は良好であった。
<本発明のビールの製造例>
大麦麦芽7.5kgを水20Lに懸濁し80℃に昇温後5分間保持し、次いで122℃に昇温して60分間保持して香味付与成分を含有する液を得た。この香味付与成分含有液を、大麦麦芽22.5kgを59℃の温水100Lに懸濁したものに、香味付与成分含有液の割合が5重量%となるように混合した。この混合液を65℃で40分間保持して77℃に昇温し、ろ過を行なって穀皮を取り除いた。糖度を12w/w%に調整し、ホップを加えて1時間程度煮沸した後、10℃程度に冷却し、酵母を添加して発酵を行なった。1週間程度の発酵と2週間程度の熟成ののち、ろ過を行なった。アルコールを5.0v/v%に調整し、ビールを得た。官能評価の結果、旨みや重厚感が認められ、香味は良好であった。
<本発明のビールの製造例>
大麦麦芽7.5kgを水20Lに懸濁し65℃に昇温後15分間保持し、次いで130℃に昇温して50分間保持して香味付与成分を含有する液を得た。この香味付与成分含有液を、大麦麦芽22.5kgを59℃の温水100Lに懸濁したものに、香味付与成分含有液の割合が50重量%となるように混合した。この混合液を65℃で40分間保持して77℃に昇温し、ろ過を行なって穀皮を取り除いた。糖度を12w/w%に調整し、ホップを加えて1時間程度煮沸した後、10℃程度に冷却し、酵母を添加して発酵を行なった。1週間程度の発酵と2週間程度の熟成ののち、ろ過を行なった。アルコールを5.0v/v%に調整し、ビールを得た。官能評価の結果、旨みや重厚感が認められ、香味は良好であった。

Claims (13)

  1. 大麦麦芽または粉砕した大麦麦芽を水に懸濁して得られる大麦麦芽抽出液をそのまま120℃〜150℃で処理し、大麦麦芽抽出液中に、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する化合物群を生成させる工程1、及び
    工程1で得られた液に酵母を加え発酵させる工程2
    を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  2. 大麦麦芽または粉砕した大麦麦芽を水に懸濁して得られる大麦麦芽抽出液をそのまま120℃〜150℃で処理し、大麦麦芽抽出液中に、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する化合物群を生成させる工程1、
    工程1で得られた液をゲルろ過カラムに付し、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する化合物群を分取する工程2、及び
    工程2で得られた化合物群をビールテイスト飲料に添加する工程3
    を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  3. 前記大麦麦芽抽出液を120℃〜150℃で処理する工程1の前に、
    前記大麦麦芽抽出液を30℃以上80℃以下の温度で1〜240分間保持する工程
    を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 大麦麦芽または粉砕した大麦麦芽を温水に懸濁して得られる大麦麦芽抽出液をそのまま130℃で30分間処理した後にゲルろ過カラムに付し、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する画分を回収することにより得られる化合物
  5. 大麦麦芽または粉砕した大麦麦芽を水に懸濁して得られる大麦麦芽抽出液をそのまま120℃〜150℃で処理することにより得られる、分子量6.0×103〜6.4×103に相当する化合物群を含有する大麦麦芽抽出液処理物。
  6. ゲルろ過カラムが、ジオール基を化学結合基とした全多孔性球状シリカゲルを担体とする樹脂からなるゲルろ過用カラムである請求項4に記載の化合物群。
  7. 請求項4または6に記載の化合物群、或いは請求項5に記載の大麦麦芽抽出液処理物を含有する香味付与剤。
  8. 賦形剤又は希釈剤を配合した請求項7に記載の香味付与剤。
  9. 乾燥粉末状である請求項7又は8に記載の香味付与剤。
  10. 大麦麦芽または粉砕した大麦麦芽を水に懸濁して得られる大麦麦芽抽出液をそのまま120℃〜150℃で処理することにより製造した香味付与剤。
  11. 請求項4または6に記載の化合物群、請求項5に記載の大麦麦芽抽出液処理物、及び/又は請求項7〜10のいずれか1項に記載の香味付与剤を含有することを特徴とするビールテイスト飲料。
  12. ビールテイスト飲料が、ビール、発泡酒、雑酒、リキュール類、スピリッツ類、低アルコール飲料又はノンアルコール飲料である、請求項11に記載のビールテイスト飲料。
  13. 請求項4または6に記載の化合物群、請求項5に記載の大麦麦芽抽出液処理物、及び/又は請求項7〜10のいずれか1項に記載の香味付与剤を含有することを特徴とする飲食品。
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