JP5675580B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、氷上性能に優れる空気入りタイヤに関するものである。
一般に、氷路に好適な空気入りタイヤとして、氷上性能に優れるタイヤが求められている。
そこで、従来の空気入りタイヤでは、多数のサイプを形成したブロックをトレッド部に配設し、ブロックのエッヂやサイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を高めたり、氷路面上の水膜をサイプで除去してタイヤを氷路面に密着させ、グリップ力を確保したりすることで、タイヤの氷上性能を向上させている。
具体的には、サイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を高めることによりタイヤの氷上性能を向上させた空気入りタイヤとして、例えば、トレッド部に配設したブロックにタイヤ幅方向へ延びるサイプを多数形成してエッヂ成分を増加させることにより、サイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を高めて氷上性能を向上させた空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−89743号公報
しかし、トレッド部に形成したブロックにタイヤ幅方向へ延びるサイプを多数形成した上記従来の空気入りタイヤでは、氷路面上の水膜を十分に除去してタイヤを氷路面に密着させることができず、優れたグリップ力を確保することができない場合があった。そのため、従来の空気入りタイヤには、氷上性能を更に改善する余地があった。
そこで、本発明は、氷上性能を十分に向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、氷路面上に発生する水膜の除去効果(除水効果)を向上させて空気入りタイヤの氷上性能を向上させることを目的として、鋭意研究を行った。そして、タイヤ周方向溝およびタイヤ幅方向溝で区画形成された一つのブロックに着目した際に、ブロックの踏み込み端側では水膜が殆ど発生しておらず、また、ブロックの蹴り出し端側ではタイヤ周方向溝やタイヤ幅方向溝へ水が排出されて水膜が除去されるため、ブロックの踏み込み端側および蹴り出し端側ではタイヤ(ブロック)と氷路面とが密着し易いが、踏み込み端側と蹴り出し端側との間の中央領域では水膜が十分に除去され難く、タイヤ(ブロック)と氷路面とが密着し難いことを見出した。更に、本発明者らは、除水効果が高い、底部に拡大部を有するサイプ(所謂、フラスコサイプ)をブロックの中央領域のみに配設することにより、中央領域における除水効果を高めつつフラスコサイプをブロックの全面に配設した場合と比較してブロックの剛性の大幅な低下を抑制すると共に、所定形状のサイプをフラスコサイプのタイヤ周方向両側に配設してフラスコサイプの配設によるブロックのタイヤ周方向両端部の剛性の低下を抑制することにより、空気入りタイヤのドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性などの他の性能を大幅に低下させることなく、氷上性能を十分に向上させ得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、該主溝間および/または主溝とトレッド端間でタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝とで区画形成された複数個のブロックをトレッド部の少なくとも一部に有する空気入りタイヤであって、前記横溝が、タイヤ周方向に凸形状となるような1個の屈曲点をもってタイヤ幅方向に延び、前記ブロックが、前記横溝の凸形状に対応した形状の周方向突出部を有し、前記周方向突出部の頂点は、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線からオフセットして配置され、前記ブロックの中央領域に、タイヤ幅方向に延びて少なくとも一端が前記主溝またはトレッド端に開口し、且つ、底部に拡大部を有する少なくとも一本の底部拡大サイプを形成し、前記底部拡大サイプは、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線より前記周方向突出部の頂点側に位置する主溝またはトレッド端に一端が開口し、他端がブロック内で終端し、前記ブロックの、前記少なくとも一本の底部拡大サイプのタイヤ周方向両外側に、深さ方向に直線状に延びる二次元サイプおよび深さ方向に屈曲して延びる三次元サイプの何れか一方を形成し、前記横溝の一部に、前記主溝よりも深さが浅い底上げ部を形成し、前記底上げ部は、前記横溝の、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線より前記周方向突出部の頂点側に位置する主溝またはトレッド端への開口部から、前記横溝のタイヤ幅方向中央部を超えて設けられており、且つ、前記横溝の、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線より前記周方向突出部の頂点とは反対側に位置する主溝またはトレッド端への開口部側には設けられてないことを特徴とする。このように、ブロックの中央領域に底部拡大サイプを形成すれば、ブロックの中央領域における除水効果を高めて氷上性能を十分に向上させることができる。また、底部拡大サイプをブロックの中央領域に形成すると共に底部拡大サイプのタイヤ周方向両外側に二次元サイプおよび三次元サイプの何れか一方を形成すれば、底部拡大サイプの配設によるブロックのタイヤ周方向両端部の剛性の低下を抑制して、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性が大幅に低下するのを抑制することができる。更に、ブロックの剛性低下によるブロックの過度な倒れ込みを防止することができるので、ブロックのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得つつ十分な接地面積を確保して、氷上性能を向上させることができる。
なお、本明細書において、「ブロックの中央領域」とは、ブロックのタイヤ周方向の一端から他端に向かって、ブロックのタイヤ周方向長さの1/5の位置からブロックのタイヤ周方向長さの4/5の位置までの領域を指す。また、「少なくとも一本の底部拡大サイプのタイヤ周方向両外側」とは、ブロックの中央領域に底部拡大サイプが複数本形成されている場合には、複数の底部拡大サイプのうちタイヤ周方向最外側にそれぞれ位置する底部拡大サイプのタイヤ周方向外側を指す。
また、底部拡大サイプの他端をブロック内で終端させれば、底部拡大サイプの両端を主溝またはトレッド端に開口させた場合と比較して、ブロックの剛性低下によるブロックの過度な倒れ込みを防止することができるので、ブロックのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得つつ十分な接地面積を確保して、氷上性能を更に向上させることができる
更に、タイヤ周方向に凸形状となるような屈曲点を一つ有する横溝を配設し、周方向突出部を有するブロックとすれば、ブロックの剛性低下によるブロックの過度な倒れ込みを防止することができるので、ブロックのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得つつ十分な接地面積を確保して、氷上性能を更に向上させることができる
また、底上げ部を形成すれば、底部拡大サイプの形成によるブロックのタイヤ周方向両端部の剛性の低下を十分に抑制して、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性が大幅に低下するのを抑制することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記ブロックのタイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向寸法よりも大きいことが好ましい。ブロックのタイヤ幅方向寸法をタイヤ周方向寸法よりも大きくすれば、ブロックのタイヤ周方向両端縁の長さやブロックに形成するサイプの長さを長くとることができるので、ブロックおよびサイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を向上することができると共に、ブロックを適度に倒れ込ませてエッヂによる氷路の引っ掻き効果を更に向上することができるからである。
なお、本明細書において、「ブロックのタイヤ幅方向寸法」とは、ブロック中のタイヤ幅方向の長さが最も長い部分のタイヤ幅方向の寸法を指し、「ブロックのタイヤ周方向寸法」とは、ブロック中のタイヤ周方向の長さが最も長い部分のタイヤ周方向の寸法を指す。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記ブロックに形成した全てのサイプを、タイヤ回転軸線を含みブロック表面に直交する平面に投影したときのタイヤ幅方向寸法が、当該ブロックを前記平面に投影したときのタイヤ幅方向寸法と等しいことが好ましい。タイヤ周方向から見て、ブロックのタイヤ幅方向全域にサイプが位置するようにすれば、エッヂ成分を十分に確保してサイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を更に向上し、氷上性能を更に向上させることができるからである。
なお、本明細書において、「全てのサイプを、タイヤ回転軸線を含みブロック表面に直交する平面に投影したときのタイヤ幅方向寸法」とは、全てのサイプを同一平面に投影した際に得られる投影図のタイヤ幅方向の寸法を指す。
本発明によれば、氷上性能を十分に向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
(a)は、本発明に従う代表的な空気入りタイヤのトレッド部の一部の展開図であり、(b)は、本発明に従う他の空気入りタイヤのトレッド部の一部の展開図である。 図1(b)に示す空気入りタイヤについて、制動力が負荷された際に1個のブロックに働く力を説明する説明図であり、(a)は、周方向突出部がブロックの踏み込み端側に位置する場合の説明図であり、(b)は、周方向突出部がブロックの蹴り出し端側に位置する場合の説明図である。 (a)は、図1(a)に示すブロックのI−I線に沿う断面図であり、(b)は、図1(b)に示すブロックのII−II線に沿う断面図である。 (a)は、本発明に従う空気入りタイヤのブロックの変形例を示す拡大図であり、(b)は、図4(a)に示すブロックのIII−III線に沿う断面図であり、(c)は、図4(a)に示すブロックのIV−IV線に沿う断面図である。 本発明に従う別の空気入りタイヤのトレッド部の一部の展開図である。 (a)は、図5に示すブロックのV−V線に沿う断面図であり、(b)は、図5に示すブロックのVI−VI線に沿う断面図である。 (a)および(b)は、ブロックの倒れ込みとタイヤの接地面積との関係を説明する説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は、本発明の空気入りタイヤの一例のトレッド部の一部の展開図である。図1(a)に示す空気入りタイヤは、両トレッド端Eの間に位置するトレッド踏面1Aに、タイヤ周方向に沿って直線状に延びる複数本(図1(a)では3本)の主溝2Aと、主溝2A,2Aの間および主溝2Aとトレッド端Eとの間でタイヤ幅方向に沿って直線状に延びる複数本の横溝3Aとを配設して、複数個のブロック4Aを区画形成したものである。そして、この一例の空気入りタイヤには、トレッド踏面1Aに、複数個のブロック4Aからなる4列のブロック陸部列5Aが配設されている。
各ブロック4Aは、矩形形状をしている。また、各ブロック4Aには、横溝3Aと平行にタイヤ幅方向に延び、両端が主溝2Aまたはトレッド端Eに開口した3本のサイプ41A,42Aが形成されている。
ここで、図1(a)のI−I線に沿う断面を図3(a)に示すように、ブロック4Aに形成された3本のサイプは、サイプ延在方向および深さ方向の双方に直線状に延びる2本の二次元サイプ41Aと、サイプ延在方向および深さ方向の双方に直線状に延び、トレッド踏面におけるサイプの開口幅よりも幅の大きな拡大部42A2を底部に有する1本の底部拡大サイプ42Aとからなる。そして、ブロック4Aでは、中央領域C(ブロックのタイヤ周方向長さLの1/5の位置から4/5の位置までの領域)に底部拡大サイプ42Aが形成されており、底部拡大サイプ42Aのタイヤ周方向両外側に二次元サイプ41Aがそれぞれ一本ずつ形成されている。なお、二次元サイプの形成位置は、底部拡大サイプよりもタイヤ周方向外側であれば、特に限定されることはなく、例えば中央領域C内であっても良い。
また、ブロック4Aでは、二次元サイプ41Aおよび底部拡大サイプ42Aがブロック4Aのタイヤ幅方向全域に亘って形成されている。従って、ブロック4A内に配設した全てのサイプ41A,42Aを、タイヤ回転軸線(図示せず)を含みブロック4Aの表面に直交する同一平面に投影した際に得られる投影図のタイヤ幅方向の寸法は、ブロック4Aを該平面に投影した際に得られる投影図のタイヤ幅方向の寸法Wと等しい。
そして、この一例の空気入りタイヤでは、ブロック4Aの中央領域Cに底部拡大サイプ42Aを形成しているので、ブロック4Aの中央領域Cが氷路面に接地した際には、氷路面上の水(水膜)が良好に除去される。即ち、氷路面上の水が、タイヤ周方向断面がフラスコ状の底部拡大サイプ42Aの直線部42A1および拡大部42A2を通って主溝2Aまたはトレッド端Eへと良好に排出される。従って、この一例の空気入りタイヤでは、氷路面走行時における一つのブロック4Aの挙動に着目すると、ブロック4Aの踏み込み端側では、水膜が殆ど発生しないのでブロック4Aと氷路面とが密着する。また、ブロック4Aの蹴り出し端側では、主溝2Aまたはトレッド端Eや、横溝3Aへ水が排出されて水膜が除去されるのでブロック4Aと氷路面とが密着する。更に、踏み込み端側と蹴り出し端側との間の中央領域Cでは、底部拡大サイプ42Aにより主溝2Aまたはトレッド端Eへ水が排出されて水膜が良好に除去されるので、ブロック4Aと氷路面とが密着する。そのため、この一例の空気入りタイヤでは、氷路面上の水膜を十分に除去してタイヤを氷路面に密着させることができ、優れたグリップ力を確保して氷上性能を向上させることができる。
また、この一例の空気入りタイヤでは、底部拡大サイプ42Aをブロック4Aの中央領域Cのみに形成すると共に、ブロック4Aの底部拡大サイプ42Aのタイヤ周方向両外側に二次元サイプ41Aを形成しているので、底部拡大サイプ42Aの形成によるブロック4Aの剛性の低下、特にタイヤ周方向両端部の剛性(曲げ剛性)の低下を抑制することができる。即ち、底部拡大サイプ42Aをブロック4Aの中央領域Cのみに形成することにより、上述したように水膜を効果的に除去しつつ、ブロック全体に底部拡大サイプを形成した場合と比較してブロックの剛性の低下を抑制することができる。また、二次元サイプ41Aにより区分されたブロック4Aのタイヤ周方向両端部側の小ブロックが、ブロック4Aの屈曲時に支えとなることにより、ブロック4Aの中央領域Cに底部拡大サイプ42Aを形成したことに伴う剛性の低下を抑制することができる。従って、この一例の空気入りタイヤでは、ブロック4Aの、特にタイヤ周方向両端部の剛性の低下を抑制することで、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性が大幅に低下するのを抑制することができる。また、走行時にブロック4Aを適度に倒れ込ませて、ブロックのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得つつ十分な接地面積を確保してタイヤの氷上性能を向上することができる。
なお、一般に、ブロックの剛性が高すぎる場合には、図7(a)に走行時のブロックの状態を模式的に示すように、ブロック70が倒れこまずにエッヂによる氷路Gの引っ掻き効果を十分に得ることができない。一方、ブロックの剛性が低すぎる場合には、図7(b)に走行時のブロックの状態を模式的に示すように、ブロック70の蹴り出し端側が浮き上がってしまい接地面積を確保することができない。
更に、この一例の空気入りタイヤでは、二次元サイプ41Aおよび底部拡大サイプ42Aの双方をブロック4Aのタイヤ幅方向全域に亘って形成しているので、エッヂ成分を十分に確保してサイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を更に高め、氷上性能を更に向上させることができる。
ここで、上記一例の空気入りタイヤでは、底部拡大サイプを中央領域に配設したが、本発明の空気入りタイヤでは、ブロックのタイヤ周方向両端部の剛性の低下を更に抑制する観点からは、底部拡大サイプをブロックのタイヤ周方向長さLの1/3の位置から2/3の位置までの領域に配設することが更に好ましい。中央領域の中でも、ブロックのタイヤ周方向長さLの1/3の位置から2/3の位置までの領域に底部拡大サイプを配設すれば、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性などの低下を更に抑制することができるからである。
また、上記一例の空気入りタイヤでは、サイプ延在方向および深さ方向の双方に直線状に延びる二次元サイプを底部拡大サイプのタイヤ周方向両側に配設したが、本発明の空気入りタイヤでは、ブロックのタイヤ周方向両端部の剛性の低下を更に抑制する観点からは、サイプ延在方向にはジグザグ状に屈曲し、深さ方向には直線状に延びる二次元サイプや、深さ方向にジグザグ状に屈曲して延びる三次元サイプを底部拡大サイプのタイヤ周方向両側に配設することが更に好ましい。ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性などの低下を更に抑制することができるからである。
更に、本発明の空気入りタイヤでは、二次元サイプや三次元サイプのトレッド踏面の開口幅は例えば0.4〜1.5mmとすることが好ましく、底部拡大サイプのトレッド踏面の開口幅は例えば0.4〜1.5mmとすることが好ましい。また、底部拡大サイプの拡大部の幅はトレッド踏面の開口幅の2〜4倍とすることが好ましい。
次に、本発明の空気入りタイヤの他の例について、図面を用いて説明する。ここに、図1(b)は、本発明の空気入りタイヤの他の例のトレッド部の一部の展開図である。図1(b)に示す空気入りタイヤは、両トレッド端Eの間に位置するトレッド踏面1Bに、タイヤ周方向に沿って直線状に延びる複数本(図1(b)では3本)の主溝2Bと、主溝2B,2Bの間および主溝2Bとトレッド端Eとの間でタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝3Bとを配設して、複数個のブロック4Bを区画形成したものである。そして、この他の例の空気入りタイヤには、トレッド踏面1Bに、複数個のブロック4Bからなる4列のブロック陸部列5Bが配設されている。
ここで、横溝3Bは、タイヤ周方向(図1(b)では上方向)に凸形状となるような1個の屈曲点をもってタイヤ幅方向に延びており、この他の例の空気入りタイヤでは、全ての横溝3Bが同一方向に屈曲している。
各ブロック4Bは、該ブロック4Bを区画形成する横溝3Bの凸形状に対応した形状、好適には矢羽形状をしており、周方向突出部43Bを有している。また、各ブロック4Bには、横溝3Bと平行にタイヤ幅方向に延びる3本のサイプ41B,42Bが形成されている。更に、各ブロック4Bのタイヤ幅方向寸法Wは、タイヤ周方向寸法Lよりも大きい。
また、図1(b)のII−II線に沿う断面を図3(b)に示すように、ブロック4Bに形成された3本のサイプは、サイプ延在方向には直線状に延び、深さ方向にはジグザグ状に屈曲して延びる2本の三次元サイプ41Bと、サイプ延在方向および深さ方向の双方に直線状に延び、トレッド踏面におけるサイプの開口幅よりも幅の大きな拡大部42B2を底部に有する1本の底部拡大サイプ42Bとからなる。そして、ブロック4Bでは、中央領域C(ブロックのタイヤ周方向長さLの1/5の位置から4/5の位置までの領域)に底部拡大サイプ42Bが形成されており、底部拡大サイプ42Bのタイヤ周方向両外側に三次元サイプ41Bがそれぞれ一本ずつ形成されている。なお、三次元サイプの形成位置は、底部拡大サイプよりもタイヤ周方向外側であれば、特に限定されることはなく、例えば中央領域C内であっても良い。
また、ブロック4Bでは、三次元サイプ41Bおよび底部拡大サイプ42Bがブロック4Bのタイヤ幅方向全域に亘って形成されている。従って、ブロック4B内に配設した全てのサイプ41B,42Bを、タイヤ回転軸線(図示せず)を含みブロック4Bの表面に直交する同一平面に投影した際に得られる投影図のタイヤ幅方向の寸法は、ブロック4Bを該平面に投影した際に得られる投影図のタイヤ幅方向の寸法Wと等しい。
そして、この他の例の空気入りタイヤでは、ブロック4Bの中央領域Cに底部拡大サイプ42Bを形成しているので、先の一例の空気入りタイヤと同様にして、優れたグリップ力を確保して氷上性能を向上させることができる。
また、この他の例の空気入りタイヤでは、底部拡大サイプ42Bをブロック4Bの中央領域Cのみに形成すると共に、ブロック4Bの底部拡大サイプ42Bのタイヤ周方向両外側に三次元サイプ41Bを形成しているので、先の一例の空気入りタイヤと同様にして、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性が大幅に低下するのを抑制することができる。また、ブロックのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得つつ十分な接地面積を確保してタイヤの氷上性能を向上することができる。
更に、この他の例の空気入りタイヤでは、三次元サイプ41Bおよび底部拡大サイプ42Bの双方をブロック4Bのタイヤ幅方向全域に亘って形成しているので、先の一例の空気入りタイヤと同様にして、氷上性能を更に向上させることができる。
また、この他の例の空気入りタイヤでは、タイヤ制動時にブロック4Bの周方向突出部43B側が踏み込み端側となる場合には、図2(a)にブロック4Bの拡大図を示すように、矢羽形状のブロック4Bの両幅端部に相当する羽部が中央部(頂点46Bが位置する部分)に倒れこむ方向(図2(a)の矢印で示す方向)に力が働く。従って、ブロック4Bの特にタイヤ幅方向中央部が倒れ込み変形し難くなるので、タイヤの接地面積を確保することができる。また、ブロック4Bの羽部(タイヤ幅方向両端部側)が若干倒れ込み変形するので、ブロック4Bのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を向上することができる。更に、ブロック4Bのタイヤ幅方向寸法Wがタイヤ周方向寸法Lよりも大きいので、タイヤ周方向寸法Lをタイヤ幅方向寸法Wよりも大きくした場合と比べ、ブロックのタイヤ周方向両端縁の長さや各サイプ41B,42Bの長さを長くとることができるのでブロックおよびサイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得ることができると共に、ブロック4Bが適度に倒れ込み変形してブロック4Bのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得ることができる。
更に、この他の例の空気入りタイヤでは、タイヤ制動時にブロック4Bの周方向突出部43B側とは反対側が踏み込み端側となる場合には、図2(b)にブロック4Bの拡大図を示すように、矢羽形状のブロック4Bが開く方向(図2(b)に矢印で示す方向)に力が働く。従って、ブロック4Bの羽部(タイヤ幅方向両端部側)が若干倒れ込み変形して、ブロック4Bのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を向上することができる。更に、ブロック4Bのタイヤ幅方向寸法Wがタイヤ周方向寸法Lよりも大きいので、タイヤ周方向寸法Lをタイヤ幅方向寸法Wよりも大きくした場合と比べ、ブロックのタイヤ周方向両端縁の長さや各サイプ41B,42Bの長さを長くとることができるのでブロックおよびサイプのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得ることができると共に、ブロック4Bが適度に倒れ込み変形してブロック4Bのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得ることができる。
従って、この他の例の空気入りタイヤによれば、ブロックのタイヤ幅方向中央部で接地面積を確保できると共に、ブロックの寸法規定およびサイプの配設により氷路の引っ掻き効果を向上することができるので、タイヤの接地面積の確保と、エッヂによる氷路の引っ掻き効果の向上とを両立し、タイヤの氷上性能を向上することができる。そのため、底部拡大サイプおよび三次元サイプの配置と、矢羽形状のブロックとの組合せにより、タイヤの氷上性能を更に向上させることができる。なお、上述した接地面積の確保と引っ掻き効果の向上とは、底部拡大サイプが矢羽形状のブロックの頂点の近傍で終端しているような構成であると、さらに高い次元で両立させることができる。
ここで、上記他の例の空気入りタイヤでは、先の一例の空気入りタイヤと同様に、底部拡大サイプをブロックのタイヤ周方向長さLの1/3の位置から2/3の位置までの領域に配設しても良い。また、二次元サイプを底部拡大サイプのタイヤ周方向両側に配設しても良い。更に、二次元サイプや三次元サイプのトレッド踏面の開口幅は例えば0.4〜1.5mmとすることができ、底部拡大サイプのトレッド踏面の開口幅は例えば0.4〜1.5mmとすることができる。また、底部拡大サイプの拡大部の幅はトレッド踏面の開口幅の2〜4倍とすることができる。
また、上記他の例の空気入りタイヤでは、ブロック4Bの周方向突出部43B側に位置する側壁を構成する2つの側壁部分(第1側壁部分44B,第2側壁部分45B)は、周方向突出部43Bの頂点46Bに向かう配設角度θ12が、それぞれタイヤ幅方向に対して15〜45°の範囲内にあることが好ましい。配設角度θ12が15°未満の場合には、タイヤ幅方向のエッヂ成分は確保できるものの図2(a)のような効果が得られない恐れがあるからである。また、配設角度θ12が45°超の場合には、ブロックのタイヤ幅方向の剛性が低下し、ブロックの捩れ変形が大きくなって接地面積が大幅に減少する恐れがあるからである。なお、側壁部分44B,45Bの配設角度θ12は互いに異なっていても良いが、タイヤの接地面積の確保と、エッヂによる氷路の引っ掻き効果の向上とをバランス良く両立させる観点からは、同一(θ1=θ2)であることが好ましい。
以上、本発明の空気入りタイヤについて上記一例および他の例を用いて説明してきたが、本発明の空気入りタイヤでは、タイヤ幅方向に延びて少なくとも一端が主溝またはトレッド端に開口する少なくとも一本の底部拡大サイプを中央領域に形成し、且つ、二次元サイプおよび三次元サイプの何れか一方を底部拡大サイプのタイヤ周方向両外側に形成したブロックを有していれば、適宜変更を加えることができる。
具体的には、本発明の空気入りタイヤは、図4(a)〜(c)に示すような形状のブロック4Cをトレッド部に形成したタイヤであっても良い。
図4(a)に平面視形状を拡大して示すブロック4Cは、ブロック4Bの頂点をブロックのタイヤ幅方向中心線からオフセットさせる(即ち、横溝の屈曲点をオフセットさせる)と共に、ブロックに形成するサイプの形状を変更したものである。従って、ブロック4Cは、ブロック4Bと同様に、主溝と、タイヤ周方向に凸形状となるような1個の屈曲点をもってタイヤ幅方向に延びる横溝とで区画形成されている。
即ち、このブロック4Cは、頂点46Cがブロックのタイヤ幅方向中心線WCから距離Oだけ(図4(a)では右側に)オフセットした略矢羽形状をしている。そして、図4(a)のIII−III線に沿う断面を図4(b)に示し、図4(a)のIV−IV線に沿う断面を図4(c)に示すように、ブロック4Cの中央領域Cには、一端(図4(a)では右側)が主溝またはトレッド端に開口し、他端がブロック4C内で終端する底部拡大サイプ42Cと、一端(図4(a)では左側)が主溝またはトレッド端に開口し、他端がブロック4C内で終端する、サイプ延在方向および深さ方向の双方にジグザグ状に屈曲して延びる三次元サイプ41C”とが形成されている。また、底部拡大サイプ42Cのタイヤ周方向両外側には、一端(図4(a)では右側)が主溝またはトレッド端に開口し、他端がブロック4C内で終端する、サイプ延在方向および深さ方向の双方にジグザグ状に屈曲して延びる三次元サイプ41C’がそれぞれ形成されている。更に、前述の中央領域Cに形成された三次元サイプ41C”のタイヤ周方向両外側には、一端(図4(a)では左側)が主溝またはトレッド端に開口し、他端がブロック4C内で終端する、サイプ延在方向および深さ方向の双方にジグザグ状に屈曲して延びる三次元サイプ41C”がそれぞれ形成されている。
また、このブロック4Cでは、ブロックに形成した全てのサイプ41C’、41C”、42Cを、タイヤ回転軸線を含みブロック表面に直交する同一平面に投影したときに、三次元サイプ41C”と、三次元サイプ41C’および底部拡大サイプ42Cとがオーバーラップし、投影図のタイヤ幅方向の寸法は、ブロック4Cを該平面に投影した際に得られる投影図のタイヤ幅方向の寸法と等しくなる。
そして、このブロック4Cをトレッド部に形成した空気入りタイヤでは、ブロック4Cの中央領域Cに底部拡大サイプ42Bを形成しているので、先の一例および他の例の空気入りタイヤと同様にして、優れたグリップ力を確保して氷上性能を向上させることができる。また、底部拡大サイプ42Cをブロック4Cの中央領域Cのみに形成すると共に、ブロック4Cの底部拡大サイプ42Cのタイヤ周方向両外側に三次元サイプ41C’を形成しているので、先の一例および他の例の空気入りタイヤと同様にして、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性が大幅に低下するのを抑制することができる。また、ブロックのエッヂによる氷路の引っ掻き効果を得つつ十分な接地面積を確保してタイヤの氷上性能を向上することができる。更に、このブロック4Cをトレッド部に形成した空気入りタイヤでは、サイプ41C’、41C”、42Cをブロック4Cのタイヤ幅方向全域に亘って形成しているので、先の一例および他の例の空気入りタイヤと同様にして、氷上性能を更に向上させることができる。また、先の他の例の空気入りタイヤと同様にして、底部拡大サイプおよび三次元サイプの配置と、矢羽形状のブロックとの組合せにより、タイヤの氷上性能を更に向上させることができる。
また、ブロック4Cをトレッド部に形成した空気入りタイヤでは、特にブロック4Cの長い方の羽部(頂点46Cよりも幅方向中心線WC側に位置する領域)において、エッヂによる路面の引っ掻き効果を更に高めることができる。更に、このブロック4Cをトレッド踏面に配設した空気入りタイヤでは、三次元サイプ41C”と、三次元サイプ41C’および底部拡大サイプ42Cとがタイヤ周方向にオーバーラップしている部分においてエッヂ成分が増加しているので、エッヂによる路面の引っ掻き効果を更に高めることができる。従って、タイヤの接地面積の確保と、エッヂによる氷路の引っ掻き効果の向上とを両立し、タイヤの氷上性能を向上することができる。
なお、ブロック4Cでは、頂点46Cをブロック4Cのタイヤ幅方向中心線WCからオフセットさせる距離Oは、ブロック幅の10〜30%とすることが好ましい。オフセットさせる距離Oがブロック幅の10%未満の場合には、長い方の羽部側でのエッヂによる路面引っ掻き効果を十分に得ることができない恐れがあり、ブロック幅の30%超の場合には、ブロック4Cが倒れ込み変形し易くなって接地面積を確保し難くなる恐れがあるからである。また、ブロック4Cでは、先の他の例のブロック4Bと同様に、底部拡大サイプをブロックのタイヤ周方向長さLの1/3の位置から2/3の位置までの領域に配設しても良い。また、二次元サイプを底部拡大サイプのタイヤ周方向両側に配設しても良い。更に、二次元サイプや三次元サイプのトレッド踏面の開口幅は例えば0.4〜1.5mmとすることができ、底部拡大サイプのトレッド踏面の開口幅は例えば0.4〜1.5mmとすることができる。また、底部拡大サイプの拡大部の幅はトレッド踏面の開口幅の2〜4倍とすることができる。更に、ブロック4Cの周方向突出部43C側に位置する側壁を構成する2つの側壁部分(第1側壁部分44C,第2側壁部分45C)は、周方向突出部43Cの頂点46Cに向かう配設角度θ12を、それぞれタイヤ幅方向に対して15〜45°の範囲内とすることができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ幅方向に延びて少なくとも一端が主溝またはトレッド端に開口する少なくとも一本の底部拡大サイプを中央領域に形成し、且つ、二次元サイプおよび三次元サイプの何れか一方を底部拡大サイプのタイヤ周方向両外側に形成したブロックと、他のブロックパターンとを組み合わせたタイヤであってもよい。
具体的には、本発明の空気入りタイヤは、図5に示すようなトレッドパターンをトレッド部に形成した空気入りタイヤであってもよい。
トレッド部の一部の展開図を図5に示す本発明の空気入りタイヤの別の例は、タイヤ赤道CLよりもタイヤ幅方向一方側(図5では左側)に、先に説明したブロック4Cをタイヤ周方向に複数個形成し、タイヤ赤道よりもタイヤ幅方向他方側(図5では右側)に、多角形(図5では八角形)のブロック6Cを密集させたブロック群を形成している。
この別の例の空気入りタイヤでは、トレッド踏面1Cに形成された主溝2Cおよび横溝3Cによりブロック4Cが区画形成されている。ここで、主溝2Cはタイヤ周方向に沿って延在しており、横溝3Cは、タイヤ周方向(図5では下方向)に凸形状となるような1個の屈曲点をもってタイヤ幅方向に延びている。また、横溝3Cは、タイヤ赤道側の溝幅がトレッド端側の溝幅よりも狭く、且つ、図5のV−V線に沿う断面を図6(a)に示し、図5のVI−VI線に沿う断面を図6(b)に示すように、一部が底上げされている。
また、この別の例の空気入りタイヤでは、タイヤ幅方向に延びる2本の三次元サイプ61Cが形成された八角形のブロック6Cの個数密度Dが、0.003〜0.04個/mm2の範囲内である。
ここで、ブロック個数密度Dとは、ブロック群におけるブロック6Cの基準ピッチ長さをPL(mm)とし、ブロック群の幅をw(mm)とし、基準ピッチ長さPLと幅wとで区画される、ブロック群の基準区域内に存在するブロック6Cの個数をa(個)とし、基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、a/(PL×w×(1−N/100))で与えられる、ブロック群の単位実接地面積当りのブロック個数密度である。また、「ブロックの基準ピッチ長さ」とは、ブロック群内の任意のブロック列におけるブロックの繰り返し模様の最小単位を指すものとし、例えば1つのブロックとそのブロックを区画する溝によってパターンの繰り返し模様が規定されている場合は、ブロック1個分のトレッド周方向長さとこのブロックのトレッド周方向に隣接する溝1本分のトレッド周方向長さとを加算したものがブロックの基準ピッチ長さとなる。また、「ブロック群の幅」とは、ブロックを密集配置してなるブロック群のトレッド幅方向長さを指し、例えばブロック群がトレッド全体に存在する場合は、トレッド接地幅を指すものとする。さらに、ブロック群の「実接地面積」とは、ブロック群の基準区域内に在る全ブロックの総表面積をいうものとし、言い換えれば、基準ピッチ長さPLと幅wとの積で規定される、上記基準区域の面積から個々のブロックを区画している溝の面積を減算した面積を指すものである。
そして、この別の例の空気入りタイヤによれば、ブロック4C,4C間に位置する横溝4Cに底上げ部を設けているので、ブロック4Cのタイヤ周方向両端部の剛性を向上させることができる。従って、底部拡大サイプ42Cの形成によるブロック4Cのタイヤ周方向両端部の剛性の低下を十分に抑制して、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性が大幅に低下するのを抑制することができる。
また、ブロック4Cとブロック6Cとを設けているので、氷上性能と、雪上性能と、排水性能とをバランス良く向上することができる。
また、ブロック4Cをタイヤ赤道CLよりもタイヤ幅方向一方側のみに形成しているので、ブロック4Cを配設した側が車体の内側に位置するようにタイヤを車両に取り付ければ、特に主溝2Cを赤道より内側に配置したこととの相乗効果により、雪上性能、耐ハイドロプレーニング性能が向上し、また、操縦安定性、特にセンターフィールを向上させることができる。なお、矢羽形状のブロックの頂点をオフセット配置した場合、長さが長い羽部を、車体の外側に位置させる、または、トレッド端側に位置するブロック(ショルダーブロック)を区画形成する横溝と周方向溝との交差点に近づけることにより、或いは、底上げ部を形成する場合には端部を避け、端部(羽部の先端側)の剛性を下げることにより、雪を踏み固める効果を高め、雪柱せん断力を向上し、雪上性能を向上させることも可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
参考例1)
表1に示す諸元で、図1(a)に示すような構成のトレッド踏面を有する空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
(従来例1)
表1に示す諸元で、図1(a)に示すような構成のトレッド踏面を有する空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
表1に示す諸元で、図1(a)に示すような構成のトレッド踏面を有する空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
参考例2〜4、実施例5)
諸元およびトレッド踏面の構成を表1に示すように変更した以外は、参考例1と同様にして空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
<氷上性能>
氷路面のテストコースを各種走行モードで走行したときの制動性、発進性、直進性およびコーナリング性をプロのテストドライバーにより総合的にフィーリング評価することにより氷上性能を評価した。そして、従来例1のタイヤを100として指数評価した。表中、指数が大きいほど氷上性能に優れることを示す。
<ドライ操縦安定性>
乾燥路面のテストコースを各種走行モードで走行したときの制動性、発進性、直進性およびコーナリング性をプロのテストドライバーにより総合的にフィーリング評価することによりドライ操縦安定性を評価した。そして、従来例1のタイヤを100として指数評価した。表中、指数が大きいほどドライ操縦安定性に優れることを示す。
<ウェット操縦安定性>
湿潤路面のテストコースを各種走行モードで走行したときの制動性、発進性、直進性およびコーナリング性をプロのテストドライバーにより総合的にフィーリング評価することによりウェット操縦安定性を評価した。そして、従来例1のタイヤを100として指数評価した。表中、指数が大きいほどウェット操縦安定性に優れることを示す。
<耐摩耗性>
乾燥路面の一般路を各種走行モードにて走行し、5000km走行時のブロックの摩耗量を測定し、その測定した摩耗量から耐摩耗性を評価した。そして、従来例1のタイヤを100として指数評価した。表中、指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0005675580
表1より、参考例1〜4、実施例5のタイヤは、従来例1および比較例1のタイヤと比較して氷上性能に優れていることが分かる。また、参考例2〜4、実施例5のタイヤは、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性および耐摩耗性にも優れていることが分かる。
本発明によれば、氷上性能を十分に向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
1A,1B,1C トレッド踏面
2A,2B,2C 主溝
3A,3B,3C 横溝
4A,4B,4C ブロック
5A,5B ブロック陸部列
6C ブロック
41A 二次元サイプ
41B 三次元サイプ
41C’,41C” 三次元サイプ
42A,42B,42C 底部拡大サイプ
42A1,42B1,42C1 直線部
42A2,42B2,42C2 拡大部
43B,43C 周方向突出部
44B,44C 第1側壁部分
45B,45C 第2側壁部分
46B,46C 頂点
61C 三次元サイプ
70 ブロック
C 中央領域
E トレッド端
WC タイヤ幅方向中心線

Claims (3)

  1. タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、該主溝間および/または主溝とトレッド端間でタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝とで区画形成された複数個のブロックをトレッド部の少なくとも一部に有する空気入りタイヤであって、
    前記横溝が、タイヤ周方向に凸形状となるような1個の屈曲点をもってタイヤ幅方向に延び、
    前記ブロックが、前記横溝の凸形状に対応した形状の周方向突出部を有し、
    前記周方向突出部の頂点は、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線からオフセットして配置され、
    前記ブロックの中央領域に、タイヤ幅方向に延びて少なくとも一端が前記主溝またはトレッド端に開口し、且つ、底部に拡大部を有する少なくとも一本の底部拡大サイプを形成し、
    前記底部拡大サイプは、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線より前記周方向突出部の頂点側に位置する主溝またはトレッド端に一端が開口し、他端がブロック内で終端し、
    前記ブロックの、前記少なくとも一本の底部拡大サイプのタイヤ周方向両外側に、深さ方向に直線状に延びる二次元サイプおよび深さ方向に屈曲して延びる三次元サイプの何れか一方を形成し
    前記横溝の一部に、前記主溝よりも深さが浅い底上げ部を形成し、
    前記底上げ部は、前記横溝の、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線より前記周方向突出部の頂点側に位置する主溝またはトレッド端への開口部から、前記横溝のタイヤ幅方向中央部を超えて設けられており、且つ、前記横溝の、前記ブロックのタイヤ幅方向中心線より前記周方向突出部の頂点とは反対側に位置する主溝またはトレッド端への開口部側には設けられてないことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロックのタイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロックに形成した全てのサイプを、タイヤ回転軸線を含みブロック表面に直交する平面に投影したときのタイヤ幅方向寸法が、当該ブロックを前記平面に投影したときのタイヤ幅方向寸法と等しいことを特徴とする、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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