JP5418884B2 - 撮像光学系、カメラ装置および携帯情報端末装置 - Google Patents
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Description
ここで、高性能化という面では、少なくとも、1,000万〜2,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有することに加え、絞り開放からコマフレアが少なく高コントラストで画角の周辺部まで点像の崩れがないこと、色収差が少なく輝度差の大きな部分にも不要な色付きを生じないこと、歪曲収差が少なく直線を直線として描写可能なこと等が必要である。
さらに、大口径化という面では、ズームレンズを搭載した一般のコンパクトカメラと差別化する必要性から、少なくともF2.4以下が必要であり、F2.0以下を望む声も少なくない。
また、撮影レンズの画角については、ある程度の広角を望むユーザが多く、撮像光学系の半画角は38度以上であることが望ましい。半画角38度は、35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離で28mmに相当する。
そのようなレトロフォーカスタイプの撮像光学系の従来例の中で、比較的大口径、かつ、38度前後の半画角を有するものとして、特許文献1(特開平06−308385号公報)や、特許文献2(特開平09−218350号公報)や特許文献3(特開2006−349920号公報)等に開示のものがある。
また、特許文献3に開示された撮像光学系は、非点収差や像面湾曲、歪曲収差は良好に補正されているが、明細書中に図示されていないコマ収差の色差が大きい。また、Fナンバーの小さな実施例は、小型化の点で不十分である。
請求項2に記載の発明の目的は、広角且つ大口径を実現し得る撮像光学系を提供することにある。
請求項3に記載の発明の目的は、製造誤差が実質的に低減され、安定した性能が得やすくなると共に、実際にレンズを保持する鏡胴の部品点数の削減が可能な撮像光学系を提供することにある。
請求項4に記載の発明の目的は、軸上色収差の補正および収差補正に対する自由度を向上させ得る撮像光学系を提供することにある。
請求項5に記載の発明の目的は、収差補正を良好にし、小型化を図りつつ、製造誤差を低減して安定した状態を得やすくする撮像光学系を提供することにある。
請求項7に記載の発明の目的は、画角76°以上の広画角であり、Fナンバーが2.0程度以下の大口径で、且つ小型でありながら高画質での撮影が可能なカメラ装置を提供することにある。
請求項8に記載の発明の目的は、画角76°以上の広画角であり、Fナンバーが2.0程度以下と大口径でありながら、小型であり、各収差を十分に低減して、高画質の撮影が可能なディジタルカメラ装置を提供することにある。
請求項9に記載の発明の目的は、画角76°以上の広画角であり、Fナンバーが2.0程度以下と大口径でありながら、小型であり、各収差を十分に低減して、撮影が可能な高画質の携帯情報端末装置を提供することにある。
以下の条件式を満足することを特徴としている。
|f22/f21|< 0.5 (1)
但し、f21は、前記前側第2レンズ群内の前記第1正レンズと第1負レンズの合成焦点距離、f22は、前記前側第2レンズ群内の前記第2負レンズと前記第2正レンズからなる全体として正の屈折力を有する接合レンズの焦点距離を表す。
前記撮像光学系の全系の焦点距離をfとし、前記前側第2レンズ群の焦点距離f2として、
条件式:
0.2 < f/f2 < 0.5 (2)
を満足することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る結像光学系は、請求項1または2に記載の撮像光学系において、前記前側第2レンズ群内の前記第1正レンズと前記第1負レンズが接合されていることを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係る結像光学系は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像光学系において、前記前側第2レンズ群内の前記第1負レンズが、像側に凸のメニスカスレンズであることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る結像光学系は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像光学系において、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、撮像光学系の全系の焦点距離fとして、
条件式:
|f1|/f > 8.0 (3)
を満足することを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係るカメラ装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系を有することを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るカメラ装置は、請求項7に記載のカメラ装置において、撮影画像をディジタル情報とする機能を有することを特徴としている。
請求項9に記載した本発明に係る携帯情報端末装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系を有することを特徴としている。
前記前側第2レンズ群内の前記第1正レンズと第1負レンズの合成焦点距離をf21とし、前記前側第2レンズ群内の前記第2負レンズと前記第2正レンズからなる全体として正の屈折力を有する接合レンズの焦点距離をf22として、
以下の条件式:
|f22/f21|< 0.5 (1)
を満足することにより、高性能且つ画角76°以上の広画角でありながら、小型でFナンバー2.0程度以下の大口径で、特に、軸上色収差と倍率色収差の双方をより有効に低減させ得ると共に収差補正に対する自由度を向上させ得る撮像光学系を提供することができる。
前記撮像光学系の全系の焦点距離をfとし、前記前側第2レンズ群の焦点距離f2として、
条件式:
0.2 < f/f2 < 0.5 (2)
を満足することにより、
広角且つ大口径を実現し得る撮像光学系を提供することができる。
請求項4に記載した発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像光学系において、前記前側第2レンズ群内の前記第1負レンズが、像側に凸のメニスカスレンズであることより、軸上色収差の補正および収差補正に対する自由度を向上させ得る撮像光学系を提供することができる。
請求項5に記載した発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像光学系において、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、撮像光学系の全系の焦点距離fとして、
条件式:
|f1|/f > 8.0 (3)
を満足することにより、収差補正を良好にし、小型化を図りつつ、製造誤差を低減して安定した状態を得やすくする撮像光学系を提供することができる。
請求項7に記載した本発明によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系を有することにより、
画角76°以上の広画角であり、Fナンバーが2.0程度以下の大口径で、且つ小型でありながら高画質での撮影が可能なカメラ装置を提供することができる。
請求項9に記載した本発明によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系を有することにより、画角76°以上の広画角であり、Fナンバーが2.0程度以下と大口径でありながら、小型であり、各収差を十分に低減して、高画質の携帯情報端末装置を提供することができる。
本発明のような、レトロフォーカスタイプの撮像光学系は、一般に、物体側に負の屈折力、像側に正の屈折力を配設したものであり、その非対称性から、歪曲収差や倍率色収差等が発生しやすく、それら収差の低減が大きな課題となる。また、大口径化に伴ってはコマ収差やコマ収差の色差を補正することが困難となり、さらに課題は積み上がってしまう。本発明は、以下の構成を採ることによって、これら収差補正上の課題が解決できることを見出したものである。
すなわち、本発明においては、
開口絞りを挟んで物体側に位置する第1レンズ群と、像側に位置する第2レンズ群とから構成される撮像光学系において、前記第1レンズ群を物体側から順に、前記第1レンズ群の中で最も広い空気間隔を境として、2枚の負レンズから構成される前側第1レンズ群と、1枚の正レンズから構成される後側第1レンズ群とから構成し、前記第2レンズ群を物体側から順に、第1正レンズ、第1負レンズからなる全体として正の接合レンズと、第2負レンズ、第2正レンズからなる全体として正の接合レンズとを連続して配設した前側第2レンズ群と、少なくとも1枚のレンズからなる後側第2レンズ群とから構成した撮像光学系としている。
本発明の撮像光学系の構成によれば、以上説明したように収差補正上の大きな効果を得ることが可能であり、半画角が38度程度の広角、Fナンバーが2.0程度以下の大口径という厳しい条件の下でも非常に高い像性能を達成することが可能となる。
より高性能にするためには、以下の条件式(1)を満足すればよい(以上、請求項1に対応する)。
|f22/f21| < 0.5 (1)
但し、f21は、前側第2レンズ群内の第1正レンズと第1負レンズの合成焦点距離を、f22は、前側第2レンズ群内の第2負レンズと第2正レンズからなる全体として正の接合レンズの焦点距離を表す。
|f22/f21| < 0.25 (1)′
さらに高性能にするためには、以下の条件式(2)を満足することが望ましい(請求項2に対応する)。
0.2 < f/f2 < 0.5 (2)
但し、fは、撮像光学系の全系の焦点距離、f2は、前側第2レンズ群の焦点距離である。この条件式(2)の下限値を超えると、全系の中における前側第2レンズ群の結像作用の影響が小さくなりすぎて、前記した前側第2レンズ群を含む撮像光学系の構成における効果が小さくなり、広角且つ大口径という厳しい条件の下で高い性能を保つことが困難になる恐れがある。また、この条件式(2)の上限値を超えると、撮像光学系の全系の中における前側第2レンズ群の結像作用の影響が大きくなりすぎて、前側第2レンズ群内において、球面収差を始めとする諸収差のやり取りが過大となり、レンズの偏心や空気間隔に対する要求精度が高くなりすぎてしまう。
前側第2レンズ群内の各レンズ面においては、最終的な収差量を低減するために、各収差が大きくやり取りされており、製造誤差感度が高くなりがちである。第1正レンズと第1負レンズ、第2負レンズと第2正レンズをそれぞれ接合することによって、実質的な製造誤差感度が低減され、安定した性能が得やすくなる。また、実際にレンズを保持する鏡筒の部品削減にもつながる。
さらに高性能にするためには、前側第2レンズ群内の第1負レンズが、像側に凸のメニスカスレンズであればよい(請求項4に対応する)。
前側第2レンズ群内の第1負レンズの物体側面および像側面における軸外主光線の入射角・出射角を小さく抑えることで、前記した前側第2レンズ群内の第1正レンズと第1負レンズのペアによる軸上色収差の補正の役割をより高めることが可能となる。一方、倍率の色収差は、主に第2負レンズと第2正レンズのペアで補正して行うことで軸上色収差補正と倍率色収差補正の役割を分担して行うことが可能となり、収差補正に対する自由度が向上する。
|f1|/f > 8.0 (3)
但し、f1は、第1レンズ群の焦点距離、fは、撮像光学系の全系の焦点距離である。第1レンズ群が正の場合にこの条件式(3)の下限値を超えると、前側第2レンズ群の結像作用が比較的弱くなって全体の光学系の中で担う収差補正の役割が小さくなり、軸上色収差と倍率色収差の双方を有効に低減させることが困難となってしまう恐れがある。第1レンズ群が負の場合にこの条件式(3)の下限値を超えると、前側第2レンズ群を通る軸上マージナル光が高くなりすぎ、前側第2レンズ群の有効径が過大となってコンパクトな撮像光学系を構成することが困難となる。また、絞りの口径が過大となる。また、第2レンズ群の屈折力を比較的強くしなければならず、像面の曲がりが大きくなったり、負の歪曲収差が大きく発生しやすくなったりして好ましくない。加えて、第1レンズ群のパワーの正負に拘わらずこの条件式(3)の下限値を超えると、第1レンズ群内における球面収差をはじめとする諸収差のやり取りが過大となり、レンズ間の偏心や空気間隔に対する要求精度が高くなりすぎてしまう。
f1/f > 8.0 (3)′
第1レンズ群のパワーが負であると、第2レンズ群の屈折力を比較的強くしなければならず、像面の曲がりが大きくなったり、負の歪曲収差が大きく発生しやすくなったりするためである。
さらにフォーカス時の性能を高く保つためには、第2レンズ群の全体または一部を移動させて無限遠から近距離へのフォーカシングを行う構成とすればよい(請求項6に対応する)。
このようなフォーカシング方式によれば、撮像光学系全体を移動させてフォーカシングする方式に比べて、移動部分の重量が小さくでき、フォーカシングの高速化や省電力化に有利である。また、本発明の撮像光学系をカメラに組み込む際、不使用時に各レンズ群の間隔やバックフォーカス部分を短縮し、コンパクトに収納する機構を有する場合には、第2レンズ群に関する収納のための機構をフォーカシング機構と共通化でき、都合が良い。第1レンズ群の焦点距離が比較的長いため、第1レンズ群と第2レンズ群間の空気間隔が変化しても、第2レンズ群の最も物体側の面を通る軸上マージナル光の高さ変化が少なく、性能の劣化が起こりにくい。
以下に述べる実施例1〜実施例5は、本発明に係る撮像光学系の実施の形態でもあり、具体的数値例による具体的構成の実施例をも示すものである。
実施例1〜実施例5に示されるような撮像光学系を用いた本発明に係るカメラ装置および携帯情報端末装置の実施の形態については、図11〜図13を用いて後述する。
以下に、本発明の撮像光学系の具体的な数値実施例を示す。なお、全ての実施例において最大像高は、4.80mmである。
各実施例において、後側第2レンズ群2Rの像面側に配設される平行平板MFは、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、CCDセンサ等の受光素子のカバーガラス(シールガラス)を想定したものである。
各実施例の収差は、高いレベルで補正されており、球面収差、軸上色収差は問題にならないほど小さい。非点収差、像面湾曲、倍率色収差も十分に小さく、コマ収差やその色差の乱れも最周辺部まで良く抑えられている他、歪曲収差も絶対値で2.0%以下となっている。本発明のように撮像光学系を構成することにより、画角が76°程度と広角で、かつ、Fナンバーが2.0程度以下と大口径でありながら、非常に良好な像性能を確保し得ることは、実施例より明らかである。
f :撮像レンズ全系の焦点距離
Fno :Fナンバー
ω :半画角
Y′:最大像高
R :曲率半径
D :面間隔
Nd :屈折率
νd :アッベ数
K :非球面の円錐定数
A2 :2次の非球面係数
A4 :4次の非球面係数
A6 :6次の非球面係数
A8 :8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
ただし、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、面頂点から光軸方向の変位量をX、非球面係数をA2iとして、非球面は、以下の式(4)で定義される。
図1に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、両凸タイプの正レンズである第3レンズE3、開口絞りFA、両凸タイプの正レンズである第4レンズE4と負メニスカスタイプの負レンズである第5レンズE5とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、負メニスカスタイプの負レンズである第6レンズE6と両凸タイプの正レンズである第7レンズE7とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、物体側に非球面を形成した正メニスカスタイプの正レンズである第8レンズE8を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第8レンズE8が第2レンズ群G2を構成する。
第1レンズ群G1の中で、最も広い空気間隔を境として、負の屈折力を有する物体側に位置する第1レンズE1と第2レンズE2とをもって、前側第1レンズ群1Fを構成し、正の屈折力を有する像側に位置する第3レンズE3をもって後側第1レンズ群1Rを構成する。
例えば、ディジタルスティルカメラのように、CCD撮像素子等の固体撮像素子を用いるタイプのカメラの撮像光学系では、第8レンズE8の最終面と像面FSとの間に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタおよびCCD撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス類の少なくともいずれか(以下、「光学フィルタMF」と総称する)を構成する。
また、図6は、図1に示す本発明に係る数値実施例1による撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例1においては、焦点距離f=5.88mm、Fno=1.95としている。各光学面の特性は、表1の通りである。
図3に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、両凸タイプの正レンズである第3レンズE3、開口絞りFA、正メニスカスタイプの正レンズである第4レンズE4と負メニスカスタイプの負レンズである第5レンズE5とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、負メニスカスタイプの負レンズである第6レンズE6と正メニスカスタイプの正レンズである第7レンズE7とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、物体側に非球面を形成した両凸タイプの正レンズである第8レンズE8を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第8レンズE8が第2レンズ群G2を構成する。
第1レンズ群G1の中で、最も広い空気間隔を境として、負の屈折力を有する物体側に位置する第1レンズE1と第2レンズE2とをもって、前側第1レンズ群1Fを構成し、正の屈折力を有する像側に位置する第3レンズE3をもって後側第1レンズ群1Rを構成する。
例えば、ディジタルスティルカメラのように、CCD撮像素子等の固体撮像素子を用いるタイプのカメラの撮像光学系では、第8レンズE8の最終面と像面FSとの間に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタおよびCCD撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス類の少なくともいずれか(以下、「光学フィルタMF」と総称する)を構成する。
また、図8は、図3に示す本発明に係る数値実施例3による撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例3においては、焦点距離f=5.95mm、Fno=1.95としている。各光学面の特性は、次の表7の通りである。
図8は、上述した実施例3に係る図3に示した本発明の撮像光学系L3の各収差球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
図8のうち、太線は、g線に対する収差曲線図、また、細線は、d線に対する収差曲線図である。
上述した本発明の実施例3に係る図3に示した構成の撮像光学系L3によれば、図8に示すように、収差は高いレベルで補正されており、球面収差、軸上色収差は問題にならないほど小さい。非点収差、像面湾曲、倍率色収差も十分に小さく、コマ収差やその色差の乱れも最周辺部まで良く抑えられている他、歪曲収差も絶対値で2.0%以下となっている。本発明に係る実施例3のように撮像光学系L3を構成することにより、半画角が39度程度と広角で、かつ、Fナンバーが1.95程度以下と大口径でありながら、非常に良好な像性能を確保し得ることが明らかである。
図4に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、両凸タイプの正レンズである第3レンズE3、開口絞りFA、正メニスカスタイプの正レンズである第4レンズE4と負メニスカスタイプの負レンズである第5レンズE5とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、負メニスカスタイプの負レンズである第6レンズE6と両凸タイプの正レンズである第7レンズE7とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、物体側および像面側に非球面を形成した正メニスカスタイプの正レンズである第8レンズE8を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第8レンズE8が第2レンズ群G2を構成する。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、第1正レンズとしての第4レンズE4、第1負レンズとしての第5レンズE5、第2負レンズとしての第6レンズE6、第2正レンズとしての第7レンズE7をもって、前側第2レンズ群2Fを構成し、第8レンズE8をもって、後側第2レンズ群2Rを構成する。上記撮像光学系L4においては、第2レンズ群G2の全体または一部を移動させて有限距離物体(無限遠から近距離の物体)へのフォーカシングを行う。
また、図9は、図4に示す本発明に係る数値実施例4による撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例4においては、焦点距離f=5.95mm、Fno=1.96としている。各光学面の特性は、表10の通りである。
図9は、上述した実施例4に係る図4に示した本発明の撮像光学系L4の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
各収差曲線中、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、破線はメリディオナルをあらわしている。
図9のうち、太線は、g線に対する収差曲線図、また、細線は、d線に対する収差曲線図である。
上述した本発明の実施例4に係る図4に示した構成の撮像光学系L4によれば、図9に示すように、収差は高いレベルで補正されており、球面収差、軸上色収差は問題にならないほど小さい。非点収差、像面湾曲、倍率色収差も十分に小さく、コマ収差やその色差の乱れも最周辺部まで良く抑えられている他、歪曲収差も絶対値で2.0%以下となっている。本発明に係る実施例4のように撮像光学系L4を構成することにより、半画角が39度程度と広角で、かつ、Fナンバーが1.95程度以下と大口径でありながら、非常に良好な像性能を確保し得ることが明らかである。
図5に示す光学系は、物体側から像面に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第1レンズE1、非球面を形成した強い凹面を像面側に向けた負メニスカスタイプの負レンズからなる第2レンズE2、両凸タイプの正レンズである第3レンズE3、開口絞りFA、正メニスカスタイプの正レンズである第4レンズE4と負メニスカスタイプの負レンズである第5レンズE5とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、負メニスカスタイプの負レンズである第6レンズE6と両凸タイプの正レンズである第7レンズE7とを密接して貼り合わせてなる接合レンズ、物体側および像面側に非球面を形成した正メニスカスタイプの正レンズである第8レンズE8を配置した構成となっている。
第1レンズE1〜第3レンズE3が第1レンズ群G1を構成し、第4レンズE4〜第8レンズE8が第2レンズ群G2を構成する。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、第1正レンズとしての第4レンズE4、第1負レンズとしての第5レンズE5、第2負レンズとしての第6レンズE6、第2正レンズとしての第7レンズE7をもって、前側第2レンズ群2Fを構成し、第8レンズE8をもって、後側第2レンズ群2Rを構成する。上記撮像光学系L5においては、第2レンズ群G2の全体または一部を移動させて有限距離物体(無限遠から近距離の物体)へのフォーカシングを行う。
例えば、ディジタルスティルカメラのように、CCD撮像素子等の固体撮像素子を用いるタイプのカメラの撮像光学系では、第8レンズE8の最終面と像面FSとの間に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタおよびCCD撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス類の少なくともいずれか(以下、「光学フィルタMF」と総称する)を構成する。
また、図10は、図5に示す本発明に係る数値実施例5による撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
この実施例5においては、焦点距離f=5.95mm、Fno=2.00としている。各光学面の特性は、表13の通りである。
図10は、上述した実施例5に係る図5に示した本発明の撮像光学系L5の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差の各収差特性を示す収差曲線図である。
各収差曲線中、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、破線はメリディオナルをあらわしている。
図10のうち、太線は、g線に対する収差曲線図、また、細線は、d線に対する収差曲線図である。
上述した本発明の実施例5に係る図5に示した構成の撮像光学系L5によれば、図10に示すように、収差は高いレベルで補正されており、球面収差、軸上色収差は問題にならないほど小さい。非点収差、像面湾曲、倍率色収差も十分に小さく、コマ収差やその色差の乱れも最周辺部まで良く抑えられている他、歪曲収差も絶対値で2.0%以下となっている。本発明に係る実施例5のように撮像光学系L5を構成することにより、半画角が39度程度と広角で、かつ、Fナンバーが2.00程度以下と大口径でありながら、非常に良好な像性能を確保し得ることが明らかである。
図11および図12に示すように、カメラ装置は、撮影レンズ101、シャッタボタン102、ファインダ104、ストロボ105、液晶モニタ106、操作ボタン107、電源スイッチ108、メモリカードスロット109および通信カードスロット110等を備えている。さらに、図13に示すように、カメラ装置は、受光素子201、信号処理装置202、画像処理装置203、中央演算装置(CPU)204、半導体メモリ205および通信カード等206も備えている。
受光素子201の出力は、中央演算装置204によって制御される信号処理装置202によって処理され、ディジタル画像情報に変換される。信号処理装置202によってディジタル化された画像情報は、やはり中央演算装置204によって制御される画像処理装置203において所定の画像処理が施された後、不揮発性メモリ等の半導体メモリ205に記録される。この場合、半導体メモリ205は、メモリカードスロット109に装填されたメモリカードでもよく、カメラ本体に内蔵された半導体メモリでもよい。液晶モニタ106には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ205に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ205に記録した画像は、通信カードスロット110に装填した通信カード等206を介して外部へ送信することも可能である。
撮影レンズ101は、カメラの携帯時には図11の(a)に示すように沈胴状態にあってカメラのボディー内に埋没しており、ユーザが電源スイッチ108を操作して電源を投入すると、図11の(b)に示すように鏡胴が繰り出され、カメラのボディーから突出する構成とする。
半導体メモリ205に記録した画像を液晶モニタ106に表示させたり、通信カード等206を介して外部へ送信させる際には、操作ボタン107を所定のごとく操作する。半導体メモリ205および通信カード等206は、メモリカードスロット109および通信カードスロット110等のような、それぞれ専用または汎用のスロットに装填して使用される。
上述した本発明によれば、半画角が38度程度と広角で、かつ、Fナンバーが2.0程度以下と大口径でありながら比較的小型であり、非点収差や像面湾曲、倍率色収差、コマ収差の色差、歪曲収差等を十分に低減して、高性能の撮像光学系をカメラ機能部の撮像光学系として使用した、小型で高画質のカメラ装置および携帯情報端末装置を提供ことができるため、ユーザは携帯性に優れたカメラ装置および携帯情報端末装置で高画質な画像を撮影し、その画像を外部へ送信したりすることができる。
E1〜E8 第1レンズ〜第8レンズ
1F 前側第1レンズ群
1R 後側第1レンズ群
2F 前側第2レンズ群
2R 後側第2レンズ群
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
FA 開口絞り
MF 光学フィルタ
FS 像面
101 撮影レンズ
102 シャッタボタン
104 ファインダ
105 ストロボ
106 液晶モニタ
107 操作ボタン
108 電源スイッチ
109 メモリカードスロット
110 通信カードスロット
201 受光素子
202 信号処理装置
203 画像処理装置
204 中央演算装置
205 半導体メモリ
206 通信カード等
Claims (9)
- 開口絞りを挟んで物体側に位置する第1レンズ群と、像側に位置する第2レンズ群とから構成される撮像光学系において、前記第1レンズ群を物体側から順に、前記第1レンズ群の中で最も広い空気間隔を境として、2枚の負レンズから構成される前側第1レンズ群と、1枚の正レンズから構成される後側第1レンズ群とから構成し、前記第2レンズ群を物体側から順に、第1正レンズ、第1負レンズからなる全体として正の接合レンズと、第2負レンズ、第2正レンズからなる全体として正の接合レンズとを連続して配設した前側第2レンズ群と、少なくとも1枚のレンズからなる後側第2レンズ群とから構成し、
以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
|f22/f21|< 0.5 (1)
但し、f21は、前記前側第2レンズ群内の前記第1正レンズと第1負レンズの合成焦点距離、f22は、前記前側第2レンズ群内の前記第2負レンズと前記第2正レンズからなる全体として正の屈折力を有する接合レンズの焦点距離を表す。 - 請求項1に記載の撮像光学系において、以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
0.2 < f/f2 < 0.5 (2)
但し、fは、前記撮像光学系の全系の焦点距離。
f2は、前記前側第2レンズ群の焦点距離を表す。 - 請求項1または2に記載の撮像光学系において、前記前側第2レンズ群内の前記第1正レンズと前記第1負レンズが接合されていることを特徴とする撮像光学系。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像光学系において、前記前側第2レンズ群内の前記第1負レンズが、像側に凸のメニスカスレンズであることを特徴とする撮像光学系。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像光学系において、以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
|f1|/f > 8.0 (3)
但し、f1は、前記第1レンズ群の焦点距離、fは、撮像光学系の全系の焦点距離を表す。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像光学系において、前記第2レンズ群の全体または一部を移動させて、無限遠から近距離へのフォーカシングを行うことを特徴とする撮像光学系。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系を有するカメラ装置。
- 請求項7に記載のカメラ装置において、撮影画像をデジタル情報とする機能を有することを特徴とするカメラ装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系を有する携帯情報端末装置。
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