JP5682806B2 - 撮像光学系、カメラ装置および携帯情報端末装置 - Google Patents
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ここで、高性能化という面では、少なくとも、1,000万〜2,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有することに加え、絞り開放からコマフレアが少なく高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがないこと、色収差が少なく輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じないこと、歪曲収差が少なく直線を直線として描写可能なこと等が必要である。
さらに、大口径化という面では、ズームレンズを搭載した一般のコンパクトカメラと差別化する必要性から、少なくともFナンバーとしてはF2.4以下が必要である。
また、撮像光学系の画角については、ある程度の広角を望むユーザが多く、撮像光学系の画角は76度以上、つまり半画角は38度以上であることが望ましい。半画角38度は、35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離で28mmに相当する。
このようなレトロフォーカスタイプの中でも、開口絞りより前の系全体のパワーを負とした、負の第1レンズ群、開口絞り、正の第2レンズ群という構成からなるものは、開口絞りより前の系全体に負のパワーを持たせることで広い画角の光線を比較的小さいサイズで取り込むことができ、さらに、開口絞りより後ろの正のパワーによって射出瞳を像面から遠ざけやすく撮像素子に入射する周辺光束をより垂直入射に近づけることができる。
しかしながら、大きな空気間隔を持つ第1レンズ群と第2レンズ群間で周辺光束の下光線のコマ収差が悪化し、開口絞りより後ろの系でこのコマ収差を補正することが困難であるといった問題を有してもいる。
しかしながら、特許文献2および特許文献3に示されたものは、Fナンバーが1.4〜2程度と比較的明るいが、撮影画角が38°〜67.4°程度と比較的狭く、十分な広角化に対応することができない。また、特許文献1および特許文献4に示されたものは、Fナンバーが2.8〜3.4程度と比較的暗く、半画角も66°〜70°程度と十分に広くはなく、また、使用レンズ枚数が多く小型化には向かない。また、特許文献5に示されたものは、Fナンバーが十分に小さく、画角も広いが、バックフォーカスが短く、マイクロレンズを有する撮像光学系に適さない。
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とを配設し、
前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に固定絞りを配設し、
前記第1レンズ群は物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸で像面側が非球面形状である負のメニスカスレンズと、1枚の正レンズとからなり、
前記第2レンズ群は、最も物体側のレンズ面が物体側に凸の形状を持ち、正レンズと接合された両凹レンズからなる負レンズと、少なくとも一面に非球面形状を持つ正レンズを少なくとも一つ以上含む4枚または5枚のレンズで構成され、
以下の条件式(1)〜(3)、(4′)、(5)を満足することを特徴としている。
0.4 < Dc/Ds < 0.8 (1)
1.0 < D_1/f < 2.0 (2)
1.5 < |f1|/f < 3.0 (3)
0.2< D_S2/Ds <0.5 (4′)
0.5< D_12/f <3.0 (5)
但し、Dcは、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記固定絞りまでの軸上距離であり、Dsは、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記開口絞りまでの軸上距離、
D_1は、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から最も物体側のレンズ面までの軸上距離であり、fは、全系の焦点距離、
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離であり、fは、全系の焦点距離、D_S2は、前記開口絞りから前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面までの軸上距離であり、Dsは、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記開口絞りまでの軸上距離、
D_12は、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の軸上間隔である。
請求項1に記載の撮像光学系において、以下の条件式(6)を満足することを特徴としている。
νa<40 (6)
但し、νaは、前記撮像光学系の中で、前記第1レンズ群の最も像側のレンズと前記第2レンズ群の最も物体側のレンズのアッベ数の平均値である。
請求項3に記載した本発明に係るカメラ装置は、
請求項1または2に記載の撮像光学系を有することを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るカメラ装置は、
請求項3に記載のカメラ装置において、撮影画像をデジタル情報とする機能を有することを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る携帯情報端末装置は、
請求項1または2に記載の撮像光学系を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とを配設し、
前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に固定絞りを配設し、
前記第1レンズ群は物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸で像面側が非球面形状である負のメニスカスレンズと、1枚の正レンズとからなり、
前記第2レンズ群は、最も物体側のレンズ面が物体側に凸の形状を持ち、正レンズと接合された両凹レンズからなる負レンズと、少なくとも一面に非球面形状を持つ正レンズを少なくとも一つ以上含む4枚または5枚のレンズで構成され、
前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記固定絞りまでの軸上距離をDcとし、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記開口絞りまでの軸上距離をDsとして、
前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から最も物体側のレンズ面までの軸上距離をD_1とし、全系の焦点距離をfとし、前記開口絞りから前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面までの軸上距離をD_S2とし、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記開口絞りまでの軸上距離をDsとし、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、
前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の軸上間隔をD_12とし、
条件式:
0.4 < Dc/Ds < 0.8 (1)
1.0 < D_1/f < 2.0 (2)
1.5 < |f1|/f < 3.0 (3)
0.2< D_S2/Ds <0.5 (4′)
0.5< D_12/f <3.0 (5)
のうち、条件式(1)を満足することにより、高性能且つ画角76度以上の広角でありながら、小型でFナンバー2.4未満の大口径で高画質で撮影可能であり、特に、第1レンズ群と開口絞りとの間に条件式(1)に規定する位置に固定絞りを配設することで、周辺光量を充分に確保しつつ、コマ収差を抑制し得る撮像光学系を提供することができる。
また、上記条件式(2)を満足することにより、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差等の収差が良好に補正され、光学系全体の小型化にも寄与し得る撮像光学系を提供することができる。
また、上記条件式(3)を満足することにより、球面収差を始めとする諸収差の補正をし易くし、偏心や空気間隔に対する精度を緩やかにし、大型化を抑制し得る撮像光学系を提供することができる。
上記条件式(4′)を満足することにより、大型化を抑制し且つ軸外収差を十分に補正して、より高性能な撮像光学系を提供することができる。
上記条件式(5)を満足することにより、
軸外収差を十分に補正しつつ、光学系のサイズ、開口絞り口径が過大となるのを抑制し得る撮像光学系を提供することができる。
条件式:
νa<40 (6)
を満足することにより、
倍率色収差、色コマ収差を良好に補正し、さらに高性能な撮像光学系を提供することができる。
画角76度以上の広画角、FナンバーがF2.4未満の大口径でありながら、十分に小型であって、非常に良好な像性能を確保し得るディジタルカメラを含むカメラ装置および携帯情報端末装置を提供することができる。
現在ディジタルカメラは、上述したように、高画質化、小型化、広角化、大口径のニーズが強くなっており、これらの要望に応える開発をしていく必要がある。特に小型化、広角化のニーズは高く、小型且つ広角のまま大口径化を進める技術が求められている。一般に大口径化していくと、増大する光線の収差を補正するためにレンズが長大化する傾向にある。
そこで、本発明においては、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、開口絞り、正の屈折力を有する第2レンズ群を配設し、負の屈折力を有する第1レンズ群は、負の屈折力を有する前側第1レンズ群・正の屈折力を有する後側第1レンズ群をこの順に含み、第1レンズ群と開口絞りとの間に固定絞りを配設した撮像光学系であって、さらにそれぞれ以下の条件式(1)、条件式(2)、条件式(3)、条件式(4′)および条件式(5)を満足する光学系を特徴としている(請求項1に対応する)。開口絞りより前の系に負のパワーを持たせることで広い画角の光線を比較的小さいサイズで取り込むことができ、さらに、開口絞りより後ろの正のパワーによって射出瞳を像面から遠ざけて撮像素子に入射する周辺光束が垂直入射に近づけることができる。
0.4 < Dc/Ds < 0.8 (1)
但し、Dcは、第1レンズ群の最も像側のレンズ面から固定絞りまでの軸上距離。Dsは、第1群の最も像側のレンズ面から開口絞りまでの軸上距離である。
この条件式(1)の上限値を超えると、軸外の下光線の割合が大きくなり下光線のコマ収差が劣化する。また、この条件式(1)の下限値を超えると、軸外の下光線の割合が小さくなり像面における周辺光量の確保が困難になる。固定絞りの口径は、Fナンバーの変化に伴って変化してもよい。また、沈胴タイプの撮影レンズに採用された場合は、第1レンズ群および開口絞りとの軸上空気間隔を縮小するように沈胴することで、カメラ本体への収納厚を小さくすることが可能となる。
1.0 < D_1/f < 2.0 (2)
但し、D_1は、第1レンズ群の最も像側のレンズ面から最も物体側のレンズ面までの軸上距離であり、fは、全系の焦点距離である。
前側第1レンズ群の負の屈折力を2枚の負レンズに分担させることで特定の面で過大な収差が発生することを防ぎ、レンズ系全体として非点収差などを良好に補正することができる。また、曲率の大きな像面側を非球面とし、且つその後ろに正レンズを1枚配設することで、歪曲収差の補正に大きな効果が得られる他、コマ収差等を補正する役割を持たせることができる。この条件式(2)の下限値を超えると、第1レンズ群の最も物体側のレンズの有効径が大きくなり光学系全体の小型化を阻害する。一方、この条件式(2)の上限値を超えると、軸上の光束が第1レンズ群内で広がるため比較的高いレンズ面精度を要求する必要が生じる。また、沈胴式の撮像光学系として用いる場合前側第1レンズ群と後側第1レンズ群を一つの構造体で保持すると光学系全体の小型化を阻害する。
1.5 < |f1|/f < 3.0 (3)
但し、f1は、第1レンズ群の焦点距離であり、fは、全系の焦点距離である。この条件式(3)の下限値を超えると第1レンズ群と第2レンズ群間で球面収差を始めとする諸収差のやり取りが過大となり、レンズの偏心や空気間隔に対する要求精度が高くなりすぎてしまう。この条件式(3)の上限値を超えると、広い画角をカバーするために第1レンズ群が大型化してしまう。
さらに高性能にするためには、以下の条件式(4)を満足すると良い。
0.1 < D_S2/Ds < 1.0 (4)
但し、D_S2は、開口絞りから第2レンズ群の最も物体側のレンズ面までの軸上距離であり、Dsは、第1レンズ群の最も像側のレンズ面から開口絞りまでの軸上距離である。
0.2 < D_S2/Ds < 0.5 (4)′
さらに高性能にするためには、以下の条件式(5)を満足すると良い。
0.5< D_12/f < 3.0 (5)
ここで、D_12は第1レンズ群と第2レンズ群の軸上間隔であり、fは全系の焦点距離である。この条件式(5)の上限値を超えると、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が広くなるため、第2レンズ群内を通る軸外光線が高くなりすぎ、軸外収差を十分に補正することが困難である。また、光学系としてのサイズが過大となる。この条件式(5)の下限値を超えると、第1レンズ群内を通る軸外光線が高くなりすぎ、軸外収差を十分に補正することが困難である。また、開口絞りの口径が過大となる。
1.5 < D_12/f < 2.5 (5)′
負の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群の間隔を比較的大きく取ることによって、十分な画角の確保と球面収差を始めとする各種収差の補正を両立させることができる。また、前側第1レンズ群の負の屈折力を2枚の負レンズで分担させることにより、特定の面で過大な収差が発生することを防ぐことができ、レンズ系全体として非点収差等をより良好に補正することができる。また、曲率の大きな像側面を非球面とすることにより、歪曲収差の補正に大きな効果が得られる他、コマ収差等を補正する役割を持たせることもできる。さらに第2レンズ群に、周辺に行くほど正のパワーが弱くなる、もしくは負のパワーになる非球面レンズを配設することによって、歪曲収差の補正を第1レンズ群の非球面と分担することができ、またコマ収差補正の役割を持たせることもできる。
さらに高性能にするためには、以下の条件式(6)を満足すると良い(請求項2に対応する)。
νa < 40 (6)
但し、νaは、該撮像光学系の中で、第1レンズ群の最も像側のレンズと第2レンズ群の最も物体側のレンズのアッベ数の平均値である。この条件式(6)の上限値を超えると、倍率色収差が劣化および色コマ収差が劣化する。下光線は、固定絞りによって適切に定義されているため、第1レンズ群の最も像側のレンズと第2レンズ群の最も物体側のレンズは、比較的上光線側の収差補正に利用することができる。
以下に述べる実施例1〜実施例4は、本発明に係る撮像光学系の実施の形態でもあり、具体的数値例による具体的構成の実施例をも示すものである。
実施例1〜実施例4に示されるような撮像光学系を用いた本発明に係るカメラ装置および携帯情報端末装置の実施の形態については、図9および図10を用いて後述する。
以下に、本発明の撮像光学系の具体的な数値実施例を示す。なお、全ての実施例において最大像高は、4.80mmである。
各実施例において、第2レンズ群2の像面側に配設される平行平板MFは、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、CCDセンサ等の受光素子のカバーガラス(シールガラス)を想定したものである。
各実施例の収差は、高いレベルで補正されており、球面収差、軸上色収差は問題にならないほど小さい。非点収差、像面湾曲、倍率色収差も十分に小さく、コマ収差やその色差の乱れも最周辺部まで良く抑えられている他、歪曲収差も絶対値で2.0%以下となっている。本発明のように撮像光学系を構成することにより、画角が76°程度と広角で、かつ、Fナンバーが2.4程度以下と大口径でありながら、非常に良好な像性能を確保し得ることは、実施例より明らかである。
f :撮像光学系全系の焦点距離
Fno :Fナンバー
ω :半画角
Y′:最大像高
R :曲率半径
D :面間隔
Nd :屈折率
νd :アッベ数
K :非球面の円錐定数
A2 :2次の非球面係数
A4 :4次の非球面係数
A6 :6次の非球面係数
A8 :8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
ただし、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、面頂点から光軸方向の変位量をX、非球面係数をA2iとして、非球面は、以下の式(7)で定義される。
図1に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、正メニスカスタイプの正レンズである第3レンズE3、固定絞りFB、開口絞りFA、両凸タイプの正レンズである第4レンズE4、両凹タイプの負レンズである第5レンズと像面側に非球面を形成した両凸タイプの正レンズである第6レンズE6とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、像面側に非球面を形成した両凸タイプの正レンズである第7レンズE7を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第7レンズE7が第2レンズ群G2を構成する。
第1レンズ群G1の中で、負の屈折力を有する物体側に位置する第1レンズE1と第2レンズE2とをもって、前側第1レンズ群1Fを構成し、正の屈折力を有する像側に位置する第3レンズE3をもって後側第1レンズ群1Rを構成する。
例えば、ディジタルスティルカメラのように、CCD撮像素子等の固体撮像素子を用いるタイプのカメラの撮像光学系では、第7レンズE7の最終面と像面FSとの間に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタおよびCCD撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス類の少なくともいずれか(以下、「光学フィルタMF」と総称する)を構成する。
また、図5は、図1に示す本発明に係る数値実施例1による撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例1においては、焦点距離f=5.97mm、Fno=2.09としている。各光学面の特性は、表1の通りである。
図2に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、正メニスカスタイプの正レンズである第3レンズE3、固定絞りFB、開口絞りFA、正メニスカスタイプの正レンズである第4レンズE4、両凸レンズタイプの正レンズである第5レンズE5と両凹レンズタイプの負レンズである第6レンズE6とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、両凸タイプの正レンズである第7レンズE7と、像面側に非球面を形成した両凸タイプの正レンズである第8レンズE8を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第8レンズE8が第2レンズ群G2を構成する。
第1レンズ群G1の中で、負の屈折力を有する物体側に位置する第1レンズE1と第2レンズE2とをもって、前側第1レンズ群1Fを構成し、正の屈折力を有する像側に位置する第3レンズE3をもって後側第1レンズ群1Rを構成する。
例えば、ディジタルスティルカメラのように、CCD撮像素子等の固体撮像素子を用いるタイプのカメラの撮像光学系では、第8レンズE8の最終面と像面FSとの間に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタおよびCCD撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス類の少なくともいずれか(以下、「光学フィルタMF」と総称する)を構成する。
また、図6は、図2に示す本発明に係る数値実施例2による撮像光学系L2の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例2においては、焦点距離f=6.01mm、Fno=2.15としている。各光学面の特性は、表4の通りである。
図3に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、正メニスカスタイプの正レンズである第3レンズE3、固定絞りFB、開口絞りFA、両凸タイプの正レンズである第4レンズE4と両凹タイプの負レンズである第5レンズE5とを密接に貼り合わせてなる接合レンズ、像面側に非球面を形成した正メニスカスタイプの正レンズである第6レンズE6、像面側に非球面を形成した両凸タイプの正レンズである第7レンズE7を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が、第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第7レンズE7が、第2レンズ群G2を構成する。
第1レンズ群G1の中で、負の屈折力を有する物体側に位置する第1レンズE1と第2レンズE2とをもって、前側第1レンズ群1Fを構成し、正の屈折力を有する像側に位置する第3レンズE3をもって後側第1レンズ群1Rを構成する。
例えば、ディジタルスティルカメラのように、CCD撮像素子等の固体撮像素子を用いるタイプのカメラの撮像光学系では、第7レンズE7の最終面と像面FSとの間に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタおよびCCD撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス類の少なくともいずれか(以下、「光学フィルタMF」と総称する)を構成する。
また、図7は、図3に示す本発明に係る数値実施例3による撮像光学系L3の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例3においては、焦点距離f=5.94mm、Fno=2.14としている。各光学面の特性は、表7の通りである。
図4に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、正メニスカスタイプの正レンズからなる第3レンズE3、固定絞りFB、開口絞りFA、両凸タイプの正レンズである第4レンズE4、両凸レンズタイプの正レンズである第5レンズE5、両凹レンズタイプの負レンズである第6レンズE6と両凸レンズタイプの正レンズである第7レンズE7とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、像面側に非球面を形成した両凸タイプの正レンズである第8レンズE8を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第8レンズE8が第2レンズ群G2を構成する。
第1レンズ群G1の中で、負の屈折力を有する物体側に位置する第1レンズE1と第2レンズE2とをもって、前側第1レンズ群1Fを構成し、正の屈折力を有する像側に位置する第3レンズE3をもって後側第1レンズ群1Rを構成する。
例えば、ディジタルスティルカメラのように、CCD撮像素子等の固体撮像素子を用いるタイプのカメラの撮像光学系では、第8レンズE8の最終面と像面FSとの間に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタおよびCCD撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス類の少なくともいずれか(以下、「光学フィルタMF」と総称する)を構成する。
また、図8は、図4に示す本発明に係る数値実施例4による撮像光学系L4の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例4においては、焦点距離f=6.00mm、Fno=2.06としている。各光学面の特性は、表10の通りである。
図8は、上述した実施例4に係る図4に示した本発明の撮像光学系L4の各収差球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
各収差曲線中、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、破線はメリディオナルをあらわしている。
図8のうち、太線は、g線に対する収差曲線図、また、細線は、d線に対する収差曲線図である。
上述した本発明の実施例4に係る図4に示した構成の撮像光学系L4によれば、図8に示すように、収差は高いレベルで補正されており、球面収差、軸上色収差は問題にならないほど小さい。非点収差、像面湾曲、倍率色収差も十分に小さく、コマ収差やその色差の乱れも最周辺部まで良く抑えられている他、歪曲収差も絶対値で2.0%以下となっている。本発明に係る実施例4のように撮像光学系L4を構成することにより、焦点距離が6.00で、かつ、Fナンバーが2.06程度以下と大口径でありながら、非常に良好な像性能を確保し得ることが明らかである。
図9(a)、(b)に示すように、カメラ装置110は、撮影レンズ101、シャッタボタン102、ファインダ104、ストロボ105、液晶モニタ106、操作部材107、電源スイッチ108、メモリカードスロット109等を備えている。さらに、図10に示すように、カメラ装置110は、受光素子201、信号処理装置202、画像処理装置203、中央演算装置(CPU)204、半導体メモリ205および通信カード等206も備えている。
受光素子201の出力は、中央演算装置204によって制御される信号処理装置202によって処理され、ディジタル画像情報に変換される。信号処理装置202によってディジタル化された画像情報は、やはり中央演算装置204によって制御される画像処理装置203において所定の画像処理が施された後、不揮発性メモリ等の半導体メモリ205に記録される。この場合、半導体メモリ205は、メモリカードスロット109に装填されたメモリカードでもよく、カメラ装置本体に内蔵された半導体メモリでもよい。液晶モニタ106には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ205に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ205に記録した画像は、通信カードスロット(図示せず)に装填した通信カード等206を介して外部へ送信することも可能である。
多くの場合、シャッタボタン102の半押し操作により、フォーカシングがなされる。先に述べた実施例1〜4に示されたような撮像光学系L1〜L4におけるフォーカシングは、第2群レンズ群G2の全部または一部の移動によって行われるが、受光素子201の移動によって行うこともできる。シャッタボタン102をさらに押し込み全押し状態とすると撮影が行なわれ、その後に上述した通りの処理がなされる。
半導体メモリ205に記録した画像を液晶モニタ106に表示させたり、通信カード等206を介して外部へ送信させる際には、操作部材107を所定のごとく操作する。半導体メモリ205および通信カード等206は、メモリカードスロット109等のような、それぞれ専用または汎用のスロットに装填して使用される。
E1〜E8 第1レンズ〜第8レンズ
1F 前側第1レンズ群
1R 後側第1レンズ群
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
FA 開口絞り
FB 固定絞り
MF 光学フィルタ
FS 像面
101 撮影レンズ
102 シャッタボタン
104 ファインダ
105 ストロボ
106 液晶モニタ
107 操作部材
108 電源スイッチ
109 メモリカードスロット
110 カメラ装置
201 受光素子
202 信号処理装置
203 画像処理装置
204 中央演算装置
205 半導体メモリ
206 通信カード等
Claims (5)
- 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とを配設し、
前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に固定絞りを配設し、
前記第1レンズ群は物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸で像面側が非球面形状である負のメニスカスレンズと、1枚の正レンズとからなり、
前記第2レンズ群は、最も物体側のレンズ面が物体側に凸の形状を持ち、正レンズと接合された両凹レンズからなる負レンズと、少なくとも一面に非球面形状を持つ正レンズを少なくとも一つ以上含む4枚または5枚のレンズで構成され、
以下の条件式(1)〜(3)、(4′)、(5)を満足することを特徴とする撮像光学系。
0.4 < Dc/Ds < 0.8 (1)
1.0 < D_1/f < 2.0 (2)
1.5 < |f1|/f < 3.0 (3)
0.2< D_S2/Ds <0.5 (4′)
0.5< D_12/f <3.0 (5)
但し、Dcは、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記固定絞りまでの軸上距離であり、Dsは、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記開口絞りまでの軸上距離、
D_1は、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から最も物体側のレンズ面までの軸上距離であり、fは、全系の焦点距離、
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離であり、
D_S2は、前記開口絞りから前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面までの軸上距離であり、Dsは、前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面から前記開口絞りまでの軸上距離、
D_12は、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の軸上間隔である。 - 請求項1に記載の撮像光学系において、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする撮像光学系。
νa<40 (6)
但し、νaは、前記撮像光学系の中で、前記第1レンズ群の最も像側のレンズと前記第2レンズ群の最も物体側のレンズのアッベ数の平均値である。 - 請求項1または2に記載の撮像光学系を有することを特徴とするカメラ装置。
- 請求項3に記載のカメラ装置において、撮影画像をデジタル情報とする機能を有することを特徴とするカメラ装置。
- 請求項1または2に記載の撮像光学系を有することを特徴とする携帯情報端末装置。
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