JP6590459B2 - 二酸化炭素還元電極およびこれを用いた二酸化炭素還元装置 - Google Patents

二酸化炭素還元電極およびこれを用いた二酸化炭素還元装置 Download PDF

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Description

本発明は、二酸化炭素を還元するための二酸化炭素還元電極、及びこれを用いた二酸化炭素還元装置に関する。
近年、地球温暖化や化石燃料枯渇問題の解決にむけた研究領域としてCO2から有益な有機物を合成する光触媒ならびに光電気化学システムの開発が益々重要性を増している。
こうした中、CO2から直接メタノール(CH3OH)を合成する方法として、三級アミン化合物(例えばピリジン)をメディエータとして水中に懸濁させ、電極でCO2と三級アミン化合物を電気化学的に反応させメタノールを合成する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特表2012−516392号公報
上記特許文献1に記載の方法では、CO2還元生成物としてメタノールのみならず、メタノールよりも反応電子数の少ないギ酸(HCOOH)も多く生成する。CO2還元反 応でメタノールの選択性を向上させるためには、反応電流量を減らす必要がある。ところが、反応電流量を減らすと、メタノールの絶対的な生成量が減少するという背反があった。
本発明は上記点に鑑み、メディエータを用いてCO2から電気化学的にメタノールを合成する際に、メタノールの生成効率を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、金属あるいは金属酸化物から構成される基材(13a)と、下記の一般式(1)で表されるとともに、前記基材の表面に単分子膜を形成するイオン液体(13b)と、前記基材と前記イオン液体との間に内包される窒素含有芳香族化合物(13c)と、を備える二酸化炭素還元電極であって、
窒素含有芳香族化合物は、芳香環の構成原子の1以上がN原子となっている複素芳香族化合物であり、窒素含有芳香族化合物は、イミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、ピリジン、ジメチルアミノピリジンからなる群から選ばれる一種以上であり、
一般式(1)において、MはP原子またはN原子であり、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のアルコキシアルキル基、炭素数1〜30のアミノアルキル基、炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはカルボニル基を有するアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、R 1〜R4の少なくとも1つは、−SH基、−S−基、−COOH基、−NH2基、シラノ−ル基、リン酸基、アルケニル基、アルキニル基、アジ基からなる群から選ばれる一種以上の結合性官能基を有し、結合性官能基が−S−基である場合は、異なる構造単位に含まれる−S−基同士が結合しており、-は対陰イオンを表すことを特徴とする。
Figure 0006590459
本発明によれば、基材表面に一般式(1)で表されるイオン液体の単分子膜を形成することで、基材とイオン液体の間に窒素含有芳香族化合物をメディエータとしてを内包させることができる。このような構成の二酸化炭素還元電極を用いることで、CO2還元反応を行った際のメタノール生成効率を向上させることができる。
また、本発明の還元電極を用いることで、CO2還元反応において、反応過電圧を低下させるとともに、反応電流を増大させることができる。このため、メタノールの絶対的な生成量を増大させることができる。
実施形態におけるCO2還元装置の構成を示す説明図である。 還元電極の構成を示す説明図である。 実施形態および比較例の還元電極でCV測定した結果を示す図である。 実施形態および比較例のメタノール生成効率を示す図表である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。本実施形態では、本発明のCO2還元電極を適用したCO2還元装置について説明する。
図1に示すように、CO2還元装置1は、容器10を備えている。容器10の内部には、電解液11が収容されている。電解液11は特に限定されないが、本実施形態ではNa2SO4水溶液を用いている。
容器10には、酸化電極12、還元電極13および参照電極14が挿入されている。酸化電極12、還元電極13および参照電極14は、電解液11に浸漬している。酸化電極12としては、例えば白金電極を用いることができる。還元電極13の構成については、後述する。参照電極14としては、例えばAg/AgCl電極を用いることができる。なお、参照電極14は、省略することもできる。
酸化電極12、還元電極13および参照電極14は、ポテンショスタット15に接続されている。容器10には、CO2供給管16が挿入されている。CO2供給管16からCO2が電解液11に供給される。
図2に示すように、還元電極13は、基材13a、イオン液体13b、メディエータ13cを有している。基材13aの表面にイオン液体13bの単分子膜が形成されている。基材13aとイオン液体13bとの間にナノオーダの空間が形成され、この空間にメディエータ13cが内包されている。
基材13aは金属板であり、表面でイオン液体13bが単分子構造を形成し得る金属または金属酸化物から構成される。基材13aとしては、例えば金、白金、銀、銅、スズ、チタンのいずれかの金属あるいはこれらの金属酸化物を用いることができる。また、イオン液体13bがチオール系官能基(−SH、−S−、−SS−)を有する場合には、基材13aとして、チオール系官能基を有するイオン液体13bが単分子構造を形成し得る金、白金、銀、銅のいずれかの金属あるいはこれらの金属酸化物を用いることが望ましい。
イオン液体13bは、常温で液体の分子性液体である。本実施形態のイオン液体13bは、分岐アルキル鎖を有しており、嵩高い構造を備えている。本実施形態のイオン液体13bは、以下の一般式(1)で表される構造単位を含む有機リン型もしくは4級アミン型のイオン液体である。
Figure 0006590459
一般式(1)において、MはP原子またはN原子である。一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のアルコキシアルキル基、炭素数1〜30のアミノアルキル基、炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはカルボニル基を有するアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、またはRnとRn+1(nは1〜3の整数)が直鎖状の場合は結合して環状構造を有していても良い。ただし、一般式(1)中のR1〜R4の少なくとも1つは、少なくとも1つの結合性官能基(−SH基、−S−基、−COOH基、−NH2基、シラノ−ル基、リン酸基、アルケニル基、アルキニル基、またはアジ基)を有する。結合性官能基が−S−基である場合には、異なる構造単位に含まれる−S−基同士が結合している。
一般式(1)中、X-は対陰イオンを表す。対陰イオンX-は一価あるいはそれ以上の価数を有する陰イオンであり、各種ハロゲンイオン、BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -(略称TfO-)、(CF3SO22-(略称Tf2-)などが好適に用いられる。
イオン液体13bが基材13aの表面に修飾されたイオン液体13bは、一般式(1)で表される構造単位を有することで、メディエータ13cを導入するだけの空間的な隙間を作り出すことができる。そして、イオン液体13bによって形成される空間的な隙間にメディエータ13cを導入することができる。
また、イオン液体13bがリン酸系やアンモニウム系等の官能基でイオン性を有することで、伝導性の向上および単分子膜内へのCO2の溶解性を向上させることができる。
上記一般式(1)で表されるイオン液体13bとして、下記の化合物を例示できるが、これらに限定されるものではない。なお、下記の化合物は、一般式(1)中のR1に、「−S基」もしくは「−S−基」を有している。下記の化合物のうちR 1 に「−S−基」を有する化合物は、2つの構造単位が−S−基同士で結合している。
Figure 0006590459
本実施形態では、イオン液体13bとして、以下の一般式(2)で表される有機化合物を用いている。一般式(2)で表される有機化合物は、上記一般式(1)において、MがP原子、R1が結合性官能基として−S−基を有する−(CH212S−基、R2〜R4がC613 -基、X-がCF3SO3 -(TfO-)である。一般式(2)で表される有機化合物は、2つの構造単位を有しており、2つの構造単位に含まれる−S−基同士が結合している。
Figure 0006590459
上述したイオン液体13bは、特開2012−167045号公報に記載されている方法によって合成することができる。
メディエータ13cは、CO2還元反応で電子伝達を仲介する化合物である。本実施形態では、メディエータ13cとして、窒素含有芳香族化合物を用いている。芳香族化合物は、4n+2個(nは整数)のπ電子を含有する非局在π電子系を有する平面環である。芳香環は、5、6、7、8、9個、又は10個以上の原子によって形成され得る。芳香族化合物は、単環式および縮合環多環式を含んでいる。
窒素含有芳香族化合物は、芳香環の構成原子の1以上がN原子となっている複素芳香族化合物である。窒素含有芳香族化合物は、芳香環の構成原子と結合する1以上の水素が、直鎖または分岐鎖低級アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ピリジル基で置換されていてもよい。本実施形態では、メディエータ13cを構成する窒素含有芳香族化合物として、例えばイミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ジメチルアミノピリジンを用いている。
本実施形態の還元電極13は、基材13a表面にイオン液体13bを導入してイオン液体修飾基材とし、このイオン液体修飾基材にメディエータ13cを導入することで得られる。基材13aは、イオン液体13bによる修飾前に、必要に応じて清浄化などの表面処理をしておくことが望ましい。基材13aの表面処理は、濃硝酸、ピランハ溶液、あるいはフッ化水素酸を用いて行うことができる。
結合性官能基を含むイオン液体13bを基材13a表面へ化学結合させ、イオン液体修飾基材を得る方法としては、例えば、有機溶媒にイオン液体13bを溶解させた溶液に基材13aを浸漬する方法、あるいは溶液を基材13a表面にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布する方法を用いることができる。また、イオン液体13bそのものに基材13aを浸漬、あるいはイオン液体13bを上記方法により基材13a表面に塗布してもよい。
基材13aをイオン液体13bの溶液等に浸漬する時間は、イオン液体13bが基材13a表面に固定されれば特に制限されることはないが、好ましくは5分〜60時間、より好ましくは1〜24時間である。また、必要に応じて浸漬あるいは塗布する際に基材13aや溶液を加熱してもよい。溶液にする場合、イオン液体13bの濃度としては、0.01〜100mmol/L、好ましくは0.1〜50mmol/L程度である。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ケトン類、炭化水素、クロロホルムなどを用いることができる。
イオン液体修飾基材へのメディエータ13cの導入方法としては、例えば、有機溶媒にメディエータ13cを溶解させた溶液にイオン液体修飾基材を浸漬する方法、あるいは溶液をイオン液体修飾基材にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布する方法などが挙げられる。
イオン液体修飾基材をメディエータ13cの溶液に浸漬する時間は、メディエータ13bがイオン液体修飾基材に導入されれば特に制限されることはないが、好ましくは5分〜60時間、より好ましくは1〜24時間である。また、必要に応じて浸漬あるいは塗布する際にイオン液体修飾基材や溶液を加熱しても良い。溶液にする場合、目的化合物の濃度としては、0.01〜100mmol/L、好ましくは0.1〜50mmol/L程度である。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ケトン類、炭化水素、クロロホルム、水などを用いることができる。
また、イオン液体13bおよびメディエータ13cの他の導入方法として、基材13a表面へのイオン液体修飾の際に、イオン液体13bとメディエータ13cを共存させた溶液を調製し、一度にイオン液体13bとメディエータ13cを基材13a表面上に修飾・固定することも可能である。基材13aを溶液に浸漬する時間は、メディエータ13cおよびイオン液体13bが基材13a表面に導入されれば特に制限されることはないが、好ましくは5分〜60時間、より好ましくは1〜24時間である。また必要に応じて浸漬する際に基材や溶液を加熱しても良い。溶液にする場合、メディエータ13cの濃度としては、0.01〜100mmol/L、好ましくは0.1〜50mmol/L程度である。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ケトン類、炭化水素、クロロホルムなどを用いることができる。
更に、メディエータ13cの別の導入方法として、イオン液体修飾基材を電極とし、電気化学測定装置を用いて、メディエータ13cを含んだ電解質溶液中で電気化学測定、好ましくはサイクリックボルタンメトリーなどのポテンシオメトリー測定を行うことにより、イオン液体修飾電極中に電解質溶液中のメディエータ13cを導入することが可能である。測定の際の各種条件(濃度、温度、溶媒、測定時間、用いる電解質など)はメディエータ13cがイオン液体修飾電極中に導入されれば特に制限されることはないが、導入するメディエータ13cの濃度は好ましくは0.05〜10mmol/L、より好ましくは0.1〜5mmol/Lである。また測定する際の温度は好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜30℃である。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ケトン類、炭化水素、クロロホルム、水などを用いることができる。測定時間は好ましくは1分〜2時間程度、より好ましくは5〜30分程度である。電解質に関しては、通常の電気化学測定に使用する電解質であれば特に制限はなく、溶媒が水系であれば、過塩素酸リチウムや過塩素酸ナトリウム、有機溶媒であればテトラアルキルアンモニウムのテトラボレート塩やヘキサフルオロリン酸塩、あるいは過塩素酸塩が好適に用いられる。
図3は、本実施形態のCO2還元装置1でCV測定した結果を示している。メディエータ13cとしてイミダゾールを用いた。図3では、比較例1として、電解液11にCO2を供給しない場合のCV測定結果を示し、比較例2として、基材13a表面にイオン液体13bの単分子膜を形成することなく電解液11にイミダゾールを分散させた場合のCV測定結果を示している。
図3に示すように、電解液11にCO2を供給しない比較例1では、電流がゼロ付近のまま推移している。イオン液体13bを用いていない比較例2では、−0.6V付近で電流がゼロからマイナスに推移している。イオン液体13bを用いた本実施形態では、−0.4V付近で電流がゼロからマイナスに推移している。また、本実施形態では、比較例2よりも電流密度が増大している。つまり、本実施形態では、イオン液体13bを用いることで、CO2還元反応における反応過電圧が低下しているとともに反応電流が増大している。
本実施形態では、イオン液体13bとメディエータ13cが相互作用の高い組み合わせとなっており、還元電極13最表面での被還元体の拡散が少なくなっていると考えられる。この結果、本実施形態では、CO2還元反応での電荷移動が効率的となり、反応過電圧が低下するとともに反応電流が増大したものと推測される。
CO2還元反応は、CO2→ギ酸(HCOOH)→メタノール(CH3OH)の順に変化する多段階反応である。電解液中にイミダゾールを分散させた比較例2では、被還元体がギ酸の段階で電極表面から拡散し、CO2還元反応をメタノール生成まで進行させることが難しい。これに対し、本実施形態では、伝導性が高く、メディエータ13cおよび被還元体(反応物)の内包性が高いイオン液体13bの単分子膜を基材13a表面に形成することで、被還元体がギ酸の段階で電極表面から拡散することを抑制でき、上記多段階反応が円滑に進行すると考えられる。
図4は、本実施形態のCO2還元装置1において、基材13a、イオン液体13b、メディエータ13cの組み合わせを変化させてCO2の還元を行った実施例の電流密度とメタノール生成効率を示している。図4では、イオン液体13bあるいはメディエータ13bを用いることなくCO2の還元を行った比較例も示している。なお、カソード電位を−0.8V/Ag/AgClとした。
基材13aは、実施例1〜7、比較例1、3、4では金を用い、実施例8では白金を用い、実施例9、比較例2では銅を用いた。イオン液体13bは、実施例1〜9、比較例4ではP原子を含むリン酸系のイオン液体13bを用いた。比較例1〜3では、イオン液体13bを用いなかった。
メディエータ13cは、実施例1、8、9、比較例1、2ではイミダゾールを用い、実施例2、比較例3ではピリジンを用い、実施例3では3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールを用い、実施例4では1−メチルイミダゾールを用い、実施例5では2−メチルイミダゾール、実施例6では1,2−ジメチルイミダゾールを用い、実施例7では4−ジメチルイミダゾールを用いた。比較例4ではメディエータ13cを用いなかった。
図4に示すように、本実施形態の還元電極13を用いた実施例1〜9では、メタノール生成効率が13%〜28%となった。イオン液体13bを用いず、メディエータ13cを用いた比較例1〜3では、メタノール生成効率が1〜6%となった。さらに、イオン液体13bを用い、メディエータ13cを用いなかった比較例4では、メタノール生成効率が0%となった。つまり、本実施形態では、比較例よりも高いメタノール生成効率が得られている。
実施例1〜9の中では、基板12aとして金を用いた場合が、他の金属に比較してメタノール生成効率が高くなっている。また、実施例1〜9の中では、基板12aとして金を用い、メディエータ13cとしてイミダゾールを用いた場合が最もメタノール生成効率が高くなっている。
なお、基材13aとして用いられた金属の種類は、例えばXPSによる元素分析により判断可能である。基材13a表面におけるイオン液体13bの単分子膜の有無は、例えば電気化学的還元方法(すなわち電気的な単分子膜の脱離)によって判断できる。イオン液体13bの単分子膜の種類は、例えばXRSやEDXを用いた元素分析により判断できる。メディエータ13cの種類は、例えばXPS、EDS、ガスクロマトグラフィなどによって分析可能である。
以上説明した本実施形態によれば、基材13a表面にイオン液体13bの単分子膜を形成し、基材13aとイオン液体13bの間にメディエータ13cを内包させることで、CO2還元反応を行った際のメタノール生成効率を向上させることができる。また、本実施形態によれば、CO2還元反応において、反応過電圧が低下するとともに、反応電流が増大している。このため、メタノールの絶対的な生成量を増大させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
メディエータ13cは、上記実施形態で例示した窒素含有芳香族化合物に限定されないが、イオン液体13bとして上記一般式(2)で表される有機化合物を用いる場合には、窒素含有芳香族化合物の反応電位が−1.0V/Ag/AgClより正側に小さいことが望ましい。すなわち、イオン液体13bとして上記一般式(2)で表される有機化合物を用いる場合には、−1.0V/Ag/AgCl程度の電位でイオン液体13bの単分子膜が基材13aから還元脱離するおそれがある。このため、反応電位が−1.0V/Ag/AgClより正側に小さい窒素含有芳香族化合物をメディエータ13cとして用いることで、CO2還元反応中にイオン液体13bの単分子膜が基材13aから還元脱離することを回避できる。
1 CO2還元装置
12 酸化電極
13 還元電極(CO2還元電極)
13a 基材
13b イオン液体
13c メディエータ(窒素含有芳香族化合物)
16 CO2供給管(二酸化炭素供給部)

Claims (6)

  1. 金属あるいは金属酸化物によって構成されている基材(13a)と、
    下記の一般式(1)で表される構造単位を有するとともに、前記基材の表面に単分子膜を形成するイオン液体(13b)と、
    前記基材と前記イオン液体との間に内包される窒素含有芳香族化合物(13c)と、
    を備える二酸化炭素還元電極であって、
    前記窒素含有芳香族化合物は、芳香環の構成原子の1以上がN原子となっている複素芳香族化合物であり、
    前記窒素含有芳香族化合物は、イミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、ピリジン、ジメチルアミノピリジンからなる群から選ばれる一種以上であり、
    一般式(1)において、
    MはP原子またはN原子であり、
    1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のアルコキシアルキル基、炭素数1〜30のアミノアルキル基、炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはカルボニル基を有するアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し
    1〜R4の少なくとも1つは、−SH基、−S−基、−COOH基、−NH2基、シラノ−ル基、リン酸基、アルケニル基、アルキニル基、アジ基からなる群から選ばれる一種以上の結合性官能基を有し、
    前記結合性官能基が−S−基である場合は、異なる前記構造単位に含まれる−S−基同士が結合しており、
    -は対陰イオンを表す二酸化炭素還元電極。
    Figure 0006590459
  2. 前記窒素含有芳香族化合物は、芳香環の構成原子と結合する1以上の水素が、直鎖低級アルキル基、分岐鎖低級アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ピリジル基からなる群から選ばれる一種以上で置換されている請求項1に記載の二酸化炭素還元電極。
  3. 前記イオン液体は、下記の一般式(2)で表され、2つの前記構造単位を有しており、2つの前記構造単位に含まれる−S−基同士が結合している請求項1または2に記載の二酸化炭素還元電極。
    Figure 0006590459
  4. 前記イオン液体の前記結合性官能基が、前記基材の表面の金属あるいは金属酸化物と化学結合を形成している請求項1ないし3のいずれか1つに記載の二酸化炭素還元電極。
  5. 前記基材は、金、白金、銀、銅、スズ、チタンからなる群から選ばれる一種以上の金属あるいは金属酸化物によって構成されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の二酸化炭素還元電極。
  6. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の二酸化炭素還元電極(13)と、
    酸化電極(12)と、
    前記二酸化炭素還元電極および前記酸化電極が浸漬された電解液(11)と、
    前記電解液に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給部(16)と、
    を備える二酸化炭素還元装置。
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