JP5678035B2 - 光電気化学セル及びそれを用いたエネルギーシステム - Google Patents

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Description

本発明は、光の照射により水を分解する光電気化学セル及びそれを用いたエネルギーシステムに関する。
従来、光触媒として機能する半導体材料に光を照射することにより、水を分解して水素と酸素を採取する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、前記半導体材料を用いて基材の表面を被覆することにより、前記基材の表面を親水化する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1には、電解液中にn型半導体電極と対極とを配置し、n型半導体電極の表面に光を照射することにより両電極の表面から水素及び酸素を採取する方法が開示されている。具体的には、n型半導体電極として、TiO2電極、ZnO電極およびCdS電極等が使用できることが記載されている。
特許文献2には、親水性部材が開示されている。この親水性部材は、基材と、前記基材の表面に形成された被膜とからなる。前記被膜は、酸化チタン粒子を含む酸化チタン層と、前記酸化チタン層の上に配置された、酸化チタン以外の第2の光触媒材料からなる島状部とを有する。特許文献2には、具体的には、伝導帯の下端及び価電子帯の上端のポテンシャルが、対標準水素電極電位を基準として、酸化チタンよりも正側(真空準位を基準にして負側)にある材料が、第2の光触媒材料として用いられることが記載されている。
また、自然光下での高効率な光触媒性能が得られる光触媒薄膜も提案されている(特許文献3参照)。この光触媒薄膜は、基盤上に作製された光触媒薄膜にNb、V及びCr等の金属イオンのうち少なくとも一種のイオンを注入することによって得られる膜である。この膜は、バンドギャップまたは電位勾配が厚さ方向に変化している傾斜膜である。
また、多層薄膜状光触媒に光を照射して水素を製造する技術も提案されている(特許文献4参照)。この多層薄膜状光触媒は、第1の化合物半導体層と、前記第1の化合物半導体層とは異なるバンドギャップを有する第2の化合物半導体層とが、導電性基材上に順次配置されることによって、形成されている。この多層薄膜状光触媒を硫化水素を含有する溶液中に浸漬して、この多層薄膜状光触媒に光を照射することによって、水素が製造される。
特開昭51−123779号公報 特開2002−234105号公報 特開2002−143688号公報 特開2003−154272号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法の場合、光の照射による水の分解反応の量子効率が低いという問題があった。これは、光励起により生じたホールと電子とが水の電解反応に用いられる前に再結合することによって、当該ホールおよび電子が消滅する確率が高いためである。
特許文献2には、光励起により生成した電子及びホールのうち、電子は第2の光触媒材料の伝導帯に移動し、ホールは酸化チタンの価電子帯に移動することより、電子−ホール対が分離するので、ホールと電子とが再結合する確率が低くなる、と記載されている。しかしながら、特許文献2には、酸化チタンと第2の光触媒材料との接合面におけるエネルギー状態がどのように設定されるかについては、何も記載されていない。酸化チタンと第2の光触媒材料との接合面がショットキー接合となる場合、接合面において伝導帯及び価電子帯にショットキー障壁が発生する。このとき、光励起により生成した電子及びホールのうち、電子は伝導帯の接合面におけるショットキー障壁により堰き止められる。一方、価電子帯の接合面におけるショットキー障壁はホール溜まりとして機能するので、ホールは価電子帯の接合面付近に溜まってしまう。そのため、特許文献2に開示された構成は、酸化チタンと第2の光触媒材料とをそれぞれ単独で用いる場合よりも、電子及びホールの再結合する可能性が高くなってしまう、という問題を有していた。
特許文献3に記載されている光触媒薄膜は、金属イオンドープによって、傾斜膜化されている。しかしながら、この構成は、光触媒薄膜を傾斜膜化することによって可視光領域まで光の利用効率を向上させることを目的として、得られたものである。そのため、特許文献3には、傾斜膜内での光触媒のエネルギー状態がどのように設定されるかについては、何も記載されていない。すなわち、この光触媒薄膜において、電荷分離等の最適化はなされていない。
特許文献4に記載されている多層薄膜状光触媒は、バンドギャップの異なる2つの半導体CdSとZnSとが接合し、さらにこの半導体ZnSと導電性基材Ptとが接合した構造を有している。特許文献4には、このようなバンドギャップが異なる材料が接合されていることにより、バンドギャップの勾配に沿って、電子が半導体ZnSへ、さらには導電性基材Ptへと移動して、導電性基材上で水素イオンと結合しやすく、水素を発生させやすい、と記述されている(特許文献4の[0026]〜[0027]段落)。しかしながら、この多層薄膜状光触媒では、それぞれの材料のフェルミ準位(真空基準値)が考慮されていない。そのため、この構成では、バンドギャップの勾配に沿って電子が移動するものの、スムーズに移動することは困難である。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み、光励起により生成する電子及びホールを効率的に電荷分離することができ、光の照射による水素生成反応の量子効率を向上させることが可能な光電気化学セルを提供することを目的とする。さらに、本発明は、そのような光電気化学セルを用いたエネルギーシステムを提供することも目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、
導電体及び前記導電体上に配置された半導体層を含む半導体電極と、
前記導電体と電気的に接続された対極と、
前記半導体層及び前記対極の表面と接触する電解液と、
前記半導体電極、前記対極及び前記電解液を収容する容器と、を備え、
真空準位を基準として、前記半導体層の表面近傍領域における伝導帯のハンドエッジ準位ECS、価電子帯のバンドエッジ準位EVS及びフェルミ準位EFSと、前記半導体層の前記導電体との接合面近傍領域における伝導帯のバンドエッジ準位ECJ、価電子帯のバンドエッジ準EVJ及びフェルミ準位EFJとが、
CS−EFS>ECJ−EFJ、EFS−EVS<EFJ−EVJ、ECJ>−4.44eV、及び、EVS<−5.67eV、を満たし、かつ、
前記半導体層の表面近傍領域におけるフェルミ準位EFS及び前記半導体層の前記導電体との接合面近傍領域におけるフェルミ準位EFJが、それぞれ、真空準位を基準として、−5.67eV<EFS<−4.44eV、−5.67eV<EFJ<−4.44eVを満たす、
光電気化学セルを提供する。
本発明は、さらに、前記本発明の光電気化学セルと、前記光電気化学セルと第1の配管によって接続されており、前記光電気化学セル内で生成した水素を貯蔵する水素貯蔵器と、前記水素貯蔵器と第2の配管によって接続されており、前記水素貯蔵器に貯蔵された水素を電力に変換する燃料電池と、を備えたエネルギーシステムを提供する。
本発明の光電気化学セルは、光励起により生成する電子及びホールを効率的に電荷分離することができる。これにより、本発明の光電気化学セルは、光の照射による水素生成反応の量子効率を向上させることができる。本発明のエネルギーシステムは、このような光電気化学セルを備えているので、効率良く電力を供給することができる。
本発明の実施の形態1の光電気化学セルの構成を示す概略図 本発明の実施の形態1の光電気化学セルにおいて、半導体電極を構成する導電体、第1の半導体層及び第2の半導体層の接合前のバンド構造を示す模式図 本発明の実施の形態1の光電気化学セルにおいて、半導体電極を構成する導電体、第1の半導体層及び第2の半導体層の接合後のバンド構造を示す模式図 本発明の実施の形態2の光電気化学セルの構成を示す概略図 本発明の実施の形態3の光電気化学セルの構成を示す概略図 本発明の実施の形態4の光電気化学セルの構成を示す概略図 本発明の実施の形態5のエネルギーシステムの構成を示す概略図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は一例であり、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、以下の実施の形態では、同一部材に同一の符号が付されて、重複する説明が省略される場合がある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の光電気化学セルの構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施の形態の光電気化学セルの構成を示す概略図である。図2は、本実施の形態の光電気化学セルにおいて、半導体電極を構成する導電体、第1の半導体層及び第2の半導体層の接合前のバンド構造を示す模式図である。図3は、本実施の形態の光電気化学セルにおいて、半導体電極を構成する導電体、第1の半導体層及び第2の半導体層の接合後のバンド構造を示す模式図である。図2及び3において、縦軸は、真空準位を基準とするエネルギー準位(単位:eV)を示す。なお、ここでは、半導体電極を構成する第1の半導体層及び第2の半導体層にn型半導体を用いる形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の光電気化学セル100は、半導体電極120と、対極130と、電解液140と、容器110とを備えている。対極130は、半導体電極120と対をなす電極である。電解液140は、水を含んでいる。容器110は、半導体電極120、対極130及び電解液140を収容し、開口部を有する。
容器110内において、半導体電極120及び対極130は、その表面が電解液140と接触するように配置されている。半導体電極120は、導電体121と、導電体121上に配置された第1の半導体層122と、第1の半導体層122上に配置された第2の半導体層123とを備えている。すなわち、本実施の形態における半導体電極120は、導電体121上に第1〜第Nの半導体層(Nは2以上の整数)が設けられた半導体電極であり、N=2の場合に相当する。本実施の形態では、半導体電極120を構成する半導体層が、導電体121上に順に配置された第1の半導体層122及び第2の半導体層123によって形成されている。容器110のうち、容器110内に配置された半導体電極120の第2の半導体層123と対向する部分(以下、光入射部110aと略称する)は、太陽光等の光を透過させる材料で構成されている。
半導体電極120における導電体121と、対極130とは、導線150により電気的に接続されている。なお、ここでの対極とは、半導体電極との間で電解液を介さずに電子の授受を行う電極のことを意味する。したがって、本実施の形態における対極130は、半導体電極120を構成している導電体121と電気的に接続されてさえいればよい。対極130と半導体電極120との位置関係等は、特に限定されない。
次に、半導体電極120における導電体121、第1の半導体層122及び第2の半導体層123のバンド構造について説明する。
図2に示すように、第1の半導体層122と第2の半導体層123とは、真空準位を基準として、次のような関係を満たす。
C2−EF2>EC1−EF1
F2−EV2<EF1−EV1
C1>−4.44eV
V2<−5.67eV
−5.67eV<EF1<−4.44eV
−5.67eV<EF2<−4.44eV
なお、EC1、EV1、EF1、EC2、EV2、EF2は、それぞれ、以下のとおりである。
C1:第1の半導体層122の伝導帯のバンドエッジ準位
V1:第1の半導体層122の価電子帯のバンドエッジ準位
F1:第1の半導体層122のフェルミ準位
C2:第2の半導体層123の伝導帯のバンドエッジ準位
V2:第2の半導体層123の価電子帯のバンドエッジ準位
F2:第2の半導体層123のフェルミ準位
すなわち、半導体電極120は、次の(1)及び(2)を満たすように設定されている。
(1)第2の半導体層123における伝導帯のバンドエッジ準位とフェルミ準位との差分値が、第1の半導体層122におけるその差分値よりも大きい。
(2)第1の半導体層122におけるフェルミ準位と価電子帯のバンドエッジ準位との差分値が、第2の半導体層123におけるその差分値よりも大きい。
ここで、第1の半導体層122及び第2の半導体層123が、全体として1個の半導体層であると想定する。この場合、第2の半導体層123は半導体層の表面近傍領域、第1の半導体層122は導電体121との接合面近傍領域、とみなすことができる。したがって、本実施の形態の半導体電極120は、真空準位を基準として、次の(I)及び(II)を満たすように設定されているといえる。
(I)半導体層の表面近傍領域における伝導帯のバンドエッジ準位とフェルミ準位との差分値が、半導体層の導電体との接合面近傍領域におけるその差分値よりも大きい。
(II)半導体層の導電体との接合面近傍領域におけるフェルミ準位と価電子帯のバンドエッジ準位との差分値が、半導体層の表面近傍領域におけるその差分値よりも大きい。
さらに、本実施の形態の半導体電極120は、真空準位を基準として、次の(i)〜(iv)を満たすように設定されているといえる。
(i)半導体層の導電体との接合面近傍領域における伝導帯のバンドエッジ準位ECJが、−4.44eVよりも高い。
(ii)半導体層の表面近傍領域における価電子帯のバンドエッジ準位EVSが、−5.67eVよりも低い。
(iii)半導体層の導電体との接合面近傍領域におけるフェルミ準位EFJが、−5.67eV<EFJ<−4.44eVを満たす。
(iv)半導体層の表面近傍領域におけるフェルミ準位EFSが、−5.67eV<EFS<−4.44eVを満たす。
導電体121として用いられる一般的な材料では、そのフェルミ準位は、その伝導帯のバンドエッジ準位よりも高い。したがって、導電体121における伝導帯のバンドエッジ準位とフェルミ準位との差分値(伝導帯のバンドエッジ準位−フェルミ準位)は、負の値となる。このため、導電体121の前記差分値は、第1の半導体層122におけるその差分値よりも大きくなる。したがって、第2の半導体層123から第1の半導体層122への電子の移動と同様に、第1の半導体層122から導電体121への電子の移動もスムーズになる。その結果、水素発生効率がより向上する。
また、本実施の形態では、導電体121のフェルミ準位EFcは、第1の半導体層122の伝導帯のバンドエッジ準位EC1よりも高くなっており、−4.44eVよりも高い。ここで、真空準位で「−4.44eVよりも高い」とは、標準水素電極電位で「0Vよりも低い」に相当する。したがって、導電体121のフェルミ準位が、水の還元電位である0Vよりも低くなる。その結果、導電体121と電気的に接続されている対極130の表面において効率良く水素イオンが還元されて、水素が効率良く発生する。
また、半導体電極120において、電解液140と接触する第2の半導体層123における価電子帯のバンドエッジ準位EV2は、−5.67eV未満である。ここで、真空準位で「−5.67eVよりも低い」とは、標準水素電極電位で「1.23Vよりも高い」に相当する。したがって、第2の半導体層123における価電子帯のバンドエッジ準位EV2が、水の酸化電位である1.23Vよりも高くなる。その結果、第2の半導体層123の表面において効率良く水が酸化されて、酸素が効率良く発生する。
第1の半導体層122及び第2の半導体層123は、pH値が7付近で温度が25℃の電解液に接触した状態において、そのフェルミ準位EF1、EF2が、真空準位を基準として−5.67eV<EF1<−4.44eV、−5.67eV<EF2<−4.44eVを満たすように設定されるとよい。第1の半導体層122及び第2の半導体層123のフェルミ準位EF1、EF2をこのような範囲内にすることで、真水に近い状態で水素を生成できるデバイスを作ることができる。
次に、導電体121、第1の半導体層122及び第2の半導体層123を互いに接合させる。その場合、図3に示すように、第1の半導体層122と第2の半導体層123との接合面において、互いのフェルミ準位が一致するようにキャリアが移動する。その結果、バンドエッジの曲がりが生じる。このとき、真空準位を基準として、第2の半導体層123の伝導帯のハンドエッジ準位EC2、価電子帯のバンドエッジ準位EV2及びフェルミ準位EF2と、第1の半導体層122の伝導帯のバンドエッジ準位EC1、価電子帯のバンドエッジ準EV1及びフェルミ準位EF1とが、EC2−EF2>EC1−EF1、EF2−EV2<EF1−EV1の関係を満たす。これにより、第1の半導体層122と第2の半導体層123との接合面には、ショットキー障壁が生じない。
本実施の形態の光電気化学セル100では、第2の半導体層123のフェルミ準位EF2、第1の半導体層122のフェルミ準位EF1、導電体121のフェルミ準位EFc、及び、電解液140のフェルミ準位EFsが、EFs≧EFc≧EF1≧EF2を満たすように設定されるとよい。これにより、第1の半導体層122、第2の半導体層123、導電体121及び電解液140の接合面には、ショットキー障壁は生じない。その結果、より高い水素生成効率が実現できる。
導電体121と第1の半導体層122との接合面においても、互いのフェルミ準位が一致するようにキャリアが移動する。このことにより、第1の半導体層122の接合面付近におけるバンドエッジに曲がりが生じる。本実施の形態では、真空準位を基準として、導電体121のフェルミ準位EFcを第1の半導体層122のフェルミ準位EF1以上に設定している。したがって、導電体121と第1の半導体層122との接合は、オーミック接触となる。なお、本実施の形態では、より効率良く水素を発生させるために、導電体121のフェルミ準位EFcを、第1の半導体層122のフェルミ準位EF1以上に設定している。しかし、これに限定されない。導電体121のフェルミ準位EFcが第1の半導体層122のフェルミ準位EF1よりも小さい場合でも、水素を発生させることが可能である。
なお、電解液140のフェルミ準位EFsは、EFs≧EFc≧EF1≧EF2の関係を満たすことが望ましい。しかし、この関係が満たされない場合であっても、水素を発生させることが可能である。
上記のような半導体電極120を電解液140と接触させると、第2の半導体層123と電解液140との界面において、第2の半導体層123の表面付近における伝導帯のバンドエッジ準位EC2及び価電子帯のバンドエッジ準位EV2が持ち上げられる。これにより、第2の半導体層123の表面付近に、空間電荷層が生じる。
比較の形態として、真空準位を基準として、第2の半導体層における伝導帯のバンドエッジ準位とフェルミ準位との差分値が、第1の半導体層におけるその差分値よりも小さい形態を想定する。この場合、第2の半導体層の表面付近における伝導帯のバンドエッジの曲がりと、第1の半導体層−第2の半導体層間の伝導帯のバンドエッジ準位の差とにより、第2の半導体層内部における伝導帯のバンドエッジ準位に井戸型ポテンシャルが生じる。この井戸型ポテンシャルにより、第2の半導体層の内部に電子が溜まってしまう。その結果、光励起により生成した電子とホールとが再結合する確率が高くなる。
これに対し、本実施の形態の光電気化学セル100では、第2の半導体層123における伝導帯のバンドエッジ準位とフェルミ準位との差分値が、第1の半導体層122におけるその差分値よりも大きくなるように設定されている。したがって、第2の半導体層123内部における伝導帯のバンドエッジ準位に、上記のような井戸型ポテンシャルが生じない。そのため、電子は、第2の半導体層123の内部に溜まることなく第1の半導体層122側へ移動する。その結果、電荷分離の効率が格段に向上する。
また、別の比較の形態として、真空準位を基準として、第1の半導体層122におけるフェルミ準位と価電子帯のバンドエッジ準位との差分値が、第2の半導体層123におけるその差分値よりも小さい形態を想定する。この場合、第2の半導体層の表面付近における価電子帯のバンドエッジの曲がりと、第1の半導体層−第2の半導体層間の価電子帯のバンドエッジ準位の差とにより、第2の半導体層内部における価電子帯のバンドエッジ準位に井戸型ポテンシャルが生じる。光励起により第2の半導体層内部に生成したホールは、この井戸型ポテンシャルにより、電解液との界面方向と第1の半導体層との界面方向とに分かれて移動してしまう。
これに対し、本実施の形態の光電気化学セル100においては、第1の半導体層122におけるフェルミ準位と価電子帯のバンドエッジ準位との差分値が、第2の半導体層123におけるその差分値よりも大きくなるように設定されている。したがって、第2の半導体層223内部における価電子帯のバンドエッジ準位に、上記のような井戸型ポテンシャルが生じない。そのため、ホールは、第2の半導体層123内部に溜まることなく、電解液との界面方向に移動する。その結果、電荷分離の効率が格段に向上する。
本実施の形態の光電気化学セル100では、第1の半導体層122と第2の半導体層123との界面において、バンドの曲がりが生じ、かつ、ショットキー障壁が生じない。その結果、第2の半導体層123の内部で光励起により生成した電子とホールのうち、電子は第1の半導体層122の伝導帯に移動し、ホールは価電子帯を電解液との界面方向に移動する。したがって、電子及びホールは、ショットキー障壁により妨げられることなく、効率的に電荷分離される。これにより、光励起により第2の半導体層123の内部で生成した電子とホールとが再結合する確率が低くなる。その結果、光の照射による水素生成反応の量子効率が向上する。
また、本実施の形態の光電気化学セル100においては、導電体121のフェルミ準位が、第1の半導体層122のフェルミ準位よりも大きくなるように設定されている。この構成により、導電体121と第1の半導体層122との接合面においても、ショットキー障壁が生じない。そのため、第1の半導体層122から導電体121への電子の移動が、ショットキー障壁により妨げられることがない。これにより、光励起により第2の半導体層123内部で生成した電子とホールとが再結合する確率がさらに低くなる。その結果、光の照射による水素生成反応の量子効率がさらに向上する。
なお、第1の半導体層122及び第2の半導体層123のフェルミ準位、伝導帯下端のポテンシャル(バンドエッジ準位)及び価電子帯上端のポテンシャル(バンドエッジ準位)は、フラットバンドポテンシャル及びキャリア濃度を用いて求めることができる。半導体のフラットバンドポテンシャル及びキャリア濃度は、測定対象である半導体を電極として用いて測定されたMott−Schottkyプロットから求められる。または、これらのエネルギー準位は、物理的な紫外光電子分光法(UPS)法、あるいは、大気中光電子分光装置「AC−3」(理研計器株式会社製)を用いた測定によっても求められる。
第1の半導体層122及び第2の半導体層123の価電子帯上端のポテンシャル(バンドエッジ準位)は、バンドギャップと、上記の方法により求めた第1の半導体層122及び第2の半導体層123の伝導帯下端のポテンシャルとを用いて求めることができる。ここで、第1の半導体層122及び第2の半導体層123のバンドギャップは、測定対象である半導体の光吸収スペクトル測定において観察される光吸収端から求められる。
導電体121のフェルミ準位は、例えば、光電子分光法により測定することができる。
次に、本実施の形態の光電気化学セル100に設けられた各構成部材の材料について、それぞれ説明する。
まず、本実施の形態における第1の半導体層122及び第2の半導体層123の材料について、それぞれ説明する。本実施の形態では、n型半導体を用いる場合を説明する。
第1の半導体層122及び第2の半導体層123に用いられるn型半導体には、第1の半導体層122及び第2の半導体層123のバンド構造の関係が上記に説明した関係を満たすものを選択すればよい。そのため、第1の半導体層122及び第2の半導体層123の材料は、特に限定されない。第1の半導体層122及び第2の半導体層123に用いられるn型半導体には、酸化物、窒化物及び酸窒化物からなる群から選択される1つを用いることが好ましい。このようにすると、半導体電極120が電解液140と接している状態において、第1の半導体層122及び第2の半導体層123が電解液140中に溶解することがない。したがって、光電気化学セルが安定に動作できる。
本実施の形態において、半導体電極120の導電体121は、第1の半導体層122との接合がオーミック接触となる。したがって、導電体121としては、例えば、Ti、Ni、Ta、Nb、Al及びAg等の金属、又は、ITO(Indium Tin Oxide)及びFTO(Fluorine doped Tin Oxide)等の導電性材料を用いることができる。
導電体121の表面うち、第1の半導体層122に被覆されない領域は、例えば樹脂等の絶縁体によって被覆されることが好ましい。このような構成によれば、導電体121が電解液140内に溶解することを防ぐことができる。
対極130には、過電圧の小さい材料を用いることが好ましい。本実施の形態では、対極130において、水素が発生する。そこで、対極130として、例えばPt、Au、Ag又はFe等を用いることが好ましい。
電解液140は、水を含む電解液であればよい。水を含む電解液は、酸性であってもよいし、アルカリ性であってもよい。半導体電極120と対極130との間に固体電解質を配置する場合は、半導体電極120の第2の半導体層123の表面と対極130の表面とに接触する電解液140を、電解用水としての純水に置き換えることも可能である。
次に、本実施の形態に係る光電気化学セル100の動作について説明する。
光電気化学セル100における容器110の光入射部110aから、容器110内に配置された半導体電極120の第2の半導体層123に太陽光が照射されると、第2の半導体層123において、伝導帯に電子が、価電子帯にホールが、それぞれ生じる。このとき生じたホールは、第2の半導体層123の表面側に移動する。これにより、第2の半導体層123の表面で、下記反応式(1)により水が分解されて酸素が発生する。一方、電子は、第1の半導体層122と第2の半導体層123との界面、並びに第1の半導体層122と導電体121との界面における伝導帯のバンドエッジの曲がりに沿って、導電体121まで移動する。導電体121に移動した電子は、導線150を介して、半導体電極120と電気的に接続された対極130側に移動する。これにより、対極130の表面で、下記反応式(2)により水素が発生する。
4h++2H2O → O2↑+4H+ (1)
4e-+4H+ → 2H2↑ (2)
このとき、第1の半導体層122と第2の半導体層123との接合面には、ショットキー障壁が生じない。したがって、電子は、妨げられることなく、第2の半導体層123から第1の半導体層122に移動することができる。
さらに、第1の半導体層122と導電体121との接合面にも、ショットキー障壁が生じない。したがって、電子は、妨げられることなく、第1の半導体層122から導電体121まで移動することができる。これにより、光励起により第2の半導体層123内で生成した電子とホールとが再結合する確率が低くなる。その結果、光の照射による水素生成反応の量子効率がさらに向上する。
本実施の形態では、半導体電極120にn型半導体を用いた場合について説明した。しかし、p型半導体を用いた場合でも、第1の半導体層122及び第2の半導体層123のバンド構造が本実施の形態で説明した関係を満たす場合は、同様の作用効果が得られる。
p型半導体が利用される場合、第1の半導体層122及び第2の半導体層123には、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、ジルコニウム、チタン、セリウム、ガドリニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、イッテルビウム及び/又はスカンジウムを構成元素として含む酸化物、カルコゲナイド、硫化物、窒化物、酸窒化物、リン化物等を用いることができる。
第1の半導体層122のp型半導体には、バリウム、ジルコニウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物を用いることが好ましい。このような酸化物を用いると、真空準位を基準として、第1の半導体層122のフェルミ準位EF1を、−5.67eVを超えて−4.44eV未満に設定することができる。すなわち、標準水素電極電位で表すと、第1の半導体層122のフェルミ準位を、0Vを超えて1.23V未満に設定することができる。第1の半導体層122は、バリウム、ジルコニウム及びインジウムの酸化物であってもよいし、複合酸化物であってもよいし、複合酸化物と酸化物との混合物であってもよい。また、以上の化合物に、インジウム以外の金属イオンが添加されたものであってもよい。バリウム、ジルコニウム、セリウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物も、好適に用いられる。
例えば、p型半導体が、ペロブスカイト型酸化物の半導体であって、以下の一般式A及び一般式Bから選ばれる少なくとも何れか1つを含むものであってもよい。
一般式A:BaZr1-xx3-α
(式中、Mは3価の元素から選択される少なくとも1種の元素であり、xは0よりも大きく1未満(好適には0.5未満)の数値であり、αは酸素欠損量で、0よりも大きく1.5未満の数値である。)
一般式B:BaZrxCey1-x-y3-α
(式中、Mは3価の元素から選択される少なくとも1種の元素であり、xは0よりも大きく1未満の数値、yは0よりも大きく1未満の数値で、且つ、x+y<1を満たし、αは酸素欠損量で、0よりも大きく1.5未満の数値である。)
第2の半導体層123にも、第1の半導体層122と同様に、バリウム、ジルコニウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物及びバリウム、ジルコニウム、セリウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物が好適に用いられる。また、上記一般式A及び一般式Bから選ばれる少なくとも何れか1つを含む材料も、用いることができる。第2の半導体層123のp型半導体のキャリア濃度は、第1の半導体層122のp型半導体のキャリア濃度よりも低いことが好ましい。第2の半導体層123のp型半導体が、酸化物、窒化物及び酸窒化物からなる群から選択される1つであることが好ましい。このようにすると、半導体電極120が電解液140と接している状態において、第2の半導体層123に光が照射されても、第2の半導体層123が電解液中に溶解することがない。したがって、光電気化学セルが安定に動作できる。
第1の半導体層123のp型半導体に、バリウム、ジルコニウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物を用いる場合、第2の半導体層123のp型半導体には、例えば、バリウム、ジルコニウム、セリウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物を用いることができる。
本実施の形態において、半導体層を形成するための好ましいp型半導体の例として、BaZr0.95In0.053-α、BaZr0.9In0.13-α、BaZr0.875In0.1253-α、BaZr0.85In0.153-α、BaZr0.8In0.23-α、BaZr0.75In0.253-α、BaZr0.8Ga0.23-α、BaZr0.9Ga0.13-α、BaZr0.8Gd0.23-α、BaZr0.9Gd0.13-α、BaZr0.80.23-α、BaZr0.4Ce0.4In0.23-α及びBaZr0.6Ce0.2In0.23-α、が挙げられる。なお、これらのp型半導体の伝導帯のバンドエッジ準位(EC)、価電子帯のバンドエッジ準位(EV)、フェルミ準位(EF)、さらに、伝導帯のバンドエッジ準位とフェルミ準位との差分値(EC−EF)、価電子帯のバンドエッジ準位とフェルミ準位との差分値(EF−EV)を、表1に示す。
Figure 0005678035
なお、本実施の形態では、導電体上に設けられる半導体層が、第1の半導体層及び第2の半導体層によって形成される構成(導電体上に2層の半導体層が設けられる構成)が示された。しかし、本発明の光電気化学セルの構成は、これに限定されない。本発明の光電気化学セルは、導電体上に設けられる半導体層が、当該導電体上に順に配置された第1〜第Nの半導体層(Nは、2以上の整数)によって形成されていてもよい。そのため、導電体上に3層以上の半導体層が設けられた半導体電極を用いることも可能である。導電体上にN個の半導体層が設けられる構成の場合、第1〜第Nの半導体層から選択された、互いに隣接する2つの層を、前記導電体側から第K−1の半導体層及び第Kの半導体層(Kは、2〜Nの整数)とする。この場合に、第K−1の半導体層と第Kの半導体層とは、真空準位を基準として、次の関係を満たすように設定されればよい。
CK−EFK>EC(K-1)−EF(K-1)
FK−EVK<EF(K-1)−EV(K-1)
C(K-1)>−4.44eV
VK<−5.67eV
−5.67eV<EF(K-1)<−4.44eV
−5.67eV<EFK<−4.44eV
なお、EC(K-1)、EV(K-1)、EF(K-1)、ECK、EVK、EFKは、それぞれ、以下のとおりである。
C(K-1):第K−1の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位
V(K-1):第K−1の半導体層の価電子帯のバンドエッジ準位
F(K-1):第K−1の半導体層のフェルミ準位
CK:第Kの半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位
VK:第Kの半導体層の価電子帯のバンドエッジ準位
FK:第Kの半導体層のフェルミ準位
また、半導体電極は、導電体と、当該導電体上に配置された1個の半導体層とを備えていてもよい。この場合、半導体層は、2以上の元素で構成されており、当該半導体層における少なくとも1の元素の濃度が、当該半導体層の厚さ方向に沿って増加又は減少している構成とすればよい。半導体層のこのような状態を、組成が傾斜しているということができる。このような構成の場合、真空準位を基準として、前記半導体層の表面近傍領域と、前記半導体層の前記導電体との接合面近傍領域とは、次の関係を満たすように設定されればよい。
CS−EFS>ECJ−EFJ
FS−EVS<EFJ−EVJ
CJ>−4.44eV
VS<−5.67eV
−5.67eV<EFJ<−4.44eV
−5.67eV<EFS<−4.44eV
なお、ECJ、EVJ、EFJ、ECS、EVS、EFSは、それぞれ、以下のとおりである。
CJ:半導体層の導電体との接合面近傍領域における伝導帯のバンドエッジ準位
VJ:半導体層の導電体との接合面近傍領域における価電子帯のバンドエッジ準位
FJ:半導体層の導電体との接合面近傍領域におけるフェルミ準位
CV:半導体層の表面近傍領域における伝導帯のバンドエッジ準位
VS:半導体層の表面近傍領域における価電子帯のバンドエッジ準位
FS:半導体層の表面近傍領域におけるフェルミ準位
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の光電気化学セルの構成について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態の光電気化学セルの構成を示す概略図である。
本実施の形態の光電気化学セル200において、半導体電極220は、導電体221、導電体221上に配置された第1の半導体層222及び第1の半導体層222上に配置された第2の半導体層223を備えている。さらに、半導体電極220には、導電体221における第1の半導体層222が配置されている面と反対側の面に、絶縁層224が配置されている。導電体221、第1の半導体層222及び第2の半導体層223の構成は、それぞれ、実施の形態1における導電体121、第1の半導体層122及び第2の半導体層123と同じである。絶縁層224は、例えば樹脂やガラスによって形成されている。このような絶縁層224によれば、導電体221が電解液140に溶解することを防ぐことができる。なお、本実施の形態では、実施の形態1で示したような2層の半導体層を備えた半導体電極に、上記のような絶縁層をさらに設けた構成を適用した。このような絶縁層は、実施の形態1でも説明した、3層以上の半導体層を備えた半導体電極及び組成が傾斜している半導体層を備えた半導体電極にも、それぞれ適用可能である。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の光電気化学セルの構成について、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態の光電気化学セルの構成を示す概略図である。
本実施の形態の光電気化学セル300では、半導体電極320が、導電体321、導電体321上に配置された第1の半導体層322及び第1の半導体層322上に配置された第2の半導体層323を備えている。一方、対極330は、導電体321上(導電体321における第1の半導体層322が配置されている面と反対側の面上)に配置されている。なお、導電体321、第1の半導体層322及び第2の半導体層323の構成は、それぞれ、実施の形態1における導電体121、第1の半導体層122及び第2の半導体層123と同じである。
本実施の形態のように、対極330を導電体321上に配置する構成によれば、半導体電極320と対極330とを電気的に接続するための導線が不要となる。これにより、導線に起因する抵抗損がなくなるので、光の照射による水素生成反応の量子効率がさらに向上する。また、このような構成によれば、簡易な工程により半導体電極320と対極330とを電気的に接続することができる。なお、本実施の形態では、対極330が導電体321の第1の半導体層322が配置されている面と反対側の面上に配置されている構成を示した。しかし、対極330は、この構成に限定されず、第1の半導体層322の配置されている面と同じ面上に配置することも可能である。なお、本実施の形態では、実施の形態1で示したような2層の半導体層を備えた光電気化学セルに、対極を導電体上に配置する上記構成を適用した。このような構成は、実施の形態1でも説明した、3層以上の半導体層を備えた半導体電極及び組成が傾斜している半導体層を備えた半導体電極にも、それぞれ適用可能である。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の光電気化学セルの構成について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態の光電気化学セルの構成を示す概略図である。
図6に示すように、本実施の形態の光電気化学セル400は、筐体(容器)410と、半導体電極420と、対極430と、セパレータ460とを備えている。筐体410の内部は、セパレータ460によって、第1室470及び第2室480の2室に分離されている。第1室470及び第2室480には、水を含む電解液440がそれぞれ収容されている。
第1室470内には、電解液440と接触する位置に半導体電極420が配置されている。半導体電極420は、導電体421と、導電体421上に配置された第1の半導体層422と、第1の半導体層422上に配置された第2の半導体層423とを備えている。また、第1室470は、第1室470内で発生した酸素を排気するための第1の排気口471と、第1室470内に水を供給するための給水口472とを備えている。筐体410のうち、第1室470内に配置された半導体電極420の第2の半導体層423と対向する部分(以下、光入射部410aと略称する)は、太陽光等の光を透過させる材料で構成されている。
一方、第2室480内には、電解液440と接触する位置に対極430が配置されている。また、第2室480は、第2室480内で発生した水素を排気するための第2の排気口481を備えている。
半導体電極420における導電体421と対極430とは、導線450により電気的に接続されている。
本実施の形態における半導体電極420の導電体421、第1の半導体層422及び第2の半導体層423は、実施の形態1における半導体電極120の導電体121、第1の半導体層122及び第2の半導体層123と、それぞれ同じ構成を有する。したがって、半導体電極420は、実施の形態1の半導体電極120と同様の作用効果を奏する。また、対極430及び電解液440は、それぞれ、実施の形態1における対極130及び電解液140と同じである。
セパレータ460は、電解液440を透過させ、第1室470及び第2室480内で発生した各ガスを遮断する機能を有する材料で形成されている。セパレータ460の材料としては、例えば高分子固体電解質等の固体電解質が挙げられる。高分子固体電解質としては、例えばナフィオン(登録商標)等のイオン交換膜が挙げられる。このようなセパレータを用いて容器の内部空間を2つの領域に分けて、一方の領域で電解液と半導体電極の表面(半導体層)とを接触させ、他方の領域で電解液と対極の表面とを接触させる。このような構成により、容器の内部で発生した酸素と水素とを容易に分離できる。
なお、本実施の形態では、実施の形態1における半導体電極120と同じ構成を有する半導体電極420が用いられた、光電気化学セル400が説明された。しかし、光電気化学セル400は、半導体電極420の代わりに、実施の形態1でも説明した、3層以上の半導体層を備えた半導体電極又は組成が傾斜している半導体層を備えた半導体電極を用いることも可能である。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5のエネルギーシステムの構成について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施の形態のエネルギーシステムの構成を示す概略図である。
図7に示すように、本実施の形態のエネルギーシステム500は、光電気化学セル400と、水素貯蔵器510と、燃料電池520と、蓄電池530とを備えている。
光電気化学セル400は、実施の形態4で説明した光電気化学セルであり、その具体的構成は図6に示すとおりである。そのため、ここでは詳細な説明を省略する。
水素貯蔵器510は、第1の配管541によって、光電気化学セル400の第2室480(図6参照)と接続されている。水素貯蔵器510としては、例えば、光電気化学セル400において生成された水素を圧縮するコンプレッサーと、コンプレッサーにより圧縮された水素を貯蔵する高圧水素ボンベと、から構成できる。
燃料電池520は、発電部521と、発電部521を制御するための燃料電池制御部522とを備えている。燃料電池520は、第2の配管542によって、水素貯蔵器510と接続されている。第2の配管542には、遮断弁543が設けられている。燃料電池520としては、例えば、高分子固体電解質型燃料電池を用いることができる。
蓄電池530の正極及び負極は、燃料電池520における発電部521の正極及び負極と、第1の配線544及び第2の配線545によって、それぞれ電気的に接続されている。蓄電池530には、蓄電池530の残存容量を計測するための容量計測部546が設けられている。蓄電池530としては、例えば、リチウムイオン電池を用いることができる。
次に、本実施の形態のエネルギーシステム500の動作について、図6も参照しながら説明する。
光電気化学セル400の光入射部410aを通して、第1室470内に配置された半導体電極420の第2の半導体層423の表面に太陽光が照射されると、第2の半導体層423内に電子とホールとが生じる。このとき生じたホールは、第2の半導体層423の表面側に移動する。これにより、第2の半導体層423の表面において、上記反応式(1)により水が分解されて、酸素が発生する。
一方、電子は、第2の半導体層423と第1の半導体層422との界面、並びに第1の半導体層422と導電体421との界面における伝導帯のバンドエッジの曲がりに沿って、導電体421まで移動する。導電体421に移動した電子は、導線450を介して導電体421と電気的に接続された対極430側に移動する。これにより、対極430の表面において、上記反応式(2)により水素が発生する。
このとき、実施の形態1における半導体電極120と同様に、第2の半導体層423と第1の半導体層422との接合面でショットキー障壁が生じない。したがって、電子は、妨げられることなく、第2の半導体層423から第1の半導体層422まで移動できる。さらに、第1の半導体層422と導電体421との接合面にも、ショットキー障壁が生じない。したがって、電子は、妨げられることなく、導電体421まで移動できる。したがって、光励起により第1の半導体層423内で生成した電子とホールとが再結合する確率が低くなる。その結果、光の照射による水素生成反応の量子効率が向上する。
第1室470内で発生した酸素は、第1の排気口471から光電気化学セル400外に排気される。一方、第2室480内で発生した水素は、第2の排気口481及び第1の配管541を介して水素貯蔵器510内に供給される。
燃料電池520において発電するときには、燃料電池制御部522からの信号により遮断弁543が開かれ、水素貯蔵器510内に貯蔵された水素が、第2の配管542によって燃料電池520の発電部521に供給される。
燃料電池520の発電部521において発電された電気は、第1の配線544及び第2の配線545を介して蓄電池530内に蓄えられる。蓄電池530内に蓄えられた電気は、第3の配線547及び第4の配線548によって、家庭、企業等に供給される。
光電気化学セル400によれば、光の照射による水素生成反応の量子効率を向上させることができる。したがって、このような光電気化学セル400を備えている本実施の形態のエネルギーシステム500によれば、効率良く電力を供給できる。
なお、本実施の形態では、実施の形態4で説明した光電気化学セル400を用いたエネルギーシステムの例を示した。実施の形態1〜3で説明した光電気化学セル100,200,300を用いたエネルギーシステムにおいても、同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1として、図4に示した光電気化学セル200と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。以下、実施例1の光電気化学セルについて、図4を参照しながら説明する。
実施例1の光電気化学セル200は、上部に開口部を有する角型のガラス容器(容器110)、半導体電極220及び対極130を備えていた。ガラス容器110内には、電解液140として、0.01mol/LのNa2Sを含む0.01mol/LのNa2SO3水溶液が収容されていた。
半導体電極220は、以下の手順により作製した。
絶縁層224としての1cm角のガラス基板上に、導電体221として、まずスパッタ法により膜厚150nmのITO膜(シート抵抗10Ω/□)を形成した。次に、導電体221上に、第1の半導体層222として、電着法によって、膜厚300nmのBaZr0.8In0.23-α膜を形成した。最後に、第1の半導体層222上に、第2の半導体層223として、同じく電着法により、膜厚1μmのBaZr0.9In0.13-α膜を形成した。半導体電極220は、第2の半導体層223の表面が、ガラス容器110の光入射面110aと対向するように配置されていた。
対極130として、白金板を用いた。半導体電極220の導電体221の部分と対極130とは、導線150により電気的に接続されていた。半導体電極220−対極130間に流れる電流は、電流計により測定した。
(比較例1)
実施例1の半導体電極220において、導電体221上に第1の半導体層222を設けずに、第2の半導体層223であるBaZr0.9In0.13-α膜を設けた。この点以外は、実施例1の光電気化学セル200と同様の手順により、比較例1の光電気化学セルを作製した。
(比較例2)
実施例1の半導体電極220において、第2の半導体層223として設けられていたBaZr0.9In0.13-α膜の代わりに、n型半導体である膜厚1μmの酸化チタン膜を設けた。この点以外は、実施例1と同様の手順により、比較例2の光電気化学セルを作製した。
(比較例3)
実施例1の半導体電極220において、BaZr0.9In0.13-α膜の代わりに、膜厚1μmのCu2O膜を第2の半導体層223として設けた。この点以外は、実施例1と同様の手順により、比較例3の光電気化学セルを作製した。
(実施例2)
実施例2として、図1に示した光電気化学セル100と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。以下、実施例2の光電気化学セルについて、図1を参照しながら説明する。
本実施例に係る光電気化学セル100では、導電体121としてTi基板を用いた。導電体121上に、第1の半導体層122として、電着法により膜厚500nmのBaZr0.8In0.23-α膜を形成した点、導電体121の裏面に絶縁層としてのガラス基板を設けない点、及び、導電体121の裏面をフッ素樹脂で被覆することにより絶縁した点において、本実施例の光電気化学セル100は、実施例1の光電気化学セル200と異なる。その他の構成については、本実施例の光電気化学セル100は、実施例1の光電気化学セル200と同様であるため、その説明を省略する。
(実施例3)
実施例3として、図5に示した光電気化学セル300と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。以下、実施例3の光電気化学セルについて、図5を参照しながら説明する。
半導体電極320及び対極330は、以下の手順により作製した。
導電体321として、1cm角のTi基板を用いた。このTi基板上に、第1の半導体層322として、電着法により膜厚500nmのBaZr0.4Ce0.4In0.23-α膜を形成した。次に、実施例1と同様に、第2の半導体層323として、電着法により、膜厚1μmのBaZr0.9In0.13-α膜を第1の半導体層322上に形成した。最後に、導電体321であるTi基板の裏面上に、対極330として、スパッタ法により膜厚10nmのPt膜を形成した。半導体電極320は、第2の半導体層323の表面が、ガラス容器110の光入射面110aと対向するように配置されていた。
(実施例4)
実施例4として、導電体上に第1〜第3の半導体層が順に設けられた半導体電極を備えた光電気化学セルを作製した。実施例4の光電気化学セルは、具体的には、図4に示した光電気化学セル200の半導体電極220において、第2の半導体層223上に第3の半導体層がさらに設けられた構成を有する。以下、実施例4の光電気化学セルについて、図4を援用しながら説明する。
絶縁層224としての1cm角のガラス基板上に、導電体221として、まずスパッタ法により膜厚150nmのITO膜(シート抵抗10Ω/□)を形成した。次に、導電体221上に、第1の半導体層222として、電着法により膜厚300nmのBaZr0.8In0.23-α膜を形成した。次に、第1の半導体層222上に、第2の半導体層223として、同じく電着法により、膜厚500nmのBaZr0.9In0.13-α膜を形成した。最後に、第2の半導体層223上に、第3の半導体層として、同じく電着法により、膜厚1μmのBaZr0.95In0.053-α膜を形成した。半導体電極220は、第3の半導体層の表面が、ガラス容器110の光入射面110aと対向するように配置されていた。
本実施例4の光電気化学セルのその他の構成は、実施例1の光電気化学セル200と同様であるため、説明を省略する。
(実施例5)
実施例1の半導体電極220において、第1の半導体層222及び第2の半導体層223の材料をn型半導体に置き換えた点以外は、実施例1と同様の手順により、実施例5の光電気化学セルを作製した。第1の半導体層222としては、電着法により、膜厚300nmのTiO2膜を形成した。第2の半導体層223には、スパッタ法により第1の半導体層222上に形成した、膜厚500nmのCdS膜を用いた。酸化チタンの伝導帯のバンドエッジ準位は−4.24eVであり、価電子帯のバンドエッジ準位は−7.44eVであり、フェルミ準位は−4.84eVであった。CdSの伝導帯のバンドエッジ準位は−4.04eVであり、価電子帯のバンドエッジ準位は−6.54eVであり、フェルミ準位は−5.24eVであった。なお、フェルミ準位、伝導帯のバンドエッジ準位及び価電子帯のバンドエッジ準位は、真空準位を基準とする値である。なお、真空準位−4.44eVが標準水素電極電位の0Vに相当する。
実施例1〜5及び比較例1〜3の各光電気化学セルにおいて、半導体電極の作製に用いられた導電体、p型半導体及びn型半導体について、材料、そのフェルミ準位(単位:eV)、伝導帯のバンドエッジ準位(単位:eV)及び価電子帯のバンドエッジ準位(単位:eV)を、下記表2及び表3に示す。なお、ここで示された半導体のフェルミ準位は、真空準位を基準とする値である。しかし、実際に用いられた電解液のpH値を7程度と考えると、半導体のフェルミ準位は、pH値が7で温度25℃の電解液のフェルミ準位に引きずられて、pH値が7で温度25℃の電解液のフェルミ準位と同程度まで低下していると考えられる。
Figure 0005678035
Figure 0005678035
表2からわかるように、実施例1〜3に係る各光電気化学セルにおける半導体電極は、第2の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位及び価電子帯のバンドエッジ準位が、それぞれ、第1の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位及び価電子帯のバンドエッジ準位よりも大きかった。また、両者のフェルミ準位は同じであった。したがって、第2の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位からフェルミ準位を引いた値が、第1の半導体層のその値よりも大きかった。さらに、第2の半導体層のフェルミ準位から伝導帯のバンドエッジ準位を引いた値が、第1の半導体層のその値よりも小さかった。また、実施例1〜3で用いた半導体のフェルミ準位は−5.08eVであり、−5.67eV〜−4.44eVの範囲内であった。第1の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位は−4.44eVよりも高かった。第2の半導体層の価電子帯のバンドエッジ準位は−5.67eVよりも低かった。したがって、実施例1〜3の光電気化学セルは、本発明における半導体電極の構成を満たしていた。
実施例4の光電気化学セルにおける半導体電極には、第1〜第3の半導体層が設けられていた。互いに隣接する2つの半導体層同士(第3の半導体層と第2の半導体層、第2の半導体層と第1の半導体層)のバンド構造の関係は、実施の形態1で説明した半導体層間の関係を満たしていた。すなわち、実施例4の光電気化学セルは、実施の形態1で説明した光電気化学セルのうち、半導体層をN個設けた構成においてN=3の場合に相当するものであった。
実施例5の光電気化学セルには、第1の半導体層及び第2の半導体層にn型半導体を用いた。第2の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位及び価電子帯のバンドエッジ準位が、それぞれ、第1の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位及び価電子帯のバンドエッジ準位よりも大きかった。また、フェルミ準位は、第1の半導体層の方が第2の半導体層よりも大きかった。したがって、第2の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位からフェルミ準位を引いた値が、第1の半導体層のその値よりも大きかった。また、第2の半導体層のフェルミ準位から伝導帯のバンドエッジ準位を引いた値が、第1の半導体層のその値よりも小さかった。実施例5で用いた第1の半導体層のフェルミ準位は−4.84eV、第2の半導体層のフェルミ準位は−5.24eVであり、−5.67eV〜−4.44eVの範囲内であった。第1の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位は−4.44eVよりも高く、第2の半導体層の価電子帯のバンドエッジ準位は−5.67eVよりも低かった。したがって、実施例5の光電気化学セルは、本発明における半導体電極の構成を満たしていた。
比較例3に係る光電気化学セルにおける半導体電極は、第2の半導体層のフェルミ準位から価電子帯のバンドエッジを準位引いた値が、第1の半導体層のその値よりも大きかった。さらに、第2の半導体層の価電子帯のバンドエッジ準位が−5.67eVよりも高くなっていた。これらの点から、比較例3の光電気化学セルは、本発明の光電気化学セルの要件を満たしていなかった。
以上のように作製された実施例1〜5及び比較例1〜3の光電気化学セルについて、疑似太陽光照射実験を行った。擬似太陽光照射実験は、以下のとおりである。
(擬似太陽光照射実験)
擬似太陽光として、セリック社製ソーラーシミュレータを用いた。実施例1〜5及び比較例1〜3に係る各光電気化学セルの光入射部を介して、半導体電極における第2の半導体層(又は第3の半導体層)の表面に、強度1kW/m2の疑似太陽光を照射した。対極の表面において発生したガスを30分間捕集した。ガスクロマトグラフィにより、捕集したガスの成分分析及び生成量の測定を行った。さらに、電流計により、半導体電極−対極間に流れる光電流密度を測定した。対極におけるガスの生成量を用いて、みかけの量子効率を求めた。
実施例1〜5及び比較例1〜3に係る各光電気化学セルについて測定されたみかけの量子効率を、下記表4に示す。
Figure 0005678035
実施例1の光電気化学セルにおいて捕集したガスを分析した結果、対極上において水素が発生していることを確認した。水素の生成速度は1.8×10-7L/sであった。また、半導体電極−対極間に流れる光電流は1.2mA/cm2であったことから、量論的に水が電気分解されたことを確認した。みかけの量子効率を、以下の計算式を用いて算出したところ、約20%であった。
みかけの量子効率={(観測された光電流密度[mA/cm2])/(第2の半導体層に用いた半導体材料のバンドギャップで吸収され得る太陽光で発生し得る光電流密度[mA/cm2])}×100
比較例1の光電気化学セルにおいて捕集したガスを分析した結果、対極上において水素が発生していることを確認した。水素の生成速度は7.0×10-8L/sであった。また、半導体電極−対極間に流れる光電流は0.42mA/cm2であったことから、量論的に水が電気分解されたことを確認した。みかけの量子効率を上記の計算式を用いて算出したところ、約6%であった。
比較例3に係る光電気化学セルにおいて捕集したガスを分析した結果、対極上において水素が発生していることを確認した。水素の生成速度は8.5×10-8L/sであった。また、半導体電極−対極間に流れる光電流は0.53mA/cm2であったことから、量論的に水が電気分解されたことを確認した。みかけの量子効率を上記の計算式を用いて算出したところ、約8%であった。
この結果から、実施例1の光電気化学セルの半導体電極においては、光励起により第2の半導体層内で生成した電子とホールとが効率的に電荷分離されることにより、生成した電子とホールとが再結合する確率が低くなったと考えられる。その結果、実施例1の光電気化学セルは、比較例1及び3の場合に比べて、みかけの量子効率が高くなったと考えられる。
比較例2の光電気化学セルに対して光を照射した。対極の表面においてガスの生成が認められたものの、発生量が少ないため検出することができなかった。
比較例2の光電気化学セルの半導体電極においては、表2に示すように、導電体側の第1の半導体層(p型半導体層)のフェルミ準位が、表面側の第2の半導体層(n型半導体層)のフェルミ準位よりも小さかった。これにより、第1の半導体層と第2の半導体層との接合面において、ショットキー障壁が生じた。このため、光励起により第2の半導体層内で生成した電子とホールとが電荷分離されず、生成した電子とホールとが再結合する確率が高くなり、効率良く水素を生成することができなかったと考えられる。
実施例2〜4の光電気化学セルについても、同様の実験を行った。その結果、表3に示すように、みかけの量子効率はそれぞれ、実施例2の場合が29%、実施例3の場合が32%、実施例4が35%となった。
この結果から、実施例3に係る光電気化学セルにおいては、導線に起因する抵抗損がなくなるので、実施例1及び2に係る光電気化学セルに比べて、みかけの量子効率がさらに向上することを確認することができた。
実施例5において、CdS単独のみかけの量子効率は5%程度であるが、実施例5における光電気化学セルのみかけの量子効率は15%であった。この結果から、複数の半導体層を備え、複数の半導体層間のバンド構造の関係が本発明の要件を満たす半導体電極によれば、各半導体材料を単独で用いるよりも、水素を効率良く発生させることができることが確認された。
なお、表1に示したp型半導体の材料を用いて、本発明における半導体電極の構成を満たすように材料を種々組み合わせた光電気化学セルについても、みかけの量子効率を測定した。その結果、みかけの量子効率は、最大で40%となった。
なお、実施例1〜5及び比較例1〜3の各光電気化学セルにおいては、電解液として、Na2Sを含むNa2SO3水溶液を用いた。このことから、光を照射したときに、半導体電極においては、上記反応式(1)による酸素発生反応ではなく、下記反応式(3)に示す反応が進行していると考えられる。なお、対極においては、前述の反応式(2)に示した反応が進行していると考えられる。
2h++S2- →S (3)
なお、実施例2の光電気化学セルでは第1の半導体層にBaZr0.8In0.23-αを用い、実施例4の光電気化学セルでは第1の半導体層にBaZr0.8In0.23-αを用いたが、これに代えて、BaZr0.4Ce0.4In0.23-αを用いてよい。BaZr0.4Ce0.4In0.23-α膜は、例えば、スパッタ法により形成することができる。伝導帯のバンドエッジ準位及び価電子帯のバンドエッジ準位は、表1に示す通りである。これらを用いた半導体電極も、本発明における半導体電極の要件を満たす。このことから、実施例1の場合と同様に、みかけの量子効率が向上すると推測される。なお、表1に示したp型半導体の伝導帯のバンドエッジ準位及び価電子帯のバンドエッジ準位、及びバンドギャップは、UPS、AC−3、又は紫外可視分光分析(UV−Vis)により実測した値である。UPSでは、粉末試料をPt基板上に電着した試料を用い、真空中光電子分光測定を行った。AC−3では、バルク円板状試料(直径12cmx厚さ0.5cm)を用い、大気中光電子分光装置「AC−3」(理研計器株式会社製)にて、大気中光電子分光測定を行った。UV−Visでは、同じくバルク円板状試料又は粉末試料を、透過法又は拡散反射法により吸光分光測定を行った。
本発明の光電気化学セル及びエネルギーシステムによると、光の照射による水素生成反応の量子効率を向上させることができるので、家庭用の発電システム等として有用である。

Claims (8)

  1. 導電体及び前記導電体上に配置された半導体層を含む半導体電極と、
    前記導電体と電気的に接続された対極と、
    前記半導体層及び前記対極の表面と接触する電解液と、
    前記半導体電極、前記対極及び前記電解液を収容する容器と、を備え、
    前記電解液のpH値が7で、温度が25℃の場合に、真空準位を基準として、前記半導体層の表面近傍領域における伝導帯のハンドエッジ準位ECS、価電子帯のバンドエッジ準位EVS及びフェルミ準位EFSと、前記半導体層の前記導電体との接合面近傍領域における伝導帯のバンドエッジ準位ECJ、価電子帯のバンドエッジ準VJ及びフェルミ準位EFJとが、ECS−EFS>ECJ−EFJ、EFS−EVS<EFJ−EVJ、ECJ>−4.44eV、及び、EVS<−5.67eV、を満たし、
    前記半導体層の表面近傍領域におけるフェルミ準位EFS及び前記半導体層の前記導電体との接合面近傍領域におけるフェルミ準位EFJが、それぞれ、前記電解液のpH値が7で、温度が25℃の場合に、真空準位を基準として、−5.67eV<EFS<−4.44eV、−5.67eV<EFJ<−4.44eVを満たす、
    光電気化学セル。
  2. 前記半導体層は、前記導電体上に順に配置された第1〜第Nの半導体層(Nは、2以上の整数)によって形成されており、
    第1〜第Nの半導体層から選択された、互いに隣接する2つの層を、前記導電体側から第K−1の半導体層及び第Kの半導体層(Kは、2〜Nの整数)とした場合であって、前記電解液のpH値が7で、温度が25℃の場合に、真空準位を基準として、前記第Kの半導体層の伝導帯のハンドエッジ準位ECK、価電子帯のバンドエッジ準位EVK及びフェルミ準位EFKと、前記第K−1の半導体層の伝導帯のバンドエッジ準位EC(K-1)、価電子帯のバンドエッジ準V(K-1)及びフェルミ準位EF(K-1)とが、
    CK−EFK>EC(K-1)−EF(K-1)、EFK−EVK<EF(K-1)−EV(K-1)、EC(K-1)>−4.44eV、及び、EVK<−5.67eV、を満たし、
    前記第Kの半導体層のフェルミ準位EFK及び前記第K−1の半導体層のフェルミ準位EF(K-1)が、それぞれ、前記電解液のpH値が7で、温度が25℃の場合に、真空準位を基準として、−5.67eV<EFK<−4.44eV、−5.67eV<EF(K-1)<−4.44eVを満たす、
    請求項1に記載の光電気化学セル。
  3. 前記半導体層は、2以上の元素で構成されており、前記半導体層における少なくとも1の元素の濃度が、前記半導体層の厚さ方向に沿って増加又は減少している、請求項1に記載の光電気化学セル。
  4. 前記半導体層が、酸化物、窒化物及び酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1つからなる、請求項1に記載の光電気化学セル。
  5. 前記半導体層が、バリウム、ジルコニウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物、又は、バリウム、ジルコニウム、セリウム及びインジウムを構成元素として含む酸化物を含む、請求項1に記載の光電気化学セル。
  6. 前記半導体層が、ペロブスカイト型酸化物の半導体であって、以下の一般式A及び一般式Bから選ばれる少なくとも何れか1つを含む、請求項1に記載の光電気化学セル。
    一般式A:BaZr1-xx3-α
    (式中、Mは3価の元素から選択される少なくとも1種の元素であり、xは0よりも大きく1未満の数値であり、αは酸素欠損量で、0よりも大きく1.5未満の数値である。)
    一般式B:BaZrxCey1-x-y3-α
    (式中、Mは3価の元素から選択される少なくとも1種の元素であり、xは0よりも大きく1未満の数値、yは0よりも大きく1未満の数値で、且つx+y<1を満たし、αは酸素欠損量で、0よりも大きく1.5未満の数値である。)
  7. 前記対極が、前記導電体上に配置されている、請求項1に記載の光電気化学セル。
  8. 請求項1に記載の光電気化学セルと、
    前記光電気化学セルと第1の配管によって接続されており、前記光電気化学セル内で生成した水素を貯蔵する水素貯蔵器と、
    前記水素貯蔵器と第2の配管によって接続されており、前記水素貯蔵器に貯蔵された水素を電力に変換する燃料電池と、
    備えたエネルギーシステム。
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