JP5686069B2 - レバー式コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、レバー式コネクタに関する。
従来のレバー式コネクタが特許文献1に開示されている。これは、互いに嵌合可能な雌雄一対の両コネクタハウジングと、雌コネクタハウジングに回動可能に支持されるレバーとを備えている。雄コネクタハウジングには、両コネクタハウジングの嵌合過程で雌コネクタハウジングに押動されるムービングプレートが組み込まれている。ムービングプレートには分割カムピンが突出して形成され、雌コネクタハウジングには、別の分割カムピンが突出して形成されている。また、レバーにはカム溝が延出して形成されている。
両コネクタハウジングの嵌合過程では、両分割カムピンが互いに合体されることで円柱状のカムピンが形成され、このカムピンがレバーの回動操作に伴いカム溝の溝面を摺動することによりカム作用が発揮され、これによって両コネクタハウジングの嵌合動作が進行するようになっている。
特開2008−130244号公報
ところで、上記のような多極コネクタでは、一度に多数の端子金具を嵌合させねばならないため、嵌合過程でレバーからカムピンに大きな負荷が加えられることになる。このため、カムピンの強度を高めることが求められるが、単にカムピンの径寸法を全体的に大きくするのでは、このカムピンを受けるカム溝の溝幅も大きくなるため、レバーの大型化を招き、ひいてはコネクタの大型化を招くという事情がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタの大型化を招くことなく、カムピンの強度を高めることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、カム溝が延出して形成されたレバーと、前記レバーが回動可能に支持される第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに嵌合可能とされ、カムピンが突出して形成された第2コネクタハウジングとを備え、前記カムピンが前記カム溝内に挿入され、その状態で前記レバーが回動されることにより、前記カムピンが前記カム溝の溝面を摺動してカム作用が発揮され、これによって前記第1、第2コネクタハウジングの嵌合動作が進行するレバー式コネクタであって、前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、前記カム溝の延出方向に長く、前記カム溝の延出方向と直交する溝幅方向に短い形態をなすところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、中実柱状をなすところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分に、肉抜き部が形成されているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、前記カム溝の延出方向に長い長円形の外形形状を有しているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、前記カム溝の延出方向に長い多角形の外形形状を有しているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
カムピンのうちカム溝内に挿入される部分がカム溝の延出方向に長くカム溝の延出方向と直交する溝幅方向に短い形態をなすから、カム溝の延出方向に長い部分が増肉されることによってカムピンの強度が高く確保され、カム溝の溝幅方向に短い部分がカム溝内に挿入されることによってカム溝の溝幅が大きくなるのが防止される。したがって、本発明によれば、コネクタの大型化を招くことなく、カムピンの強度を高めることができる。
<請求項2の発明>
カムピンのうちカム溝内に挿入される部分が中実柱状をなすため、カムピンの強度がより高められる。
<請求項3の発明>
カムピンのうちカム溝内に挿入される部分に肉抜き部が形成されているため、ひけが防止され、カムピンの形状精度を向上させることができる。
<請求項4の発明>
カムピンのうちカム溝内に挿入される部分がカム溝の延出方向に長い長円形の外形形状を有しているため、カムピンとカム溝とが相互の曲面同士を摺動させることとなり、摺動安定性に優れる。
<請求項5の発明>
カムピンのうちカム溝内に挿入される部分がカム溝の延出方向に長い多角形の外形形状を有しているため、角張る部分の増肉分、カムピンの強度がより高められる。
本発明の実施形態1に係るレバー式コネクタの嵌合前の平面図である。 レバー式コネクタの嵌合開始時の平面図である。 レバー式コネクタの嵌合途中の平面図である。 レバー式コネクタの嵌合完了時の平面図である。 実施形態2に係るレバー式コネクタにおけるカムピンの拡大平面図である。 実施形態3に係るレバー式コネクタにおけるカムピンのピン本体の拡大断面図である。 実施形態4に係るレバー式コネクタにおけるカムピンのピン本体の拡大断面図である。 実施形態5に係るレバー式コネクタにおけるカムピンのピン本体の拡大断面図である。 実施形態6に係るレバー式コネクタにおけるカムピンのピン本体の拡大断面図である。 実施形態7に係るレバー式コネクタにおけるカムピンのピン本体の拡大断面図である。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図4によって説明する。本実施形態に係るレバー式コネクタ10は、互いに嵌合可能な第1、第2コネクタハウジング20、40と、第1コネクタハウジング20に回動可能に装着されるレバー60とを備えている。
第1コネクタハウジング20は合成樹脂製であって、図1に示すように、幅方向に長い角ブロック状のハウジング本体21と、ハウジング本体21の後端部に取り付けられるキャップ状の電線カバー22とからなる。ハウジング本体21には図示しない複数の雌端子金具が収容され、各雌端子金具は図示しない電線の端末部に接続されている。各電線は、ハウジング本体21の後面から引き出されて電線カバー22内に屈曲状態で収容され、さらに電線カバー22の幅方向一端開口を通して外部に導出される。また、ハウジング本体21の両側面の幅方向中央部には、一対の支軸23が突出して形成されている。両支軸23は、ほぼ円柱状をなし、レバー60の回動軸を構成している。
レバー60は合成樹脂製であって門型板状をなし、操作部61と、操作部61の両端から互いにほぼ平行に突出する一対のアーム部62とからなる。そして、レバー60は、第1コネクタハウジング20に後方から跨ぐように装着され、装着時には、両アーム部62がハウジング本体21の両側面の外側に配置されるようになっている。両アーム部62には、所定方向に湾曲しつつ延出する一対のカム溝63が貫通して形成され、かつほぼ円形の軸受け孔64が貫通して形成されている。両アーム部62の軸受け孔64には支軸23が嵌合して挿入される。かかるレバー60は、操作部61が第1コネクタハウジング20の幅方向他側に位置する初期位置と、操作部61が第1コネクタハウジング20の幅方向一側に位置する嵌合位置との間を支軸23回りに回動可能とされている。なお、両アーム部62には、カム溝63の入り口に連通する導入溝65が開口して形成され、初期位置では導入溝65が前方に開口して配置されるようになっている。
第2コネクタハウジング40は合成樹脂製であって、図1に示すように、幅方向に長いほぼ角筒状のフード部41を有している。フード部41内には、図示しない複数の雄端子金具が突出して配置されている。各雄端子金具は、第1、第2コネクタハウジング20、40が嵌合されるに伴って対応する各雌端子金具と導通接続されるようになっている。
フード部41の幅方向ほぼ中央部には、カム溝63内に挿入されて係合可能な一対のカムピン43が突出して形成されている。カムピン43は、図1に示すように、中実でほぼ円柱状のピン本体45と、ピン本体45の突出端の径方向両端から径方向外方に突出する一対の突片46とからなる。ピン本体45は、断面長円形、詳細には断面楕円形をなし、全高に亘ってほぼ同一径で構成されている。具体的には、ピン本体45は、幅方向(嵌合方向と直交する方向)に長く、前後方向(嵌合方向に沿う方向)に短い楕円の外形形状を有している。ピン本体45の短手方向の寸法は、カム溝63の溝幅と対応するサイズで構成されている。また、両突片46は、矩形板状をなし、ピン本体45の短手方向の両端から突出する形態とされている。そして、両突片46は、レバー60の回動過程で両アーム部62の外側面におけるカム溝63の前後の両溝縁部に摺動可能とされている。
本実施形態に係るレバー式コネクタ10の構造が上述の通りであり、続いて、第1、第2コネクタハウジング20、40の嵌合動作について説明する。
まず、レバー60を初期位置に留め置き、その状態で、図2に示すように、第2コネクタハウジング40のフード部41内に第1コネクタハウジング20のハウジング本体21を挿入する。すると、導入溝65内にカムピン43のピン本体45が導入され、さらにピン本体45がカム溝63の入り口内に挿入される。このとき、ピン本体45は、その長手方向をカム溝63の延出方向に向け、その短手方向をカム溝63の延出方向と直交する方向つまり溝幅方向に向けて配置される。
続いて、操作部61を摘みつつ、図2から図3に示すように、レバー60を嵌合位置へ向けて回動する。すると、カム溝63の溝面に、ピン本体45の外周面、詳細にはピン本体45の外周面のうち短手方向の両端部外面が摺動して、レバー60と第2コネクタハウジング40との間にカム作用がはたらく。これにより、フード部41内にハウジング本体21が低嵌合力で嵌合される。さらに嵌合動作が進行し、図4に示すように、レバー60が嵌合位置まで回動されると、操作部61が電線カバー22の後端部に当接してロックされるとともに、ピン本体45がカム溝63の奥端に到達して停止される。なお、レバー60が初期位置から嵌合位置に向かう嵌合途中の段階、及びレバー60が嵌合位置に到達した段階では、レバー60が初期位置にあるときと同様、ピン本体45の長手方向がカム溝63の延出方向に向けられるとともに、ピン本体45の短手方向がカム溝63の溝幅方向に向けられており、かつピン本体45の短手方向の両端部外面がカム溝63の溝面に摺接又は当接する状態が維持される。
以上説明したように本実施形態によれば、カムピン43のうちカム溝63内に挿入される部分となるピン本体45がカム溝63の延出方向に長くカム溝63の延出方向と直交する溝幅方向に短い形態をなすから、カム溝63の延出方向に長い長手部分が増肉されることによってカムピン43の強度が高く確保され、カム溝63の溝幅方向に短い短手部分がカム溝63内に挿入されることによってカム溝63の溝幅が大きくなるのが防止される。したがって、本実施形態によれば、コネクタの大型化を招くことなく、カムピン43の強度を高めることができる。また、ピン本体45が中実柱状をなすため、カムピン43の強度がより高められる。
さらに、ピン本体45がカム溝63の延出方向に長い長円形の外形形状を有しているため、カムピン43とカム溝63とが相互の曲面同士を摺動させることとなり、摺動安定性に優れる。
<実施形態2>
図5は、本発明の実施形態2を示す。実施形態2では、カムピン43Aの突片46Aの形態が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、重複する説明は省略する。突片46Aは、ピン本体45の突出端から全周に亘って張り出す形態とされている。そして、突片46Aの外形形状は、ピン本体45と同心の楕円形状とされている。
<実施形態3>
図6は、本発明の実施形態3を示す。実施形態3では、カムピン43Bのピン本体45Bの形態が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、重複する説明は省略する。ピン本体45Bは、断面楕円形では無いが、断面長円形をなし、幅方向に長く、前後方向に短い角丸形の外形形状を有している。ピン本体45Bの外周面には、幅方向に沿ってほぼ平行な一対の対向辺部47が含まれている。
<実施形態4>
図7は、本発明の実施形態4を示す。実施形態4では、カムピン43Cのピン本体45Cの形態が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、重複する説明は省略する。ピン本体45Cには、全高に亘って肉抜きされた肉抜き部44が形成されている。肉抜き部44は、ピン本体45Cの幅方向中央部において前後方向に延出するとともに、前後両端に開口する形態とされている。肉抜き部44が形成されていることにより、ひけが防止され、カムピン43Cの形状精度を向上させることができる。
<実施形態5>
図8は、本発明の実施形態5を示す。実施形態5では、カムピン43Dのピン本体45Dの形態が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、重複する説明は省略する。ピン本体45Dには、実施形態4と同様、全高に亘って肉抜きされた肉抜き部44Dが形成されている。この肉抜き部44Dは、ピン本体45Dの幅方向中央部を挟んだ両側に対をなし、それぞれ断面半円形に開口する形態とされている。
<実施形態6>
図9は、本発明の実施形態6を示す。実施形態6では、カムピン43Eのピン本体45Eの形態が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、重複する説明は省略する。ピン本体45Eには、実施形態4、5と同様、全高に亘って肉抜きされた肉抜き部44Eが形成されている。肉抜き部44Eは、ピン本体45Eの幅方向中央部及び前後方向中央部を挟んだ両側にそれぞれ対をなし、それぞれ断面四半円形に開口する形態とされている。
<実施形態7>
図10は、本発明の実施形態7を示す。実施形態7では、カムピン43Fのピン本体45Fの形態が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、重複する説明は省略する。ピン本体45Fは、断面多角形、詳細には断面8角形をなし、全高に亘ってほぼ同一径とされている。具体的には、ピン本体45Fは、幅方向に沿ってほぼ平行な第1対向辺部42と、前後方向に沿ってほぼ平行な第2対向辺部48と、第2対向辺部48の前後両端及び第1対向辺部42の幅方向両端に連なりつつ斜め直線状に配置される4つの斜辺部49とによって区画されている。第1対向辺部42は第2対向辺部48より長く、ピン本体45F全体として幅方向に長い形態とされている。実施形態7によれば、ピン本体45Fが多角形の外形形状を有しているため、角張る部分の増肉分、カムピン43Fの強度がより高められる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)突片を省略することも可能である。
(2)実施形態7のピン本体は、8角形以外の多角形の断面外形をなすものであってもよい。
(3)実施形態7のような断面多角形のピン本体に、肉抜き部が形成されていてもよい。
(4)レバーは全体として平面状の一枚板で構成されるものであってもよい。
10…レバー式コネクタ
20…第1コネクタハウジング
21…ハウジング本体
40…第2コネクタハウジング
41…フード部
43、43A、43B、43C、43D、43E、43F…カムピン
44、44D、44E…肉抜き部
45、45B、45C、45D、45E、45F…ピン本体(カムピンのうちカム溝内に挿入される部分)
46…突片
60…レバー
62…アーム部
63…カム溝

Claims (5)

  1. カム溝が延出して形成されたレバーと、
    前記レバーが回動可能に支持される第1コネクタハウジングと、
    前記第1コネクタハウジングに嵌合可能とされ、カムピンが突出して形成された第2コネクタハウジングとを備え、
    前記カムピンが前記カム溝内に挿入され、その状態で前記レバーが回動されることにより、前記カムピンが前記カム溝の溝面を摺動してカム作用が発揮され、これによって前記第1、第2コネクタハウジングの嵌合動作が進行するレバー式コネクタであって、
    前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、前記カム溝の延出方向に長く、前記カム溝の延出方向と直交する溝幅方向に短い形態をなすことを特徴とするレバー式コネクタ。
  2. 前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、中実柱状をなすことを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
  3. 前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分に、肉抜き部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
  4. 前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、前記カム溝の延出方向に長い長円形の外形形状を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のレバー式コネクタ。
  5. 前記カムピンのうち前記カム溝内に挿入される部分は、前記カム溝の延出方向に長い多角形の外形形状を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のレバー式コネクタ。
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