JP2015180765A - 二酸化炭素還元電極及びこれを用いた二酸化炭素還元装置 - Google Patents

二酸化炭素還元電極及びこれを用いた二酸化炭素還元装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機物等からなる還元生成物を十分に得ることができるCO2還元電極、及びCO2還元装置を提供すること。【解決手段】導電性の基板11と、その上に設けられたp型光半導体12と、その上に設けられたn型光半導体13とを有する還元電極1、及びこれを用いた還元装置8である。p型光半導体12の伝導帯のエネルギー準位は、n型光半導体13の伝導帯のエネルギー準位よりも卑側に高い。また、p型光半導体12の価電子帯のエネルギー準位は、n型光半導体13の価電子帯のエネルギー準位よりも卑側に高い。【選択図】図1

Description

本発明は、CO2を還元するためのCO2還元電極、及びこれを用いたCO2還元装置に関する。
近年、化石燃料枯渇問題の解決に向けて太陽光等の光エネルギーを利用して二酸化炭素から有機物を合成するための研究が重要視されている。これまでに、光触媒を水に懸濁してなる懸濁系での開発が進められてきた。具体的には、ブルッカイト型酸化チタンからなる光触媒に、貴金属からなる助触媒を担持した還元触媒が開発されている(非特許文献1参照)。
肥後孝良、他2名、「金属助触媒担持ブルッカイト型酸化チタン光触媒を用いたCO2還元反応」、2013年電気化学秋季大会講演会要旨集、日本、公益社団法人電気化学会、平成25年9月27日
しかしながら、上述のように還元触媒を水に分散させてCO2の還元を行っても、還元反応が十分に進行しない。その結果、還元生成物が十分に得られないという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、有機物等からなる還元生成物を十分に得ることができるCO2還元電極、及びCO2還元装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、導電性の基板と、該基板上に設けられたp型光半導体と、該p型光半導体上に設けられたn型光半導体とを有し、
上記p型光半導体の伝導帯のエネルギー準位は、上記n型光半導体の伝導帯のエネルギー準位よりも卑側に高く、上記p型光半導体の価電子帯のエネルギー準位は、上記n型光半導体の価電子帯のエネルギー準位よりも卑側に高いことを特徴とするCO2還元電極にある。
本発明の他の態様は、上記CO2還元電極と、酸化電極と、該酸化電極と上記CO2還元電極とが浸漬された水系電解液と、該水系電解液中において上記CO2還元電極と上記酸化電極とを隔てるイオン交換膜と、上記CO2還元電極に光を照射する光源と、上記CO2還元電極にCO2を供給する供給口とを有することを特徴とするCO2還元装置にある。
上記CO2還元電極(以下、適宜「還元電極」という)は、上記p型光半導体と、この上に設けられた上記n型光半導体とを有している。即ち、上記還元電極は、p型光半導体とn型光半導体との積層体を有し、pn接合を有している。そのため、光照射条件下おいてn型光半導体がCO2に電子を受け渡してCO2を還元することができる。このとき、水の存在下においてCO2からメタノール等の有機物が生成される。一方、光照射によりp型光半導体には正孔が生じる。このとき、p型光半導体において生じる余剰の電子がpn接合を通ってn型光半導体へ補われる。また、p型光半導体には、導電性の基板から電子が補われる。このように、上記還元電極においては、安定してCO2に電子を供給して還元を行うことができ、有機物等からなる還元生成物を十分に得ることができる。
また、上記還元電極は、水の還元を抑制することが可能である。そのため、水の存在下においても、水の還元を抑制しつつCO2を選択的に還元することができる。また、上記還元電極においては、p型光半導体とn型光半導体とのエネルギー準位が上述の関係にある。そのため、還元電極を電極として用いた場合に電流を流すことが可能になる。
次に、上記CO2還元装置(以下、適宜「還元装置」という)は、上記還元電極を備えている。そのため、還元電極が有する上述の優れた性能を生かして、上記還元装置は、CO2を還元して、有機物等からなる還元生成物を十分に生成することができる。また、上記還元装置においては、還元電極と酸化電極とがイオン交換膜により隔てられている。そのため、還元電極において生成されるCO2の還元生成物が再度酸化されることを抑制することができる。そのため、還元生成物を十分に得ることができる。
実施例1における還元電極の断面構成を示す説明図。 実施例1における、基板上にp型光半導体を形成する工程を、基板のFTO膜の形成面側から示す説明図。 実施例1における、基板上にp型光半導体を形成する工程を、断面構造により示す説明図。 実施例1における、電気泳動法によりn型光半導体を形成する方法を示す説明図。 実施例1における還元装置の断面構成を示す説明図。 実施例7における還元電極の拡大断面図。 実施例7におけるp型光半導体を形成するための電析装置の概略図。 実施例7におけるp型光半導体の表面の倍率2000倍の走査型電子顕微鏡写真(a)、及び倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真(b)。 実施例8における還元電極の拡大断面図。 実施例8におけるp型光半導体の表面の倍率2000倍の走査型電子顕微鏡写真(a)、及び倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真(b)。 実施例9における還元電極の拡大断面図。 実施例9におけるp型光半導体の表面の倍率2000倍の走査型電子顕微鏡写真(a)、及び倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真(b)。 実施例1における還元電極の拡大断面図。 実施例1におけるp型光半導体の表面の倍率2000倍の走査型電子顕微鏡写真(a)、及び倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真(b)。 実施例1、実施例7〜実施例9の各還元電極の電流密度の比較結果を示す説明図。
次に、還元電極及び還元装置の好ましい実施形態について説明する。
還元電極において、基板は、全体が導電性を有していなくても、表面に導電性の層を有する基板であればよい。基板は、導電性を有していればよく、その材質は適宜選択できる。
p型光半導体及びn型光半導体の形状は、例えば膜状である。厚みは適宜変更することができる。p型光半導体上のn型光半導体は、光を透過できる厚みで形成されていることが好ましい。p型光半導体の厚みは、例えば0.1〜500μmであり、n型光半導体の厚みは、例えば0.01〜200μmである。
n型光半導体の材質としては、例えばTiO2、SrTiO3、BaTiO3、CaTiO3、WO3、BiVO4、BiFeO3、CuTaN2、FeTiO2、MgFe24、PbS、ZnO、グラフェン、グラファイト状窒化炭素(CN)、n−Si、n−SiC、n−GaN、n−AlGaN等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なお、TiO2には、例えばルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型がある。n型光半導体の材質としては、これらのいずれであってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
p型光半導体の材質としては、例えばCuO、Cu2O、MgドープCuFe24、CaFe24、CoO3、Cr23、CuCrO2、FeドープTiO2、CrドープTiO2、GaP、InP、NiO、RhドープSrTiO3、p−Si、p−SiC等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
還元電極において、p型光半導体の伝導帯のエネルギー準位は、n型光半導体の伝導帯のエネルギー準位よりも卑側に高い。また、p型光半導体の価電子帯のエネルギー準位は、n型光半導体の価電子帯のエネルギー準位よりも卑側に高い。このような関係となるように、p型光半導体とn型光半導体との材質が例えば上述の物質の中から適宜選択される。
還元装置において、酸化電極は還元電極の対極である。酸化電極としては、例えば貴金属等からなる電極を用いることができる。水系電解液としては、例えば電解質の水溶液を用いることができる。イオン交換膜としては、各種市販品を採用することができる。
光源からの光は、紫外線、可視光等を含むことが好ましい。この場合には、還元電極におけるCO2の還元反応をより活性化し易くなる。より好ましくは、光源からの光は、少なくとも紫外線を含むことがよい。
(実施例1)
次に、CO2還元電極及びCO2還元装置の実施例について説明する。
図1に示すごとく、本例の還元電極1は、導電性の基板11と、この上に設けられたp型光半導体12と、この上に設けられたn型光半導体13とを有する。p型光半導体12は、n型光半導体13に完全に被覆されている。本例において、p型光半導体12は、酸化銅(CuO)からなり、n型光半導体13は、ブルッカイト型酸化チタン(TiO2)からなる。
本例の還元電極1の製造方法について説明する。まず、スキージ法により基板11上にp型光半導体12を形成する。具体的には、まず、導電性の基板11として、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜111が表面に形成された石英ガラス基板112を準備した(図2(a)、図3(a)参照)。基板11としては、名城科学工業(株)の製品を用いた。基板11において、FTO膜111は、石英ガラス基板112の片側面に積層されている。基板11の寸法は、縦30mm×横30mm×厚み1.8mmである。
次に、図2(b)、図3(b)に示すごとく、内部がくり抜かれた板状のスペーサ120を準備した。スペーサ120の外形寸法は基板11と同様に縦30mm×横30mmであり、内部空間の寸法は縦25mm×横25mmである。スペーサ120の厚みは1mmである。このスペーサ120を基板11のFTO膜111の形成面上に載置した。次いで、図2(c)、図3(c)に示すごとく、スキージ法により、スペーサ120の内部空間内にCuOペーストを塗布することにより、基板11のFTO膜111上にCuOペースト層121を形成した。CuOペーストは、CuO(和光純薬(株)製)500mgとエタノール2mlとを混合して得られた。
次いで、CuOペースト層121を温度50℃で1時間乾燥させた後、スペーサ120を取り外した。次いで、CuOペースト層121が積層された基板11を温度550℃で1時間焼成した。これにより、図2(d)、図3(d)に示すごとく、厚み30μmの膜状のp型光半導体12を基板11上に形成した。p型光半導体12は、基板11のFTO膜111上に形成されている。以下、p型光半導体12が形成された基板11を「基板A」という。
なお、上述の例においては、スキージ法により、p型光半導体12を作製したが、p型光半導体12は、例えばスピンコータ法、電気泳動法、電析法等により作製することもできる。
次に、電気泳動法により、n型光半導体を形成する。
具体的には、まず、ブルッカイト型酸化チタンを調整した。まず、チタン粉末(和光純薬工業(株)製の「204−05205」)0.6gと、25質量%アンモニア水(和光純薬工業(株)製の「010−03166」)10mlと、30質量%過酸化水素水(和光純薬工業(株)製の「081−04215」)40mlとを混合し、チタン粉末がすべて溶けるまで撹拌を行った。得られた溶液に、グリコール酸(和光純薬工業(株)製の「075−01515」)1.426gを添加し、室温でさらに2時間の撹拌を行った。その後、撹拌しながら溶液を温度100℃で加熱した。続けて、加熱及び撹拌を行うことにより、溶液からアンモニア、過酸化水素を蒸発させた。得られたゲル状の固体にイオン交換水40mlを添加し、固体を再度溶解させた。次いで、溶液を撹拌しながらアンモニア水を添加することにより、溶液のpHを10に調整した。次いで、溶液にイオン交換水を添加し、総量を50mlまでメスアップした。次に、温度200℃、48時間という条件で水熱合成を行った。そして、得られた生成物の上澄み液を除去した。その後、固体状の沈殿物にイオン交換水を加えて、遠心分離を行った。そして、得られた物質の電気伝導度を測定した。この電気伝導度の値が10μS/cmとなるまで、イオン交換水の添加から遠心分離までの操作を繰り返し行った。次に、温度60℃、24時間という条件で真空乾燥を実施した。その後、得られた物質を、乳鉢を用いて解砕することにより、粉末状のブルッカイト型酸化チタンを得た。
次いで、ブルッカイト型酸化チタン0.5gをエタノール25mlに添加し混合することにより、電気泳動用の溶液131を作製した(図4参照)。図4に示すごとく、この溶液131中に、基板A15と、p型光半導体が形成されていない基板16(以下、適宜「基板B」という)を完全に浸漬させた。基板B16は、p型光半導体が形成される前の基板と同じものであり、FTO膜161が表面に形成された石英ガラス基板162である。
図4に示すごとく、基板A15と基板B16との間隔を1mmにした状態で両者を溶液131に浸漬した。基板A15と基板B16をポテンショスタット18に電気的に接続した。基板A15が正極、基板B16が負極である。そして、基板A15と基板B16との間に10Vの電圧を120秒間印加した。これにより、基板A15のFTO膜111の形成面側にブルッカイト型酸化チタンからなるn型光半導体13を形成した(図4及び図1参照)。n型光半導体13の厚みは、40μmである。なお、この厚みは、p型光半導体12とn型光半導体13との積層部分におけるn型光半導体13の厚みである。
以上のようにして、図1に示すごとく、導電性の基板11と、基板11上に積層されたp型光半導体12と、p型光半導体12を被覆するn型光半導体13とを有する還元電極1を得た。本例の還元電極1におけるn型光半導体13の材質及び厚み、p型光半導体12の材質及び厚みを後述の表1に示す。
なお、上述の例においては、電気泳動法により、n型光半導体13を作製したが、n型光半導体13は、例えばスキージ法、スピンコータ法等により作製することもできる。
次に、本例の還元電極1を用いて還元装置を組み立てた。
図5に示すごとく、本例の還元装置8は、還元電極1と、酸化電極2と、水系電解液3(以下、適宜「電解液3」という)と、イオン交換膜4(以下、適宜「膜4」という)と、光源5と、CO2を供給するための供給口6とを有する。電解液3は、濃度0.2mol/LのKHCO3水溶液である。還元装置8においては、50mlの電解液3がケース80内に注入されている。ケース80は、(株)イーシーフロンティア製のH型セルVB−9である。即ち、ケース80は、H型であり、2つのケース801、802と両者を連結する連結部803とからなる。
ケース801内には、還元電極1と、Ag/AgClからなる参照電極19とが挿入されている。還元電極1と参照電極19とは電気的に接続されている。一方、ケース802内には、還元電極1の対極である酸化電極2が挿入されている。酸化電極2は、Ptワイヤからなる。ケース80の連結部803には、膜4(シグマアルドリッチ社製のナフィオン膜)が配置されている。膜4は、還元電極1と酸化電極2との間に存在し、両者を分離している。ケース80内において、還元電極1、参照電極19、酸化電極2、及び膜4は、電解液3中に浸されている。
各ケース801、802の開口部は、栓803、804により密閉されている。ケース801側の栓803には、CO2を供給する管60が挿入されている。この管60の供給口6から電解液3中にCO2が供給される。
また、図5に示すごとく、還元装置8は、還元電極1に光51を照射するための光源5を備えている。光源5は、還元電極1におけるp型光半導体12とn型光半導体13とが形成された面に光が照射されるように配置されている。光源5としては、朝日分光(株)製の「MAX300W」を用いた。
また、還元装置8は、図5に示すように、電流計91及び電圧計92を備える電気化学アナライザ9に電気的に接続されている。電気化学アナライザ9は、ビー・エー・エス(株)製のALSモデル660Eである。電流計91は、還元電極1と酸化電極2との間に接続されており、電圧計92は、還元電極1と参照電極19との間に接続されている。
次に、還元装置8を用いて、CO2の還元を行い、還元生成物の生成量の分析を行った。具体的には、図5に示すごとく、供給口6から電解液3中に、G1レベル、即ち純度99.99995vol%の炭酸ガス(CO2)を2時間供給し、光源5から波長340nm以上の光51を還元電極1に6時間照射した。炭酸ガスの流速は、5ml/minであり、光の強度は、10mW/cm2である。このとき、電解液3中に供給された炭酸ガスは、光が照射された還元電極1において還元される。この還元反応を6時間実施し、還元生成物の量をクロマトグラフィにより検出した。なお、本例においては、生成物として、メタノール、ギ酸、水素、一酸化炭素の検出を行った。
メタノールの検出は、還元反応後の電解液3を採取し、シリンジを用いて電解液3をガスクロマトグラフィ装置((株)島津製作所製の「GC−2014」)に注入することにより行った。なお、クロマトグラフィ用のカラムは、アジレント・テクノロジー(株)製の「DB−WAXetr」である。検出方法は、水素炎イオン化検出(FID)である。検出は、温度70℃で5分間保持するという条件で行った。
ギ酸の検出は、還元反応後の電解液3を採取し、シリンジを用いて電解液3をイオンクロマトグラフィ装置((株)サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製の「Dionex IC−20」)に注入することにより行った。なお、クロマトグラフィ用のカラムは、(株)サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製の「IonPac AS20」である。検出には、濃度2.7mmol/LのNa2CO3水溶液と濃度0.3mmol/LのNaHCO3水溶液との混合溶液をクロマトグラフィ用の電解液として用いた。流速条件は、1.5ml/minである。
水素、一酸化炭素の検出は、還元反応後のケース80内のガスをガスクロマトグラフィ装置((株)島津製作所製の「GC−2014」)に注入することにより行った。なお、クロマトグラフィ用のカラムは、(株)島津製作所製の「SHINCARBON ST」である。検出方法は、熱伝導度検出(TCD)である。検出は、温度40℃で12分間保持した後、昇温速度10℃/minで温度200℃まで昇温させるという条件で行った。
各還元生成物の量を後述の表1に示す。
(実施例2〜6)
実施例2の還元電極1は、n型光半導体13の厚みを15μmに変更した点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
実施例3の還元電極1は、ブルッカイト型酸化チタンの代わりに、金属(Ag)を担持させたブルッカイト型酸化チタンを用いた点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。金属を担持させたブルッカイト型酸化チタンは、次のようにして調整した。
即ち、まず、ブルッカイト型酸化チタン5gを分散した水50mlに、触媒粉末(AgNO3)0.5mgと犠牲試薬(エタノール)5mlとを添加した。次いで、これらの混合液に窒素(N2)ガスを30分間供給した後、LED光源(波長365nm)からの光を強度0.3mW/cm2で24時間照射した。この光電着法により、ブルッカイト型酸化チタンの還元面に金属を担時させた。なお、触媒粉末の添加量は、例えば0.5mg〜5mgの範囲で調整が可能であり、犠牲試薬の添加量は、例えば0.5ml〜5mlの範囲で調整が可能である。
実施例4の還元電極1は、CuOペーストの代わりにCuFe24ペーストを用いてp型光半導体12を形成した点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
実施例5の還元電極1は、ブルッカイト型酸化チタンの代わりに汎用の酸化チタン(日本エアロジル(株)製の「AEROXIDE(登録商標) TiO2 P25」)を用いた点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。なお、本例の酸化チタンは、ルチル型とアナターゼ型との混合物である。
実施例6の還元電極1は、ブルッカイト型酸化チタンの代わりにチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を用いた点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
上述の実施例2〜6の還元電極1についても、これらをそれぞれ用いて実施例1と同様の構成の還元装置8を作製し、CO2の還元を行った。なお、実施例2〜6において、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示し、先行する説明を参照する。
(比較例1〜5)
比較例1の還元電極は、n型光半導体を形成しなかった点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
比較例2の還元電極は、n型光半導体を形成せず、さらにCuOペーストの代わりにCuFe24ペーストを用いてp型光半導体を形成した点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
比較例3の還元電極は、n型光半導体を形成せず、さらにCuOペーストの代わりにInPペーストを用いてp型光半導体を形成した点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
比較例4の還元電極は、p型光半導体を形成せずに、基板上に直接n型光半導体を形成した点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
比較例5の還元電極は、p型光半導体を形成せずに、さらに、ブルッカイト型酸化チタンの代わりに汎用の酸化チタン(日本エアロジル社製の「AEROXIDE(登録商標) TiO2 P25」)を用いて基板上に直接n型光半導体を形成した点を除いては、実施例1と同様にして作製した電極である。
比較例1〜5の還元電極についても、これらをそれぞれ用いて実施例1と同様の構成の還元装置を作製し、CO2の還元を行った。
(実施例1〜6と比較例1〜5との比較)
各実施例1〜6及び比較例1〜5における還元生成物の生成量は、次の表に示す通りである。なお、表中の「N.D.」は、不検出を意味する。
表1より知られるように、実施例の還元電極1を用いた電極装置8においては、CO2の還元生成物であるメタノールやギ酸が十分に生成されていた。これに対し、比較例の還元電極を用いた還元装置においては、メタノールやギ酸の生成量が不十分であった。即ち、実施例の還元電極1は、p型光半導体12とn型光半導体13との積層体を有し、両者の間にpn接合を有している(図1及び図5参照)。そのため、光照射条件下おいて安定してCO2に電子を供給して還元を行うことができ、有機物等からなる還元生成物が十分に得られる。また、各実施例においては、上述のように、CO2からメタノールやギ酸が十分に生成される一方で、水素や一酸化炭素の生成が十分に抑制されている。これは、実施例においては、水の還元を抑制できると共に、二酸化炭素から一酸化炭素を生成する還元反応ではなく、水と二酸化炭素からメタノールやギ酸を生成する還元反応を進行させることができることを意味する。
また、実施例の還元電極1においては、p型光半導体12の伝導帯のエネルギー準位は、n型光半導体13の伝導帯のエネルギー準位よりも卑側に高い。また、p型光半導体12の価電子帯のエネルギー準位は、n型光半導体13の価電子帯のエネルギー準位よりも卑側に高い。このような組み合わせのp型光半導体12とn型光半導体が採用されているため、還元電極1を電極として用いた場合に電流を流すことが可能になる。
また、還元電極1においては、実施例のようにp型光半導体12がn型光半導体13に完全に被覆されていることが好ましい。即ち、p型光半導体12は、外部に露出していないことが好ましい。この場合には、還元装置8において、p型光半導体12が電解液3と直接接触することがないため、水の還元がより一層抑制される。即ち、還元電極1は、CO2をより選択的に還元することができる。
n型光半導体13は、TiO2、SrTiO3、WO3、BiVO4から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。より好ましくは、n型光半導体13は、ブルッカイト型酸化チタンからなることがよい。この場合には、水の還元をより一層抑制することができ、CO2をより選択的に還元することができる。その結果、CO2の還元生成物の量をより向上させることができる。
また、p型光半導体12は、CuO、Cu2O、InP、p−SiC、p−Siから選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。この場合には、CO2の還元生成物の生成量をより向上させることができる。
なお、実施例3においては、n型光半導体として、上述のようにAgを担持させた酸化チタンを用いている。担持させる金属としては、その他にも例えばAu、Rh、Cu、Ni、Ru、Ir、Re、Pd等を用いることができる。これらの金属は少なくとも1種を用いることができる。
また、還元装置8は、還元電極1と酸化電極2とを分離するイオン交換膜4を有している(図5参照)。そのため、還元装置8においては、還元生成物の移動が制限される。それ故、メタノール、ギ酸等の還元生成物が酸化電極2において再度酸化されてしまうことを抑制することができる。したがって、還元装置8においては、還元生成物をより十分得ることができる。
(実施例7)
本例は、分枝状構造のp型光半導体を有する還元電極の例である。
図6に示すごとく、本例の還元電極1は、導電性の基板11と、この基板11上に設けられた分枝状構造のp型光半導体12と、このp型光半導体12を被覆するn型光半導体13とを有する。基板11は、実施例1と同様に、石英ガラス基板112と、この石英ガラス基板112上に積層形成されたFTO膜111とを有しており、p型光半導体12は、基板11のFTO膜111上に形成されている。
p型光半導体12は、基板11(FTO膜111)上からn型光半導体13の内部に広がって伸びる分枝状構造を有している。具体的には、p型光半導体12においては、基板11上からランダムな方向に広がって伸びる多数の分枝125(突起物125)が形成されており、これらの分枝125が分枝状構造を形成している。p型光半導体12は、ランダムな方向に伸びる突起物125が多数集合してなるカリフラワー状の構造体であるともいえる。p型光半導体12は、所定の表面粗さで基板11上に形成されている。p型光半導体12は、実施例1と同様にCuOからなる。
また、図6に示すごとく、n型光半導体13は、分枝状構造のp型光半導体12を被覆している。n型光半導体13は、分枝状構造のp型光半導体12の外形に沿ってp型光半導体12を被覆しており、表面に凹凸構造を有する。n型光半導体13は、実施例1と同様にブルッカイト型酸化チタンからなる。
次に、本例の還元電極1の製造方法について説明する。具体的には、まず、実施例1と同様に、導電性の基板11として、FTO膜111が表面に形成された石英ガラス基板112を準備した。次いで、図7に示すごとく、硫酸銅とグリシンとの濃度がそれぞれ0.02mol/l、0.1mol/lに調整された水溶液129を調整し、この水溶液129中に参照電極19、作用電極14、対極17を浸漬した。作用電極14と対極17は、いずれもFTO膜111が表面に形成された上述の石英ガラス基板112からなり、上述の導電性の基板11である。参照電極19は、Ag/AgCl電極である。作用電極14と対極17とは、互いのFTO膜111が対向するように配置した。作用電極14と対極17との間隔は4mmである。そして、作用電極14と対極17との間に電流計を設置すると共に、作用電極14と参照極19との間に電圧計を設置した。
次いで、作用電極14と対極17とをポテンショスタット18に電気的に接続し、対極17に対して作用電極14が負の電位になるように、両極間に−0.75Vの電位を1800秒間印加した。このときの水溶液129の液温は室温(25℃)である。この電位差により、図7に示すごとく、水溶液129中のCu2+イオンが作用電極14のFTO膜111上でCuとして析出する(電析)。その後、温度110℃の乾燥機内で作用電極14を1時間乾燥させた後、さらに大気条件下、温度550℃で作用電極14を1時間焼成した。これにより、基板11のFTO膜111上に、酸化銅からなる分枝状構造のp型光半導体12を形成した(図6参照)。このp型光半導体12の結晶構造を、Cu−Kα線を用いたX線回折装置((株)リガク製のRINT2000)により調べたところ、p型光半導体はCuOからなることが確認された。
次に、p型光半導体12の表面を走査型電子顕微鏡(SEM;日本電子(株)製の「JSM−6700F」)を用いて観察した。SEMの観察条件は、加速電圧が5.0kV(反射電子像)であり、観察倍率が2000倍、及び50000倍である。倍率2000倍の結果を図8(a)に示し、倍率50000倍の結果を図8(b)に示す。なお、比較用として、実施例1におけるp型光半導体12の拡大断面図を後述の図13に示し、実施例1におけるp型光半導体12の表面の倍率2000倍のSEM写真を後述の図14(a)に示し、倍率50000倍のSEM写真を後述の図14(b)に示す。
図13、図14(a)及び(b)より知られるように、実施例1におけるp型光半導体12が酸化銅からなる粒子の凝集体から構成されているのに対し、図8(a)及び(b)より知られるように、本例におけるp型光半導体12は、FTO膜111上から広がって伸びる分枝状構造を有している。また、本例におけるp型光半導体12の表面の粗さを算術平均粗さRa(JIS 2001年規格)に基づいて計測した。計測には、VEECO/SLOAN社製の針接触式表面形状測定装置「DEKTAK 6M STYLUS PROFILER」を用いた。その結果、本例におけるp型光半導体の表面粗さ(算術平均粗さRa)は、2701.97nmであった。一方、実施例1におけるp型光半導体12の表面粗さRaは、1237.09nmであった。
次に、本例のp型光半導体12上に、実施例1と同様の電気泳動法によりn型光半導体13を形成した。以上のようにして、図6に示すごとく、分枝状構造のp型光半導体12と、これを被覆するn型光半導体13とを有する還元電極1を得た。
次に、本例の還元電極1を用い、さらに電解液3を濃度0.1mol/LのNa2SO4に変更した点を除いては、実施例1と同様の構成の還元装置8を組み立てた(図5参照)。次いで、この還元装置8によりCO2の還元を行った。本例においては、G1レベルのCO2を電解液3中に60分間供給し、光源5から強度100W/cm2の光51(疑似太陽光)を1秒間隔で照射し、還元装置8によりCO2の還元を行った。このとき、電気化学アナライザ9(ビー・エー・エス(株)製のALSモデル660E)により、掃引速度10mV/sで電位を0.6Vから−0.1Vまで変化させたときの電流密度を測定した。そして、標準水素電極に対する電位が0Vのときの光電流密度(光照射時に流れる電流密度)を求めた。その結果を後述の図15に示す。図15には、比較のために、実施例1の還元電極を用いた時の電流密度の測定結果を併記している。
なお、本例及び後述の実施例8及び実施例9において、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示し、先行する説明を参照する。
(実施例8)
本例は、上述の実施例7とは電析の反応時間を変更して、p型光半導体を形成した還元電極の例である。図9に示すごとく、本例の還元電極1において、p型光半導体12は、実施例7と同様に、基板11(FTO膜111)上からn型光半導体13の内部に広がって伸びる分枝状構造を有している。本例のp型光半導体12においては、実施例7よりも分枝125(突起物125)が多く、その長さが長くなっている。その他の構成は、実施例7と同様である。
本例の還元電極1は、p型光半導体12を形成する際に、対極17と作用電極14との間に−0.75Vの電位を3600秒間印加した点を除いては、上述の実施例7と同様にして作製した(図7参照)。本例においても、実施例7と同様にp型光半導体12の結晶構造を、Cu−Kα線を用いたX線回折装置((株)リガク製のRINT2000)により調べたところ、p型光半導体12はCuOからなることが確認された。また、本例におけるp型光半導体12の表面におけるSEM写真を実施例7と同様の条件で撮影した。倍率2000倍のSEM写真を図10(a)に示し、倍率50000倍のSEM写真を図10(b)に示す。また、本例のけるp型光半導体の表面粗さ(算術平均粗さRa)を実施例7と同様にして計測した。その結果、表面粗さは、3174.66nmであった。
また、本例の還元電極1を用いて、実施例7と同様にして還元装置8を組み立て(図5参照)、標準水素電極に対する電位が0Vのときの光電流密度(光照射時に流れる電流密度)を求めた。その結果を後述の図15に示す。
(実施例9)
本例は、上述の実施例7及び実施例8とは電析の反応時間を変更して、p型光半導体を形成した還元電極の例である。図11に示すごとく、本例の還元電極1において、p型光半導体は、実施例7と同様に、基板11(FTO膜111)上からn型光半導体13の内部に広がって伸びる分枝状構造を有している。本例のp型光半導体12は、実施例7よりも分枝125(突起物125)が少なく、その長さが短くなっている。その他の構成は、実施例7と同様である。
本例の還元電極1は、p型光半導体12を形成する際に、対極17と作用電極14との間に−0.75Vの電位を600秒間印加した点を除いては、上述の実施例7と同様にして作製した(図7参照)。本例においても、実施例7と同様にp型光半導体12の結晶構造を、Cu−Kα線を用いたX線回折装置((株)リガク製のRINT2000)により調べたところ、p型光半導体12はCuOからなることが確認された。また、本例におけるp型光半導体12の表面におけるSEM写真を実施例7と同様の条件で撮影した。倍率2000倍のSEM写真を図12(a)に示し、倍率50000倍のSEM写真を図12(b)に示す。また、本例のけるp型光半導体の表面粗さ(算術平均粗さRa)を実施例7と同様にして計測した。その結果、表面粗さは、2015.23nmであった。
また、本例の還元電極1を用いて、実施例7と同様にして還元装置8を組み立て(図5参照)、標準水素電極に対する電位が0Vのときの光電流密度(光照射時に流れる電流密度)を求めた。その結果を後述の図15に示す。
(実施例1、実施例7〜実施例9との比較)
図15より知られるように、基板11上からn型光半導体13の内部に広がって伸びる分枝状構造のp型光半導体12(図6、図8〜図12参照)を有する実施例7〜9の還元電極1は、分枝状構造を有していないp型光半導体12(図13及び図14参照)を有する実施例1の還元電極1よりも高い電流密度を示していた。この電流密度の向上は、CO2の還元反応速度の向上を意味する。したがって、実施例7〜9のように分枝状構造のp型光半導体12を形成することにより、CO2の還元速度を向上させ、メタノール等の有機物の生成速度をより向上できることがわかる。
電析法により形成された実施例7〜実施例9の還元電極1においては、上述のように、分枝状構造のp型光半導体12を有しているため、p型光半導体12とn型光半導体13との接合領域が広くなるため、上述のように電流密度が向上したと推察される(図6、図8〜図12参照)。また、実施例7〜9においては、緻密なp型光半導体12が形成されていることも電流密度の向上に寄与していると推察される。一方、スキージ法により形成された実施例1におけるp型光半導体12においては、CuO粒子間に多数の空隙が存在しているため(図13及び図14)、実施例7〜実施例9ほどの電流密度には達しなかったものと推察される。
実施例7〜9のような分枝状構造のp型光半導体12は、上述の電析及びその後の焼成により形成することができる。電析時の電位及び反応時間を調整することにより、分枝状構造における分枝125(突起物125)の長さや数を制御することができる。実施例1、実施例7〜9におけるp型光半導体12について、形成方法、形態、及び表面粗さを表2に示す。
上述の表2及び図15の結果から知られるごとく、p型光半導体の表面粗さ(算術平均粗さRa)は2000nm以上であることが好ましい。この場合には、電流密度を十分に向上させることが可能になる。より好ましくは、p型光半導体の表面粗さは2500nm以上がよい。また、電析による実現可能な表面粗さという観点から、p型光半導体の表面粗さは、3200nm以下であることが好ましい。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 CO2還元電極
11 基板
12 p型光半導体
13 n型光半導体
8 還元装置

Claims (7)

  1. 導電性の基板(11)と、該基板(11)上に設けられたp型光半導体(12)と、該p型光半導体(12)上に設けられたn型光半導体(13)とを有し、
    上記p型光半導体(12)の伝導帯のエネルギー準位は、上記n型光半導体(13)の伝導帯のエネルギー準位よりも卑側に高く、上記p型光半導体(12)の価電子帯のエネルギー準位は、上記n型光半導体(13)の価電子帯のエネルギー準位よりも卑側に高いことを特徴とするCO2還元電極(1)。
  2. 上記p型光半導体(12)は、上記n型光半導体(13)に完全に被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のCO2還元電極(1)。
  3. 上記n型光半導体(13)は、TiO2、SrTiO3、WO3、及びBiVO4から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のCO2還元電極(1)。
  4. 上記n型光半導体(13)は、ブルッカイト型酸化チタンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCO2還元電極(1)。
  5. 上記p型光半導体(12)は、CuO、Cu2O、InP、p−SiC、及びp−Siから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のCO2還元電極(1)。
  6. 上記p型光半導体(12)は、上記基板(11)上から上記n型光半導体(13)の内部に広がって伸びる分枝状構造を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のCO2還元電極。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のCO2還元電極(1)と、酸化電極(2)と、該酸化電極(2)と上記CO2還元電極(1)とが浸漬された水系電解液(3)と、該水系電解液(2)中において上記CO2還元電極(1)と上記酸化電極(2)とを隔てるイオン交換膜(4)と、上記CO2還元電極(1)に光を照射する光源(5)と、上記CO2還元電極にCO2を供給する供給口(6)とを有することを特徴とするCO2還元装置(8)。
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