JP6160130B2 - 結像レンズ、カメラおよび携帯情報端末装置 - Google Patents

結像レンズ、カメラおよび携帯情報端末装置 Download PDF

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Description

本発明は、有限距離の被検物を高精度に検査し、画像処理に使用することができる結像レンズに係り、特に、デジタルカメラ、ビデオカメラに撮像用光学系として用いられる単焦点の結像レンズの改良に係り、特に、デジタルカメラおよびビデオカメラ等のカメラに好適な結像レンズ並びにそのような結像レンズを用いるカメラおよび携帯情報端末装置に関するものである。
近年においては、デジタルカメラまたは電子カメラ等と称され、被写体像を、例えばCCD(電荷結合素子)撮像素子等の固体撮像素子により撮像し、被写体の静止画像(スティル画像)または動画像(ムービー画像)の画像データを得て、フラッシュメモリに代表される不揮発性半導体メモリ等にデジタル的に記録するタイプのカメラが、一般化している。このようなデジタルカメラの市場は、非常に大きなものとなっており、ユーザのデジタルカメラに対する要望も多岐にわたっている。その中で、高性能な単焦点レンズを搭載した小型で高画質のコンパクトカメラというカテゴリがユーザから一定の支持を得ており、期待も大きい。ユーザからの要望としては、高性能であることに加え、広角であり、Fナンバ(以下、単に「F」と称することがある)が小さい、つまり、大口径であることに対するウエイトが高い。
デジタルカメラ用の結像レンズには、多くの種類が考えられるが、広角単焦点レンズの代表的な構成としては、物体側に負の屈折力のレンズ群、像側に正の屈折力のレンズ群を配設した、いわゆるレトロフォーカスタイプが挙げられる。各画素毎に色フィルタやマイクロレンズを有するエリアセンサの特性から、射出瞳位置を像面から遠ざけ、周辺光束がセンサに対し垂直に近い角度で入射するようにしたいという要求の存在が、レトロフォーカスタイプが採用される主な理由である。
しかしながら、主点が全レンズ系の後方にあるように構成されたレトロフォーカスタイプは、その屈折力配置の非対称性が大きく、コマ収差や歪曲収差、倍率色収差等の補正が不完全になりがちである。また、レトロフォーカスの場合、単純に全体繰り出しでフォーカシングを行うと、フォーカシングにより像面湾曲が発生する。
そのようなレトロフォーカスタイプの結像レンズの従来例の中で、比較的大口径、且つ、広角であるものとして、特許文献1(特開2006−171285号公報)、特許文献2(特開2001−208967号公報)等に開示のものがある。
しかしながら、特許文献1に開示された結像レンズは、F1.4と大口径ではあるものの、全体繰り出しで行う方式であるため、フォーカシングによる像面湾曲を抑制することができていない。
一方、特許文献2に開示された結像レンズは、F1.05と大口径ではあるものの、フォーカシングに関しての記述は無い。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、半画角が34°以上と広角で、且つ、Fナンバが1.4程度と大口径でありながら比較的小型であり、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差、歪曲収差等を十分に低減して、200〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有すると共に、絞り開放から最小絞りに至るまで高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがなく、直線を直線として歪みなく描写可能な、遠距離から近距離まで高性能の結像レンズを提供することを目的としている。
請求項1に記載した本発明に係る結像レンズは、上述した目的を達成するために、
開口絞りを挟んで、物体側に位置する正の屈折力を有する第1レンズ群と、像側に位置する正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成される結像レンズにおいて、前記第1レンズ群を物体側から順に、負レンズL11と正レンズL12で構成する第1Fレンズ群と、負レンズL13と正レンズL14で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群とから構成し、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔が減少し、無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDa、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、前記第1Fレンズ群の焦点距離をf_1F、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記条件式〔1〕、〔2〕
〔1〕 0.05<Da/f<0.3
〔2〕 −0.3<f/f_1F<0.0
を満足することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、開口絞りを挟んで、物体側に位置する正の屈折力を有する第1レンズ群と、像側に位置する正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成される結像レンズにおいて、前記第1レンズ群を物体側から順に、負レンズL11と正レンズL12で構成する第1Fレンズ群と、負レンズL13と正レンズL14で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群とから構成し、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔が減少し、無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDa、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、前記第1Fレンズ群の焦点距離をf_1F、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記条件式〔1〕、〔2〕
〔1〕 0.05<Da/f<0.3
〔2〕 −0.3<f/f_1F<0.0
を満足することにより、半画角が34°程度と広角で、且つ、Fナンバが1.4程度と大口径でありながら比較的小型であり、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差、歪曲収差、球面収差、軸外収差等を十分に低減して、200万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有すると共に、絞り開放から最小絞りに至るまで高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがなく、輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じず、直線を直線として歪みなく描写可能な、遠距離から近距離まで高性能の結像レンズを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態であって、実施例1に係る結像レンズの構成を示す光軸に沿った断面図である。 図1に示す本発明の実施例1による結像レンズが無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 図1に示す本発明の実施例1による結像レンズが近距離物体(像面から0.3mの物体)に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 本発明の第2の実施の形態であって、実施例2に係る結像レンズの構成を示す光軸に沿った断面図である。 図4に示す本発明の実施例2による結像レンズが無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 図4に示す本発明の実施例2による結像レンズが近距離物体(像面から0.3mの物体)に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 本発明の第3の実施の形態であって、実施例3に係る結像レンズの構成を示す光軸に沿った断面図である。 図7に示す本発明の実施例3による結像レンズが無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 図7に示す本発明の実施例3による結像レンズが近距離物体(像面から0.3mの物体)に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 本発明の第4の実施の形態であって、実施例4に係る結像レンズの構成を示す光軸に沿った断面図である。 図10に示す本発明の実施例4による結像レンズが無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 図10に示す本発明の実施例4による結像レンズが近距離物体(像面から0.3mの物体)に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。 本発明の第5の実施の形態に係るカメラとしてのデジタルカメラの外観構成を模式的に示す被写体側から見た斜視図である。 図13のデジタルカメラの外観構成を模式的に示す撮影者側から見た斜視図である。 図13のデジタルカメラの機能構成を模式的に示すブロック図である。
以下、本発明に係る第1〜第4の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の結像レンズ、カメラおよび携帯情報端末装置を詳細に説明する。
具体的な数値による実施例について説明する前に、先ず、本発明の原理的な実施の形態を説明する。
本発明のような、レトロフォーカスタイプの結像レンズは、一般に、物体側に負の屈折力、像側に正の屈折力を配設したものであり、その非対称性から、歪曲収差や倍率色収差等が発生しやすく、それら収差の低減が大きな問題となる。また、大口径化に伴って、コマ収差やコマ収差の色差を補正することが困難となり、さらに課題は積み上がってしまう。また、レトロフォーカスタイプの場合、単純に全体繰り出しでフォーカシングを行うと、フォーカシングにより、像面湾曲が発生する。本発明は、以下の構成を採ることによって、これら収差補正上の課題が解決できることを見出したものである。
すなわち、開口絞りADを挟んで物体側に位置する正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、像側に位置する正の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される結像レンズにおいて、前記第1レンズ群G1を物体側から順に、負レンズL11と正レンズL12で構成する第1Fレンズ群G1Fと、負レンズL13と正レンズL14または負レンズL13と正レンズL14と負レンズL15で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群G1Rとから構成した。
まず、本発明に係る結像レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から負の屈折力(負レンズL11・正レンズL12・負レンズL13)、正の屈折力(正レンズL14または正レンズL14・負レンズL15)が順に配設されるように構成し、その間隔を比較的大きく取ることによって、十分な画角の確保と球面収差を始めとする各種収差の補正を両立させている。ここで、前記正レンズL14または前記正レンズL14・前記負レンズL15は、前記第2レンズ群G2と開口絞りADを挟んで対峙することになり、双方が持つ正の屈折力のバランスによって、コマ収差をコントロールするという側面もある。
フォーカシングにおいては、前記第1Fレンズ群G1Fと前記第1Rレンズ群G1Rの間隔を適切に変化することにより、フォーカシングによる像面湾曲を補正することができる。ここで前記第1Fレンズ群G1Fと前記第1Rレンズ群G1Rの間隔変化は、球面収差やコマ収差への影響が小さいため、全体のコントラストが落ちるような現象を引き起こさないことが良い点である。
結像レンズが無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群G1Fと前記第1Rレンズ群G1Rとの間隔をDa、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、前記第1Fレンズ群の焦点距離をf_1F、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記条件式〔1〕、〔2〕
〔1〕 0.05<Da/f<0.3
〔2〕 −0.3<f/f_1F<0.0
を満足することが望ましい(請求項1に対応する)。
条件式〔1〕の上限値以上であると、像面湾曲を補正することに必要以上に空気間隔を確保することになり、大型化する。大型化しないようにすると、他のスペースを圧縮することになるため、各種収差の補正が困難になる。一方、条件式〔1〕の下限値以下であると、像面湾曲を補正するために必要な空気間隔の確保が困難になるため、フォーカシングによる像面湾曲の補正が困難になる。
また、条件式〔2〕の上限値以上であると、前記負レンズL3が大きな負のパワーを有することになり、前記負レンズL11と前記負レンズL13で分担して収差補正できなくなり、特に軸外収差を補正することが困難になる。一方、条件式〔2〕の下限値以下であると、前記第1Fレンズ群G1Fが前記第1Rレンズ群G1Rや前記第2レンズ群G2と球面収差のやりとりをしてしまうため、前記第1Fレンズ群G1Fと前記第1Rレンズ群G1Rの間隔変化による球面収差を補正することが困難になる。
尚、条件式(1)を満足する構成としてもよい(請求項2に対応する)。
さらに高性能にするためには、前記第1Fレンズ群G1Fの焦点距離をf_1Fとし、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記条件式〔2〕:
〔2〕 −0.3<f/f_1F<0.0
を満足することが望ましい(請求項3に対応する)。
条件式〔2〕の上限値以上であると、前記負レンズL3が大きな負のパワーを有することになり、前記負レンズL11と前記負レンズL13で分担して収差補正できなくなり、特に軸外収差を補正することが困難になる。一方、条件式〔2〕の下限値以下であると、前記第1Fレンズ群G1Fが前記第1Rレンズ群G1Rや前記第2レンズ群G2と球面収差のやりとりをしてしまうため、前記第1Fレンズ群G1Fと前記第1Rレンズ群G1Rの間隔変化による球面収差を補正することが困難になる。
さらに高性能にするためには、無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群G1Fと前記第1Rレンズ群G1Rの間隔をDaとし、像面から0.3mの距離にある物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群G1Fと前記第1Rレンズ群G1Rの間隔をDbとして、
下記の条件式〔3〕:
〔3〕 0.1<(Da−Db)/Da<0.7
を満足することが望ましい(請求項4に対応する)。
条件式〔3〕の上限値以上であると、遠距離から近距離にフォーカシングする際に発生する正の像面湾曲を十分に補正することが困難になる。また、条件式〔3〕の下限値以下であると、遠距離から近距離にフォーカシングする際に発生する正の像面湾曲を過剰補正することになり、負の像面湾曲が発生することになる。
さらに高性能にするためには、前記第1Fレンズ群G1Fの光軸上での厚さをD_1Fとし、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記の条件式〔4〕:
〔4〕 0.5<D_1F/f<1.5
を満足することが望ましい(請求項5に対応する)。
条件式〔4〕の上限値以上であると、前記第1FレンズG1Fが大型化する。大型化しないようにすると、他のスペースを小さくしなければならないため、各種収差の補正が困難になる。また、条件式〔4〕の下限値以下であると、前記第1Fレンズ群G1F内の収差補正が困難になる。
さらに高性能にするためには、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとし、無限遠物体に合焦した状態における前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1として、
下記の条件式〔5〕:
〔5〕 0.2<f/f1<0.7
を満足することが望ましい(請求項6に対応する)。
条件式〔5〕の上限値以上であると、前記第1レンズ群G1のパワーが強くなりすぎ、前記第1レンズ群G1内の収差補正が困難になる。また前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2間で大きな収差補正を行うと、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2の偏心や間隔変化に対して画質劣化が大きくなる。前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2の間には、開口絞りADがあり偏心や間隔変化をメカ構成で小さくしにくいこともあり、そのような収差補正は望めない。そして、条件式〔5〕の下限値以下であると、前記第1レンズ群G1の正のパワーが弱くなりすぎ、その分前記第2レンズ群G2が正のパワーが強くなりすぎることになり、前記第2レンズ群G2内の収差補正が困難になる。
さらに、前記第1Rレンズ群G1Rの前記負レンズL13と前記正レンズL14の光軸上での間隔をDcとし、前記第1Rレンズ群G1Rの光軸上での厚さをD_1Rとして、
下記条件式〔6〕
〔6〕 0.4<Dc/D_1R<0.8
を満足することが望ましい(請求項7に対応する)。
上記間隔Dcを比較的大きく取ることによって、十分な画角の確保と球面収差を始めとする各種収差の補正を両立させている。条件式〔6〕の下限値以下であると、球面収差を始めとする各種収差の補正することが困難になる。また、条件式〔6〕の上限値以上であると、間隔が大きくなりすぎ、前記第1Rレンズ群G1Rを構成するレンズの自由度が小さくなりすぎ、各種収差補正をすることが困難になる。
高性能でありながら、安価にするためには、前記第1レンズ群R1は球面レンズのみで構成すると良い(請求項8に対応する)。
レトロフォーカスレンズの場合、物体側に配置される負レンズに非球面を用いることにより、歪曲収差を低減していることが多い。しかしながら、本発明においては、物体側から負レンズL11、正レンズL12、負レンズL13と構成することにより、非球面を用いないでも歪曲収差を抑えられる構成になっている。
前記第2レンズ群G2は、物体側から順に負レンズL21、正レンズL22、負レンズL23、正レンズL24、正レンズL25で構成すると良い(請求項9に対応する)。前記負レンズL21と前記正レンズL22は、接合レンズであることが望ましい。
本発明の結像レンズにおいて、前記正レンズL14または前記正レンズL14・前記負レンズL15と前記第2レンズ群G2は、結像作用を担っている。前記正レンズL14、前記負レンズL21、前記正レンズL22の屈折力配置は、いわゆるトリプレットとしているが、大口径でありながら、コマ収差の色差も十分に補正するためには、前記負レンズL15を追加すると良い(請求項2に対応する)。
前記第2レンズ群G2のうち、前記負レンズL23、前記正レンズL24、前記正レンズL25とをもって構成することにより、各種収差を補正しつつ射出瞳距離のコントロールの役目も持たせている。
上述したように、請求項1に記載の発明によれば、半画角が34°程度と広角で、且つ、Fナンバが1.4程度と大口径でありながら比較的小型であり、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差、歪曲収差等を十分に低減して、200万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有すると共に、絞り開放から最小絞りに至るまで高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがなく、輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じず、直線を直線として歪みなく描写可能な、遠距離から近距離まで高性能の結像レンズを提供することができる。
さらに、高性能にするには、開口絞りを挟んで、物体側に位置する正の屈折力を有する第1レンズ群と、像側に位置する正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成される結像レンズにおいて、前記第1レンズ群を物体側から順に、負レンズL11と正レンズL12で構成する第1Fレンズ群と、負レンズL13と正レンズL14と負レンズL15で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群とから構成し、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔が減少し、無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDaとし、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記条件式〔1〕:
〔1〕 0.05<Da/f<0.3
を満足することが望ましい(請求項2に対応する)。
このように構成することにより、請求項1に記載の発明と同様の効果に加えて、コマ収差も十分に補正し得る結像レンズを提供することができる。
さらに、高性能にするためには、前記第1Fレンズ群の焦点距離をf_1Fとし、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記条件式〔2〕:
〔2〕 −0.3<f/f_1F<0.0
を満足することが望ましい(請求項3に対応する)。
これにより、各収差をより良好に補正した高性能の結像レンズを提供することができる。
さらに高性能にするためには、無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDaとし、
像面から0.3mの距離にある物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDbとして、
下記の条件式〔3〕:
〔3〕 0.1<(Da−Db)/Da<0.7
を満足することが望ましい(請求項4に対応する)。
これにより、各収差をより良好に補正し、高性能でありながら、小型な結像レンズを提供することができる。
さらに、高性能にするためには、下記の条件式〔5〕を満足することが望ましい。
即ち、前記第1Fレンズ群の光軸上での厚さをD_1Fとし、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
下記の条件式〔4〕:
〔4〕 0.5<D_1F/f<1.5
を満足するが望ましい(請求項5に対応する)。
この条件式〔4〕を満足することにより、各収差をより良好に補正し、高性能でありながら、小型な結像レンズを提供することができる。
さらに、高性能にするためには、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとし、無限遠物体に合焦した状態における前記第1レンズ群の焦点距離をf1として、
下記の条件式〔5〕:
〔5〕 0.2<f/f1<0.7
を満足することが望ましい(請求項6に対応する)。
この条件式〔5〕を満足することにより、各収差をより良好に補正した高性能の結像レンズを提供することができる。
さらに、高性能にするためには、前記第1Rレンズ群の前記負レンズL13と前記正レンズL14の光軸上での間隔をDcとし、前記第1Rレンズ群の光軸上での厚さをD_1Rとして、
下記条件式〔6〕
〔6〕 0.4<Dc/D_1R<0.8
を満足することが望ましい(請求項7に対応する)。
この条件式〔6〕を満足することにより、各収差をより良好に補正し、高性能でありながら、小型な結像レンズを提供することができる。
高性能でありながら、小型で且つ安価にするためには、第1レンズ群は、球面レンズのみで構成すると良い(請求項8に対応する)。
さらに、各収差をより良好に補正した高性能の結像レンズとするには、前記第2レンズ群は、物体側から順に、負レンズL21、正レンズL22、負レンズL23、正レンズL24、正レンズでL25で構成することが望ましい(請求項9に対応する)。
さらに、上記負レンズL21と正レンズL22は、接合レンズであることが望ましい。
また、負レンズL23、正レンズL24、正レンズでL25から構成することにより、各種収差を補正しつつ射出瞳距離のコントロールの役目も持たせている。
さらに望ましくは、カメラにおいて、撮像用光学系として請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の結像レンズを有することにより、次に述べる効果が得られる(請求項10に対応する)。
即ち、半画角が34°程度と広角で、且つ、Fナンバが1.4程度と大口径でありながら比較的小型であり、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差、歪曲収差等を十分に低減して、200万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有すると共に、絞り開放から最小絞りに至るまで高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがなく、輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じず、直線を直線として歪みなく描写可能な、遠距離から近距離まで高性能の結像レンズを撮影光学系として使用した、小型で高画質のカメラを提供ことができるため、ユーザは携帯性に優れたカメラで高画質な画像を撮影することができる。
さらに望ましくは、携帯情報端末装置において、
撮像機能を有し、撮像用光学系として、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の結像レンズを有することにより、次に述べる効果が得られる(請求項11に対応する)。
即ち、半画角が34°程度と広角で、且つ、Fナンバが1.4程度と大口径でありながら比較的小型であり、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差、歪曲収差等を十分に低減して、200万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有すると共に、絞り開放から高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがなく、輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じず、直線を直線として歪みなく描写可能な、遠距離から近距離まで高性能の結像レンズをカメラ機能部の撮影光学系として使用した、小型で高画質の携帯情報端末装置を提供ことができるため、ユーザは携帯性に優れた携帯情報端末装置で高画質な画像を撮影し、その画像を外部へ送信したりするため、ユーザは、携帯性に優れた携帯情報端末装置で、高画質な画像を撮影し、その画像を外部へ送信したりすることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態および具体的な実施例(数値実施例)を詳細に説明する。以下に述べる実施例1、実施例2、実施例3および実施例4は、本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態および第4の実施の形態に係る結像レンズの具体的数値例による具体的構成の実施例である。そして第5の実施の形態は、実施例1〜実施例4に示される結像レンズを撮像光学系として用いたカメラまたは携帯情報端末装置の実施の形態である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る実施例1における結像レンズを説明するためのものであり、図4は、本発明の第2の実施の形態に係る実施例2における結像レンズを説明するためのものであり、図7は、本発明の第3の実施の形態に係る実施例3における結像レンズを説明するためのものであり、図10は、本発明の第4の実施の形態に係る実施例4における結像レンズを説明するためのものである。
なお、実施例1〜実施例4の全ての実施例において、最大像高は5.5mmである。
実施例1〜実施例4の各実施例の結像レンズにおいて、後側レンズ群としての第2レンズ群G2の像側に配設される平行平板は、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、CMOSセンサ等の受光素子のカバーガラス(シールガラス)を想定したものである。
なお、これら実施例1〜実施例4の各実施例において用いている光学ガラスの硝材は、株式会社オハラ(OHARA)の製品の光学硝種名で示している。
通例の結像レンズにおいては、いくつかのレンズ面を非球面とする場合があるが、本発明に係る実施例では、全て球面レンズを示してあるが、少なくとも第1レンズ群G1は、球面レンズのみで構成することが望ましい。
高性能でありながら、安価に構成できるからである。
実施例1〜実施例4の各実施例の収差は高いレベルで補正されており、半画角が34°程度と広角で、且つ、Fナンバが1.4程度と大口径でありながら比較的小型であり、特に、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差等を十分に低減して、200万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有すると共に、絞り開放から高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがなく、歪曲収差も絶対値で2.0%となっている。また、輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じず、直線を直線として歪みなく描写可能な、遠距離から近距離まで高性能像性能を確保し得ることは、実施例1〜実施例4の各実施例より明らかである。
実施例1〜実施例4の各実施例に共通の記号の意味は、次の通りである。
f:光学系全系の焦点距離
F:F値(Fナンバ)
ω:半画角(°)
R:曲率半径
D:面間隔
N:屈折率
ν:アッベ数
図1は、本発明の第1の実施の形態で且つ実施例1に係る結像レンズの光学系の光軸に沿う縦断面のレンズ構成を示している(請求項1に対応する)。
すなわち、本発明の実施例1に係る結像レンズの光学系は、図1に示すように、物体側から像面側に向かって、順次、第1レンズL11、第2レンズL12、第3レンズL13、第4レンズL14、開口絞りAD、第5レンズL21、第6レンズL22、第7レンズL23、第8レンズL24、第9レンズL25を配置しており、第5レンズL21と第6レンズL22は、接合レンズを構成している。
レンズ群構成に着目すると、開口絞りADを挟んで物体側に位置する第1レンズL11〜第4レンズL14により正の屈折力を有する前側レンズ群としての第1レンズ群G1を構成する。そして開口絞りADを挟んで像側に位置する第5レンズL21〜第9レンズL25により正の屈折力を有する後側レンズ群としての第2レンズ群G2を構成している。つまり、図1に示す結像レンズの光学系は、これら第1レンズ群G1、開口絞りAD、そして第2レンズ群G2を、物体側から像面側に向かって、順次、配置した構成としている。
詳細には、前側レンズ群としての第1レンズ群G1は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第1レンズL11と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第2レンズL12と、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第3レンズL13と、そして像面側に物体側より大きな曲率の凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第4レンズL14とを配置して、第1レンズ群G1として正の屈折力を示すように構成している。
前側レンズ群としての第1レンズ群G1と後側レンズ群としての第2レンズ群G2との間に開口絞りADを配置している。
後側レンズ群としての第2レンズ群G2は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に像側の面より曲率の大きな凹面を向けて両凹形状をなす負レンズからなる第5レンズL21と、像側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第6レンズL22と、物体側に凸面を向け負メニスカス形状をなす負レンズからなる第7レンズL23と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第8レンズL24と、物体側に像側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第9レンズL25とを配置して、第2レンズ群G2として正の屈折力を示すように構成している。なお、第5レンズL21と第6レンズL22の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
すなわち、第1レンズ群G1は、第1レンズL11と第2レンズL12からなる負の屈折力を有する第1Fレンズ群G1Fと、第3レンズL13と第4レンズL14で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群G1Rとから構成される。
さらに、第2レンズ群G2の後方、すなわち像側には、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、受光素子のカバーガラス(シールガラス)を等価的な平行平板として示すフィルタガラスが配置される。
いわゆるデジタルスティルカメラのように、CCD(電荷結合素子)センサまたはCMOS(相補型金属酸化物半導体)センサ等の固体撮像素子を用いるタイプの撮像光学系では、バック挿入ガラス、ローパスフィルタ、赤外カットガラスおよび固体撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス等の少なくとも何れかを介挿するが、本実施例ではこれらを代表して各種フィルタMFとして、等価的に1枚の平行平板として示している。なお、実施例2〜実施例4においても等価的に1枚の平行平板として各種フィルタMFを示しているが、本実施例における各種フィルタMFと同様に、バック挿入ガラス、ローパスフィルタ、赤外カットガラスおよびカバーガラス等の少なくとも何れかを代表してあらわしている。
第1レンズ群G1、第2レンズ群G2は、少なくとも一方が、使用時には、適宜なる支持枠等によって支持されており、目的とする物体に合焦させるフォーカシングに際しては、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間隔を変化させてフォーカシングを行う。
図1には、結像レンズの光学系における各光学面の面番号も示している。なお、図1に示す各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため、図4、図7、図10等と共通の参照符号を付していてもそれらに対応する実施例とはかならずしも共通の構成ではない。
この実施例1においては、光学系全系の焦点距離f、開放F値Fおよび半画角ω〔°〕が、それぞれf=8.17、F=1.43、ω=34.4°であり、この実施例1における各光学要素における光学面の曲率半径R、隣接する光学面の面間隔D、屈折率N、アッベ数νおよびレンズ材料等の光学特性は、次表1の通りである。
Figure 0006160130
第1レンズ群G1中の第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間の可変間隔DA、そして第2レンズ群G2と各種フィルタMFとの間の可変間隔DBは、フォーカシングに際して、無限遠物体(Inf)に合焦した状態と、像面から0.3m(300mm)の距離にある物体に合焦した状態等で次表[2]のように変化させられる。
Figure 0006160130
即ち、上表[2]のように、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rの間隔DAが減少していることが分かる。
また、この実施例1における先に述べた条件式〔1〕〜〔6〕に対応する値は、それぞれ、次表〔3〕の通りとなる。
Figure 0006160130
従って、この実施例1における先に述べた条件式〔1〕〜条件式〔6〕に係る数値は、それぞれ各条件式の範囲内であり、条件式〔1〕〜条件式〔6〕を満足している。
また、図2に、実施例1に係る結像レンズが、無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。そして、図3に、実施例1に係る結像レンズが像面から0.3mの距離にある物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。なお、これらの収差曲線図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図におけるgおよびdはそれぞれ、g線およびd線をあらわしている。これらは、他の実施例に係る収差曲線図についても同様である。
図4は、本発明の第2の実施の形態で且つ実施例2に係る結像レンズの光学系の光軸に沿う縦断面のレンズ構成を示している(請求項2に対応する。尚、実施例3および実施例4も、同様に請求項2に対応する)。
すなわち、本発明の実施例2に係る結像レンズの光学系は、図4に示すように、物体側から像面側に向かって、順次、第1レンズL11、第2レンズL12、第3レンズL13、第4レンズL14、第5レンズL15、開口絞りAD、第6レンズL21、第7レンズL22、第8レンズL23、第9レンズL24、第10レンズL25を配置している。第4レンズL14と第5レンズL15および第6レンズL21と第7レンズL22は、接合レンズを構成している。
レンズ群構成に着目すると、開口絞りADを挟んで物体側に位置する第1レンズL11〜第5レンズL15により正の屈折力を有する前側レンズ群としての第1レンズ群G1を構成する。そして開口絞りADを挟んで像側に位置する第6レンズL21〜第10レンズL25により正の屈折力を有する後側レンズ群としての第2レンズ群G2を構成している。つまり、図4に示す結像レンズの光学系は、これら第1レンズ群G1、開口絞りAD、そして第2レンズ群G2を、物体側から像面側に向かって、順次、配置した構成としている。
詳細には、前側レンズ群としての第1レンズ群G1は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第1レンズL11と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第2レンズL12と、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第3レンズL13と、そして像面側に物体側より大きな曲率の凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第4レンズL14と、像面側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第5レンズL15とを配置して、第1レンズ群G1として正の屈折力を示すように構成している。
なお、第4レンズL14と第5レンズL15の2枚のレンズは、2枚接合からなる接合レンズを形成している。前側レンズ群としての第1レンズ群G1と後側レンズ群としての第2レンズ群G2との間に開口絞りADを配置している。
後側レンズ群としての第2レンズ群G2は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に像側の面より曲率の大きな凹面を向けて両凹形状をなす負レンズからなる第6レンズL21と、像側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第7レンズL22と、物体側に凸面を向け負メニスカス形状をなす負レンズからなる第8レンズL23と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第9レンズL24と、物体側に凸面を向けて正メニスカス形状をなす正レンズからなる第10レンズL25とを配置して、第2レンズ群G2として正の屈折力を示すように構成している。
なお、第6レンズL21と第7レンズL22の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
すなわち、第1レンズ群G1は、第1レンズL11と第2レンズL12からなる負の屈折力を有する第1Fレンズ群G1Fと、第3レンズL13と第4レンズL14と第5レンズL15で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群G1Rとから構成される。
さらに、これら第2レンズ群G2の後方、すなわち像側には、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、受光素子のカバーガラス(シールガラス)を等価的な平行平板として示すフィルタガラスが配置される。
いわゆるデジタルスティルカメラのように、CCD(電荷結合素子)センサまたはCMOS(相補型金属酸化物半導体)センサ等の固体撮像素子を用いるタイプの撮像光学系では、バック挿入ガラス、ローパスフィルタ、赤外カットガラスおよび固体撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス等の少なくとも何れかを介挿するが、本実施例ではこれらを代表して各種フィルタMFとして、等価的に1枚の平行平板として示している。
第1Fレンズ群G1Fおよび第1Rレンズ群G1Rは、少なくとも一方が、使用時には、適宜なる支持枠等によって支持されており、目的とする物体に合焦させるフォーカシングに際しては、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間隔を変化させてフォーカシングを行う。
図4には、結像レンズの光学系における各光学面の面番号も示している。なお、図4に示す各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため、図1、図7、図10等と共通の参照符号を付していてもそれらに対応する実施例とはかならずしも共通の構成ではない。
この実施例2においては、光学系全系の焦点距離f、開放F値Fおよび半画角ω〔°〕が、それぞれf=8.22、F=1.47、ω=34.1°であり、この実施例2における各光学要素における光学面の曲率半径R、隣接する光学面の面間隔D、屈折率N、アッベ数νおよびレンズ材料等の光学特性は、次表4の通りである。
Figure 0006160130
第1レンズ群G1中の第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間の可変間隔DA、そして第2レンズ群G2と各種フィルタMFとの間の可変間隔DBは、フォーカシングに際して、無限遠物体(Inf)に合焦した状態と、像面から0.3m(300mm)の距離にある物体に合焦した状態等で次表[5]のように変化させられる。
Figure 0006160130
即ち、上表[5]のように、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rの間隔DAが減少していることが分かる。
また、この実施例2における先に述べた条件式〔1〕〜〔6〕に対応する値は、それぞれ、次表[6]の通りとなる。
Figure 0006160130
従って、この実施例2における先に述べた条件式〔1〕〜条件式〔6〕に係る数値は、それぞれ各条件式の範囲内であり、条件式〔1〕〜条件式〔6〕を満足している。
また、図5に、実施例2に係る結像レンズが、無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。そして、図6に、実施例2に係る結像レンズが像面から0.3mの距離にある物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。なお、これらの収差曲線図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図におけるgおよびdはそれぞれ、g線およびd線をあらわしている。これらは、他の実施例に係る収差曲線図についても同様である。
図7は、本発明の第3の実施の形態で且つ実施例3に係る結像レンズの光学系の光軸に沿う縦断面のレンズ構成を示している。
すなわち、本発明の実施例3に係る結像レンズの光学系は、図7に示すように、物体側から像面側に向かって、順次、第1レンズL11、第2レンズL12、第3レンズL13、第4レンズL14、第5レンズL15、開口絞りAD、第6レンズL21、第7レンズL22、第8レンズL23、第9レンズL24、第10レンズL25を配置している。第4レンズL14と第5レンズL15および第6レンズL21と第7レンズL22は、接合レンズを構成している。
レンズ群構成に着目すると、開口絞りADを挟んで物体側に位置する第1レンズL11〜第5レンズL15により正の屈折力を有する前側レンズ群としての第1レンズ群G1を構成する。そして開口絞りADを挟んで像側に位置する第6レンズL21〜第10レンズL25により正の屈折力を有する後側レンズ群としての第2レンズ群G2を構成している。つまり、図7に示す結像レンズの光学系は、これら第1レンズ群G1、開口絞りAD、そして第2レンズ群G2を、物体側から像面側に向かって、順次、配置した構成としている。
詳細には、前側レンズ群としての第1レンズ群G1は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第1レンズL11と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第2レンズL12と、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第3レンズL13と、そして像面側に物体側より大きな曲率の凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第4レンズL14と、像面側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第5レンズL15とを配置して、第1レンズ群G1として正の屈折力を示すように構成している。
なお、第4レンズL14と第5レンズL15の2枚のレンズは、2枚接合からなる接合レンズを形成している。前側レンズ群としての第1レンズ群G1と後側レンズ群としての第2レンズ群G2との間に開口絞りADを配置している。
後側レンズ群としての第2レンズ群G2は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に像側の面より曲率の大きな凹面を向けて両凹形状をなす負レンズからなる第6レンズL21と、像側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第7レンズL22と、物体側に凸面を向けて負メニスカス形状をなす負レンズからなる第8レンズL23と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第9レンズL24と、物体側に像面側より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第10レンズL25とを配置して、第2レンズ群G2として正の屈折力を示すように構成している。
なお、第6レンズL21と第7レンズL22の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
すなわち、第1レンズ群G1は、第1レンズL11と第2レンズL12からなる負の屈折力を有する第1Fレンズ群G1Fと、第3レンズL13と第4レンズL14と第5レンズL15で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群G1Rとから構成される。
さらに、これら第2レンズ群G2の後方、すなわち像側には、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、受光素子のカバーガラス(シールガラス)を等価的な平行平板として示すフィルタガラスが配置される。
いわゆるデジタルスティルカメラのように、CCD(電荷結合素子)センサまたはCMOS(相補型金属酸化物半導体)センサ等の固体撮像素子を用いるタイプの撮像光学系では、バック挿入ガラス、ローパスフィルタ、赤外カットガラスおよび固体撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス等の少なくとも何れかを介挿するが、本実施例ではこれらを代表して各種フィルタMFとして、等価的に1枚の平行平板として示している。
第1Fレンズ群G1Fおよび第1Rレンズ群G1Rは、少なくとも一方が、使用時には、適宜なる支持枠等によって支持されており、目的とする物体に合焦させるフォーカシングに際しては、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間隔DAを変化させてフォーカシングを行う。
図7には、結像レンズの光学系における各光学面の面番号も示している。なお、図7に示す各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため、図1、図4、図10等と共通の参照符号を付していてもそれらに対応する実施例とはかならずしも共通の構成ではない。
この実施例3においては、光学系全系の焦点距離f、開放F値Fおよび半画角ω〔°〕が、それぞれf=8.24、F=1.43、ω=34.1°であり、この実施例3における各光学要素における光学面の曲率半径R、隣接する光学面の面間隔D、屈折率N、アッベ数νおよびレンズ材料等の光学特性は、次表7の通りである。
Figure 0006160130
第1レンズ群G1中の第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間の可変間隔DA、そして第2レンズ群G2と各種フィルタMFとの間の可変間隔DBは、フォーカシングに際して、無限遠物体(Inf)に合焦した状態と、像面から0.3m(300mm)の距離にある物体に合焦した状態等で次表[8]のように変化させられる。
Figure 0006160130
即ち、上表[8]のように、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rの間隔DAが減少していることが分かる。
また、この実施例3における先に述べた条件式〔1〕〜〔6〕に対応する値は、それぞれ、次表[9]の通りとなる。
Figure 0006160130
従って、この実施例3における先に述べた条件式〔1〕〜条件式〔6〕に係る数値は、それぞれ各条件式の範囲内であり、条件式〔1〕〜条件式〔6〕を満足している。
また、図8に、実施例3に係る結像レンズが、無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。そして、図9に、実施例3に係る結像レンズが像面から0.3mの距離にある物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。なお、これらの収差曲線図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図におけるgおよびdはそれぞれ、g線およびd線をあらわしている。これらは、他の実施例に係る収差曲線図についても同様である。
図10は、本発明の第4の実施の形態で且つ実施例4に係る結像レンズの光学系の光軸に沿う縦断面のレンズ構成を示している。
すなわち、本発明の実施例4に係る結像レンズの光学系は、図10に示すように、物体側から像面側に向かって、順次、第1レンズL11、第2レンズL12、第3レンズL13、第4レンズL14、第5レンズL15、開口絞りAD、第6レンズL21、第7レンズL22、第8レンズL23、第9レンズL24、第10レンズL25を配置している。第4レンズL14と第5レンズL15および第6レンズL21と第7レンズL22は、接合レンズを構成している。
レンズ群構成に着目すると、開口絞りADを挟んで物体側に位置する第1レンズL11〜第5レンズL15により正の屈折力を有する前側レンズ群としての第1レンズ群G1を構成する。そして開口絞りADを挟んで像側に位置する第6レンズL21〜第10レンズL25により正の屈折力を有する後側レンズ群としての第2レンズ群G2を構成している。つまり、図10に示す結像レンズの光学系は、これら第1レンズ群G1、開口絞りAD、そして第2レンズ群G2を、物体側から像面側に向かって、順次、配置した構成としている。
詳細には、前側レンズ群としての第1レンズ群G1は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第1レンズL11と、像面側に凸面を向けた正メニスカス形状をなす正レンズからなる第2レンズL12と、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第3レンズL13と、そして像面側に物体側より大きな曲率の凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第4レンズL14と、像面側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第5レンズL15とを配置して、第1レンズ群G1として正の屈折力を示すように構成している。
なお、第4レンズL14と第5レンズL15の2枚のレンズは、2枚接合からなる接合レンズを形成している。前側レンズ群としての第1レンズ群G1と後側レンズ群としての第2レンズ群G2との間に開口絞りADを配置している。
後側レンズ群としての第2レンズ群G2は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に像側の面より曲率の大きな凹面を向けて両凹形状をなす負レンズからなる第6レンズL21と、像側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第7レンズL22と、物体側に凸面を向け負メニスカス形状をなす負レンズからなる第8レンズL23と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けた両凸形状をなす正レンズからなる第9レンズL24と、物体側に像面側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第10レンズL25とを配置して、第2レンズ群G2として正の屈折力を示すように構成している。
なお、第6レンズL21と第7レンズL22の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
すなわち、第1レンズ群G1は、第1レンズL11と第2レンズL12からなる負の屈折力を有する第1Fレンズ群G1Fと、第3レンズL13と第4レンズL14と第5レンズL15で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群G1Rとから構成される。
さらに、これら第2レンズ群G2の後方、すなわち像側には、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、受光素子のカバーガラス(シールガラス)を等価的な平行平板として示すフィルタガラスが配置される。
いわゆるデジタルスティルカメラのように、CCD(電荷結合素子)センサまたはCMOS(相補型金属酸化物半導体)センサ等の固体撮像素子を用いるタイプの撮像光学系では、バック挿入ガラス、ローパスフィルタ、赤外カットガラスおよび固体撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス等の少なくとも何れかを介挿するが、本実施例ではこれらを代表して各種フィルタMFとして、等価的に1枚の平行平板として示している。
第1Fレンズ群G1Fおよび第1Rレンズ群G1Rは、少なくとも一方が、使用時には、適宜なる支持枠等によって支持されており、目的とする物体に合焦させるフォーカシングに際しては、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間隔を変化させてフォーカシングを行う。
図10には、結像レンズの光学系における各光学面の面番号も示している。なお、図10に示す各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため、図1、図4、図7等と共通の参照符号を付していてもそれらに対応する実施例とはかならずしも共通の構成ではない。
この実施例4においては、光学系全系の焦点距離f、開放F値Fおよび半画角ω〔°〕が、それぞれf=8.18、F=1.43、ω=34.4°であり、この実施例4における各光学要素における光学面の曲率半径R、隣接する光学面の面間隔D、屈折率N、アッベ数νおよびレンズ材料等の光学特性は、次表10の通りである。
Figure 0006160130
第1レンズ群G1中の第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rとの間の可変間隔DA、そして第2レンズ群G2と各種フィルタMFとの間の可変間隔DBは、フォーカシングに際して、無限遠物体(Inf)に合焦した状態と、像面から0.3m(300mm)の距離にある物体に合焦した状態等で次表[11]のように変化させられる。
Figure 0006160130
即ち、上表[11]のように、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、第1Fレンズ群G1Fと第1Rレンズ群G1Rの間隔DAが減少していることが分かる。
また、この実施例4における先に述べた条件式〔1〕〜〔6〕に対応する値は、それぞれ、次表[12]の通りとなる。
Figure 0006160130
従って、この実施例4における先に述べた条件式〔1〕〜条件式〔6〕に係る数値は、それぞれ各条件式の範囲内であり、条件式〔1〕〜条件式〔6〕を満足している。
また、図11に、実施例4に係る結像レンズが、無限遠物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。そして、図12に、実施例4に係る結像レンズが像面から0.3mの距離にある物体に合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差曲線図を示している。なお、これらの収差曲線図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図におけるgおよびdはそれぞれ、g線およびd線をあらわしている。これらは、他の実施例に係る収差曲線図についても同様である。
〔第5の実施の形態〕
次に、上述した本発明の第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る結像レンズを採用して構成した本発明の第5の実施の形態に係るカメラとしてのデジタルカメラについて図13〜図15を参照して説明する。図13は、物体側、すなわち被写体側、である前面側から見たデジタルカメラの外観を模式的に示す斜視図、図14は、撮影者側である背面側から見たデジタルカメラの外観を模式的に示す斜視図であり、図15は、デジタルカメラの機能構成を示す模式的ブロック図である。なお、ここでは、デジタルカメラを例にとってカメラ装置について説明しているが、在来の画像記録媒体として銀塩フィルムを用いる銀塩フィルムカメラに本発明に係る結像レンズを採用してもよい。
また、いわゆるPDA(personal data assistant)や携帯電話機等の携帯情報端末装置のような情報装置にカメラ機能を組み込んだものが広く用いられている。このような情報装置も外観は若干異にするもののデジタルカメラと実質的に全く同様の機能・構成を含んでおり、このような情報装置における撮像用光学系として、採用してもよい。
図13〜図15に示すように、デジタルカメラは、結像レンズとしての撮像レンズ1、光学ファインダ2、ストロボ(フラッシュライト)3、シャッタボタン4、カメラボディ5、電源スイッチ6、液晶モニタ7、操作ボタン8、メモリカードスロット9等を具備している。さらに、図15に示すように、デジタルカメラは、中央演算装置(CPU)11、画像処理装置12、受光素子13、信号処理装置14、半導体メモリ15および通信カード等16を備えている。
デジタルカメラは、撮像用光学系としての撮像レンズ1と、CMOS(相補型金属酸化物半導体)撮像素子またはCCD(電荷結合素子)撮像素子等を用いてイメージセンサとして構成された受光素子13とを有しており、撮像レンズ1によって結像される被写体(物体)光学像を受光素子13によって読み取る。この撮像レンズ1として、上述した第1〜第4の実施の形態において説明したような本発明に係る結像レンズを用いる(請求項10または請求項11に対応)。
受光素子13の出力は、中央演算装置11によって制御される信号処理装置14によって処理され、デジタル画像情報に変換される。すなわち、このようなデジタルカメラは、撮像された画像(被写体画像)をデジタル画像情報に変換する手段を含んでおり、この手段は、実質的に、受光素子13、信号処理装置14およびこれらを制御する中央演算装置(CPU)11等により構成される。
信号処理装置14によってデジタル化された画像情報は、やはり中央演算装置11によって制御される画像処理装置12において所定の画像処理が施された後、不揮発性メモリ等の半導体メモリ15に記録される。この場合、半導体メモリ15は、メモリカードスロット9に装填されたメモリカードでもよく、カメラ本体に(オンボードで)内蔵された半導体メモリでもよい。液晶モニタ7には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ15に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ15に記録した画像は、通信カードスロット(図示していない)に装填した通信カード等16を介して外部へ送信することも可能である。
撮像レンズ1は、カメラの携帯時には、その対物面がレンズバリア(図示していない)により覆われており、ユーザが電源スイッチ6を操作して電源を投入すると、レンズバリアが開き、対物面が露出する構成とする。
多くの場合、シャッタボタン4の半押し操作により、フォーカシングがなされる。本発明に係る結像レンズ(請求項1〜請求項9で定義され、あるいは前述した実施例1〜実施例4に示される結像レンズ)におけるフォーカシングは、複数群の光学系の一部の第1Fレンズ群G1Fの移動、または第1Rレンズ群G1Rの一方の移動などによって行うことができる。シャッタボタン4をさらに押し込み全押し状態とすると撮影が行なわれ、その後に上述した通りの処理がなされる。
半導体メモリ15に記録した画像を液晶モニタ7に表示させたり、通信カード等16を介して外部へ送信させる際には、操作ボタン8を所定のごとく操作する。半導体メモリ15および通信カード等16は、メモリカードスロット9および通信カードスロット等のような、それぞれ専用または汎用のスロットに装填して使用される。
上述のようなデジタルカメラ(撮像装置)または携帯情報端末装置には、既に述べた通り、第1〜第4の実施の形態に示されたような結像レンズを撮像用光学系として使用することができる。したがって、半画角が34°程度と広角で、且つ、Fナンバが1.4程度と大口径でありながら比較的小型であり、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差、歪曲収差等を十分に低減して、200〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を有すると共に、絞り開放から高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがなく、輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じず、直線を直線として歪みなく描写可能な、遠距離から近距離まで高性能の結像レンズを提供することができる。そのため、小型且つ非常に高画質のカメラまたは携帯情報端末装置を実現することができる。
また、上述した実施の形態にて示した結像レンズは、有限距離の被検物を高精細に検査し、画像処理に使用することができるほか、銀塩カメラの結像レンズとしても応用が可能である。
G1 第1レンズ群(正)
G2 第2レンズ群(正)
G1F 第1Fレンズ群
G1R 第1Rレンズ群
L11、L12、L13、L14、L15、L21、L22、L23、L24、L25 第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ、第7レンズ、第8レンズ、第9レンズ、第10レンズ
AD 開口絞り
MF 各種フィルタ
1 撮像レンズ
2 光学ファインダ
3 ストロボ(フラッシュライト)
4 シャッタボタン
5 カメラボディ
6 電源スイッチ
7 液晶モニタ
8 操作ボタン
9 メモリカードスロット
11 中央演算装置(CPU)
12 画像処理装置
13 受光素子
14 信号処理装置
15 半導体メモリ
16 通信カード等
特開2006−171285号公報 特開2001−208967号公報

Claims (11)

  1. 開口絞りを挟んで、物体側に位置する正の屈折力を有する第1レンズ群と、像側に位置する正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成される結像レンズにおいて、前記第1レンズ群を物体側から順に、負レンズL11と正レンズL12で構成する第1Fレンズ群と、負レンズL13と正レンズL14で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群とから構成し、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔が減少し、無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDa、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、前記第1Fレンズ群の焦点距離をf_1F、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
    下記条件式〔1〕、〔2〕
    〔1〕 0.05<Da/f<0.3
    〔2〕 −0.3<f/f_1F<0.0
    を満足することを特徴とする結像レンズ。
  2. 開口絞りを挟んで、物体側に位置する正の屈折力を有する第1レンズ群と、像側に位置する正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成される結像レンズにおいて、前記第1レンズ群を物体側から順に、負レンズL11と正レンズL12で構成する第1Fレンズ群と、負レンズL13と正レンズL14と負レンズL15で構成する正の屈折力を有する第1Rレンズ群とから構成し、遠距離物体から近距離物体へのフォーカシング時に、前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔が減少し、無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDa、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
    下記条件式〔1〕:
    〔1〕 0.05<Da/f<0.3
    を満足することを特徴とする結像レンズ。
  3. 前記第1Fレンズ群の焦点距離をf_1Fとし、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
    下記条件式〔2〕:
    〔2〕 −0.3<f/f_1F<0.0
    を満足することを特徴とする請求項2に記載の結像レンズ。
  4. 無限遠物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDaとし、
    像面から0.3mの距離にある物体に合焦した状態における前記第1Fレンズ群と前記第1Rレンズ群の間隔をDbとして、
    下記の条件式〔3〕:
    〔3〕 0.1<(Da−Db)/Da<0.7
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の結像レンズ。
  5. 前記第1Fレンズ群の光軸上での厚さをD_1Fとし、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとして、
    下記の条件式〔4〕:
    〔4〕 0.5<D_1F/f<1.5
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の結像レンズ。
  6. 無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をfとし、無限遠物体に合焦した状態における前記第1レンズ群の焦点距離をf1として、
    下記の条件式〔5〕:
    〔5〕 0.2<f/f1<0.7
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の結像レンズ。
  7. 前記第1Rレンズ群の前記負レンズL13と前記正レンズL14の光軸上での間隔をDcとし、前記第1Rレンズ群の光軸上での厚さをD_1Rとして、
    下記条件式〔6〕
    〔6〕 0.4<Dc/D_1R<0.8
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の結像レンズ。
  8. 前記第1レンズ群は、球面レンズのみで構成することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の結像レンズ。
  9. 前記第レンズ群は、物体側から順に、負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズ、正レンズであることを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか1項に記載の結像レンズ。
  10. 撮像用光学系として請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の結像レンズを有することを特徴とするカメラ。
  11. 撮像機能を有し、撮像用光学系として、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の結像レンズを有することを特徴とする携帯情報端末装置。
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