この発明の実施の形態1に係る表示装置の構成を示す分解斜視図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置の表示モジュールの構成を示した分解斜視図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置の第1の取付金具の斜視図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置の第2の取付金具の斜視図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置の表示モジュールの設置動作を示した説明図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置の隣接する表示モジュールの表示面を合わせる方法を示す説明図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置の第1の取付金具の第3の板金を取り付ける構造を示した平面図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置の表示モジュール100をガイドレールに固定する方法を示す部分斜視図である。
この発明の実施の形態1に係る表示装置のガイドローラの構成を示した説明図である。
この発明の実施の形態2に係る表示装置の隣接する表示モジュールの位置決め構造を示した斜視図である。
この発明の実施の形態3に係る表示装置の表示モジュールの構成を示した分解斜視図である。
この発明の実施の形態3に係る表示装置の隣接する表示モジュールを連結するための連結部の周辺を拡大した部分拡大図である。
この発明の実施の形態4に係る表示装置の第3の取付金具の斜視図である。
この発明の実施の形態5に係る表示装置の第4の取付金具の斜視図である。
この発明の実施の形態5に係る表示装置の取り付け手順の第1の状態の背面図である。
この発明の実施の形態5に係る表示装置の取り付け手順の第2の状態の背面図である。
この発明の実施の形態6に係る表示装置の第5の取付金具の分解斜視図である。
この発明の実施の形態6に係る表示装置の基準位置での第5の取付金具の背面図である。
この発明の実施の形態6に係る表示装置の表示モジュールを+Z方向に持ち上げた後の第5の取付金具の背面図である。
この発明の実施の形態6に係る表示装置の表示モジュールをY軸回りに回転させた後の第5の取付金具の背面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における大型の表示装置200の連結構成を示す分解斜視図である。図2は、表示モジュール100の分解斜視図である。図3は第1の取付金具4aの構成を示した斜視図である。図4は第2の取付金具4bの構成を示した斜視図である。図5は表示モジュール100をガイドレール1に取り付ける動作を示した説明図である。図6は偏心ピン92により表示部3の表示面3cを合わせる方法を示す説明図である。図7は第1の取付金具4aの第3の板金7を取り付ける構造を示した平面図である。図8は表示モジュール100をガイドレール11に固定する方法を示す部分斜視図である。
各図の説明を容易にするために、表示装置200の上方向を+Z軸方向、下方向を−Z軸方向とする。また、表示面3cに向かって左方向を+X軸方向、右方向を−X軸方向とする。表示面3cから表示装置200の背面側の方向を+Y軸方向、背面側から表示面3c側の方向を−Y軸方向とする。
図1を用いて表示装置200の構成を説明する。大型の表示装置200は、複数枚の短冊状の表示モジュール100,101,102を水平方向に並べた構成をしている。ガイドレール11,12は、大型の表示装置200を設置する設置場所の壁面または自立架台鉄骨などに、各々のガイドレール11,12が平行となるように取り付けられる。ガイドレール11,12は、ガイドレール11,12の両端部に形成された固定用の穴1jを用いて図示しないねじにより壁面または自立架台鉄骨などに固定される。
次に図2を用いて表示モジュール100の構成を説明する。表示モジュール100は、短冊状の板材で作製されたケーシング2、映像を表示する表示部3および取付金具4から構成されている。ケーシング2は、複数枚の表示部3をZ軸方向に並べて短冊状に保持するための保持部材として機能する。表示部3は略正方形をした板状で、図2では7枚の表示部3がケーシング2に取り付けられている。また、ケーシング2はアルミの押し出し成型により作製されており、ケーシング2の−Y軸方向の面は、表示部3の発熱部3aを接触させるため平面状に加工されている。表示部3の四隅に設けられた穴3bを用いて表示部3はケーシング2にねじ止めされる。表示部3の表示面3cには、全面にわたり図示しないLED(Light Emitting Diode)素子が実装されている。
表示部3が取り付けられたケーシング2の+Y軸方向の面には、所定の間隔で取付金具4a,4bがねじ止めされている。図2では、上から2番目が第1の取付金具4aで、他3個が第2の取付金具4bである。
表示モジュール100をガイドレール1に取り付ける際に、取付金具4aが第1のガイドレール11の上側(+Z軸方向側)からガイドレール11上に置かれる。これにより、ガイドレール11に対する表示モジュール100の高さ方向(Z軸方向)の位置が決まる。また、取付金具4bが第2のガイドレール12に背面側(−Y軸方向側)から接することで、ガイドレール11を中心とした表示モジュール100のX軸まわりの回転方向の位置が決まる。なお、ガイドレール11はガイドレール12に対して上側(+Z軸方向側)に配置され、ガイドレール12はガイドレール11に対して下側(−Z軸方向側)に配置される。
次に図3を用いて、第1の取付金具4aの構成について説明する。取付金具4aは、第1の板金5、第2の板金6および第3の板金7の3つの板金部品で構成されている。板金5は、コの字形状をしており、−X軸方向の側面には偏心ピン92が取り付けられ、+X軸方向の側面には、偏心ピン92が挿入されるZ軸方向に長い長穴5aが設けられている。この偏心ピン92と長穴5aとは、隣接する表示モジュール100の表示面3cのY軸方向の位置を合わせるものである。表示モジュール100をガイドレール1の上でX軸方向に移動させて、隣接する表示モジュール100を並べて結合する。この際に偏心ピン92は長穴6cに挿入される。偏心ピン92は、ばね座金などX軸方向に押し付け力を有する部材を介して図示しないナットで板金5に取り付けられている。このため、偏心ピン92は軸を中心として回転することができ、隣接する表示モジュール100に対してY軸方向の位置を調整することができる。なお、図3では、わかりやすさのため−X軸方向に隣接する表示モジュール100の金具4aの板金5の一部のみを表示して、板金5の切断部分に斜線を施している。
第2の板金6は、板金5に+Y軸方向側からねじ止めされている。図示しないねじは、板金6のX軸方向の両端に設けられたねじ止用の穴6aに挿入される。板金6はX軸に平行は折り曲げ線に沿って−Z軸方向側の部分が+Y軸方向に折り曲げられたL字形状をしている。この−Z軸方向に形成された底面6bには、−Z軸方向から2個のガイドローラ91が取り付けられている。ガイドローラ91は、ボール91aが−Z軸方向から支持部91bに回転自在に取り付けられている。また、支持部91bの+Z軸方向には雄ねじであるねじ部91cが形成されている。ガイドローラ91のねじ部91cは板金6の底面6bに設けられたねじ穴6cに取り付けられる。このため、ガイドローラ91の支持部91bをZ軸まわりに回転させると、板金6に対するガイドローラ91のZ軸方向の位置を調整することができる。
板金6の+Y軸方向側には第3の板金7が取り付けられている。板金7はW字形状をしており、X軸に平行な3本の折り曲げ線で略90度に折り曲げられている。一端の面である底面7cは、X−Y平面に平行で板金6の底面6bにねじにより固定されている。他端の面である背面7dは、X−Z平面に平行で、取付金具4aをガイドレール11に固定する際に用いるZ軸方向に長い3個の長穴7bがX軸方向に等間隔に並べて設けられている。
図4は第2の取付金具4bの構成を示した斜視図である。取付金具4bは、第1の取付金具4aからガイドローラ91を取り外した構成をしており、その他の構成は取付金具4aと同様である。そのため、取付金具4aと同一の板金5,6,7を用いて組み立てられている。取付金具4aと同じ部品は同じ符号を付し、その構成の説明は省略する。
次に、図1と図5とを用いて、この表示装置200の設置手順について説明する。表示装置200を設置する場所の壁面または自立架台鉄骨などに、ガイドレール11,12を水平に取り付ける。このため、ガイドレール11とガイドレール12は略平行に取り付けられる。ガイドレール1は、断面がコの字形状をした板金1aと断面がL字形状をした板金1bとを接着剤などにより接合した構成をしている。板金1aは、二つの壁面1c,1dの間に底面1eが形成された形状をしている。板金1bは、底面1gと壁面1hとが略90度に折り曲げられた形状をしている。これらの板金1a,1bは、板金1aの底面1eと板金1bの底面1gとが接合されている。板金1aと板金1bとが接合される際、板金1aの壁面1cと板金1bの壁面1hとがX−Z平面上で同一平面となるように位置決めされる。ガイドレール1には、壁面1c,1dと底面1eとによりガイドローラ91をガイドする溝が形成されている。この溝は開口部1fを持っている。
ガイドレール11とガイドレール12とは同一の部品を用いている。+Z軸方向側に取り付けられるガイドレール11は、開口部1fが+Z軸方向側を向くように取り付けられる。一方、−Z軸方向側に取り付けられるガイドレール12は、開口部1fが−Z軸方向側を向くように取り付けられる。
表示モジュール100の+Y軸方向側の背面に取り付けられた取付金具4aのガイドローラ91をガイドレール11の上に乗せる。この際、ガイドローラ91を開口部1fの+Z軸方向から溝内に入れて、底面1e上に置く。図1において、表示モジュール101は、ガイドレール1の−X軸方向の端に配置され、表示モジュール102は、表示モジュール101の+X軸方向側に並べて配置されている。表示モジュール100は、ガイドレール1の上に載せられた後に、ガイドローラ91がガイドレール11の底面1eの上を壁面1c,1dにガイドされて移動することで、表示モジュール102の+X軸方向側に並べられる。この際、ガイドローラ91のボール91aがガイドレール11の底面1e上を回転しながら移動するため、作業者は少しの力で容易に表示モジュール100を移動させることができる。
例えば、表示モジュール100は垂直方向長さが2m、水平方向長さ32cm、重さは約20kg程度の短冊状で構成されている。このように、大きな表示部分を短冊状の表示モジュール100とすることで作業者は一人で表示モジュール100を持ち上げることができ、取付作業をすることができる。
図5は表示モジュール100を、ガイドレール1の上に乗せる動作を3つの状態に分けて表している。図5では取付金具4aをガイドレール11に乗せる部分拡大図と取付金具4bをガイドレール12に当てる部分拡大図とを併せて表している。図5(a)の取付金具4aおよびガイドレール11の部分は図5(a1)で拡大し、取付金具4bおよびガイドレール12の部分は図5(a2)で拡大している。図5(b)の取付金具4aおよびガイドレール11の部分は図5(b1)で拡大し、取付金具4bおよびガイドレール12の部分は図5(b2)で拡大している。図5(c)の取付金具4aおよびガイドレール11の部分は図5(c1)で拡大し、取付金具4bおよびガイドレール12の部分は図5(c2)で拡大している。
図5(a)は、表示モジュール100がガイドレール11,12から離れた状態を示している。図5(b)は、取付金具4aに取り付けられたガイドローラ91を、ガイドレール11の開口部1fから溝の中に入れて底面1e上に置いた状態を示している。このとき取付金具4bとガイドレール12とは離れた状態にある。図5(b)中の矢印で示すように、表示モジュール100は、ガイドローラ91のボール91aがガイドレール11の底面1eと接する点を中心としてX軸まわりで反時計方向に回転移動している。図5(c)は、図5(b)で移動していた取付金具4bがガイドレール12の壁面1hに−Y軸方向から当たって位置決めされた状態を表している。
表示モジュール100は、ガイドローラ91をガイドレール11上に置くことで、ガイドレール11に対する高さ方向(Z軸方向)の位置を決めることができる。このため、複数の表示モジュール100の高さ方向(Z軸方向)の位置は、表示モジュール100に取り付けられたガイドローラ91のZ軸方向の位置を管理し、または調整することで容易に合わせることができる。
また、ガイドレール11の断面は、2つの壁面1c,1dと底面1eとから形成される溝形状であり、その溝の中にガイドローラ91が置かれるため、図5(b)の状態においても表示モジュール100がガイドレール11から脱落することはない。一方、ガイドレール12は、ガイドレール11を上下反転して取り付けられている。このため、表示モジュール100をX軸まわりに回転させたとき、取付金具4bがガイドレール12の壁面1dに接触することなく壁面1hに当てて位置決めすることができる。
以上のように、ガイドレール11,12の長さ方向であるX軸方向に対して垂直方向である−Y軸方向および+Z軸方向からガイドローラ91をガイドレール11の上に乗せることができる空間、つまり開口部を有することで、先行技術のようにガイドレールの端部からガイドローラを挿入する必要が無くなる。このように、隣接する表示モジュール102の近くで表示モジュール100をガイドレール1に取り付けて、表示モジュール100,102どうしを連結することができるため、作業者は短時間で表示モジュール100をガイドレール1に取り付けることができるという利点がある。
また、本実施の形態1で説明した+Z軸方向側に開口部1fを持つガイドレール11以外でも、例えば、ガイドレール11の壁面1dの長手方向であるX軸方向の一部を切欠くことで開口部を設けても、ガイドローラ91を−Y軸方向からガイドレール11に取り付けることができる。ただし、この場合は、本実施の形態1で表示モジュール100をX軸方向の任意の位置からガイドレール1に取り付けられるのと比較して、一定間隔で設けられた切欠き部からのみ表示モジュール100をガイドレール1に取り付けることになる。しかし、長いガイドレール1に表示モジュール100を取り付ける場合は、一定間隔で設けられた切欠き部から表示モジュール100を取り付けられることは、一定の効果を有する。なお、表示モジュール100を固定する位置に切欠き部があると、表示モジュール100がガイドレール1から脱落する可能性があるため、表示モジュール100を固定する位置から切欠き部の位置を外す必要がある。
上記のように、ガイドレール1に取り付けられた表示モジュール100は、作業者によって、ガイドレール1の−X軸方向側の端まで移動させられた後、隣接する表示モジュール102と接続するためにガイドレール11に対する高さ方向(Z軸方向)の位置が調整される。表示モジュール100の高さ方向(Z軸方向)の調整は、ガイドローラ91を使って行う。ガイドローラ91のねじ部91cは取付金具4aの板金6の底面6bに設けられたねじ穴6cに取り付けられている。このため、ガイドローラ91の支持部91bを軸まわりに回転させることでガイドローラ91の板金6に対するZ軸方向の位置を容易に調整することができる。なお、図3ではねじ部91cの+Z軸方向の端部に溝が設けられており、マイナスドライバーによりガイドローラ91を回転させることができる。この作業は、表示モジュール100の背面側(+Y軸方向側)から作業を行うことになる。
このように表示モジュール100の高さを調整した後、表示モジュール100の取付金具4a,4bに取り付けられた偏心ピン92を隣接する表示モジュール102の取付金具4a,4bに設けられた長穴5aに挿入して2つの表示モジュール100,102を連結する。
次に、表示モジュール100の表示部3の表示面3cと、隣接する表示モジュール102の面表示部3の表示面3cとのY軸方向の位置を合わせる調整を行う。偏心ピン92は、六角柱の形状をしている支持部92bの軸方向の一端にピン92aが、他端にねじ部92cが形成された構造をしている。ねじ部92cの軸と支持部92bとの軸は一致しているが、ピン92aの軸は、ねじ部92cおよび支持部92bの軸から半径方向にかたよってずれている。
このため、偏心ピン92の支持部92bをスパナなどの工具を用いて偏心ピン92の軸の回転方向であるX軸まわりに回転させることで、偏芯ピン9のY軸方向の位置を変化させることができる。長穴5aはZ軸方向に長い長穴となっているため、ピン92aのY軸方向の位置の変化により表示モジュール102に対する表示モジュール100のY軸方向の位置は変化する。一方、ピン92aのZ軸方向の位置の変化で表示モジュール100,102がZ軸方向に動くことはない。なお、偏心ピン92のねじ部92は、板金5にばね座金のようにばね力を有する部品を挟んでナットにより取り付けられている。このため、板金5との固定部分が緩くなることで偏心ピン92と板金5との間に隙間などが発生すること無く、偏心ピン92はX軸まわりに回転または停止することができる。
図6は、取付金具4aを側面から見た図で、偏心ピン92を回転させたときの隣接する2つの板金5の位置関係を示している。つまり、図6は、隣接する取付金具4aの板金5を一部切断して描いた図3を−X軸方向から見た図に相当する。なお、偏心ピン92の状態を容易に理解するため、図6(a)から図6(c)までの上側には、各状態での偏心ピン92の状態を別途示している。また、図1を用いた説明を考慮して、−X軸方向側(図6中手前側)にある板金5は、表示モジュール102の取付金具4aとし、+X軸方向側(図6中奥側)にある板金5は、表示モジュール100の取付金具4aとする。このため偏心ピン92の調整により移動するのは奥側の表示モジュール100の取付金具4aとして説明する。
図6(b)で示す状態から偏心ピン92を反時計回りに90度回転すると、図6(a)で示す状態となる。このとき、+X軸方向側(図6中奥側)にある板金5は、偏心ピン92の偏心量に相当する寸法Aだけ+Y軸方向に移動する。長穴5aの上下に設けられた穴5bを見ると、−X軸方向側(図6中手前側)にある板金5の穴5bに対して+X軸方向側(図6中奥側)にある板金5の穴5bは寸法Aだけ+Y軸方向側にあることが分かる。この場合、−X軸方向側(図6中手前側)にある表示モジュール102に対して+X軸方向側(図6中奥側)にある表示モジュール100は+Y軸方向に移動することになる。
一方、図6(b)で示す状態から偏心ピン92を時計回りに90度回転すると図6(c)で示す状態となる。このとき、+X軸方向側(図6中奥側)にある板金5は、偏心ピン92の偏心量に相当する寸法Aだけ−Y軸方向に移動する。長穴5aの上下に設けられた穴5bを見ると、−X軸方向側(図6中手前側)にある板金5の穴5bに対して+X軸方向側(図6中奥側)にある板金5の穴5bは寸法Aだけ−Y軸方向側にあることが分かる。この場合、−X軸方向側(図6中手前側)にある表示モジュール102に対して+X軸方向側(図6中奥側)にある表示モジュール100は−Y軸方向に移動することになる。
なお、偏心ピン92を回転させた場合、長穴5aがZ軸方向に長い形状をしているので、Z軸方向の偏心ピン92の移動は長穴5aによって吸収され、板金5がZ軸方向に動くことはない。従って、簡単な構成で表示モジュール100のY軸方向の位置を調整することができる。また、この作業は表示モジュール100の背面側(+Y軸方向側)から作業を行うことになる。
次に、表示モジュール100の取付金具4a,4bの−X軸方向側に取り付けられている連結金具93のリング93bを隣接する表示モジュール102の取付金具4a,4bの+X軸方向側に取り付けられているフック94に引っ掛けた後、レバー93aを+X軸方向側に倒すことで表示モジュール100と表示モジュール102とを連結する。
第3の板金7は、第2の板金6の底面6bにばね座金などZ軸方向に押し付け力を有する部材を介してねじにより固定されている。図7に示すように、この第3の板金7の底面7cには、Y軸方向に長い長穴7aがもうけられており、板金6に対して板金7はY軸方向に動くことができる。また、上述のように板金7はばね座金を挟んで板金6にねじ止めされているため、ねじを少し緩めて板金6に対する板金7の位置を移動させる際にも、板金6に対して板金7が傾くことなく移動させることができる。次に説明するように、板金7をガイドレール11,12に固定するが、その際、板金6に対して板金7がY軸方向に移動できるようにねじを少し緩めておく。なお、図7は底面7c部分が見えるように板金6の一部を切断して表している。また、その切断部分には斜線を施している。
次に、第3の板金7をガイドレール11,12に固定する。図3および図4に示すように、板金7の背面7dにはZ軸方向に長い長穴7bが3つ設けられている。ガイドレール11,12の長穴7bに対応する位置には、雌ねじが形成されたねじ穴1iが設けられている。作業者は、ねじを背面7dの−Y軸方向から長穴7bに挿入してガイドレール11,12のねじ穴1iに固定する。これにより、取付金具4a,4bがガイドレール11,12に固定される。
この際、板金5,6は、偏心ピン92により隣接する表示モジュールの取付金具4a,4bと連結しており、板金5,6はY軸方向に移動することができない。このため、板金7の背面7dとガイドレール11,12との間に隙間があった場合でも、板金7とガイドレール11,12とをねじ止めする際に板金7は板金6に対してY軸方向に移動することができるので、板金7をガイドレール11,12にねじ止めにより固定することができる。板金7をガイドレール11,12に固定した後に、板金6と板金7とをつなぐねじを締めることで、表示モジュール100をガイドレール1に取り付ける作業が終了する。以下同様の手順で表示モジュール100を水平方向に順次連結することで、大型の表示装置200の設置が行われる。なお、板金7の長穴7bは3個であったが、板金7の大きさにより任意に決めることができ、この数に限定されるものではない。
また、図1に示すように、本実施の形態1では、取付金具4bは上述した取付金具4a,4bの上下に各1個ずつ配置されている。これら2つの取付金具4bはガイドレール1と接することは無いが、偏心ピン92を回転させることにより表示面3cのY軸方向の位置を調整することができる。これにより、表示モジュール100のそりによる表示面3cのY軸方向のずれを修正することができる。
また、ガイドローラ91の回転部分は、円筒形状に限らず球状のボール91aを用いたが、一般的に用いられる回転させて使う円筒形状のものを用いることもできる。図9は円筒形状のローラを示した図である。図9(a)はローラ91eを用いたガイドローラ91の斜視図、図9(b)はローラ91fの円筒面上に溝(凹部)を有し、ガイドレール13にはその溝と対応する凸部を有するローラ91fおよびガイドレール13の説明図、図9(c)はローラ91gの円筒面上に凸部を有し、ガイドレール14にはその凸部と対応する溝(凹部)を有するローラ91gおよびガイドレール14の説明図である。なお、ガイドレール13,14は、ガイドレール13,14の長手方向に垂直な平面で切断した断面図とし、その断面に斜線を施している。
図9(a)のローラ91eは、ガイドレール11の溝の底面1e上に置かれ、ガイドレール11の溝に案内されて移動する。このガイドローラ91は、ローラ91eが支持部91dに対して軸まわりに固定されている場合は、ガイドローラ91のZ軸方向の高さ調整が180度単位でしかできず、調整精度が粗くなるという点でボール91aを用いたガイドローラ91と異なる。この点で、ボール91aを用いたガイドローラ91は簡単な構成でZ軸方向の高さを微調整できるといる利点を有する。なお、ローラ91eが支持部91dに対して軸まわりに回転できる構造の場合はZ軸方向の高さを微調整することができる。
図9(b)のローラ91fは、ローラ91fの円筒面上に円周方向に溝(凹部)を有する構造をしている。ガイドレール13はガイドレール11とは異なりガイドレール13の長手方向に、ローラ91fの凹部に対応した凸部を有する。このローラ91fの凹部がガイドレール13の凸部にはめ込まれることで、ローラ91fはガイドレール13の長手方向に案内されて移動することができる。
図9(c)のローラ91gは、ローラ91gの円筒面上に円周方向に凸部を有する構造をしている。ガイドレール14はガイドレール11とは異なりガイドレール14の長手方向に、ローラ91gの凸部に対応した凹部(溝部)を有する。このローラ91gの凸部がガイドレール14の凹部にはめ込まれることで、ローラ91gはガイドレール14の長手方向に案内されて移動することができる。
図9で説明したローラ91e,91f,91gを用いたガイドローラ91は、ガイドローラ91のZ軸方向の高さ調整の調整精度を別とすれば、ボール91aを用いたガイドローラ91と同様の効果を得ることができる。
以上示したように、ガイドローラ91を用いた表示モジュール100の高さ(Z軸方向)の調整および偏心ピン92を用いた隣接する表示モジュール100の表示面3cの位置調整は、表示モジュール100の背面(+Y軸方向)側から行うことができる。この表示モジュール100の背面側から調整作業ができることは、駅のホームからレールを挟んで見る看板または交通量の多い道路沿いの看板を本発明の表示装置に置き換える場合に有効である。
駅のホームからレールを挟んでみる看板は表示面がレールに近いため、列車などが運行されている時間帯に長い時間を使って作業者は表示面側で作業をすることができない。このため、本実施の形態1に係る表示装置200では、長いガイドレール1の内、表示モジュール100を取り付ける位置の近くで表示モジュール100をガイドレール1に取り付けることができ、列車のレール側での作業時間を短くできる。その後、隣接する表示モジュール100の位置関係などを調整する調整作業は、表示装置の背面(+Y軸方向)側から行えるため、ある程度の時間を要しても安全に作業をすることができる。
このように、表示装置200の表示面側から短時間で表示モジュール100をガイドレール1に取り付けることに加えて、表示装置200の背面側から、ある程度時間を要する調整作業ができることで、駅のホームからレールを挟んでみる看板または交通量の多い道路沿いの看板に表示装置200を採用する場合でも、作業者は安全に設置作業を行うことができるという利点がある。
実施の形態2.
実施の形態1では、隣接する表示モジュール110のY軸方向の位置調整は、偏心ピン92により行った。本実施の形態2では、ケーシング21のX軸方向の側面に設けた凹部21aと凸部21bとを用いて隣接する表示部3の表示面3cをそろえる。なお、実施の形態1と同様の構成要素に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図10は、隣接する表示モジュール110,112のY軸方向の位置決め構造を示した斜視図である。なお、説明を分かり易くするため上下の一部を切断して表している。図10に示す表示モジュール110,112のケーシング21は、押出し加工により製作されていることから、断面形状が一定のものを長尺で製作することに優れている。ケーシング21の+Y軸方向側(背面側)にはZ軸方向に伸びるヒートシンク21cが形成されている。そのヒートシンク21cの+Y軸方向側に取付金具4aが取り付けられている。ケーシング21の+X軸方向側の端面には、X−Y平面による断面が凹形状の凹部21aが形成されている。ケーシング21の−X軸方向側の端面には、X−Y平面による断面が凸形状の凸部21bが形成されている。
表示モジュール110を表示モジュール112に連結する際、表示モジュール110の凸部21bを表示モジュール112の凹部21aにはめ込むことにより、隣接する表示モジュール110,112の表示面3cのY軸方向の位置を合わせることができる。また、凹部21aと凸部21bとはZ軸方向のほぼ全範囲に形成されているため、表示モジュール110,112のZ軸方向のそりも修正することができる。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、表示部3を固定するケーシング2,21はアルミを押出し加工して作製された部品であったが、本実施の形態3では、板金の絞り加工により作製されている。図11を用いて、隣接する表示モジュール120の構成について説明し、図12を用いて、隣接する表示モジュール120,122の間の位置決め構造について説明する。
図11は、この発明の実施の形態3における表示モジュール120の構成を示した分解斜視図である。図12は、隣接する表示モジュール120,122の間を連結するためのケーシング22に形成された連結部22aの周辺を拡大した部分拡大図である。なお、実施の形態1と同様の構成要素に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すように、表示モジュール120は7個の表示部3を有している。各々の表示部3は、その発熱部3aに各々2個のヒートシンク95を備えている。ヒートシンク95は発熱部3aに熱伝導性の良いシリコン製の接着剤により固定されている。表示部3とヒートシンク95が一体となった表示ユニット31は、表示部3の四隅に設けられた取り付け用の穴3bを使ってケーシング22にねじ止めされている。このケーシング22は、板金の絞り加工等により箱型に成形されている。また、表示ユニット31のヒートシンク95が+Y軸方向側の背面から露出するように、対応する部分に四角形状の穴22dが開けられている。表示ユニット31はケーシング22の箱形状の外側の底面にあたる部分に取り付けられる。つまり、箱形状の側面は+Y軸方向に向いて立っている形状となる。表示ユニット31はケーシング22に取り付けられた後、+Y軸方向側からカバー23が取り付けられる。
カバー23は、ケーシング22と同様にヒートシンク95を露出するための四角形状の穴23bが開けられている。隣接する穴23bと穴23bのZ軸方向の間には、取付金具4a,4bが+Y軸方向から取り付けられている。カバー23には、取付金具4a,4bを取り付けるための6個のねじ穴23aが設けられている。取付金具4a,4bの板金5には対応する位置にねじ止め用の穴が設けられている。この板金5の穴に+Y軸方向からねじを挿入してねじ止めを行う。
次に、図12を用いて隣接する表示モジュール120,122の間のY軸方向およびZ軸方向の位置決め方法について説明する。ケーシング22の板金の絞り加工により作製されたX軸方向側の両側面には、隣接する表示モジュール120,122を位置決めするための連結部22aが形成されている。この連結部22aには各々3個の穴22b,22cがZ軸方向に並んで開けられている。3個の穴のうち、真ん中の穴は穴22bで、両端の2個の穴は穴22cである。
このように構成された表示モジュール120においては、隣接する表示モジュール120,122の間のY軸方向およびZ軸方向の位置を合わせるために、位置決め部品24を用いる。位置決め部品24は、板部24aの中央に表側と裏側に突出したピン24bを有する。ピン24bを挟んでZ軸方向に2つのねじ止め用の穴24cが設けられている。
隣接する表示モジュール120,122を連結する際には、位置決め部品24のピン24bを、表示モジュール120,122の各々の連結部22aに設けられた穴22bに挿入する。これにより、表示モジュール120,122のY軸方向およびZ軸方向の位置を合わせることができる。位置合わせがされた表示モジュール120,122は、表示モジュール120,122の連結部22aに位置決め部品24を挟んだ状態で連結部22aの穴22cにねじを通して固定される。これにより簡単な構成で、隣接する表示モジュール120,122の間の位置を決めることができる。また、表示モジュール120の構成では、厚みの薄い板金製のケーシング22を用いているため、実施の形態1や実施の形態2に比べて更に薄型の表示モジュール120とすることができる。また、実施の形態2に対しては、ヒートシンク95のない場所に取付金具4a,4bを取り付けるため、薄型の表示モジュール120とすることができる。
実施の形態4.
実施の形態1では、隣接する表示モジュール100を連結する手段として連結金具93とフック94とを用いていた。本実施の形態4では、ねじを用いて連結する構成を示す。図13は、第3の取付金具4cの構成を示す斜視図である。実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態3では、位置決め部品24を用いた隣接する表示モジュール120,122の位置決めを行った後、ねじを用いて隣接する表示モジュール120,122を固定している。本実施の形態4の取付金具4cは、隣接する表示モジュールをねじ止めで固定する構成をしている。
取付部品4cは、板金6のX軸方向の両端面に第4の板金8が取り付けられている。板金8はY軸に平行な折り曲げ線で略90度のL字状に曲げられた形状をしている。板金8の側面8aがY−Z平面と平行となるように、底面8bは、板金6の底面6bにねじにより固定されている。側面8aには、ねじを挿入するための穴8cと、雌ねじであるねじ穴8dがZ軸方向に並んで設けられている。穴8cは、隣接する取付金具4cのねじ穴8dに対応する位置に設けられている。このため、−X軸方向側の板金8と+X軸方向側の板金8との穴8cおよびねじ穴8dはZ軸方向(上下方向)で上下が逆の位置に設けられている。そして、隣接する取付金具4cの穴8cから各々1本のねじを挿入してねじ穴8dでねじ止めする。つまり、2本のねじがX軸方向に各々逆向きに取り付けられる構成となっている。
この取付金具4cを用いることで、隣接する表示モジュール100を容易に連結することができる。
実施の形態5.
実施の形態1では、第1の取付金具4aには、2個のガイドローラ91が取り付けられていた。また、実施の形態1では、ケーシング2の上端部の側面または下端部の側面に位置決めピンは設けられていなかった。しかし、本実施の形態5では、取付金具4dの略中央に1個のガイドローラ91を配置した。また、表示モジュールのケーシング2の上端部の側面または下端部の側面に位置決めピン25aを設けた。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図14は、この発明の実施の形態5における第4の取付金具4dの構成を示した斜視図である。ここでは、実施の形態1の図3に示す第1の取付金具4aと対比して説明する。第1の取付金具4aの第2の板金6の底面6bには、2個のガイドローラ91が取り付けられている。しかし、第4の取付金具4dには、第2の板金6の底面6bの略中央に、1個のガイドローラ91が取り付けられている。また、第4の取付金具4dの第2の板金6のX軸方向の両端部はL字に曲げられた立ち壁6dが形成されている。立ち壁6dは2つの面で構成されている。1つの面は、底面6bを略90度−Z軸方向に曲げたYZ平面に平行な面である。他の面は、そのYZ平面に平行な面をX軸方向の内側に略90度曲げたZX平面に平行な面である。
この第4の取付金具4dは、1個のガイドローラ91がガイドレール1に接することで、ガイドレール1の上に置かれている。このため、第4の取付金具4dは、ガイドローラ91を支点にしてY軸回りに傾くことができる。つまり、ガイドレール1の上に置かれたときに、第4の取付金具4dは非常に不安定となる。そのため、立ち壁6dで第4の取付金具4dの不安定さを解消している。つまり、第4の取付金具4dがY軸回りに回転した場合、立ち壁6dがガイドレールに接する。この規制により第4の取付金具4dが倒れることを防いでいる。
次に、図15および図16を用いて、隣接する表示モジュール130,132の位置決め構造、締結構造および取り付け手順について説明する。表示モジュール130,132はガイドレール1の上に乗せられた状態である。図15および16は、ガイドレール1の上に置かれた表示モジュール130,132の背面図である。図15は、取り付け手順の第1の状態であり、図16は、取り付け手順の第2の状態である。なお、図15および図16は、取付金具4dの近傍を詳細に示すために、表示モジュール130,132の下半分を省略した部分詳細図としている。また、ガイドレール1についても詳細形状を省略している。ガイドローラ91を受ける低面1eを実線で示している。
図15に示す第1の表示モジュール130は設置が完了している。設置作業者は、第2の表示モジュール132をガイドレール1の上で移動させ、第1の表示モジュール130の隣に運んできている。このとき、図15中で、第2の表示モジュール132は、ガイドローラ91を中心としてY軸回りに反時計回りに傾いている。このとき、第1の表示モジュール130側の第2の表示モジュール132の立ち壁6dは、ガイドレール1と接している。第2の表示モジュール132は、ガイドローラ91の高さを調整することで、第1の表示モジュール130に対して目視でほぼ同等の高さに調整されている。
図15に示すように、ケーシング2の−X軸方向の側面の上端部に位置決めピン25aが設けられている。位置決めピン25aに対応する位置のケーシング2の+X軸方向の側面には、Z軸方向に長い長穴が設けられている。そして、位置決めピン25aは、偏心ピン92よりも少し長いピンである。
図15の状態において、第2の表示モジュール132が反時計回りに傾いている。この状態で第2の表示モジュール132を第1の表示モジュール130に近づけたとき、第2の表示モジュール132の上端部の位置決めピン25aは、第1の表示モジュール130の上端部の長穴と最初に挿入される。これは、第2の表示モジュール132が反時計回りに傾いていることに加えて、位置決めピン25が偏心ピン92より長いからである。
また、偏心ピン92を回転させて、隣接する表示面3cの位置を合わせる必要がある。つまり、第1の表示モジュール130の上端部の長穴に挿入された位置決めピン25aは、Y軸方向に偏心ピン92の調整範囲内でY軸方向に動ける必要がある。このため、位置決めピン25aの直径に対して、長穴のY軸方向の寸法は裕度を持って大きな寸法としている。
位置決めピン25aにより、第2の表示モジュール132のY軸方向の位置は規制される。その後、第2の表示モジュール132を時計回りに回転させて、第2の表示モジュール132の偏心ピン92を第1表示のモジュール130の長穴5aに挿入する。偏心ピン92の長穴5aへの挿入は、+Z軸方向のものから順次行われる。
第4の取付金具4dの第1の板金5は、実施の形態1で示した第1の取付金具4aの第1の板金5と同じ形状をしている。そのため、第1の表示モジュール130の第4の取付金具4dは長穴5aを有している。図15に示す第1の状態のように第2の表示モジュール132が傾いた状態でも、長穴5aはZ軸方向に長い長穴なので、第2の表示モジュール132の偏心ピン92を第1の表示モジュール130の長穴5aに挿入することができる。
第2の表示モジュール132はY軸回りに回転できる。位置決めピン25aでY軸方向の位置を規制した後、+Z軸方向から順番に偏心ピン92を長穴5aに挿入する。最初に位置決めピン25aで第2の表示モジュール132のY軸方向の位置を規制しているため、その後の偏心ピン92の長穴5aへの挿入が容易になる。このため、実施の形態5に係る表示モジュールは、複数の偏心ピン92を一度に位置合わせして挿入するといった煩雑な作業がなくなる。また、簡単に多数の位置決めピンを挿入することができ、組立性に優れている。なお、ケーシング2の下端部にも位置決めピン25aを設けることで、第2の表示モジュール132がY軸を中心として時計回りに傾いている場合にも同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態5では、ケーシング2の上端部に位置決めピン25aを設けている。しかし、取付金具4bを上端部に配置して、偏心ピン92に位置決めピン25aの機能を持たせることもできる。この際、上端部の偏心ピン92のみ他の偏心ピン92より少し長さを長くすることもできる。
第2の表示モジュール132の偏心ピン92が第1の表示モジュール130の長穴5aに挿入された状態で、連結金具93を用いて、第2の表示モジュール132の取付金具4bを隣接する第1の表示モジュール130の取付金具4bに連結する。この時、第2の表示モジュール132は、ガイドローラ91を支点にY軸回りに回転できる。このため、設置作業者は軽い力でY軸を中心とした時計回りに表示モジュール132を回転させることができる。また、取付金具4bにおいて、第2の表示モジュール132の偏心ピン92は第1の表示モジュールの長穴5aに挿入されている。長穴5aはZ方向に長いため、偏心ピン92はZ方向には移動可能である。従って、第2の表示モジュール132の姿勢を簡単に矯正できる。
また、第2の表示モジュール132を第1の表示モジュール130に沿わせて配置することができる。このため、取付金具4bの下側に配置されている第2の表示モジュール132の取付金具4dの偏心ピン92を第1の表示モジュール130の取付金具4dの長穴5aに挿入することができる。また、表示モジュール130,132はY軸回りに回転可能に配置されている。このことから、隣接する表示モジュール130,132を固定するのに大きな力を必要としない。つまり、締結力の比較的弱い連結金具93を用いても、第1の表示モジュール130と第2の表示モジュール132を隙間なく組み立てることができる。以下同様の手順で順次表示モジュール130を連結することで、全ての表示モジュール130を隙間なく組み立てることができる。本実施の形態5のように、ガイドローラ91を表示モジュール130の中央に1個配置することで、表示モジュール130はY軸回りに回転することができる。このため、より簡単に表示モジュール130を隙間なく連結することができる。
実施の形態6.
実施の形態5では、ガイドローラ91を取付金具4dの中央付近に1個配置した。これにより、表示モジュール130はY軸回りの回転することができた。本実施の形態6では、第5の取付金具4eに高さ調整機構とY軸回りの回転機構とを設ける。このことで、表示モジュール130はY軸回りの回転自由度を有しながら、表示モジュール130の高さを調整することができる。なお、実施の形態5と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。取付金具4eは、ケーシング2に取り付けられる取付部としての機能を有する。
図17は、表示モジュール130の高さ方向の調整機構とY軸回りの回転機構とを有する第5の取付金具4eの構造を示した分解斜視図である。図17に示すように、第2の板金6の底面6bにベース板金9が固定されている。ベース板金9は2箇所のねじ穴9aを有している。このねじ穴9aを用いてベース板金9は板金6に固定される。ねじは、頭部の形状がさら形状のものを用いる。図示しない底面6bに設けられた穴に+Z軸方向からねじを通し、ねじ穴9aにねじをはめ合わせてベース板金9を板金6に固定する。ねじの頭部はさら形状であるため、+Z軸方向から板金7を底面6bに取り付けても、板金7が底面6bに対して浮くことは無い。ベース板金9のYZ平面の断面形状は、ガイドレール1と対向する方向(−Z方向)に開口を有する略コの字形状である。ベース板金9の面9bは、ZX平面に略平行な平面である。面9bは、底面9eのY軸方向の両側の端面から−Z軸方向に延びている。面9bの各々は、Z軸方向に長い長穴9cを有している。
シャーシ板金10は、ベース板金9のコの字形状の内側に配置されている。シャーシ板金10は、後述するシャフト17によって、ベース板金9に取り付けられる。シャーシ板金10は、ベース板金9に対してシャフト17を中心にY軸回りに回転できる。シャーシ板金10のYZ平面の断面形状は、ガイドレール1と対向する方向(−Z方向)に開口を有する略コの字形状である。シャーシ板金10の面10bは、ZX平面に略平行な平面である。面10bは、底面10eのY軸方向の両側の端面から−Z軸方向に延びている。面10bの各々は、穴10cを有している。シャフト17は穴10cを貫通する。底面10eのX軸方向の両端は、X軸方向に突出した突部を有している。この突部には、各々ねじ穴10aが設けられている。ガイドローラ91は、ガイドローラ91に設けられたねじ部91cによりねじ穴10aに取り付けられている。シャーシ板金10は、ガイドローラ91を保持する保持部としての機能を有する。
回転ベース板金15は、シャーシ板金10のコの字形状の内側に配置されている。回転ベース板金15のYZ平面の断面形状は、+Z方向に開口を有する略コの字形状である。回転ベース板金15は、同様にシャフト17によって、シャーシ板金10に取り付けられている。回転ベース板金15は、ベース板金9およびシャーシ板金10に対してシャフト17を中心としてY軸回りに回転できる。
回転ベース板金15の面15aは、ZX平面に略平行な平面である。面15aは、底面15cのY軸方向の両側の端面から+Z軸方向に延びている。この回転ベース板金15の対向する面15aは、シャフト17を挿通する穴15bが設けられている。また、底面15cは、2個のねじ穴15dを有している。後述する台座16は、2箇所の穴16aと2個のねじ穴15dとを用いて回転ベース板金15にねじ止めされる。取り付けねじは、+Z軸方向から穴16aに挿入された後、ねじ穴15dにはめ合わされる。台座16は、+Z方向に凸形の形状をしている。調整ねじ18は、第2の板金6に取り付けられる。調整ねじ18のねじ部18aは、第2の板金6のねじ穴6eにはめ合わされる。
この調整ねじ18のねじ部18aは、前記ベース板金9の穴9dおよびシャーシ板金10の穴10dを貫通する。そして、ねじ部18aは、ベース板金9およびシャーシ板金10と接触しない。調整ねじ18の先端部18bは、台座16の頂部16bと接触する。また、シャフト17は、ベース板金9、シャーシ板金10および回転ベース板金15を貫通している。シャフト17は、図示しないeリングなどの抜け止め用の部品によって、Y軸方向に外れないように取り付けられている。
実施の形態6に係る第5の取付金具4eを用いて、表示モジュールの高さを調整する方法を説明する。図18は、基準位置での第5の取付金具4eの背面図である。図19は、表示モジュールを+Z方向に持ち上げた後の第5の取付金具4eの背面図である。図19に示された第5の取付金具4eは、図18に示された第5の取付金具4eよりシャーシ板金10に対して+Z軸方向に移動している。図18および図19においては陰線を破線で示している。
調整ねじ18は、第2の板金6とねじ止めにより結合している。また、調整ねじ18の先端部18bは、台座の頂部16bと接触している。これらのことより、ねじを締める方向に調整ねじ18を回転させると、調整ねじ18は第5の取付金具4eに対して−Z方向に移動する。そして、調整ねじ18は台座16を−Z軸方向に移動させる。
台座16は回転ベース板金15にねじ止めをされている。また、回転ベース板金15およびシャーシ板金10は、シャフト17が貫通することにより一体となっている。これらのことより、回転ベース板金15、台座16およびシャフト17は、一体となって第2の板金6から離れる方向に移動する。
ベース板金9のシャフト17の貫通穴は、Z軸方向に長い長穴9cである。このため、シャフト17によって一体となった回転ベース板金15およびシャーシ板金10は、長穴9cに沿ってZ軸方向に動くことができる。つまり、回転ベース板金15およびシャーシ板金10は、ベース板金9に対してZ軸方向に位置を変えることができる。ベース板金9は、第5の取付金具4eに固定されている。また、第5の取付金具4eは表示モジュールに取り付けられている。このため、ガイドレール1に対する表示モジュールの高さを調整することができる。
次に図20を用いて、表示モジュールのY軸回りの回転機構について説明する。図20は、表示モジュールをY軸回りに回転させた後の第5の取付金具4eの背面図である。回転ベース板金15およびシャーシ板金10には、シャフト17が貫通している。このため、回転ベース板金15は、シャーシ板金10に対してシャフト17を中心としてY軸回りに回転できる。
一方、シャーシ板金10は、2個のガイドローラ91により、ガイドレール1に置かれている。また、第2の板金6は、第1の板金5を介して表示モジュールに固定されている。これらのことより、表示モジュールはガイドレール1に対してY軸回りに回転できる。また、回転ベース板金15および台座16は、シャーシ板金10に対してシャフト17を中心としてY軸回りに回転できる。このため、シャーシ板金10が傾く際に、回転ベース板金15および台座16は傾かない。このため、調整ねじ18の先端部18bは、安定して台座16の頂部16bに接触できる。このように、実施の形態6に係る機構は、設置場所に対してガイドレール1が傾いて取り付けられた場合に、表示モジュールの傾きと高さを調整ができる利点がある。
また、シャフト17は、表示モジュールのX軸方向のほぼ中央に取り付けられている。このため、仮にガイドレール1が設置場所に対して水平に設置されない場合でも、表示モジュール自身がシャフト17を中心としてバランスとり、姿勢を水平に保つ。このため、ガイドレール1を精度よく水平に調整する必要がないという利点がある。更に、表示モジュール自身が姿勢を水平にとるため、隣接する表示モジュールを組み合わせる作業のときに、簡便な操作で隣接の表示モジュールに連結することができ、設置時間を削減することができる。
また、設置作業者が表示モジュールの位置決めピン25aを表示モジュールの上端部の長穴に挿入際、ガイドローラ91のねじ部91cを回して表示モジュールの高さを調整する必要がない。なぜなら、位置決めピン25aを挿入する相手はZ軸方向に長い長穴なので、表示モジュールを高さ方向(Z軸方向)に微調整することなく挿入できるからである。このため、簡便な操作で、隣接する表示モジュールとはめ合わせることができ、設置時間を大幅に削減することができる。
なお、上述の各実施の形態においては、LEDを平面に敷き詰めて表示装置を構成したものについて述べたが、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイおよび有機ELディスプレイなどのパネルを使用して表示モジュールを構成することもできる。また、略正方形、略90度および略平行など「略」をつけた表現を用いているが、これは、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。このため、請求の範囲に例え「略」を記載しない場合であっても製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むものである。